JP2020120485A - スイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置 - Google Patents

スイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置 Download PDF

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恭平 清田
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潤 地崎
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Abstract

【課題】半径方向に作用する電磁力に起因した振動や騒音を容易に低減できるスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置を提供する。【解決手段】制御対象のSRM10は、複数の固定子歯部に巻回された駆動コイルに駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が供給されて動作する。スイッチトリラクタンスモータ制御装置16hは、電気角Xの1サイクルの起点を励磁開始角x1、終点を(x1+1)としたとき、当該1サイクルにおける励磁開始角x1から励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)の間、駆動用コイルに、一方向にのみ流れる電流であって、XN(Nは正の実数)の項を含む数式と定数Ks(Ksは正の実数)との積で表される関数式で規定される駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)を供給する。【選択図】図13

Description

本発明は、永久磁石を用いないスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置に関する。
スイッチトリラクタンスモータは、堅牢性に優れており、希土類磁石を使用せずに構成できる等の利点があることから、自動車駆動用モータや、産業用のファン、ポンプ、ブロアの用途等、幅広い分野で注目を集めている。
まず、スイッチトリラクタンスモータの基本構造の一例を簡単に説明する。図10に示すスイッチトリラクタンスモータ10(以下、SRM10と称する。)は、いわゆる三相モータの一種であり、円筒状の内周面に6つの固定子歯部A1,A2,B1,B2,C1,C2が均等間隔に突設され、各固定子歯部に駆動用コイル12aが巻回された固定子12を備え、固定子12の内側に、外周面に4つの回転子歯部R1〜R4が均等間隔に突設された回転子14が同軸に配置されている。
固定子歯部A1の駆動用コイル12aのインダクタンスLa(X)は、回転子歯部R1〜R4の中のどれかが近づいて対向した時に最も大きくなり、離れると小さくなる。他の固定子歯部の駆動用コイル12aのインダクタンスも同様である。つまり、各インダクタンスは、回転子14が回転することによって周期的に増減する。
図10に記載した3つのグラフは、回転磁界の角度を示す電気角Xを横軸にして、各インダクタンスの変化のしかたを表している。電気角Xは、ここでは1サイクルの幅を1とし、固定子歯部A1に対して回転子歯部R2が対向する角度を−1、次の回転子歯部R1が対向する角度を0としている。固定子歯部A1,A2の駆動用コイル12aのインダクタンスLa(X)は互いに同じ位相で増減し、上段のグラフに示すように、電気角X=−1,0,+1の時に最大になり、電気角X=−0.5,+0.5の時に最小になる。また、固定子歯部B1,B2の駆動用コイル12aのインダクタンスLb(X)は互いに同じ位相で増減し、中段のグラフに示すように、インダクタンスLa(X)に対して位相が1/3サイクル遅れて変化する。また、固定子歯部C1,C2の駆動用コイル12aのインダクタンスLc(X)は互いに同じ位相で増減し、下段のグラフに示すように、インダクタンスLa(X)に対して位相が2/3サイクル遅れて変化する。
SRM10を駆動する時は、各駆動用コイル12aに所定の駆動電流を流し、回転子歯部R1〜R4にトルクT(R1)〜T(R4)を発生させて回転子14を回転させる(図11(a))。トルクT(R1)〜T(R4)の大きさは、駆動電流の大きさの2乗に略比例し、インダクタンスの変化速度に略比例するので、通常は、所定の駆動電流で効果的にトルクを発生させため、インダクタンスLa(X),Lb(X),Lc(X)が各々増加しているタイミングで駆動電流を流す。
例えば固定子歯部A1,A2の駆動用コイル12aの場合、図12(a)に示すように、電気角X≒−0.35〜0の期間に矩形波状の駆動電流ia(X)を流す。固定子歯部B1,B2の駆動用コイル12aの場合、図12(b)に示すように、電気角X≒−0.02〜+0.33の期間に矩形波状の駆動電流ib(X)を流す。そして、固定子歯部C1,C2の駆動用コイル12aの場合、図12(c)に示すように、電気角X≒+0.31〜+0.66の期間に矩形波状の駆動電流ic(x)を流す。
