JP2020103647A - 下腿回旋装具 - Google Patents

Abstract

【課題】下腿部から足部にかけて装着し、歩行動作中の下腿回旋を誘導可能とする新たな装具を提供する。【解決手段】本発明の下腿回旋装具１００は、一対の支持側板１１０を左右縁から上向きに設ける足底板１２０と、支持側板１１０の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱１３０と、下腿支柱１３０に固定される下腿カフ１４０と、を備える下腿装具であって、下腿支柱１３０の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、一方の継手部は、継手部に設けた前後回動軸受により回動可能に支持してなり、他方の継手部は、継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成とし、下腿カフ１４０は、しなりを可能とするための湾曲部１４１を備え、回動軸受の左右で異なる回動範囲を許容する。【選択図】図１

Description

本発明は、歩行補助器具に関するものであり、詳しくは、歩容改善を目的として下腿部に装着する装具に関するものである。

現在、変形性膝関節症（以下、膝ＯＡ（Osteoarthritis of the knee）という。）患者は国内で三千万人を超えると推定されている。膝ＯＡとは、加齢に伴う筋力低下や、肥満、遺伝的因子、靭帯の弛緩などからおこり、膝関節の骨や軟骨がすり減り膝関節が変形する退行性疾患である。膝ＯＡの症状としては、膝の関節や軟骨がすり減ることで膝関節が変形し、膝関節の屈曲および伸展動作によって、痛みが生じる。

膝ＯＡが起こると、今まで適切であった運動が膝関節に多大な負荷を与えることになり、膝の痛みと膝関節位置の変化による歩容の変化や、行動範囲の低下が起こるため、あまり歩かなくなる。それにより筋力が衰え、さらに痛みが増すという悪循環に陥りＡＤＬ（Activities of Daily Living）や、ＱＯＬ（Quality of Life）が低下する。特に、膝ＯＡ患者には、正常歩行から逸脱した歩容を示す異常歩行が現れやすい。

膝関節は、膝関節軸において屈曲、伸展、回旋運動の２自由度をもつ。この回旋運動は膝関節最終伸展３０度の範囲でみられる捻じり運動であり、終末伸展回旋運動と呼ばれる。終末伸展回旋運動は、歩行中の踵接地時の衝撃吸収や全身バランスのとれた歩行、拇指での蹴りだしに役立っており、回旋運動は歩行において必須な運動の１つである。

歩行中に起こる回旋運動に関しては、足関節底屈時、具体的には踵接地から足底接地の間は下腿部が内旋し、足関節背屈時、具体的には足底接地から立脚後期の間は下腿部が外旋する。しかし、膝ＯＡ患者の多くはこの膝関節の回旋運動障害を抱えている。

膝ＯＡ患者への療法としては、手術療法と保存療法があげられる。保存療法としては、装具の使用や、運動療法、薬物療法などがあげられる。装具を使用する膝ＯＡ患者の保存療法としては、３点固定タイプの膝装具、回旋運動を利用した膝装具がある。

３点固定タイプの膝装具は、大腿部、膝および下腿部の３点を支持するもの、大腿部、下腿部、足の３点を支持するものがある。例えば、膝関節の変形を正常なアライメントに矯正する装具（特許文献１）、アクチュエーターの動力による筋力補助を行う装具（特許文献２）がある。回旋運動を利用した膝装具は、膝が伸展するときに、装具が大腿部の回旋運動を補助するように動作するものである。例えば、内側継手と外側継手の軸の移動方向が異なり、大腿部を支持する軟性部材が変形することによって、正しい終末伸展回旋運動を誘発する装具（非特許文献１）、膝の内側に設けた回動機構の規制によって、回動機構が大腿部を内側に回旋させる捻じりモーメントとして作用する装具（特許文献３）がある。

特開２０００−５２４７号公報 特開２００９−２４０４８８号公報 特開２０１６−１９６０３号公報

高橋一史，"ＯＡファンタジー膝装具の機能"，日本義肢装具学会誌，２００８年，Ｖｏｌ．２４，Ｎｏ．１，ｐ．１４１９

上記の例の膝装具は、いずれも大腿部と下腿部においての固定となるため、歩行中に固定部がずれやすい。歩行中の装具のずれは装着者にとって違和感や不快感となるだけでなく、ずれた位置で無理な回旋矯正をかけるおそれがある。また、回旋運動を補助する膝装具においては、下腿ローテーション障害は患者個々によって障害の度合いが異なるにもかかわらず、回旋運動の調整が困難であるという問題点がある。さらには、機構調整も困難であるため、大腿脛骨角（ＦＴＡ）が異常な患者には、そもそも適用できないといった問題点もある。

そこで、本発明は、下腿部から足部にかけて装着し、歩行動作中の足関節運動と連動して内外に取り付けた支柱の傾動が異なることにより、下腿回旋を誘導可能とする新たな装具を提供することを目的とする。

すなわち、本発明は前記した目的を達成せんとするもので、請求項１の手段は、下腿回旋装具は、一対の支持側板を左右縁から上向きに設ける足底板と、前記支持側板の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱と、前記下腿支柱に固定される下腿カフと、を備える下腿装具であって、前記下腿支柱の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、前記継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成としたことを特徴とする。

