JP2020103315A - キャットフードに用いるためのアミノ反応体およびカルボニル化合物を含む嗜好性向上剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャットフードの嗜好性を向上させるその能力について選択された新規な嗜好性向上剤(PE)を提供する。【解決手段】硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であるアミノ反応体と、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含むカルボニル組成物とを含む、キャットフードに用いるための無脂肪嗜好性向上剤。【選択図】なし
Description
本発明は、ペットフードの分野全般に関し、より具体的には、キャットフードに重点が置かれる。
より詳細には、本発明は、硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であるアミノ反応体と、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含むカルボニル組成物とを含む、キャットフードに用いるための無脂肪嗜好性向上剤に関する。
ペットは、適切な選択肢のフードを与える飼い主によって充分な世話を受けている。そのようなフードには、ペットの通常の栄養学的にバランスの取れた餌だけでなく、サプリメント、おやつ(treats)、およびオモチャも含まれる。ペットは、人間と同様に、嗜好性があると思うフードに魅力を感じ、それをより定期的に、および容易に食べる。従って、嗜好性向上剤(PE)は、動物の摂食において極めて重要である。ペットフードなどの動物用のフードは、典型的には、その嗜好性を高め、ペットにとって魅力的なものとするための風味組成物を含有する。これまで、数多くのPEが報告されてきた。
しかし、フードの嗜好性は、フードの種類ごとに異なるだけでなく、動物の種ごとにも異なる。例えば、ドライペットフードに有効である嗜好性向上剤は、通常、セミドライまたはウェットペットフードに用いられる場合は有効ではない。さらに、イヌに有効である嗜好性向上剤は、ネコには有効ではない場合が多い。実際、ネコは、フードの嗜好性に対する感受性が高いことから、餌に対して気難しい(finicky)として特に知られている。
従って、堅牢な風味を提供し、ドライ、セミドライ、およびウェットフードのように異なる種類のフードにおいて、ネコ用に容易におよび有効に用いることができる新規なPEが継続的に求められている。
本発明は、ここで、キャットフードの嗜好性を向上させるその能力について選択された新規なPEを提供する。
本発明の目的は、硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とするアミノ反応体と、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含むカルボニル組成物とを含む、キャットフードに用いるための無脂肪PEに関する。
本発明の別の目的は、本発明のPEを含む、キャットフードに用いるための嗜好性向上組成物(PEC)に関する。
本発明のさらなる目的は、PEおよびPECを製造するための方法に関する。
本発明の別の目的は、向上された嗜好性を有するキャットフードを製造するための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、キャットフードの嗜好性を向上させるためのキットに関する。
定義
パーセントは、本明細書において、製品基準(特に、PEまたはPEC)の重量によって表される。当業者にとって明らかであるいくつかの場合では、パーセントは、乾燥質量ベースで表されてよい。当業者であれば、「乾燥質量ベース」の用語は、組成物中の成分の濃度またはパーセントが、遊離水の除去後に測定されるか、または組成物中のいずれの遊離水分の重量も差し引かれた後の組成物の重量をベースとして特定されることを意味することは理解される。
パーセントは、本明細書において、製品基準(特に、PEまたはPEC)の重量によって表される。当業者にとって明らかであるいくつかの場合では、パーセントは、乾燥質量ベースで表されてよい。当業者であれば、「乾燥質量ベース」の用語は、組成物中の成分の濃度またはパーセントが、遊離水の除去後に測定されるか、または組成物中のいずれの遊離水分の重量も差し引かれた後の組成物の重量をベースとして特定されることを意味することは理解される。
本開示において、範囲は、範囲内のあらゆる値を冗長に記載することを避けるために、簡潔に記載される。該当する場合、範囲の上限値、下限値、または終点として、範囲内の適切ないずれの値が選択されてもよい。例えば、0.1〜1.0(0.1から1)の範囲は、0.1および1.0の終点値、さらには、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9の中間値、および0.2〜0.5、0.2〜0.8、0.7〜1.0などの0.1〜1.0の中に包含されるすべての中間範囲を表す。
「20%超および100%まで」または「20%超から100%まで」の用語は、本明細書において、厳密に20%よりも大きい値から始まり、100%で終わる範囲を意味し、すなわち、20から100%までのすべての中間値が包含されるが、下限終点値である20%は包含されない。
全体を通して用いられるように、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、語の単数形は、複数形を含み、逆も同様である。従って、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の記載は、一般的に、対応する用語の複数形も含む。例えば、「1つの方法」または「1つのフード」の記載は、複数のそのような「方法」または「フード」も含む。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含んでいる(comprising)」の語は、包括的に解釈されるべきである。同様に、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、および「または」の用語はすべて、包括的であるとして解釈されるべきである。しかし、これらの用語はすべて、「から成る」などの語を用いて言及される場合もある限定的実施形態を包含するものと見なされなければならない。
ここで例示される方法および製品、ならびにその他の実施形態は、本明細書で述べる特定の方法、プロトコル、および試薬に限定されず、それは、当業者であれば、それらが変動し得ることが理解されるからである。
特に定めのない限り、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語、専門用語、ならびに頭字語は、本発明の(1もしくは複数の)分野、またはその用語が用いられる(1もしくは複数の)分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。本明細書で述べるものに類似または同等であるいずれの製品、方法、またはその他の手段もしくは物質が、本発明の実践に用いられてよいが、好ましい製品、方法、またはその他の手段もしくは物質が、本明細書で記載される。
「約」の用語は、量、時間の長さなどの測定可能な値に言及する際に本明細書で用いられる場合、指定された値からの±10%、より好ましくは、±5%、さらにより好ましくは、±2%の変動を包含することを意味し、それは、そのような変動が、開示される方法および製品を再現するのに適切であるからである。
本明細書で用いられる場合、「嗜好性(palatability)」の用語は、ペットが特定のペットフードを食べようとする全体としての意思を意味する。ペットが、例えば2つ以上のペットフードのうちの1つに対して好ましさを示す場合はいずれも、好まれたフードは、より「嗜好性が高く」、「向上された嗜好性」を有する。そのような好ましさは、ペットの感覚のいずれから生じるものであってもよいが、典型的には、とりわけ、味、香り、風味、テクスチャ、匂い、および/または口触りに関連する。
嗜好性を評価するための様々な方法が存在する。そのような方法の例は、ペットを、同時に(例えば、並置した自由選択による比較において、例えば、少なくとも2つの異なるペットフードの相対的摂食量を測定することによる)、または順次に(例:単一ボウルによる試験法を用いる)、ペットフードに接触させることを含む。有利には、少なくとも2つの異なる方法が、あるペットフードの嗜好性に関してそのように得られた結果を強固なものとするために用いられてよい。
本明細書において「向上された嗜好性」を有するとして記載されるペットフード、より詳細には、キャットフードは、ネコが、コントロール組成物と比較して好ましさを示すものである。有利には、向上された嗜好性を有するキャットフードは、ネコにとってだけでなく、ネコの飼い主にとっても魅力的な、または満足のいくものである。
機能性の観点から見ると、「嗜好性向上剤(PE)」、「パラタント(palatants)」、「風味剤」、「嗜好性剤(palatability agents)」、「食欲促進因子(appetizing factors)」、「風味組成物」、「嗜好性向上組成物(PEC)」、「風味向上剤」の用語、およびその他のいずれの類似する用語も、フード組成物のネコに対する嗜好性を向上させるいずれの物質をも同等に意味する。典型的には、キャットフード用の嗜好性向上剤は、ネコにとって魅力的な、または満足のいく香り、味、後味、匂い、口触り、テクスチャ、および/または感覚器を刺激する感覚を提供する食用の組成物である。
例えば、嗜好性向上剤は、その匂いによって最初のフードの魅力に寄与することができ、ならびに/またはその匂いによって、しかしその味、および/もしくはその後味、および/もしくはその口触り、および/もしくはそのテクスチャによっても、継続的な摂食に寄与することができる。「最初の魅力」とは、動物(ここではネコ)がフードを最初に味見または試食するように誘導し、「第一の選択」または「摂食された第一のフード」の基準で測定することができる嗜好性の態様である。「継続的な摂食」とは、最初は味見または試食するだけであったフードを、動物(ここではネコ)が継続的に摂食するように誘導する嗜好性の態様である。
構造の観点から見ると、「嗜好性向上剤(PE)」、「パラタント」、「風味剤」、「嗜好性剤」、「食欲促進因子」、「風味組成物」、「嗜好性向上組成物(PEC)」、「風味向上剤」の用語、およびその他のいずれの類似する用語も、天然、加工済みもしくは未加工、合成、または天然物質の一部、および合成物質の一部であってよい単一の物質または物質のブレンドを意味してよい。
