JP2020112743A - ディスプレイ用印刷物 - Google Patents

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正 藤本
Tadashi Fujimoto
正 藤本
勝丈 澤野
Katsutake Sawano
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Abstract

【課題】ディスプレイ用印刷物において、印刷像の粒状感を改善し、スムースな階調表現を可能とする。【解決手段】光源パネル10上に保持されて使用されるディスプレイ用印刷物1は、第1の印刷像8aが印刷された第1のインク受容層3aと、該第1の印刷像8aに対応する第2の印刷像8bが印刷された第2のインク受容層3bとを備える。第1の印刷像8aは光源パネル10側に位置する一方、第2の印刷像8bは光源パネル10から離れた側に位置している。第1のインク受容層3aにおけるインク受容面と第2のインク受容層3bにおけるインク受容面との間隔dは220μm以上350μm以下の範囲内にある。【選択図】図1

Description

本発明は、光源パネル上に保持されて使用されるディスプレイ用印刷物に関する。
化粧品売場等では、広告宣伝のために、コルトン等の印刷物の裏面から光を照射する内照式ディスプレイが広く使用されている。内照式ディスプレイに使用されるディスプレイ用印刷物には、2つの同一の印刷像が重ね合わされた構造のものが使用されることが多い。
例えば、特許文献1には、写真用印画フィルムに関する発明を開示する。この写真用印画フィルムは、半透明のフィルムを支持体とし、この支持体の両面に感光乳剤を塗布してなる。かかる構成によれば、透過光又は反射光のいずれによっても、すなわち、前面又は背面のいずれからの照明によっても、鮮明な画像を得ることができると記載されている。
特開昭59−222835号公報
ところで、ディスプレイ用印刷物の印刷像の粒状感が悪いと、観察者にざらついた印象を与えてしまう。特に、化粧品売場で使用される広告宣伝用のディスプレイ用印刷物は、人肌を被写体とするため、印刷像の粒状感が悪いことは、好ましくない。特にインクジェットプリンタ向け膨潤タイプ受容層は光透過率が高く、高輝度の画像が得られるが、印刷時にインクの凝集が発生しやすく粒状感が悪化する問題があった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ディスプレイ用印刷物において、印刷像の粒状感を改善し、スムースな階調表現を可能とすることにある。
本発明に係るディスプレイ用印刷物は、光源パネル上に保持されて使用されるディスプレイ用印刷物であって、第1の印刷像が印刷された第1のインク受容層と、前記第1の印刷像に対応する第2の印刷像が印刷された第2のインク受容層とを備え、前記第1の印刷像は光源パネル側に位置する一方、前記第2の印刷像は光源パネルから離れた側に位置しており、前記第1のインク受容層におけるインク受容面と前記第2のインク受容層におけるインク受容面との間隔dは220μm以上350μm以下の範囲内にある。
本発明のディスプレイ用印刷物においては、以下の態様が好ましい。
(1)前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層は透明であり、前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層は透明な基材シートの両面にそれぞれ前記インク受容面を外側に向けて互いに背向するように設けられている。
(2)前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層は透明であり、前記第1のインク受容層は透明な第1の基材シートに設けられている一方、前記第2のインク受容層は透明な第2の基材シートに設けられている。
尚、本明細書において、「透明」とは、500μmの厚みで可視光に対する光線透過率が85%以上であることを意味する。
本発明によれば、印刷像の粒状感が改善され、またスムースな階調表現も可能となる。その理由は定かではないが、本発明者等は以下のように推察している。
即ち、インク受容面間に適度な間隔d(220μm以上350μm以下)を設けることで、光源パネル側から入る光が拡散、屈折等を起こして複雑に透過することにより、光源パネル側の印刷像の拡散した透過光と、光源パネルから離れた側の印刷像の反射光及び透過光とが重なって見える。これにより、観察者に、印刷像の粒状感が良い印象を与える。
