JP2020109391A - 推定方法、推定装置、及び、プログラム - Google Patents

推定方法、推定装置、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体の位置等の推定結果の信頼性を評価することができる推定方法等を提供する。【解決手段】算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であってN個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップ(S3)と、抽出された、N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップ(S4)と、算出された相関行列の1以上の固有値を計算する計算ステップ(S5)と、対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、計算された1以上の固有値とを用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップ(S6)と、推定結果の信頼性に応じて、相関行列から所定の方法で生体の位置または方向を推定する推定ステップ(S7)とを含む。【選択図】図8

Description

本開示は、無線信号を利用した推定方法、推定装置及びプログラムに関する。
無線信号を利用して対象を検出する技術がある(例えば特許文献1、2参照)。例えば、特許文献1には、受信信号の自己相関行列を求め、該自己相関行列の固有値の大きさから物標の数を求める技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、受信信号の相関行列を固有値分解し、閾値以上の固有値の数を数えることで物標の数を求める技術が開示されている。
さらに、例えば特許文献3には、フーリエ変換を用いてドップラシフトを含む成分を解析することで検出対象となる人物の位置または状態を測位する技術が開示されている。
特開2009−281775号公報 特開2000−171550号公報 特開2015−117972号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示される技術は、デバイスの位置検出技術であるため、生体の位置を推定できないという問題がある。また、特許文献3に開示される技術では、外来ノイズなどにより瞬時の測位誤差が発生する場合があり、その測位結果にどれだけの信頼性があるか知ることができないという問題がある。
本開示は、上述の事情を鑑みてなされたもので、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体の位置等の推定結果の信頼性を評価することができる推定方法、推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る推定方法等は、少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置の推定方法であって、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、前記相関行列算出ステップにおいて算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算ステップと、前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算ステップにおいて計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップと、前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定ステップとを含む。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の推定方法等によれば、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体の位置等の推定結果の信頼性を評価することができる。
図1は、実施の形態1における推定装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、図1に示す推定装置における送信波の伝搬を模式的に表す概念図である。 図3は、実施の形態1における固有値分布の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1における固有値分布から算出される比率情報の一例を示す図である。 図5は、実施の形態1における信頼性推定部の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、実施の形態1における固有値分布の別の一例を示す図である。 図7は、実施の形態1における固有値分布から算出される比率情報の別の一例を示す図である。 図8は、実施の形態1における推定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態1における推定装置の動作の別の一例を示すフローチャートである。 図10は、実施の形態1におけるステップS6の詳細処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態1の変形例におけるマルチキャリア信号を用いた場合の測位誤差分布の一例を示す図である。 図12Aは、図11に示す測位誤差分布と同タイミングにおける第一固有値及び第二固有値の比率が閾値以上か否かを示す分布図である。 図12Bは、図11に示す測位誤差分布と同タイミングにおける第二固有値及び第三固有値の比の分布が閾値以上か否かを示す分布図である。 図13は、実施の形態2における推定装置の構成の一例を示すブロック図である。 図14は、実施の形態3における推定装置の構成の一例を示すブロック図である。 図15は、実施の形態3における評価関数のグラフの一例を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
無線信号を利用した生体の位置等の推定に関する従来技術について、発明者らは詳細な検討を行った。その結果は上述したが、特許文献1〜2に開示される技術は、デバイスの位置検出技術であるため、生体の位置を推定できないという問題があった。また、特許文献3に開示される技術では、外来ノイズなどにより瞬時の測位誤差が発生する場合があり、その測位結果にどれだけの信頼性があるかを知ることができないという問題があった。
発明者らは、以上の問題に対して鋭意研究を重ねた結果、受信機によって受信された無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体の位置等の推定結果の信頼性を評価することができること見出し、本開示に至った。すなわち、発明者らは、受信機によって受信された無線信号から複素伝達関数を算出し、算出した複素伝達関数から得られる相関行列を用いて計算される評価関数または当該相関行列の固有値を用いて、測定結果の信頼性を評価可能であることを見出した。
より具体的には、上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る推定方法は、少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置の推定方法であって、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、前記相関行列算出ステップにおいて算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算ステップと、前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算ステップにおいて計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップと、前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定ステップとを含む。
これにより、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体の位置等の推定を行うことができるだけでなく、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体の位置等の推定結果の信頼性を評価できる。
ここで、例えば、前記信頼性推定ステップでは、(1)前記計算ステップで計算された前記1以上の固有値を、値の大きい順にソートした際における隣接する固有値の比率または差分を示す比率情報を算出し、(2)前記生体数情報により示される値がL(Lは1以上の自然数)のとき、前記ソートした際の前記L番目の固有値に対応する前記比率情報が所定値以上の場合、前記推定結果の信頼性が高いと判定する。
これにより、相関行列の固有値を用いて、当該推定結果の信頼性を評価できる。
また、上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る推定方法は、少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いた、対象空間内に存在する生体の方向または位置を推定する推定装置の推定方法であって、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、前記相関行列を用いて評価関数を計算し、計算した評価関数を用いて、前記生体の方向または位置を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおいて計算された前記評価関数を用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップとを含む。