機能的な意味が同等であるにも関わらず、「嗜好性向上剤(PE)」、「パラタント」、「風味剤」、「嗜好性剤」、「食欲促進因子」、「風味組成物」、「嗜好性向上組成物(PEC)」、「風味向上剤」の用語の各々は、有利には、すべて有利な嗜好性向上特性を有する様々な物質または物質のブレンド間の適切な区別を容易とする目的で、特定の物質または物質のブレンドを識別するために用いることができる。特に、本発明のコンテクストにおいて、および以下で述べるように、PEは、PEC中に含有されていてよい。
本明細書で用いられる場合、「無脂肪PE」は、添加されたまたは外因性のいかなる脂肪も含有しないPEである。言い換えると、本発明に従う「無脂肪PE」は、含んでいるとしても、アミノ反応体およびカルボニル化合物に含有され得る内因性脂肪のみを含む。
従って、本発明に従う「無脂肪PE」の脂肪含有量は、非常に低いか、または無視できるほどでさえあるか、または標準的な方法(オンラインで閲覧可能である欧州規則EC No 152/2009 粗油脂の特定−手順B(European Regulation EC n°152/2009 Determination of crude oils and fats - Procedure B)に記載の方法など)によって検出不可能でさえあり、それは、「微量の脂肪」と称され得る。
従って、本発明に従う「無脂肪PE」の脂肪含有量は、非常に低いか、または無視できるほどでさえあるか、または標準的な方法(オンラインで閲覧可能である欧州規則EC No 152/2009 粗油脂の特定−手順B(European Regulation EC n°152/2009 Determination of crude oils and fats - Procedure B)に記載の方法など)によって検出不可能でさえあり、それは、「微量の脂肪」と称され得る。
本発明は、ネコに特化している。しかし、本発明は、その他の種類のペットまたは愛玩動物(イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、スナネズミ、トリ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタなど)での使用にも適合され得る。所望される場合、本発明は、愛玩動物と見なされ得る異なる種類の動物での使用におけるその適切性を評価するために試験されてよい。
本明細書で用いられる場合、「キャットフード」または「フード」の用語は、ネコが食べ、ネコに少なくとも1つの栄養素を与える製品または組成物を意味する。「フード」の用語は、いかなるフード、飼料、スナック、フードサプリメント、おやつ、オモチャ(噛むことができるおよび/または摂食することができるオモチャ)、食用食餌代替品(edible meal substitute)、または食用食餌代用品(edible meal replacement)も含む。いかなる種類の飲み物および飲料も、「フード」の用語に包含される。
ペットフード、特にキャットフードには、低または中または高であるその水分含有量に応じて、3つの主たる分類またはクラスが存在する。
− ドライまたは低水分含有量品(約14%未満の水分):これらは、通常、ペット、特にネコが噛むと、バリバリという音を発生させる;これらは、一般的に、栄養価が高く、安価に包装することができ(例:袋または箱による)、保存および使用にとって非常に都合が良い;これらは、比較的保存安定性が良く、微生物もしくは真菌による劣化または汚染に対する耐性を有する。
− 缶詰もしくはウェットもしくは高水分含有量品(約50%超の水分):典型的には、高肉含有量品であり、これらは、通常、製造および包装にコストが掛かる(主として缶による);これらは、開封後は、保存安定性がなく、従って、余りまたは不使用分のウェットフードは、微生物または真菌による腐敗を防止するために、冷蔵保存する必要がある。
− 半湿りまたは半ドライまたはソフトドライまたはソフト湿りまたは中間もしくは中水分含有量品(約14から約50%水分):これらは、通常、適切な袋または箱に包装される;これらは、安定化剤を含有し、従って、ドライ品と同じ方法で保存することができる。
栄養学的にバランスの取れたペットフード、特にキャットフードは、広く知られており、本技術分野で用いられている。
「栄養学的に完全な」、「栄養学的にバランスの取れた」、または「栄養学的に完全でバランスの取れたフード」とは、フードの意図するレシピエントまたは摂食者にとって公知の必要とされる栄養素のすべてを、例えば愛玩動物栄養の分野の認定または所轄当局の推奨事項に基づく適切な量および割合で含有するフードである。そのようなフードは、従って、補助的な栄養源を追加することなく、生命を維持するための食餌摂取量の唯一の供給源として用いることができる。
本明細書で用いられる「キッブル(kibble)」の用語は、ペレット化または押出しプロセスのいずれかによって形成された粒子状塊または粒子状ピースを意味する。典型的には、キッブルは、ドライおよび半湿りペットフードを得るために製造される。このようなピースのサイズおよび形状は、プロセスまたは設備に応じて様々であり得る。例えば、キッブルは、球形状、円柱形状、楕円形状、または類似の形状を有していてよい。これらは、例えば約2cm未満の最大寸法を有していてよい。
「塊入り「X」品(chunk-in-"X" product)」の用語は、本明細書において、調製物(preparation)(前記調製物は、「X調製物」である)中に塊を含むすべての食用の食料品を意味する。その古典的な例は、塊入りゼリー品、塊入りグレイビー品などである。この「塊入りX」品の分類は、ゼリー、グレイビーなどのX調製物中に含有されてよい塊以外の食用形態も包含する。例えば、塊以外の形態は、スライス品、すりおろし品(grated products)などであってよい。
本明細書で用いられる「ローフ(loaf)」の用語は、湿り品として得られる食用の食料品を意味し、テリーヌ、パテ、ムースなどを含む。
「フードサプリメント」または「食餌サプリメント」または「サプリメント」の用語は、通常の動物用食餌に対する追加として食べられることを意図する製品を意味する。飲み物および飲料が包含される。食餌サプリメントは、いかなる食用形態であってもよく、例えば、固体、液体、ジェル、ペースト、錠剤、カプセル、粉末などである。好ましくは、それらは、都合の良い剤形で提供される。ある実施形態では、それらは、バルク粉末などのバルク消費者包装品として提供される。他の実施形態では、サプリメントは、スナック、おやつ、サプリメントバーなどの他のフード品に含めるために、大量に提供される。PEおよびPECは、栄養学的にバランスの取れたフードの嗜好性を改善するためにそれらが用いられるものと同じ方法で、食餌サプリメントの嗜好性を改善するために用いることができる。
「おやつ」(または「ビスケット」)の用語は、ペット(ここではネコ)とその飼い主との間の絆形成プロセスの補助、促進、または維持のために、飼い主が、好ましくは食餌以外の時間にペット(ここではネコ)に与えるように設計されたいずれのフード品をも意味する。ネコ用のおやつの例は、詰め物入り枕(stuffed pillows)および噛むことのできる棒(chewable sticks)である。おやつは、栄養学的なものであっても、そうでなくてもよい。おやつは、多くの場合、栄養学的にバランスの取れたフードと同等の形で、PEまたはPECを含有する。
「オモチャ」は、例えば、噛むことのできるオモチャを含む。ネコ用のおもちゃの例は、噛むことのできるネコのオモチャである。オモチャは、さらに、部分的に摂食できるオモチャ(例:プラスチックコンポーネントを含む)または完全に摂食できるオモチャ(例:ローハイド(rawhides))も含む。
本明細書で用いられる場合、「アミノ酸」の用語は、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を意味する。ある実施形態では、アミノ酸は、α‐、β‐、γ‐、またはδ‐アミノ酸であり、それらの立体異性体およびラセミ体を含む。本明細書で用いられる場合、「L‐アミノ酸」の用語は、α‐炭素の周囲でL配置を有するα‐アミノ酸を意味し、すなわち、L配置を有する一般式CH(COOH)(NH2)−(側鎖)のカルボン酸である。「D‐アミノ酸」の用語は、同様に、α‐炭素の周囲でD配置を有する一般式CH(COOH)(NH2)−(側鎖)のカルボン酸を意味する。L‐アミノ酸の側鎖は、天然および非天然の部分を含んでいてよい。非天然(すなわち、非自然)アミノ酸側鎖は、例えばアミノ酸類似体において、天然アミノ酸側鎖の代わりに用いられる部分である。
「アミノ反応体」または「アミノ酸源」の用語は、メイラード反応におけるカルボニル化合物との反応に利用可能である遊離アミノ基を有する反応体を意味する。アミノ反応体としては、アミノ酸、ペプチド(ジペプチド、トリペプチド、およびオリゴペプチドを含む)、タンパク質、これらの加水分解物および抽出物、加水分解植物性タンパク質(HVP)、ペプトン、イースト抽出物、イースト加水分解物、イースト自己溶解物、クリームイースト(cream yeasts)、醤油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
「遊離アミノ酸」の用語は、本明細書において、組成物中において未結合成分として個別に存在するアミノ酸を意味する。遊離アミノ酸は、ペプチドもしくはタンパク質の一部を形成しないか、またはペプチドもしくはタンパク質中に含有されず、およびペプチド結合によって他のアミノ酸と連結されてもいない。
「硫黄含有遊離アミノ酸」の用語は、本明細書において、遊離システイン、シスチン、メチオニンから、さらにはi)ホモシステイン、シスタチオニン、およびシステアミン、ii)グルタチオンおよびホモグルタチオンなどの短鎖ペプチド、ならびにiii)チアミンなどの硫黄源からも選択される1つ以上の硫黄原子を含有する遊離アミノ酸を意味する。
「全遊離アミノ酸」の用語は、本明細書において、製品(特に、ここではPE)中に含有されるすべての遊離アミノ酸を意味する。前記製品中に含有される遊離アミノ酸のいずれの間でも区別は成されない。
「イースト」の用語は、本明細書において、好ましくは不活性であるいずれのイーストをも意味し、さらには、動物が摂食するための組成物と適合するイースト副産物も意味する。イーストは、本技術分野において、タンパク質リッチであるとしてよく知られている。イーストとしては、限定されないが、醸造イースト、パンイースト、トルライースト(torula yeast)、糖液イースト、エタノールイーストなどが挙げられる。イースト副産物としては、限定されないが、イースト抽出物、イースト加水分解物、イースト自己溶解物、クリームイーストなどが挙げられる。
「カルボニル組成物」の用語は、本明細書において、遊離または利用可能なカルボニル基を提供することができる(それによって、カルボニル基は、メイラード反応におけるアミノ反応体との反応に利用可能である)いかなる物質をも意味するが、但し、それは、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