図1は、構造Aのタイプのディスプレイ用印刷物を示す概略断面図である。 図2は、構造Bのタイプのディスプレイ用印刷物を示す概略断面図である。 図3は、構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物を示す概略断面図である。
本発明を説明する前に、本発明を想到するに至った経緯を説明する。
ディスプレイ用印刷物は、パソコンで編集・作成された画像、手描き画像、カメラ(スマートフォン等のカメラ機能付デバイスやデジタルカメラを含む)で撮影された画像又はこれらの組み合わせを印刷対象画像としたものであり、光源パネル上に保持されて使用され、例えばコルトン等に好適に適用されるものである。
ディスプレイ用印刷物の印刷像は、光源パネル側からの透過光と、光源パネルとは反対側からの反射光によって、人々に視認される。
ところで、今日、あらゆる印刷物は、インクジェット方式により印刷されることが多い。しかし、一部の分野、例えば、化粧品売場における広告宣伝のための内照式ディスプレイに使用されるディスプレイ用印刷物は、依然として、ラムダ方式等のデジタル銀塩方式により印刷されることが多い。
即ち、化粧品売場で広告宣伝用に使用されるディスプレイ用印刷物は、人肌を被写体とするため、印刷像の良好な粒状感が求められる。しかし、インクジェット方式は、銀塩方式に比べて、印刷像の粒状感に劣るため、当該分野におけるインクジェット方式の適用は敬遠されている。尚、本明細書において、「粒状感」とは、印刷物に印刷された印刷像が観察者に与えるざらつき感のようなものである。即ち、「粒状感がよい」とは観察者から見てざらつきが目立ちにくいことをいい、「粒状感が悪い」とは観察者から見てざらつきが目立ちやすいことをいう。インクジェット方式による印刷像は、インクの粒の集合により形成されているので、インクのドットが粒状に観察される場合がある。特に膨潤タイプの受容層は光透過率が高く、高輝度の画像が得られるが、印刷時にインクの凝集が発生しやすく粒状感が悪化する傾向があった。
そこで、本発明者らは、種々検討した結果、印刷像の粒状感を改善し、スムースな階調表現を可能とするために、ディスプレイ用印刷物における2つのインク受容面間の間隔を所定の範囲内にするという構造に想到した。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るディスプレイ用印刷物の構造を示した概略断面図である。本実施形態において、ディスプレイ用印刷物は、詳細は後述するが、その積層構造によって、構造A〜Cのタイプがある。図1は構造Aのタイプのディスプレイ用印刷物1Aを、図2は構造Bのタイプのディスプレイ用印刷物1Bを、図3は構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cを、それぞれ示す。
図1に示すように、構造Aのタイプのディスプレイ用印刷物1Aは、第1のインク受容層3a及び第2のインク受容層3bを有している。裏側(光源パネル10側)に位置する方が第1のインク受容層3aであり、表側(光源パネル10から離れた側)に位置する方が第2のインク受容層3bである。尚、本明細書では、光源パネル10側を裏側、光源パネル10から離れた側を表側としている。
図1に示すように、第1のインク受容層3a及び第2のインク受容層3bは、それぞれ第1の基材シート5a及び第2の基材シート5b上に形成されている(第1のインク受容層3aは第1の基材シート5aに設けられている一方、第2のインク受容層3bは第2の基材シート5bに設けられている)。以下、第1のインク受容層3aが第1の基材シート5a上に形成されたものを第1の印刷シート7aと、第2のインク受容層3bが第2の基材シート5b上に形成されたものを第2の印刷シート7bと呼ぶ。
第1のインク受容層3aの印刷面(インク受容面)11aには、インクジェット印刷により、第1の印刷像8aが印刷されている。同様に、第2のインク受容層3bの印刷面(インク受容面)11bには、インクジェット印刷により、第2の印刷像8bが印刷されている。即ち、第1の印刷像8aは裏側(光源パネル10側)に位置する一方、第2の印刷像8bは表側(光源パネル10から離れた側)に位置している。以下、第1の印刷シート7aに第1の印刷像8aが印刷されたものを第1の印刷済みシート9aと、第2の印刷シート7bに第2の印刷像8bが印刷されたものを第2の印刷済みシート9bと呼ぶ。
