JP2020113637A - 酸化物半導体膜のエッチング方法および酸化物半導体加工物ならびに電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化物半導体膜の加工速度を向上させることが可能な酸化物半導体膜のエッチング方法および酸化物半導体加工物ならびに電子デバイスを提供する。【解決手段】本開示の一実施形態の第1の酸化物半導体膜のエッチング方法は、還元性ガスを用いて酸化物半導体膜に還元層を形成し、希ガスを用いて還元層をスパッタする。【選択図】図1B
Description
本開示は、例えば、電極等に用いられる酸化物半導体膜のエッチング方法およびその酸化物半導体加工物ならびに電子デバイスに関する。
窒化シリコン(SiN)膜のエッチング方法として、例えば、非特許文献1では、水素プラズマを照射して表面に変質層を形成したのち、フッ素ラジカル照射して変質層の除去を行うエッチング方法が報告されている。
Sonam D. Sherpa and Alok Ranjan. J. Vac. Sci. Technol. A35 01A102 (2017)
ところで、酸化物半導体膜のエッチングでは、加工速度の向上が求められている。また、エッチング後のデバイス特性の劣化が少ないエッチング方法の開発が求められている。
酸化物半導体膜の加工速度を向上させることが可能な酸化物半導体膜のエッチング方法を提供することが望ましい。また、エッチング後のデバイス特性の劣化が少ないエッチング方法を提供することが望ましい。
本開示の一実施形態の第1の酸化物半導体膜のエッチング方法は、還元性ガスを用いて酸化物半導体膜に還元層を形成し、希ガスを用いて還元層をスパッタするものである。
本開示の一実施形態の第1の酸化物半導体膜のエッチング方法では、還元性ガスを用いて酸化物半導体膜に還元層を形成し、希ガスを用いて還元層をスパッタする。これにより、酸化物半導体膜の表面にエッチング速度の高い金属元素がリッチな層(還元層)を形成する。
本開示の一実施形態の第2の酸化物半導体膜のエッチング方法は、水素(H)を含有する第1のガスと、酸素(O)を含有する第2のガスとを用い、第1のガスおよび第2のガスを、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタするものである。
本開示の一実施形態の酸化物半導体加工物は、表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する。
本開示の一実施形態の電子デバイスは、上記本開示の一実施形態の酸化物半導体加工物を備えたものである。
本開示の一実施形態の第2の酸化物半導体膜のエッチング方法および一実施形態の酸化物半導体加工物ならびに一実施形態の電子デバイスでは、水素(H)を含有する第1のガスと、酸素(O)を含有する第2のガスとを用い、第1のガスおよび第2のガスを、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタすることにより、エッチング前後における酸化物半導体膜の組成変化を抑制する。
以下、本開示における実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(還元性ガスおよび希ガスをこの順番に照射するエッチング方法の例)
1−1.酸化物半導体膜のエッチング方法
1−2.作用・効果
2.第2の実施の形態(還元性ガスおよび希ガスを混合して照射するエッチング方法の例)
3.第3の実施の形態(エッチング工程の一具体例)
4.第4の実施の形態(水素含有ガスおよび酸素含有ガスをこの順番に照射するエッチング方法の例)
4−1.酸化物半導体膜のエッチング方法
4−2.エッチング後の酸化物半導体膜の構成
4−3.作用・効果
5.第5の実施の形態(水素含有ガスと酸素含有ガスとを混合して照射するエッチング方法の例)
6.第6の実施の形態(エッチング工程の一具体例)
7.適用例
1.第1の実施の形態(還元性ガスおよび希ガスをこの順番に照射するエッチング方法の例)
1−1.酸化物半導体膜のエッチング方法
1−2.作用・効果
2.第2の実施の形態(還元性ガスおよび希ガスを混合して照射するエッチング方法の例)
3.第3の実施の形態(エッチング工程の一具体例)
4.第4の実施の形態(水素含有ガスおよび酸素含有ガスをこの順番に照射するエッチング方法の例)
4−1.酸化物半導体膜のエッチング方法
4−2.エッチング後の酸化物半導体膜の構成
4−3.作用・効果
5.第5の実施の形態(水素含有ガスと酸素含有ガスとを混合して照射するエッチング方法の例)
6.第6の実施の形態(エッチング工程の一具体例)
7.適用例
<1.第1の実施の形態>
図1A〜図1Cは、本開示の第1の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。酸化物半導体膜12は、例えば、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネル等の各種ディスプレイ、太陽電池および発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等の電子デバイスを構成する電極として用いられるものである。この他、酸化物半導体膜12は、電磁シールドおよび反射防止膜等にも用いられる。本開示のエッチング方法は、例えば、電極を構成する酸化物半導体膜12のパターニング等に好適に用いられるものである。
図1A〜図1Cは、本開示の第1の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。酸化物半導体膜12は、例えば、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネル等の各種ディスプレイ、太陽電池および発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等の電子デバイスを構成する電極として用いられるものである。この他、酸化物半導体膜12は、電磁シールドおよび反射防止膜等にも用いられる。本開示のエッチング方法は、例えば、電極を構成する酸化物半導体膜12のパターニング等に好適に用いられるものである。
(1−1.酸化物半導体膜のエッチング方法)
本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、還元性ガスG1を照射することで酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、希ガスG2を用いてスパッタを行い、酸化物半導体膜12を所望の形状に加工するものである。以下に、図1A〜図1Cを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、還元性ガスG1を照射することで酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、希ガスG2を用いてスパッタを行い、酸化物半導体膜12を所望の形状に加工するものである。以下に、図1A〜図1Cを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
まず、図1Aに示したように、支持基材11上に、例えば乾式法あるいは湿式法を用いて酸化物半導体膜12を成膜する。乾式法としては、物理的気相成長法(PVD法)および化学的気相成長法(CVD法)が挙げられる。PVD法の原理を用いた成膜方法としては、抵抗化熱または高周波加熱を用いた真空蒸着法、EB(電子ビーム)蒸着法、各種スパッタリング法(マグネトロンスパッタリング法または高周波スパッタリング法)、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシー法、レーザ転写法が挙げられる。CVD法の原理を用いた成膜方法としては、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属(MO)CVD法および光CVD法が挙げられる。湿式法としては、電界メッキ法、無電解メッキ法、スピンコート法、インクジェット法、スプレーコート法、スタンプ法、マイクロコンタクトプリント法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、ディップ法等が挙げられる。
酸化物半導体膜12は、上記のように、例えば、各種デバイスを構成する電極として用いられるものである。具体的な材料としては、例えば、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(Indium Tin Oxide;ITO,SnドープのIn2O3、結晶性ITOおよびアモルファスITOを含む)、酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムを添加したインジウム−亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide;IZO)、酸化ガリウムにドーパントとしてインジウムを添加したインジウム−ガリウム酸化物(IGO)、酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムおよびガリウムを添加したインジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムおよび錫を添加したインジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(他元素をドープしたZnOを含む)、酸化亜鉛にドーパントとしてアルミニウムを添加したアルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、酸化亜鉛にドーパントとしてガリウムを添加したガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、酸化チタンにドーパントとしてニオブを添加したニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物およびYbFe2O4構造を有する酸化物が挙げられる。この他、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物またはニッケル酸化物等を母層とする透明電極材料が挙げられる。
続いて、図1Bに示したように、還元性ガスG1を照射して酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成する。還元性ガスG1は、酸化物半導体から酸素を脱離させ、照射前の酸化物半導体膜12の金属濃度(In/In2O3比)1原子%以下(XPSによるInの検出下限)に対して、金属濃度を増加させて還元するためのものである。還元性ガスG1としては、水素を含有する還元性ガスと水素を含まない還元性ガスがある。水素を含有する還元性ガスとしては、例えば、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)、ブタン(C4H10)およびジボラン(B2H6)が挙げられる。水素を含まない還元性ガスとしては、例えば、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、四塩化ケイ素(SiCl4)および三塩化ホウ素(BCl3)が挙げられる。