また、請求項２の手段は、下腿回旋装具は、一対の支持側板を左右縁から上向きに設ける足底板と、前記支持側板の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱と、前記下腿支柱に固定される下腿カフと、を備える下腿装具であって、前記下腿支柱の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、一方の前記継手部は、前記継手部に設けた前後回動軸受により回動可能に支持してなり、および他方の前記継手部は、前記継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成としたことを特徴とする。

また、請求項３の手段は、下腿回旋装具は、一対の支持側板を左右縁から上向きに設ける足底板と、前記支持側板の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱と、前記下腿支柱に固定される下腿カフと、を備える下腿装具であって、前記下腿支柱の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、一方の前記継手部は、前記継手部に設けた前後回動軸受により回動可能に支持してなり、前記前後回動軸受の回動範囲の前方限界位置と後方限界位置とを調節できるよう構成したこと、および他方の前記継手部は、前記継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成としたことを特徴とする。

また、請求項４の手段は、前記前後回動軸受の回動範囲は、無段階で調節できることを特徴とする。

また、請求項５の手段は、前記継手部の前方限界位置は、左右で０度より大きくかつ３０度以下の差とすることを特徴とする。

また、請求項６の手段は、前記下腿カフは、しなりを可能とするための湾曲部を備え、前記継手部の左右で異なる回動範囲を許容することを特徴とする。

また、請求項７の手段は、前記足底板は、踵当接部の周囲にアッパーを設け、中足骨当接部まで形成することを特徴とする。

請求項１ないし３の構成によって、本発明の下腿回旋装具は、足関節の底屈および背屈を補助することができ、膝関節の屈曲および伸展動作を制限する保存療法が可能となる。また、膝装具と比較して、足部で固定することができるため、装具のずれの発生が少なく、膝ＯＡ患者が重度のＯ脚であるなど、膝装具の装着が困難な重度のＦＴＡ患者に対しても適用することができる。また、少なくとも一方の継手部が３軸回動軸受を備えることによって、下腿支柱の自由回動が可能となり、内旋運動および外旋運動において一方の継手部の回動限界まで下腿支柱が傾倒したときの衝撃を吸収し、膝ＯＡ患者の負担を軽減することができる。さらに、３軸回動軸受の自由回動は、他方の継手部が前後回動軸受である場合において、前後回動軸受の回動限界においても、膝ＯＡ患者の内旋運動および外旋運動による下腿支柱の動作を補助するため、前後回動軸受の回動範囲の前方限界位置および後方限界位置の調整に幅を持たせることができる。

請求項４の構成によって、本発明の下腿回旋装具は、下腿内旋異常を有する患者に、内足側に前後回動軸受、外足側に３軸回動軸受を備えた下腿回旋装具を装着した場合、内足側より外足側の回動範囲を大きくし、また、下腿外旋異常を有する患者に、外足側に前後回動軸受、内足側に３軸回動軸受を備えた下腿回旋装具を装着した場合、外足側より内足側の回動範囲を大きくするように設定することができる。

また、請求項５の構成によって、本発明の下腿回旋装具は、膝ＯＡ患者の下腿回旋量を十分に確保することができる。

請求項６の構成によって、本発明の下腿回旋装具は、左右の下腿の回旋量を膝ＯＡ患者個々の症状にあわせて容易に調節すること、および、足関節の底背屈角度によって下腿を回旋させることが可能となり、装置のずれによる無理な矯正の心配がない。また、請求項１から３の構成を組み合わせることによって、膝ＯＡ患者に対し、下腿の正しい回旋運動に誘導しつつ、踵部中央で接地面に接し、その後、立脚中期にかけて第１、第２中足骨頭中心、外足側中央の順に重心が移動し、立脚後期において拇指で蹴りだし、踵が接地面から離れるといった、正常に近い歩容に矯正することができる。

また、請求項７の構成によって、本発明の下腿回旋装具は、踵部の支持が可能となり、踵接地の促進および足指での蹴り出しを補助し、歩容改善の効果を高めることができる。

本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の全体の斜視図である。 本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の足底板の側面図である。 本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の継手部を拡大した正面図である。 本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の３軸回動軸受を拡大した斜視図である。 本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の下腿支柱の動作を説明する模式図である。 本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の３軸回動軸受の設計を説明する模式図である。 本発明の第１の実施例における下腿回旋装具の継手部を、いずれも３軸回動軸受とした場合の、下腿回旋装具の３軸回動軸受の設計を説明する模式図である。 本発明の第２の実施例における下腿回旋装具の全体の斜視図である。 本発明の第２の実施例における下腿回旋装具の足底板の側面図である。 本発明の第２の実施例における下腿回旋装具の継手部を拡大した正面図である。 本発明の第２の実施例における下腿回旋装具の３軸回動軸受を拡大した斜視図である。 本発明の第２の実施例における下腿回旋装具の下腿支柱の動作を説明する模式図である。 本発明の第２の実施例における下腿回旋装具の３軸回動軸受の設計を説明する模式図である。

