JP2020098275A - 血行動態シミュレーション装置、血行動態シミュレーションシステム - Google Patents

血行動態シミュレーション装置、血行動態シミュレーションシステム Download PDF

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竜太郎 芦田
Ryutaro ASHIDA
竜太郎 芦田
将太 染川
Shota Somekawa
将太 染川
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Abstract

【課題】小型化が可能な血行動態シミュレーション装置を提供する。【解決手段】流体を収容する可動膜部3の内部30の上流にポンプが接続され、可動膜部3の内部30の下流に電磁弁14を介して模擬血管等を含むシミュレーション部18が接続される。制御部16からの制御信号に基づき、電磁弁14を閉じた状態で、ポンプ1によって流体を可動膜部3の内部30に圧送し、弾性変形する可動膜部3が内部30に流体を収容させ、所定のタイミングで電磁弁を開くことにより、シミュレーション部において所望の圧力変化を生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、血行動態シミュレーション装置、血行動態シミュレーションシステムに関する。
従来から、心臓から駆出される血液の動態を模擬する装置として、血液循環模擬装置が提案されている(特許文献1参照)。この血液循環模擬装置では、右心室を模擬する模擬右心室13は、ダイヤフラム13aによって画された液体室及び空気室を有する筒状部材を備える。液体室には模擬血液の流入口及び流出口が設けられている。流入口には、三尖弁を模擬する人工弁12を介して右心房を模擬する模擬右心房11が接続されている。また、流出口には、肺動脈弁を模擬した人工弁14を介して肺動脈を模擬する流路が接続されている。そして、空気室には、圧縮エアタンクなどを備えたエア駆動装置40に接続する配管が配置されるとともに、電磁弁51が設けられている。また、エア駆動装置40及び電磁弁51を制御する制御部50が設けられている。左心室を模擬する模擬左心室19も、模擬右心室13と同様に構成されている。
上記従来技術では、制御部50が、電磁弁51を閉状態として、エア駆動装置40から模擬右心室13の空気室へ圧縮エアを供給する。これにより、ダイヤフラム13aが収縮して、液体室の容積が減少し、模擬血液が流出口から吐出される。次に、エア駆動装置40は、模擬右心室13の空気室からエアを排気し、制御部50は、電磁弁51を開状態とする。これにより、ダイヤフラム13aが拡張して、液体室の容積が増加し、模擬血液が液体室内に流入する。
上記従来技術は、エア駆動装置40及び電磁弁51を制御して、模擬右心室13の空気室内のエアを吸排気することにより、液体室の容積及び液体室に収容された模擬血液の圧力を制御している。このため、エア駆動装置40としてコンプレッサーのような装置を必要とするため、装置が大型化していた。
特開2016−2438号公報
本発明は上記のような状況に鑑みて発明されたもので、その目的は、小型化が可能な血行動態シミュレーション装置を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明は、
可撓性の膜状部材と、
膜状部材との間に、血液を模擬する流体を収容する空間を形成する壁部と、
前記空間に前記流体が流入するための流入路と、
前記空間から前記流体が流出するための流出路と、
前記流入路を通じて前記空間に前記流体を圧送するポンプと、
前記流出路に設けられ、該流出路を開閉する弁機構と、
前記空間に収容された前記流体の圧力を計測する第1圧力計測手段と、
前記第1圧力計測手段からの信号を受信し、前記ポンプ及び前記弁機構を制御する制御
部と、
を備えたことを特徴とする血行動態シミュレーション装置である。
これによれば、膜状部材と壁部との間に形成される空間に、ポンプから流体を圧送することによって、膜状部材を変形させて空間の容積を増加させることができる。従って、流体を収容する空間の容積を増加させるために、流体を空間に収容させるために膜状部材の空間とは逆側を陰圧にするためのコンプレッサー等の装置が不要となる。このため、本発明によれば、血行動態シミュレーション装置を小型化することができる。壁部は、膜状部材との間に血液を模擬する流体を収容する空間を形成し得るものであればよく、その形状・構成は限定されない。
