JP2020099022A - 電力供給及び信号伝送の方法、並びに、電力供給及び信号伝送の装置 - Google Patents

電力供給及び信号伝送の方法、並びに、電力供給及び信号伝送の装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電源用の金属ケーブルを用いることなく且つ簡素な構成によって信号と電力とを一括りのものとして伝送することができるようにする。【解決手段】親機10と、当該親機10と光伝送路1を介して接続されると共に所定の動作を実行する機能部24を備える子機20とを有する構成において、機能信号で変調された光が親機10から出射され、子機20において、親機10から出射されて光伝送路1を介して伝送される光が電力に変換されると共に当該電力が直流成分と交流成分とに分離され、直流成分が機能部24を動作させるための電力として機能部24へと供給され、交流成分が機能部24としての所定の動作を実行するための機能信号に対応する信号として機能部24へと入力されるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、電力供給及び信号伝送の方法並びに電力供給及び信号伝送の装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、電気信号を光信号に変換して光伝送路を介して伝送する仕組みや光伝送路を介して光を伝送して電力を供給する仕組みに適用して好適な技術に関する。
電気信号を光信号に変換して光伝送路によって伝送する従来のシステムとして、例えば、携帯電話基地局が携帯端末と通信する携帯電話信号の無線通信信号を光信号に変換し、光ファイバで接続される親局と子局との間で中継伝送するROFシステムにおいて、入力される無線通信信号を平均光出力レベルが一定である光信号にして光ファイバを介して送信する光送信器と、光ファイバを介して受信する光信号を変換した電気信号の平均レベルを利得調整信号として出力するモニタ手段と、光信号の無線通信信号を増幅する利得が調整可能な可変利得増幅手段と、入力される利得調整信号をサンプルホールドして可変利得増幅器に出力する制御電圧保持手段と、モニタ手段へ供給する電力のスイッチ、および内部タイマを参照して自装置に給電開始されたタイミングから所定の時間に制御電圧保持手段にサンプルホールドを行う制御とサンプルホールドの出力が済むまでの間スイッチをONにする制御とを行う監視制御手段とを備える光受信器とを親局と子局とがそれぞれ具備するものがある(特許文献1)。
特開2007−329676号公報
特許文献1のROFシステムでは、親局と子局との間において無線通信信号は光信号に変換された上で光ファイバによって伝送される一方で、携帯電話端末との間で電波を送受信するアンテナを有する子局に対する電力の供給には電源ケーブルが用いられる。
しかしながら、屋外にアンテナを設置する通信システムや屋外にスピーカを設置する放送システムなどのように金属線を張り巡らせる構成を備えるシステムは雷の電磁誘導の影響によって故障することがあるという問題がある。
また、IoT(Internet of Things の略)機器に依存したシステムが増えることが予想される中、例えば電源用金属ケーブルの使用に起因する、雷の電磁誘導などによるIoT機器(具体的には例えば、種々のセンサ)の故障は大きな脅威になると考えられる。
雷以外にも、人工的に作られた電磁パルス(具体的には例えば、高高度核爆発によるもの)に対しても、金属線を用いない構成とすること、具体的には例えば光ファイバを用いる構成とすることは、電磁誘導対策として効果が期待できる。
さらに、IoTの普及に伴い、消費電力が比較的小さく、通信を行う装置が増加すると予想されるところ、IoTに纏わる機器や装置に対する電磁両立性(「EMC(Electro Magnetic Compatibility の略)」とも呼ばれる)の対策が必要である。
加えて、例えばIoT機器における電力供給と信号伝送とに係る回路の簡素化などによる低コスト化を実現することも重要である。
そこで、本発明は、電源用の金属ケーブルを用いることなく且つ簡素な構成によって信号と電力とを一括りのものとして伝送することができる電力供給及び信号伝送の方法並びに電力供給及び信号伝送の装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の電力供給及び信号伝送の方法は、親機と、当該親機と光伝送路を介して接続されると共に所定の動作を実行する機能部を備える子機とを有する構成において、機能信号で変調された光が親機から出射され、子機において、親機から出射されて光伝送路を介して伝送される光が電力に変換され、当該電力のうちの少なくとも直流成分が機能部を動作させるための電力として機能部へと供給され、前記電力のうちの交流成分が機能部としての所定の動作を実行するための機能信号に対応する信号として機能部へと入力されるようにしている。
