JP2020103879A - 生体計測方法、地図データ生成方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および生体計測装置 - Google Patents

生体計測方法、地図データ生成方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および生体計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザがマインドフルネス状態になることに熟達しているかを判定する。【解決手段】 本開示の一態様に係る生体計測方法は、ユーザの頭部に照射光を照射することによって生じた前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出することによって生成され、前記脳の活動状態を示す少なくとも1つの脳活動信号を取得することと、前記少なくとも1つの脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力することと、を含む。【選択図】図1A

Description

本開示は、生体計測方法、地図データ作成方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および生体計測装置に関する。
近年、マインドフルネスに関する研究が、心理学、医学、産業、スポーツ、福祉、教育等の様々な分野において進められている。日本マインドフルネス学会によれば、マインドフルネスは、「今、この瞬間に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義される。例えば、非特許文献1に開示されているように、マインドフルネスを実践することにより、ストレスの低減、疾病のリスクの低減、および集中力の向上等の様々な効果があると言われている。マインドフルネスの技法は、例えば、鬱病の治療に取り入られることがある。産業界においても、マインドフルネスは、例えばリーダーシップの涵養に効果的であると言われ、近年注目されている。マインドフルネス状態になるためのエクササイズとして、マインドフルネス瞑想が広く知られている。マインドフルネス瞑想を実践するための音声または映像などのコンテンツが、例えばインターネットで広く公開されている。
一方で、光を用いて対象者の生体内部の情報を取得する種々の方法が知られている。
特許文献1は、光源と光検出器とを所定の間隔で離した状態で、それらを対象部に密着させて生体情報を取得する方法を開示している。
特許文献2は、対象者の脳血流に関する情報を非接触で取得し、対象者の集中度または感情などの心理状態を推定する技術を開示している。
特許文献3は、複数の対象者の脳活動信号を計測し、複数の対象者の位置関係に基づいて、各対象者の生体情報の解析結果と位置情報とを関連付けて表示するシステムを開示している。
特開平11−164826号公報 特開2017−124153号公報 特開2013−17734号公報
Janssen M, Heerkens Y, Kuijer W, van der Heijden B, Engels J (2018) Effects of MindfulnessBased Stress Reduction on employees’ mental health: A systematic review. PLoS ONE 13(1): e0191332.
従来、ユーザがマインドフルネス状態に熟達しているかを判定する技術は存在しなかった。本開示は、ユーザがマインドフルネス状態になることに熟達しているか否かを判定することを可能にする新規な技術を提供する。
本開示の一態様に係る生体計測方法は、ユーザの頭部に照射光を照射することによって生じた前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出することによって生成され、前記脳の活動状態を示す少なくとも1つの脳活動信号を取得することと、前記少なくとも1つの脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力することと、を含む。
本開示の包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc‐Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含み得る。装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書および特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
本開示の一態様によれば、ユーザがマインドフルネス状態になることに熟達しているか否かを判定することができる。
図1Aは、生体計測装置の例を模式的に示す図である。 図1Bは、光検出器に到達する光の強度の時間変化の例を示す図である。 図1Cは、入力光パルスの幅を横軸に、光検出器での検出光量を縦軸に表した図である。 図1Dは、光検出器の1つの画素の概略的な構成の例を示す図である。 図1Eは、光検出器の構成の一例を示す図である。 図1Fは、1フレーム内の動作の例を示す図である。 図1Gは、制御回路による動作の概略を示すフローチャートである。 図2は、光パルスの内部散乱成分の検出方法を説明するための図である。 図3Aは、表面反射成分を検出する場合のタイミングチャートの一例を模式的に示す図である。 図3Bは、内部散乱成分を検出する場合のタイミングチャートの一例を模式的に示す図である。 図4Aは、脳血流量の変化を検出する方法の例を模式的に示す図である。 図4Bは、ユーザの対象部内の複数箇所での計測を同時に行う方法の一例を模式的に示す図である。 図5Aは、光の照射領域の一例を模式的に示す図である。 図5Bは、ユーザの頭部の横方向の動きに起因する計測結果の変化を模式的に示す図である。 図6は、マインドフルネスの熟達度の1回の判定動作の流れを時間軸上に表した図である。 図7は、熟達度の判定動作の流れを示すフローチャートである。 図8Aは、非熟達者について得られた3つのヒストグラムの例を示す図である。 図8Bは、熟達者について得られた3つのヒストグラムの例を示す図である。 図9は、複数のユーザの携帯機器から脳活動信号および位置データを収集して活用するシステムの概念図である。 図10は、サーバおよび複数の携帯機器の概略的な構成を示す図である。 図11は、地図データに基づいて携帯機器のディスプレイが表示する画像の一例を示す図である。 図12は、ヘッドマウント装置の例を模式的に示す図である。
以下で説明される実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、およびステップの順序は、一例であり、本開示の技術を限定する趣旨ではない。以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一または類似の構成要素には同一の符号を付している。重複する説明は省略または簡略化されることがある。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部、またはブロック図における機能ブロックの全部または一部は、例えば、半導体装置、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路によって実行され得る。LSIまたはICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、もしくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部の機能または操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは1つまたは複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システムまたは装置は、ソフトウェアが記録されている1つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、および必要とされるハードウェアデバイス、例えばインターフェースを備えていてもよい。
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
前述のように、マインドフルネスを実践するための各種のコンテンツが、例えばインターネットに公開されている。そのようなコンテンツは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどの携帯機器用のアプリケーションとしても提供されている。そのようなアプリケーションは、ユーザに、マインドフルネス状態に誘導する音声および/または映像を提供する。ユーザは、例えばガイダンスに従って瞑想することにより、高いリラックス効果を得ることができる。
マインドフルネス状態へのなり易さは、ユーザによって様々である。あるユーザは、マインドフルネスに熟達しており、比較的容易にマインドフルネス状態に移行できる。しかし、他のユーザは、マインドフルネスに熟達しておらず、マインドフルネス状態に移行することが比較的難しい。
マインドフルネス状態へのなり易さは、周囲の環境にも依存する。例えば、自然を体感できる場所、または荘厳な寺社、仏閣、もしくは神殿などの歴史的建造物の中では、人々はマインドフルネス状態になり易いといえる。他にも、優れた芸術作品が設置されている場所、または心地よい音楽が流れている場所など、居心地の良い場所では、人々はマインドフルネス状態になり易いといえる。そのような場所には、マインドフルネスに熟達した人々が集まり易いともいえる。
マインドフルネスの熟達者と非熟達者とを判別することができれば、その判別結果を様々な用途に応用できる可能性がある。しかし、従来、熟達者と非熟達者とを判別する有効な方法は知られていなかった。そこで、本発明者らは、熟達者と非熟達者とを判別する方法を検討し、本開示の実施形態の構成に想到した。
以下、本開示の実施形態の概要を説明する。
本開示の一態様に係る生体計測方法は、以下の(a)および(b)のステップを含む。
(a)ユーザの頭部に照射光を照射することによって生じた前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出することによって生成され、前記脳の活動状態を示す少なくとも1つの脳活動信号を取得する。
(b)少なくとも1つの脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについてのユーザの熟達度を示す信号を生成して出力する。
少なくとも1つの脳活動信号を取得することは、音声および映像からなる群から選択される少なくとも1つを含む刺激が前記ユーザに与えられている状態で行われてもよい。
前記音声および前記映像からなる群から選択される前記少なくとも1つは、前記ユーザを前記マインドフルネス状態に誘導してもよい。
ここで、「ユーザをマインドフルネス状態に誘導する、音声および映像からなる群から選択される少なくとも1つを含む刺激」は、例えば、一般に公開されている、マインドフルネス瞑想のための音声および映像の少なくとも一方を含むコンテンツであり得る。また、「マインドフルネス瞑想のための音声および映像」とは、マインドフルネス瞑想のための使用を意図していることが明記された音声および映像に限らず、実質的にユーザをマインドフルネス瞑想へと誘導する効果が期待できる音声および映像を含む。そのような音声および映像は、例えば、リラックス効果のある音声および映像として提供される場合もあり得る。ユーザがそのような音声および映像のコンテンツを視聴することにより、上記刺激がユーザに提示され得る。