ここで、弁機構は電磁弁であってもよいし、制御部によって制御される弁機構であればこれに限られない。
また、本発明においては、
前記制御部は、前記弁機構の開閉比率、単位時間当たりの前記流体の吐出回数、前記ポンプの吐出量の少なくともいずれかを制御するようにしてもよい。
このようにすれば、種々の血行動態を忠実に再現することができる。
また、本発明においては、
前記流出路の前記弁機構より下流に設けられ、前記流出路を流れる前記流体の圧力を計測する第2圧力計測手段を備え、
前記制御部は前記第2圧力計測手段からの信号を受信するようにしてもよい。
このようにすれば、第2圧力計測手段によって計測される圧力に基づいて、電磁弁及び/又はポンプをフィードバック制御することができるので、所望の血行動態をより忠実に再現することができる。
また、本発明においては、
前記制御部は、前記第2圧力計測手段によって計測される圧力波形が所望の圧力波形となるように制御するようにしてもよい。
このようにすれば、特定の属性を有する生体、特定の疾患を有する生体に特有の圧力波形がみられる場合に、この圧力波形となるように、第2圧力計測手段によってフィードバック制御することができる。
また、本発明においては、
前記流入路に設けられ、前記ポンプから前記空間への前記流体の流入を許容するとともに前記空間から前記ポンプへの前記流体の流出を阻止する第1逆止弁と、
前記流出路に設けられ、前記空間から前記弁機構への前記流体の流出を許容するとともに前記弁機構から前記空間への前記流体の流入を阻止する第2逆止弁と、
を備えるようにしてもよい。
このようにすれば、空間からポンプへ、弁機構から空間への流体の逆流を阻止することができる。この第1逆止弁、第2逆止弁としては、例えば、ボール式の逆止弁を用いることができるが、これに限られない。
また、本発明においては、
前記空間の容積を減少させる方向に前記膜状部材を付勢する付勢手段を備えるようにし
てもよい。
このようにすれば、膜状部材の変形からの復元力のみならず、付勢手段の付勢力も、流体を空間から吐出させるための圧力として利用することができるので、より高い圧力を流体に印加することができる。また、付勢手段を交換することにより、付勢力を調整することもできる。付勢手段として、例えば、バネを用いることができるが、これに限られない。
また、本発明においては、
前記空間に収容される前記流体の量の増加に伴い変形した前記膜状部材が所定の領域に達したことを検知する領域検知手段を備えるようにしてもよい。
このようにすれば、空間に流入する流体の量が過剰となり、空間の容積が過大になった場合でも、変形した膜状部材が所定の領域に達したことを領域検知手段によって検知することにより、制御部がポンプの停止等の制御を行うことができ、安全性を確保することができる。領域検知手段としては、接触式のリミットセンサや、フォトインタラプタ等を用いることができるがこれに限られない。
また、本発明は、
上記血行動態シミュレーション装置の流出路に接続される模擬血管又は該模擬血管を含む模擬臓器を有するシミュレーション部を備えた血行動態シミュレーションシステムである。
このようにすれば、模擬血管や、模擬血管を含む模擬臓器を有するシミュレーション部を備えた血行動態シミュレーションシステムの小型化が可能となる。
なお、本発明においては、上記した課題を解決するための手段を、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明によれば、小型化が可能な血行動態シミュレーション装置を提供することができる。
本発明の実施例1における血行動態シミュレーション装置及び血行動態シミュレーションシステムの概略構成を示す図である。 本発明の実施例1における本体部の動作を説明する図である。 本発明の実施例1におけるシミュレーション部の構成を示す図である。 本発明の実施例1における流体の圧波形と電磁弁の制御を示す図である。 本発明の実施例1における流体の他の圧波形を示す図である。 本発明の実施例1における流体の圧波形と電磁弁の制御を示す図である。