また、本発明の電力供給及び信号伝送の装置は、親機と、当該親機と光伝送路を介して接続される子機とを有し、親機は、光を出射する光出射部と、当該光出射部から出射される光を機能信号で変調する光変調部とを備え、子機は、親機の光変調部によって変調されて光伝送路を介して伝送される光を電力に変換する一つ若しくは複数の光電変換部と、当該光電変換部から出力される電力を直流成分と交流成分とに分離する分離回路と、所定の動作を実行する機能部とを備え、子機の光電変換部から出力される電力または分離回路から出力される直流成分が機能部を動作させるための電力として機能部へと供給され、子機の分離回路から出力される交流成分が機能部としての所定の動作を実行するための機能信号に対応する信号として機能部へと入力されるようにしている。
したがって、これらの電力供給及び信号伝送の方法や電力供給及び信号伝送の装置によると、親機で変調された光を子機において電力に変換した上で直流成分と交流成分とに分離するようにしているので、光給電用の光を変調させることにより、又は、光給電用の光と信号で変調された光とを同一の空間で伝送することにより、電力供給と信号伝送とが同時的に行われる。
本発明の電力供給及び信号伝送の方法は子機においてコンデンサによって電力が直流成分と交流成分とに分離されるようにしても良く、また、本発明の電力供給及び信号伝送の装置は子機の分離回路がコンデンサであったり子機が分離回路の代わりにコンデンサを備えたりするようにしても良い。
本発明の電力供給及び信号伝送の方法や電力供給及び信号伝送の装置は、子機の機能部がスピーカであるようにしても良い。
本発明の電力供給及び信号伝送の方法は親機においてパルス幅変調またはパルス密度変調によって光が変調されるようにしても良く、また、本発明の電力供給及び信号伝送の装置は親機の光変調部がパルス幅変調またはパルス密度変調によって光を変調するようにしても良い。
本発明の電力供給及び信号伝送の方法は親機において搬送波を変調した電気信号によって光が変調されるようにしても良く、また、本発明の電力供給及び信号伝送の装置は親機の光変調部が搬送波を変調した電気信号によって光を変調するようにしても良い。この構成は、具体的には例えば、音声信号をそのまま用いるのではなく、例えばラジオのAM(即ち、振幅変調)のように或る程度高い周波数の搬送波の振幅に情報を載せた信号を用いる構成として利用される。この構成により、交流成分の信号の周波数を高くすることができ、直流と交流の信号との分離が容易になる。音声帯域は周波数が直流に近いために分離に必要なコイルが大型になってしまうところ、周波数を上げることにより、小型で安価な部品によって信号の分離回路を構成することができる。さらに、搬送波を複数用いることにより、送信側でいくつかのチャネルを多重して伝送することも可能になる(この場合、機能部において所望のチャネルを選択する)。
本発明の電力供給及び信号伝送の方法や電力供給及び信号伝送の装置によれば、光給電用の光を変調させることにより、又は、光給電用の光と信号で変調された光とを同一の空間で伝送することにより、電力供給と信号伝送とを同時的に行うようにしているので、電源用の金属ケーブルを用いることなく且つ簡素な構成によって信号と電力とを一括りのものとして伝送することが可能になる。
本発明に係る電力供給及び信号伝送の方法を実施する機器構成の一例を示す図であり、本発明に係る電力供給及び信号伝送の装置の実施形態の一例を示す機能ブロック図である。 本発明が適用され得る具体的な構成の例を示す図である。 本発明が適用され得る具体的な構成の他の例を示す図である。 本発明が適用され得る具体的な構成の更に他の例を示す図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係る電力供給及び信号伝送の方法、並びに、電力供給及び信号伝送の装置の実施形態の一例を示す。
本実施形態の電力供給及び信号伝送の方法は、親機10と、当該親機10と光伝送路1を介して接続されると共に所定の動作を実行する機能部24を備える子機20とを有する構成において、機能信号で変調された光が親機10から出射され、子機20において、親機10から出射されて光伝送路1を介して伝送される光が電力に変換されると共に当該電力が直流成分と交流成分とに分離され、直流成分が機能部24を動作させるための電力として機能部24へと供給され、交流成分が機能部24としての所定の動作を実行するための機能信号に対応する信号として機能部24へと入力されるようにしている。
