図1及び図2は本発明を適用した汎用コンバインの側面図及び平面図である。汎用コンバインは、稲や麦や豆類等の作物の刈取作業を行うものであり、左右一対のクローラ式走行装置1L,1Rを有する走行機体2と、走行機体2の前方に昇降自在に連結された刈取部3とを備えている。
上記刈取部3は、左右方向に延びる筒状に成形されたリール4と、該リール4をその軸回りに回転駆動可能に支持する支持装置6とを備えている。この刈取部3のフレーム部の主要部分は、後側半部のフィーダ7と、前側半部の刈取フレーム8とによって構成されている。
刈取フレーム8の左右の側壁からは前方に向かって分草体9が突出形成されている。この左右の側壁の間における下部且つ後部には、左右方向に延びる円柱状の掻込オーガ11が、自身の軸回りに回転駆動可能に支持されている。該掻込オーガ11の前方には、刈取フレーム8に左右往復駆動可能に支持された左右方向のレシプロ式の刈刃12が配置されている。
ちなみに、リール4は、平面視で刈取フレーム8の左右の側壁間に配置され、上下動且つ前後動可能なように支持装置6によって刈取部3のフレーム部に支持されている。
フィーダ7には、刈取った作物の穀稈を後方搬送する前後方向のフィーダコンベア13が内装されている。フィーダ7は、後述する走行機体2側の操縦席14の側方に配置されてる。刈取部3は、フィーダ7の後端部を支点として、上下揺動可能(昇降可能)に、走行機体2の前部に支持されている。刈取フレーム8は、操縦部14の前側からフィーダ7の前側に至る左右範囲に形成されている。
この刈取部3と、走行機体2の前部との間には、伸縮作動によって該刈取部3を走行機体2に対して昇降させる油圧式の刈取部昇降シリンダ(刈取部昇降アクチュエータ)16が設けられている。この刈取部昇降シリンダ16を伸張作動させることにより、刈取部3が走行機体2に対して上昇する一方で、リフトシリンダ16を縮小作動させることにより、刈取部3が走行機体2に対して下降する。
上記リール4は、該リール4の回動軸17と、該回動軸17と一体回転する側面視多角形状(図示する例では6角形状)の左右一対のサイドフレーム18,18とを備え、互いに離間した状態で平行に対向配置された左右一対のサイドフレーム18,18の頂点部分同士をそれぞれ左右方向の横フレーム19によって連結固定することにより、周囲及び左右両側方が内外で連通し且つ内部が空洞となる筒状に成形されている。また、回転軸17の軸回りに所定間隔毎に配置された各横フレーム19には、吊り下げ支持された下降突出するタイン21が所定間隔毎に複数配置されている。
左側面視で反時計回りに回転するリール4によって掻き込まれた圃場の作物は、左右に往復スライド駆動される刈刃12によって刈取られ、掻込オーガ11によってフィーダ7の内部に掻き込まれる。フィーダ7の内部に導入された作物の穀稈は、フィーダコンベア13によって走行機体2側まで後方搬送される。
上記走行機体2の左側半部には、刈取った稲や麦や豆類等の作物の脱穀処理を行うとともに該脱穀処理された処理物から籾等の穀粒や豆類等の収穫物を選別する脱穀部22が設置されている。走行機体2の右側半部には、脱穀部22からの収穫物が収容されるグレンタンク23が配置され、グレンタンク23の前方には、オペレータが乗込む前記操縦席14が設置されている。
脱穀部22は、フィーダコンベア13からの作物が導入される扱室24と、扱室24の真下側に形成された選別室26とを有している。扱室24内には、前後方向に延びる円柱状の扱胴27が自身の軸回りに回転自在に軸支される。選別室26内の上部には、前後動する揺動選別体28が設置され、選別室26内の下部前側には、後方斜め上方の選別風を起風する唐箕ファン29が配置され、選別室26内の下部の前後方向中途部には、一番ラセン31及び二番ラセン32が前後に並べて配置されている。
フィーダ7から脱穀部22に全体が導入された作物は、扱室24内の回転する扱胴27によって後方搬送されながら脱穀処理される。脱穀処理された処理物は、選別室26に落下する。選別室26に落下した処理物は、揺動選別体28によって揺動選別されるとともに、上記選別風によって選別(風選)される。具体的には、処理物が、一番ラセン31側に落下する一番物と、二番ラセン32側に落下する二番物と、後方斜め上方に運ばれる藁屑等の排出物とに選別される。ちなみに、一番物が一番ラセン31によって収穫物としてグレンタンク23内に搬送され、二番物が二番ラセン32によって選別室26内に再投入されて再選別され、排出物は走行機体2の後端側から機外に排出される。
なお、揺動選別体28の後半部には、前後方向に並列配置された複数のフィン33aから構成されたチャフシーブ33が設置されている。そして、フィン33aが下方を向くように回動される開作動時には、開度が大きくなって、揺動選別体28の上方側に吹抜ける選別風の風量が増加する一方で、フィン33aが水平方向を向くように回動される閉作動時には、開度が小さくなって、揺動選別体28の上方側に吹抜ける選別風の風量が減少する。このようなフィン33aの開閉作動による風量の調整によって、処理物の量に応じた最適な風選を行うことが可能になる。
グレンタンク23内の収穫物は、走行機体2の後端部に支持された排出オーガ36によって機外に排出される。排出オーガ36は、その基端部を支点として、上下揺動可能且つ水平回動可能に走行機体2に支持されている。排出オーガ36の先端部には、作物を排出する排出部36aが設けられている。排出オーガ36の上下揺動及び水平回動によって、排出部36aが所定の水平位置及び高さに変位する。排出部36aは、その場で作物を下方に排出させる。
