JP2020120236A - 映像表示装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリーンの曲面の形状等に起因して発生する幾何歪みを、好適に補正することができ、ユーザにとって見易い好適な映像を得ることができる技術を提供する。【解決手段】プロジェクタ1は、スクリーン2に映像を投影する映像表示装置であって、第1位置に配置された投影レンズ22と、第2位置に配置されたカメラ10とを備え、スクリーン2に曲面を持つ場合に、スクリーン2に投影した第1映像をカメラ10によって撮影したカメラ映像を取得し、表示対象映像に対し、カメラ映像、第1位置および第2位置の情報に基づいて、第1仮想視点位置(仮想視点5)から見て曲面に起因する幾何歪みを補正するための幾何変換を行って、変換後映像をスクリーン2に投影する。【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクタ等の映像表示装置の技術に関し、特に、スクリーン等の映像投影面が凹凸や自由曲面の形状を持つ場合に適用して有効な技術に関する。
投影型映像表示装置は、スクリーン等の映像投影面が平坦ではない場合、例えば凹凸や自由曲面の形状を持つ場合、視聴者であるユーザが見る投影映像において、幾何歪みが発生する。従来、例えば学校や会社等の環境では、凹型の曲面等を持つ黒板やホワイトボードをスクリーンとして、プロジェクタによって映像を投影する場合がある。投影映像に幾何歪みがある場合、ユーザが見難いと感じる場合がある。
曲面に対し映像を投影する映像表示装置に係わる先行技術例としては、特開2001−83949号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、映像投影装置として、設置調整作業の省力化を実現する旨が記載されている。特許文献1には、自由曲面のスクリーンに対して斜めに配置したプロジェクタで投影した映像を、ある視点位置で観察する状況で、テスト画像を投影し、あらかじめ逆の歪みを与えるための補正データを生成し、この補正データで投影したい映像を補正処理しプロジェクタで投影することにより、視点位置から見て歪みなく正しい映像を得る旨が記載されている。
特開2001−83949号公報
従来の投影型映像表示装置は、スクリーンの映像投影面の凹凸や自由曲面の形状等に起因して投影映像に発生する幾何歪みを、好適に補正することができる仕組みについては検討が不十分であり、改善の余地がある。
なお、特許文献1のような先行技術例の映像投影装置は、スクリーンに対し投影したテスト画像を、視点位置に設置されたカメラで撮影することで、投影映像中の点座標とカメラ映像中の点座標との対応関係に基づいて、映像を補正する。しかし、このような映像投影装置は、環境に合わせて、プロジェクタ本体とは別体のカメラをユーザの視点位置に設置して撮影するといった調整作業が必要である。そのため、ユーザの作業の手間が多い等、使い勝手等の点で課題がある。
本発明の目的は、投影型映像表示装置に関して、映像投影面の曲面の形状等に起因して発生する幾何歪みを、好適に補正することができ、ユーザにとって見易い好適な映像を得ることができる技術を提供することである。本発明の他の課題および効果等については、発明を実施するための形態において説明される。
本発明のうち代表的な実施の形態は、以下に示す構成を有する。一実施の形態の映像表示装置は、スクリーンに映像を投影する映像表示装置であって、第1位置に配置された投影レンズと、第2位置に配置されたカメラと、を備え、前記スクリーンに曲面を持つ場合に、前記スクリーンに投影した第1映像を前記カメラによって撮影したカメラ映像を取得し、表示対象映像に対し、前記カメラ映像、前記第1位置および前記第2位置の情報に基づいて、第1仮想視点位置から見て前記曲面に起因する幾何歪みを補正するための幾何変換を行って、変換後映像を前記スクリーンに投影する。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、投影型映像表示装置に関して、映像投影面における凹凸や自由曲面の形状等に起因して発生する幾何歪みを、好適に補正することができ、ユーザにとって見易い好適な映像を得ることができる。
本発明の実施の形態1の映像表示装置を含む、表示システムの概要構成を示す斜視図である。 実施の形態1の映像表示装置を含む表示システムの、トップビューおよびサイドビューの構成を示す図である。 実施の形態1の映像表示装置の機能ブロック構成を示す図である。 実施の形態1で、パターン映像の例を示す図である。 実施の形態1で、スクリーン距離について示す図である。 実施の形態1の映像表示装置の主な処理のフローを示す図である。 実施の形態1で、変換前後の投影映像および格子等の構成を示す図である。 実施の形態1で、投影映像、カメラ映像、スクリーン距離、および仮想カメラ映像等を示す図である。 実施の形態1で、変換前後の仮想カメラ映像を示す図である。 実施の形態1で、第1変換行列および第2変換行列等を示す図である。 実施の形態1で、キャリブレーション時のスクリーン距離を示す図である。 実施の形態1で、キャリブレーション時の実カメラ映像および仮想カメラ映を示す図である。 実施の形態1で、ステップS5の処理例のフローを示す図である。 実施の形態1で、GUIのメニューの表示例を示す図である。 本発明の実施の形態2の映像表示装置で、X軸の周りの傾きがある場合について示す図である。 実施の形態2で、変換後仮想カメラ映像を示す図である。 実施の形態2で、GUIの設定メニューの表示例を示す図である。 実施の形態2で、Y軸の周りの傾きがある場合について図である。 実施の形態2で、Z軸の周りの傾きがある場合について図である。 本発明の実施の形態3の映像表示装置で、スクリーンに障害物がある場合について示す図である。 本発明の実施の形態4の映像表示装置で、仮想カメラ映像の格子の分割数の間引きについて示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、全図面において同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1〜図14を用いて、本発明の実施の形態1の映像表示装置について説明する。
実施の形態1の映像表示装置であるプロジェクタは、スクリーンに曲面を持つ場合に、例えばプロジェクタ本体に内蔵されたカメラを用いて、投影映像に生じる幾何歪みを自動的に補正することができる変換機能を有する。この変換は、映像データの幾何変換であり、仮想視点位置から見て、曲面に起因する幾何歪みを補正するための変換である。これにより、仮想視点位置から見て幾何歪みが解消または低減された好適な投影映像が得られる。ユーザは、別体のカメラを設置して撮影するといった調整作業が不要である。
実施の形態1の映像表示装置は、第1位置に配置された投影レンズと、第1位置とは異なる第2位置に配置されたカメラとを備える。投影レンズの第1位置とカメラの第2位置との距離を含む位置関係は、例えば固定的であり、映像表示装置は、その位置関係の情報を既知である。映像表示装置は、第1映像を投影し、カメラを用いて第1映像を撮影したカメラ映像を得る。第1映像は、例えば格子の分割の構成に対応させたパターン映像である。映像表示装置は、カメラ映像および位置関係の情報に基づいて、スクリーンの投影映像の格子の各点を計算し、第1位置から格子の各点までの距離を計算する。格子および距離は、スクリーンの曲面の形状を表している。映像表示装置は、格子および距離の情報に基づいて、幾何歪みの補正のための変換行列を計算し、表示対象映像に対し、その変換行列を用いて幾何変換を行って、変換後映像をスクリーンに投影する。
仮想視点位置は、第1位置および第2位置とは異なる、仮想的に想定された標準的なユーザ視点位置である。実施の形態1の映像表示装置は、仮想視点位置から見た場合の投影映像である仮想カメラ映像を計算し、その仮想カメラ映像を用いて変換行列を計算する。
[(1)表示システム]
図1は、実施の形態1の映像表示装置であるプロジェクタ1を含む、映像システム全体の構成を、斜視で模式的に示す。図1は、プロジェクタ1およびスクリーン2の設置や利用の例を示す。本例では、スクリーン2は、凹型自由曲面を持つ。図1中、説明上の座標系として、絶対座標系CS0およびプロジェクタ座標系CS1を示す。図1の例では絶対座標系CS0とプロジェクタ座標系CS1とが同じである。この絶対座標系CS0は、水平面を構成する直交する2つの方向をX方向およびZ方向とし、鉛直方向をY方向とし、Z方向はプロジェクタ1とスクリーン2とが対向する方向とする。プロジェクタ座標系CS1は、プロジェクタ1を基準とした座標系、言い換えると投影レンズ22から見た座標系であり、投影レンズ22の位置P1を原点とし、(X,Y,Z)の各軸および対応する方向を有する。X軸は、プロジェクタ1本体の横、左右の方向に対応し、投影映像3内の水平方向に対応する。Y軸は、プロジェクタ1本体の縦、上下の方向に対応し、投影映像3内の垂直方向に対応する。Z軸は、プロジェクタ1本体の前後の方向に対応し、投影映像3の面に対する垂直方向に対応する。図1の状態では、プロジェクタ1が水平面に平行に設置されているので、プロジェクタ座標系CS1のX軸およびZ軸は絶対座標系CS0の水平面の方向と一致しており、Y軸は鉛直方向と一致している。
図1で、表示システムは、プロジェクタ1、映像ソース機器4、スクリーン2を有する。図示しないユーザは、空間内の図示しないいずれかの視点位置から、スクリーン2の投影映像3を見る。図1では、スクリーン2に対し、Z方向で正対する位置で、水平面に平行に、プロジェクタ1が設置されている。プロジェクタ1は、スクリーン2の中央に対し、やや斜め下の位置に設置されている。対応して、プロジェクタ1の投影レンズ22からの映像投影の方向、およびカメラ10の方向は、やや斜め上の方向となっている。
スクリーン2は、プロジェクタ1側に対し凹型の自由曲面の形状を持つ。スクリーン2は、例えば学校等で使用される凹面型のホワイトボードであるが、これに限らず、各種の形状の物体が適用できる。スクリーン2は、凹型曲面や凸型曲面を含む自由曲面の形状を持つ物体が適用可能であり、平面の壁、面内に凹凸を持つ壁、カーテンのような波形状の物体も適用可能である。図1では、わかりやすいように、スクリーン2を包含する直方体を破線で示している。スクリーン2の中央の点を、位置P3で示す。スクリーン2の前側の曲面の領域内に、投影映像3の領域(破線で示す)が含まれている。投影映像3の中央の画素の点を、投影中央6とし、位置P6で示す。プロジェクタ1は、スクリーン2の領域内での投影映像3の領域(対応する位置P6)を変更できる。
映像ソース機器4は、例えばDVDプレーヤーやPC等、投影対象の映像データを持つ機器である。映像ソース機器4の出力は、有線または無線を通じて、プロジェクタ1の映像入力端子に接続されている。映像ソース機器4からの映像は、プロジェクタ1の映像入力端子に入力される。なお、プロジェクタ1に映像ソース機器4が内蔵されている形態も可能である。
プロジェクタ1の筐体にはカメラ10が内蔵されている。カメラ10は、プロジェクタ1の筐体の面のうち、投影レンズ22からの投影映像3を撮影できる位置に設置されている。図1では、プロジェクタ1は、概略的に直方体の筐体を有し、筐体の所定の位置に、投影レンズ22、およびカメラ10を備える。投影レンズ22の位置を位置P1で示す。カメラ10の位置を位置P2で示す。図1の例では、筐体の上面の中央付近に位置P1があり、位置P1からX方向で左側に所定の距離で離れた位置に位置P2がある。
