JP2020100571A - 炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物 - Google Patents

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【課題】新規のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用及び/又は炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物、及びその応用品を提供する。【解決手段】プロアントシアニジンを有効成分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用及び/又は炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物。プロアントシアニジンとしてはレンコン由来のプロアントシアニジンが好ましい。当該組成物はマトリックスメタロプロテアーゼ及び炎症性サイトカイン産生抑制作用に優れ、人体に対する毒性や刺激性が少ない。そのため、化粧料組成物、機能性食品等の用途に使用することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、新規のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用及び/又は炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物及びその応用品に関する。
マトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix metalloproteinase、MMP)は、活性中心に金属イオンが配座したタンパク質分解酵素群であり、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンなどの細胞外マトリックスの分解代謝に関与する。そのため、紫外線曝露等によってマトリックスメタロプロテアーゼが過剰に産生すると、細胞外マトリックスの分解が促進されて皮膚のしわやたるみなどの劣化の原因となる。また、リウマチや角膜炎などの疾病において、マトリックスメタロプロテアーゼが関与していることが知られている。
そのため、マトリックスメタロプロテアーゼの産生を抑制することによって、皮膚組織の劣化抑制や、マトリックスメタロプロテアーゼが関与する疾病の予防、治療等に有用である。
また、炎症性サイトカインは、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−6)等に代表される、生体内における様々な炎症症状を引き起こすサイトカインである。炎症性サイトカインが過剰に産生すると、発熱、アレルギー疾患、動脈硬化、糖尿病、リウマチ等の一因となる。また、炎症性サイトカインがマトリックスメタロプロテアーゼを誘導することも知られている(例えば、非特許文献1)。
このようにマトリックスメタロプロテアーゼや炎症性サイトカインは、種々の疾患との関連性が認められていることから、これまでにマトリックスメタロプロテアーゼや炎症性サイトカインの産生を抑制する作用を有する成分の探索が行われている。
例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)の産生抑制作用を有する成分として、フコキサンチンやフコキサンチノール(特許文献1);システイン、シスチン、グルタチオン等(特許文献2);アシュワガンダ、トケイソウ及びハリエンジュの抽出物(特許文献3);等が報告されている。また、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)の産生抑制作用を有する成分として、アルギン酸オリゴ糖等(特許文献4);アルテロモナス属微生物の抽出物若しくは発酵生成物、又はアファニゾメノン属微生物の抽出物(特許文献5);等が報告されている。
また、炎症性サイトカインの産生抑制作用を有する成分として、ナンノクロロプシス属等の藻類エキス(特許文献6);2−デオキシ−D−グルコース及びその誘導体(特許文献7);ピリドンカルボン酸化合物(特許文献8);等が報告されている。
特開2012−2509t68号公報 特開2002−47178号公報 国際公開第2016/143680号パンフレット 特開2007−204449号公報 特開2007−204396号公報 特開2015−174850号公報 国際公開第2012/077828号パンフレット 特開2002−201130号公報
日歯保存誌,57(4),2014,358−368
上述の通り、これまでに様々な成分にマトリックスメタロプロテアーゼや炎症性サイトカインの産生を抑制する作用があることが報告されているが、依然としてより有効な成分の探索が行われている。
