JP2020103220A - プレバイオティクスのスクリーニング方法 - Google Patents

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那波 橋倉
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Takuma Sakurai
琢磨 桜井
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Abstract

【課題】ヒト腸管内と類似する条件でプレバイオティクスを評価・探索する方法を提供する。【解決手段】 被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、前記前処理工程後の試料を含有する培地中で腸内細菌を中和培養する培養工程、及び前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する解析工程を含む、プレバイオティクスのスクリーニング方法。【選択図】図2

Description

本発明は、プレバイオティクスをスクリーニングする方法に関する。
近年、腸内細菌と健康との関連性に注目が集まり、世界中で研究が行われている。腸内環境改善に関連する用語として知られる「プロバイオティクス」は、一般に腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物を指し、ビフィズス菌等が一般的に知られている。また、かかるプロバイオティクスが資化するものとして「プレバイオティクス」があり、これは、消化管上部で分解・吸収されず、大腸に共生する有益な細菌の選択的な栄養源となりそれらの増殖を促進し、大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持し、ヒトの健康の増進維持に役立つものを一般に意味する。代表的なプレバイオティクスとしては、フラクトオリゴ糖等が挙げられる。プロバイオティクスやプレバイオティクスによる腸内環境改善が盛んに謳われているが、これらの素材による整腸作用の本質や、腸内細菌の具体的な変化については未だ未解明な部分が多い。
個人の腸内細菌をコントロールするプレバイオティクス素材が熱望されているものの、その取得は容易ではない状況にある。その理由としては、ヒトに対する介入試験(in
vivo試験)はコスト・労力の観点から実施が難しいだけでなく、個人ごとに腸内細菌のバランスが異なること、腸内細菌バランスは普段の食事にも影響を受けることなどからはっきりとした成果が得られにくいことが挙げられる。
そのため、様々な素材を評価し、プレバイオティクスを探索するには、in vitr
oで腸内細菌を培養する方法が好ましい。例えば、フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖などのプレバイオティクスの効果について、ビフィズス菌の資化能を評価する研究などがこれまで数多く報告されている(非特許文献1〜3等)。
しかしながら、腸内細菌は互いに影響を及ぼし合いながらそのバランスを保っているため、ビフィズス菌のみの単独培養よりも、糞便を用いることによる腸内細菌全体の評価がより好ましい。また、通常の培養では、ビフィズス菌や乳酸菌の産生する酸により培地のpHが低下してしまうため、これを防ぐべく現在では中和培養が一般的に行われている。これらにより、本来のヒト腸管内と類似する環境が再現され、ある程度正確なプレバイオティクス製品の評価を行えることが報告されている。
Sasaki K. et al., PLoS ONE 12(7): e0180991. Takagi R, et al., PLoS ONE 11(8): e0160533. Sasaki D, et al., Scientific Reports (2018) 8:435
既存のプレバイオティクス製品には不純物が多く含まれていることが多い。例えば、市販のガラクトオリゴ糖製品には、55%のガラクトオリゴ糖の他に、乳糖や単糖類が45%以下含まれているものがある。また、プレバイオティクス素材の探索対象となり得る野菜や果物など種々の植物等にも、単糖類等が多く含まれている。
通常、乳糖や単糖類等の分子量が小さい成分は、ヒトの小腸で吸収されてしまうため、腸内細菌が生息する大腸まで到達しない。しかしながら、これらの乳糖や単糖類等を含有する素材を、前述の中和培養によりin vitroの試験系で評価した場合、ガラクト
オリゴ糖等のターゲット成分だけでなく不純物の資化性をも評価することになってしまう。
