JP2020111624A - 重合体および重合体の製造方法 - Google Patents

重合体および重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アニオン重合性モノマーの重合体の末端に、定量的にアミノ基が導入された重合体(ii)の製造方法、該重合体(ii)の製造に用いられる、重合体の末端にピロール環構造を有する重合体(i)、および該重合体(i)の製造方法を提供すること。【解決手段】重合体(i)は、重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有し、該重合体(i)はピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより得られる。【選択図】図2

Description

本発明は、重合体の末端にピロール環構造を有する重合体、該重合体の製造方法、該重合体を用いた、末端にアミノ基を有する重合体の製造方法に関する。
ポリマー鎖の末端にアミノ基を有するポリマーは、アミノ基が反応性の高い官能基であるため、様々な物質と反応させることが可能である。例えばアミノ基は、カルボキシ基との反応により、アミドを形成するため、カルボキシ基を有する物質と反応させることにより、ポリマーの末端に該物質に由来する性質を付与することができる。
ところで、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)またはポリ(エチレングリコール)(PEG)は、生物学的応用が期待されるポリマーであり、インプラント材料のコーティング、細胞シート作成用プレート、ドラッグデリバリーシステム(DDS)構築等に好適に用いられる材料である。
PEGまたはPEOをこのような様々な用途で利用するためには、そのポリマー鎖の末端に定量的に官能基を導入することが必要である。特に末端に一級アミノ基を有するPEGまたはPEOは、該アミノ基を介してポリマー鎖の末端に蛍光プローブ、ペプチド、抗体等を導入することができるため有用である。また、末端に一級アミノ基を有するPEGまたはPEOは、該アミノ基から、α‐アミノ酸N‐カルボン酸無水物(NCA)の重合を開始することにより、ポリ(アミノ酸)とブロック共重合体を形成することができる。
このように様々な用途に用いることが可能な、末端に一級アミノ基を有するPEOまたはPEGを得る方法はすでに報告されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
非特許文献1では、PEGのω末端をアミノ化する方法が開示されている。具体的には、第1工程としてエチレングリコールを重合し、ここで得られたPEGを単離し、第2工程として、末端のヒドロキシ基をメタンスルホン酸クロリドおよびトリエチルアミン存在中で一時間反応させることにより、末端にメシル基を有するPEGを得ている。第3工程として、アンモニア水中で数日処理することにより、アミノ基へ変換することが開示されている。
特許文献1では、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノールを開始剤としてエチレンオキサイドを重合し、N,N−ジベンジルアミンをα末端に持つPEGを得ている。このジベンジル保護基をパラジウム触媒存在下で水素と反応させることで脱保護し、アミン末端を得ることが開示されている。
米国特許出願公開第2013/0281639号明細書
Shigehiro Hiki, Kazunori Kataoka著、 "A Facile Synthesis of Azido-Terminated Heterobifunctional Poly(ethylene glycol)s for "Click" Conjugation" Bioconjugate Chem., 2007, 18, 2191-2196
非特許文献1に開示されていた製造方法では、ポリマー鎖の末端にアミノ基が導入されたPEGまたはPEOを得ることができるが、このような重合体を得るためには、3工程の反応が必要であった。
非特許文献1に開示されていた製造方法では、ポリマー鎖の末端を修飾することにより、アミノ基を導入するが、ポリマー鎖の末端を修飾するという性質上、高いアミノ変換率を得ることは難しかった。
よって、非特許文献1に開示されていた製造方法では、アミノ基を導入した後、末端にアミノ基が導入されたPEGまたはPEOと、それ以外のPEGまたはPEOとを分離するために、カラム等を用いて精製することが必要であった。このため、実用上は、非特許文献1に開示されていた製造方法では、4工程の反応が必要であった。
特許文献1に開示されていた製造方法では、開始剤にアミノ基保護体を用いているが、アミノ基への変換は記載されていない。もし特許文献1に開示された、末端にアミノ基保護体を有する重合体のアミノ基保護体を、アミノ基変換することにより、アミノ基を有する重合体を得る場合には、2工程で得ることが可能であり、また最終的なアミノ基への変換率も高いと考えられるが、アミノ保護基の脱保護に用いるパラジウム触媒の除去が必要となり、実際の工程数は3工程である。
本発明では、PEGまたはPEO等のアニオン重合性モノマーの重合体の末端に、定量的にアミノ基が導入された重合体(ii)の製造方法、該重合体(ii)の製造に用いられる、重合体の末端にピロール環構造を有する重合体(i)、および該重合体(i)の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、重合体の末端にピロール環構造を有する重合体(i)を合成し、該重合体(i)の有するピロール環構造をアミノ基に変換することにより、末端にアミノ基を有する重合体(ii)を高効率で得ることができること、すなわち前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[15]に関する。
[1] 重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)。
[2] 前記ピロール環構造が、下記一般式(α)で表される構造である、[1]に記載の重合体(i)。
(一般式(α)において、RA〜RDは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
[3] 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーである、[1]または[2]に記載の重合体(i)。
[4] 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である、[1]または[2]に記載の重合体(i)。
[5] ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、
