JP2020115420A - 半導体レーザ光源装置 - Google Patents

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和彦 信田
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Abstract

【課題】位置に応じた光強度のムラを抑制しながらも、小型化を実現することのできる、レーザ光源装置を提供する。【解決手段】半導体レーザ光源装置は、第一方向に離間して配置された複数の半導体レーザ素子と、複数の半導体レーザ素子に対して第二方向に離間した位置に配置され、前記複数の半導体レーザ素子から出射された光線を光出射面から第一方向に出射させる導光部材とを備える。導光部材は、第三方向から見たときに、第二方向に係る幅が光出射面に近づくに連れて拡大するように形成された第一傾斜部を複数個備えた第一領域と、第二方向に係る幅が光出射面に近づくに連れて縮小するように形成された第二傾斜部を備えた第二領域とを有する。複数の半導体レーザ素子は、第二方向に関して、導光部材の第一領域に対向する位置に配置されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザ光源装置に関し、特に、複数の半導体レーザ素子を含む半導体レーザ光源装置に関する。
従来、複数の半導体レーザ素子(以下、「LD素子」と略記する。)から出射される光を用いた光源装置が知られている。
例えば、図11に示すように、下記特許文献1には、複数のLD素子101(101a,101b,101c,101d,101e)と、複数のLD素子101から出射された光線束をそれぞれコリメートするコリメートレンズ105と、コリメートレンズ105を介して出射された各光線束の中心間距離を圧縮するための、プリズムからなる圧縮光学系102とを備えた光源装置100が開示されている。圧縮光学系102は、ほぼ45°傾いたミラー面103を、複数のLD素子101の数に応じて備えている。
なお、図11では、各LD素子101から出射される光線束については、各LD素子101の中心位置から出射される光線(以下、「主光線」という。)のみを代表的に示している。この主光線は、図11において一点鎖線により図示されている。
図11に示される光源装置100によれば、圧縮光学系102の光出射面104から出射される光線束の間隔d2を、コリメートレンズ105から出射された直後の光線束の間隔d1よりも短くすることができる。これにより、小型の集光光学系106によって、各光線束を容易に集光することができる。
特開2003−031872号公報
ところで、各LD素子101からコリメートレンズ105を介して出射された光線束は、各LD素子101の中心位置から出射される光線(主光線)の近傍が最も高い光強度を示し、主光線から離れるほど光強度が低下する。図12は、図11の状態において、圧縮光学系102の光出射面104から出射される光線束群が、光軸120に直交する平面αに照射されたときの光線束群の状態を模式的に示す図である。なお、図12における平面αは、図11に示すように、集光光学系106が配置されている場合には、光軸120の方向に関して、集光光学系106と圧縮光学系102との間の位置にあるものとする。
図12に示す状態においては、LD素子101aからコリメートレンズ105を介して出射された光線束110aと、LD素子101bからコリメートレンズ105を介して出射された光線束110bとの境界近傍は、各光線束(110a,110b)の中心付近に比べると光強度が低い。このため、圧縮光学系102の光出射面104から出射された状態では、光軸120に直交する面α上において、位置に応じた光強度に差が生じる。従って、実際に利用する場合には、集光光学系106を用いて集光した光を拡散板107やロッドインテグレータなどに入射させることで、位置に応じた光強度のムラを解消させる必要がある。なお、集光光学系106を用いて集光させる理由は、拡散板107に入射させる光線束群の幅(ビーム幅)を縮径させることで、拡散板107を小型化させる目的である。
つまり、従来の光源装置100では、光強度の位置分布のムラ(照度ばらつき)を抑制する観点から、集光光学系106や拡散板107といった光学素子が必須であり、装置を小型化させる観点では限界があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、位置に応じた光強度のムラを抑制しながらも、小型化を実現することのできる、半導体レーザ光源装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザ光源装置は、
第一方向に離間して配置された複数の半導体レーザ素子と、
光出射面を含み、前記複数の半導体レーザ素子に対して前記第一方向に直交する第二方向に離間した位置に配置され、前記複数の半導体レーザ素子から出射された光線が入射されて、前記光出射面から前記光線を前記第一方向に出射させる、導光部材とを備え、
前記導光部材は、
前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向から見たときに、前記第二方向に係る幅が前記第一方向に関して前記光出射面に近づくに連れて拡大するように形成された第一傾斜部を複数個備えた、第一領域と、
前記第一領域よりも前記光出射面側に位置しており、前記第三方向から見たときに、前記第二方向に係る幅が前記第一方向に関して前記光出射面に近づくに連れて縮小するように形成された第二傾斜部を備えた、第二領域とを有し、
前記複数の半導体レーザ素子は、前記第二方向に関して、前記導光部材の前記第一領域に対向する位置に配置されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、複数の半導体レーザ素子から出射された各光線は、導光部材の第一領域内に備えられた第一傾斜部に入射された後、光出射面の方向に進行方向が変換される。そして、各光線は、光出射面側に向かって導光部材内を進行すると、やがて導光部材の第二方向に係る幅が狭くなる、第二領域内に侵入する。