かかる状況下、本発明の目的は、新規のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する組成物、及びその応用品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、プロアントシアニジンが、優れたマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> プロアントシアニジンを有効成分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用及び/又は炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物。
<2> プロアントシアニジンが、レンコン由来のプロアントシアニジンである<1>に記載の組成物。
<3> プロアントシアニジンを、植物抽出物として含有する<1>に記載の組成物。
<4> 前記植物抽出物が、レンコン抽出物である<3>に記載の組成物。
<5> 対象となるマトリックスメタロプロテアーゼが、MMP−1及び/又はMMP−3である<1>から<4>のいずれかに記載の組成物。
<6> 対象となる炎症性サイトカインが、IL−1,IL−6、IL−8及びTNF−αから選択される少なくとも1種のサイトカインである<1>から<4>のいずれかに記載の組成物。
<7> 医薬組成物である<1>から<6>のいずれかに記載の組成物。
<8> 皮膚外用組成物(但し、医薬組成物である場合を除く。)である<1>から<6>のいずれかに記載の組成物。
<9> 経口用組成物(但し、医薬組成物である場合を除く。)である<1>から<6>のいずれかに記載の組成物。
本発明によれば、優れたマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する組成物及びその応用品が提供される。
レンコン由来のプロアントシアニジンのヒト表皮角化細胞への影響の評価結果であり、(a)はIL−1α遺伝子発現解析、(b)はMMP−1遺伝子発現解析の結果である。 レンコン由来のプロアントシアニジンのヒト線維芽細胞への影響の評価結果であり、(a)はIL−6遺伝子発現解析、(b)はMMP−1遺伝子発現解析、(c)はMMP−3遺伝子発現解析の結果である。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「〜」という表現を用いた場合、その前後の数値または物理値を含む意味で用いることとする。また、本明細書において、「A及び/又はB」という表現には、「Aのみ」、「Bのみ」、「A及びBの双方」が含まれる。
本発明は、プロアントシアニジンを有効成分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用及び/又は炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物(以下、単に「本発明の組成物」と記載する場合がある)に関する。
なお、以下の説明において、マトリックスメタロプロテアーゼを「MMP」と略記する場合がある。
本発明は、有効成分として含有するプロアントシアニジンが、マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用及び炎症性サイトカイン産生抑制作用を有することに基づく。本発明の組成物は、マトリックスメタロプロテアーゼ産生を抑制するための組成物、又は炎症性サイトカイン産生を抑制するための組成物、さらにはマトリックスメタロプロテアーゼ及び炎症性サイトカインの産生を抑制するための組成物として有用である。
本発明の組成物は、有効成分としてプロアントシアニジンを含んでいればよく、プロアントシアニジンは分離処理されたものであっても、分離処理されていないものであってもよい。すなわち、本発明の第1の態様は、プロアントシアニジンを含有する原料植物の抽出物から分離処理を行って得られるプロアントシアニジンを含有する組成物であり、本発明の第2の態様は、プロアントシアニジンを含有する原料植物の抽出物(以下、単に「植物抽出物」と記載する場合がある。)を含有する組成物である。植物抽出物の詳細は後述するが、植物抽出物が含有するプロアントシアニジンにより、MMP産生抑制作用及び炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するが、プロアントシアニジン以外にもMMP産生抑制作用及び炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する成分が含まれることを否定するものではない。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(プロアントシアニジン)
プロアントシアニジンは、主にカテキンやエピカテキン、ガロカテキン(フラバン−3−オール)を基本単位として縮重合したポリフェノール化合物群であり、「縮合型タンニン」又は「フラバン−3−オール重合物」とも称されている化合物である。
なお、プロアントシアニジンには、抗酸化作用、抗癌作用、血栓形成抑制作用、リパーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ活性阻害作用、コラゲナーゼ活性阻害作用等の様々な生理活性を有することが公知であったが、本発明に係るMMP産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用があることについては報告されていない。
