JP2020097601A - タンパク質抽出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物から可溶性タンパク質を抽出する方法の提供。【解決手段】微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量の約1%(v/v)以上50%(v/v)未満のカルボン酸を含む溶液とを接触させることを含む方法、および該方法を実施することによって製造される、タンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年9月24日に出願されたオーストラリア特許出願第2013903669「タンパク質の抽出」の優先権を主張するものである。先の出願の全内容は参照により本明細書の一部をなす。
技術分野
本開示は微生物からタンパク質を抽出する方法に関するものである。
微生物は比較的短期間で高レベルの組換えタンパク質を生産する。さらに、多くの微生物は比較的簡単に高レベルの目的タンパク質を発現するよう遺伝子を改変することができる。従って、微生物は産業的な応用、例えば治療や診断、化粧品などに使用するためのタンパク質を製造する際に選択される細胞の一つである。
多くの応用例において、微生物で発現されたタンパク質は少なくともある程度抽出、精製されなければならない。タンパク質を精製するために、ホモジナイズあるいは化学的な溶解のような当業界で知られる方法を用いて、細胞を溶解することがしばしば必要である。しかし、これらの方法によるタンパク質の放出は、微生物からの大量の余分なタンパク質や、核酸、脂質、外毒素、その他の細胞成分の放出を伴う。微生物内で可溶性であるタンパク質を精製する際は、凝集体あるいは封入体に含まれるタンパク質を精製する際に比べて、特にこのような状況が生じる。なぜなら、多くの夾雑物もまた微生物内で可溶性であるからである。このような夾雑タンパク質や他の物質がしばしば目的タンパク質と共に抽出される。従って、これら夾雑物を除去するために目的タンパク質を精製する必要がある。高濃度な夾雑物はより多くの精製工程および/または試薬を必要とし、その結果精製タンパク質の製造コストが上昇する。
伝統的なタンパク質抽出方法はまた、高価でしばしば引火性が高い有機溶媒をたびたび利用する。そのため、封じ込めや防火、防爆、そして廃棄物処理の特殊な設備を必要とする。よって、そのような有機溶媒は、とりわけ大量のタンパク質を精製する場合は、使わないのが望ましい。
危険な有機溶媒の使用はまた、抽出中に分解や腐食が起きない特殊な設備を必要とする。あるいは、抽出に使用した設備は分解や腐食のために、定期的に取り替えなければならない。
微生物からタンパク質を抽出する方法には、リゾチームのような酵素を利用する方法もある。しかし、これらの方法は、大量の細胞からタンパク質を抽出するのに用いるのは困難である。なぜなら、リゾチームの添加は非効率で、また細胞の大きなペレット全体に酵素を分散させることが困難であるからである。
前述のように、微生物からタンパク質を抽出し、当該細胞由来の核酸、脂質、外毒素および/またはその他の細胞タンパク質によるコンタミネーションを低減することが期待されていることは、当業者にとって明らかであろう。望ましくは、本方法によって、夾雑物が凝集している状態において、タンパク質が可溶性タンパク質として抽出されることである。
本開示は、本発明者によるタンパク質の抽出を可能にする方法の開発に基づいている。例えば、微生物から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、微生物由来の膨大な量の細胞内タンパク質、核酸、および/または脂質が凝集している状態で、当該タンパク質が可溶性のままである方法である。本方法によって、他の方法と同濃度のタンパク質を抽出しながら、より高純度の可溶性タンパク質を抽出することが可能になった。このように、本発明者によって開発された方法は、コンタミネーションを低減し、タンパク質を高収量で回収することによって、下流の精製工程を容易にする。本明細書に例示するように、本発明者は、可溶性タンパク質を大腸菌(Escherichia coli)のような細菌より抽出するために、多様なカルボン酸を用いた。本結果は、広く微生物のモデルとして用いられる。
一例としては、本発明者は、十分に低濃度のカルボン酸(例えば、約50%未満のカルボン酸)を用いて、高純度の可溶性タンパク質を抽出した。本方法は、標準的な設備で実施可能であった。本発明者によって開発された、いくつかの方法によれば、抽出タンパク質を直接フィルター、例えば、接線流濾過または深層濾過に一般的に用いられる濾過膜に、フィルター損傷のリスクを低減するためバッファーを加える必要なく、供することができる。本発明者は、カルボン酸(例えば酢酸)の濃度を約37%、50%あるいは62%を超えて上昇させると、タンパク質の純度が低下することを発見した。例えば、酢酸約25%で抽出した際よりも純度が低下した。その際、約25%のカルボン酸を含む溶液を用いると高純度のタンパク質が得られた。100%のカルボン酸を含む溶液を用いて抽出したところ、その後の精製に十分な純度のタンパク質が得られた。しかしながら、得られたタンパク質は約25%のカルボン酸を含む溶液で抽出したタンパク質ほどの純度ではなかった。
別の例では、本発明者は、約25%から約100%のカルボン酸を用いて、例えば約20分または約30分かけてタンパク質を抽出しても抽出タンパク質の量にほとんど影響を与えないことを発見した。従って、本発明者は、抽出は(必要に応じて)比較的短時間で行いうるように設定した。
