JP2020118611A - 腕時計及びシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】セキュリティの向上及び消費電力の低減を図ること。【解決手段】腕時計100は、スマートフォン10から認証情報を受信する第1状態と、スマートフォン10から認証情報を受信せず第1状態より消費電力が小さい第2状態と、を切替可能である。また、腕時計100は、NFC決済端末20との間で近距離無線通信を行う。また、腕時計100は、第1状態においてスマートフォン10から受信した認証情報に基づく認証が成功した場合に、近距離無線通信を用いた所定の機能を有効にして第2状態に切り替わる。【選択図】図2

Description

この発明は、腕時計及びシステムに関する。
従来、時計本体がユーザの腕に装着中であるか否かを検出する装着センサや、認証データの入力を受け付けるキー、指紋撮像センサ、タッチ/ペン入力部などを備える時計において、ユーザが時計本体を長時間装着していない場合には認証設定を解除して認証要求等を不可能にする構成が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、近距離無線通信などを用いた電子財布などの決済機能を備える腕時計が知られている。例えば、スマートフォンと連携して動作する腕時計が、スマートフォンの電子財布にチャージされている金銭で近距離無線通信による決済を行う構成が知られている(例えば、下記特許文献2参照。)。
特開2000−200315号公報 特開2016−184420号公報
しかしながら、上述した従来技術では、腕時計が有する決済機能などの機能に関するセキュリティの向上及び腕時計の消費電力の低減を図ることが困難という問題がある。
例えば、腕時計が有する機能を有効にする際の認証のために、上記特許文献1のように認証データの入力を受け付けるキー、指紋撮像センサ、タッチ/ペン入力部などのユーザインタフェースを腕時計に設けると、腕時計が大型化したり、腕時計の外観品質が劣化したりする。このため、腕時計の大型化及び外観品質の劣化を回避しつつ、腕時計が有する機能に関するセキュリティを向上させることが困難である。
また、腕時計が有する機能を有効にする際の認証のために、無線通信により腕時計をスマートフォン等と連携させ、認証データの入力をスマートフォン等において行う構成も考えられるが、このような構成においては腕時計とスマートフォン等との間の無線通信により腕時計の消費電力が大きくなる。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、セキュリティの向上及び消費電力の低減を図ることができる腕時計及びシステムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる腕時計は、第1通信装置から認証情報を受信する第1状態と、前記第1通信装置から前記認証情報を受信せず前記第1状態より消費電力が小さい第2状態と、を切替可能な第1通信部と、前記第1通信装置と異なる第2通信装置との間で近距離無線通信を行う第2通信部と、前記第1状態の前記第1通信部が前記第1通信装置から受信した前記認証情報に基づく認証が成功した場合に、前記近距離無線通信を用いた所定の機能を有効にして前記第1通信部を前記第2状態に切り替える制御部と、を備えることを特徴とする。
これにより、第1通信部における消費電力を低減することができる。また、腕時計の大型化及び外観品質の劣化を回避しつつ、所定の機能を第三者に不正使用されることを抑制してセキュリティを向上させることができる。
また、この発明にかかる腕時計は、前記制御部が、ユーザへの装着を検出した場合に、前記第1通信部を前記第1状態にして前記第1通信部に前記認証情報を受信させ前記認証を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる腕時計は、前記制御部が、前記所定の機能を有効にした後、ユーザからの取り外しを検出した場合に前記所定の機能を無効にすることを特徴とする。
また、この発明にかかる腕時計は、前記第1通信部が、前記第1通信装置との間で通信を行う通信回路であり、前記第1状態は前記通信回路に電源が供給された状態であり、前記第2状態は前記通信回路に電源が供給されていない状態であることを特徴とする。
また、この発明にかかる腕時計は、前記所定の機能が、決済を行う機能を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる腕時計は、前記所定の機能が、電子錠の解錠及び施錠の少なくともいずれかを行う機能を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかるシステムは、第1通信装置と、前記第1通信装置から認証情報を受信する第1状態と、前記第1通信装置から前記認証情報を受信せず前記第1状態より消費電力が小さい第2状態と、を切替可能であり、前記第1通信装置と異なる第2通信装置との間で近距離無線通信を行い、前記第1状態において前記第1通信装置から受信した前記認証情報に基づく認証が成功した場合に、前記近距離無線通信を用いた所定の機能を有効にして前記第2状態に切り替わる腕時計と、を含むことを特徴とする。
この発明の一側面によれば、セキュリティの向上及び消費電力の低減を図ることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる腕時計の外観の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかるシステムの一例を示す図である。 図3は、実施の形態1にかかる腕時計のハードウェア構成の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れの一例を示す図(その1)である。 図5は、実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れの一例を示す図(その2)である。 図6は、実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れの一例を示す図(その3)である。 図7は、実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れの一例を示す図(その4)である。 図8は、実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れの一例を示す図(その5)である。 図9は、実施の形態1にかかる腕時計による処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、実施の形態1にかかるシステムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。 図11は、実施の形態1にかかるシステムにおける処理の他の一例を示すシーケンス図である。 図12は、実施の形態2にかかるシステムの一例を示す図である。 図13は、実施の形態3にかかるシステムの一例を示す図である。