SRM10の動作は、例えば図13に示す制御装置16で制御する。制御装置16の回転子位置検出部18は、回転子14の回転位置を示す角度θを検出し、その情報を回転子速度算出部20及び電流位相分配部22に送る。回転子速度算出部20は、角度θの情報から回転子14の回転速度を示す角速度ωを算出し、その情報を速度制御演算部24に送る。そして、速度制御演算部24は、角速度ωと目標角速度ωrとの偏差を算出し、この偏差をゼロに近づけるための速度制御情報Sjを作成して電流位相分配部22に送る。
電流位相分配部22には、例えば、「駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)は、互いに相似な矩形波状の波形とし、位相を1/3サイクルずつずらす。」というルールが設定されている。そして、電流位相分配部22は、取得した速度制御情報Sjに基づいて、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の波形をどのように変化させるかを決定する。例えば、「駆動電流ia(x),ib(X),ic(X)の波高値を5%大きくする」ということを決定する。さらに、取得した角度θの情報に基づいてインダクタンスLa(X),Lb(X),Lc(X)の増減の状況を推定し、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)を流すタイミングを決定する。そして、決定した内容を数値化した電流指令値S(ia),S(ib),S(ic)を作成し、電流制御演算部26に送る。
電流制御演算部26は、インバータ回路28の動作指令となる電圧指令値S(va),S(vb),S(vc)を作成するブロックであり、各駆動用コイル12aに実際に流れている駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の情報を取得し、これを加味して上記の電流指令値S(ia),S(ib),S(ic)を電圧指令値S(va),S(vb),S(vc)に変換する。そして、インバータ回路28が電圧指令値S(va),S(vb),S(vc)に基づいて動作し、駆動用コイル12aに、電流位相分配部22が決定した駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れる。
駆動用コイル12aに駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れると、上記のように、回転子歯部R1〜R4にトルクT(R1)〜T(R4)が発生する。図14の中段のグラフは、電気角Xを横軸にした時の総トルクTsum(X)の変化を示している。総トルクTsum(X)は、トルクT(R1)〜T(R4)の大きさを合算したものである。回転子14は、この総トルクTsum(X)により、目標角速度ωrとほぼ等しい角速度ωで回転する。
スイッチトリラクタンスモータは、固定子と回転子との間に半径方向の電磁力が作用し、これによって振動や騒音が発生しやすいという問題がある。上記SRM10の場合、半径方向の電磁力は、図11(b)に示すように、固定子12の各固定子歯部に作用するラジアル力F(A1),F(A2),F(B1),F(B2),F(C1),F(C2)として表すことができる。
図14の下段のグラフは、各駆動用コイル12aに上記の矩形波状の駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れた時の総ラジアル力Fsum(X)の変化を示している。総ラジアル力Fsum(X)は、ラジアル力F(A1),F(A2),F(B1),F(B2),F(C1),F(C2)の大きさを合算したものである。このグラフから分かるように、総ラジアル力Fsum(X)は、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の1サイクルの1/3の周期で大きく増減し、このリップルが、固定子12を振動させ騒音を発生させる主原因となっている。
従って、従来から、スイッチトリラクタンスモータの、半径方向に作用する電磁力に起因した振動や騒音を低減する技術が複数提案されている。例えば、特許文献1には、半径方向の電磁力のJ次成分が許容値以下になるように、駆動電流の波形を制御する技術が開示されている。具体的には、直流成分と、正弦波の基本波及び電流成分の積と、正弦波の高調波(2次、3次、4次、・・・)及び電流成分の積との和で規定される駆動電流を、駆動用コイルに供給する。
再公表WO2015/030083号公報
特許文献1に開示された制御方法は、駆動電流を規定するための定数の数が非常に多く、しかも、各定数を決定するため、事前にスイッチトリラクタンスモータの特性を細かく解析した上で、各定数の適切な値を高度な手法を用いて推定しなければならない。また、制御装置に駆動電流の波形を決定する機能(例えば、図13の制御装置16の電流位相分配部22)を持たせるために、かなり難解で複雑な計算機能が要求されるので、高速演算が可能な高性能デジタルプロセッサが必要になる。
また、駆動電流を矩形波状にする従来の制御装置では、電流指令値が「励磁開始角」「励磁終了角」及び「電流波高値」で構成されるケースが多い。したがって、特許文献1のように駆動電流を全く異なる方法で規定する場合、従来の制御装置の内部機能を大幅に改変したり新しい機能を追加したりしなければならない。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、半径方向に作用する電磁力に起因した振動や騒音を容易に低減できるスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部に駆動用コイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えたスイッチトリラクタンスモータの制御方法であって、