半導体レーザ素子は、無数の光線が束状に形成された光線束を出射する。具体的には、この光線束は、各半導体レーザ素子の中心位置から出射される光線(以下、本明細書において「主光線」という。)を中心軸として、この主光線に直交する2軸方向に拡がりを有する、楕円錐形状を示す。つまり、各光線束は、導光部材の第一領域内の第一傾斜部で反射して導光部材内を進行する間も、少しずつ発散しながら進行する。
このため、第二領域内に侵入した各光線束に含まれる無数の光線は、光出射面に近づくに連れて、順次第二方向に係る側面に入射して、反射(全反射)される。このような現象が、各半導体レーザ素子から出射される光線束に含まれる光線に対して生じる。この結果、導光部材の第二領域内において、各半導体レーザ素子から出射された光線同士が混ざり合い、最終的に光出射面上に導かれる。
よって、上記の構成によれば、導光部材の光出射面には、各半導体レーザ素子から出射された光線同士が混ざり合った状態で入射される。つまり、導光部材の光出射面から出射される光(出射光)は、図12を参照して説明した従来の構成と比較して、光軸に直交する方向に係る面上において、位置に応じた光強度が均一化され、照度ばらつきが抑制された光となる。この結果、従来のように、拡散板を利用する必要がなく、拡散板に光を入射させるために光線束の幅(ビーム幅)を縮小させるための集光光学系を用いる必要がない。
更に、導光部材は、第一方向に関して光出射面に近づくに連れて第二方向に係る幅が狭くなっているため、光出射面から出射される出射光は、幅(ビーム幅)が小さい光となる。このため、本発明に係るレーザ光源装置によれば、縮小光学系を配置することなく、後段の光学系に入射させることが可能である。
また、上述したように、本発明の半導体レーザ光源装置によれば、各半導体レーザ素子から出射された光線が混ざり合った状態で導光部材の光出射面に導かれる。この結果、いずれか1つの半導体レーザ素子が不点灯となったり、強度が低下した場合であっても、光出射面上における強度分布にはほとんど影響しない。図11に示した従来の光源装置100では、例えば、LD素子101aが不点灯となった場合には、面α上では光線束110aが存在しなくなるため、図12の状態とは異なる照射状態となる。このことは、光出射面104から出射される光の、位置に応じた強度分布が変化し、照度のばらつきが大きくなることを意味する。このような理由からも、従来の光源装置100においては、光拡散能力に優れた拡散板107(又は、光軸方向に係る長さが十分に長いロッドインテグレータ)、及び拡散板107(又は前記ロッドインテグレータ)に光を入射させるための集光光学系106が不可欠である。
前記第二傾斜部は、前記光線に対する全反射面を構成するものとしても構わない。この場合の、前記第三方向から前記導光部材を見たときの、前記第一方向に対する前記第二傾斜部の好ましい傾斜角度については、「発明の詳細な説明」の項で後述される。
前記半導体レーザ素子は、進行方向に対して直交する遅軸方向及び速軸方向の双方に拡がりを有しながら前記進行方向に向かって進行する、無数の前記光線からなる光線束を出射する構成であり、
前記第一方向は、前記光線束の前記遅軸方向であり、
前記第三方向は、前記光線束の前記速軸方向であるものとしても構わない。
一般的に、半導体レーザ素子から出射される光線の束(光線束)は、速軸方向への発散角が80°以上、120°以下である一方、遅軸方向への発散角は、10°以上、40°以下である。すなわち、速軸方向に関する発散角は、遅軸方向に関する発散角に比べて大幅に大きい。言い換えれば、半導体レーザ素子から出射された光線束は、速軸方向には大きく拡がりながら進行する一方、遅軸方向には速軸方向よりは極めて小さい拡がり幅で拡がりながら進行する。
つまり、半導体レーザ素子から出射される光線束に含まれる各光線は、導光部材内を進行中においても、速軸方向に関しては、比較的大きい角度で拡がりながら進行する。この結果、各光線は、導光部材の側面に容易に入射され、当該側面で反射(全反射)が容易に生じる。
一方で、半導体レーザ素子から出射される光線束に含まれる各光線は、導光部材内を進行中においても、遅軸方向に関しては、極めて小さい角度でしか発散しない。このため、導光部材の側面を傾斜させていない場合には、導光部材の側面に入射されることなく、そのまま光出射面に到達してしまう光線が多く含まれる可能性があり得る。かかる観点から、遅軸方向に対して小さな角度で発散しながら進行する光線に対して、導光部材の側面での反射(全反射)を生じさせやすくするため、前記第一方向を遅軸方向とするのが好ましい。
前記第一傾斜部は、必ずしも平面でなくてもよく、曲面であっても構わないし、小さな曲面が連続して配置される構成であっても構わない。
すなわち、前記導光部材を前記第三方向から見たときに、前記第一傾斜部は、当該第一傾斜部の始点と終点とを直線状に連絡する第一形状、前記始点と前記終点とを曲線状に連絡する第二形状、又は、前記始点と前記終点とを連続する複数の曲線によって連絡する第三形状のいずれかの形状を呈するものとしても構わない。
前記第一傾斜部が前記第一形状を呈する場合には、前記第一傾斜部に、金属ミラー面を設けるものとしても構わない。また、前記第一傾斜部が前記第二形状を呈する場合には、前記第一傾斜部をシリンドリカルレンズの形状とすることができる。また、前記第一傾斜部が前記第三形状を呈する場合には、小さなシリンドリカルレンズが複数配置された、マルチレンズアレイの形状とすることができる。
前記導光部材は、前記第二領域内の前記第二方向に対向する2面に、前記第二傾斜部を有するものとしても構わない。
光出射面上での照度の均一性をより高める観点からは、前記導光部材を前記第一方向から見たときに対称性を有するのが好ましい。このため、前記第二領域内の前記第二方向に対向する2面に、前記第二傾斜部を有するのが好ましく、更には、両面の傾斜角度を実質的に同一にするのがより好ましい。
