JP2020112175A - 伝動ベルト - Google Patents

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博則 浅岡
Hironori Asaoka
博則 浅岡
悠 稲瀬
Yu Inase
悠 稲瀬
晃象 山本
Kozo Yamamoto
晃象 山本
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Takashi Kokubo
隆史 小窪
啓輔 二宮
Hirosuke Ninomiya
啓輔 二宮
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【課題】ベルト伝動機におけるプーリとエレメントとの接触部における冷却性を向上すること。【解決手段】複数のエレメントと径方向の外側に懸架されたリング抜け止めリングとを備え、無段変速機に用いられる伝動ベルトであって、ボス部およびディンプル部を備えることなく、サドル面からプーリとの当接部に延伸するリルの少なくとも一部を、リング抜け止めリングよりもプーリの径方向の内側に設け、リルは、伝動ベルトの進行方向に凸部および凹部を有し、エレメントの幅方向の外側になるほどプーリの径方向の外側に延伸し、リルによって前後に配置されたエレメントを押圧して動力伝達を行う構成を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、ベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトに関する。
特許文献1には、無段変速機に用いられる伝動ベルトで用いるエレメントにおいて、結束リングがエレメントから外れることを抑制するために、リング抜け止めリングを径方向外側に設けた凹型エレメントの構造が開示されている。
特開2017−180784号公報
しかしながら、上述した従来技術においては、リング抜け止めリングが径方向外側を塞いでいるため、内側から輸送されるオイルの排出を阻害してしまい、プーリとエレメントとの接触部における冷却性が低下する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、ベルト伝動機におけるプーリとエレメントとの接触部における冷却性を向上できる伝動ベルトを提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る伝動ベルトは、複数のエレメントと径方向の外側に懸架されたリング抜け止めリングとを備え、無段変速機に用いられる伝動ベルトであって、ボス部およびディンプル部を備えることなく、サドル面からプーリとの当接部に延伸するリルの少なくとも一部を、前記リング抜け止めリングよりも前記プーリの径方向の内側に設け、前記リルは、前記伝動ベルトの進行方向に凸部および凹部を有し、前記エレメントの幅方向の外側になるほど前記プーリの径方向の外側に延伸し、前記リルによって前後に配置された前記エレメントを押圧して動力伝達を行う構成を有することを特徴とする。
本発明に係る伝動ベルトによれば、リルを通じて冷却油を当接部側に供給して伝動ベルトの外側に排出できるので、プーリとエレメントとの接触部における冷却性を向上することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態による伝動ベルトをベルト式無段変速機のプーリに巻き掛けた状態を示す上面図(a)および側面図(b)である。 図2は、従来技術による伝動ベルトのエレメントを示す正面図である。 図3は、図2におけるIII−III線に沿った断面図であって、エレメントを複数重ねた状態を示す図である。 図4は、従来技術による問題点を説明するための平面図(a)および断面図(b)である。 図5は、本発明の一実施形態による伝動ベルトのエレメントを示す正面図である。 図6は、図5におけるVI−VI線に沿った断面図であって、エレメントを複数重ねた状態を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
本発明の一実施形態による伝動ベルトについて説明する前に、まず、本発明が適用される従来の伝動ベルトについて説明する。図1は、伝動ベルトが巻き掛けられたベルト伝動機を示す(a)上面図および(b)側面図である。図2は、従来技術による伝動ベルトにおけるエレメントの構成を示す正面図および一列リングの構成を示す断面図である。図3は、図2におけるIII−III線に沿った断面図である。