上記支持装置6は、フィーダ7に前後揺動自在に支持された左右一対の進退アーム37,37と、各進退アーム37に上下揺動自在に支持された昇降アーム38と、左右の進退アーム37,37を一体作動するように連結する連結フレーム40と、該連結フレーム40とフィーダ7との間に配置されて伸縮作動により左右の進退アーム37,37を一体で前後揺動させる油圧式のリール進退シリンダ(進退アクチュエータ)39と、昇降アーム38と刈取フレーム8との間に配置されて伸縮作動により昇降アーム38を上下揺動駆動させる油圧式のリール昇降シリンダ(昇降アクチュエータ)41とを備えている。
各進退アーム37の下端側がフィーダ7側に支持される支持端になり、各昇降アーム38の後端側が進退アーム37の上端側に支持される支持端になり、この左右の昇降アーム38,38の前端部間に、前記リール4が回転軸17を中心として回転駆動されるように軸支されている。
そして、リール4は、リール進退シリンダ39の伸縮作動によって、刈取部3のフレーム部に対して前後進される一方で、リール昇降シリンダ41の伸縮作動によって、刈取部3のフレーム部に対して昇降される。
図3は本汎用コンバインの動力伝動系統図である。エンジン42で発生した動力は、伝動最上流側で、走行系の動力と作業系の動力とに分岐される。そして、走行系の動力は、走行HST43→走行トランスミッション44の順に伝動されて左右のクローラ式走行装置1L,1Rを走行駆動させる。一方、作業系の動力は、脱穀クラッチ46を介して脱穀部22を駆動させる作動側駆動軸48に断続伝動される。作動側駆動軸48の回転動力は刈取クラッチ47を介して刈取部3に断続伝動される。
走行HST43は、エンジン42側からの動力の正逆転切換及び無段階変速伝動を行う。走行HST43から出力された動力は走行トランスミッション44に伝動される。走行トランスミッション44は、入力された動力を左右のクローラ式走行装置1L,1Rに等速で伝動して車体を直進走行させるとともに、左右のクローラ式走行装置1L,1Rに異なる回転数で伝動して車体を旋回走行させるように構成されている。
刈取クラッチ47を介して伝動された動力は、フィーダ駆動軸49にチェーン伝動されてフィーダコンベア13を搬送駆動させる。このフィーダ駆動軸49は、刈取部3の昇降時の上下揺動支点となり、その回転動力が、分岐軸51に伝動される。分岐軸51の動力は、掻込オーガ駆動軸52にチェーン伝動され掻込オーガ11を掻込駆動させるとともに、刈刃駆動軸53にベルト伝動されて刈刃12を刈取駆動させる。
さらに、分岐軸51の動力は、リール駆動装置54にも伝動される。このリール駆動装置54は、分岐軸51の動力がチェーン伝動される入力軸56と、該入力軸56と一体回転する入力プーリ57と、出力軸58と、該出力軸58と一体回転する出力プーリ59と、入力プーリ57と出力プーリ59との掛け回されるVベルトである伝動ベルト61とを有している。
入力軸56の動力は、変速アクチュエータ62(図7参照)によって、入力プーリ57又は出力プーリ59を作動させることにより、無段階で変速されて出力軸58に伝動される。
具体的には、入力プーリ57及び出力プーリ59の一方又は両方が、伝動ベルト61の幅方向に分割される一対の割プーリによって構成される。この一対の割プーリは、変速アクチュエータ62(図7参照)によって、互いが離間・近接する方向に作動する。入力プーリ57又は出力プーリ59を構成する一対の割プーリの離間・近接作動によって、入力軸56から出力軸58への伝動ベルト61による動力伝動の変速比が無段階で変更される。そして、出力軸58の動力は、前記回転軸17に伝動されてリール4を回転駆動させる。
すなわち、リール駆動装置54は、変速アクチュエータ62によって、リール4の回転速度を無段階で変速するように構成されている。また、リール駆動装置54は、左右の昇降アーム38,38の一方を構成する伝動ケース38Aの内部に配置されている。
図4は、操縦席の斜視図である。操縦席14は、オペレータが着座するシート63(図1及び図2参照)と、シート63の側方に配置された変速レバー64と、シート63の前方に配置されたマルチレバー66及びタッチパネル式液晶モニタ67と、変速レバー64の後方に配置されたスイッチパネル68とを備えている。
上記変速レバー64は、シート66よりも前側位置(具体的には前方斜め左)に配置され、走行HST43をニュートラル状態とする前後中立位置から左右一方側への揺動によって、該中立位置からの前方揺動が可能になる一方で、中立位置からの左右他方側への揺動によって、該中立位置からの後方揺動が可能になる。そして、変速レバー64の中立位置からの前方揺動によって、走行HST43を介した前進走行側への増速操作を行う一方で、変速レバー64の中立位置からの後方揺動によって、走行HST43を介した後進走行側への増速操作を行う。
この変速レバー64の上端部にはグリップ(把持部)64aが形成され、このグリップ64aの側部には、該グリップ64aを把持しながら押し操作可能なモーメンタリ式の強制掻込スイッチ(強制掻込操作具)69が設けられている。
図5は、マルチレバーの背面図である。上記マルチレバー66は、その上端部にグリップ(把持部)66aが形成される。マルチレバー66の前後揺動によって刈取部3の昇降操作を行うとともに、左右揺動によって車体の走行時の操向操作(左右旋回操作)を行う。すなわち、マルチレバー66は、刈取部3を走行機体2に対して昇降させる刈取部昇降操作具であるとともに、走行機体2の操向時の操向操作具でもある。