以下に図面を参照して、この発明にかかる腕時計及びシステムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる腕時計の外観)
図1は、実施の形態1にかかる腕時計の外観の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる腕時計100は、外装(時計ケース)である胴内に、文字板110と、時針121、分針122及び秒針123と、を備える。
時針121、分針122及び秒針123は、文字板110に表記された時刻や目盛を指示することによって現在時刻を表示する指針である。また、例えば時針121、分針122及び秒針123は、現在時刻とは異なる情報の表示にも用いられてもよい。
また、腕時計100は、胴の側面に、腕時計100のユーザが種々の操作を行うための操作部として、リューズ131、第1プッシュボタン132及び第2プッシュボタン133が配置されている。図1に示す例では、リューズ131は3時側に配置され、第1プッシュボタン132は2時側に配置され、第2プッシュボタン133は4時側に配置されている。
腕時計100の胴には、文字板110を覆うようにガラス等の透明材料により形成された風防が取り付けられている。また、腕時計100の胴における風防の反対側には裏蓋が取り付けられている。以降、腕時計100において風防が配置される方向(図1における紙面手前方向)を表側、腕時計100において裏蓋が配置される方向(図1における紙面奥方向)を裏側と呼ぶ。腕時計100の胴には、腕時計100のユーザが手首等に巻くことによって腕時計100を装着するためのバンド140が取り付けられている。
また、腕時計100は、太陽などの光エネルギーによって発電し、発電した電力を二次電池に蓄える構成とする光発電機構を有する腕時計であってもよい。例えば、文字板110の裏側には太陽電池が配置され、表側から入光した光により太陽電池において発電がなされる。そのため、文字板110はある程度光線を透過する材質で形成される。太陽電池によって発電された電力は二次電池に蓄積され、二次電池に蓄積された電力は腕時計100の電源として使用される。また、腕時計100は、光発電に代えてペルチェ素子などを用いた熱発電時計であってもよく、電磁誘導やマイクロ波や磁界共鳴などの無線による給電を二次電池に蓄電する構成であってもよい。なお、無線給電において裏蓋側から給電する場合には、裏蓋の少なくとも一部を非導電性部材で形成する。
図1に示した腕時計100の外観は一例であり、腕時計100の外観はこれに限らない。例えば、胴を丸型でなく角型にしてもよいし、リューズ131やプッシュボタン等の有無、数、配置、形状も任意に変更することができる。また、指針として時針121、分針122、秒針123の3本を備える構成に限らず、例えば秒針123を省略してもよい。又は、曜日、サマータイムの有無、電波の受信状態や電池の残量、日付などの各種の表示を行う指針等を追加したりしてもよい。
また、腕時計100が指針により時刻を表示するアナログ時計である構成について説明したが、このような構成に限らない。例えば、腕時計100は、ディスプレイにより時刻を表示するデジタル時計、又は音声によって時刻を通知する音声時計などであってもよい。また、腕時計100は、アナログ時計やデジタル時計の時刻表示部を示す画像をディスプレイにより表示することにより現在時刻を通知する時計(例えばスマートウォッチ)であってもよい。
(実施の形態1にかかるシステム)
図2は、実施の形態1にかかるシステムの一例を示す図である。図2に示すように、実施の形態1にかかるシステム200は、NFC決済端末20を用いた決済を補助する決済補助システムである。例えば、システム200は、スマートフォン10及び上述の腕時計100を含む。
腕時計100及びスマートフォン10は、例えば同一のユーザが所有している。腕時計100は、NFC決済端末20との間でNFCの無線通信を行うことにより決済を行う決済機能を有する。決済とは、例えばNFC決済端末20が設置された店舗等における支払いである。
スマートフォン10は、腕時計100との間で、腕時計100の決済機能を有効(オン)にするための認証に用いられる通信を行う第1通信装置の一例である。決済機能を有効にするとは、例えば腕時計100をNFC決済端末20に近づけることにより決済機能が動作し決済が行われる状態にすることである。
NFC決済端末20は、腕時計100との間でNFCの無線通信(近距離無線通信)を行う第2通信装置の一例である。腕時計100の決済機能は、腕時計100とNFC決済端末20との間のNFCの無線通信を用いた所定の機能の一例である。第1通信装置、第2通信装置及び所定の機能の他の例については後述する。
例えば、スマートフォン10は、タッチパネル11、マイク12、通話用スピーカ13、アラーム用スピーカ14などを備える情報端末であり、腕時計100との間でBluetooth(登録商標)の無線通信が可能である。以下、BluetoothをBTと略記する。腕時計100及びスマートフォン10の間のBTの無線通信におけるペアリングは事前に行われているものとする。
スマートフォン10は、例えば認証情報の入力をユーザから受け付ける。認証情報は、腕時計100の決済機能を有効にするために腕時計100において行われる認証に用いられる情報である。認証は、例えば腕時計100の決済を行うユーザの正当性を確認する本人認証である。認証情報は、例えば、暗証番号、パスワード又は生体情報(例えば指紋、静脈、虹彩、声紋、顔形又は筆跡など)などの情報である。
例えば、認証情報が暗証番号やパスワードである場合、スマートフォン10は、タッチパネル11やマイク12などを用いて暗証番号やパスワードの入力をユーザから受け付ける。認証情報が生体情報である場合、スマートフォン10はこの生体情報をユーザから読み取る読み取り装置を備え、読み取り装置を用いて生体情報の入力をユーザから受け付ける。スマートフォン10は、入力された認証情報を、BTの無線通信により腕時計100へ送信する。
又は、スマートフォン10は、入力された暗証番号等のこれらの情報と、予め設定された正当な情報と、の一致判定を行い、その判定結果(一致か否か)を認証情報として腕時計100へ送信してもよい。
腕時計100は、認証に成功していない状態においては、腕時計100(自時計)の決済機能を無効(オフ)にしている。腕時計100の決済機能が無効である状態で腕時計100をNFC決済端末20に近づけても、決済を行うことはできない。
また、腕時計100は、スマートフォン10から送信された認証情報に基づく認証を行い、認証に成功すると、腕時計100の決済機能を有効にする。腕時計100のユーザは、腕時計100の決済機能が有効である状態で腕時計100をNFC決済端末20のアンテナ21に近づけることにより、腕時計100がNFC決済端末20との間でNFCの無線通信を行い、決済を行うことができる。
