JP2020120279A - 発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動片を収容する空間の温度が周囲の温度変化の影響を受けにくい発振器、ならびに、前記発振器を備える電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】表面実装型の発振器であって、実装端子が設けられている実装基板と、前記実装基板を覆う蓋部材と、前記実装基板および前記蓋部材により形成される収容空間に収容され、容器と、前記容器に収容されている振動片と、を含む振動子と、前記収容空間に収容されている第1感温素子と、前記第1感温素子の出力に基づいて前記振動片の温度を制御する温度制御素子と、前記実装基板に搭載されている第2感温素子と、前記実装基板の内層に設けられ、前記第2感温素子の出力に基づいて発熱量が制御される加熱部と、を備えることを特徴とする発振器。【選択図】図2

Description

本発明は、発振器、電子機器および移動体に関するものである。
振動子を用いた発振器は、種々の電子機器の基準周波数源や発振源等として広く用いられている。このうち、通信機器や測定器等の基準周波数源に用いられる発振器には、温度変化に対して出力周波数が高い精度で安定していることが求められる。
このような用途には、例えば恒温槽型水晶発振器(Oven Controlled X'tal Oscillator、OCXO)が用いられる。
例えば、特許文献1には、表面実装型の発振器が開示されている。特許文献1に記載の発振器においては、振動素子や発熱素子が容器に収容されている。当該容器は、リードフレームを介してベース基板上に搭載され、ベース基板とカバーが形成する空間内に収容されている。
特開2017−220887号公報
特許文献1に記載されているような表面実装型の発振器では、実装端子が設けられたベース基板と、搭載される基板との接触面積が大きい。このため、搭載基板の温度変化の影響を受けやすく、ベース基板とカバーにより形成される空間内の温度が変化しやすくなるおそれがある。このため、振動素子が収容される容器内の温度も変化しやすくなり、出力信号の周波数精度が低下するおそれがあるという課題があった。
本発明の適用例に係る発振器は、表面実装型の発振器であって、
実装端子が設けられている実装基板と、
前記実装基板を覆う蓋部材と、
前記実装基板および前記蓋部材により形成される収容空間に収容され、容器と、前記容器に収容されている振動片と、を含む振動子と、
前記収容空間に収容されている第1感温素子と、
前記第1感温素子の出力に基づいて前記振動片の温度を制御する温度制御素子と、
前記実装基板に搭載されている第2感温素子と、
前記実装基板の内層に設けられ、前記第2感温素子の出力に基づいて発熱量が制御される加熱部と、
を備えることを特徴とする。
第1実施形態に係る発振器の構造を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1に示す発振器に含まれる容器の概略を示す平面図である。 図3のB−B線断面図である。 図1に示す発振器の構成を示すブロック図である。 図1に示す実装基板の内層に設けられたヒーター配線を示す平面図である。 加熱部であるヒーター配線の加熱パターンを説明するための図である。 図7に示す加熱パターンとは異なる加熱パターンを説明するための図である。 図7に示す加熱パターンとは異なる加熱パターンを説明するための図である。 変形例に係る発振器の構造を示す断面図である。 第2実施形態に係る発振器に含まれる実装基板の内層に設けられたヒーター配線を示す平面図である。 実施形態に係る電子機器であるモバイル型のパーソナルコンピューターを示す斜視図である。 実施形態に係る電子機器である携帯電話機を示す平面図である。 実施形態に係る電子機器であるデジタルスチールカメラを示す斜視図である。 実施形態に係る移動体である自動車を示す斜視図である。
以下、本発明の発振器、電子機器および移動体の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
[発振器]
<第1実施形態>
第1実施形態に係る発振器1の一例として、周波数安定性に優れたSCカット水晶振動片を有するOCXO(恒温槽付水晶発振器)を挙げて説明する。
図1は、第1実施形態に係る発振器1の構造を示す平面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図1に示す発振器に含まれる容器40の概略を示す平面図である。図4は、図3のB−B線断面図である。なお、図1では蓋部材を、図3ではリッドを、それぞれ取り外した状態を図示している。また、後述する図も含め、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している。さらに、説明の便宜上、Y軸方向から視たときの平面視において、+Y軸方向の面を上面、−Y軸方向の面を下面として説明する。なお、本明細書における平面視とは、Y軸方向から見たときの平面視のことをいう。また、一部の図では、説明に関係しない部位の図示を省略してある。
