以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、サーバコンピュータ等により構成された回遊促進支援装置と、各々対象者が個別に用いる端末である複数の対象者端末と、を含む回遊促進支援システムに適用した場合について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る回遊促進支援システム90の構成を説明する。図1に示すように、本実施形態に係る回遊促進支援システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、回遊促進支援装置10と、複数の対象者端末30と、を含む。なお、回遊促進支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、対象者端末30の例としては、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)等の携帯型の端末が挙げられる。
本実施形態にかかる対象者端末30は、回遊促進支援システム90の利用対象となる複数の対象者が各々所持する端末である。対象者端末30は、CPU(Central Processing Unit)31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、タッチパネル等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35及び媒体読み書き装置(R/W)36を備えている。また、対象者端末30は、カメラ38、マイク39、GPS(Global Positioning Systems)40、加速度センサ41及び無線通信部42を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36、カメラ38、マイク39、GPS40、加速度センサ41及び無線通信部42はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bが記憶されている。回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bは、回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bが書き込まれた記録媒体37が媒体読み書き装置36にセットされ、媒体読み書き装置36が記録媒体37からの回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bの読み出しを行うことで、記憶部33へ記憶される。CPU31は、回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bを記憶部33から読み出してメモリ32に展開し、回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bが各々有するプロセスを順次実行する。
一方、回遊促進支援装置10は、回遊促進支援システム90で取り扱う各種情報を統括的に保管して管理する装置である。回遊促進支援装置10は、CPU11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bが記憶されている。回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bは、回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bが各々有するプロセスを順次実行する。
また、記憶部13には、対象領域情報データベース13C及び対象者情報データベース13Dが記憶される。対象領域情報データベース13C及び対象者情報データベース13Dについては、詳細を後述する。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る回遊促進支援装置10及び対象者端末30の機能的な構成について説明する。図2に示すように、回遊促進支援装置10は、取得部21、導出部22、登録部23、受付部24、及び付与部25を含む。回遊促進支援装置10のCPU11が回遊促進支援処理プログラム13A及び総合評価値送信処理プログラム13Bを実行することで、取得部21、導出部22、登録部23、受付部24、及び付与部25として機能する。
本実施形態に係る取得部21は、回遊の対象地(以下、「スポット」という。)に対する対象者の実際の行動による当該スポットに対する興味の度合いを示す物理量を取得する。本実施形態に係る取得部21では、上記物理量として、対象者のスポットにおける滞在時間、スポットまでの所定の起点場所(本実施形態では、対象者の勤務先の位置)からの距離(以下、「起点距離」という。)、スポットまでの起点場所からの移動時間(以下、「起点移動時間」という。)、及び対象者のスポットにおける歩数の4種類の物理量を適用している。
なお、本実施形態では、起点距離として、起点場所からスポットまでの直線距離を適用しているが、これに限らない。例えば、起点距離として、起点場所からスポットまで移動する場合に通常用いると考えられる各種交通機関や車両、徒歩等により実際に移動する距離を適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、起点移動時間として、起点場所からスポットまで移動する場合に通常用いると考えられる各種交通機関や車両、徒歩等により実際に移動する場合に費やされると予想される時間を適用している。但し、この形態に限らず、例えば、起点移動時間として、起点場所からスポットまでの距離を、所定の時速で移動する場合に費やされる時間等を適用する形態としてもよい。