なお、前記第二傾斜部においても、前記第一傾斜部と同様に、前記第三方向から見たときに、当該第二傾斜部の始点と終点とを直線状に連絡する第一形状、前記始点と前記終点とを曲線状に連絡する第二形状、又は、前記始点と前記終点とを連続する複数の曲線によって連絡する第三形状のいずれかの形状を呈するものとしても構わない。
前記複数の半導体レーザ素子は、第一波長の前記光線を前記導光部材に対して出射する第一半導体レーザ素子と、前記第一波長とは異なる第二波長の前記光線を前記導光部材に対して出射する第二半導体レーザ素子とを含むものとしても構わない。なお、波長の種類は3種類以上であっても構わない。
例えば、前記複数の半導体レーザ素子として、青色光を出射する素子と、赤色光を出射する素子と、緑色光を出射する素子を含む場合には、導光部材内でこれらの光が混ざり合う結果、白色光が生成される。特に、上述したように、本発明に係る半導体レーザ光源装置が備える導光部材は、光出射面上において、各半導体レーザ素子から出射された光線が混ざり合って、位置に応じた光強度のムラが抑制されているため、位置に応じた色ムラ(色ばらつき)が生じにくい。この結果、光学部材の点数を抑制しながら、強度分布のムラ(照度ばらつき、色ばらつき)が抑制された白色光が生成される。
本発明によれば、位置に応じた光強度のムラを抑制しながらも、小型化を実現することのできる、半導体レーザ光源装置が実現される。
本発明に係る半導体レーザ光源装置を、Y方向から見たときの模式的な平面図である。 本発明に係る半導体レーザ光源装置を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 導光部材の模式的な斜視図である。 半導体レーザ素子の模式的な斜視図である。 第一傾斜部31に入射される光線束の様子を模式的に示す図面である。 第一傾斜部32の近傍を通過する光線束の様子を模式的に示す図面である。 第一傾斜部33の近傍を通過する光線束の様子を模式的に示す図面である。 光出射面を含む導光部材の第二領域の一部分を拡大して模式的に示す図面である。 導光部材の光出射面を、Z方向から見たときの模式的な平面図である。 導光部材の第二領域内における、第二傾斜部の好ましい角度を説明するための模式的な平面図である。 第一傾斜部の別の形状を説明するための図面である。 第一傾斜部の更に別の形状を説明するための図面である。 比較例1の半導体レーザ光源装置を、Y方向から見たときの模式的な平面図である。 別実施形態の半導体レーザ光源装置を、Y方向から見たときの模式的な平面図である。 従来の光源装置の構成を模式的に示す図面である。 図11の光源装置から出射される光線束群が、光軸に直交する面に照射された状態を模式的に示す図面である。
本発明に係る半導体レーザ光源装置の実施形態につき、以下において適宜図面を参照しながら説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、実際の寸法比と図面上の寸法比は必ずしも一致していない。また、各図面間においても、寸法比が一致していない場合がある。
図1及び図2は、本発明に係る半導体レーザ光源装置(以下、単に「光源装置」と略記する。)の構成を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、光源装置1は、複数の半導体レーザ素子10(11,12,13)と、導光部材2とを備える。なお、以下では、複数の半導体レーザ素子10が、半導体レーザ素子(11,12,13)の3個からなる場合を例に挙げて説明するが、本発明において、半導体レーザ素子の数は3個には限定されない。
複数の半導体レーザ素子(11,12,13)は、それぞれが離間して配置される。以下では、各これらの半導体レーザ素子(11,12,13)の離間方向をZ方向と規定し、このZ方向に直交する方向を、X方向及びY方向と規定する。導光部材2は、半導体レーザ素子(11,12,13)に対してX方向に離間した位置に配置されている。Z方向が「第一方向」に対応し、X方向が「第二方向」に対応し、Y方向が「第三方向」に対応する。
図1は、光源装置1をY方向から見たときの模式的な平面図である。図2は、光源装置1をX方向から見たときの模式的な平面図である。図3は、導光部材2の模式的な斜視図である。
半導体レーザ素子(11,12,13)は、X方向、すなわち導光部材2に向かう方向に光を出射する。図4は、半導体レーザ素子11の模式的な斜視図である。なお、半導体レーザ素子12,13についても、同様の構成を示すものとして構わない。
半導体レーザ素子11は、光を出射する領域11a(以下、「エミッタ11a」と呼ぶ。)を端面に備えている。半導体レーザ素子11は、エミッタ11aから光を出射する。より詳細には、エミッタ11aからは、無数の光線が束状に形成された光線束11Lが出射される。この光線束11Lは、エミッタ11aの中心位置から出射される主光線11Lmを中心軸として、主光線11Lmに直交する2軸方向に拡がりを有する、楕円錐形状を示す。
光線束11Lは、拡がりの程度の大きい方向(「速軸方向」)と、速軸方向よりも拡がりの程度の小さい方向(「遅軸方向」)とを有し、この結果、図4に模式的に示すような、楕円錐型を呈する。図4では、Y方向が速軸方向に対応し、Z方向が遅軸方向に対応する。なお、「速軸」は、「Fast軸」と呼ばれることがあり、同様に、「遅軸」は、「Slow軸」と呼ばれることがある。
半導体レーザ素子11は、図4に示すような楕円錐形状の光線束11LをX方向に向かって出射する。同様に、半導体レーザ素子12は、光線束12LをX方向に向かって出射し、半導体レーザ素子13は、光線束13LをX方向に向かって出射する。図1及び図2では、各光線束(11L,12L,13L)に含まれる主光線(11Lm,12Lm,13Lm)を一点鎖線で表記し、各光線束(11L,12L,13L)の最外殻を構成する光線を代表的に細い実線で表記している。なお、図面の煩雑化を避ける目的で、図1では、導光部材2に入射された後については、主光線(11Lm,12Lm,13Lm)のみが図示されている。