発振器1は、図1または図2に示すように、実装基板62と、実装基板62の上面に設けられた蓋部材64と、を有するパッケージ60を備えている。このパッケージ60の内部の収容空間600には、リードフレーム66を介して実装基板62の上面に配置された振動子10が収容されている。これにより、振動子10は、実装基板62の上方に離間して配置されている。また、収容空間600には、実装基板62の上面に配置された、回路素子16と、複数のコンデンサーや抵抗等の回路部品20、22および24と、が収容されている。
一方、実装基板62の下面には、発振器1を基板等に実装するための実装端子621が設けられている。
リードフレーム66の構成材料には、例えば42アロイのような鉄ニッケル合金等、熱伝導率の低い鉄系の合金にニッケルめっきを施した材料が好ましく用いられる。
また、実装基板62の構成材料としては、例えば絶縁性を有するガラスエポキシ樹脂やセラミックス等が挙げられる。また、実装基板62に設けられた配線や端子は、例えば、全面に銅箔が施された基板について銅箔をエッチングする方法、タングステン、モリブデン等の金属配線材料を基板上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル、金等のめっきを施す方法等で形成することができる。
パッケージ60の蓋部材64の構成材料としては、例えば金属材料、樹脂材料等が挙げられ、これらの複合材料であってもよい。このうち、金属材料を用いることにより、パッケージ60には外部からの電磁ノイズを遮蔽または減衰するシールド効果を付与することができる。
なお、収容空間600は、例えば大気雰囲気であって気密封止されていなくてもよいが、真空等の減圧雰囲気、または窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気に気密封止されていてもよい。
振動子10は、容器40を備えている。この容器40には、図3および図4に示すように、発振回路や出力回路等を含む集積回路11と、温度制御素子14と、SCカット水晶振動片である振動片12と、が収容されている。なお、容器40は、真空等の減圧雰囲気、または窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気に気密封止されている。
容器40は、図3および図4に示すように、容器本体42と、リッド44と、を有している。このうち、容器本体42は、図4に示すように、第1基板46、第2基板48、第3基板50、第4基板52および第5基板54を積層して形成されている。第2基板48、第3基板50、第4基板52および第5基板54は、それぞれ中央部が除去された環状をなしている。また、第5基板54の上面の周縁には、シールリングや低融点ガラス等の封止部材56が配置されている。そして、封止部材56を介してリッド44が接合されている。第1基板46、第2基板48、第3基板50、第4基板52および第5基板54の構成材料は、例えばセラミックスである。また、リッド44の構成材料は、例えばコバール等の金属である。
また、第2基板48および第3基板50により、集積回路11を収容するキャビティーが形成され、第4基板52および第5基板54により、温度制御素子14と振動片12を収容するキャビティーが形成されている。
第1基板46の上面には接合部材36を介して集積回路11が接合されている。そして、集積回路11は、ボンディングワイヤー30を介して第2基板48の上面に配置された図示しない電極パッドと電気的に接続されている。
集積回路11には、例えば、振動片12を発振させるための発振回路、振動片12から出力される周波数信号を逓倍する逓倍回路、周波数信号を出力する出力回路等が含まれている。なお、発振回路、逓倍回路、出力回路等を構成する回路要素の一部は、集積回路11の外部に前述した回路素子16として設けられていてもよい。また、集積回路11には、これらの回路以外の要素が統合されていてもよい。
また、第3基板50の上面には接合部材34を介して温度制御素子14が接合されている。そして、温度制御素子14の上面である能動面15に形成された電極パッド26が、ボンディングワイヤー30を介して第4基板52の上面に配置された図示しない電極パッドと電気的に接続されている。
温度制御素子14は、例えば、振動片12と平面視で重なる位置に配置されている図示しない発熱体と、温度検出に用いられる図示しない第1感温素子と、第1感温素子が検出した温度に基づいて発熱体の発熱量を制御する図示しない制御回路と、を備えている。温度制御素子14は、例えば集積回路である。発熱体は、例えば温度制御素子14内に集積化された抵抗体である。また、第1感温素子は、例えば温度制御素子14内に集積化されたダイオード素子であり、一定の順方向電流を流すことにより、両端の電圧が温度変化に対してほぼ線形に変化するように構成したものであってもよい。