また、マルチレバー66のグリップ66aの背面側における左右一方側にはリール4を手動で上昇させるモーメンタリ式の上昇スイッチ71と、手動で下降させるモーメンタリ式の下降スイッチ72とが設けられ、左右他方側にはリール4を手動で前進させるモーメンタリ式の前進スイッチ73と、リール4を手動で後進させるモーメンタリ式の後進スイッチ74とが設けられている。すなわち、上昇スイッチ71、下降スイッチ72、前進スイッチ73及び後進スイッチ74がリール4の位置を手動で変更するリール移動操作具になる。
さらに、マルチレバー66の正面側には、モーメンタリ式のスイッチ76が設けられている。このスイッチ76には、各種操作機能を付与できる。例えば、このスイッチ76を、上述した強制掻込スイッチ69と同様に、強制掻込操作具としてもよい。これらの強制掻込スイッチ69,76は、押し操作している間のみ入状態となるモーメンタリ式のスイッチであるが、押し操作毎に入状態と切状態とが切換るオルタネイト式のスイッチとしてもよい。
図6は、スイッチパネルの平面図である。スイッチパネル68には、選別性能を複数段階で調整する選別性能調整操作具である選別性能調整ダイヤル77と、脱穀クラッチ46及び刈取クラッチ47の断続操作をそれぞれ行うクラッチ断続操作具であるパワークラッチスイッチ78と、リール4の回転数(回転速度)を手動で設定するリール回転設定操作具であるリール回転数設定ダイヤル79とを、左右に並べて配置している。
選別性能調整ダイヤル77は、ダイヤル操作可能に構成され、例えば、チャフシーブ33のフィン33aの開閉による風量調節によって、選別性能を調整する。
ちなみに、刈取る作物の種類に応じて選別性能が調整されるため、この選別性能調整ダイヤル77を、刈取る作物の種類を稲、麦、豆等の複数種類の中から検出する刈取作物検出手段として機能させることも可能である。例えば、図示する例では、選別性能調整ダイヤル77は、1〜9の9段階でダイヤル操作可能に構成され、1〜2の操作範囲に操作されている場合には刈取作物の種類を稲と識別し、3〜4の操作範囲に操作されている場合には刈取作物の種類を麦と識別し、5〜9の操作範囲に操作されている場合には刈取作物の種類を豆と識別する。
パワークラッチスイッチ78は、左右の端部がそれぞれ押し操作可能に構成されたモーメンタリスイッチであり、この2箇所の押し操作によって、脱穀クラッチ46及び刈取クラッチ47が共に切断状態になって刈取部3及び脱穀部22が両方とも駆動停止される停止状態と、脱穀クラッチ46が接続状態で且つ刈取クラッチ47が切断状態になって刈取部3が駆動停止され且つ脱穀部22が駆動される脱穀状態と、脱穀クラッチ46及び刈取クラッチ47が共に接続状態となって刈取部3及び脱穀部22が駆動される刈取状態との3つの状態の切替を行う。
例えば、パワークラッチスイッチ78の一方の端部である切断側端部を押し操作する毎に、停止状態→脱穀状態→刈取状態と状態が遷移し、パワークラッチスイッチ78の他方の端部である接続側端部を押し操作する毎に、刈取状態→脱穀状態→停止状態と状態が遷移していく。
ちなみに、脱穀クラッチ46及び刈取クラッチ47は、電動モータ等の断続アクチュエータ81(図7参照)によって断続される。
リール回転数設定ダイヤル79は、ダイヤル操作(回動操作)可能且つ押し操作可能に構成されている。リール回転数設定ダイヤル79の押し操作毎に、リール4の回転数が自動制御される自動モードと手動設定する手動モードとの切替が行われる。すなわち、リール回転数設定ダイヤルは、自動モードと手動モードとの切替を行う自動切替操作具としても機能する。
刈取部昇降シリンダ16、リール進退シリンダ39、リール昇降シリンダ41、変速アクチュエータ62及び断続アクチュエータ81は、一又は複数のマイコンから構成された制御部83(図7参照)によって制御される。
図7は制御部の構成を示すブロック図である。制御部83は、各種情報を記憶する記憶部83aを有し、そのの出力側には、刈取部昇降シリンダ16、リール進退シリンダ39、リール昇降シリンダ41、変速アクチュエータ62及び断続アクチュエータ81が接続されている。
制御部83の入力側には、上述した強制掻込スイッチ69,77と、4つのリール移動操作具71,72,73,74と、選別性能調整ダイヤル77と、パワークラッチスイッチ78と、リール回転数設定ダイヤル79によるリール回転数の設定を検出するように該リール回転数設定ダイヤル79の回動操作位置を検出することによりリール4の設定回転数を検出する設定回転検出手段である設定回転数検出ポテンショメータ79aと、リール回転数設定ダイヤル79による自動モードから手動モードへの切替及び手動モードから自動モードへの切替を検出する自動切替検出手段である自動切替検出スイッチ79bとが接続されている。
制御部83の入力側には、さらに、走行機体2(車体)の走行速度である車速を直接的に検出するように走行トラスミッション44の伝動軸に設置された車速検出手段である走行回転センサ84と、刈取部3の走行機体3に対する昇降高さを検出する刈取部昇降高さ検出手段である刈取部昇降高さ検出ポテンショメータ86と、リール4の上下位置を検出するリール上下位置検出手段であるリール上下位置検出ポテンショメータ87と、リール4の前後位置を検出するリール前後位置検出手段であるリール前後位置検出ポテンショメータ88と、リール4の回転数を検出するリール回転検出手段であるリール回転センサ89と、刈取作物の種類を検出する刈取作物検出手段である刈取作物検出スイッチ91と、車速を間接的に検出するように変速レバー64の前後の操作位置を検出する車速検出手段である変速操作位置検出ポテンショメータ92とが接続されている。