還元性ガスG1は、例えばメタン(CH4)等の炭素(C)を含有するガスを用いる場合には、例えばプラズマ密度は1E+10cm−3以下程度で用いることが好ましいがこれに限らない。1E+10cm−3よりも高いプラズマ密度の還元性ガスG1でもエッチングレートの増加が期待できる。炭素(C)を含まないガスを用いる場合には、プラズマ密度は1E+12cm−3以下の比較的高密度のプラズマ条件で用いることが好ましい。なお、還元性ガスG1は、上記ガスを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
次に、希ガスG2を照射して還元層12Mをスパッタする。これにより、還元層12Mが除去され、酸化物半導体膜12がエッチングされる。希ガスG2は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)から選択される。希ガスG2は、上記ガスを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。エッチング後には、例えば酸素(O2)を含むプラズマ後処理(例えばアッシング処理)やウェット洗浄あるいは熱処理等を行うことが好ましい。
(1−2.作用・効果)
水素プラズマを用いてITOやIGZO等の酸化物半導体膜をエッチングした場合、時間の経過と共に酸化物半導体膜の組成が変化し、これを用いたデバイスの特性を劣化させるという問題がある。
水素プラズマを用いてITOやIGZO等の酸化物半導体膜をエッチングした場合、時間の経過と共に酸化物半導体膜の組成が変化し、これを用いたデバイスの特性を劣化させるという問題がある。
図2は、X線光電子分光法(XPS)を用い、測定条件In 3d5/2でのH2/Arプラズマを用いたエッチング前後のITO膜中のInの比率を測定した結果を表したものである。H2/Arプラズマ照射前と比較して、H2/Arプラズマ照射後のITO膜では、In−In結合が増加していることがわかる。
図3Aは、基板1011上に形成されたITO膜1012のH2プラズマ照射後のTEM画像を模式的に表したものである。ITO等の酸化物半導体膜にH2プラズマを照射した場合、図3Aに示したように、酸化物半導体膜の表面には瘤状の変質層が形成される。図3Bは、エネルギー分散型X線分析(EXD)を用いて、図3Aに示した変質層部分(A)および変質層以外のITO膜部分(B)のInおよびOの濃度を測定した結果を表したものである。変質層以外のITO膜部分(B)と比較して、変質層部分(A)ではIn濃度が高く、変質層はInの凝集によって形成されていることがわかる。
このように、水素プラズマを用いて酸化物半導体膜をエッチングすると、H原子の侵入によって例えばITO膜ではITOからO原子が脱離し、表面がInリッチになる。表面がInリッチになった酸化物半導体膜では、例えば絶縁性が低下する。酸化物半導体は、上記のようにデバイスの電極材料として用いられるが、例えば表示層を間に対向配置される上部電極および下部電極を酸化物半導体膜で構成し、これを上記のように水素プラズマを用いてエッチングした場合、上述したような酸化物半導体膜の組成変化は上部電極と下部電極との間の短絡の原因となる。
これに対して、本実施の形態では、還元性ガスG1を用いて酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、希ガスG2を照射して還元層12Mをスパッタするようにした。
図4A〜図4Cは、還元性ガス照射による酸化物半導体膜12の膜組成の変化を説明するための模式図である。本実施の形態では、図4Aに示したように、還元性ガスとして、例えば一酸化炭素(CO)プラズマを酸化物半導体膜12に照射する。これによって、酸化物半導体膜12では、図4Bに示したように、COが酸化物半導体から酸素(O)を奪って二酸化炭素(CO2)になると共に、酸化物半導体膜12の表面には還元層12Mが形成される。還元層12Mは、上記のように、酸化物半導体からのOの脱離によって酸素濃度が還元性ガスの照射前の酸化物半導体膜の酸素濃度に対して50%以下となった領域であり、金属元素がリッチな領域である。これにより、希ガスG2による酸化物半導体膜12のスパッタ速度を向上させることが可能となる。
以上により、本実施の形態の本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法では、還元性ガスG1を用いて酸化物半導体膜12に金属リッチな還元層12Mを形成したのち、希ガスG2を照射して還元層12Mをスパッタするようにした。よって、酸化物半導体膜12の加工速度を向上させることが可能となる。
また、ドライエッチングはエッチング装置内において行われるが、上記のように水素(H2)による変質層の形成および希ガスによるスパッタを行う場合、H2処理時に装置内の例えば上部天板に用いられているシリコン(Si)がH2によってスパッタされる。H2によってスパッタされたSiのスパッタ物は金属酸化膜の表面に堆積し、安定加工に影響を及ぼす虞がある。
これに対して、本実施の形態では、還元性ガスとして水素を含まない、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、四塩化ケイ素(SiCl4)および三塩化ホウ素(BCl3)等を用いることで、エッチング装置内のSiのスパッタが抑制され、酸化物半導体膜12上へのスパッタ物の堆積を防ぐことが可能となる。よって、酸化物半導体膜12の加工安定性を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、酸化物半導体膜12のエッチング方法として、還元性ガスG1を照射して還元層12Mを形成したのち、希ガスG2を照射して還元層12Mをスパッタする、2工程で行うエッチング方法の例を示したがこれに限らない。例えば、還元性ガスG1と希ガスG2とを交互に照射して、還元層12Mの形成とそのスパッタとを繰り返し行うようにしてもよい。これにより、還元層12Mの厚さを制御しやすくなるため、加工精度を向上させることが可能となる。
以下、本開示の第2〜第6の実施の形態ついて説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付し説明を省略する。
<2.第2の実施の形態>
図5Aおよび図5Bは、本開示の第2の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、還元性ガスG1および希ガスG2を混合して用い、酸化物半導体膜12の還元層12Mの形成およびそのスパッタを1工程で行うものである。以下に、図5Aおよび図5Bを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
図5Aおよび図5Bは、本開示の第2の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、還元性ガスG1および希ガスG2を混合して用い、酸化物半導体膜12の還元層12Mの形成およびそのスパッタを1工程で行うものである。以下に、図5Aおよび図5Bを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
まず、図5Aに示したように、支持基材11上に、上記方法を用いて酸化物半導体膜12を成膜する。続いて、図5Bに示したように、例えば、還元性ガスG1および希ガスG2を、例えば体積比1:10〜9:10(還元性ガスG1:希ガスG2)の割合で混合した混合ガスを照射する。これにより、酸化物半導体膜12への還元層12Mの形成およびスパッタによる還元層12Mの除去が1工程中に行われる。
還元性ガスG1は、上記第1の実施の形態と同様に、水素を含有する還元性ガスとして、例えば、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、エチレン(C2H4)、ブタン(C4H10)およびジボラン(B2H6)が挙げられる。水素を含まない還元性ガスとしては、例えば、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、四塩化ケイ素(SiCl4)および三塩化ホウ素(BCl3)が挙げられる。希ガスG2は、上記第1の実施の形態と同様に、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)が挙げられる。
還元性ガスG1および希ガスG2の組み合わせは特に限定されず、例えば、H2/Ar、H2/Xe、CO/Ar、CO/Xe等の組み合わせが挙げられる。本実施の形態のように、還元性ガスG1および希ガスG2を混合して用いる場合には、還元性ガスG1を以下の条件で用いることが好ましい。還元性ガスG1として、例えばメタン(CH4)等の炭素(C)を含有するガスを用いる場合には、例えばプラズマ密度は1E+10cm−3以下程度で用いることが好ましい。なお、1E+10cm−3よりも高いプラズマ密度の還元性ガスG1でもエッチングレートの増加が期待できる。炭素(C)を含まないガスを用いる場合には、プラズマ密度は1E+12cm−3以下の比較的高密度のプラズマ条件で用いることが好ましい。なお、還元性ガスG1は、上記ガスを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。また、上記酸化物半導体膜12のエッチング工程において用いられる混合ガスは、上記還元性ガスG1および希ガスG2として、それぞれ2種類以上の希ガスを組み合わせて用いるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法では、還元性ガスG1および希ガスG2を混合して酸化物半導体膜12に照射するようにしたので、還元層12Mの形成およびそのスパッタを1工程で行うことが可能となる。よって、上記第1の実施の形態における効果に加えて、エッチング工程を簡略化することが可能となるという効果を奏する。
<3.第3の実施の形態>
図6A〜図6Cは、本開示の第3の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本開示の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、上記のように、例えば、各種デバイスや電磁シールドおよび反射防止膜等において用いられるものであり、例えば、ディスプレイ関連では、TN(Twist Nematic)型およびSTN(Super Twist Nematic)型の液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)および電子ペーパーを構成する電極、薄膜トランジスタ(TFT)およびカラーフィルタの加工に好適に用いられる。以下に、図6A〜図6Cを用いて酸化物半導体膜12の具体的なエッチング方法の一例を説明する。