NFCは、例えばFeliCa(登録商標)などの方式を用いた近距離無線通信である。NFCによる決済方法は、例えば、電子マネーによる決済方法や、クレジットカードによる決済方法などである。電子マネーは、例えば残高等の金銭情報が腕時計100のICチップに記憶される非ネットワーク型の電子マネーである。クレジットカードによる決済は、腕時計100のメモリに記憶された、ユーザが所有するクレジットカードの番号等を用いて行われる決済である。
このように、決済機能を有効にするための認証にユーザからの認証情報の入力を要する構成において、腕時計100のユーザインタフェースは限られているため、スマートフォン10によって認証情報の入力を受け付ける構成とする。
これにより、認証情報の入力を受け付けるためのユーザインタフェースを腕時計100に設けなくても、腕時計100の決済機能を有効にするための認証を行うことができる。このため、腕時計100の決済機能に関するセキュリティを、腕時計100の大型化及び外観品質の劣化を回避しつつ向上させることができる。
また、腕時計100は、スマートフォン10とBTの無線通信を行うための後述のBT通信回路322を有し、BT通信回路322を第1状態と第2状態に切替可能である。第1状態は、スマートフォン10との間でBTの無線通信を行って上述の認証情報をスマートフォン10から受信可能な状態である。すなわち、上述の認証情報の受信はBT通信回路322を第1状態にして行われる。第2状態は、上述の認証情報をスマートフォン10から受信可能でない状態であって、第1状態よりBT通信回路322の消費電力が小さい状態である。
一例としては、第1状態はBT通信回路322に電源が供給されBT通信回路322が動作する、いわゆるオンの状態であり、第2状態はBT通信回路322に電源が供給されずBT通信回路322が動作しない、いわゆるオフの状態である。ただし、第1状態及び第2状態はこれに限らない。例えば、第2状態はBT通信回路322の少なくとも一部の動作が停止する、いわゆるスリープの状態であり、第1状態はその少なくとも一部の動作が停止しない、いわゆる起動状態(オンの状態)であってもよい。
又は、第2状態はBT通信回路322が間欠的に無線通信を行う状態であり、第1状態はBT通信回路322が継続的に無線通信を行う状態であってもよい。又は、第2状態は、第1状態よりもBT通信回路322による通信の頻度が低い状態であってもよい。以下、第1状態がオンの状態であり第2状態がオフの状態である場合について説明する。
腕時計100は、オンの状態のBT通信回路322によりスマートフォン10から認証情報を受信して認証に成功した場合に、上述のように腕時計100の決済機能を有効にするとともに、BT通信回路322をオンの状態からオフの状態に切り替える。これにより、決済機能を有効にするための認証に用いるBT通信回路322を、その認証が成功した場合にはオフにして消費電力を低減することができる。このため、腕時計100によれば、腕時計100の決済機能に関するセキュリティを向上させつつ、腕時計100の消費電力を低減させることができる。
また、腕時計100は、ユーザに対する腕時計100の着脱(装着及び取り外し)を検出する機能を有していてもよい。腕時計100の着脱の検出方法については後述する(例えば図3参照)。
例えば、腕時計100は、ユーザによる腕時計100の装着を検出した場合に、BT通信回路322をオンにして上述の認証を行ってもよい。例えば、腕時計100は、ユーザへの腕時計100の装着を検出した際にBT通信回路322がオフであった場合はBT通信回路322をオンにして上述の認証を行う。また、腕時計100は、ユーザへの腕時計100の装着を検出した際にBT通信回路322がオンであった場合はBT通信回路322がオンである状態を維持して上述の認証を行う。
具体的には、腕時計100は、ユーザによる腕時計100の装着を検出すると、BT通信回路322をオンにして、認証情報の送信を要求する要求信号をスマートフォン10へ送信する。スマートフォン10は、腕時計100からこの要求信号を受信すると、ユーザから認証情報の入力を受け付け、入力された認証情報を腕時計100へ送信する。腕時計100は、上述のようにスマートフォン10から受信した認証情報に基づく認証を行い、認証に成功した場合は腕時計100の決済機能を有効にする。
これにより、ユーザによる腕時計100の装着を契機として腕時計100の決済機能を有効にすることができるため、ユーザは腕時計100を装着している間、装着した腕時計100をNFC決済端末20のアンテナ21に近づけることにより決済を行うことができる。このため、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
また、腕時計100は、腕時計100の決済機能を有効にした後、ユーザからの腕時計100の取り外しを検出した場合に、その決済機能を無効にしてもよい。これにより、例えばユーザが腕時計100を遺失した場合に、腕時計100はユーザからの取り外しを検出して決済機能を無効にする。このため、ユーザが遺失した腕時計100を拾得した第三者が腕時計100を用いて不正な決済を行うことはできないため、セキュリティを向上させることができる。
(実施の形態1にかかる腕時計のハードウェア構成)
図3は、実施の形態1にかかる腕時計のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、腕時計100は、太陽電池311と、電源312と、アンテナ321と、BT通信回路322と、アンテナ331と、NFC通信回路332と、制御回路340と、駆動機構351と、表示部352と、操作部360と、着脱検出部370とを備える。
太陽電池311は、例えば図1に示した文字板110の裏側に配置されている。そして、太陽電池311は、腕時計100に対して照射される太陽光などの外光によって発電し、発電した電力を、制御回路340を介して電源312に供給する。電源312は、制御回路340などの腕時計100の各回路に対して電力を供給する。例えば、電源312は、太陽電池311によって発電された電力を蓄積する、リチウムイオン電池などの二次電池である。
アンテナ321は、スマートフォン10からBTにより無線送信された信号を受信し、受信した信号をBT通信回路322へ出力する。また、アンテナ321は、BT通信回路322から出力されたBTの信号をスマートフォン10へ無線送信する。
BT通信回路322は、アンテナ321を用いてスマートフォン10との間でBTの無線通信を行う第1通信部の一例である。具体的には、BT通信回路322は、アンテナ321から出力された信号の受信処理を行い、受信処理により得られたデータを制御回路340へ出力する。受信処理には、例えば、増幅、復調、復号、アナログ/デジタル変換などが含まれる。
また、BT通信回路322は、制御回路340から出力されたデータに基づく送信処理を行い、送信処理により得られた信号をアンテナ321へ出力する。送信処理には、例えば、デジタル/アナログ変換、符号化、変調及び増幅などが含まれる。