本発明の組成物に含有されるプロアントシアニジンは、MMP産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する限りにおいて重合度に限定はないが、通常、重合度2〜30である。
プロアントシアニジンは、プロアントシアニジンを含有する植物抽出物から分離して得ることができる。植物抽出物からプロアントシアニジンを分離する方法は、MMP産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する限りにおいて任意である。具体的な分離方法の一例は、後述する[実施例]の通りである。
本発明の組成物に含有されるプロアントシアニジンは、MMP産生抑制影響用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する限りにおいて、任意の公知の方法で精製してもよく、必要に応じて、医薬および食品分野において許容される塩、誘導体または溶媒和物等に変換してもよい。
また、植物抽出物からプロアントシアニジンを分離せずに、プロアントシアニジンを含有する植物抽出物として本発明の組成物に含有させて使用してもよい。植物抽出物の詳細は後述する。なお、本明細書において「植物抽出物」は、例えば、原料植物をそのままあるいは原料植物の加工物を溶媒で抽出して得られる抽出物及びその希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末が挙げられ、プロアントシアニジンが含有されていれば特に限定されない。
植物抽出物を使用する場合には、原液をそのまま用いても、濃縮して濃縮液として用いてもよく、原液あるいは濃縮液を希釈溶媒に溶解して使用してもよい。この希釈溶媒としては、MMP産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を損なわないものが選択され、水、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等を例示することができる。
プロアントシアニジンは、様々な植物の種子、果皮、果実等に含まれており、原料植物の種類や部位に適した抽出溶媒や抽出方法によって抽出されて利用されている。
本発明の組成物に含有されるプロアントシアニジンはMMP産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する限りにおいて、原料植物の種類や部位には特に制限はない。
原料植物としては、例えば、ブドウ、リンゴ、カカオ、ハス、黒豆、大麦等が挙げられ、原料植物においてプロアントシアニジンを含有する部位を選択して使用すればよい。
本発明の組成物において、ハス(Nelumbo nucifera)の地下茎であるレンコンに含まれるプロアントシアニジン(レンコン由来のプロアントシアニジン)は好適なプロアントシアニジンの一例である。
原料となるレンコンの品種や産地は、MMP産生抑制作用や炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する限りにおいて任意である。また、レンコンは、皮や節部も使用することできる。
レンコンからプロアントシアニジンを抽出する方法は任意であるが、レンコンをそのまま又はその破砕物、粉砕物の一次加工物等と、抽出溶媒とを接触させ、前記レンコンに含有される成分を抽出して得られる抽出物から分離する方法が好ましい。
抽出溶媒としては、例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコール、1,3−ブチレングリコールやアセトン、ブタノール、酢酸等が挙げられる。抽出溶媒は混合溶媒として用いてもよい。
抽出時間は、抽出溶媒の種類や、レンコンと抽出溶媒との割合を考慮し適宜選択されるが、抽出溶媒が水/エタノール混合溶媒の場合は1〜24時間である。また、得られた抽出液はそのまま利用してもよいが、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。また、必要に応じてプロアントシアニジンの割合を高めるため、減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒除去してもよい。
ヒトへの安全性や抽出効率、コスト等の観点から抽出溶媒は、水/エタノール混合溶媒であることが好ましい。水とエタノールとの割合は任意であるが、好適には、エタノール基準濃度で、10〜80重量%である。
原料であるレンコンに対する抽出溶媒の量は特に制限はないが、通常、レンコンに対して重量比で3〜100倍量程度である。
本発明の組成物は、レンコン抽出物からプロアントシアニジンを分離せずに、レンコン抽出物の形態そのままで含有することもできる。この場合、ヒトへの安全性や抽出効率、コスト等から、特に、水/エタノール混合溶媒で抽出されたレンコン抽出物であることが好ましい。
上記レンコン抽出物の製造方法及びプロアントシアニジンの分離方法の具体的な一例については、[実施例]で後述する。
<MMP産生抑制用組成物>