上記の電力供給及び信号伝送の方法は本発明に係る電力供給及び信号伝送の装置によっても実施され得る。
本実施形態の電力供給及び信号伝送の装置は、親機10と、当該親機10と光伝送路1を介して接続される子機20とを有し、親機10は、光を出射する光出射部11と、当該光出射部11から出射される光を機能信号で変調する光変調部12とを備え、子機20は、親機10の光変調部12によって変調されて光伝送路1を介して伝送される光を電力に変換する光電変換部21と、当該光電変換部21から出力される電力を直流成分と交流成分とに分離する分離回路22と、所定の動作を実行する機能部24とを備え、子機20の分離回路22から出力される直流成分は機能部24を動作させるための電力として機能部24へと供給され、子機20の分離回路22から出力される交流成分は機能部24としての所定の動作を実行するための機能信号に対応する信号として機能部24へと入力されるようにしている。
《全体構成》
本発明に纏わる構成は、大きくは、電力に変換するための光(「給電用光」と呼ぶ)や機能信号としての光(言い換えると、機能信号を伝送するための光;「信号用光」と呼ぶ)を送り出す側の親機10と、前記電力に変換するための光や前記機能信号としての光を受け取る側の子機20と、これら親機10と子機20との間の光伝送路1とを有する。親機10と子機20とは、つまり、光伝送路1を介してつながれている。
本発明の説明では、子機20としての機能を実現するために親機10から子機20へと送られる信号のことを「機能信号」と呼ぶ。
親機10は、光を出射する光出射部11,及び光の強度を変調する光変調部12を備える。
親機10の光出射部11は、光(具体的には、給電用光や信号用光)を出射する機能を備える仕組みとして構成され、光源として機能し得るものである。
光出射部11としては、連続光(若しくは、時間変化が非常に遅い連続光とみなせる光)を出射可能であることが考慮されるなどした上で適当な機序が適宜選択され、具体的には例えば半導体レーザ光を出射するレーザ光源や発光ダイオードなどが用いられ得る。
光出射部11は、一つの光源によって構成されるようにしても良く、或いは、給電用光を出射する光源と信号用光を出射する光源との複数の光源によって構成されるようにしても良い。
親機10の光変調部12は、電気信号(具体的には、機能信号としての電気信号)の入力を受け、別言すると、機能信号/電気信号としての電圧が印加され、入射される光の強度を前記機能信号/電気信号に対応させて変調して光信号として出力する機能を備える仕組みとして構成される。光変調部12は、言い換えると、入射される光を利用して電気信号(具体的には、機能信号としての電気信号)を光信号に変換して出力する機能を備える仕組みとして構成される。
光出射部11においてレーザや発光ダイオードが直接変調される場合には、光変調部12は不要であり、電気信号(具体的には、機能信号としての電気信号)は光出射部11へと入力される。
光変調部12としては、具体的には例えば、LN(Lithium−Niobate)変調器,電解吸収変調器,リング変調器,或いは液晶が用いられ得る。
光変調部12による光の変調では、例えば、あくまで例として挙げると、振幅変調(ASK:Amplitude Shift Keying の略),オンオフキーイング(OOK:On Off Keying の略),パルス変調(具体的には例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation の略),パルス密度変調(PDM:Pulse Density Modulation の略)),音声帯域で強度変調されたアナログ信号,或いは搬送波が変調された信号が用いられる。
光出射部11から出射される光を変調するために光変調部12へと入力される機能信号としての電気信号は、ディジタル信号(言い換えると、ディジタル通信に用いられる信号)でも良く、或いは、アナログ信号(言い換えると、アナログ通信に用いられる信号)でも良い。したがって、光変調部12によって変調されて出力される信号(尚、機能信号に対応する光信号とも言い得る)は、ディジタル信号(言い換えると、ディジタル通信に用いられる信号)であったり、アナログ信号(言い換えると、アナログ通信に用いられる信号)であったりする。
光出射部11が一つの光源によって構成される場合には、当該一つの光源から出射される光が機能信号/電気信号に対応して変調される。また、光出射部11が給電用光を出射する光源と信号用光を出射する光源との複数の光源によって構成される場合には、給電用光は変調されず、信号用光のみが機能信号/電気信号に対応して変調される。