発熱体による発熱量を調整することにより、振動片12の温度を一定の範囲内に制御することができる。したがって、温度制御素子14を収容した容器40は、いわゆる恒温槽として機能する。
なお、温度制御素子14では、発熱体、第1感温素子および制御回路が一体になっているが、これらは互いに別体であってもよい。その場合、例えば第1感温素子は、振動片12の近傍に配置され、振動片12の温度を検出する。このような第1感温素子としては、例えば、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスター、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター、白金抵抗等が挙げられる。なお、第1感温素子は、温度制御素子14と一体になっていてもよい。
振動片12は、温度制御素子14の能動面15に配置されている。本実施形態に係る振動片12は、前述したように、SCカット水晶振動片である。SCカット水晶振動片は、外部応力感度が小さいため、周波数安定性に優れている。
なお、振動片12は、図3に示すような矩形状をなすSCカット水晶振動片に限定されず、円形状をなすSCカット水晶振動片であってもよく、矩形状または円形状をなすATカット水晶振動片、音叉型水晶振動片、弾性表面波共振片、その他の圧電振動片、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)共振片等であってもよい。
また、振動片12の下面に設けられた図示しない電極パッドと、能動面15に設けられた電極パッド26と、の間は、金属性バンプや導電性接着剤等の接合部材32を介して接合されている。また、振動片12の上下面には、図示しない励振電極が形成されており、これらの励振電極と、振動片12の下面に設けられた図示しない電極パッドとが、電気的に接続されている。
なお、振動片12と温度制御素子14との間は、温度制御素子14で発生した熱が振動片12に伝わるように接続されていればよいため、例えば、振動片12と温度制御素子14との間が絶縁性の接合部材を介して接続される一方、振動片12と温度制御素子14との間、または、振動片12と容器本体42との間が、ボンディングワイヤー等の導電性部材を介して電気的に接続されていてもよい。
ここで、実装基板62の上面のうち、パッケージ60の外部には、図1および図2に示すように、第2感温素子92が設けられている。本実施形態に係る第2感温素子92は、パッケージ60の外部に設けられているため、外気温を検出することが可能である。
また、実装基板62の上面のうち、パッケージ60の内部の収容空間600には、図1または図2に示すように、電流制御素子94が設けられている。さらに、実装基板62の内層、例えば積層基板で構成される実装基板62の層間には、加熱部であるヒーター配線96が設けられている。ヒーター配線96は、第2感温素子92における外気温の検出結果に基づき、電流制御素子94から出力される電流量に応じて発熱する。したがって、ヒーター配線96による発熱量は、電流制御素子94によって制御される。
図5は、上述した図1に示す発振器1の構成を示すブロック図である。この図5では、上述した構成の相互関係を示している。
発振器1は、図5に示すように、振動子10と、第2感温素子92と、電流制御素子94と、ヒーター配線96と、を備えている。前述したように、ヒーター配線96の発熱量は、第2感温素子92の出力に基づいて制御される。この制御は、例えばパッケージ60の内部の温度が外気温の影響を受けにくくなるように実施される。これにより、収容空間600の温度変化をより小さく抑えることができる。その結果、容器40の温度変化も抑えられるため、外気温が変化した場合でも、発振器1から出力される周波数信号の周波数変動を抑えることができる。
特に発振器1は、表面実装型であるため、ピンを用いた挿入実装型に比べて、発振器1を搭載する基板との接触面積が大きくなる。このため、搭載基板の温度の影響を受けやすく、収容空間600の温度変化を招きやすい傾向がある。これに対し、本実施形態によれば、表面実装型であっても収容空間600の温度変化を抑えることができる。これにより、周波数変動が特に小さいOCXOを実現することができる。
ヒーター配線96は、前述したように、実装基板62の内層に埋設されている。具体的には、多層構造になっている実装基板62の層間にヒーター配線96が配置されている。ヒーター配線96が実装基板62の内層に埋設されていることにより、実装基板62の温度を確実に制御することができる。このため、表面実装型の発振器1であっても、発振器1が搭載される基板からの熱伝導に伴う温度低下を抑制しやすくなる。その結果、外気温が低い場合でも、収容空間600の温度変化をより小さく抑えることができる。また、実装基板62の上面に敷設されている場合に比べて、実装基板62の上面に載置されている部品を過度に加熱するおそれ、あるいは、部品の絶縁性が低下するおそれ、が少なくなるため、発振器1の信頼性の向上という観点からも有用である。