図1及び図2に示すように、導光部材2は、半導体レーザ素子(11,12,13)から光線束(11L,12L,13L)が入射されると、各光線束(11L,12L,13L)を構成する無数の光線をZ方向に導光した後、光出射面24から導光部材2の外側に出射させる(出射光10L)。導光部材2は、半導体レーザ素子(11,12,13)から出射される光線に対して透過性を有すると共に、空気よりも高い屈折率を有する材料で構成されている。一例として、導光部材2は、COP(シクロオレフィンポリマー)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの樹脂材料、又は石英などのガラス材料からなる。
図1に示すように、導光部材2は、第一領域21と第二領域22とを有する。図1では、Z軸方向に関して、Z座標がz0からz1までの領域を第一領域21とし、Z座標がz1からz2までの領域を第二領域22とする。導光部材2において、光出射面24が存在する位置のZ座標がz2であり、Z方向に関して光出射面24とは反対側の端面の位置のZ座標がz0である。
以下において、Z方向に関して方向の正負を区別して説明する場合には、Z座標がz0からz2に向かう方向を「+Z方向」と記載することがある。
導光部材2は、第一領域21内においては、Y方向から見たときに、X方向に係る幅が、Z方向に関して光出射面24に近づくに連れて(+Z方向に進行するに連れて)、拡大するように形成された第一傾斜部(31,32,33)を有する。第一傾斜部31は、半導体レーザ素子11から(X方向に)出射された光線束11Lを、導光部材2の光出射面24側に(+Z方向に)進行方向を変換させる目的で設けられている。第一傾斜部31は、YZ平面に対して傾斜角が40°以上、50°以下で構成されている。前記傾斜角は、43°以上、47°以下であるのがより好ましく、45°であるのが特に好ましい。
つまり、第一傾斜部31は、光線束11Lを反射させることによって、進行方向を+Z方向に変換させる目的で設けられている。かかる観点から、第一傾斜部31は、光線束11Lに含まれる光線を全反射できるような材料で構成されるか、又は、導光部材2の傾斜面に蒸着されたミラー部材(金属ミラーなど)で構成される。例えば、第一傾斜部31のYZ平面に対する傾斜角を45°とした場合には、導光部材2の屈折率nを1.414以上の材料とすることで、半導体レーザ素子11から出射された光線束11Lに含まれるほぼ全ての光線を、全反射させることができる。例えば、半導体レーザ素子(11,12,13)が波長587nmの光を発する場合には、導光部材2をPMMAで構成することで、屈折率が1.49となり、ほぼ全ての光線を全反射させることが可能となる。
同様に、第一傾斜部32は、半導体レーザ素子12から出射された光線束12Lを光出射面24側に進行方向を変換させる目的で設けられており、第一傾斜部33は、半導体レーザ素子13から出射された光線束13Lを光出射面24側に進行方向を変換させる目的で設けられている。第一傾斜部32及び第一傾斜部33の傾斜角は、第一傾斜部31と同様として構わない。
第一傾斜部32は、第一傾斜部31で反射されてZ方向に進行してきた光線が光出射面24側に進行するのを妨げることのないよう、第一傾斜部31よりも+X方向に変位した位置に形成されている。同様に、第一傾斜部33は、第一傾斜部31及び第一傾斜部32で反射されてZ方向に進行してきた光線が光出射面24側に進行するのを妨げることのないよう、第一傾斜部32よりも更に+X方向に変位した位置に形成されている。
図5A〜図5Dは、それぞれ導光部材2の一部分を拡大して模式的に示した図面である。
より詳細には、図5Aは、導光部材2のうち、第一傾斜部31が形成されている箇所の近傍を拡大して模式的に示すと共に、この拡大図内に第一傾斜部31に入射される光線束の進行の様子を模式的に併記したものである。図5Bは、導光部材2のうち、第一傾斜部32が形成されている箇所の近傍を拡大して模式的に示すと共に、この拡大図内に第一傾斜部32の近傍を通過する光線束の進行の様子を模式的に併記したものである。
同様に、図5Cは、導光部材2のうち、第一傾斜部33が形成されている箇所の近傍を拡大して模式的に示すと共に、この拡大図内に第一傾斜部33の近傍を通過する光線束の進行の様子を模式的に併記したものである。また、図5Dは、導光部材2のうち、光出射面24が配置されている箇所を含む第二領域22内の一部分を拡大して模式的に示した図面である。
第一傾斜部31に入射された光線束11Lは、図5Aに模式的に示されるように、Z方向に進行方向が変換される。ここで、図4を参照して上述したように、本実施形態では、Z方向が光線束11Lの遅軸方向に対応する。光線束11Lの遅軸方向への発散角は、10°以上、40°以下であり、速軸方向と比べて極めて小さい角度である。このため、第一傾斜部31で反射された後の光線束11Lは、主光線11Lmに対して前述した小さい発散角でX方向に拡がりながら、導光部材2内をZ方向に進行する。
第一傾斜部32に入射された光線束12Lは、図5Bに模式的に示されるように、Z方向に進行方向が変換される。すなわち、光線束12Lは、光線束11Lと同様に、主光線12Lmに対して前述した小さい発散角でX方向に拡がりながら、導光部材2内をZ方向に進行する。
上述したように、第一傾斜部32は、第一傾斜部31よりも+X方向に変位した位置に形成されている。このため、光線束11L(を構成する光線)は、第一傾斜部32には実質的に入射されることなく、導光部材2内の第一傾斜部32が形成されているZ座標の位置を通過して、更にZ方向に進行する。そして、光線束11Lは、小さい角度ながらも少しずつX方向に拡がりながらZ方向に進行するため、例えば、Z座標がz12の位置において光線束11Lと光線束12Lとが交差を開始する。また、例えば、Z座標がz11の位置において導光部材2の側面で反射する光線が発生する。このとき、当該光線は、導光部材2の−X側の側面で反射されて、進行方向が+X方向に向かって緩やかに変化する。なお、図5Bに示す構成の場合には、Z座標がz11よりも+Z方向の位置において、光線束11Lを構成していた無数の光線が、次々と導光部材2の−X側の側面で反射される。