これにより、相関行列を用いて計算される評価関数を用いて、当該推定結果の信頼性を評価できる。
ここで、例えば、前記推定ステップにおいて計算される前記評価関数は、MUSICスペクトルである。
また、例えば、前記推定ステップにおいて計算される前記評価関数は、Capon法のスペクトルである。
また、例えば、前記推定ステップにおいて計算される前記評価関数は、ビームフォーマー法のスペクトルである。
また、例えば、前記信頼性推定ステップでは、推定した前記信頼性が閾値より低い場合、前記信頼性が低いと判定し、推定した前記信頼性が前記閾値以上である場合、前記信頼性が高いと判定するとしてもよい。
また、例えば、前記推定ステップでは、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記生体の方向または位置を推定した推定結果であって前記信頼性が低いと判定された時点よりも過去の期間の推定結果のうち、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が高いと判定された過去時点における推定結果を出力するとしてもよい。
これにより、信頼性が高い推定結果を利用できる。
また、例えば、前記推定ステップでは、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記生体の方向または位置を推定した推定結果であって前記信頼性が低いと判定された周波数以外の周波数範囲の推定結果のうち、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が高いと判定された周波数における推定結果を出力するとしてもよい。
これにより、信頼性が高い推定結果を利用できる。
また、例えば、前記推定ステップでは、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記生体の方向または位置を推定した推定結果であって過去の所定期間と所定周波数範囲との推定結果のうち、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が高いと判定された過去時点かつ周波数における推定結果を出力するとしてもよい。
これにより、信頼性が高い推定結果を利用できる。
また、例えば、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定され、かつ、前記推定ステップにおいて推定される推定結果が直前の推定結果から閾値以上の時間または周波数離れている場合、前記信頼性が低いと判定された時点よりも過去期間の推定結果のうち、前記信頼性が高いと判定された過去時点の推定結果を出力するとしてもよい。
これにより、信頼性が高い推定結果を利用できる。
また、例えば、さらに、前記推定ステップにおいて過去に推定された推定結果を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、前記推定ステップでは、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記信頼性の度合いに応じて基準区間よりも長く設定される第1区間の時間範囲で、前記記憶部に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力するとしてもよい。
これにより、信頼性が高い推定結果を利用できる。
また、例えば、さらに、前記推定ステップにおいて過去に推定された推定結果を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記信頼性の度合いに応じて基準区間よりもながく設定される第2区間の周波数範囲で、前記記憶部に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力するとしてもよい。
これにより、信頼性が高い推定結果を利用できる。
また、本開示の一態様に係る推定装置は、少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置であって、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出部と、前記伝達関数算出部において算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出部と、前記抽出部において抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出部と、前記相関行列算出部において算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算部と、前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算部において計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定部と、前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定部とを備える。
また、本開示の一態様に係るプログラムは、少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置の推定方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、前記相関行列算出ステップにおいて算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算ステップと、前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算ステップにおいて計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップと、前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させる。
なお、本開示は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の通信媒体を介して配信してもよい。
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(実施の形態1)
以下では、図面を参照しながら、SIMO(Single Input Multiple Output)構成の送信機、受信機を用いて受信信号の相関行列を観測し、相関行列の固有値を用いて所定の方法で、対象空間内に存在する生体の方向を推定することについて説明する。
[推定装置1の構成]
図1は、実施の形態1における推定装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1には、図1に示す推定装置1の検出対象である生体50が合わせて示されている。
実施の形態1における推定装置1は、一の送信アンテナ素子を有する送信機10及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機11を用いて、対象空間内に存在する1以上の生体50の方向を推定する。
実施の形態1における推定装置1は、図1に示すように、送信機10と、受信機11と、生体情報算出部12と、計算部13と、記憶部14と、信頼性推定部15と、方向推定部16とを備える。
[送信機10]
送信機10は、送信アンテナ部101と、送信部102とで構成される。
送信アンテナ部101は、1個の送信アンテナ素子を有する。
送信部102は、高周波の信号を生成する。送信部102は、生成した高周波の信号である送信信号を、送信アンテナ部101が有する1個の送信アンテナ素子から送信する。本実施の形態では、送信部102は、例えば2.45GHzの正弦波を送信するとして説明するが、これに限らない。送信部102は、別の周波数の送信信号を送信してもよいし、別の変調方法を用いて生成した送信信号を送信してもよい。
[受信機11]
受信機11は、受信アンテナ部111と、受信部112とで構成される。
受信アンテナ部111は、N個の受信アンテナ素子を有する。本実施の形態では、受信アンテナ部111は、例えば図1に示すように、#1から#MのM個(Mは2以上の整数)のアンテナ素子を備えるとして以下説明する。受信アンテナ部111では、M個の受信アンテナ素子のそれぞれは、1個の送信アンテナ素子から送信された信号、生体50が存在する場合には生体50によって反射された信号を含む受信信号を受信する。
受信部112は、N個の受信アンテナ素子のそれぞれで、所定時間、受信信号を観測(すなわち受信)する。より具体的には、受信部112は、図1に示すように、M個の受信アンテナ素子それぞれで所定期間受信された高周波の信号を、信号処理が可能な低周波の信号に変換する。受信部112は、変換した低周波の信号を、生体情報算出部12に伝達する。
[生体情報算出部12]
生体情報算出部12は、図1に示すように、複素伝達関数算出部121と、抽出部122と、相関行列算出部123とを備え、受信機11により伝達された信号から生体情報を算出する。
<複素伝達関数算出部121>
複素伝達関数算出部121は、N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する。より具体的には、複素伝達関数算出部121は、受信機11から伝達された低周波の信号から、1個の送信アンテナ素子とM個の受信アンテナ素子それぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を算出する。以下、図2を用いてより具体的に説明する。
図2は、図1に示す推定装置1における送信波の伝搬を模式的に表す概念図である。図2に示すように、送信アンテナ部101の送信アンテナ素子から送信される送信波の一部は、生体50によって反射され、受信アンテナ部111の受信アレーアンテナに到達する。ここで、受信アンテナ部111は、M個の受信アンテナ素子からなる受信アレーアンテナであり、素子間隔dのリニアアレーである。また、受信アンテナ部111の正面から見た生体50の方向をθとする。なお、生体50と受信アンテナ部111との距離は十分に大きく、受信アンテナ部111に到来する生体由来の反射波は平面波と見なせるものとする。