回転磁界の角度を示す電気角Xの1サイクルの起点を励磁開始角x1、終点を(x1+1)としたとき、当該1サイクルにおける励磁開始角x1から励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)の間、前記駆動用コイルに、一方向にのみ流れる電流であって、XN(Nは正の実数)の項を含む数式と定数Ks(Ksは正の実数)との積で表される関数式で規定される駆動電流i(X)を供給するスイッチトリラクタンスモータの制御方法である。
前記1サイクルに供給する前記駆動電流i(x)は、前記励磁開始角x1(−1<x1<0)と、前記励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)と、前記定数Ksと、所定の定数N1,N2(N1,N2は正の実数)とを含む次の式(1)により規定されることが好ましい。
i(X)=Ks・(X-x1)N1・(-X+x2)N2 (1)
また、本発明は、円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部に駆動用コイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えたスイッチトリラクタンスモータの動作を制御するスイッチトリラクタンスモータ制御装置であって、
回転磁界の角度を示す電気角Xの1サイクルの起点を励磁開始角x1、終点を(x1+1)としたとき、当該1サイクルにおける励磁開始角x1から励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)の間、前記駆動用コイルに、一方向にのみ流れる電流であって、XN(Nは正の実数)の項を含む数式と定数Ks(Ksは正の実数)との積で表される関数式で規定される駆動電流i(X)を供給するスイッチトリラクタンスモータ制御装置である。
前記1サイクルに供給する前記駆動電流i(x)は、前記励磁開始角x1(−1<x1<0)と、前記励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)と、前記定数Ksと、所定の定数N1,N2(N1,N2は正の実数)とを含む上記の式(1)により規定されることが好ましい。
本発明のスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置は、定数の数が少ないシンプルな関数式を用いて駆動電流の波形を規定する構成になっている。したがって、各定数を適宜設定し変更することによって、駆動電流の波形を容易かつ自在に可変することができ、半径方向に作用する電磁力に起因した振動や騒音を抑える調整を、容易に行うことができる。特に、特許文献1の制御方法のように、制御対象のスイッチトリラクタンスモータの特性を細かく解析したり、各定数の値を高度な手法を用いて推定したりする必要がないので、実用性が高くて非常に使いやすい。
また、駆動電流を上記の式(1)に基づいて規定することにより、電流指令値を「励磁開始角x1」「励磁終了角x2」及び「定数Ks」で構成することができる。したがって、従来の制御装置(駆動電流を矩形波状にする制御装置)の構成を大幅に改変することなく使用することができる。
本発明のスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置の一実施形態で使用される駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の規定方法を説明するグラフである。 図1に示す規定方法を用いて規定した駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の具体例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である[実施例1]。 図2に示す駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)でスイッチトリラクタンスモータを駆動した時に発生する総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションしたグラフである[実施例1]。 図1に示す規定方法を用いて規定した駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の具体例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である[実施例2]。 図4に示す駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)でスイッチトリラクタンスモータを駆動した時に発生する総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションしたグラフである[実施例2]。 