このように、本実施形態では、上記物理量として、滞在時間、起点距離、起点移動時間及び歩数の4種類の物理量を適用しているが、これに限らない。例えば、上記4種類の物理量のうち、何れか1種類の物理量のみを適用する形態としてもよいし、上記4種類の物理量のうち、何れか2種類又は3種類の物理量の組み合わせを適用する形態としてもよい。
また、導出部22は、取得部21によって取得された物理量を用いて、対象者のスポットに対する評価値を導出する。本実施形態に係る導出部22では、上記評価値として、次の3種類の指標値を対象者別に導出する。
即ち、導出部22は、第1の指標値として、対象者がスポットに対して、わざわざ訪れたとのレベルの高さを示す指標値(以下、「わざわざ度」という。)WDを導出する。本実施形態では、わざわざ度WDを、次の式(1)により整数値(本実施形態では、小数点以下一桁を四捨五入した値)として算出する。式(1)のPDは、対象者におけるスポットに対する起点距離を表し、MDは、当該スポットに対応して登録されている起点距離の最大値である最大起点距離を表す。また、式(1)のPTは、対象者におけるスポットに対する起点移動時間を表し、MTは、当該スポットに対応して登録されている起点移動時間の最大値である最大起点移動時間を表す。ここで、起点距離PDが、最大起点距離MDを上回っている場合は、当該起点距離PDに最大起点距離MDを置き換える。また、起点移動時間PTが、最大起点移動時間MTを上回っている場合は、当該起点移動時間PTに最大起点移動時間MTを置き換える。
即ち、式(1)は、起点距離PDの最大起点距離MDに対する割合と、起点移動時間PTの最大起点移動時間MTに対する割合との平均値を、最大値が10となる10段階の値に換算した値として算出する。例えば、起点距離PDが4kmであり、最大起点距離MDが10kmであり、起点移動時間PTが1時間であり、最大起点移動時間MTが2.5時間である場合、わざわざ度WDは、4(={(4/10)+(1/2.5)}×5)となる。
なお、わざわざ度WDを算出する数式は、式(1)には限らない。例えば、式(1)では、起点距離PD及び起点移動時間PTの2種類の物理量を用いているが、これらのうち1種類のみの物理量を用いる形態としてもよい。また、式(1)では、起点距離PDの最大値に対する割合と、起点移動時間PTの最大値に対する割合と、の単純平均値を用いているが、この単純平均値に代えて、加重平均値を用いる形態としてもよい。
また、導出部22は、第2の指標値として、対象者がスポットにおいて、どれだけゆったりしていたかのレベルの高さを示す指標値(以下、「ゆったり度」という。)YDを導出する。本実施形態では、ゆったり度YDを、次の式(2)により整数値(本実施形態では、小数点以下一桁を四捨五入した値)として算出する。式(2)におけるPVは対象者のスポットにおける滞在時間を表し、MVは、当該スポットに対応して登録されている上記滞在時間の最大値である最大滞在時間を表す。ここで、滞在時間PVが、最大滞在時間MVを上回っている場合は、当該滞在時間PVに最大滞在時間MVを置き換える。
即ち、式(2)は、滞在時間PVの最大滞在時間MVに対する割合を、最大値が10となる10段階の値に換算した値として算出する。例えば、滞在時間PVが0.5時間で、最大滞在時間MVが2時間である場合、ゆったり度YDは、3(=(0.5/2)×10)となる。
なお、ゆったり度YDを算出する数式は、式(2)には限らない。例えば、式(2)における滞在時間PV及び最大滞在時間MVから、各々に対応するスポットでの歩行時間を除いたうえで式(2)を適用する形態としてもよく、ゆったり度YDを示す他の物理量の単独又は滞在時間PVを含む当該物理量の複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
更に、導出部22は、第3の指標値として、対象者がスポットにおいて、どれだけぶらぶらしていたかのレベルの高さを示す指標値(以下、「ぶらぶら度」という。)BDを導出する。本実施形態では、ぶらぶら度BDを、次の式(3)により整数値(本実施形態では、小数点以下一桁を四捨五入した値)として算出する。式(3)におけるPHは対象者のスポットにおける歩数を表し、MHは、当該スポットに対応して登録されている上記歩数の最大値である最大歩数を表す。ここで、歩数PHが、最大歩数MHを上回っている場合は、当該歩数PHに最大歩数MHを置き換える。
即ち、式(3)は、歩数PHの最大歩数MHに対する割合を、最大値が10となる10段階の値に換算した値として算出する。例えば、歩数PHが1500歩で、最大歩数MHが3000歩である場合、ぶらぶら度BDは、5(=(1500/3000)×10)となる。
なお、ぶらぶら度BDを算出する数式は、式(3)には限らない。例えば、式(3)では、対象者の歩数PHを用いているが、当該歩数PHに代えて、対象とするスポットでの歩行時間といった、スポットでのぶらぶらしているレベルの高さを示す他の物理量を適用する形態としてもよく、歩数及び歩行時間等の複数の物理量を用いる形態としてもよい。
更に、導出部22は、以上の3種類の指標値から、対象者毎の総合的な指標値である総合指標値SDを導出する。本実施形態では、総合指標値SDを、次の式(4)によって整数値(本実施形態では、小数点以下一桁を四捨五入した値)として算出する。
即ち、式(4)は、わざわざ度WD、ゆったり度YD、及びぶらぶら度BDの平均値を算出するものとされている。なお、総合指標値SDを算出する数式は、式(4)には限らない。例えば、式(4)では、わざわざ度WD、ゆったり度YD、及びぶらぶら度BDの単純平均値を算出しているが、この単純平均値に代えて、加重平均値を算出する形態としてもよい。
なお、以上のように、本実施形態では、わざわざ度WD、ゆったり度YD、ぶらぶら度BD、及び総合指標値SDの各指標値の導出に数式を用いる場合について説明したが、この形態に限らず、例えば、各指標値ともにテーブル変換により導出する形態としてもよい。
