JP2020123784A - 共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法 - Google Patents

共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PUシステムが優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステムへの使用許可の管理を簡易に行い、共用周波数の利用効率の低下を抑制する。【解決手段】共用周波数管理システムは、第1無線システムにより主に使用される共用周波数帯の周波数の第2無線システムとの共用を管理し、第1無線システムによる共用周波数帯の周波数を用いた第1無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値となる第1領域の境界を示す第1ボーダーに関する第1ボーダー情報を入力する入力部と、第2無線システムによる共用周波数帯の周波数を用いた第2無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値となる第2領域の境界を示す第2ボーダーに関する第2ボーダー情報を導出する導出部と、第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第2無線システムに対する共用周波数帯の周波数の共用許可条件を決定する許可条件決定部と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法に関する。
昨今、5G(第5世代移動通信方式)の通信仕様の検討が進められているが、この5Gでの使用が想定されている周波数帯を既存の無線システムと新規の無線システムとで共用することが検討されつつある。つまり、既存の無線システムがほぼ独占的に使用している周波数帯を新規の無線システムにも一部利用を促すことで、全体的に周波数の利用効率を上げる仕組みが検討されている。以下の明細書において、既存の無線システムを「PU(Primary User)システム」、新規の無線システムを「SU(Secondary User)システム」と称する。周波数共用の条件としては、SUシステムの周波数利用によりPUシステムが干渉による影響を受けないことが考えられる。
この条件を満足するために、第1のアプローチとして、第三者的な共用周波数の管理機構がPUシステムの無線機およびSUシステムの無線機のそれぞれの位置情報を基にして周波数共用による干渉計算を行い(図7参照)、この計算結果を基にしてSUシステムへの利用許可する条件(例えば周波数、送信電力)を決定してSUシステムに通知する方式が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、非特許文献1では、第2のアプローチとして、共用周波数がどの程度の受信レベルで各位置において観測されるかを膨大数のセンサ(例えば一般人のスマートフォン等の無線端末)での受信レベル測定結果を収集してデータベース化することで、上述した干渉計算に比較して実際の建物等の影響を考慮した環境(位置)ごとの受信レベルのデータベースを構築することが開示されている(図8参照)。このデータベースを運営管理する管理機構は、データベースを参照して、SUシステムに対し、そのSUシステムの位置に応じて共用周波数の利用条件を通知する。
Takeo FUJII et al., "Smart Spectrum for Future Wireless World", The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers, IEICE TRANS. COMMUN., VOL.E100-B, NO.9 September 2017
しかし、上述した第1のアプローチでは、PUシステムの無線機とSUシステムの無線機との間での干渉計算量が膨大となり、管理機構側の計算処理に相当の高い負荷がかかる。また、実際の測定との誤差を小さく抑えて干渉量を求めるためには、PUシステムの無線機とSUシステムの無線機との間あるいは周囲の建物等の存在を考慮しなくてはならないが、建物等の存在を考慮すると干渉計算が一層膨大となり現実的ではない。一方で、建物等の存在を考慮することを回避してSUシステムの無線機からPUシステムへの無線機への干渉量を過小評価しないために、無線機間の電波経路を見通し伝搬路(つまり自由空間伝搬)と仮定して干渉計算することも考えられる。この方法では、SUシステムはPUシステムから大変に遠くに離れた位置にしか存在することが許されないため、元々の目的である周波数共用による周波数有効利用の程度が低下してしまう。
また上述した第2のアプローチでは、データベース作成に膨大数の無線センサを要する。一般人のスマートフォンによる干渉レベルセンシングおよび測定値報告に依存する方法で専用の無線センサの所要数を削減することも考えられているが、どの程度に一般人のスマートフォンの協力が得られるかは不確かであり、またスマートフォンの存在密度の過疎を考慮すると、スマートフォンに依存する方法はデータベース作成の手段としての確実性に欠けることが課題と考えられる。また、上述した第1および第2のアプローチにおいては、複数のSUシステムのそれぞれは近郊に存在することは十分に考えられる。このため、各SUシステムへの共用周波数の利用許可条件を判定する際、各SUシステムに対して使用許可される周波数が細かく分割される可能性が高くなることによって、各SUシステムでの許可周波数利用の稼働が実際にどうであるかによらず分割損が発生する。分割損とは、例えばPUシステムとの干渉計算としてSUシステムに使用許可できた共用周波数が第1のキャリア周波数、第2のキャリア周波数、第3のキャリア周波数、第4のキャリア周波数であったとする。この場合に、第1のSUシステムに第1のキャリア周波数、第2のSUシステムの第2のキャリア周波数、第3のSUシステムに第3,第4のキャリア周波数の使用がそれぞれ割り当てられたところ、第2のSUシステムの第2のキャリア周波数の使用率がたとえ低くても、他のSUシステム(つまり第1,第3のSUシステム)は第2のキャリア周波数を使うことができないという課題である。
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、煩雑な干渉計算を必要とせず、PUシステムが優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステムへの使用許可の管理を簡易に行い、共用周波数の利用効率の低下を抑制する共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法を提供することを目的とする。
本開示は、第1無線システムにより主に使用される共用周波数帯の周波数の第2無線システムとの共用を管理する共用周波数管理システムであって、前記第1無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第1無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値となる第1領域の境界を示す第1ボーダーに関する第1ボーダー情報を入力する入力部と、前記第2無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第2無線信号の送信に基づく受信レベルが前記規定値となる第2領域の境界を示す第2ボーダーに関する第2ボーダー情報を導出する導出部と、前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第2無線システムに対する前記共用周波数帯の周波数の共用許可条件を決定する許可条件決定部と、を備える、共用周波数管理システムを提供する。
また、本開示は、第1無線システムにより主に使用される共用周波数帯の周波数の第2無線システムとの共用を管理する共用周波数管理方法であって、前記第1無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第1無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値となる第1領域の境界を示す第1ボーダーに関する第1ボーダー情報を入力するステップと、前記第2無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第2無線信号の送信に基づく受信レベルが前記規定値となる第2領域の境界を示す第2ボーダーに関する第2ボーダー情報を導出するステップと、前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第2無線システムに対する前記共用周波数帯の周波数の共用許可条件を決定するステップと、を有する、共用周波数管理方法を提供する。
本開示によれば、煩雑な干渉計算を必要とせず、PUシステムが優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステムへの使用許可の管理を簡易に行え、共用周波数の利用効率の低下を抑制できる。
第1ボーダーB1、第2ボーダーB2、第3ボーダーB3の概念を示す図 実施の形態1に係る共用周波数管理システムの内部構成例を示すブロック図 実施の形態1に係る共用周波数管理システムの動作手順を時系列に示すシーケンス図 図3および図6のステップSt6の詳細な動作手順を時系列に示すフローチャート 実施の形態2に係る共用周波数管理システムの内部構成例を示すブロック図 実施の形態2に係る共用周波数管理システムの動作手順を時系列に示すシーケンス図 従来技術による第1のアプローチに対応する共用周波数管理システムの構成図 従来技術による第2のアプローチに対応する共用周波数管理システムの構成図
(実施の形態1の内容に至る経緯)
先ず、本開示に係る共用周波数管理システムの前提となる従来技術として、2種類のアプローチによる共用周波数管理の考え方について図7および図8を参照して説明する。図7は、従来技術による第1のアプローチに対応する共用周波数管理システムの構成図である。図8は、従来技術による第2のアプローチに対応する共用周波数管理システムの構成図である。
[従来技術による第1のアプローチ]
図7に示す共用周波数管理システムは、PUシステム101と、共用周波数管理装置102と、複数(例えばN:2以上の整数)個のSUシステム1031,…,103Nとを含む構成である。PUシステム101と共用周波数管理装置102とは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。同様に、共用周波数管理装置102とそれぞれのSUシステム1031〜103Nとは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。