かかる状況に鑑み、本発明は、ヒト腸管内と類似する条件でプレバイオティクスを評価・探索する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ヒト腸管環境を再現する中和培養系に供する被験試料に対して、予めヒトの大腸に到達しない糖類を除く前処理を行うことにより、ヒト腸管内での挙動がより正確に再現されたプレバイオティクスの評価結果が得られることに想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一の態様は、被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、前記前処理工程後の試料を含有する培地中で腸内細菌を中和培養する培養工程、及び前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する解析工程を含む、プレバイオティクスのスクリーニング方法である(以下、本発明のスクリーニング方法とも記す)。
本態様において、前記前処理工程は、エタノール沈殿により行われることが好ましい。
本態様において、前記培養工程は、pH>5.5の条件下で行われることが好ましい。
本態様において、前記腸内細菌は、アクチノバクテリア門を含むことが好ましい。
本発明の別の態様は、被験試料から分子量700以下の糖類を除去する工程を含む、in vitroでのプレバイオティクスのスクリーニングに供する試料の調製方法である

本発明の別の態様は、被験者の腸内細菌を用意する工程、被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、前記前処理工程後の試料を含有する培地中で前記腸内細菌を中和培養する培養工程、前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する工程、及び前記解析結果に基づいて前記被験者に応じたプレバイオティクス素材を選択する工程を含む、前記被験者にプレバイオティクス素材及び/又はその情報を提供する方法である。
本発明によれば、ヒト腸管内での挙動がより正確に再現されたプレバイオティクスの評価結果が得られる。そのため、本発明により、プレバイオティクスとして有効な素材を適切に探索し選択することが可能となる。本発明の方法は、プレバイオティクスの評価・探索においてヒトのin vivo試験に代替し得るため、産業上非常に有用である。
エタノール処理前後のイヌリンのHPLCチャート。 試験例1における、腸内細菌の割合を表すグラフ(n=1)。 試験例1における、腸内細菌の構成の類似性(Weighted UniFrac距離)を示すグラフ(n=1)。 試験例2における、腸内細菌の割合を表すグラフ(n=1)。 試験例2における、腸内細菌の構成の類似性(Weighted UniFrac距離)を示すグラフ(n=1)。
次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明のスクリーニング法は、被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、前記前処理工程後の試料を含有する培地中で腸内細菌を中和培養する培養工程、及び
前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する解析工程を含む。
本発明のスクリーニング法における前処理工程では、被験試料から分子量700以下の、好ましくは550以下の、より好ましくは400以下の糖類を除去する。また、このような糖類は、通常は重合度が4以下のものであり、より好ましくは2以下のものである。
これは言い換えると、被験試料から分子量が700より大きい、好ましくは550より大きい、より好ましくは400より大きい糖類を選択的に取得するものである。また、後述の中和培養に供する試料に含まれる糖類の分子量は、700より大きければとくにその上限は限定されないが、通常は500万以下である。
なお、分子量700以下の糖類としては、ニストース、ケストース、シュークロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース等が挙げられる。550以下の糖類としては、ケストース、シュークロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース等が挙げられる。400以下の糖類シュークロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース等が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法では、ヒト小腸で通常吸収される糖類を予め除き、ヒト小腸で通常吸収されず大腸に到達する糖類を、後述の中和培養に供することにより、ヒト腸管でのプレバイオティクスの細菌変動への影響を正確に感度よく評価することができる。
本発明のスクリーニング方法に供する被験試料は、通常ヒトが経口摂取する飲食物であれば特に限定されないが、例えば、野菜、根菜、豆類、芋類、穀類、果実等の植物、ヨーグルト等の加工食品、安定剤等の多糖類や食物繊維を主成分とする食品添加物等が挙げられる。