そして、登録部23は、導出部22によって導出された指標値(本実施形態では、わざわざ度WD、ゆったり度YD、ぶらぶら度BD、及び総合指標値SD)を、他者が参照可能な状態で記憶部13に登録する。
一方、導出部22は、登録部23により複数の対象者に対応して登録された複数の評価値を用いて、当該複数の対象者による総合的な評価値である総合評価値を更に導出する。
本実施形態に係る導出部22では、総合評価値として、わざわざ度WDの総合評価値WS、ゆったり度YDの総合評価値YS、ぶらぶら度BDの総合評価値BS、及び総合指標値SDの総合評価値SSを次の式(5)〜式(8)により算出する。なお、式(5)〜式(8)におけるnはデータ数(=指標値の数)、WDiはi番目のわざわざ度WD、YDiはi番目のゆったり度YD、BDiはi番目のぶらぶら度BD、SDiはi番目の総合指標値SD、を各々表す。
即ち、本実施形態では、各総合評価値として、対応する指標値の平均値を算出している。なお、各総合評価値を算出する数式は、式(5)〜式(8)には限らない。例えば、式(5)〜式(8)では、総合評価値として、全対象者の対応する指標値の単純平均値を算出しているが、これに代えて、全対象者の対応する指標値の加重平均値を算出する形態としてもよい。なお、この場合、直近のデータほど重み値を大きく設定して加重平均値を算出する形態とすることが好ましい。また、例えば、各総合評価値ともにテーブル変換により導出する形態としてもよい。
そして、登録部23は、導出部22によって導出された総合評価値(本実施形態では、総合評価値WS、総合評価値YS、総合評価値BS、及び総合評価値SS)を他者が参照可能な状態で記憶部13に更に登録する。
一方、本実施形態に係る受付部24は、対象者からの評価値に対する調整指示、スポットについてのコメント(以下、「スポットコメント」という。)、及びスポットに関する他のスポットを推薦するコメント(以下、「推薦コメント」という。)を受け付ける。そして、登録部23は、受付部24によって受け付けられた情報を、他者が参照可能な状態で記憶部13に更に登録する。このように、本実施形態では、上記調整指示、スポットコメント、及び推薦コメントの3種類の情報を受け付けて登録しているが、これに限らない。例えば、これら3種類のうち、何れか1つ又は2つの組み合わせを受け付けて登録する形態としてもよい。
更に、本実施形態に係る付与部25は、受付部24によって受け付けられた情報に応じて、対象者にインセンティブを付与する。なお、本実施形態では、上記インセンティブとして仮想通貨のトークンを適用している。ここで、本実施形態における仮想通貨は、回遊促進支援システム90が取り扱い対象としている対象領域(以下、「取り扱い対象領域」という。)に存在する店舗によって使用することができるものとして予め用意されている。その財源は、取り扱い対象領域を管轄する自治体や上記店舗等によって賄われるものとされている。
一方、本実施形態に係る対象者端末30は、送信部44及び表示制御部46を含む。対象者端末30のCPU31が回遊促進端末処理プログラム33A及び評価値表示処理プログラム33Bを実行することで、送信部44及び表示制御部46として機能する。
本実施形態に係る送信部44は、回遊促進支援装置10の取得部21に上記物理量を送信する。また、表示制御部46は、回遊促進支援装置10の登録部23によって登録された情報を表示部35に表示する制御を行う。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る対象領域情報データベース13Cについて説明する。図3に示すように、本実施形態に係る対象領域情報データベース13Cは、対象領域名、対象領域位置、ソーシャルヒートマップ画像、回遊経路、スポット名、スポット位置、及び総合評価値の各情報が記憶される。
上記対象領域名は、上記取り扱い対象領域の名称を示す情報であり、上記対象領域位置は、対応する対象領域が存在する位置を示す情報である。本実施形態では、対象領域を、平面視の円形で囲まれる領域としており、上記対象領域位置を、当該円形の領域の平面視の外接矩形における一対の対角の2次元座標系における座標位置として規定している。但し、この形態に限らず、例えば、上記円形に代えて、楕円形、矩形等の他の形状を適用する形態としてもよいし、上記2次元座標系における座標位置に代えて、緯度及び経度を適用する形態としてもよい。
また、上記ソーシャルヒートマップ画像は、対応する対象領域の通常表示される地図画像に重ねて濃度や色が異なる領域を表示することで、対象者のカテゴリーに適合した情報が多い場所を強調した地図を示す画像である。即ち、本実施形態では、各対象者に対して予め複数の設問に回答してもらい、回答結果を分析して分類することにより各対象者のカテゴリーを事前に決定する。そして、本実施形態に係るソーシャルヒートマップ画像は、利用する対象者のカテゴリーに適合した情報(本実施形態では、SNS(Social Networking Service)において投稿された情報。)が多い場所ほど濃度が高くなるように地図画像に重ねて表示する。但し、この濃度を変える形態に限らず、高い濃度から低い濃度の順に、赤色→黄色→緑色といったように色を変える形態としてもよい。
本実施形態では、回遊促進支援装置10がネットワーク80等を介して、各取り扱い対象領域のソーシャルヒートマップ画像の最新版を提供するサーバに接続されており、このサーバからソーシャルヒートマップ画像の最新版を取得して、対象領域情報データベース13Cを逐次更新するものとしている。但し、この形態に限らず、回遊促進支援装置10自身により、各対象者に対応するソーシャルヒートマップ画像を逐次更新する形態としてもよい。