前述から明らかであるように、本発明者は可溶性タンパク質が、安価で、その取り扱い、保管および/または廃棄に特殊な設備を必要としないカルボン酸で抽出できることを証明した。本発明者が用いたカルボン酸の一例は酢酸である。
本発明者は、本方法は広範囲の濃度のカルボン酸で効果的であることを明らかにした。本発明者はまた、抽出されるタンパク質の量および/または抽出されたタンパク質の純度は微生物の重量に対する酸の量の割合を増加させることで改善できることを明らかにした。
本発明者によって開発された方法は、可溶性タンパク質を抽出するために特別な装置を必ずしも必要としない。特別な装置とは、例えば、ホモジナイザー、ソニケーター、危険な有機溶媒、あるいはリゾチームなどの酵素である。
本発明者による発見は、微生物から可溶性タンパク質を抽出するための基本的な方法を提供するものである。同時に、ヒトあるいは非ヒト動物において使用可能なタンパク質を精製する方法を提供するものである。
前述の考察に基づき、本開示は、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量のカルボン酸を含む溶液とを接触させることを含む方法を提供する。
一例として、カルボン酸は酢酸である。
一例として、微生物集団は、可溶性タンパク質を抽出するのに十分な時間当該溶液と接触させる。例えば、微生物集団は、約48時間未満、または24時間未満、または20時間未満、例えば、12時間未満、または8時間未満、または6時間未満の時間、接触させる。例えば、微生物集団は、2時間未満または1時間未満の間、例えば約20分から1時間、接触させる
本開示は、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量の、約1%(v/v)から約100%(v/v)のカルボン酸を含む溶液とを接触させることを含む方法を提供する。例えば、溶液は約1%から約90%まで、または約80%まで、または約70%まで、または約60%まで、または約50%までのカルボン酸を含む。例えば、溶液は約10%から約90%まで、または約80%まで、または約70%まで、または約60%まで、または約50%までのカルボン酸を含む。例えば、溶液は約20%から約90%まで、または約80%まで、または約70%まで、または約60%まで、または約50%までのカルボン酸を含む。いくつかの例では、本願明細書に記載の通り、本方法はある特定の時間(例えば1時間以下)、微生物集団と溶液とを接触させることを含む。
本開示は、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量の、約1%(v/v)以上50%(v/v)未満のカルボン酸を含む溶液とを接触させることを含む方法を提供する。
一例として、溶液は約1%(v/v)から約40%(v/v)のカルボン酸を含む。
一例として、溶液は約1%(v/v)から約37.5%(v/v)のカルボン酸を含む。
一例として、溶液は約1%(v/v)から約30%(v/v)のカルボン酸を含む。
一例として、溶液は約1%(v/v)から約25%(v/v)のカルボン酸を含む。
例えば、溶液は約10%(v/v)から約40%(v/v)のカルボン酸を含む。
例えば、溶液は約10%(v/v)から約37.5%(v/v)のカルボン酸を含む。
例えば、溶液は約10%(v/v)から約25%(v/v)のカルボン酸を含む。
例えば、溶液は約20%(v/v)から約40%(v/v)のカルボン酸を含む。
例えば、溶液は約20%(v/v)から約37.5%(v/v)のカルボン酸を含む。
例えば、溶液は約25%(v/v)から約37.5%(v/v)のカルボン酸を含む。
さらなる酢酸の量は本明細書に記載の通りであり、本開示の実施例に準用される。
40%または37.5%または25%またはそれ未満のカルボン酸を含む溶液を用いることで、より少ない工程で、および/またはより低コストに、下流の精製が容易になる。なぜなら、抽出タンパク質の処理(例えば、接線流濾過による処理)に用いられるいくつかのフィルターがカルボン酸の濃度によって損傷を受けうるからである。例えば40%または37.5%または25%を超える酢酸などの場合である。これらの条件で損傷を受けるフィルターの例としては、再構成セルロース(reconstituted cellulose)またはポリエーテルスルホンを含むまたはこれらから成るフィルターがある。
本開示はまた、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量のカルボン酸を含む溶液とを、約20時間未満、または15時間未満、または10時間未満、または5時間未満、または4時間未満、または3時間未満、または2時間未満、または1時間未満の間、接触させる方法を提供する。一例として、微生物集団を約1時間未満、例えば約10分から約1時間の間、溶液と接触させる。一例として、微生物集団を約20分から約1時間の間、溶液と接触させる。
さらなる抽出時間は本明細書に記載の通りであり、本開示の実施例に準用される。
一例として、溶液は約10%から約100%のカルボン酸を含む。例えば約10%から90%、または80%、または75%、または70%、または本明細書に記載されている濃度までのカルボン酸を含む。