図6A〜図6Cは、本開示の第3の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本開示の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、上記のように、例えば、各種デバイスや電磁シールドおよび反射防止膜等において用いられるものであり、例えば、ディスプレイ関連では、TN(Twist Nematic)型およびSTN(Super Twist Nematic)型の液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)および電子ペーパーを構成する電極、薄膜トランジスタ(TFT)およびカラーフィルタの加工に好適に用いられる。以下に、図6A〜図6Cを用いて酸化物半導体膜12の具体的なエッチング方法の一例を説明する。
まず、図6Aに示したように、支持基材11上に形成された酸化物半導体膜12上に、所定の形状にパターニングされたレジスト膜21を形成する。続いて、図6Bに示したように、還元性ガスG1を照射する。これにより、レジスト膜21に形成された開口21Hから露出している酸化物半導体膜12内に還元性ガスG1が侵入して還元層12Mが形成される。次に、図6Cに示したように、希ガスG2を照射して還元層12Mをスパッタする。これにより、還元層12Mがエッチングされ、酸化物半導体膜12に開口12Hが形成される。
なお、還元層12Mは、上記のように、酸素原子(O)の脱離によって酸素濃度が他の領域よりも50%以下となった金属原子がリッチな領域である。この還元層12Mは、エッチングによって形成されたパターンの側面および、エッチングを途中で止めた場合にはエッチングによって形成される開口の底面にも存在する。
以上のように、酸化物半導体膜12上に所望の形状にパターニングしたレジスト膜21を形成したのち、還元性ガスG1および希ガスG2を用いて、酸化物半導体膜12への還元層12Mの形成および還元層12Mのスパッタを行うようにした。これにより、酸化物半導体膜12の加工速度を向上させることが可能となる。
なお、上記第1〜第3の実施の形態では被エッチング膜として酸化物半導体膜を挙げたが、本開示のエッチング方法は、金属酸化物膜にも適用することができる。金属酸化物としては、例えば磁鉄鉱(Fe3O4)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、ハフニア(Hf2O3)、酸化マグネシウム(MgO)が挙げられる。本開示のエッチング方法を金属酸化物膜の加工に用いることで、金属酸化物膜の加工膜厚の制御が可能となり、金属酸化物膜の微細加工が可能となる。
<4.第4の実施の形態>
図7A〜図7Cは、本開示の第4の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。酸化物半導体膜12は、例えば、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネル等の各種ディスプレイ、太陽電池および発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等の電子デバイスを構成する電極として用いられるものである。この他、酸化物半導体膜12は、電磁シールドおよび反射防止膜等にも用いられる。本開示のエッチング方法は、例えば、電極を構成する酸化物半導体膜12のパターニング等に好適に用いられるものである。
図7A〜図7Cは、本開示の第4の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。酸化物半導体膜12は、例えば、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネル等の各種ディスプレイ、太陽電池および発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等の電子デバイスを構成する電極として用いられるものである。この他、酸化物半導体膜12は、電磁シールドおよび反射防止膜等にも用いられる。本開示のエッチング方法は、例えば、電極を構成する酸化物半導体膜12のパターニング等に好適に用いられるものである。
(4−1.酸化物半導体膜のエッチング方法)
本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、酸化物半導体膜12に対して、それぞれプラズマ化した水素(H)含有ガスG3(第1のガス)および酸素(O)含有ガスG4(第2のガス)をこの順に照射して酸化物半導体膜12を所望の形状に加工するものである。具体的には、水素含有ガスG3を照射することで酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、酸素含有ガスG4を照射することでスパッタを行い、酸化物半導体膜12をパターニングすると共に、還元層12Mを酸化してスパッタ面およびその近傍に粒界層12Gを形成するものである。以下に、図7A〜図7Cを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、酸化物半導体膜12に対して、それぞれプラズマ化した水素(H)含有ガスG3(第1のガス)および酸素(O)含有ガスG4(第2のガス)をこの順に照射して酸化物半導体膜12を所望の形状に加工するものである。具体的には、水素含有ガスG3を照射することで酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、酸素含有ガスG4を照射することでスパッタを行い、酸化物半導体膜12をパターニングすると共に、還元層12Mを酸化してスパッタ面およびその近傍に粒界層12Gを形成するものである。以下に、図7A〜図7Cを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
まず、図7Aに示したように、支持基材11上に、例えば乾式法あるいは湿式法を用いて酸化物半導体膜12を成膜する。乾式法としては、物理的気相成長法(PVD法)および化学的気相成長法(CVD法)が挙げられる。PVD法の原理を用いた成膜方法としては、抵抗化熱または高周波加熱を用いた真空蒸着法、EB(電子ビーム)蒸着法、各種スパッタリング法(マグネトロンスパッタリング法または高周波スパッタリング法)、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシー法、レーザ転写法が挙げられる。CVD法の原理を用いた成膜方法としては、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属(MO)CVD法および光CVD法が挙げられる。湿式法としては、電界メッキ法、無電解メッキ法、スピンコート法、インクジェット法、スプレーコート法、スタンプ法、マイクロコンタクトプリント法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、ディップ法等が挙げられる。
酸化物半導体膜12は、上記のように、例えば、各種デバイスを構成する電極として用いられるものである。具体的な材料としては、例えば、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(Indium Tin Oxide;ITO,SnドープのIn2O3、結晶性ITOおよびアモルファスITOを含む)、酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムを添加したインジウム−亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide;IZO)、酸化ガリウムにドーパントとしてインジウムを添加したインジウム−ガリウム酸化物(IGO)、酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムおよびガリウムを添加したインジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムおよび錫を添加したインジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(他元素をドープしたZnOを含む)、酸化亜鉛にドーパントとしてアルミニウムを添加したアルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、酸化亜鉛にドーパントとしてガリウムを添加したガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、酸化チタンにドーパントとしてニオブを添加したニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物およびYbFe2O4構造を有する酸化物が挙げられる。この他、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物またはニッケル酸化物等を母層とする透明電極材料が挙げられる。
続いて、図7Bに示したように、水素含有ガスG3を照射して酸化物半導体膜12に、まず還元層12Mを形成する。水素含有ガスG3は、酸化物半導体から酸素を脱離させ、照射前の酸化物半導体膜12の金属濃度(In/In2O3比)1原子%以下(XPSによるInの検出下限)に対して、金属濃度を増加させて還元するためのものである。水素含有ガスG3としては、例えば、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、ジボラン(B2H6)および少なくとも分子内に炭素(C)および水素(H)を含む炭化水素ガスが挙げられる。具体的な炭化水素ガスとしては、例えば、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)およびブタン(C4H10)が挙げられる。
水素含有ガスG3は、例えばメタン(CH4)等の炭素(C)を含有するガスを用いる場合には、例えばプラズマ密度は1E+10cm−3以下程度で用いることが好ましいがこれに限らない。1E+10cm−3よりも高いプラズマ密度の水素含有ガスG3でもエッチングレートの増加が期待できる。炭素(C)を含まないガスを用いる場合には、プラズマ密度は1E+12cm−3以下の比較的高密度のプラズマ条件で用いることが好ましい。なお、水素含有ガスG3は、上記ガスを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