また、上記回遊経路は、対応する対象領域において回遊することを推奨する経路を示す情報であり、上記スポット名は、対応する対象領域に含まれるスポットの名称を示す情報であり、上記スポット位置は、対応するスポットが存在する位置を示す情報である。本実施形態では、上記スポットを、平面視の円形で囲まれる領域としており、上記スポット位置を、当該円形の領域の平面視の外接矩形における一対の対角の2次元座標系における座標位置として規定している。但し、この形態に限らず、例えば、上記円形に代えて、楕円形、矩形等の他の形状を適用する形態としてもよいし、上記2次元座標系における座標位置に代えて、緯度及び経度を適用する形態としてもよい。
なお、本実施形態では、上記回遊経路及びスポットを、SNSで投稿された情報からAI(Artificial Intelligence)技術等を用いて抽出しているが、これに限らない。例えば、紀行番組、グルメ番組、街歩き番組(所謂街ブラ番組)等の各地のスポットを紹介するテレビ番組のホームページから、回遊経路及びスポットを抽出する形態等としてもよい。
更に、上記総合評価値は、対応するスポットに対する、上述した総合評価値(本実施形態では、総合評価値WS、総合評価値YS、総合評価値BS、及び総合評価値SS)を示す情報である。なお、以下では、対象領域情報データベース13Cに記憶されている情報を総括して「対象領域情報」という。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る対象者情報データベース13Dについて説明する。図4に示すように、本実施形態に係る対象者情報データベース13Dは、対象者端末ID(IDentification)、対象者名、勤務先位置、訪問スポット、訪問日時、指標値、スポットコメント、推薦コメント、及びインセンティブの各情報が記憶される。
上記対象者端末IDは、回遊促進支援システム90を利用する各対象者が所有する対象者端末30を識別するために割り振られた情報であり、上記対象者名は、対応する対象者の名前を示す情報であり、上記勤務先位置は、対応する対象者の勤務先の位置を示す情報である。
また、上記訪問スポットは、対応する対象者が訪問したスポットの名称を示す情報であり、訪問日時は、対応する対象者が対応するスポットを訪問した日時を示す情報である。また、上記指標値は、対応する対象者の対応するスポットを訪問した際の当該スポットに関する上述した指標値(本実施形態では、わざわざ度WD、ゆったり度YD、ぶらぶら度BD、及び総合指標値SD)を示す情報である。
また、上記スポットコメントは、対応する対象者が対応するスポットを訪問した際に入力された、当該スポットに関する感想等のコメントを示す情報である。また、上記推薦コメントは、対応する対象者が対応するスポットを訪問した際に入力された、当該スポットに関して推薦する他のスポットを示す情報である。更に、上記インセンティブは、対応する対象者に付与されたインセンティブの値を示す情報である。なお、以下では、対象者情報データベース13Dに記憶されている情報を総括して「対象者情報」という。
次に、図5〜図11を参照して、本実施形態に係る回遊促進支援システム90の作用を説明する。まず、図5を参照して、対象者端末30の作用を説明する。何れかの対象者端末30のCPU31が回遊促進端末処理プログラム33Aを実行することによって、図5に示す回遊促進端末処理が実行される。図5に示す回遊促進端末処理は、例えば、何れかの対象者(以下、「実施対象者」という。)から自身の対象者端末30の入力部34を介して、回遊促進端末処理の実行指示が入力された場合に実行される。
図5のステップ200で、CPU31は、GPS40から位置を示す情報(以下、「位置情報」という。)を取得し、次のステップ202で、送信部44は、取得した位置情報を、無線通信部42を介して回遊促進支援装置10に送信する。
回遊促進支援装置10は、後述する回遊促進支援処理(図6も参照。)において、対象者端末30から受信した位置情報により示される位置が含まれる対象領域(以下、「実施対象領域」という。)に関する対象領域情報(以下、「実施対象領域情報」という。)を対象領域情報データベース13Cから読み出す。また、回遊促進支援装置10は、実施対象領域情報に基づき、後述する初期画面を示す情報(以下、「初期画面情報」という。)を作成する。そして、回遊促進支援装置10は、実施対象領域情報及び初期画面情報を、位置情報の送信元の対象者端末30(以下、「実施対象者端末」という。)に送信する。
そこで、次のステップ204で、CPU31は、回遊促進支援装置10からの初期画面情報及び実施対象領域情報の受信待ちを行い、次のステップ206で、表示制御部46は、受信した初期画面情報により示される初期画面を表示部35により表示する制御を行う。
図7には、本実施形態に係る初期画面の一例が示されている。図7に示すように、本実施形態に係る初期画面は、実施対象領域のソーシャルヒートマップ画像に対して、実施対象領域に含まれる各スポットのスポット名及び回遊経路が、対応する位置に重畳されて表示される。そこで、実施対象者は、初期画面で表示された回遊経路に従って回遊を開始する。なお、錯綜を回避するために、本実施形態では、実施対象領域の候補が1つのみの場合について説明するが、これに限らない。例えば、実施対象領域の候補が複数存在する場合、含まれるスポットの総合評価値SSの合計値が最も大きい対象領域や、対象領域情報データベース13Cに直近に登録された対象領域等を実施対象領域として選択的に適用する形態としてもよい。また、図7に示すように、本実施形態に係る初期画面では、実施対象領域に含まれる各スポットの外接円を破線で表示しているが、これに限らないことは言うまでもない。
次のステップ208で、CPU31は、GPS40から位置情報を取得する。次のステップ210で、CPU31は、取得した位置情報により示される位置が、受信した実施対象領域情報に含まれる何れかのスポットの領域に達するまで待機することにより、実施対象者が実施対象領域における何れかのスポットの領域に到着するまで待機する。