図1に示す規定方法を用いて規定した駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の具体例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である[実施例3]。 図6に示す駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)でスイッチトリラクタンスモータを駆動した時に発生する総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションしたグラフである[実施例3]。 図1に示す規定方法を用いて規定した駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の具体例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である[実施例4]。 図8に示す駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)でスイッチトリラクタンスモータを駆動した時に発生する総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションしたグラフである[実施例4]。 一般的なスイッチトリラクタンスモータの構造を示す図、及び各駆動用コイルのインダクタンスの変化を示すグラフである。 図10に示すスイッチトリラクタンスモータに駆動電流を流した時の、回転子歯部に作用するトルクを示す図(a)、固定子歯部に作用するラジアル力を示す図(b)である。 駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の典型的な例を示すグラフ(a)、(b)、(c)である[従来例]。 スイッチトリラクタンスモータの一般的な制御装置の構成を示すブロック図である。 図12に示す駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)でスイッチトリラクタンスモータを駆動した時に発生する総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションしたグラフである[従来例]。
以下、本発明のスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置の一実施形態について、図1〜図9に基づいて説明する。この実施形態のスイッチトリラクタンスモータ制御装置は、図13に示す制御装置16と同様の機能ブロックにより構成され、電流位相分配部22が、上記従来の技術と異なる独特な動作を行う点に特徴がある。以下、この実施形態のスイッチトリラクタンスモータ制御装置を、SRM制御装置16hと表し、SRM制御装置16hが有する電流位相分配部を電流位相分配部22hと表し、上記従来の制御装置16と区別する。なお、この実施形態のスイッチトリラクタンスモータの制御方法は、このSRM制御装置16hにより実行される。
電流位相分配部22hには、回転磁界の角度を示す電気角Xが定義されており、電気角Xの1サイクルの幅を1とし、固定子歯部A1に対して回転子歯部R2が対向する角度を−1、次の回転子歯部R1が対向する角度を0としている。そして、電流位相分配部22hには、「電気角Xの1サイクルの起点を励磁開始角x1、終点を(x1+1)としたとき、駆動電流ia(X)は、当該1サイクルにおける励磁開始角x1から励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)の間、下記式(1)で規定される波形にする。」というルールが設定されている。
i(X)=Ks・(X-x1)N1・(-X+x2)N2 (1)
式(1)の右辺は、XN(Nは正の実数)の項を含む多項式と定数Ksとの積で成る関数であり、駆動電流ia(X)の波形は、図1のグラフのように表される。式(1)の中の定数N1,N2は正の実数であり、定数N1,N2を変更すると駆動電流ia(X)の形状と波高値が変化する。例えば、N1=N2にするとx1<X<x2の範囲の形状が左右対称になり、N1≠N2にすると左右非対称になる。また、式(1)の中の定数Ksは正の実数であり、定数Ksを変更すると、駆動電流ia(X)の波形が縦軸方向に拡大又は縮小され、波高値が変化する。
さらに、電流位相分配部22hには、「駆動電流ib(X),ic(X)は駆動電流ia(X)と相似な波形とし、位相を1/3サイクルずつずらす。」というルールが設定されている。したがって、駆動電流ib(X)は式(1)の右辺の「X」に「X-1/3」を代入した式で規定され、駆動電流ic(X)は式(1)の右辺の「X」に「X-2/3」を代入した式で規定される。
電流位相分配部22hは、図13に示す速度制御演算部24から取得した速度制御情報Sjに基づいて、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)をどのように変化させるかを決定する。例えば、「駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の波高値を大きくするため、定数Ksを5%大きくする。」とか、「駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)を流す期間を長くするため、|x2−x1|を3%大きくする。」ということを決定する。さらに、取得した角度θの情報に基づいてインダクタンスLa(X),Lb(X),Lc(X)の増減の状況を推定し、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)を流すタイミングを決定する。そして、決定した内容を数値化した電流指令値S(ia),S(ib),S(ic)を作成し、電流制御演算部26に送る。