次に、図7Cに示したように、酸素含有ガスG4を照射して還元層12Mをスパッタする。これにより、還元層12Mの少なくとも一部が除去され、酸化物半導体膜12がエッチングされる。また、酸素含有ガスG4の照射では、還元層12Mのスパッタと同時に、酸素含有ガスG4の照射によって還元層12Mが酸化される。これにより、還元層12M内の組成は、例えば、酸化物半導体膜12の内部等の還元層12M以外の領域と同等の組成に回復する。更に、酸化物半導体膜12のスパッタ面およびその近傍には、酸化物半導体膜12の内部よりも多くの結晶粒界を有する領域(粒界層12G)が形成される。
酸素含有ガスG4としては、例えば、酸素(O2)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2)等が挙げられる。なお、酸素含有ガスG4は、分子中に酸素(O)原子を含むものであればよく、上記ガスに限定されるものではない。酸素含有ガスG4は、例えば1E+10cm−3以下程度のプラズマ密度で用いることが好ましいがこれに限らない。1E+10cm−3よりも高いプラズマ密度の酸素含有ガスG4でもエッチングレートの増加が期待できる。なお、酸素含有ガスG4は、上記ガスを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
更に、水素含有ガスG3の照射および酸素含有ガスG4の照射を交互に繰り返し行うようにしてもよい。酸素含有ガスG4の照射によってスパッタ面の酸化物半導体が過剰に酸化された場合、次に行う水素含有ガスG3の照射によってOHxとして過剰な酸素(O)が除去される。エッチング後には、例えば酸素(O2)を含むプラズマ後処理(例えばアッシング処理)やウェット洗浄あるいは熱処理等を行うことが好ましい。
(4−2.エッチング後の酸化物半導体膜の構成)
上記エッチング方法を用いて形成された酸化物半導体膜12は、スパッタ面である表面(面12S1)およびその近傍に、酸化物半導体膜12の内部と比較して組成変化がなく、且つ、酸化物半導体膜12の内部と比較して粒界密度の大きな粒界層12Gが形成されている。
上記エッチング方法を用いて形成された酸化物半導体膜12は、スパッタ面である表面(面12S1)およびその近傍に、酸化物半導体膜12の内部と比較して組成変化がなく、且つ、酸化物半導体膜12の内部と比較して粒界密度の大きな粒界層12Gが形成されている。
図8は、上記水素含有ガスG3の一例として、水素(H2)ガスの照射時間による酸化物半導体膜12(一例としてITO膜)の深さ方向に対する酸素濃度の変化をSIMS解析した結果を表したものである。水素ガスを酸化物半導体膜12に照射すると、深さ方向20nm付近まで酸素濃度が減少している。例えば、水素ガスを3秒間照射すると、酸化物半導体膜12中の酸素濃度は48%減少している。よって、水素含有ガスG3の照射によって、酸化物半導体膜12中の酸素が脱離し、酸化物半導体膜12の表面からの深さ方向に20nm付近まで還元層12Mが形成されることがわかる。
図9は、酸化物半導体膜12(一例として、ITO膜)に酸素イオンを照射した場合(実線)および水素イオンを照射した場合(点線)の深さ方向の酸素イオン濃度および水素イオン濃度の変化をシミュレーションした結果を表したものである。図8から、水素イオン(水素含有ガスG3)のみ、または酸素イオン(酸素含有ガスG4)のみを酸化物半導体膜12に照射した場合、酸化物半導体膜12は、照射前後で深さ方向に組成が変化することがわかる。また、水素イオンは約20nmの深さまで侵入しており、上記のように水素含有ガスG3を照射したのち、酸素含有ガスG4を照射した場合、酸素含有ガスG4は水素イオンが侵入した約20nmの深さまで侵入する。よって、粒界層12Gは、スパッタ面およびエッチングにより形成されたパターンの側面から約20nmの深さまで形成される。
図10は、各元素のプラズマ照射後における酸化物半導体膜12(一例として、ITO膜)抵抗率の変化を表したものである。なお、図10中のINIはプラズマ未照射でのITO膜の抵抗率を表したものであり、O2およびH2は、それぞれ酸素プラズマおよび水素プラズマを単独で照射した結果である。また、H2→O2は水素プラズマ照射後に酸素プラズマを照射した場合、H2→COは水素プラズマ照射後に一酸化炭素プラズマを照射した場合、H2/COは水素プラズマと一酸化炭素プラズマを同時に照射した場合の結果である。図10から、未処理のITO膜の抵抗率と比較して、水素プラズマおよび酸素プラズマをそれぞれ単独で照射した場合には抵抗率が変化しているのに対して、水素プラズマ照射後、または同時に酸素プラズマや一酸化炭素プラズマ等の酸素含有ガスG4を照射した場合には抵抗率がほぼ同等であることがわかる。即ち、水素含有ガスG3の照射後、または同時に酸素含有ガスG4を照射することで、酸化物半導体膜12の組成変化は起こっていないことが推察される。
図11は、エッチング後の酸化物半導体膜12(一例として、ITO膜)のTEM画像であり、表面(面12S1)から深さ方向に20nmの範囲では、酸化物半導体膜12の内部(例えば、表面から20nmより深い位置)とは粒界密度が異なっていることが確認できる。図12A〜図12Cは、酸素含有ガスG4のドーズ量による酸化物半導体膜表面の結晶粒界の変化を模式的に表したものである。図12A〜図12Cからわかるように、酸素含有ガスG4のドーズ量の増加に従って酸化物半導体膜表面の結晶粒界が増加していく。図13は、希ガス(He+)処理後の酸化物半導体膜12(一例として、IZO膜)と未処理のIZO膜のX線回折(XRD)の結果を表したものである。図13から、ヘリウム(He+)の照射によって酸化物半導体膜12の結晶粒界が乱れ、回折ピークの幅が増大していることがわかる。また、下記式(1)に示したシェラーの式から、結晶粒径は21nmから15nmに減少していることがわかる。このことから、本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法では、エッチング前と比較して、結晶粒径が6mm以上減少していると考えられる。なお、酸化物半導体膜12の結晶粒界は、図13のように、X線回折でピークの広がりから測定することができる。また、後述するように、本実施の形態のエッチング方法を用いて酸化物半導体膜12を所定の形状にパターニングし、エッチング領域の酸化物半導体膜12を完全に除去した場合には、そのパターンの側面に上述したスパッタ面と同様の粒界密度が残る。よって、高解像度なTEMで観察することができる。
以上のことから、上述した酸素含有ガスG4の照射では、水素(H)の侵入によって酸素(O)が脱離した領域(還元層12M)に酸素(O)が侵入し、還元層12M内の酸化物半導体が再度酸化されて組成が回復する。更に、この酸素(O)の侵入によって結晶粒径が小さくなり、粒界密度が増加する。即ち、酸化物半導体膜12のスパッタ面(面12S1)から20nm以内の範囲には、酸化物半導体膜12の内部と組成の変化がなく、且つ、酸化物半導体膜12の内部よりも粒界密度が大きな領域が形成される。
(4−3.作用・効果)
水素プラズマを用いてITOやIGZO等の酸化物半導体膜をエッチングした場合、水素プラズマの侵入によって、時間の経過と共に酸化物半導体膜から酸素原子が脱離する。例えば、図2および図3A,図3Bに示したように、H2/Arプラズマ照射前と比較して、H2/Arプラズマ照射後のITO膜では、In−In結合が増加する。
水素プラズマを用いてITOやIGZO等の酸化物半導体膜をエッチングした場合、水素プラズマの侵入によって、時間の経過と共に酸化物半導体膜から酸素原子が脱離する。例えば、図2および図3A,図3Bに示したように、H2/Arプラズマ照射前と比較して、H2/Arプラズマ照射後のITO膜では、In−In結合が増加する。
このように、水素プラズマを用いて酸化物半導体膜をエッチングすると、H原子の侵入によって例えばITO膜ではITOからO原子が脱離し、表面がInリッチになる。表面がInリッチになった酸化物半導体膜では、例えば絶縁性が低下する。酸化物半導体は、上記のようにデバイスの電極材料として用いられるが、例えば表示層を間に対向配置される上部電極および下部電極を酸化物半導体膜で構成し、これを上記のように水素プラズマを用いてエッチングした場合、上述したような酸化物半導体膜の組成変化は上部電極と下部電極との間の短絡の原因となり、これを用いたデバイスの特性を劣化させるという問題がある。このため、エッチング後の特性劣化が少ないエッチング方法の開発が求められている。
これに対して、本実施の形態では、水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4を順に、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタするようにした。具体的には、水素含有ガスG3を用いて酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、酸素含有ガスG4を照射して還元層12Mをスパッタするようにした。これにより、水素含有ガスG3の照射によってInリッチとなっている還元層12Mの組成は、酸素含有ガスG4の照射によって酸素プラズマが還元層12Mに侵入し、酸化物半導体膜12の内部の組成と同程度まで回復する。このように、エッチング前後での酸化物半導体膜12の組成変化を抑制することが可能となる。
以上により、本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法では、水素含有ガスG3を用いて酸化物半導体膜12に還元層12Mを形成したのち、酸素含有ガスG4を照射して還元層12Mをスパッタするようにしたので、還元層12Mの組成は、酸素プラズマの侵入によって、酸化物半導体膜12の内部の組成と同程度まで回復する。即ち、エッチング後の特性劣化の少ないエッチングが可能となる。
また、本実施の形態のエッチング方法を経た酸化物半導体膜12のスパッタ面(例えば、面12S1)およびその近傍には、酸素プラズマの侵入によって、酸化物半導体膜12の内部の組成と変化なく、且つ、酸化物半導体膜12の内部よりも粒界密度の高い領域(粒界層)12Gが形成される。
更に、本実施の形態では、水素含有ガスG3の照射および酸素含有ガスG4の照射を繰り返し行うことにより、酸素含有ガスG4の照射によって酸化物半導体膜12が過剰に酸化された場合には、水素含有ガスG3の照射によって、OHxとして過剰な酸素(O)が除去される。即ち、酸素含有ガスG4による酸化物半導体膜12の過剰酸化を抑制することが可能となる。
<5.第5の実施の形態>
図14Aおよび図14Bは、本開示の第5の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、水素(H)含有ガスG3(第1のガス)および酸素(O)含有ガスG4(第2のガス)を混合して用い、これら水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4をプラズマ化して酸化物半導体膜12のスパッタを1工程で行うものである。以下に、図14Aおよび図14Bを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