本態様において、前記前処理工程は、エタノール沈殿、サイズ排除クロマトグラフィー、糖認識抗体によるアフィニティ―クロマトグラフィー、遠心限外カラムクロマトグラフィー、電気泳動など、低分子化合物を除去し得る周知の方法を任意に選択し又は組み合わせてより行われることが好ましい。
これらのうち、エタノール沈殿が簡便なためより好ましく、周知の手順・条件にて行うことができる。
本発明のスクリーニング法における培養工程では、前処理工程を行った後の試料を含有する培地中で腸内細菌の中和培養を行う。
ここで、培地は、分子量700以下の小腸で吸収される糖類を実質的に含有しない限りにおいて特に限定されず、例えば糖類を含有しないYCFA培地が挙げられる。ここで、実質的に含有しないとは、好ましくは0.1%(w/v)以下、より好ましくは0.05%
(w/v)以下、さらに好ましくは0.01%(w/v)以下である。
前記試料の培地への添加量としては、培養を妨げない限りにおいて任意に設定でき、例えば0.1〜5%(w/v)とすることができる。
一般に培養中に細菌が分泌する酸により経時的にpHが低下するため、本発明においては中和培養を行う。具体的には、培養液のpHをpH計で表示しながら、その表示値を所定の範囲で制御するものであり、炭酸ナトリウム等の適当な中和剤を間欠的に添加すればよい。本発明における中和培養では、培養している間、pHが好ましくは5.5を下回らないように、より好ましくは6.0を下回らないように制御することが好ましい。また、培養している間、pHが7.0を上回らないように制御することが好ましい。
本発明における中和培養は、通常は嫌気条件下で行う。
また、培養時間は、好ましくは12時間以上、より好ましくは24時間以上であり、通常は96時間以下、より好ましくは48時間以下である。
本態様において、前記腸内細菌は、一般的な健常人の腸内に存在する腸内細菌を含むも
のであれば特に限定されないが、アクチノバクテリア門に属する細菌を含むことが好ましい。アクチノバクテリア門に属する細菌としては、ビフィドバクテリウム属細菌、コリンセラ属等が好ましく挙げられる。アクチノバクテリア門の細菌は、いわゆる「善玉菌」であり、一般にプレバイオティクスがその増殖を促進させようとする対象である。
本発明のスクリーニング法における解析工程では、培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する。かかる解析は、例えば、シークエンス解析により腸内細菌を同定し、その存在量の割合を算出する。
通常は、培養前後で細菌叢の構成を比較し、標的とする腸内細菌の存在量の割合が好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上増加している場合に、被験試料は標的とする腸内細菌の増殖を促進するプレバイオティクスであると評価される。また、培養前後で細菌叢の構成を比較し、標的とする腸内細菌の存在量が、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは100倍以上増加している場合に、被験試料は標的とする腸内細菌の増殖を促進するプレバイオティクスであると評価されてもよい。あるいは、培養後に標的とする複数の腸内細菌の存在量比が、予め想定していた所望の比率に一致又は近づいている場合に、被験試料は標的とする腸内細菌の増殖を促進するプレバイオティクスであると評価されてもよい。
本発明のスクリーニング方法により選択される被験試料は、プレバイオティクス素材として好ましく利用できる。かかる素材は、例えば、栄養補助食品、健康補助食品、機能的食品等に好適に添加することができる。
本発明の別の態様は、被験者にプレバイオティクス素材及び/又はその情報を提供する方法である。これは、各個人に好適なプレバイオティクス素材を、該個人の腸内細菌叢の変動を解析することにより提案するものである。
本態様では、まず被験者の腸内細菌を用意する。腸内細菌については、前述の説明に準ずるが、通常は複数種類の腸内細菌を含み、好ましくは被験者の腸内細菌叢に含まれる種類及びその構成割合を再現又は模したものとする。例えば、被験者の糞便を好ましく用いることができる。
本態様は、被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、前記前処理工程後の試料を含有する培地中で前記腸内細菌を中和培養する培養工程、及び前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する工程、を含み、これらについては前述の説明に準ずる。