また、制御部83には、入出力可能に、前記タッチパネル式液晶画面67が接続されている。
制御部83は、強制掻込スイッチ69,76が切状態で且つ自動モードの場合、走行回転センサ84又は変速操作位置検出ポテンショメータ92によって検出された車速の増減に応じて、変速アクチュエータ62によるリール4の回転数を増減させる車速連動制御を実行する。
車速連動制御の実行時、制御部83は、車速の増加に対してリール4の回転数を一次関数的に増加させる。その増加率は、リール回転数設定ダイヤル79による設置値に基づいて変更される。例えば、リール回転数設定ダイヤル79によってリール4の回転数を高速に設定した場合には車速に対する増加率が増加して一次関数の傾きが急になる一方で、低速に設定した場合には車速に対する増加率が減少して一次関数の傾きが緩くなる。
また、車速連動制御の実行時におけるリール4の前後位置及び上下位置は、上述した4つのリール移動操作具71,72,73,74によって手動で設定してもよいし、或いは、予め定めた前後位置及び上下位置に自動的にリール4を移動させてもよい。
なお、車速に対して、リール4の回転数を二次関数的に増加させてもよい。この場合も、リール回転数設定ダイヤル79の高速側への操作によって車速に対するリール4の回転数の増加率が増加させ、低速側への操作によって車速に対するリール4の回転数の増加率が減少させる。
制御部83は、強制掻込スイッチ69,76が切状態で且つ手動モードの場合、リール回転数設定ダイヤル79で設定された回転数(速度)でリール4を回転駆動させる手動制御を実行する。手動制御の実行時におけるリール4の前後位置及び上下位置は、原則として、上述した4つのリール移動操作具71,72,73,74によって手動で設定する。
制御部83は、強制掻込スイッチ69,76が入状態の場合、車速に関係無く、リール4を所定の回転数(速度)で回転駆動させる強制掻込制御を実行する。すなわち、強制掻込スイッチ69,76は、強制掻込制御の実行の有無の切替を入切操作によって行う。強制掻込制御の実行時におけるリール4の上下位置は原則として下限位置が好ましく、前後位置は原則として最前方又は最後方が好ましいが、このような強制掻込制御の実行時におけるリールの上下位置、前後位置及び回転数等を含むリールの目標状態である強制掻込状態の設定を専用で行う設定操作手段として、ダッチパネル式液晶モニタ67が用いられる。
図8は、タッチパネル式液晶モニタに表示される設定画面である。タッチパネル式液晶画面67は、タップ等の操作手段を有するモニタであり、必要に応じてドラック、フリック、スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト等も操作手段を付与してもよい。後述する所定条件を満たすと、タッチパネル式液晶画面67には、図8に示すような、強制掻込状態の設定を行う設定画面67Aが表示される。
ちなみに、タッチパネル式液晶画面67は、その他も種々の画面を表示可能であり、例えば、前記設定画面の他、各種情報が一括表示される通常画面や、メンテナンス時に利用するメンテナンス画面等が排他的に表示される。
なお、操作手段を有するモニタとして、タッチパネルを搭載していないものを用いてもよく、この場合、モニタの表示画面に周囲等に、一又は複数のボタン等の操作具が設けられる。
設定画面67Aについて説明すると、タッチパネル式液晶画面67の設定画面67Aには、強制掻込制御の実行時におけるリール4の回転数を最低から最高の間において選択可能に複数段階で表示する回転選択・表示欄67A1と、強制掻込制御の実行時におけるリール4の上下位置を下限から上限の間において選択可能に複数段階で表示する上下位置選択・表示欄67A2と、強制掻込制御の実行時におけるリール4の前後位置を最前方の間において選択可能に複数段階で表示する前後位置選択・表示欄67A3と、強制掻込制御の実行時におけるリール4の回転数を、強制掻込制御の実行直前の状態で保持する回転キープ選択・表示欄67A4と、強制掻込制御の実行時におけるリール4の上下位置及び前後位置を、強制掻込制御の実行直前の状態で保持する位置キープ選択・表示欄67A5とを有している。
図8に示す例では、回転選択・表示欄67A1において、強制掻込制御の実行時におけるリール4の回転数である掻込回転数が、最高(すなわち最速)に設定され、上下位置選択・表示欄67A2において、強制掻込制御の実行時におけるリール4の上下位置である掻込高さが、下限である最下降位置に設定され、前後位置選択・表示欄67A3において、強制掻込制御の実行時におけるリール4の前後位置である掻込位置が、最後方位置に設定され、回転キープ選択・表示欄67A4及び位置キープ選択・表示欄67A5が非選択な状態になる。
制御部83の記憶部83aには、その時点での強制掻込状態の設定の情報である強制掻込設定情報が記憶され、設置画面67Aの表示時、制御部83は、その時点での強制掻込設定情報を、該設定画面67Aに出力する。言換えると、設定画面67Aに表示されている情報が変更されると、その変更は逐次、更新された強制掻込設定情報として記憶部83aに記憶される。