本開示の方法の一例として、カルボン酸は約1:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))から約20:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で溶液に添加する。例えば、カルボン酸は約5:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))から約20:1までの溶解率で、例えば約10:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))までの溶解率で、溶液に添加される。本開示の典型例としては、カルボン酸は約9:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で溶液に添加する。
一例として、カルボン酸は、溶液(例えば細胞培養培地)中に懸濁されていない微生物に添加される。例えば、遠心分離によって沈殿した微生物である。
一例として、カルボン酸は、微生物を含む溶液、例えば細胞培養培地または他の溶液に、約1%(v/v)以上50%(v/v)未満のカルボン酸を含むように添加される。
カルボン酸は当業者にとって明らかである。代表的なカルボン酸を表1に列挙する。
一例として、カルボン酸はpKaが約3以上である。本明細書に例示されるように、酢酸またはギ酸が好適なカルボン酸である。本発明者は、酢酸が、尿素または水酸化ナトリウムまたはイソプロパノールよりも高収量および/または高純度で可溶性タンパク質を抽出できることを明らかにした。
一例としてまた必要に応じて、本明細書に記載されるいずれかの例による方法は、微生物集団を約5時間以下、例えば4時間以下、または3時間以下、または2時間以下、溶液と接触させることを含む。一例として、本方法は、微生物集団を約1時間以下溶液と接触させることを含む。当業者は本方法に微生物集団とカルボン酸の直接的な接触が必要であることは理解できるであろう。それゆえ、「以下」という用語は、少なくとも1分を意味する。例えば、少なくとも5分または10分または15分を意味する。
一例として、本方法は、加えて、微生物集団を界面活性剤、例えばTween(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、例えばTween20またはTween80)またはTritonXのような界面活性剤(ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニルエチル)と接触させることを含む。一例として、界面活性剤はカルボン酸と同時に添加される。一例として、界面活性剤はカルボン酸の後に添加される。一例として、界面活性剤はカルボン酸の前に添加される。
一例として、可溶性タンパク質は微生物集団により組換え体として発現されたものである。
代表的な微生物には細菌、酵母または真菌が含まれる。代表的な微生物にはグラム陰性細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)のような細菌が含まれる。
一例として、可溶性タンパク質には、微生物集団から抽出する際に可溶性状態を維持することができる等電点がある。一例として、中性の等電点、例えば約6〜約8、例えば約6.5〜約7.5の等電点を示すタンパク質がある。
別の例として、アルカリ性の等電点を示すタンパク質がある。例えば、等電点7.5以上の可溶性タンパク質がある。また別の例として、約10.4の等電点の可溶性タンパク質がある。
別の例として、酸性の等電点を示すタンパク質がある。例えば、約6.5以下の等電点のタンパク質がある。また別の例として、6未満または5.5以下の等電点のタンパク質がある。例えば、5以下の等電点のタンパク質がある。例えば、約4.7以下、例えば約4.65または4.6の等電点を示すタンパク質がある。
一例として、タンパク質は硬タンパク質、シャペロニン、熱ショックタンパク質、ペプチド(例えば、ナトリウム利尿ペプチド)および抗体の可変領域を含むタンパク質からなる群から選択される。
一例として、タンパク質は融合タンパク質である。例えば、ペプチドまたはポリペプチドの複数のコピー(例えば、2つまたは3つのコピー)を含むタンパク質である。別の例として、互いに融合した2つのポリペプチドを含むタンパク質、例えば精製を容易にするためのタグ(例えば、ヘキサ−ヒスチジンタグ)、または抗体(例えば、IgG1抗体)のFc領域に融合したペプチドまたはポリペプチドである。
一例として、さらに本方法は可溶性タンパク質を含む溶液を微生物集団の不溶性物質から取り出す方法を含む。例えば、さらに本方法は溶液を遠心分離および/または濾過し、可溶性画分、例えば遠心分離の上清を回収する方法を含む。
本開示はまた、微生物集団から可溶性タンパク質を精製する方法であって、本明細書に記載のタンパク質抽出方法を実施すること、および本方法により抽出したタンパク質を精製することを含む方法を提供する。
一例として、さらに本明細書に記載の方法は、精製または抽出したタンパク質を修飾することを含む。例えば、タンパク質は、別のタンパク質との結合または切断(例えばタグの除去および/または融合タンパク質内の複数コピーのペプチドの切断)によって修飾されたタンパク質でもよい。
本開示はさらに修飾タンパク質を製造する方法であって、本明細書に記載の方法によって精製したタンパク質または本明細書に記載の方法によって抽出したタンパク質を取得することおよび当該タンパク質を修飾することを含む方法を提供する。一例として、タンパク質の修飾は別の化合物をタンパク質に結合させることを含む。別の例として、タンパク質の修飾はプロテアーゼと接触させることでタンパク質を切断することを含む。
一例として、本明細書に記載の方法はさらに治療用タンパク質を医薬組成物または化粧用組成物、または動物用組成物に配合することを含む。
