JP2020124090A - 異常診断方法、異常診断システム及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池モジュールの異常を正確に診断することができる異常診断方法、異常診断システム及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】n個(n:2以上の整数)の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anそれぞれは、複数の太陽電池セルを含む。n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは相互に接続されている状態で電圧を出力する。診断装置11は検出回路を有する。診断装置11は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの1つを検出回路に接続させ、検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて、出力異常があるか否かを判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、異常診断方法、異常診断システム及びコンピュータプログラムに関する。
複数の太陽電池セルが直列に接続されている太陽電池モジュールの異常を診断する構成が提案されている(特許文献1を参照)。この構成では、複数の太陽電池モジュールが直列に接続されている。複数の太陽電池モジュールに含まれる複数の太陽電池セルに太陽光が照射された場合、複数の太陽電池モジュールの直列回路から電圧が出力される。
特許文献1の構成では、複数の太陽電池モジュールの全てが直列に接続されている直列回路から出力される電圧の電圧値と、複数の太陽電池モジュール中の1つの両端が短絡され、他の太陽電池モジュールが直列に接続されている直列回路から出力される電圧の電圧値との差分電圧値を算出する。この差分電圧値は、両端が短絡されている太陽電池モジュールの両端から出力される電圧の電圧値に相当する。差分電圧値が所定電圧未満である場合、両端が短絡されている太陽電池モジュールに異常があると判定する。
太陽電池モジュールの基本特性は、太陽電池モジュールの両端間に接続された抵抗を流れる電流の電流値と、この抵抗の両端に印加される電圧の電圧値との関係を示す電流電圧特性によって評価される。このため、太陽電池モジュールの両端から出力される電圧の電圧値のみを用いて異常を診断した場合、誤った診断が行われる可能性がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、太陽電池モジュールの異常を正確に診断することができる異常診断方法、異常診断システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る異常診断方法は、それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続されている状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールの1つを、電圧値及び電流値を検出する検出回路に接続させ、前記検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、前記検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて出力異常があるか否かを判定する。
本発明の一態様に係る異常診断方法は、それぞれが複数の太陽電池セルを含む複数の太陽電池モジュールの直列回路に電圧を印加することによって、複数の太陽電池モジュールを発光させ、発光している太陽電池モジュールの画像を撮影させ、撮影された画像の画像データに基づき、太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定し、前記外観異常の種類を特定する。
本発明の一態様に係る異常診断システムは、それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続された状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールから出力される電圧値及び電流値を検出する検出回路と、前記検出回路を、前記複数の太陽電池モジュール中の1つに接続する接続部と、前記検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、前記検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて出力異常があるか否かを判定する出力異常判定部とを備える。
本発明の一態様に係る異常診断システムは、それぞれが複数の太陽電池セルを含む複数の太陽電池モジュールの直列回路と、複数の太陽電池モジュールが発光するように、前記直列回路に電圧を印加する電圧印加部と、発光している太陽電池モジュールを撮影することによって得られる画像の画像データを取得する取得部と、前記取得部が取得した画像データに基づき、太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定する外観異常判定部と、前記外観異常の種類を特定する特定部とを備える。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続されている状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールの1つを、電圧値及び電流値を検出する検出回路に接続させ、前記検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、前記検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて、太陽電池モジュールの出力異常があるか否かを判定する処理を実行させる。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、それぞれが複数の太陽電池セルを含む複数の太陽電池モジュールを発光させるべく、前記複数の太陽電池モジュールの直列回路に電圧を印加し、発光している太陽電池モジュールを撮影することによって得られる画像の画像データを取得し、撮影された画像の画像データに基づき、太陽電池モジュールの外観異常があるか否かを判定し、前記外観異常の種類を特定する処理を実行させる。
上記の態様によれば、太陽電池モジュールの異常を正確に診断することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における太陽電池システム1の要部構成を示すブロック図である。太陽電池システム1は、電圧変換装置10、診断装置11、情報処理装置12、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnを備える。ここで、nは2以上の整数である。出力用スイッチ13、診断用スイッチ14及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnそれぞれの個数は2である。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における太陽電池システム1の要部構成を示すブロック図である。太陽電池システム1は、電圧変換装置10、診断装置11、情報処理装置12、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnを備える。ここで、nは2以上の整数である。出力用スイッチ13、診断用スイッチ14及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnそれぞれの個数は2である。
太陽電池システム1では、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは直流の電圧を出力する。出力された直流の電圧は電圧変換装置10によって交流の電圧に変換される。電圧変換装置10は、変換した交流の電圧に係る交流の電力を、例えば電力網に出力する。診断装置11は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの異常を個別に診断する。診断結果に係る表示は情報処理装置12によって行われる。以下、太陽電池システム1を詳細に説明する。
太陽電池システム1では、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)は、2つの接続スイッチBkの一端に接続されている。一方の接続スイッチBkの他端に短絡スイッチCkの一端が接続されている。他方の接続スイッチBkの他端に短絡スイッチCkの他端が接続されている。従って、短絡スイッチCkの両端間に太陽電池モジュールAkが接続されている。太陽電池モジュールAkは、接続スイッチBk及び短絡スイッチCkそれぞれに対応する。短絡スイッチC1の一端は、一方の出力用スイッチ13の一端と、一方の診断用スイッチ14の一端とに接続されている。短絡スイッチC1の他端は、短絡スイッチC2の一端に接続されている。短絡スイッチC2の他端は、短絡スイッチC3の一端に接続されている。短絡スイッチC3,C4,・・・,Cnも、同様に、この順で接続される。
短絡スイッチCnの他端は、他方の出力用スイッチ13の一端と、他方の診断用スイッチ14の一端とに接続されている。2つの出力用スイッチ13の他端は電圧変換装置10に接続されている。2つの診断用スイッチ14の他端は診断装置11に接続されている。診断装置11は、更に、ネットワークNに接続されている。ネットワークNは、更に、情報処理装置12に接続されている。診断装置11は、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnを各別にオン又はオフする。
n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは屋外に設置されている。n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anには、太陽光が照射される。太陽光が太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)に照射された場合、太陽電池モジュールAkは直流の電圧を出力する。
診断装置11は、通常、出力用スイッチ13及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnをオンに維持し、診断用スイッチ14及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオフに維持している。この場合、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは、直列に接続され、直列回路を形成する。この直列回路に太陽光が照射された場合、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは、直流の電圧を、出力用スイッチ13を介して電圧変換装置10に出力する。電圧変換装置10は、入力された直流の電圧を交流の電圧に変換し、変換した電圧に係る交流の電力を、例えば、電力網に送る。
診断装置11は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの出力異常を個別に診断する。出力異常は、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)が出力した電圧及び電流に対応する電圧値及び電流値の少なくとも一方が許容範囲から外れていることに相当する。診断装置11は、診断を行う場合、出力用スイッチ13をオフし、診断用スイッチ14をオンする。診断装置11は、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の出力異常を診断する場合、接続スイッチBkをオンし、短絡スイッチCkをオフする。更に、診断装置11は、接続スイッチB1,B2,・・・,Bnの中で接続スイッチBkを除く他の接続スイッチをオフし、短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnの中で短絡スイッチCkを除く他の短絡スイッチをオンする。これにより、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で太陽電池モジュールAkのみが診断装置11に接続される。
この状態で診断装置11は、太陽電池モジュールAkの出力異常を診断する。診断装置11は、出力異常があると判定した場合、出力異常の診断結果に係るデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。情報処理装置12は、例えば、太陽光発電に関するメンテナンスを行う会社の建物内に設置されている。情報処理装置12は、診断装置11から受信したデータに係る表示を行い、太陽電池システム1のユーザに、出力異常の診断結果に関する情報を通知する。
図2は、太陽電池モジュールA1の外観及び等価回路の説明図である。図2には、太陽電池モジュールA1の正面の外観が示されている。太陽電池モジュールA1は複数の太陽電池セル20を有する。太陽電池セル20は矩形板状をなし、太陽電池セル20の前面に太陽光が照射される。複数の太陽電池セル20は、前面が連続するように格子状に配置されている。複数の太陽電池セル20の前面には、これらの前面を保護する矩形状の前面保護部材21が配置されている。
太陽電池セル20の等価回路の一例として、定電流源20a及びダイオード20bの並列回路が挙げられる。定電流源20aの電流出力端及び電流入力端それぞれに、ダイオード20bのアノード及びカソードに接続されている。太陽電池セル20に照射される太陽光の強度に変化がない場合、定電流源20aは、一定の電流を電流出力端から出力する。定電流源20aが出力する電流の電流値は、太陽光の強度が大きい程大きい。
太陽電池モジュールA1では、複数の太陽電池セル20は直列に接続されており、図2に示すように、複数の並列回路が直列に接続されている。太陽電池モジュールA1は、複数の太陽電池セル20の直列回路で表される。太陽電池モジュールA1では、1つの太陽電池セル20に係る定電流源20aの電流出力端は、隣接する太陽電池セル20に係る定電流源20aの電流入力端に接続されている。複数の太陽電池セル20の直列回路の一端は、一方の接続スイッチB1の一端に接続されている。この直列回路の他端は、他方の接続スイッチB1の一端に接続されている。太陽電池モジュールA1に太陽光が照射された場合、複数の定電流源20aから電流が出力される。
太陽電池モジュールA2,A3,・・・,Anそれぞれは、太陽電池モジュールA1と同様に構成されている。従って、太陽電池モジュールA2,A3,・・・,Anそれぞれでは、複数の太陽電池セル20及び前面保護部材21が配置され、複数の太陽電池セル20が直列に接続されている。太陽電池システム1は異常診断システムとして機能する。
前述したように、接続スイッチB1,B2,・・・,Bnがオンである場合、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anが直列回路を形成する。この直列回路では、複数の太陽電池セル20それぞれについて、定電流源20aの電流出力端は、隣接する太陽電池セル20に係る定電流源20aの電流入力端に接続されている。