また、回転キープ選択・表示欄67A4が選択されて表示いる状態では、回転選択・表示欄67A1はブランクの状態又は非選択の状態で表示される。さらに、位置キープ選択・表示欄67A5が選択されて表示いる状態では、上下位置選択・表示欄67A2及び前後位置選択・表示欄67A3はそれぞれブランクの状態又は非選択の状態で表示される。
このように、シート63の前方に強制掻込状態の設定を行うタッチパネル式液晶モニタ67と、強制掻込スイッチ69,76とを設けたので、操作性が向上する他、操縦席14でオペレータが起立した状態で強制掻込制御の実行する場合に、リール4の作物の掻込状態を目視しながら設定を行うことができる。
図9(A),(B)はそれぞれ刈取作物検出スイッチの構成を示す斜視図である。刈取作物の種類に応じて交換される部品が存在する。その部品の種類を前記刈取作物検出スイッチ91によって検出する。その一例として、受樋93について説明する。一番ラセン31及び二番ラセン32の直下には、左右方向に形成された且つ上方が開放されたU字溝状に成形された受樋93が配置されている。
受樋93の前後両側の開放端部には、それぞれ互いに離間する方向に突出し且つ左右方向に帯状に延びる被取付部94,94が一体成形されてる。この前後一対の被取付部94,94が脱穀部22のフレーム側にボルト等で着脱可能に固定されることにより、受樋93が装着される。
ところで、刈取作物の種類が大豆等の豆類等である場合の受樋93は、そのU字溝形状の底面側に満遍なく複数の孔93aが穿設された第1受樋93Aになる一方で、刈取作物の種類が稲や麦である場合の受樋93は、そのU字溝形状の底面側に孔93aが穿設されていない第2受樋93Bになる。
第1受樋93Aの一方の被取付部94には切欠き94aが形成されているのに対して、第2受樋93Bの2つの被取付部94の何れにも前記切欠き94aは形成されている。この切欠き94aの有無を、刈取作物検出スイッチ91の入切によって検出する。
図10は、制御部が実行するメインルーチンのフロー図である。制御部83は、処理を開始すると、ステップS1に進む。ステップS1では、脱穀クラッチ46及び刈取クラッチ47の断続状態を確認し、前記刈取状態の場合にはステップS2に進む一方で、停止状態又は脱穀状態の場合にはステップS1の処理を再度繰返す。すなわち、刈取部3が駆動停止されている場合、リール4も駆動停止されているため、実質的にこのメインルーチンの処理が行われない。
ステップS2では、強制掻込スイッチ69,76の入切の状態を検知する状態検知のサブルーチンを実行し、処理が終了するとステップS3に進む。ステップS3では、タッチパネル式液晶モニタ67の画面の表示制御を行うモニタ制御のサブルーチンを実行し、処理が終了するとステップS4に進む。
ステップS4では、強制掻込制御の実行時におけるリールの目標状態である強制掻込状態を設定する強制掻込設定のサブルーチンを実行し、処理が終了するとステップS5に進む。ステップS5では、ステップS5では、強制掻込制御の実行の有無の切替を所定条件下に行う強制掻込切替のサブルーチンを実行し、処理が終了するとステップS6に進む。
ステップS6では、後述するフラグAの値を確認し、フラグAが1にセットされている場合には、ステップS1に処理を戻す一方で、フラグAが0のリセットされている場合には、ステップS7に進む。ステップS7では、自動切替検出スイッチ79bの入切を確認し、自動切替検出スイッチ79bが入状態である場合には、車速連動制御を実行する自動モードであると判断して、ステップS8に進む。ちなみに、自動切替検出スイッチ79bは、回転数設定ダイヤル79の押し操作毎に入切の切替が行われる。
ステップS8では、車速連動制御の実行時における設定を読み込み、ステップS9に進む。車速連動制御の実行時の設定の読込には、車速の変化に対するリール4の回転数の変化の割合を、上述した通り、リール回転数設定ダイヤル79の設定値に基づいて決定する処理が含まれる。
また、ステップS8における車速連動制御の実行時の設定の読込には、リール4の上下位置及び前後位置を含めてもよいが、含めなくてもよく、この場合には、リール4が車速連動制御の実行の直前の前後位置及び上下位置と同一の位置で保持され、それ以降に上下位置や前後位置を変更する場合には、リール移動操作具71,72,73,74を用いる。
ステップS9では、ステップS8で読み込んだ設定情報に基づいて、車速連動制御を実行し、ステップS1に処理を戻す。
ステップS7において、自動切替検出スイッチ79bが切状態である場合には、手動制御を実行する手動モードであると判断して、ステップS10に進む。ステップS10では、手動制御の実行時における設定を読み込み、ステップS11に進む。手動制御の実行時の設定の読込には、手動制御の実行時におけるリール4の目標の回転数を、リール回転数設定ダイヤル79によって設定した値にセットする処理が含まれる。
また、ステップS10における手動制御の実行時の設定の読込には、リール4の上下位置及び前後位置が含まれず、リール4が手動連動制御の実行の直前の前後位置及び上下位置と同一の位置で保持され、それ以降に上下位置や前後位置を変更する場合、リール移動操作具71,72,73,74を用いる。
ステップS11では、ステップS10で読み込んだ設定情報に基づいて、手動制御の実行し、ステップS1に処理を戻す。
図11は、状態検知のサブルーチンの処理内容を示すフロー図である。状態検知のサブルーチンの処理が開始されると、ステップS101から処理を開始する。ステップS101では、初期設定で0にリセットされたフラグAの値を確認し、0にリセットされている場合にはステップS102に進む。