PUシステム101は、所定の共用周波数帯の周波数を主にあるいはほぼ独占的に使用可能に割り当てられたシステム運用者(いわゆるプライマリユーザ)により運用の制御がなされる無線システムである。PUシステム101は、PUシステム101の運用に必要な1機以上の送信機(図示略)および受信機(図示略)を保有しており、PUシステム101の運用に必要なPUシステム情報を保持している。ここで、PUシステム情報は、例えば送信機位置、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅および送信電力等の送信に関わる情報と、受信機位置および受信感度等の受信に関わる情報とを含む。
共用周波数管理装置102は、PUシステム送信機情報格納部201と、PUシステム受信機情報格納部202と、地形建物地理データ保持部203と、SUシステム送信機情報格納部204と、SUシステム受信機情報格納部205と、PU−TX→PU−RX干渉計算部206と、PU−TX→SU−RX干渉計算部207と、SU−TX→PU−RX干渉計算部208と、SU−TX→SU−RX干渉計算部209と、許可対象周波数共用条件決定部210とを含む構成である。
SUシステム1031〜103Nのそれぞれは、PUシステム101が主にあるいはほぼ独占的に使用可能な所定の共用周波数帯の周波数の一部を条件付きで使用することを共用周波数管理装置102に申請する無線システムである。SUシステム1031〜103Nは、SUシステム1031〜103Nのそれぞれの運用に必要な1機以上の送信機(図示略)および受信機(図示略)を保有しており、SUシステム1031〜103Nのそれぞれの運用に必要なSUシステム情報を保持している。ここで、SUシステム情報は、例えば送信機位置、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅および送信電力等の送信に関わる情報と、受信機位置および受信感度等の受信に関わる情報とを含む。
従来技術による第1のアプローチでは、共用周波数管理装置102は、PUシステム101からのPUシステム内の送信機に関する情報をPUシステム送信機情報格納部201に保存し、PUシステム101からのPUシステム内の受信機に関する情報をPUシステム受信機情報格納部202に保存する。同様に、共用周波数管理装置102は、SUシステム1031〜103NのそれぞれからのSUシステム内の送信機に関する情報をSUシステム送信機情報格納部204に保存し、SUシステム1031〜103NのそれぞれからのSUシステム内の受信機に関する情報をSUシステム受信機情報格納部205に保存する。共用周波数管理装置102は、地形建物地理データ保持部203から地理情報を読み出し、この地理情報を用いて各種の干渉計算を、PU−TX→PU−RX干渉計算部206、PU−TX→SU−RX干渉計算部207、SU−TX→PU−RX干渉計算部208およびSU−TX→SU−RX干渉計算部209のそれぞれにおいて実行する。
例えば、PU−TX→PU−RX干渉計算部206では、PUシステム101の送信機からPUシステム101の受信機までの信号の伝搬路における干渉計算が行われる。同様に、PU−TX→SU−RX干渉計算部207では、PUシステム101の送信機からSUシステム1031〜103Nのそれぞれの受信機までの信号の伝搬路における干渉計算が行われる。同様に、SU−TX→PU−RX干渉計算部208では、SUシステム1031〜103Nのそれぞれの送信機からPUシステム101の受信機までの信号の伝搬路における干渉計算が行われる。同様に、SU−TX→SU−RX干渉計算部209では、
SUシステム1031〜103Nのそれぞれの送信機からSUシステム1031〜103Nのそれぞれの受信機までの信号の伝搬路における干渉計算が行われる。
許可対象周波数共用条件決定部210では、上述した各種の膨大な干渉計算の結果に基づいて、SUシステム1031〜103Nのそれぞれにおいて使用可能な共用周波数帯の周波数の使用に関する周波数共用条件(許可情報)がそれぞれのSUシステムに通知される。
このような従来技術による第1のアプローチでは、PUシステム101の無線機(例えば送信機あるいは受信機。以下同様)とSUシステム1031〜103Nのそれぞれの無線機(例えば送信機あるいは受信機。以下同様)との間での干渉計算量が膨大となり、共用周波数管理装置102の計算処理に相当の高い負荷がかかる。また、実際の測定との誤差を小さく抑えて干渉量を求めるためには、PUシステム101の無線機とSUシステム1031〜103Nのそれぞれの無線機との間あるいは周囲の建物等の存在を考慮しなくてはならないが、建物等の存在を考慮すると干渉計算が一層膨大となり現実的ではない。一方で、建物等の存在を考慮することを回避してSUシステム1031〜103Nのそれぞれの無線機からPUシステム101への無線機への干渉量を過小評価しないために、無線機間の電波経路を見通し伝搬路(つまり自由空間伝搬)と仮定して干渉計算することも考えられる。この方法では、SUシステム1031〜103NのそれぞれはPUシステム101から大変に遠くに離れた位置にしか存在することが許されないため、元々の目的である周波数共用による周波数有効利用の程度が低下してしまう。また、第1のアプローチにおいて、近郊に存在する複数のSUシステム間の干渉を回避するように各SUシステムへの共用周波数の使用許可条件を判定する際、各SUシステム1031〜103Nのそれぞれに対して使用許可される周波数が細かく分割される可能性が高くなることによって、各SUシステム1031〜103Nのそれぞれでの許可周波数利用の稼働が実際にどうであるかによらず分割損が発生する。このため、元々の目的である周波数共用による周波数有効利用の程度が分割損によっても低下してしまう。
[従来技術による第2のアプローチ]
図8に示す共用周波数管理システムは、PUシステム101と、共用周波数管理装置102Aと、複数(例えばN:2以上の整数)個のSUシステム1031,…,103Nと、複数の無線センサ1041,1042,…とを含む構成である。図8の説明において、図7に示される構成と同一の構成については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。無線センサ1041,1042〜と共用周波数管理装置102Aとは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。同様に、共用周波数管理装置102AとそれぞれのSUシステム1031〜103Nとは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。一方、PUシステム101と共用周波数管理装置102Aとは、互いにデータあるいは情報の送受信は不可である。
共用周波数管理装置102Aは、PUシステムの周波数利用状況DB211と、SUシステムの送信機位置近傍でのPUシステム受信電力判定部212と、許可対象周波数共用条件決定部213とを含む構成である。
無線センサ1041,1042〜のそれぞれは、PUシステム101による無線サービスの享受が可能となる通信エリアの各地点に配置される。無線センサ1041,1042〜は、例えば設置型無線センサ、PUシステム101の通信エリア内を移動し得る不特定多数の一般ユーザのそれぞれが所持するスマートフォン、あるいはPUシステム101の通信エリア内を移動し得る不特定多数の一般ユーザのそれぞれが乗車する車両内の車載無線センサである。無線センサ1041,1042〜は、それぞれ配置された地点におけるPUシステム101による無線サービスにより送信される信号の受信電力を測定し、その電波センサの位置情報を含む測定結果と受信された信号の周波数情報とを対応付けた報告内容を共用周波数管理装置102Aに送る。
従来技術による第2のアプローチでは、共用周波数管理装置102Aは、無線センサ1041,1042〜のそれぞれから送信されてくる報告内容(具体的には、無線センサの位置情報を含む受信電力の測定結果と受信された信号の周波数情報)を受信すると、図8に示す受信電力マップを生成する。この受信電力マップは、PUシステム101の通信エリア全体に対して例えば20[m]×20[m]の小エリアごとに生成され、その小エリア内での受信信号の周波数ごとの受信電力の測定結果を2次元的に示すヒートマップである。共用周波数管理装置102Aは、受信電力マップを生成する度に都度更新してPUシステムの周波数利用状況DB211に保存する。
SUシステムの送信機位置近傍でのPUシステム受信電力判定部212は、SUシステム1031〜103NのそれぞれからPUシステム101が主にあるいはほぼ独占的に使用可能な共用周波数帯の周波数の一部の使用申請を含むSUシステム情報(図7参照)を、SUシステム1031〜103Nのそれぞれから受け取る。SUシステムの送信機位置近傍でのPUシステム受信電力判定部212は、SUシステム1031〜103NのそれぞれのSUシステム情報に基づいて、対応するSUシステムの使用対象エリアにおけるPUシステム101の受信電力の測定結果を取得して許可対象周波数共用条件決定部213に出力する。
許可対象周波数共用条件決定部213では、SUシステムの送信機位置近傍でのPUシステム受信電力判定部212からの出力に基づいて、SUシステム1031〜103Nのそれぞれにおいて使用可能な共用周波数帯の周波数の使用に関する周波数共用条件(許可情報)がそれぞれのSUシステムに通知される。
このような従来技術による第2のアプローチでは、実際に測定された受信電力の実測値に基づいて共用周波数帯の周波数の使用可否が判定されるので、第1のアプローチに比べると高精度な状況把握が可能と推察される。しかしながら、第2のアプローチでは、データベース作成に膨大数の無線センサを要する。一般人のスマートフォンによる干渉レベルセンシングおよび測定値報告に依存する方法で専用の無線センサの所要数を削減することも考えられているが、どの程度に一般人のスマートフォンの協力が得られるかは不確かであり、またスマートフォンの存在密度の過疎を考慮すると、スマートフォンに依存する方法はデータベース作成の手段としての確実性に欠けることが課題と考えられる。また、第2のアプローチにおいて、近郊に存在する複数のSUシステム間の干渉を回避するように各SUシステムへの共用周波数の利用許可条件を判定する際、各SUシステム1031〜103Nのそれぞれに対して使用許可される周波数が細かく分割される可能性が高くなることによって、各SUシステム1031〜103Nのそれぞれでの許可周波数利用の稼働が実際にどうであるかによらず分割損が発生する。このため、第1のアプローチと同様に、元々の目的である周波数共用による周波数有効利用の程度が分割損によって低下してしまう。
そこで、以下の実施の形態では、煩雑な干渉計算を必要とせず、PUシステムが優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステムへの使用許可の管理を簡易に行い、共用周波数の利用効率の低下を抑制する共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法の構成および作用を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長化することを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