一例として、本明細書に記載の方法はさらにタンパク質を固体または半固体支持体の上部または内部に固定化することを含む。典型的な支持体は、パッチおよび/またはインプラントおよび/または医療器具である。
本開示はまた、医薬組成物または化粧用組成物、または動物用組成物を製造する方法であって、本明細書に記載の方法で抽出、精製、または製造されたタンパク質を取得し、タンパク質を医薬組成物または化粧用組成物、または動物用組成物に配合することを含む方法を提供する。
本開示はまた、固体または半固体支持体を製造する方法であって、本明細書に記載されるいずれかの例による方法で抽出、精製、または製造されたタンパク質を取得し、タンパク質を固体または半固体支持体の上部または内部に固定化することを含む方法を提供する。
一例として、組成物、固体または半固体支持体はヒトまたは非ヒト動物に投与または適用される。
一例として、組成物、固体または半固体支持体は医薬品としてまたは化粧品として利用される。
一例として、組成物、固体または半固体支持体は医薬用途、化粧用途、薬用化粧用途、動物薬用途、または移植に用いられる。
一例として、組成物、固体または半固体支持体は経口投与、移植、皮内投与、筋内投与、皮下投与、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、エアゾールとしての投与、または眼内投与に用いられる。
本開示はさらに、本明細書に記載の方法を実施することにより製造されるタンパク質、組成物、固体支持体、または半固体支持体を提供するものである。
一例として、タンパク質(修飾タンパク質を含む)、組成物、固体支持体、または半固体支持体は、医薬用途、化粧用途、薬用化粧用途、動物薬用途、または移植に用いられる。一例として、組成物は医薬組成物でもよい。一例として、組成物は化粧品組成物でもよい。本明細書に記載の方法はまた、細胞、例えば幹細胞または前駆細胞または皮膚細胞、の培養または固定化に用いられる足場の製造、または産業、例えば食品工業や繊維工業、に応用的に用いられる酵素の製造に有用である。
本開示はまた、本明細書に記載のタンパク質、組成物、固体支持体、または半固体支持体を含む装置を提供するものである。一例として、装置は注射器、パッチまたはインプラントである。
大腸菌(E.coli)から様々な方法で抽出した組換えタンパク質のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。レーン1、サイズマーカー;レーン2、15mM NaOH抽出;レーン3、0.57%(v/v)酢酸抽出(常温);レーン4、0.57%(v/v)酢酸抽出(4℃);レーン5、10%(w/v)ギ酸抽出;レーン6、尿素抽出;レーン7、n−プロパノール抽出。 大腸菌(E.coli)から様々な方法で抽出した組換えタンパク質のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す写真である。レーン1、サイズマーカー;レーン2、10%(v/v)酢酸抽出;レーン3、5%(v/v)酢酸抽出;レーン4、2%(v/v)酢酸抽出;レーン5、尿素抽出。 酢酸濃度(v/v)、溶解率、および発酵液1リットルあたりの組換えタンパク質回収量(g)の関係を示すグラフである。 酢酸濃度(v/v)、溶解率、および抽出した組換えタンパク質の純度の関係を示すグラフである。 組換えタンパク質を発現した大腸菌(E.coli)抽出物のSDS-PAGEの結果を示す写真である。抽出物は図の上部に示した様々な濃度(v/v)の酢酸を用いて作製した RP-HPCLで測定した大腸菌(E.coli)抽出物中の組換えタンパク質の収量と純度を示すグラフである。抽出物は図に示した様々な濃度(v/v)の酢酸を用いて作製した。 RP-HPCLで測定した大腸菌(E.coli)抽出物中の組換えタンパク質の収量(左図)と純度(右図)を示す2つのグラフである。抽出物は様々な濃度(v/v)の酢酸を用いて、図に示した様々な時間をかけて作製した。 組換えタンパク質を発現した大腸菌(E.coli)抽出物のSDS-PAGEの結果を示す写真である。抽出物は図の上部に示した様々な濃度(v/v)の酢酸を用いて20分間抽出して作製した。 ペプチドのコピーを複数含む組換え融合タンパク質を発現する大腸菌(E.coli)からの抽出物のSDS-PAGEの結果を示す写真である。レーン1、サイズマーカー;レーン2、細胞溶解物;レーン3、25%(v/v)酢酸抽出。
詳細な説明
概要
本明細書の全体を通して、特に他に記載または文脈上他に要求されない限り、一つの工程、組成物、工程群、組成物群への言及は、一つまたは複数の(すなわち、一つ以上の)工程、組成物、工程群、組成物群を包含すると見なされるものとする。
当業者は明細書に記載されている以外にも変更や修正の可能性があることを十分理解するであろう。本開示はこのようなすべての変更や修正を包含することは理解されるであろう。本開示はまた、本明細書で参照または記載されたすべての工程、特徴、組成物、および化合物を、個別にまたはまとめて含み、当該工程または特徴の任意の全ての組み合わせ、すなわちいずれかの二つ以上の組み合わせを含む。
本開示は本明細書に記載の実施例の範囲に限定されるものではなく、実施例は例示を目的とするものにすぎない。機能的に等しい製品、組成物、および方法は本開示の範囲に明らかに含まれる。
本明細書に記載の実施例は特に他に記載されないかぎり、どの態様にも準用されるものとする。
特に他に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語または科学的用語は当業者(例えば、細胞培養、分子遺伝学、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学、生化学の分野の当業者)が一般的に理解する意味と同一であるとする。