光出射部11から出射される光(延いては、親機10から出射される光)について、例えば、給電用光としての光の強度は子機20の機能部24が所定の動作を実行するために必要とされる電力を少なくとも供給し得る程度に調節され、また、信号用光としての光の強度は機能信号に対応して変調される光信号として十分な品質を少なくとも確保し得る程度に調節される。なお、光出射部11から出射される光の強度により、当該光の変調度が調節されるようにしても良い。例えば、光出射部11から出射される光を強くする場合には、給電用光を強くする(即ち、直流成分を多くし、変調度を下げる)ようにすることが考えられる。
光変調部12から出力される光は、給電用光としての光強度が一定である光(言い換えると、子機20の機能部24を動作させるための直流成分の電力を発生させるための光)と信号用光としての強度が変動している光信号(言い換えると、交流成分を発生させる機能信号で変調された光)とが重畳している光であると捉えられる。
子機20は、光を電力に変換する光電変換部21,電気的な入力を分離する分離回路22,電力を調整する電源回路23,及び当該子機20としての所定の機能を実行する機能部24を有する。
子機20の光電変換部21は、光を受光して電力に変換する機能を備える仕組みとして構成される。光電変換部21は、言い換えると、入射される光(尚、光信号を含む)を当該光/光信号に対応する電力に変換して出力する機能を備える仕組みとして構成される。
光電変換部21としては、光発電素子を有する機序が利用され、例えば、光電変換器,光起電力変換器,或いはPPC(Photovoltaic Power Convertor の略)などと呼ばれる機器、或いは太陽電池やフォトダイオードが用いられ得る。
光電変換部21から出力される電力は、親機10から送られる給電用光が光電変換されたものに対応する直流成分と信号用光が光電変換されたものに対応する交流成分とが合成されている電力であると捉えられる。
子機20の分離回路22は、入力される電力を直流成分(言い換えると、一定電圧の分)と交流成分(言い換えると、時間に伴って変動する電圧の分)とに分離する機能を備える仕組みとして構成される。
分離回路22としては、具体的には例えば、コンデンサ(具体的には、「DCブロッキングコンデンサ」と呼ばれる機序のように直流成分と交流成分とを個別の信号として選り分ける機能を備えるもの)が用いられ得る。また、分離回路22として、コンデンサとコイルとが組み合わされて用いられるようにしても良い。コンデンサとコイルとが組み合わされて用いられることにより、直流成分と交流成分とが一層良好/適切に分離され得る。
分離回路22によって分離されて得られる直流成分は給電用として使用される電力であって電圧が一定である電力である。また、分離回路22によって分離されて得られる交流成分は機能信号に対応する電力であって機能信号の内容に合わせて電圧が変動している電力である。したがって、交流成分は別言すると信号成分である。
子機20の電源回路23は、電力の入力を受け、出力する電力の電圧を所定の電圧に合わせて調節したり出力する電力の安定化を図ったりする機能を備える仕組みとして構成される。電源回路23は、入力された電力を蓄電する機能を備えるようにしても良い。
電源回路23は、具体的には、分離回路22から直流成分として出力される電力が入力され、機能部24に対して出力する(別言すると、供給する)電力の電圧を機能部24の定格の電圧に合わせて調節したり機能部24に対して出力する電力の安定化を図ったりする機能を備える仕組みとして構成される。
なお、分離回路22と電源回路23との二つの構成要素の代わりにコンデンサが設けられるようにしても良い(下記の《構成例2》を参照)。
子機20の機能部24は、電力の供給を受けて作動する機序であり、子機20の利用目的に応じて所定の機能を備える(言い換えると、所定の動作を実行する)仕組みとして構成される。
機能部24としては、例えば、あくまで例として挙げると、通信,視聴覚,或いは計測に用いられる機器・装置などが挙げられる。
上記の機能部24としての構成にも関連し、親機10から子機20へと送られる機能信号としては、例えば、種々の通信に関係する通信信号,種々の機器の制御に関係する制御信号,例えばコンピュータやサーバでの処理に関係するデータ信号,或いは音楽データや映像データとしての音響信号(別言すると、音声信号)や画像信号などが挙げられる。
親機10の光変調部12と子機20の光電変換部21とはこれらの間の光伝送路1を介して接続され、当該光伝送路1を介して親機10の側から子機20の側へと光が伝送される。
