JP2020100280A - 防振クランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】車体にブレーキ配管を支持するための防振クランプにおいて、ブッシュによる防振性を可及的に高めたうえで、クランプハウジングに外力が付与されたときの前記ブッシュおよび前記クランプハウジングの抜け出しを防止する。【解決手段】ブッシュ20は、クランプハウジング10の外筒部12の軸方向少なくとも一端側から外側に張り出す大きさに設定されている。センターピース30は、ブッシュ20の中心孔に挿入される内筒部31と、この内筒部31の前端に設けられるフランジ32と、を有する。フランジ32は、内筒部31の中心から180度対向する向きに延出するような帯板形状に形成されている。このフランジ32の前記延出方向の両端間寸法(図6の200)が、クランプハウジング10の外筒部12の内径寸法(図6の201)よりも大きく設定されている。【選択図】図2
Description
本発明は、車体にブレーキ配管を支持するための防振クランプに関する。
例えば特許文献1には、アンチロックブレーキシステム(ABS)のアクチュエータをサイドメンバおよびフロアパネルの底壁にブラケットおよびゴムマウントを介して固定する構造が記載されている。
上記特許文献1において、前記ゴムマウントの防振性を高める目的で当該ゴムマウントのボリュームを増大する場合、当該ゴムマウントの取り付け形態に工夫が必要になる。ここに改良の余地がある。
このような事情に鑑み、本発明は、車体にブレーキ配管を支持するための防振クランプにおいて、ブッシュによる防振性を可及的に高めたうえで、クランプハウジングに外力が付与されたときの前記ブッシュおよび前記クランプハウジングの抜け出しを防止することを目的としている。
本発明は、車体にブレーキ配管を支持するための防振クランプであって、中心孔を有する弾性材からなるブッシュと、このブッシュが内嵌装着される外筒部および前記ブレーキ配管を保持する保持部を有するクランプハウジングと、このクランプハウジングに装着された前記ブッシュの中心孔に挿入される内筒部および前記ブッシュの前端面に当接されるフランジを有しかつ前記車体側に固定可能とされるセンターピースと、を備え、前記ブッシュは、前記クランプハウジングの外筒部の軸方向少なくとも一端側から外側に張り出す大きさに設定され、前記フランジは、前記内筒部の前端面に当該内筒部の中心から180度対向する向きに延出するように設けられることによって帯板形状に形成され、当該フランジの前記延出方向の両端間寸法が前記クランプハウジングの外筒部の内径寸法よりも大きく設定されている、ことを特徴としている。
この構成では、前記車体に取り付けた防振クランプの前記保持部に前記ブレーキ配管を保持させた状態において、当該ブレーキ配管が振動したときに前記ブッシュが前記振動を減衰するようになるので、前記ブレーキ配管の振動が車体に伝達することが抑制または防止されることになる。
そして、前記ブッシュを前記クランプハウジングの外筒部の軸方向少なくとも一端側から外側に突出させているから、前記ブッシュを前記外筒部から突出させていない場合に比べて当該ブッシュのボリュームが増大することになる。これにより、前記ブレーキ配管から前記クランプハウジングに伝達する振動を減衰する効果が可及的に向上することになる。これにより、前記ブレーキ配管周りのNV性能の向上に貢献できるようになる。
このように防振性を向上させるために前記ブッシュのボリュームを増大させるような構成を採用した場合、前記クランプハウジングに外力が付与されたときに、当該クランプハウジングの外筒部から前記ブッシュが抜け出しやすくなる。しかしながら、上記構成では、前記ブッシュおよび前記クランプハウジングを前記センターピースのフランジで受け止めさせることを可能にしているから、前記ブッシュおよび前記クランプハウジングの外筒部が前記センターピースから抜け出すことを防止できるようになる。
ところで、上記防振クランプにおいて、前記ブッシュには、前記フランジ側へ向けて突出されるとともに前記クランプハウジングの外筒部と前記センターピースのフランジにおいて前記延出方向に沿う二つの長辺との間に介在される凸部が設けられている。
この構成によれば、前記クランプハウジングにその外筒部を前記センターピースに対して相対回転させるような回転力が入力されたときに、前記クランプハウジングが前記弾性材からなるブッシュの凸部に押し付けられて回り止めされることになるから、前記クランプハウジングが前記センターピースのフランジに直接的に衝突せずに済むようになる。これにより、衝突音が発生せずに済む。