他に記載しない限り、本発明で使用される組換えタンパク質と細胞培養技術は標準的な手順であり、当業者によく知られた手順である。これらの技術は以下の引用文献で記述および説明されている。J. Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning, John Wiley and Sons (1984), J. Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory Press (1989), T.A. Brown編, Essential Molecular Biology: A Practical Approach, Volumes 1 and 2, IRL Press (1991), D.M. Glover and B.D. Hames編, DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes 1-4, IRL Press (1995 および 1996), and F.M. Ausubel et al.編, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience (1988, 現在までの全ての更新情報を含む)。
「および/または」という用語、例えば「Xおよび/またはY」は「XおよびY」または「XまたはY」のどちらも意味すると理解され、また両方の意味またはどちらかの意味に明確なサポートを提供するものとする。
本明細書において「含む(comprise)」という単語は、「含む(comprises)」または「含むこと(comprising)」のような変換はあるが、記載されている要素、整数、工程、要素群、整数群、または工程群を含むが、他の全ての要素、整数、工程、要素群、整数群、または工程群を除くことを意味しないと理解されるであろう。
本明細書で使用される「引用」という用語は、必ずしも直接引用されるわけではないが、特定の整数が特定の文献から引用されていることを示すとする。
選択した定義
「抽出」という用語は可溶性タンパク質を発現した微生物から取り出すことを意味する。いくつかの例では、可溶性タンパク質の抽出は、例えば微生物において、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%または約70%の抽出以前に存在した他の物質または組成物から抽出する。
本明細書で使用されているように、「可溶性タンパク質」という用語は微生物内で発現されたタンパク質を意味すると理解される(例えば、細胞質基質またはペリプラズム内において、タンパク質は可溶性の状態である)。例えば、タンパク質は、細胞質基質またはペリプラズム内で不溶性の凝集体、例えば封入体を形成しない。
「微生物」という用語はいずれの微少単細胞生物または多細胞生物も意味することは当業者には明らかである。典型的な微生物は単細胞である。本開示の方法において有用な典型的な微生物は酵母、真菌および細菌を含む。
「微生物集団」という用語は、培養または発酵中に生産される微生物を含む。一例としては、培養中の微生物は一つのクローンから生じる。すなわちクローン微生物である。例えば、培養中に変異が生じない限り、これらの細胞は実質的に遺伝的に同一である。
本明細書で使用されているように、「カルボン酸」という用語は、少なくとも一つのカルボキシル基を含むいずれの有機酸も包含し、表1に列挙したようなカルボン酸を含む。一例として、カルボン酸は2、2.5、3、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4または4.5を超えるpKaを示す。例えば、カルボン酸は酢酸、ギ酸、クエン酸、乳酸、尿酸、安息香酸、クロロ酢酸、またはプロパン酸である。一例として、カルボン酸はギ酸、酢酸、安息香酸またはプロパン酸である。一例として、カルボン酸は酢酸、安息香酸、プロパン酸である。一例として、カルボン酸は酢酸である。
当業者は「%(v/v)」(同意語は「容量パーセント」または「v/vパーセント」)という用語は式((溶質(カルボン酸)の総体積量/溶液の総体積量)×100%)で算出されることを理解するであろう。
「湿重量」という単語は、微生物集団を最初の乾燥を行うことなく測定した重量を単に意味する。例えば、微生物の重量は細胞培地から(例えば遠心分離および/または濾過によって)採取したのちに、細胞を乾燥させることなく測定する。
「溶解率」という用語の意味は、本明細書の記載から、当業者にとっては明らかであろう。具体的には、微生物集団の湿重量に対する、カルボン酸溶液の体積量の割合のことである。
カルボン酸
本明細書で考察されている通り、本開示は細胞から可溶性タンパク質を抽出する際にカルボン酸の利用を図るものである。
一例として、カルボン酸は本明細書で考察されている%(v/v)で使用される際に抽出を可能とするだけの、十分に低いpKaを示す。
一例として、カルボン酸は約1%以上50%未満、例えば約1%〜約37.5%の%(v/v)で使用される際にタンパク質抽出に用いる設備、例えば反応槽に損害を与えないだけの、十分に高いpKaを示す。
典型的なカルボン酸とpKaを表1に示す。
Figure 2020097601