図1に示すように、ディスプレイ用印刷物1Aは、第2の印刷済みシート9bの印刷面11bが表側を向き、この印刷面11bとは反対側の面である第2の印刷済みシート9bの裏側面12bと第1の印刷済みシート9aの印刷面11aとが互いに対向するように積層され、第1の印刷済みシート9aの裏側面12aが光源パネル10側に向いている。また、第1の印刷済みシート9aと第2の印刷済みシート9bとの間には、粘着材層4が介在して貼り合せられている。この粘着材層4により、第1の印刷済みシート9aと第2の印刷済みシート9bとが一体となって固定されている。
図2は、構造Bのタイプのディスプレイ用印刷物1Bを示す。ディスプレイ用印刷物1Bは、第2の印刷済みシート9bの裏側面12bが表側を向き、第2の印刷済みシート9bの印刷面11bと第1の印刷済みシート9aの裏側面12aとが互いに対向するように積層されて貼り合せられて、第1の印刷済みシート9aの印刷面11aが光源パネル10側に向いている。尚、かかる構造の場合、第1の印刷像8a及び第2の印刷像8bを反転印刷により印刷する必要がある。
図3は、構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cを示す。ディスプレイ用印刷物1Cは、基材シート5cを共通として、該基材シート5cの両面に、第1のインク受容層3a及び第2のインク受容層3bが、それぞれ印刷面(インク受容面)11a,11bを外側に向けて互いに背向するように積層されている。即ち、第2のインク受容層3bがその印刷面11bを表側に向けて基材シート5cの表面に形成される一方、第1のインク受容層3aがその印刷面11aを裏側に向けて基材シート5cの裏面に形成されている。尚、かかる構造の場合、第1の印刷像8aを反転印刷により印刷する必要がある。
構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cにおいて、第1のインク受容層3a及び第2のインク受容層3bが基材シート5cの両面に形成されたものを印刷シート7cと呼び、印刷シート7cの両面に、第1の印刷像8a及び第2の印刷像8bが印刷されたものを印刷済みシート9cと呼ぶ。
尚、構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cは、1つの印刷済みシート9cからなる。構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cには、1つの基材シート5cの両面にインク受容層が形成されたもの(後述する実施例1、比較例1,2,3に相当)や、基材シートの片面のみにインク受容層が形成されたシートを2つ用意して、該シートのインク受容層が形成されていない面同士を粘着材で貼り合わせたもの(後述する実施例2に相当)等が含まれる。前者の場合、粘着材層4を有さないが、後者の場合、両シート間に粘着材層4を有する。後者の場合では、基材シート同士が粘着材で貼り合わされたもの(基材シート同士が粘着材層4を介して一体となったもの)を、基材シート5cとする。
インク受容層3a,3bとしては、印刷後に適度に光を透過し得るものであれば、材料は任意でよい。例えば、透明のいわゆる膨潤タイプと呼ばれるものでもよい。この場合、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、等を用いることができる。
基材シート5a,5b,5cとしては、印刷後に適度に光を透過し得るものであれば、材料は任意でよい。具体的には、パルプ紙又は以下の樹脂等からなる樹脂製フィルム乃至シートを用いることができる。
ビニル系樹脂、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等;
アクリル系樹脂、例えばポリ(メタ)アクリレート等;
ポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等;
ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート等;
或いは、ガラス繊維、ポリ酢酸ビニル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等の繊維状物からなる織布又は不織布を用いることもできる。基材シート5a,5b,5cは、これらを2種類以上積層した積層フィルム乃至シートであってもよい。