従来技術による伝動ベルト1は、二つのプーリの間で動力伝達を行う、例えばベルト式無段変速機(CVT)などのベルト伝動機のVベルトとして用いられる。図1に示すように、ベルト式無段変速機CVTにおいては、駆動プーリP1および従動プーリP2における固定シーブと可動シーブとにより形成されたプーリ溝Pvに伝動ベルト1が巻き掛けられている。伝動ベルト1は、駆動プーリP1および従動プーリP2との間で生じる摩擦力によってトルクを伝達する。これらの駆動プーリP1および従動プーリP2における可動シーブがプーリの軸方向(図1(a)の上下方向)に移動することによって、プーリ溝Pvの幅が連続的に変化して変速比を無段階に変化させる。プーリ溝Pvの幅を変化させる場合には、駆動プーリP1および従動プーリP2の可動シーブに油圧アクチュエータなどによって推力を付与する。なお、図示省略したが、駆動プーリP1および従動プーリP2のプーリ溝Pvの幅の変化に応じて、駆動プーリP1と従動プーリP2との間で、伝動ベルト1に芯ずれが生じる。
図1、図2、および図3に示すように、伝動ベルト1は、リング抜け止めリング(リテーナリング)11、帯状のフープ12、および例えば数百個の多数の板片状のエレメント13を備える。伝動ベルト1は、多数のエレメント13を互いに姿勢をそろえて配列し、フープ12によって環状に結束されることで構成される。
リテーナリング11は、帯状のフープ12がエレメント13から外れるのを抑制するためのリングである。一列リングとしてのフープ12は、多数のエレメント13を環状に結束して保持するための部材である。フープ12は、伝動ベルト1が駆動プーリP1および従動プーリP2に巻き掛かる際に、可撓性と抗張力とを兼ね備えることが要求される。伝動ベルト1の可撓性としては、巻き掛かり径を自在に変更可能にするために十分な可撓性が要求される。伝動ベルト1の抗張力は、動力伝達時に駆動プーリP1や従動プーリP2から受ける伝達トルクや挟圧力に対抗できる十分な抗張力が要求される。そのため、フープ12は、図4に示すように、例えばスチールバンドなどの可撓性のある金属製の帯状部材を、帯状部材の厚さ方向に複数枚重ね合わせて構成される。
エレメント13は、例えば、金属製の板片状の部材によって形成されている。エレメント13は、主要な構成要素として、ベース部14、サドル面15、第1ピラー部16、第2ピラー部17、第1フック部18、第2フック部19、ボス部20、およびディンプル部21を有する。
ベース部14は、エレメント13の本体部分を構成する。エレメント13の幅方向(図2の左右方向)におけるベース部14の一方の端部は、第1端部14aとなる。エレメント13の幅方向におけるベース部14の他方の端部は、第2端部14bとなる。図2に示すエレメント13においては、ベース部14の右側の端部が第1端部14aであり、左側の端部が第2端部14bである。第1端部14aの端面14c、および第2端部14bの端面14dはそれぞれ、プーリ溝Pvのテーパ面に対応して傾斜した傾斜面から構成される。端面14c,14dは、エレメント13のいわゆるフランク面であり、プーリ溝Pvに摩擦接触して駆動プーリP1および従動プーリP2と伝動ベルト1との間でトルクを伝達する。
サドル面15は、フープ12をエレメント13に組み付けた状態において、フープ12の内周面12aと接触する面である。サドル面15は、エレメント13の高さ方向(図2および図3の上下方向)におけるベース部14の上端側の端面14eに形成される。具体的には、ベース部14の第1端部14aに設けられる第1ピラー部16と、第2端部14bに設けられる第2ピラー部17との間の端面14eに、サドル面15が形成される。フープ12は、第1ピラー部16の内壁面と第2ピラー部17の内壁面との間であるピラー部の内側部分に挿通されている。
第1ピラー部16は、ベース部14の第1端部14aに、サドル面15上に立ち上がった状態で設けられている。第1ピラー部16は、ベース部14と一体に形成されている。第1端部14aは、エレメント13の幅方向におけるベース部14の一方(図2の右側)の端部の端面14cを含む周辺部分である。第1ピラー部16は、端面14cを含む第1端部14aから、高さ方向における斜め上方に延び出るように形成されている。すなわち、第1ピラー部16は、端面14cから連続的に、端面14cと同様の傾斜角度の傾斜面を持って、上方に延伸するように設けられている。