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一例として、カルボン酸は2を超えるpKaを示す。例えば、カルボン酸は、ペンタン酸、トリメチル酢酸、クエン酸、イソクエン酸、アジピン酸、アリシン、ヘキサン酸、2−ブロモ安息香酸、3−ブロモ安息香酸、2−クロロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、キノリン酸、安息香酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ギ酸、ブロモ酢酸、クロロ酢酸、ヨード酢酸、チオ酢酸、酢酸、グリコール酸、アクリル酸、プロパン酸、乳酸、グリセリン酸、オキサロ酢酸、アセト酢酸、コハク酸、マレイン酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、2−アミノブタン酸、4−アミノブタン酸、尿酸、グルタル酸、または1−グルタミン酸である。
一例として、カルボン酸は3を超えるpKaを示す。例えば、カルボン酸は、ギ酸、ヨード酢酸、チオ酢酸、酢酸、グリコール酸、アクリル酸、プロパン酸、乳酸、グリセリン酸、アセト酢酸、コハク酸、マレイン酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、4−アミノブタン酸、尿酸、グルタル酸、ペンタン酸、トリメチル酢酸、クエン酸、イソクエン酸、アジピン酸、アリシン、ヘキサン酸、3−クロロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、3−ヨード安息香酸、安息香酸、ヘプタン酸、またはオクタン酸である。
一例として、カルボン酸は4を超えるpKaを示す。例えば、カルボン酸は酢酸、アクリル酸、プロパン酸、コハク酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、2−アミノブタン酸、4−アミノブタン酸、グルタル酸、ペンタン酸、アジピン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、または安息香酸である。
一例として、カルボン酸は4.5を超えるpKaを示す。例えば、カルボン酸は酢酸、プロパン酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、ペンタン酸、トリメチル酢酸、アリシン、ヘキサン酸、またはオクタン酸である。
一例として、カルボン酸は酢酸またはギ酸である。
本開示の例示的な形態では、カルボン酸は酢酸である。本発明者は酢酸が他のカルボン酸(ギ酸)と比較して優れた抽出特性(例えば収量および/または純度)を示すことを明らかにした。酢酸はまた比較的安価(例えばある種の有機溶媒に比べて)であり、一般的に取り扱い、保管および/または廃棄に特殊な設備を必要としない。
微生物集団を一定期間組成物と接触させる本開示の実施例においては、カルボン酸は約1%以上100%未満の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約95%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約90%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約85%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約80%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約75%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約70%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約65%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約60%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約55%の%(v/v)で用いられる。
本開示の方法の一例として、カルボン酸は約1%以上50%未満の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約1%から約45%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約2%から約50%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約2%から約40%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約2%から約37.5%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約3%から約37.5%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約3%から約30%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約5%から約30%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約6%から約30%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約7%から約30%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約8%から約30%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約9%から約30%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約10%から約37.5%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は約10%から約25%の%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は1%、2%、5%、10%、15%、17.5%、25%、または37.5%のいずれかの%(v/v)で用いられる。例えば、カルボン酸は25%(v/v)で用いられる。