そして、複素伝達関数算出部121は、M個の受信アンテナ素子を使って観測された複素受信信号ベクトルから、送信アンテナ素子とM個の受信アンテナ素子それぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数ベクトルを算出することができる。
<抽出部122>
抽出部122は、複素伝達関数算出部121において算出された複数の複素伝達関数から、生体50の影響による生体成分であってN個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する。より具体的には、抽出部122は、複素伝達関数算出部121が算出した複素伝達関数を時系列で記録し、複素伝達関数の変化のうち、生体50の影響による生体成分を抽出する。ここで、生体50の影響による生体成分を抽出する方法としてはフーリエ変換などの周波数領域への変換後に生体の振動に対応する成分のみを抽出する方法、または、2つの異なる時間の複素伝達関数の差分を計算する方法などを用いることができる。これらの方法を実行することにより、生体50以外の固定物を経由する複素伝達関数は除去され、生体50を経由する複素伝達関数成分のみが残る。なお、受信アンテナ素子は複数あるため、受信アンテナ素子に対応する複素伝達関数の生体50経由成分の数も複数となる。これらをまとめて、生体成分チャネルベクトルと定義する。
<相関行列算出部123>
相関行列算出部123は、抽出部122において抽出された、N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分から相関行列を算出する。より具体的には、相関行列算出部123は、生体成分である生体50を経由する複数の複素伝達関数成分から構成される生体成分チャネルベクトルの相関行列Rを算出する。
[計算部13]
計算部13は、相関行列算出部123において算出された相関行列の1以上の固有値を計算する。より具体的には、計算部13は、相関行列算出部123より算出された相関行列Rの固有値を計算する。計算部13は、計算した相関行列Rの固有値を記憶部14に記憶させる。
計算部13は、例えば相関行列Rを固有値分解して固有値を計算する。一般に、固有値及び固有ベクトルのそれぞれは、送信アンテナ部101から受信アンテナ部111に至る電波(送信波)の伝搬経路、すなわちパスの1本を表す。本来であれば直接波または壁などの固定物による反射といった様々なパスが存在しており、それぞれのパスが各固有値及び固有ベクトルに対応する。しかし、本実施の形態では、相関行列Rは、相関行列算出部123よりN個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分から算出されているため、計算部13により計算される各固有値は、生体50により反射されたパスと、雑音に対応するパスとを表すことになる。
[記憶部14]
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)またはメモリ等で構成され、推定装置1の処理で用いるデータ等が記憶される。
例えば、記憶部14は、計算部13の計算結果及び信頼性推定部15の推定処理に用いるデータ等が記憶される。また、記憶部14は、方向推定部16により過去に推定された推定結果が記憶される。
[信頼性推定部15]
信頼性推定部15は、対象空間内に存在する生体50の数の値を示す生体数情報と、計算部13において計算された1以上の固有値とを用いて、生体50の方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する。ここで、生体数情報は、あらかじめ与えられる情報であり、測定対象範囲である対象空間内にL人の生体50が存在するという情報を示す。
より具体的には、信頼性推定部15は、計算部13で計算された複数の固有値を値の大きさでソートした際における隣接する固有値の比率または差分を示す比率情報を算出する。そして、信頼性推定部15は、生体数情報により示される値がL(Lは1以上の自然数)のとき、ソートした際のL番目の固有値に対応する比率情報が所定値以上の場合、推定結果の信頼性が高いと判定する。
つまり、信頼性推定部15は、計算部13で計算された複数の固有値を値の大きさでソートすることで得られる固有値分布の特徴から、方向推定部16が行う推定結果の信頼性を評価する。
図3は、実施の形態1における固有値分布の一例を示す図である。
固有値分布は、計算部13において計算された複数の固有値を大きさでソートしたときに得られる分布である。固有値分布は、図3に示されるように、行ごとに複数の固有値がソートされて並べられた表であってもよい。図3に示される例では、固有値分布の表の1行目では、20、18、0.15及び0.12の4つの固有値がソートされて配されている。より具体的には、図3に示す表の1行目では、第一固有値の欄に最も大きな固有値20が配され、第二固有値の欄に2番目に大きな固有値18が配され、第三固有値の欄に3番目に大きな固有値0.15が配され、及び、第四固有値の欄に4番目に大きな固有値0.12が配されている。なお、図3に示す表の2行目及び3行目も同様であるので説明は省略する。
図4は、実施の形態1における固有値分布から算出される比率情報の一例を示す図である。図4には、比率情報から判定された推定結果の信頼性も示されている。
比率情報は、固有値分布の特徴の一例であり、固有値分布において隣接する固有値の比率または差分を算出することで得られる。比率情報は、図4に示されるように、図3に示す行ごとの固有値分布において隣接する固有値の比率が算出された結果を示す表であってもよい。より具体的には、図4に示す表の1行目には、図3に示す1行目の固有値分布において第一固有値を第二固有値で割ったときの比率1.11と、第二固有値を第三固有値で割ったときの比率120と、第三固有値を第四固有値で割ったときの比率1.25とが配されている。
推定結果の信頼性は、生体数情報により示される値がLであるときに、最大の固有値から数えてL番目の固有値における比率情報に示される値が所定値以上であるか否かで判定される。図4に示す例では、生体数情報により示される値が2(二人)であるので、最大の固有値から数えて2番目の固有値における比率情報として、第二固有値を第三固有値で割ったときの比率が例えば10などの所定値以上になるかで判定される。図4に示す表の1行目では、第二固有値を第三固有値で割ったときの比率が120で所定値よりも大きいため、推定結果の信頼性が高いと判定されている。なお、図4に示す表の2行目及び3行目も同様であるので説明は省略する。
なお、固有値分布は、表として表現される場合に限らず、例えば縦軸を固有値の大きさ、横軸を、当該ソートしたときの最大の固有値から数えた順番を示す番号としたグラフで表現されてもよい。同様に、固有値分布の比率情報は、表として表現される場合に限らず、例えば縦軸を固有値の比率、横軸を当該ソートしたときの最大の固有値から数えた順番を示す番号としたグラフで表現されてもよい。
図5は、実施の形態1における信頼性推定部15の詳細構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態では、信頼性推定部15は、図5に示すように、固有値分布算出部151と、特徴判定部152と、信頼性判定部153とを備える。
<固有値分布算出部151>
固有値分布算出部151は、計算部13において計算された複数の固有値を大きさでソートしたときに得られる固有値分布を算出する。例えば、固有値分布算出部151は、図6に示すような固有値分布を算出してもよい。
ここで、図6は、実施の形態1における固有値分布の別の一例を示す図である。図6に示す固有値分布は、図5に示す固有値分布算出部151により算出される。図6において、縦軸は固有値の大きさを示し、横軸は、複数の固有値を大きさでソートした場合の最大の固有値を1番目としたときの最大の固有値から数えた固有値の番号を示す。なお、図6には、M個の固有値を大きさでソートした場合のグラフの一例が示されており、さらに熱雑音などのノイズに対応する値が点線で示されている。
なお、固有値分布算出部151は、固有値分布として、後述する固有値分布の比率情報を算出するとしてもよい。
<特徴判定部152>
特徴判定部152は、固有値分布算出部151により算出された固有値分布の特徴を判定する。より具体的には、特徴判定部152は、固有値分布算出部151により算出された固有値分布において隣接する固有値の比率または差分を示す比率情報を、固有値分布の特徴として算出する。例えば、特徴判定部152は、図6に示す固有値分布の特徴として、図7に示すような固有値分布の比率情報を算出してもよい。
図7は、実施の形態1における固有値分布から算出される比率情報の別の一例を示す図である。図7に示す固有値分布の比率情報のグラフは、図5に示す特徴判定部152により算出される。図7において、縦軸は固有値比率の大きさを示し、横軸は複数の固有値を大きさでソートした場合の最大の固有値と次に大きい固有値との比率を1番目としたときの固有値比率の番号を示す。つまり、図7に示す固有値分布の比率情報には、計算部13において計算された複数の固有値を大きさでソートしたときの隣接する固有値の比率の分布が示されている。ここで、比率は、固有値比率の番号i(iは自然数)に対応する固有値λを分子として対応する固有値λに隣接する固有値λi+1を分母として割り算、すなわちλ/λi+1(iは自然数)で計算される。
なお、特徴判定部152は、固有値分布算出部151により算出された固有値分布の特徴として、固有値分布の比率情報を判定する場合に限らず、固有値分布における固有値の変化量を判定してもよい。