アンテナ331は、NFC決済端末20からNFCにより無線送信された信号を受信し、受信した信号をNFC通信回路332へ出力する。また、アンテナ331は、NFC通信回路332から出力されたNFCの信号をNFC決済端末20へ無線送信する。
NFC通信回路332は、アンテナ331を用いてNFC決済端末20との間でNFCの無線通信を行う第2通信部の一例である。具体的には、NFC通信回路332は、アンテナ331から出力された信号の受信処理を行い、受信処理により得られたデータを制御回路340へ出力する。また、NFC通信回路332は、制御回路340から出力されたデータに基づく送信処理を行い、送信処理により得られた信号をアンテナ331へ出力する。
制御回路340は、腕時計100の各部の制御を行うマイクロコンピュータなどの回路であり、互いに協調動作するプロセッサ及びメモリによって実現される。制御回路340のメモリには、RAM(Random Access Memory)などのメインメモリと、ROM(Read Only Memory)などの補助メモリ(不揮発性メモリ)と、が含まれる。
例えば、制御回路340は、演算部341と、BT制御部342と、個人認証処理部343と、NFC制御部344と、を含む。演算部341は、腕時計100の全体の制御を司る。例えば、演算部341は、プロセッサにより実現され、補助メモリに記憶されたプログラムをメインメモリにロードして実行することにより各種の制御を行う。
BT制御部342は、BT通信回路322によるBTの無線通信を制御する。また、BT制御部342は、スマートフォン10から、スマートフォン10へ入力されたユーザの認証情報を、BT通信回路322を介して取得し、取得した認証情報を個人認証処理部343へ出力する。
個人認証処理部343は、BT制御部342から出力された認証情報に基づく上述の認証を行う。例えば、個人認証処理部343は、BT制御部342から出力された認証情報と、事前に登録され制御回路340の補助メモリに記憶された認証情報と、を比較することにより認証を行う。
例えば、認証情報が暗証番号である場合に、個人認証処理部343は、BT制御部342から出力された暗証番号が、事前に登録された暗証番号と一致していれば認証が成功したと判定し、一致していなければ認証が成功しなかったと判定する。また、個人認証処理部343は、認証が成功したと判定した場合に、NFC制御部344のNFCによる決済機能を有効にする。具体的には、個人認証処理部343は、NFC制御部344におけるNFC決済処理部344aの機能を有効にする。
また、個人認証処理部343は、認証が成功したと判定した場合に、BT制御部342を介して、BT通信回路322をオフにする制御を行う。例えば、個人認証処理部343は、BT制御部342に対して、BT通信回路322をオフにすることを指示するコマンドを発行することによりBT通信回路322をオフにする制御を行う。
NFC制御部344は、NFC通信回路332によるNFCの無線通信を制御する。例えば、NFC制御部344はNFC決済処理部344aを有する。NFC決済処理部344aは、NFC通信回路332によるNFCの無線通信を用いた決済を行う。
例えば、NFCの無線通信を用いた決済が電子マネーによる決済である場合に、制御回路340の補助メモリには、電子マネーの残高等の金銭情報が記憶されており、NFC決済処理部344aはこの金銭情報へアクセスして決済を行う。また、NFCの無線通信を用いた決済がクレジットカードによる決済である場合に、制御回路340の補助メモリには、腕時計100のユーザのクレジットカードの番号等の情報が記憶されており、NFC決済処理部344aはこの情報へアクセスして決済を行う。
駆動機構351は、制御回路340(例えば演算部341)からの制御に応じて動作するステップモータと、輪列と、を含んで構成され、ステップモータの回転を輪列が伝達することによって、表示部352に含まれる秒針123などの指針を回転させる。
表示部352には、例えば、図1に示した文字板110や時針121、分針122及び秒針123が含まれる。例えば、表示部352に含まれる各指針が文字板110上を回転することによって、現在時刻などの各情報が表示される。
操作部360は、ユーザによる操作を受け付けて、その操作内容を制御回路340に対して出力する。制御回路340は、操作部360が受け付けた操作内容に応じて各種の処理を実行する。操作部360には、例えば図1に示したリューズ131、第1プッシュボタン132及び第2プッシュボタン133などが含まれる。また、操作部360は、音声によりユーザからの指示を受け付けるマイク等が含まれてもよい。
着脱検出部370は、腕時計100のユーザによる、腕時計100の着脱(装着及び取り外し)を検出する。例えば、着脱検出部370は、腕時計100の加速度(動き)を検出する加速度センサ(モーションセンサ)を有し、加速度センサによる検出結果に基づいて腕時計100の着脱を検出する。
具体的には、着脱検出部370は、腕時計100の加速度の変位が閾値から閾値より大きい値に変化すると(すなわち腕時計100が移動や回転を開始すると)、腕時計100が装着されたと判定する。又は、着脱検出部370は、腕時計100の加速度の変位が閾値以下である状態の後に、腕時計100の加速度の変位が閾値より大きい状態が一定時間(一例としては5秒)継続すると、腕時計100が装着されたと判定してもよい。
また、着脱検出部370は、腕時計100の加速度の変位が閾値より大きい値から閾値以下に変化すると(すなわち腕時計100が移動や回転を停止すると)、腕時計100が取り外されたと判定する。又は、着脱検出部370は、腕時計100の加速度の変位が閾値より大きい状態の後に、腕時計100の加速度の変位が閾値以下である状態が一定時間(一例としては15分)継続すると、腕時計100が取り外されたと判定してもよい。
また、加速度センサによる検出結果に基づく腕時計100の着脱の検出の方法は、これらに限らず各種の方法を用いることができる。また、着脱検出部370による腕時計100の着脱の検出の方法は、加速度センサを用いる方法に限らない。例えば、着脱検出部370による腕時計100の着脱の検出の方法は、バンド140の両端に設けられたフックの結合によりオンとなるスイッチを用いて行われてもよい。また、着脱検出部370による腕時計100の着脱の検出の方法は、ユーザの体熱や静脈などを感知するセンサを用いて行われてもよい。
また、腕時計100は、表示によりユーザへの通知を行うディスプレイや光源、音声によりユーザへの通知を行うスピーカ、振動によりユーザへの通知を行うバイブレータなどのユーザインタフェースを備えてもよい。これらのユーザインタフェースは例えば制御回路340により制御される。
(実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れ)
図4〜図8は、実施の形態1にかかる腕時計を用いた決済の流れの一例を示す図である。まず、図4に示すように、腕時計100は、ユーザによる腕時計100の装着を検出すると、スマートフォン10との間でBT通信の接続を行い、スマートフォン10に対して認証情報を要求する。ここでは認証情報として暗証番号を用いるとする。