インクジェット印刷は公知の方法により行えばよい。即ち、印刷対象画像を、必要に応じて公知の画像編集ソフト、例えばアドビシステムズ(株)製Adobe Photoshop CS6(登録商標)で明度調整し、公知のインクジェットプリンタで印刷すればよい。プリンタとしては非接触式のものが好ましい。印刷用インクとしては、印刷後に得られる印刷済みシート9a,9b,9cの光透過性を損なわない限り、染料系、顔料系問わず任意のインクジェット用インクを使うことができる。但し、人肌や宝石など、繊細な表現が必要な場合には水性顔料系インクジェットが特に好ましい。
印刷シート7a,7bに設けられる印刷像8a,8bは、印刷対象画像そのものを印刷したものであってよく、或いは、印刷対象画像を所望の明度に調整した画像を印刷したものであってもよい。また、例えば、第1の印刷像8aは印刷対象画像そのものを印刷したものとする一方、第2の印刷像8bは印刷対象画像を所望の明度に調整した画像を印刷したものとしてもよく、或いはこれの逆でもよい。このように、第1の印刷像8aと第2の印刷像8bは、同一の印刷対象画像をベースにしていれば、明度等が多少異なっていてもよい。即ち、第1の印刷像8aと第2の印刷像8bは、互いに対応していればよい。
尚、本明細書において「明度」とは、具体的には、L*a*b*表色系における明度L*を意味する。明度は、分光色差計、例えば日本電色工業(株)製NF555を用いて測定することができる。印刷像同士で明度を比較する場合、特に断りが無い限り、標準白色板を試験片の裏側にセットした状態で像の中で最も明度の高い部分同士を比べるものとする。
光源パネル10としては、特に制限されず公知のものを各種用いることができるが、一般的には、多数のLEDを配列した面状LEDパネルを用いることが好ましい。面状LEDパネルの輝度は、500〜5000cd/cmが好ましく、特に800〜4000cd/cmがより好ましい。面状LEDパネルの輝度が高すぎると、印刷物の明度が最も低い部分の透過光が多くなり、画像のリアリティが失われるおそれがある。面状LEDパネルの輝度が低すぎると、印刷物の明度が最も高い部分の透過光が少なくなり、反射光のみの画像となり、立体感や奥行き感が発揮されないおそれがある。
図1〜図3において、D1は印刷像8aのインク受容層3aへのインク浸透深さを示し、D2は印刷像8bのインク受容層3bへのインク浸透深さを示す。
第1のインク受容層3aにおける印刷面(インク受容面)11aと第2のインク受容層3bにおける印刷面(インク受容面)11bとの間隔dは220μm以上350μm以下の範囲内にある。これにより、印刷像の粒状感が改善され、またスムースな階調表現も可能となる。
即ち、インク受容面11a,11b間に適度な間隔d(220μm以上350μm以下)を設けることで、裏側(光源パネル10側)から入る光が拡散、屈折等を起こして複雑に透過することにより、裏側(光源パネル10側)の印刷像8aの拡散した透過光と、表側(光源パネル10から離れた側)の印刷像8bの反射光及び透過光とが重なって見えると考えられる。これにより、観察者に、印刷像の粒状感が良い印象を与えると考えられる。
間隔dを上記の範囲内にするためには、印刷(済み)シート7a,7b,7c(9a,9b,9c)の厚みを調整したり、インク受容層3a,3bの表裏の向きを調整したりすればよい。
印刷シート7a,7b,7cは、透明であることが好ましい。即ち、インク受容層3a,3b及び基材シート5a,5b,5cは、透明であることが好ましい。また、粘着材層4を有する場合には、粘着材層4も、透明であることが好ましい。尚、前述したように、「透明」とは、500μmの厚みで可視光に対する光線透過率が85%以上であることを意味する。
インク受容層3a,3b、基材シート5a,5b,5c(及び有する場合には粘着材層4)を透明とすることで、これらが透明でない場合に比べて、明度が高い部分での明度がより高くなる。これにより、明度が高い部分(ハイライト)と明度が低い部分(シャドウ)との間のダイナミックレンジ(輝度差)が広がる。従って、観察者に、印刷像に立体感があるような印象を与える。
本発明のディスプレイ用印刷物は、上記の構成の他にも、種々の態様を採ることができる。
例えば、第2のインク受容層3bの印刷面11b上に公知の透明樹脂からなる保護層を設けてもよい。
また、印刷済みシート9a,9b,9c以外に更に印刷済みシートを積層して貼り合せてもよい。このとき、間隔dは、任意の2つの印刷面(インク受容面)間の間隔とすればよく、これが220μm以上350μm以下の範囲内にあればよい。
また、印刷方式として、インクジェット方式に限らず、例えば、レーザー方式でもよい。レーザー方式の場合でも、間隔dを220μm以上350μm以下の範囲内にすることで、粒状感を改善し、スムースな階調表現が可能となる。