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
〔実施例1〕
図1は、本発明の実施例に係る血行動態シミュレーション装置100及びこれを含む血行動態シミュレーションシステム101のハードウェア構成の概略を示す図である。図2
は、上述する本体部2の内部構造と動作を説明する断面図である。
血行動態シミュレーション装置(以下、単にシミュレーション装置ともいう。)100は、パイプ等の流路C1を介して流体供給源102に接続されるポンプ1を有する。ポンプ1は、この流体供給源102から供給される流体を、流路C2を介して本体部2に向けて圧送する。例えば、定圧駆動の液送ポンプを用いることができるが、これに限られない。流体としては、模擬血液、生理食塩水、水等があるがこれに限られない。本体部2は、可撓性を有し、弾性変形によって内部の容積が変更可能な膜状部材である可動膜部3と、可動膜部3を収容する筐体4とを有する。可動膜部3は、例えば、天然ゴムやシリコーン等により形成することができるが、これに限られない。筐体4は、図2に示すように、主として、有底筒状の収納部41と、収納部41の開口を塞ぐ壁部42とから構成される。収納部41及び壁部42は、合成樹脂、金属等により形成することができるが、これに限られない。可動膜部3の縁部が、収納部41の開口部に形成されたフランジ部31と壁部42の縁部との間に流体密に保持されることにより、可動膜部3と壁部42との間に形成される空間(以下、可動膜部3の内部30ともいう。)が流体を収容する容積可変の収容室を構成する。本体部2は、図2に示すようにユニット化することにより、装置をより小型化することができるが、このような構成に限られない。
筐体4の壁部42には、ポンプ1に接続される流路C2が接続される流入口5が設けられている。そして、この流入口5から可動膜部3の内部30に至る流路C3,C4には、ポンプ1から可動膜部3の内部30への流体の流入を許容する一方で、可動膜部3の内部30からポンプ1への流体の流出を阻止する逆止弁6が設けられている。また、筐体4の壁部42には、可動膜部3の内部30から本体部2の外へと流体を吐出するための流出口7が設けられている。そして、可動膜部3の内部30からこの流出口7に至る流路C5、C6には、可動膜部3の内部30から本体部2の外への流体の流出を許容する一方で、本体部2の外から可動膜の内部30への流体の流入を阻止する逆止弁8が設けられている。逆止弁6、逆止弁8としては、例えば、簡単な構造のボール逆止弁を用いることができるが、これに限られない。
さらに、可動膜の内部30の流体の圧力を測定する圧力センサ9が設けられている。内部30とは逆側の可動膜部3の外部と筐体4の収納部41の中空内部との間は中空となっている。筐体4の収納部41の底面411には、収納部41の中空部の圧力が上昇することを防止するとともに、可動膜部3の損傷等により収納部41の中空部に流入した流体を排出するためにリリース孔10が設けられ、外部と連通している。
可動膜部3の底部32には円柱状のロッド11が設けられている。このロッド11は、可動膜部3と逆側において、筐体4の収納部41の底面411に設けられた孔部412に挿通され、軸方向に移動可能に支持されている。そして、ロッド11の周りには、可動膜部3の底部32と収納部41の壁面とにそれぞれ設けられた座部に端部を支持されたバネ12が設けられており、可動膜部3の内部30の容積を減少させる方向に可動膜部3を付勢している。図2(a)に示すように可動膜部3の内部30の容積が小さい状態から内部30に流体を受け入れて、図2(b)から図2(c)へと可動膜部3の内部30の容積が増大すると、可動膜部3の底部32と収納部41の底面411との間隔が短縮され、ロッド11のうち、筐体4の中空部内にある部分の長さも短くなるのに伴い、ロッド11の周りに設けられているバネ12が圧縮される。このとき、可動膜部3の内部30に収容された流体には、可動膜部3の変形による圧力とバネ12の押圧力による圧力が作用する。可動膜部3の内部30に収容された流体が電磁弁14から吐出する際の推進力は、電磁弁の上流・下流の圧力差によって付与される。上述のように、可動膜部30の変形による応力によって、可動膜部3の内部30に収容された流体に対する圧力が生じる。バネの付勢力は、可動膜部30によって印加される圧力を補助又は強化するために、可動膜部3を介し