また、上記防振クランプにおいて、前記ブッシュおよび前記クランプハウジングの外筒部は楕円形に形成されている。
この構成によれば、前記ブッシュが前記クランプハウジングの外筒部に対して回り止めされる。
また、上記防振クランプにおいて、前記ブッシュの内周面において180度対向する二ヶ所には、当該二ヶ所からそれぞれ90度ずれた二ヶ所を径方向内向きに加圧したときに当該ブッシュの外周長さを短縮させるための伸縮部が設けられている。
この構成によれば、前記ブッシュを前記クランプハウジングの外筒部内に内嵌装着しやすくなる。つまり、ブッシュの組付性が向上する。
また、上記防振クランプは、前記車体に取り付けられるクランプ受け部材を有し、このクランプ受け部材は、前記ブッシュの内端面を受ける基板と、この基板に取り付けられて前記センターピースの内筒部の内孔に挿入されるスタッドボルトと、を有する構成とされており、前記内筒部の内孔には、前記スタッドボルトのねじ溝に引っ掛けられる爪が設けられている。
この構成によれば、前記クランプ受け部材を前記車体に後付設置できるから、前記車体に前記防振クランプを取り付けるためのスタッドボルト等を前記車体側に予め設置しておく必要が無くなるので、前記防振クランプの取り付け対象となる車体を設計変更する必要が無くなる。
また、上記防振クランプにおいて、前記ブッシュには、前記クランプハウジングの外筒部と前記センターピースのフランジの長手方向一端側および他端側との間に介在される板片が設けられている。
この構成によれば、前記クランプハウジングにその外筒部を前記センターピースのフランジの長手方向一端側および他端側に接近または離隔させるようなモーメント荷重が入力されたときに、前記クランプハウジングの外筒部が前記弾性材からなるブッシュの板片に押し付けられるようになるから、当該外筒部が前記センターピースのフランジに直接的に衝突せずに済むようになる。これにより、衝突音が発生せずに済む。
本発明に係る防振クランプは、ブッシュによる防振性を可及的に高めたうえで、クランプハウジングに外力が付与されたときの前記ブッシュおよび前記クランプハウジングの抜け出しを防止することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図12に、本発明の一実施形態を示している。本発明に係る防振クランプの説明に先立ち、図12を参照して、防振クランプの使用形態を説明する。
図12において、1は車両右側のサイドレール、2は車両右側のサスペンションタワー、3はブレーキアクチュエータ、4は多数のブレーキ配管、5はブラケット、6はエンジンコンパートメント、7はダッシュボード。8は防振クランプである。
また、Frは車両前側、Rrは車両後側、Rhは車両右側、INは車両内側、Upは鉛直方向上側を示している。
サイドレール1およびサスペンションタワー2は、車体の一部を構成する要素である。
ブレーキアクチュエータ3は、ブレーキの油圧制御に用いられるものであって、例えばエンジンコンパートメント6内において車両右側のサスペンションタワー2寄りの位置にブラケット5を介して取り付けられる。
多数のブレーキ配管4は、ブレーキの作動油圧通路であって、例えばブレーキアクチュエータ3、不図示のマスタシリンダならびに不図示のホイールシリンダ等にそれぞれ接続される。
多数のブレーキ配管4は、ブレーキアクチュエータ3の近傍において束ねられた状態で本発明の一実施形態に係る防振クランプ8を介してダッシュボード7に支持されている。
次に、上記防振クランプ8について図1から図11を参照して詳細に説明する。
防振クランプ8は、クランプハウジング10、ブッシュ20、センターピース30、抜け止め部材40、を備えている。
クランプハウジング10は、保持部11と、外筒部12と、を有している。このクランプハウジング10は、合成樹脂材等で形成される。
保持部11は、多数のブレーキ配管4を保持する部分であって、二本の太いブレーキ配管4と、三本の細いブレーキ配管4とを背中合わせに保持することが可能な構造になっている。
外筒部12は、ブッシュ20が内嵌装着される部分であって、保持部11の上端に一体に連接されている。
この外筒部12は、左右方向に長い楕円形に形成されている。外筒部12の左側部分および右側部分には、径方向内向きに突出する凸条部13が設けられている。
ブッシュ20は、ブレーキ配管4の振動を減衰する部材であって、例えばゴム等の弾性材で形成されている。
このブッシュ20の外形は、左右方向に長い楕円形に形成されている。ブッシュ20の左側部分および右側部分には、溝21が設けられている。この溝21は、クランプハウジング10の外筒部12における凸条部13が合致して嵌合されるような形状とされている。