第一傾斜部33に入射された光線束13Lは、図5Cに模式的に示されるように、Z方向に進行方向が変換される。すなわち、光線束13Lも、光線束11L及び光線束12Lと同様に、主光線13Lmに対して前述した小さい発散角でX方向に拡がりながら、導光部材2内をZ方向に進行する。
そして、上述したように、第一傾斜部33は、第一傾斜部32よりも更に+X方向に変位した位置に形成されている。このため、光線束11L(を構成する光線)、及び光線束12L(を構成する光線)は、第一傾斜部33には実質的に入射されることなく、導光部材2内の第一傾斜部33が形成されているZ座標の位置を通過して、更にZ方向に進行する。そして、各光線束(11L,12L,13L)は、小さい角度ながらも少しずつX方向に拡がりながらZ方向に進行するため、例えば、Z座標がz14の位置において光線束12Lと光線束13Lとが交差を開始する。また、例えば、光線束13Lに含まれる無数の光線は、Z座標がz13の位置から+Z方向の位置において、導光部材2の+X側の側面で次々と反射する。
導光部材2は、第二領域22内においては、Y方向から見たときに、X方向に係る幅が、Z方向に関して光出射面24に近づくに連れて(+Z方向に進行するに連れて)、縮小するように形成された第二傾斜部(41,42)を有する。図5Dは、導光部材2の第二領域22の領域の一部を拡大した図面である。なお、図5Dでは、説明の便宜のため、導光部材2のX方向に係る幅とZ方向に係る長さの寸法比を、図1とは異ならせて図示されている。
導光部材2が、第二傾斜部(41,42)を備えることで、主光線11Lm及び主光線13Lmについても、X方向に係る導光部材2の側面、すなわち第二傾斜部(41,42)を構成する面に入射され、当該面で反射(全反射)される。この結果、主光線11Lmの外側をZ方向に進行する各光線についても、主光線11Lmが導光部材2の側面に入射される前後の箇所で、導光部材2のX方向に係る側面に入射され、進行方向を変化させる。同様に、主光線13Lmの外側をZ方向に進行する各光線についても、主光線13Lmが導光部材2の側面に入射される前後の箇所で、導光部材2のX方向に係る側面に入射され、進行方向を変化させる。
上述したように、半導体レーザ素子(11,12,13)から出射される各光線束(11L,12L,13L)は、X方向に少しずつ発散しながらZ方向に進行する。この結果、光線束11Lを構成していた各光線は、第二領域22内のいずれかの箇所で導光部材2の側面で反射して進行方向を+X方向に変化させ、同様に、光線束13Lを構成していた各光線は、第二領域22内のいずれかの箇所で導光部材2の側面で反射して進行方向を−X方向に変化させる。また、光線束12Lを構成していた一部の光線についても、X方向に発散しながらZ方向に進行するため、第二領域22のZ方向に係る長さによっては、第二領域22内のいずれかの箇所で導光部材2の側面で反射して進行方向を変化させるものが存在する。
そして、第二領域22内の導光部材2の側面で全反射した各光線については、Z方向に係る長さによっては、直前に反射した側面とはX方向に関して反対側の側面で再度反射して進行方向を変化させるものが存在する。このように、第二領域22内において、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線同士が混ざり合いながら、+Z方向に進行し、やがて光出射面24に到達する。図5Dでは、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線同士が混ざり合いながら進行している状態を、模式的に右下がりのハッチングで図示している。
図5Eは、導光部材2の光出射面24を、Z方向から見たときの模式的な平面図である。上述したように、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線同士が混ざり合いながら光出射面24に導かれるため、光出射面24上には、もはやどの半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線であるかという個性を失った状態で、光が導かれる。図5Eでは、光出射面24上では、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線同士が混ざり合った状態であることを、模式的に右下がりのハッチングで図示している。
つまり、本実施形態の光源装置1によれば、光出射面24上における位置に応じた光強度の差異は、従来の光源装置100が備える光出射面104上における位置に応じた光強度の差異と比較して、大幅に抑制される。すなわち、従来の構成と比較して、光出射面24上における位置に応じた光強度が均一化される。
よって、図11に示した従来の光源装置100のように、位置に応じた強度ムラを抑制するために、別途集光光学系106や拡散板107を、後段に配置する必要がない。この結果、従来の光源装置100と比較して、小型の装置で、位置に応じた光強度のムラ(照度ばらつき)を抑制することができる。
ところで、本実施形態の光源装置1が備える導光部材2は、Y方向に関して対向する2側面については、いずれも当該Y方向に直交する面(XZ平面)に対して傾斜していない構成である。すなわち、図2に示すように、導光部材2は、X方向から見たときに、Y方向に関して対向する2側面がZ方向に平行に配置されている。以下、この理由について説明する。
図4を参照して上述したように、本実施形態では、Y方向が光線束11Lの速軸方向に対応する。光線束11Lの速軸方向への発散角は、80°以上、120°以下であり、遅軸方向と比べて極めて大きな角度である。このため、第一傾斜部31で反射された後の光線束11Lは、主光線11Lmに対して前述した大きい発散角でY方向に拡がりながら、導光部材2内をZ方向に進行する。この結果、図2に示すように、光線束11Lを構成する無数の光線は、Z方向に進行する際に、容易に導光部材2のY方向に係る側面に入射されて、同側面で反射される。そして、この光線は、前記側面で反射を繰り返しながらZ方向に進行する。このことは、半導体レーザ素子12から出射された光線束12Lや、半導体レーザ素子13から出射された光線束13Lについても同様である。