<信頼性判定部153>
信頼性判定部153は、特徴判定部152により判定された固有値分布の特徴を用いて、推定結果の信頼性を判定する。より具体的には、信頼性判定部153は、生体数情報により示される値がLである場合、最大の固有値から数えてL番目の固有値における比率情報に示される値が所定値以上であるか否かで、推定結果の信頼性を判定する。
例えば、特徴判定部152は、生体数情報により示される値がLであるとき、固有値分布におけるL番目とL+1番目との固有値の変化量すなわち固有値の比率をL番目の固有値における比率情報として算出する。そして、特徴判定部152は、算出したL番目の固有値における固有値比率が所定値以上であるかを判定することで、推定結果の信頼性が高いか否かを判定する。
図7に示す例では、特徴判定部152は、生体数情報により示される値がLであるので、実線丸で囲まれたL番目の固有値における固有値比率が所定値以上であるかを判定する。図7に示す例では、実線丸で囲まれたL番目の固有値の固有値比率が突出していることからもわかるように、特徴判定部152は、L番目の固有値の固有値比率が所定値以上であると判定し、推定結果の信頼性が高いと判定する。
このようにして、特徴判定部152は、特徴判定部152により判定された固有値分布の特徴を用いて、固有値分布におけるL番目とL+1番目との固有値が急激に減少しているかを判定することができるので、方向推定部16の推定結果の信頼性が高いかどうかを判定できる。
なぜならば、対象空間内にL人の生体50がいる場合、生体50を経由する電波の伝搬経路はL本となり、熱雑音などのノイズと比べて有意に大きい固有値はL個となるためである。
換言すると、対象空間内にL人の生体50がいる場合に、ノイズと比べて有意に大きい固有値の数がL個未満となるときは、方向推定ができていない生体50がいることになる。また、対象空間内にL人の生体50がいる場合に、ノイズと比べて有意に大きい固有値の数がL+1個以上となるときは、雑音などの影響で実際にいる生体50の数よりも多くの像(生体50)が見えていることになる。つまり、対象空間内にL人の生体50がいる場合、有意に大きい固有値はL個のみとなるはずであるので、L番目の固有値とL+1番目の固有値との大きさに差があるはずである。したがって、特徴判定部152は、L番目の固有値とL+1番目の固有値との差の大きさを評価することで、方向推定部16の推定結果の信頼性を評価することができる。
なお、信頼性判定部153は、算出した固有値比率をそのまま、方向推定部16の推定結果の信頼性の判定結果として出力してもよい。
[方向推定部16]
方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて、相関行列から所定の方法で生体50の方向を推定する。より具体的には、方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて、生体情報算出部12が算出した相関行列を用いて、生体50の受信アンテナ部111から見た方向を推定する。
ここで、方向推定部16は、MUSIC(MUltiple Signal Classification)法またはビームフォーマー法などを用いて、生体50の方向推定を行ってもよい。
なお、方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性が高い場合と低い場合とで出力を変えてもよい。例えば、方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性が低い場合、信頼性の推定に用いた固有値を計算した相関行列から生体50の方向を推定した推定結果を破棄し、前回の推定結果を出力してもよい。より具体的には、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、生体50の方向を推定した推定結果であって信頼性が低いと判定された時点よりも過去の期間の推定結果のうち、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定された過去時点における推定結果を出力してもよい。
また、方向推定部16は、推定結果を破棄する代わりに、信頼性が低いことを示す印などの情報とともに推定結果を出力してもよい。
また、方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性が低かった場合かつ、前回の方向推定部16が行った推定結果から所定の閾値以上離れている場合、推定結果を破棄し、前回の推定結果を出力してもよい。換言すると、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定され、かつ、今回推定した推定結果が直前の推定結果から閾値以上の時間離れている場合、信頼性が低いと判定された時点よりも過去期間の推定結果のうち、信頼性が高いと判定された過去時点の推定結果を出力してもよい。
また、方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて設定される区間を設定し、当該区間分の過去の推定結果の時間平均または中央値を算出し、推定結果として出力してもよい。換言すると、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、判定された信頼性の度合いに応じて基準区間よりも長く設定される第1区間の時間範囲で、記憶部14に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力してもよい。
なお、方向推定部16は、MUSIC法、ビームフォーマー法またはCapon法などの方法を用いて方向推定を行う場合、評価関数のスペクトルを得る。このような場合、方向推定部16は、各スペクトルの最大値を推定結果の信頼性を評価するために用いてもよく、評価した信頼性に応じて出力すればよい。
[推定装置1の動作]
次に、以上のように構成された推定装置1の動作について、図を用いて説明する。
図8は、実施の形態1における推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図9は、実施の形態1における推定装置1の動作の別の一例を示すフローチャートである。図8と同様の要素には同一の符号を付している。
まず、推定装置1は、所定期間、受信信号を観測する(S1)。より具体的には、推定装置1は、1個の送信アンテナ素子から送信され、対象空間内に存在する生体50によって反射された反射信号を含む受信信号を、所定期間について観測する。
次に、推定装置1は、ステップS1で観測した受信信号から、複素伝達関数を算出する(S2)。より具体的には、推定装置1は、N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する。詳細は上述した通りであるため、ここでの説明は省略する。以下も同様である。
次に、推定装置1は、ステップS2で算出した複素伝達関数から、生体50の影響による生体成分である生体成分を抽出する(S3)。より具体的には、推定装置1は、ステップS2において算出された複数の複素伝達関数から、生体50の影響による生体成分であってN個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する。
次に、推定装置1は、ステップS3で抽出した生体成分の相関行列を算出する(S4)。より具体的には、推定装置1は、ステップS3において抽出された、N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分から相関行列を算出する。
次に、推定装置1は、ステップS4で算出した相関行列の固有値を計算する(S5)。より具体的には、推定装置1は、ステップS4において算出された相関行列の1以上の固有値を計算する。
次に、推定装置1は、ステップS5で計算した固有値を用いて推定結果の信頼性を推定する(S6)。より具体的には、推定装置1は、対象空間内に存在する生体50の数の値を示す生体数情報と、ステップS4において計算された1以上の固有値とを用いて、生体50の方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する。
次に、推定装置1は、ステップS6で推定した信頼性に応じて、ステップS4で算出した相関行列から生体50の方向を推定する(S7)。ここで、推定装置1は、ステップS4で算出した相関行列からMUSIC法などを用いて生体50の推定を行ってもよい。
なお、推定装置1は、ステップS6で推定した信頼性が高い場合と低い場合とで出力を変更してもよい。以下、図9を用いて具体的に説明する。
すなわち、ステップS7において、まず、推定装置1は、ステップS6で推定した信頼性が高いか否かを判定してもよい(S7A)。より具体的には、推定装置1は、ステップS6で推定した信頼性が所定値以上であるか否かにより当該信頼性が高いか低いかを判定してもよい。
ステップS7Aにおいて、信頼性が高いと判定された場合(S7AでYes)、推定装置1は、ステップS4で算出した相関行列から生体50の方向を推定し、その推定結果を出力してもよい(S7B)。
一方、ステップS7Aにおいて、信頼性が低いと判定された場合(S7AでNo)、推定装置1は、ステップS4で算出した相関行列から推定した今回の推定結果をスキップしてもよいし、今回の推定結果を破棄し前回推定した推定結果を出力してもよい(S7C)。
図10は、実施の形態1におけるステップS6の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS6において、まず、推定装置1は、固有値分布を算出する(S61)。より具体的には、推定装置1は、ステップS5において計算された複数の固有値を大きさでソートして得られる固有値分布を算出する。例えば、推定装置1は、図6に示すような固有値分布のグラフを算出してもよい。