本発明の組成物は、MMP産生を抑制する作用を有し、MMP産生抑制のための組成物として好適に使用することができる。
本明細書における「マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用」とは、MMPの産生を抑制する作用を意味し、対象となるMMPの遺伝子発現が抑制されているか否かで評価できる。また、MMP産生抑制作用には、MMPの産生を完全に抑制することのみならず、MMPの過剰産生を抑制するなどのMMP産生の部分的な抑制も含まれる。
MMPは、活性部位に亜鉛イオン(Zn2+)やカルシウムイオン(Ca2+)を含む細胞外マトリックス分解酵素であり、分子構造や基質特異性等の異なる様々な種類に分類される。
本発明においては、プロアントシアニジンによって産生が抑制されるものであれば、MMPがすべて対象となる。好適にはI型コラーゲンの分解酵素(コラゲナーゼ)であるMMP−1;プロテオグリカン、IV型コラーゲン、IX型コラーゲン、ラミニン等を分解するMMP−3;が挙げられる。
すなわち、本発明の組成物は、MMP−1及び/又はMMP−3の産生抑制剤として好適である。
なお、プロアントシアニジンにMMP−1の酵素活性阻害作用があることは、これまでに報告されていたが(例えば、特許第5905492号)、プロアントシアニジンにMMPの産生抑制作用があることについてはこれまでに一切報告されていない。
また、MMP−1及びMMP−3は、不活性の前駆体として産生されたMMP−2及びMMP−9(それぞれゼラチンやIV型コラーゲンの分解酵素)を活性化する作用を有するため、プロアントシアニジンによってMMP−1やMMP−3の産生が抑制されると、MMP−2およびMMP−9の活性化が抑制される。したがって、本発明の組成物は、MMP−2およびMMP−9の活性化抑制剤としても使用できる。
本発明の組成物をMMP産生抑制用として用いる場合、含有するプロアントシアニジンの量はMMP産生が関与する症状の種類及び程度、本発明の組成物の形態、使用方法を考慮して、必要量が摂取できるような範囲で適宜決定される。すなわち、プロアントシアニジンの有効量の最適範囲の判定は当業者の技術の範囲内であり、制限的であるものではない。
<炎症性サイトカイン抑制用組成物>
本発明の組成物は、炎症性サイトカイン産生を抑制する作用を有し、炎症性サイトカイン産生抑制のための組成物として好適に使用することができる。
本明細書において、「炎症性サイトカイン産生抑制作用」とは、炎症性サイトカインの産生を抑制する作用を意味し、対象となる炎症性サイトカインの遺伝子発現が抑制されているか否かで評価できる。炎症性サイトカイン産生抑制作用には、炎症性サイトカインの産生を完全に抑制することのみならず、炎症性サイトカインの過剰産生を抑制するなどの炎症性サイトカイン産生の部分的な抑制も含まれるものとする。
炎症性サイトカインは、組織損傷や、細菌・ウイルス感染、腫瘍等に伴う炎症に関与する物質であり、リンパ球やマクロファージなどから産生される。
対象となる炎症性サイトカインとしては、例えばインターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−8(IL−8)、腫瘍壊死因子(TNF−α)等が挙げられ、これらのうち、少なくとも1種が対象となればよい。この中でもIL−1及びIL−6が特に好適な対象である。なお、IL−1はIL−1α、IL−1β共に対象となる。
また、MMP−1,MMP−3等の一部のマトリックスメタロプロテアーゼは炎症性サイトカインの刺激を受けて産生されるため、炎症性サイトカインの産生を抑制することによって、間接的にマトリックスメタロプロテアーゼの産生も抑制される。
本発明の組成物を炎症性サイトカイン産生抑制用として用いる場合、含有するプロアントシアニジンの量は炎症性サイトカイン産生が関与する症状の種類及び程度、本発明の組成物の形態、使用方法を考慮して、必要量が摂取できるような範囲で適宜決定される。すなわち、プロアントシアニジンの有効量の最適範囲の判定は当業者の技術の範囲内であり、制限的であるものではない。
<本発明の組成物の形態>
本発明の組成物は、上述の通り、MMP産生抑制作用及び炎症性サイトカイン産生抑制作用を有し、その目的に応じて任意の形態で使用することができる。
典型的な形態として、医薬用組成物、及び医薬用組成物に該当しない皮膚外用組成物(化粧料組成物等)、経口用組成物(サプリメント、機能性食品等)等への使用が可能である。
(医薬組成物)
本発明の組成物の好適形態のひとつは、有効成分であるプロアントシアニジンの有効量を薬学的に許容される基材とともに配合した医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」と記載する場合がある。)である。
本明細書において、「医薬組成物」とは、対象となる疾患の予防、治療、症状の改善の少なくともひとつに対して有用な薬剤を意味する。また、本明細書において、「医薬組成物」には、医薬品のみならず、医薬部外品も含む。
本発明の医薬組成物は、分離されたプロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物以外にもその効能を損なわない範囲で他の薬剤や薬理学的に許容される任意の成分を含んでもよい。