投影レンズ22の位置P1から投影映像3の投影中央6の位置P6までを結んだ直線を、プロジェクタ1の投影の光軸であるプロジェクタ光軸7(一点鎖線で示す)として示す。カメラ10の光軸の方向は、プロジェクタ光軸7の方向と概略的に同じである。
なお、実施の形態1の図1の例は、短投射型のプロジェクタ1を用いている。短投射型は、投影距離が短い、言い換えると、プロジェクタ1とスクリーン2とのZ方向の距離が短い。短投射型の場合、カメラ10を用いたスクリーン距離9の計算がしやすい利点がある。プロジェクタ1は、短投射型に限らずに適用可能であり、図1のような設置状態に限らず可能である。
一般に、ユーザがプロジェクタを用いる場合、プロジェクタ設置位置(対応する投影レンズの位置)とユーザの視点位置とが異なることが普通である。このため、図1のようにスクリーン2が平面ではない場合、あるいは他の場合としてスクリーンに対しプロジェクタが正対していない場合等には、プロジェクタ1からの投影映像3をユーザが例えば仮想視点5から見た場合でも、その投影映像3には幾何歪みが生じて見える。そこで、プロジェクタ1は、仮想視点5から見てその幾何歪みを補正するための変換機能を備える。
[(2)プロジェクタ]
図2は、プロジェクタ1の設置状態例を示す。図2の(A)は、図1の状態に関するトップビュー、すなわちY方向でX−Z面を平面視した場合の構成概要を示す。図2の(B)は、図1の状態に関するサイドビュー、すなわちX方向でY−Z面を平面視した場合の構成概要を示す。プロジェクタ1は、水平面80に設置されている。水平面80は、例えばプロジェクタ1が設置される台等である。
カメラ10の向きは、例えば投影レンズ22の向きと概略的に同じ向きであり、図2の(A)ではZ方向である。投影レンズ22の向きとカメラ10の向きは、一致しなくてもよい。カメラ10の向きは、カメラ10の撮影範囲がスクリーン2の領域を含む状態となる向きであればよい。
投影レンズ22の位置P1とカメラ10の位置P2は、X方向で所定の距離K1を有し、これらの位置関係は固定的である。プロジェクタ1は、これらの位置P1,P2および距離K1を含む位置関係を知っている。プロジェクタ1は、この位置関係に基づいて、Z方向でのスクリーン距離9を計算できる。なお、この距離計算の方式は、公知のステレオカメラによる方式等を同様に適用可能である。
仮想視点5について説明する。図1および図2では、説明を簡単にするために、絶対座標系CS0とプロジェクタ座標系CS1とが同じである。投影映像3の投影中央6の位置P6を通過し、Z軸と平行な水平線である直線8を考える。この直線8は、言い換えると映像中央通過水平線である。プロジェクタ1は、Z方向で、この直線8の延長上に、仮想視点5および対応する位置P5を設定する。仮想視点5(位置P5)は、直線8上でプロジェクタ1の後方に十分に離れた点として定義される。仮想視点5の位置P5は、X軸およびY軸の座標(X,Y)を持つ。仮想視点5は、プロジェクタ1の設置の状態に応じた、仮想的に想定された標準的なユーザ視点位置である。仮想視点5がスクリーン2から無限遠にある場合を考えると、仮想視点5からみた投影映像3は、スクリーン距離9に依らず、投影映像3のX−Y面への正射影による映像となる。この仮想視点5から見た映像は、仮想視点5に仮想的にカメラを置いた場合に撮影される映像となるので、仮想カメラ映像と記載する。
プロジェクタ1の変換機能は、この仮想視点5から投影映像3を見た場合に好適な映像が得られるように幾何変換を行う機能である。ユーザの実際の視点位置は、仮想視点5の位置P5と同じとは限らず、ずれがあるが、ユーザの実際の視点位置が、仮想視点5の位置P5を中心とした所定の範囲内に入っていれば、幾何歪みが十分に低減された好適な投影映像3が得られる。
スクリーン距離9は、プロジェクタ1の投影レンズ22の位置P1からスクリーン2の投影映像3の各点の位置までのZ方向での距離である。スクリーン距離9は、スクリーン2の曲面の形状が反映されている。スクリーン距離9はプロジェクタ光軸7と異なる。
[(3)カメラ]
実施の形態1の映像表示装置であるプロジェクタ1は、本体にカメラ10を内蔵した構成とした。実施の形態1の例では、図2のように、プロジェクタ1の本体の投影レンズ22の位置P1に対するカメラ10の位置P2は、X方向で、投影レンズ22の位置P1に対し、X方向で所定の距離K1を置いた位置P2とした。この位置関係は、予め製品出荷時に規定され、プロジェクタ1には、この位置関係の情報が予め設定されている。
カメラ10に関する構成は、これに限定されず、各種の構成が可能である。カメラ10の位置P2は、スクリーン2の投影映像3を撮影でき、Z方向でのスクリーン距離9が計算可能である範囲内の位置とすればよい。
カメラ10に関する変形例として以下が可能である。変形例では、プロジェクタ1の本体の外面の所定の範囲内の位置に対し、オプション機能の付属物として、ユーザによって適宜にカメラ10を取り付けて設置できる構成とする。本体の所定の範囲内の位置に対し、所定のハードウェア機構を通じて、カメラ10が取り付けられ、保持される。例えば、ユーザは、スクリーン2が曲面ではない場合、プロジェクタ1にカメラ10を取り付けず、変換機能を利用しない。ユーザは、スクリーン2が曲面である場合、プロジェクタ1にカメラ10を取り付けて、変換機能を利用する。また、カメラ10の位置は、プロジェクタ1の本体の面内の位置に限らず、本体の面から、所定のハードウェア機構(例えばカメラ取り付け器具等)を介することで、所定の距離で離れた空間位置としてもよい。また、プロジェクタ1の本体(投影レンズ22の位置P1)に対するカメラ10の位置P2をユーザが可変に調整できる形態としてもよい。その場合、ユーザ設定または本体の自動判定によって、そのカメラ10の位置や距離等を設定できる。
[(4)プロジェクタ−機能ブロック]
図3は、プロジェクタ1の内部の機能ブロック構成を示す。プロジェクタ1は、コントローラ50、メモリ52、ユーザインタフェース部51、カメラ10、光源20、表示素子21、投影レンズ22、入出力・通信インタフェース部53、演算回路40、姿勢センサ60等を備える。それらの要素は図示しないシステムバス等を介して接続されている。
コントローラ50は、CPU等によって構成されるプロセッサに相当し、プロジェクタ1全体を制御する。メモリ52は、コントローラ50によって読み書きされる各種のデータや情報が記憶され、不揮発性記憶装置等で構成される。コントローラ50内にメモリ52があってもよい。コントローラ50は、プロジェクタ1内の各回路等と接続されており、制御クロックに基づいてタイミング信号等を生成し、各回路への信号の送信や、各回路からの信号の受信を行う。
ユーザインタフェース部51は、操作ボタン51a、リモコンインタフェース部51bを含み、ユーザによる操作のためのインタフェースを実装した部分である。操作ボタン51aはハードウェアボタンである。リモコンインタフェース部51bは、図示しないリモコンからの電磁波を受ける部分である。
入出力・通信インタフェース部53は、入力、出力、通信等のインタフェースを実装した部分であり、映像入力端子33等を含む。映像入力端子33には、図1の映像ソース機器4からの映像100(対応する映像データ)が入力される。映像入力端子33に入力された映像100のデータは、セレクタ31に入力される。
セレクタ31は、プロジェクタ1によって投影する映像を選択する機能を備える。また、セレクタ31は、選択された映像に対し、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)の映像を重畳する機能を備える。セレクタ31から出力される映像を、変換前映像110(対応する映像データや映像信号)とする。変換前映像110は、幾何変換回路30によって幾何変換が行われることで、変換後映像111(対応する映像データや映像信号)となる。
光源20は、映像投影のための光を生成する。表示素子21は、例えば液晶パネルであり、光源20からの光と、ビデオRAM35からの映像データとに基づいて、映像を生成する。表示素子21は、例えば透過型液晶パネルであるが、これに限らず、反射型液晶パネルや、可動式のミラーによって構成される素子等でもよい。表示素子21は、例えばR,G,Bの3色に対応した3枚の液晶パネルでもよい。変換後映像111の各画素値に応じて、表示素子21では、各画素の透過率が制御される。光源20からの光に基づいて、表示素子21で制御された透過光が、投影レンズ22に供給される。
投影レンズ22は、表示素子21からの映像を、スクリーン2へ向けて投影する。表示素子21および投影レンズ22は、投射光学系等の光学系の一部である。光学系には、その他の図示しない光学フィルタやミラー等の素子が含まれていてもよい。投影レンズ22からの出射光である投影光102は、スクリーン2に投影される。光源20、表示素子21、および投影レンズ22等は、例えば一般的なプロジェクタで使用されている公知の物を適用可能である。
カメラ10は、スクリーン2の方からの撮影光103を入射し、CCD等の撮像素子によって撮像し、映像120(カメラ映像、実カメラ映像とも記載する)として出力する。カメラ映像120は、演算回路40に入力され、図示しないメモリに記憶される。
演算回路40は、投影映像の幾何歪みの補正のための変換機能を実装した回路の例を示す。演算回路40は、セレクタ31、パターン生成回路32、幾何変換回路30、ビデオRAM35、格子点計算回路11、変換行列計算回路12、映像解析回路15等を含む。変換行列計算回路12は、距離推定部13を含む。演算回路40がICチップ等で実装されてもよいし、それに限らず、各回路部分がそれぞれ異なるICチップ等で実装されてもよい。例えば、格子点計算回路11と変換行列計算回路12が1つのICチップで実装されてもよい。
セレクタ31は、映像入力端子33からの映像データと、パターン生成回路32からのパターン映像101とを入力し、それらの2つの入力から選択された方の映像を変換前映像110として幾何変換回路30へ出力する。また、セレクタ31は、GUIまたはOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)の重畳部としての機能も備え、入力映像に対し、そのGUI等の映像を重畳する。コントローラ50は、セレクタ31の選択等を制御する。セレクタ30は、ハードウェア回路で実装されてもよいし、ソフトウェアによる処理で実装されてもよい。後者の実装の場合、プロジェクタ1は、GUIで入力の選択に係わる表示を行い、ユーザの操作に従って選択を実行してもよい。
パターン生成回路32は、設定情報に基づいて、パターン映像101を生成する。パターン映像101は、投影映像3の格子点およびスクリーン距離9等を計算するために使用する所定の映像である。生成されたパターン映像101は、セレクタ31等を経由して、スクリーン2に投影される。プロジェクタ1は、ユーザが指定する表示対象映像の投影の前に、ある時間で連続的にパターン映像101をスクリーン2に投影し、カメラ10で撮影する。パターン生成回路32には、予め、パターン映像101に関する設定情報が設定されている。この設定情報は、分割数を含み、ユーザ設定によっても変更できる。分割数は、格子をどの程度の細かさや数の領域に分割して構成するかに関する設定値である。