好ましくは、本発明の「カルボニル組成物」は、21から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。より好ましくは、それは、23から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。より一層好ましくは、それは、25から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
さらに一層好ましくは、それは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
さらに一層好ましくは、それは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
カルボニル組成物の例としては、これらに限定されないが、単糖、二糖、オリゴ糖、これらの加水分解生成物(すなわち、二糖および/またはオリゴ糖の加水分解生成物)、およびアルデヒド、ケトン、アルファヒドロキシカルボニルもしくはジカルボニル化合物など、すべてのこれらの化合物は少なくとも1つのカルボニル基を有するカルボニル基を含有する物質が挙げられるが、但し、それは、20重量%超から100重量%まで、好ましくは、21から100重量%、より好ましくは、23から100重量%、より一層好ましくは、25から100重量%、さらに一層好ましくは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
単糖の限定されない例は、キシロース、アラビノース、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、ラムノース、フコース、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、エリトロース、トレオース、リブロース、キシルロース、リキソースなどである。
二糖の限定されない例は、ラクトースおよびマルトースである。
「オリゴ糖」の用語は、本明細書において、小サッカリドポリマーを意味し(典型的には、3から10の単純糖または単糖を有するポリマー)、一方「ポリサッカリド」は、本明細書において、オリゴ糖よりも大きいサッカリドポリマーである(典型的には、10超の単糖を有するポリマー)。
オリゴ糖の限定されない例は、ラフィノースなどのトリオースおよびスタキオースなどのテトラオースである。
カルボニル基を含有する物質の限定されない例は、グルコースシロップ、フルクトースシロップ、カラメル、および糖液である。
本発明のコンテクストにおける必要条件は、考慮対象であるカルボニル組成物が、20重量%超から100重量%まで、好ましくは、21から100重量%、より好ましくは、23から100重量%、より一層好ましくは、25から100重量%、さらに一層好ましくは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含むことである。
「無機ホスフェート化合物」の用語は、本明細書で用いられる場合、少なくとも1つのリン原子を含む化学化合物を意味する。この化学化合物は、天然または合成であってよく、イオン化されていても、またはされていなくてもよい。無機ホスフェート化合物の例としては、ポリホスフェート、ピロホスフェート、およびモノホスフェートが挙げられる。
「無機ピロホスフェート」または「ピロホスフェート」としては、アルカリ金属ピロホスフェートが挙げられ、モノアルカリ金属ピロホスフェートおよびポリアルカリ金属ピロホスフェートを包含する。
ピロホスフェートの例としては、限定されないが、四水素ピロホスフェート、ナトリウム三水素ピロホスフェート、カリウム三水素ピロホスフェート、二ナトリウム二水素ピロホスフェート、二カリウム二水素ピロホスフェート、二カルシウムピロフェート(dicalcium pyrophate)、一カルシウム二水素ピロホスフェート、三ナトリウム水素ピロホスフェート、三カリウム水素ピロホスフェート、四ナトリウムピロホスフェート、四カリウムピロホスフェート、および四鉄(III)ピロホスフェートが挙げられる。
ポリホスフェートの限定されない例は、トリポリホスフェート(ナトリウムトリポリホスフェート、カリウムトリポリホスフェートなど)、ペンタポリホスフェート、およびヘキサポリホスフェート(ナトリウムヘキサメタホスフェートなど)である。
モノホスフェートの例としては、限定されないが、一ナトリウムモノホスフェート、二ナトリウムモノホスフェート、三ナトリウムモノホスフェート、一カリウムモノホスフェート、二カリウムモノホスフェート、三カリウムモノホスフェート、一カルシウムモノホスフェート、二カルシウムホスフェート、三カルシウムホスフェート、および一鉄(III)モノホスフェートが挙げられる。
「動物消化物」の用語は、本明細書において、清浄な未分解動物組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる物質を意味する。ある実施形態では、動物消化物は、本明細書で用いられる場合、米国飼料検査官協会(Association Of American Feed Control Officials, Inc.)(AAFCO)が公表している定義と完全に一致している。動物消化物は、好ましくは、変温海生動物を含む動物組織から毛、角、歯、蹄、および羽毛を除いて得られたものである。当業者であれば、そのような組織は好ましくないものの、良好な製造手法の下であっても、不可避に微量が存在し得ることは理解される。また、内臓含有物、または異物、または糞便物も含まれないが、微量の汚染物が存在する場合もある。
動物消化物は、乾燥されていても、または乾燥されていなくてもよい。動物消化物の例は、以下の通りである:
− 家禽肉(または、豚肉、牛肉、ヒツジ、コヒツジ、魚など)の消化物:清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる家禽肉(または、豚肉、牛肉など)からの物質;
− 豚肉(または、牛肉、ヒツジ、コヒツジ、魚など)副産物の消化物:肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、部分的に脱脂した低温脂肪組織、ならびに内容物を除去した胃および腸を例とする肉以外であるウシ(ブタ、ヒツジ、コヒツジなど)からの未精製(non-rendered)だが清浄な部位からの清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる豚肉(牛肉など)からの物質;
−家禽副産物の消化物:肝臓、心臓、頭部、足、および内臓などの肉以外である家禽の未精製だが清浄な部位からの清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる物質。本明細書で用いられる場合、「家禽」は、いかなる種または種類の鳥類も包含し、好ましくは、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒルなど;ならびに
− 魚副産物の消化物:肉以外である魚の未精製だが清浄な部位からの清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる物質。本明細書で用いられる場合、「魚」は、魚類または甲殻類のいかなる種または種類も包含し、好ましくは、マグロ、サケ、タラ、ホワイトフィッシュ、エビ、イワシなど。
動物消化物は、乾燥されていても、または乾燥されていなくてもよい。動物消化物の例は、以下の通りである:
− 家禽肉(または、豚肉、牛肉、ヒツジ、コヒツジ、魚など)の消化物:清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる家禽肉(または、豚肉、牛肉など)からの物質;
− 豚肉(または、牛肉、ヒツジ、コヒツジ、魚など)副産物の消化物:肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、部分的に脱脂した低温脂肪組織、ならびに内容物を除去した胃および腸を例とする肉以外であるウシ(ブタ、ヒツジ、コヒツジなど)からの未精製(non-rendered)だが清浄な部位からの清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる豚肉(牛肉など)からの物質;
−家禽副産物の消化物:肝臓、心臓、頭部、足、および内臓などの肉以外である家禽の未精製だが清浄な部位からの清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる物質。本明細書で用いられる場合、「家禽」は、いかなる種または種類の鳥類も包含し、好ましくは、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒルなど;ならびに
− 魚副産物の消化物:肉以外である魚の未精製だが清浄な部位からの清浄な未分解組織の化学的および/または酵素的加水分解から得られる物質。本明細書で用いられる場合、「魚」は、魚類または甲殻類のいかなる種または種類も包含し、好ましくは、マグロ、サケ、タラ、ホワイトフィッシュ、エビ、イワシなど。
動物消化物はまた、「動物産物」または「動物副産物」と称される場合もあり、これらの用語はすべて、本明細書において同義語として用いられる。
本明細書で用いられる場合、「キャットフード成分」は、ネコの摂食に適するいかなる化合物、組成物、または物質であってもよい。キャットフード成分の限定されない例は、PE、PEC、動物消化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、穀粒、炭水化物、脂肪または脂質、栄養素、酸化防止剤、保存剤、界面活性剤、テクスチャ付与剤(texturing agents)、着色剤、風味剤、無機ホスフェート化合物などである。
本明細書で用いられる場合、「嗜好性向上成分」は、ネコの摂食に適し、フードの嗜好性向上効果を有するいかなる化合物、組成物、または物質であってもよい。嗜好性向上成分の限定されない例は、動物消化物、イースト、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、炭水化物、脂肪または脂質、栄養素、酸化防止剤、保存剤、界面活性剤、テクスチャ付与剤、風味剤、無機ホスフェート化合物などである。成分は、そのままPECに含まれてよく、またはそれらは、やはり「嗜好性向上成分」の用語に包含される変換された物質を製造するために、PEC中に組み込まれ、in situで反応してもよい。
「タンパク質」は、動物(特にネコ)の摂食に適合するすべての従来のタンパク質源を含み、特には、草木のもしくは植物性タンパク質、動物性タンパク質(カゼインもしくはアルブミンもしくは動物消化物など)、および微生物タンパク質(例:イースト)である。
植物性タンパク質の例は、トウモロコシグルテン、ダイズタンパク質、ダイズ粉末、加水分解植物性タンパク質(HVP)などである。
穀粒の例は、トウモロコシ、マイロ、アルファルファ、コムギ、オオムギ、コメ、ダイズなどである。
炭水化物の例としては、デキストロース、フルクトース、スクロース、食物繊維、デンプンなどが挙げられる。