「ユーザの脳内を伝播した光の成分」は、ユーザの脳活動の状態に依存する。当該光の成分を検出することにより、ユーザの脳活動状態を推定することができる。ここで、「光」は、可視光に限らず、例えば赤外線であってもよい。本明細書では、可視光のみならず、赤外線についても「光」の用語を使用する。
「マインドフルネス状態になることについてのユーザの熟達度」は、後に詳しく説明するように、取得された脳活動信号を解析することによって決定することができる。
「脳活動信号」とは、ユーザまたは対象者の脳活動に依存して変化する生体信号を意味する。例えば、脳血液中の酸素化ヘモグロビン濃度、脳血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度、および脳血液中の酸素飽和度のいずれかを示す信号は、脳活動信号に該当する。
脳活動信号は、例えば、ユーザの頭部に光パルスを照射することによって生じた頭部からの反射光パルスのうち、反射光パルスの光強度が減少を開始してから減少が終了するまでの期間(以下、「立ち下がり期間」と称する。)に含まれる反射光パルスの成分の少なくとも一部を検出することによって生成され得る。後述するように、反射光パルスの立ち下がり期間に含まれる光の成分は、ユーザの脳活動を反映する。当該光の成分を検出することにより、ユーザの脳活動の状態を推定することができる。さらには、ユーザがマインドフルネスに熟達しているか否かを判定することができる。
刺激は、例えば、マインドフルネス状態に誘導するために作成された音声または映像などのコンテンツをユーザが視聴することによってユーザに提示され得る。刺激は、視覚および聴覚の刺激に限定されず、他の種類の刺激、例えば嗅覚、触覚、または味覚などの刺激であってもよい。少なくとも1つの脳活動信号は、ユーザに刺激が与えられる直前の第1の期間、ユーザに刺激が与えられている第2の期間、ユーザに刺激が与えられた直後の第3の期間のうち、第2の期間を含む少なくとも2つの期間のそれぞれについて、1回以上生成され得る。熟達度を示す信号は、当該少なくとも2つの期間のそれぞれについて取得された脳活動信号に基づいて生成され得る。
後述するように、マインドフルネスになることに熟達している者(以下、「熟達者」と称する。)と熟達していない者(以下、「非熟達者」と称する。)とでは、映像または音声などの刺激が与えられている最中、およびその前後における脳活動信号の傾向が異なる。刺激が与えられている最中の脳活動信号だけでなく、刺激が与えられる前および後の少なくとも一方における脳活動信号も利用して解析することにより、マインドフルネスの熟達度をより正確に推定することができる。
少なくとも1つの脳活動信号は、複数の脳活動信号を含み、複数の脳活動信号は、上記第1から第3の期間のそれぞれにおいて、前記光の成分を複数回検出することによって取得されてもよい。例えば、一定時間毎に、繰り返し脳活動信号が取得されていてもよい。その場合、熟達度を示す信号は、上記第1から第3の期間のそれぞれについて取得された複数の脳活動信号に基づいて生成され得る。このように、映像または音声などの刺激が与えられている最中と、その前後の各々の期間で、複数の脳活動信号を取得することにより、マインドフルネスの熟達度をより正確に推定することができる。
熟達度を示す信号は、例えば、上記第1から第3の期間のそれぞれについて取得された複数の脳活動信号のばらつき度合に基づいて生成され得る。
少なくとも1つの脳活動信号は、例えば、脳内の血液中の脱酸素化ヘモグロビンの濃度に依存する信号であり得る。本発明者らの実験によれば、熟達者と非熟達者とで、刺激の有無による脱酸素化ヘモグロビンの濃度変化の傾向が顕著に異なることがわかった。脳内の血液中の脱酸素化ヘモグロビンの濃度に依存する信号を解析することにより、熟達度をより正確に推定することができる。
脳活動信号は、波長の異なる2種類の光を利用して取得された2つの信号に基づいて生成されてもよい。例えば、脳活動信号は、ユーザの頭部に、805nmよりも長い第1の波長の光パルスを照射することによって生じた頭部からの第1の反射光パルスのうち、第1の反射光パルスの立ち下がり期間に含まれる成分の少なくとも一部を検出することによって生成された第1の信号と、805nmよりも短い第2の波長の光パルスを照射することによって生じた頭部からの第2の反射光パルスの立ち下がり期間に含まれる成分の少なくとも一部を検出することによって生成された第2の信号とを用いた演算によって生成され得る。
酸素化ヘモグロビンは約805nmを超える波長の近赤外線を比較的よく吸収する。これに対し、脱酸素化ヘモグロビンは、805nmよりも短い波長の近赤外線または赤色光を比較的よく吸収する。第1の信号は、脳血液中の酸素化ヘモグロビンの濃度に依存する信号であり得る。第2の信号は、脳血液中の脱酸素化ヘモグロビンの濃度に依存する信号であり得る。これらの2つの信号を用いて脳血液中の酸素飽和度を求めることもできる。これらの2つの信号を組み合わせることにより、熟達度をより正確に推定することができる。
本開示の他の態様による生体計測装置は、刺激装置と、光源と、光検出器と、信号処理回路とを備える。刺激装置は、刺激をユーザに与える。光源は、刺激がユーザに与えられている状態で、ユーザの頭部に向けて光を出射するように構成される。光検出器は、頭部からの反射光のうち、ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出し、当該成分の強度に応じた脳活動信号を出力するように構成される。信号処理回路は、当該脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについてのユーザの熟達度を示す信号を生成して出力するように構成される。
本開示は、刺激装置と、光源と、光検出器とを備える生体計測装置に搭載されるコンピュータによって実行されるプログラムも含む。当該プログラムは、以下の(a)から(d)の動作をコンピュータに実行させる。
(a)刺激装置に、刺激をユーザに与えさせる。
(b)刺激がユーザに提示されている状態で、光源に、ユーザの頭部に向けて光を出射させる。
(c)光検出器に、前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出させ、前記成分の強度に応じた脳活動信号を出力させる。
(d)脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについてのユーザの熟達度を示す信号を生成して出力する。
本開示の一態様に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、刺激装置と、光源と、光検出器とを備える生体計測装置に搭載されるコンピュータによって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムが前記コンピュータによって実行されるときに、前記刺激装置に、刺激をユーザに与えさせることと、前記刺激が前記ユーザに与えられている状態で、前記光源に、前記ユーザの頭部に向けて光を出射させることと、前記光検出器に、前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出させることにより、前記成分の強度に応じた、前記脳の活動状態を示す脳活動信号を出力させることと、前記脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力することと、が実行される。
本開示の技術は、例えば、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどの携帯機器用のアプリケーションに適用することができる。インターネットなどのネットワークを介して複数の携帯機器に接続されたサーバコンピュータに、上記の方法を実行させてもよい。当該サーバコンピュータは、各ユーザの脳活動信号を、ネットワークを介して収集し、マインドフルネスになることについての各ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力してもよい。各ユーザの熟達度を示す信号は、そのユーザの携帯機器に送信され、当該機器のディスプレイに判定結果が表示され得る。
本開示の一態様に係る地図データ生成方法は、複数のユーザのコンピュータから、上記のいずれかに記載の生体計測方法によって生成された前記複数のユーザの各々の前記熟達度を示す信号と、前記複数のユーザの各々の位置情報とを、ネットワークを介して取得することと、前記位置情報に基づき、前記複数のユーザの各々の前記熟達度と地図とを関連付けた地図データを生成して出力することと、を含む。
あるいは、サーバコンピュータは、各ユーザの携帯機器が生成した熟達度を示す信号と、位置情報とを、ネットワークを介して複数のユーザのコンピュータから取得してもよい。さらに、サーバコンピュータは、当該位置情報に基づき、各ユーザのマインドフルネスの熟達度の判定結果と地図とを関連付けた地図データを生成して出力してもよい。そのような地図データは、マインドフルネスの熟達者の分布を示すヒートマップを表していてもよい。例えば、熟達者の多い場所が赤色で示され、熟達者の少ない場所が青色で示され、熟達者の人数が中程度の場所が緑色で示されたヒートマップを生成してもよい。地図データは、各ユーザの携帯機器に送信され、当該機器のディスプレイにヒートマップが表示され得る。
このような構成によれば、各ユーザは、どの場所に多くの熟達者が集まっているかを知ることができる。多くの熟達者が集まる場所は、マインドフルネス状態になり易い場所、言い替えれば、居心地が良くリラックスできる場所である可能性が高い。上記のアプリケーションを利用することにより、ユーザは、居心地が良くリラックスできる場所を知ることができる。さらに、後述するように、複数のユーザの携帯機器から収集した情報をマーケティングに活用することにより、新たなビジネス機会の創出につなげることも可能になる。
以下、添付の図面を参照して、本開示の実施形態をより具体的に説明する。
(実施形態)
[1.生体計測装置100]
図1Aは、本開示の例示的な実施形態における生体計測装置100を示す模式図である。生体計測装置100は、刺激装置10と、光源20と、光検出器30と、制御回路60と、信号処理回路70とを備える。図1Aは、生体計測装置100を使用するユーザ500も示されている。
刺激装置10は、ユーザ500にマインドフルネス状態へと誘導する刺激を与えるする装置である。光源20は、ユーザ500の頭部に照射されるパルス光を出射する装置である。光源20は、単一の発光装置に限らず、複数の発光装置の組み合わせによって実現されていてもよい。光検出器30は、ユーザ500の頭部から戻ってきた反射パルス光の少なくとも一部を検出する装置である。光検出器30は、例えば、2次元的に配列された複数の光検出セルを含むイメージセンサであり得る。制御回路60は、刺激装置10、光源20、光検出器30を制御する回路である。信号処理回路70は、光検出器30から出力された信号を処理する回路である。
本実施形態における制御回路60は、刺激装置10を制御する刺激制御部61と、光源20を制御する光源制御部62と、光検出器30を制御する検出器制御部63とを含む。刺激制御部61、光源制御部62、および検出器制御部63は、分離された3つの回路によって実現されていてもよいし、単一の回路によって実現されていてもよい。刺激制御部61、光源制御部62、および検出器制御部63は、制御回路60が不図示のメモリに格納された制御用のプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御回路60と信号処理回路70の機能が、単一の回路によって実現されていてもよい。