ステップS102では、強制掻込スイッチ69,76の入切状態の確認し、入状態であればステップS103に進む。ステップS103では、フラグAを1にセットしてステップS104に進む。ステップS104では、初期設定で0にリセットされたフラグBを1にセットし、このサブルーチンの処理を終了させる。
ステップS101において、フラグAが1にセットされている場合、ステップS105に進む。ステップS105では、強制掻込スイッチ69,76の入切状態を確認し、入状態であれば、ステップS106に進む。ステップS106では、フラグBを0にリセットし、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS105において、強制掻込スイッチ69,76が切状態の場合、ステップS107に進む。ステップS107では、フラグAを0にリセットし、ステップS108に進む。ステップS108では、フラグBを1にセットし、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS102において、強制掻込スイッチ69,76が切状態の場合、ステップS109に進む。ステップS109では、フラグBを0にリセットし、このサブルーチン処理を終了させる。
以上のような処理内容によれば、フラグAは、強制掻込スイッチ69,76の入状態時に1にセットされ、強制掻込スイッチ69,76の切状態時に0にリセットされる。また、フラグBは、強制掻込スイッチ69,76の入状態から切状態への切換時又は切状態から入状態への切換時に1にセットされる一方で、強制掻込スイッチ69,76が入状態で保持されている時又は切状態で保持されている時に0にリセットされる。
ちなみに、フラグAの上述したセット・リセットの処理によって、前記メインルーチン処理のステップS6では、強制掻込スイッチ69,76が入状態の場合、車速連動制御及び手動制御は実行されず、ステップS1に処理が戻される。
図12は、モニタ制御のサブルーチンの処理内容を示すフロー図である。モニタ制御のサブルーチンの処理が開始されると、ステップS201から処理を開始する。ステップS201では、前記フラグAの値を確認し、1にセットされている場合には、ステップS202に進む。
ステップS202では、前記フラグBの値を確認し、1にセットされている場合には、ステップS203に進む。ステップS203に処理が進む状況は、強制掻込スイッチ69,76の切状態から入状態への切換の瞬間であるため、このステップS203では、タッチパネル式液晶モニタ67に表示された現画面を記憶部83aに記憶し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS202において、フラグBが0にリセットされている場合には、ステップS204に進む。ステップS204に処理が進む状況は、強制掻込スイッチ69,76が入状態で保持されている状態である。このため、ステップS204では、タッチパネル式液晶モニタ67に上述した設定画面67Aを表示し、このサブルーチン処理を終了させる。
すなわち、強制掻込スイッチ69,76が入状態で保持(言換えると入操作)して後述する処理によって強制掻込制御が実行されている最中は、設定画面67Aがタッチパネル式液晶モニタ67に表示される。
ステップS201において、フラグAが0にリセットされている場合、ステップS205に進む。ステップS205において、フラグBが1にセットされている場合にはステップS206に進む。ステップS206に進む状況は、強制掻込スイッチ69,76の入状態から切状態への切換時である。このため、ステップS206では、直近に実行したステップS203の処理によって記憶部83aに記憶した画面である元画面を、タッチパネル式液晶モニタ67に表示し、このサブルーチン処理を終了させる。
ちなみに、この元画面は、タッチパネル式液晶モニタ67を設定画面67Aに切り替える直前に表示されていた画面であり、後述する処理によって強制掻込制御の実行が停止されるタイミングで、設定画面67Aから前記元画面に切り替えられる。
ステップS205において、フラグBが0にリセットされている場合、強制掻込スイッチ69,76が切状態で保持されている状態であるため、何の処理もせずにこのサブルーチン処理を終了させる。
図13は、強制掻込設定のサブルーチンの処理内容を示すフロー図である。強制掻込設定のサブルーチンの処理が開始されると、ステップS301に進む。ステップS301では、自動切替検出スイッチ79bの入切を確認し、入状態の場合(自動モードへの切替時)にはステップS302に進む一方で、切状態の場合(手動モードへの切替時)にはステップS303に進む。
ステップS302では、タッチパネル式液晶モニタ67の設定画面67Aによって設定され且つ記憶部83aに記憶された強制掻込設定情報を読み込み、このサブルーチン処理を終了させる。このようにして読み込まれた強制掻込設定情報は、掻込高さ、掻込位置及び掻込回転数として強制掻込状態に反映される。
ステップS303では、回転数設定ダイヤル79によって設定された手動モード時の回転数と、タッチパネル式液晶モニタ67の設定画面67Aによって設定され且つ記憶部83aに記憶された強制高さ及び掻込位置とを、強制掻込設定情報として読み込み、このサブルーチン処理を終了させる。このようにして読み込まれた強制掻込設定情報も、ステップS302と同様、強制掻込状態に反映される。