以下、共用周波数管理システムにより周波数の共用がなされる周波数帯(以下「共用周波数帯」という)は、20GHz以上の周波数とし、例えば現在日本国内に数千程度しかない固定無線アクセスシステム(FWA:Fixed Wireless Access)用に割り当てられている高周波数帯である25〜27GHz帯あるいは固定衛星電気通信業務に割り当てられている高周波数帯である27〜29.5GHzを例示する。これらの周波数は、電波の届く距離が例えば100m程度で小さく、建物等の遮蔽物を回折したり透過したりしにくい特性を有する。これらの共用周波数帯は、現在5G(第5世代移動通信方式)において使用が想定されており、後発ユーザであるセカンダリユーザが運用するSUシステムの通信エリアでの無線通信に適している周波数帯と考えることができる。例えば26GHz帯の固定無線アクセスシステムでは、帯域幅(BW:band width)が60MHzで、26個のキャリア周波数が存在している。この場合には、キャリア周波数fの序数を示すkは1〜26の整数値のいずれかとなる。
以下の実施の形態では、共用周波数管理システムは、PUシステムの送信電力に基づく無線信号の時間帯および場所ごとの受信電力分布を把握する。共用周波数の使用においては、送信された無線信号の受信電力がPUシステムの受信感度となる境界(第1ボーダー、図1参照)の内側に対して、SUシステムの送信電力がPUシステムの受信感度以上の干渉を与えないことが遵守するべき制限事項となる。第1ボーダーの詳細は後述するが、キャリア周波数fごとに異なる。
また、例えば26GHz帯の周波数を屋内で使用する予定のSUシステムでは、SUシステムに対応した無線通信が可能な送信機および受信機(アクセスポイントも含む)の存在可能エリアは、SUシステムの無線サービスが受けられる既定の限定エリアとなる(第3ボーダー、図1参照)。このような限定エリアは、例えば会社敷地、大学キャンパス、病院、遊園地、工場、建設現場、駅、あるいは数百世帯が暮らすスマートタウン等であり、これらは例示的に列挙したものであり、限定されない。第3ボーダーの詳細は後述するが、第3ボーダーは、SUシステムの無線サービスが受けられる限定エリア(言い換えると、閉空間エリア)の境界線を示す。
従って、共用周波数管理システムは、第3ボーダー内に存在するSUシステムの送信電力に基づく無線信号の時間帯および場所ごとの受信電力を、SUシステムの閉空間エリアの周辺に設置された1つ以上の電波センサ(図1参照)での測定結果として用いたデータベースとして構築することで、SUシステムに使用許可が可能な共用周波数帯の周波数の有無を計算により判別できる。なお、電波センサは、第3ボーダーの近くに配置されることが好ましい。また、共用周波数管理システムは、上述した計算において、SUシステムの送信電力に基づく無線信号の時間帯および場所ごとの受信電力がPUシステムの受信感度となる位置の境界(第2ボーダー、図1参照)を把握することで、効率的な計算を行うことができる。すなわち、実施の形態1では、上述した第1ボーダー、第2ボーダー、第3ボーダーの概念を導入することにより、PUシステムが主にあるいはほぼ独占的に使用可能に割り当てられた共用周波数帯の周波数の一部をSUシステムに使用することを許可していいか否かの判定を、上述した従来技術による第1のアプローチおよび第2のアプローチに比べてかなり簡易的に実行できる。
図1は、第1ボーダーB1、第2ボーダーB2、第3ボーダーB3の概念を示す図である。図1では、説明を分かり易くするために、2種類のPUシステムPU1,PU2が示されているが、実施の形態1においてPUシステムの数は2つに限定されないことは言うまでもない。
先ず、第1ボーダーB1について説明する。
実施の形態1に係る共用周波数管理システムは、図1に示すPUシステムPU1,PU2のそれぞれにおいて使用される無線方式に関する情報(例えば送信点位置、キャリア周波数(f)もしくはキャリア周波数(f)番号、帯域幅、送信電力)に基づいて、PUシステムPU1,PU2のそれぞれの送信機から送信される無線信号(第1無線信号の一例)の受信電力が受信感度となる複数の受信点位置を常時把握する。ここで、受信感度(規定値の一例)とは、無線通信が成立する最小の受信電力であり、以下同様である。PUシステムからキャリア周波数fの無線信号が送信された場合に、上述した複数の隣接する受信点位置同士を結線した境界線を「第1ボーダー」と称し、便宜的に「B1(f)」と表記することがある。
次に、第2ボーダーB2について説明する。
実施の形態1に係る共用周波数管理システムは、SUシステムSU1において使用予定の無線方式に関する情報(例えば限定エリア位置情報、キャリア周波数(f)もしくはキャリア周波数(f)番号、帯域幅、送信電力、後述する電波センサで測定された受信電力)に基づいて、SUシステムSU1の送信機Txから送信される無線信号(第2無線信号の一例)の受信電力がPUシステム(例えばPUシステムPU2)の受信感度となる複数の受信点位置を常時把握する。SUシステムSU1からキャリア周波数fの無線信号が送信された場合に、上述した複数の隣接する受信点位置同士を結線した境界線を「第2ボーダー」と称し、便宜的に「B2(f)」と表記することがある。ここで、SUシステムSU1の送信機Txから上述した受信点位置Ciまでの電波の伝搬距離を、「d」と表記する。
なお、図1において、第2ボーダーB2により囲まれる領域とPUシステムPU2に対応する第1ボーダーB1により囲まれる領域との間には重複する交差エリアSが存在しているが、第2ボーダーB2により囲まれる領域とPUシステムPU1に対応する第1ボーダーB1により囲まれる領域との間には上述した交差エリアSが存在していない。
最後に、第3ボーダーB3について説明する。
第3ボーダーB3は、SUシステムSU1の無線サービスが受けられる限定エリア(例えば上述にて例示列挙した大学キャンパス等)の境界線である。実施の形態1では、第3ボーダーB3の周囲に1つ以上の電波センサ341,342,343,344がそれぞれ配置される。電波センサ341〜344のそれぞれは、SUシステムSU1の送信機Txからの送信電力に基づく無線信号の受信電力を測定してSUシステムSU1に報告する。また、電波センサ341〜344のそれぞれは、実際にSUシステムSU1に対して使用許可が与えられたキャリア周波数fを用いた無線信号の受信電力が共用周波数使用条件許可にて規定された受信電力を遵守しているか否かのモニタリングを行う。ここで、SUシステムSU1の送信機Txから電波センサ(例えば電波センサ344)までの電波の伝搬距離を、「d」と表記する。この伝搬距離「d」は、詳細は後述するが、第2ボーダーB2に対応する伝搬距離「d」の計算において用いる。
次に、実施の形態1に係る共用周波数管理システムの構成例について、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る共用周波数管理システムの内部構成例を示すブロック図である。実施の形態1に係る共用周波数管理システムは、PUシステム1と、共用周波数管理装置2と、SUシステム3と、1つ以上の電波センサ341〜344(図1参照)とを含む構成である。電波センサ341〜344のそれぞれは、SUシステム3内に含まれる構成としてもよい。PUシステム1と共用周波数管理装置2とは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。同様に、共用周波数管理装置2とSUシステム3とは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。なお、説明を分かり易くするために、図1にはSUシステム3は1つだけ図示されているが、複数のSUシステムが設けられてもよい。
第1無線システムの一例としてのPUシステム1は、所定の共用周波数帯の周波数(例えば20GHz〜30GHz帯)を主にあるいはほぼ独占的に使用可能に割り当てられたシステム運用者(いわゆるプライマリユーザ)により運用の制御がなされる無線システムである。PUシステム1は、PUシステム1の運用に必要な1機以上のPU送信機11、メモリ12およびPU受信機13を保有している。つまり、PU送信機11およびPU受信機13のそれぞれは、PUシステム1の提供する無線サービスの実行に用いられる。メモリ12は、PUシステム1の運用に必要なPUシステム情報を格納している。ここで、PUシステム情報は、例えばPU送信機11の設置位置を示す送信機位置、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅および送信電力等の送信に関わる情報と、PU受信機13の設置位置を示す受信機位置および受信感度等の受信に関わる情報とを含む。
共用周波数管理装置2は、B1導出部21と、B2導出部22と、許可対象周波数共用条件決定部23と、メモリ24と、地形建物地理データ保持部25と、通信インターフェース回路26とを含む構成である。B1導出部21と、B2導出部22と、許可対象周波数共用条件決定部23とは、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプロセッサPRC1を用いて構成され、プロセッサPRC1がメモリ24に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能的に構成される。共用周波数管理装置2の構成の詳細については後述する。プロセッサPRC1は、共用周波数管理装置2の動作を司るコントローラとして機能し、共用周波数管理装置2の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、共用周波数管理装置2の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサPRC1は、メモリ24に記憶されたプログラムに従って動作する。プロセッサPRC1は、動作時にメモリ24を使用し、プロセッサPRC1により生成されたデータをメモリ24に格納する。
第2無線システムの一例としてのSUシステム3は、PUシステム1が主にあるいはほぼ独占的に使用可能な所定の共用周波数帯の周波数(例えば20GHz〜30GHz帯)の一部を条件付きで使用することを共用周波数管理装置2に申請する無線システムである。SUシステム3は、SUシステム3のそれぞれの運用に必要な1機以上のSU送信機31、メモリ32およびSU受信機33を保有している。つまり、SU送信機31およびSU受信機33のそれぞれは、SUシステム3の提供する無線サービスの実行に用いられる。メモリ32は、SUシステム3の運用に必要なSUシステム情報を保持している。ここで、SUシステム情報は、例えば、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅、送信電力を少なくとも含む。また、SUシステム情報は、SUシステム3の無線サービスが受けられる限界エリアの境界線を示す第3ボーダーB3、電波センサ(例えば電波センサ344)での受信電力の測定結果を更に含んでよい。