刺激制御部61は、例えば、刺激として与えられる映像の色相、彩度、および輝度の少なくとも1つ、または音声の音質および大きさの少なくとも1つを制御する。光源制御部62は、例えば、光源20から出射されるパルス光の強度、パルス幅、出射タイミング、および/または波長を制御する。検出器制御部63は、光検出器30の各光検出セルにおける信号蓄積のタイミングを制御する。
本明細書において、「生体情報」とは、刺激によって変化する生体の計測可能な量を意味する。生体情報には、例えば、血流量、血圧、心拍数、脈拍数、呼吸数、体温、脳波、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度、血中酸素飽和度、皮膚の反射スペクトルなどの、種々の量が含まれる。生体情報の一部は、バイタルサインと呼ばれることがある。
以下に、生体計測装置100の各構成要素をより具体的に説明する。
[1−1.刺激装置10]
刺激装置10は、ユーザ500に刺激を提示する。刺激は、ユーザ500の生体反応を引き起こす。刺激装置10は、ディスプレイおよびスピーカの少なくとも一方を含み得る。刺激装置10は、ユーザ500をマインドフルネス状態に誘導する音声および映像の少なくとも一方を含む刺激を、ユーザ500に与える。
マインドフルネス状態へと誘導する刺激は、例えば、マインドフルネス瞑想のために公開されている音声および/または映像などの刺激であり得る。
刺激装置10は、例えば、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどの携帯機器であってもよい。その場合、マインドフルネス状態へと誘導する刺激は、当該携帯機器にインストールされるアプリケーションによって提供されてもよい。刺激装置10は、ヘッドマウント装置のような装置であってもよい。
本実施形態では視覚および/または聴覚に対する刺激が使用される。しかし、これらに限定されず、触覚、嗅覚、または味覚に対する刺激が使用されてもよい。刺激装置10は、ユーザ500に与える刺激の種類に応じて異なる構造および機能を有する。例えば、ユーザ500に触覚刺激を与える場合、刺激装置10は、振動または熱を発生させる装置を含み得る。ユーザ500に嗅覚を与える場合、刺激装置10は、匂いを発生させる装置を含み得る。
[1−2.光源20]
光源20は、ユーザ500の対象部に向けて光を出射する。対象部は、例えば、ユーザ500の頭部であり、より具体的にはユーザ500の額であり得る。光源20から出射されてユーザ500に到達した光は、ユーザ500の表面で反射される表面反射成分I1と、ユーザ500の内部で散乱される内部散乱成分I2とに分かれる。内部散乱成分I2は、生体内部で1回反射もしくは散乱、または多重散乱する成分である。ユーザ500の頭部に向けて光を出射する場合、内部散乱成分I2は、ユーザ500の頭部の表面から奥に8mmから16mmほどの部位、例えば脳に到達し、再び生体計測装置100に戻る成分を指す。表面反射成分I1は、直接反射成分、拡散反射成分、および散乱反射成分の3つの成分を含む。直接反射成分は、入射角と反射角とが等しい反射成分である。拡散反射成分は、表面の凹凸形状によって拡散して反射する成分である。散乱反射成分は、表面近傍の内部組織によって散乱して反射する成分である。ユーザ500の頭部に向けて光を出射する場合、散乱反射成分は、表皮内部で散乱して反射する成分である。ユーザ500の表面で反射する表面反射成分I1は、これら3つの成分を含み得る。表面反射成分I1および内部散乱成分I2は、反射または散乱によって進行方向が変化し、その一部が光検出器30に到達する。
本実施形態では、ユーザ500の頭部から戻って来る光である反射光のうち、少なくとも内部散乱成分I2の少なくとも一部が検出される。内部散乱成分I2は、ユーザ500の脳活動を反映してその強度が変動する。このため、内部散乱成分I2の経時変化を解析することによってユーザ500の脳活動の状態を推定することができる。
以下、内部散乱成分I2の検出方法の例を説明する。光源20は、制御回路60からの指示に従い、光パルスを所定の時間間隔または所定のタイミングで複数回繰り返し出射する。光源20から出射される光パルスは、例えば立ち下がり期間がゼロに近い矩形波であり得る。本明細書において、「立ち下がり期間」とは、光パルスの強度が減少を開始してから減少が終了するまでの期間を意味する。一般に、ユーザ500に入射した光は、様々な経路でユーザ500内を伝播し、時間差を伴ってユーザ500の表面から出射する。このため、光パルスの内部散乱成分I2の後端は、広がりを有する。ユーザ500の対象部が額である場合、内部散乱成分I2の後端の広がりは、4ns程度である。このことを考慮すると、光パルスの立ち下がり期間は、例えばその半分以下である2ns以下に設定され得る。立ち下がり期間は、さらにその半分の1ns以下であってもよい。光源20から出射される光パルスの立ち上がり期間の長さは任意である。本明細書において、「立ち上がり期間」とは、光パルスの強度が増加を開始してから増加が終了するまでの期間である。本実施形態における内部散乱成分I2の検出では、光パルスの立ち下がり部分が使用され、立ち上がり部分は使用されない。光パルスの立ち上がり部分は、表面反射成分I1の検出に用いられ得る。光源20は、例えば、LDなどのレーザであり得る。レーザから出射される光は、光パルスの立ち下がり部分が時間軸に略直角である、急峻な時間応答特性を有する。
光源20から出射される光の波長は、例えば650nm以上950nm以下の波長範囲に含まれる任意の波長であり得る。この波長範囲は、赤色から近赤外線の波長範囲に含まれる。上記の波長範囲は、「生体の窓」と呼ばれており、光が生体内の水分および皮膚に比較的吸収されにくいという性質を有する。生体を検出対象にする場合、上記の波長範囲の光を使用することにより、検出感度を高くすることができる。本実施形態のように、ユーザ500の脳の血流変化を検出する場合、使用される光は、主に酸素化ヘモグロビン(HbO)および脱酸素化ヘモグロビン(Hb)に吸収されると考えられる。酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンとでは、光吸収の波長依存性が異なる。一般に、血流に変化が生じると、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度が変化する。この変化に伴い、光の吸収度合いも変化する。したがって、血流が変化すると、検出される光量も時間的に変化する。
光源20は、上記の波長範囲に含まれる単一の波長の光を出射してもよいし、2つ以上の波長の光を出射してもよい。複数の波長の光は、複数の光源からそれぞれ出射されてもよい。2つの光源から異なる2つの波長の光がそれぞれ出射される場合、ユーザ500の対象部を経由して光検出器30に戻った2つの波長の光の光路長は、ほぼ等しくなるように設計され得る。この設計では、例えば、光検出器30と一方の光源との距離、および光検出器30と他方の光源との距離が一致しており、かつ、2つの光源が、光検出器30を中心として回転対称になる位置に配置され得る。
本実施形態における生体計測装置100では、非接触でユーザ500の脳血流が計測される。このため、網膜への影響を考慮して設計された光源20が用いられ得る。例えば、各国で策定されているレーザ安全基準のクラス1を満足する光源20が用いられ得る。クラス1が満足されている場合、被爆放出限界(AEL)が1mWを下回るほどの低照度の光が、ユーザ500に照射される。なお、光源20自体はクラス1を満たしていなくてもよい。例えば、拡散板またはNDフィルタを光源20の前に設置して光を拡散または減衰することにより、レーザ安全基準のクラス1が満たされていてもよい。
脳血流を計測するためにユーザ500の頭部を光で照射する場合、内部散乱成分I2の光量は、表面反射成分I1の光量の数千分の1から数万分の1程度の非常に小さい値になり得る。さらに、レーザの安全基準を考慮すると、照射できる光の光量は、極めて小さくなる。したがって、内部散乱成分I2の検出は非常に難しい。その場合でも、光源20が、比較的パルス幅の大きい光パルスを出射すれば、時間遅れを伴う内部散乱成分I2の積算量を増加させることができる。それにより、検出光量を増やし、SN比を向上させることができる。
光源20は、例えばパルス幅が3ns以上の光パルスを出射する。一般に、脳などの生体組織内で散乱された光の時間的な広がりは4ns程度である。図1Bは、光検出器30に到達する光の強度の時間変化の例を示す図である。図1Bには、光源20から出射される入力光パルスの幅が、0ns、3ns、および10nsである3つの場合の例が示されている。図1Bに示すように、光源20からの光パルスの幅を広げるにつれて、ユーザ500から戻った光パルスの後端部に現れる内部散乱成分I2の光量が増加する。
図1Cは、入力光パルスの幅を横軸に、光検出器30での検出光量を縦軸に表した図である。光検出器30は、電子シャッタを備える。図1Cの結果は、光パルスの後端がユーザ500の表面で反射されて光検出器30に到達した時刻から1ns経過した後に電子シャッタを開いた条件で得られた。この条件を選択した理由は、光パルスの後端が到達した直後は、内部散乱成分I2と比較して、表面反射成分I1の比率が高いためである。図1Cに示すように、光源20から出射される光パルスのパルス幅を3ns以上にすると、検出光量を最大化することができる。
光源20は、パルス幅5ns以上、さらには10ns以上の光パルスを出射してもよい。一方、パルス幅が大きすぎても使用しない光が増えて無駄となる。このため、光源20は、例えば、パルス幅50ns以下の光パルスを出射する。あるいは、光源20は、パルス幅30ns以下、さらには20ns以下の光パルスを出射してもよい。
光源20の照射パターンは、例えば、照射領域内において、均一な強度分布をもつパターンであってもよい。この点で、本実施形態は、特許文献1に開示された従来の生体計測装置とは異なる。特許文献1に開示された装置では、検出器と光源とを3cm程度離し、表面反射成分が、空間的に内部散乱成分から分離される。このため、離散的な光照射とせざるを得ない。これに対し、本実施形態における生体計測装置100は、表面反射成分I1を時間的に内部散乱成分I2から分離して低減することができる。このため、均一な強度分布を有する照射パターンの光源20を用いることができる。均一な強度分布を有する照射パターンは、光源20から出射される光を拡散板で拡散することによって形成してもよい。
本実施形態では、ユーザ500の照射点直下でも、内部散乱成分I2を検出することができる。ユーザ500を空間的に広い範囲にわたって光で照射することにより、計測解像度を高めることもできる。
[1−3.光検出器30]
光検出器30は、光源20から出射され、ユーザ500の対象部から戻ってきた光の一部の光量を示す信号を出力する。当該信号は、反射光パルスのうち、立ち下がり期間の少なくとも一部に含まれる強度に応じた信号であり得る。
光検出器30は、複数の光電変換素子32と、複数の電荷蓄積部34とを含み得る。具体的には、光検出器30は、2次元的に配置された複数の光検出セルを備え得る。そのような光検出器30は、ユーザ500の2次元的な生体情報を一度に取得し得る。本明細書において、光検出セルを「画素」と称することがある。光検出器30は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサなどの任意の撮像素子であり得る。より一般的には、光検出器30は、少なくとも1つの光電変換素子32と、少なくとも1つの電荷蓄積部34とを含む。