ヒーター配線96としては、抵抗加熱により発熱可能な配線であれば、特に限定されないが、例えば、タングステン、モリブデン、鉄・クロム・アルミニウム合金、ニッケル・クロム合金のような金属材料、炭化ケイ素、モリブデンシリサイド、ランタンクロマイト、カーボンのような非金属材料等を含む配線が挙げられる。
なお、加熱部としては、ヒーター配線96に代えて、抵抗加熱とは異なる原理で発熱する部材が設けられていてもよい。かかる部材としては、例えば、ペルチェ効果により発熱するペルチェ素子等が挙げられる。
一方、加熱部として実装基板62の内層に設けられているヒーター配線96を用いることにより、加熱部を簡単な構成で実現することができ、加熱部の低コスト化を図ることができる。
図6は、図1に示す実装基板62の内層に設けられたヒーター配線96を示す平面図である。図6に示すヒーター配線96は、Z軸方向に沿って往復しながらX軸方向に延在するように敷設されている。すなわち、図6に示すヒーター配線96は、いわゆるつづら折りの配線形状になっている。また、ヒーター配線96の端部には、図示しないビア配線が接続され、そのビア配線は電流制御素子94と電気的に接続されている。
図6に示すヒーター配線96は、実装基板62の面内にほぼ均一に敷設されている。具体的には、蓋部材64の外周の直下、振動子10の直下、回路素子16の直下、回路部品20、22、24の直下、および電流制御素子94の直下に敷設されている。これにより、実装基板62全体を均一に加熱することができる。なお、ヒーター配線96は、複数の系統に分割されていてもよい。これにより、系統ごとに発熱量を異ならせることができるので、例えば振動子10の近傍のみを加熱し、それ以外は加熱しないといった選択的な加熱が可能になる。
また、ヒーター配線96は、図5に示すように、電流制御素子94と電気的に接続されている。さらに、電流制御素子94は、図5に示すように、第2感温素子92と電気的に接続されている。
第2感温素子92としては、例えば、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスター、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター、白金抵抗等が挙げられる。なお、第2感温素子92は、実装基板62の内層に埋設されていてもよい。
図7は、加熱部であるヒーター配線96の加熱パターンを説明するための図である。なお、図7の横軸は、外気温Tであり、縦軸は、電流制御素子94からヒーター配線96に出力される電流iである。
第2感温素子92が例えばNTCサーミスターである場合、外気温が低下すると、第2感温素子92の抵抗値が上昇する。電流制御素子94では、この抵抗値の上昇を検出する。そして、検出した抵抗値から換算した温度、すなわち検出温度が基準温度T1以下であった場合には、電流値をi2まで増加させるように制御する。これにより、ヒーター配線96の発熱量が増えるため、収容空間600を加熱することができる。その結果、振動子10の容器40の温度低下を抑制することができる。すなわち、振動子10の温度について、外気温の低下の影響を受けにくくすることができる。特に、外気温が著しく低下して、温度制御素子14で制御可能な温度範囲を下回るおそれがある場合でも、それを補うように収容空間600の温度を上昇させることができる。このため、発振器1を適正に使用可能な温度範囲をより広げることが可能になる。
一方、外気温が上昇すると、第2感温素子92の抵抗値が低下する。電流制御素子94では、この抵抗値の低下を検出する。そして、検出した抵抗値から換算した温度、すなわち検出温度が基準温度T1より高かった場合には、電流値をi1まで低下させるように制御する。これにより、ヒーター配線96の発熱量が減るため、収容空間600の過熱を抑制することができる。その結果、振動子10について必要以上の温度上昇を抑制することができる。なお、このi1はゼロ超の値であってもよいが、ゼロ、つまり電流を流さないということでもよい。
以上のようにして、収容空間600の温度変化が抑制され、発振器1から出力される周波数信号の周波数変動をより小さく抑えることができる。