重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)を得る工程(I)を有する、重合体(i)の製造方法。
[6] 前記重合開始剤が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種の化合物である、[5]に記載の重合体(i)の製造方法。
(一般式(A)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
(一般式(B)において、R5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、
9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基であり、
9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。)
[7] 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーである、[5]または[6]に記載の重合体(i)の製造方法。
[8] 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である、[5]または[6]に記載の重合体(i)の製造方法。
[9] 重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、
末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有する、重合体(ii)の製造方法。
[10] ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、
重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)を得る工程(I)および
前記重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、
末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有する、重合体(ii)の製造方法。
[11] 前記重合開始剤が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種の化合物である、[9]または[10]に記載の重合体(ii)の製造方法。
(一般式(A)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
(一般式(B)において、R5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、
9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基であり、
9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。)
[12] 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーである、[9]〜[11]のいずれかに記載の重合体(ii)の製造方法。
[13] 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である、[9]〜[11]のいずれか一項に記載の重合体(ii)の製造方法。
[14] ピロール環構造をアミノ基へ変換する際に、ヒドロキシルアミンを用いる、[9]〜[13]のいずれかに記載の重合体(ii)の製造方法。
[15] 前記工程(I)および(II)をワンポット合成により行う、[10]〜[14]のいずれかに記載の重合体(ii)の製造方法。
本発明によって、高効率で実施可能な、アニオン重合性モノマーの重合体の末端にアミノ基が導入された重合体(ii)の製造方法、該重合体(ii)の製造に用いられる、重合体の末端にピロール環構造を有する重合体(i)、および該重合体(i)の製造方法を提供することができる。
実施例1におけるSEC測定で得られたDMP−PEGの溶出曲線を示す。 実施例1におけるMALDI−TOF MS測定で得られたDMP−PEGのマススペクトルと、該スペクトルの2600〜2750m/z領域の拡大図を示す。 実施例1におけるDMP−PEGの1H−NMRスペクトルを示す。 実施例1におけるMALDI−TOF MS測定で得られたNH2−PEGのマススペクトルと、該スペクトルの2750〜2820m/z領域の拡大図を示す。 実施例1におけるイオン交換クロマトグラフィーによるNH2−PEGの溶出曲線を示す。 実施例2(ワンポット合成)におけるイオン交換クロマトグラフィーによるNH2−PEGの溶出曲線を示す。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の重合体(i)は、重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する。また、本発明の重合体(i)の製造方法は、ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、重合体(i)を得る工程(I)を有する。さらに本発明の重合体(ii)の製造方法は、重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有する。
なお、本発明においてアミノ基とは、通常一級のアミノ基、すなわち‐NH2を意味する。また、本発明において重合体とは、高分子量の重合体に限らず、二量体、三量体などの多量体を包含する。
[重合体(i)]
本発明の重合体(i)は、重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する。
重合体(i)が有するピロール環構造とは、C4Nで構成される5員環であり、ピロール環構造は、各炭素に水素原子が一つ結合した置換基を有さない構造であってもよく、各炭素原子に水素原子以外の基が結合した構造、すなわち置換基を有する構造であってもよい。
前記ピロール環構造は、下記一般式(α)で表される構造であることが、重合体(i)を容易に合成する観点から好ましい。
(一般式(α)において、RA〜RDは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
前記RA〜RDの例示および好適態様としては、後述のR1〜R4およびR5〜R8の例示および好適態様と同様である。