光検出器30は、電子シャッタを備え得る。電子シャッタは、撮像のタイミングを制御する回路である。本実施形態では、制御回路60における検出器制御部63が、電子シャッタの機能を有する。電子シャッタは、受光した光を有効な電気信号に変換して蓄積する1回の信号蓄積の期間と、信号蓄積を停止する期間とを制御する。信号蓄積期間は、「露光期間」と称することもできる。以下の説明では、露光期間の幅を、「シャッタ幅」と称することがある。1回の露光期間が終了し次の露光期間が開始するまでの時間を、「非露光期間」と称することがある。以下、露光している状態を「OPEN」、露光を停止している状態を「CLOSE」と称することがある。
光検出器30は、電子シャッタにより、露光期間および非露光期間を、サブナノ秒、例えば30psから1nsの範囲で調整することができる。距離の計測が目的である従来のTOFカメラは、光源20から出射され被写体で反射されて戻ってきた光の全てを検出する。従来のTOFカメラでは、シャッタ幅が光のパルス幅よりも大きい必要があった。これに対し、本実施形態における生体計測装置100では、被写体の光量を補正する必要がない。このため、シャッタ幅がパルス幅よりも大きい必要はない。シャッタ幅を、例えば、1ns以上30ns以下の値に設定することができる。本実施形態における生体計測装置100によれば、シャッタ幅を縮小できるため、検出信号に含まれる暗電流の影響を低減することができる。
ユーザ500の頭部を光で照射して脳血流などの情報を検出する場合、生体内部での光の減衰率が非常に大きい。例えば、入射光に対して出射光が、100万分の1程度にまで減衰し得る。このため、内部散乱成分I2を検出するには、1パルスの照射だけでは光量が不足する場合がある。レーザ安全性基準のクラス1での照射では、特に光量が微弱である。この場合、光源20が光パルスを複数回出射し、それに応じて光検出器30も電子シャッタによって複数回露光することにより、検出信号を積算して感度を向上することができる。
以下、光検出器30の構成例を説明する。
光検出器30は、撮像面上に2次元的に配列された複数の画素を備え得る。各画素は、例えばフォトダイオードなどの光電変換素子と、1つまたは複数の電荷蓄積部とを備え得る。以下、各画素が、光電変換によって受光量に応じた信号電荷を発生させる光電変換素子と、光パルスの表面反射成分I1によって生じた信号電荷を蓄積する電荷蓄積部と、光パルスの内部散乱成分I2によって生じた信号電荷を蓄積する電荷蓄積部とを備える例を説明する。以下の例では、制御回路60は、光検出器30に、ユーザ500の頭部から戻ってきた光パルス中の立ち下がり開始前の部分を検出させることにより、表面反射成分I1を検出させる。制御回路60はまた、光検出器30に、ユーザ500の頭部から戻ってきた光パルス中の立ち下がり開始後の部分を検出させることにより、内部散乱成分I2を検出させる。この例における光源20は2種類の波長の光を出射する。
図1Dは、光検出器30の1つの画素201の概略的な構成の例を示す図である。なお、図1Dは、1つの画素201の構成を模式的に示しており、実際の構造を必ずしも反映していない。この例における画素201は、光電変換を行うフォトダイオード203と、電荷蓄積部である第1の浮遊拡散層(Floating Diffusion)204、第2の浮遊拡散層205、第3の浮遊拡散層206、および第4の浮遊拡散層207と、信号電荷を排出するドレイン202とを含む。
1回の光パルスの出射に起因して各画素に入射したフォトンは、フォトダイオード203によって信号電荷である信号エレクトロンに変換される。変換された信号エレクトロンは、制御回路60から入力される制御信号に従って、ドレイン202に排出されるか、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207のいずれかに振り分けられる。
光源20からの光パルスの出射と、第1の浮遊拡散層204、第2の浮遊拡散層205、第3の浮遊拡散層206、および第4の浮遊拡散層207への信号電荷の蓄積と、ドレイン202への信号電荷の排出が、この順序で繰り返し行われる。この繰り返し動作は高速であり、例えば動画像の1フレームの時間内に数万回から数億回繰り返され得る。1フレームの時間は、例えば約1/30秒である。画素201は、最終的に、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207に蓄積された信号電荷に基づく4つの画像信号を生成して出力する。
この例における制御回路60は、光源20に、第1の波長を有する第1の光パルスと、第2の波長を有する第2の光パルスとを、順に繰り返し出射させる。第1の波長および第2の波長として、ユーザ500の内部組織での吸収率が異なる2波長を選択することにより、ユーザ500の状態を分析することができる。例えば、第1の波長として805nmよりも長い波長を選択し、第2の波長として805nmよりも短い波長を選択してもよい。これにより、ユーザ500の血液中の酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度のそれぞれの変化を検出することが可能になる。
制御回路60は、まず、光源20に、第1の光パルスを出射させる。制御回路60は、第1の光パルスの表面反射成分I1がフォトダイオード203に入射している第1の期間に、第1の浮遊拡散層204に信号電荷を蓄積させる。続いて、制御回路60は、第1の光パルスの内部散乱成分I2がフォトダイオード203に入射している第2の期間に、第2の浮遊拡散層205に信号電荷を蓄積させる。次に、制御回路60は、光源20に、第2の光パルスを出射させる。制御回路60は、第2の光パルスの表面反射成分I1がフォトダイオード203に入射している第3の期間に、第3の浮遊拡散層206に信号電荷を蓄積させる。続いて、制御回路60は、第2の光パルスの内部散乱成分I2がフォトダイオード203に入射している第4の期間に、第4の浮遊拡散層207に信号電荷を蓄積させる。
このように、制御回路60は、第1の光パルスの出射を開始した後、所定の時間差を空けて、第1の浮遊拡散層204および第2の浮遊拡散層205に、フォトダイオード203からの信号電荷を順次蓄積させる。その後、制御回路60は、第2の光パルスの出射を開始した後、上記所定の時間差を空けて、第3の浮遊拡散層206および第4の浮遊拡散層207に、フォトダイオード203からの信号電荷を順次蓄積させる。以上の動作が、複数回繰り返される。外乱光および環境光の光量を推定するために、光源20を消灯した状態で、不図示の他の浮遊拡散層に信号電荷を蓄積する期間を設けてもよい。第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207の信号電荷量から、上記他の浮遊拡散層の信号電荷量を差し引くことにより、外乱光および環境光成分を除去した信号を得ることができる。
なお、本実施形態では、電荷蓄積部の数を4としているが、目的に応じて2以上の複数の数に設計してよい。例えば、1種類の波長のみを用いて、表面反射成分I1と内部散乱成分I2とを検出する場合には、電荷蓄積部の数は2であってよい。また、使用する波長が1種類であり、表面反射成分I1が検出されない場合には、画素ごとの電荷蓄積部の数は1であってもよい。また、2種類以上の波長を用いる場合であっても、それぞれの波長を用いた撮像を別のフレームで行えば、電荷蓄積部の数は1であってもよい。同様に、表面反射成分I1および内部散乱成分I2の両方の検出を行う場合であっても、両者をそれぞれ別のフレームで検出する構成では、電荷蓄積部の数は1であってもよい。
図1Eは、光検出器30の構成の一例を示す図である。図1Eにおいて、二点鎖線の枠によって囲まれた領域が1つの画素201に相当する。画素201には1つのフォトダイオードが含まれる。図1Eでは2行2列に配列された4画素のみを示しているが、実際にはさらに多数の画素が配置され得る。画素201は、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207を含む。第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207に蓄積される信号は、あたかも一般的なCMOSイメージセンサの4画素の信号のように取り扱われ、光検出器30から出力される。
各画素201は、4つの信号検出回路を有する。各信号検出回路は、ソースフォロワトランジスタ309と、行選択トランジスタ308と、リセットトランジスタ310とを含む。この例では、リセットトランジスタ310が図1Dに示すドレイン202に対応し、リセットトランジスタ310のゲートに入力されるパルスがドレイン排出パルスに対応する。各トランジスタは、例えば半導体基板に形成された電界効果トランジスタであるが、これに限定されない。図示されるように、ソースフォロワトランジスタ309の入力端子および出力端子の一方と、行選択トランジスタ308の入力端子および出力端子のうちの一方とが接続されている。ソースフォロワトランジスタ309の入力端子および出力端子の上記一方は、典型的にはソースである。行選択トランジスタ308の入力端子および出力端子の上記一方は、典型的にはドレインである。ソースフォロワトランジスタ309の制御端子であるゲートは、フォトダイオード203に接続されている。フォトダイオード203によって生成された正孔または電子の信号電荷は、フォトダイオード203とソースフォロワトランジスタ309との間の電荷蓄積部である浮遊拡散層に蓄積される。
図1Eには示されていないが、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207はフォトダイオード203に接続される。フォトダイオード203と、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207の各々との間には、スイッチが設けられ得る。このスイッチは、制御回路60からの信号蓄積パルスに応じて、フォトダイオード203と第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207の各々との間の導通状態を切り替える。これにより、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207の各々への信号電荷の蓄積の開始と停止とが制御される。本実施形態における電子シャッタは、このような露光制御のための機構を有する。
第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207に蓄積された信号電荷は、行選択回路302によって行選択トランジスタ308のゲートがONにされることにより、読み出される。この際、第1の浮遊拡散層204から第4の浮遊拡散層207の信号電位に応じて、ソースフォロワ電源305からソースフォロワトランジスタ309およびソースフォロワ負荷306へ流入する電流が増幅される。垂直信号線304から読み出されるこの電流によるアナログ信号は、列ごとに接続されたアナログ−デジタル(AD)変換回路307によってデジタル信号データに変換される。このデジタル信号データは、列選択回路303によって列ごとに読み出され、光検出器30から出力される。行選択回路302および列選択回路303は、1つの行の読出しを行った後、次の行の読み出しを行い、以下同様に、全ての行の浮遊拡散層の信号電荷の情報を読み出す。制御回路60は、全ての信号電荷を読み出した後、リセットトランジスタ310のゲートをオンにすることにより、全ての浮遊拡散層をリセットする。これにより、1つのフレームの撮像が完了する。以下同様に、フレームの高速撮像を繰り返すことにより、光検出器30による一連のフレームの撮像が完結する。
本実施形態では、CMOS型の光検出器30の例を説明したが、光検出器30は他の種類の撮像素子であってもよい。光検出器30は、例えば、CCD型であっても、単一光子計数型素子であっても、EMCCDまたはICCDなどの増幅型イメージセンサであってもよい。
