JP2020100079A - シャフトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒部材の内側に射出された樹脂と、筒部材の内周の壁面との密着力を高める。【解決手段】上型11と、下型12と、マンドレル13と、パンチ14と、を有し、筒部材2の内周面を樹脂で被覆するシャフトの製造方法であって、下型12に載置した筒部材2の内側に上方からマンドレル13を挿入し、上型11を降下させ、筒部材2の内側とマンドレル13の外周の間において、上型11により上側を覆った空間を形成し、空間に樹脂を射出して射出成形し、樹脂を冷却させながら、パンチ14によりマンドレル13の上部を下方向に押圧し、マンドレル13は、樹脂が径の中心方向に収縮する収縮力より大きな力で、樹脂を外径方向に加圧して拡管する。【選択図】図3
Description
本発明は、複合材のシャフトの製造方法に関する。
従来、このような分野の技術として、特開2001−121606号公報がある。この公報には、予め型を取った樹脂を金属成形体の表面に被覆し、加熱することで樹脂を膨張させ、金属に熱吸着することで密着力を高めることが記載されている。
しかしながら、前述した従来の樹脂の被覆方法では、モーターシャフト等の筒状の部材の内側を樹脂で被覆することができない場合がある。また、金属の筒部材に樹脂をインサート成形する場合、金属の筒部材の内部に樹脂を挿入すると、金属と樹脂の界面の接合が難しいという問題がある。これは、射出成形で注入された高温の樹脂は、冷却に伴って収縮する際に、筒の径における中心方向に向かうように力が作用するため、樹脂が金属から剥がれやすくなるためである。
本発明は、筒部材の内側に射出された樹脂と、筒部材の内周の壁面との密着力を高めたシャフトの製造方法を提供するものである。
本発明は、筒部材の内側に射出された樹脂と、筒部材の内周の壁面との密着力を高めたシャフトの製造方法を提供するものである。
本発明にかかるシャフトの製造方法は、上型と、下型と、マンドレルと、パンチを有する鍛造金型を用いて筒部材の内周面を樹脂で被覆するシャフトの製造方法であって、前記下型に載置した前記筒部材の内側に上方から前記マンドレルを挿入し、前記上型を降下させ、前記筒部材の内側と前記マンドレルの外周の間に、前記上型により上側を覆った空間を形成し、前記空間に前記樹脂を射出して射出成形し、前記樹脂を冷却させながら、前記パンチにより前記マンドレルの上部を下方向に押圧し、前記マンドレルは、前記樹脂が径の中心方向に収縮する収縮力より大きな力で、前記樹脂を外径方向に加圧して拡管する。
これにより、シャフトの内周に射出した樹脂が冷却する際に、シャフトの内周の壁面に向けて樹脂を押圧した状態で冷却させることができる。
これにより、シャフトの内周に射出した樹脂が冷却する際に、シャフトの内周の壁面に向けて樹脂を押圧した状態で冷却させることができる。
これにより、筒部材の内側に射出された樹脂と、筒部材の内周の壁面との密着力を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、成形装置1は、筒部材(以後、円筒部材)2の上方に配置される上型11と、円筒部材2の下側に配置される下型12と、円筒部材2の内周側に配置されるマンドレル13と、マンドレル13を上方から下向きに押圧するパンチ14と、を備える。なお、上型11、下型12は鍛造に用いる鍛造金型である。
ここで、図1は、成形装置1を用いたシャフトの製造過程であって、円筒部材2の外径方向からの視点における成形装置1及び円筒部材2の断面の概略図である。この成形装置1を用いて、図2に示すようなシャフトを成形する。図2(a)は、成形されたシャフトの上面の概略図であり、図2(b)は、A−A断面の概略図である。図2(c)は、図2(a)で示したシャフトの上面の一部の拡大図である。
円筒部材2は上面視した場合に円環状の金属体であり、上下方向(Z方向)に延在する部材である。すなわち、円筒部材2は、XY方向が径方向となるように配置されている。成形装置1において、円筒部材2の下端は、下型12の上面に当接するように配置される。
上型11は、円筒部材2の上方に配置されている。上型11は、成形中に下降動作することで、下面が円筒部材2の上端に当接する。上型11には、上下方向に貫通する穴部11aが形成されている。この上型11に設けられた穴部11aの径は、円柱状であるマンドレル13の径と同程度の長さであり、かつ、上方からパンチ14を挿入できる大きさで形成されている。
下型12は、円筒部材2の下方に配置されている。下型12には、マンドレル13と円筒部材2の内周面との間に、樹脂3を射出するための射出孔12aが形成されている。
マンドレル13は、上下方向に延在する略円柱状の弾性体である。例えば、マンドレル13の上下方向の長さは、円筒部材2の上下方向の長さより長い。また、マンドレル13は弾性体であるため、上面をパンチ14に押圧された場合に、外径方向に径が広がるように変形する。
パンチ14は、例えば、上下方向の長さがマンドレル13に比べて短く、マンドレル13と略同径の円柱である。パンチ14は、上型11に設けられた穴部11aに対して上方から挿入され、マンドレル13の上面を押圧する。
次に、図3を参照して、成形装置1によるシャフトの製造の手順について説明する。
図3(a)に示すように、下型12の上面に、円筒部材2を載置した状態とする。円筒部材2は、XY方向を径方向として、Z方向に延在するように配置する。
図3(b)に示すように、円筒部材2の内側である中空部に対して、上方からマンドレル13を挿入する。なおこのとき、下型12に設けられた樹脂3の射出孔12aは、円筒部材2の内側かつマンドレル13の外側の箇所に樹脂3を射出できるように配置する。