格子点計算回路11は、カメラ10からの映像120に基づいて、投影映像3における格子の各点(格子点座標)を計算し、格子データ125として出力する。
変換行列計算回路12は、格子点計算回路11からの格子データ125の各格子点座標を用いて、距離推定部13によって各点のスクリーン距離9を計算する。距離推定部13は、格子点毎のスクリーン距離9を推定する計算を行う。変換行列計算回路12は、それらの格子およびスクリーン距離9の情報を用いて、幾何変換行列150を計算する。幾何変換行列150は、変換前映像110を変換後映像111に幾何変換するための行列である。変換行列計算回路12は、その幾何変換行列150を、幾何変換回路30に出力する。幾何変換回路30にはその幾何変換行列150が設定される。
幾何変換回路30は、幾何変換行列150を用いて、入力された変換前映像110に対する幾何変換を実行し、その結果である変換後映像111を出力する。変換後映像111は、ビデオRAM35に一旦格納された後、表示素子21へ供給される。なお、ビデオRAM35が無い形態も可能である。幾何変換回路30は、言い換えると、映像補正部、映像変換部、または映像処理部等と表現できる。上記格子点計算や変換行列計算を、コントローラ50または幾何変換回路30等で行う形態としてもよい。
幾何変換回路30での変換は、実行(オン状態)と非実行(オフ状態)とが切り替え可能である。コントローラ50は、幾何変換回路30での変換のオン/オフを制御する。変換のオン状態は、映像を補正することに対応し、変換のオフ状態は、映像を補正しないこと、言い換えると映像のスルーに対応する。使い方としては、曲面のスクリーン2の場合には変換をオン状態とし、平坦なスクリーンの場合には変換をオフ状態にするといったことが可能である。変換のオン/オフの機構は、例えば以下の実装が可能である。幾何変換回路30に、変換のオン/オフのためのスイッチ回路等を設けてもよい。コントローラ50は、変換のオフの際には、そのスイッチ回路を用いて、変換前映像110が幾何変換回路30を経由しないようにする。他には、ソフトウェアプログラム処理による実装としてもよい。この場合、コントローラ50または幾何変換回路30は、変換のオフの際には、幾何変換行列を、単位行列の状態になるように設定する。この単位行列は、幾何変換を行わない行列、言い換えると変換前後が同じとなる行列に相当する。
なお、図3の構成例は、主な各構成要素がハードウェアで実装された場合を示すが、一部の要素がソフトウェアプログラム処理で実装されてもよい。コントローラ50または演算回路40は、プログラムに従った処理を実行する。これにより、各要素の機能が実現される。また、構成要素の一部がプロジェクタ1の外部の機器に実装されてもよい。
[(5)変換機能]
変換機能の概要については以下の通りである。プロジェクタ1は、表示対象映像を投影する前に、スクリーン2の曲面の形状を把握するために、まず、パターン映像101をスクリーン2に投影する。プロジェクタ1は、スクリーン2に投影したパターン映像101の状態をカメラ2によって撮影する。プロジェクタ1は、撮影したカメラ映像から、格子の各点を計算する。プロジェクタ1は、格子の各点とのスクリーン距離9を計算する。プロジェクタ1は、それらの格子および距離の情報を用いて、幾何変換行列150を計算し、幾何変換回路30に設定する。プロジェクタ1は、その幾何変換行列150を用いて、表示対象映像を幾何変換し、変換後映像111をスクリーン2に投影する。これにより、投影映像3は、仮想視点5から見た場合に幾何歪みが無い好適な映像となる。
幾何変換回路30での幾何変換は、例えば以下のようなる。一般に、2次元の映像を他の平面に投影した場合の形状変化は、射影変換によって計算できる。この場合の変換は、2次元座標から2次元座標への射影変換となる。この変換は、下記の式1に示すように、3×3の変換行列を用いた行列計算で規定できる。
Figure 2020120236
なお、式1で、3×3の変換行列を行列M、変換前のベクトルをベクトルV1、変換後のベクトルをベクトルV2とすると、V2=M×V1で表される。式1で、ベクトルV1の(xb,yb)は、変換前の点の座標を示す。ベクトルV2の(xa,ya)は、変換後の点の座標を示す。行列Mの要素における、係数a00,a01,a02,a10,a11,a12,a20,a21は、変換行列の係数(総称として係数a**と記載する)である。
式1は、同次座標系における幾何変換を示す。ここで、変換行列の要素の1つ(3行目、3列目の係数)は、“1”に固定されている。そのため、残りの8個の係数a**が計算できれば、射影変換の変換行列が一意に定まる。変換前後の座標の組が4個与えられた場合、8個の式から成る8変数の連立方程式が立てられる。なお、4点が同一直線上にあるような特殊な場合を除く。よって、これらの連立方程式を解くことで、射影変換の変換行列を計算できる。すなわち、変換前の平面上にある四角形が、変換後の平面でどのような形状の四角形になるかがわかれば、変換前後の四角形の頂点座標を用いて、変換行列を計算できる。この変換行列を用いて、変換前の平面上の全ての点に対し、変換後の平面上の点の座標を計算することができる。
実施の形態1では、上記原理を用いて、変換前映像110から幾何変換によって変換後映像111を生成する。スクリーン2が曲面を持つため、変換前映像110から変換後映像111への変換を、単一の変換行列で表現することはできない。そこで、プロジェクタ1は、それぞれの映像を、格子のように、元映像フレームよりも小さな複数の領域(ブロックと記載する場合がある)に分割する。そして、プロジェクタ1は、分割された領域毎に、上記原理に基づいて、射影変換(対応する幾何変換)を行う。これにより、各領域が十分に小さい場合には、各領域は、変換前後で共にほぼ平面とみなすことができる。よって、各領域の単位では、単一の変換行列によって、映像変換が可能である。
[(6)パターン映像]
図4は、パターン映像101の例を示す。パターン映像101は、図示する(1)グレイコードパターン、(2)チェッカーパターン、(3)ドットパターン等の様々なパターンが使用可能である。パターン映像101は、格子点座標の計算を可能とするものであれば任意でよく、詳細については限定しない。グレイコードパターンは、複数のパターン画像g1〜g6から構成されている。例えば、パターン画像g1は、白色領域のパターンであり、パターン画像g2は、黒色領域(またはグレー色領域)のパターンであり、パターン画像g3は、左半分が白色領域、右半分が黒色領域のパターンである。これらの複数のパターン画像が、時系列上で切り替えながら連続的に投影される。プロジェクタ1は、パターン画像の白色領域と黒色領域との境界線を検出することで、格子を構成できる。チェッカーパターンは、複数の白色領域と複数の黒色領域とが交互に配置されているパターンである。ドットパターンは、複数の色付きのドットが行列状に配置されているパターンである。例えば、ドットパターンは、変換前映像110における格子の各格子点の位置に対応してドットが置かれているパターンである。なお、各パターンで、破線は説明用の線であり表示されない。
[(7)スクリーン距離]
図5は、スクリーン距離9に関する概念を示す。図5は、トップビューのX−Z面での構成を示す。スクリーン2は、図示のように、面内で複数の凹凸を持つとする。投影レンズ22の位置P1から投影映像3の各点(例えば点p1,p2,p3)までの線と、カメラ10の位置P2から同じ各点までの線とを示す。各点ではスクリーン距離9が異なっている。スクリーン距離9は、例えば、点p1までの距離Za、点p2までの距離Zb、点p3までの距離Zcを有する。これらのスクリーン距離9の違いは、スクリーン2の面の凹凸の形状を反映している。プロジェクタ1は、このように各点(対応する格子点)でのスクリーン距離9を計算し、距離情報130(後述の格子点座標CD1)とする。
[(8)処理]
実施の形態1の映像表示装置の主な処理について、図6のフロー、図7〜図10等を用いて以下に説明する。図6は、プロジェクタ1の変換機能に係わる主な処理のフローを示し、ステップS1〜S9を有する。図7〜図10は、各ステップに対応する構成や、各種の映像の関係を示す。図7は、変換前後の投影映像および格子等の構成を示す。図8は、投影映像、カメラ映像、スクリーン距離、および仮想カメラ映像等を示す。図9は、変換前後の仮想カメラ映像を示す。図10は、2つの変換行列等を示す。なお、これらの図面では、前述の絶対座標系CS0の他に、3種類の座標系として、(1)プロジェクタ座標系CS1、(2)実カメラ座標系CS2、および(3)仮想カメラ座標系CS3が適宜に使用されている。各座標系は、映像に対応する横方向がX軸、縦方向がY軸となっている。X軸の座標値は左から右に行くに従い大きくなり、Y軸の座標値は上から下に行くに従い大きくなる。各座標系の原点は、適当な位置に固定されている。なお、各座標系の各軸を同様に(X,Y,Z)で示す。以下、フローのステップの順に説明する。
[ステップS1]
ステップS1で、コントローラ50または変換行列計算回路12は、プロジェクタ座標系CS1における変換前映像110の変換前格子点座標PG1を計算する。図7は、その変換前映像110の変換前格子点座標PG1(X,Y)等を示す。コントローラ50は、プロジェクタ座標系CS1で、変換前映像110の映像フレーム(変換前フレーム)400を、設定された分割数で均等に分割することで格子401を構成する。格子401は、分割数が例えば4×4である複数の矩形の領域402によって構成されている。格子401は、複数の格子点403を持つ。1つの領域402を構成する4つの点は、それぞれ格子点403である。格子点403は、領域402の境界線の交点である。境界線は、縦横の分割数に応じた縦横の分割線である。
[ステップS2]
ステップS2で、プロジェクタ1は、パターン生成回路32でパターン映像101(例えばドットパターン)を生成し、幾何変換回路30をスルーの状態として、パターン映像101をスクリーン2に投影する。プロジェクタ1は、スクリーン2に投影されたパターン映像をカメラ10によって撮影し、実カメラ映像120を得る。図8は、その実カメラ映像120等を示す。実カメラ映像120は、前述の位置関係に対応して、歪みを持つ図形が含まれている。実カメラ映像120および距離情報130の座標系は、実カメラ座標系CS2であり、仮想カメラ映像140の座標系は仮想カメラ座標系CS3である。
そして、ステップS2で、格子点計算回路11は、図8のように、実カメラ座標系CS2における実カメラ映像120から、所定の処理によって、変換前格子点座標CG1を計算する。この処理は、例えばドットパターンの各ドットに対応する格子点座標の計算である。変換前格子点座標CG1は、格子の各格子点の座標(X,Y)である。変換前格子点座標CG1は、格子データ125に含まれる。ステップS2の処理で、プロジェクタ1は、変換前映像110の各格子点の座標が、実カメラ映像120のどの格子点の座標に対応するかの対応関係の情報を得ることができる。変換前格子点座標CG1は、この対応関係を表している。
[ステップS3]
変換行列計算回路12は、変換前格子点座標CG1を用いて、ステップS3〜S8の処理を行うことで、図10の変換前映像110から変換後映像111への変換行列CNV2を計算する。この変換行列CNV2が幾何変換行列150に対応する。