次のステップ212で、CPU31は、加速度センサ41からの出力信号を用いた実施対象者の歩数の計数を開始すると共に、内蔵されている図示しない計時部を用いた計時を開始し、次のステップ214で、CPU31は、GPS40から位置情報を取得する。次のステップ216で、CPU31は、取得した位置情報により示される位置が、ステップ210の処理において到達したと判定されたスポット(以下、「離脱スポット」という。)から離脱する位置となるまで待機する。
次のステップ218で、CPU31は、ステップ212の処理によって開始した歩数の計測及び計時を停止する。以上のステップ212〜ステップ218の処理により、CPU31は、実施対象者の離脱スポットでの歩数PH、及び実施対象者の離脱スポットでの滞在時間PVを取得することができる。
次のステップ220で、送信部44は、離脱スポットに対応するスポット名、歩数PH及び滞在時間PV(以下、当該スポット名、歩数PH及び滞在時間PVを、「指標基礎情報」という。)を、無線通信部42を介して回遊促進支援装置10に送信する制御を行う。回遊促進支援装置10は、実施対象者端末から指標基礎情報を受信すると、後述する回遊促進支援処理において、受信した指標基礎情報に基づいて、実施対象者に関する、上述した4種類の指標値(式(1)〜式(4)参照。)を導出し、実施対象者端末に送信する。
そこで、次のステップ222で、表示制御部46は、回遊促進支援装置10からの各指標値の受信待ちを行い、次のステップ224で、表示制御部46は、受信した指標値を主として表示する指標値表示画面を表示部35により表示する制御を行う。
図8には、本実施形態に係る指標値表示画面の一例が示されている。図8に示すように、本実施形態に係る指標値表示画面は、実施対象領域の名称及び実施対象者の名前を表示し、かつ、実施対象者の上記4種類の指標値を調整可能に表示する。また、指標値表示画面は、スポットコメントの入力領域35B及び推薦コメントの入力領域35Cを表示する。なお、本実施形態に係る指標値表示画面では、図8に示すように、わざわざ度WD、ゆったり度YD、及びぶらぶら度BDの各指標値については、対応する指標値の大きさに応じて、顔の表情を模擬した画像35Fを表示する。
図8に示される指標値表示画面が表示部35に表示されると、実施対象者は、上記4種類の指標値について、自身の離脱スポットに対する実際の状況に合致していない指標値がある場合は、当該指標値を調整する指示入力を行う。本実施形態では、上記指標値を調整する指示入力を、指標値を増加させたい場合は増加ボタン35Dを指定し、指標値を低下させたい場合は低下ボタン35Eを指定することにより行っているが、これに限らない。例えば、調整したい指標値の表示領域に調整後の値を直接入力する形態等としてもよい。また、実施対象者は、実施対象領域の離脱スポットに関する感想等のコメントを入力する場合、当該コメントを入力領域35Bに入力する。更に、実施対象者は、実施対象領域の離脱スポットに関して推薦する他のスポットを入力する場合、当該スポットの名称を入力領域35Cに入力する。そして、実施対象者は、指標値表示画面の表示を終了する場合は、終了ボタン35Aを指定する。
そこで、次のステップ226で、CPU31は、終了ボタン35Aが指定されるまで待機する。次のステップ228で、送信部44は、指標値表示画面において入力された各種情報(以下、「入力情報」という。)、及び終了ボタン35Aが指定された旨を示す情報(以下、「終了情報」という。)を、無線通信部42を介して回遊促進支援装置10に送信する。なお、指標値表示画面において入力情報が何ら入力されることなく、終了ボタン35Aが指定された場合、送信部44は、終了情報のみを回遊促進支援装置10に送信する。
次のステップ230で、CPU31は、実施対象領域の全てのスポットについて、以上の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ206に戻る一方、肯定判定となった時点で本回遊促進端末処理を終了する。
次に、図6を参照して、回遊促進支援装置10の作用を説明する。回遊促進支援装置10のCPU11が回遊促進支援処理プログラム13Aを実行することによって、図6に示す回遊促進支援処理が実行される。図6に示す回遊促進支援処理は、例えば、回遊促進支援装置10の操作者から入力部14を介して、回遊促進支援処理の実行指示が入力された場合に実行される。
図6のステップ300で、取得部21は、何れかの対象者端末30から位置情報が受信されるまで待機し、次のステップ302で、導出部22は、受信した位置情報により示される位置が含まれる対象領域に関する対象領域情報(=実施対象領域情報)及び対象者情報を対象領域情報データベース13C及び対象者情報データベース13Dから読み出す。
次のステップ304で、導出部22は、読み出した実施対象領域情報を用いて、上述した初期画面情報を作成する。次のステップ306で、CPU11は、作成した初期画面情報及び読み出した実施対象領域情報を、実施対象者端末に通信I/F部18及びネットワーク80を介して送信する制御を行う。初期画面情報及び実施対象領域情報を受信すると、実施対象者端末では、上述した回遊促進端末処理により、訪問した対象領域の各スポットから離脱した場合に、指標基礎情報を回遊促進支援装置10に送信する。
そこで、次のステップ308で、取得部21は、実施対象者端末から指標基礎情報が受信されるまで待機し、次のステップ310で、導出部22は、式(1)〜式(4)を用いて、実施対象者についての上記4種類の指標値を算出する。
なお、ステップ310の処理を実行する場合に、導出部22は、実施対象者端末の対象者端末IDに対応する勤務先位置を対象者情報データベース13Dから読み出し、読み出した勤務先位置を上述した起点場所とする。また、導出部22は、受信した指標基礎情報に含まれるスポット名に対応するスポット位置を対象領域情報データベース13Cから読み出し、読み出したスポット位置により示される領域の何れかの位置(本実施形態では、当該領域の中心位置)を、起点距離PD及び起点移動時間PTを導出する場合のスポットの位置とする。そして、導出部22は、これらの情報を用いて、式(1)式によりわざわざ度WDを算出する。