以下、本発明について、第１の実施例として実施するための形態を図面にしたがって説明する。

図１は、第１の実施例における下腿回旋装具１００の全体の斜視図である。下腿回旋装具１００は、一対の支持側板１１０を左右縁から上向きに設ける足底板１２０と、支持側板１１０の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱１３０と、下腿支柱１３０に固定される下腿カフ１４０と、を備える下腿装具である。なお、下腿回旋装具１００の下腿への固定は、脛ファスナー１５０および甲ファスナー１６０によることが好ましいが、これに限定されるものではない。固定手段の例として、スリッポン型とすること、面ファスナー、バックル、レースを使用することが挙げられる。膝ＯＡ患者の半月板に近い脛ファスナー１５０は、柔らかい素材を用いることが好ましい。

支持側板１１０は、膝ＯＡ患者が下腿回旋装具１００を装着するときに、足底板１２０の左右縁から概ね膝ＯＡ患者の両踝のあたりに向かうように、一対に設ける。

図２は、足底板１２０の側面図である。足底板１２０は、膝ＯＡ患者の足裏が当接する部材であり、踵当接部１２１の周囲にアッパー１２２を設け、中足骨当接部１２３まで、具体的には膝ＯＡ患者の中足骨と基節骨を繋ぐ中足指節関節に相当する部分まで形成することが好ましい。

踵当接部１２１の周囲にアッパー１２２を設けることは、膝ＯＡ患者の歩容改善において重要である。アッパー１２２を設けることによって、膝ＯＡ患者の踵骨のコントロールが可能となる。一般的に、踵骨の安定性は、踵骨と距骨の間にある距骨下関節の運動や変形の反映である。この距骨下関節の正常な回内可動域が阻止されるとストレスが下肢、骨盤および腰椎に加わり、病的状態をもたらす。踵部内外反の運動は足部の回内外と連動し、下腿の内外旋、膝関節の内外反にも影響する。また、アッパー１２２はインソールのずれの防止にも資する。インソールは、膝ＯＡ患者の左右の足の長さの調節、Ｏ脚の膝ＯＡ患者の膝関節位置の調整、アーチサポートとして膝関節への負荷の軽減のために用いることができる。

また、足底板１２０は中足骨当接部１２３までとし、中足指節関節より先を自由にすることにより、膝ＯＡ患者の足部先端が靴底、地面等に直接触れることになり、足指での蹴り出しを補助する。

足底板１２０の素材は、支持側板１１０を取付け、下腿支柱１３０、下腿カフ１４０などを支える必要があるため、強度が求められる。例えば、成形が容易かつ硬度が高い樹脂であるポリプロピレンを５ｍｍ厚として用いることが好ましいが、強度がある素材であれば、５ｍｍ厚のポリプロピレンに限定されるものではない。

足底板１２０は、以上の構成とすることで、踵部の支持が可能となり、踵接地の促進および足指での蹴り出しを補助し、歩容改善の効果を高めることができる。

継手部は、支持側板１１０の上端に形成され、下腿支柱１３０を支持する。継手部は、下腿支柱１３０の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、継手部に設けた回動軸受により回動可能に支持する。下腿と足部の間の足関節の底屈（足首を伸ばす動作）および背屈（足首を曲げる動作）は、継手部の回動軸受によって許容される。

本実施例の内足側の継手部の回動軸受は、前後方向に回動可能な前後回動軸受１７０であり、回動範囲の前方限界位置と後方限界位置とは、設計段階であらかじめ定められている。また、本実施例の外足側の継手部の回動軸受は、３軸自由度を有する３軸回動軸受１８０であり、前後方向および内外方向への傾倒、ならびに軸回転を許容するボールジョイント機構を採用する。なお、本実施例において、外足側とは足部の小指側をいい、内足側とは足部の親指側をいう。

本実施例の前後回動軸受１７０および３軸回動軸受１８０を有する継手部を備える下腿回旋装具１００は、継手部の回動範囲が限定されていることによって、足関節の底屈および背屈を補助することができ、膝関節の屈曲および伸展動作を所定の範囲で制限する保存療法が可能となる。また、前後回動軸受１７０および３軸回動軸受１８０を備える下腿回旋装具１００は、膝装具と比較して、足部で固定することができるため、装具のずれの発生が少なく、膝ＯＡ患者が重度のＯ脚であるなど、膝装具の装着が困難な重度のＦＴＡ患者に対しても適用することができる。

さらに、本実施例のボールジョイント機構を備えた下腿回旋装具１００は、足関節の底背屈角度によって下腿を回旋させることも可能である。以下、前後回動軸受１７０および３軸回動軸受１８０について説明する。

図３は、継手部を拡大した正面図であり、右足に装着する下腿回旋装具１００を示す。前後回動軸受１７０は、支持側板１１０と、あらかじめ定められた範囲で回動可能に接続されている。

図４は、図３における３軸回動軸受１８０を拡大した斜視図である。ボールジョイント機構である３軸回動軸受１８０は、下腿支柱１３０に接続される受部１８１と、受部１８１に延設されるスタッド１８２と、スタッド１８２に対して球面接触して回動可能に嵌め合いかつ支持側板１１０に接続される基部１８３と、基部１８３に延設されるソケット１８４とを備える。

本実施例の３軸回動軸受１８０は、スタッド１８２の中心軸が、支持側板１１０および下腿支柱１３０の長手方向の中心線とほぼ一致し、ソケット１８４の内面が、スタッド１８２の球面と摺動して、下腿支柱１３０が前後方向および内外方向への傾倒、ならびに軸回転することを許容する。また、３軸回動軸受１８０は、ソケット１８４が膝ＯＡ患者の脚部に接触しないよう薄型および小型に設計されること好ましい。