そして、電流制御演算部26が電圧指令値S(va),S(vb),S(vc)を作成し、インバータ回路28が電圧指令値S(va),S(vb),S(vc)に基づいて動作し、各駆動用コイル12aに、電流位相分配部22hが決定した駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れる。
次に、式(1)の各定数を異なる値に設定した4つの実施例を順番に説明する。なお、各実施例の定数は、総トルクTsum(X)の平均値が、従来の矩形波状の駆動電流ia(x),ib(X),ic(X)を流した時とほぼ同じになるように設定している。
実施例1は、式(1)の定数を、Ks=106、x1=−0.5、x2=0、N1=1、N2=1にした例であり、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)は、図2のグラフに示す波形となる。そして、この駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れた時の総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションすると、図3のグラフのようになった。図3から分かるように、実施例1によれば、総ラジアル力Fsum(X)が増減する幅を従来よりも約33%低減することができた。
実施例2は、式(1)の定数を、Ks=70.5、x1=−0.625、x2=0、N1=1、N2=1にした例であり、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)は、図4のグラフに示す波形となる。そして、この駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れた時の総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションすると、図5のグラフのようになった。図5から分かるように、実施例2によれば、総ラジアル力Fsum(X)が増減する幅を従来よりも約42%低減することができた。
実施例3は、式(1)の定数を、Ks=480、x1=−0.5、x2=0、N1=1、N2=2にした例であり、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の、図6のグラフに示す波形となる。そして、この駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れた時の総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションすると、図7のグラフのようになった。図7から分かるように、実施例3によれば、総ラジアル力Fsum(X)が増減する幅を従来よりも約52%低減することができた。
実施例4は、式(1)の定数を、Ks=151、x1=−0.625、x2=−0.125、N1=1、N2=1にした例であり、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)は、図8のグラフに示す波形となる。そして、この駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)が流れた時の総トルクTsum(X)及び総ラジアル力Fsum(X)をシミュレーションすると、図9のグラフのようになった。図9から分かるように、実施例4によれば、総ラジアル力Fsum(X)が増減する幅を従来よりも約55%低減することができた。
図3、図5、図7、図9のシミュレーション結果を比較して分かるように、実施例4の設定は、総ラジアル力Fsum(X)の増減を小さくして振動や騒音を小さくすることを重視した設定、実施例1の設定は、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の実効値を小さくして駆動用コイル12aの銅損を小さくすることを重視した設定、実施例2,3の設定は、その中間の設定と言うことができる。即ち、式(1)の各定数を、総ラジアル力Fsum(X)の増減が小さくなるように設定するほど、総ラジアル力に起因する振動や騒音を小さくしやすい。一方,各駆動電流の実効値が小さくなるように設定すると、駆動用コイル12aの銅損が小さくなる。その他、総トルクTsum(X)の増減を小さくして回転子14の回転の安定性を高めることを重視した設定にすることも可能である。式(1)の各定数は、制御対象のSRM10の用途に合わせ、希望の性能が得られるように適宜調節すればよい。