本発明の医薬組成物は、マトリックスメタロプロテアーゼや炎症性サイトカインが関与する疾患の予防、治療、症状の改善の少なくともひとつに対して有用である。すなわち、「予防」には、当該疾患または症状の発症の抑制および遅延が含まれる。また、「治療」には、当該疾患または症状の病態の改善および寛解、並びに当該疾患または症状の進展の抑制が含まれる。
本発明の医薬組成物の対象となるマトリックスメタロプロテアーゼや炎症性サイトカインが関与する疾患又は症状には制限はないが、具体例として例えば、肺気腫、心筋梗塞、関節リウマチ、慢性炎症等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物を含有していればよく、どのような形態の薬剤であっても構わない。本発明の医薬組成物の形態としては、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はカプセル剤等の剤型がある。本発明の医薬組成物の形態は、固体又は液体同士でもよいし、固体と液体でも良いし、特に限定されない。投与方法としては、経口又は非経口であってもよい。本発明の医薬組成物の好適な態様としては、経口剤や皮膚外用剤が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。そのため、ペットフード等の動物用の医薬組成物とすることもできる。
<医薬組成物以外の形態>
上述の通り、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物は、医薬品、医薬部外品以外の製品に配合してもよい。そのような用途のうち、好適な具体例としては、皮膚外用組成物や経口用組成物(但し、医薬組成物である場合は除く)が挙げられる。
(皮膚外用組成物)
本発明の組成物の好適形態のひとつは、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物を配合した皮膚外用組成物である。
以下、本発明の皮膚外用組成物の典型例である化粧料組成物について説明するが、本発明の皮膚外用組成物は化粧料組成物に限定されない。
本発明の皮膚外用組成物は、慣用の化粧料基材を適宜配合し、所望の剤型とすることができる。その形態は特に制限はないが、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリームファンデーション、水性軟膏、スプレー等の形態が挙げられる。また、本発明において、化粧料組成物は、入浴剤、ボディーソープ、シャンプー等の入浴用組成物も含む概念である。
また、本発明の皮膚外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料や皮膚外用医薬、入浴用製品で使用される任意の成分を添加することができる。かかる任意成分の具体例としては、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素剤、金属封鎖剤、防腐剤、pH調整剤、香料、ミツロウ等が挙げられる。これら任意成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。
プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物を、化粧料組成物に配合する割合は任意であるが、MMP産生抑制や炎症性サイトカイン産生抑制の少なくとも一方に寄与できる範囲で配合割合が選択される。
本発明の皮膚外用組成物は、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。そのため、ペットフード等の動物用の皮膚外用組成物とすることもできる。
(経口用組成物)
本発明の組成物の好適形態のひとつは、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物を配合した経口用組成物である。
以下、本発明の皮膚外用組成物の典型例であるサプリメント、機能性食品、食品添加剤について説明するが、本発明の皮膚外用組成物は経口用組成物に限定されない。
本発明のサプリメントは、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物を含有する。本発明のサプリメントの形態は、特に制限されず、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、糖衣錠、フィルム剤、トローチ剤、チュアブル剤、溶液、乳濁液、懸濁液等の任意の形態でよい。
本発明のサプリメントは、本発明の組成物以外に、サプリメントとして通常使用される任意の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、例えば、アミノ酸,ペプチド;ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、葉酸等のビタミン類;ミネラル類;糖類;無機塩類;クエン酸またはその塩;茶エキス;油脂;プロポリス、ローヤルゼリー、タウリン等の滋養強壮成分;ショウガエキス、高麗人参エキス等の生薬エキス;ハーブ類:コラーゲン等が挙げられる。