次に、推定装置1は、ステップS61において算出された固有値分布の特徴を判定する(S62)。より具体的には、推定装置1は、ステップS61において算出された固有値分布において隣接する固有値の比率または差分を示す比率情報を固有値分布の特徴として算出する。例えば、推定装置1は、図6に示す固有値分布の特徴として、図7に示すような固有値分布の比率情報のグラフを算出してもよい。
次に、推定装置1は、ステップS62において判定された固有値分布の特徴を用いて、推定結果の信頼性を推定する(S63)。より具体的には、推定装置1は、生体数情報により示される値がLである場合、最大の固有値から数えてL番目の固有値における比率情報に示される値が所定値以上であるか否かで、推定結果の信頼性を推定する。つまり、推定装置1は、ステップS61において算出された固有値分布において、生体数情報により示される生体数の値Lを用いて、L番目とL+1番目の固有値が急激に減少しているかを判定することで、推定結果の信頼性を推定している。
(変形例)
上記の実施の形態1では、一例として送信機10が2.45GHzの正弦波を送信するとして説明したが、これに限らない。送信機10は、送信波(電波)として例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号などのマルチキャリア信号を送信してもよい。送信機10が送信波としてOFDM信号などのマルチキャリア信号を送信する場合を、変形例として以下説明する。
[本変形例の推定装置1の構成]
実施の形態1の推定装置1に対して、本変形例の推定装置1は、マルチキャリア信号を扱う点が異なる。以下、図1を用いて、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
[送信機10]
本変形例の送信機10は、上述したとおり、例えばOFDM信号などのマルチキャリア信号を生成し、送信アンテナ部101が有する1個の送信アンテナ素子から送信する。
[受信機11]
本変形例の受信機11は、実施の形態1と同様に、受信アンテナ部111と、受信部112とで構成される。本変形例の受信機11は、実施の形態1と比較して、受信部112が受信する信号が異なる。
受信部112は、N個の受信アンテナ素子を有する受信アンテナ部111で所定期間マルチキャリア信号を観測する。より具体的には、受信部112は、M個の受信アンテナ素子それぞれで所定期間受信されたマルチキャリア信号を、信号処理が可能な低周波の信号に変換するとともに、マルチキャリア信号をサブキャリア毎に分解する。例えば、マルチキャリア信号がs個のサブキャリアで構成されている場合、受信部112は、s個の低周波信号に分解して生体情報算出部12に伝達する。
[生体情報算出部12]
生体情報算出部12は、受信部112により伝達されたs個の低周波信号からs個の生体情報を算出する。具体的には、生体情報算出部12は、s個の生体情報の算出処理を、並列で行い(s並列に行い)、最終的にs個の相関行列を算出する。
[計算部13]
計算部13は、生体情報算出部12で算出されたs個の相関行列をもとにs組の固有値を計算する。
[信頼性推定部15]
信頼性推定部15は、計算部13で計算されたs組の固有値を用いて、方向推定部16が生体50の方向を推定したときのs組の推定結果の信頼性を推定する。信頼性推定部15は、対象空間内に存在する生体50の数の値を示す生体数情報と、計算部13において計算されたs組の固有値とを用いて、生体50の方向を推定したときのs組の推定結果の信頼性を推定する。ここで、生体数情報は、あらかじめ与えられる情報であり、測定対象範囲である対象空間内にL人の生体50が存在するという情報を示す。
より具体的には、信頼性推定部15は、計算部13で計算された固有値を値の大きさでソートした際における隣接する固有値の比率情報をs組算出する。そして、信頼性推定部15は、s組の比率情報それぞれにおいて、生体数情報により示される値がLのとき、ソートした際のL組目の固有値に対応する比率情報が閾値以上の場合、推定結果の信頼性が高いと判定する。
なお、それぞれのサブキャリアにおける信頼性推定の方法は実施の形態1と同様のため、詳細な説明は割愛する。
このようにして、信頼性推定部15は、計算部13で計算されたs組それぞれの固有値から得られる固有値分布の特徴を用いて、方向推定部16のs組の推定結果の信頼性が高いかどうかを判定できる。
なぜなら、実施の形態1と同様に、対象空間内に存在する生体50の方向等をうまく推定できる場合には、有意に大きな固有値が生体50の数だけ現れる。一方、対象空間内に存在する生体50の方向等をノイズなのによってうまく推定できない場合には、有意に大きな固有値が生体50の数以上だけ現れる。つまり、対象空間内の測位点(パス)のうちのある測位点(パス)の周囲における測位誤差と固有値とには似たような傾向があることから、固有値を用いて対象空間内に存在する生体50の方向等をうまく推定できるか否かがわかる。
図11は、実施の形態1の変形例におけるマルチキャリア信号を用いた場合の測位誤差分布の一例を示す図である。横軸はサブキャリア、縦軸は時間を示している。
図11に示される測位誤差分布は、OFDM信号を使用し、複数の時刻ですべてのサブキャリアに対してMUSIC法による生体50の位置推定を行うことで得られる。図11の黒くプロットされている点は、誤差が一定の閾値以下であることを示している。
図12Aは、図11に示す測位誤差分布と同タイミングにおける第一固有値及び第二固有値の比率が閾値以上か否かを示す分布図である。図12Bは、図11に示す測位誤差分布と同タイミングにおける第二固有値及び第三固有値の比の分布が閾値以上か否かを示す分布図である。なお、実施の形態1と同様に、第一固有値は最も大きな固有値、第二固有値は2番目に大きな固有値、第三固有値は3番目に大きな固有値であること意味する。また、同タイミングとは、図11に示す時間方向及びサブキャリア方向において同一であることを意味する。
図12Aでは、図11と同じ縦軸と横軸とにおいて第一固有値と第二固有値との比率が一定の閾値以下の点は黒くプロットされている。そして、図12Aと図11とを比較すると、図12Aにおいて、第一固有値と第二固有値との比率として閾値以上の点が集まっている領域と対応する図11の領域(つまり同一領域)では、測位誤差が一定の閾値以下である傾向が確認できる。
また、図12Bは、図11と同じ縦軸と横軸とにおいて第二固有値と第三固有値との比率が一定の閾値以下の点は黒くプロットされている。そして、図12Bと図11とを比較すると、図12Bにおいて、第二固有値と第三固有値との比率として閾値以上の点が集まっている領域と対応する図11の領域(つまり同一領域)では、測位誤差は一定の閾値以上である傾向が確認できる。
したがって、図11〜図12Bからわかるように、信頼性推定部15は、計算部13で計算されたs組の固有値から得られる固有値分布の特徴として、固有値比率の分布を用いることで、方向推定部16の推定結果の信頼性が高いかどうかを判定できる。
[方向推定部16]
方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて、相関行列から所定の方法で生体50の方向を推定する。より具体的には、方向推定部16は、生体情報算出部12が算出したs個の相関行列と、信頼性推定部15が推定したs個の信頼性とをもとに生体50の方向を推定する。ここで、方向推定部16は、それぞれのサブキャリアの相関行列に対して、MUSIC法などを用いることで生体50の方向を推定する。
本変形例では、方向推定部16は、生体50の方向の推定結果と、信頼性推定部15により推定された信頼性とを所定の方法で合わせて、最終的な推定結果とする。ここで、例えば、方向推定部16は、s個の推定結果のうち、信頼性の最も高いものを最終的な推定結果として出力してもよいし、信頼性の値が閾値以上である推定結果の平均または中央値を最終的な推定結果として出力してもよい。
なお、方向推定部16は、生体50の方向を推定した推定結果であって信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された時点よりも過去の期間の推定結果のうち、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定された過去時点における推定結果を出力してもよい。
例えば図12Aを用いて説明すると、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定されたある時点以外の時間方向の推定結果のうち、信頼性が高いと判定された時点の推定結果を出力してもよい。
また、方向推定部16は、生体50の方向を推定した推定結果であって信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された周波数以外の周波数範囲の推定結果のうち、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定された周波数における推定結果を出力してもよい。
例えば図12Aを用いて説明すると、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された一のサブキャリア以外のサブキャリアの推定結果のうち、信頼性が高いと判定されたサブキャリアの推定結果を出力してもよい。
また、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、上記を組み合わせてもよい。すなわち、方向推定部16は、生体50の方向を推定した推定結果であって過去の所定期間と所定周波数範囲との推定結果のうち、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定された過去時点かつ周波数における推定結果を出力してもよい。
