JP2020100648A - 創傷治癒に対するapc類似体の使用 - Google Patents
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Abstract
【課題】創傷の修復及び治癒、特に急性及び慢性の創傷、火傷及び潰瘍を含むが、それらに限定されない真皮又は皮膚の創傷の治療方法の提供。【解決手段】真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより前記真皮創傷を治療する工程を含む、真皮創傷を治療する方法。【選択図】なし
Description
本発明は、創傷の修復及び治癒、特に急性及び慢性の創傷、火傷及び潰瘍を含むが、それらに限定されない真皮又は皮膚の創傷に関する。
本明細書におけるいずれの従来技術の参照も、この従来技術が何らかの権限における共通の一般的な知識の一部を形成し、又はこの従来技術が当業者によって理解され、関連があると見なされ、及び/又は従来技術の他の部分と組み合わせることを合理的に予測することができると認識されたもの又は示唆されたものではない。
成人において、傷害に対する正常な反応は一般に創傷修復である。創傷修復は以下の3つの個別の段階:フィブリン凝血塊が形成される最初の段階と、フィブリン凝血塊が溶解し、プロテオグリカン、糖タンパク質及びIII型コラーゲンからなる一過性のマトリクスを沈着させる中間の段階と、この一過性の段階を消化し、I型コラーゲンの多いマトリクスと置き換える最終の段階とからなるものとして従来は説明されてきた。
創傷の種類、大きさ及び位置等の局所的因子、創傷への血管供給、感染の有無、局所移動及び放射線及び紫外線への曝露は創傷修復に影響を及ぼし、心血管機能の状態、感染、代謝状態及びホルモンを含む全身性因子に影響を及ぼす。
一般に、傷害に対する正常な生理学的反応は、傷害から約3週間〜4週間でI型コラーゲン沈着をもって完了する創傷修復過程であると受け入れられてきた。この時期を超えて創傷修復過程が長引くと慢性創傷の形成の可能性が高まる。
創傷治癒における炎症の役割は論争中であるが、炎症の重症度及び期間の点から、一般に創傷治癒中に炎症を含むことは重要であると認識されている。特に、創傷治癒の際に炎症が生じないことは再生に結びつき、一方で炎症を生じると或る程度の線維化及び瘢痕形成を生じることが観察されてきた。さらに、炎症の長期化により慢性炎症を生じるおそれがあり、皮膚創傷を考慮する限り、創傷を適切に閉じられず、潰瘍形成につながるおそれがある。
活性化プロテインC(APC)の局所適用は、真皮潰瘍、火傷、口腔創傷、骨損傷及び軟骨損傷、眼創傷並びにワーファリン関連皮膚壊死を含む皮膚創傷の改善をもたらすことが示されている。特許文献1によれば、APCの抗凝血機能及び抗炎症機能は、真皮創傷の治療に有用であり、特に治癒が遅い創傷の治療に有用であることが強く示されている。特許文献1はまた、APC介在性ゼラチナーゼAを活性化する機能はAPCが介在した創傷修復に重要であることも考察している。
抗凝血機能及び抗炎症機能に加え、APCは抗アポトーシス機能を有することも知られている。抗アポトーシス機能は抗凝血機能とは独立するものであることが知られ、特にAPCの37−ループの少なくとも3個のリジン残基はAPCが介在する第Va因子の切断に不可欠であるが、抗アポトーシスである、APCが介在するPAR−1の活性により生じる細胞保護活性にはこれらの残基を必要としないことが知られている。非特許文献1。
APCの抗炎症機能は、APCが介在する、少なくともEPCR及び場合によりPAR−1の活性化に起因し、場合により白血球の活性化の低下を生じると考えられるが、炎症性サイトカイン放出の抑制、炎症部位の炎症細胞の溢出の減少、APC介在性の相互作用
(複数の場合もある)の機構(複数の場合もある)及び特に抗炎症機能に必要なAPCの関連構造部位(複数の場合もある)は知られていない。非特許文献1。APC受容体介在性の相互作用に加え、APCの抗炎症活性は、抗炎症活性及び抗凝血活性に関連する可能性のある、凝血経路のタンパク質分解酵素の生成を下方制御する性質から十分に説明することができると考えられている。
(複数の場合もある)の機構(複数の場合もある)及び特に抗炎症機能に必要なAPCの関連構造部位(複数の場合もある)は知られていない。非特許文献1。APC受容体介在性の相互作用に加え、APCの抗炎症活性は、抗炎症活性及び抗凝血活性に関連する可能性のある、凝血経路のタンパク質分解酵素の生成を下方制御する性質から十分に説明することができると考えられている。
APC−3K3Aは、第Va因子の切断に関連するAPCの37−ループの3個のリジン残基が外れたことで、抗アポトーシス機能を含むことは可能であるが、抗凝血機能は排除された、APCの類似体である。この類似体をアポトーシス(卒中及び神経変性障害を含む)に関与するが、出血の危険が少ない条件下において、完全な細胞保護活性を得る目的にのみ作製した。非特許文献1。
真皮創傷修復の改善、特に創傷修復期間の改善、特に創傷修復を促進させることによる創傷修復の速度の改善又は創傷修復に起因する組織の状態の改善の必要性は依然として存在する。
Mosnier and Griffin 2006 Frontiers in Bioscience 11 2381-2399