本発明の組成物は、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物は、日常的に経口摂取しやすいように、各種の食品、飲料と混ぜて機能性食品とすることで、長期的に摂取することも容易である。
ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康の維持の目的で摂取する食品および/又は飲料を意味し、保健機能食品である特定保健用食品や栄養機能食品や、健康食品、栄養補助食品、栄養保険食品等を含む概念である。この中でも保健機能食品である特定保健用食品や栄養機能食品が好ましい機能性食品の態様である。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
本発明の機能性食品の対象となる、食品、飲料は特に限定されるものではない。例えば、食品として、ソーセージ、ハム、魚介加工品、ゼリー、キャンディー、チューインガムなどの食品類が挙げられる。また、飲料としては、各種の茶類、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンクなどが挙げられる。
プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物を、機能性食品に配合する割合は任意であるが、MMP産生抑制や炎症性サイトカイン産生抑制の少なくとも一方に寄与できる範囲で配合割合が選択される。
また、プロアントシアニジン、またはプロアントシアニジンを含む植物抽出物は、それ自体またはこれに他の成分を添加して食品添加剤として使用することも可能である。他の成分は、飲食品添加剤として使用可能であるならば特に制限はない。食品添加剤の添加対象となる飲料、食品についても任意であり、特に制限はない。
本発明の組成物を、食品添加剤に配合する割合は任意であるが、MMP産生抑制や炎症性サイトカイン産生抑制の少なくとも一方に寄与できる範囲で配合割合が選択される。
本発明の経口用組成物は、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。そのため、ペットフード等の動物用の経口用組成物とすることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例の混合溶媒において示す「%」は、特に明示しない限りEightを示す。また、抽出溶媒が混合溶媒の場合、バランスである水は省略して記載する。例えば、「50%エタノール」と記載した場合、50体積%エタノールと50体積%水との混合溶媒を意味する。
1.レンコン抽出物の調製とプロアントシアニジンの精製
原料としてレンコン(皮および節を含む)を使用し、以下の方法でレンコン抽出物の調製とプロアントシアニジンの精製を行った。
まず、レンコン皮および節を含む)を水洗後、70℃熱風乾燥で水分を除去し、粉末化した。得られた試料(レンコン粉末)300gに50%エタノール(Wako)3L(試料の10倍量)を加え、常温で5時間撹拌抽出を行った。得られた抽出液をブフナー漏斗で吸引ろ過(粘稠ろ紙 孔径4μm)後、ろ液を減圧濃縮し濃縮物1を得た。次いで、残渣に50%エタノール2.4L(試料の8倍量)を加え、再抽出し、吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮し濃縮物2を得た。
得られた濃縮物1,2を混合した濃縮物42.01gに洗浄済みの疎水性吸着樹脂(三菱ケミカル株式会社Diaion HP−20)1L(水浸漬時体積)を加え、常温で3時間攪拌吸着した。その後、コック付きガラスろ過器(G1:フィルター孔径100〜120μm)で吸着樹脂をろ過し、吸着樹脂を超純水で洗浄して、水溶性成分を除去した。次いで、エタノールで吸着樹脂に吸着したポリフェノール成分を溶出させ、得られた溶出物を、減圧濃縮乾固して、レンコン由来のプロアントシアニジンを含む固形物(9.95g)を得た。
得られた固形物におけるポリフェノール成分の構造の分析は、既報(Lipids in Health and Disease,2011,10,202)に準じたESI−IT/MSおよびMALDI−TOF/MSを用いる方法で行った。ESI−IT/MS分析には、Bruker Daltnics社のHCT−Ultra(Germany)を用いた。試料を50%メタノールで1mg/mL濃度に溶解し、シリンジポンプを用いて0.2mL/hで直接導入した。ESI−IT/MSの分析条件は、ion mode:negative mode、capillary voltage:4kV、capillary exit:−241V、nebulizing gas:45psi、dry gas:10L/min、dry tempetarure:350℃、scan range:100−1,000m/zで行なった。MALDI−TOF/MS分析は、Bruker Daltonics社のAutoflexIII Smartbeam(Germany)を用いた。50%メタノールで2mg/mLに調製した試料、0.1%trifluoroacetic acidを含む50%アセトニトリルで20mg/mLに調製した2,5−dihydroxybenzoic acidおよびアセトニトリルで2mg/mLに調製したsodium trifluoroacetateを2:10:1の割合で混合した。混合液1μLステンレス製MALDI Target plateに滴下し、常温で乾固させた。MALDI−TOF/MSの分析条件は、ion mode:reflector positive mode、ion source 1:voltage 19kV、ion source2:voltage16.85kV、lens voltage:8.7kV、palsed ion extraction:100ns、mass range:500−3,000m/z、Averaging shots:1,000shotsで行なった。