重合体(i)は、後述の重合体(i)の製造方法で詳細には説明するが、ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより得ることが可能である。本発明の重合体(i)が有するピロール環構造は、通常重合体(i)の製造方法に使用されるピロール環構造を有する重合開始剤に由来する。すなわち、重合体(i)は、末端にピロール環構造を有するが、通常は、重合体(i)の重合開始末端にピロール環構造を有している。
ピロール環構造は、アミノ基に変換することが可能であるため、重合体(i)は、アニオン重合性モノマーの重合体の末端にアミノ基が導入された重合体(ii)を製造する際に用いることができる。
本発明の重合体(i)は、例えば実施例に記載の条件で測定される重量平均分子量(Mw)が150〜1,000,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましく、2,000〜40,000であることが特に好ましい。重合体(ii)の分子量は、重合体(i)の分子量に依存するが、前記範囲内では、重合体(ii)を生体へ適用する観点、および工業分野に用いる観点から好ましい。また、重量平均分子量および数平均分子量から求まる分子量分布(Mw/Mn)が、1〜2であることが好ましく、1〜1.2であることがより好ましい。本発明の重合体(i)は後述の製造方法で得ることにより、分子量分布が狭い重合体として得ることが可能である。
本発明の重合体としては通常、ピロール環構造を有する末端とは別の末端に重合停止剤由来の基または原子を有する。前記アニオン重合性モノマーが、後述の3〜4員環の環状エーテル類である場合には、リビングアニオンを行っている際の末端は−O-であるため、水によって重合を停止した場合には、−O-に水素原子が導入され、末端にヒドロキシ基を有する重合体を得ることが可能である。なお、以下の説明においては、−O-に水素原子が導入されることにより形成されるヒドロキシ基も、重合停止剤由来の基に包含されるものとする。
該基または原子を有する末端は、重合体の重合開始末端ではなく、重合が進み、停止反応を行うことにより得られる末端を意味する。後述の重合体(i)の製造方法によって得られる重合体(i)は、重合体末端に重合停止剤由来の基を有する重合体とすることが可能である。
このため、本発明の重合体(i)は、重合開始末端にピロール環構造を有し、別の末端に重合停止剤由来の基を有する重合体、すなわち、二種類の官能基を有する重合体とすることが可能である。また、該重合体(i)から得られる重合体(ii)も二種類の官能基を有する重合体とすることが可能である。
異種の官能基を有するPEG等の重合体は、従来の製造方法では製造が極めて難しいため、重合体(i)および重合体(ii)は各種用途への使用が期待できる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、ピロール環構造を有する重合開始剤であり、かつアニオン重合性モノマーを好適に重合できるものであれば特に限定は無いが、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種の化合物が挙げられる。重合開始剤として、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種の化合物を用いることにより、重合体(i)が有するピロール環構造を、前記一般式(α)で表される構造とすることが可能となる。
なお、重合開始剤としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよいが、得られる重合体の組成が均一になる観点から、一種のみを用いることが好ましい。
重合開始剤としては、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物を用いることが、重合開始剤の溶解性の観点から好ましい。
(一般式(A)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
(一般式(B)において、R5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、
9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基であり、
9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。)
前記R1〜R4およびR5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、炭素数が1〜2であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
1〜R4およびR5〜R8としては、重合が好適に進行する観点から、水素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。R1〜R4の1〜3つが水素原子であり、1〜3つがメチル基であることがより好ましい。また、R5〜R8の1〜3つが水素原子であり、1〜3つがメチル基であることがより好ましい。また、R1およびR4がアルキル基であり、R2およびR3が水素原子であること、並びにR5およびR8がアルキル基であり、R6およびR7が水素原子であることが、重合が好適に進行する観点から特に好ましい。
一般式(B)において、R9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。
9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。
9〜R11の2〜3つが、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基であると、一般式(B)で表される構造を有する化合物は、2か所または3か所から重合を開始することが可能である。
9〜R11における、炭素数1〜30のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖状のアルキル基であっても、分岐を有するアルキル基であってもよい。炭素数1〜30のアルキル基の中で、炭素数1〜4のアルキル基としては、R5〜R8におけるアルキル基として例示したものと、同様のものを例示することができる。
9〜R11における、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基が好ましい。炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基としては、前記炭素数1〜30のアルキル基が有する水素原子の少なくとも1つ、好ましくは1〜2つ、より好ましくは1つが、ヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。炭素数1〜30のアルキル基が末端に有する水素原子が、ヒドロキシ基で置換された基が反応性の観点から好ましい。