スマートフォン10は、スマートフォン10への暗証番号の入力をユーザに対して促す。例えば、スマートフォン10は、「暗証番号を入力してください」とのメッセージとともに、入力ボックス401及びテンキー402をタッチパネル11に表示する。これに対して、ユーザは、タッチパネル11に表示されたテンキー402をタッチすることにより入力ボックス401に暗証番号を入力する。
このとき、スマートフォン10及び腕時計100の少なくともいずれかが、腕時計100の装着を検出したことを音声、表示、振動などによりユーザに通知してもよい。図4に示す例では、スマートフォン10が「腕時計の装着を検出しました」とのメッセージをタッチパネル11により表示している。
腕時計100を用いてユーザに通知を行う場合は、秒針123が所定位置を指し示すように制御し、装着を検出し、暗証番号の受信待ちをしている旨を表示するようにしてもよい。このとき、腕時計100におけるリューズ131、第1プッシュボタン132及び第2プッシュボタン133による操作を無効とし、アラームやクロノグラフ等のその他の機能についても中断又は無効化しておくことが好ましい。
つぎに、図5に示すように、スマートフォン10は、例えば、ユーザから入力ボックス401に暗証番号が入力されると、入力された暗証番号を認証情報としてBT通信により腕時計100に送信する。この場合に、腕時計100は、スマートフォン10から受信した暗証番号が、腕時計100に予め設定された正当な暗証番号と一致するか否かを判定することにより認証を行う。
又は、スマートフォン10は、入力された暗証番号と、予めスマートフォン10に設定された正当な暗証番号と、の一致判定を行い、その判定結果を認証情報としてBT通信により腕時計100に送信してもよい。この場合に、腕時計100は、スマートフォン10から認証情報として受信した判定結果が一致又は不一致のいずれを示しているかにより認証を行う。
このとき、スマートフォン10及び腕時計100の少なくともいずれかが、暗証番号の入力を受け付けたことや認証を行うことを音声、表示、振動等によりユーザに通知してもよい。図5に示す例では、スマートフォン10が「暗証番号を受け付けました」とのメッセージ及び「認証を行います」とのメッセージをタッチパネル11により表示している。
ここでは上述の認証が成功したとする。つぎに、図6に示すように、上述の認証が成功したため、腕時計100は、NFC通信回路332による腕時計100の決済機能を有効にする。また、腕時計100は、BT通信回路322をオフにすることにより、スマートフォン10との間のBT通信の接続を切断する。
腕時計100の決済機能の有効/無効の切り替えは、例えば、NFC決済処理部344aの動作の開始又は停止させることにより行うことができる。又は、腕時計100の決済機能の有効/無効の切り替えは、NFC通信回路332への電源供給の有無を切り替えることにより行われてもよい。
このとき、スマートフォン10及び腕時計100の少なくともいずれかが、認証に成功したことや、腕時計100の決済機能を使用可能であることを音声、表示、振動などによりユーザに通知してもよい。図6に示す例では、スマートフォン10が「認証しました」とのメッセージ及び「腕時計の決済機能を使用できます」とのメッセージをタッチパネル11により表示している。
つぎに、図7に示すように、ユーザが、装着した腕時計100を、決済金額(図7に示す例では108円)が設定されたNFC決済端末20のアンテナ21に近づけることにより、腕時計100とNFC決済端末20との間でNFC通信が行われ、決済を行うことができる。つぎに、図8に示すように、腕時計100は、ユーザからの腕時計100の取り外しを検出すると、NFC通信回路332による腕時計100の決済機能を無効にする。
例えば、ユーザは、外出前に腕時計100を装着するとスマートフォン10から暗証番号の入力を促され、スマートフォン10へ暗証番号を入力する。これにより、腕時計100の決済機能が有効になり、ユーザは、外出中に、腕時計100をNFC決済端末20のアンテナ21に近づけることによりNFCによる決済を行うことができる。
そして、ユーザは、帰宅後に腕時計100を取り外す。これにより、腕時計100の決済機能が無効になるため、再び腕時計100を装着してスマートフォン10へ暗証番号を入力しなければ、腕時計100の決済機能が使用できなくなる。このため、例えば、腕時計100がユーザの自宅から盗まれたり、NFC決済端末20を持った第三者がユーザの自宅に侵入したりしても、腕時計100を用いて不正な決済を行うことはできないため、セキュリティを向上させることができる。
また、例えばユーザが外出先で腕時計100を遺失した場合にも、腕時計100はユーザからの取り外しを検出して腕時計100の決済機能を無効にする。このため、この場合も腕時計100を用いて不正な決済を行うことはできないため、セキュリティを向上させることができる。
また、ユーザは、腕時計100を装着してスマートフォン10へ暗証番号を入力すれば、腕時計100を取り外すまでは、NFCによる決済機能を有効にする操作を行わなくても、腕時計100をNFC決済端末20のアンテナ21に近づけることで決済を行うことができる。このため、例えば決済機能を有効にする操作を決済のたびに要する構成と比べて、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
(実施の形態1にかかる腕時計による処理)
図9は、実施の形態1にかかる腕時計による処理の一例を示すフローチャートである。腕時計100は、例えば図9に示す処理を実行する。図9に示す処理は、例えば図3に示した制御回路340の制御によって行うことができる。初期状態として、腕時計100のBT通信回路322はオフになっており、かつ腕時計100の決済機能は無効になっているものとする。
まず、腕時計100は、ユーザによる腕時計100の装着を検出したか否かを判断し(ステップS901)、腕時計100の装着を検出するまで待つ(ステップS901:Noのループ)。ステップS901において、腕時計100の装着を検出すると(ステップS901:Yes)、腕時計100は、BT通信回路322をオンにする(ステップS902)。これにより、BT通信回路322は、予めペアリングされたスマートフォン10との間でBTの接続処理を開始する。
つぎに、腕時計100は、BT通信回路322のBTの接続処理によってスマートフォン10と接続できたか否かを判断する(ステップS903)。すなわち、腕時計100は、スマートフォン10との間でBTの通信経路が確立できたか否かを判断する。スマートフォン10と接続できていない場合(ステップS903:No)は、腕時計100は、ステップS902によってBT通信回路322をオンにしてから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS904)。