図５は、右足に装着する下腿回旋装具１００の下腿支柱１３０の動作を説明する模式図である。図５においては、左支持側板２１０ａおよび右支持側板２１０ｂは支持側板１１０に、平足底板２２０は足底板１２０に、左継手部２３０ａおよび右継手部２３０ｂは前後回動軸受１７０および３軸回動軸受１８０に、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂは下腿支柱１３０に、それぞれ相当する。右足に装着するので、膝ＯＡ患者から見ると、左側が内足側、右側が外足側である。また、接地面からの垂直方向に対する左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの角度をそれぞれ、内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θとする。

図５（ａ）の模式図は、踵が接地したときの左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの状態を示す。踵が接地したときとは、足底が接地していない遊脚期から足底が接地する立脚期への移行が起こるときであり、この時点の下腿と足部の間の足関節の角度ａを基準とする。ここで、この時点の内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θは、φ＝θである。

図５（ｂ）の模式図は、足底全体が接地したときの立脚中期の左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの状態を示す。このとき、足関節は底屈しており、足関節の角度ｂはａより大きい。健常者であれば、足関節底屈が生じる踵の接地から立脚中期の間、下腿は、内足側に回旋、いわゆる内旋をするため、本発明の下腿回旋装具１００は、内旋誘導が生じるように動作させる。ここで、内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θは、進行方向を正としたとき、足関節底屈であるａ＜ｂの状態においては、φ＜θとなることで、下腿は内旋する。

膝ＯＡ患者が下腿内旋異常を有する場合は、外足側が内足側より前方に傾倒するよう、左継手部２３０ａの回動範囲の後方限界位置を右継手部２３０ｂの回動範囲より大きくするよう設計すれば、下腿の内旋が誘導される。このように設計することによって、歩行時において、足関節底屈時の内旋運動が矯正される。

図５（ｃ）の模式図は、踵から爪先までが接地面から離れようとする立脚後期の左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの状態を示す。このとき、足関節は背屈しており、足関節の角度ｃはａより小さい。健常者であれば、足関節背屈が生じる立脚中期から立脚後期の間、下腿は外旋するため、本発明の下腿回旋装具１００は、外旋誘導が生じるように動作させる。ここで、内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θは、進行方向を正としたとき、足関節背屈であるｃ＜ａの状態においては、θ＜φとなることで、下腿は外旋する。

膝ＯＡ患者が下腿外旋異常を有する場合は、内足側が外足側より前方に傾倒するよう、左継手部２３０ａの回動範囲の前方限界位置を右継手部２３０ｂの回動範囲より大きくするよう設計すれば、下腿の外旋が誘導される。このように設計することによって、歩行時において、足関節底屈時の内旋運動の後、足関節背屈時に外旋運動が矯正される。

図６（ａ）および（ｂ）は、３軸回動軸受１８０の設計を説明する模式図である。３軸回動軸受１８０の前後への回動範囲は、正常歩行における足関節底背屈角度α、および下肢回旋度βから、必要な外側支柱許容角度θ_ｍａｘを算出し、ボールジョイント機構のスタッド１８２およびソケット１８４の形状等を設計する。３軸回動軸受１８０の設計は、下腿部カフ半径ｒ、支柱の長さｌ、内側支柱許容角度φ_ｍａｘ、内側支柱移動量φ_ｄｉｓ、および外側支柱移動量θ_ｄｉｓが考慮され、θ_ｍａｘは、内外側支柱の傾動量差による移動差をφ_ｄｉｓおよびθ_ｄｉｓから求め、必要回旋量γを用いて算出する。

本実施例においては、外足側である右継手部２３０ｂが３軸回動軸受１８０を備える。３軸回動軸受１８０を備えることによって、右下腿支柱２４０ｂの自由回動が可能となり、内旋運動および外旋運動において前後回動軸受１７０の回動限界まで下腿支柱１３０が傾倒したときの衝撃を吸収し、膝ＯＡ患者の負担を軽減することができる。また、３軸回動軸受１８０の自由回動は、前後回動軸受１７０の回動限界においても、膝ＯＡ患者の内旋運動および外旋運動による左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの動作を補助するため、前後回動軸受１７０の回動範囲の前方限界位置および後方限界位置の設定に幅を持たせることができる。

ここで、下腿支柱１３０および下腿カフ１４０について詳しく説明する。図１において、下腿支柱１３０は、継手部に支持され、概ね膝ＯＡ患者の脛骨および腓骨に沿って、上方に伸びる。下腿支柱１３０には、下腿カフ１４０を取付けることができる。下腿カフ１４０は、下腿支柱１３０に固定され、しなりを可能とするための略半円柱形（蒲鉾形）の湾曲部１４１を備える。湾曲部１４１は、膝ＯＡ患者の下腿に当接し、下腿支柱１３０の動作を伝達する。

図５においては、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂに、図１に示すような下腿カフ１４０を取付けることができる。ここで、下腿回旋装具１００が左継手部２３０ａおよび右継手部２３０ｂの回動軸受の左右で異なる回動範囲を許容するため、湾曲部１４１には軟性樹脂素材を用いることが好ましい。湾曲部１４１がしなりのない剛性素材であるならば、連動する左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂならびに左継手部２３０ａおよび右継手部２３０ｂは、左右で異なる動作をすることが困難である。一方で、湾曲部１４１は、膝ＯＡ患者の下腿を支えるだけの強度も必要である。例えば、低密度ポリエチレンを３ｍｍ厚として用いることが好ましいが、しなりと強度が両立する素材であれば、３ｍｍ厚の低密度ポリエチレンに限定されるものではない。