センサの一例としての電波センサ341〜344のそれぞれは、SUシステム3のSU送信機31からの送信電力に基づく無線信号の受信電力を測定してSUシステム3に報告する。また、電波センサ341〜344のそれぞれによる受信電力の測定は、例えば、共用周波数管理装置2からSUシステム3に対して実際に使用許可が与えられたキャリア周波数fを用いた無線信号の受信電力が共用周波数使用条件(後述参照)にて規定された受信電力を遵守しているか否かのモニタリング用に行われてよい。
ここで、共用周波数管理装置2の構成の詳細について説明する。
B1導出部21は、PUシステム1から送られたPUシステム情報を、通信インターフェース回路26を介して取得して把握する。B1導出部21は、地形建物地理データ保持部25から地理情報を読み出し、この地理情報とPUシステム情報とを用いて、キャリア周波数fに対応する第1ボーダーに関する第1ボーダー情報の一例としてのB1(f)を導出する。上述したように、B1(f)は、PUシステム1からキャリア周波数fの無線信号が送信された場合に、その無線信号の受信電力がPUシステム1の受信感度(上述参照)となる受信点同士を結線した境界線を示す。言い換えると、B1導出部21は、第1ボーダーB1により囲まれる領域(第1領域の一例)の位置情報を導出することができる。B1導出部21は、導出された第1ボーダー情報を許可対象周波数共用条件決定部23に出力する。
導出部の一例としてのB2導出部22は、SUシステム3から送られたSUシステム情報を、通信インターフェース回路26を介して取得して把握する。このSUシステム情報には、例えば、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅、送信電力、SUシステム3の無線サービスが受けられる限界エリアの境界線を示す第3ボーダーB3、電波センサ(例えば電波センサ344)での受信電力の測定結果が含まれる。B2導出部22は、SUシステム情報を用いて、キャリア周波数fに対応する第2ボーダーに関する第2ボーダー情報の一例としてのB2(f)を計算(後述参照)により導出する。上述したように、B2(f)は、SUシステム3からキャリア周波数fの無線信号が送信された場合に、その無線信号の受信電力がPUシステム1の受信感度(上述参照)となる受信点同士を結線した境界線を示す。言い換えると、B2導出部22は、第2ボーダーB2により囲まれる領域(第2領域の一例)の位置情報を導出することができる。B2導出部22は、導出された第2ボーダー情報を許可対象周波数共用条件決定部23に出力する。
入力部の一例としての許可対象周波数共用条件決定部23は、B1導出部21からの第1ボーダー情報(B1(f))とB2導出部22からの第2ボーダー情報(B2(f))とを入力する。許可対象周波数共用条件決定部23は、第1ボーダー情報(B1(f))とB2導出部22からの第2ボーダー情報(B2(f))とを用いて、SUシステム3に対する共用周波数帯の周波数に関する共用周波数使用条件(共用許可条件の一例)を決定する。つまり、許可条件決定部の一例としての許可対象周波数共用条件決定部23は、キャリア周波数fのSUシステム3への使用許可を与えてよいか否かの判定結果を、通信インターフェース回路26を介してSUシステム3に送信する。
メモリ24は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を用いて構成され、共用周波数管理装置2の動作の実行に必要なプログラム、更には、動作中に生成されたデータあるいは情報を一時的に保存する。RAMは、例えばプロセッサPRC1の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、例えばプロセッサPRC1を制御するためのプログラムを予め記憶する。
地理データ保持部の一例としての地形建物地理データ保持部25は、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)を用いて構成され、PUシステム1およびSUシステム3の設置されるエリアにおける地形情報および建物情報を含む地理情報を記憶している。
通信インターフェース回路26は、共用周波数管理装置2が接続されるネットワーク網(例えばイントラネットあるいはインターネット)との間でデータあるいは情報の送受信を行うための通信回路を用いて構成される。通信インターフェース回路26は、上述したネットワーク網に接続されるPUシステム1およびSUシステム3との間でデータもしくは情報の送受信を行う。通知部の一例としての通信インターフェース回路26は、許可対象周波数共用条件決定部23により決定された共用周波数使用条件を該当するSUシステム3に通知する。
ここで、B2導出部22における第2ボーダー情報(B2(f))を導出するための計算例について、詳細に説明する。実施の形態1において、第2ボーダー情報(B2(f))を導出することは、SUシステム3の第3ボーダーB3内の位置(例えばSU送信機31が配置される送信点位置)からの無線信号(第2無線信号の一例)の受信電力がPUシステム1の受信感度まで低下する伝搬距離dを導出することと同義となる。B2導出部22が伝搬距離dを導出する方法は次の4通りが考えられる。以下の計算例の説明において、共通に用いるパラメータとして、PUシステム1での無線サービスにおいて使用される帯域幅Bを60[MHz]、キャリア周波数fを26000[MHz]、伝搬距離dでの受信CNR(Carrier to Noise ratio)を0[dB]、雑音指数Nを6[dB]としている。
(第1計算方法)理想的な電波の伝搬環境において電波伝搬損失式を適用する方法
第1計算方法では、理想的な電波の伝搬環境が想定されているので、B2導出部22は、電波センサでの受信電力の測定結果を使用しない。SUシステム3からの無線信号(第2無線信号の一例)の送信電力Pを30[dBm]とする。
電波伝搬損失式として、伝搬損失Lは数式(1)により示される。数式(1)において、αは電波伝搬減衰係数であり、LOS(Line Of Sight)環境(つまり見通し環境)では2.0程度、NLOS(Non Line Of Sight)環境では3.0〜4.0程度となる。fはキャリア周波数[MHz]である。Aは付加損失[dB]である。伝搬距離d2を過小評価しないためには、α=2.0、A=0と仮定することができる。
Figure 2020123784
また、数式(2)に示すように、送信電力Pと伝搬損失Lとの差分は、SU受信機33の位置における受信信号の受信CNRと雑音レベルと評価できる。
Figure 2020123784
従って、B2導出部22は、数式(1)および数式(2)のそれぞれに、キャリア周波数f=26000[MHz]、電波伝搬減衰係数α=2.0、付加損失A=0[dB]、
帯域幅Bを60[MHz]、受信CNR=0[dB]、kT=−174[dBm/Hz]、雑音指数Nを6[dB]を代入すると、伝搬距離d≒1000[m]と算出できる。つまり、電波伝搬減衰係数α=2.0、付加損失A=0[dB]のように過小評価しなければ、伝搬距離d2はこのように大きな値となる。
(第2計算方法)実環境において電波センサでの受信電力の実測値を電波伝搬損失式に適用して計算する方法
第2計算方法では、B2導出部22は、実環境において電波センサでの受信電力の実測値(測定結果)を使用する。SU送信機31の送信点位置から伝搬距離dの位置に相当する第3ボーダーB3上の位置(例えば図1の電波センサ344の設置位置)における受信電力をR、SU送信機31の送信点位置から伝搬距離dの位置に相当する第2ボーダーB2上の位置(例えば図1の受信点位置Ci)における受信電力をRとする。
この場合、受信電力R,Rのそれぞれについて数式(1)および数式(2)を適用すると、次の数式(3)および数式(4)が成り立つ。数式(4)では、受信電力Rを雑音レベルと想定している。B2導出部22は、数式(3)の付加損失Aと数式(4)の付加損失Aとはともに同一の一定値(つまり(第1計算方法)のようにA=0とはしない)であると仮定することで、(第1計算方法)の想定よりも実際的な現実環境に適合する伝搬距離dを推定できる。
Figure 2020123784
Figure 2020123784
つまり、数式(3)および数式(4)において、付加損失A=付加損失Aと仮定することにより、次の数式(5)が得られる。数式(5)において、伝搬距離dを過小評価しないための電波伝搬減衰係数α,αは次のような仮定となり、α=2.0、α>2.0(例えばα=3.0)となる。
Figure 2020123784
従って、B2導出部22は、計算例として伝搬距離d=10[m]での電波センサの測定した受信電力Rが−70[dBm]だとすると、数式(5)に代入することで、伝搬距離d≒324[m]と算出できる。
(第3,第4計算方法)電波伝搬減衰係数α,αを(第2計算方法)の想定値と異なる値を適用して計算する方法
第3,第4計算方法では、B2導出部22は、第2計算方法での電波伝搬減衰係数α,αの想定値よりも一層現実的な環境に即した想定値を用いる。例えば、伝搬損失LはSUシステム3の限定エリア内(言い換えると、比較的短距離)での電波の伝搬損失であるため、伝搬損失Lに対応する電波伝搬減衰係数αは、3.0よりも小さい(言い換えると、見通し伝搬路に近い)値と考えることができる。一方で、伝搬損失LはSUシステム3の限定エリア外(言い換えると、比較的長距離)での電波の伝搬損失であるため、伝搬損失Lに対応する電波伝搬減衰係数αは、2.0よりは大きい値と考えることができる。
そこで、第3計算方法では、B2導出部22は、α=3.0、α=3.0と仮定すると、伝搬距離d=10[m]での電波センサの測定した受信電力Rが−70[dBm]を数式(5)に代入して使用することで(第2計算方法参照)、伝搬距離d≒47[m]と算出できる。
同様にして、第4計算方法では、B2導出部22は、α=2.0、α=3.0と仮定すると、伝搬距離d=10[m]での電波センサの測定した受信電力Rが−70[dBm]を数式(5)に代入して使用することで(第2計算方法参照)、伝搬距離d≒22[m]と算出できる。
このように、B2導出部22が伝搬距離dを算出するには、伝搬距離d1と受信電力R1とは測定値を使用し、更に、電波伝搬減衰係数α1,α2はともに仮定値を使用して数式(5)に代入すればよい。ここで、表(1)には、伝搬距離d[m]、受信電力R[dBm]、電波伝搬減衰係数α,α、伝搬距離d[m]、電力(P−A)[dBm]との関係が示されている。表(1)に示されるように、伝搬距離dの値は、電波伝搬減衰係数α,αの仮定値の組み合わせに大きく依存することが分かる。なお、電力(P−A)は、数式(3)から導出可能となっており、送信電力から伝搬路に遮蔽物が挿入された場合の損失を減算した値のイメージである。