すなわち、自動切替検出スイッチ79bの入切によって、強制掻込状態(具体的には、リール4の回転数)が異なる状態に設定される。なお、自動切替検出スイッチ79bが切状態の場合、掻込高さを最下降位置とし且つ掻込位置を最前方位置又は最後方位置として固定的に設定してもよい。
図14は、強制掻込切替のサブルーチンの処理内容を示すフロー図である。強制掻込切替のサブルーチンの処理が開始されると、ステップS401に進む。ステップS401では、フラグAの値を確認して1にセットされていれば、ステップS402に進む。ステップS402では、フラグBが1にセットされている場合には、ステップS403に進む。
ステップS403に処理が進む状況は、強制掻込スイッチ69,76が切状態から入状態に切換えられた瞬間である。このため、ステップS403では、リール4のその時点での状態である回転数、上下位置及び前後位置を記憶部83aに記憶し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS402において、フラグBが0にリセットされている場合、ステップS404に進む。ステップS404に進む状況は、強制掻込スイッチ69,76が入状態で保持されている状態である。このため、ステップS404では、強制掻込設定のサブルーチンの処理で読み込んだ掻込高さ、掻込位置及び掻込回転数になるようにして強制掻込制御を実行し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS401において、フラグAが0にリセットされている場合、ステップS405に進む。ステップS405では、フラグBの値を確認して1にセットされている場合には、ステップS406に進む。ステップS406に進む状況は、強制掻込スイッチ69,76が入状態から切状態に切換えられた瞬間である。このため、ステップS406では、直近に実行したステップS403の処理において記憶部83aに記憶した上下位置、前後位置及び回転数になるようにリール4の状態を復帰させ、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS405において、フラグBが0にリセットされている場合、フラグAも0にリセットされて強制掻込スイッチ69,76が切状態で保持されている状態であり、強制掻込制御は実行されず且つ他に処理を行う必要もないため、このサブルーチン処理を終了させる。
以上のように構成される汎用コンバインによれば、自動モードへの切替状態での強制掻込制御の実行時におけるリール4の目標状態のみを変更したい場合、専用の設定操作手段であるタッチパネル式液晶モニタ67の設定画面67Aから設定を変更すればよく、利便性が高い。
また、手動モードへの切替状態での強制掻込制御の実行時におけるリール4の回転数は、リール回転数設定ダイヤル79によって個別に設定可能であるため、状況に応じた使い分けが可能になる。
次に、図15に基づいて本発明の別実施形態について上述の形態と異なる点を説明する。
図15は、本発明の他の実施形態に係る設定画面の状態遷移を示した説明図である。同図に示す設定画面67Aでは、刈取作物の種類をタップ操作によって選択する選択欄67A6が別途設けられている。この選択可能な刈取作物の種類毎に、強制掻込状態の設定の候補となる設定候補情報が、記憶部83aに記憶される。そして、刈取作物の種類を選択すると、その種類に応じた設定候補情報が、強制掻込設定情報としてセットされ且つ設定画面67Aに表示される。
例えば、図15の上側に示された設置画面67Aにおいて、刈取作物の種類として「稲」を選択した場合、掻込速度は最速にセットされ、掻込高さは最下降位置にセットされ、掻込位置は最後方にセットされる一方で、同図の下側に示された設置画面67Aにおいて、刈取作物の種類として「大豆」を選択した場合、掻込速度は直前の回転数をキープするように設定され、掻込高さは最下降位置から3番目に低い位置にセットされ、掻込位置は最後方にセットされる。
ちなみに、この設定画面67Aのタッチ操作によって、設定候補情報及び強制掻込設定情報を変更することも可能になる。
次に、図16に基づいて本発明の別実施形態について上述の形態と異なる点を説明する。
図16は、本発明の他の実施形態に係るモニタ制御のサブルーチンの処理のフロー図である。同図に示すモニタ制御のサブルーチンの処理は、ステップS501から開始される。ステップS501では、刈取作物検出スイッチ91又は選別性能調整ダイヤル77によって、その時点で選択されている刈取作物の種類である現刈取作物を読み込み、ステップS502に進む。
ステップS502では、後述する処理によって、直近に記憶部83aに記憶された刈取作物の種類である記憶刈取作物を、該記憶部83aから読み込み、現刈取作物から変更されているか否かを確認し、変更されていればステップS503に進む。ステップS503では、初期設定で0にリセットされたフラグCを1にセットし、ステップS504に進む。