本発明は上記の必要性の1つ又は複数に対処することを試み、1つの実施の形態において、真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより真皮創傷を治療する工程を含む真皮創傷の治療方法を提供する。
別の実施の形態において、真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより真皮創傷の創傷領域又は体積を低下させる工程を含む、真皮創傷の創傷領域又は体積を低下させる方法を提供する。
別の実施の形態において、真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより創傷治癒の速度を促進させ、又は創傷治癒若しくは創傷閉鎖の完了期間を短くする工程を含む、創傷治癒の速度を促進させ、又は創傷治癒若しくは創傷閉鎖の完了期間を短くする方法を提供する。
別の実施の形態において、創傷形成後の真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより創傷治癒の速度を促進させる工程を含む、創傷形成後の最初の3日〜7日間、好ましくは最初の3日間〜5日間、好ましくは最初の3日間で創傷治癒の速度を促進させる方法を提供する。有効量のAPC−3K3Aを創傷形成から48時間以内、好ましくは24時間以内又は12時間以内に真皮創傷と接触させることができる。通例、創傷治癒の速度は未治療の創傷に対して又は等量のAPCで治療した創傷に対して促進される。
別の実施の形態において、真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより真皮創傷の創傷修復機構を誘導又は促進又は開始する工程を含む、真皮創傷の創傷修復機構を誘導又は促進又は開始する方法を提供する。この実施の形態において、創傷は創傷修復機構がない、又は活性が最小限の創傷修復機構を有する慢性創傷であってよい。
別の実施の形態において、真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより創傷修復と関連する炎症を最小限にする工程を含む、創傷修復と関連する炎症を最小限にする方法を提供する。
別の実施の形態において、真皮創傷を治療する医薬の製造におけるAPC−3K3Aの使用を提供する。
別の実施の形態において、真皮創傷を治療するためのAPC−3K3Aの使用を提供する。
別の実施の形態において、真皮創傷の治療に使用するAPC−3K3A又は有効量のAPC−3K3Aを含むAPC−3K3A含有配合物を提供する。
上記の実施の形態において、創傷は通例、顕著なアポトーシスと関連しない。通例、真皮創傷は顕著なアポトーシスを特徴とせず、さもなければアポトーシスに起因しない。
上記の実施の形態において、有効量のAPC−3K3Aを創傷に局所投与し、それにより創傷とAPC−3K3Aとを接触させることができる。
別の実施の形態において、APC−3K3Aを含む、真皮創傷の治療のための配合物を提供する。この実施の形態において、配合物は真皮創傷への局所塗布に適応する。配合物は、ゲル、軟膏、ローション又は噴霧剤の形態であってよい。
別の実施の形態において、真皮創傷の治療又は管理のための有効量のAPC−3K3Aを含む、真皮創傷の治療又は管理のために配合され又は適応させたデバイス、パーソナルケア製品又は包帯を提供する。この実施の形態において、APC−3K3Aをガーゼ、メッシュ、スポンジ又は救急絆の形態で提供することができる。
上記の実施形態において、真皮創傷は慢性又は急性の創傷であってよく、裂傷、火傷、切り傷、浸軟、挫滅傷、刺し傷、擦り傷等の傷害から生じ得る。
本発明の更なる態様及び上記の段落に記載の態様の更なる実施形態は、実施例に挙げられ、かつ添付の図面を参照することで、以下の説明から明らかとなるだろう。
本明細書において開示及び定義される本発明は、本文若しくは図面に挙げられ又は本文
若しくは図面から明らかな個々の特徴の2つ以上の全ての代替的組合せに拡大されることが理解されるだろう。これらの様々な組合せの全ては、本発明の種々の代替的態様を構成する。
若しくは図面から明らかな個々の特徴の2つ以上の全ての代替的組合せに拡大されることが理解されるだろう。これらの様々な組合せの全ては、本発明の種々の代替的態様を構成する。
上述のように、APC−3K3Aは、第Va因子切断に関連するAPCの37−ループの3個のリジン残基が外れたことで、抗アポトーシス機能を含むことは可能であるが、抗凝血機能は排除された、APCの類似体である。APC−3K3Aの配列を図6に示す。
APC−3K3Aをアポトーシス(卒中及び神経変性障害を含む)に関与するが、出血の危険が少ない条件下において、完全な細胞保護活性を得る目的にのみ作製した。非特許文献1。国際公開第2005/007820号によれば、APC−3K3Aは、少なくとも一部においてアポトーシスにより生じた種々の器官の血管又は組織に対する損傷の危険のある対象のものを含む、少なくとも一部においてアポトーシスと関連する損傷を予防又は軽減するために使用することができるよう設計される。国際公開第2008/055145号、国際公開第2008/073603号、Wang et al. 2012 Stroke 43:2444-2449及びGuo et al. 2009 Eur. J. Neurosci. 29:1119-1130も参照のこと。