図3は診断装置11の要部構成を示すブロック図である。診断装置11は、制御部30、抵抗変更部31、入力部32,33、A(Analog)/D(Digital)変換部34,35、オンオフ部36、通信部37、記憶部38及び検出回路39を有する。制御部30、抵抗変更部31、入力部32,33、オンオフ部36、通信部37及び記憶部38は内部バス40に接続されている。入力部32,33それぞれは、更に、A/D変換部34,35に接続されている。A/D変換部34,35は、更に、検出回路39に接続されている。通信部37は、更に、ネットワークNに接続されている。
検出回路39は、可変抵抗50、電圧計51及び電流計52を有する。検出回路39では、可変抵抗50の一端と電圧計51とが一方の診断用スイッチ14の他端に接続されている。可変抵抗50の他端と電圧計51とは、電流計52に接続されている。電流計52は、更に、他方の診断用スイッチ14の他端に接続されている。電圧計51及び電流計52それぞれは、更に、A/D変換部34,35に接続されている。
抵抗変更部31は、検出回路39の可変抵抗50の抵抗値を変更する。例えば、可変抵抗50は図示しない端子を有し、端子に印加されている電圧の電圧値の大きさに応じて可変抵抗50の抵抗値が変動する。この場合、抵抗変更部31は、可変抵抗50の端子に印加されている電圧の電圧値を変更することによって、可変抵抗50の抵抗値を変更する。
前述したように、診断用スイッチ14がオンである場合、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)が診断装置11、即ち、検出回路39に接続されている。太陽電池モジュールAkは、2つの診断用スイッチ14を介して検出回路39に電圧及び電流を出力する。太陽電池モジュールAkが出力した電圧は可変抵抗50の両端間に印加される。太陽電池モジュールAkが出力した電流は可変抵抗50及び電流計52を流れる。
電圧計51は、可変抵抗50の両端間の電圧値、即ち、太陽電池モジュールAkから出力される電圧の電圧値を検出する。電流計52は、可変抵抗50を介して流れる電流の電流値、即ち、太陽電池モジュールAkから出力される電流の電流値を検出する。電圧計51及び電流計52が検出する電圧値及び電流値はアナログ値である。
電圧計51は、検出したアナログの電圧値をA/D変換部34に出力する。A/D変換部34は、電圧計51から入力されたアナログの電圧値をデジタルの電圧値に変換し、変換したデジタルの電圧値を入力部32に出力する。制御部30は、入力部32からデジタルの電圧値を取得する。
電流計52は、検出したアナログの電流値をA/D変換部35に出力する。A/D変換部35は、電流計52から入力されたアナログの電流値をデジタルの電流値に変換し、変換したデジタルの電流値を入力部33に出力する。制御部30は、入力部33からデジタルの電流値を取得する。
電流計52は、検出したアナログの電流値をA/D変換部35に出力する。A/D変換部35は、電流計52から入力されたアナログの電流値をデジタルの電流値に変換し、変換したデジタルの電流値を入力部33に出力する。制御部30は、入力部33からデジタルの電流値を取得する。
可変抵抗50の抵抗値を種々の値に変更し、縦軸及び横軸それぞれが電流値及び電圧値を示す座標系に、各抵抗値に対応する電流値及び電圧値の座標をプロットする。これにより、電流電圧特性を示すグラフを作成することができる。
図4は、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の電流電圧特性のグラフである。電流電圧特性のグラフは、太陽電池モジュールAkが出力した電流及び電圧に対応する電流値及び電圧値の関係を示すグラフである。図4には、太陽電池モジュールAkが正常である正常状態のグラフと、太陽電池モジュールAkに出力異常がある出力異常状態のグラフの一例が示されている。太陽電池モジュールAkが正常状態である場合においては、太陽電池モジュールAkが出力している電圧の電圧値が低いとき、太陽電池モジュールAkが出力している電流の電流値は、殆ど変動せず、略一定である。太陽電池モジュールAkが出力している電圧の電圧値が高いとき、電圧の上昇とともに太陽電池モジュールAkが出力する電流の電流値が低下する。
また、太陽電池モジュールAkが出力異常状態である場合、一例として、太陽電池モジュールAkが出力している電圧の電圧値の上昇に比例して、太陽電池モジュールAkが出力している電流の電流値が低下する。太陽電池モジュールAk内で断線が発生した場合、太陽電池モジュールAkは電流及び電圧を出力することはない。従って、出力異常状態を示す電流電圧特性の他例として、座標系において、電流値及び電圧値がゼロである点のみがプロットされる。
電流電圧特性のグラフに基づいて、太陽電池モジュールAkに出力異常があるか否かを判定することができる。
電流電圧特性のグラフに基づいて、太陽電池モジュールAkに出力異常があるか否かを判定することができる。
図3に示すオンオフ部36は、制御部30の指示に従って、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオン又はオフする。
通信部37は、制御部30の指示に従って、種々のデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。
通信部37は、制御部30の指示に従って、種々のデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。
記憶部38は、例えば不揮発性メモリである。記憶部38には、コンピュータプログラムP1が記憶されている。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)又はTPU(Tenser Processing Unit)等の処理素子(コンピュータ)を有する。制御部30の処理素子は、コンピュータプログラムP1を実行することによって、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの異常を診断する異常診断処理を実行する。コンピュータプログラムP1は、処理素子に異常診断処理を実行させるために用いられる。なお、制御部30が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子がコンピュータプログラムP1に従って、異常診断処理を協同で実行してもよい。
なお、コンピュータプログラムP1は、制御部30が有する処理素子が読み取り可能に、記憶媒体E1に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体E1から読み出されたコンピュータプログラムP1が記憶部38に記憶される。記憶媒体E1は、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。光ディスクは、CD(Compact Disc)−ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、又は、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。磁気ディスクは、例えばハードディスクである。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP1をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP1を記憶部38に記憶してもよい。
記憶部38には、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anに関する情報が示されている情報テーブルTが記憶されている。
図5は情報テーブルTを示す図表である。情報テーブルTには、IDフィールド、オン・スイッチフィールド、オフ・スイッチフィールド及び位置フィールドが設けられている。IDフィールドには、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,AnそれぞれのID(Identification Data)が示されている。図5の例では、太陽電池モジュールA1,A2それぞれのIDとして、「001」及び「002」が示されている。
図5は情報テーブルTを示す図表である。情報テーブルTには、IDフィールド、オン・スイッチフィールド、オフ・スイッチフィールド及び位置フィールドが設けられている。IDフィールドには、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,AnそれぞれのID(Identification Data)が示されている。図5の例では、太陽電池モジュールA1,A2それぞれのIDとして、「001」及び「002」が示されている。
オン・スイッチフィールドには、検出回路39に、IDフィールドに示されているIDに対応する太陽電池モジュールを接続する場合にオンするスイッチが示されている。図5の例では、検出回路39に、IDが「001」である太陽電池モジュールA1を接続する場合にオンするスイッチとして、接続スイッチB1及び短絡スイッチC2,C3,・・・,Cnが示されている。
同様に、オフ・スイッチフィールドには、検出回路39に、IDフィールドに示されているIDに対応する太陽電池モジュールを接続する場合にオフするスイッチが示されている。図5の例では、検出回路39に、IDが「001」である太陽電池モジュールA1を変更する場合にオフするスイッチとして、接続スイッチB2,B3,・・・及び短絡スイッチC1が示されている。
なお、制御部30は、異常診断処理において情報テーブルTを参照する。制御部30が異常診断処理を実行している場合、出力用スイッチ13はオフに維持され、診断用スイッチ14はオンに維持されている。
なお、制御部30は、異常診断処理において情報テーブルTを参照する。制御部30が異常診断処理を実行している場合、出力用スイッチ13はオフに維持され、診断用スイッチ14はオンに維持されている。
位置フィールドには、IDフィールドに示されているIDに対応する太陽電池モジュールの設置位置が示されている。設置位置は、例えば、経度及び緯度の組合せで示される。
図6は異常診断処理の手順を示すフローチャートである。制御部30は、周期的に、例えば、1週間に1度、予め設定された時刻に異常診断処理を実行する。異常診断処理は、例えば、日中に実行される。
なお、制御部30は、突発的に、例えば、診断指示が図示しない入力部に入力された場合に異常診断処理を実行してもよい。
なお、制御部30は、突発的に、例えば、診断指示が図示しない入力部に入力された場合に異常診断処理を実行してもよい。
異常診断処理は、出力用スイッチ13及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnがオンであり、かつ、診断用スイッチ14及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnがオフである状態で開始される。異常診断処理では、制御部30は、まず、オンオフ部36に指示して出力用スイッチ13をオフさせる(ステップS1)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して診断用スイッチ14をオンさせる(ステップS2)。
制御部30は、ステップS2を実行した後、オンオフ部36に指示して、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で、IDフィールドに示されている1つのIDに対応する1つの太陽電池モジュールを検出回路39に接続させる(ステップS3)。ステップS3では、オンオフ部36は、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnを個別にオン又はオフすることによって、検出回路39を、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An中の1つの太陽電池モジュールを検出回路39に接続する。オンオフ部36は接続部として機能する。
前述したように、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnの中で、オンするスイッチと、オフするスイッチとは、情報テーブルTに示されている。
前述したように、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnの中で、オンするスイッチと、オフするスイッチとは、情報テーブルTに示されている。
次に、制御部30は、抵抗変更部に指示して、可変抵抗50の抵抗値を変更し(ステップS4)、入力部32,33それぞれから電圧値及び電流値を取得する(ステップS5)。前述したように、入力部32から取得する電圧値は、検出回路39に接続されている太陽電池モジュールが出力した電圧の電圧値であり、入力部33から取得した電流値は、検出回路39に接続されている太陽電池モジュールが出力した電流の電流値である。
制御部30は、ステップS5を実行した後、電圧値及び電流値の取得が完了したか否かを判定する(ステップS6)。制御部30は、例えば、取得した電圧値及び電流値の数が所定数となった場合に取得が完了したと判定する。ここで、所定数は2以上の整数である。制御部30は、取得が完了していないと判定した場合(S6:NO)、ステップS4を実行し、抵抗変更部31に指示して可変抵抗50の抵抗値を変更させる。制御部30は、電圧値及び電流値の取得が完了するまで、ステップS4,S5を繰り返し実行する。
制御部30は、取得が完了したと判定した場合(S6:YES)、今回の異常診断処理で取得した複数の電流値及び複数の電圧値に基づいて、図4に示すような電流電圧特性のグラフを作成する(ステップS7)。前述したように、各抵抗値に対応する電流値及び電圧値の座標を、縦軸及び横軸それぞれが電流値及び電圧値を示す座標系にプロットすることによって、グラフが作成される。
次に、制御部30は、ステップS7で作成したグラフに基づいて、検出回路39に接続されている太陽電池モジュールの出力異常があるか否かを判定する(ステップS8)。例えば、ステップS8では、制御部30は、ステップS7で作成したグラフが、図4の左側に示すように、電圧値が低い場合に電流値が略一定であり、かつ、電圧値が高い場合に電圧値の上昇とともに電流値が低下しているグラフであるとき、出力異常がないと判定する。制御部30は、ステップS7で作成したグラフが、図4の右側に示すようなグラフであり、太陽電池モジュールの出力が異常であるとき、出力異常があると判定する。制御部30は出力異常判定部として機能する。
制御部30は、出力異常があると判定した場合(S8:YES)、通信部37に指示して、検出回路39に接続されている太陽電池モジュールのID及び位置と、ステップS7で作成したグラフとを、ネットワークNを介して情報処理装置12へ送信させる(ステップS9)。ここで、通信部37が送信するID、位置及びグラフは、厳密には、これらを示すデータである。前述したように、各IDに対応する位置は情報テーブルTに示されている。
情報処理装置12は、例えばパーソナルコンピュータである。情報処理装置12は、通信部37からID、位置及びグラフを受信した場合、出力異常を検知する。情報処理装置12は、通信部37からID、位置及びグラフを受信した場合、受信したID、位置及びグラフを、出力異常の診断結果として、図示しないディスプレイに表示する。