また、R9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基あるが、該構造は、それぞれヒドロキシ基、または、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基からプロトン(H+)が脱離することにより得られる。
重合開始剤としては、一般式(A)で表される構造を有する化合物を用い、かつR1およびR4がアルキル基であることが、重合開始剤の溶解性の観点、およびピロール環構造を、アミノ基へ変換することが容易であり、重合体(ii)を効率的に得ることができる観点から、特に好ましい。
前記一般式(A)で表される構造および一般式(B)で表される構造は、アニオンであるが、重合開始剤として用いられる前記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物は、それぞれカウンターカチオンを有する。カウンターカチオンとしては、後述の塩基に由来するカチオンが挙げられ、例えばアルカリ金属カチオンが挙げられる。
前記一般式(A)で表される構造を有する化合物は、下記一般式(A’)で表される化合物と、塩基とを反応させることにより得ることが可能であり、前記一般式(B)で表される構造を有する化合物は、下記一般式(B’)で表される化合物と、塩基とを反応させることにより得ることが可能である。
(一般式(A’)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
(一般式(B’)において、R5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、
9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、または、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基である。)
塩基としては、前記一般式(A’)で表される化合物や、前記一般式(B’)で表される化合物が有するプロトン(H+)を引き抜き、一般式(A)で表される構造を有する化合物や、一般式(B)で表される構造を有する化合物を得ることが可能なものであればよく、特に限定は無い。
塩基としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、強塩基(但し、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物を除く)が挙げられる。塩基は1種単独で用いても、2種以上を用いてもよいが、通常は1種単独で用いられる。
アルカリ金属化合物としては、リチウムナフタレン(リチウムナフタレニド)、ナトリウムナフタレン(ナトリウムナフタレニド)、カリウムナフタレン(カリウムナフタレニド)、セシウムナフタレン、ベンジルリチウム、ベンジルナトリウム、ベンジルカリウム、ベンジルセシウム、ジフェニルメチルリチウム、ジフェニルメチルナトリウム、ジフェニルメチルカリウム、ジフェニルメチルセシウム、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、トリフェニルメチルカリウム、トリフェニルメチルセシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
強塩基(但し、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物を除く)としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、グアニジン等が挙げられる。
塩基としては、アルカリ金属化合物が反応性の観点から好ましく、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレンがより好ましい。
一般式(A’)で表される化合物と、塩基とを反応させる際には、塩基の価数によっても異なるが、通常は一般式(A’)で表される化合物1モルあたり、0.2〜1.1モルの塩基が使用される。
一般式(B’)で表される化合物と、塩基とを反応させる際には、一般式(B’)が有するヒドロキシ基の数、塩基の価数によっても異なるが、通常は一般式(B’)で表される化合物1モルあたり、0.2〜1.1モルの塩基が使用される。
一般式(A’)で表される化合物を、アルカリ金属化合物と反応させる場合には、一般式(A’)で表される化合物1モルあたり、通常は0.5〜1.1モルのアルカリ金属化合物が使用され、好ましくは0.8〜1.0モルのアルカリ金属化合物が使用される。
(アニオン重合性モノマー)
アニオン重合性モノマーとしては、前述の重合開始剤を用いてリビングアニオン重合可能なモノマーであればよく、特に限定は無い。
アニオン重合性モノマーとしては、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーであることが好ましい。
3〜4員環の環状エーテル類としては、炭素数が2〜6の環状エーテル類が好ましく、炭素数が2〜4の環状エーテルがより好ましい。環状エーテル類としては、環状モノエーテル類であってもよく、環状ジエーテル類であってもよいが、環状モノエーテル類が好ましい。環状モノエーテルとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタンが挙げられる。
オレフィン類としては、炭素数2〜4のオレフィン類が好ましい。オレフィン類としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテンが挙げられる。
共役ジエン化合物としては、炭素数4〜6の共役ジエン化合物が好ましい。共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、炭素数8〜10の芳香族ビニル化合物が好ましい。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレンが挙げられる。
ビニルアルコール保護体とは、ビニルアルコール(CH2=CH−OH)が有するヒドロキシ基の水素原子を別の基で置換することにより、ケト−エノール互変異性が起こらないようにしたモノマーである。ビニルアルコール保護体としては、例えば酢酸ビニル、ベンジルビニルエーテルが挙げられる。アニオン重合性モノマーとして、ビニルアルコール保護体を用いた場合には、得られる重合体(i)や重合体(ii)において、ケン化等を行うことにより、重合体の主鎖をポリビニルアルコールにすることができる。
アニオン重合性モノマーとしては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