本発明者らは、APC−3K3Aを使用して、真皮創傷修復を改善することができることがわかった。この発見は、アポトーシスが、真皮創傷の修復を実証する細胞機構であり、又は慢性創傷の形成を含む創傷の病変に関与する細胞機構であるとは一般的には考えられていないことを前提とすると、特に驚くべきことである。
この発見は、本発明以前の、APCの少なくとも抗凝固活性が真皮創傷修復に関連すると理解され、抗凝血機能の排除が、真皮創傷の修復に必要なゼラチナーゼA活性及びAPCの抗炎症機能に対して影響を及ぼすか否かに関する知識が不足していた環境においてなされたものであった。
本発明の特に驚くべき発見の1つは、APC−3K3Aを利用して、APC抗凝固機能を用いて観察された真皮創傷修復反応以上に改善された真皮創傷修復反応を得ることができることである。特に、本明細書の実施例に示されるように、本発明者らはAPC−3K3Aを使用し、創傷治癒速度を促進させ、in vivoの切除モデルにおける創傷治癒までの期間を減少させることができることを発見した。したがって、1つの実施形態において、真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより真皮創傷を治療する工程を含む、真皮創傷の治療方法を提供する。
上記方法において、個体は創傷修復又は創傷治癒が損なわれる危険のある個体であってよい。特に、個体は、創傷修復が長引く全身性又は局所的危険因子を有する個体であってよい。全身性の危険因子には、全身性感染、メタボリックシンドローム、糖尿病又は耐糖能異常、心血管機能の損傷がある。局所的危険因子には、傷害自体の性質(例えば、外傷又は火傷)、異常な炎症、運動により繰り返される身体的ストレス又はUV放射線への曝露を含む傷害に関するものがある。
本発明は、個体又は傷害部位が、創傷修復過程の損傷に対する1つ又は複数の上記の全身性又は局所的危険因子を有するか否かについて決定するために個体を評価する工程を含むことができる。通例、個体の、本明細書に記載の危険因子等の慢性創傷の形成に当てはまる1つ又は複数の全身性又は局所的危険因子を評価する。
1つ又は複数の局所的又は全身性の危険因子を有する個体の、創傷修復過程の損傷を評価する場合、本方法は、APC−3K3Aを用いて治療する個体を選択し、創傷修復過程の損傷が発生する可能性を最小限にする更なる工程を含むことができる。
通例、傷害は真皮組織、皮膚系組織又は皮膚組織(cutaneous or skin tissue)への損傷から生じるものである。損傷は真皮組織の全ての層に対して、例えば基底細胞層(胚芽層)、有棘層、果粒層、淡明層に対して影響を及ぼす可能性がある。特定の傷害の例として、裂傷、擦り傷、破裂、火傷、挫傷、圧迫がある。
傷害は、1度、2度又は3度の火傷を含む火傷であってよい。
通例、傷害は急性傷害である。
1つの実施形態において、傷害は慢性炎症と関連しない場合がある。
通例、傷害は線維化と関連しない。
通例、傷害は炎症性障害、アレルギー性障害又は特発性障害若しくは疾患ではない。
APC−3K3Aを創傷修復過程によりフィブリン凝血塊が形成される前に、組織傷害の部位に塗布することができる。別の実施形態において、APC−3K3Aを創傷修復過程により一過性のマトリクスが形成される前に、組織傷害の部位に塗布することができる。別の実施形態において、APC−3K3Aを創傷修復過程により最終的なマトリクスが形成される前に、組織傷害の部位に塗布することができる。通例、APC−3K3Aを一過性のマトリクスのおおよそ形成時又は直後に塗布することができる。
通例、個体を、組織傷害の約3週間〜4週間以内に創傷修復が完了するようにAPC−3K3Aを用いて治療する。
上記にも関わらず、当業者であれば、APC−3K3Aの投与量は治療する疾患又は病態、疾患又は病態の重症度、局所投与の種類(複数の場合もある)、化合物の排泄率、治療期間、動物に投与する他の任意の薬剤の特定、動物の年齢、大きさ及び種等の医療分野において既知の因子に伴い変化することが理解されるだろう。概して、化合物又は化合物の組合せの好適な1日の用量は、治療効果を得るのに有効な量の最小用量である。投与量、投与形態及び投与様式は、正当な医療判断の範囲内において担当医により決定される。種々の化合物及び化合物の組合せ(複数の場合もある)の効果的な投与量、投与形態及び投与様式は、経験的に決定することができ、このような決定は、当該技術分野の範囲内である。
或る特定の実施形態において、仮説に束縛されることを望まないが、この接触によりAPC−3K3Aが創傷治癒の改善をもたらすと思われることから、組織傷害部位にてAPC−3K3Aと本明細書に記載の皮膚細胞とを接触させることができるように、APC−3K3Aを提供することが重要である。概して、APC−3K3Aに接触しているこのような細胞を以下の特徴を有することによって認識することができる:増殖の増大及びアポトーシスの減少;カスパーゼ−3の減少;タンパク質分解酵素活性化受容体1、2又は3の活性化;NF−kB活性化の低下;シグナル伝達分子p38の活性化の低下;TNF分泌の減少;マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)−2タンパク質の増加及び活性化;MMP−9の減少;スフィンゴシン−1−リン酸の増加;アンジオポエチン(Ang)1の増加及びAng2の低下;Tie2活性化の増大;シグナル伝達分子Aktの活性化。それゆえ、細胞とAPC−3K3Aとの接触、ひいては治療の治療効力を、これらの細胞表現型を評価することにより確立させることができる。