図7は診断結果の表示の例示図である。図7には、2つの例が示されている。図7の上側の例では、出力異常がある太陽電池モジュールのIDと、制御部30がステップS7で作成した電流電圧特性のグラフとが示されている。情報処理装置12には、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が載っている地図の地図データが記憶されている。情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像を表示する。
図7は診断結果の表示の例示図である。図7には、2つの例が示されている。図7の上側の例では、出力異常がある太陽電池モジュールのIDと、制御部30がステップS7で作成した電流電圧特性のグラフとが示されている。情報処理装置12には、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が載っている地図の地図データが記憶されている。情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像を表示する。
図7の下側の例では、情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像の代わりに、地図データが示す地図上に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が示された画像を表示する。この画像には、出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置が矢印で示されている。情報処理装置12が図7の下側に示すように診断結果を表示する場合、情報処理装置12には、地図データの他に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの位置が記憶されている。これらの位置は、例えば、経度及び緯度の組合せである。
以上のように、出力異常がある太陽電池モジュールの電流電圧特性のグラフを表示するので、太陽電池システム1のユーザは出力異常の原因を容易に特定することができる。例えば、ユーザは断線が発生しているかどうかを判断することができる。また、出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置を地図上に表示するので、太陽電池システム1のユーザは、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で、出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置を特定することができる。
図6に示すように、制御部30は、出力異常がないと判定した場合(S8:NO)、又は、ステップS9を実行した後、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anについて、全ての診断が完了したか否かを判定する(ステップS10)。制御部30は、全ての診断が完了していないと判定した場合(S10:NO)、ステップS3を実行し、検出回路39に接続する太陽電池モジュールを、他のIDに対応する太陽電池モジュールに変更し、この太陽電池モジュールの出力異常を診断する。
制御部30は、全ての診断が完了したと判定した場合(S10:YES)、オンオフ部36に指示して、診断用スイッチ14及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオフさせる(ステップS11)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して、出力用スイッチ13及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnをオンさせる(ステップS12)。制御部30がステップS11,S12を実行することによって、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnの状態は、異常診断処理が実行される前の通常状態に戻る。制御部30は、ステップS12を実行した後、異常診断処理を終了する。
以上のように、異常診断処理では、制御部30は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anを個別に診断することができ、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)が出力する電圧の電圧値だけではなく、太陽電池モジュールAkが出力する電流の電流値にも基づいて出力異常があるか否かを判定する。このため、太陽電池モジュールAkの異常の診断が正確である。また、制御部30は、電流電圧特性のグラフに基づいて出力異常があるか否かを判定するので、出力異常の診断がより正確である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の異常は、太陽電池モジュールAkから出力される電流及び電圧に対応する電流値及び電圧値に基づいて診断される。しかしながら、太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、太陽電池モジュールAkの異常を診断してもよい。
以下では、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
実施の形態1では、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の異常は、太陽電池モジュールAkから出力される電流及び電圧に対応する電流値及び電圧値に基づいて診断される。しかしながら、太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、太陽電池モジュールAkの異常を診断してもよい。
以下では、実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
実施の形態2では、太陽電池モジュールAkに直流の電圧を印加することによって、太陽電池モジュールAkに発光させる。発光している太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、太陽電池モジュールAkに外観異常があるか否かを判定する。この判定には、発光しており、かつ、構成が太陽電池モジュールAkと同様である太陽電池モジュールの画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類及び異常領域の広さとの関係を学習した学習モデルG(図9参照)が用いられる。外観異常は、外観が正常ではないことである。
以下では、太陽電池モジュールAkの画像データが、外観異常があるか否か、外観異常の種類及び異常領域の広さについて相関関係があることを説明する。次に、学習モデルGの構成及び生成を説明する。最後に、外観異常を診断する構成を説明する。
図8は、実施の形態2における太陽電池モジュールA1及び太陽電池セル20の構成の説明図である。図8の上側には、太陽電池モジュールA1の側面が概略的に示され、図8の下側には、太陽電池セル20の外観が示されている。実施の形態1の説明で述べたように、太陽電池モジュールA1では、複数の太陽電池セル20は、前面が連続するように格子状に配置され、複数の太陽電池セル20の前面には、これらの前面を保護する矩形状の前面保護部材21が配置されている。
図8に示すように、太陽電池モジュールA1では、複数の太陽電池セル20の後面は連続しており、複数の太陽電池セル20の後面には、これらの後面を保護する矩形状の後面保護部材22が配置されている。
太陽電池セル20では、前側電極60、P型半導体層61、N型半導体層62及び後側電極63が、前側からこの順に配置されている。P型半導体層61、N型半導体層62及び後側電極63は、矩形板状をなし、積層されている。前側電極60は、P型半導体層61の前面を部分的に覆っている。前述したように、太陽光は、前側から太陽電池セル20の前面に入射される。P型半導体層61の後側、及び、N型半導体層62の前側には空乏層形成されている空乏層で太陽光は吸収され、電子及び正孔が形成される。電子は、N型半導体層62を介して後側電極63から出力される。正孔は、P型半導体層61を介して前側電極60から出力される。これにより、太陽電池セル20は電流源として機能し、前側電極60から電流が流れ、電流は後側電極63に戻る。
なお、前側電極60の形状は図8の下側に示す形状に限定されない。また、空乏層の領域を増加させるために、真性半導体層をP型半導体層61及びN型半導体層62間に配置してもよい。この場合、太陽光が、太陽電池セル20内で効率的に吸収され、太陽電池セル20は、より大きな電流及び電圧を出力する。
太陽電池モジュールA1では、太陽電池セル20の前側電極60は、他の太陽電池セル20の後側電極63に、図示しない接続線によって接続され、太陽電池セル20の後側電極63は、前側電極60に接続されている太陽電池セル20とは異なる他の太陽電池セル20の前側電極60に接続されている。これにより、複数の太陽電池セル20は直列に接続されている。複数の太陽電池セル20が電流及び電圧を出力した場合、太陽電池モジュールA1から電流及び電圧が出力される。
なお、前述したように、太陽電池モジュールA2,A3,・・・,Anそれぞれは、太陽電池モジュールA1と同様に構成されている。
なお、前述したように、太陽電池モジュールA2,A3,・・・,Anそれぞれは、太陽電池モジュールA1と同様に構成されている。
太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の製造過程では、前側電極60は、P型半導体層61の前面に印刷される。太陽電池モジュールAkの製造過程において、印刷ミスが発生し、前側電極60がP型半導体層61の前面に適切に接合していない場合、太陽電池セル20は適切に電流及び電圧を出力することができず、太陽電池モジュールAkは適切に電流及び電圧を出力することができない。
また、P型半導体層61の前面においてクラックが発生した場合、太陽電池セル20は太陽光を適切に吸収することができず、太陽電池モジュールAkは、適切に電流及び電圧を出力することができない。
また、P型半導体層61の前面においてクラックが発生した場合、太陽電池セル20は太陽光を適切に吸収することができず、太陽電池モジュールAkは、適切に電流及び電圧を出力することができない。
更に、例えば、前側電極60が腐食することによって太陽電池セル20の表面が劣化した場合も、前側電極60の導電率が低下するので、太陽電池セル20は適切に電流及び電圧を出力することはできず、太陽電池モジュールAkは適切に電流及び電圧を出力することができない。また、剥離によって前側電極60がP型半導体層61の前面から離れた場合も、太陽電池セル20は適切に電流及び電圧を出力することができず、太陽電池モジュールAkは適切に電流及び電圧を出力することができない。
以上のように、印刷ミス、クラック、表面劣化又は剥離等の外観異常は、太陽電池モジュールの出力異常を引き起こす原因の1つである。
以上のように、印刷ミス、クラック、表面劣化又は剥離等の外観異常は、太陽電池モジュールの出力異常を引き起こす原因の1つである。
前述したように、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の等価回路は図2の右側に示す等価回路と同様である。太陽電池モジュールAkにおいて、直流の電圧がダイオード20bに順方向に印加されるように、太陽電池モジュールAkに直流の電圧を印加した場合、空乏層で電子及び正孔が結合し、光を発する。この発光は、所謂、エレクトロルミネッセンス発光である。
P型半導体層61及びN型半導体層62等の半導体層の材料としてシリコンが用いられている場合においては、太陽電池モジュールAkに直流の電圧を印加したとき、近赤外線領域に属する光を発する。
P型半導体層61及びN型半導体層62等の半導体層の材料としてシリコンが用いられている場合においては、太陽電池モジュールAkに直流の電圧を印加したとき、近赤外線領域に属する光を発する。
前述したように、太陽電池モジュールAkに直流の電圧を印加することによって太陽電池モジュールAkが発光している状態で、太陽電池モジュールAkの画像を撮影する。ここで、太陽電池モジュールAkが発する光の波長領域は、撮影に係る光の波長領域に含まれる。
太陽電池モジュールAkにおいて、印刷ミス、クラック、表面劣化又は剥離等の外観異常がある場合、外観異常がある部分から出射される光の強度が正常な部分から出射される光の強度よりも弱いので、発光している太陽電池モジュールAkの画像に変化が生じる。
また、外観異常の種類に応じて、光の強度及び影の形状が異なるので、発光している太陽電池モジュールAkの画像の変化が異なる。更に、発光している太陽電池モジュールAkの画像に基づいて、外観異常がある異常領域の広さがわかる。
以上のことから、発光している太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、外観異常があるか否かの判定と、外観異常の種類及び異常領域の広さの特定とを行うことができる。
以上のことから、発光している太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、外観異常があるか否かの判定と、外観異常の種類及び異常領域の広さの特定とを行うことができる。
図9は学習モデルGの模式図である。前述したように、発光している太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、外観異常があるか否かの判定と、外観異常の種類及び異常領域の広さの特定とを行うことができる。このため、発光しており、かつ、構成が太陽電池モジュールAkと同様である太陽電池モジュールの画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類及び異常領域の広さとの関係を学習した学習モデルGを用いて、前述した判定及び特定を行うことができる。
学習モデルGは、深層学習を含む機械学習の学習モデルであり、例えば、ニューラルネットワークによって構成される。学習モデルGは、入力層70、複数の中間層71及び出力層72を有する。図9には、中間層71の数が2である例が示されている。なお、中間層71の数は3以上であってもよい。
入力層70、中間層71及び出力層72それぞれでは、一又は複数のノードが存在する。各層のノードは、前後の層に存在するノードと一方向に所望の重み及びバイアスで結合されている。入力層70のノードの数と同数の成分を有するベクトルが、学習モデルGの入力データとして入力される。学習モデルGの入力は画像データである。例えば、画像データを構成する各画素の画素値が入力層70のノードに入力される。
なお、CNN(Convolutional Neural Network)のように、入力層70にデータを入力する前に、畳み込みフィルタを含む適宜のフィルタを画像データに適用し、フィルタを適用した後に得られる各画素の画素値を入力層70に入力してもよい。
入力層70の各ノードに入力されたデータは、最初の中間層71に入力される。この中間層71において、重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出される。算出された値が次の中間層71に入力される。以下同様にして、出力層72の出力が求められるまで次々と後の層に伝達される。なお、ノード間を結合する重み及びバイアス等の各種パラメータは、誤差逆伝播法を用いて学習される。