本態様では、前記解析結果に基づいて前記被験者に応じたプレバイオティクス素材を選択する工程を行う。この工程は通常、被験者において任意の標的腸内細菌の存在量の割合を増加させる、及び/又は複数の腸内細菌の存在量比が予め想定していた所望の比率に一致又は近づかせる被験試料を、前記被験者に適するプレバイオティクス素材として選択することにより行う。前記選択したプレバイオティクス素材を、又は該素材が適するという情報は、被験者に提供される。前記情報は、該素材を含む飲食品をアドバイスするものであってもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<試験例1>in vitro試験とin vivo試験との比較1
(1)素材の前処理
市販のイヌリンFujiFF(フジ日本精糖株式会社製)10gを100mLのMilliQ水に溶解後、約15mLずつ遠心チューブ(FALCON社352070)に分注し、30mLの99.5%エタノール(Wako社050-00446)を加え、混和した。その後1,300×gで10分間遠心、上清を除去し、次いで99.5%エ
タノールを45mL加え混和し、1,300×g で10分間遠心した。再度上清を除去し、沈殿物を
凍結乾燥させ合計8.7gの粉末を得た。これを0.1%(w/v)になるようMilliQ水に溶解後、0.22μmフィルター(メルクミリポア社製)を通過させ、試験に供する溶液を取得した。
処理前後の分子量分布を確認するため、サンプルをHPLCに供した。e2695システム(Waters社製)にアミドカラム(Waters社製BEH Prep Amid 5μm)を用いて分画したものを荷
電化粒子検出器(Thermo社製UltiMate3000シリーズ)で検出した。条件は流速3mL/min、
アセトニトリル(Merck Millipore社製100030):MilliQ=80:20から50:50までのグラ
ジエントで40分間流出した。結果を図1に示す。処理後のサンプルでは、フラクトフラノシルニストースより小さい単糖および2糖を含む成分は除去されていることが確認された。
(2)中和培養
糖を含有しないYCFA培地を100mL作成し、pHコントロール可能な培養装置Bio Jr.8 (株
式会社バイオット社製BJR-25NA1S-8M)のベッセルに入れ、前記(1)の処理済みイヌリン又は未処理のイヌリン粉末を、1g添加し、115℃20分間のオートクレーブ処理を行った。その後、無菌的にフィルター滅菌処理したビタミン液とシステイン液を添加し、最終的に供する素材が1%(w/v)となる培養液を調製した。その後、窒素置換を一晩行うことで嫌気
状態とし、生理食塩水で10%(w/v)に予め調整しておいた糞便溶液100μLを添加し、pHが6
以下にならないよう1MのNa2CO3液でコントロールしながら24時間37℃で嫌気培養を行った。
なお、前記糞便は、通常の食餌を継続している健康なヒトから、後述の(3)の摂取開始前に提供されたものである。
(3)摂取試験
前記(2)で用いた糞便の提供者に、イヌリンFujiFFを1日5gずつ、5日間摂取してもらった。摂取開始前及び摂取5日後にそれぞれ、糞便を10℃以下かつ嫌気状態を保ちながら適量提供してもらった。
(4)腸内細菌の解析
前記(2)における24時間培養後の培養液を1mL採取し、15,000×gで10分間遠心して沈殿を得た。前記沈殿、又は前記(3)で提供された糞便20mgを、450μLの抽出液(100mM Tris/HCl, 4mM EDTA, pH9.0)に懸濁した後、10%SDS溶液50μL、0.1mm径のガラスビー
ズ300mg、500μLのTE飽和フェノール(和光純薬)と混合し、FastPrep FP 100A(フナ
コシ社製)にてパワーレベル5、30秒の破砕処理を行った。次いで、14,000×gで5分間遠心後400μLの上清を取り、250μLのフェノール・クロロホルム溶液(和光純薬)を加えて混合し、14,000×gで5分間遠心後250μLの上清を取得した。さらに2-プロパノールを250
μL加え、イソプロパノール沈殿させたものを200μLのTris-EDTAバッファー(pH8.0)で溶
解し、鋳型DNA溶液とした。
次に細菌の16S rRNA遺伝子の第3〜4可変領域を増幅させるための1stプライマーセット(配列番号1及び2)と、次世代シーケンサーMiseq (イルミナ社製)にて解析するために必要な2ndプライマーセット(配列番号3及び4、なおnは1度の解析で複数サンプルを
処理するための任意の塩基配列(インデックス領域))を設計し、Life Technologies社
のオリゴプライマー作成サービスによりプライマーを合成した。
鋳型DNA溶液および1stプライマーセットを含む総液量を25μLとした反応液をTaKaRa Ex Taq HS kit (タカラバイオ社製)を用いて調製した。Veriti 200(Life Technologies社製)により、94℃3分の後、94℃30秒、50℃30秒、72℃30秒を20回、