光伝送路1としての態様は、具体的には例えば、光ファイバケーブルが利用される構成でも良く、或いは、自由空間に対して光が照射される態様でも良い。
光伝送路1として光ファイバケーブルが利用される構成の場合、光伝送路1として具体的には例えばシングルコアファイバ/シングルモードファイバ,マルチコアファイバ/マルチモードファイバ,或いはダブルクラッドファイバなどが用いられ得る。
光伝送路1として光ファイバケーブルが利用される構成の場合、光伝送路1として、例えば、光出射部11が一つの光源によって構成される場合に当該一つの光源から出射される光を伝送する一本の光ファイバケーブルが用いられるようにしても良く、或いは、光出射部11が給電用光を出射する光源と信号用光を出射する光源との複数の光源によって構成される場合に給電用光を伝送する光ファイバケーブルと信号用光を伝送する光ファイバケーブルとの複数本の光ファイバケーブルが用いられるようにしても良い。なお、光出射部11が複数の光源によって構成される場合に、複数の光源のそれぞれから出射される光が合波されるなどして重畳された上で一本の光ファイバケーブルによって伝送されるようにしても良い。
また、光伝送路1として一本の光ファイバケーブルが用いられる場合、必要に応じ、適当な箇所に於いて、前記一本の光ファイバケーブルによって伝送される光が分波されるなどして分割された上で子機20側の機序/機素へと入射されるようにしても良い。さらにまた、光伝送路1として複数本の光ファイバケーブルが用いられる場合、必要に応じ、適当な箇所に於いて、前記複数本の光ファイバケーブルによって伝送される光が合波されるなどして重畳された上で子機20側の機序/機素へと入射されるようにしても良い。
なお、子機20の機能部24については、例えば視聴覚機器・装置のように親機10の側から送られる機能信号としての例えば音響信号や画像信号に基づいて作動する態様や、例えば計測機器・装置のように親機10の側から送られる機能信号としての制御信号に従って作動して計測データとしての電気信号を出力する態様が考えられる。機能部24が取得した情報/データとしての電気信号を出力する態様の場合には、機能部24から出力される電気信号を記録し保存するための仕組み(図示せず)が子機20の側に更に設けられるようにしたり、前記電気信号を光信号に変換した上で親機10の側へと伝送するための仕組み(図示せず)が子機20の側に更に設けられるようにしたり、さらに或いは、親機10の側へと伝送される光信号を電気信号に変換した上で所定の処理に利用したり前記変換された電気信号を記録し保存したりするための仕組み(図示せず)が親機10の側に更に設けられるようにしたりしても良い。
《動作処理》
親機10の光出射部11から出射される光は、光変調部12へと入射され、当該光変調部12へと入力される機能信号としての電気信号が用いられて当該光変調部12によって光強度変調され、前記機能信号に対応する光(尚、光信号とも言い得る)として出射される。
光変調部12によって光強度変調されて出射される光は、光伝送路1へと送出され、当該光伝送路1を介して子機20へと伝送される。
子機20へと伝送される光は、光電変換部21へと入射され、当該光電変換部21によって機能信号に対応する成分(別言すると、信号成分)を含む電力に変換されて出力される。
光電変換部21によって光電変換されて出力される電力は、分離回路22へと入力され、当該分離回路22によって電圧一定の直流成分が分離され、直流成分(別言すると、電力)と交流成分(即ち、機能信号に対応する成分、つまり信号成分)とに分けられて出力される。
分離回路22から出力される直流成分(電力)は、電源回路23に対して出力され、当該電源回路23により、所定の電圧に調節されたり、安定化が図られたり、或いは蓄電されたりする。
電源回路23から機能部24に対し、当該機能部24が所定の動作を実行するための電力が供給される。
一方、分離回路22から出力される交流成分(信号成分)は、機能部24に対して出力され、当該機能部24において、当該機能部24としての所定の動作を実行するための制御信号などとして利用される。
機能部24は、電源回路23から出力されて供給される電力を用い、分離回路22から出力される交流成分(信号成分)に従って所定の動作を実行する。
機能部24の所定の動作によって情報/データが取得される場合は、必要に応じ、機能部24から情報/データとしての電気信号が出力され、子機20の側において前記電気信号が記録され保存されたり、前記電気信号が光信号に変換された上で親機10の側へと伝送されると共に親機10の側へと伝送される光信号が電気信号に変換された上で親機10の側において所定の処理に利用されたり、前記変換された電気信号が親機10の側において記録され保存されたりする。