アニオン重合性モノマーとしては、重合体(ii)の用途によっても異なるが、3〜4員環の環状エーテル類、および芳香族ビニル化合物から選択される少なくとも一種のモノマーが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、スチレン、p−メチルスチレン、およびα−メチルスチレンから選択される少なくとも一種のモノマーがより好ましい。また、アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類であると、重合が速やかに進行するため好ましい。
[重合体(i)の製造方法]
本発明の重合体(i)の製造方法は、ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)を得る工程(I)を有する。
なお、本発明においてリビングアニオン重合には、ビニル基等の鎖状の基が重合する場合だけでなく、環状エーテル等の環状のモノマーが開環重合する場合を含む。すなわち、本発明においてリビングアニオン重合には、リビングアニオン開環重合を含む。
工程(I)としては、前記ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、前記アニオン重合性モノマーを、リビングアニオン重合すればよく、それ以外の条件としては、特に制限はない。
リビングアニオン重合の方法としては例えば、溶媒中で、前記重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合する方法が挙げられる。なお、リビングアニオン重合は、通常撹拌を行いながら重合が行われる。
アニオン重合性モノマーを2種以上使用する場合、該モノマーは同時に反応系に添加してもよく、順次添加してもよい。モノマーを順次添加した場合には、ブロック共重合体として重合体(i)を得ることができる。
溶媒としては、非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。非プロトン性溶媒としては、シクロヘキサン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、シアノベンゼン、フェニルアセトニトリル、クロロベンゼン、ベンゼン、ニトロメタン等が挙げられる。溶媒の使用量としては、通常アニオン重合性モノマー100質量部に対して50〜1000質量部である。
ピロール環構造を有する重合開始剤の使用量としては、アニオン重合性モノマー1molあたり、通常は0.0001〜0.1mol、好ましくは0.001〜0.1mol用いられる。
工程(I)を行う際の温度(重合温度)としては、通常は−100〜100℃、好ましくは4〜50℃である。
また、工程(I)を行う時間(重合時間)としては通常は0.1〜100時間である。
工程(I)(重合)は、減圧、加圧、常圧のいずれの条件で行ってもよいが、製造コストの観点から、常圧で行うことが好ましい。
また、工程(I)は、通常副反応の発生を抑制する観点から、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
本発明の重合体(i)の製造方法は、前述の工程(I)を有していればよく、工程(I)以外の工程(その他の工程)を有していてもよい。
その他の工程としては、リビングアニオン重合の停止反応を行う工程(α)が挙げられる。
工程(i)では、リビングアニオン重合を行うため、重合体の末端はイオン化されている。本発明では、求電子種を生ずる試薬を重合停止剤として用いて停止反応を行うことができる。なお、重合停止剤は併用してもよく、二種以上の重合停止剤を用いてもよい。
重合停止剤としては、水、ハロゲン化アルキル(例えばヨードメタン)やハロゲン化アリール、p−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル等が挙げられる。
なお、水によって停止反応を行う場合には、反応系に水を添加することにより行ってもよく、不活性ガス雰囲気下で工程(I)を行った後に、反応系を大気下に置くことによって起きる、空気中の水の反応系への混入によって行ってもよい。また、反応系に水を添加することによって停止反応を行う場合には、反応系に水を直接添加してもよく、メタノール、エタノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテルと、水との混合液として、反応系に添加してもよい。
なお、本発明の重合体の末端には、停止反応に用いた重合停止剤由来の基または原子を有する。アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である場合には、リビングアニオン重合を行っている際の重合体末端は、‐O-である。このため、停止反応に用いる試薬を適宜選択することによって、重合体(i)あるいは重合体(ii)の末端に特定の基を導入することができる。例えば、停止反応に、水を用いた場合には、末端にヒドロキシ基を有する重合体(i)あるいは重合体(ii)を得ることが可能であり、それ以外の重合停止剤を用いた場合には当該重合停止剤に由来する基または原子(構造)を有する重合体(i)あるいは重合体(ii)を得ることが可能である。
工程(α)以外のその他の工程としては、工程(α)を行った後、重合体(i)を回収する工程、その他の精製工程等が挙げられる。
[重合体(ii)の製造方法]
本発明の重合体(ii)の製造方法は、重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有する。
工程(ii)としては、重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することができればよい。
ピロール環構造をアミノ基へ変換する方法としては、ヒドロキシルアミンを用いる方法等が挙げられる。なお、ヒドロキシルアミンはヒドロキシルアミン塩酸塩等の塩として用いてもよい。
ヒドロキシルアミンを用いる方法としては、重合体(i)を、水およびヒドロキシルアミン存在下で反応させ、ピロール環構造をアミノ基へ変換する方法が挙げられる。具体的には、例えば重合体(i)を水、あるいは水およびエタノール等のアルコールとの混合溶媒に溶解し、ヒドロキシルアミンを加え反応させる方法、重合体(i)を製造した反応溶液に、水およびヒドロキシルアミンを加え反応させる方法が挙げられる。
なお、上記方法を行う際には、通常は取扱い性の観点から、ヒドロキシルアミンの塩または、ヒドロキシルアミンの水溶液を用いる。
ヒドロキシルアミン塩酸塩等の塩を使用する場合には、トリエチルアミン等の3級アミン、水酸化ナトリウム等の塩基存在下で反応を行うことが、反応性の観点から好ましい。
ヒドロキシルアミンの使用量は、通常は重合体(i)が有するピロール環構造1モルに対して、1〜100モル、好ましくは5〜100モルである。