例えば図12Aを用いて説明すると、信頼性推定部15によって一のサブキャリアのある時点(第1時点)の信頼性が低いと判定されたとする。この場合、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定されたあるサブキャリア以外のサブキャリアの当該第1時点以外の時点における推定結果を出力してもよい。
また、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定され、かつ、今回推定した推定結果が直前の推定結果から閾値以上の時間離れている場合、信頼性が低いと判定された時点よりも過去期間の推定結果のうち、信頼性が高いと判定された過去時点の推定結果を出力してもよい。
例えば図12Aを用いて説明する。まず、方向推定部16により推定された当該一のサブキャリアの第1時点における推定結果が今回推定した推定結果であり、当該一のサブキャリアの第1時点の直前の第2時点における推定結果を直前の推定結果であるとする。そして、信頼性推定部15によって一のサブキャリアのある第1時点の信頼性が低いと判定され、今回推定した推定結果が直前の推定の推定結果から閾値以上の時間離れているとする。
この場合、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定された第1時点よりも過去期間の当該一のサブキャリアの推定結果のうち、信頼性が高いと判定された過去時点の当該一のサブキャリアの推定結果を出力してもよい。
また、信頼性に応じて基準区間よりも長く第2区間を設定し、過去の推定結果のうち第2区間に含まれる推定結果の周波数方向の平均または中央値を算出し、推定結果として出力してもよい。換言すると、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、判定された信頼性の度合いに応じて基準区間よりも長く設定される第2区間の周波数範囲で、記憶部14に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力してもよい。
なお、方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、判定された信頼性の度合いに応じて基準区間よりも長く設定される第1区間の時間範囲で、記憶部14に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力してもよい。
このようにして、信頼性が低い区間は長さを基準より伸ばして平均値または中央値を算出し、推定精度の向上を図る。
[効果等]
実施の形態1及び変形例の推定装置1及び推定方法によれば、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の方向推定とその信頼性の評価を行うことができる。より具体的には、一の送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の複素伝達関数から、生体50の影響による生体成分を抽出し、抽出した生体成分から相関行列とその固有値を算出する。そして、算出した固有値を用いて所定の方法で測定結果の信頼性を推定した上で、生体50の方向推定をすることで、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の方向推定を行うと同時にその推定結果の信頼性を知ることができる。
また、実施の形態1及び変形例の推定装置1及び推定方法によれば、受信信号から生体50に関する成分のみを抽出するため、検出対象となる生体50に送信機等の特別な装置を所持させなくても、生体50の方向を推定することができる。
また、このような方向推定の処理を逐次的に行うことで生体50の人数とともに生体の50位置のトラッキングを行うこともできる。これにより、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の生体位置をリアルタイムに把握することができる。
また、変形例の推定装置1及び推定方法によれば、時間方向だけでなく、サブキャリア方向、すなわち周波数方向にも複数同時に測定が行えるだけでなく、信頼性判定を行える。これにより、周波数方向に信頼性の高い推定結果を探索して出力することができ、推定精度を向上することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、SIMO構成の送信機、受信機を用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。MIMO(Multiple Input Multiple Output)構成の送信機、受信機を用いて受信信号の相関行列を観測し、相関行列の固有値を用いて所定の方法で、対象空間内に存在する生体の位置を推定してもよい。この場合を以下、実施の形態2として説明する。
以下では、実施の形態1と異なるところを中心に説明する。
[推定装置1Aの構成]
図13は、実施の形態2における推定装置1Aの構成の一例を示すブロック図である。図13に示す推定装置1Aは、実施の形態1の推定装置1に対して、送信機10Aの構成が異なる。この構成により、対象空間内に存在する生体50の位置を推定するとともに、当該位置の推定結果に対する信頼性を評価することができる。
[送信機10A]
送信機10Aは、送信アンテナ部101Aと、送信部102とで構成される。
送信アンテナ部101Aは、複数の送信アンテナ素子を有する。本実施の形態では、送信アンテナ部101Aは、例えば図13に示すように、#1から#MのM個(Mは2以上の整数)のアンテナ素子を備える。
そして、送信部102は、生成した信号である送信信号を、送信アンテナ部101Aが有するM個の送信アンテナ素子から送信する。
[複素伝達関数算出部121]
実施の形態2における複素伝達関数算出部121では、実施の形態1と構成は同じであるものの、送信アンテナ部101Aが、複数の送信アンテナ素子を有することで、実施の形態1と比較して一部の処理が異なる。具体的には、本実施の形態における推定装置1Aは、送信アンテナ素子をM個、受信アンテナ素子をM個備えるため、複素伝達関数算出部121により算出される複素伝達関数Hは、M行M列の行列となる。
本実施の形態における複素伝達関数算出部121は、まず、(式1)を用いて、M行M列の複素伝達関数をM×M行1列のベクトルに変換する。これにより、本実施の形態における複素伝達関数算出部121は、以降の処理すなわち複素伝達関数の算出を、実施の形態1と同様の方法で行うことができる。
Figure 2020109391
[方向推定部16]
実施の形態2における方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて、相関行列から所定の方法で生体50の位置を推定する。より具体的には、実施の形態2における方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて、生体情報算出部12が算出した相関行列を用いて、生体50の受信アンテナ部111から見た複数の方向を推定することで生体50の位置を推定する。
なお、実施の形態2における方向推定部16は、実施の形態1と同様に、信頼性推定部15により推定された信頼性が高い場合と低い場合とで出力を変えてもよい。例えば、実施の形態2における方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性が低い場合、信頼性の推定に用いた固有値を計算した相関行列から生体50の位置を推定した推定結果を破棄し、前回の推定結果を出力してもよい。より具体的には、実施の形態2における方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、生体50の位置を推定した推定結果であって信頼性が低いと判定された時点よりも過去の期間の推定結果のうち、信頼性推定部15により信頼性が高いと判定された過去時点における推定結果を出力してもよい。
また、実施の形態2における方向推定部16は、推定結果を破棄する代わりに、信頼性が低いことを示す印などの情報とともに推定結果を出力してもよい。
また、実施の形態2における方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性が低かった場合かつ、前回の方向推定部16が行った推定結果から所定の閾値以上離れている場合、推定結果を破棄し、前回の推定結果を出力してもよい。換言すると、当該方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定され、かつ、今回推定した推定結果が直前の推定結果から閾値以上の時間離れている場合、信頼性が低いと判定された時点よりも過去期間の推定結果のうち、信頼性が高いと判定された過去時点の推定結果を出力してもよい。
また、実施の形態2における方向推定部16は、信頼性推定部15により推定された信頼性に応じて設定される区間を設定し、当該区間分の過去の推定結果の時間平均または中央値を算出し、推定結果として出力してもよい。換言すると、当該方向推定部16は、信頼性推定部15により信頼性が低いと判定された場合、判定された信頼性の度合いに応じて基準区間よりも長く設定される第1区間の時間範囲で、記憶部14に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力してもよい。
なお、実施の形態2における方向推定部16は、MUSIC法、ビームフォーマー法またはCapon法などの方法を用いて位置推定を行う場合、評価関数のスペクトルを得る。このような場合、方向推定部16は、各スペクトルの最大値を推定結果の信頼性を評価するために用いてもよく、評価した信頼性に応じて出力すればよい。
また、送信機10Aは、実施の形態1の変形例と同様に、送信波(電波)として例えばOFDM信号などのマルチキャリア信号を用いてもよい。この場合の構成及び効果については推定結果として生体の方向だけでなく生体の位置を推定できる点を除いて、実施の形態1の変形例と同様のため、説明を省略する。