このブッシュ20の溝21と外筒部12の凸条部13とを嵌合させることによって、外筒部12に対してブッシュ20が円周方向ならびに中心軸線方向に位置決めされるようになる。
センターピース30は、防振クランプ8をダッシュボード7に固定するための部材であって、内筒部31と、フランジ32と、を有している。このセンターピース30は、合成樹脂材等で形成される。
内筒部31は、ブッシュ20の中心孔に挿入される部分であって、断面形状が左右方向に長い楕円形に形成されている。
この内筒部31の左側部分および右側部分は、径方向外向きに開放されている。また、内筒部31の上壁および下壁の各内面には、多数の爪31aが設けられている。この爪31aは、下記するクランプ受け部材9のスタッドボルト92のねじ溝(符号省略)に係止される部分である。
さらに、内筒部31の上壁および下壁の各外面には、突起31bが設けられている。この突起31bは、下記する抜け止め部材40の係止片42の孔(符号省略)が嵌められる部分である。
フランジ32は、内筒部31の前端面に当該内筒部31の中心から180度対向する向きに延出させられることによって帯板形状に形成されている。
なお、フランジ32の長手方向中央には、貫通孔32aが設けられている。この貫通孔32aは、内筒部31の内孔と連続したものであって、平面視でフランジ32の長手方向に沿って長くなるような小判形状の長孔とされている。
抜け止め部材40は、防振クランプ8を組み立てた状態で当該防振クランプ8の構成要素を非分離にするための部材であって、輪状部41の180度対向する二ヶ所に係止片42を一体に設けた構成になっている。
この係止片42は、U字形に形成されており、その孔部分がセンターピース30の突起31bに嵌まるようになる。
次に、防振クランプ8の組み立て手順について説明する。クランプハウジング10の外筒部12内にブッシュ20を内嵌装着してから、このブッシュ20の中心孔内にセンターピース30の内筒部31を挿入し、さらにブッシュ20の中心孔の内周面とセンターピース30の内筒部31の上壁および下壁との対向隙間内に抜け止め部材40の係止片42を押し込む。
詳しくは、図5および図6に示すように、抜け止め部材40の輪状部41をブッシュ20の後端面に当接させるようにして抜け止め部材40の係止片42を前記対向隙間内に押し込むと、当該係止片42の孔部分がセンターピース30の突起31bに嵌まることになる。
なお、係止片42の孔部分がセンターピース30の突起31bに完全に嵌まる過程において、係止片42が弾性変形してから復元するのであるが、当該係止片42が復元したときに内筒部31の上壁および下壁に当接することになるために、「カチッ」という音がする。このことから、作業者は、抜け止め部材40を押し込むときに、前記音がするまで押し込めば係止片42が突起31bに確実に嵌まったことを認識できるようになる。
このようにして、抜け止め部材40がセンターピース30に係止されると、防振クランプ8の構成要素のすべてが非分離となる状態で組み立てられたことになる。
このように組み立てた防振クランプ8であれば、当該防振クランプ8を使用場所に取り付けるまでの過程において、防振クランプ8の構成要素がバラバラに分離しなくなるので、その持ち運びや取り扱いが簡単になる。
次に、上述したような構成の防振クランプ8をダッシュボード7に取り付ける手順について説明する。
その前準備として、ダッシュボード7にクランプ受け部材9を取り付ける。このクランプ受け部材9は、防振クランプ8を車体としてのダッシュボード7に固定するために用いられる部材であって、基板91と、スタッドボルト92と、を有している。
基板91は、ほぼ矩形状の板からなる。この基板91の一辺寄りには、取付片91aが連接されている。この取付片91aには、クランプ受け部材9をダッシュボード7に固定するためのねじ93が挿通される挿通孔91bが設けられている。
スタッドボルト92は、防振クランプ8をクランプ受け部材9に固定するための部材であって、図5に示すように、基板91の表面側の中央位置に当該基板91の厚み方向に突出するように固定されている。
なお、後述するが、スタッドボルト92のねじ溝に、上述したセンターピース30の複数の爪31aが係止されることによって、クランプ受け部材9に防振クランプ8が固定されるようになる。
まず、上述したようにして防振クランプ8を組み立ててから、ダッシュボード7にクランプ受け部材9に取り付ける。このとき、クランプ受け部材9の取付片91aの挿通孔91b内にねじ93を差し入れてダッシュボード7にねじ込む。