下腿カフ１４０を取付けることによって、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂは連動する。右継手部２３０ｂに設けられた３軸回動軸受１８０および下腿カフ１４０のしなりによって、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの傾き差が許容される。このとき、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂは、左継手部２３０ａの前後回動軸受１７０による回動、および、右継手部２３０ｂの３軸回動軸受１８０による回動の３軸の自由度を備えることにより、下腿回旋装具１００の全体に負荷を掛けることなく、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの連動性が確保される。

なお、本実施例は、一方を前後回動軸受１７０、他方を３軸回動軸受１８０として説明しているが、左継手部２３０ａおよび右継手部２３０ｂの双方に３軸回動軸受１８０を採用することもできる。図７（ａ）および（ｂ）は、左継手部２３０ａおよび右継手部２３０ｂの双方に３軸回動軸受１８０を採用した場合の、３軸回動軸受１８０の設計を説明する模式図である。両方の継手部への３軸回動軸受１８０の採用は、左下腿支柱２４０ａおよび右下腿支柱２４０ｂの、特に前後への可動範囲を十分考慮し、また、膝ＯＡ患者の下腿回旋量の状態に応じて、適宜決定および設計すればよい。

下腿カフ１４０を取付けたときにおいて、継手部の回動範囲の前方限界位置は、左右で０度より大きくかつ３０度以下の差とすることが好ましく、５度以上かつ３０度以下とすることがより好ましい。このような構成とすることによって、本発明の下腿回旋装具１００は、膝ＯＡ患者の下腿回旋量を十分に確保することができる。

本実施例の構成による下腿回旋装具１００は、下腿内旋異常を有する患者に、内足側に前後回動軸受１７０、外足側に３軸回動軸受１８０を備えた下腿回旋装具１００を装着した場合、内足側より外足側の回動範囲を大きくし、また、下腿外旋異常を有する患者に、外足側に前後回動軸受１７０、内足側に３軸回動軸受１８０を備えた下腿回旋装具１００を装着した場合、外足側より内足側の回動範囲を大きくするように設定することができ、左右の下腿の回旋量を膝ＯＡ患者個々の症状にあわせて容易に設定すること、および、足関節の底背屈角度によって下腿を回旋させることが可能となり、装置のずれによる無理な矯正の心配がない。このとき、膝ＯＡ患者の下腿回旋量の状態に応じて、前後回動軸受１７０を３軸回動軸受１８０として下腿回旋装具１００を構成してもよい。

また、下腿回旋装具１００は、本実施例の構成とすることで、膝ＯＡ患者に対し、下腿の正しい回旋運動に誘導しつつ、踵部中央で接地面に接し、その後、立脚中期にかけて第１、第２中足骨頭中心、外足側中央の順に重心が移動し、立脚後期において拇指で蹴りだし、踵が接地面から離れるといった、正常に近い歩容に矯正することができる。

以下、本発明について、第２の実施例として実施するための形態を図面にしたがって説明する。第２の実施例と、第１の実施例との相違点は、内足側の継手部の回動軸受の可動範囲を調節可能としたものである。

図８は、第２の実施例における下腿回旋装具３００の全体の斜視図である。下腿回旋装具３００は、一対の支持側板３１０を左右縁から上向きに設ける足底板３２０と、支持側板３１０の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱３３０と、下腿支柱３３０に固定される下腿カフ３４０と、を備える下腿装具である。なお、下腿回旋装具３００の下腿への固定は、脛ファスナー３５０および甲ファスナー３６０によることが好ましいが、これに限定されるものではない。固定手段の例として、スリッポン型とすること、面ファスナー、バックル、レースを使用することが挙げられる。膝ＯＡ患者の半月板に近い脛ファスナー３５０は、柔らかい素材を用いることが好ましい。

支持側板３１０は、膝ＯＡ患者が下腿回旋装具３００を装着するときに、足底板３２０の左右縁から概ね膝ＯＡ患者の両踝のあたりに向かうように、一対に設ける。

図９は、足底板３２０の側面図である。足底板３２０は、膝ＯＡ患者の足裏が当接する部材であり、踵当接部３２１の周囲にアッパー３２２を設け、中足骨当接部３２３まで、具体的には膝ＯＡ患者の中足骨と基節骨を繋ぐ中足指節関節に相当する部分まで形成することが好ましい。

踵当接部３２１の周囲にアッパー３２２を設けることは、膝ＯＡ患者の歩容改善において重要である。アッパー３２２を設けることによって、膝ＯＡ患者の踵骨のコントロールが可能となる。一般的に、踵骨の安定性は、踵骨と距骨の間にある距骨下関節の運動や変形の反映である。この距骨下関節の正常な回内可動域が阻止されるとストレスが下肢、骨盤および腰椎に加わり、病的状態をもたらす。踵部内外反の運動は足部の回内外と連動し、下腿の内外旋、膝関節の内外反にも影響する。また、アッパー３２２はインソールのずれの防止にも資する。インソールは、膝ＯＡ患者の左右の足の長さの調節、Ｏ脚の膝ＯＡ患者の膝関節位置の調整、アーチサポートとして膝関節への負荷の軽減のために用いることができる。