つまり、導光部材2のY方向に対向する2側面を傾斜させなくても、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線束(11L,12L,13L)に含まれるそれぞれの光線は、Z方向に進行するに連れて、Y方向に関して対向する2側面で容易に反射して進行方向を変化させる。従って、導光部材2のY方向に対向する2側面を傾斜させなくても、Y方向については、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線同士が容易に混ざり合うため、光出射面24上におけるY方向に関する強度ムラは抑制される。
これに対し、上述したように、各半導体レーザ素子(11,12,13)から出射された光線束(11L,12L,13L)は、Y方向と比べて極めて小さい角度でX方向に拡がりながらZ方向に進行する。このため、図1及び図5Dにおいて、導光部材2の第二領域22内のX方向に係る幅を仮に均一にした場合には、Z方向に進行してきた光線が、導光部材2のX方向に対向する側面で反射することなく、そのまま光出射面24に導かれる可能性がある。この場合、光出射面24のX座標の位置に応じて、強い強度を示す箇所と弱い強度を示す箇所とが存在することとなり、強度ムラが顕著に生じてしまう。
かかる観点から、光源装置1が備える導光部材2は、第二領域22内においては、Y方向から見たときに、X方向に係る幅が+Z方向に進行するに連れて縮小するように形成された第二傾斜部(41,42)を有する構成としている。より詳細には、半導体レーザ素子(11,13)から出射された光線束(11L,13L)に含まれる光線については、導光部材2内を+Z方向に進行して光出射面24に到達するまでの間に第二領域22内において、少なくとも2回は導光部材2の側面で反射されるのが好ましい。
図6は、第二領域22内における、第二傾斜部(41,42)の好ましい角度を説明するための模式的な平面図である。光出射面24上における位置に応じた光強度の均一性を高める観点からは、Y方向から見たときのZ方向に対する第二傾斜部41の傾斜角と、第二傾斜部42の傾斜角とは実質的に同一の値であるのが好ましい。図6では、第二傾斜部41の傾斜角及び第二傾斜部42の傾斜角を、いずれもθとして表記している。
図6の平面図上の点(A,B,C,D,E)について説明する。点Aは、第二傾斜部41の端部のうち光出射面24とは反対側の端部に対応し、点Bは、第二傾斜部42の端部のうち光出射面24とは反対側の端部に対応する。点Eは、Z方向に進行してきた光線L1が、第二傾斜部42に入射される位置に対応する。点Cは、点Eにおいて第二傾斜部42で反射した光線L1が、第二傾斜部41に入射される位置に対応する。点Dは、点Cから第二傾斜部41に対して直交する補助線を引いたときに、第二傾斜部42と交差する位置に対応する。
図6において、点Eで反射された光線L1が第二傾斜部41に入射されるときの入射角ψが、導光部材2の臨界角θc以上である場合には、光線L1は点Cにおいて再び全反射が生じる。すなわち、光線L1を点Cにおいて全反射させるための条件は、下記(1)式で表せる。
ψ ≧ θc ・・・(1)
ここで、導光部材2の屈折率をnとし、空気の屈折率を1とすると、臨界角θcは、下記(2)式で表せる。なお、(2)式において、arcsinは、逆正弦関数を意味する。
θc = arcsin (1/n) ・・・(2)
また、図6より、入射角ψは、下記(3)式で表せる。なお、上述したように、θとは、第二傾斜部41及び第二傾斜部42の傾斜角に対応する。
ψ = π/2 - 3θ ・・・(3)
上記(1)〜(3)式より、第二傾斜部41及び第二傾斜部42の傾斜角θの好ましい範囲は、下記(4)式で表せる。
θ[rad] ≦ 1/3{π/2 - arcsin (1/n)} ・・・(4)
例えば、上述した例のように、導光部材2を、COP樹脂で構成した場合には、屈折率nは1.53であるため、傾斜角θは、16.4°以下とするのが好ましい。また、別の例として、導光部材2を、石英ガラスで構成した場合には、屈折率nは1.46であるため、傾斜角θは、15.6°以下とするのが好ましい。ただし、傾斜角θを小さくすればするほど、導光部材2のZ方向に係る長さが長くなるため、導光部材2の大きさを小型化する観点であれば、傾斜角θは上記数値範囲内の中で比較的大きな値とするのが好ましい。一方で、傾斜角があまりに大きな値である場合には、第二傾斜部(41,42)における反射回数が少なくなってしまう。かかる観点から、傾斜角θは1°以上10°以下とするのがより好ましく、2°以上5°以下とするのが特により好ましい。
上記実施形態では、第一傾斜部(31,32,33)は、いずれもY方向から見たときに直線形状を呈するものとして説明した。すなわち、第一傾斜部(31,32,33)は、YZ平面に対して傾斜した平面であるものとして説明した。
しかし、第一傾斜部31は、例えば、図7に示すように、Y方向から見たときに、X方向に係る端部(始点)31aと反対側の端部(終点)31bとを曲線状に連絡する形状を呈していても構わない。この場合、第一傾斜部31は、YZ平面に対して傾斜した曲面で構成され、より詳細には、シリンドリカルレンズ形状を示す。
また、別の例として、図8に示すように、Y方向から見たときに、始点31aと終点31bとを連続する複数の曲線によって連絡する形状を呈していても構わない。この場合、第一傾斜部31は、YZ平面に対して傾斜して配置された複数の小さな曲面で構成され、より詳細には、小さなシリンドリカルレンズが傾斜面に複数配置してなる、マルチレンズアレイ形状を示す。
なお、第一傾斜部32及び第一傾斜部33についても、図7又は図8に示す形状を呈していても構わない。