なお、第1ピラー部16は、必ずしも端面14cを含まないことも可能である。例えば、第1ピラー部16は、端面14cを含むことなく、第1端部14aからサドル面15と略垂直の高さ方向における上方に延伸するように設けられていてもよい。また、第1ピラー部16は、端面14cと連続せずに、上方に向かって起立するように設けられていてもよい。さらに、第1ピラー部16は、端面14cからエレメント13の中央側にずれた位置から、上方に向かって起立するように設けられていてもよい。
第2ピラー部17は、ベース部14の第2端部14bに、サドル面15上に立ち上がった状態で設けられている。第2ピラー部17は、ベース部14と一体に形成されている。第2端部14bは、エレメント13の幅方向におけるベース部14の他方(図2の左側)の端部の端面14dを含む周辺部分である。第2ピラー部17は、端面14dを含む第2端部14bから、高さ方向における斜め上方に延び出るように形成されている。すなわち、第2ピラー部17は、端面14dから連続的に、端面14dと同様の傾斜角度の傾斜面を持って、上方に延伸するように設けられている。
なお、第2ピラー部17は、必ずしも端面14dを含まないことも可能である。例えば、第2ピラー部17は、端面14dを含むことなく、第2端部14bからサドル面15と略垂直の高さ方向における上方に延伸するように設けられていてもよい。また、第2ピラー部17は、端面14dと連続せずに、上方に向かって起立するように設けられていてもよい。さらに、第2ピラー部17は、端面14dからエレメント13の中央側にずれた位置から、上方に向かって起立するように設けられていてもよい。
第1フック部18は、第1ピラー部16からエレメント13の幅方向におけるベース部14の中央側に向かって延び出るように設けられている。第1フック部18は、具体的に、ベース部14の高さ方向における第1ピラー部16の上端部から、ベース部14の中央側に向かって突出している。第1フック部18は、第1ピラー部16およびベース部14と一体に形成されている。
第2フック部19は、第2ピラー部17からエレメント13の幅方向におけるベース部14の中央側に向かって延び出るように設けられている。第2フック部19は、具体的に、ベース部14の高さ方向における第2ピラー部17の上端部から、ベース部14の中央側に向かって突出している。第2フック部19は、第2ピラー部17およびベース部14と一体に形成されている。
エレメント13のベース部14には、ボス部20およびディンプル部21が設けられている。ボス部20は、エレメント13のベース部14の中央部分に設けられている。ボス部20は、具体的に、ベース部14の板厚方向(図3の左右方向)に沿った前方である前面14fから外部に突出している。ボス部20は、フープ12とエレメント13とを組み付けた状態で隣接する、他のエレメント13のディンプル部21と緩く嵌まり合うように設けられている。ディンプル部21は、エレメント13のベース部14の中央部分に形成されている。ディンプル部21は、具体的に、ベース部14の板厚方向に沿った後方である後面14gから内部にくぼんだ凹部から構成される。ディンプル部21は、エレメント13とフープ12とを組み付けた状態で隣接する、他のエレメント13のボス部20と緩く嵌まり合うように形成されている。したがって、伝動ベルト1は、フープ12の周方向に隣接するエレメント13同士で、ボス部20とディンプル部21とが嵌まり合う。
ボス部20とディンプル部21とが互いに嵌まり合うことにより、隣接するエレメント13同士が位置決めされて、隣接するエレメント13同士の、エレメント13の幅方向(図2の左右方向)および高さ方向(図2および図3の上下方向)における相対移動が規制される。また、図2および図3に示す例においては、エレメント13の中央部分付近の一箇所でボス部20とディンプル部21とが嵌まり合う。したがって、隣接するエレメント13同士は、上述したようなエレメント13の幅方向および高さ方向の相対移動が規制される一方、ボス部20とディンプル部21とのはめ合い部を中心とする相対回転が可能となる。