まず、ステップS3で、変換行列計算部12の特に距離推定部13は、図8の変換前格子点座標CG1の各格子点の位置でのスクリーン距離9(距離CD1)を計算する。距離情報130は、これらの距離CD1を含む。この距離CD1は、図5と同様に、Z方向における投影レンズ22の中心の位置P1とスクリーン2の各点との距離である。距離CD1は、格子点のZ軸座標値と、投影レンズ22の位置P1のZ軸座標値との差の絶対値として定義される。この距離CD1は、X軸座標値の差およびY軸座標値の差については含まない。スクリーン2が平坦ではない場合、この距離CD1は、格子点毎に異なる値を持ち得る。
図8で、距離情報130は、実カメラ映像120の変換前格子点座標CG1の各格子点上に、距離CD1の情報(説明上のイメージとしてバーで示す)を重ね合わせて示している。これらの距離CD1は、空間分布の一例を示している。例えば、スクリーン2の中央付近は、プロジェクタ1からより遠いので、距離CD1の値が大きく、スクリーン2のX方向両端付近は、プロジェクタ1により近いので、距離CD1の値が小さい。
ステップS3で変換前格子点座標CG1の各格子点から距離CD1を計算する方式について説明する。実施の形態1では、説明を簡単にするために、カメラ10の位置P1と投影レンズ22の位置P2は、図2のように、Y軸座標値およびZ軸座標値が同じで、X軸座標値のみが異なる位置関係を有する。2つの位置P1,P2のX軸座標値が異なるので、実カメラ映像120における各格子点のX軸座標値は、スクリーン距離9に応じて変化する。これを用いて、プロジェクタ1の距離推定部13は、スクリーン距離9(距離CD1)を計算する。
[キャリブレーション]
この方式では、まず、キャリブレーションを用いる。図11および図12を用いて、キャリブレーションについて説明する。ある環境のスクリーン2に対し、プロジェクタ1を使用するのに先立って、このキャリブレーションが行われる。
図11は、プロジェクタ1の変換機能に関するキャリブレーションについて、キャリブレーション時のプロジェクタ1とスクリーン2Aとの位置関係を示す。スクリーン2Aは平坦である。図11は、Y−Z面の平面視を模式的に示す。図11は、Z方向でプロジェクタ1の位置(対応する投影レンズ22の位置P1)からスクリーン2Aの中央の位置P3および投影映像3の中央の位置P6までの距離(対応するスクリーン距離9)として、遠近の2種類の距離9F,9Nを示す。プロジェクタ1は、これらの2種類の距離を用いて実際に映像の投影および撮影を行う。距離9F(対応する値をCD1Fとする)は、相対的に遠い方の第1位置L1までの距離であり、距離9N(対応する値をCD1Nとする)は、相対的に近い方の第2位置L2までの距離である。
図11のように、プロジェクタ1は、平坦なスクリーン2Aに正対した状態で、距離9F(CD1F)で離した位置に設置される。この状態で、プロジェクタ1は、幾何変換回路30をスルーの状態として、パターン映像101をスクリーン2Aに投影する。プロジェクタ1は、そのパターン映像101をカメラ10で撮影した実カメラ映像120に基づいて、距離9Fの場合における格子点座標CG1Fを計算する。次に、プロジェクタ1は、平坦なスクリーン2Aに正対した状態で、距離9N(CD1N)で離した位置に設置される。この状態で、プロジェクタ1は、同様に、同じパターン映像101をスクリーン2Aに投影する。プロジェクタ1は、距離9Nの場合における実カメラ映像120の格子点座標CG1Nを計算する。上記2種類の距離は、CD1F>CD1Nの関係を持つ。
ここで、格子点座標の表記について、変換前格子点座標CG1を例に説明しておく。図8のように、変換前格子点座標CG1は、実カメラ映像120中の格子の全ての格子点座標の集合を示す。この集合のうち、ある格子点の座標を、CG1(i,j)のように表記する。添え字“i”はX方向の位置または識別子を表し、添え字“j”はY方向の位置または識別子を表す。また、この格子点座標CG1(i,j)は、“i”に対応するX軸座標値と、“j”に対応するY軸座標値とを持つ。そのX軸座標値をCG1x、Y軸座標値をCG1yのように表記する。
平坦ではないスクリーン2を任意の位置に置いた場合のスクリーン距離9を、距離CD1(i,j)で表記する。この距離CD1(i,j)は、格子点に応じて異なり得るので、区別のために添え字(i,j)を付けている。この距離CD1(i,j)は、下記の式2のように、実カメラ映像120中の格子点座標CG1を用いて計算できる。
Figure 2020120236
式2で、距離CD1Fは、図11の遠い方の距離9Fに対応する距離値であり、距離CD1Nは、近い方の距離9Nに対応する距離値である。この距離CD1Fおよび距離CD1Nは、図11のようにプロジェクタ1に正対する平坦なスクリーン2Aを用いて測定されているので、格子点の位置に依らずに一定値であり、添え字(i,j)を省略している。
ステップS3で、プロジェクタ1は、このように予めキャリブレーションで測定した距離CD1F,CD1Nと、対応する格子点座標CG1F,CG1Nと、ユーザの実際の環境で計算された変換前格子点座標CG1とを用いて、式2に従って、各格子点での距離CD1を計算する。
なお、上記キャリブレーションは、実際にユーザの環境で撮影して設定してもよいが、例えば製品出荷前に行っておくことができる。すなわち、上記距離CD1F,CD1Nおよび格子点座標CG1F,CF1Nについては、予めプロジェクタ1の製品製造時のキャリブレーションによって測定されてプロジェクタ1内に設定されていてもよい。また、上記キャリブレーションの値は、製品製造時に各部品の特性や取り付け位置等から計算することもできる。これらの値は、例えば図3のメモリ52、または演算回路40内(特に変換行列計算回路12)に設定値として格納される。
[ステップS4]
ステップS4で、プロジェクタ1の変換行列計算回路12は、実カメラ映像120中の各格子点での距離CD1を用いて、図8の仮想カメラ座標系CS3における変換前仮想カメラ映像140の変換前格子点座標VG1を生成する。変換前仮想カメラ映像140は、公知の3次元の行列計算を用いて計算することも可能であるが、実施の形態1では、演算速度を優先し、以下のようにより簡易的な方式を使用する。
プロジェクタ1は、前述のキャリブレーションの設置条件で、図12のように、距離CD1F,CD1Nの両方の距離において、仮想視点5の位置P5から見た変換前仮想カメラ映像140における変換前格子点座標VG1F,VG1Nを計算する。図12は、図11のキャリブレーションの2種類の距離9F,9Nでの撮影に対応した、実カメラ映像120および変換前仮想カメラ映像140における格子点を示す。映像120Fは、遠い距離9Fでの実カメラ映像120の例を示す。映像120Fは、格子点座標CG1Fを持ち、座標値は(CG1Fx,CG1Fy)である。映像120Nは、近い距離9Nでの実カメラ映像120の例を示す。映像120Nは、格子点座標CG1Nを持ち、座標値は(CG1Nx,CG1Ny)である。映像140Fは、遠い距離9Fでの仮想カメラ映像140の例を示す。映像140Fは、格子点座標VG1Fを持ち、座標値は(VG1Fx,VG1Fy)である。映像140Nは、近い距離9Nでの仮想カメラ映像140の例を示す。映像140Nは、格子点座標VG1Nを持ち、座標値は(VG1Nx,VG1Ny)である。プロジェクタ1は、このように取得した格子点座標VG1F,VG1Nについても、格子点座標CG1F,CG1Nと関連付けてメモリ52等に格納しておく。
ここで、平坦ではないスクリーン2を任意の位置に置いた場合のスクリーン距離9が距離CD1(i,j)である場合における、変換前仮想カメラ映像140の格子点座標は、下記の式3によって計算できる。なお、この式3は、スクリーン2が平坦である場合でも有効である。
Figure 2020120236
図8の例で、上記各格子点での距離CD1(CD1F,CD1N)と、上記格子点座標VG1F,VG1Nとが、式3に適用される。これにより、プロジェクタ1は、変換前仮想カメラ映像140での変換前格子点座標VG1(VG1x,VG1y)を計算できる。
図8の変換前仮想カメラ映像140は、歪みを持つ領域である投影可能領域145を含んでいる。このように、変換前格子点座標VG1には、スクリーン2の曲面の形状等に起因する幾何歪みが発生する。
[ステップS5]
そこで、実施の形態1では、ステップS5で、プロジェクタ1の変換行列計算回路12は、図9のように、変換前仮想カメラ映像140の投影可能領域145に内包される矩形領域146を計算する。実施の形態1では、変換前映像110を幾何変換することでこの矩形領域146に適合させることを考える。ステップS5は、そのための処理である。ステップS5で、変換行列計算回路12は、仮想カメラ座標系CS3における変換前仮想カメラ映像140の投影可能領域145から、変換後仮想カメラ映像141の矩形領域146を計算する。この矩形領域146の計算についての処理例を以下に示す。
図9は、変換前仮想カメラ映像140と変換後仮想カメラ映像141を示す。図9中の座標系は仮想カメラ座標系CS3である。実施の形態1で、矩形領域146は、歪みを持たない長方形である。変換行列計算回路12は、図13のような処理例に従って、投影可能領域145に内包される矩形領域146を計算する。ここで、図9の下側には変換後仮想カメラ映像141を拡大して、投影可能領域145内に包含される矩形領域146を探索する方式を示す。矩形領域146は、2つの点M,Nで表すことができる。点Mは矩形領域146の左上の点であり、点Nは矩形領域146の左下の点である。変換行列計算回路12は、変換後仮想カメラ映像141の全体をカバーするように、各座標点を順次に走査して、点M,Nを探索する。これにより、変換行列計算回路12は、投影可能領域145に内包される条件を満たす2つの点M,Nによる矩形領域146を計算する。
[処理例]
図13は、ステップS5内の処理例のフローを示し、ステップS51〜S59を有する。変換行列計算回路12は、図9の変換後仮想カメラ映像141の範囲内の座標点(対応する画素)を全て走査することで、条件を満たす点M,Nを探す。走査の方式は、例えば線順次走査方式(面内水平方向のラインを走査し、面内垂直方向で順次に同様にラインを走査する方式)を用いるが、これに限定されない。ステップS51で、変換行列計算回路12は、図9の点M,Nの座標を初期化する。例えば、最初、点M,Nのどちらの点も、変換後仮想カメラ映像141の左上の位置の点に初期化されるが、これに限定されない。ステップS52で、変換行列計算回路12は、点Mと点Nとの位置関係を確認する。ステップS52の条件は、点M,Nが矩形の左上の点と右下の点であるかどうかである。この確認で、点Nが点Mに対し右下方向の位置にある場合(Y)にはステップS53へ進み、それ以外の場合(N)にはステップS56へ進む。
ステップS53で、変換行列計算回路12は、点Mと点Nで規定される矩形の全体が、投影可能領域145に内包されているかどうかを確認する。内包されている場合(Y)にはステップS54へ進み、内包されていない場合(N)にはステップS56へ進む。なお、点Mと点Nで規定される矩形としては複数通りの矩形が考えられるが、この処理例では、すべての辺がX軸またはY軸と平行な矩形のみを使用する。ステップS54で、変換行列計算回路12は、点Mと点Nで規定される矩形の面積を計算する。ステップS54の条件は、この面積が最大であるかどうかである。この面積が、過去にステップS54で計算された面積よりも大きい場合(Y)にはステップS55へ進み、大きくない場合(N)にはステップS56へ進む。