[検証]
以下、実施例及び比較例の光源装置に対してシミュレーションを行い、光出射面上における強度分布の大小を比較した。
(実施例1)
図1に示した光源装置1を、実施例1とした。シミュレーション条件の寸法は以下の通りとした。
導光部材2の屈折率nをCOP樹脂相当の1.53とした。導光部材2のZ方向の長さを54.6mmとし、X方向の最も厚い部分の長さを3.4mmとした。また、Y方向から見たときの、第一傾斜部31の中央位置と第一傾斜部32の中央位置との間隔、及び第一傾斜部32の中央位置と第一傾斜部33の中央位置との間隔を、共に11.0mmとした。また、導光部材2の光出射面24のX方向に係る長さを1.16mmとし、Y方向に係る長さを1.9mmとした。このとき、導光部材2の第二傾斜部(41,42)の傾斜角θは、2.1°であった。
半導体レーザ素子11のエミッタの中央位置と、半導体レーザ素子12のエミッタの中央位置との間隔、及び半導体レーザ素子12のエミッタの中央位置と、半導体レーザ素子13のエミッタの中央位置との間隔についても、上記にならって11.0mmとした。
第一傾斜部(31,32,33)は、YZ平面に対する傾斜角が45°の傾斜平面とした。
(実施例2)
第一傾斜部(31,32,33)を、図7に示すシリンドリカルレンズ形状に変更した点を除き、他は実施例1と同じ条件とした。
(実施例3)
第一傾斜部(31,32,33)を、図8に示すマルチレンズアレイ形状に変更した点を除き、他は実施例1と同じ条件とした。
(比較例1)
図9に示すように、半導体レーザ素子(11,12,13)と導光部材51とを備える光源装置50を、比較例1の構成とした。その他の点は、実施例1ととした。
導光部材51は、実施例1〜3の光源装置1が備える導光部材2とは異なり、第二領域22内において第二傾斜部(41,42)を備えていない。このため、導光部材51の光出射面52は、各実施例1〜3が備える導光部材2の光出射面24よりもX方向について大型化されている。すなわち、導光部材51の光出射面52は、X方向に係る長さを3.4mmとした。なお、導光部材51の光出射面52のY方向に係る長さは、各実施例1〜3と同様に1.9mmとした。
(結果)
実施例1〜3、及び比較例1の各光源装置に対し、半導体レーザ素子11のみを点灯させた場合、半導体レーザ素子12のみを点灯させた場合、半導体レーザ素子13のみを点灯させた場合、及び全ての半導体レーザ素子(11,12,13)を点灯させた場合のそれぞれにおいて、光出射面(24,52)上における照度分布を測定した。
表1は、それぞれの場合における、光出射面(24,52)上の照度ばらつきを、照度の標準偏差値を照度の平均値で除した値で評価した結果である。
Figure 2020115420
上記表1によれば、全ての半導体レーザ素子(11,12,13)を点灯させた場合においても、実施例1〜3は、比較例1よりも照度ばらつきが改善していることが確認される。
また、表1によれば、比較例1の場合、いずれかの半導体レーザ素子(11,12,13)のみを点灯させると、全ての半導体レーザ素子(11,12,13)が点灯している場合と比べて、光出射面52上における照度のばらつきに大きな変化が生じることが分かる。これに対し、実施例1〜3によれば、全ての半導体レーザ素子(11,12,13)を点灯させた場合と、いずれか1つの半導体レーザ素子(11,12,13)を点灯させた場合とで、比較例に比べて照度ばらつきの変化が抑制されていることが分かる。このことは、仮に1つの半導体レーザ素子が不点灯になったり、又は光強度が低下した場合であっても、光出射面24上における照度のばらつき具合に大きく影響せず、光出射面24上から位置に応じた光強度がほぼ均一化された光を出射できることを意味するものである。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉光源装置1が備える半導体レーザ素子(11,12,13)は、出射される光が同じ波長であっても構わないし、異なる波長であっても構わない。例えば、図10に示すように、光源装置1が、赤色光を発する半導体レーザ素子11Rと、緑色光を発する半導体レーザ素子12Gと、青色光を発する半導体レーザ素子13Bとを備え、これらの素子(11R,12G,13B)から出射される光線束が、いずれも共通の導光部材2に入射されるものとしても構わない。
上述したように、本発明に係る光源装置1が備える導光部材2によれば、導光部材2内で各光線が混ぜ合わされながら光出射面24に導かれる結果、光出射面24上においては、位置に応じた強度ムラが抑制された光が得られる。このため、上記のように、R,G,Bの各色の光を発する半導体レーザ素子(11R,12G,13B)から出射される光線束を導光部材2に入射させることで、導光部材2内を進行中に各光が混ぜ合わされる結果、光出射面24上においては、位置に応じた強度ムラが抑制された白色光10LWを得ることができる。
〈2〉上記の実施形態では、導光部材2の第二傾斜部(41,42)は、いずれもYZ平面に対して共通の傾斜角θで傾斜しているものとして説明した。しかし、導光部材2は、第二領域22内において、X方向にかかる2側面のうち、いずれか一方の面のみがYZ平面に対して傾斜していても構わないし、両方の面がYZ平面に対して傾斜するもののそれぞれのYZ平面に対する傾斜角を異ならせていても構わない。
ただし、光出射面24上における照度ムラを抑制する効果を高める観点からは、導光部材2の第二傾斜部(41,42)が、いずれもYZ平面に対して共通の傾斜角θで傾斜しているのが好ましい。更に、光出射面24上における照度ムラを抑制する効果を高める観点からは、光出射面24の、X方向に係る中央位置を、導光部材2のX方向に係る幅が最も大きい箇所(例えば、図1におけるZ座標がz1の位置)におけるX方向に係る中央位置と、実質的に共通にするのが好ましい。