て流体に作用する。流出口7の下流に接続された後述する電磁弁14が開弁され、可動膜部3の内部30に収容された流体の体積が減少すると、これに伴い可動膜部3の可撓性とバネ12の付勢力により内部30の容積も減少し、図2(c)から図2(b)、図2(b)から図2(a)に示す状態を逆にたどることになる。
また、筐体4の収納部41にはリミットセンサ13が設けられており、可動膜部3の内部30に収容された流体の量の増加に伴い、筐体4の収納部41の中空内部で所定の領域に至るまで可動膜部3が変形した場合には、可動膜部3がリミットセンサ13に接触して、これを検知する。
また、シミュレーション装置100は、筐体4の流出口7と流路C7を介して接続される電磁弁14を有する。電磁弁14は、可動膜部3の内部30に逆止弁8を介して流路C7に接続される一次側のポートと、流路C8に接続される二次側のポートとをつなぐ流路を開閉する。電磁弁14としては、周知の構成を有するものを適宜採用することができる。電磁弁14の二次側のポートに接続される流路C8には、圧力センサ15が設けられる。
そして、圧力センサ9、リミットセンサ13、圧力センサ15からの検出信号が入力されるとともに、ポンプ1及び電磁弁14に対してこれらを制御する制御信号を出力する制御部16が設けられる。制御部16は本シミュレーション装置100の制御を司り、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理部、主記憶部、補助記憶部を含んで構成さ
れる。主記憶部は、演算処理部によって実行されるプログラムや当該プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。また、補助記憶部は演算処理部によって実行されるプログラムや当該プログラムが利用するデータが記憶される装置である。補助記憶部に記憶されたプログラムが主記憶部にロードされ、演算処理部によって実行されることで、本シミュレーション装置100の制御が実行される。
また、制御部16に対して、操作情報を入力する操作入力部を有する。操作入力部は、例えば、ボタン、タッチパネル、キーボードによって構成することができる。ここでは、可動膜部3が可撓性の膜状部材に相当する。可動膜部3の内面に対向する筐体4の一部が壁部に相当し、可動膜部3とこの筐体4の一部とによって形成される可動膜の内部30が血液を模擬する流体を収容する空間に相当する。また、ポンプ1から流入口5を通り逆止弁6を介して可動膜部3の内部30に至る流路C2、C3及びC4が流入路に相当する。そして、可動膜部3の内部30から逆止弁8を介して流出口7を通じて電磁弁14に至りさらに下流につながる流路C5、C6、C7、C8、C9が流出路に相当する。逆止弁6、逆止弁8がそれぞれ第1逆止弁、第2逆止弁に相当する。そして、電磁弁14が弁機構に相当する。また、圧力センサ9、圧力センサ15がそれぞれ第1圧力計測手段、第2圧力計測手段に相当する。そして、バネ12が付勢手段に相当する。また、リミットセンサ13が領域検知手段に相当する。
上述の本実施例に係るシミュレーション装置100の圧力センサ15のさらに下流には、例えば、各種の血管を模擬する模擬血管181や、模擬血管181を含む模擬臓器を有するシミュレーション部を接続することにより、本実施形態に係るシミュレーション部が構成される。シミュレーション部のさらに下流側の流路は、例えば、タンクに接続することができる。タンクに溜められた流体は、流体供給源102に還流するようにしてもよいし、廃棄するようにしてもよい。このシミュレーション部では、上流に接続されたシミュレーション装置100によって、心臓に接続される各種の血管及びこの血管を含む臓器における血行動態が再現されるので、シミュレーション部に所望の部位の血管を模擬する模擬血管181や所望の臓器を模擬する模擬臓器を接続することにより、所望の部位、臓器に対する穿刺の練習や、切開や縫合等の手技の練習、新たな手技の研究開発を行うことが
できる。
次に、本発明に係るシミュレーション装置100による血行動態のシミュレーションについて説明する。本シミュレーション装置100の電磁弁14の二次側のポートに接続されたパイプ等の流路には圧力センサ15が設けられているので、この圧力センサ15へと分岐する分枝の近傍の位置に、血管を模擬する管状部材に対する穿刺等の処置を行うシミュレーション部18を配置する。