ステップS504では、設定画面67Aをタッチパネル式液晶モニタ67に表示させる時間である表示時間をセットし、該表示時間から0までのカウントダウンを開始し、ステップS505に進む。ステップS505では、現刈取作物が記憶刈取作物から変更されているため、該現刈取作物を新たな記憶刈取作物として記憶部83aに記憶し、ステップS506に進む。ステップS506では、前記ステップS203と同様の処理を行い。このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS502において、現刈取作物が記憶刈取作物と同一であれば、ステップS507に進む。ステップS507では、フラグCの値を確認し、1にセットされていれば、ステップS508に進む。ステップS509では、表示時間から0までのカウントダウンが終了しているか否かを確認し、まだカウント中であればステップS509に進む。ステップS509では、設定画面67Aをタッチパネル式液晶モニタ67に表示し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS508において、表示時間から0までのカウントが終了していれば、ステップS510に進む。ステップS510に進む状況は、タッチパネル式液晶モニタ67に設定画面67Aをそれ以上表示する必要がない状態である。このため、ステップS510では、フラグCを0にリセットし、ステップS511に進む。すなわち、このフラグCは、タッチパネル式液晶モニタ67に設定画面67Aを表示すべき状態の間だけ1にセットされ、それ以外の状態では0にリセットされる。
ステップS511では、前記ステップS206と同様の処理を行う。具体的には、直近に実行したステップS506の処理によって記憶部83aに記憶した画面である元画面を、タッチパネル式液晶モニタ67に表示し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS507において、フラグCが0にリセットされている場合、このサブルーチン内で何かの処理を行う必要はないため、このサブルーチン処理を終了させる。
モニタ制御の上記処理内容によれば、刈取作物の種類が変更された場合に、表示時間だけ設定画面67Aがタッチパネル式液晶モニタ67に表示され、設定の確認や変更が可能になる。
なお、図12に示す処理と、図16に示す処理とを、前記メインルーチンの1回の処理中で、順次行うようにしてもよい。
次に、図17に基づいて本発明の別実施形態について上述の形態と異なる点を説明する。
図17は、本発明の他の実施形態に係るモニタ制御のサブルーチンの処理のフロー図である。同図に示すモニタ制御のサブルーチンの処理は、ステップS601から開始される。ステップS601では、初期設定で0にリセットされたフラグDの値を確認し、0にリセットされた状態であればステップS602に進む。
ステップS602では、予め定めた所定の周知が1回分経過したか否かを確認し、経過していなければ、このサブルーチン処理を終了させる一方で、経過していればステップS603に進む。ちなみに、周期が1回分経過しても、新たな1回分の周期のカウントが直ちに開始される。
ステップS603では、フラグDを1にセットし、ステップS604に進む。ステップS604では、設定画面67Aをタッチパネル式液晶モニタ67に表示させる時間である表示時間をセットし、該表示時間から0までのカウントダウンを開始し、ステップS605に進む。ちなみに、このサブルーチンの表示時間は、上述した周期よりもかなり短く設定される。ステップS605では、前記ステップS203と同様の処理を行い。このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS601において、フラグDが1にセットされている場合、ステップS606に進む。ステップS606では、表示時間から0までのカウントダウンが終了しているか否かを確認し、まだカウント中であればステップS607に進む。ステップS607では、設定画面67Aをタッチパネル式液晶モニタ67に表示し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS606において、表示時間から0までのカウントが終了していれば、ステップS608に進む。ステップS608に進む状況は、タッチパネル式液晶モニタ67に設定画面67Aをそれ以上表示する必要がない状態である。このため、ステップS608では、フラグDを0にリセットし、ステップS609に進む。すなわち、このフラグDは、タッチパネル式液晶モニタ67に設定画面67Aを表示すべき状態の間だけ1にセットされ、それ以外の状態では0にリセットされる。
ステップS609では、前記ステップS206と同様の処理を行う。具体的には、直近に実行したステップS605の処理によって記憶部83aに記憶した画面である元画面を、タッチパネル式液晶モニタ67に表示し、このサブルーチン処理を終了させる。
モニタ制御の上記処理内容によれば、一周期の経過毎に、表示時間だけ、設定画面67Aがタッチパネル式液晶モニタ67に表示され、設定の確認や変更が可能になる。
なお、図12に示す処理と、図16に示す処理と、図17に示す処理を、前記メインルーチンの1回の処理中で、順次行うようにしてもよいし、或いは図16及び図17に示す処理のみを前記メインルーチンの1回の処理中で、順次行うようにしてもよいし、
次に、図18に基づいて本発明の別実施形態について上述の形態と異なる点を説明する。
図18は、本発明の他の実施形態に係るメインルーチンの処理のフロー図である。同図に示すメインルーチンの処理も、ステップS1から開始される。図10に示す形態との違いは、ステップS7の処理が省略され、ステップS6においてフラグAが0にリセットされている場合、ステップS8に進む。
すなわち、図10に示す形態では、強制掻込制御と車速連動制御時と手動制御とが排他的に実行される一方で、図18に示す形態では、強制掻込制御と車速連動制御時とのみが排他的に実行される。