1つの実施形態において、治療有効量のAPC−3K3Aは、個体の病的瘢痕の形成を
予防又は阻害することができる。この結果は以下で考察する定性的又は定量的手段により評価することができる。
予防又は阻害することができる。この結果は以下で考察する定性的又は定量的手段により評価することができる。
或る特定の実施形態において、APC−3K3Aの治療有効量は、APC−3K3Aを塗布する皮膚領域1cm2当たり0.1μg〜5000μgのAPC−3K3A、又はAPC−3K3Aを塗布する皮膚領域1cm2当たり1μg〜2000μgのAPC−3K3A、又はAPC−3K3Aを塗布する皮膚領域1cm2当たり10μg〜1000μgのAPC−3K3A、又はAPC−3K3Aを塗布する皮膚領域1cm2当たり10μg〜200μg若しくは10μg〜400μg若しくは10μg〜800μgのAPC−3K3Aである。
APC−3K3Aを組織傷害の性質に応じて、1週間に1回から最大1日2回投与することができる。概ね、連続して20週間以下又は連続して6週間以下にて提供することができる。
局所治療方法は、例えばペースト、ゲル、クリーム、オイル、ローション、フォーム、軟膏等の物質を用いて、関連の皮膚領域が破裂した皮膚表面を含有するものである場合に特に有用であり、これにより線維芽細胞がある皮膚組織の関連層へのAPC−3K3Aの浸透が可能となる。
1つの実施形態において、APC−3K3Aの治療有効量は、皮膚領域1cm2当たり0.1μg〜2000μg、好ましくは20μg〜200μgのAPC−3K3Aであり得る。皮膚がかなり重度に冒されている(affected)場合に又は上記のように創傷修復の損傷に対する局所的又は全身性因子が存在することから個体が特定の危険な状態にある場合に、量が多いほど一般的に好ましい。皮膚が重度に冒されていない場合、少量が好ましくなり得る。
配合物中のAPC−3K3Aの濃度は、約10g/ml〜1mg/mlであり、皮膚領域に塗布する組成物の容量は約100l〜10mlである。
1つの実施形態において、創傷治癒又は修復の活性構成要素としてAPC−3K3Aを含む配合物は、約200μg〜600μgのAPC−3K3A、好ましくは約200μg〜250μgのAPC−3K3A、より好ましくは250μgのAPC−3K3A又は500μgのAPC−3K3Aを含む。この量のAPC−3K3Aは、特に創傷領域が20cm2未満である場合、APCのみを用いて観察したものより概ね大きい創傷治癒を促進すると思われる。したがって、別の実施形態において、真皮創傷と約200μg〜600μgのAPC−3K3A、好ましくは約200μg〜250μgのAPC−3K3A、より好ましくは250μgのAPC−3K3A又は500μgのAPC−3K3Aとを接触させ、それにより真皮創傷を治療する工程を含む、真皮創傷の治療方法を提供する。創傷領域が20cm2より大きい場合、より多くの量のAPC−3K3A、特に約600μg〜1000μgのAPC−3K3A、好ましくは約800μg〜1000μgのAPC−3K3Aを必要とする。したがって、別の実施形態において、真皮創傷と約600μg〜1000μgのAPC−3K3A、好ましくは約800μg〜1000μgのAPC−3K3Aとを接触させる工程を含む、真皮創傷の治療方法を提供する。これらの実施形態において、配合物は局所投与又は非経口投与に好適な形態において提供することができる。
本組成物を皮膚に、概ね消毒した表面、例えば指又はヘラを用いて、約10mm以下の厚さ、好ましくは約3mmの厚さの層にて提供することができる。次いで、皮膚領域及び周囲領域に擦り込む又は揉み込むことができる。塗布は概ね1日1回〜1週間に1回、また概ね20週間以内又は12週間以内である。
1つの実施形態において、APC−3K3Aを含有する組成物を固形の基材、すなわち救急絆、包帯等に塗布し、次いで、この基材を関連の皮膚領域に固定することができる。
或る特定の実施形態において、上記の結果はAPCの基準線より少なくとも2倍高いAPC−3K3Aの局所的濃度を確立することにより得られる。この量のAPC−3K3A及びAPCを、上記の通り、ELISA及び色素原基質スペクトロザイムPCaアッセイを用いて皮膚生検のAPC−3K3A及びAPC活性を測定することにより測定することができる。真皮内又は皮下注射は、角質層が無傷であり、皮膚層を通したAPC−3K3Aの浸透が制限されるような性質のあるときの投与経路として一般に好ましい。一般に微細ゲージ針(約28G〜34G)の付いた0.3ml〜1mlのシリンジを使用することができる。1cm2当たり約1回の注射として、皮膚の表面積に対応するため複数回の注射を行うことができる。1回の注射当たりの量は10μl〜1mlまで変化し、典型的な量は50μlである。投与は概ね1日1回〜1週間に1回、概ね20週以内で行われる。真皮内又は皮下注射をAPC−3K3Aの局所塗布と同時に使用することができる。