一例として、カルボン酸は、大きなまたは検出可能な緩衝能をもたない溶液に希釈される。
一例として、カルボン酸は水に希釈される。
一例として、カルボン酸を含む溶液はpH2〜pH6、例えばpH2〜5、例としてpH2〜4を示す。例えば、カルボン酸を含む溶液はpH2〜pH3を示す。一例としてカルボン酸を含む溶液はpH2〜pH2.5を示す。
抽出
一例として、カルボン酸は約1:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))から約20:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する。例えば、カルボン酸は約2:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))から約15:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する。例えば、カルボン酸は約3:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))から約10:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する。カルボン酸は約5:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))から約10:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する。例えば、カルボン酸は約5:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))または約6:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))または約7:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))または約8:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))または約9:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する。
本開示の例示的な形態では、カルボン酸は約9:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する。
当業者には明らかであるように、いくつかの例では、微生物の重量測定より前に集菌することが望ましい。集菌方法は当業者には明らかであり、例えば連続流遠心分離(例えばディスク−スタック遠心分離機、例としてアルファ・ラバル社またはGEA Westfalia Separator Group GmbH社から入手可能な遠心分離機を用いた)、精密濾過または接線流濾過を含む。
集菌後、微生物の重量はすぐに測定する。あるいは、微生物の一部の重量を測定し、その重量から微生物集団全体の重量を計算または推定する。
別の例では、微生物の培養菌体の一部を集菌して重量を測定し、その重量から培養菌体中の微生物の重量を計算または推定する。その後、所定量のカルボン酸を含む溶液を直接培養菌体に添加することができる。
さらに別の例では、微生物の培養菌体の重量を培養菌体に添加する各成分(例えば培地や餌)の既知重量に基づいて推定し、その重量から培養菌体中の微生物の重量を計算または推定する。
一例として、微生物集団はしばらくの間溶液と接触させ、可溶性タンパク質を抽出するのに十分な環境下におかれる。
本明細書において上述されるように、本発明者は本明細書に開示されるいずれかの例による方法によって、可溶性タンパク質を微生物集団から迅速に抽出できるようになることを見出した。例えば、本発明者はあるカルボン酸を含む溶液を細胞と約20分または約1時間または約20時間接触させると微生物群から等量のタンパク質が抽出できることを発見した。一例として、本方法は微生物集団を、カルボン酸を含む溶液と5時間未満または4時間未満または3時間未満または2時間未満接触させることを含む。例えば、本方法は微生物集団を、カルボン酸を含む溶液と1時間以下、例えば45分または30分または20分、接触させることを含む。本開示はまた、抽出時間の延長を意図している。例えば、微生物集団はカルボン酸と約1時間から約20時間、例えば1時間から5時間、例として1時間から3時間接触させる。一例として、微生物集団はカルボン酸と約1時間接触させる。
微生物集団はカルボン酸と、2℃から40℃、例えば4℃から約30℃、例えば室温で接触させることが可能である。当業者なら容易に理解するように、室温は抽出を行う環境に左右される。例えば、製造設備においては、室温は16℃から26℃、例えば18℃から25℃、例としては19℃または20℃または21℃または22℃または23℃または24℃である。
カルボン酸を含む溶液および微生物集団は標準的な方法で懸濁することができる。