本実施形態に係るディスプレイ用印刷物を光源パネル10上に保持してディスプレイを作成し、裏面側から光を照射すると、観察者は、第1の印刷像8aと第2の印刷像8bが重なり合ってできる印刷像を視認する。
ここで、印刷面(インク受容面)11a,11b間に適度な間隔d(220μm以上350μm以下)を設けることで、裏側(光源パネル10側)から入る光が拡散、屈折等を起こして複雑に透過することにより、裏側(光源パネル10側)の印刷像8aの拡散した透過光と、表側(光源パネル10から離れた側)の印刷像8bの反射光及び透過光とが重なって見える。これにより、観察者に、印刷像の粒状感が良い印象を与える。そして、印刷像の粒状感が改善され、またスムースな階調表現も可能となる。
従って、化粧品売場で広告宣伝のために使用される人肌を被写体とするディスプレイ用印刷物として、好適に利用できる。
加えて、インク受容層3a,3b、基材シート5a,5b,5c(及び有する場合には粘着材層4)を透明とすることで、これらが透明でない場合に比べて、明度が高い部分での明度がより高くなる。これにより、明度が高い部分(ハイライト)と明度が低い部分(シャドウ)との間のダイナミックレンジ(輝度差)が広がる。従って、観察者に、印刷像に立体感があるような印象を与える。
また、構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cを採用することで、簡易な構成とすることができる。
本発明の優れた効果を、次の実施例で説明する。
<評価基準>
プロ写真家の監修の元、評価者の評価レベリングを行った上、9名の評価者が階調表現(粒状感)、鮮明度、シャドウ隠ぺい力の3項目を1から5の5段階で各々評価し、各項目の評価結果の最小値、最大値及び平均値を求めた。尚、数値が大きい方が好評価である。
<評価方法>
ディスプレイ用印刷物の裏面(第1の印刷像8a側の面)に光源パネル10(LEDアクリルパネル、FREESHINE社製、有効画面寸法:285×406mm、色温度:6000K、照度:約5000Lx)を設置し、LEDライトを点灯した状態で、各評価者が表側(第2の印刷像8b側)から目視で評価した。尚、評価に際しては、実施例と比較例で画像の明るさを一定となるようにLEDライトの光量を調整した。
<ディスプレイ用印刷物の製造>
基材シートとしては、表1に示す市販の透明のPETシートを用いた。基材シート(PETシート)は、インク受容層を片面に有するタイプのもの(基材シート(IV))と、インク受容層を有さないタイプのもの(基材シート(I)〜(III))の2種類を用いた。基材シートの両面に印刷が可能となるように、受容層のない面には全てコロナ処理をした後、後述する膨潤タイプの受容層を塗り付けた。基材シート(I)〜(IV)の物性、入手先等は、表1に示す通りである。
Figure 2020112743
以下、製造方法、使用材料、測定方法の詳細を示す。
<コロナ処理及びインク受容層塗布の方法>
基材シートをA2にカットし、インク受容層用の樹脂塗工前処理として濡れ性向上のためコロナ放電処理を行い表面の濡れ張力を54mN/mとした。当該処理を施した基材シートにドクターナイフコーターを用いてインク受容層用の膨潤タイプ樹脂(高松油脂(株)製、商品名:NS−625XC)を均一にコートし、送風乾燥器中に入れ60℃で30分間乾燥させて印刷シートを得た。
<厚み、ヘイズ値、光透過率の測定方法>
各印刷シートの厚みはダイヤルゲージを用い、インク受容層の厚みは、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製VH−Z100UR)を用いて測定した。尚、詳細は後述するが、本実施例及び比較例に係るディスプレイ用印刷物は、全て構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cである。つまり、印刷面(インク受容面)11a,11b間の間隔dは、印刷シート7cの厚みと同じである。従って、印刷シート7cを得た後、該印刷シート7cの厚みを測定することによって、上記間隔dを測定した。
また、ヘイズ値及び光透過率は、各印刷シートからインク受容層又は基材シート(及び有する場合には糊層)を除去して、基材シートのみ、或いはインク受容層のみを得て、これをヘイズメーター(スガ試験機(株)製HZ−V3)を使用して測定した。尚、光透過率はJIS K 7361に、ヘイズ値はJIS K 7136に準拠して測定した。
<インクの種類、インク浸透深さの測定方法>