ステップS55の時点で、ステップS52,S53,S54の3つの条件のすべてを満たしている。よって、変換行列計算回路12は、その時点の点M,Nの情報を、求める矩形領域146の候補を表す情報として保存する。ステップS56で、変換行列計算回路12は、範囲内のすべての点Nを走査したか確認し、走査した場合にはステップS57へ、走査していない場合にはステップS58へ進む。ステップS57で、変換行列計算回路12は、範囲内のすべての点Mを走査したか確認し、走査した場合にはフローを終了し、走査していない場合にはステップS59へ進む。ステップS58で、変換行列計算回路12は、点Nの座標を更新し、ステップS52に戻る。ステップS59で、変換行列計算回路12は、点Mの座標を更新し、ステップS52に戻る。なお、点座標の更新の順序については限定せず、走査の方式に従って選択すればよい。
このような処理によって、条件を満たす適切な矩形領域146が得られる。この矩形領域146が、変換後仮想カメラ映像141において、補正後の映像が投影されているべき領域である。プロジェクタ1は、この矩形領域146を、分割数(例えば4×4)に応じた複数の領域に均等に分割して格子を構成することで、変換後仮想カメラ映像141における変換後格子点座標VG2を得る。
[ステップS6]
仮想カメラ映像(対応する図9の変換後仮想カメラ映像141の変換後格子点座標VG2)は、直接的に幾何変換によって補正することはできない。そのため、実施の形態1では、プロジェクタ1は、変換前映像110を幾何変換によって補正することで、間接的に仮想カメラ映像の補正を実現する。ステップS6は、この補正のための処理である。ステップS6で、プロジェクタ1の変換行列計算回路12は、図8のように、プロジェクタ座標系CS1での変換前仮想カメラ映像140と、仮想カメラ座標系CS3での変換前映像110との間の変換行列CNV1(第1変換行列)を計算する。この変換行列CNV1は、変換前仮想カメラ映像141から変換前映像110への射影変換行列である。図8の変換804は、この変換行列CNV1を用いた変換を示し、ステップS6は、この変換行列CNV1の計算である。
前述のように、平面から平面への射影変換行列は、4点の座標の対応関係から計算できる。よって、変換行列計算回路12は、既知である変換前仮想カメラ映像140の変換前格子点座標VG1と、変換前映像110の変換前格子点座標PG1とを用いて、分割された各領域に対する変換行列CNV1を計算できる。この射影変換行列は、分割の領域毎に異なる行列で構成される。領域を(i,j)で表すとして、領域毎の射影変換行列を、CNV1(i,j)のように表記する。
[ステップS7]
上記変換前仮想カメラ映像140から変換前映像110への変換行列CNV1は、実際には、変換後仮想カメラ映像141から変換後映像111への射影変換行列としても使用できる。よって、実施の形態1では、図10のように、変換後仮想カメラ映像141の変換後格子点座標VG2に対し、この変換行列CNV1を適用することで、変換後映像111の変換後格子点座標PG2を計算できる。ステップS7で、変換行列計算回路12は、この変換後格子点座標PG2の計算を行う。
実際には、変換行列CNV1は、分割の領域によって異なる行列で構成される。そのため、変換後格子点座標PG2を計算するには、例えば以下のような処理が必要である。この処理例は以下のステップで構成される。第1ステップで、変換行列計算回路12は、変換後格子点座標VG2中の1つの領域の1つの格子点の座標を選択する。第2ステップで、変換行列計算回路12は、第1ステップで選択した領域の格子点の座標が、変換前仮想カメラ映像140の格子のどの領域に属するか、言い換えるとどの領域に対応しているかを調べる。第3ステップで、変換行列計算回路12は、第2ステップで調べた領域に対応した変換行列CNV1を、第1ステップで選択した格子点に対し適用する。これにより、その選択した格子点に対応する変換後格子点座標PG1が得られる。変換行列計算回路12は、第1ステップから第3ステップの処理を、変換後格子点座標VG2に含まれるすべての点に対し行う。これにより、すべての変換後格子点座標PG2が得られる。
[ステップS8]
ここまでで、ステップS1で得た変換前映像110の変換前格子点座標PG1と、ステップS7で得た変換後映像111の変換前格子点座標PG2とが既知となる。ステップS8で、プロジェクタ1の変換行列計算回路12は、これらの既知の情報を用いて、図10のように、変換行列CNV2(第2変換行列)を計算する。この変換行列CNV2は、変換前映像110から変換後映像111への射影変換行列である。この変換行列CNV2は、分割された領域毎の行列で構成される。各領域について、変換前後の4つの頂点の座標が既知であるため、前述の方式に従って、この射影変換行列を計算できる。変換行列計算回路12は、得た変換行列CNV2を、幾何変換行列150として、幾何変換回路30に設定する。
[ステップS9]
ステップS9で、プロジェクタ1の幾何変換回路30は、変換前映像110の各領域に、対応する変換行列CNV2を適用して幾何変換を行うことで、変換後映像111を生成する。幾何変換回路30は、分割の全領域について同様に処理を行い、領域毎に得た映像を合成することで、変換後映像111とする。
[(9)変換および分割]
図7を参照して、変換前映像110から変換後映像111への変換行列CNV2を用いた変換701について補足する。変換前映像110は、矩形である変換前フレーム400を持つ。変換後映像111は、歪みを持つ図形である変換後フレーム400bを持つ。プロジェクタ1は、これらの各映像を、設定された分割数に従って複数の領域402,402bに分割することで、格子401,401bを構成する。本例は、分割数が4×4である場合を示す。例えば、1つの映像フレーム400では、X方向の辺が4分割され、Y方向の辺が4分割されている。これにより、4×4の合計16個の領域402が構成されている。各領域は、所定のIDで識別される。例えば、左上の領域は、ID=area(0,0)を持つ。
例えば、ID=area(2,2)の領域402に着目する。この領域402は、概略的に四角形の形状を持ち、4点の格子点403を有する。この領域402に関して、変換前映像110における4つの点a,b,c,dの座標と変換後映像111における対応する4つの点A,B,C,Dの座標が与えられたとする。その場合、この領域401内の映像の射影変換のための行列を一意に計算できる。映像フレーム全体の各領域で同様に考えることができる。変換前映像110と変換後映像110との組において、格子401,401bの全ての格子点403,403bの座標が得られた場合、分割された領域402,402b毎に変換行列が計算できる。プロジェクタ1は、それらの各変換行列を用いて射影変換を行うことで、映像全体を幾何歪みが無いように変換できる。
図7等の例では、格子の分割数としては、わかりやすさ等を考慮して、4×4と少ない数として示しているが、これに限らず可能である。実際には、例えば、16×16、32×32、64×64、128×128といったように、より多くの分割数としてよい。実装例では、この分割数は、例えば64×64等に設定される。また、この分割数は、GUIを通じたユーザ設定によって変更できるようにしてもよい。この分割数が多い、すなわち格子が細かい場合、変換に関するスクリーン2の凹凸の形状への適合性が向上し、結果として映像品質を高くできる。よって、映像品質を優先する観点では、この分割数はできる限り大きな数に設定した方がよい。映像表示装置の処理負荷、処理速度、回路規模等を考慮する観点では、この分割数は、より小さい数に設定してもよい。実装に応じて、この分割数には、最大の分割数が設定されている。プロジェクタ1は、その最大の分割数を上限とした範囲内で、複数の種類の分割数から選択した分割数を適用可能である。
[(10)GUI例]
図14は、実施の形態1における変換機能に関するGUIのメニューの表示例を示す。ユーザは、変換機能を利用する場合、予め、ユーザ設定によって、この変換機能をオン状態に設定しておく。ユーザは、例えばリモコンを操作することで、プロジェクタ1にこのようなメニューを表示させる。このメニューは、「変換機能(曲面スクリーンに発生するひずみの補正)」に関するオン/オフの設定項目を含む。オンは有効、オフは無効を示す。また、ユーザは、所望の映像を表示させる際には、メニューの表示に従って、対象映像(例えばファイル)を指定し、スタートボタンを押す。プロジェクタ1は、スタートボタンの押下に応じて、前述の処理を実行する。すなわち、プロジェクタ1は、まず、ある時間で、パターン映像101を投影し、その状態をカメラ10で撮影し、幾何変換行列150を計算し、その幾何変換行列150を幾何変換回路30に設定する。そして、プロジェクタ1は、ユーザの指定の映像を幾何変換回路30で幾何変換して変換後映像111をスクリーン2に投影する。なお、図14のメニューの例において、対象映像の指定の例では、ファイルを指定する設定項目の例を説明した。入出力・通信インタフェース部53に複数の映像入力ソースから映像が入力される場合には、当該設定項目に替えて、対象映像となる映像入力ソースを当該複数の映像入力から選択するための表示を行ってもよい。映像入力ソースの選択を図14のメニューとは別のメニュー画面で行う場合、図14のメニュー自体には、対象映像のファイルの指定や対象映像となる映像入力ソースの選択メニューの設定項目を設けなくてもよい。また、図14のメニューの例では、ユーザが「変換を開始する」か否かを選択するためにスタートボタンを表示する例を説明したが、「変換機能(曲面スクリーンに発生するひずみの補正)」に関するオン/オフの設定項目においてオンを選択した時点で変換機能の処理を開始しても構わない。この場合、図14のメニューに、変換の開始を選択するためのスタートボタンの設定項目を、「変換機能」に関するオン/オフの設定項目とは別に設ける必要はない。
なお、このようなGUIは、スクリーン2の表示に限らず、プロジェクタ1本体のユーザインタフェース部51、例えば専用の操作ボタン51aまたは操作パネル等で実現してもよいし、映像ソース機器4で実現してもよい。
[(11)効果等]
上記のように、実施の形態1の映像表示装置によれば、プロジェクタ1に内蔵されたカメラ2を用いて、スクリーン2の凹凸や曲面に起因する幾何歪みを自動的に補正できる。プロジェクタ1は、カメラ10の映像からスクリーン距離9を計算し、この距離を用いて、仮想カメラ映像の投影可能領域145から補正を行って矩形領域146を計算する(図9)。プロジェクタ1は、変換行列CNV1を計算し、矩形領域146と変換行列CNV1から変換後格子点座標PG2を計算する(図10)。そして、プロジェクタ1は、変換行列CNV2を計算する。これにより、ユーザは、仮想視点5を含む範囲内の位置から曲面のスクリーン2の投影映像3を見た場合に、幾何歪みが無い好適な映像を見ることができる。ユーザは、適用対象のスクリーン2に関して、プロジェクタとは別体のカメラを視点位置に設置して撮影や設定をするといった調整作業が不要となるか、または作業の手間が大幅に削減できる。ユーザは別体のカメラ等の管理も不要である。よって、ユーザの使い勝手が向上できる。