つまり、比較的に近距離の電波伝搬となるSUシステム3の送信機Txの配置箇所である送信点から電波センサ(例えば電波センサ344)の設置位置までの伝搬距離dの電波伝搬減衰係数αはLOS環境としての2.0を採用し、比較的に長距離の電波伝搬となるSUシステム3の送信機Txの配置箇所である送信点から電波の受信電力が雑音レベルまで減衰する伝搬距離dの電波伝搬減衰係数αはNLOS環境としての3.0を採用したとする。
この場合、B2導出部22により導出される伝搬距離dは(第1計算方法)〜(第4計算方法)の中で最も小さい値として算出される。この値が最も現実的な値と一見考えられるが、SUシステム3の開設者が想定している無線サービスの使用環境等によっては必ずしもこの最も小さい値を伝搬距離dとして採用することが妥当ではないことも十分考えられる。このため、SUシステム3の開設者は、例えば少なくとも無線サービスの開始前に、計算により得られた伝搬距離dのいずれが最も実際の環境に即しているかを実測あるいはシミュレーション等によって測定することが好ましい。この上で、B2導出部22が第2ボーダーB2を導出するために伝搬距離dを算出する際には、SUシステム3の限定エリアの周辺で1つ以上の電波センサ341〜344のそれぞれを用いた受信電力の測定を送信機Txの配置箇所である送信点からの伝搬距離をパラメータとして測定で求めることで、電波伝搬減衰係数α,αを決めることがより適切である。
Figure 2020123784
実際には、電波センサの設置場所(つまり送信機Txの配置箇所である送信点から伝搬距離d)における受信電力R(測定値)を測定することは定期的(例えば1時間に1回)に実施したとしても大した作業とはならないが、第2ボーダーB2の存在を具現化するために必要な伝搬距離d(つまり、PUシステム1への影響がない受信電力まで減衰する送信機Txの配置箇所である送信点からの距離)を測定するのはかなり大変な作業となる。ましてや伝搬距離dを定期的に行うのはかなり大変な作業となるので、実施の形態1では、電波センサ等を用いた測定ではなく、上述した計算式を用いて伝搬距離dを算出することに帰着させた点が特徴的な技術要素となっている。
しかし、伝搬距離dを導出するための計算式において、伝搬距離dの算出に影響の大きい電波伝搬減衰係数α、αを適当に仮定する(例えばα=2.0、α=3.0)のでは、次のようなリスクがある。具体的には、伝搬距離dを過小評価するリスク(つまり、αを実際の環境に即した値より小さめ、αを実際の環境に即した値より大きめにそれぞれ仮定した場合)や、伝搬距離dを過大評価する無駄(つまり、αを実際の環境に即した値より大きめ、αを実際の環境に即した値より小さめにそれぞれ仮定した場合)が発生するリスクがある。
そこで、上述したように、SUシステム3の開設者は、SUシステム3の限定エリア(言い換えると、第3ボーダーB3により囲まれるエリア内)の送信機Txの配置箇所である送信点からの伝搬距離をパラメータとして変化させて受信電力を測定する作業を少なくとも一回は実施し、その測定結果を基にして、電波伝搬減衰係数αおよびαの値を実際の測定で求めることを行うことが適切である。
従って、伝搬距離dを過小評価するリスク回避を、伝搬距離dを過大評価する無駄が発生するリスク回避よりも重視すべきであるので、測定で得られる値よりも電波伝搬減衰係数αは少し大きく、電波伝搬減衰係数αは少し小さく値を決定するようにすべきである。例えば測定でα=2.08、α=3.23となった場合に、そのまま数式(5)に代入するのではなく、α=2.2、α=3.0を数式(5)で使用すれば、伝搬距離dを実際よりも大きめに算出することになる。言い換えると、これにより、SUシステム3からの干渉がPUシステム1に悪影響を及ぼしてはならないという前提条件をより確実に遵守することにつながる。
一方で、PUシステム1の第1ボーダーB1とSUシステム3の第2ボーダーB2とが明らかに離れている(例えば図1に示す交差エリアSが生じていない)場合、伝搬距離dを過大評価する無駄が発生するリスクがあることは承知の上で、α=3.0、α=2.0を採用して伝搬距離dを算出しまってもよい。この場合には、電波伝搬減衰係数αの導出のための測定作業が不要となる。
次に、実施の形態1に係る共用周波数管理システムの動作手順について、図3および図4を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る共用周波数管理システムの動作手順を時系列に示すシーケンス図である。図4は、図3のステップSt6の詳細な動作手順を時系列に示すフローチャートである。
図3において、PUシステム1は、PUシステム情報(例えばPU送信機11の設置位置を示す送信機位置、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅および送信電力等の送信に関わる情報と、PU受信機13の設置位置を示す受信機位置および受信感度等の受信に関わる情報)を共用周波数管理装置2に送る(St1)。
共用周波数管理装置2は、ステップSt1において送られたPUシステム情報を受信し、地形建物地理データ保持部25から地理情報を読み出す。共用周波数管理装置2は、この地理情報とPUシステム情報とを用いて、キャリア周波数fに対応する第1ボーダーに関する第1ボーダー情報の一例としてのB1(f)をB1導出部21において導出する(St2)。
SUシステム3は、SUシステム3のSU送信機31からの送信電力に基づく無線信号の送信に応じて、限定エリアでの近傍に配置された1つ以上の電波センサ341〜344のそれぞれにおいて上述した無線信号の受信電力を測定する(St3)。SUシステム3は、ステップSt3での受信電力の測定結果を含むSUシステム情報(例えばキャリア周波数、帯域幅、送信電力、SUシステム3の限界エリアの境界線を示す第3ボーダー情報)を共用周波数管理装置2に送る(St4)。
共用周波数管理装置2は、ステップSt4において送られたSUシステム情報を受信し、このSUシステム情報を用いて、キャリア周波数fに対応する第2ボーダー情報の一例としてのB2(f)を計算(例えば、上述した第1計算方法〜第4計算方法のうちいずれか参照)によりB2導出部22において導出する(St5)。共用周波数管理装置2は、第1ボーダー情報(B1(f))とB2導出部22からの第2ボーダー情報(B2(f))とを用いて、SUシステム3に対する共用周波数帯の周波数に関する共用周波数使用条件を決定する(St6)。共用周波数管理装置2は、ステップSt6において決定された共用周波数使用条件をSUシステム3に通知する(St7)。
SUシステム3は、ステップSt7において共用周波数管理装置2から通知された共用周波数使用条件に従って、SUシステム3の無線サービスにおいて共用周波数を使用することができる(St8)。
次に、ステップSt6の共用周波数使用条件の決定に関する共用周波数管理装置2の動作の詳細について、図4を参照して説明する。図4に示す処理は、例えば共用周波数管理装置2の許可対象周波数共用条件決定部23により実行され、共用周波数帯のうち着目するキャリア周波数fkに対応した共用周波数使用条件の決定処理であり、同じ共用周波数帯のうち他のキャリア周波数に対応した共用周波数使用条件の決定処理は同様にして繰り返して実行される。つまり、共用周波数管理装置2は、共用周波数帯のキャリア周波数を順に掃引するように、図4に示す共用周波数使用条件の決定処理を繰り返す。
図4において、共用周波数管理装置2は、PUシステム情報とSUシステム情報とを用いて、第1ボーダーB1(f)の内側(つまり、PUシステム1の無線サービスが享受される通信エリア内)に第2ボーダーB2(f)が存在するか否かを判定する(St6−1)。共用周波数管理装置2は、第1ボーダーB1(f)の内側に第2ボーダーB2(f)が存在しないと判定した場合には(St6−1、NO)、現在着目しているキャリア周波数fを第3ボーダーB3の範囲内で使用可能と判断する(St6−2)。これは、第1ボーダーB1(f)の内側に第2ボーダーB2(f)が存在しないために、SUシステム3が現在着目しているキャリア周波数fを用いた無線サービスを提供しても、PUシステム1の無線サービスに対する受信感度以上の干渉を与えにくいと考えられるためである。この後、現在着目しているキャリア周波数fに対応する共用周波数使用条件の決定処理は終了し、次に着目しているキャリア周波数fに対応する共用周波数使用条件の決定処理が同様にして実行される。
一方、共用周波数管理装置2は、第1ボーダーB1(f)の内側に第2ボーダーB2(f)が存在したと判定した場合には(St6−1、YES)、第1ボーダーB1(f)の内側に存在する第2ボーダーB2(f)との交差エリア(重複エリア)をS(f)と設定する(St6−3)。
共用周波数管理装置2は、PUシステム情報とSUシステム情報とを用いて、交差エリアS(f)内にPUシステム1のPU受信機13が存在するか否かを判定する(St6−4)。共用周波数管理装置2は、交差エリアS(f)内にPUシステム1のPU受信機13が存在しないと判定した場合には(St6−4、NO)、同様に現在着目しているキャリア周波数fを第3ボーダーB3の範囲内で使用可能と判断する(St6−2)。これは、PUシステム1の運用中にPUシステム1のPU送信機11からの無線信号が受信されるPU受信機13がそもそも交差エリアS(f)内に存在しないために、SUシステム3が現在着目しているキャリア周波数fを用いた無線サービスを提供しても、PUシステム1の無線サービスに対する受信感度以上の干渉を与えにくいと考えられるためである。この後、現在着目しているキャリア周波数fに対応する共用周波数使用条件の決定処理は終了し、次に着目しているキャリア周波数fに対応する共用周波数使用条件の決定処理が同様にして実行される。
一方、共用周波数管理装置2は、交差エリアS(f)内にPUシステム1のPU受信機13が存在すると判定した場合には(St6−4、YES)、交差エリアS(f)内のPUシステム1のPU受信機13の位置までの伝搬距離dを、数式(3)および数式(4)を参照することで、第1ボーダーB1(f)の外側の任意の位置まで短縮するために必要な送信電力(P−ΔP)を計算する(St6−5)。共用周波数管理装置2は、現在着目しているキャリア周波数fを、第3ボーダーB3の範囲内でステップSt6−5において計算された低減後の送信電力(P−ΔP)の使用を前提にすれば可能と判断する(St6−6)。これは、PUシステム1の運用中にPUシステム1のPU送信機11からの無線信号が受信されるPU受信機13がそもそも交差エリアS(f)内に存在しているので、SUシステム3が現在着目しているキャリア周波数fを用いた無線サービスを提供する際にはSUシステム3の電波がPUシステム1の無線サービスに対する受信感度以上の干渉を与えないよう、SUシステム3のSU送信機31からの送信電力を低減しなければならないと考えられるためである。この後、現在着目しているキャリア周波数fに対応する共用周波数使用条件の決定処理は終了し、次に着目しているキャリア周波数fに対応する共用周波数使用条件の決定処理が同様にして実行される。