ステップS904において、所定時間が経過していない場合(ステップS904:No)は、腕時計100は、ステップS903へ戻る。所定時間が経過した場合(ステップS904:Yes)は、腕時計100は、ステップS902によってオンにしたBT通信回路322をオフにし(ステップS905)、一連の処理を終了する。
ステップS903において、スマートフォン10と接続できた場合(ステップS903:Yes)は、腕時計100は、接続したスマートフォン10を用いて、腕時計100のNFCによる決済機能を有効にするための認証処理を行う(ステップS906)。ステップS906における認証処理は、例えば、認証情報を要求する要求信号をスマートフォン10へ送信し、スマートフォン10から認証情報を受信し、受信した認証情報に基づく認証を行う上述の処理である。
つぎに、腕時計100は、ステップS906の認証処理において認証が成功したか否かを判断する(ステップS907)。認証が成功していない場合(ステップS907:No)は、腕時計100は、ステップS906による認証処理の回数が所定回数に達したか否かを判断する(ステップS908)。この認証処理の回数は、例えばステップS902が実行されるごとにリセットされる(1回に戻る)ものとする。
ステップS908において、認証処理の回数が所定回数に達していない場合(ステップS908:No)は、腕時計100は、ステップS906に戻る。認証処理の回数が所定回数に達した場合(ステップS908:Yes)は、腕時計100は、ステップS905へ移行する。
ステップS907において、認証が成功した場合(ステップS907:Yes)は、腕時計100は、腕時計100の決済機能を有効にする(ステップS909)。また、腕時計100は、ステップS902によってオンにしたBT通信回路322をオフにする(ステップS910)。ステップS909とステップS910の順序は入れ替えてもよい。
つぎに、腕時計100は、ユーザからの腕時計100の取り外しを検出したか否かを判断し(ステップS911)、腕時計100の取り外しを検出するまで待つ(ステップS911:Noのループ)。腕時計100の取り外しを検出すると(ステップS911:Yes)、腕時計100は、ステップS909によって有効にした腕時計100の決済機能を無効にし(ステップS912)、一連の処理を終了する。
(実施の形態1にかかるシステムにおける処理)
図10は、実施の形態1にかかるシステムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。例えば腕時計100が図9に示した処理を実行することにより、図2に示したシステム200において、例えば図10に示す処理が実行される。
まず、腕時計100が、ユーザによる腕時計100の装着を検出したとする(ステップS1001)。つぎに、腕時計100が、BT通信回路322をオンにする(ステップS1002)。つぎに、腕時計100が、スマートフォン10との間でBT通信の接続処理を行う(ステップS1003)。ここではステップS1003における接続処理が成功したとする。
つぎに、腕時計100が、暗証番号等の認証情報を要求する要求信号を、BTの無線通信によりスマートフォン10へ送信する(ステップS1004)。つぎに、スマートフォン10が、ユーザからの暗証番号等の認証情報の入力を受け付ける(ステップS1005)。つぎに、スマートフォン10が、ステップS1005により入力された暗証番号等の認証情報を、BTの無線通信により腕時計100へ送信する(ステップS1006)。
つぎに、腕時計100が、ステップS1006により受信した認証情報に基づく認証を行う(ステップS1007)。ここではステップS1007における認証が成功したとする。つぎに、腕時計100が、ステップS1007による認証成功の確認信号をスマートフォン10へ送信する(ステップS1008)。これにより、認証が成功したことをスマートフォン10において確認し、切断の準備を行うことができる。
また、腕時計100が、腕時計100の決済機能を有効にする(ステップS1009)。また、腕時計100は、ステップS1002によってオンにしたBT通信回路322をオフにする(ステップS1010)。ステップS1008〜S1010の順序は入れ替わってもよい。ただし、腕時計100がBT通信回路322をオフにする前にスマートフォン10が切断の準備を行うことができるように、ステップS1008はステップS1010より前に実行されることが望ましい。
その後、腕時計100は、ユーザからの腕時計100の取り外しを検出したとする(ステップS1011)。つぎに、腕時計100は、ステップS1009によって有効にした腕時計100の決済機能を無効にし(ステップS1012)、一連の処理を終了する。
(実施の形態1にかかるシステムにおける処理の他の例)
図11は、実施の形態1にかかるシステムにおける処理の他の一例を示すシーケンス図である。図2に示したシステム200において、例えば図11に示す処理が実行されてもよい。図11に示すステップS1101〜S1112は、図10に示したステップS1001〜S1012と同様である。
ただし、ステップS1105において、スマートフォン10は、暗証番号等の認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報が、予めスマートフォン10に設定された正当な暗証番号と一致するか否かを判定する一致判定を行う。ここでは一致したとする。
また、ステップS1106において、スマートフォン10は、ステップS1105における一致判定の結果(一致)を、認証情報として腕時計100へ送信する。このように、スマートフォン10が受け付けた認証情報の一致判定は、腕時計100ではなくスマートフォン10において行われるようにしてもよい。
このように、実施の形態1にかかる腕時計100によれば、BT通信回路322(第1通信部)によりスマートフォン10(第1通信装置)から受信した認証情報に基づく認証が成功した場合に、NFC(近距離無線通信)を用いた決済機能(所定の機能)を有効にし、さらにBT通信回路322を消費電力が小さい状態へ切り替えることができる。
これにより、例えば認証が成功してもBT通信回路322を消費電力が小さい状態へ切り替えない構成と比べて、BT通信回路322における消費電力を低減することができる。また、スマートフォン10から受信した認証情報に基づいて認証を行うことで、ユーザから認証情報の入力を受け付けるユーザインタフェースを腕時計100に設けなくてもセキュリティを向上させることができる。したがって、腕時計の大型化及び外観品質の劣化を回避しつつ、決済機能を第三者に不正使用されることを抑制してセキュリティを向上させることができる。このため、腕時計100によれば、セキュリティの向上及び消費電力の低減を図ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態1においては、腕時計100とNFC決済端末20との間のNFCの無線通信を用いた所定の機能の一例として決済機能について説明したが、この所定の機能は決済機能に限らない。実施の形態2においては、腕時計100とNFC決済端末20との間のNFCの無線通信を用いた所定の機能の他の例について説明する。