実施の形態1の図2の場合、プロジェクタ1は水平面80に設置されているので、仮想視点5と映像中心6とを結ぶ直線8は、水平面80と平行な水平線である。スクリーン2がどのような方向を向いていても、投影映像3は、仮想視点5から見た場合に矩形に見えるように補正される。スクリーン2が平面を持つ場合には、投影映像3には台形歪みが発生せず、スクリーン2が曲面を持つ場合には、曲面の形状に応じた変換が行われた上で、仮想視点5から見た場合に矩形に見えるように補正される。この補正の際、投影映像3は、スクリーン2上で、上辺と下辺が水平面80と平行になるように補正され、右辺と左辺がこれらの辺と直角になるように補正される。そのため、投影映像3は、あたかもスクリーン2に矩形の映像を張り付けたかのような状態となり、ユーザがどの方向から見ても違和感少なくその投影映像3を見ることができる。
実施の形態1の変形例として以下も可能である。変形例として、プロジェクタ1がパターン映像101の内容を動的に変更してもよい。例えば、コントローラ50は、その時点のスクリーン2の凹凸の形状等の状態に応じて、好適な分割数を判断する。コントローラ50は、装置の最大の分割数以下の範囲内で、好適な分割数を選択し、その分割数に応じた内容を持つパターン映像101を生成し、動的な切り替えを行う。
(実施の形態2)
図15〜図19を用いて、本発明の実施の形態2の映像表示装置について説明する。実施の形態2等の基本的な構成は実施の形態1の構成と同様であり、以下では、実施の形態2等における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。実施の形態2の映像表示装置は、実施の形態1での変換機能に加え、さらに、プロジェクタ1の姿勢の状態やユーザの実際の視点位置に応じて変換内容を調整する機能を有する。
[(2−1)傾きに対応した調整機能]
実施の形態2でのプロジェクタ1は、プロジェクタ1本体の設置状態が、標準の状態(例えば図1)に対し傾きがある状態の場合に、その傾きを考慮して幾何歪みを補正する機能(調整機能と記載する場合がある)を有する。この調整機能は、実施の形態1での基本的な変換機能に対し、GUIを介したユーザの操作に基づいて調整を可能とする機能である。プロジェクタ1本体の傾きの状態に関しては、大別して以下の3種類の状態がある。
(1)X軸の周りの回転による上下の方向の傾き。例は図15に示される。この傾きによって、投影映像には、Y方向の上下の辺の長さが異なる台形の歪みが現れる。(2)Y軸の周りの回転による左右の方向の傾き。例は図18に示される。この傾きによって、投影映像には、X方向の左右の辺の長さが異なる台形の歪みが現れる。(3)Z軸の周りの回転による傾き。例は図19に示される。この傾きによって、投影映像には、左右に傾いた矩形が現れる。
実施の形態2での調整機能は、(X,Y,Z)の各軸の傾きおよび対応する幾何歪み毎に、傾きが無い標準の状態に対応する見え方になるように、映像補正を行う機能である。なお、各軸の補正機能について、いずれか1つまたは2つまたは3つすべての機能を実装した形態としてもよい。また、ユーザ設定によって、適用する機能を選択できる形態としてもよい。
[(2−2)調整機能−X軸]
図15は、プロジェクタ1の姿勢として、X軸の周りでの傾き、言い換えるとY方向の上下の傾きがある場合を示す。X軸の周りの上下の傾きに対応する調整機能については以下の通りである。図15の状態では、プロジェクタ1は、水平面80に対し、X軸の周りで上側に角度αでの傾きを持って置かれている。この傾きは、プロジェクタ1の底面81で前側が後側よりも上がっていてプロジェクタ1が斜め上を向いた傾きの状態である。水平面80とプロジェクタ1本体の底面81とが成す角度が角度αである。言い換えると、この状態は、プロジェクタ1の本体が、図2の状態からX軸の周りで上側に角度αで回転した状態である。プロジェクタ座標系CS1は、角度αの傾きに対応して、X軸の周りで回転した後の座標系となっている。対応して、仮想視点5を通る直線8bと水平線とが成す角度が角度αである。
この状態の場合、プロジェクタ1の回転に伴い、仮想視点5の位置P5と投影中央6の位置P6とを結ぶ直線8bについても、角度αで回転した状態であり、水平線ではない。この状態では、プロジェクタ1による補正は、直線8b上の仮想視点5(第1視点とする)の位置P5から見て投影映像3が矩形に見えるようにする補正である。よって、この状態では、第1視点の位置P5から外れた位置からユーザが投影映像3を見る場合には、幾何歪み、例えば台形歪みが生じてしまう。比較のため、図2の場合に対応する投影レンズ22の位置P1b、カメラ10の位置P2bも示している。
実施の形態2では、このようにプロジェクタ1に傾きがある場合に、元の仮想視点5(第1仮想視点)の代わりに、想定されるユーザの標準的な視点位置である第2視点25(第2仮想視点)が設定される。この第2視点25は、投影映像3の投影中央6の位置P6を通り、Z方向で水平線である直線8c上に設定される。言い換えると、第2視点25の位置P25は、第1視点の位置P5を角度αで回転させることで得られる。
実施の形態2でのプロジェクタ1は、この傾きの状態に合わせて、第2視点25の位置P25から見て幾何歪みが解消されるように、前述の変換の内容(具体的には図9の矩形領域146の形状等)を調整する。別の観点では、プロジェクタ2のこの変換機能は、ユーザの視点位置およびGUIを介したユーザの操作に基づいて、仮想視点5の位置を調整する機能である。
[(2−3)処理]
図16は、図15のようにプロジェクタ1にX軸の周りの傾きがある場合における処理内容や仮想カメラ映像の例を示す。図16の上側には、比較のため、前述のステップS5の処理に関する、変換後仮想カメラ映像141の矩形領域146等を示す。図16の下側には、実施の形態2における、ステップS5に代わるステップS5Bの処理に関する、変換後仮想カメラ映像141B内の四角形の領域147等を示す。実施の形態2では、調整機能のために、実施の形態1に対する主な変更点として、ステップS5の処理内容が異なり、ステップS5Bとなる。前述のステップS5では、プロジェクタ1は、投影可能領域145に内包される矩形領域146(長方形)を計算した。一方、ステップS5Bでは、プロジェクタ1は、図16のように、投影可能領域145に内包される四角形の領域147を計算する。この四角形の領域147は、例えば台形の領域である。この領域147の四角形は、仮想視点(第2視点)25から見た場合に矩形となる領域を、仮想視点(第1視点)5から見た場合の形状に相当する。この領域147の四角形の形状は、プロジェクタ1の設置状態やユーザの実際の視点位置に応じて決まる。なお、この四角形は、格子点群によって構成されているので、この四角形の概念は、概略的な四角形を含む。
図15の例では、角度αがわかれば、四角形の領域147の4つの角の大きさおよび各辺の方向が一意に定まる。よって、例えば前述の図9と同様の処理で、面積が最大の四角形の領域147を定めることができる。四角形の領域147の4つの頂点の座標が得られた場合、その四角形の領域147をある矩形領域146に変換するための射影変換行列およびその逆変換のための射影変換行列が計算可能である。よって、プロジェクタ1は、これらの変換行列を用いて、四角形の領域147内の格子点座標を計算できる。ステップS5Bでは、変換行列計算回路12は、変換後仮想カメラ映像141Bでの四角形の領域147を計算し、その領域147における変換後格子点座標VG2を計算する。
この処理の例としては、変換行列計算回路12は、四角形の領域147を、各辺の長さが1の正方形領域に射影変換し、この領域を格子点の数に従って均等に分割し、この正方形領域における格子点座標を計算する。次に、変換行列計算回路12は、各格子点座標に対し、前述の正方形領域から四角形の領域147への射影変換を適用することで、四角形の領域147内の格子点座標VG2を計算する。
[(2−4)GUI例]
上記四角形の領域147の形状や向きは、プロジェクタ1の設置状態や実際の視点位置から計算によって得られるが、以下のように、GUIやセレクタ31を通じて、この調整機能に係わる設定メニューを提供してもよい。プロジェクタ1は、この設定メニューやユーザインタフェース部51を通じて、調整機能に係わるユーザの操作を受け付け、その操作の状態に応じて、領域147の形状や向きを計算し、リアルタイムで調整を行う。
図17は、実施の形態2での調整機能に関する、スクリーン2でのGUIの設定メニューの表示例を示す。図17の「設定メニュー」は、調整機能([ひずみ調整])に関する、(X,Y,Z)の各軸の調整に関する設定項目として、スライドバーB01,B02,B03を含む。なお、各軸の調整についてのオン/オフの設定も可能である。
ユーザは、実際の視点位置から、スクリーン2の投影映像3を見る。その状態で、ユーザは、投影映像3に、プロジェクタ1の傾きに起因する歪みがあると感じる場合には、この調整機能を用いて調整を行うことができる。ユーザは、調整したい場合、プロジェクタ1に設定メニューを表示させ、設定メニューを見て所望の軸の傾きに関する調整を行う。ユーザは、例えば、投影映像3にY方向の上下での台形状の歪みを感じる場合には、X軸での調整を行うために、スライドバーB01を操作する。スライドバーB01において、ガイドとして、左側には上辺の長さが短い台形が、右側には下辺の長さが短い台形が表示されている。ユーザがスライドバーB01を例えば中央の標準位置から右へ動かす。これにより、プロジェクタ1は、そのスライドバーB01の位置に応じて、投影映像3に対し、X軸の周りの上下の方向の補正(公知の台形補正)をかける。この補正により、ユーザの実際の視点位置から見て、投影映像3の形状を歪みが無い好適な形状に調整できる。
この調整の際の補正処理は、詳しくは以下のような処理例で実現できる。図3で、プロジェクタ1のコントローラ50は、ユーザインタフェース部51の操作ボタン51aまたはリモコンインタフェース部51bを通じて、ユーザによるスライドバーB01の操作および位置を検知する。コントローラ50は、そのスライドバーB01の操作および位置から、映像の形状に関する調整の度合いを把握する。コントローラ50は、その度合いの値に応じて、図9の変換後仮想カメラ映像141の矩形領域146の格子点座標VG2における外周の形状、すなわち対応する図16の四角形の領域147の格子点座標VG2の外周の形状(例えば台形等)を決定する。図17の操作の例では、外周の形状は、下辺が短い台形の形状として決定される。
この後、プロジェクタ1は、ステップS5Bからの処理(対応する図13の処理例)を同様に実行する。この処理例の中で、ステップS53は、「点Mと点Nで規定される矩形」の代わりに、「点Mと点Nと領域147(格子点座標VG2)の外周の形状とで規定される四角形」となる。図6の処理が一通り実行されると、スクリーン2の投影映像3は、ユーザのスライドバーB01の操作および位置を反映した、傾きに起因する歪みが低減された映像となっている。
なお、図17の設定メニューは、従来一般的なプロジェクタに備える、平らなスクリーンの場合に対応した台形補正の機能および設定メニューと兼用した構成としてもよい。この場合、ユーザは、従来一般的な台形補正機能を操作する感覚で、曲面を持つスクリーン2の投影映像3に関する幾何歪みの調整が可能である。ユーザは、実施の形態1の変換機能によって自動的に幾何歪みが補正された後の投影映像3に対し、さらに、実施の形態2での調整機能を用いて、実際の視点位置等に応じてより好適な見え方となるように調整を行うことができる。