さらに、得られた固形物のプロアントシアニジン量の測定は、既報(平成23年度佐賀県工業技術センター研究報告書, 2011, 51-55)に準じたバニリン−塩酸法を用いる測定で行った。50%メタノールに適宜溶解した試料0.5mLに4%バニリン−メタノール溶液3mLを加え、撹拌した。さらに、塩酸1.5mLを添加し、撹拌後,室温で15分間静置し、可視紫外分光光度計を用いて500nmにおける吸光度を測定した。標準物質にカテキンを用いて検量線を作成し、試料のプロアントシアニジン量をカテキン当量として換算した。これらの分析を行うことにより、固形物の主成分がエピ/カテキンおよびエピ/ガロカテキンの重合物であるプロアントシアニジンであることを確認した。
2.評価方法
2−1.ヒト表皮角化細胞を用いた試験
ヒト表皮角化細胞HaCaTを10%牛胎児血清含有DMEM培地(10%FBS−DMEM)で30×104 cells/mLに調製した。24wellプレートに1mL播種し、37℃の5%CO2インキュベーター内で24時間培養した。続いて、培地を除去した後、PBS(−)500 μLを添加し、UV−A(15J/cm2;ランプ TOSHIBA SH1002MA, フィルター ASAHI SPECTRA SH0385 LU0325)を照射した。照射後、レンコン抽出物(レンコン由来のプロアントシアニジン)または溶媒のみを添加したDMEM(Gibco)1mLを添加し、37℃の5%CO2インキュベーター内で6hまたは48h培養した。培養後、mRNA発現量をRT-qPCR法で評価した。なお、同時にMTTアッセイを行い、すべての群で細胞生存率に影響を与えないことを確認している。
2−2.ヒト線維芽細胞を用いた試験
ヒト線維芽細胞(NHDF;LONZA)を10%FBS−DMEMで25×104 cells/mLに調製した。24wellプレートに1mL播種し、37℃の5%CO2インキュベーター内で24時間培養した。続いて、培地を除去し、PBS(−)で2回洗浄した後に、PBS(−)500μLを添加し、UV−A(20J/cm2)を照射した。照射後、レンコン抽出物(レンコン由来のプロアントシアニジン)または溶媒のみを添加した10%FBS−DMEM 1mLを添加し、37℃の5%CO2インキュベーター内で6hまたは24h培養した。培養後、mRNA発現量をRT-qPCR法で評価した。なお、同時にMTTアッセイを行い、すべての群で細胞生存率に影響を与えないことを確認している。
2−3.RT−qPCR法による遺伝子発現解析
培地を除去後、細胞をPBS(−)で2回洗浄を行った後、TRIzol Reagent(invitrogen)1mLを24wellプレートへ添加し、細胞を溶解した。細胞溶解液を回収後、クロロホルム(Wako)0.2mLを添加、15秒間激しく撹拌し、室温で2〜3分間静置した。遠心分離(12,000×g、4℃、10分間, TOMY MX−307)後、上層を回収した。さらに、イソプロパノール(Wako)0.5mLを添加し、15秒間撹拌、スピンダウン後、室温で10分間静置した。遠心分離(12,000×g、4℃、10分間)後、上澄みを除去し、75%エタノール1mLを添加し、15秒間撹拌した。遠心分離(12,000×g、4℃、10分間)後、上澄みを除去し、ペレットを乾燥させた後、滅菌超純水を加え、総RNA溶液とした。
cDNAの合成はPrimeScriptTM RT Master Mix(Takara)を用い、製造元プロトコルに従い、PrimeScriptTM RT Master Mix、総RNA 500ngに滅菌超純水を混合し10μL反応溶液として逆転写反応を行った。リアルタイムPCRは、TB GreenTM Premix Ex TaqTMII(Takara)を用いた。TB GreenTM Premix Ex TaqTMII、10nM プライマー(北海道システムサイエンス)、cDNA 100ngに滅菌超純水を混合し25μL反応溶液とし、以下のプライマーリストに示すプライマーを用いてリアルタイムPCR反応を行った。
<プライマーリスト>
GAPDH Forward : 5’- CTTCGCTCTCTGCTCCTCCTG -3’
GAPDH Reverse : 5’- CGCCCAATACGACCAAATCCG-3’
MMP-1 Forward :5’- ACATGAGTCTTTGCCGGAGG-3’
MMP-1 Reverse : 5’- AACCAAGGTTGACTTTATTCCAAACA-3’