なお、重合開始剤が一般式(A)で表される構造を有する化合物である場合、および重合開始剤が一般式(B)で表される構造を有する化合物であり、かつその分子中に−O‐構造を一つ有する場合には、通常は工程(I)で用いる重合開始剤のモル数と、重合体(i)が有するピロール環構造のモル数とが一致する。
水の使用量としては、特に限定は無く、通常はヒドロキシルアミンが溶解する量で用いられる。
水とアルコールとの混合溶媒を用いる場合には、通常は水1モルに対してアルコールは0.1〜10モル用いられる。
工程(II)を行う際の温度は、通常は4〜100℃であり、10〜50℃であることが好ましい。
また、工程(II)の反応時間としては通常は6〜72時間であり、12〜48時間であることがより好ましい。
工程(II)は、減圧、加圧、常圧のいずれの条件で行ってもよいが、製造コストの観点から、常圧で行うことが好ましい。
また、工程(II)は大気下で行うことが可能だが、副反応の発生を抑制する観点からは、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
また、工程(II)で用いられる重合体(i)は、前述の工程(I)を有する重合体(i)の製造方法で得られた重合体であることが好ましい。
すなわち、本発明の重合体(ii)の製造方法は、ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)を得る工程(I)および重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有することが好ましい。
重合体(ii)の製造方法では、工程(I)を行った後、そのまま工程(II)を行ってもよく、工程(I)と工程(II)との間に、その他の工程、例えば前述の工程(α)を有していてもよい。
なお、工程(I)を行った後、そのまま工程(II)を行う場合には、工程(II)に用いられる水等によって、リビングアニオン重合の停止反応が行われる。
本発明の重合体(ii)の製造方法は、前述の工程(I)、(II)、(α)以外の工程(その他の工程)を有していてもよい。
その他の工程としては、工程(II)を行った後、反応溶液を透析、凍結乾燥等によって、重合体(ii)を回収する工程、抽出、再沈殿等によって精製する工程が挙げられる。
なお、本発明の重合体(ii)の製造方法は、前記工程(I)および(II)をワンポット合成により行ってもよい。ワンポット合成とは、途中で反応器を換えることなく、順次原料を反応器に投入する方法である。重合体(ii)の製造方法では、工程(I)を行った後、重合(i)を単離等によって取り出した後、工程(II)を行ってもよいが、工程(I)と工程(II)とをワンポット合成で行っても、高効率で重合体(ii)を得ることができる。
[重合体(ii)]
本発明の重合体(ii)の製造方法で得られる重合体(ii)は、末端にアミノ基を有する重合体(ii)である。重合体(ii)は、重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより得られるため、重合体(i)と同様にアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体である。
重合体(ii)の、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、主に重合体(i)のMwおよびMw/Mnに依存する。重合体(ii)は、例えば実施例に記載の条件で測定される重量平均分子量(Mw)が100〜1,000,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましく、2,000〜40,000であることが特に好ましい。
前記範囲内では、重合体(ii)を生体へ適用する観点から好ましい。また、重量平均分子量および数平均分子量から求まる分子量分布(Mw/Mn)が、1〜2であることが好ましく、1〜1.2であることがより好ましい。
通常は重合体(ii)と重合体(i)とは、同様の末端を有する。例えばアニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類であり、水を停止剤として用いた場合には、は、末端にヒドロキシ基を有する。
重合体(ii)の末端に重合体(i)と異なる基を導入したい場合には、工程(I)と工程(II)との間に、重合(i)の末端を別の基へ変換する工程を設けてもよい。また、重合体(ii)を得た後に、必要に応じて末端を別の基に変換してもよい。
重合体(ii)は、末端にアミノ基を有し、アニオン重合性モノマーの種類や、停止反応に用いる重合停止剤を適宜選択することにより、別の末端にも官能基を導入することができる。すなわち、二種類の官能基を有する重合体とすることが可能である。
異種の官能基を有するPEG等の重合体は、従来の製造方法では製造が極めて難しく、重合体(ii)は各種用途への使用が期待できる。
次に、本発明の好ましい例を説明する。アニオン重合性モノマーとして、エチレンオキサイドを用い、重合開始剤として一般式(A)で表される化合物を用い、重合体の末端がヒドロキシ基あるいはアルコキシ基である場合には、例えば、重合体(i)は一般式(X)、重合体(ii)は、一般式(Y)で表される。特にヒドロキシ基は極性が高く、反応性にも優れるため、他の官能基への変換、他の材料との複合化、生体用途への使用等、様々な用途に用いることが可能であり、極めて有用性が高い。アルコキシ基はその後の反応により他の官能基への変換、他の材料との複合化が可能であるが、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基は、極めて不活性であるためバイオインターフェース材料の構築に利用することができる。なお、重合の停止反応に水等を用いることにより、重合体の末端をヒドロキシ基とすることが可能であり、停止反応にハロゲン化アルキル等を用いることにより、重合体の末端をアルコキシ基とすることが可能である。
(一般式(X)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、好ましくは20〜2300である。)
(一般式(Y)においてRは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、好ましくは20〜2300である。)
なお、前記一般式(X)および一般式(Y)で表される重合体は、アニオン重合性モノマーとしてエチレンオキサイドを用いた場合に得られる重合体であるが、アニオン重合性モノマーを、スチレンに変更することにより、重合体(i)として一般式(x)、重合体(ii)として、一般式(y)で表される重合体を得ることができる。