図14Aおよび図14Bは、本開示の第5の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、水素(H)含有ガスG3(第1のガス)および酸素(O)含有ガスG4(第2のガス)を混合して用い、これら水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4をプラズマ化して酸化物半導体膜12のスパッタを1工程で行うものである。以下に、図14Aおよび図14Bを用いて酸化物半導体膜12のエッチング方法を説明する。
まず、図14Aに示したように、支持基材11上に、上記方法を用いて酸化物半導体膜12を成膜する。続いて、図7Bに示したように、例えば、水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4を、例えば体積比10:90〜95:5(水素含有ガスG3:酸素含有ガスG4)の割合で混合した混合ガスを照射する。これにより、水素含有ガスG3による酸化物半導体膜12の表面(面12S1)およびその近傍への還元層12Mの形成と、酸素含有ガスG4による還元層12Mのスパッタおよび還元層12Mの組成の回復とが、が1工程中に行われる。
水素含有ガスG3は、上記第4の実施の形態と同様に、例えば、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、ジボラン(B2H6)および少なくとも分子内に炭素(C)および水素(H)を含む炭化水素ガスが挙げられる。具体的な炭化水素ガスとしては、例えば、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)およびブタン(C4H10)が挙げられる。酸素含有ガスG4としては、例えば、酸素(O2)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2)等が挙げられる。なお、酸素含有ガスG4は、分子中に酸素(O)原子を含むものであればよく、上記ガスに限定されるものではない。
水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4の組み合わせは特に限定されず、例えば、H2/O2およびH2/CO等の組み合わせが挙げられる。なお、水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4は、それぞれ2種類以上の希ガスを組み合わせて用いるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態の酸化物半導体膜12のエッチング方法では、水素含有ガスG3および酸素含有ガスG4を混合し、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜12に照射するようにしたので、上記第4の実施の形態と同様に、酸化物半導体膜12の内部の組成と変化なく、且つ、酸化物半導体膜12の内部よりも粒界密度の高い領域(粒界層)12Gが1工程で形成されるようになる。よって、上記第4の実施の形態における効果に加えて、エッチング工程を簡略化することが可能となるという効果を奏する。
<6.第6の実施の形態>
図15A〜図15Cは、本開示の第6の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本開示の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、上記のように、例えば、各種デバイスや電磁シールドおよび反射防止膜等において用いられるものであり、例えば、ディスプレイ関連では、TN(Twist Nematic)型およびSTN(Super Twist Nematic)型の液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)および電子ペーパーを構成する電極、薄膜トランジスタ(TFT)およびカラーフィルタの加工に好適に用いられる。以下に、図15A〜図15Cを用いて酸化物半導体膜12の具体的なエッチング方法の一例を説明する。
図15A〜図15Cは、本開示の第6の実施の形態に係る酸化物半導体膜(酸化物半導体膜12)のエッチング工程を表した断面模式図である。本開示の酸化物半導体膜12のエッチング方法は、上記のように、例えば、各種デバイスや電磁シールドおよび反射防止膜等において用いられるものであり、例えば、ディスプレイ関連では、TN(Twist Nematic)型およびSTN(Super Twist Nematic)型の液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)および電子ペーパーを構成する電極、薄膜トランジスタ(TFT)およびカラーフィルタの加工に好適に用いられる。以下に、図15A〜図15Cを用いて酸化物半導体膜12の具体的なエッチング方法の一例を説明する。
まず、図15Aに示したように、支持基材11上に形成された酸化物半導体膜12上に、所定の形状にパターニングされたレジスト膜21を形成する。続いて、図15Bに示したように、水素含有ガスG3を照射する。これにより、レジスト膜21に形成された開口21Hから露出している酸化物半導体膜12内に水素含有ガスG3が侵入して還元層12Mが形成される。次に、図15Cに示したように、酸素含有ガスG4を照射して還元層12Mをスパッタする。これにより、還元層12Mがエッチングされ、酸化物半導体膜12に開口12Hが形成される。また、このスパッタと同時に、還元層12M内へ酸素が供給され、還元層12Mの組成が酸化物半導体膜12の内部の組成と同程度まで回復する。更に、酸素プラズマの侵入によって、酸化物半導体膜12の内部の組成と変化なく、且つ、酸化物半導体膜12の内部よりも粒界密度の高い領域(粒界層)12Gが形成される。
なお、粒界層12Gは、エッチングによって形成されたパターンの側面および、エッチングを途中で止めた場合にはエッチングによって形成される開口の底面にも形成される。
上記第4〜第6の実施の形態では被エッチング膜として酸化物半導体膜を挙げたが、本開示のエッチング方法は、金属酸化物膜にも適用することができる。金属酸化物としては、例えば磁鉄鉱(Fe3O4)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、ハフニア(Hf2O3)、酸化マグネシウム(MgO)が挙げられる。本開示のエッチング方法を金属酸化物膜の加工に用いることで、金属酸化物膜の加工膜厚の制御が可能となり、金属酸化物膜の微細加工が可能となる。
<7.適用例>
上記第1の実施の形態(または、第2〜第6の実施の形態)において説明したエッチング方法を用いて加工された酸化物半導体膜12は、例えば、以下に説明する電子デバイスに適用することができる。
上記第1の実施の形態(または、第2〜第6の実施の形態)において説明したエッチング方法を用いて加工された酸化物半導体膜12は、例えば、以下に説明する電子デバイスに適用することができる。
(適用例1)
図16は、上記第1の実施の形態(または、第2〜第6の実施の形態)において説明したエッチング方法を用いて加工された酸化物半導体膜12を用いた撮像装置(撮像素子1)の全体構成を表したものである。この撮像素子1は、CMOSイメージセンサであり、半導体基板30上に、撮像エリアとしての画素部1aを有すると共に、この画素部1aの周辺領域に、例えば、行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132からなる周辺回路部130を有している。上記第1の実施の形態等の酸化物半導体膜のエッチング方法は、例えば、有機光電変換部40を構成する一対の電極(下部電極41および上部電極45)および電荷蓄積層43の加工において好適に用いられる(いずれも、図17参照)。以下に、撮像素子1について説明する。
図16は、上記第1の実施の形態(または、第2〜第6の実施の形態)において説明したエッチング方法を用いて加工された酸化物半導体膜12を用いた撮像装置(撮像素子1)の全体構成を表したものである。この撮像素子1は、CMOSイメージセンサであり、半導体基板30上に、撮像エリアとしての画素部1aを有すると共に、この画素部1aの周辺領域に、例えば、行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132からなる周辺回路部130を有している。上記第1の実施の形態等の酸化物半導体膜のエッチング方法は、例えば、有機光電変換部40を構成する一対の電極(下部電極41および上部電極45)および電荷蓄積層43の加工において好適に用いられる(いずれも、図17参照)。以下に、撮像素子1について説明する。
画素部1aは、例えば、行列状に2次元配置された複数の単位画素P(光電変換素子10に相当)を有している。この単位画素Pには、例えば、画素行ごとに画素駆動線Lread(具体的には行選択線およびリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線Lsigが配線されている。画素駆動線Lreadは、画素からの信号読み出しのための駆動信号を伝送するものである。画素駆動線Lreadの一端は、行走査部131の各行に対応した出力端に接続されている。
行走査部131は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素部1aの各単位画素Pを、例えば、行単位で駆動する画素駆動部である。行走査部131によって選択走査された画素行の各単位画素Pから出力される信号は、垂直信号線Lsigの各々を通して水平選択部133に供給される。水平選択部133は、垂直信号線Lsigごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
列走査部134は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、水平選択部133の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動するものである。この列走査部134による選択走査により、垂直信号線Lsigの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線135に出力され、当該水平信号線135を通して半導体基板30の外部へ伝送される。
行走査部131、水平選択部133、列走査部134および水平信号線135からなる回路部分は、半導体基板30上に直に形成されていてもよいし、あるいは外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、それらの回路部分は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