また、導出部22は、受信した指標基礎情報に含まれる滞在時間PVを用いて式(2)式によりゆったり度YDを算出する。また、導出部22は、受信した指標基礎情報に含まれる歩数PHを用いて式(3)式によりぶらぶら度BDを算出する。更に、導出部22は、算出したわざわざ度WD、ゆったり度YD、及びぶらぶら度BDを式(4)に代入することで、総合指標値SDを算出する。
なお、導出部22は、式(1)〜式(3)により適用する起点距離PD、起点移動時間PT、滞在時間PV、及び歩数PHの各値が、それまでに登録した、対応する値の最大値より大きい場合、適用する値に、対応する値の最大値を置き換えることにより、当該最大値を更新する。この最大値の更新を、本実施形態では、記憶部13の所定領域への最大値の書き込み(上書き)により行う。
次のステップ312で、CPU11は、導出した各指標値を、実施対象者端末に送信する制御を行う。各指標値を受信すると、実施対象者端末では、上述したように、回遊促進端末処理によって指標値表示画面を表示し、当該指標値表示画面上で指標値の調整、スポットコメント、及び推薦コメントを受け付ける。そして、指標値の調整、スポットコメント、及び推薦コメントのうちの少なくとも1つが受け付けられた場合には上述した入力情報及び終了情報を、1つも受け付けられなかった場合には終了情報のみを、各々回遊促進支援装置10に送信する。
そこで、次のステップ314で、受付部24は、実施対象者端末から終了情報を受信するまで待機する。次のステップ316で、付与部25は、終了情報と共に入力情報を受信し、かつ、入力情報に実施対象者による指標値の調整に関する情報が含まれているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ318に移行する。
ステップ318で、付与部25は、実施対象者によって自身の指標値が調整された場合に当該実施対象者に付与するものとして予め定められた値のインセンティブ(本実施形態では、上述した仮想通貨のトークン。以下、同様。)を付与する。なお、本実施形態では、上記インセンティブの付与を、付与したインセンティブの値を、対象者情報データベース13Dにおける、実施利用者に対応するインセンティブの既登録の値に対して加算することによって行う。
次のステップ320で、登録部23は、入力情報に含まれる指標値の調整に関する情報に基づいて、調整後の指標値を対象者情報データベース13Dの実施対象者の対応する領域に記憶(登録)し、その後にステップ330に移行する。
一方、ステップ316において否定判定となった場合、即ち、実施対象者端末から入力情報を受信していないか、又は、受信していても指標値の調整に関する情報が入力情報に含まれていない場合、ステップ322に移行する。
ステップ322で、付与部25は、終了情報と共に入力情報を受信し、かつ、入力情報にスポットコメント及び推薦コメントの少なくとも一方が含まれているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ324に移行する。
ステップ324で、付与部25は、入力情報に含まれているコメントに応じて当該実施対象者に付与するものとして予め定められた値のインセンティブを付与し、その後にステップ326に移行する。なお、本実施形態では、入力情報にスポットコメント及び推薦コメントの双方が含まれている場合に付与するインセンティブの値を、スポットコメント及び推薦コメントの何れか一方のみが含まれている場合に付与するインセンティブの値の2倍の値としている。但し、この形態に限らず、付与するインセンティブの値は、付与時点の実施対象領域における経済状況等に応じて適宜変更されるものとしてもよい。
ステップ326で、登録部23は、入力情報に含まれるスポットコメント及び推薦コメントの少なくとも一方を対象者情報データベース13Dの対応する領域に記憶し、次のステップ328で、登録部23は、ステップ310の処理によって導出した指標値を対象者情報データベース13Dの実施対象者の対応する領域に記憶(登録)し、その後にステップ330に移行する。
ステップ330で、導出部22は、受信した指標基礎情報に含まれるスポット名に対応するスポットについて、それまでに対象者情報データベース13Dに登録されている全ての指標値を読み出し、上述した式(5)〜式(8)を用いて上記4種類の総合評価値を算出する。そして、登録部23は、導出部22によって算出された総合評価値を、対象領域情報データベース13Cの対応する領域に記憶することで、対応するスポットの総合評価値を更新する。
次のステップ332で、CPU11は、実施対象領域の全てのスポットについてステップ308以降の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ308に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ334に移行する。
ステップ334で、CPU11は、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ300に戻る一方、肯定判定となった時点で本回遊促進支援処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、回遊促進支援装置10の操作者により、入力部14を介して回遊促進支援処理の終了指示が入力されたタイミングを適用しているが、これに限るものでない。
ところで、本実施形態に係る回遊促進支援システム90では、実施対象者が実施対象領域を回遊している場合に、実施対象領域の何れかのスポットを初期画面上で指定すると、当該スポットの総合評価値を表示する総合評価値表示機能を有している。