以上により、実施の形態1に係る共用周波数管理システムでは、共用周波数管理装置2は、PUシステム1により主に使用される共用周波数帯の周波数のSUシステム3との共用を管理する。共用周波数管理装置2は、PUシステム1による共用周波数帯の周波数を用いた無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値(例えば受信感度)となる第1領域の境界を示す第1ボーダーB1に関する第1ボーダー情報を導出する。共用周波数管理装置2は、SUシステム3による共用周波数帯の周波数を用いた無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値(例えば受信感度)となる第2領域の境界を示す第2ボーダーB2に関する第2ボーダー情報を導出する。共用周波数管理装置2は、第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、SUシステム3に対する共用周波数帯の周波数の共用周波数使用条件を決定する。
これにより、共用周波数管理装置2は、上述した従来技術による第1のアプローチにおいて示した煩雑な干渉計算を必要とせず、PUシステム1が優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステム3への使用許可の管理を簡易に行える。また、共用周波数管理装置2は、上述した従来技術による第2のアプローチにおいて示した構築が大変な困難を要する受信電力マップの構築を行うことなく、PUシステム1およびSUシステム3による共用周波数帯の周波数の共用の手順を簡素化して周波数共用の実現可能性を向上できる。また、共用周波数管理装置2は、SUシステム3がPUシステム1に対してPUシステム1の電波による受信感度以上の干渉を与えることを抑制できるので、PUシステム1が使用する共用周波数帯の周波数の一部をSUシステム3に開放的に使用許可することで、PUシステム1とSUシステム3との間で共用周波数帯の周波数の利用効率の低下を抑制できる。
また、共用周波数管理装置2は、共用周波数帯の周波数ごとに共用周波数使用条件を決定する。これにより、共用周波数管理装置2は、共用周波数帯(例えば20GHz〜30GHz帯)の複数のキャリア周波数のそれぞれごとにSUシステム3に使用許可が与えられるか否かを判定できるので、相対的にSUシステム3に使用を許可できるキャリア周波数の存在を担保し易くできる。
また、共用周波数管理装置2は、SUシステム3が使用される局所エリア(例えば限定エリア)の周囲に設置される電波センサ341〜344のそれぞれでのSUシステム3からの無線信号の受信電力を含む、SUシステム3の通信方式に関する情報を用いて、第2ボーダー情報を導出する。これにより、共用周波数管理装置2は、SUシステム3から放射される電波がSUシステム3の限定エリアの境界近辺で測定された受信電力の実測値を用いるので、PUシステム1に干渉を与えずかつSUシステム3の実運用環境に適合した電波の伝搬距離を導出できる。
また、共用周波数管理装置2は、共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数(例えば着目しているキャリア周波数f)に対応する第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第1ボーダーB1と第2ボーダーB2との重複領域が存在しないと判定した場合に、SUシステム3が使用される局所エリア(例えば限定エリア)内での特定周波数の使用を許可すると判定する。これにより、共用周波数管理装置2は、SUシステム3から放射される電波がPUシステム1の通信エリア内に存在するPU受信機13に対して干渉等の悪影響を及ぼす可能性が低いと判断できる。従って、共用周波数管理装置2は、その着目しているキャリア周波数の使用をSUシステム3に許可してもPUシステム1の共用周波数の使用を妨害することにならず、SUシステム3に対する周波数の共用を効果的に促進できる。
また、共用周波数管理装置2は、共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数(例えば着目しているキャリア周波数f)に対応する第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第1ボーダーB1と第2ボーダーB2との重複領域が存在しかつ重複領域内にPUシステム1に対応したPU受信機13が配置されていないと判定した場合に、SUシステム3が使用される局所エリア(例えば限定エリア)内での特定周波数の使用を許可すると判定する。これにより、共用周波数管理装置2は、交差エリアS(f)が存在してもその交差エリア内にPU受信機13が存在しないため、SUシステム3から放射される電波がPUシステム1の通信エリア内に存在するPU受信機13に対して干渉等の悪影響を及ぼす可能性が実質的に低いと判断できる。従って、共用周波数管理装置2は、その着目しているキャリア周波数の使用をSUシステム3に許可してもPUシステム1の共用周波数の使用を実質的に妨害することにならず、SUシステム3に対する周波数の共用を効果的に促進できる。
また、共用周波数管理装置2は、共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数(例えば着目しているキャリア周波数f)に対応する第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第1ボーダーB1と第2ボーダーB2との重複領域が存在しかつ重複領域内にPUシステム1に対応したPU受信機13が配置されていると判定した場合に、SUシステム3が使用される局所エリア(例えば限定エリア)内での特定周波数の使用を、その局所エリアでのSUシステム3からの無線信号の送信電力を所定量低減することを前提として許可すると判定する。これにより、共用周波数管理装置2は、SUシステム3から放射される電波が第1ボーダーB1より外側までしか伝搬しない程度の送信電力に低減できるので、SUシステム3から放射される電波がPUシステム1の通信エリア内に存在するPU受信機13に対して干渉等の悪影響を及ぼす可能性を低減できる。従って、共用周波数管理装置2は、その着目しているキャリア周波数の使用を、SUシステム3に対して第1ボーダーB1の外側までしか電波の伝搬をさせない程度の送信電力の使用を条件として許可してもPUシステム1の共用周波数の使用を実質的に妨害することにならず、SUシステム3に対する周波数の共用を効果的に促進できる。
また、共用周波数管理装置2は、PUシステム1からの無線信号が受信されるエリアの地形および建物の有無を示す地理情報を保持する地形建物地理データ保持部25を更に備える。共用周波数管理装置2は、PUシステム1の通信方式に関する情報と地形建物地理データ保持部25から読み出した地理情報とを用いて、第1ボーダー情報を導出する。これにより、共用周波数管理装置2は、PUシステム1から放射される電波が伝搬する伝搬路に存在する地形や建物等の地理情報を加味して受信電力が受信感度となる第1ボーダーB1を実際の環境に即して適応的に導出できる。
また、共用周波数管理装置2は、共用周波数使用条件をSUシステム3に通知する。これにより、SUシステム3は、共用周波数管理装置2により決定された共用周波数使用条件に基づいて、PUシステム1に受信感度以上の受信電力となる干渉を与えない程度に、共用周波数使用条件において規定された共用周波数(キャリア周波数)の使用が可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、PUシステム1とSUシステム3との間で、第三者的な共用周波数管理装置2がSUシステム3により申請される共用周波数の使用可否を判定する。実施の形態2では、第三者的な共用周波数管理装置2の構成を省き、PUシステム1とSUシステム3とが直接にやり取りする共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法の例を説明する。
実施の形態2に係る共用周波数管理システムの構成において、実施の形態1に係る共用周波数管理システムの構成と同一の構成については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図5は、実施の形態2に係る共用周波数管理システムの内部構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係る共用周波数管理システムは、PUシステム1Aと、SUシステム3Aと、1つ以上の電波センサ341〜344(図1参照)とを含む構成である。PUシステム1とSUシステム3とは、互いにデータあるいは情報の送受信が可能である。なお、説明を分かり易くするために、図1にはSUシステム3は1つだけ図示されているが、複数のSUシステムが設けられてもよい。
第1無線システムの一例としてのPUシステム1Aは、所定の共用周波数帯の周波数(例えば20GHz〜30GHz帯)を主にあるいはほぼ独占的に使用可能に割り当てられたシステム運用者(いわゆるプライマリユーザ)により運用の制御がなされる無線システムである。PUシステム1Aは、PUシステム1Aの運用に必要な1機以上のPU送信機11、メモリ12、PU受信機13、B1導出部14および地形建物地理データ保持部25Aを保有している。B1導出部14は、例えばCPU、DSPあるいはFPGA等のプロセッサPRC2を用いて構成され、プロセッサPRC2がメモリ12に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能的に構成される。プロセッサPRC2は、PUシステム1Aの動作を司るコントローラとして機能し、PUシステム1Aの各部の動作を全体的に統括するための制御処理、PUシステム1Aの各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサPRC2は、メモリ12に記憶されたプログラムに従って動作する。プロセッサPRC2は、動作時にメモリ12を使用し、プロセッサPRC2により生成されたデータをメモリ12に格納する。
第2導出部の一例としてのB1導出部14は、地形建物地理データ保持部25Aから地理情報を読み出し、この地理情報とメモリ12内のPUシステム情報とを用いて、キャリア周波数fに対応する第1ボーダーに関する第1ボーダー情報の一例としてのB1(f)を導出する。言い換えると、B1導出部14は、第1ボーダーB1により囲まれる領域(第1領域の一例)の位置情報を導出することができる。B1導出部14は、導出された第1ボーダー情報をSUシステム3Aに送信する。
地理データ保持部の一例としての地形建物地理データ保持部25Aは、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)を用いて構成され、PUシステム1およびSUシステム3の設置されるエリアにおける地形情報および建物情報を含む地理情報を記憶している。