(実施の形態2にかかるシステム)
図12は、実施の形態2にかかるシステムの一例を示す図である。図12において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示すように、実施の形態2にかかるシステム200は、例えば、電子錠ドア30の解錠を補助する解錠補助システムである。
電子錠ドア30は、腕時計100との間でNFCの無線通信を行う第2通信装置の、NFC決済端末20とは異なる一例である。電子錠ドア30は、各種の施設、建物、部屋、会場などの人の出入り口となるドアであってもよいし、収納ロッカーなどに設けられたドアであってもよい。
この場合に、腕時計100のNFCの無線通信を用いた所定の機能は、電子錠ドア30の電子錠を解錠する解錠機能である。例えば、上述の認証が行われることにより、腕時計100の解錠機能が有効になる。腕時計100の解錠機能が有効である状態で腕時計100を電子錠ドア30のアンテナ31に近づけることにより、腕時計100が電子錠ドア30との間でNFCの無線通信を行い、電子錠ドア30の電子錠が解錠される。これにより、ドアノブ32を回すことが可能になり電子錠ドア30を開けることができる。
実施の形態2においても、認証成功時のBT通信回路322のオフ、腕時計100の装着検出による認証及び所定の機能の有効化、腕時計100の取り外し検出による所定の機能の無効化などは実施の形態1と同様に行うことができる。
また、腕時計100のNFCの無線通信を用いた所定の機能は、上述の決済機能や解錠機能に限らず、例えば本人認証に基づくセキュリティを要する各種の機能とすることができる。例えば、所定の機能は、電子錠ドア30の施錠する機能であってもよい。また、所定の機能は、腕時計100と他の装置との間で情報(例えば電子名刺やチケットの情報)を送受信する機能、ウェブサイトへログインする機能、定期乗車券の機能などであってもよい。
このように、実施の形態2にかかる腕時計100によれば、所定の機能が決済機能である場合に限らず、実施の形態1にかかる腕時計100と同様の効果を得ることができる。
また、腕時計100は、所定の機能を複数有していてもよい。すなわち、腕時計100は、上述した電子マネーによる決済、クレジットカードによる決済、解錠機能などの各種の機能のうち2以上の機能を有していてもよい。
この場合に、腕時計100は、複数の所定の機能のうちいずれの機能を有効にするかを切り替え可能であってもよい。この切り替えは、例えば、腕時計100の操作部360に対するユーザからの操作や、スマートフォン10などの第1通信装置からの制御によって行うことができる。
また、この場合に、腕時計100及びスマートフォン10の少なくともいずれかは、複数の所定の機能のうちいずれの機能が有効であるかを示す情報をユーザへ出力してもよい。この通知は、例えば、音声、表示、振動などを用いることができる。表示による通知には、腕時計100の指針による表示が含まれてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態1及び実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態1及び実施の形態2においては、腕時計100との間で所定の機能を有効にするための認証に用いられる通信を行う第1通信装置の一例としてスマートフォン10について説明したが、第1通信装置はスマートフォン10に限らない。
例えば、第1通信装置は、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、生体情報の読み取り装置などの、ユーザから暗証番号等の認証情報の入力を受付可能な各種の情報端末とすることができる。また、第1通信装置は、ユーザから認証情報の入力を受付可能な情報端末にも限らない。図13において、ユーザから認証情報の入力を受付可能なインタフェースを備えない第1通信装置の例について説明する。
(実施の形態3にかかるシステム)
図13は、実施の形態3にかかるシステムの一例を示す図である。図13において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13に示すように、実施の形態3にかかるシステム200は、腕時計100及び無線通信装置40を含む。
無線通信装置40は、腕時計100との間で所定の機能を有効にするための認証に用いられる通信を行う第1通信装置の、スマートフォン10とは異なる一例である。無線通信装置40は、例えば無線LAN(Local Area Network)のルータであってもよいし、フェムトセルを形成するフェムト基地局などであってもよいし、BTの無線通信が可能な各種の端末であってもよい。
この場合に、上述の認証は、腕時計100が無線通信装置40と無線通信を行うことにより行うことができる。例えば、無線通信装置40は、腕時計100のユーザの自宅に設置され、又は腕時計100のユーザにより携帯されている。この場合に、腕時計100が無線通信装置40と無線通信できることは、腕時計100が腕時計100のユーザの自宅又は腕時計100のユーザの近くにあることを意味する。このため、腕時計100が無線通信装置40と無線通信を行うことができたことをもって、腕時計100の所定の機能を有効にしても安全である状況であると推定することができる。
したがって、例えば、腕時計100は、無線通信装置40と無線通信を行うことにより上述の認証を行うことができる。例えば、腕時計100は、予め設定された無線通信装置40との無線通信を試行し、無線通信装置40と無線通信を行うことができた場合は認証が成功したと判定し、無線通信装置40と無線通信を行うことができなかった場合は認証が成功しなかったと判定する。
また、腕時計100が無線通信装置40と無線接続された場合に無線通信装置40から腕時計100へ所定の情報(暗証キーなど)を送信するようにしておき、腕時計100はこの所定の情報を受信できたか否かによって上述の認証を行ってもよい。
実施の形態1においても、認証成功時のBT通信回路322のオフ、腕時計100の装着検出による認証及び所定の機能の有効化、腕時計100の取り外し検出による所定の機能の無効化などは実施の形態1と同様に行うことができる。例えば、腕時計100は、ユーザによる腕時計100の装着を検出すると上述の無線通信装置40との無線通信の試行を行うことにより認証を行い、所定の機能を有効にする。
これにより、例えば上述のスマートフォン10への認証情報の入力などをユーザが行わなくても、セキュリティを確保した状態で所定の機能を有効にすることができる。例えば、ユーザが外出前に腕時計100を装着するのみで腕時計100の決済機能等が有効になる。このため、ユーザにとっての利便性をさらに向上させることができる。