《構成例1》
本発明が適用され得る具体的な構成の例を図2に示す。
図2に示す構成例は、図1に示す例における子機20の機能部24がスピーカであり、分離回路22から出力される交流成分(信号成分)が機能部24ではなく増幅器25に対して出力される点と電源回路23から出力される電力が機能部24ではなく増幅器25に対して出力される点とにおいて図1に示す例と異なる。
子機20の増幅器25は、信号の入力を受け、当該信号を増幅して出力する機能を備える仕組みとして構成される。
増幅器25は、具体的には、電源回路23から電力の供給を受けつつ、分離回路22から出力される交流成分(別言すると、信号成分)の入力を受け、当該交流成分を増幅して出力する機能を備える仕組みとして構成される。
増幅器25からの出力は、機能部24としてのスピーカへと入力される。
図2に示す例では、例えば、光変調部12によってパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation の略)またはパルス密度変調(PDM:Pulse Density Modulation の略)が行われて光信号が作成されると共に、増幅器25としてD級アンプ(尚、「クラスDアンプ」や「スイッチングアンプ」などとも呼ばれる)が用いられるようにすることが考えられる。このように構成されることにより、スピーカ24の前段に設けられる増幅器25の低消費電力化が実現される。
《構成例2》
本発明が適用され得る具体的な構成の他の例を図3に示す。
図3に示す構成例は、図1に示す例における子機20の機能部24がスピーカであり、分離回路22と電源回路23との二つの構成要素の代わりに直流成分を阻止するフィルタ26が設けられる点において図1に示す例と異なり、フィルタ26から出力される交流成分(信号成分)がスピーカ24に対して出力される。
図3に示す構成例における子機20のフィルタ26は、入力される電力のうちの直流成分(言い換えると、一定電圧の分)をカットして(言い換えると、選り分けて)交流成分(言い換えると、時間に伴って変動する電圧の分)のみを出力する機能を備える仕組みとして構成される。
フィルタ26としては、例えば、コンデンサのように直流成分と交流成分とを個別の信号として選り分け、その上で交流成分のみを出力するものが用いられ得る。
フィルタ26は、具体的には、光電変換部21から出力される電力(尚、直流成分と交流成分とが合成された電力である)の入力を受け、当該電力のうちの交流成分のみを選り分けて出力する機能を備える仕組みとして構成される。
フィルタ26からの出力は、機能部24としてのスピーカへと入力される。なお、機能部24としてのスピーカが直流成分の流入も許容できるのであれば,フィルタ26を省略することも可能である。
以上のように構成された電力供給及び信号伝送の方法や電力供給及び信号伝送の装置によれば、親機10で変調された光を子機20において電力に変換した上で直流成分と交流成分とに分離するようにしているので、光給電用の光を変調させることにより、又は、光給電用の光と信号で変調された光とを同一の空間で伝送することにより、電力供給と信号伝送とを同時的に行うことができる。このため、電源用の金属ケーブルを用いることなく且つ簡素な構成によって信号と電力とを一括りのものとして伝送することが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では子機20が電源回路23を有するようにしているが、本発明において子機20が電源回路23を有することは必須の構成ではなく、子機20が電源回路23を有することなく、分離回路22から出力される直流成分及び交流成分が直接に機能部24へと供給されたり入力されたりするようにしても良く、或いは、分離回路22及び電源回路23の代わりにコンデンサが設けられるようにしても良い(《構成例2》参照)。
また、子機20が、直流成分生成のための専用の受光素子(例えば、PPC;図4の符号21A)と交流成分生成のため(言い換えると、機能信号で変調された光による交流成分を受信するため)の専用の受光素子(例えば、フォトダイオード;図4の符号21B)とを有する構成とされるようにしても良い。この場合、親機10から当該の機序/機素までの間の何れかの箇所に於いて、親機10から出射される光が分波されるなどして分割された上で各受光素子21A,21Bへと入射される。この場合、また、交流成分生成のための受光素子21Bに対し、不要な成分を抑えるために光波長フィルタと偏光板とのうちの少なくとも一つが設けられるようにしても良い。