また、エレメント13は、姿勢をそろえて環状に配列された状態でフープ12によって結束されて、駆動プーリP1および従動プーリP2に巻き掛けられる。したがって、伝動ベルト1が駆動プーリP1および従動プーリP2に巻き掛けられた状態においては、多数のエレメント13の列が、駆動プーリP1および従動プーリP2の中心に対して扇状に広がり、かつ互いに密着している必要がある。そのため、エレメント13の高さ方向におけるベース部14の下側の部分が薄肉に形成されている。具体的に、板厚方向におけるベース部14の一方の前面14fで、サドル面15よりも下側の所定位置に、ロッキングエッジ22が設けられている。ロッキングエッジ22は、エレメント13の板厚が変化する境界領域であって、板厚方向に沿った一方の前面14fに設けられる。ベース部14は、ロッキングエッジ22を起点にして、ロッキングエッジ22よりも内周側の部分の板厚が薄くなっている。そのため、伝動ベルト1が駆動プーリP1および従動プーリP2に巻き掛けられ、多数のエレメント13の列が扇状に広がる状態においては、ロッキングエッジ22が隣接する他のエレメント13の板厚方向におけるベース部14の他方の後面14gと接触する。
また、図2に示すように、従来技術による伝動ベルト1は、第1フック部18の先端部18aと第2フック部19の先端部19aとの間の開口幅が、フープ12の幅よりも広くなるように形成されている。なお、先端部18aと先端部19aとは、エレメント13の幅方向で互いに対向している。開口幅は、先端部18aと先端部19aとの間の寸法であり、エレメント13の幅方向における先端部18aと先端部19aとの間が最も狭くなる部分の距離である。この場合、エレメント13の開口幅がフープ12の幅より大きいことによって、フープ12がエレメント13から脱離する可能性があるため、フープ12の外周側(図2、図3中上側)には、フープ12のエレメント13からの脱離を防止するためのリテーナリング11が設けられている。リテーナリング11の図2中左右方向の幅は、先端部18aと先端部19aとの間の開口幅よりも大きくなるように形成されている。エレメント13の開口幅がリテーナリング11の幅よりも狭いことによって、エレメント13にリテーナリング11およびフープ12を組み付けた状態で、エレメント13からのフープ12の脱離を防止できる。
以上のように構成された従来技術による伝動ベルト1においては、フープ12をエレメント13の間に配置する構造である。上述した伝動ベルト1は、ベルト式無段変速機CVTにおいて、フープ12とエレメント13との間の相対滑りによる損失を抑制して高効率化することができる。
しかしながら、フープ12を脱離させないようにエレメント13の内部である第1ピラー部16と第2ピラー部17との間にリテーナリング11を配置すると、冷却油の流れに関して問題が生じる。図4は、従来技術による問題点を説明するための平面図(図4(a))および断面図(図4(b))である。図4に示すように、ベルト式無段変速機CVTのプーリ溝Pv側から遠心力によって冷却油が供給されると、リテーナリング11がエレメント13の上部を塞いでいることから、エレメント13の外側への冷却油の排出を阻害する。この場合、エレメント13とプーリP1,P2との接触部分における冷却性の悪化、および冷却性の悪化に伴う耐久性および強度の低下を招く可能性がある。
そこで、本発明者が鋭意検討を行った結果、本発明によるエレメントを案出するに至った。すなわち、本発明者は、エレメントの形状において、斜め形状のリルをエレメントの両側に配置することを案出した。斜め形状のリルによって、従来のエレメント13のボス部20およびディンプル部21が担っていた、全平面方向へのエレメントの姿勢ずれの抑制機能を担保しつつ、冷却油の排出経路を確保できることを想到した。さらに、リルの形状を、外側に切り上がるV字型の形状にすることによって、遠心力による冷却油の効率的な排出が可能になることを想到した。
以下に、本発明の一実施形態による伝動ベルトを構成するエレメントについて説明する。図5は、本発明の一実施形態による伝動ベルトのエレメントを示す正面図である。図6は、図5におけるVI−VI線に沿った断面図であって、エレメントを複数重ねた状態を示す図である。なお、上述した従来技術による伝動ベルト1のエレメント13と同様の構成部分は同じ符号を付す。