(一般式(x)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、好ましくは20〜2300である。)
(一般式(y)においてRは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、好ましくは20〜2300である。)
一般式(X)、一般式(Y)、一般式(x)、および一般式(y)において、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、より好ましくは40〜910である。
重合体(ii)の用途としては、アニオン重合性モノマーの種類によっても異なり、特に限定は無いが、例えばアニオン重合性モノマーが、エチレンオキサイドである場合には、重合体(ii)は、生物学的応用が可能である。具体例としては、インプラント材料のコーティング、細胞シート作成用プレート、ドラッグデリバリーシステム(DDS)構築用材料等に好適に用いることができる。別の例としては、アニオン重合性モノマーが、スチレンである場合には、重合体(ii)は、ポリスチレンが用いられる各種用途に用いることが可能であり、様々な成形法、例えば射出成形、ブロー成形、真空成形、押出成形、発泡成形、によって各種用途に合わせて成形することができる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[材料]
2,5−ジメチルピロール(DMP)およびトリエチルアミンは和光純薬工業社より購入したものを、カルシウムハイドライド存在下で蒸留したうえで用いた。
カルシウムハイドライドは和光純薬工業社より購入したものを用いた。
金属ナトリウムはナカライテスク社より購入したものを使用した。
ヒドロキシアミン塩酸塩は和光純薬工業社より購入したものを使用した。
エチレンオキサイドは3M社より購入したものを、カルシウムハイドライド存在下で蒸留したものを用いた。
テトラヒドロフラン(THF)は和光純薬工業より購入したものをナトリウム存在下で蒸留したものを用いた。
カリウムナフタレン溶液は、シグマアルドリッチ社から購入したナフタレンを再結晶したものをTHFに溶解し、カリウムを添加することで調製した。
ジエチルエーテルは昭和エーテルより購入し、そのまま用いた。
[実施例1]
アミン末端ポリエチレングリコールの合成
アミン末端ポリエチレングリコールを、以下のスキーム(S1)に従い合成した。
<ジメチルピロール末端ポリエチレングリコール(DMP−PEG)の製造>
アルゴン雰囲気下で、DMP(171μL、1.67mmol)を、25mLのTHFに溶解し、0.3mol/Lのカリウムナフタレン溶液5.6mLを加え、5分撹拌した。これにエチレンオキサイド(4.5mL、90.67mmol)を加え、20℃で3日間撹拌した。
3日間撹拌後、反応溶液を200mLのジエチルエーテルに加え、ポリマーを沈殿させた。アルゴン雰囲気は3日間の撹拌が終了するまで維持した。
得られたポリマーを後述のように分析し、ジメチルピロール末端ポリエチレングリコール(DMP−PEG)が得られたことを確認した。
得られたポリマーは、カラムとしてG4000HHRとG3000HHRを装着したGPC TOSOH HLC 8220 system (東ソー株式会社)によるSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定(溶出液:流速0.8mg/mL、濃度10mMとなるようにLiClを溶解したN,N−ジメチルホルムアミド)、JEOL ECS 400 (日本電子株式会社)による1H−NMR測定(400MHz)、およびJMS−S3000(日本電子株式会社)によるMALDI−TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計)測定(マトリックスとして1,8,9−trihydroxyanthracene、イオン化剤としてトリフルオロ酢酸ナトリウムを用いた)によって解析した。
SEC測定により、DMPを開始剤としたエチレンオキサイドの重合は良好に進んでいることが分かり、Mnが2,856、Mwが3,118、分子量分布Mw/Mnが1.092であった(図1)。
ジメチルピロール末端ポリエチレングリコール(DMP−PEG)が反応スキーム通りに進行したとするならば、トリフルオロ酢酸ナトリウムをイオン添加剤として用いたMALDI−TOF MS測定において、DMP−PEG−Hのナトリウム添加イオン(マス値=22.99+94.07+44.03×重合度+1.01)が検出されることになる。得られたポリマーに対して実際にMALDI−TOF MS測定を行った所、主要分子量スペクトルは、DMP−PEG−Hのナトリウム添加イオンのそれと一致し、ジメチルピロール末端ポリエチレングリコール(DMP−PEG)が重合したことが示された(図2)。
1H−NMR測定により、DMPの導入はほぼ定量的であることが分かり(図3)、新規化合物である、DMPが末端となるPEGの製造方法が確立された。
なお、本製造方法では、ジエチルエーテル中に含まれる水や、アルゴン雰囲気を解消した後に大気中から反応系に混入した水が重合停止剤として作用したと考えられる。
<アミノ基末端ポリエチレングリコール(NH2−PEG)の製造>
前記ジメチルピロール末端ポリエチレングリコール(DMP−PEG)のピロール環構造(ジメチルピロール末端)を、以下の方法によりアミノ基へ変換した。
DMP−PEG(300mg、約0.1mmol)を2.4mLのエタノールと0.6mLの水に溶解し、350μLのトリエチルアミンとヒドロキシアミン塩酸塩(350mg、5mmol)を加え、95℃で10時間撹拌した。
その後、反応溶液を透析、凍結乾燥してポリマーを回収した。
得られたポリマーを後述のように分析し、アミン末端ポリエチレングリコール(NH2−PEG)が得られたことを確認した。
得られたポリマーはJMS−S3000(日本電子株式会社)によるMALDI−TOF MS測定(マトリックスとして1,8,9−trihydroxyanthracene、イオン化剤としてトリフルオロ酢酸ナトリウムを用いた)、およびカラムとしてTOSOH TSKgel SP−5PW(東ソー株式会社)を装着したHPLC system(日本分光株式会社)によるイオン交換クロマトグラフィー(溶出液:流速0.5mg/mL、1mMリン酸緩衝液(pH7.4))により解析した。
得られたポリマーをMALDI−TOF MSによって測定したところ、そのマススペクトルはNH2−PEG−Hのナトリウム添加イオン(マス値=22.99+16.02+44.03×重合度+1.01)と一致した(図4)。この結果から、DMP−PEGのピロール環構造(ジメチルピロール末端)がアミンへ良好に変換されていることが分かった。