図3(c)に示すように、上型11を円筒部材2の上方に配置した状態で降下させ、円筒部材2の上端に当接させる。このとき上型11は、マンドレル13と円筒部材2の間に形成される空間の上側について、少なくとも一部を覆った状態である。例えば上型11は、マンドレル13と円筒部材2の間の樹脂3を充填させるための空間について、その空間の上側を閉塞させるものであってもよい。
その後、マンドレル13と円筒部材2の間の空間に対して、下型12の射出孔12aから高温の樹脂3を射出して充填した状態にする。
図3(d)に示すように、パンチ14によりマンドレル13の上面を下方に押圧する。例えば、パンチ14が、上型11の穴部11aに入り込むようにして、マンドレル13を押圧する。このとき、弾性体であるマンドレル13はパンチ14によって上部を押圧されるとともに、下部は下型12により固定されているため、外径方向に拡大する。拡大したマンドレル13は、樹脂3を、円筒部材2の内周の壁面に向けて押圧する。
なおこのとき、図4に示すように、樹脂3の冷却の進行に応じて、パンチ14によりマンドレル13を押圧する力を強め、マンドレル13の径を拡大させることができる。ここで樹脂3は、冷却によって収縮するため径の中心方向に力が加わるが、これに対抗してマンドレル13の径が拡大することによって、樹脂3に外径方向の力を加えることができる。
このように、樹脂3の径の中心方向への収縮力より大きな力で、マンドレル13が樹脂3を外径方向に加圧して拡管するように、パンチ14によりマンドレル13を押圧することができる。
樹脂3が冷却されて円筒部材2の内側壁面に固定されたら、図3(e)に示すように、パンチ14によるマンドレル13の押圧を終了し、マンドレル13を円筒部材2の内側から取り出す。このとき、マンドレル13の外径は、もともと円筒部材2の内径より小さいものであるため、パンチ14による押圧が無くなることにより径方向に拡大された状態から元の状態に戻る。したがって、マンドレル13は、円筒部材2の内側から容易に取り出すことができる。
このようにして、シャフトの成形において、円筒部材の内部に挿入したマンドレルを拡径して、外径方向に押圧する力を樹脂に与えることで、樹脂と円筒部材の内周の壁面とを密着させた状態で被覆させることができる。このとき樹脂は、円筒部材の内周面側、すなわち外周側に収縮するため、剥離が発生しにくくなる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、シャフトとして用いる筒部材が円筒状であるものとして説明したが円筒に限られず、例えば、スプライン状や多角形状の筒部材であってもよい。またモーターに用いられるシャフトに限らず、外殻を金属、内殻が樹脂であるように、樹脂を内側にインサートして成形する製品であれば、適用が可能である。
さらに上記では、マンドレルを上下で拘束して押圧することで外径方向に拡大させ、樹脂を円筒の内壁に押圧させることとしたが、内側から樹脂を円筒の内壁に押圧するために、マンドレル以外のものを用いても良い。例えば、マンドレルに代わって、コレットパンチ等を用いることができる。
1 成形装置
2 筒部材
3 樹脂
11 上型
11a 穴部
12 下型
12a 射出孔
13 マンドレル
14 パンチ
2 筒部材
3 樹脂
11 上型
11a 穴部
12 下型
12a 射出孔
13 マンドレル
14 パンチ
Claims (2)
- 上型と、下型と、マンドレルと、パンチと、を有し、筒部材の内周面を樹脂で被覆するシャフトの製造方法であって、
前記下型に載置した前記筒部材の内側に上方から前記マンドレルを挿入し、
前記上型を降下させ、前記筒部材の内側と前記マンドレルの外周の間において、前記上型により上側を覆った空間を形成し、
前記空間に前記樹脂を射出して射出成形し、
前記樹脂を冷却させながら、前記パンチにより前記マンドレルの上部を下方向に押圧し、
前記マンドレルは、前記樹脂が径の中心方向に収縮する収縮力より大きな力で、前記樹脂を外径方向に加圧して拡管する
シャフトの製造方法。 - 射出された前記樹脂の温度の低下に応じて、前記パンチが前記マンドレルを押圧する力が強くなるように制御を行う、
請求項1に記載のシャフトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018239958A JP2020100079A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | シャフトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018239958A JP2020100079A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | シャフトの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020100079A true JP2020100079A (ja) | 2020-07-02 |
Family
ID=71140737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018239958A Pending JP2020100079A (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | シャフトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020100079A (ja) |
-
2018
- 2018-12-21 JP JP2018239958A patent/JP2020100079A/ja active Pending
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