脂肪の例としては、獣脂、油(動物、魚、植物、乳油(dairy oils)などいずれに由来してもよい)が挙げられる。
栄養素の例としては、限定されないが、ビタミン、ミネラル、および電解質が挙げられ、ビタミンA、C、E、B12、D3、葉酸、D‐ビオチン、シアノコバラミン、ナイアシンアミド、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、メナジオン、ベータ‐カロテン、パントテン酸カルシウム、コリン、イノシトール、カルシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素などである。
酸化防止剤および保存剤は、例えば、トコフェロール、ローズマリー抽出物、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸などである。
「熱反応」は、本発明によると、「熱処理」によって開始される反応であり、すなわち、上昇された温度、少なくとも1つのカルボニル化合物、および少なくとも1つのアミノ反応体を組み合わせることによって得られる反応である。そのような反応は、実際には、様々な付随するおよび/または連続する反応が関与してよく、例えば、(1もしくは複数の)メイラード反応を含む。そのような熱反応は、当業者に公知である。それは、実際には、還元糖およびアミノ酸の間の一連の熱反応が関与する非酵素的褐色化を意味するために、一般的に、「メイラード反応」と称される。従って、この拡大された意味により、「メイラード反応」は、「熱反応」と同等である。
従って、「(1もしくは複数の)メイラード成分」の用語は、本明細書において、1つ以上のカルボニル化合物および/または1つ以上のアミノ反応体を意味する。実際、メイラード成分は、上記で定める通りの1つ以上の熱反応を達成するために用いられる成分である。
「担体」の用語は、活性化合物または化合物の混合物に付随して用いられる通常は不活性である物質を意味する。このような状況下では、「担体」は、典型的には、前記活性化合物または化合物の混合物の適用を補助する。
別の選択肢として、「担体」の用語は、「充填剤」の用語と同等であってよく、それは、組成物に、その重量および/もしくはサイズおよび/もしくはかさ高さを高めるために、または組成物中の空間を埋めるために添加される物質を意味する。
なお別の選択肢として、「担体」の用語は、「濃縮のための担体」または「乾燥のための担体」を意味してよく、任意の方法において濃縮または乾燥工程を実施するための、本技術分野にて公知の従来の化合物を包含する。「濃縮のための担体」または「乾燥のための担体」の例は、微生物タンパク質(例:イースト)、動物性タンパク質、植物性タンパク質、炭水化物(例:マルトデキストリン、シクロデキストリン)、さらには、無機ホスフェート化合物を含むミネラルまたは無機化合物である。
当然、「担体」の用語の正確な意味は、本明細書で用いられる場合、当業者にとって、コンテクスト基づいて、および自身の本技術分野の一般的知識に照らして明らかであろう。
本明細書で用いられる場合、「水性媒体」の用語は、溶媒が水であり、水と混和性である固体もしくは液体成分を含有する溶液、または周囲温度で水に溶解する能力を有する溶液を意味する。
「コーティング」は、本明細書で用いられる場合、基本フード組成物の表面への、スプレー、粉付けなどによるPEまたはPECの局所的堆積を意味する。
「包含」は、本明細書で用いられる場合、キャットフード調製物の内部へのPEまたはPECの添加を意味し、最終キャットフード品を得るためのさらなる加工工程(熱処理、および/または押出し、および/またはレトルト処理などを含む)の前に、その他のキャットフード成分とそれを混合することによる。
「単一パッケージ」の用語は、キットのコンポーネントが、1つ以上の容器中において、または容器と共に物理的に関連付けられ、製造、流通、販売、または使用のための単位と見なされることを意味する。容器としては、これらに限定されないが、袋、箱、カートン、ビン、いかなる種類もしくはデザインもしくは材質であってもよいパッケージ、上包み材、収縮包装材、ステープルもしくはそれ以外の方法で固定されたコンポーネント、またはこれらの組み合わせが挙げられる。単一パッケージは、製造、流通、販売、または使用のための単位と見なされるように物理的に関連付けられた個々のコンポーネントの容器であってよい。
本明細書で用いられる場合、「情報または使用説明を伝達するための手段」は、情報、使用説明、推奨事項、および/または保証を提供するのに適切であるいかなる形態であってもよいキットコンポーネントである。そのような手段は、情報を含有する文書、デジタル記録媒体、光学記録媒体、音声による提示、表示ディスプレイを含んでよい。伝達手段は、ディスプレイ表示されたウェブサイト、パンフレット、製品ラベル、パッケージインサート、広告、表示ディスプレイなどであってよい。
本発明の第一の態様は:
− 硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とする少なくとも1つのアミノ反応体と、
− 20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む少なくとも1つのカルボニル組成物と、
を含むキャットフードに用いるための無脂肪PEに関する。
− 硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とする少なくとも1つのアミノ反応体と、
− 20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む少なくとも1つのカルボニル組成物と、
を含むキャットフードに用いるための無脂肪PEに関する。
好ましくは、前記比AAS/AATは、約2重量%以上であり、なお好ましくは、約2.50重量%以上であり、さらになお好ましくは、約2.73重量%以上である。
好ましくは、前記比AAS/AATは、2.00〜12.80重量%の範囲、なお好ましくは、2.50〜12.80重量%の範囲、さらになお好ましくは、2.73〜12.80重量%の範囲である。
好ましくは、前記カルボニル組成物は、21から100重量%、より好ましくは、23から100重量%、より一層好ましくは、25から100重量%、さらに一層好ましくは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
好ましくは、前記PEは、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物の熱処理後に得られる。その場合、熱処理は、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を、約80℃から約200℃の範囲の温度で約10秒間から約210分間の範囲の時間にわたって加熱することを含む。
特に、前記温度は、約85℃から約190℃、好ましくは、約90℃から約180℃、なお好ましくは、約95℃から約170℃の範囲であってよい。
なお特には、前記時間は、約15秒間から約150分間、好ましくは、約1分間から約120分間、なお好ましくは、約3分間から約100分間、さらになお好ましくは、約5分間から約80分間の範囲であってよい。
好ましくは、前記熱処理は、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を、約95℃から約170℃の範囲の温度で約5分間から約80分間の範囲の時間にわたって加熱することを含む。
実際には、熱処理の時間に応じて、当業者であれば、本技術分野における自身の一般的知識に照らして、バッチクッキング、半連続的クッキング、連続的クッキングなどのフード組成物を加熱するための標準的な方法の中から適切な方法を選択することができる。
好ましくは、前記アミノ反応体は、アミノ酸、ペプチド(ジペプチド、トリペプチド、およびオリゴペプチドを含む)、タンパク質、これらの加水分解物および抽出物、加水分解植物性タンパク質(HVP)、ペプトン、イースト抽出物、イースト加水分解物、イースト自己溶解物、クリームイースト、醤油、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
前記カルボニル組成物は、好ましくは、単糖、二糖、オリゴ糖、ならびにグルコースシロップ、フルクトースシロップ、カラメル、および糖液などのカルボニル基含有物質、ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択されるが、但し、それは、20重量%超から100重量%まで、好ましくは、21から100重量%、より好ましくは、23から100重量%、より一層好ましくは、25から100重量%、さらに一層好ましくは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
前記アミノ反応体は、好ましくは、PE中に、PEの約0.5から95重量%、なお好ましくは、約0.75から80重量%、より好ましくは、約1から65重量%、より一層好ましくは、約1.25から50重量%、さらに一層好ましくは、約1.5から35重量%の量で存在する。
前記カルボニル組成物は、好ましくは、PE中に、PEの約0.5から99重量%、なお好ましくは、約1から95重量%、より好ましくは、約1.5から90重量%、より一層好ましくは、約2から85重量%、さらに一層好ましくは、約2.5から80重量%の量で存在する。
PEは、ドライであっても、または液体であってもよい。
無脂肪であることにより、本発明に従うPEは、構造を有するいかなる脂質相も含有しない。
本発明の別の態様は、本明細書で述べる少なくとも1つのPEを1つ以上の嗜好性向上成分と混合して含むキャットフードに用いるためのPECに関する。
前記PEは、好ましくは、PEC中に、組成物の約0.1から99.9重量%、なお好ましくは、約0.25から95重量%、より好ましくは、約0.5から90重量%、より一層好ましくは、約1から85重量%、さらに一層好ましくは、約1.5から80重量%の量で存在する。
好ましくは、前記嗜好性向上成分は、無機ホスフェート化合物、動物消化物、イースト、およびこれらの組み合わせから選択される。なお好ましくは、前記嗜好性向上成分は、少なくとも1つの無機ホスフェート化合物および少なくとも1つの動物消化物を含む。
前記無機ホスフェート化合物は、好ましくは、リン酸、ピロホスフェート、モノホスフェート、ポリホスフェート、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される。
本発明に従う好ましい無機ホスフェート化合物は、二ナトリウムピロホスフェート、三ナトリウムピロホスフェート、四ナトリウムピロホスフェート、二カリウムピロホスフェート、三カリウムピロホスフェート、四カリウムピロホスフェート、四鉄(III)ピロホスフェート、およびこれらの組み合わせから選択されるピロホスフェート化合物である。より特に好ましいピロホスフェート化合物は、三ナトリウムピロホスフェートである。