[効果等]
実施の形態2の推定装置1A及び推定方法によれば、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の位置推定を行うことができる。より具体的には、複数の送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の複素伝達関数から、生体50の影響による生体成分を抽出し、抽出した生体成分から相関行列とその固有値を算出する。そして、算出した固有値を用いて、所定の方法で生体50の位置推定とその推定結果の信頼性評価とを行う。このようにして、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体位置の推定を行うことができる。
また、実施の形態2の推定装置1A及び推定方法も、実施の形態1の推定装置1等と同様に、受信信号から生体50に関する成分のみを抽出するため、検出対象となる生体50に送信機等の特別な装置を所持させなくても、生体位置とその測定結果の信頼性を推定することができる。
また、実施の形態2では、送信機10Aが2以上の送信アンテナ素子を有しているので、生体50の存在する方向だけでなく位置を推定することができる。
そして、このような位置推定を所定時間継続して行うことにより、1以上の生体の位置を所定時間継続してトラッキングすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、観測した受信信号の固有値を用いて、生体の方向または位置の推定結果の信頼性を推定したが、これに限らない。MUSIC法またはCapon法に代表される到来方向推定法の評価関数スペクトルを用いて、生体の方向または位置の推定結果の信頼性を推定してもよい。この場合を以下、実施の形態3として説明する。以下では、実施の形態1と異なるところを中心に説明する。
[推定装置1Bの構成]
図14は、実施の形態3における推定装置1Bの構成の一例を示すブロック図である。図14に示す推定装置1Bは、実施の形態1の推定装置1と比較して方向推定部16Bと信頼性推定部15Bの構成が異なる。
[方向推定部16B]
方向推定部16Bは、相関行列算出部123により算出された相関行列を用いて、評価関数を計算し、計算した評価関数を用いて、生体50の方向または位置を推定する。ここで、方向推定部16Bにおいて計算される評価関数は、MUSICスペクトルであってもよいし、Capon法のスペクトルであってもよいし、ビームフォーマー法のスペクトルであってもよい。
本実施の形態では、方向推定部16Bは、計算部13により計算され記憶部14に記憶されている固有値及び固有ベクトルを用いて、実施の形態1と同様にMUSIC法、Capon法またはビームフォーマー法などの到来方向推定法を用いて方向推定を行う。また、方向推定部16Bは、到来方向推定法で用いた評価関数のスペクトルを、信頼性推定部15Bに伝達する。
MUSIC法、Capon法及びビームフォーマー法のいずれを用いる場合も同様に生体50の方向または位置を推定することができるので、以下では、MUSIC法を用いた場合を一例に挙げて説明する。
すなわち、方向推定部16Bは、計算部13が算出した固有値Λ及び固有ベクトル
Figure 2020109391
と、推定装置1Bの対象空間内(センシング範囲内)に存在する生体の数Lとから、(式2)で表される評価関数Pmusic(θ)の角度θに対するスペクトルを算出する。このスペクトルは、MUSICスペクトルと称される。
Figure 2020109391
方向推定部16Bは、(式2)で表されるMUSICスペクトルの上位L個の極大値を探索して、対応するθを生体の方向として推定する。また、方向推定部16Bは、上位L個の極大値に対応するPmusic(θ)の値を出力する。
[信頼性推定部15B]
信頼性推定部15Bは、方向推定部16Bにおいて計算された評価関数を用いて、生体50の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する。信頼性推定部15Bは、推定した信頼性が閾値より低い場合、推定結果の信頼性が低いと判定し、推定した信頼性が閾値以上である場合、推定結果の信頼性が高いと判定する。
本実施の形態では、信頼性推定部15Bは、方向推定部16Bが算出した評価関数Pmusic(θ)の極大値をもとに、方向推定部16Bの推定結果の信頼性を推定する。ここで、信頼性推定部15Bは、評価関数Pmusic(θ)の極大値をそのまま用いてもよいし、評価関数Pmusic(θ)の極大値と極小値との比率を計算してその比率を用いてもよい。以下では、極大値と極小値との比率を用いた例について説明する。
すなわち、信頼性推定部15Bは、評価関数Pmusic(θ)のL個の極大値のそれぞれに対して閾値以上かを判定する。信頼性推定部15Bは、当該L個の極大値のうちの一部の極大値が閾値以上であると判定した場合、当該一部の極大値をとるθが正しい生体50の方向である可能性が高いと推定する。つまり、信頼性推定部15Bは、当該一部の極大値をとるθに対応する推定結果の信頼性が高いと判定する。ここで、閾値は、例えば2dBなど固定の値を用いてもよいし、Lが2の場合は2dB、Lが1の場合は3dBなどLの値によって定まる値を用いてもよい。
図15は、実施の形態3における評価関数のグラフの一例を示す図である。図15では、評価関数としてLが3の場合のMUSICスペクトル501のグラフが示されている。図15に示すように、MUSICスペクトル501は、3つの極大値502A、502B、502Cを持つ。
信頼性推定部15Bは、図15に示す評価関数のグラフを用いて、方向推定部16Bの推定結果の信頼性を推定する場合、3つの極大値502A、502B、502Cが閾値503以上かを判定する。図15に示す例では、信頼性推定部15Bは、極大値502Aと極大値502Cが閾値以上であると判定し、極大値502Aと極大値502Cに対応する推定結果の信頼性が高いと推定する。一方、信頼性推定部15Bは、極大値502Bが閾値より小さいと判定し、極大値502Bに対応する推定結果の信頼性が低いと推定する。
なお、送信機10は、実施の形態1の変形例と同様に、送信波(電波)として例えばOFDM信号などのマルチキャリア信号を用いてもよい。この場合の構成及び効果については実施の形態1の変形例と同様のため、説明を省略する。
また、以上のように構成された推定装置1Bの動作については、推定結果として生体の方向だけでなく生体50の位置を推定できる点と、位置を推定したときに用いた評価関数で推定結果に対する信頼性を評価する点を除いて、実施の形態1で説明した通りであるため、説明を省略する。
[効果等]
実施の形態3の推定装置1B及び推定方法によれば、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の位置推定を行うことができる。より具体的には、一の送信アンテナ素子とN個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の複素伝達関数から、生体50の影響による生体成分を抽出し、抽出した生体成分から相関行列とその固有値を算出する。そして、算出した固有値を用いて所定の方法で測定結果の信頼性を推定した上で、生体50の方向推定をすることで、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の位置推定を行うと同時にその推定結果の信頼性を知ることができる。
また、実施の形態3の推定装置1B及び推定方法によれば、受信信号から生体50に関する成分のみを抽出するため、検出対象となる生体50に送信機等の特別な装置を所持させなくても、生体50の位置を推定することができる。
また、実施の形態3の推定装置1B及び推定方法も、実施の形態1の推定装置1等と同様に、受信信号から生体50に関する成分のみを抽出するため、検出対象となる生体50に送信機等の特別な装置を所持させなくても、生体位置とその測定結果の信頼性を推定することができる。
また、このような位置推定の処理を逐次的に行うことで生体50の人数とともに生体50の位置のトラッキングを行うこともできる。これにより、無線信号を利用して、対象空間内に存在する生体50の生体位置をリアルタイムに把握することができる。
また、実施の形態3の推定装置1B及び推定方法によれば、時間方向だけでなく、サブキャリア方向、すなわち周波数方向にも複数同時に測定が行えるだけでなく、信頼性判定を行える。これにより、周波数方向に信頼性の高い推定結果を探索して出力することができ、推定精度を向上することができる。
以上、本開示の一態様に係る推定装置及び推定方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
また、本開示は、このような特徴的な構成要素を備える、推定装置として実現することができるだけでなく、推定装置に含まれる特徴的な構成要素をステップとする推定方法などとして実現することもできる。また、そのような方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータで読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
本開示は、無線信号を利用して生体方向または生体位置を推定する推定方法及び推定装置等に利用でき、特に、生体の侵入を検知する監視装置などに用いられる推定方法及び推定装置に利用できる。
1、1A、1B 推定装置
10、10A 送信機
11 受信機
12 生体情報算出部
13 計算部
14 記憶部
15、15B 信頼性推定部
16、16B 方向推定部
50 生体
101、101A 送信アンテナ部
102 送信部
111 受信アンテナ部
112 受信部
121 複素伝達関数算出部
122 抽出部
123 相関行列算出部
151 固有値分布算出部
152 特徴判定部
153 信頼性判定部