また、足底板３２０は中足骨当接部３２３までとし、中足指節関節より先を自由にすることにより、膝ＯＡ患者の足部先端が靴底、地面等に直接触れることになり、足指での蹴り出しを補助する。

足底板３２０の素材は、支持側板３１０を取付け、下腿支柱３３０、下腿カフ３４０などを支える必要があるため、強度が求められる。例えば、成形が容易かつ硬度が高い樹脂であるポリプロピレンを５ｍｍ厚として用いることが好ましいが、強度がある素材であれば、５ｍｍ厚のポリプロピレンに限定されるものではない。

足底板３２０は、以上の構成とすることで、踵部の支持が可能となり、踵接地の促進および足指での蹴り出しを補助し、歩容改善の効果を高めることができる。

継手部は、支持側板３１０の上端に形成され、下腿支柱３３０を支持する。継手部は、下腿支柱３３０の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、継手部に設けた回動軸受により回動可能に支持する。下腿と足部の間の足関節の底屈（足首を伸ばす動作）および背屈（足首を曲げる動作）は、継手部の回動軸受によって許容される。

本実施例の内足側の継手部の回動軸受は、前後方向に回動可能な前後回動軸受３７０であり、回動範囲の前方限界位置と後方限界位置とを調節できるよう構成されているダブルクレンザック機構を採用する。また、本実施例の外足側の継手部の回動軸受は、３軸自由度を有する３軸回動軸受３８０であり、前後方向および内外方向への傾倒、ならびに軸回転を許容するボールジョイント機構を採用する。なお、本実施例において、外足側とは足部の小指側をいい、内足側とは足部の親指側をいう。

ダブルクレンザック機構である前後回動軸受３７０を有する継手部を備える下腿回旋装具３００は、前後回動軸受３７０の回動範囲を調節することによって、足関節の底屈および背屈を補助することができ、膝関節の屈曲および伸展動作を所定の範囲で調節しながら制限する保存療法が可能となる。また、前後回動軸受３７０および３軸回動軸受３８０を備える下腿回旋装具３００は、膝装具と比較して、足部で固定することができるため、装具のずれの発生が少なく、膝ＯＡ患者が重度のＯ脚であるなど、膝装具の装着が困難な重度のＦＴＡ患者に対しても適用することができる。

さらに、本実施例のボールジョイント機構を備えた下腿回旋装具３００は、足関節の底背屈角度によって下腿を回旋させることも可能である。以下、前後回動軸受３７０および３軸回動軸受３８０について説明する。

図１０は、継手部を拡大した正面図であり、右足に装着する下腿回旋装具３００を示す。ダブルクレンザック機構である前後回動軸受３７０は、基部３７１が支持側板３１０と回動可能に接続されている。基部３７１の前後にロッド棒３７２が内蔵され、ロッド棒３７２の締め込み深さによって、回動範囲の前方限界位置と後方限界位置とを無段階で調節することが可能である。具体的には、ロッド棒３７２は回動のストッパーの役目を担っており、締め込みを深くすることで、回動範囲は狭くなり、逆に締め込みを浅くすることで、回動範囲は広くなる。

ロッド棒３７２は、前後回動軸受３７０の前方および後方に設けられ、簡易な機構のため調節が容易である。一例として、前方のロッド棒３７２にスプリングを適用して、回動時の衝撃を緩和してもよい。また、回動時の衝撃の緩和を目的として、前後回動軸受３７０を油圧または電気による制御としてもよい。

図１１は、図１０における３軸回動軸受３８０を拡大した斜視図である。ボールジョイント機構である３軸回動軸受３８０は、下腿支柱３３０に接続される受部３８１と、受部３８１に延設されるスタッド３８２と、スタッド３８２に対して球面接触して回動可能に嵌め合いかつ支持側板３１０に接続される基部３８３と、基部３８３に延設されるソケット３８４を備える。

本実施例の３軸回動軸受３８０は、スタッド３８２の中心軸が、支持側板３１０および下腿支柱３３０の長手方向の中心線とほぼ一致し、ソケット３８４の内面が、スタッド３８２の球面と摺動して、下腿支柱３３０が前後方向および内外方向への傾倒、ならびに軸回転することを許容する。また、３軸回動軸受３８０は、ソケット３８４が膝ＯＡ患者の脚部に接触しないよう薄型および小型に設計されること好ましい。

図１２は、右足に装着する下腿回旋装具３００の下腿支柱３３０の動作を説明する模式図である。図１２においては、左支持側板４１０ａおよび右支持側板４１０ｂは支持側板３１０に、平足底板４２０は足底板３２０に、左継手部４３０ａおよび右継手部４３０ｂは前後回動軸受３７０および３軸回動軸受３８０に、左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂは下腿支柱３３０に、それぞれ相当する。右足に装着するので、膝ＯＡ患者から見ると、左側が内足側、右側が外足側である。また、接地面からの垂直方向に対する左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの角度をそれぞれ、内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θとする。