〈3〉図2を参照して説明したように、上記実施形態の光源装置1が備える導光部材2は、Y方向に関して対向する2側面については、いずれも当該Y方向に直交する面(XZ平面)に対して傾斜していない構成であるものとした。しかし、本発明は、導光部材2のY方向に関して対向する2側面がXY平面に対して、4°以下程度の小さな傾斜を有している構成を排除するものではない。例えば、導光部材2を射出成形で作製する場合には、金型から離型させるために抜き勾配が設けられることがある。導光部材2のY方向に関して対向する2側面が、XY平面に対して、このような抜き勾配として通常利用される4°以下程度の傾斜を有していても構わない。
〈4〉図1において、導光部材2は、隣接する第一傾斜部同士の間、すなわち第一傾斜部31と第一傾斜部32との間、及び第一傾斜部32と第一傾斜部33との間の領域(以下、本段落において「特定領域」と呼ぶ。)については、共にX方向に係る幅が一定であるものとして図示されている。しかし、本発明は、これらの特定領域のX方向に係る幅が、多少変化するものも含む趣旨である。より詳細には、本発明の半導体レーザ光源装置1において、導光部材2は、特定領域内においてYZ平面に対する傾斜角が5°以下の斜面で構成されていても構わない。
1 : 半導体レーザ光源装置(光源装置)
2 : 導光部材
10(11,12,13/11R,12G,13B) : 半導体レーザ素子
10L : 導光部材からの出射光
10LW : 導光部材からの出射光(白色光)
11a : エミッタ
11L : 半導体レーザ素子から出射される光線束
11Lm : 光線束11Lに含まれる主光線
12L : 半導体レーザ素子から出射される光線束
12Lm : 光線束12Lに含まれる主光線
13L : 半導体レーザ素子から出射される光線束
13Lm : 光線束13Lに含まれる主光線
21 : 導光部材の第一領域
22 : 導光部材の第二領域
24 : 導光部材の光出射面
31,32,33 : 第一傾斜部
31a : 第一傾斜部31の−X側の端部
31b : 第一傾斜部31の+X側の端部
41,42 : 第二傾斜部
50 : 比較例の光源装置
51 : 比較例の光源装置50が備える導光部材
52 : 導光部材51が備える光出射面
100 : 従来の光源装置
101(101a,101b,101c,101d,101e) : 半導体レーザ素子(LD素子)
102 : 圧縮光学系
103 : ミラー面
104 : 光出射面
105 : コリメートレンズ
106 : 集光光学系
107 : 拡散板
110a,110b,110c,110d,110e : 面α上における各光線束の照射像
120 : 光軸
α : 光軸120に直交する平面

Claims (8)

  1. 第一方向に離間して配置された複数の半導体レーザ素子と、
    光出射面を含み、前記複数の半導体レーザ素子に対して前記第一方向に直交する第二方向に離間した位置に配置され、前記複数の半導体レーザ素子から出射された光線が入射されて、前記光出射面から出射光を前記第一方向に出射させる、導光部材とを備え、
    前記導光部材は、
    前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向から見たときに、前記第二方向に係る幅が前記第一方向に関して前記光出射面に近づくに連れて拡大するように形成された第一傾斜部を複数個備えた、第一領域と、
    前記第一領域よりも前記光出射面側に位置しており、前記第三方向から見たときに、前記第二方向に係る幅が前記第一方向に関して前記光出射面に近づくに連れて縮小するように形成された第二傾斜部を備えた、第二領域とを有し、
    前記複数の半導体レーザ素子は、前記第二方向に関して、前記導光部材の前記第一領域に対向する位置に配置されていることを特徴とする、半導体レーザ光源装置。
  2. 前記第二傾斜部は、前記光線に対する全反射面を構成することを特徴とする、請求項1に記載の半導体レーザ光源装置。
  3. 前記複数の半導体レーザ素子は、進行方向に対して直交する遅軸方向及び速軸方向の双方に拡がりを有しながら前記進行方向に向かって進行する、無数の前記光線からなる光線束を出射する構成であり、
    前記第一方向は、前記光線束の前記遅軸方向であり、
    前記第三方向は、前記光線束の前記速軸方向であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体レーザ光源装置。
  4. 前記導光部材を前記第三方向から見たときに、前記第一傾斜部は、当該第一傾斜部の始点と終点とを直線状に連絡する第一形状、前記始点と前記終点とを曲線状に連絡する第二形状、又は、前記始点と前記終点とを連続する複数の曲線によって連絡する第三形状のいずれかの形状を呈することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  5. 前記第一傾斜部は、金属ミラー面で構成され、
    前記導光部材を前記第三方向から見たときに、前記第一傾斜部は前記第一形状を呈していることを特徴とする、請求項4に記載の半導体レーザ光源装置。
  6. 前記導光部材は、前記第二領域内の前記第二方向に対向する2面に、前記第二傾斜部を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  7. 前記導光部材は、前記第一領域内において、前記複数の半導体レーザ素子の数に対応した数の前記第一傾斜部を前記第一方向に離間した位置に有すると共に、隣接する前記第一傾斜部同士の間の前記第二方向に係る幅が均一であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  8. 前記複数の半導体レーザ素子は、第一波長の前記光線を前記導光部材に対して出射する第一半導体レーザ素子と、前記第一波長とは異なる第二波長の前記光線を前記導光部材に対して出射する第二半導体レーザ素子とを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
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