また、子機20において、給電用光(言い換えると、子機20の機能部24を動作させるための直流成分の電力を発生させるための光;別言すると、直流成分)と信号用光(言い換えると、交流成分を発生させる機能信号で変調された光;別言すると、交流成分)とが相互に異なる位置/部分に結像するようにして前記光のそれぞれが別個の専用の受光素子で電気に変換されるようにしても良い。
また、上述の実施形態では給電用光(別言すると、直流成分)と信号用光(別言すると、交流成分)とが親機10から時間的に同時に伝送される(即ち、光変調部12から出力される光が、給電用光としての光強度が一定である光と信号用光としての強度が変動している光信号とが重畳している光であると捉えられる)ようにしているが、給電用光と信号用光とは相互に時間がずらされて伝送されるようにしても良い。
また、上述の《構成例1》では子機20の機能部24がスピーカであるようにしているが、機能部24は、スピーカに限定されるものではなく、所定の動作を実行する種々の機序/機素が考えられる。機能部24は、具体的には例えば、アンテナを用いて無線信号を送出する仕組み(無線機),計測を行う仕組み(センサ),撮像を行う仕組み(カメラ),送風を行う仕組み(ファン),時を刻む仕組み(時計,タイマ),画像/映像を表示する仕組み(液晶ディスプレー,電子ペーパ),光を出射する仕組み(レーザ,発光ダイオード)などであっても良い。なお付け加えると、機能部24は、複数の機序/機素が組み合わされて構成されるようにしても良い。
1 光伝送路
10 親機
11 光出射部
12 光変調部
20 子機
21 光電変換部
22 分離回路
23 電源回路
24 機能部/スピーカ
25 増幅器
26 フィルタ

Claims (10)

  1. 親機と、当該親機と光伝送路を介して接続されると共に所定の動作を実行する機能部を備える子機とを有する構成において、機能信号で変調された光が前記親機から出射され、前記子機において、前記親機から出射されて前記光伝送路を介して伝送される前記光が電力に変換され、当該電力のうちの少なくとも直流成分が前記機能部を動作させるための電力として前記機能部へと供給され、前記電力のうちの交流成分が前記機能部としての所定の動作を実行するための前記機能信号に対応する信号として前記機能部へと入力されることを特徴とする電力供給及び信号伝送の方法。
  2. 前記子機において、コンデンサによって前記電力が前記直流成分と前記交流成分とに分離されることを特徴とする請求項1記載の電力供給及び信号伝送の方法。
  3. 前記子機の前記機能部がスピーカであることを特徴とする請求項1記載の電力供給及び信号伝送の方法。
  4. 前記親機において、パルス幅変調またはパルス密度変調によって前記光が変調されることを特徴とする請求項1記載の電力供給及び信号伝送の方法。
  5. 前記親機において、搬送波を変調した電気信号によって前記光が変調されることを特徴とする請求項1記載の電力供給及び信号伝送の方法。
  6. 親機と、当該親機と光伝送路を介して接続される子機とを有し、前記親機は、光を出射する光出射部と、当該光出射部から出射される光を機能信号で変調する光変調部とを備え、前記子機は、前記親機の前記光変調部によって変調されて前記光伝送路を介して伝送される光を電力に変換する一つ若しくは複数の光電変換部と、当該光電変換部から出力される電力を直流成分と交流成分とに分離する分離回路と、所定の動作を実行する機能部とを備え、前記子機の前記光電変換部から出力される電力または前記分離回路から出力される前記直流成分が前記機能部を動作させるための電力として前記機能部へと供給され、前記子機の前記分離回路から出力される前記交流成分が前記機能部としての所定の動作を実行するための前記機能信号に対応する信号として前記機能部へと入力されることを特徴とする電力供給及び信号伝送の装置。
  7. 前記子機の前記分離回路がコンデンサである、或いは、前記子機が前記分離回路の代わりにコンデンサを備えることを特徴とする請求項6記載の電力供給及び信号伝送の装置。
  8. 前記子機の前記機能部がスピーカであることを特徴とする請求項6記載の電力供給及び信号伝送の装置。
  9. 前記親機の前記光変調部がパルス幅変調またはパルス密度変調によって前記光を変調することを特徴とする請求項6記載の電力供給及び信号伝送の装置。
  10. 前記親機の前記光変調部が搬送波を変調した電気信号によって前記光を変調することを特徴とする請求項6記載の電力供給及び信号伝送の装置。
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