図１２（ａ）の模式図は、踵が接地したときの左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの状態を示す。踵が接地したときとは、足底が接地していない遊脚期から足底が接地する立脚期への移行が起こるときであり、この時点の下腿と足部の間の足関節の角度ａを基準とする。ここで、この時点の内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θは、φ＝θである。

図１２（ｂ）の模式図は、足底全体が接地したときの立脚中期の左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの状態を示す。このとき、足関節は底屈しており、足関節の角度ｂはａより大きい。健常者であれば、足関節底屈が生じる踵の接地から立脚中期の間、下腿は、内足側に回旋、いわゆる内旋をするため、本発明の下腿回旋装具３００は、内旋誘導が生じるように動作させる。ここで、内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θは、進行方向を正としたとき、足関節底屈であるａ＜ｂの状態においては、φ＜θとなることで、下腿は内旋する。

膝ＯＡ患者が下腿内旋異常を有する場合は、外足側が内足側より前方に傾倒するよう、左継手部４３０ａの回動範囲の後方限界位置を右継手部４３０ｂの回動範囲より大きくするよう調節すれば、下腿の内旋が誘導される。このように調節することによって、歩行時において、足関節底屈時の内旋運動が矯正される。

図１２（ｃ）の模式図は、踵から爪先までが接地面から離れようとする立脚後期の左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの状態を示す。このとき、足関節は背屈しており、足関節の角度ｃはａより小さい。健常者であれば、足関節背屈が生じる立脚中期から立脚後期の間、下腿は外旋するため、本発明の下腿回旋装具３００は、外旋誘導が生じるように動作させる。ここで、内足側支柱傾斜角度φおよび外足側支柱傾斜角度θは、進行方向を正としたとき、足関節背屈であるｃ＜ａの状態においては、θ＜φとなることで、下腿は外旋する。

膝ＯＡ患者が下腿外旋異常を有する場合は、内足側が外足側より前方に傾倒するよう、左継手部４３０ａの回動範囲の前方限界位置を右継手部４３０ｂの回動範囲より大きくするよう調節すれば、下腿の外旋が誘導される。このように調節することによって、歩行時において、足関節底屈時の内旋運動の後、足関節背屈時に外旋運動が矯正される。

図１３（ａ）および（ｂ）は、３軸回動軸受３８０の設計を説明する模式図である。３軸回動軸受３８０の前後への回動範囲は、正常歩行における足関節底背屈角度α、および下肢回旋度βから、必要な外側支柱許容角度θ_ｍａｘを算出し、ボールジョイント機構のスタッド３８２およびソケット３８４の形状等を設計する。３軸回動軸受３８０の設計は、下腿部カフ半径ｒ、支柱の長さｌ、内側支柱許容角度φ_ｍａｘ、内側支柱移動量φ_ｄｉｓ、および外側支柱移動量θ_ｄｉｓが考慮され、θ_ｍａｘは、内外側支柱の傾動量差による移動差をφ_ｄｉｓおよびθ_ｄｉｓから求め、必要回旋量γを用いて算出する。

本実施例においては、外足側である右継手部４３０ｂが３軸回動軸受３８０を備える。３軸回動軸受３８０を備えることによって、右下腿支柱４４０ｂの自由回動が可能となり、内旋運動および外旋運動において前後回動軸受３７０の回動限界まで下腿支柱３３０が傾倒したときの衝撃を吸収し、膝ＯＡ患者の負担を軽減することができる。また、３軸回動軸受３８０の自由回動は、前後回動軸受３７０の回動限界においても、膝ＯＡ患者の内旋運動および外旋運動による左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの動作を補助するため、前後回動軸受３７０の回動範囲の前方限界位置および後方限界位置の調整に幅を持たせることができる。

ここで、下腿支柱３３０および下腿カフ３４０について詳しく説明する。図８において、下腿支柱３３０は、継手部に支持され、概ね膝ＯＡ患者の脛骨および腓骨に沿って、上方に伸びる。下腿支柱３３０には、下腿カフ３４０を取付けることができる。下腿カフ３４０は、下腿支柱３３０に固定され、しなりを可能とするための略半円柱形（蒲鉾形）の湾曲部３４１を備える。湾曲部３４１は、膝ＯＡ患者の下腿に当接し、下腿支柱３３０の動作を伝達する。

図１２においては、左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂに、図８に示すような下腿カフ３４０を取付けることができる。ここで、下腿回旋装具３００が左継手部４３０ａおよび右継手部４３０ｂの回動軸受の左右で異なる回動範囲を許容するため、湾曲部３４１には軟性樹脂素材を用いることが好ましい。湾曲部３４１がしなりのない剛性素材であるならば、連動する左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂならびに左継手部４３０ａおよび右継手部４３０ｂは、左右で異なる動作をすることが困難である。一方で、湾曲部３４１は、膝ＯＡ患者の下腿を支えるだけの強度も必要である。例えば、低密度ポリエチレンを３ｍｍ厚として用いることが好ましいが、しなりと強度が両立する素材であれば、３ｍｍ厚の低密度ポリエチレンに限定されるものではない。

下腿カフ３４０を取付けることによって、左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂは連動する。右継手部４３０ｂに設けられた３軸回動軸受３８０および下腿カフ３４０のしなりによって、左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの傾き差が許容される。このとき、左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂは、左継手部４３０ａの前後回動軸受３７０による回動、および、右継手部４３０ｂの３軸回動軸受３８０による回動の３軸の自由度を備えることにより、下腿回旋装具３００の全体に負荷を掛けることなく、左下腿支柱４４０ａおよび右下腿支柱４４０ｂの連動性が確保される。