次に、図9〜図11を参照して、総合評価値表示機能の実行時における回遊促進支援システム90の作用を説明する。まず、図9を参照して、対象者端末30の作用を説明する。何れかの対象者端末30のCPU31が評価値表示処理プログラム33Bを実行することによって、図9に示す評価値表示処理が実行される。図9に示す評価値表示処理は、実施対象者が対象者端末30の入力部34を介して、初期画面(図7も参照。)上で何れかのスポットを指定した場合に実行される。
図9のステップ400で、送信部44は、指定されたスポット(以下、「指定スポット」という。)を示す情報(以下、「指定スポット情報」という。)を、無線通信部42を介して回遊促進支援装置10に送信する制御を行う。指定スポット情報を受信すると、回遊促進支援装置10は、後述する総合評価値送信処理の実行を開始する。そして、回遊促進支援装置10は、受信した指定スポット情報に対応する総合評価値と、指定スポットに関して実施対象者を除く対象者が入力したスポットコメントと、指定スポットに対応する実施対象者を除く対象者の指標値とを、実施対象者端末に送信する。
そこで、次のステップ402で、表示制御部46は、指定スポットに対応する総合評価値、スポットコメント、及び指標値を受信するまで待機する。次のステップ404で、表示制御部46は、受信した総合評価値を主として表示する総合評価値表示画面を表示部35により表示する制御を行う。
図11には、本実施形態に係る総合評価値表示画面の一例が示されている。図11に示すように、本実施形態に係る総合評価値表示画面は、指定スポットの名称を表示し、かつ、指定スポットの4種類の総合評価値を表示する。また、総合評価値表示画面は、指定スポットに関する、実施対象者を除く対象者のスポットコメント及び指標値を表示する。なお、本実施形態に係る総合評価値表示画面でも、指標値表示画面と同様に、わざわざ度WD、ゆったり度YD、及びぶらぶら度BDの各指標値に対応する総合評価値については、対応する総合評価値の大きさに応じて、顔の表情を模擬した画像を表示する。
図11に示される総合評価値表示画面が表示部35に表示されると、実施対象者は、当該総合評価値表示画面を参照した後、終了ボタン35Aを指定する。
そこで、次のステップ406で、表示制御部46は、終了ボタン35Aが指定されるまで待機した後、本評価値表示処理を終了する。
次に、図10を参照して、回遊促進支援装置10の作用を説明する。回遊促進支援装置10のCPU11が総合評価値送信処理プログラム13Bを実行することによって、図10に示す総合評価値送信処理が実行される。図10に示す総合評価値送信処理は、実施対象者端末から指定スポット情報が受信された場合に実行される。
図10のステップ500で、CPU11は、受信した指定スポット情報により示される指定スポットに対応する総合評価値を対象領域情報データベース13Cから読み出す。また、CPU11は、指定スポットに関し、かつ、実施対象者を除く全ての対象者のスポットコメントを対象者情報データベース13Dから読み出す。さらに、CPU11は、指定スポットに関し、かつ、実施対象者を除く全ての対象者の指標値を対象者情報データベース13Dから読み出す。
そして、次のステップ502で、CPU11は、読み出した総合評価値、スポットコメント及び指標値の各情報を、通信I/F部18を介して実施対象者端末に送信する制御を行い、その後に本総合評価値送信処理を終了する。
なお、本実施形態に係る回遊促進支援装置10によって得られた各指標値及び各総合評価値等の各種情報は、都市計画や、地方計画(所謂まちづくり)を行う場合等にも有効に活用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、回遊の対象地(スポット)に対する対象者の実際の行動による当該対象地に対する興味の度合いを示す物理量を取得する取得部21と、取得部21によって取得された物理量を用いて、対象者の対象地に対する評価値を導出する導出部22と、導出部22によって導出された評価値を、他者が参照可能な状態で記憶部13に登録する登録部23と、を備えている。従って、効果的に回遊を促進することができる。
また、本実施形態によれば、上記物理量に、対象者の対象地における滞在時間(滞在時間PV)、対象地までの所定の起点場所からの距離(起点距離PD)、及び対象地までの上記起点場所からの移動時間(起点移動時間PT)を含んでいる。従って、上記物理量として対象者の興味の度合いを示す定性的な物理量を用いる場合に比較して、より簡易に評価値を導出することができる。
また、本実施形態によれば、導出部22により、評価値を、上記滞在時間、上記距離、及び上記移動時間の何れか1つ、又は複数の組み合わせを用いて導出している。従って、何れか1つを用いる場合は、より簡易に、複数の組み合わせを用いる場合は、より高精度に、各々評価値を導出することができる。
また、本実施形態によれば、導出部22が、登録部23により複数の対象者に対応して登録された複数の評価値を用いて、複数の対象者による総合的な評価値である総合評価値を更に導出し、登録部23により、導出部22によって導出された総合評価値を他者が参照可能な状態で記憶部13に更に登録している。従って、より精度の高い評価値を他者が参照することができるようになる結果、より効果的に回遊を促進することができる。
また、本実施形態によれば、対象者からの、評価値に対する調整指示、対象地についてのコメント(スポットコメント)、及び対象地に関するスポットを推薦するコメント(推薦コメント)の少なくとも1つの情報を受け付ける受付部24を備え、登録部23は、受付部24によって受け付けられた情報を、他者が参照可能な状態で記憶部13に更に登録している。従って、より効果的に回遊を促進することができる。
更に、本実施形態によれば、受付部24によって受け付けられた情報に応じて、対象者にインセンティブを付与する付与部25を更に備えている。従って、より効果的に回遊を促進することができる。