なお、図7に示す加熱パターンでは、前述したように、第2感温素子92の検出温度が基準温度T1以下のとき、ヒーター配線96(加熱部)が発熱し、第2感温素子92の検出温度が基準温度T1より高いとき、ヒーター配線96は電流値をi1とする。ここでは、i1=0とする。したがって、ヒーター配線96は発熱しない。このような加熱パターンを実現するためには、本実施形態に係る電流制御素子94では、基準温度T1を境にして電流値を切り替えるだけの比較的簡単な制御で済む。このため、かかる加熱パターンによれば、電流制御素子94の回路構成を簡素化することができ、電流制御素子94の小型化および低コスト化を図ることができる。
図8および図9は、それぞれ図7に示す加熱パターンとは異なる加熱パターンを説明するための図である。なお、図8および図9の横軸も、外気温Tであり、縦軸は、電流制御素子94からヒーター配線96に出力される電流iである。
図8に示す加熱パターンでは、外気温Tと電流iとが比例している。このため、外気温Tが低下した場合、その低下量に応じた分、電流iを増加させるように制御する。このような制御を行うことにより、収容空間600の温度は外気温の変化の影響をより受けにくくなる。
図9に示す加熱パターンは、外気温Tと電流iとの間が比例関係にあることを示す直線、すなわち図8に示す直線に近似した階段状をなす加熱パターンである。このような加熱パターンによっても、図8に示す加熱パターンに近い効果を得ることができる。また、電流変化の頻度を減らすことができる分、図8に示す加熱パターンを実現するための回路構成に比べて、電流制御素子94の回路構成を簡素化することができる。
以上のように、発振器1は、表面実装型の発振器であって、実装端子621が設けられている実装基板62と、実装基板62を覆う蓋部材64と、実装基板62および蓋部材64により形成される収容空間600に収容され、容器40と、容器40に収容されている振動片12と、を含む振動子10と、収容空間600に収容され、振動片12の温度を検出する第1感温素子と、第1感温素子の出力に基づいて振動片12の温度を制御する温度制御素子14と、実装基板62に搭載されている第2感温素子92と、実装基板62の内層に設けられ、第2感温素子92の出力に基づいて発熱量が制御される加熱部としてのヒーター配線96と、を備える。
このような発振器1によれば、外気温が変化した場合でも、収容空間600の温度が周囲の温度変化の影響を受けにくくなる。このため、より広い外気温範囲において、精度の高い周波数信号を出力可能な発振器1を実現することができる。
なお、第2感温素子92は、本実施形態では収容空間600の外部に配置されているが、これに限定されず、収容空間600に配置されていてもよい。ただし、収容空間600の温度低下の原因である外気温をいち早く検出可能であるという観点から、収容空間600の外部に配置されるのが好ましい。これにより、外気温の変化をタイムラグなく検出し、ヒーター配線96の発熱量に反映させることができる。その結果、外気温が急激に低下した場合でも、ヒーター配線96の発熱量を速やかに増加させ、収容空間600の著しい温度低下を抑制することができる。その結果、振動片12の温度が一定の範囲内からより逸脱しにくくなる。
また、第2感温素子92は、実装基板62の厚さ方向における平面視で、ヒーター配線96と重ならない位置に設けられている。図6では、ヒーター配線96が敷設された領域よりも外側に第2感温素子92が設けられている。仮に、互いに重なる位置に設けられた場合、ヒーター配線96から発生した熱が第2感温素子92の検出温度に影響を与えやすくなり、本来の外気温を正しく検出することができなくなるおそれがある。したがって、互いに重ならない位置に設けられることにより、第2感温素子92は、本来の外気温をより正しく検出することができる。
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例に係る発振器について説明する。
図10は、変形例に係る発振器の構造を示す断面図である。なお、以下の説明では、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
前記実施形態では、蓋部材64の構成材料が例えば金属材料であったのに対し、本変形例では、蓋部材64の構成材料として樹脂材料を用いている。樹脂材料としては、特に限定されず、絶縁性を有する樹脂材料であれば、いかなる材料も用いられる。
また、本変形例では、蓋部材64の内層にもヒーター配線97が埋設されている。これにより、実装基板62のみでなく、蓋部材64についても加熱することが可能になるため、外気温が著しく低下した場合でも、収容空間600の温度について、外気温の変化の影響をより受けにくくすることができる。
ヒーター配線97は、ヒーター配線96と同様、電流制御素子94と電気的に接続され、第2感温素子92の出力に基づいて発熱量が制御される。
なお、ヒーター配線97としては、ヒーター配線96と同様、抵抗加熱により発熱可能な配線であれば、特に限定されないが、タングステン、モリブデン、鉄・クロム・アルミニウム合金、ニッケル・クロム合金のような金属材料、炭化ケイ素、モリブデンシリサイド、ランタンクロマイト、カーボンのような非金属材料等を含む配線が挙げられる。