本発明で用いるための好ましいポリホスフェート化合物は、ナトリウムトリポリホスフェートである。
前記無機ホスフェート化合物は、好ましくは、PEC中に、組成物の約0.01から75重量%、なお好ましくは、約0.05から70重量%、より好ましくは、約0.1から65重量%、より一層好ましくは、約0.25から60重量%、さらに一層好ましくは、約0.5から55重量%の量で存在する。
好ましい動物消化物は、家禽産物または副産物の消化物、豚肉産物または副産物の消化物、および魚副産物の消化物、ならびにこれらの組み合わせである。
前記動物消化物は、好ましくは、前記PEC中に、組成物の約0.01から99重量%、より好ましくは、約0.05から95重量%、より一層好ましくは、約0.1から90重量%、さらに一層好ましくは、約0.2から85重量%、さらに一層好ましくは、約0.5から80重量%の量で存在する。
本発明で用いるための好ましいイーストは、醸造イースト、糖液イースト、およびこれらの副産物である。
前記PEC中のイースト含有量は、好ましくは、組成物の約0.01から99重量%、なお好ましくは、約0.05から95重量%、より好ましくは、約0.1から90重量%、より一層好ましくは、約0.2から85重量%、さらに一層好ましくは、約0.5から80重量%である。
有利には、PECは、上記で定める通りの1つ以上のその他の嗜好性向上成分を含む。
前記PEC中のそのような成分の含有量は、好ましくは、組成物の約0.01から99重量%、なお好ましくは、約0.05から95重量%、より好ましくは、約0.1から90重量%、より一層好ましくは、約0.2から85重量%、さらに一層好ましくは、約0.5から80重量%である。
PECは、ドライであっても、または液体であってもよい。
本発明のさらなる態様は、
a)比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とする少なくとも1つのアミノ反応体と、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む少なくとも1つのカルボニル組成物とを水性媒体中で混合すること、
b)所望に応じて、こうして得られた混合物を熱処理すること、
c)所望に応じて、得られた混合物を乾燥すること、ならびに、
d)前記PEを得ること
を含む、キャットフードに用いるための無脂肪PEを製造するための方法に関する。
a)比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とする少なくとも1つのアミノ反応体と、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む少なくとも1つのカルボニル組成物とを水性媒体中で混合すること、
b)所望に応じて、こうして得られた混合物を熱処理すること、
c)所望に応じて、得られた混合物を乾燥すること、ならびに、
d)前記PEを得ること
を含む、キャットフードに用いるための無脂肪PEを製造するための方法に関する。
好ましくは、前記カルボニル組成物は、21から100重量%、より好ましくは、23から100重量%、より一層好ましくは、25から100重量%、さらに一層好ましくは、28から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む。
好ましくは、前記工程b)は、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を、約80から約200℃の範囲の温度で約10秒間から約210分間の範囲の時間にわたって加熱することを含む。
特に、前記温度は、約85℃から約190℃、好ましくは、約90から約180℃、なお好ましくは、約95から約170℃の範囲であってよい。
さらには、特に、前記時間は、約15秒間から約150分間、好ましくは、約1分間から約120分間、なお好ましくは、約3分間から約100分間、さらになお好ましくは、約5分間から80分間の範囲であってよい。
好ましくは、前記熱処理は、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を、約95℃から約170℃の範囲の温度で約5分間から約80分間の範囲の時間にわたって加熱することを含む。
さらには、上述のように、実際には、熱処理の時間に応じて、当業者であれば、本技術分野における自身の一般的知識に照らして、バッチクッキング、半連続的クッキング、連続的クッキングなどのフード組成物を加熱するための標準的な方法の中から適切な方法を選択することができる。
特に、工程c)の前記乾燥は、いかなる過剰な水分をも除去するために行われる。特に、得られる水分含有量は、こうして得られた製品の約10重量%以下、好ましくは、約1から約8重量%である。例えば、ドライ品は、乾燥されるべき製品を、上記で定める担体と適切な割合で組み合わせ、コンポーネントをブレンドすることによって得ることができる。次に、この混合物は、適切な温度での蒸発によって乾燥され、ドライ品が得られる。
上述の方法によって得ることができるキャットフードに用いるための無脂肪PEも、本発明の態様である。
本発明の別の態様は、
a)本明細書で述べる少なくとも1つのPEを準備すること、
b)前記少なくとも1つのPEを、1つ以上の嗜好性向上成分と混合すること、
c)所望に応じて、こうして得られた混合物を乾燥すること、ならびに、
d)前記PECを得ること
を含む、キャットフードに用いるためのPECを製造するための方法に関する。
a)本明細書で述べる少なくとも1つのPEを準備すること、
b)前記少なくとも1つのPEを、1つ以上の嗜好性向上成分と混合すること、
c)所望に応じて、こうして得られた混合物を乾燥すること、ならびに、
d)前記PECを得ること
を含む、キャットフードに用いるためのPECを製造するための方法に関する。
好ましくは、工程a)の前記少なくとも1つのPEは、上述の方法によって製造される。
好ましくは、PECを製造するための方法は、さらに、前記工程a)の後に前記少なくとも1つのPEを乾燥する工程a1)を含む。
特に、工程c)および/または工程a1)の前記乾燥は、いかなる過剰な水分をも除去するために行われる。特に、得られる水分含有量は、こうして得られた製品の約10重量%以下、好ましくは、約1から約8重量%である。例えば、ドライ品は、乾燥されるべき製品を、上記で定める担体と適切な割合で組み合わせ、コンポーネントをブレンドすることによって得られる。次に、この混合物は、適切な温度での蒸発によって乾燥され、ドライ品が得られる。
上述の方法によって得ることができるキャットフードに用いるためのPECも、本発明の態様である。
PECの製造に用いるための液体動物消化物を製造するための方法の典型的な例は、以下の通りである。液体成分が、ミキサー中で組み合わされる。ウェット成分が、粉砕または乳化されてスラリーとされ、液体成分がそれと組み合わされる。必要に応じて、タンパク質を加水分解するために市販のプロテアーゼがスラリーに添加され、後に、熱、酸、または別の方法で不活性化されてよい。ソルビン酸などの保存剤も添加されてよい。スラリーの粘度および固形分を調節してスプレー適用を容易とするために、水が添加される。
本明細書では、さらに、本明細書で述べる少なくとも1つのPEおよび/または少なくとも1つのPECを含む向上された嗜好性を有するキャットフードも開示される。
本発明のなお別の態様は、キャットフードの嗜好性を向上させるための方法、言い換えると、向上された嗜好性を有するキャットフードを製造するための方法に関し、その方法は:
a)本明細書で述べる少なくとも1つのPEおよび/または少なくとも1つのPECをキャットフード調製物に添加すること、ならびに、
b)向上された嗜好性を有するキャットフードを得ること
を含む。
a)本明細書で述べる少なくとも1つのPEおよび/または少なくとも1つのPECをキャットフード調製物に添加すること、ならびに、
b)向上された嗜好性を有するキャットフードを得ること
を含む。
上述の方法によって得ることができる向上された嗜好性を有するキャットフードも、本明細書で開示される。
典型的には、キッブルなどのドライキャットフードは、一般的な様々な方法によって製造することができる。広く用いられているこれらの方法のうちの1つは、クッカー‐押出機法(cooker-extruder method)である。クッカー‐押出機法では、成分がまず一緒にブレンドされて、混合物が形成される。この混合物は、スチームコンディショナー(steam conditioner)に移され、そこで、押出し可能となるように充分に湿潤される。次に、この混合物は、クッカー‐押出機に投入され、そこで、上昇された温度および圧力でのクッキング処理に掛けられ、続いて、ダイスを通して装置から押し出される。このダイスが、押出し品を特定の形状に成形する。フードの個々のピースは、製品の押出される流れの端部を一定間隔でスライスすることによって作られる。次に、個々のピースは、熱風乾燥機中で乾燥される。一般的に、製品は、含有する水分が14%未満、好ましくは、約5から10%となるまで乾燥される。乾燥粒子またはピースは、次に、バルクコンベヤによってコーティングドラムに移され、脂肪がスプレーされる。例えばリン酸などのその他の液体が、別の選択肢としてピースに適用されても、または脂肪に加えて適用されてもよい。得られたペレットまたはキッブルは、基本キャットフード調製物を成し、その嗜好性は、本明細書で述べるPEおよび/またはPECを用いることで向上される。
グレイビーベースまたはゼリーベースの湿りキャットフードは、肉、疑似肉(meat mimetics)、肉副産物、炭水化物および/または穀粒、テクスチャ付与剤を粉砕し、低圧押出しを介して粉砕混合物を成形し、次にスチームトンネルを通してクッキング処理することによって製造することができる。混合物は、トンネル出口でカットされてピースとされる。得られたピースに、グレイビーまたはゼリータイプの母材が添加され、続いて、缶またはパウチ中に密封され、レトルト処理されることで、塊入りグレイビーフード品または塊入りゼリーフード品が得られる。
グレイビーベースまたはゼリーベースではない湿りキャットフードは、肉、疑似肉、肉副産物、炭水化物、および/または穀粒を粉砕し、水およびテクスチャ付与剤と混合することによって製造することができる。次に、全体混合物が、缶中に密封され、レトルト処理されることでローフが得られる。
上記で述べた添加工程a)は、従って、キャットフードおよびPEまたはPECに応じて、前記PEまたはPECをキャットフード調製物に組み込むもしくは含めることによって、または前記キャットフード調製物を前記PEもしくはPECでコーティングすることによって実施されてよい。