学習モデルGの入力層70に入力する入力画像データは、直流の電圧の印加によって発光している太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の画像データである。
学習モデルGでは、発光しており、かつ、構成が太陽電池モジュールAkと同様である太陽電池モジュールの画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類、及び、異常領域の広さを示すラベルデータとを含む教師データを用いて、画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類、及び、異常領域の広さとの関係が学習されている。
中間層71では、教師データに基づき、画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類、及び、異常領域の広さとの関係が学習されている。
中間層71では、教師データに基づき、画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類、及び、異常領域の広さとの関係が学習されている。
出力層72は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で、入力画像データに係る画像に写っている太陽電池モジュールが正常である確率を出力する。更に、出力層72は、外観異常の種類及び異常領域の広さの各組合せについて、入力画像データに係る画像に写っている太陽電池モジュールの外観異常の種類及び異常領域の広さに該当する確率を出力する。
図9の例では、異常領域の広さは、太陽電池モジュールAkが有する太陽電池セル20の総数に対して、外観異常がある太陽電池セル20の個数が占める割合で示されている。例えば、太陽電池モジュールAkについて、太陽電池セル20の総数が20である場合においては、外観異常がある太陽電池セル20の個数が1つ増えたとき、異常領域の広さは5%上昇する。また、異常領域の広さが10%である場合、2つの太陽電池セル20に外観異常があることを示す。
図10はモデル生成装置8の要部構成を示すブロック図である。学習モデルGはモデル生成装置8によって生成される。モデル生成装置8は、入力部80、操作部81、記憶部82及び制御部83を有する。これらは、内部バス84に接続されている。
入力部80には、教師データが入力される。入力部80に入力された教師データは、制御部83によって取得される。教師データは、前述したように、発光しており、かつ、構成が太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)と同様である太陽電池モジュールの画像データと、外観異常があるか否か、外観異常の種類、及び、異常領域の広さを示すラベルデータとを含む。
操作部81は、キーボード又はマウス等の入力インタフェースを有する。ユーザは入力インタフェースを操作する。操作部81は、入力インタフェースにおいて行われた操作を制御部83に通知する。
記憶部82は例えば不揮発性メモリである。記憶部82には、学習モデルG及びコンピュータプログラムP2が記憶されている。
記憶部82は例えば不揮発性メモリである。記憶部82には、学習モデルG及びコンピュータプログラムP2が記憶されている。
制御部83は、CPU、GPU又はTPU等の処理素子を有する。コンピュータプログラムP2は、教師データを記憶部82に記憶する記憶処理と、学習モデルGを生成するモデル生成処理とを、制御部83が有する処理素子に実行させるために用いられる。なお、制御部83が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子がコンピュータプログラムP2に従って、記憶処理及びモデル生成処理を協同で実行してもよい。
なお、コンピュータプログラムP2は、制御部83が有する処理素子が読み取り可能に、記憶媒体E2に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体E2から読み出されたコンピュータプログラムP2が記憶部82に記憶される。記憶媒体E2は、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP2をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP2を記憶部82に記憶してもよい。
入力部80は、例えば、図示しない装置に接続され、この装置から複数の教師データが入力部80に順次出力される。制御部83は、入力部80に教師データが入力される都度、記憶処理を実行する。記憶処理では、制御部83は、入力部80に入力された教師データを、入力部80から取得し、取得した教師データを記憶部82に記憶する。その後、制御部83は記憶処理を終了する。
モデル生成処理では、教師データに含まれる画像データを学習モデルGに入力することによって得られた学習モデルGの出力に基づいて、学習モデルGの中間層71で用いられるノード間の重み及びバイアス等のパラメータを更新する。これにより、適切な学習モデルGを生成する。学習が開始される前の段階では、中間層71で用いられるノード間の重み及びバイアス等のパラメータが初期値に設定された学習モデルGが記憶部82に予め記憶されている。
図11は、モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。モデル生成装置8のユーザは、操作部81において、モデル生成処理の実行を指示する実行操作を行う。実行操作が行われた場合において、記憶部82に少なくとも1つの教師データが記憶されているとき、制御部83はモデル生成処理を実行する。
モデル生成処理では、制御部83は、まず、記憶部82に記憶されている教師データの中から1つの教師データを選択し(ステップS21)、選択した教師データに含まれる画像データを学習モデルGの入力層70に入力する(ステップS22)。これにより、入力層70に入力された画像データの画像に写っている太陽電池モジュールについて、正常である確率、外観異常の種類及び異常領域の広さの分類の確からしさを示す確率が、出力結果として、学習モデルGの出力層72から出力される。
制御部83は、ステップS22を実行した後、学習モデルGの出力層72が出力した出力結果を取得し(ステップS23)、取得した出力結果を、入力部80に入力された教師データに含まれるラベルデータに基づいて評価する(ステップS24)。具体的には、制御部83は、ステップS23で取得した出力結果と、教師データに含まれるラベルデータとに基づく誤差関数(目的関数、損失関数又はコスト関数ともいう)を用いて、出力結果を評価することができる。
次に、制御部83は、ステップS24で行った評価の結果に基づいて、中間層71で用いられるノード間の重み及びバイアス等のパラメータを更新するか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25では、例えば、制御部83は、最急降下法等の勾配降下法によって誤差関数を最適化(最小化又は最大化)する過程で、誤差関数が閾値以下(又は閾値以上)となった場合、パラメータを更新しないと判定する。例えば、制御部83は、誤差関数が閾値を超えた(又は閾値未満となった)場合、パラメータを更新すると判定する。
制御部83は、パラメータを更新すると判定した場合(S25:YES)、中間層71で用いられるパラメータを更新する(ステップS26)。制御部83は、パラメータを更新しないと判定した場合(S25:NO)、又は、ステップS26を実行した後、記憶部82に記憶されている全ての教師データを、ステップS21で選択したか否かを判定する(ステップS27)。
制御部83は、全ての教師データを選択していないと判定した場合(S27:NO)、ステップS21を再び実行する。再び実行されたステップS21では、制御部83は、選択していない教師データを選択する。
制御部83は、全ての教師データを選択したと判定した場合(S27:YES)、パラメータが更新された学習モデルGを記憶部82に記憶し(ステップS28)、記憶部82に記憶されている全ての教師データ、即ち、学習モデルGのパラメータを更新するために用いた全ての教師データを、記憶部82から削除する(ステップS29)。制御部83は、ステップS29を実行した後、モデル生成処理を終了する。
なお、共通の一又は複数の教師データを用いて、パラメータを複数回更新し、その後、ステップS28,S29を実行してもよい。この場合、正確な確率を出力する学習モデルGが生成される。
図12は太陽電池システム1aの要部構成を示すブロック図である。実施の形態2において、太陽電池システム1aは、実施の形態1における太陽電池システム1と同様に、電圧変換装置10、情報処理装置12、出力用スイッチ13及びn個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anを備える。太陽電池システム1aは、更に、診断装置11a、印加用スイッチ15及び無人航空機16を備える。実施の形態1と同様に、出力用スイッチ13の個数は2である。印加用スイッチ15の個数も2である。
n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは直列に接続されている。この直列回路では、複数の太陽電池セル20それぞれについて、定電流源20aの電流出力端は、隣接する太陽電池セル20に係る定電流源20aの電流入力端に接続されている。n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路の一端は、一方の出力用スイッチ13の一端と、一方の印加用スイッチ15の一端とに接続されている。ここで、出力用スイッチ13及び印加用スイッチ15は、太陽電池モジュールA1が有する定電流源20aの電流出力端に接続されている。
n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路の他端は、他方の出力用スイッチ13の一端と、他方の印加用スイッチ15の一端とに接続されている。ここで、出力用スイッチ13及び印加用スイッチ15は、太陽電池モジュールAnが有する定電流源20aの電流入力端に接続されている。
2つの出力用スイッチ13の他端は電圧変換装置10に接続されている。2つの印加用スイッチ15の他端は診断装置11aに接続されている。診断装置11a及び情報処理装置12はネットワークNに接続されている。
2つの出力用スイッチ13の他端は電圧変換装置10に接続されている。2つの印加用スイッチ15の他端は診断装置11aに接続されている。診断装置11a及び情報処理装置12はネットワークNに接続されている。
診断装置11aは出力用スイッチ13及び印加用スイッチ15を個別にオン又はオフする。診断装置11は、通常、出力用スイッチ13をオンに維持し、印加用スイッチ15をオフに維持している。n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは直列回路と、電圧変換装置10とは実施の形態1と同様に作用する。
診断装置11aは、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの外観異常を個別に診断する。診断装置11aは、診断を行う場合、2つの出力用スイッチ13をオフし、2つの印加用スイッチ15をオンする。この状態で、診断装置11aは、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路に直流の電圧を印加することによって、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anに発光させる。
無人航空機16は、例えばドローンである。無人航空機16は、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の画像を撮影する機能を有する。n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anが発光している状態で、診断装置11aは、無人航空機16に、飛行指示と、太陽電池モジュールAkの位置とを無線で送信する。厳密には、診断装置11aは、飛行指示を示すデータと、位置を示すデータとを送信する。無人航空機16は、飛行指示及び位置を受信した場合、受信した位置の上空に向かって飛行し、この位置の上空で、発光している太陽電池モジュールAkの画像を撮影する。無人航空機16は、撮影した画像の画像データを診断装置11aに無線で送信する。無人航空機16は、画像を撮影した後、例えば、飛行を開始する前に配置されていた場所に戻る。
なお、太陽電池モジュールAkが発する光の波長領域は、無人航空機16の撮影に係る光の波長領域に含まれている。
なお、太陽電池モジュールAkが発する光の波長領域は、無人航空機16の撮影に係る光の波長領域に含まれている。
診断装置11aは、発光している太陽電池モジュールAkの画像データに基づいて、太陽電池モジュールAkの外観異常を診断する。診断装置11aは、外観異常があると判定した場合、実施の形態1における診断装置11と同様に、外観異常の診断結果に係るデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。情報処理装置12は、診断装置11から受信したデータに係る表示を行い、太陽電池システム1aのユーザに、外観異常の診断結果に関する情報を通知する。
図13は診断装置11aの要部構成を示すブロック図である。診断装置11aは、実施の形態1における診断装置11と同様に、制御部30及びオンオフ部36を有する。診断装置11aは、更に、通信部37a、記憶部38a及び直流電源41を有する。制御部30、オンオフ部36、通信部37a及び記憶部38aは内部バス40に接続されている。直流電源41の正極は、一方の印加用スイッチ15の他端に接続されている。直流電源41の負極は、他方の印加用スイッチ15の他端に接続されている。
2つの印加用スイッチ15がオンである場合、直流電源41は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anが有するn個のダイオード20bに順方向の直流の電圧を印加し、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは発光する。
オンオフ部36は、実施の形態1と同様に、制御部30の指示に従って、出力用スイッチ13及び印加用スイッチ15をオン又はオフする。
通信部37aは、実施の形態1と同様に、制御部30の指示に従って、種々のデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。通信部37aは、更に、制御部30の指示に従って、飛行指示及び位置を無人航空機16に無線で送信する。通信部37aは、無人航空機16から画像データを無線で受信する。制御部30は、通信部37aが受信した画像データを、通信部37aから取得する。
通信部37aは、実施の形態1と同様に、制御部30の指示に従って、種々のデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。通信部37aは、更に、制御部30の指示に従って、飛行指示及び位置を無人航空機16に無線で送信する。通信部37aは、無人航空機16から画像データを無線で受信する。制御部30は、通信部37aが受信した画像データを、通信部37aから取得する。