本装置では、起動時にポンプ1に流体をチャージするためのチャージモードが設定されているので、ポンプ1に流体がチャージされていない場合には、操作入力部においてチャージモードを選択する。ポンプ1に流体がチャージされている場合には、チャージモードを経由することなく、制御部16からの起動信号により、ポンプ1を稼働させて、流体供給源102から供給される流体を可動膜部3の内部30に向けて圧送する。この時点では、電磁弁14は制御部16からの制御信号により弁を閉じている。ポンプ1から可動膜部3の内部30に流入する流体量が増加するにつれて、可動膜部3は変形して膨張する。可動膜部3が変形するのに応じてバネ12が圧縮されるので、可動膜部3の内部30に収容される流体には、可動膜部3の変形による圧力と、バネ12による押圧力とが作用し、これらが増加する。
制御部16からの制御信号により電磁弁14が弁を開くタイミングとしては、
(1)前回の電磁弁14の開弁時から所定時間が経過した場合
(2)圧力センサ9によって計測された圧力が所定の値に達した場合
(3)ポンプ1が可動膜部3に給送した流体量が所定の値に達した場合
が可能である。
不整脈や脈を飛ばすというような血行動態をシミュレーション部において再現するためには、所望の症状に応じた所定時間を設定することにより、(1)のタイミングによって電磁弁14を開く。洞調律の血行動態をシミュレーション部において再現するためには、年齢等や安静、労作等の状態における心拍数に対応した所定時間を設定することにより、(1)のタイミングによって電磁弁14を開く。このとき、電磁弁14を閉弁した状態で、可動膜部3の内部30の圧力が所定値に達した場合には、ポンプ1が空回りするように設定されているので、それ以上に可動膜部3の内部30に流体が供給されることはない。
シミュレーション部において所定の最大収縮期圧を再現するためには、(2)のタイミングによって電磁弁14を開く。所定の最大収縮期圧は、シミュレーションの目的に応じて、適宜設定することができる。
シミュレーション部において所定の拍出量を再現するためには、(3)のタイミングによって電磁弁14を開く。このとき、制御部16において、ポンプ1からの単位時間当たりの吐出量ごとの、ポンプ1の吐出量とポンプ1の稼働時間とを関連付けたテーブル又は計算式を保持しておき、ポンプ1の稼働時間を取得することにより、ポンプ1が可動膜部3に給送した流体量が所定の値に達したか否かを判断することもできる。このようにして、電磁弁14が開くことにより、電磁弁14から下流に流体が吐出され、シミュレーション部に流体が供給される。
仮に、ポンプ1から可動膜部3の内部30への流体の送出が、変形した可動膜部3をリミットセンサ13が検知するまで継続し、リミットセンサ13が、可動膜部3が膨張して所定の位置まで達したことを検知した場合に、リミットセンサ13からの検知信号を受信した制御部16が、ポンプ1に対して可動膜部3の内部30への流体の送出の停止を指示する制御信号を送信する。
制御部16からの制御信号により電磁弁14が弁を閉じるタイミングとしては、開弁から所定時間が経過した場合に閉じるようにしてもよいし、圧力センサ9によって計測された圧力が所定の値に低下した場合に閉じるようにしてもよい。可動膜部3の内部30に収容された流体が吐出されて可動膜部3の内部30の流体の圧力が低下し、逆止弁8の下流側より上流側の圧力が低くなると逆止弁8が閉じ、可動膜部3の内部30への下流側からの逆流は生じないので、電磁弁14を閉じるタイミングは適宜設定できる。
上述のような制御によって、心臓の拍動の基本的な部分を再現することができるが、本シミュレーション装置100では、血行動態をより忠実に再現するために、電磁弁14を開弁した後も、ポンプ1を駆動させ、流体の給送を継続する。これによって、図4上段に示すように、圧力センサ15によって計測されるシミュレーション部18における流体の圧力20が、ピークpから単調に低下するのでなく、急峻に低下した後に緩やかに低下する段階Stを含む圧変化を再現することができる。図4下段には、制御部16から電磁弁14に送信される制御信号を示し、Tonのタイミングで弁を開き、Toffのタイミングで弁を閉じる(電磁弁の開閉と信号のオンオフとの関係は逆でもよい。)。また、このときのポンプ1の吐出量を減少させ、又は停止させることにより、図5に示すように、圧力センサ15によって計測されるシミュレーション部18における圧波形22が、ピークpの後緩やかに低下する段階St2の血圧が低い又は消失する血管が石灰化した場合のような病的な状態の圧変化を再現することも可能である。