下腿カフ３４０を取付けたときにおいて、継手部の回動範囲の前方限界位置は、左右で０度より大きくかつ３０度以下の差とすることが好ましく、５度以上かつ３０度以下とすることがより好ましい。このような構成とすることによって、本発明の下腿回旋装具３００は、膝ＯＡ患者の下腿回旋量を十分に確保することができる。このとき、前後回動軸受３７０は、前方限界位置および後方限界位置を無段階で調節できるため、左右の下腿支柱３３０の傾き差も無段階で調節できる。

本実施例の構成による下腿回旋装具３００は、下腿内旋異常を有する患者に、内足側に前後回動軸受３７０、外足側に３軸回動軸受３８０を備えた下腿回旋装具３００を装着した場合、内足側より外足側の回動範囲を大きくし、また、下腿外旋異常を有する患者に、外足側に前後回動軸受３７０、内足側に３軸回動軸受３８０を備えた下腿回旋装具３００を装着した場合、外足側より内足側の回動範囲を大きくするように設定することができ、左右の下腿の回旋量を膝ＯＡ患者個々の症状にあわせて容易に調節および設定すること、および、足関節の底背屈角度によって下腿を回旋させることが可能となり、装置のずれによる無理な矯正の心配がない。

また、下腿回旋装具３００は、以上の構成とすることで、膝ＯＡ患者に対し、下腿の正しい回旋運動に誘導しつつ、踵部中央で接地面に接し、その後、立脚中期にかけて第１、第２中足骨頭中心、外足側中央の順に重心が移動し、立脚後期において拇指で蹴りだし、踵が接地面から離れるといった、正常に近い歩容に矯正することができる。

１００…下腿回旋装具。
１１０…支持側板。
１２０…足底板、１２１…踵当接部、１２２…アッパー、１２３…中足骨当接部。
１３０…下腿支柱。
１４０…下腿カフ、１４１…湾曲部。
１５０…脛ファスナー。
１６０…甲ファスナー。
１７０…前後回動軸受。
１８０…３軸回動軸受、１８１…受部、１８２…スタッド、１８３…基部、１８４…ソケット。
２１０ａ…左支持側板、２１０ｂ…右支持側板。
２２０…平足底板。
２３０ａ…左継手部、２３０ｂ…右継手部。
２４０ａ…左下腿支柱、２４０ｂ…右下腿支柱。
３００…下腿回旋装具。
３１０…支持側板。
３２０…足底板、３２１…踵当接部、３２２…アッパー、３２３…中足骨当接部。
３３０…下腿支柱。
３４０…下腿カフ、３４１…湾曲部。
３５０…脛ファスナー。
３６０…甲ファスナー。
３７０…前後回動軸受、３７１…基部、３７２…ロッド棒。
３８０…３軸回動軸受、３８１…受部、３８２…スタッド、３８３…基部、３８４…ソケット。
４１０ａ…左支持側板、４１０ｂ…右支持側板。
４２０…平足底板。
４３０ａ…左継手部、４３０ｂ…右継手部。
４４０ａ…左下腿支柱、４４０ｂ…右下腿支柱。

Claims (7)

1. 一対の支持側板を左右縁から上向きに設ける足底板と、
   前記支持側板の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱と、
   前記下腿支柱に固定される下腿カフと、を備える下腿装具であって、
   前記下腿支柱の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、前記継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成としたことを特徴とする下腿回旋装具。
2. 一対の支持側板を左右縁から上向きに設ける足底板と、
   前記支持側板の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱と、
   前記下腿支柱に固定される下腿カフと、を備える下腿装具であって、
   前記下腿支柱の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、一方の前記継手部は、前記継手部に設けた前後回動軸受により回動可能に支持してなり、および他方の前記継手部は、前記継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成としたことを特徴とする下腿回旋装具。
3. 一対の支持側板を左右縁から上向きに設ける足底板と、
   前記支持側板の先端に形成される継手部に支持される下腿支柱と、
   前記下腿支柱に固定される下腿カフと、を備える下腿装具であって、
   前記下腿支柱の下端に設けた結合部材に固着した結合軸を、一方の前記継手部は、前記継手部に設けた前後回動軸受により回動可能に支持してなり、前記前後回動軸受の回動範囲の前方限界位置と後方限界位置とを調節できるよう構成したこと、および他方の前記継手部は、前記継手部に設けた３軸回動軸受により支持してなる構成としたことを特徴とする下腿回旋装具。
4. 前記前後回動軸受の回動範囲は、無段階で調節できることを特徴とする請求項３に記載の下腿回旋装具。
5. 前記継手部の前方限界位置は、左右で０度より大きくかつ３０度以下の差とすることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の下腿回旋装具。
6. 前記下腿カフは、しなりを可能とするための湾曲部を備え、前記継手部の左右で異なる回動範囲を許容することを特徴とする請求項１から５のいずれかに記載の下腿回旋装具。
7. 前記足底板は、踵当接部の周囲にアッパーを設け、中足骨当接部まで形成することを特徴とする請求項１から６のいずれかに記載の下腿回旋装具。
   
   

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