例えば、キッブルなどのドライキャットフードをコーティングするための方法を挙げることができる。未コーティングの押出し基本キャットフードのキッブルが、混合のためのタブなどの容器またはコーティングドラム中に配置されてよい。豚肉脂肪または家禽肉脂肪などの脂肪が、加熱され、続いてキッブルのコーティングが得られる方法でキャットフード上にスプレーされる。コーティングは、連続層である必要はないが、均一であることが好ましい。脂肪の後、PEまたはPECが、液体または乾燥粉末のいずれかとして製品の混合中に適用されてよい。液体PEまたはPECは、典型的には、スプレーによって適用され、一方ドライPEまたはPECは、典型的には、粉付けによって適用される。別の選択肢として、PEまたはPECは、脂肪と混合されて、一緒に適用されてもよい。なお別の選択肢として、PEまたはPECは、脂肪の堆積前にコーティングされてもよい。
別の選択肢として、PEまたはPECは、以下の方法に従ってキャットフード調製物中に組み込まれるか、または含まれてよい。PEまたはPECは、クッキング前のキャットフード調製物の生の成分と接触される。この場合、PEまたはPECは、基本キャットフード調製物のタンパク質、食物繊維、炭水化物、および/またはデンプンなどと組み合わされ、クッカー‐押出機中においてこれらの材料と共にクッキング処理される。
湿りキャットフード中への包含は、以下のようにして達成されてよい。液体またはドライPEまたはPECが、その他のキャットフード成分と共に、ブレンドプロセスの過程でグレイビーまたはゼリータイプの母材に適用されてよい。液体もしくはドライPEまたはPECは、塊またはローフ製剤のために、肉副産物混合物(meat-by mixtures)に適用されてもよい。この場合、それは、粉砕プロセスの前または後に、生の材料に添加されてよい。肉副産物混合物は、塊製造の場合は、スチームもしくはグリルオーブン中でクッキング処理されてよく、またはローフ製造の場合は、缶中に直接密封されてよい。
PEおよびPECは、一般的に、タンパク質、食物繊維、炭水化物、および/またはデンプンなどを含む適切なキャットフード成分を含有する栄養学的にバランスの取れた混合物などのキャットフードに有用である。そのような混合物は、当業者に公知であり、その組成は、例えば、特定の種類のネコに対して所望されるフードバランスなど多くの因子に依存する。さらなるキャットフード成分としては、ビタミン、ミネラル、調味料、保存剤、および界面活性剤が挙げられ得る。ビタミン、ミネラル、脂質、タンパク質、および炭水化物の相対的割合を含むフードバランスは、例えば、米国学術研究会議(NRC)の推奨事項または米国飼料検査官協会(AAFCO)のガイドラインに従うことにより、獣医学の分野における公知の食餌標準に従って決定される。
好ましくは、本明細書で開示されるキャットフードは、栄養学的にバランスの取れたウェットキャットフード、栄養学的にバランスの取れたドライキャットフード、栄養学的にバランスの取れた半湿りキャットフード、サプリメント、おやつ、およびオモチャから選択される。
栄養学的にバランスの取れたウェットキャットフードは、好ましくは、塊入りゼリーフード品、塊入りグレイビーフード品、ローフ、およびスープから成る群より選択される。
栄養学的にバランスの取れたドライキャットフードは、好ましくは、キッブルである。
本開示のなお別の部分は、
a)本明細書で述べるキャットフードを準備すること;および
b)前記キャットフードをネコに給餌すること
を少なくとも含むネコに給餌するための方法に関する。
a)本明細書で述べるキャットフードを準備すること;および
b)前記キャットフードをネコに給餌すること
を少なくとも含むネコに給餌するための方法に関する。
本発明のさらなる態様は、少なくとも以下のコンポーネント:
a)少なくとも1つの本明細書で述べるPE;および/または
b)少なくとも1つの本明細書で述べるPEC;ならびに
c)所望に応じて含まれてよい、少なくとも1つの嗜好性向上成分;ならびに
d)所望に応じて含まれてよい、少なくとも1つのキャットフード成分;ならびに
e)所望に応じて含まれてよい、前記コンポーネントについての情報またはそれらを用いるための使用説明を伝達するための手段
を単一パッケージ中の1つ以上の容器中に含む、キャットフードの嗜好性を向上させるためのキットに関する。
a)少なくとも1つの本明細書で述べるPE;および/または
b)少なくとも1つの本明細書で述べるPEC;ならびに
c)所望に応じて含まれてよい、少なくとも1つの嗜好性向上成分;ならびに
d)所望に応じて含まれてよい、少なくとも1つのキャットフード成分;ならびに
e)所望に応じて含まれてよい、前記コンポーネントについての情報またはそれらを用いるための使用説明を伝達するための手段
を単一パッケージ中の1つ以上の容器中に含む、キャットフードの嗜好性を向上させるためのキットに関する。
上述のPEおよびPECは、先行技術と比較して著しい利点を提供する。本発明の効果は、「2ボウル試験(two-bowl test)」または「対比試験(versus test)」と一般的に称される試験によって測定することができる。当然、当業者であれば、好ましさを特定するために、本明細書で述べる2ボウル試験以外の適切ないかなる試験を用いることも自由である。そのような別の選択肢としての試験は、本技術分野において公知である。
2ボウル試験の原理:
この試験は、摂食されるフードが多いほどその嗜好性が高いという仮定に基づいている。
この試験は、摂食されるフードが多いほどその嗜好性が高いという仮定に基づいている。
2つのフード間の比較に基づいた個々の対比(2ボウル)欲求試験(appetence tests)を行った。試験は、ネコの群のいずれかに対して実施する。
試験の実施方法:
− 同一量のフードAおよびフードBを秤量し、同一のボウルに入れた。各割当分中に存在する量で、1日の必要量を満たすことができる。
− ボウルの分配:
個別の自由に動き回れるボックス(loose box)内の各ネコに、ボウルを同時に与え、それらの位置は、利き手に起因する選択を回避するために、各食餌で入れ替えた。
− 試験の継続時間:
*ドライフード試験のネコ:約10分間から約20時間
*ウェットフード試験のネコ:約5分間から約16時間
− 同一量のフードAおよびフードBを秤量し、同一のボウルに入れた。各割当分中に存在する量で、1日の必要量を満たすことができる。
− ボウルの分配:
個別の自由に動き回れるボックス(loose box)内の各ネコに、ボウルを同時に与え、それらの位置は、利き手に起因する選択を回避するために、各食餌で入れ替えた。
− 試験の継続時間:
*ドライフード試験のネコ:約10分間から約20時間
*ウェットフード試験のネコ:約5分間から約16時間
研究パラメータ:
− 測定パラメータ:最初に摂食されたフード(「最初の魅力」)および試験終了までに摂食された各フードの量;
− 算出パラメータ:%単位での個々の摂食率(CR)
CRA=Aの摂食量(g)×100/(A+Bの摂食量)(g)
CRB=Bの摂食量(g)×100/(A+Bの摂食量)(g);
⇒平均摂食率(ACR)=すべての個々の摂食率の平均(そのサイズおよびその対応する摂食量に関わらず、各ネコに対して同じ重み付けとする)
ネコの摂食量が、所定の値(例えば、ネコの体重および/または代謝の関数である)と比較して高いまたは低い場合、それらは、統計処理への考慮に入れない。
− 測定パラメータ:最初に摂食されたフード(「最初の魅力」)および試験終了までに摂食された各フードの量;
− 算出パラメータ:%単位での個々の摂食率(CR)
CRA=Aの摂食量(g)×100/(A+Bの摂食量)(g)
CRB=Bの摂食量(g)×100/(A+Bの摂食量)(g);
⇒平均摂食率(ACR)=すべての個々の摂食率の平均(そのサイズおよびその対応する摂食量に関わらず、各ネコに対して同じ重み付けとする)
ネコの摂食量が、所定の値(例えば、ネコの体重および/または代謝の関数である)と比較して高いまたは低い場合、それらは、統計処理への考慮に入れない。
統計分析:
統計分析を用いて、2つの摂食率間に有意差が存在するかどうかを判定した。3つの誤差閾値、すなわち、5%、1%、および0.1%によるスチューデントt検定を実施した。
有意水準は、以下のように記載する:
NS 有意差なし (p>0.05)
* 有意差あり (p<0.05)
** 高い有意差あり (p<0.01)
*** 非常に高い有意差あり (p<0.001)
統計分析を用いて、2つの摂食率間に有意差が存在するかどうかを判定した。3つの誤差閾値、すなわち、5%、1%、および0.1%によるスチューデントt検定を実施した。
有意水準は、以下のように記載する:
NS 有意差なし (p>0.05)
* 有意差あり (p<0.05)
** 高い有意差あり (p<0.01)
*** 非常に高い有意差あり (p<0.001)
本発明について、以下の例を参照してさらに記載するが、これらの例は、単に説明の目的で提示されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
以下の例は、以下の嗜好性向上効果の評価について報告するものである:
− その比AAS/AATを特徴とする液体PEを含む液体PEC:例1;
− その比AAS/AATを特徴とするドライPEを含むドライPEC:例2;
− その比AAS/AATおよびそのカルボニル化合物プロファイルを特徴とする液体PEを含む液体PEC:例3;
− その比AAS/AATを特徴とし、熱処理を含むまたは含まない方法によって製造した液体PEを含む液体PEC:例4.1;
− その比AAS/AATを特徴とし、様々な熱処理条件を含む方法によって製造した液体PEを含む液体PEC:例4.2;
− 異なる動物消化物含有量を有し、その比AAS/AATを特徴とする液体PEを含む液体PEC:例5;
− 実験フード上に異なるレベルで適用され、その比AAS/AATを特徴とするPEを含む液体PEC:例6;
− その比AAS/AATを特徴とし、食餌中への包含によって適用されるドライPE:例7
− その比AAS/AATを特徴とする液体PEを含む液体PEC:例1;
− その比AAS/AATを特徴とするドライPEを含むドライPEC:例2;
− その比AAS/AATおよびそのカルボニル化合物プロファイルを特徴とする液体PEを含む液体PEC:例3;
− その比AAS/AATを特徴とし、熱処理を含むまたは含まない方法によって製造した液体PEを含む液体PEC:例4.1;
− その比AAS/AATを特徴とし、様々な熱処理条件を含む方法によって製造した液体PEを含む液体PEC:例4.2;
− 異なる動物消化物含有量を有し、その比AAS/AATを特徴とする液体PEを含む液体PEC:例5;
− 実験フード上に異なるレベルで適用され、その比AAS/AATを特徴とするPEを含む液体PEC:例6;
− その比AAS/AATを特徴とし、食餌中への包含によって適用されるドライPE:例7
例1:その比AAS/AATを特徴とする液体PEを含む液体PECの嗜好性向上効果の評価
1.1. この例では、異なるAAS/AAT比の値を特徴とする8つの液体PEを製造した。
1.1. この例では、異なるAAS/AAT比の値を特徴とする8つの液体PEを製造した。