このようなユーザによる認証情報の入力を行わない認証は、第1通信装置がスマートフォン10などである場合にも適用することができる。例えば、第1通信装置としてスマートフォン10を用いる場合に、ユーザは、外出前に、スマートフォン10を携帯し、又はスマートフォン10の近くにおいて腕時計100を装着するのみで腕時計100の決済機能等が有効になる。
このように、実施の形態3にかかる腕時計100によれば、第1通信装置がスマートフォン10である場合に限らず、実施の形態1及び実施の形態2にかかる腕時計100と同様の効果を得ることができる。また、第1通信装置と無線通信できたことにより認証が成功したと判定することにより、ユーザが第1通信装置への認証情報の入力を行わなくても所定の機能を有効にし、ユーザにとっての利便性をさらに向上させることができる。実施の形態3を実施の形態2と組み合わせて実行することも可能である。
また、上述した各実施の形態において、スマートフォン10などの第1通信装置と腕時計100との間の通信にBTを用いる構成について説明したが、このような構成に限らない。例えば、スマートフォン10などの第1通信装置と腕時計100との間の通信には、無線LAN、赤外線通信、NFCなどの各種の無線通信や、有線通信を用いてもよい。
また、上述した各実施の形態において、所定の機能を有効にするための認証を行う契機としてユーザによる腕時計100の装着の検出について説明したが、このような構成に限らない。例えば、腕時計100は、リューズ131、第1プッシュボタン132、第2プッシュボタン133などの腕時計100の操作部360に対するユーザからの所定の操作を受け付けた場合に、所定の機能を有効にするための認証を行うようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、所定の機能を無効にする契機としてユーザからの腕時計100の取り外しの検出について説明したが、このような構成に限らない。例えば、腕時計100は、リューズ131、第1プッシュボタン132、第2プッシュボタン133などの腕時計100の操作部360に対するユーザからの所定の操作を受け付けた場合に所定の機能を無効にしてもよい。また、腕時計100は、所定の機能を有効にしてから所定の時間(一例としては12時間)が経過した場合に所定の機能を無効にしてもよい。また、腕時計100は、現在時刻が所定の時刻(一例としては深夜の2時)となった場合に所定の機能を無効にしてもよい。
又は、所定の機能を無効にする契機は、腕時計100の取り外しの検出、操作部360などの複数のイベントの少なくともいずれかが発生したときとしてもよい。例えば、腕時計100は、腕時計100の取り外しを検出した場合と、所定の機能を有効にしてから所定の時間が経過した場合と、の両方において所定の機能を無効にしてもよい。又は、腕時計100は、腕時計100の取り外しを検出し、かつ操作部360に対するユーザからの所定の操作を受け付けた場合に所定の機能を無効にしてもよい。
また、上述した各実施の形態において、スマートフォン10(第1通信装置)を、腕時計100における所定の機能の認証のために用いる構成について説明したが、腕時計100の所定の機能と同様の機能をスマートフォン10にも設けてもよい。
例えば、クレジットカードによる決済は、ネットワーク経由で行われ、残高などの金銭情報を腕時計100などの端末に記録して用いるものではない。したがって、クレジットカードによる決済機能を腕時計100とスマートフォン10のそれぞれにおいて使用しても、決済のたびに腕時計100とスマートフォン10との間で金銭情報を送受信しなくてもよい。このため、クレジットカードによる決済機能を腕時計100とスマートフォン10の両方に設けてもよい。同様に、上述の解錠機能なども、腕時計100とスマートフォン10の両方に設けてもよい。
以上説明したように、腕時計及びシステムによれば、セキュリティの向上及び消費電力の低減を図ることができる。
以上のように、この発明にかかる腕時計及びシステムは、近距離無線通信を用いた機能を有する腕時計に有用であり、特に、その機能が本人認証に基づくセキュリティを要する場合に適している。
10 スマートフォン
11 タッチパネル
12 マイク
13 通話用スピーカ
14 アラーム用スピーカ
20 NFC決済端末
21、31、321、331 アンテナ
30 電子錠ドア
32 ドアノブ
40 無線通信装置
100 腕時計
110 文字板
121 時針
122 分針
123 秒針
131 リューズ
132 第1プッシュボタン
133 第2プッシュボタン
140 バンド
200 システム
352 表示部
401 入力ボックス
402 テンキー

Claims (7)

  1. 第1通信装置から認証情報を受信する第1状態と、前記第1通信装置から前記認証情報を受信せず前記第1状態より消費電力が小さい第2状態と、を切替可能な第1通信部と、
    前記第1通信装置と異なる第2通信装置との間で近距離無線通信を行う第2通信部と、
    前記第1状態の前記第1通信部が前記第1通信装置から受信した前記認証情報に基づく認証が成功した場合に、前記近距離無線通信を用いた所定の機能を有効にして前記第1通信部を前記第2状態に切り替える制御部と、
    を備えることを特徴とする腕時計。
  2. 前記制御部は、ユーザへの装着を検出した場合に、前記第1通信部を前記第1状態にして前記第1通信部に前記認証情報を受信させ前記認証を行うことを特徴とする請求項1に記載の腕時計。
  3. 前記制御部は、前記所定の機能を有効にした後、ユーザからの取り外しを検出した場合に前記所定の機能を無効にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の腕時計。
  4. 前記第1通信部は、前記第1通信装置との間で通信を行う通信回路であり、前記第1状態は前記通信回路に電源が供給された状態であり、前記第2状態は前記通信回路に電源が供給されていない状態であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の腕時計。
  5. 前記所定の機能は、決済を行う機能を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の腕時計。
  6. 前記所定の機能は、電子錠の解錠及び施錠の少なくともいずれかを行う機能を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の腕時計。
  7. 第1通信装置と、
    前記第1通信装置から認証情報を受信する第1状態と、前記第1通信装置から前記認証情報を受信せず前記第1状態より消費電力が小さい第2状態と、を切替可能であり、前記第1通信装置と異なる第2通信装置との間で近距離無線通信を行い、前記第1状態において前記第1通信装置から受信した前記認証情報に基づく認証が成功した場合に、前記近距離無線通信を用いた所定の機能を有効にして前記第2状態に切り替わる腕時計と、
    を含むことを特徴とするシステム。
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