本明細書に記載の方法又は生成物に使用するAPC−3K3Aを、国際公開第2005/007820号に記載の方法により生成することができる。さらに、APC−3K3AをZZ Biotechから入手することができる。APC−3K3Aのアミノ酸配列を図6に示す。
或る特定の実施形態において、APC−3K3Aに修飾(例えば、異種アミノ酸配列のアミノ酸置換、欠失及び付加)を組み込み、それにより例えば各タンパク質の生物学的活性又は発現を高めることができるAPC−3K3A類似体を形成することができる。例えば、APC−AK3A類似体は、APCのカルシウムループに対応するRR229/230AA突然変異、APCの自己融解ループに対応するRR306/312AA突然変異又はAPCの自己融解ループに対応するRKRR306/314AAAAを含有することができる。APC類似体のこれらの例のそれぞれは、天然APCの活性と比較して抗凝固活性が少ない。しかし、これらはそれぞれ、EPCR及びPAR−1又はPAR−3に結合する点から関連のAPC機能を有する。
APC−3K3A類似体は一般に、ヒトプロテインC配列と相同な配列を有する。一対の配列間の同一性の割合をBESTFITコンピュータープログラムに実装されたアルゴリズムにより算出することができる(Smith & Waterman. J. Mol. Biol. 147:195-197, 1981; Pearson, Genomics 11:635-650, 1991)。配列の相違を算出する別のアルゴリズム
を迅速データベース検索(rapid database searching)に適合させ、BLASTコンピュータープログラムにおいて実装した(Altschul et al., Nucl. Acids Res. 25:3389-3402, 1997)。ヒト配列と比較して、プロテインCのポリヌクレオチド又はポリペプチドは、アミノ酸レベルにて約60%のみの同一性、70%以上の同一性、80%以上の同一性、90%以上の同一性、95%以上の同一性、97%以上の同一性又は99%を超える同一性であり得る。
を迅速データベース検索(rapid database searching)に適合させ、BLASTコンピュータープログラムにおいて実装した(Altschul et al., Nucl. Acids Res. 25:3389-3402, 1997)。ヒト配列と比較して、プロテインCのポリヌクレオチド又はポリペプチドは、アミノ酸レベルにて約60%のみの同一性、70%以上の同一性、80%以上の同一性、90%以上の同一性、95%以上の同一性、97%以上の同一性又は99%を超える同一性であり得る。
保存アミノ酸の置換(例えば、Glu/Asp、Val/lle、Ser/Thr、Arg/Lys、Gln/Asn)も、このような対のアミノ酸残基の化学的類似性が多くの場合、機能的に等価となることが見込まれることから比較するときに考慮することができる。ポリペプチドの生物学的機能を保存することが見込まれるアミノ酸置換は、置換アミノ酸残基の化学的属性、例えば疎水性、親水性、側鎖電荷又は大きさを保存する。ヒト配列に比較して、プロテインCのポリペプチドは、約80%以上のみの類似性、90%以上の類似性、95%以上の類似性、97%以上の類似性、99%以上の類似性又は約100%の類似性であってよい。生物学的機能の機能的等価性又は保存を、構造決定の方法及
びバイオアッセイにより評価することができる。
びバイオアッセイにより評価することができる。
使用するコドンは宿主のコドン選好性を取り入れることにより異種の宿主における翻訳に適応させることもできる。これにより、ポリペプチドの化学構造が大きく変化することなく、異種の宿主の翻訳機構に適応する。
APC−3K3Aを当該技術分野においてよく知られた方法によりグリコシル化することもでき、これには酵素手段及び非酵素手段を含むことができる。
好適なAPC−3K3A模倣化合物(すなわち、APC−3K3Aの機能を模倣した化合物)を二次的及び三次的構造の情報がなくてもペプチド配列に基づいたペプチドの模倣物を設計する当該技術分野においてよく知られた方法のいずれかを使用して設計することができる。例えば、ペプチド模倣化合物を、アミノ酸側鎖を修飾し、ペプチドの規定の領域の疎水性を増大させ(例えば、水素をペプチドの芳香族残基のメチル基で置換)、アミノ酸側鎖を非アミノ酸側鎖で置換(例えば、ペプチドの芳香族残基を他のアリール基で置換)し、アミノ及び/又はカルボキシ末端を種々の置換基で置換(例えば、脂肪族基を置換し、疎水性を増大させる)することにより生成することができる。
代替法として、模倣化合物は、ペプチド骨格を(すなわち、例えば骨格内の窒素原子を炭素原子に置き換えることによりアミド結合の代理物(amide bond surrogates)を導入
して)修飾することを含み、又はN置換グリシン残基、1つ若しくは複数のD−アミノ酸(L−アミノ酸(複数の場合もある)の代わり)及び/又は1つ若しくは複数のα−アミノ酸(β−アミノ酸又はγ−アミノ酸の代わり)を含むいわゆるペプトイド(すなわち、非ペプチド)であり得る。更なる模倣化合物代替物には「レトロ−インベルソペプチド」(ペプチド結合が反転しており、D−アミノ酸が、ベースとなるペプチド配列のL−アミノ酸の順序と逆の順序に組み込まれている)及び他の非ペプチドフレームワーク、例えばステロイド、糖、ベンザゼピン、3,4−三置換ピロリジノン、ピリドン及びピリドピラジンがある。好適な模倣化合物はまた、構造モデリング/決定により、天然生成物のスクリーニング、ファージディスプレイライブラリの作成、タンパク質の最小化、SELEX(アプタマー)選択、コンビナトリアルライブラリ及び焦点コンビナトリアルライブラリ、バーチャルスクリーニング/データベース検索、並びに当該技術分野においてよく知られた合理的ドラッグデザイン法により設計/同定することができる。