また、ヒーター配線97は、ヒーター配線96と直列に接続されていてもよいし、ヒーター配線96と並列に接続されていてもよい。さらに、ヒーター配線97による加熱パターンは、ヒーター配線96と同じ加熱パターンであってもよく、異なる加熱パターンであってもよい。
さらに、ヒーター配線97は、蓋部材64の内層に限定されず、蓋部材64の表面に設けられていてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る発振器について説明する。
図11は、第2実施形態に係る発振器に含まれる実装基板の内層に設けられたヒーター配線を示す平面図である。なお、図11には、蓋部材64、回路素子16、回路部品20、22、24、および電流制御素子94の外形を投影している。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第2実施形態は、ヒーター配線96の平面視形状が異なる以外、第1実施形態と同様である。
前述した第1実施形態では、ヒーター配線96が実装基板62のほぼ全体にわたって均一に敷設されているのに対し、図11に示すヒーター配線96は、蓋部材64の外周の直下に選択的に敷設されている。これにより、より少ない発熱量でもパッケージ60の内部の温度低下を抑制し、収容空間600の温度を一定の範囲内に制御しやすくなる。また、ヒーター配線96の延長をより短くすることができるため、実装基板62の製造コストの低減を図ることができる。
具体的には、蓋部材64が特に金属材料で構成されている場合、蓋部材64からの放熱によって蓋部材64の外周の直下の領域、すなわち実装基板62の外周近傍の環状の領域の温度が低下しやすい。そして、その温度低下の結果、パッケージ60の内部全体の温度低下を招き、収容空間600の温度低下が生じやすい傾向がある。
そこで、本実施形態では、蓋部材64の外周の直下に選択的にヒーター配線96を敷設している。すなわち、ヒーター配線96は、実装基板62の厚さ方向における平面視において、蓋部材64の外周と重なる位置に、環状をなすように設けられている。これにより、蓋部材64を介した放熱に伴う温度低下が抑制され、それに伴ってパッケージ60の内部全体の温度低下が生じにくくなる。したがって、ヒーター配線96を短くすることができ、また、消費電力を増やすことなく温度を維持しやすくなる。
また、図11に示すヒーター配線96は、回路素子16の直下、回路部品20、22、24の直下、および電流制御素子94の直下には敷設されていない。このため、ヒーター配線96によって回路素子16、回路部品20、22、24、および電流制御素子94が過度に加熱されてしまうのを防止することができる。
<電子機器>
図12は、実施形態に係る電子機器であるモバイル型のパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
図12において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には基準クロック信号等を生成する発振器1が内蔵されている。
図13は、実施形態に係る電子機器である携帯電話機を示す平面図である。
図13において、携帯電話機1200は、図示しないアンテナ、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には基準クロック信号等を生成する発振器1が内蔵されている。
図14は、実施形態に係る電子機器であるデジタルスチールカメラを示す斜視図である。
図14において、デジタルスチールカメラ1300におけるケース1302の背面には表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側、すなわち図中裏面側には、光学レンズのような撮像光学系やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。そして、撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押すと、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。このようなデジタルスチールカメラ1300には基準クロック信号等を生成する発振器1が内蔵されている。
以上のような電子機器は、発振器1を備える。このような電子機器によれば、発振器1が生成する高精度の基準クロック信号を利用して、電子機器の特性を向上させることができる。