この後、前記組み立てた防振クランプ8のセンターピース30の内筒部31の内孔をクランプ受け部材9のスタッドボルト92に嵌め合わせる。このとき、ブッシュ20の内端面がクランプ受け部材9の基板91に当接するまで、防振クランプ8を押し込めばよく、それにより、センターピース30の内筒部31における多数の爪31aがスタッドボルト92のねじ溝に係止されることになって、防振クランプ8がクランプ受け部材9に非分離に取り付けられることになる。
この後、上述したようにしてダッシュボード7に取り付けた防振クランプ8の保持部11に多数のブレーキ配管4を取り付ければよい。
そして、この取り付け状態において、ブレーキアクチュエータ3を作動させたときに、ブレーキ配管4が振動することがある。このブレーキ配管4の振動は、防振クランプ8のクランプハウジング10に伝達されるものの、このクランプハウジング10の振動は、ブッシュ20により減衰されることになるので、センターピース30およびクランプ受け部材9を経てダッシュボード7に伝達することが抑制または防止されることになる。
ところで、この実施形態の防振クランプ8では、ブッシュ20による防振性を可及的に高めるようにしたうえで、当該ブッシュ20の組付性を可及的に高めるとともにブッシュ20およびクランプハウジング10の抜け出しを阻止するように工夫しているので、以下で詳細に説明する。
まず、防振性を高めるために、ブッシュ20は、図4に示すように、クランプハウジング10の外筒部12の軸方向一方側(後端側)から外側に張り出す大きさとされている。つまり、ブッシュ20の後端側に、円筒形の張り出し部22が一体に設けられることによって、ブッシュ20のボリュームが可及的に増大されるようになっている。
このようにブッシュ20のボリュームを可及的に増大すれば、防振性を高めることができる。しかしながら、そのような構成を採用した場合には、当該ブッシュ20をクランプハウジング10の外筒部12に対して組み付けにくくなる。
そこで、ブッシュ20の組付性を高めるために、ブッシュ20の上部および下部には、図7に示すように、伸縮部23が設けられている。
この伸縮部23は、薄肉のアーチからなり、当該伸縮部23の内径側には、ブッシュ20の中心孔に連なる肉抜き部24つまり空間が設けられている。
そして、伸縮部23の外径面における円周方向の中間が径方向内向きに凹まされることにより薄肉とされており、また、伸縮部23の内径面における円周方向の両端が、径方向外向きに凹まされることにより薄肉とされている。
このような伸縮部23を設けることによって、ブッシュ20の上部および下部をブッシュ20の円周方向に折り畳んで短縮させることが可能になる。
この伸縮部23の動作を説明する。ブッシュ20単体において、その左側部分および右側部分を径方向内向きに圧縮させたときに、当該ブッシュ20の上部および下部の伸縮部23がその薄肉部位を起点として比較的容易に折り畳まれて短縮されることになるので、ブッシュ20において張り出し部22を除く領域における最大外径部位の内径寸法が、図11の符号100から符号101で示すように短縮することになる。
このときの前記最大外径部位の短縮前の内周面の位置は、図11において二点鎖線で示している。これにより、ブッシュ20の外周長さが短縮されたことになる。
つまり、クランプハウジング10の外筒部12にブッシュ20を組み付ける際に、前記したようにブッシュ20の前記最大外径部位の内径寸法を短縮させれば、当該組み付け作業を比較的簡単に行うことが可能になる。
このようにして楕円形の外筒部12に楕円形のブッシュ20を組み付けると、ブッシュ20の溝21が外筒部12の凸条部13に嵌合することになるので、外筒部12に対してブッシュ20が円周方向および中心軸線方向に相対的に動くことを阻止できるようになる。これにより、ブッシュ20の保持性が可及的に高められることになる。
ところで、防振クランプ8の使用状態において、クランプハウジング10の外筒部12に図6の矢印で示すようなモーメント荷重300が付与されたときに、クランプハウジング10およびブッシュ20がセンターピース30から外れないように工夫している。
前記モーメント荷重300とは、クランプハウジング10の外筒部12をセンターピース30のフランジ32の長手方向一端側および他端側に接近または離隔させるような荷重のことである。
図6に示すように、フランジ32においてその延出方向の両端間寸法200が、クランプハウジング10の外筒部12において最大外径部位の内径寸法201よりも大きく設定されている。
これにより、クランプハウジング10の外筒部12にモーメント荷重300が付与されたときに、外筒部12がセンターピース30のフランジ32に受け止められることになるので、クランプハウジング10およびブッシュ20がセンターピース30から外れなくなる。