記憶部38aは例えば不揮発性メモリである。記憶部38aには、実施の形態1と同様に、コンピュータプログラムP1及び情報テーブルTが記憶されている。実施の形態1と同様に、制御部30の処理素子は、コンピュータプログラムP1を実行することによって、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの異常を診断する異常診断処理を実行する。コンピュータプログラムP1は、処理素子に異常診断処理を実行させるために用いられる。実施の形態2における異常診断処理は、実施の形態1における異常診断処理と異なる。
記憶部38には、実施の形態1と同様に情報テーブルTが記憶されている。記憶部38には、更に、学習モデルGが記憶されている。学習モデルGは、モデル生成装置8によって生成された学習モデルである。
なお、実施の形態2における情報テーブルTでは、オン・スイッチフィールド及びオフ・スイッチフィールドは不要である。
なお、実施の形態2における情報テーブルTでは、オン・スイッチフィールド及びオフ・スイッチフィールドは不要である。
図14は異常診断処理の手順を示すフローチャートである。制御部30は、実施の形態1と同様に、周期的又は突発的に異常診断処理を実行する。実施の形態2における異常診断処理は、例えば、夜間に実行される。異常診断処理は、出力用スイッチ13がオンであり、かつ、印加用スイッチ15がオフである状態で開始される。異常診断処理では、制御部30は、まず、オンオフ部36に指示して出力用スイッチ13をオフさせる(ステップS41)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して印加用スイッチ15をオンさせる(ステップS42)。これにより、直流電源41がn個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路に直流の電圧を印加し、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは発光する。直流電源41は電圧印加部として機能する。
制御部30は、ステップS42を実行した後、通信部37aに指示して、無人航空機16に、飛行指示と、図5に示す情報テーブルTの中の1つのIDに対応する太陽電池モジュールの位置とを送信させる(ステップS43)。前述したように、太陽電池モジュールの位置は、例えば、経度及び緯度の組合せである。また、無人航空機16は、飛行指示及び位置を受信した場合、受信した位置の上空に向かって飛行し、この位置の上空で、この位置に設置されている太陽電池モジュールの画像を撮影する。このとき、この太陽電池モジュールは発光している。その後、無人航空機16は、撮影した画像の画像データを通信部37aに送信する。制御部30は、通信部37aが無人航空機16から受信した画像データを、通信部37aから取得する。制御部30は取得部として機能する。
制御部30は、ステップS43を実行した後、通信部37aが無人航空機16から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS44)。制御部30は、通信部37aが画像データを受信していないと判定した場合(S44:NO)、再びステップS44を実行し、通信部37aが画像データを受信するまで待機する。制御部30は、通信部37aが無人航空機16から画像データを受信したと判定した場合(S44:YES)、通信部37aが受信した画像データ、即ち、発光している太陽電池モジュールの画像データを、学習モデルGに入力する(ステップS45)。これにより、学習モデルGは、出力結果として、画像データの画像に写っている太陽電池モジュールが正常である確率を出力する。更に、学習モデルGは、出力結果として、外観異常の種類及び異常領域の広さの各組合せについて、入力画像データに係る画像に写っている太陽電池モジュールの外観異常の種類及び異常領域の広さに該当する確率を出力する。
制御部30は、ステップS45を実行した後、学習モデルGが出力した出力結果を取得し(ステップS46)、取得した出力結果に基づいて、通信部37aが受信した画像データに係る画像に写っている太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定する(ステップS47)。例えば、出力結果において、正常である確率が、最も高く、予め設定されている所定確率よりも高い場合、制御部30は外観異常がないと判定する。他の場合においては、制御部30は外観異常があると判定する。制御部30は外観異常判定部としても機能する。
制御部30は、外観異常があると判定した場合(S47:YES)、出力結果に基づいて、外観異常の種類及び異常領域の広さを特定する(ステップS48)。例えば、外観異常の種類及び異常領域の広さの組合せの中で、最も確率が高い組合せに対応する外観異常の種類及び異常領域の広さを、太陽電池モジュールの外観異常の種類及び異常領域の広さとして特定する。制御部30は特定部としても機能する。
次に、制御部30は、通信部37aに指示して、無人航空機16が撮影した画像の画像データと、この画像に写っている太陽電池モジュールのID及び位置と、ステップS48で特定した外観異常の種類及び異常領域の広さとを情報処理装置12へ送信させる(ステップS49)。ここで、通信部37aが送信するID、位置、外観異常の種類及び異常領域の広さは、厳密には、これらを示すデータである。
情報処理装置12は、通信部37aからID、位置、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信した場合、出力異常を検知する。情報処理装置12は、通信部37aからID、位置、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信した場合、受信したID、位置、外観異常の種類及び異常領域の広さを、異常の診断結果として、図示しないディスプレイに表示する。
図15は診断結果の表示の例示図である。図15には、2つの例が示されている。図15の上側の例では、外観異常がある太陽電池モジュールのIDと、外観異常の種類と、異常領域の広さとが示されている。情報処理装置12は、実施の形態1と同様に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が載っている地図の地図データが記憶されている。情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像を表示する。情報処理装置12は、更に、発光している太陽電池モジュールの画像を表示する。この画像は、外観異常がある太陽電池モジュールの画像である。
図15の下側の例では、情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像の代わりに、地図データが示す地図に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が示された画像を表示する。この画像には、外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置が矢印で示されている。情報処理装置12が図15の下側に示すように診断結果を表示する場合、情報処理装置12には、地図データの他に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの位置が記憶されている。これらの位置は、例えば、経度及び緯度の組合せである。
以上のように、発光している太陽電池モジュールの画像と、外観異常の種類と、異常領域の広さとを表示するので、異常の状況を容易に把握することができる。また、異常個所を容易に特定することができ、修繕を行うか否かを判断し易い。このため、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anのメンテナンスに係る費用が小さい。更に、外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置を地図上に表示するので、太陽電池システム1のユーザは、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で、外観異常がある太陽電池モジュールを視覚的に把握することができる。
図14に示すように、制御部30は、外観異常がないと判定した場合(S47:NO)、又は、ステップS49を実行した後、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anについて、全ての診断が完了したか否かを判定する(ステップS50)。制御部30は、全ての診断が完了していないと判定した場合(S50:NO)、ステップS43を実行し、通信部37aに指示して、飛行指示と、他のIDに対応する太陽電池モジュールの位置とを無人航空機16へ送信させ、この太陽電池モジュールの外観異常を診断する。
制御部30は、全ての診断が完了したと判定した場合(S50:YES)、オンオフ部36に指示して、印加用スイッチ15をオフさせる(ステップS51)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して、出力用スイッチ13をオンさせる(ステップS52)。制御部30がステップS51,S52を実行することによって、出力用スイッチ13及び印加用スイッチ15の状態は、異常診断処理が実行される前の通常状態に戻る。制御部30は、ステップS52を実行した後、異常診断処理を終了する。
以上のように、実施の形態2における異常診断処理では、制御部30は、発光している太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の画像データに基づき、太陽電池モジュールAkについて外観異常があるか否かを判定する。このため、外観異常の診断が正確である。更に、制御部30は、外観異常の種類と、異常領域の広さとを特定するので、異常に対する対応策の検討が容易である。更に、制御部30は、発光している太陽電池モジュールAkの画像データを学習モデルGに入力し、学習モデルGが出力した出力結果に基づき、太陽電池モジュールAkについて外観異常があるか否かを判定する。このため、外観異常の診断が正確である。
(実施の形態3)
実施の形態1では出力異常を診断し、実施の形態2では外観異常を診断する。しかしながら、診断する異常は、出力異常及び外観異常のいずれか一方に限定されない。
以下では、実施の形態3について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、実施の形態2と共通する構成部には実施の形態2と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
実施の形態1では出力異常を診断し、実施の形態2では外観異常を診断する。しかしながら、診断する異常は、出力異常及び外観異常のいずれか一方に限定されない。
以下では、実施の形態3について、実施の形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態1と共通している。このため、実施の形態1と共通する構成部には実施の形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。また、実施の形態2と共通する構成部には実施の形態2と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図16は、実施の形態3における太陽電池システム1bの要部構成を示すブロック図である。太陽電池システム1bは、実施の形態1における太陽電池システム1が備える構成部の中で、診断装置11を除く他の構成部を備える。これらの構成部は、実施の形態1と同様に接続されている。太陽電池システム1bは、更に、診断装置11b、2つの印加用スイッチ15及び無人航空機16を備える。診断装置11bは、実施の形態1における診断装置11と同様に接続されている。
一方の印加用スイッチ15の一端は、短絡スイッチC1の一端に接続されている。他方の印加用スイッチ15の一端は、短絡スイッチCnの他端に接続されている。診断装置11bには、更に、2つの印加用スイッチ15の他端が接続されている。
診断装置11bは、通常、出力用スイッチ13及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnをオンに維持し、診断用スイッチ14、印加用スイッチ15及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオフに維持している。この場合、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは、直列に接続され、直列回路を形成する。n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anに太陽光が照射された場合、この直列回路から直流の電圧が2つの出力用スイッチ13を介して電圧変換装置10に出力される。電圧変換装置10は実施の形態1と同様に作用する。
診断装置11bは、出力用スイッチ13をオフし、診断用スイッチ14をオンし、実施の形態1における診断装置11と同様に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anそれぞれの出力異常を診断する。診断装置11bは、出力異常があると判定した場合、診断用スイッチ14及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオフし、印加用スイッチ15及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnをオンする。2つの印加用スイッチ15の他端間には、実施の形態2と同様に、直流電源41が接続されている。このため、印加用スイッチ15がオンである場合、実施の形態2と同様に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは発光する。
診断装置11bは、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・Anが発光している状態で、無人航空機16に、出力異常がある太陽電池モジュールの画像を撮影させる。診断装置11bは、無人航空機16から送信された太陽電池モジュールの画像データに基づいて外観異常を診断する。その後、診断装置11bは、出力異常及び外観異常の診断結果に係るデータを、ネットワークNを介して情報処理装置12に送信する。情報処理装置12は、診断装置11bから受信したデータに係る表示を行い、太陽電池システム1bのユーザに、出力異常及び外観異常の診断結果に関する情報を通知する。
図17は診断装置11bの要部構成を示すブロック図である。診断装置11bは、実施の形態1における診断装置11が有する構成部の中で、通信部37及び記憶部38を除く他の構成部を有する。これらは、実施の形態1と同様に接続されている。診断装置11bは、更に、実施の形態2における診断装置11aと同様に、通信部37a、記憶部38a及び直流電源41を有する。通信部37a、記憶部38a及び直流電源41は、実施の形態2と同様に、内部バス40に接続されている。