なお、上記実施形態では、指標値表示画面及び総合評価値表示画面を初期画面とは異なる画面として表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、指標値表示画面及び総合評価値表示画面を初期画面のポップアップ画面として表示する形態としてもよい。この場合、指標値表示画面を初期画面のポップアップ画面として表示する場合は、初期画面における離脱スポットの位置から、いわゆる吹き出しの形で指標値表示画面の少なくとも一部を表示する形態を例示することができる。同様に、総合評価値表示画面を初期画面のポップアップ画面として表示する場合は、初期画面における指定スポットの位置から、いわゆる吹き出しの形で総合評価値表示画面の少なくとも一部を表示する形態を例示することができる。
また、上記実施形態では、実施対象者端末が存在する位置を含む領域を対象領域として自動的に適用する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、実施対象者端末が存在する位置とは離れた遠隔地を、実施対象者が電子地図上で指定したり、当該遠隔地の名称を入力したりすること等によって対象領域を指定する形態としてもよい。また、対象者の嗜好の傾向を示す情報を回遊促進支援装置10で予め取得しておき、対象者に対して、当該対象者の嗜好に応じた対象領域の情報を随時提供する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、実施対象者に対し、自身の指標値の調整、スポットコメント及び推薦コメントの入力に対してインセンティブを付与する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、推薦コメントとして入力したスポットに対する総合評価値が所定閾値より大きくなった場合に、当該スポットを入力した対象者にインセンティブを付与する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、起点場所として勤務先の位置を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、起点場所として実施対象者の自宅の所在地を適用する形態としてもよい。また、起点場所として、回遊促進支援処理を平日に実行する場合は、起点場所として勤務先の位置を適用し、回遊促進支援処理を休日に実行する場合は、起点場所として自宅の所在地を適用する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、実施対象者のスポット毎の指標値を、当該スポットを離脱したタイミングで導出して表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、実施対象者が実施対象領域を離脱したタイミングで指標値を導出して表示する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、各スポットで付与するインセンティブを同一とする場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スポットによって付与するインセンティブを異なるようにする形態としてもよい。この場合、例えば、人が集まり難いスポットほどインセンティブを多くする形態等を例示することができる。
また、上記実施形態では、指標値として、わざわざ度WD、ゆったり度YD、ぶらぶら度BD、及び総合指標値SDの4種類を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スポットが店舗である場合には、ぶらぶら度BDを適用せず、わざわざ度WD、ゆったり度YD、及びこれらの指標値のみを加味した総合指標値SDの3種類の指標値のみを用いる形態としてもよい。
また、上記実施形態では、回遊促進支援装置10において回遊促進支援処理を実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、各対象者端末30によって回遊促進支援処理を実行する形態としてもよい。この形態の場合、本発明の回遊促進支援装置が対象者端末30に含まれることになる。
また、上記実施形態では、ソーシャルヒートマップ画像として、対象者のカテゴリーに適合した情報が多い場所を強調した地図を示す画像を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、総合評価値が高いスポットほど赤味が濃い画像をソーシャルヒートマップ画像として適用する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、スポットコメントや推薦コメントを文字情報のみで入力する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、これらのコメントを、マイク39を用いて音声情報として入力する形態としてもよいし、推薦コメントについては、推薦するスポットをカメラ38によって撮影することで画像情報として入力する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、わざわざ度WD、ゆったり度YD及びぶらぶら度BDの各指標値を、対応する物理量の最大値に対する割合として算出しているが、これに限らず、例えば、当該最大値を用いることなく、当該物理量そのものを指標値として適用する形態としてもよい。
その他、式(1)〜式(8)の各演算式は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更して適用することができることは言うまでもない。
また、上記実施形態において、例えば、取得部21、導出部22、登録部23、受付部24、付与部25、送信部44、表示制御部46の各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。