72℃10分のPCR反応を行った。得られたPCR産物を1%アガロースゲルにて電気泳動し、バンドパターンを確認した。続いて得られたPCR産物1μLを鋳型とし、2ndプ
ライマーセットを用いて上述した条件と同様にPCRを実施した。ただしPCRのサイクル数は20回ではなく15回とした。得られたPCR産物を1%アガロースゲルにて電気泳動し、バンドパターンを確認後、QIAquick 96 PCR Purification Kit (キアゲン社製)にて
精製を行い、Quant-iT PicoGreen dsDNA Assay kit (Life Technologies社製)にて濃度を測定した。同濃度のDNA溶液を混合したものをMiseq v2 Reagent kit(イルミナ社製)に
供し、Miseqにてシークエンス解析を実施した。
得られたペアエンド配列をfastq-join (version.1.1.2-301) (http://code.google.com/p/ea-utils/wiki/FastqJoin)にて接続した後、QIIME software(version 1.8.0)(http://qiime.org/)にて97%の相同性を有する配列ごとにOTU(Operational Taxonomy Unit)
とした。各OTUの代表配列をGreengenes database 12_10 (http://greengenes.secondgenome.com/downloads/database/12_10) に対してBLAST検索することで腸内細菌叢の構成を解析した。さらに、各結果の類似度を評価するため、Weighted UniFrac距離をQIIME software(version 1.8.0)で算出した。
図2に門レベルで分類した腸内細菌叢の構成を、図3にWeighted UniFrac距離(数字が低いほど腸内細菌構成が似ていることを表す)を、それぞれ示す。前記(2)の前処理を行った試料による中和培養24時間後の腸内細菌は、前記(3)のイヌリン摂取5日後の腸内細菌と、非常に近い変動を示すことが認められた。
<試験例2>in vitro試験とin vivo試験との比較2
(1)素材の前処理
市販のレジスタントスターチ(HI MAIZE1043)10gを100mLのMilliQ水に溶解後、約15mL
ずつ遠心チューブ(FALCON社352070)に分注し、30mLの99.5%エタノール(Wako社050-00446)を加え、混和した。その後1,300×gで10分間遠心、上清を除去し、次いで99.5%エタ
ノールを45mL加え混和し、1,300×g で10分間遠心した。再度上清を除去し、沈殿物を凍
結乾燥させ合計9.2gの粉末を得た。これを0.1%(w/v)になるようMilliQ水に溶解後、0.22
μmフィルター(メルクミリポア社製)を通過させ、試験に供する溶液を取得した。
(2)中和培養
糖を含有しないYCFA培地を100mL作成し、pHコントロール可能な培養装置Bio Jr.8 (株
式会社バイオット社製BJR-25NA1S-8M)のベッセルに入れ、前記(1)の処理済みレジスタントスターチ又は未処理のレジスタントスターチ粉末を、1g添加し、115℃20分間のオートクレーブ処理を行った。その後、無菌的にフィルター滅菌処理したビタミン液とシステイン液を添加し、最終的に供する素材が1%(w/v)となる培養液を調製した。その後、窒素
置換を一晩行うことで嫌気状態とし、生理食塩水で10%(w/v)に予め調整しておいた糞便溶液100μLを添加し、pHが6以下にならないよう1MのNa2CO3液でコントロールしながら24
時間37℃で嫌気培養を行った。
なお、前記糞便は、通常の食餌を継続している健康なヒトから、後述の(3)の摂取開始前に提供されたものである。
(3)摂取試験
前記(2)で用いた糞便の提供者に、レジスタントスターチHI MAIZE1043を1日5gずつ、5日間摂取してもらった。摂取開始前及び摂取5日後にそれぞれ、糞便を10℃以下かつ嫌気状態を保ちながら適量提供してもらった。
(4)腸内細菌の解析
試験例1と同様に解析を行った。
図4に門レベルで分類した腸内細菌叢の構成を、図5にWeighted UniFrac距離を、それぞれ示す。前記(2)の前処理を行った試料による中和培養24時間後の腸内細菌は、前記(3)のレジスタントスターチ摂取5日後の腸内細菌と、非常に近い変動を示すことが認められた。
<試験例3>種々のスクリーニング被験試料の調製
本発明のスクリーニング方法に供し得る種々の被験試料を、以下の手順で調製した。
(1)ごぼう
市販されているごぼう(400g)を鍋に入れ、ミキサーで粉砕し、材料が浸る程度の水を加えて沸騰状態で2時間加熱した。室温まで冷却した後、ガーゼを用いて濾過し、濾液を回収した。得られた液を遠心(1800×g、10分)し、上澄みを、ろ紙(2種)で濾した後、さらに濾過(1種)して抽出液を得た。この抽出液に対して公知のエタノール沈殿法を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥して試験物質(2000mg)を得た。