図1Fは、本実施形態における1フレーム内の動作の例を示す図である。図1Fに示すように、1フレーム内で、第1の光パルスの出射と第2の光パルスの出射とを交互に複数回切り替えてもよい。このようにすると、2種類の波長による検出画像の取得タイミングの時間差を低減でき、動きがあるユーザであっても、ほぼ同時に第1の光パルスおよび第2の光パルスによる撮影が可能である。
本実施形態では、光検出器30は、光パルスの表面反射成分I1および/または内部散乱成分I2を検出することができる。表面反射成分I1の時間的または空間的な変化から、ユーザ500の第1の生体情報を取得することができる。第1の生体情報は、例えば、ユーザ500の脈拍であり得る。一方、内部散乱成分I2の時間的または空間的な変化から、ユーザ500の第2の生体情報である脳活動情報を取得することができる。
第1の生体情報は、表面反射成分I1を検出する方法とは異なる方法によって取得してもよいし、そもそも取得されなくてもよい。例えば、光検出器30とは異なる他の種類の検出器を利用して、第1の生体情報を取得してもよい。その場合、光検出器30は、内部散乱成分I2のみを検出する。他の種類の検出器は、例えばレーダまたはサーモグラフィであってもよい。第1の生体情報は、例えば、ユーザ500の脈拍、発汗、呼吸、および体温からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。第1の生体情報は、ユーザ500の頭部に照射された光パルスの内部散乱成分I2を検出することにより得られる脳活動情報以外の生体情報である。ここで、「脳活動情報以外」とは、第1の生体情報中に脳活動に起因する情報が一切含まれないことを意味するものではない。第1の生体情報は、脳活動とは別の生体活動に起因する生体情報が含まれている。第1の生体情報は、例えば、自律的または反射的な生体活動に起因する生体情報であり得る。
[1−4.制御回路60および信号処理回路70]
制御回路60は、光源20の光パルスの出射タイミングと、光検出器30のシャッタタイミングとの時間差を調整する。本明細書では、当該時間差を「位相差」と称することがある。光源20の「出射タイミング」とは、光源20から出射される光パルスが立ち上がりを開始するタイミングである。「シャッタタイミング」とは、露光を開始するタイミングである。制御回路60は、出射タイミングを変化させて位相差を調整してもよいし、シャッタタイミングを変化させて位相差を調整してもよい。
制御回路60は、光検出器30の各画素によって検出された信号からオフセット成分を取り除くように構成されてもよい。オフセット成分は、太陽光もしくは蛍光灯などの環境光、または外乱光による信号成分である。光源20の駆動をOFFにして光源20から光が出射されない状態で、光検出器30によって信号を検出することにより、環境光または外乱光によるオフセット成分が見積もられる。
制御回路60は、例えばプロセッサおよびメモリの組み合わせ、またはプロセッサおよびメモリを内蔵するマイクロコントローラなどの集積回路であり得る。制御回路60は、例えばプロセッサがメモリに記録されたプログラムを実行することにより、例えば出射タイミングとシャッタタイミングとの調整を行う。
信号処理回路70は、光検出器30から出力された画像信号を処理する回路である。信号処理回路70は、画像処理などの演算処理を行う。信号処理回路70は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)もしくは画像処理用演算プロセッサ(GPU)とコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現され得る。制御回路60および信号処理回路70は、統合された1つの回路であってもよいし、分離された個別の回路であってもよい。信号処理回路70は、例えば遠隔地に設けられたサーバなどの外部の装置の構成要素であってもよい。この場合、サーバなどの外部の装置は、無線通信または有線通信により、光源20、光検出器30、および制御回路60と相互にデータの送受信を行う。
本実施形態における信号処理回路70は、光検出器30から出力された信号に基づき、皮膚表面の血流および脳血流の時間変化を示す動画像データを生成することができる。信号処理回路70は、そのような動画像データに限らず、他の情報を生成してもよい。例えば、他の機器と同期させることにより、脳における血流量、血圧、血中酸素飽和度、または心拍数などの生体情報を生成してもよい。信号処理回路70は、外乱光によるオフセット成分の見積り、およびオフセット成分の除去を行ってもよい。
脳血流量またはヘモグロビンなどの血液内成分の変化と、人間の神経活動との間には密接な関係があることが知られている。例えば、人間の感情の変化に応じて神経細胞の活動が変化することにより、脳血流量または血液内の成分が変化する。したがって、脳血流量または血液内成分の変化などの生体情報を計測できれば、ユーザ500の心理状態を推定することができる。ユーザ500の心理状態は、例えば、気分、感情、健康状態、または温度感覚を意味する。気分は、例えば、快、または不快といった気分を含み得る。感情は、例えば、安心、不安、悲しみ、または憤りといった感情を含み得る。健康状態は、例えば、元気、または倦怠といった状態を含み得る。温度感覚は、例えば、暑い、寒い、または蒸し暑いといった感覚を含み得る。これらに派生して、脳活動の程度を表す指標、例えば熟練度、習熟度、および集中度も、心理状態に含まれ得る。信号処理回路70は、例えば脳血流量の変化に基づいて、ユーザ500の集中度などの心理状態を推定することができる。特に、脳の前頭前野領域に相当する額部の脳血流は、集中の状態を反映していると考えられる。マインドフルネスは、集中の状態と密接に関連する。額部の脳血流量またはその成分を計測することにより、ユーザ500の集中度あるいはマインドフルネスの度合いを推定することができる。
図1Gは、制御回路60による光源20および光検出器30に関する動作の概略を示すフローチャートである。制御回路60は、概略的には図1Gに示す動作を実行する。なお、ここでは内部散乱成分I2の検出のみを行う場合の動作を説明する。
ステップS101では、制御回路60は、まず、光源20に所定時間だけ光パルスを出射させる。このとき、光検出器30の電子シャッタは露光を停止した状態にある。制御回路60は、光パルスの一部がユーザ500の表面で反射されて光検出器30に到達する期間が完了するまで、電子シャッタに露光を停止させる。次に、ステップS102では、制御回路60は、当該光パルスの他の一部がユーザ500の内部で散乱されて光検出器30に到達するタイミングで、電子シャッタに露光を開始させる。所定時間経過後、ステップS103において、制御回路60は、電子シャッタに露光を停止させる。続いて、ステップS104では、制御回路60は、上記の信号蓄積を実行した回数が所定の回数に達したか否かを判定する。ステップS104での判定がNoの場合、Yesと判定するまで、ステップS101からステップS103が繰り返される。ステップS104での判定がYesの場合、ステップS105では、制御回路60は、各浮遊拡散層に蓄積された信号電荷に基づく画像を示す信号を光検出器30に生成させて出力させる。
以上の動作により、計測対象の内部で散乱された光の成分を高い感度で検出することができる。なお、複数回の光出射および露光は必須ではなく、必要に応じて行われる。
[1−5.その他]
生体計測装置100は、ユーザ500の2次元像を光検出器30の受光面上に形成する結像光学系を備えてもよい。結像光学系の光軸は、光検出器30の受光面に略直交する。結像光学系は、ズームレンズを含んでいてもよい。ズームレンズの位置が変化するとユーザ500の2次元像の拡大率が変化し、光検出器30上の2次元像の解像度が変化する。したがって、ユーザ500までの距離が遠くても、所望の計測領域を拡大して詳細に観察することが可能である。
生体計測装置100は、ユーザ500と光検出器30との間に、光源20から出射される波長帯域の光、またはその近傍の光のみを通過させる帯域通過フィルタを備えていてもよい。これにより、環境光などの外乱成分の影響を低減することができる。帯域通過フィルタは、例えば多層膜フィルタまたは吸収フィルタによって構成され得る。光源20の温度変化およびフィルタへの斜入射に伴う帯域シフトを考慮して、帯域通過フィルタの帯域幅は、20から100nm程度の幅を持たせてもよい。
生体計測装置100は、光源20とユーザ500との間、および光検出器30とユーザ500との間に、それぞれ偏光板を備えてもよい。この場合、光源20側に配置される偏光板と、光検出器30側に配置される偏光板との偏光方向は、直交ニコルの関係であり得る。これにより、ユーザ500の表面反射成分I1のうち正反射成分、すなわち入射角と反射角が同じ成分が光検出器30に到達することを防ぐことができる。つまり、表面反射成分I1が光検出器30に到達する光量を低減させることができる。
[2.光源および光検出器の動作]
本実施形態における生体計測装置100は、表面反射成分I1と内部散乱成分I2とを区別して検出することができる。ユーザ500の対象部が額である場合、検出したい内部散乱成分I2による信号強度は、非常に小さくなる。前述のように、レーザ安全基準を満たす非常に小さな光量の光が照射されることに加えて、頭皮、脳髄液、頭蓋骨、灰白質、白質および血流による光の散乱および吸収が大きいためである。さらに、脳活動時の血流量または血流内成分の変化による信号強度の変化は、さらに数十分の1の大きさに相当し非常に小さくなる。したがって、内部散乱成分I2を検出する場合、撮像の際、検出したい信号成分の数千倍から数万倍である表面反射成分I1は、可能な限り除去される。
以下、内部散乱成分I2を検出する生体計測装置100における光源20および光検出器30の動作の例を説明する。
図1Aに示すように、光源20がユーザ500の対象部を光パルスで照射すると、表面反射成分I1および内部散乱成分I2が発生する。表面反射成分I1および内部散乱成分I2は各々の一部が光検出器30に到達する。内部散乱成分I2は、光源20から出射して、光検出器30に到達するまでにユーザ500の対象部の内部を通過する。このため、内部散乱成分I2の光路長は、表面反射成分I1の光路長よりも長くなる。したがって、内部散乱成分I2が光検出器30に到達する時間は、表面反射成分I1が光検出器30に到達する時間よりも平均的に遅れる。
図2は、光源20から矩形波の光パルスが出射された場合において、ユーザ500の頭部から戻ってきた反射光パルスの光強度の波形を模式的に示す図である。横軸は、図2の波形(a)から波形(d)ではいずれも時間(t)を表す。縦軸は、図2の波形(a)から波形(c)では強度を表し、波形(d)では電子シャッタのOPENまたはCLOSEの状態を表す。図2の波形(a)は、表面反射成分I1を示す。図2の波形(b)は、内部散乱成分I2を示す。図2の波形(c)は、表面反射成分I1および内部散乱成分I2の合算成分を示す。図2の波形(a)に示すように、表面反射成分I1の波形は、ほぼ矩形を維持する。一方、内部散乱成分I2は、さまざまな光路長の光の合算である。このため、図2の波形(b)に示すように、内部散乱成分I2は、光パルスの後端が尾を引いたような特性を示す。言い換えれば、内部散乱成分I2の立ち下がり期間は、表面反射成分I1の立ち下がり期間よりも長くなる。図2の波形(c)に示す光信号から内部散乱成分I2の割合を高めて抽出するために、図2の波形(d)に示す通り、表面反射成分I1の後端が到達する時点以降に、電子シャッタの露光が開始される。言い換えれば、表面反射成分I1の波形が立ち下がった時またはその後に露光が開始される。このシャッタタイミングは、制御回路60によって調整される。