以上説明したように、この実施形態のスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置は、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)の波形を、定数の数が少ないシンプルな関数式で規定する構成になっている。したがって、各定数を適宜設定し変更することによって駆動電流の波形を容易かつ自在に可変することができ、半径方向の電磁力であるラジアル力に起因する振動や騒音を抑える調整を容易に行うことができる。特に、特許文献1の制御方法のように、制御対象のスイッチトリラクタンスモータの特性を細かく解析したり、各定数の値を高度な手法を用いて推定したりする必要がないので、実用性が高くて非常に使いやすい。
また、駆動電流ia(X),ib(X),ic(X)を上記の式(1)に基づいて規定するので、電流指令値を「励磁開始角x1」「励磁終了角x2」及び「定数Ks」で構成することができる。したがって、従来の制御装置(駆動電流を矩形波状にする制御装置)の構成を大幅に改変することなく使用することができる。
なお、本発明のスイッチトリラクタンスモータの制御方法及びスイッチトリラクタンスモータ制御装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、駆動電流の波形を規定する関数式は、XN(Nは正の実数)の項を含む数式と定数Ks(Ksは正の実数)との積で表される関数式であればよく、上記の式(1)とは異なる関数式を使用してもよい。
スイッチトリラクタンスモータ制御装置内部の具体的な構成は、上記のSRM制御装置16hの構成に限定されず、本発明が目的とする制御方法が実施可能な範囲で自由に変更することができる。例えば、電流指令値S(ia),S(ib),S(ic)を作成する部分をフィードバック制御ではなくオープンループ制御で行う構成に変更したり、電圧指令値S(va),S(vb),S(vc)を作成する部分にヒステリシス制御を適用したりしてもよく、上記と同様の効果を得ることができる。
上記のスイッチトリラクタンスモータ(SRM10)は、6個の固定子歯部と4個の回転子歯部を有した三相モータであるが、本発明は、歯部の数を変更した三相モータ(例えば、12個の固定子歯部と8個の回転子歯部を備えた三相モータ)にも適用することができる。また、三相モータ以外のモータであっても、同様の考え方で適用することができる。
10 SRM(スイッチトリアクタンスモータ)
12 固定子
12a 駆動用コイル
14 回転子
16h SRM制御装置
A1,1A,B1,B2,C1,C2 固定子歯部
R1,R2,R3,R4 回転子歯部
ia(X),ib(X),ic(X) 駆動電流
Ks,N1,N2 定数
X 電気角
x1 励磁開始角
x2 励磁終了角

Claims (4)

  1. 円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部に駆動用コイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えたスイッチトリラクタンスモータの制御方法において、
    回転磁界の角度を示す電気角Xの1サイクルの起点を励磁開始角x1、終点を(x1+1)としたとき、
    当該1サイクルにおける励磁開始角x1から励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)の間、前記駆動用コイルに、一方向にのみ流れる電流であって、XN(Nは正の実数)の項を含む数式と定数Ks(Ksは正の実数)との積で表される関数式で規定される駆動電流i(X)を供給することを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御方法。
  2. 前記1サイクルに供給する前記駆動電流i(x)は、前記励磁開始角x1(−1<x1<0)と、前記励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)と、前記定数Ksと、所定の定数N1,N2(N1,N2は正の実数)とを含む次の式(1)により規定される請求項1記載のスイッチトリラクタンスモータの制御方法。
    i(X)=Ks・(X-x1)N1・(-X+x2)N2 (1)
  3. 円筒状の内周面に複数の固定子歯部が突設され、前記各固定子歯部に駆動用コイルが巻回された固定子と、前記固定子の内側に同軸に配置され、外周面に複数の回転子歯部が突設された回転子とを備えたスイッチトリラクタンスモータの動作を制御するスイッチトリラクタンスモータ制御装置において、
    回転磁界の角度を示す電気角Xの1サイクルの起点を励磁開始角x1、終点を(x1+1)としたとき、当該1サイクルにおける励磁開始角x1から励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)の間、前記駆動用コイルに、一方向にのみ流れる電流であって、XN(Nは正の実数)の項を含む数式と定数Ks(Ksは正の実数)との積で表される関数式で規定される駆動電流i(X)を供給することを特徴とするスイッチトリラクタンスモータ制御装置。
  4. 前記1サイクルに供給する前記駆動電流i(x)は、前記励磁開始角x1(−1<x1<0)と、前記励磁終了角x2(x1<x2<x1+1)と、前記定数Ksと、所定の定数N1,N2(N1,N2は正の実数)とを含む次の式(1)により規定される請求項3記載のスイッチトリラクタンスモータ制御装置。
    i(X)=Ks・(X-x1)N1・(-X+x2)N2 (1)
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