実施の形態2と同様に、直流電源41の正極は、一方の印加用スイッチ15及び接続スイッチB1を介して、太陽電池モジュールA1の定電流源20aの電流出力端に接続され、直流電源41の負極は、他方の印加用スイッチ15及び接続スイッチBnを介して、太陽電池モジュールAnの定電流源20aの電流入力端に接続されている。従って、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び印加用スイッチ15がオンである場合において、直流電源41がn個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路に直流の電圧を印加したとき、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは発光する。
実施の形態1,2と同様に、制御部30の処理素子は、コンピュータプログラムP1を実行することによって、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの異常を診断する異常診断処理を実行する。コンピュータプログラムP1は、処理素子に異常診断処理を実行させるために用いられる。実施の形態3における異常診断処理は、実施の形態1,2における異常診断処理と異なる。記憶部38aに記憶されている学習モデルGは、実施の形態2と同様に、モデル生成装置8によって生成された学習モデルである。
図18及び図19は異常診断処理の手順を示すフローチャートである。制御部30は、実施の形態1,2と同様に、周期的又は突発的に異常診断処理を実行する。実施の形態3の異常診断処理において、制御部30が実行するステップS61〜S68,S69〜S71それぞれは、実施の形態1の異常診断処理において制御部30が実行するステップS1〜S8,S10〜S12と同様である。実施の形態3の異常診断処理において、制御部30が実行するステップS75〜S78,S80それぞれは、実施の形態2の異常診断処理において制御部30が実行するS44〜S47,S48と同様である。このため、ステップS61〜S71,S75〜S78,S80の説明を省略する。
実施の形態3における情報テーブルTには、実施の形態1と同様に、オン・スイッチフィールド及びオフ・スイッチフィールドが設けられている。実施の形態3における異常診断処理は、出力用スイッチ13及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnがオンであり、かつ、診断用スイッチ14、印加用スイッチ15及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnがオフである状態で開始される。異常診断処理のステップS69において、制御部30は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anについて、全ての診断が完了したと判定した場合、ステップS70,S71を実行する。これにより、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、印加用スイッチ15、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnの状態は、異常診断処理が実行される前の通常状態に戻る。制御部30は、ステップS71を実行した後、異常診断処理を終了する。
制御部30は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で、診断対象である太陽電池モジュールについて、出力異常があると判定した場合(S68:YES)、オンオフ部36に指示して、診断用スイッチ14及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオフさせる(ステップS72)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して、印加用スイッチ15及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnをオンさせる(ステップS73)。これにより、直流電源41がn個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路に直流の電圧を印加し、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは発光する。
制御部30は、ステップS73を実行した後、通信部37aに指示して、無人航空機16に、飛行指示と、直近のステップS68で出力異常があると判定された太陽電池モジュールのIDに対応する位置とを送信させる(ステップS74)。実施の形態1,2と同様にID及び位置は情報テーブルTに記憶されている。制御部30は、例えば、ステップS68において、IDが「001」である太陽電池モジュールについて異常があると判定した場合、情報テーブルTにおいて、「001」に対応する位置を通信部37aへ送信させる。実施の形態2と同様に、通信部37aが送信する飛行指示及び位置は、厳密には、これらを示すデータである。制御部30がステップS74を実行した場合、無人航空機16は、出力異常がある太陽電池モジュールの上空に向かって飛行し、発光しているこの太陽電池モジュールの画像を撮影し、撮影した画像の画像データを通信部37aに送信する。
制御部30は、ステップS74を実行した後、ステップS75〜S78を実行し、学習モデルGを用いた外観異常の診断を行う。制御部30は、出力異常がある太陽電池モジュールについて外観異常がないと判定した場合(S78:NO)、通信部37aに指示して、画像データ、ID、位置及びグラフを送信させる(ステップS79)。ここで、通信部37aが送信する画像データは、無人航空機16が撮影した画像、即ち、出力異常がある太陽電池モジュールの画像データである。通信部37aが送信するID及び位置は、この画像に写っている太陽電池モジュールのID及び位置である。通信部37aが送信するグラフは、ステップS67で作成され、電流電圧特性を示すグラフである。通信部37aがID、位置及びグラフは、厳密には、これらを示すデータである。
情報処理装置12は、通信部37aから画像データ、ID、位置及びグラフを受信した場合、受信した画像データ、ID、位置及びグラフを、異常の診断結果として、図示しないディスプレイに表示する。具体的な表示例としては、図7の上側又は下側の例に、図15の上側又は下側の例に示すような太陽電池モジュールの画像が追加された表示が挙げられる。ここで表示される画像は、外観異常がないと判定された太陽電池モジュールの画像である。
制御部30は、出力異常がある太陽電池モジュールについて外観異常があると判定した場合(S78:YES)、ステップS80を実行し、学習モデルGの出力結果に基づいて、外観異常の種類、及び、異常領域の広さを特定する。次に、制御部30は、通信部37aに指示して、画像データ、ID、位置、グラフ、外観異常の種類及び異常領域の広さを送信させる(ステップS81)。ここで、通信部37aが送信する画像データ、ID、位置及びグラフは、ステップS79で説明した通りである。通信部37aが送信する種類及び異常領域の広さは、ステップS78で特定した種類及び異常領域の広さである。通信部37aが外観異常の種類及び異常領域の広さは、厳密には、これらを示すデータである。
情報処理装置12は、通信部37aから画像データ、ID、位置、グラフ、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信した場合、受信した画像データ、ID、位置、グラフ、外観異常の種類及び異常領域の広さを、異常の診断結果として、図示しないディスプレイに表示する。
図20は診断結果の表示の例示図である。図20には、2つの例が示されている。図20の上側の例では、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールのIDと、外観異常の種類と、異常領域の広さとが示されている。情報処理装置12は、実施の形態1,2と同様に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が載っている地図の地図データが記憶されている。情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像を表示する。
図20の下側の例では、情報処理装置12は、地図データが示す地図上に、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置が黒点で示された画像の代わりに、地図データが示す地図上に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの設置位置が示された画像を表示する。この画像には、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置が矢印で示されている。情報処理装置12が図7の下側に示すように診断結果を表示する場合、情報処理装置12には、地図データの他に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの位置が記憶されている。これらの位置は、例えば、経度及び緯度の組合せである。
情報処理装置12は、更に、制御部30がステップS67で作成したグラフと、発光している太陽電池モジュールの画像とを表示する。この画像は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An中の1つであり、かつ、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールの画像である。
従って、実施の形態1と同様に、出力異常がある太陽電池モジュールの電流電圧特性のグラフを表示するので、太陽電池システム1のユーザは出力異常の原因を容易に特定することができる。また、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールの設置位置を地図上に表示するので、太陽電池システム1のユーザは、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの中で、出力異常及び外観異常がある太陽電池モジュールを視覚的に把握することができる。更に、実施の形態2と同様に、発光している太陽電池モジュールの画像と、外観異常の種類と、異常領域の広さとを表示するので、異常の状況を容易に把握することができる。また、異常個所を容易に特定することができ、修繕を行うか否かを判断し易い。このため、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anのメンテナンスに係る費用が小さい。
図19に示すように、ステップS79,S81の一方を実行した後、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anについて、全ての診断が完了したか否かを判定する(ステップS82)。制御部30は、全ての診断が完了していないと判定した場合(S82:NO)、オンオフ部36に指示して印加用スイッチ15をオフさせる(ステップS83)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して診断用スイッチ14をオンさせる(ステップS84)。制御部30は、ステップS84を実行した後、ステップS63を実行し、検出回路39の接続先を、他のIDに対応する太陽電池モジュールに変更し、この太陽電池モジュールの出力異常を診断する。制御部30は、ステップS68において出力異常があると判定した場合、ステップS72を実行して、太陽電池モジュールの外観異常を診断する。
制御部30は、全ての診断が完了したと判定した場合(S82:YES)、オンオフ部36に指示して、印加用スイッチ15及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnをオフさせる(ステップS85)。次に、制御部30は、オンオフ部36に指示して、出力用スイッチ13及び接続スイッチB1,B2,・・・,Bnをオンさせる(ステップS86)。制御部30がステップS85,S86を実行することによって、出力用スイッチ13、診断用スイッチ14、印加用スイッチ15、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnの状態は、異常診断処理が実行される前の通常状態に戻る。
制御部30は、ステップS86を実行した後、異常診断処理を終了する。
制御部30は、ステップS86を実行した後、異常診断処理を終了する。
以上のように、実施の形態3における異常診断処理では、制御部30は、実施の形態1と同様に出力異常を診断する。このため、実施の形態1と同様に、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの出力異常を個別に診断することができ、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)が出力する電圧及び電流に対応する電圧値及び電流値に基づいて出力異常があるか否かを判定する。このため、出力異常の診断が正確である。また、制御部30は、出力異常があると判定した場合に、発光している太陽電池モジュールの画像データに基づき、外観異常を診断するので、太陽電池システム1のユーザは、出力異常の原因として、外観異常が考えられるか否かを検討することができる。
更に、実施の形態3における異常診断処理では、制御部30は、実施の形態2と同様に外観異常を診断する。このため、実施の形態2と同様に、外観異常の診断が正確である。また、制御部30は、外観異常の種類と、異常領域の広さとを特定するので、異常に対する対応策の検討が容易である。また、制御部30は、学習モデルGが出力した出力結果に基づき、太陽電池モジュールAkについて外観異常があるか否かを判定するので、外観異常の診断が正確である。
(実施の形態4)
実施の形態3においては、出力異常及び外観異常の診断に係る処理の全ては、制御部30によって実行されている。制御部30は、出力異常及び外観異常の診断に係る処理の全てを実行しなくてもよい。
以下では、実施の形態4について、実施の形態3と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態3と共通している。このため、実施の形態3と共通する構成部には実施の形態3と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
実施の形態3においては、出力異常及び外観異常の診断に係る処理の全ては、制御部30によって実行されている。制御部30は、出力異常及び外観異常の診断に係る処理の全てを実行しなくてもよい。
以下では、実施の形態4について、実施の形態3と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施の形態3と共通している。このため、実施の形態3と共通する構成部には実施の形態3と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図21は、実施の形態4における太陽電池システム1cの要部構成を示すブロック図である。太陽電池システム1cは、実施の形態3における太陽電池システム1bが備える構成部に加えてサーバ17を更に備える。サーバ17は、ネットワークNに接続されている。実施の形態4では、診断装置11bの通信部37a(図17参照)は、更に、ネットワークNを介して、サーバ17から種々のデータを受信する。通信部37aが受信したデータは、制御部30によって取得される。また、通信部37aは、ネットワークNを介して種々のデータをサーバ17に送信する。サーバ17は、ネットワークNを介して診断装置11bと相互に通信する。診断装置11b及びサーバ17は、出力異常及び外観異常の診断に係る処理を協同で実行する。