またイオン交換カラムによるGPC測定により末端アミンの導入率は89%であることが分かった(図5)。
すなわち、本発明の製造方法により、ほぼ定量的にPEGにアミン末端の導入が可能であることが示された。
[実施例2]
アミン末端ポリエチレングリコールのワンポット合成
アルゴン雰囲気下で、DMP(103μL、1mmol)を、60mLのTHFに溶解し、0.3mol/Lのカリウムナフタレン溶液3.3mLを加え、5分撹拌した。
これにエチレンオキサイド(13.5mL、272mmol)加え、25℃で3日間撹拌した。アルゴン雰囲気は3日間の撹拌が終了するまで維持した。
この反応溶液に15mLの水とヒドロキシアミン塩酸塩(4.65g、67.5mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。
その後、反応溶液を透析、凍結乾燥してポリマーを回収した。
得られたポリマーを後述のように分析し、アミン末端ポリエチレングリコール(NH2−PEG)が得られたことを確認した。
得られたポリマーはTOSOH TSKgel SP−5PW(東ソー株式会社)を装着したHPLC system(日本分光株式会社)によるイオン交換クロマトグラフィー(溶出液:流速0.5mg/mL、1mMリン酸緩衝液(pH7.4))により解析した。
イオン交換カラムによるGPC測定により末端アミンの導入率は90%であることが分かった(図6)。すなわち、本発明の製造方法は、DMP−PEGの製造および、DMP−PEGのピロール環構造をアミノ基へ変換することによるNH2−PEGの製造をワンポットで行うことが可能である。

Claims (15)

  1. 重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)。
  2. 前記ピロール環構造が、下記一般式(α)で表される構造である、請求項1に記載の重合体(i)。
    (一般式(α)において、RA〜RDは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
  3. 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーである、請求項1または2に記載の重合体(i)。
  4. 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である、請求項1または2に記載の重合体(i)。
  5. ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、
    重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)を得る工程(I)を有する、重合体(i)の製造方法。
  6. 前記重合開始剤が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種の化合物である、請求項5に記載の重合体(i)の製造方法。
    (一般式(A)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
    (一般式(B)において、R5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、
    9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基であり、
    9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。)
  7. 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーである、請求項5または6に記載の重合体(i)の製造方法。
  8. 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である、請求項5または6に記載の重合体(i)の製造方法。
  9. 重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、
    末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有する、重合体(ii)の製造方法。
  10. ピロール環構造を有する重合開始剤を用いて、アニオン重合性モノマーをリビングアニオン重合することにより、
    重合体の末端にピロール環構造を有し、かつアニオン重合性モノマー由来の構成単位を有する重合体(i)を得る工程(I)および
    前記重合体(i)中のピロール環構造をアミノ基へ変換することにより、
    末端にアミノ基を有する重合体(ii)を得る工程(II)を有する、重合体(ii)の製造方法。
  11. 前記重合開始剤が、下記一般式(A)で表される構造を有する化合物および一般式(B)で表される構造を有する化合物から選択される少なくとも一種の化合物である、請求項9または10に記載の重合体(ii)の製造方法。
    (一般式(A)において、R1〜R4は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基である。)
    (一般式(B)において、R5〜R8は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基であり、
    9〜R11は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基であり、
    9〜R11の少なくとも一つは、−O‐、または、水素原子が−O‐で置換された炭素数1〜30のアルキル基である。)
  12. 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類、オレフィン類、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、およびビニルアルコール保護体から選択される少なくとも一種のモノマーである、請求項9〜11のいずれか一項に記載の重合体(ii)の製造方法。
  13. 前記アニオン重合性モノマーが、3〜4員環の環状エーテル類である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の重合体(ii)の製造方法。
  14. ピロール環構造をアミノ基へ変換する際に、ヒドロキシルアミンを用いる、請求項9〜13のいずれか一項に記載の重合体(ii)の製造方法。
  15. 前記工程(I)および(II)をワンポット合成により行う、請求項10〜14のいずれか一項に記載の重合体(ii)の製造方法。
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