[(2−5)調整機能−Y軸]
Y軸の周りの左右の傾きに対応する調整機能については以下の通りである。このY軸に関する調整機能についても、基本的には上述のX軸に関する調整機能と同様の仕組みで実現できる。図18は、プロジェクタ1の姿勢として、Y軸の周りでの傾き、言い換えるとX方向の左右の傾きがある場合を示す。図18は、X−Z面を見た構成を模式的に示す。プロジェクタ座標系CS1は、角度βの傾きに対応して、Y軸の周りに回転した後の座標系となっている。この傾きの状態では、プロジェクタ1の投影レンズ22の位置P1とスクリーン2の投影中央6の位置P6とを結ぶ光軸7に対しZ方向の上側に直線8bがあり、その直線8b上に仮想視点5(第1視点)の位置P5がある。調整のために、投影中央6の位置P6からZ方向に正対する方向に伸びる直線8cが設定される。この直線8c上に第2視点25の位置P25が設定される。調整の際、図16の変換後仮想カメラ映像141Bの四角形の領域147の形状や向きは、このような傾きの状態や仮想視点25から計算によって同様に得られる。また、ユーザは図17のスライドバーB02を用いて同様に調整が可能である。
[(2−6)調整機能−Z軸]
Z軸の周りの回転の傾きに対応する調整機能については以下の通りである。このZ軸に関する調整機能についても、基本的には上述のX軸に関する調整機能と同様の仕組みで実現できる。図19は、プロジェクタ1の姿勢として、Z軸の周りでの傾き、言い換えると左右の回転の傾きがある場合を示す。図19の上側には、X−Y面を見た構成を模式的に示す。プロジェクタ座標系CS1は、角度γの傾きに対応して、Z軸の周りに回転した後の座標系となっている。この状態では、プロジェクタ1(または投影レンズ22)の水平面80に対する回転の角度γと同じ角度だけ、投影映像3もX−Y面内で回転した状態となっている。この投影映像3のままでは、ユーザにとって見難い。この傾きの状態に関して調整を行う場合、プロジェクタ1は、スクリーン2の投影中央6の位置P6に対しZ方向に図示しない直線8cを設定し、その直線8c上に図示しない第2視点25の位置P25を設定する。
図19の下側には、このZ軸に関する調整を行う場合のステップS5Cの処理内容、および変換後仮想カメラ映像141Cを示す。調整の際、変換後仮想カメラ映像141Cの四角形の領域148の形状や向きは、このような傾きの状態や仮想視点25から計算によって同様に得られる。この状態では、四角形の領域148の形状は、X−Y面内において角度γで逆方向に傾きを持つ図形である。
この場合では、Z軸での回転の角度γが得られるので、変換前の投影可能領域145に内包される四角形の領域を計算する際に、図19に示すように候補となる四角形の領域148を角度γだけ逆方向に回転させる。これにより、傾きによって投影映像3に発生する回転を相殺することができる。また、ユーザは図17のスライドバーB03を用いて同様に調整が可能である。
[(2−7)効果等]
上記のように、実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加え、プロジェクタ1の設置状態に傾きがある場合でも、幾何歪みを解消または低減した好適な投影映像が得られる。
[(2−8)変形例−姿勢センサ]
実施の形態2の変形例として以下も可能である。実施の形態2では、プロジェクタ1の傾きに起因する幾何歪みを、GUIを通じたユーザの操作を契機として調整できる機能を示した。変形例では、プロジェクタ1は、上記傾きに起因する幾何歪みの調整を、図3のセンサ部の姿勢センサ60を用いて、自動的に実現する。プロジェクタ1は、姿勢センサ60を使用して、プロジェクタ1の傾きを含む姿勢の状態を検出する。姿勢センサ60は、絶対座標系CS0でのプロジェクタ1の各軸(X,Y,Z)の周りでの回転による傾きの状態を検出できるセンサである。姿勢センサ60を構成するデバイスの例としては、公知の重力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、電子コンパス、その他のデバイスや方式を適用できる。姿勢センサ60は、例えば、図15の角度α、図18の角度β、図19の角度γを検出可能である。
プロジェクタ1の設置状態として例えば図15の角度αの傾きがあるとする。この場合、プロジェクタ1の特に変換行列計算回路12は、姿勢センサ60の検出情報160を用いて、その角度αを得る。変換行列計算回路12は、この傾きの角度αに応じて、図9の四角形の領域147の形状を決定する。これにより、前述のGUIを通じたユーザ操作が無くても、プロジェクタ1は、自動的に幾何歪みの補正ができる。
(実施の形態3)
図20を用いて、本発明の実施の形態3の映像表示装置について説明する。前述の各実施の形態では、図9の変換前仮想カメラ映像140の投影可能領域145内であれば、そのうちのどの領域にも映像を投影してもよいとしていた。そして、プロジェクタ1は、投影可能領域145に内包される四角形の領域146を計算し、この領域146を変換後の映像投影領域としていた。しかしながら、実際にプロジェクタ1を使用する環境では、スクリーン2の投影可能領域145内に障害物が存在する場合がある。その障害物を避けて映像を投影することができれば好ましい。例えば、スクリーン2が小さい場合等には、投影可能領域145がスクリーン2の投影可能領域をはみ出す場合がある。また、例えば、部屋の壁面等をスクリーン2として映像を投影する際に、壁面に対し壁掛け時計等の凹凸となる障害物がある場合がある。実施の形態3でのプロジェクタ1は、このような場合の障害物を、映像解析によって検出し、障害物を避けるようにして好適な領域を設定する機能を有する。
[(3−1)映像解析]
実施の形態3では、プロジェクタ1は、図3の映像解析回路15を用いる。映像解析回路15は、カメラ10からの映像120を解析して、障害物領域等を検出し、解析結果情報170を出力する。変換行列計算回路12は、その解析結果情報170を用いて、変換行列を計算する。
[(3−2)処理]
実施の形態3では、実施の形態1に対する変更点として、ステップS5の代わりに、以下のステップS5Eを有する。ステップS5Eの処理は、映像解析を用いて、障害物の領域を避けるようにして四角形の領域146(図9)を設定する処理を含む。
図20は、実施の形態3でのステップS5Eの処理に関して、スクリーン2に障害物128がある例における、実カメラ映像120、変換前仮想カメラ映像140、および変換後仮想カメラ映像141等を示す。本例では、スクリーン2の前面のうち、右上付近に、障害物128の領域がある。この障害物128は、何かの物体である場合や、壁面の一部の凹凸等である場合がある。この障害物128の領域は、スクリーン2の他の面の領域に比べて、凹凸の度合いが大きく、映像投影に適していないとする。実カメラ映像120内に、その障害物128の領域が含まれている。
プロジェクタ1の映像解析回路15は、実カメラ映像120や距離情報130に基づいて、障害物128の領域を検出し、解析結果情報170として出力する。映像解析回路15は、例えば、実カメラ映像120の各画素の色情報や輪郭情報等に基づいて、障害物128の領域を検出する。なお、この障害物128の領域を検出する処理の際、映像解析回路15は、実カメラ映像120の色情報ではなく、距離推定部13で計算した距離情報130を用いてもよい。この場合、プロジェクタ1は、スクリーン2からはみ出している領域や、壁面で穴が開いている領域等、スクリーン距離9の大小の差が大きい領域を、障害物128の領域として検出可能である。
変換行列計算回路12は、その障害物128の領域に応じて、変換前仮想カメラ映像140の投影可能領域145内における除外領域E1を生成し設定する。また、変換行列計算回路12は、対応する変換後仮想カメラ映像140内に除外領域E1を設定する。ステップS5Eで、変換行列計算回路12は、変換後格子点座標VG2を計算する際、投影可能領域145に内包され、かつ除外領域E1を含まないという条件を満たすように、四角形の領域149を計算する。
実カメラ映像120の格子点座標CG1と変換前仮想カメラ映像140の格子点座標VG1は、前述の手順で計算できるので、実カメラ映像120の各領域の映像を、変換前仮想カメラ映像140の対応する各領域に射影変換することが可能である。この結果、図20のように、変換前仮想カメラ映像140での除外領域E1を計算できる。実施の形態3で、前述の図13の処理例では、ステップS53の判定は、矩形が投影可能領域145に内包され、かつ、除外領域E1を含まないという条件となる。これにより、プロジェクタ1は、変換後仮想カメラ映像141で、除外領域E1を含まない四角形の領域149を計算できる。その後は実施の形態1と同様の処理とすればよい。
[(3−3)効果等]
上記のように、実施の形態3によれば、実施の形態1の効果に加え、スクリーン2に障害物がある場合でも、その障害物を避けた領域で、幾何歪みが無い好適な投影映像3が得られる。実施の形態3の変形例として以下も可能である。
プロジェクタ1は、障害物を避けたことで、投影映像3が小さくなり過ぎる場合には、GUIを通じてユーザに対し警告等を出力してもよい。例えば、プロジェクタ1は、変換後における領域149の面積を計算し、その面積を変換前における投影可能領域145の面積で割った値(面積比率)を得る。プロジェクタ1は、その値が閾値以下である場合、警告を出力する。プロジェクタ1は、GUIを通じて、障害物を避けて投影可能領域(領域149)を設定するか否かを確認し、ユーザの操作に応じて決定する。
また、プロジェクタ1は、実カメラ映像120のうちのどの部分に障害物があるかが分かるので、プロジェクタ1をどの方向にどの程度動かせば好適な状態になるかも判断できる。よって、プロジェクタ1は、その判断を行い、GUIを通じて、ユーザに対し、プロジェクタ1をどの方向にどの程度動かせば好適な状態になるか、ガイド情報を出力してもよい。ユーザは、そのガイド情報に従って、プロジェクタ1を好適な状態にすることができ、障害物が無い状態での投影映像3を得ることができる。
また、スクリーン2に障害物が無くても、例えばスクリーン2が傾きすぎているために投影映像が小さくなり過ぎる場合も考えられる。このような場合にも、上記と同様に、警告やガイドの出力が可能である。この場合、判断は、例えば、変換前仮想カメラ映像140に占める投影可能領域145の面積の割合を所定の閾値と比較することで可能である。
(実施の形態4)
図21を用いて、本発明の実施の形態4の映像表示装置について説明する。実施の形態4は、さらに、映像の格子の分割数の構成を好適に設定および制御する機能を有する。実施の形態4では、プロジェクタ1は、2種類以上の分割数を用いて選択や切り替えを行う。プロジェクタ1は、幾何変換を含む処理に関して、例えば、処理負荷上、制約がある場合等に、分割数を抑制する。これにより、より高速に幾何変換を含む処理が可能である。
[(4−1)映像の分割数]