Claims (15)

  1. 少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置の推定方法であって、
    前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、
    前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、
    前記相関行列算出ステップにおいて算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算ステップと、
    前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算ステップにおいて計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップと、
    前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定ステップとを含む、
    推定方法。
  2. 前記信頼性推定ステップでは、
    (1)前記計算ステップで計算された前記1以上の固有値を、値の大きい順にソートした際における隣接する固有値の比率または差分を示す比率情報を算出し、
    (2)前記生体数情報により示される値がL(Lは1以上の自然数)のとき、前記ソートした際の前記L番目の固有値に対応する前記比率情報が所定値以上の場合、前記推定結果の信頼性が高いと判定する、
    請求項1に記載の推定方法。
  3. 少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いた、対象空間内に存在する生体の方向または位置を推定する推定装置の推定方法であって、
    前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、
    前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、
    前記相関行列を用いて評価関数を計算し、計算した評価関数を用いて、前記生体の方向または位置を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにおいて計算された前記評価関数を用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップとを含む、
    推定方法。
  4. 前記推定ステップにおいて計算される前記評価関数は、MUSICスペクトルである、
    請求項3に記載の推定方法。
  5. 前記推定ステップにおいて計算される前記評価関数は、Capon法のスペクトルである、
    請求項3に記載の推定方法。
  6. 前記推定ステップにおいて計算される前記評価関数は、ビームフォーマー法のスペクトルである、
    請求項3に記載の推定方法。
  7. 前記信頼性推定ステップでは、
    推定した前記信頼性が閾値より低い場合、前記信頼性が低いと判定し、推定した前記信頼性が前記閾値以上である場合、前記信頼性が高いと判定する、
    請求項3〜6のいずれか1項に記載の推定方法。
  8. 前記推定ステップでは、
    前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記生体の方向または位置を推定した推定結果であって前記信頼性が低いと判定された時点よりも過去の期間の推定結果のうち、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が高いと判定された過去時点における推定結果を出力する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の推定方法。
  9. 前記推定ステップでは、
    前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記生体の方向または位置を推定した推定結果であって前記信頼性が低いと判定された周波数以外の周波数範囲の推定結果のうち、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が高いと判定された周波数における推定結果を出力する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の推定方法。
  10. 前記推定ステップでは、
    前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記生体の方向または位置を推定した推定結果であって過去の所定期間と所定周波数範囲との推定結果のうち、前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が高いと判定された過去時点かつ周波数における推定結果を出力する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の推定方法。
  11. 前記推定ステップでは、
    前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定され、かつ、前記推定ステップにおいて推定される推定結果が直前の推定結果から閾値以上の時間または周波数離れている場合、前記信頼性が低いと判定された時点よりも過去期間の推定結果のうち、前記信頼性が高いと判定された過去時点の推定結果を出力する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の推定方法。
  12. さらに、前記推定ステップにおいて過去に推定された推定結果を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、
    前記推定ステップでは、
    前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記信頼性の度合いに応じて基準区間よりも長く設定される第1区間の時間範囲で、前記記憶部に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の推定方法。
  13. さらに、前記推定ステップにおいて過去に推定された推定結果を記憶部に記憶する記憶ステップを含み、
    前記信頼性推定ステップにおいて前記信頼性が低いと判定された場合、前記信頼性の度合いに応じて基準区間よりもながく設定される第2区間の周波数範囲で、前記記憶部に記憶されている過去の推定結果の平均または中央値を算出し、現在の推定結果として出力する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の推定方法。
  14. 少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置であって、
    前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出部と、
    前記伝達関数算出部において算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出部と、
    前記抽出部において抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出部と、
    前記相関行列算出部において算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算部と、
    前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算部において計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定部と、
    前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定部とを備える、
    推定装置。
  15. 少なくとも一の送信アンテナ素子を有する送信機及びN個(Nは2以上の自然数)の受信アンテナ素子を有する受信機を用いて、対象空間内に存在する生体の位置または方向を推定する推定装置の推定方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれで所定期間受信された受信信号から、前記送信アンテナ素子と前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を複数算出する伝達関数算出ステップと、
    前記伝達関数算出ステップにおいて算出された複数の複素伝達関数から、生体の影響による生体成分であって前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける生体成分を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにおいて抽出された、前記N個の受信アンテナ素子のそれぞれにおける前記生体成分から相関行列を算出する相関行列算出ステップと、
    前記相関行列算出ステップにおいて算出された前記相関行列の1以上の固有値を計算する計算ステップと、
    前記対象空間内に存在する生体の数の値を示す生体数情報と、前記計算ステップにおいて計算された前記1以上の固有値とを用いて、前記生体の位置または方向を推定したときの推定結果の信頼性を推定する信頼性推定ステップと、
    前記推定結果の信頼性に応じて、前記相関行列から所定の方法で前記生体の位置または方向を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させる、
    プログラム。
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