(2)大豆
市販されている、大豆水煮缶詰(320g)の内容物をミキサーで粉砕して鍋に入れ、材料が浸る程度の水を加えて沸騰状態で2時間加熱した。室温まで冷却した後、ガーゼを用いて濾過し、濾液を回収した。得られた液を遠心(1800×g、10分)し、上澄みを、ろ紙(2種)で濾した後、さらに濾過(1種)して抽出液を得た。この抽出液に対して公知のエタノール沈殿法を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥して試験物質(4200mg)を得た。
(3)とうもろこし
市販されている、とうもろこしの缶詰(380g)の内容物をミキサーで粉砕して鍋に入れ、材料が浸る程度の水を加えて沸騰状態で2時間加熱する。室温まで冷却した後、ガーゼを用いて濾過し、濾液を回収した。得られた液を遠心(1800×g、10分)し、上澄みを、ろ紙(2種)で濾した後、さらに濾過(1種)して抽出液を得た。この抽出液に対して公知のエタノール沈殿法を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥して試験物質(2300mg)を得た。
(4)にんじん
市販されている、にんじん(340g)ミキサーで粉砕して鍋に入れ、材料が浸る程度の水を加えて沸騰状態で2時間加熱する。室温まで冷却した後、ガーゼを用いて濾過し、濾液を回収した。得られた液を遠心(1800×g、10分)し、上澄みを、ろ紙(2種)で濾した後、さらに濾過(1種)して抽出液を得た。この抽出液に対して公知のエタノール沈殿法を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥して試験物質(1700mg)を得た。
(5)たまねぎ
市販されている、たまねぎ(1100g)の皮を剥いてミキサーで粉砕して鍋に入れ、材料が浸る程度の水を加えて沸騰状態で2時間加熱する。室温まで冷却した後、ガーゼを用いて濾過し、濾液を回収した。得られた液を遠心(1800×g、10分)し、上澄みを、ろ紙(2種)で濾した後、さらに濾過(1種)して抽出液を得た。この抽出液に対して公知のエタノール沈殿法を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥して試験物質(1530mg)を得た。
(6)ヒヨコマメ
市販されている、ヒヨコマメの缶詰(480g)の内容物をミキサーで粉砕して鍋に入れ、材料が浸る程度の水を加えて沸騰状態で2時間加熱する。室温まで冷却した後、ガーゼを用いて濾過し、濾液を回収した。得られた液を遠心(1800×g、10分)し、上澄みを、ろ紙(2種)で濾した後、さらに濾過(1種)して抽出液を得た。この抽出液に対して公知のエタノール沈殿法を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥して試験物質(8400mg)を得た。

Claims (6)

  1. 被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、
    前記前処理工程後の試料を含有する培地中で腸内細菌を中和培養する培養工程、及び
    前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する解析工程を含む、プレバイオティクスのスクリーニング方法。
  2. 前記前処理工程が、エタノール沈殿により行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記培養工程が、pH>5.5の条件下で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記腸内細菌が、アクチノバクテリア門を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 被験試料から分子量700以下の糖類を除去する工程を含む、in vitroでのプ
    レバイオティクスのスクリーニングに供する試料の調製方法。
  6. 被験者の腸内細菌を用意する工程、
    被験試料から分子量700以下の糖類を除去する前処理工程、
    前記前処理工程後の試料を含有する培地中で前記腸内細菌を中和培養する培養工程、
    前記培養工程後の培地中の細菌叢の構成を解析する工程、及び
    前記解析結果に基づいて前記被験者に応じたプレバイオティクス素材を選択する工程を含む、
    前記被験者にプレバイオティクス素材及び/又はその情報を提供する方法。
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