また、電磁弁14を開弁させてから閉弁するまでの流体の吐出により心臓の1回の拍動を模擬する場合に、次の拍動までの時間Tuに対応するTon1からTon2までの時間を調整し(図6参照)、1回の拍動に心拍数に対応する単位時間当たりの流体の吐出回数を制御することにより、異なる心拍数に対応する圧波形22を再現することができる。さらに、1回の拍動に対応する期間中に電磁弁14をオンオフ制御し、圧力センサ15によって計測される圧力に基づいて、電磁弁14の開閉比率を細かく制御することにより、シミュレーション部における圧力変化が所望の圧力波形となるように制御することができる。例えば、図6では、電磁弁14の開閉比率として、(Toff1−Ton1)/(Ton2−Toff1)又は、(Toff1−Ton1)/(Ton2−Ton1)を用いることができる。
さらに、上述したように、圧力センサ15によって計測される圧力に基づいて、電磁弁14の開弁時におけるポンプ1の吐出量を制御することによって、シミュレーション部における圧力変化が所望の圧力波形となるように制御することができる。実際の生体では、心臓の拍動時に血管において生じる圧力変化は、心臓の大きさ、循環器系疾患の有無、年齢等の種々の要因によって異なるとともに、血管の部位においても異なる。本シミュレーション装置100では、電磁弁14の開閉の比率(タイミング)や、単位時間当たりの吐出回数(拍動数に対応)、ポンプ1の吐出量のいずれか又はこれらを組み合わせて制御することにより、より充実な血行動態の再現が可能となる。
また、血管自体のコンプライアンス等の物理的特性については、シミュレーション部に模擬血管181として用いる管部材として、同等の物理的特性を有する部材を選択することによって実現できる。これらの物理的特性が果たす機能を部材で実現することができない場合はシミュレーション部18出口側に流量制御機構19を設け血管のコンプライアンスの制御を実現できる。
また、本シミュレーション装置100では、制御部16が圧力センサ15からの検知信号を用いて、フィードバック制御により、シミュレーション部の管部材における流体の圧力を制御することができる。制御部16が、複数の圧波形のパターン(プロファイル)を保持しておき、ユーザが操作入力部から選択したパターンに基づいて、制御するようにし
てもよい。
また、本シミュレーション装置100では、可動膜部3の背面側の空気をポンプ1で排気等することにより陰圧として圧力差により受動的に可動膜部3の内部30に流体を引き入れるのではなく、ポンプ1によって可動膜部3の内部30に流体を直接圧送する。このため、コンプレッサー等の大型の装置が不要となり小型化が可能となる。また、収容される流体の圧力に従った可動膜部3の変形及び容積変化に対する応答性に優れている。
適切なバネ定数のバネ12を選択することにより、可動膜部3に印加される圧力を設定することができる。また、弁機構としては、制御部16からの制御信号に基づいて開閉を行う弁機構であれば、電磁弁14に代えて他の弁機構を用いてもよい。また、制御部16からの制御信号に基づいて弁の開閉のみではなく、弁の開度を制御できる弁機構を用いてもよい。
本実施例では、逆止弁6、逆止弁8、バネ12、圧力センサ15を備えたシミュレーション装置100を一例に説明したが、これらの構成の少なくともいずれかを備えないシミュレーション装置100においても、装置の小型化が可能である。また、本実施例では、流体として液体を用いているが、ポンプ等を取り替えることにより、空気等の気体を用いることもできる。また、可動膜部3の内部30の容積を変更することにより、人体のみならず他の動物の血行動態をシミュレーションすることもできる。また、実施例においては、流路C2、C7、C8、C9は、パイプ、チューブ等の管部材を単体又は組み合わせて構成することができる。
〔実施例2〕