PE1、2、3、4、5、6、7、および8の配合を、以下の表1に記載するが、ここで、パーセントは、PEに対する重量基準で表される。
遊離アミノ酸混合物1、2、3、4、および5の配合を以下の表2に記載するが、ここで、パーセントは、遊離アミノ酸混合物(「Mix」)に対する重量基準で表される。
液体PE1、2、3、4、5、6、7、および8は、以下の方法を用いて製造した。
PE1、2、3、4、5、6、7、または8の成分を混合し、NaOH溶液を添加することによってpHを7.5の値に調節した。この混合物を、20分間にわたって120℃で加熱した。次に、温度を40℃未満に低下させ、それによって、液体PE1、2、3、4、5、6、7、または8を得た。
PE2の配合は、PE1と同じであるが、PE2の製造のためにこの方法で用いた加熱温度は、120℃ではなく、PE2製造のためには130℃であった。
1.2. 液体PEC1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10の配合を以下の表3に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
1.3. 実験食餌(「Exp.Diet」)1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10、ならびにコントロール食餌A、B、およびCのコーティング配合を以下の表4に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
1.4. ネコに対するフードの嗜好性を評価して、実験食餌とコントロール食餌とを、より詳細には、比AAS/AATの12.80%を特徴とする液体PE6を含む液体PEC4でコーティングした実験食餌4と比AAS/AATの46.62%を特徴とする液体PE8を含む液体PEC5でコーティングした実験食餌5とを比較した。
嗜好性の結果を以下の表5に示す。
これらの結果は、実験食餌がコントロール食餌よりも好まれることを示しており、このことは、PEC中における無機ホスフェート化合物(ここでは、三ナトリウムピロホスフェート)の存在または非存在に関わらず、AAS/AATの比が12.80%以下の範囲であることを特徴とする液体PEを含む液体PECでコーティングしたフードの方が、ネコに対する嗜好性が高いことを実証するものである。
これらの結果はまた、実験食餌4が、実験食餌5よりもネコに対する高い嗜好性を有することも示しており、このことは、キャットフードのコーティングに用いられる液体PEC中に12.80%以下のAAS/AAT比の値を有する液体PEを含めることの利点を実証するものである。
これらの結果は、コントロールよりも好まれた12.80%のAAS/AAT比の値を有する液体PEを含めることの利点を実証するものであり(実験食餌9対コントロールC)、14.01%のAAS/AAT比の値を有する液体PEではこれは当てはまらなかった(実験食餌10対コントロールC)。
例2:その比AAS/AATを特徴とするドライPEを含むドライPECの嗜好性向上効果の評価
2.1. この例では、SPF市販系列品のドライ家禽肉消化物および異なる量のドライPEを含有するドライPECの嗜好性向上効果を評価した。
2.1. この例では、SPF市販系列品のドライ家禽肉消化物および異なる量のドライPEを含有するドライPECの嗜好性向上効果を評価した。
ドライPE9は、3.60%のAAS/AAT比を特徴とするアミノ反応体を含んでいた。
ドライPE9の配合を、以下の表6に記載するが、ここで、パーセントは、PE9に対する重量基準で表される。
ドライPE9を、以下の方法を用いて製造した。
PE9の成分を混合し、NaOH溶液を添加することによってpHを7.5の値に調節した。この混合物を、20分間にわたって120℃で加熱した。次に、温度を40℃未満に低下させた。得られた生成物を、続いて、適切な温度でスプレー乾燥した。こうしてドライPE9を得た。
2.2. ドライPEC11、12、13、および14の配合を、以下の表7に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
2.3. 実験食餌11、12、13、および14、ならびにコントロール食餌DおよびEのコーティング配合を以下の表8に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
2.4. 嗜好性の結果を以下の表9に示す。
表9に示されるように、フード摂食率は、コントロール食餌と実験食餌との間で有意に異なっており、このことは、PEC中における無機ホスフェート化合物(ここでは、三ナトリウムピロホスフェート)の存在または非存在に関わらず、比AAS/AATが12.80%以下であるドライPEを含むドライPECでコーティングした実験食餌の方が、ネコに対する嗜好性が高いことを実証するものである。
例3:その比AAS/AATおよびそのカルボニル化合物プロファイルを特徴とする液体PEを含む液体PECの嗜好性向上効果の評価
3.1. この例では、異なる種類および量のカルボニル化合物を含有する3つの液体PEを製造した。
3.1. この例では、異なる種類および量のカルボニル化合物を含有する3つの液体PEを製造した。
液体PE10、11、および12は、3.60%のAAS/AAT比を有するアミノ反応体を含んでいた。
液体PE10、11、および12の配合を、以下の表10に記載するが、ここで、パーセントは、PEに対する重量基準で表される。
液体PE10、11、および12を、以下の方法を用いて製造した。
PE10、11、または12の成分を混合し、NaOH溶液を添加することによってpHを7.5の値に調節した。この混合物を、20分間にわたって120℃で加熱した。次に、温度を40℃未満に低下させ、それによって、液体PE10、11、または12を得た。
3.2. 液体PEC15、16、および17の配合を、以下の表11に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
3.3. 実験食餌15、16、および17、ならびにコントロール食餌Cのコーティング配合を以下の表12に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
3.4. 以下の表13に示されるように、フード摂食率は、コントロール食餌と実験食餌との間で有意に異なっており、このことは、比AAS/AATが12.80%以下であり、異なるカルボニル化合物プロファイルを特徴とする液体PEを含む液体PECでコーティングした実験食餌の方が、ネコに対する嗜好性が高いことを実証するものである。
例4.1:その比AAS/AATを特徴とし、熱処理を含む、または含まない方法によって製造された液体PEを含んでいる液体PECの嗜好性向上効果の評価
4.1.1. この例では、熱処理を含む、または含まない方法により、2つの液体PEを製造した。
4.1.1. この例では、熱処理を含む、または含まない方法により、2つの液体PEを製造した。
液体PE13および14は、3.60%のAAS/AAT比を特徴とするアミノ反応体を含んでいた。
液体PE13および14の配合を、以下の表14に記載する。
PE13の成分を混合し、NaOH溶液を添加することによってpHを7.5の値に調節した。この混合物を、20分間にわたって120℃で加熱した。次に、温度を40℃未満に低下させ、それによって、液体PE13を得た。
液体PE14は、液体PE13と同じ配合を有するが、いかなる熱処理をも含まない方法を用いて製造した。PE14の成分は、混合しただけであった。
4.1.2. 液体PEC18および19の配合を、以下の表15に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
4.1.3. 実験食餌18および19、ならびにコントロール食餌Aのコーティング配合を以下の表16に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
4.1.4. 嗜好性の結果を以下の表17に示す。
表17に示されるように、フード摂食率は、コントロール食餌と実験食餌との間で有意に異なっており、このことは、比AAS/AATが12.80%以下であり、熱処理を含む、または含まない方法によって製造された液体PEを含む液体PECでコーティングした実験食餌の方が、ネコに対する嗜好性が高いことを実証するものである。
しかしながら、これらの結果はまた、フード摂食率が、実験食餌18と実験食餌19との間で有意に異なっていることも示しており、このことは、熱処理された液体PEを含む液体PECでコーティングした実験食餌18の方が、ネコに対する嗜好性が高いことを実証するものである。
例4.2:その比AAS/AATを特徴とし、様々な熱処理条件を含む方法によって製造された液体PEを含んでいる液体PECの嗜好性向上効果の評価
4.2.1. この例では、様々な熱処理条件を含む方法により、3つの液体PEを製造した。
4.2.1. この例では、様々な熱処理条件を含む方法により、3つの液体PEを製造した。
液体PE15および16は、上記の例4.1で述べた液体PE13と同じ配合を有するが、それらの製造のための方法は、同じ熱処理を含むものではなかった。従って、液体PE13と同様に、液体PE15および16は、3.60%のAAS/AAT比を有するアミノ反応体を含んでいた。
PE15または16の成分を混合し、NaOH溶液を添加することによってpHを7.5の値に調節した。PE15の場合、この混合物を、1分間にわたって150℃で加熱した。PE16の場合、この混合物を、1分間にわたって180℃で加熱した。次に、温度を40℃未満に低下させ、それによって、液体PE15または16を得た。
液体PE13(従って、液体PE15および16)の配合は、例4.1の表14に記載している。
4.2.2. PEC20、21、および22の配合を、以下の表18に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
4.2.3. 実験食餌20、21、および22、ならびにコントロール食餌Bのコーティング配合を以下の表19に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
4.2.4. 嗜好性の結果を以下の表20に示す。
表20に示されるように、フード摂食率は、実験食餌とコントロール食餌との間で有意に異なっており、このことは、比AAS/AATが12.80%以下であり、異なる条件下で実施された熱処理を含む方法によって製造された液体PEを含む液体PECでコーティングした実験食餌の方が、ネコに対する嗜好性が高いことを実証するものである。
例5:その比AAS/AATを特徴とする液体PEを含み、異なる動物消化物含有量を有する液体PECの嗜好性向上効果の評価
5.1. この例では、SPF市販系列品の液体動物消化物および異なる量の上記例1で述べた液体PE1(3.16%のAAS/AAT比を特徴とする)を含有する液体PECの嗜好性向上効果を評価した。