して)修飾することを含み、又はN置換グリシン残基、1つ若しくは複数のD−アミノ酸(L−アミノ酸(複数の場合もある)の代わり)及び/又は1つ若しくは複数のα−アミノ酸(β−アミノ酸又はγ−アミノ酸の代わり)を含むいわゆるペプトイド(すなわち、非ペプチド)であり得る。更なる模倣化合物代替物には「レトロ−インベルソペプチド」(ペプチド結合が反転しており、D−アミノ酸が、ベースとなるペプチド配列のL−アミノ酸の順序と逆の順序に組み込まれている)及び他の非ペプチドフレームワーク、例えばステロイド、糖、ベンザゼピン、3,4−三置換ピロリジノン、ピリドン及びピリドピラジンがある。好適な模倣化合物はまた、構造モデリング/決定により、天然生成物のスクリーニング、ファージディスプレイライブラリの作成、タンパク質の最小化、SELEX(アプタマー)選択、コンビナトリアルライブラリ及び焦点コンビナトリアルライブラリ、バーチャルスクリーニング/データベース検索、並びに当該技術分野においてよく知られた合理的ドラッグデザイン法により設計/同定することができる。
APC−3K3Aの好適な医薬組成物は、APC−3K3A及び薬学的に許容される担体を含む。APC−3K3A含有組成物は一般に、増量剤(例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース及びラフィノース)、塩(例えば、塩化ナトリウム及び塩化カリウム)、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム、トリス酢酸塩及びリン酸ナトリウム)及びAPC−3K3Aを含む高純度の安定した凍結乾燥生成物であってよい。例えば、安定した凍結乾燥組成物は、約1部のAPC−3K3A、約7部〜8部の塩及び約5部〜7部の増量剤の重量比を含み得る。このような安定した凍結乾燥組成物の例は、バイアル当たり5.0mgのAPC、30mgのスクロース、38mgのNaCl及び7.56mg、pH6.0のクエン酸である。
APC−3K3A及びAPC−3K3A類似体の種々の組換え体及び合成形態の、病的瘢痕の治療への使用を、以下に例を記載した、確立した動物モデルにおいて関連の有効性をスクリーニングすることにより試験することができる。
特に好ましい1つの実施形態において、APC−3K3Aを、本明細書に記載の方法に従い、組織傷害の関連部位の局所投与に適応させた組成物又は配合物の形態において提供する。このような配合物の例として、関連表面に直接塗布し、APC−3K3Aの関連部
位への局所的投与を可能にすることができるものが挙げられる。これらの配合物には、ゲル、オイル、噴霧剤、ロールオン式配合物、軟膏、ローション、フォーム等がある。1つの実施形態において、APC−3K3Aは、メチルセルロースゲルの形態において提供され、炭水化物及び塩等の安定剤を含有することができる。
位への局所的投与を可能にすることができるものが挙げられる。これらの配合物には、ゲル、オイル、噴霧剤、ロールオン式配合物、軟膏、ローション、フォーム等がある。1つの実施形態において、APC−3K3Aは、メチルセルロースゲルの形態において提供され、炭水化物及び塩等の安定剤を含有することができる。
皮膚軟膏は、通常石油基剤に有機成分、健康成分、美容成分又は医学成分を組み合わせたものであってよい。これにより皮膚軟膏が、体表により長く滞留する粘度がより高く水溶性がより低い配合物になり、その結果、成分が多種多様な問題により効率的に対応するよう作用することができる。各会社(例えばTherapex)から注文することができる多くの天然及び有機皮膚軟膏がある。
プロピオン酸クロベタゾール(CP)フォーム(0.05%)も使用することができる。これは乳濁液のエアロゾルフォームであり、米国においてコルチコステロイド反応性皮膚病の炎症及び掻痒兆候の治療に使用されており、またカナダにおいて、中等度から重度のアトピー性皮膚炎の炎症及び掻痒兆候の治療に使用されている(Olux−E(プロピオン酸クロベタゾール)フォーム、0.05%、Stiefel Laboratories Inc、ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク(2011))。
配合物がゲルである場合、APC−3K3Aを10μg/g〜5000μg/gの量にてゲルに含有させることができる。
APC−3K3Aの注射用配合物をAPC−3K3A、スクロース、NaCl及びクエン酸ナトリウムを含む静脈注射用の滅菌済み凍結乾燥粉末として供給することができる。バイアルをUSP規格の注射用滅菌水を用いて再構成して、約2mg/mlのAPC−3K3Aの濃度にすることができ、次いでこのAPC−3K3A希釈液を0.9%塩化ナトリウム注射液に添加し、患者投与用に約100μg/ml〜約500μg/mlのAPC−3K3Aの濃度にすることができる。これは、皮下注射によるAPC−3K3Aの投与に特に好ましい配合物である。