測定対象物が平面的でない場合、光検出器30の画素によって光が到達するタイミングが異なる。この場合、画素ごとに図2の波形(d)に示すシャッタタイミングを個別に決定してもよい。例えば、光検出器30の受光面に垂直な方向をz方向とする。制御回路60は、対象部の表面におけるz座標の2次元分布を示すデータを予め取得し、このデータに基づいてシャッタタイミングを画素ごとに変化させてもよい。これにより、対象部の表面が湾曲している場合でも、それぞれの位置で最適なシャッタタイミングを決定することができる。
図2の波形(a)に示す例では、表面反射成分I1の後端が垂直に立ち下がっている。言い換えると、表面反射成分I1が立ち下がりを開始してから終了するまでの時間がゼロである。しかし、現実には、表面反射成分I1の後端が垂直に立ち下がらない場合がある。例えば、光源20から出射される光パルスの波形の立下りが完全に垂直でない場合、対象部の表面に微細な凹凸がある場合、または表皮内で散乱が生じる場合には、表面反射成分I1の後端が垂直に立ち下がらない。また、ユーザ500は不透明な物体であることから、表面反射成分I1の光量は、内部散乱成分I2の光量よりも非常に大きい。したがって、表面反射成分I1の後端が垂直な立ち下がりの時点からわずかにはみ出した場合であっても、内部散乱成分I2が埋もれてしまう可能性がある。さらに、電子シャッタの読み出し期間中に、電子の移動に伴う時間遅れが発生する場合もある。以上のことから、図2の波形(d)に示すような理想的なバイナリの読み出しを実現できないことがある。その場合には、制御回路60は、電子シャッタのシャッタ開始のタイミングを表面反射成分I1の立ち下がり直後よりやや遅らせてもよい。例えば、0.5nsから5ns程度遅らせてもよい。電子シャッタのシャッタタイミングを調整する代わりに、制御回路60は、光源20の出射タイミングを調整してもよい。言い換えれば、制御回路60は、電子シャッタのシャッタタイミングと光源20の出射タイミングとの時間差を調整してもよい。非接触で脳内の血流量または血流内成分の変化を計測する場合、あまりにもシャッタタイミングを遅らせすぎると、もともと小さい内部散乱成分I2がさらに減少してしまう。このため、表面反射成分I1の後端近傍にシャッタタイミングを留めておいてもよい。前述のように、額内部の散乱による時間遅れは、4ns程度である。この場合、シャッタタイミングの最大の遅らせ量は、4ns程度であり得る。
光源20から出射された複数の光パルスの各々を、同じ時間差のシャッタタイミングで露光して信号を蓄積してもよい。これにより、内部散乱成分I2の検出光量が増幅される。
ユーザ500と光検出器30の間に帯域通過フィルタを配置することに替えて、またはそれに加えて、光源20に光を出射させない状態で、同じ露光期間で撮影することによってオフセット成分を見積もってもよい。見積もったオフセット成分は、光検出器30の各画素によって検出された信号から差分によって除去される。これにより、光検出器30上で発生する暗電流成分を除去することができる。
内部散乱成分I2には、ユーザ500の内部特性情報、例えば、脳血流情報が含まれる。ユーザ500の脳血流量の時間的な変動に応じて、血液に吸収される光の量が変化する。その結果、光検出器30による検出光量も、相応に増減する。したがって、内部散乱成分I2をモニタリングすることにより、ユーザ500の脳血流量の変化から脳活動状態を推定することが可能になる。
次に、表面反射成分I1の検出方法の例を説明する。表面反射成分I1には、ユーザ500の表面特性情報、例えば、顔および頭皮の血流情報が含まれる。なお、表面反射成分I1の情報は、必ずしも取得される必要はなく、必要に応じて取得される。
図3Aは、表面反射成分I1を検出する場合のタイミングチャートの一例を模式的に示す図である。表面反射成分I1の検出のために、例えば、図3Aに示すように、光パルスが光検出器30に到達する前にシャッタをOPENにし、光パルスの後端が到達するよりも前にシャッタをCLOSEにしてもよい。このようにシャッタを制御することにより、内部散乱成分I2の混入を少なくすることができる。その結果、ユーザ500の表面近傍を通過した光の割合を大きくすることができる。シャッタCLOSEのタイミングを、光検出器30への光の到達直後にしてもよい。これにより、光路長が比較的短い表面反射成分I1の割合を高めた信号検出が可能になる。表面反射成分I1の信号を取得することにより、ユーザ500の脈拍、または顔血流の酸素化度を検出することも可能になる。表面反射成分I1の他の取得方法として、光検出器30が光パルス全体を検出したり、光源20から出射された連続光を検出したりしてもよい。
図3Bは、内部散乱成分I2を検出する場合のタイミングチャートの一例を模式的に示す図である。パルスの後端部分が光検出器30に到達する期間にシャッタをOPENにすることにより、内部散乱成分I2の信号を取得することができる。
図3Bに示す動作をまとめると、制御回路60は、以下の動作を行う。制御回路60は、光源20に、1つ以上の光パルスを出射させる。制御回路60は、光検出器30に、ユーザ500の対象部から戻ってきた各光パルスのうち、各光パルスの立ち下がり期間に含まれる成分を検出させる。当該成分は、内部散乱成分I2を含む。制御回路60は、光検出器30に、当該検出によって得られる信号を出力させる。信号処理回路70は、当該信号に基づいて、ユーザ500の脳活動の状態を示す信号を生成する。
表面反射成分I1を、内部散乱成分I2を取得する生体計測装置100以外の装置によって検出してもよい。内部散乱成分I2を取得する装置とは別の装置、または脈波計もしくはドップラ血流計といった別デバイスを用いてもよい。その場合、当該別デバイスは、デバイス間のタイミング同期、光の干渉、および検出箇所の合わせこみを考慮して使用される。本実施形態のように、同一カメラまたは同一センサによる時分割撮像を行えば、時間的および空間的なずれが発生しにくい。同一のセンサによって表面反射成分I1および内部散乱成分I2の両方の信号を取得する場合、図3Aおよび図3Bに示すように、1フレームごとに取得する成分を切り替えてもよい。あるいは、図1Dから図1Fを参照して説明したように、1フレーム内で高速に取得する成分を交互に切り替えてもよい。その場合、表面反射成分I1と内部散乱成分I2との検出時間差を低減することができる。
さらに、表面反射成分I1および内部散乱成分I2のそれぞれの信号を、2つの波長の光を用いて取得してもよい。例えば、750nmおよび850nmの2波長の光パルスを利用してもよい。これにより、それぞれの波長での検出光量の変化から、酸素化ヘモグロビンの濃度変化および脱酸素化ヘモグロビンの濃度変化を算出することができる。表面反射成分I1および内部散乱成分I2を、それぞれ2波長で取得する場合、例えば図1Dから図1Fを参照して説明したように、4種類の電荷蓄積を1フレーム内で高速に切り替える方法が利用され得る。そのような方法により、検出信号の時間的なずれを低減することができる。
ここで、脳血流情報の取得方法のより具体的な例を説明する。
血液の大きな役割は、酸素を肺から受け取って組織へと運び、組織からは二酸化炭素を受け取ってこれを肺に循環させることである。血液100mlの中には約15gのヘモグロビンが存在している。酸素と結合したヘモグロビンが酸素化ヘモグロビンであり、酸素と結合していないヘモグロビンが脱酸素化ヘモグロビンである。前述のように、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの光吸収特性は異なる。酸素化ヘモグロビンは約805nmを超える波長の近赤外線を比較的よく吸収する。これに対し、脱酸素化ヘモグロビンは、805nmよりも短い波長の近赤外線または赤色光を比較的よく吸収する。805nmの波長の近赤外線については、両者の吸収率は同程度である。そこで、600nmよりも長く805nmよりも短い第1の波長と、805nmよりも長く1000nmよりも短い第2の波長とが用いられ得る。例えば、上記の750nmおよび850nmの2波長の光が用いられ得る。これらの光の検出光量に基づいて、血液中の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンのそれぞれの濃度の時間変化を検出することができる。さらに、ヘモグロビンの酸素飽和度を求めることもできる。酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンのうち、どれだけの割合が酸素と結びついているかを示す値である。酸素飽和度は、脱酸素化ヘモグロビンの濃度をC(Hb)、酸素化ヘモグロビンの濃度をC(HbO)として、以下の数式で定義される。
酸素飽和度=C(HbO)/[C(HbO)+C(Hb)]×100(%)
生体内には、血液以外にも赤色光および近赤外光を吸収する成分が含まれている。しかし、光の吸収率が時間的に変動するのは、主に動脈血中のヘモグロビンに起因する。よって、吸収率の変動に基づいて、高い精度で血中酸素飽和度を測定することができる。
脳まで到達した光は、頭皮および顔表面も通過する。このため、頭皮および顔の血流の変動も重畳されて検出される。その影響を除去または低減するために、信号処理回路70は、光検出器30によって検出された内部散乱成分I2から表面反射成分I1を減算する処理を行ってもよい。これにより、頭皮および顔の血流情報を除いた純粋な脳血流情報を取得することができる。減算方法には、例えば、内部散乱成分I2の信号から、光路長差を考慮して決定された1以上のある係数を表面反射成分I1の信号に掛けた値を減算する方法が用いられ得る。この係数は、例えば、一般的な人の頭部光学定数の平均値に基づいて、シミュレーションまたは実験によって算出され得る。このような減算処理は、同一のカメラまたはセンサにより、同一の波長の光を用いて計測する場合に容易に行うことができる。時間的および空間的なずれを低減しやすく、内部散乱成分I2に含まれる頭皮血流成分と、表面反射成分I1の特性とを一致させやすいからである。
脳と頭皮との間には頭蓋骨が存在する。このため、脳血流の2次元分布と、頭皮および顔の血流の2次元分布とは独立である。したがって、光検出器30によって検出される信号に基づいて、内部散乱成分I2の2次元分布と表面反射成分I1の2次元分布とを、独立成分分析または主成分分析などの統計手法を用いて分離してもよい。
[3.脳血流量の変化の検出例]
次に、ユーザ500の脳血流量の変化を検出する方法の例を説明する。
図4Aは、脳血流量の時間変化の一例を模式的に示す図である。図4Aに示すように、ユーザ500の対象部500tが光源20からの光で照射され、その戻り光が検出される。この場合、表面反射成分I1は、内部散乱成分I2に比べ非常に大きい。しかし、前述したシャッタ調整により、内部散乱成分I2のみを抽出することができる。図4Aに示すグラフは、脳血液中の酸素化ヘモグロビン(HbO)および脱酸素化ヘモグロビン(Hb)のそれぞれの濃度の経時変化の例を示している。この例における内部散乱成分I2は、2波長の光を用いて取得される。図4Aに示す濃度は、平常時における量を基準とする変化量を示している。この変化量は、光の強度信号に基づいて、信号処理回路70によって算出される。平常状態、集中状態、またはリラックス状態などの脳活動状態に応じて、脳血流量に変化が見られる。対象部の場所ごとに、例えば、脳活動の違い、または吸収係数もしくは散乱係数の違いがある。このため、ユーザ500の対象部500t内の同じ位置で脳血流の経時変化が計測される。脳活動の経時変化を見る場合、脳血流の絶対量がわからなくても、脳血流の時間的な相対変化から、対象者の状態を推定することが可能である。