MMP-3 Forward : 5’- TGAAGAGTCTTCCAATCCTACTGTTG-3’
MMP-3 Reverse : 5’-CTAGATATTTCTGAACAAGGTTCATGCA-3’
IL-1α Forward : 5’- GAAGAGACGGTTGAGTTTAAGCC-3’
IL-1α Reverse : 5’- CAGGAAGCTAAAAGGTGCTGA-3’
IL-6 Forward : 5’- AGTTCCTGCAGAAAAAGGCAAAG-3’
IL-6 Reverse : 5’- CATTTGCCGAAGAGCCCTCA-3’
PCR反応はBIO−RAD, c1000 TouchTM Thermal Cycler, CFX 96TM Real−Time Systemを用いて、95℃で5分間を1サイクル、95℃で5秒間、62.5 ℃または65 ℃で30秒間を40サイクル行い、解析はBIO−RAD CFX Manager version3.1で比較CT法(Comparative CT法)を用いて行った。
3.評価結果
3−1.レンコン由来のプロアントシアニジンのヒト角化細胞への影響
ヒト表皮角化細胞HaCaTを用いてIL−1α遺伝子発現解析を行った。
その結果、レンコン由来のプロアントシアニジンを添加することにより、UV−A照射によって誘導されたIL−1α遺伝子発現が、未照射群と同程度まで低下する顕著な発現阻害が確認された(図1−a)。このことから、レンコン由来のプロアントシアニジンは、IL−1α遺伝子発現を阻害し、ヒト表皮角化細胞に対して炎症抑制作用を示すことが明らかとなった。
次に、ヒト表皮角化細胞HaCaTを用いてMMP−1遺伝子発現解析を行った。その結果、レンコン由来のプロアントシアニジンを添加することによって、MMP−1遺伝子発現の低下も確認された(図1−b)。また、10μg/mL添加では顕著な発現量の低下が確認された。このことから、レンコン由来のプロアントシアニジンは、MMP−1遺伝子発現を阻害し、ヒト表皮角化細胞に対してコラーゲン分解の発現を阻害することが明らかとなった。
3−2.レンコン由来のプロアントシアニジンのヒト線維芽細胞への影響
ヒト線維芽細胞(NHDF)を用いて、IL−6遺伝子発現解析を行った。その結果、レンコン由来のプロアントシアニジンを添加することにより、UV−A照射によって誘導されたIL−6遺伝子発現が阻害されることが明らかとなった。特に、10μg/mL添加では未照射群と同程度まで発現が阻害されることが確認された(図2(a))。このことから、レンコン由来のプロアントシアニジンはヒト線維芽細胞に対してIL−6遺伝子発現を阻害し、炎症抑制作用を示すことが明らかとなった。
次に、MMP−1及びMMP−3遺伝子発現解析を行った。MMP−1及びMMP−3ではレンコン由来のプロアントシアニジンを添加することにより、遺伝子発現が未照射群と同程度まで低下した(図2(b),(c))。
このことから、レンコン由来のプロアントシアニジンは、MMP−1及びMMP−3遺伝子発現を低下させ、ヒト線維芽細胞に対してコラーゲン分解およびプロテオグリカン分解の発現を阻害することが明らかとなった。
本発明の組成物は、優れたMMP産生抑制作用及び炎症性サイトカイン抑制作用を有するため、各種医薬組成物、皮膚外用組成物、経口用組成物等の用途に好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. プロアントシアニジンを有効成分として含有することを特徴とするマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制用及び/又は炎症性サイトカイン産生抑制用の組成物。
  2. プロアントシアニジンが、レンコン由来のプロアントシアニジンである請求項1に記載の組成物。
  3. プロアントシアニジンを、植物抽出物として含有する請求項1に記載の組成物。
  4. 前記植物抽出物が、レンコン抽出物である請求項3に記載の組成物。
  5. 対象となるマトリックスメタロプロテアーゼが、MMP−1及び/又はMMP−3である請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 対象となる炎症性サイトカインが、IL−1、IL−6、IL−8及びTNF−αから選択される少なくとも1種のサイトカインである請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
  7. 医薬組成物である請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
  8. 皮膚外用組成物(但し、医薬組成物である場合を除く。)である請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
  9. 経口用組成物(但し、医薬組成物である場合を除く。)である請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
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