実施例1 in vivoでの切除モデルにおけるAPC−3K3Aの創傷修復の促進
材料及び方法
創傷プロトコル開始時のC57BL/6Jマウスは7週齢〜8週齢であった。マウスをコリング医学研究所のカーンズ施設(Kearns Facility, Kolling Medical Research Institute)から入手し、22℃、12時間の明/12時間の暗サイクルにて飼育した。
材料及び方法
創傷プロトコル開始時のC57BL/6Jマウスは7週齢〜8週齢であった。マウスをコリング医学研究所のカーンズ施設(Kearns Facility, Kolling Medical Research Institute)から入手し、22℃、12時間の明/12時間の暗サイクルにて飼育した。
マウスの背部に虹彩剪刃を用いて全層の皮膚創傷を作製し、滅菌済6mmパンチ生検器具を用いて創傷パターンを作製した(outline)。
1日1回、最初の連続した3日間に、組換え(r)3K3A−APC、rAPC又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の対照液の各10μlを創傷内部の周辺の皮膚の4カ所に注射し、創傷部位に局所的に更に10μlを注射した。
次いで、動物を15分間麻酔下に置き、溶液を吸収させた。創傷を開口した状態で、動物を個々のケージで飼育した。
創傷治癒はデジタル写真を撮ることでモニタリングし、創傷の外周を滅菌済Visitrak Grid 6の上からペン先が細いマーカーでトレースすることによって創傷領域を盲検的に測定した。次いでトレースをスキャンし、創傷領域のデジタルリーディングを得た。
全ての手順は、地域の動物管理及び倫理委員会のガイドラインに従い行われた。
結果及び考察
図1及び図2:結果を平均値±SEで示す。PBSに対して10μgのr3K3A−APC及び10μgのrAPC、創傷数=12、マウス数=6。他の濃度に対して:創傷=6、マウス=3。PBS対r3K3A−APC10μgではP<0.01。r3K3A−APC10μg対rAPC10μgではP<0.01(反復測定ANOVA)。要約すると、本試験のrAPC−3K3Aの最適用量は10μgである。データは、rAPC−3K3AがPBS対照に比べ創傷治癒を高めたことを示す。さらに、rAPC−3K3AはrAPCに比べ創傷治癒を高めた。
図1及び図2:結果を平均値±SEで示す。PBSに対して10μgのr3K3A−APC及び10μgのrAPC、創傷数=12、マウス数=6。他の濃度に対して:創傷=6、マウス=3。PBS対r3K3A−APC10μgではP<0.01。r3K3A−APC10μg対rAPC10μgではP<0.01(反復測定ANOVA)。要約すると、本試験のrAPC−3K3Aの最適用量は10μgである。データは、rAPC−3K3AがPBS対照に比べ創傷治癒を高めたことを示す。さらに、rAPC−3K3AはrAPCに比べ創傷治癒を高めた。
2日目、3日目及び4日目の早期の時点で、10μgの3K3AとPBSとの間にp<0.01の有意な差があった。同様の差は、10μgのAPCと10μgの3K3Aとの間に認められた。PBSに対する10μgの3K3Aの改善%は、2日目、3日目及び4日目それぞれで28%、23%及び30%であった。10μgのAPCに対する10μgの3K3Aの改善%は、2日目、3日目及び4日目それぞれで24%、29%及び36%であった。特に早期の段階で創傷の治癒が早いほど、単なる修復だけでなく組織再生の可能性が大きくなる。再生は通常、元の組織と同じ新しい組織を指すが、修復は瘢痕形成を伴う(Min, Su; Wang, Song W.; Orr, William (2006)。「Graphic general pathology: 2.2 complete regeneration:」。Pathology. pathol. med. stu. edu. cn. Retrieved 2012-12-07)。最初の数日間は、創傷治癒中の再生に重要な期間であり、治癒が遅いほど、瘢痕形成が起こる可能性が高くなる(Ferguson MW1, O'Kane S; Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci. 2004 May 29;359(1445):839-50. Scar-free healing: from embryonic mechanisms to adult therapeutic intervention)。(Profyris C, Tziotzios C and Do Vale I. Cutaneous scarring: Pathophysiology, molecular mechanisms, and scar reduction therapeutics Part I. The molecular basis of scar formation. J Am Acad Dermatol 2012; 66: 1-10)。したがって、早期の時点での10μgの3K3Aにより誘導された顕著な改善は、10μgのAPC又はPBSを用いた治療に比べ、所望の瘢痕の少ない治癒となる可能性が高い。この早期での確信が、血管形成、肉芽組織の形成、上皮化及びマトリクス再組織化の促進の弾みとなる。これが正常な治癒(対照)及び10μgのAPCによる治療に対する具体的な利点となる。