図4Bは、ユーザ500の対象部500t内の複数箇所で計測を同時に行う場合の例を模式的に示す図である。この例では、2次元照射または2次元撮像のため、脳血流量の2次元分布を取得することが可能である。この場合、光源20の照射パターンは、例えば、均一強度の一様な分布、ドット状の分布、またはドーナツ状の分布であってもよい。均一強度の一様な分布の照射であれば、対象部500t上の照射位置の調整が不要、または簡便にできる。一様な分布の照射であれば、広範囲からユーザ500の対象部に光が入射する。このため、光検出器30によって検出される信号を増強することができる。さらに、照射領域内であれば任意の位置で計測できる。ドット状の分布、またはドーナツ状の分布のような部分的な照射であれば、対象部500tをその照射領域から外すだけで表面反射成分I1の影響を低減できる。
図5Aは、光の照射領域22の例を模式的に示す図である。非接触での脳血流測定では、装置から対象部までの距離の2乗に反比例して検出光量が減衰する。そこで、光検出器30によって検出される各画素の信号を近傍の複数の画素の信号を積算することによって増強してもよい。このようにすることでSN比を維持したまま積算パルス数を低減できる。これにより、フレームレートを向上させることができる。
図5Bは、ユーザ500の対象部500tが横方向にシフトした場合における信号の変化を模式的に示す図である。前述のように、平常状態から脳活動状態が変化したときの脳血流量と、平常状態における脳血流量との差分を検出することにより、脳活動の変化が読み取られる。2次元的に配列された複数の光電変換素子を備える光検出器30を使用する場合、図5Bの上の図に示すように、2次元の脳活動分布を取得することができる。この場合、平常状態における信号を事前に取得しなくても、2次元分布内での相対的な強度分布から脳活動が活発な部位を検出することができる。本実施形態では非接触で計測が行われるため、図5Bの下の図に示すように、対象部500tの位置が計測中に変化してしまうことがある。これは、例えばユーザ500が呼吸のために僅かに動いた場合に生じ得る。一般に、脳血流量の2次元分布は微小時間内で急激に変化しない。このため、例えば、検出された2次元分布のフレーム間でのパターンマッチングにより、対象部500tの位置ずれを補正することができる。あるいは、呼吸のような周期的な動きであれば、その周波数成分のみを抽出し補正または除去してもよい。対象部500tは、単一の領域である必要はなく、複数の領域であってもよい。当該複数の領域は、例えば、左右1個ずつ、あるいは、2×6のマトリックス状のドット分布であってもよい。
[4.マインドフルネスの熟達度の判定]
次に、生体計測装置100を用いてマインドフルネス状態になることについてのユーザ500の熟達度を判定する方法の例を説明する。
前述のように、反射光の内部散乱成分I2に基づいて、ユーザ500の脳活動を推定することができる。この特性を利用して、ユーザ500がマインドフルネス状態になることについてどの程度熟達しているかを推定することができる。
本実施形態では、ユーザ500をマインドフルネス状態に誘導する刺激の一例として、マインドフルネス瞑想のための音声ガイドが使用される。ユーザ500は、刺激装置10のスピーカから出力される音声ガイドに従って瞑想を行う。音声ガイドが再生されている間、光源20は、ユーザ500の頭部に向けて光パルスを一定の時間間隔で繰り返し出射し、光検出器30は、反射光パルスの内部散乱成分の信号を画素ごとに蓄積する。本実施形態では、同様の動作が、音声ガイドが再生される直前および直後の各期間においても行われる。
図6は、本実施形態におけるマインドフルネスの熟達度の1回の判定動作の流れを時間軸上に表した図である。本実施形態における1回の判定動作は、3つの期間から構成される。第1の期間は、音声ガイドが再生される直前の所定の時間長の期間である。第1の期間を「レストA期間」と称する。第2の期間は、音声ガイドが再生される期間である。第2の期間を「タスク期間」と称する。「タスク」とは、ユーザ500に提示されるマインドフルネス瞑想などの課題を指す。第3の期間は、音声ガイドの再生が終了した直後の所定の時間長の期間である。第3の期間を「レストB期間」と称する。第1から第3の期間にわたって、生体計測装置100は、ユーザ500の脳活動信号を繰り返し生成する。タスク期間中、ユーザ500は、音声ガイドに従い、瞑想を行う。図6に示す例では、レストA期間およびレストB期間の各々の長さは120秒であり、タスク期間の期間の長さは392秒である。この例に限定されず、各期間の長さは適宜調整可能である。レストA期間とレストB期間の長さが異なっていてもよい。
図7は、生体計測装置100による判定動作の流れを示すフローチャートである。ユーザ500が計測開始の操作を行うと、生体計測装置100は、ユーザ500の脳活動信号の計測を開始する(ステップS701)。この段階では、マインドフルネスのための音声ガイドはまだ再生されない。ユーザ500が何もしていない状態で、所定時間(例えば120秒)にわたって、脳活動信号が繰り返し取得される。これは、ユーザ500の平常時の脳活動信号を取得するために行われる。この期間は、前述のレストA期間である。計測は、前述のように、光源20がユーザ500の頭部に向けて光パルスを出射し、光検出器30が反射光パルスの後端部分を検出する動作を繰り返すことによって行われる。これにより、反射光パルスの内部散乱成分I2が繰り返し検出される。光検出器30は、画素ごとに、反射光パルスの蓄積量に応じた信号を出力する。信号処理回路70は、光検出器30から出力された信号に基づいて、脳活動信号を繰り返し生成する。脳活動信号は、例えば画素ごとに、または画素群ごとに生成され得る。
計測を開始してから所定時間が経過すると、制御回路60は、刺激装置10に、音声ガイドの再生を開始させる(ステップS702)。以後、ユーザ500は、音声ガイドに従って、マインドフルネス瞑想、すなわちタスクを実践する。タスクの間も、脳活動信号の計測はそのまま継続される。信号処理回路70は、ユーザ500がタスクを行っている間、光検出器30から出力された信号に基づいて、脳活動信号を繰り返し生成する。
音声ガイドの開始から一定の時間(図6の例では392秒)が経過すると、音声ガイドが終了する(ステップS703)。音声ガイドが終了した後も、一定の時間(例えば、120秒)にわたって、計測がそのまま継続される。これにより、タスク終了後も脳活動信号が繰り返し取得される。この期間は、前述のレストB期間である。
音声ガイドの終了から上記一定の時間が経過すると、信号処理回路70は、脳活動信号の計測を終了する(ステップS704)。次に信号処理回路70は、レストA期間、タスク期間、レストB期間のそれぞれの期間で取得した複数の脳活動信号を解析し、ユーザ500の熟達度を判定する。まず、信号処理回路70は、レストA、タスク、レストBのそれぞれについて、取得した脳活動信号の値と、その平均値との差のヒストグラムを作成する(ステップS705)。具体的には、信号処理回路70は、以下の処理を行う。
(1)レストA、タスク、レストBの全ての期間で取得した脳活動信号の値の平均値を計算する。
(2)脳活動信号のそれぞれの値と平均値との差を計算する。
(3)計算した差の階級ごとに度数を求める。
これにより、3つのヒストグラムのデータが作成される。信号処理回路70は、既存の検定方法を用いて、3つのヒストグラムの間の有意差を検定する(ステップS706)。有意差がある場合、信号処理回路70は、そのユーザ500を非熟達者と判定する(ステップS708)。逆に、有意差がない場合、信号処理回路70は、そのユーザ500を熟達者と判定する(ステップS709)。判定結果は、例えば刺激装置10のディスプレイに表示され得る。
図8Aおよび図8Bは、ステップS705において作成される3つのヒストグラムの例を示している。図8Aは、非熟達者について得られたヒストグラムの一例を示している。図8Bは、熟達者について得られたヒストグラムの一例を示している。図8Aおよび図8Bにおける"before"、"mindfulness"、"after"の表記は、それぞれ、レストA、タスク、レストBに対応している。図示されるヒストグラムは、それぞれの期間において、5秒ごとに脳活動信号を平均化した値を用いて作成された。
図8Aに示すように、非熟達者では、マインドフルネスタスクの前後のレスト期間とタスク期間とで、脳活動信号のばらつきの度合いが異なる。これは、非熟達者は、タスクの実施によって脳活動状態が大きく変化するからであると考えられる。これに対し、図8Bに示すように、熟達者では、タスク前後のレスト期間とタスク期間とで、脳活動信号のばらつきの度合いに有意差が見られない。これは、熟達者は、タスクの有無に関わらず、マインドフルネス状態が維持されており、脳活動状態が安定しているからであると考えられる。
以上のことから、レストA期間またはレストB期間と、タスク期間との間で、脳活動信号のばらつきの度合いに有意差があるか否かに基づいて、熟達者と非熟達者とを判別することができる。本実施形態では、レストA期間およびレストB期間の両方で脳活動信号が取得されるが、レストA期間またはレストB期間の一方を省略してもよい。レスト期間とタスク期間のヒストグラムの有意差の検定は、例えばt検定などの公知の検定手法を用いて行うことができる。
図7に示す判定方法は、一例に過ぎず、取得した脳活動信号から熟達度を判定する方法は様々である。例えば、機械学習アルゴリズムによって予め訓練された学習済みモデルを、取得した複数の脳活動信号に適用することによって熟達度を判定してもよい。本実施形態では、ユーザがマインドフルネスに熟達しているか否かという2段階の評価が行われるが、熟達度に応じて3段階以上の評価が行われてもよい。
また、本実施形態においては、マインドフルネス状態に誘導する音声に従って、ユーザがタスクを実践し、熟達度の判定が行われるが、本開示はこのような判定方法に限られない。例えば、音声はマインドフルネス状態を阻害する刺激であってもよい。あるいは、音声などの刺激がない状態において、ユーザにタスクを実践させ、熟達度の判定を行ってもよい。
[5.複数の携帯機器からデータを収集するシステム]
次に、複数のユーザの携帯機器から脳活動信号および位置データを収集して活用するシステムの例を説明する。
図9は、複数のユーザの携帯機器400から脳活動信号および位置データを収集して活用するシステムの概念図である。このシステムは、複数の携帯機器400と、サーバコンピュータ200とを含む。サーバコンピュータ200は、複数の携帯機器400にインターネットなどのネットワークを介して接続されている。図9には3つの携帯機器400が例示されているが、さらに多数の携帯機器400がサーバコンピュータ200に接続されていてもよい。サーバコンピュータ200は、例えば事業者が管理するクラウドサーバであり得る。
図10は、サーバコンピュータ200、および複数の携帯機器400の概略的な構成を示す図である。
各携帯機器400は、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、またはラップトップPCなどの携帯情報機器であり得る。各携帯機器400は、刺激装置410と、光源420と、光検出器430と、メモリ450と、プロセッサ460と、通信回路480とを備える。刺激装置410、光源420、および光検出器430は、それぞれ、図1Aに示す刺激装置10、光源20、および光検出器30と同様の機能を備える。プロセッサ460は、図1Aに示す制御回路60および信号処理回路70と同様の機能を備える。メモリ450は、RAMおよびROMを含み、プロセッサ460によって実行される各種のプログラムおよび生成されたデータを格納する。刺激装置410は、例えば携帯機器400が備えるディスプレイおよびスピーカの組み合わせによって実現され得る。
光源420は、携帯機器400に内蔵されていてもよいし、携帯機器400に外付けされる機器であってもよい。光検出器430は、携帯機器400に内蔵されたイメージセンサであってもよいし、携帯機器400に外付けされる機器であってもよい。