このように、クランプハウジング10の外筒部12がセンターピース30のフランジ32に受け止められるときに、それらが直接的に衝突すると、衝突音が発生するので、NV性能の悪化につながる。
そこで、図3、図6および図7に示すように、前記直接的な衝突を防止するために、弾性材からなるブッシュ20の前端面における左側部分および右側部分の計二ヶ所に、上下の凸部25の間に架け渡される板片26を設け、この板片26の外径側を外筒部12の最大外径部位の内径面よりも外側へ張り出すように設定している。これにより、防振クランプ8の組立状態において、板片26がセンターピース30のフランジ32とクランプハウジング10の外筒部12との間に非接触に介在されるようになる。
そのため、前記のようにクランプハウジング10の外筒部12にモーメント荷重300が付与されることに伴い外筒部12がセンターピース30のフランジ32に受け止められる際に、それらが直接的に衝突することが弾性材からなるブッシュ20の板片26によって阻止されるので、前述したような衝突音が発生することを防止できるようになる。
また、防振クランプ8の使用状態において、図3の矢印で示すようにクランプハウジング10に回転力400または上下方向の押圧力500が付与されたときに、クランプハウジング10の外筒部12をセンターピース30のフランジ32に直接的に衝突させないように工夫している。
ブッシュ20の前端面における上部および下部において上記伸縮部23の円周方向両側の計四ヶ所には、軸方向前方へ向けて突出する凸部25が設けられている。
これら四つの凸部25は、クランプハウジング10の外筒部12の前端から外側に突出するとともに、センターピース30のフランジ32における二つの長辺とクラックハウジング10の外筒部12における上下の庇部12aとの間に介在されるように設けられている。
これにより、クランプハウジング10に図3の矢印で示すような回転力400が付与されたときに、クランプハウジング10の外筒部12に装着しているブッシュ20の四つの凸部25がセンターピース30のフランジ32に押し付けられることになって、ブッシュ20およびクランプハウジング10の外筒部12が回り止めされることになるので、クランプハウジング10の外筒部12がセンターピース30のフランジ32に直接的に衝突せずに済むようになる。
また、クランプハウジング10に図3の矢印で示すような上下方向の押圧力500が付与されたときに、クランプハウジング10の外筒部12に装着しているブッシュ20の四つの凸部25がセンターピース30のフランジ32または外筒部12における上下の庇部12aに押し付けられることになって、ブッシュ20およびクランプハウジング10の外筒部12の上下変位量が規制されることになるので、クランプハウジング10の外筒部12がセンターピース30のフランジ32に直接的に衝突せずに済むようになる。
以上説明したように、この実施形態によれば、防振クランプ8で支持するブレーキ配管4が振動しても防振クランプ8のブッシュ20が前記振動を減衰することが可能になるので、ブレーキ配管4の振動が車体としてのダッシュボード7に伝達することが抑制または防止されることになる。
そして、防振クランプ8による防振性を高めることを狙って、ブッシュ20の後端側にクランプハウジング10の外筒部12から外側に張り出す張り出し部22を設けることによりブッシュ20のボリュームを増大するように設計した場合においても、クランプハウジング10に外力が付与されたときに、センターピース30のフランジ32がブッシュ20およびクランプハウジング10の外筒部12を受け止めることによって、それらの抜け出しを阻止することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)上記実施形態では、クランプハウジング10の保持部11について二本の太いブレーキ配管4と三本の細いブレーキ配管4とを保持するようにした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、保持部11に保持させるブレーキ配管4の数は任意とすることが可能である。
(2)上記実施形態では、クランプハウジング10の保持部11に二本の太いブレーキ配管4と三本の細いブレーキ配管4とを背中合わせの横二列に並べて保持するようにした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
具体的に、図13に示す防振クランプ8は、クランプハウジング10の保持部11について、多数のブレーキ配管4を縦一列に保持させる形態にしている。
図13に示す例では、保持部11の最上位置と最下位置とに細いブレーキ配管4を一本ずつ保持させるようにし、保持部11の上下方向の中間位置に二本の太いブレーキ配管4を保持させるようにしている。