使用したインクは顔料成分が分散されたタイプのものである。インク浸透深さD1,D2は、印刷後のシートの一部を切断し、その切断面からデジタルマイクロスコープ(キーエンス製VH−Z100UR)を用いてインク受容層を観察し、着色部分の厚みから求めた。
<インクの種類、光源パネルへのセット方法>
本実施例及び比較例で得られたディスプレイ用印刷物は、プリント後、下記実施例に記載した画像サイズに切取り、アクリル粘着材で光源パネル10へ貼り付けた。尚、本実施例で用いたアクリル粘着剤は、全てリンテック(株)製TL−450S−16とした。
<実施例1>
画像サイズをA3として、表1記載の基材シート(II)を用いて当該基材シート(II)の両面へコロナ処理をした後、膨潤タイプの受容層3a,3bを塗布し、両面印刷シート7cを得た。その後、(株)セイコーエプソン製インクジェットプリンタ(品番:SC P9050)を用いて、ポートレート画像の反転データを両面印刷シート7cの第1面11aへプリントした後、当該シート7cの表裏を逆にし、第1面11aのプリント位置と重なるように、ポートレート画像の正転データを、第2面11bへプリントして構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cを得た。実施例1の性状を表2に、評価結果を表3に示す。
<比較例1>
実施例1において、基材シート(II)を基材シート(I)に変更した以外は全て同様にして比較例1を得た。比較例1の性状を表2に、評価結果を表3に示す。
<実施例2>
表1記載の基材シート(IV)を2枚用いてインク受容層の無い面同士を、アクリル系粘着剤を用いて貼り合せ、両面印刷シート7cを得た。得られた当該シート7cへの表面処理や印刷は実施例1と同様にして構造Cのタイプのディスプレイ用印刷物1Cを得た。実施例2の性状を表2に、評価結果を表3に示す。
<比較例2>
表1記載の基材シート(IV)のインク受容層の無い面へコロナ処理した後、膨潤タイプの受容層を塗布して両面印刷シート7cを得た。得られた当該シート7cへの表面処理や印刷は実施例1と同様にして比較例2を得た。比較例2の性状を表2に、評価結果を表3に示す。
<比較例3>
実施例1において、基材シート(II)を基材シート(III)に変更した以外は全て同様にして比較例3を得た。比較例3の性状を表2に、評価結果を表3に示す。
Figure 2020112743
Figure 2020112743
d.間隔
D1.インク浸透深さ
D2.インク浸透深さ
1A.ディスプレイ用印刷物
1B.ディスプレイ用印刷物
1C.ディスプレイ用印刷物
3a.第1のインク受容層
3b.第2のインク受容層
4.粘着材層
5a.第1の基材シート
5b.第2の基材シート
5c.基材シート
7a.第1の印刷シート
7b.第2の印刷シート
7c.印刷シート
8a.第1の印刷像
8b.第2の印刷像
9a.第1の印刷済みシート
9b.第2の印刷済みシート
9c.印刷済みシート
10.光源パネル
11a.印刷面(インク受容面)
11b.印刷面(インク受容面)
12a.裏側面
12b.裏側面

Claims (3)

  1. 光源パネル上に保持されて使用されるディスプレイ用印刷物であって、
    第1の印刷像が印刷された第1のインク受容層と、
    前記第1の印刷像に対応する第2の印刷像が印刷された第2のインク受容層とを備え、
    前記第1の印刷像は光源パネル側に位置する一方、前記第2の印刷像は光源パネルから離れた側に位置しており、
    前記第1のインク受容層におけるインク受容面と前記第2のインク受容層におけるインク受容面との間隔dは220μm以上350μm以下の範囲内にあるディスプレイ用印刷物。
  2. 請求項1において、
    前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層は透明であり、
    前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層は透明な基材シートの両面にそれぞれ前記インク受容面を外側に向けて互いに背向するように設けられているディスプレイ用印刷物。
  3. 請求項1において、
    前記第1のインク受容層及び前記第2のインク受容層は透明であり、
    前記第1のインク受容層は透明な第1の基材シートに設けられている一方、前記第2のインク受容層は透明な第2の基材シートに設けられているディスプレイ用印刷物。
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