第2無線システムの一例としてのSUシステム3Aは、PUシステム1Aが主にあるいはほぼ独占的に使用可能な所定の共用周波数帯の周波数(例えば20GHz〜30GHz帯)の一部を条件付きで使用することの可否をSUシステム3A自身で判定する無線システムである。SUシステム3Aは、SUシステム3Aのそれぞれの運用に必要な1機以上のSU送信機31、メモリ32、SU受信機33、B2導出部35、許可対象周波数共用条件決定部36および他SUシステム間周波数調停部37を保有している。B2導出部35、許可対象周波数共用条件決定部36および他SUシステム間周波数調停部37は、例えばCPU、DSPあるいはFPGA等のプロセッサPRC3を用いて構成され、プロセッサPRC3がメモリ32に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能的に構成される。プロセッサPRC3は、SUシステム3Aの動作を司るコントローラとして機能し、SUシステム3Aの各部の動作を全体的に統括するための制御処理、SUシステム3Aの各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサPRC3は、メモリ32に記憶されたプログラムに従って動作する。プロセッサPRC3は、動作時にメモリ32を使用し、プロセッサPRC3により生成されたデータをメモリ32に格納する。
導出部の一例としてのB2導出部35は、SUシステム情報を用いて、キャリア周波数fに対応する第2ボーダーに関する第2ボーダー情報の一例としてのB2(f)を計算(実施の形態1参照)により導出する。言い換えると、B2導出部35は、第2ボーダーB2により囲まれる領域(第2領域の一例)の位置情報を導出することができる。B2導出部35は、導出された第2ボーダー情報を許可対象周波数共用条件決定部36に出力する。
入力部の一例としての許可対象周波数共用条件決定部36は、PUシステム1Aからの第1ボーダー情報(B1(f))とB2導出部35からの第2ボーダー情報(B2(f))とを入力する。許可対象周波数共用条件決定部36は、第1ボーダー情報(B1(f))とB2導出部22からの第2ボーダー情報(B2(f))とを用いて、SUシステム3Aに対する共用周波数帯の周波数に関する共用周波数使用条件(共用許可条件の一例)を決定する。つまり、許可条件決定部の一例としての許可対象周波数共用条件決定部36は、キャリア周波数fのSUシステム3Aへの使用許可を与えてよいか否かをSUシステム3A内において判定する。
他SUシステム間周波数調停部37は、許可対象周波数共用条件決定部36から通知された共用周波数使用条件にて規定される共用周波数の使用に際し、他のSUシステム(図5には図示略)との間での干渉の発生を抑制するための棲み分け処理を行う。他SUシステム間周波数調停部37は、例えばSUシステム間で共用周波数使用履歴(メモリ32に保存)を基にして、それぞれのSUシステムでの共用周波数(キャリア周波数)群の優先順位に従い、自律分散的に共用周波数の使用試行を行う。他SUシステム間周波数調停部37は、共用周波数の使用試行の結果、使用してよい旨の判定結果を得た場合には使用し、一方、使用してはいけない旨の判定結果を得た場合には使用しない。各々のSUシステムが使用許可された共用周波数として複数存在するキャリア周波数に対して、自己が高頻度で使用するキャリア周波数を再度使用する確率を高めることで、自律分散的にSUシステム間で実際に使用するキャリア周波数を棲み分けていくことができる。この方式によれば、複数のSUシステムを集中管理する機能装置の存在無しに、SUシステム間で各SUシステムが自律分割的に他のSUシステムとの干渉問題が存在しない共用周波数を使用できるようになる。共用周波数を使用許可する段階で、SUシステム間で共用周波数が分割されることを回避できるので、分割損による共用周波数利用効率の低下を回避することもできる。なお、この自律分散での使用周波数棲み分けが効率よく動作できるために、SUシステムでの共用周波数の使用単位となるキャリア周波数はできるだけ多数本存在することが好ましいので、1本のキャリア周波数の無線帯域幅は適度に小さいことが好ましい。例えば、SUシステムが5Gシステムである場合に、5Gシステムとはいえ無線帯域幅を400MHzのような広帯域ではなく100MHz以下の値(例えば20MHzとか40MHz)にすることでキャリア周波数の本数を増やすことが有効である。
次に、実施の形態2に係る共用周波数管理システムの動作手順について、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態2に係る共用周波数管理システムの動作手順を時系列に示すシーケンス図である。図6の説明において、図3中の処理と同一の処理の説明において、同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。なお、図6中のステップSt6の処理の内容は、実施の形態1において説明した図4の内容と同一であるため、ここでは図4の内容の説明は割愛する。
図6において、PUシステム1Aは、PUシステム情報(例えばPU送信機11の設置位置を示す送信機位置、キャリア周波数(中心周波数)、帯域幅および送信電力等の送信に関わる情報と、PU受信機13の設置位置を示す受信機位置および受信感度等の受信に関わる情報)を取得する。PUシステム1Aは、地形建物地理データ保持部25から地理情報を読み出す。PUシステム1Aは、この地理情報とPUシステム情報とを用いて、キャリア周波数fに対応する第1ボーダーに関する第1ボーダー情報の一例としてのB1(f)をB1導出部14において導出する(St11)。PUシステム1Aは、ステップSt11において導出された第1ボーダー情報の一例としてのB1(f)をSUシステム3Aに送信する(St12)。
一方、SUシステム3Aは、SUシステム3AのSU送信機31からの送信電力に基づく無線信号の送信に応じて、限定エリアでの近傍に配置された1つ以上の電波センサ341〜344のそれぞれにおいて上述した無線信号の受信電力を測定する(St3)。SUシステム3Aは、ステップSt12においてPUシステム1Aから送られた第1ボーダー情報の一例としてのB1(f)を受信して取得する(St13)。また、SUシステム3Aは、ステップSt3での受信電力の測定結果を含むSUシステム情報(例えばキャリア周波数、帯域幅、送信電力、SUシステム3の限界エリアの境界線を示す第3ボーダー情報)を取得する。SUシステム3Aは、この取得されたSUシステム情報を用いて、キャリア周波数fに対応する第2ボーダー情報の一例としてのB2(f)を計算(例えば、上述した第1計算方法〜第4計算方法のうちいずれか参照)によりB2導出部35において導出する(St14)。
SUシステム3Aは、第1ボーダー情報(B1(f))とB2導出部35からの第2ボーダー情報(B2(f))とを用いて、SUシステム3に対する共用周波数帯の周波数に関する共用周波数使用条件を許可対象周波数共用条件決定部36において決定する(St6)。SUシステム3Aは、ステップSt6において決定された共用周波数使用条件に従って、SUシステム3Aの無線サービスにおいて共用周波数を使用することができる(St8)。
以上により、実施の形態2に係る共用周波数管理システムでは、SUシステム3A自身が、PUシステム1Aにより主に使用される共用周波数帯の周波数のSUシステム3Aとの共用を管理する。SUシステム3Aは、PUシステム1Aによる共用周波数帯の周波数を用いた無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値(例えば受信感度)となる第1領域の境界を示す第1ボーダーB1に関する第1ボーダー情報をPUシステム1Aから入力する。SUシステム3Aは、SUシステム3Aによる共用周波数帯の周波数を用いた無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値(例えば受信感度)となる第2領域の境界を示す第2ボーダーB2に関する第2ボーダー情報を導出する。SUシステム3Aは、第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、SUシステム3Aに対する共用周波数帯の周波数の共用周波数使用条件を決定する。
これにより、SUシステム3Aは、上述した従来技術による第1のアプローチにおいて示した煩雑な干渉計算を必要とせず、PUシステム1Aが優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステム3Aへの使用許可の管理を簡易に行える。また、SUシステム3Aは、上述した従来技術による第2のアプローチにおいて示した構築が大変な困難を要する受信電力マップの構築を行うことなく、PUシステム1AおよびSUシステム3Aによる共用周波数帯の周波数の共用の手順を簡素化して周波数共用の実現可能性を向上できる。また、SUシステム3Aは、SUシステム3AがPUシステム1Aに対してPUシステム1Aの電波による受信感度以上の干渉を与えることを抑制できるので、PUシステム1Aが使用する共用周波数帯の周波数の一部をSUシステム3Aに開放的に使用許可することで、PUシステム1AとSUシステム3Aとの間で共用周波数帯の周波数の利用効率の低下を抑制できる。
また、SUシステム3Aは、共用周波数帯の周波数ごとに共用周波数使用条件を決定する。これにより、SUシステム3Aは、共用周波数帯(例えば20GHz〜30GHz帯)の複数のキャリア周波数のそれぞれごとにSUシステム3Aに使用許可が与えられるか否かを判定できるので、相対的にSUシステム3Aに使用を許可できるキャリア周波数の存在を担保し易くできる。
また、SUシステム3Aは、SUシステム3Aが使用される局所エリア(例えば限定エリア)の周囲に設置される電波センサ341〜344のそれぞれでのSUシステム3Aからの無線信号の受信電力を含む、SUシステム3Aの通信方式に関する情報を用いて、第2ボーダー情報を導出する。これにより、SUシステム3Aは、SUシステム3Aから放射される電波がSUシステム3Aの限定エリアの境界近辺で測定された受信電力の実測値を用いるので、PUシステム1Aに干渉を与えずかつSUシステム3Aの実運用環境に適合した電波の伝搬距離を導出できる。
また、SUシステム3Aは、共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数(例えば着目しているキャリア周波数f)に対応する第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第1ボーダーB1と第2ボーダーB2との重複領域が存在しないと判定した場合に、SUシステム3Aが使用される局所エリア(例えば限定エリア)内での特定周波数の使用を許可すると判定する。これにより、SUシステム3Aは、SUシステム3Aから放射される電波がPUシステム1Aの通信エリア内に存在するPU受信機13に対して干渉等の悪影響を及ぼす可能性が低いと判断できる。従って、SUシステム3Aは、その着目しているキャリア周波数の使用をSUシステム3Aに許可してもPUシステム1Aの共用周波数の使用を妨害することにならず、SUシステム3Aに対する周波数の共用を効果的に促進できる。