図3の構成で、各要素のうち、特に幾何変換回路30は、行列を用いた変換処理を行うので、処理量が多い。そのため、図7のような、映像における格子の複数の領域への分割の構成に関して、分割数を大きくし過ぎる場合、処理量が多すぎて望ましくない可能性がある。そこで、映像表示装置の実装におけるハードウェアやソフトウェアのリソースや性能に応じて、映像の格子の分割数(DNとする)を、好適な数に設定することが好ましい。例えば、装置のリソースや性能を優先する場合には、分割数DNを、ある程度小さい値に制限すればよい。映像品質を優先する場合、分割数DNを、なるべく大きい値にすればよい。分割数DNは、言い換えれば、領域数である。
一例として、幾何変換回路30の性能を考慮して、幾何変換回路30で変換可能である映像の最大の分割数DN(DNaとする)が6×6である場合を考える。ここで、このように分割数DN(6×6)が少ない場合、スクリーン2のうち曲率が高い部分では、その部分を平面と近似した場合の誤差が大きくなり、投影映像3に歪みが残ってしまう可能性がある。この歪みは、分割数DNを大きくすれば、誤差が小さくなるので、解消可能である。しかし、最大の分割数DNaで制限される場合には、その歪みが低減できない。
実施の形態4では、上記のような場合にも対処できるように、以下のような構成を有する。プロジェクタ1は、幾何変換回路30での最大の分割数DNa(例えば6×6)に対し、それよりも大きい数の分割数DN(DNbとする)を、内部処理(特に演算回路40の処理)で用いる。例えば、内部処理での最大の分割数DNを、分割数DNb=8×8とする。仮想カメラ映像は、この分割数DNbに従って、複数(8×8)の領域を持つ格子として処理される。
なお、実装では、例えば、分割数DNa=64×64、分割数DNb=128×128、分割数の比率が1/2、といったように、より大きな数を用いることができる。パターン生成回路32は、映像の分割数DNに対応させたパターン映像101を生成する。また、例えばパターン生成回路32や演算回路40には、分割数DN(DNa,DNb)の値が設定されている。ユーザ設定を通じて、複数の種類の分割数DNの設定値を変更できる。分割数DNは、基本的には、スクリーン2の曲面の曲率に応じて設定されると好適である。分割数DNは、X方向、Y方向での分割数が異なってもよい。
[(4−2)制御例]
図21を用いて分割数DNの設定および制御に関する具体例を説明する。図21は、変換前仮想カメラ映像140と変換後仮想カメラ映像141とを示し、特に、変換後仮想カメラ映像141に関して、分割数の間引きの前後の格子の構成を示す。図21は、矩形領域146について、間引き前の格子点142と、間引き後の格子点143とを示す。間引きは、分割数DNの変更を指す。本例では、スクリーン2の左上付近では凹凸が細かく、それ以外の部分では、例えば右下付近ほど、凹凸が粗いとする。この場合、スクリーン2の左上部分の幾何歪みを少なくするためには、なるべく細かい分割の領域とする必要があるが、他の部分については、それほど細かい分割の領域とする必要は無い。
しかしながら、プロジェクタ1は、スクリーン2の面内の凹凸の分布の状況については、距離情報130を得るまでは判断できない。そのため、プロジェクタ1は、距離情報130を得るまでの前半部分の処理については、分割数DNを、内部処理で最大の分割数DNb(=8×8)として行う。具体的には、図6のフローのうちステップS5までは、分割数DNbで処理が行われる。間引き前の格子点142は、分割数DNbに対応した8×8の領域を持つ格子における各格子点であり、前述の変換後格子点座標VG2に対応する。矩形領域146(対応する格子)において、X方向での縦分割線の位置をx1等で示し、Y方向での横分割線の位置をy1等で示す。
ステップS5まで終了した時点で、各格子点についてのスクリーン距離9が得られている。よって、プロジェクタ1は、距離情報130から、スクリーン2の面のうちどの領域で凹凸が細かいか粗いか等が分かる。そこで、プロジェクタ1は、スクリーン2の凹凸が細かい領域や粗い領域を抽出して、それらの領域を対象に、分割数DNを制御することで、変換後格子点座標VG2に関する間引きを行う。本例では、変換行列計算回路12は、間引き前の格子点142において、実線で示す縦横の分割線のうち、破線で示すように、いくつかの分割線を間引く。本例では、位置x6,x8にある分割線と、位置y6,y8にある分割線とが間引かれている。これにより、間引き後の格子点143のようになり、分割線の数の削減と共に、全体の格子点の数が削減されている。
プロジェクタ1は、どの分割線を間引くかについては、上記スクリーン2の面の凹凸の細かさ(例えばスクリーン距離9の大小の差)に応じて決定する。本例では、スクリーン2の面の左上付近の凹凸が細かく、右下付近が粗いので、右下付近の領域が、間引きの対象として選択されている。間引き後の格子点143では、右下付近の領域で、格子点の数が低減され密度が小さくなっており、領域の数が低減され1つの領域のサイズは大きくなっている。間引き後の格子点143で、変換後格子点座標VG2bを有する。
プロジェクタ1は、上記間引き後の格子点143の変換後格子点座標VG2bを用いて、ステップS6以降の処理を同様に行う。各処理では、対応する格子点についても、間引きが反映された状態となる。最終的に、ステップS9では、幾何変換回路30は、最大の分割数DNa(=6×6)に対応した変換前映像110を幾何変換処理する。上記間引きの際には、分割数DNa以下の数から選択可能である。
[(4−3)効果等]
上記のように、実施の形態4によれば、実施の形態1の効果に加え、映像品質または処理負荷等の優先方針に応じて、好適な投影映像が得られる。分割数の他の制御例としては、スクリーン2の曲面の度合いに応じて映像フレーム内で均一の分割となるように分割数を選択して設定することも可能である。
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1…プロジェクタ、2…スクリーン、3…投影映像、4…映像ソース機器、5…仮想視点、6…投影中央、7…プロジェクタ光軸、8…水平線、9…スクリーン距離、10…カメラ、22…投影レンズ、P1,P2,P3,P5,P6…位置。

Claims (15)

  1. スクリーンに映像を投影する映像表示装置であって、
    第1位置に配置された投影レンズと、
    第2位置に配置されたカメラと、
    を備え、
    前記スクリーンに曲面を持つ場合に、
    前記スクリーンに投影した第1映像を前記カメラによって撮影したカメラ映像を取得し、
    表示対象映像に対し、前記カメラ映像、前記第1位置および前記第2位置の情報に基づいて、第1仮想視点位置から見て前記曲面に起因する幾何歪みを補正するための幾何変換を行って、変換後映像を前記スクリーンに投影する、
    映像表示装置。
  2. 請求項1記載の映像表示装置において、
    前記第1映像および前記カメラ映像を用いて、前記スクリーンの投影映像の格子の各点を計算し、
    前記第1位置から前記格子の各点までの距離を計算し、
    前記格子および前記距離を用いて、前記第1仮想視点位置から見て前記曲面に起因する幾何歪みを補正するための変換行列を計算し、
    前記変換行列を用いて前記幾何変換を行う、
    映像表示装置。
  3. 請求項2記載の映像表示装置において、
    前記カメラ映像および前記距離を用いて、前記第1仮想視点位置から見た場合の仮想カメラ映像を計算し、
    前記仮想カメラ映像の投影可能領域に対応する第1格子から、前記投影可能領域に包含される四角形の領域に対応する第2格子を計算し、
    前記第2格子を用いて前記変換行列を計算する、
    映像表示装置。
  4. 請求項3記載の映像表示装置において、
    前記仮想カメラ映像から前記表示対象映像への変換を表す第1変換行列を計算し、
    前記第1変換行列および前記第2格子を用いて、前記変換後映像の領域に対応する第3格子を計算し、
    前記表示対象映像から前記第3格子への変換を表す第2変換行列を前記変換行列として計算する、
    映像表示装置。
  5. 請求項2記載の映像表示装置において、
    前記第1映像は、設定された分割数での前記格子の構成に対応させたパターン映像である、
    映像表示装置。
  6. 請求項1記載の映像表示装置において、
    前記第1仮想視点位置は、前記スクリーンの投影映像の中央位置から水平方向の直線上の位置に設定されている、
    映像表示装置。
  7. 請求項3記載の映像表示装置において、
    前記四角形は、長方形である、
    映像表示装置。
  8. 請求項1記載の映像表示装置において、
    前記カメラは、前記映像表示装置の筐体の面に設けられている、
    映像表示装置。
  9. 請求項1記載の映像表示装置において、
    前記第1仮想視点位置とは異なる第2仮想視点位置を設定し、
    前記第1仮想視点位置と前記第2仮想視点位置との差に基づいて、前記第2仮想視点位置から見て前記幾何歪みを補正するための前記幾何変換を行う、
    映像表示装置。
  10. 請求項9記載の映像表示装置において、
    絶対座標系に対する、前記映像表示装置を基準とした第1座標系の前記映像表示装置の設置の傾きに応じて、前記第2仮想視点位置を設定する、
    映像表示装置。
  11. 請求項9記載の映像表示装置において、
    ユーザインタフェースを介したユーザの操作に基づいて、前記第2仮想視点位置から見た場合の前記幾何変換の度合いを決定する、
    映像表示装置。
  12. 請求項10記載の映像表示装置において、
    前記傾きを検出するセンサを備える、
    映像表示装置。
  13. 請求項1記載の映像表示装置において、
    前記カメラ映像に基づいて、前記スクリーンのうちの障害物領域を検出し、
    前記第1映像および前記カメラ映像を用いて、前記スクリーンの投影映像の格子の各点を計算し、
    前記第1位置から前記格子の各点までの距離を計算し、
    前記カメラ映像および前記距離を用いて、前記第1仮想視点から見た場合の仮想カメラ映像を計算し、
    前記仮想カメラ映像の投影可能領域に対応する第1格子から、前記障害物領域を含まず、前記投影可能領域に包含される四角形の領域に対応する第2格子を計算し、
    前記第2格子を用いて前記変換行列を計算する、
    映像表示装置。
  14. 請求項2記載の映像表示装置において、
    前記格子の分割数は、設定された第1分割数と、前記第1分割数よりも小さい第2分割数とを含む、複数の種類の分割数から選択された分割数である、
    映像表示装置。
  15. スクリーンに映像を投影する映像表示装置における映像表示方法であって、
    前記映像表示装置は、
    第1位置に配置された投影レンズと、
    第2位置に配置されたカメラと、
    を備え、
    前記映像表示方法は、
    前記スクリーンに曲面を持つ場合に、
    前記スクリーンに投影した第1映像を前記カメラによって撮影したカメラ映像を取得するステップと、
    表示対象映像に対し、前記カメラ映像、前記第1位置および前記第2位置の情報に基づいて、第1仮想視点位置から見て前記曲面に起因する幾何歪みを補正するための幾何変換を行って、変換後映像を前記スクリーンに投影するステップと、
    を有する、映像表示方法。
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