システム制御部132は、半導体基板30の外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、撮像素子1の内部情報等のデータを出力するものである。システム制御部132はさらに、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に行走査部131、水平選択部133および列走査部134等の周辺回路の駆動制御を行う。
図17は、撮像素子1において1つの画素(単位画素P)として用いられる光電変換素子10の断面構成の一例を模式的に表したものである。光電変換素子10は、例えば、1つの有機光電変換部40と、2つの無機光電変換部32B,32Rとが縦方向に積層された、いわゆる縦方向分光型のものである。有機光電変換部40は、半導体基板30の第1面(裏面)30S1側に設けられている。無機光電変換部32B,32Rは、半導体基板30内に埋め込み形成されており、半導体基板30の厚み方向に積層されている。有機光電変換部40は、対向配置された下部電極41と上部電極45との間に、有機材料を用いて形成された光電変換層44を有する。この光電変換層44は、p型半導体およびn型半導体を含んで構成され、層内にバルクヘテロ接合構造を有する。バルクヘテロ接合構造は、p型半導体およびn型半導体が混ざり合うことで形成されたp/n接合面である。
この光電変換素子10では、有機光電変換部40は、例えば、下部電極41が画素毎に複数の電極(読み出し電極41Aおよび蓄積電極41B)から構成されており、この下部電極41と光電変換層44との間に絶縁層42および電荷蓄積層43を順に有する。絶縁層42には、読み出し電極41A上に開口42Hが設けられており、読み出し電極41Aはこの開口42Hを介して電荷蓄積層43と電気的に接続されている。
有機光電変換部40と、無機光電変換部32B,32Rとは、互いに異なる波長域の光を選択的に検出して光電変換を行うものである。例えば、有機光電変換部40では、緑(G)の色信号を取得する。無機光電変換部32B,32Rでは、吸収係数の違いにより、それぞれ、青(B)および赤(R)の色信号を取得する。これにより、光電変換素子10では、カラーフィルタを用いることなく一つの画素において複数種類の色信号を取得可能となっている。
半導体基板30の第2面(表面)30S2には、例えば、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FD1,FD2,FD3と、転送トランジスタTr2(縦型)トランジスタおよび転送トランジスタTr3と、アンプトランジスタ(変調素子)AMPと、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、多層配線層50とが設けられている。多層配線層50は、例えば、配線層51,52,53が絶縁層54内に積層された構成を有している。
なお、図面では、半導体基板30の第1面30S1側を光入射側S1、第2面30S2側を配線層側S2と表している。
有機光電変換部40は、上記のように、下部電極41、電荷蓄積層43、光電変換層44および上部電極45が、半導体基板30の第1面30S1の側からこの順に積層された構成を有している。また、下部電極41と電荷蓄積層43との間には、絶縁層42が設けられている。下部電極41のうち、読み出し電極41Aは、上記のように、絶縁層42に設けられた開口42Hを介して光電変換層44と電気的に接続されている。半導体基板30の第1面30S1と下部電極41との間には、例えば、固定電荷33、誘電体層34および層間絶縁層37とが設けられている。上部電極45の上には、保護層46が設けられている。保護層46内には、例えば、読み出し電極41A上に遮光膜47が設けられている。保護層46の上方には、平坦化層(図示せず)やオンチップレンズ48等の光学部材が配設されている。
半導体基板30の第1面30S1と第2面30S2との間には、貫通電極36が設けられている。有機光電変換部40は、この貫通電極36を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampと、フローティングディフュージョンFD1を兼ねるリセットトランジスタRST(リセットトランジスタTr1rst)の一方のソース/ドレイン領域36Bに接続されている。これにより、光電変換素子10では、半導体基板30の第1面30S1側の有機光電変換部40で生じた電荷を、貫通電極36を介して半導体基板30の第2面30S2側に良好に転送し、特性を高めることが可能となっている。
上述した撮像素子1は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
図18は、本技術を適用した電子機器としての撮像装置(撮像装置201)の構成例を示したブロック図である。
図18に示した撮像装置201は、光学系202、シャッタ装置203、固体撮像素子204、制御回路20、信号処理回路206、モニタ207およびメモリ208を備えており、静止画像および動画像を撮像可能なものである。
光学系202は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像素子204に導き、固体撮像素子204の受光面に結像させる。
シャッタ装置203は、光学系202と固体撮像素子204との間に配置され、制御回路205の制御に従って、固体撮像素子204への光照射期間および遮光期間を制御する。
固体撮像素子204は、上述した撮像素子1を含むパッケージにより構成されている。固体撮像素子204は、光学系202およびシャッタ装置203を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像素子204に蓄積された信号電荷は、制御回路205から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
制御回路205は、固体撮像素子204の転送動作およびシャッタ装置203のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像素子204およびシャッタ装置203を駆動する。
信号処理回路206は、固体撮像素子204から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路206が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ207に供給されて表示されたり、メモリ208に供給されて記憶(記録)されたりする。
(適用例2)
図19は、反射型表示装置2の概略構成を表したものである。反射型表示装置2は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせる電気泳動型ディスプレイであり、駆動基板60と対向基板70との間に設けられる表示層には、電気泳動素子(電気泳動素子80)が用いられている。上記第1の実施の形態等の酸化物半導体膜のエッチング方法は、例えば、対向基板70を構成する対向電極72の加工において好適に用いられる。なお、図19は反射型表示装置2の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる。
図19は、反射型表示装置2の概略構成を表したものである。反射型表示装置2は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせる電気泳動型ディスプレイであり、駆動基板60と対向基板70との間に設けられる表示層には、電気泳動素子(電気泳動素子80)が用いられている。上記第1の実施の形態等の酸化物半導体膜のエッチング方法は、例えば、対向基板70を構成する対向電極72の加工において好適に用いられる。なお、図19は反射型表示装置2の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる。
反射型表示装置2は、例えば、図19に示したように、駆動基板60と対向基板70とが電気泳動素子80を介して対向配置されたものであり、対向基板70側に表示面を有している。この「対向基板70側に表示面を有する」とは、対向基板70側に向かって画像を表示する(ユーザが対向基板70側から画像を視認可能である)という意味である。
駆動基板60は、例えば、支持基体61の一面に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)62と、保護層63と、平坦化絶縁層64と、画素電極65とがこの順に形成されたものである。TFT62および画素電極65は、例えば、画素パターン等に応じてマトリクス状またはセグメント状に分割配置および分割形成されている。
対向基板70は、例えば、支持基体71および対向電極72を有し、この対向電極72は支持基体71の駆動基板60との対向面に設けられている。対向電極72は、画素電極65と同様に、マトリクス状またはセグメント状に配置するようにしてもよい。
電気泳動素子80は、図19に示したように、絶縁性液体81中に、泳動粒子82および多孔質層83を備えている。泳動粒子82は、絶縁性液体81中に分散されており、多孔質層83は、例えば、繊維状構造体および非泳動粒子を含んで構成され、複数の細孔833を有している。駆動基板60と対向基板70との間には、例えば、駆動基板60と対向基板70との間の空間を保持すると共に、例えば、駆動基板60と対向基板70との間の空間を画素ごとに区画する隔壁85が設けられている。
なお、図19に示した反射型表示装置2の構成は一例であり、種々の変形が可能である。例えば、対向基板70の表示面側には、例えば、非可視領域の波長を可視領域の波長に変換する波長変換層等の光学部材を設けるようにしてもよい。
なお、上記適用例1として図16に示した撮像素子1は、例えば、以下の製品へ応用することができる。
(適用例3)
<内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
<内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図20は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図20では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図21は、図20に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部11402に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、検出精度が向上する。
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
(適用例4)
<移動体への応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