通信回路480は、サーバコンピュータ200との間で無線通信を行う。通信回路480は、GPS衛星から位置信号を受信することができる。GPS衛星から取得した位置信号に基づき、プロセッサ460は、現在地の緯度および経度を計算することができる。
各携帯機器400は、前述のマインドフルネスのためのアプリケーションをサーバコンピュータ200からダウンロードしてインストールすることができる。当該アプリケーションのプログラムは、メモリ450に記録され、プロセッサ460によって実行される。
各携帯機器400のユーザは、アプリケーションを起動し、再生されるガイダンスに従ってマインドフルネス瞑想を行うことができる。その間、プロセッサ460は、光源420および光検出器430を制御して、前述の方法で脳活動の計測を行う。計測は、例えば一定の時間間隔で繰り返し行われ得る。この時間間隔は、例えば数マイクロ秒から数秒の範囲で任意に設定され得る。プロセッサ460は、光検出器430から繰り返し出力される信号に基づき、ユーザの対象部の所定の領域における脳活動信号を生成する。脳活動信号は、例えば、脳血液中の脱酸素化ヘモグロビンの濃度に依存する信号であり得る。プロセッサ460は、例えば図7に示す処理を実行することにより、マインドフルネスになることについてのユーザの熟達度を判定する。携帯機器400は、熟達度の判定結果と位置情報とを関連付けたデータを、ネットワークを介してサーバコンピュータ200に送信する。このデータには、例えば、携帯機器400のIDまたはユーザのコメントなどの他の情報が含まれていてもよい。そのようなデータが、多数のユーザの端末からビッグデータとして収集され得る。
サーバコンピュータ200は、信号処理回路210と、記録媒体220とを備える。記録媒体220は、信号処理回路210が実行するプログラム、および生成されたデータを格納する。記録媒体220は、例えばメモリおよびハードディスクを含み得る。信号処理回路210は、複数の携帯機器400から、上記のデータを収集し、当該データに含まれる各ユーザの熟達度の判定結果を示す情報と、記録媒体220に予め記録された地図情報とを関連付けた地図データを生成する。信号処理回路210は、生成した地図データを、各携帯機器400に送信する。
図11は、地図データに基づいて携帯機器400のディスプレイが表示する画像の一例を示す図である。この例における地図データは、マインドフルネスの熟達者の多寡が、異なる複数の色で表現されたヒートマップを表す。例えば、熟達者が多い場所は赤(R)で表示され、熟達者の数が中程度の場所は緑(G)で表示され、熟達者が少ない場所は青(B)で表示され、熟達者が全くいない場所は着色されずに表示される。このような地図データにより、ユーザは、どの場所にマインドフルネスの熟達者が多く集まっているかを視覚的に知ることができる。可視化の方法は、ヒートマップに限らず、例えば熟達者が多いことを示すマークまたは文字などの情報を地図に重ねて表示するような方法でもよい。前述のように、熟達者が多く集まる場所は、マインドフルネス状態になり易い場所である可能性が高い。本実施形態のように、熟達者の集積度を可視化するアプリケーションを利用することにより、ユーザは、マインドフルネスに適した場所を容易に知ることができる。ユーザは、表示された地図情報を参考に、熟達者が多く集まる場所に実際に赴き、感想、コメント、レコメンデーションなどを、携帯機器400を介してサーバコンピュータ200に提供することができる。複数のユーザから収集した情報をマーケティングに活用することにより、新たなビジネス機会の創出につなげられる可能性がある。
生体計測装置は、スマートフォンなどの携帯型のコンピュータに限らず、他の装置、例えばヘッドマウント装置に搭載されていてもよい。図12は、ヘッドマウント装置300の例を模式的に示す図である。ヘッドマウント装置300は、刺激装置として機能するディスプレイおよびスピーカと、光源と、光検出器とを備える。このようなヘッドマウント装置300を用いた場合であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
本開示の技術は、非接触でユーザの脳活動の情報を取得することができる。本開示の技術は、カメラ、計測機器、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ヘッドマウント装置などの、種々の装置に利用することができる。
10 刺激装置
20 光源
30 光検出器
60 制御回路
62 光源制御部
63 検出器制御部
70 信号処理回路
100 生体計測装置
200 サーバコンピュータ
201 画素
202 ドレイン
203 フォトダイオード
204 第1の浮遊拡散層
205 第2の浮遊拡散層
206 第3の浮遊拡散層
207 第4の浮遊拡散層
210 信号処理回路
220 記録媒体
300 ヘッドマウント装置
302 行選択回路
303 列選択回路
304 垂直信号線
305 ソースフォロワ電源
306 ソースフォロワ負荷
307 アナログ−デジタル変換回路
308 行選択トランジスタ
309 ソースフォロワトランジスタ
310 リセットトランジスタ
400 携帯機器
410 刺激装置
420 光源
430 光検出器
450 メモリ
460 プロセッサ
480 通信回路

Claims (13)

  1. ユーザの頭部に照射光を照射することによって生じた前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出することによって生成され、前記脳の活動状態を示す少なくとも1つの脳活動信号を取得することと、
    前記少なくとも1つの脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力することと、
    を含む、生体計測方法。
  2. 前記少なくとも1つの脳活動信号を取得することは、音声および映像からなる群から選択される少なくとも1つを含む刺激が前記ユーザに与えられている状態で行われる、
    請求項1に記載の生体計測方法。
  3. 前記音声および前記映像からなる群から選択される前記少なくとも1つは、前記ユーザを前記マインドフルネス状態に誘導する、
    請求項2に記載の生体計測方法。
  4. 前記照射光は光パルスであり、
    前記反射光は反射光パルスであり、
    前記光の成分は、前記反射光パルスの光強度が減少を開始してから減少が終了するまでの期間の少なくとも一部において検出される、
    請求項1から3のいずれかに記載の生体計測方法。
  5. 前記少なくとも1つの脳活動信号は、
    前記ユーザに前記刺激が与えられる直前の第1の期間、
    前記ユーザに前記刺激が与えられている第2の期間、
    前記ユーザに前記刺激が与えられた直後の第3の期間
    のうち、前記第2の期間を含む少なくとも2つの期間のそれぞれについて取得される、
    請求項2から4のいずれかに記載の生体計測方法。
  6. 前記少なくとも1つの脳活動信号は、複数の脳活動信号を含み、
    前記複数の脳活動信号は、
    前記ユーザに前記刺激が与えられる直前の第1の期間、
    前記ユーザに前記刺激が与えられている第2の期間、および
    前記ユーザに前記刺激が与えられた直後の第3の期間
    のそれぞれにおいて、前記光の成分を複数回検出することによって取得される、
    請求項2から4のいずれかに記載の生体計測方法。
  7. 前記熟達度を示す前記信号は、前記複数の脳活動信号のばらつき度合に基づいて生成される、
    請求項6に記載の生体計測方法。
  8. 前記少なくとも1つの脳活動信号は、前記脳内の血液中の脱酸素化ヘモグロビンの濃度に依存する、
    請求項1から7のいずれかに記載の生体計測方法。
  9. 前記照射光は、805nmよりも長い第1の波長の第1の光パルス、および805nmよりも短い第2の波長の第2の光パルスを含み、
    前記反射光は、前記頭部に前記第1の光パルスを照射することによって生じた第1の反射光パルス、および前記頭部に前記第2の光パルスを照射することによって生じた第2の反射光パルスを含み、
    前記少なくとも1つの脳活動信号は、
    前記第1の反射光パルスのうち、前記第1の反射光パルスの光強度が減少を開始してから減少が終了するまでの期間に含まれる成分の少なくとも一部を検出することによって生成された第1の信号と、
    前記第2の反射光パルスのうち、前記第2の反射光パルスの光強度が減少を開始してから減少が終了するまでの期間に含まれる成分の少なくとも一部を検出することによって生成された第2の信号と、
    を用いた演算によって生成される、
    請求項1から8のいずれかに記載の生体計測方法。
  10. 複数のユーザのコンピュータから、請求項1から9のいずれかに記載の生体計測方法によって生成された前記複数のユーザの各々の前記熟達度を示す信号と、前記複数のユーザの各々の位置情報とを、ネットワークを介して取得することと、
    前記位置情報に基づき、前記複数のユーザの各々の前記熟達度と地図とを関連付けた地図データを生成して出力することと、
    を含む、地図データ生成方法。
  11. 刺激装置と、光源と、光検出器とを備える生体計測装置に搭載されるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
    前記刺激装置に、刺激をユーザに与えさせることと、
    前記刺激が前記ユーザに与えられている状態で、前記光源に、前記ユーザの頭部に向けて光を出射させることと、
    前記光検出器に、前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出させることにより、前記成分の強度に応じた、前記脳の活動状態を示す脳活動信号を出力させることと、
    前記脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力することと、
    を前記コンピュータに実行させる、プログラム。
  12. 刺激装置と、光源と、光検出器とを備える生体計測装置に搭載されるコンピュータによって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記プログラムが前記コンピュータによって実行されるときに、
    前記刺激装置に、刺激をユーザに与えさせることと、
    前記刺激が前記ユーザに与えられている状態で、前記光源に、前記ユーザの頭部に向けて光を出射させることと、
    前記光検出器に、前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出させることにより、前記成分の強度に応じた、前記脳の活動状態を示す脳活動信号を出力させることと、
    前記脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力することと、
    が実行される、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 刺激をユーザに与える刺激装置と、
    前記刺激が前記ユーザに与えられている状態で、前記ユーザの頭部に向けて光を出射する光源と、
    前記頭部からの反射光のうち、前記ユーザの脳内を伝播した光の成分を検出し、前記成分の強度に応じた、前記脳の活動状態を示す脳活動信号を出力する光検出器と、
    前記脳活動信号に基づき、マインドフルネス状態になることについての前記ユーザの熟達度を示す信号を生成して出力する信号処理回路と、
    を備える、生体計測装置。
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