本発明は、実施例1において説明したシミュレーション装置100を備えたシミュレーションシステム101として構成することができる。シミュレーションシステム101は、実施例1において説明したシミュレーション装置100に加えて、流路C9の下流に接続されたシミュレーション部18を少なくとも含んで構成される。シミュレーション部18には、シミュレーション装置100によって実現される模擬的な血行動態を利用する模擬血管181(図3参照)に限らず、このような模擬血管181を含む模擬臓器等を採用することができる。このようなシミュレーション部18によって、ユーザは、穿刺、切開、縫合の練習や、新たな手技の開発・研究や、新たな医療機器の開発・検証等を行うことができる。
また、シミュレーションシステム101は、さらに、上述の流量制御機構19を含んでもよい。また、シミュレーションシステム101は、シミュレーション部18又は/及び流量制御機構19に加えて、流体供給源102を含んで構成されるようにしてもよい。
100・・・血行動態シミュレーション装置
101・・・血行動態シミュレーションシステム
1・・・ポンプ
3・・・可動膜部
42・・・壁部
6・・・逆止弁
8・・・逆止弁
9・・・圧力センサ
12・・・バネ
13・・・リミットセンサ
14・・・電磁弁
15・・・圧力センサ
16・・・制御部
17・・・操作入力部
18・・・シミュレーション部

Claims (8)

  1. 可撓性の膜状部材と、
    膜状部材との間に、血液を模擬する流体を収容する空間を形成する壁部と、
    前記空間に前記流体が流入するための流入路と、
    前記空間から前記流体が流出するための流出路と、
    前記流入路を通じて前記空間に前記流体を圧送するポンプと、
    前記流出路に設けられ、該流出路を開閉する弁機構と、
    前記空間に収容された前記流体の圧力を計測する第1圧力計測手段と、
    前記第1圧力計測手段からの信号を受信し、前記ポンプ及び前記弁機構を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする血行動態シミュレーション装置。
  2. 前記制御部は、前記弁機構の開閉比率、単位時間当たりの前記流体の吐出回数、前記ポンプの吐出量の少なくともいずれかを制御することを特徴とする請求項1に記載の血行動態シミュレーション装置。
  3. 前記流出路の前記弁機構より下流に設けられ、前記流出路を流れる前記流体の圧力を計測する第2圧力計測手段を備え、
    前記制御部は前記第2圧力計測手段からの信号を受信することを特徴とする請求項1又は2に記載の血行動態シミュレーション装置。
  4. 前記制御部は、前記第2圧力計測手段によって計測される圧力波形が所望の圧力波形となるように制御することを特徴とする請求項3に記載の血行動態シミュレーション装置。
  5. 前記流入路に設けられ、前記ポンプから前記空間への前記流体の流入を許容するとともに前記空間から前記ポンプへの前記流体の流出を阻止する第1逆止弁と、
    前記流出路に設けられ、前記空間から前記弁機構への前記流体の流出を許容するとともに前記弁機構から前記空間への前記流体の流入を阻止する第2逆止弁と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の血行動態シミュレーション装置。
  6. 前記空間の容積を減少させる方向に前記膜状部材を付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の血行動態シミュレーション装置。
  7. 前記空間に収容される前記流体の量の増加に伴い変形した前記膜状部材が所定の領域に達したことを検知する領域検知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の血行動態シミュレーション装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載された血行動態シミュレーション装置の流出路に接続される模擬血管又は該模擬血管を含む模擬臓器を有するシミュレーション部を備えた血行動態シミュレーションシステム。
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