<移動体への応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図22は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図22に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図22の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図22は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図22では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図22には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、第1〜第6の実施の形態を挙げて説明したが、本開示内容はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
なお、本開示の酸化物半導体膜のエッチング方法は、以下のような構成であってもよい。以下の構成の本技術によれば、例えば、還元性ガスを用いて酸化物半導体膜の表面にエッチング速度の高い還元層を形成し、希ガスを用いて還元層をスパッタするようにしたので、酸化物半導体膜の加工速度を向上させることが可能となる。また、水素(H)を含有する第1のガスと、酸素(O)を含有する第2のガスとを用い、第1のガスおよび第2のガスをプラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタするようにしたので、エッチング前後における酸化物半導体膜の組成変化が抑制され、特性劣化の少ないエッチングが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
(1)
還元性ガスを用いて酸化物半導体膜に還元層を形成し、
希ガスを用いて前記還元層をスパッタする
酸化物半導体膜のエッチング方法。
(2)
前記還元性ガスを前記酸化物半導体膜に照射したのち、前記希ガスを前記酸化物半導体膜に照射する、前記(1)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(3)
前記還元性ガスおよび前記希ガスを混合して前記酸化物半導体膜に照射する、前記(1)または(2)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(4)
前記還元性ガスおよび前記希ガスをこの順に繰り返し前記酸化物半導体膜に照射する、前記(1)または(2)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(5)
前記還元層は、前記還元性ガスの照射による前記酸化物半導体膜からの酸素原子の脱離によって形成される、前記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(6)
前記還元性ガスは、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、エチレン(C2H4)、ブタン(C4H10)、ジボラン(B2H6)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、四塩化ケイ素(SiCl4)および三塩化ホウ素(BCl3)のうちの少なくとも1種を用いる、前記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(7)
前記還元性ガスのプラズマ密度は1E+10cm−3以下である、前記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(8)
前記希ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)のうちの少なくとも1種を用いる、前記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(9)
前記酸化物半導体膜は、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、インジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、ニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物、YbFe2O4構造を有する酸化物、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物およびニッケル酸化物のうちのいずれかを含む、前記(1)乃至(8)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(10)
水素(H)を含有する第1のガスと、酸素(O)を含有する第2のガスとを用い、
前記第1のガスおよび前記第2のガスを、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタする
酸化物半導体膜のエッチング方法。
(11)
前記第1のガスを前記酸化物半導体膜に照射したのち、前記第2のガスを前記酸化物半導体膜に照射する、前記(10)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(12)
前記第1のガスおよび前記第2のガスを混合して前記酸化物半導体膜に照射する、前記(10)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(13)
前記第1のガスおよび前記第2のガスをこの順に繰り返し前記酸化物半導体膜に照射する。前記(10)または(11)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(14)
前記第1のガスとして、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、ジボラン(B2H6)および少なくとも分子内に炭素(C)および水素(H)を含む炭化水素ガスのうちの少なくとも1種を用いる、前記(10)乃至(13)のうちもいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(15)
前記第2のガスとして、酸素(O2)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2)のうちの少なくとも1種を用いる、前記(10)乃至(14)のうちもいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(16)
酸化物半導体膜の表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する
酸化物半導体加工物。
(17)
前記表面の少なくとも一部およびその近傍には、内部よりも粒界密度の高い粒界層が設けられている、前記(16)に記載の酸化物半導体加工物。
(18)
前記粒界層は、前記酸化物半導体膜の表面から20nm以内の範囲に形成されている、前記(17)に記載の酸化物半導体加工物。
(19)
前記酸化物半導体膜は、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、インジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、ニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物、YbFe2O4構造を有する酸化物、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物およびニッケル酸化物のうちのいずれかを含む、前記(16)乃至(18)のうちもいずれかに記載の酸化物半導体加工物。
(20)
酸化物半導体膜を備え、
前記酸化物半導体膜は、表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する
電子デバイス。
(1)
還元性ガスを用いて酸化物半導体膜に還元層を形成し、
希ガスを用いて前記還元層をスパッタする
酸化物半導体膜のエッチング方法。
(2)
前記還元性ガスを前記酸化物半導体膜に照射したのち、前記希ガスを前記酸化物半導体膜に照射する、前記(1)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(3)
前記還元性ガスおよび前記希ガスを混合して前記酸化物半導体膜に照射する、前記(1)または(2)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(4)
前記還元性ガスおよび前記希ガスをこの順に繰り返し前記酸化物半導体膜に照射する、前記(1)または(2)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(5)
前記還元層は、前記還元性ガスの照射による前記酸化物半導体膜からの酸素原子の脱離によって形成される、前記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(6)
前記還元性ガスは、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、エチレン(C2H4)、ブタン(C4H10)、ジボラン(B2H6)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、四塩化ケイ素(SiCl4)および三塩化ホウ素(BCl3)のうちの少なくとも1種を用いる、前記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(7)
前記還元性ガスのプラズマ密度は1E+10cm−3以下である、前記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(8)
前記希ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)のうちの少なくとも1種を用いる、前記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(9)
前記酸化物半導体膜は、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、インジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、ニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物、YbFe2O4構造を有する酸化物、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物およびニッケル酸化物のうちのいずれかを含む、前記(1)乃至(8)のうちのいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(10)