5.1. この例では、SPF市販系列品の液体動物消化物および異なる量の上記例1で述べた液体PE1(3.16%のAAS/AAT比を特徴とする)を含有する液体PECの嗜好性向上効果を評価した。
液体PE1の配合および製造方法は、上記例1に記載している。
5.2 PEC23、24、および25の配合を、以下の表21に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
5.3. 実験食餌23、24、および25、ならびにコントロール食餌Cのコーティング配合を以下の表22に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
5.4 嗜好性評価のために、これらのキャットフードをネコに与えた。嗜好性の結果を以下の表23に示す。
表23に示されるように、フード摂食率は、実験食餌とコントロール食餌との間で有意に異なっており、このことは、比AAS/AATが12.80%以下であることを特徴とする液体PEを含み、異なる動物消化物含有量を有する液体PECの嗜好性向上効果を実証するものである。
例6:その比AAS/AATを特徴とするPEを含み、異なるレベルで適用された液体PECの嗜好性向上効果の評価
6.1. この例では、2.73%のAAS/AAT比を特徴とするPE17を含み、実験食餌において異なるレベルで適用された液体PEC26の嗜好性向上効果を評価した。
6.1. この例では、2.73%のAAS/AAT比を特徴とするPE17を含み、実験食餌において異なるレベルで適用された液体PEC26の嗜好性向上効果を評価した。
6.2 PE17の配合を以下の表24に記載する。
液体PE17を、以下の方法を用いて製造した。
PE17の配合の成分を混合し、30% NaOH溶液を添加することによってpHを7.5の値に調節した。この混合物を、20分間にわたって120℃で加熱した。その後、温度を40℃未満に低下させた。
6.4 PEC26の配合を、以下の表25に記載するが、ここで、パーセントは、PECに対する重量基準で表される。
6.5. 実験食餌26および27、ならびにコントロール食餌Cのコーティング配合を以下の表26に記載するが、ここで、パーセントは、実験食餌に対する重量基準で表される。
6.6. 嗜好性の結果を以下の表27に示す。
表27に示されるように、フード摂食率は、実験食餌とコントロール食餌との間で有意に異なっており、このことは、AAS/AAT比が12.80%以下であることを特徴とするPE17を含み、異なるレベルで実験食餌に適用された液体PEC26の嗜好性向上効果を実証するものである。
例7:その比AAS/AATを特徴とし、実験食餌中への包含によって適用されたドライPEの嗜好性向上効果の評価
7.1. この例では、その比AAS/AATを特徴とし、実験食餌中への包含によって適用されたドライPE、PE18の嗜好性向上効果を評価した。
7.1. この例では、その比AAS/AATを特徴とし、実験食餌中への包含によって適用されたドライPE、PE18の嗜好性向上効果を評価した。
7.2 PE18の製造
2.73%のAAS/AAT比を特徴とし、上記の例6に記載した(表24)液体PE17の乾燥後に、PE18を得た。
2.73%のAAS/AAT比を特徴とし、上記の例6に記載した(表24)液体PE17の乾燥後に、PE18を得た。
液体PE17を80℃に維持し、スプレー乾燥機を用いることによって直接乾燥させる目的で、周囲温度に冷却せず、続いて、粉末のPE18を得た(水分<6%)。水が組成物から蒸発しただけであることから、比AAS/AATは、液体形態の場合と同じであった。
7.3. 食餌の製造
次に、このPE18を、コア原材料中に1%で直接包含させることによって、スーパープレミアムキャットダイエット(Super Premium Cat Diet)配合中に用い、その後押出しプロセスを実施して、実験食餌28を得た。この例でのコントロール食餌Fは、PE18を包含しないこと以外はまったく同じ食餌であった。
次に、このPE18を、コア原材料中に1%で直接包含させることによって、スーパープレミアムキャットダイエット(Super Premium Cat Diet)配合中に用い、その後押出しプロセスを実施して、実験食餌28を得た。この例でのコントロール食餌Fは、PE18を包含しないこと以外はまったく同じ食餌であった。
実験食餌28およびコントロール食餌Fのコーティング配合を以下の表28に記載するが、ここで、パーセントは、食餌に対する重量基準で表される。
7.4. 食餌の分析組成
実験食餌28およびコントロール食餌Fを分析した。以下の表29に示されるように、両食餌の特性は、互いに非常に類似しており、PE18を包含させた量は非常に低く(1%)、食餌配合のすべてのコンポーネント(肉粉末(meat flour)、コムギ、トウモロコシなど)が同等に置き換えられている。
実験食餌28およびコントロール食餌Fを分析した。以下の表29に示されるように、両食餌の特性は、互いに非常に類似しており、PE18を包含させた量は非常に低く(1%)、食餌配合のすべてのコンポーネント(肉粉末(meat flour)、コムギ、トウモロコシなど)が同等に置き換えられている。
7.5. 嗜好性の結果を以下の表30に示す。
表30に示されるように、フード摂食率は、実験食餌28とコントロール食餌との間で、第1日目において有意に異なっており、このことは、比AAS/AATが2.73%であることを特徴とするドライPE18の嗜好性向上効果を実証するものである。
Claims (15)
- − 硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とする少なくとも1つのアミノ反応体と、
− 20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む少なくとも1つのカルボニル組成物と、
を含む、キャットフードに用いるための無脂肪嗜好性向上剤。 - 前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を熱処理することによって得られる、請求項1に記載の嗜好性向上剤。
- 前記アミノ反応体が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、これらの加水分解物および抽出物、イースト抽出物、イースト加水分解物、イースト自己溶解物、クリームイースト、醤油、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載の嗜好性向上剤。
- 前記カルボニル組成物が、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む、単糖、二糖、オリゴ糖、これらの加水分解生成物、グルコースシロップ、フルクトースシロップ、カラメル、および糖液、ならびにこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の嗜好性向上剤。
- 前記カルボニル組成物が、21から100重量%、より好ましくは、23から100重量%、より一層好ましくは、25から100重量%、さらに一層好ましくは、28重量%から100重量%の単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の嗜好性向上剤。
- 熱処理が、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を、約80から約200℃の範囲の温度で約10秒間から約210分間の範囲の時間にわたって加熱することを含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の嗜好性向上剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの嗜好性向上剤を1つ以上の嗜好性向上成分と混合して含む、キャットフードに用いるための嗜好性向上組成物。
- 前記嗜好性向上成分が、無機ホスフェート化合物、動物消化物、イースト、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の嗜好性向上組成物。
- キャットフードに用いるための無脂肪嗜好性向上剤を製造するための方法であって、
a)硫黄含有遊離アミノ酸(AAS)の全遊離アミノ酸(AAT)に対する比AAS/AATが1から12.8重量%であることを特徴とする少なくとも1つのアミノ反応体と、20重量%超から100重量%までの単糖および/または二糖および/またはオリゴ糖を含む少なくとも1つのカルボニル組成物とを水性媒体中で混合すること、
b)所望に応じて、得られた混合物を熱処理すること、
c)所望に応じて、得られた混合物を乾燥すること、ならびに、
d)前記嗜好性向上剤を得ること
を含む、前記方法。 - 前記工程b)が、前記少なくとも1つのアミノ反応体および前記少なくとも1つのカルボニル組成物を、約80から約200℃の範囲の温度で約10秒間から約210分間の範囲の時間にわたって加熱することを含む、請求項9に記載の方法。
- キャットフードに用いるための嗜好性向上組成物を製造するための方法であって、
a)請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの嗜好性向上剤を準備すること、
b)前記少なくとも1つの嗜好性向上剤を、1つ以上の嗜好性向上成分と混合すること、
c)所望に応じて、得られた混合物を乾燥すること、ならびに、
d)前記嗜好性向上組成物を得ること
を含む、前記方法。 - 工程a)の前記少なくとも1つの嗜好性向上剤が、請求項9または10に記載の方法によって製造される、請求項11に記載の方法。
- 前記工程a)の後に、前記少なくとも1つの嗜好性向上剤を乾燥する工程a1)をさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
- 向上された嗜好性を有するキャットフードを製造するための方法であって、
a)キャットフード調製物に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの嗜好性向上剤、および/または、請求項7もしくは8に記載の少なくとも1つの嗜好性向上組成物を添加すること、ならびに、
b)向上された嗜好性を有するキャットフードを得ること
を含む、前記方法。 - 少なくとも以下のコンポーネント:
a)請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの嗜好性向上剤;および/または
b)請求項7または8に記載の少なくとも1つの嗜好性向上組成物;ならびに
c)所望に応じて含まれてよい、少なくとも1つの嗜好性向上成分;ならびに
d)所望に応じて含まれてよい、少なくとも1つのキャットフード成分
を単一パッケージ中の1つ以上の容器中に含む、キャットフードの嗜好性を向上させるためのキット。
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