30μgの3K3Aでの治療は、10μgの3K3Aより治癒が遅かった。この種の反応は、生物学的薬剤試験において特別なものではない。説明の1つとして、3K3A受容体が飽和し、場合によりその受容体に影響を与えることで細胞内メッセンジャーが3K3Aの作用を阻害するよう生物学的シグナルを送るシグナル伝達フィードバック機構が生じる。この作用の先例として、in vitroにおけるAPCの角化細胞の遊走及び創傷閉鎖に対する作用がある(Xue M, Thompson P, Kelso I, Jackson C. Exp Cell Res. 2004 Sep 10;299(1):119-27. Activated protein C stimulates proliferation, migration and wound closure, inhibits apoptosis and upregulates MMP-2 activity in cultured
human keratinocytes.)。30μgのAPCの作用は10μgのAPCの作用より大き
いものであった(p<0.01)ため、APCに対するこのようなフィードバック機構は観察されなかった。これらのデータは、10μgのAPCはまだピークに達していないが、10μgの3K3Aはピークに達し、3K3Aが創傷治癒のための治療薬としてAPCより強力であることを暗示することを示唆する。全体に、上記のデータは3K3AがAPCと異なり、明らかな利点を有することを示す。
human keratinocytes.)。30μgのAPCの作用は10μgのAPCの作用より大き
いものであった(p<0.01)ため、APCに対するこのようなフィードバック機構は観察されなかった。これらのデータは、10μgのAPCはまだピークに達していないが、10μgの3K3Aはピークに達し、3K3Aが創傷治癒のための治療薬としてAPCより強力であることを暗示することを示唆する。全体に、上記のデータは3K3AがAPCと異なり、明らかな利点を有することを示す。
図3:対照と比較したとき*P<0.05、**P<0.01(ANOVA、ボンフェローニ法)。8日目及び9日目に、10μg及び30μgのr3K3A−APCではとも
に創傷治癒が高まったが、rAPCでは30μgのより高い濃度のみが有効であった。9日目では、10μgのr3K3A−APCと10μgのrAPCとの間に有意な差があった。
に創傷治癒が高まったが、rAPCでは30μgのより高い濃度のみが有効であった。9日目では、10μgのr3K3A−APCと10μgのrAPCとの間に有意な差があった。
図4:3K3A−APC(n=12)10μg対PBS(n=12)ではP<0.01。3K3A−APC10μg(n=12)対rAPC10μg(n=12)ではP<0.05。rAPC10μgとPBSとの差なし(p=0.064)(カプラン−マイヤー法及びlog rank分析を使用)。要約すると、10μgの3K3A−APCはプラセボ又はrAPC(10μg)より早く創傷を完全に治癒している。
図5:rAPC30μg(n=6)対PBS(n=12)ではP<0.05。3k3A−APC30μg(n=6)対PBS(n=12)ではP<0.05。rAPC30μgと3k3A−APC30μgとの差なし(カプラン−マイヤー法及びlog rank分析を使用)。要約すると、30μgの3K3A−APC及びrAPCはともにプラセボより早く創傷を完全に治癒している。
Claims (8)
- 真皮創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させ、それにより前記真皮創傷を治療する工程を含む、真皮創傷を治療する方法。
- 前記APC−3K3Aを前記創傷に局所投与し、それにより前記真皮創傷と前記有効量のAPC−3K3Aとを接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
- APC−3K3Aをゲル、軟膏、ローション及び噴霧剤からなる群から選択される配合物の形態において前記創傷に局所投与する、請求項2に記載の方法。
- 前記APC−3K3Aを注射により前記創傷に投与し、それにより該創傷と有効量のAPC−3K3Aとを接触させる、請求項1に記載の方法。
- 前記真皮創傷が、顕著なアポトーシスを特徴とせず、さもなければアポトーシスに起因しない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記創傷が慢性又は急性創傷である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記創傷が火傷、切り傷、裂傷、擦り傷、刺し傷又は潰瘍である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記APC−3K3Aは250μg又は500μgの量にて提供される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
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