一実施形態による伝動ベルト2は、リテーナリング11、帯状のフープ12、および例えば数百個の多数の板片状のエレメント23を備える。伝動ベルト2は、伝動ベルト2は、多数のエレメント23を互いに姿勢をそろえて配列し、複数のエレメント23と径方向の外側に懸架されたリング抜け止めリングとしてのリテーナリング11とを備える。伝動ベルト2は、リテーナリング11およびフープ12によって複数のエレメント23が環状に結束されて構成される。伝動ベルト2は、例えばCVTなどのベルト伝動機のVベルトとして用いられる。
図5および図6に示すように、伝動ベルト2を構成するエレメント23は、従来技術によるエレメント13と異なり、ボス部20およびディンプル部21を備えていない。一実施形態によるエレメント23においては、サドル面15からプーリP1,P2(図5、図6中、図示せず)との当接部側に延伸する凸部27aおよび凹部27bからなるリル27が設けられている。リル27は、エレメント23において第1ピラー部16および第2ピラー部17の2箇所に設けられ、例えばV字状に形成されている。
リル27は、少なくとも一部が、リテーナリング11の巻き掛けられた部分に対して、リテーナリング11によって形成される閉曲線の内側(図5および図6中、下側)に設けられている。すなわち、リル27の少なくとも一部は、リテーナリング11に対して、プーリP1,P2の径方向の内側に設けられている。リル27の凸部27aおよび凹部27bはそれぞれ、伝動ベルト2の進行方向に前方および後方に設けられている。リル27は、エレメント23の幅方向の外側になるほど、プーリP1,P2の径方向の外側になるように延伸している。
図6に示すように、エレメント23のリル27の凸部27aと前方側で隣接するエレメント23の凹部27bとが互いに嵌まり合うことによって、隣接するエレメント23同士が位置決めされる。これにより、隣接するエレメント23同士の、エレメント23の幅方向(図5の左右方向)および高さ方向(図5および図6の上下方向)における相対移動が規制される。エレメント23においては、リル27によって、前後に配置されたエレメント23を押圧することによって、伝動ベルト2による動力伝達が行われる。
図5に示すように、リル27は、少なくとも一部がリテーナリング11に対してプーリP1,P2の径方向の内側に設けられ、エレメント23の幅方向の外側になるほど、プーリP1,P2の径方向の外側に延伸している。これにより、遠心力によって隣接するエレメント23の間に供給された冷却油は、フープ12の下面に沿って流動して、リル27の凸部27aと凹部27bとの間を通過して、エレメント23に対してプーリP1,P2の外側に向かって排出される。これにより、冷却油がエレメント23の間を効率良く流動して、エレメント23とプーリP1,P2との接触部分における冷却性を確保でき、耐久性および強度を向上できる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、V字形状の凸部27aおよび凹部27bからなるリル27を、エレメント23の左右の第1ピラー部16および第2ピラー部17の2箇所に設けることによって、冷却油を当接部側に供給して、伝動ベルト2の外側に排出することができるので、プーリP1,P2とエレメント23との接触部における冷却性を向上することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
1,2 伝動ベルト
11 リテーナリング
12 フープ
13 エレメント
14 ベース部
15 サドル面
16 第1ピラー部
17 第2ピラー部
18 第1フック部
19 第2フック部
20 ボス部
21 ディンプル部
27 リル
27a 凸部
27b 凹部

Claims (1)

  1. 複数のエレメントと径方向の外側に懸架されたリング抜け止めリングとを備え、無段変速機に用いられる伝動ベルトであって、
    ボス部およびディンプル部を備えることなく、
    サドル面からプーリとの当接部に延伸するリルの少なくとも一部を、前記リング抜け止めリングよりも前記プーリの径方向の内側に設け、
    前記リルは、前記伝動ベルトの進行方向に凸部および凹部を有し、前記エレメントの幅方向の外側になるほど前記プーリの径方向の外側に延伸し、前記リルによって前後に配置された前記エレメントを押圧して動力伝達を行う構成を有する
    ことを特徴とする伝動ベルト。
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