実施の形態1〜3と同様に、診断装置11bが有する制御部30の処理素子は、コンピュータプログラムP1を実行することによって、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの異常を診断する異常診断処理を実行する。コンピュータプログラムP1は、処理素子に異常診断処理を実行させるために用いられる。実施の形態4における異常診断処理は、実施の形態1〜3における異常診断処理と異なる。
図22はサーバ17の要部構成を示すブロック図である。サーバ17は、通信部90、記憶部91及び制御部92を有する。これらは内部バス93に接続されている。通信部90は、制御部92の指示に従って、種々のデータを診断装置11bの通信部37aに送信する。通信部90は、ネットワークNを介して診断装置11bの通信部37aから種々のデータを受信する。通信部90が受信したデータは、制御部92によって取得される。
記憶部91は例えば不揮発性メモリである。記憶部91には、学習モデルG及びコンピュータプログラムP3が記憶されている。記憶部91に記憶されている学習モデルGは、実施の形態3と同様に、モデル生成装置8によって生成された学習モデルである。制御部92は、CPU、GPU又はTPU等の処理素子を有する。コンピュータプログラムP3は、出力異常を診断する出力異常診断処理と、外観異常を診断する外観異常診断処理とを、制御部92が有する処理素子に実行させるために用いられる。なお、制御部92が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子がコンピュータプログラムP3に従って、出力異常診断処理及び外観異常診断処理を協同で実行してもよい。記憶部91に記憶されている学習モデルGも、モデル生成装置8によって生成された学習モデルである。
なお、コンピュータプログラムP3は、制御部92が有する処理素子が読み取り可能に、記憶媒体E3に記憶されていてもよい。この場合、図示しない読み出し装置によって記憶媒体E3から読み出されたコンピュータプログラムP3が記憶部91に記憶される。記憶媒体E3は、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気ディスク、磁気光ディスク又は半導体メモリ等である。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部装置からコンピュータプログラムP3をダウンロードし、ダウンロードしたコンピュータプログラムP3を記憶部91に記憶してもよい。
図23及び図24は異常診断処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態1〜3と同様に、制御部30は、周期的又は突発的に異常診断処理を実行する。
以下では、実施の形態4の異常診断処理について、実施の形態3の異常診断処理と異なる点を説明する。実施の形態4の異常診断処理で実行される多くのステップの内容は、実施の形態3の異常診断処理で実行されるステップの内容と同様である。このため、実施の形態4の異常診断処理で実行されるステップの中で、実施の形態3の異常診断処理で実行されるステップと内容が同じステップには、実施の形態3と同様の番号を付してその説明を省略する。
以下では、実施の形態4の異常診断処理について、実施の形態3の異常診断処理と異なる点を説明する。実施の形態4の異常診断処理で実行される多くのステップの内容は、実施の形態3の異常診断処理で実行されるステップの内容と同様である。このため、実施の形態4の異常診断処理で実行されるステップの中で、実施の形態3の異常診断処理で実行されるステップと内容が同じステップには、実施の形態3と同様の番号を付してその説明を省略する。
制御部30は、出力異常の診断対象である太陽電池モジュールについて、電圧値及び電流値の取得が完了したと判定した場合(S66:YES)、出力異常の診断をサーバ17に依頼する第1診断依頼処理を実行する(ステップS91)。
図25は、第1診断依頼処理及び出力異常診断処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、出力異常診断処理はサーバ17の制御部92によって実行される。まず、第1診断依頼処理において、診断装置11bの制御部30は、通信部37aに指示して、今回の異常診断処理において、ステップS65を繰り返し実行することによって取得した電圧値及び電流値を、ネットワークNを介してサーバ17の通信部90へ送信させる(ステップS101)。通信部37aが送信する電圧値及び電流値は、厳密には、これらを示すデータである。サーバ17の制御部92は、出力異常診断処理において、通信部90が通信部37aから電圧値及び電流値を受信したか否かを判定する(ステップS111)。
制御部92は、通信部90が電圧値及び電流値を受信していないと判定した場合(S111:NO)、再びステップS111を実行し、通信部90が電圧値及び電流値を受信するまで待機する。制御部92は、通信部90が電圧値及び電流値を受信したと判定した場合(S111:YES)、通信部90が受信した電流値及び電圧値に基づいて、図4に示すような電流電圧特性のグラフを作成する(ステップS112)。ステップS112は、実施の形態3における異常診断処理のステップS67、即ち、実施の形態1における異常診断処理のステップS7と同様である。
次に、制御部92は、ステップS112で作成したグラフに基づいて、検出回路39に接続されている太陽電池モジュールの出力異常があるか否かを判定する(ステップS113)。この判定は、実施の形態1における異常診断処理のステップS8で実行される判定と同様に行われる。実施の形態4では、制御部92は、出力異常判定部として機能する。制御部92は、ステップS113を実行した後、通信部90に指示して、ステップS112で作成したグラフと、ステップS113の判定で得られた判定結果とを、診断装置11bの通信部37aへ送信させる(ステップS114)。通信部37aが送信するグラフ及び判定結果は、これらを示すデータである。その後、制御部92は、出力異常診断処理を終了し、再び、ステップS111を実行する。
診断装置11bの制御部30は、第1診断依頼処理において、ステップS101を実行した後、通信部37aが、サーバ17の通信部90からグラフ及び判定結果を受信したか否かを判定する(ステップS102)。制御部30は、通信部37aがグラフ及び判定結果を受信していないと判定した場合(S102:NO)、再び、ステップS102を実行し、通信部37aがグラフ及び判定結果を受信するまで待機する。制御部30は、通信部37aがグラフ及び判定結果を受信したと判定した場合(S102:YES)、第1診断依頼処理を終了し、図23に示す異常診断処理のステップS68を実行する。ステップS68では、制御部30は、通信部37aが受信した判定結果に従って、検出回路39に接続されている太陽電池モジュールの出力異常があるか否かを判定する。
診断装置11bの制御部30は、通信部37aが無人航空機16から画像データを受信したと判定した場合(S75:YES)、外観異常の診断をサーバ17に依頼する第2診断依頼処理を実行する(ステップS92)。
図26は、第2診断依頼処理及び外観異常診断処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、外観異常診断処理はサーバ17の制御部92によって実行される。制御部92は、出力異常診断処理及び外観異常診断処理を並行して実行する。
図26は、第2診断依頼処理及び外観異常診断処理の手順を示すフローチャートである。前述したように、外観異常診断処理はサーバ17の制御部92によって実行される。制御部92は、出力異常診断処理及び外観異常診断処理を並行して実行する。
第2診断依頼処理において、診断装置11bの制御部30は、通信部37aに指示して、通信部37aが無人航空機16から受信した画像データをサーバ17の通信部90へ送信させる(ステップS121)。サーバ17の制御部92は、外観異常診断処理において、通信部90が通信部37aから画像データを受信したか否かを判定する(ステップS131)。制御部92は、通信部90が通信部37aから受信した画像データを通信部90から取得する。制御部92は取得部としても機能する。
制御部92は、通信部90が画像データを受信していないと判定した場合(S131:NO)、再びステップS131を実行し、通信部90が画像データを受信するまで待機する。
制御部92は、通信部90が画像データを受信していないと判定した場合(S131:NO)、再びステップS131を実行し、通信部90が画像データを受信するまで待機する。
制御部92は、通信部90が画像データを受信したと判定した場合(S131:YES)、通信部90が受信した画像データ、即ち、発光している太陽電池モジュールの画像データを、学習モデルGに入力する(ステップS132)。次に、制御部30は、学習モデルGが出力した出力結果を取得し(ステップS133)、取得した出力結果に基づいて、通信部90が受信した画像データに係る画像に写っている太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定する(ステップS134)。ステップS132〜S134は、実施の形態3における異常診断処理のステップS76〜S78、即ち、実施の形態2における異常診断処理のステップS45〜S47と同様である。実施の形態4では、制御部92は外観異常判定部としても機能する。
次に、制御部92は、学習モデルGから取得した出力結果に基づいて、外観異常の種類及び異常領域の広さを特定する(ステップS135)。制御部は特定部としても機能する。ステップS135は、実施の形態3における異常診断処理のステップS80、即ち、実施の形態1における異常診断処理のステップS48と同様である。制御部92は、ステップS135を実行した後、通信部90に指示して、ステップS134の判定で得られた判定結果と、ステップS135で特定した外観異常の種類及び異常領域の広さとを、ネットワークNを介して診断装置11bの通信部37aへ送信させる(ステップS136)。通信部37aが送信する判定結果、外観異常の種類及び異常領域の広さは、厳密にはこれらを示すデータである。サーバ17の制御部92は、ステップS136を実行した後、外観異常診断処理を終了し、再び、外観異常診断処理のステップS131を実行する。
診断装置11bの制御部30は、第2診断依頼処理において、ステップS121を実行した後、通信部37aが、サーバ17の通信部90から判定結果、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信したか否かを判定する(ステップS122)。制御部30は、通信部37aが判定結果、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信していないと判定した場合(S122:NO)、再び、ステップS122を実行し、通信部37aが判定結果、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信するまで待機する。
制御部30は、通信部37aが判定結果、外観異常の種類及び異常領域の広さを受信したと判定した場合(S122:YES)、第2診断依頼処理を終了し、図24に示す異常診断処理のステップS78を実行する。ステップS78では、制御部30は、通信部37aが受信した判定結果に従って、通信部37aが無人航空機16から受信した画像データの画像に写っている太陽電池モジュールについて、外観異常があるか否かを判定する。
制御部30がステップS79,S81の一方を実行することによって、通信部37aが送信するグラフは、サーバ17の制御部92が出力異常診断処理のステップS112において作成したグラフである。また、制御部30がステップS81を実行することによって、通信部37aが送信する外観異常の種類及び異常領域の広さは、サーバ17の制御部92が外観異常処理のステップS135において特定した外観異常の種類及び異常領域の広さである。
以上のように、太陽電池システム1cでは、診断装置11bの制御部30と、サーバ17の制御部92とが出力異常及び外観異常の診断に係る処理を協同で実行する。太陽電池システム1cは、実施の形態3における太陽電池システム1bと同様の効果を奏する。
なお、実施の形態1〜4において、異常診断処理において、制御部30は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの全てを診断しなくてもよい。例えば、制御部30は、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An中のu個(u:n未満の自然数)の太陽電池モジュールを診断してもよい。実施の形態1,3,4における出力異常の診断において、1つの太陽電池モジュールに係る電圧値及び電流値を取得した直後に出力異常があるか否かを判定しなくてもよい。例えば、複数の太陽電池モジュールに係る電圧値及び電流値を取得し、その後、各太陽電池モジュールについて出力異常があるか否かを判定してもよい。同様に、実施の形態2〜4における外観異常の診断において、1つの太陽電池モジュールに係る画像データを取得した直後に外観異常があるか否かを判定しなくてもよい。例えば、複数の太陽電池モジュールに係る画像データを取得し、その後、各太陽電池モジュールについて外観異常があるか否かを判定してもよい。
実施の形態2〜4における外観異常の診断に関して、太陽電池モジュールの画像を所定回数、連続して撮影し、撮影された複数の画像に対応する全ての画像データが外観異常を示す場合に外観異常があると判定してもよい。所定回数は2以上である。また、1回の診断おいて、学習モデルGの入力層に入力する画像データは、2以上の画像データであってもよい。この場合、例えば、連続して撮影された複数枚の画像データが学習モデルGの入力層に入力される。更に、外観異常の診断に用いる学習モデルGの数は2以上であってもよい。この場合、例えば、外観異常の種類それぞれに対応する複数の学習モデルが用いられる。各学習モデルでは、発光しており、かつ、構成が太陽電池モジュールAkと同様である太陽電池モジュールの画像データと、外観異常があるか否か、異常領域の広さとの関係が学習されている。また、学習モデルGは、異常領域の広さを示す出力結果を出力しない学習モデルであってもよい。
実施の形態1,3,4における出力異常の診断に関して、1回の診断において、複数の電圧値及び複数の電流値を取得する一連の処理を所定回数、実行し、複数のグラフを作成してもよい。作成した全てのグラフが出力異常を示す場合、出力異常があると判定する。1回の診断において、制御部30が取得する電圧値及び電流値それぞれの数は1つであってもよい。例えば、電圧値及び電流値の許容範囲が予め定められており、診断装置11bの制御部30又はサーバ17の制御部92は、制御部30が取得した電圧値及び電流値が許容範囲にあるか否かに基づいて出力異常があるか否かを判定してもよい。この場合、可変抵抗50の抵抗値を変更する必要はない。