なお、発振器1を備える電子機器は、図12のパーソナルコンピューター、図13の携帯電話機、図14のデジタルスチールカメラの他、例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチを含む時計、インクジェット式吐出装置、例えばインクジェットプリンター、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、通信機能を含む電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡のような医療機器、魚群探知機、各種測定機器、車両、航空機、船舶のような計器類、携帯端末用の基地局、フライトシミュレーター等であってもよい。
<移動体>
図15は、実施形態に係る移動体である自動車を示す斜視図である。
図15に示す自動車1500には、前述した発振器1が内蔵されている。発振器1は、例えば、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ブレーキシステム、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
以上のような移動体は、発振器1を備える。このような移動体によれば、発振器1が生成する高精度の基準クロック信号を利用して、移動体の特性を向上させることができる。
なお、発振器1を備える移動体は、図15に示す自動車の他、例えばロボット、ドローン、二輪車、航空機、船舶、電車、ロケット、宇宙船等であってもよい。
以上、本発明の発振器、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
1…発振器、10…振動子、11…集積回路、12…振動片、14…温度制御素子、15…能動面、16…回路素子、20…回路部品、22…回路部品、24…回路部品、26…電極パッド、30…ボンディングワイヤー、32…接合部材、34…接合部材、36…接合部材、40…容器、42…容器本体、44…リッド、46…第1基板、48…第2基板、50…第3基板、52…第4基板、54…第5基板、56…封止部材、60…パッケージ、62…実装基板、64…蓋部材、66…リードフレーム、92…第2感温素子、94…電流制御素子、96…ヒーター配線、97…ヒーター配線、600…収容空間、621…実装端子、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1108…表示部、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1208…表示部、1300…デジタルスチールカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1500…自動車

Claims (8)

  1. 表面実装型の発振器であって、
    実装端子が設けられている実装基板と、
    前記実装基板を覆う蓋部材と、
    前記実装基板および前記蓋部材により形成される収容空間に収容され、容器と、前記容器に収容されている振動片と、を含む振動子と、
    前記収容空間に収容されている第1感温素子と、
    前記第1感温素子の出力に基づいて前記振動片の温度を制御する温度制御素子と、
    前記実装基板に搭載されている第2感温素子と、
    前記実装基板の内層に設けられ、前記第2感温素子の出力に基づいて発熱量が制御される加熱部と、
    を備えることを特徴とする発振器。
  2. 前記第2感温素子の検出温度が基準温度以下のとき、前記加熱部が発熱し、
    前記第2感温素子の検出温度が前記基準温度より高いとき、前記加熱部は発熱しない請求項1に記載の発振器。
  3. 前記第2感温素子は、前記収容空間の外部に設けられている請求項1または2に記載の発振器。
  4. 前記第2感温素子は、前記実装基板の厚さ方向における平面視で、前記加熱部と重ならない位置に設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発振器。
  5. 前記加熱部は、前記実装基板の厚さ方向における平面視で、前記蓋部材の外周と重なる位置に設けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発振器。
  6. 前記加熱部は、前記実装基板の内層に設けられているヒーター配線である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発振器。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発振器を備えることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発振器を備えることを特徴とする移動体。
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WO2022181546A1 (ja) * 2021-02-25 2022-09-01 株式会社大真空 恒温槽型圧電発振器

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