水素(H)を含有する第1のガスと、酸素(O)を含有する第2のガスとを用い、
前記第1のガスおよび前記第2のガスを、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタする
酸化物半導体膜のエッチング方法。
(11)
前記第1のガスを前記酸化物半導体膜に照射したのち、前記第2のガスを前記酸化物半導体膜に照射する、前記(10)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(12)
前記第1のガスおよび前記第2のガスを混合して前記酸化物半導体膜に照射する、前記(10)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(13)
前記第1のガスおよび前記第2のガスをこの順に繰り返し前記酸化物半導体膜に照射する。前記(10)または(11)に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(14)
前記第1のガスとして、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、ジボラン(B2H6)および少なくとも分子内に炭素(C)および水素(H)を含む炭化水素ガスのうちの少なくとも1種を用いる、前記(10)乃至(13)のうちもいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(15)
前記第2のガスとして、酸素(O2)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2)のうちの少なくとも1種を用いる、前記(10)乃至(14)のうちもいずれかに記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
(16)
酸化物半導体膜の表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する
酸化物半導体加工物。
(17)
前記表面の少なくとも一部およびその近傍には、内部よりも粒界密度の高い粒界層が設けられている、前記(16)に記載の酸化物半導体加工物。
(18)
前記粒界層は、前記酸化物半導体膜の表面から20nm以内の範囲に形成されている、前記(17)に記載の酸化物半導体加工物。
(19)
前記酸化物半導体膜は、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、インジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、ニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物、YbFe2O4構造を有する酸化物、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物およびニッケル酸化物のうちのいずれかを含む、前記(16)乃至(18)のうちもいずれかに記載の酸化物半導体加工物。
(20)
酸化物半導体膜を備え、
前記酸化物半導体膜は、表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する
電子デバイス。
11…支持基材、12…酸化物半導体膜、12M…還元層、12G…粒界層、21…レジスト膜、G1…還元性ガス、G2…希ガス、G3…水素含有ガス、G4…酸素含有ガス。
Claims (20)
- 還元性ガスを用いて酸化物半導体膜に還元層を形成し、
希ガスを用いて前記還元層をスパッタする
酸化物半導体膜のエッチング方法。 - 前記還元性ガスを前記酸化物半導体膜に照射したのち、前記希ガスを前記酸化物半導体膜に照射する、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記還元性ガスおよび前記希ガスを混合して前記酸化物半導体膜に照射する、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記還元性ガスおよび前記希ガスをこの順に繰り返し前記酸化物半導体膜に照射する、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記還元層は、前記還元性ガスの照射による前記酸化物半導体膜からの酸素原子の脱離によって形成される、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記還元性ガスとして、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、エチレン(C2H4)、ブタン(C4H10)、ジボラン(B2H6)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、四塩化ケイ素(SiCl4)および三塩化ホウ素(BCl3)のうちの少なくとも1種を用いる、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記還元性ガスのプラズマ密度は1E+10cm−3以下である、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記希ガスとして、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)のうちの少なくとも1種を用いる、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記酸化物半導体膜は、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、インジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、ニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物、YbFe2O4構造を有する酸化物、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物およびニッケル酸化物のうちのいずれかを含む、請求項1に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 水素(H)を含有する第1のガスと、酸素(O)を含有する第2のガスとを用い、
前記第1のガスおよび前記第2のガスを、それぞれ、プラズマ化して酸化物半導体膜をスパッタする
酸化物半導体膜のエッチング方法。 - 前記第1のガスを前記酸化物半導体膜に照射したのち、前記第2のガスを前記酸化物半導体膜に照射する、請求項10に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記第1のガスおよび前記第2のガスを混合して前記酸化物半導体膜に照射する、請求項10に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記第1のガスおよび前記第2のガスをこの順に繰り返し前記酸化物半導体膜に照射する。請求項10に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記第1のガスとして、水素(H2)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、過酸化水素(H2O2)、ジボラン(B2H6)および少なくとも分子内に炭素(C)および水素(H)を含む炭化水素ガスのうちの少なくとも1種を用いる、請求項10に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 前記第2のガスとして、酸素(O2)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2)のうちの少なくとも1種を用いる、請求項10に記載の酸化物半導体膜のエッチング方法。
- 酸化物半導体膜の表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する
酸化物半導体加工物。 - 前記表面の少なくとも一部およびその近傍には、内部よりも粒界密度の高い粒界層が設けられている、請求項16に記載の酸化物半導体加工物。
- 前記粒界層は、前記酸化物半導体膜の表面から20nm以内の範囲に形成されている、請求項17に記載の酸化物半導体加工物。
- 前記酸化物半導体膜は、酸化インジウム、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム酸化物(IGO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO,In−GaZnO4)、インジウム−錫−亜鉛酸化物(ITZO)、IFO(FドープのIn2O3)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム−亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム−亜鉛酸化物(GZO)、酸化チタン(TiO2)、ニオブ−チタン酸化物(TNO)、酸化アンチモン、スピネル型酸化物、YbFe2O4構造を有する酸化物、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物およびニッケル酸化物のうちのいずれかを含む、請求項16に記載の酸化物半導体加工物。
- 酸化物半導体膜を備え、
前記酸化物半導体膜は、表面の少なくとも一部およびその近傍と、内部との間で、組成変化なく、且つ、異なる粒界密度を有する
電子デバイス。
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WO2022055712A1 (en) * | 2020-09-08 | 2022-03-17 | Applied Materials, Inc. | Methods for selective dry etching gallium oxide |
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2019
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022055712A1 (en) * | 2020-09-08 | 2022-03-17 | Applied Materials, Inc. | Methods for selective dry etching gallium oxide |
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