実施の形態1,3,4において、検出回路39は、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)が出力した電圧及び電流に対応する電圧値及び電圧値を検出する回路であればよいので、可変抵抗50、電圧計51及び電流計52を用いた回路に限定されない。例えば、検出回路39は、電圧計51の代わりに電圧センサを用いた回路、又は、電流計52の代わりに電流センサを用いた回路であってもよい。
実施の形態2〜4において、無人航空機16は、自動で操縦される構成ではなく、手動で操縦される構成であってもよい。この場合、異常診断処理において、制御部30は、通信部37aに指示して飛行指示及び位置を送信する代わりに、例えば、無人航空機16の飛行をユーザに促すメッセージを図示しないディスプレイに表示する。ユーザは、コントローラを用いて、無人航空機16を操縦し、無人航空機16に太陽電池モジュールの画像を撮影させ、撮影した画像の画像データを通信部37aへ送信させる。また、実施の形態2〜4において、発光している太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の画像を撮影する機器は、無人航空機16に限定されず、例えば、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの周辺に設置された固定カメラであってもよい。
実施の形態3,4において、日中にn個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anそれぞれの出力異常の診断を行い、夜間に出力異常がある太陽電池モジュールの外観異常の診断を行ってもよい。
また、実施の形態3,4において、出力異常の診断ではなく、外観異常の診断を先に行う構成であってもよい。この場合、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの1つについて、外観異常があると判定した場合に、外観異常があると判定された太陽電池モジュールについて出力異常を診断してもよい。この場合、夜間にn個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anそれぞれの外観異常の診断を行い、日中に外観異常がある太陽電池モジュールの出力異常の診断を行ってもよい。
更に、実施の形態1,3,4において、太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnによって構成される回路の数は2以上であってもよい。この場合、これらの回路は並列に接続される。更に、各回路に含まれる太陽電池モジュールの数は、他の1つの回路に含まれる太陽電池モジュールの数と異なっていてもよい。同様に、実施の形態2において、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anの直列回路の数は2以上であってもよい。この場合も、これらの直列回路は並列に接続される。更に、各直列回路に含まれる太陽電池モジュールの数は、他の1つの直列回路に含まれる直列回路に含まれる太陽電池モジュールの数と異なっていてもよい。
実施の形態1,3,4において、検出回路39に太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)に接続するため、接続スイッチB1,B2,・・・,Bnを用いなくてもよい。この場合、短絡スイッチCk(k=1,2,・・・,n)の両端間に太陽電池モジュールAkが直接に接続される。更に、検出回路39に太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)に接続するために用いるスイッチは、接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnに限定されず、これらの代わりに、例えば、1つの端子の接続先を、他の2つの端子中の1つに切替える複数の切替えスイッチを用いてもよい。
前述したように、実施の形態4では、サーバ17の制御部92は、外観異常の診断に係る処理の一部を行う。ここで、制御部92が行う処理は、画像データを学習モデルGに入力する処理、外観異常があるか否かを判定する判定処理、並びに、外観異常の種類及び異常領域の広さを特定する特定処理等に限定されない。例えば、制御部92は、判定処理及び特定処理を行わず、学習モデルGに画像データを入力し、学習モデルGから出力された出力結果を通信部90に指示して診断装置11bの通信部37aへ送信させてもよい。
また、実施の形態2〜4において、実施の形態2におけるモデル生成装置8がネットワークNに接続されていてもよい。この場合、モデル生成装置8は学習モデルGの再学習を行うことができる。例えば、診断装置11a,11b及びサーバ17それぞれは、学習モデルGと、発光している太陽電池モジュールの画像データと、外観異常の診断結果とをモデル生成装置8に送信する。診断結果は、正常を示すか又は外観異常の種類及び異常領域の広さを示す。モデル生成装置8は、受信した画像データ及び診断結果に基づいて、受信した学習モデルGの再学習を行い、新たな学習モデルGを画像データ等の送信元に送信する。これにより、診断装置11a,11b及びサーバ17それぞれに記憶されている学習モデルGは更新される。
実施の形態2〜4において、異常領域の広さは、太陽電池モジュールが有する太陽電池セル20の個数に対して、外観異常がある太陽電池セル20の個数が占める割合に限定されない。例えば、異常領域の広さは、太陽電池モジュールの前面の面積に対して、外観異常がある部分の面積が占める割合でもよい。
実施の形態2〜4における外観異常の診断に関して、外観異常があるか否かの判定と、外観異常の種類及び異常領域の広さの特定は、学習モデルGを用いた判定及び特定に限定されない。例えば、外観異常が写っている種々の画像データとのパターンマッチングによって、外観異常があるか否かの判定と、外観異常の種類及び異常領域の広さの特定とを行ってもよい。また、異常診断処理において、制御部30は、発光している太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)の画像データに基づいて、外観異常がある太陽電池セル20の位置を特定してもよい。更に、実施の形態3,4における外観異常の診断では、オンオフ部36が接続スイッチB1,B2,・・・,Bn及び短絡スイッチC1,C2,・・・,Cnを個別に切替えることによって、直流電源41の接続先を、出力異常がある太陽電池モジュールに切替えてもよい。この場合、出力異常があるしている太陽電池モジュールのみが発光する。
実施の形態1において、実施の形態4と同様に、サーバ17がネットワークNに接続され、サーバ17の制御部92が出力異常の診断に係る処理の一部を行ってもよい。同様に、実施の形態2において、実施の形態4と同様に、サーバ17がネットワークNに接続され、サーバ17の制御部92が外観異常の診断に係る処理の一部を行ってもよい。
実施の形態1〜4において、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,Anは実質的に直列に接続されればよい。このため、例えば、n個の太陽電池モジュールA1,A2,・・・,An中の1つに、他の太陽電池モジュールが並列に接続されていてもよい。同様に、太陽電池モジュールAk(k=1,2,・・・,n)においては、複数の太陽電池セル20は実質的に直列に接続されていてもよい。このため、例えば、直列に接続されている複数の太陽電池セル20中の1つに、他の太陽電池セル20が並列に接続されてもよい。
実施の形態1〜4で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
開示された実施の形態1〜4はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
開示された実施の形態1〜4はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1a,1b,1c 太陽電池システム(異常診断システム)
11,11a,11b 診断装置
16 無人航空機
17 サーバ
20 太陽電池セル
39 検出回路
36 オンオフ部(接続部)
30 制御部(出力異常判定部、取得部、外観異常判定部、特定部)
41 直流電源(電圧印加部)
92 制御部(出力異常判定部、取得部、外観異常判定部、特定部)
A1,A2,・・・,An 太陽電池モジュール
G 学習モデル
P1,P3 コンピュータプログラム
11,11a,11b 診断装置
16 無人航空機
17 サーバ
20 太陽電池セル
39 検出回路
36 オンオフ部(接続部)
30 制御部(出力異常判定部、取得部、外観異常判定部、特定部)
41 直流電源(電圧印加部)
92 制御部(出力異常判定部、取得部、外観異常判定部、特定部)
A1,A2,・・・,An 太陽電池モジュール
G 学習モデル
P1,P3 コンピュータプログラム
Claims (16)
- それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続されている状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールの1つを、電圧値及び電流値を検出する検出回路に接続させ、
前記検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、前記検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて出力異常があるか否かを判定する
異常診断方法。 - 複数の太陽電池モジュールそれぞれが両端間に接続されている複数のスイッチを個別にオン又はオフすることによって、前記複数の太陽電池モジュールの1つを前記検出回路に接続させる
請求項1に記載の異常診断方法。 - 前記検出回路が検出した複数の電圧値及び複数の電流値に基づき、電流値及び電圧値の関係を示す電流電圧特性のグラフを作成し、
作成したグラフに基づき、前記出力異常があるか否かを判定する
請求項1又は請求項2に記載の異常診断方法。 - 前記出力異常があると判定した場合、前記出力異常がある太陽電池モジュールの電流電圧特性のグラフを表示する
請求項3に記載の異常診断方法。 - 前記出力異常があると判定した場合、前記出力異常がある太陽電池モジュールの設置位置を地図上に表示する
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の異常診断方法。 - 前記出力異常があると判定した場合、前記出力異常がある太陽電池モジュールに電圧を印加することによって太陽電池モジュールを発光させ、
発光している太陽電池モジュールの画像を撮影させ、
撮影された画像の画像データに基づき、太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定する
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の異常診断方法。 - 発光している太陽電池モジュールの画像を無人航空機に撮影させる
請求項6に記載の異常診断方法。 - 発光している太陽電池モジュールの画像データと、前記外観異常があるか否かを示すラベルデータとを含む教師データを用いて、画像データと、前記外観異常があるか否かとの関係を学習した学習モデルに、発光している太陽電池モジュールの画像データを入力し、
前記学習モデルからの出力に基づき、前記外観異常があるか否かを判定する
請求項6又は請求項7に記載の異常診断方法。 - 発光している太陽電池モジュールの画像データと、前記外観異常があるか否か及び前記外観異常の種類を示すラベルデータとを含む教師データを用いて、画像データと、前記外観異常があるか否か及び前記種類との関係を学習した学習モデルに、発光している太陽電池モジュールの画像データを入力し、
前記学習モデルからの出力に基づき、前記外観異常の種類を特定する
請求項8に記載の異常診断方法。 - 発光している太陽電池モジュールの画像データと、前記外観異常があるか否か、前記外観異常の種類及び前記外観異常がある異常領域の広さを示すラベルデータとを含む教師データを用いて、画像データと、前記外観異常があるか否か、前記種類及び前記異常領域の広さとの関係を学習した学習モデルに、発光している太陽電池モジュールの画像データを入力し、
前記学習モデルからの出力に基づき、前記異常領域の広さを特定する
請求項9に記載の異常診断方法。 - 発光している太陽電池モジュールの画像、及び、前記外観異常の種類を表示する
請求項9又は請求項10に記載の異常診断方法。 - それぞれが複数の太陽電池セルを含む複数の太陽電池モジュールの直列回路に電圧を印加することによって、複数の太陽電池モジュールを発光させ、
発光している太陽電池モジュールの画像を撮影させ、
撮影された画像の画像データに基づき、太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定し、
前記外観異常の種類を特定する
異常診断方法。 - それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続された状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールと、
太陽電池モジュールから出力される電圧値及び電流値を検出する検出回路と、
前記検出回路を、前記複数の太陽電池モジュール中の1つに接続する接続部と、
前記検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、前記検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて出力異常があるか否かを判定する出力異常判定部と
を備える異常診断システム。 - それぞれが複数の太陽電池セルを含む複数の太陽電池モジュールの直列回路と、
複数の太陽電池モジュールが発光するように、前記直列回路に電圧を印加する電圧印加部と、
発光している太陽電池モジュールを撮影することによって得られる画像の画像データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した画像データに基づき、太陽電池モジュールに外観異常があるか否かを判定する外観異常判定部と、
前記外観異常の種類を特定する特定部と
を備える異常診断システム。 - コンピュータに、
それぞれが複数の太陽電池セルを含み、相互に接続されている状態で電圧を出力する複数の太陽電池モジュールの1つを、電圧値及び電流値を検出する検出回路に接続させ、
前記検出回路が検出した電圧値及び電流値に基づき、前記検出回路に接続されている太陽電池モジュールについて、太陽電池モジュールの出力異常があるか否かを判定する
処理を実行させるためのコンピュータプログラム。 - コンピュータに、
それぞれが複数の太陽電池セルを含む複数の太陽電池モジュールを発光させるべく、前記複数の太陽電池モジュールの直列回路に電圧を印加し、
発光している太陽電池モジュールを撮影することによって得られる画像の画像データを取得し、
撮影された画像の画像データに基づき、太陽電池モジュールの外観異常があるか否かを判定し、
前記外観異常の種類を特定する
処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
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2019
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