なお、保持部11に保持させる細いブレーキ配管4や太いブレーキ配管4の数については任意とすることが可能である。
(3)上記実施形態では、ブッシュ20に凸部25および板片26を設けた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、ブッシュ20に凸部25および板片26の両方を設けていない構造、またはいずれか一方を設けていない構造も本発明に含まれる。
本発明は、車体にブレーキ配管を支持するための防振クランプに好適に利用することが可能である。
3 ブレーキアクチュエータ
4 ブレーキ配管
7 ダッシュボード
8 防振クランプ
10 クランプハウジング
11 保持部
12 外筒部
12a 庇部
13 凸条部
20 ブッシュ
21 溝
22 張り出し部
23 伸縮部
24 肉抜き部
25 凸部
26 板片
30 センターピース
31 内筒部
31a 爪
31b 突起
32 フランジ
32a 貫通孔
40 抜け止め部材
41 輪状部
42 係止片
9 クランプ受け部材
91 基板
91a 取付片
91b 挿通孔
92 スタッドボルト
93 ブラケット固定用のねじ
4 ブレーキ配管
7 ダッシュボード
8 防振クランプ
10 クランプハウジング
11 保持部
12 外筒部
12a 庇部
13 凸条部
20 ブッシュ
21 溝
22 張り出し部
23 伸縮部
24 肉抜き部
25 凸部
26 板片
30 センターピース
31 内筒部
31a 爪
31b 突起
32 フランジ
32a 貫通孔
40 抜け止め部材
41 輪状部
42 係止片
9 クランプ受け部材
91 基板
91a 取付片
91b 挿通孔
92 スタッドボルト
93 ブラケット固定用のねじ
Claims (2)
- 車体にブレーキ配管を支持するための防振クランプであって、
中心孔を有する弾性材からなるブッシュと、このブッシュが内嵌装着される外筒部および前記ブレーキ配管を保持する保持部を有するクランプハウジングと、このクランプハウジングに装着された前記ブッシュの中心孔に挿入される内筒部および前記ブッシュの前端面に当接されるフランジを有しかつ前記車体側に固定可能とされるセンターピースと、を備え、
前記ブッシュは、前記クランプハウジングの外筒部の軸方向少なくとも一端側から外側に張り出す大きさに設定され、
前記フランジは、前記内筒部の前端面に当該内筒部の中心から180度対向する向きに延出するように設けられることによって帯板形状に形成され、当該フランジの前記延出方向の両端間寸法が前記クランプハウジングの外筒部の内径寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする防振クランプ。 - 請求項1に記載の防振クランプにおいて、
前記ブッシュには、前記フランジ側へ向けて突出されるとともに前記クランプハウジングの外筒部と前記センターピースのフランジにおいて前記延出方向に沿う二つの長辺との間に介在される凸部が設けられている、ことを特徴とする防振クランプ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018239564A JP2020100280A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | 防振クランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018239564A JP2020100280A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | 防振クランプ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020100280A true JP2020100280A (ja) | 2020-07-02 |
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---|---|---|---|
JP2018239564A Pending JP2020100280A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | 防振クランプ |
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2018
- 2018-12-21 JP JP2018239564A patent/JP2020100280A/ja active Pending
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