また、SUシステム3Aは、共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数(例えば着目しているキャリア周波数f)に対応する第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第1ボーダーB1と第2ボーダーB2との重複領域が存在しかつ重複領域内にPUシステム1Aに対応したPU受信機13が配置されていないと判定した場合に、SUシステム3Aが使用される局所エリア(例えば限定エリア)内での特定周波数の使用を許可すると判定する。これにより、SUシステム3Aは、交差エリアS(f)が存在してもその交差エリア内にPU受信機13が存在しないため、SUシステム3Aから放射される電波がPUシステム1Aの通信エリア内に存在するPU受信機13に対して干渉等の悪影響を及ぼす可能性が実質的に低いと判断できる。従って、SUシステム3Aは、その着目しているキャリア周波数の使用をSUシステム3Aに許可してもPUシステム1Aの共用周波数の使用を実質的に妨害することにならず、SUシステム3Aに対する周波数の共用を効果的に促進できる。
また、SUシステム3Aは、共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数(例えば着目しているキャリア周波数f)に対応する第1ボーダー情報と第2ボーダー情報とに基づいて、第1ボーダーB1と第2ボーダーB2との重複領域が存在しかつ重複領域内にPUシステム1Aに対応したPU受信機13が配置されていると判定した場合に、SUシステム3Aが使用される局所エリア(例えば限定エリア)内での特定周波数の使用を、その局所エリアでのSUシステム3Aからの無線信号の送信電力を所定量低減することを前提として許可すると判定する。これにより、SUシステム3Aは、SUシステム3Aから放射される電波が第1ボーダーB1より外側までしか伝搬しない程度の送信電力に低減できるので、SUシステム3Aから放射される電波がPUシステム1Aの通信エリア内に存在するPU受信機13に対して干渉等の悪影響を及ぼす可能性を低減できる。従って、SUシステム3Aは、その着目しているキャリア周波数の使用を、SUシステム3Aに対して第1ボーダーB1の外側までしか電波の伝搬をさせない程度の送信電力の使用を条件として許可してもPUシステム1Aの共用周波数の使用を実質的に妨害することにならず、SUシステム3Aに対する周波数の共用を効果的に促進できる。
また、PUシステム1Aは、PUシステム1Aからの無線信号が受信されるエリアの地形および建物の有無を示す地理情報を保持する地形建物地理データ保持部25Aを更に備える。PUシステム1Aは、PUシステム1Aの通信方式に関する情報と地形建物地理データ保持部25Aから読み出した地理情報とを用いて、第1ボーダー情報を導出する。これにより、PUシステム1Aは、PUシステム1から放射される電波が伝搬する伝搬路に存在する地形や建物等の地理情報を加味して受信電力が受信感度となる第1ボーダーB1を実際の環境に即して適応的に導出できる。
また、SUシステム3Aは、共用周波数使用条件をSUシステム3Aに通知する。これにより、SUシステム3Aは、SUシステム3A自身において決定した共用周波数使用条件に基づいて、PUシステム1Aに受信感度以上の受信電力となる干渉を与えない程度に、共用周波数使用条件において規定された共用周波数(キャリア周波数)の使用が可能となる。
このように、第2ボーダー情報の一例としてのB2(f)の導出は、実施の形態1,2のそれぞれにおいて、電波伝搬損失式でのα(電波伝搬減衰係数)を想定することで、建物や地形を考慮した精緻なシミュレーションや実測を必要とせずに、概ね適当な評価結果を導出することが可能である。ただし、各SUシステム(例えば限定エリアのSUシステム)において伝搬距離dを算出する際の電波伝搬減衰係数αとしてどの程度の値が適当であるかは、SUシステムの開設時等に電波伝搬損失対伝搬距離の測定を実施することで、より現実に近いαの値を用いたB2(f)の結果を得ることが可能になりより良い。B1(f)とB2(f)とが、B2(f)導出計算におけるαを2.0(つまり、LOS環境)と仮定しても、B1(f)とB2(f)との交差エリアが存在しないくらいSUシステムの近くにPUシステムがいない場合には、B2(f)をα=2.0として求めてしまうことも実用上問題ない。なお、上述した実施の形態1,2における説明で用いた電波伝搬損失式は一例であり、他の電波伝搬損失式を用いることも可能である。
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、第1ボーダーB1や第2ボーダーB2を受信電力がPUシステム1,1Aの受信感度となる位置の境界として定義して説明したが、例えばPUシステム1,1Aの受信感度よりも10dB小さい値となる位置の境界と定義することで、10dBの干渉マージンを得ることも本開示の技術的範囲に属する。
本開示は、煩雑な干渉計算を必要とせず、PUシステムが優先的に使用できる共用周波数の少なくとも一部のSUシステムへの使用許可の管理を簡易に行い、共用周波数の利用効率の低下を抑制する共用周波数管理システムおよび共用周波数管理方法として有用である。
1、1A PUシステム
2 共用周波数管理装置
3、3A SUシステム
11 PU送信機
12、24、32 メモリ
13 PU受信機
14、21 B1導出部
22、35 B2導出部
23、36 許可対象周波数共用条件決定部
25、25A 地形建物地理データ保持部
26 通信インターフェース回路
31 SU送信機
33 SU受信機
37 他SUシステム間周波数調停部
341、342、343、344 電波センサ
PRC1、PRC2、PRC3 プロセッサ

Claims (11)

  1. 第1無線システムにより主に使用される共用周波数帯の周波数の第2無線システムとの共用を管理する共用周波数管理システムであって、
    前記第1無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第1無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値となる第1領域の境界を示す第1ボーダーに関する第1ボーダー情報を入力する入力部と、
    前記第2無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第2無線信号の送信に基づく受信レベルが前記規定値となる第2領域の境界を示す第2ボーダーに関する第2ボーダー情報を導出する導出部と、
    前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第2無線システムに対する前記共用周波数帯の周波数の共用許可条件を決定する許可条件決定部と、を備える、
    共用周波数管理システム。
  2. 前記許可条件決定部は、
    前記共用周波数帯の周波数ごとに前記共用許可条件を決定する、
    請求項1に記載の共用周波数管理システム。
  3. 前記導出部は、
    前記第2無線システムが使用される局所エリアの周囲に設置されるセンサでの前記第2無線信号の受信電力を含む、前記第2無線システムの通信方式に関する情報を用いて、前記第2ボーダー情報を導出する、
    請求項1に記載の共用周波数管理システム。
  4. 前記許可条件決定部は、
    前記共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数に対応する前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第1領域と前記第2領域との重複領域が存在しないと判定した場合に、前記第2無線システムが使用される局所エリア内での前記特定周波数の使用を許可すると判定する、
    請求項1に記載の共用周波数管理システム。
  5. 前記許可条件決定部は、
    前記共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数に対応する前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第1領域と前記第2領域との重複領域が存在しかつ前記重複領域内に前記第1無線システムの受信機が配置されていないと判定した場合に、前記第2無線システムが使用される局所エリア内での前記特定周波数の使用を許可すると判定する、
    請求項4に記載の共用周波数管理システム。
  6. 前記許可条件決定部は、
    前記共用周波数帯の周波数のうちいずれかの特定周波数に対応する前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第1領域と前記第2領域との重複領域が存在しかつ前記重複領域内に前記第1無線システムの受信機が配置されていると判定した場合に、前記第2無線システムが使用される局所エリア内での前記特定周波数の使用を、前記局所エリアでの前記第2無線信号の送信電力を所定量低減することを前提として許可すると判定する、
    請求項4に記載の共用周波数管理システム。
  7. 前記第1無線システムの通信方式に関する情報を用いて、前記第1ボーダー情報を導出する第2導出部、を更に備える、
    請求項1に記載の共用周波数管理システム。
  8. 前記第1無線信号が受信されるエリアの地形および建物の有無を示す地理情報を保持する地理データ保持部、を更に備え、
    前記第2導出部は、
    前記第1無線システムの通信方式に関する情報と前記地理データ保持部から読み出した前記地理情報とを用いて、前記第1ボーダー情報を導出する、
    請求項7に記載の共用周波数管理システム。
  9. 前記共用許可条件を前記第2無線システムに通知する通知部、を更に備える、
    請求項7に記載の共用周波数管理システム。
  10. 第1無線システムにより主に使用される共用周波数帯の周波数の第2無線システムとの共用を管理する共用周波数管理方法であって、
    前記第1無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第1無線信号の送信に基づく受信レベルが規定値となる第1領域の境界を示す第1ボーダーに関する第1ボーダー情報を入力するステップと、
    前記第2無線システムによる前記共用周波数帯の周波数を用いた第2無線信号の送信に基づく受信レベルが前記規定値となる第2領域の境界を示す第2ボーダーに関する第2ボーダー情報を導出するステップと、
    前記第1ボーダー情報と前記第2ボーダー情報とに基づいて、前記第2無線システムに対する前記共用周波数帯の周波数の共用許可条件を決定するステップと、を有する、
    共用周波数管理方法。
  11. 前記第1無線システムの通信方式に関する情報を用いて、前記第1ボーダー情報を導出するステップ、を更に有する、
    請求項10に記載の共用周波数管理方法。
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