カルボン酸と接触させた後、可溶性タンパク質を含む溶液は夾雑物と分離することができる。例えば、カルボン酸、微生物集団、および可溶性タンパク質を含む溶液を遠心分離および/または精密濾過することができる。その結果、可溶性タンパク質を含む可溶性画分を回収する。
一例として、本明細書に記載の抽出方法には微生物集団と無機酸とを接触させることは含まれない。
一例として、本明細書に記載の抽出方法には微生物集団と、カルボン酸または水を除く有機溶媒とを接触させることは含まれない。一例として、アルコール、例えばブタノールまたはプロパノールと微生物集団とを接触させることは含まれない。
一例として、本明細書に記載の抽出方法には超音波処理および/またはホモジナイズ処理は含まれない。
一例として、本明細書に記載の抽出方法にはポリエチレンイミン、硫酸マグネシウム(MgSO4)、塩化マグネシウム(MgCl2)、硫酸カルシウム(CaSO4)、または塩酸カルシウム(CaCl2)のような可溶化促進剤の添加は含まれない。
微生物
本開示に従って抽出する可溶性タンパク質の発現に適した微生物は、当業者には明らかであろう。例えば、微生物は酵母、真菌または細菌である。
典型的な酵母は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラメ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・ミヌタ(オガタ・エミヌタ、ピキア・リンドネリ)(Pichia minuta (Ogataea minuta、Pichia lindneri))、ピキア・オプティアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・サーモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・ゲルカム(Pichia guercuum)、ピキア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スティプティス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア属(Pichia sp.)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス属(Saccharomyces sp.)、ハンセヌラ・ポリモーファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces sp.)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、および カンディダ・アルビカンス(Candida albicans)を含む。
典型的な糸状菌は、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、クリソスポリウム・ラクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム属(Fusarium sp.)、フザリウム・グラミニウム(Fusarium gramineum)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum )およびニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)を含む。
本開示での使用に好適な細菌は、古細菌および真正細菌、特に真正細菌を含む。例えば、腸内細菌のようなグラム陰性細菌が本開示の方法において有用である。有用な細菌の典型例には、エシェリシア(Escherichia)、エンテロバクター(Enterobacter)、アゾトバクター(Azotobacter)、エルウィニア(Erwinia)、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シゲラ(Shigella)、リゾビア(Rhizobia)、ビトレオシラ(Vitreoscilla)、およびパラコッカス(Paracoccus)が含まれる。
一例として、微生物は大腸菌(Escherichia coli)である。適当な大腸菌(E. coli)宿主には、大腸菌(E.coli)W3110 (ATCC 27,325)、大腸菌(E.coli)294(ATCC 31,446 or 33,625)、大腸菌(E. coli)B、および 大腸菌(E.coli)X1776(ATCC 31,537)が含まれる。これらの例は制限的というよりはむしろ実例となるものである。上述した微生物のどの変異細胞もまた使用してもよい。好適な微生物は、組換え発現を用いる際、微生物内での発現ベクターの再製能力を考慮に入れることによって、選択できる。例えば、pBR322、pBR325、pACYC177またはpKN410のような既知のプラスミドを使用する際には、大腸菌(E.coli)、セラチア(Serratia)、またはサルモネラ(Salmonella)が宿主としての使用に好適である。
内在性タンパク質を抽出する際は、当該タンパク質を発現する微生物を選択することが重要である。
組換えタンパク質の発現
一例として、可溶性タンパク質は組換えで、すなわち、組換え工程/手段を用いて発現する。例えば、可溶性タンパク質をコードする核酸は発現構築物においてプロモーターと作動可能に連結される。発現構築物は微生物に導入でき、微生物のゲノムまたはプラスミドに組み込まれる、またはエピソームとして存在する。別の例では、発現構築物が発現ベクターである。
本明細書で使用される「プロモーター」という用語は幅広い意味に解釈され、TATAボックスまたは開始因子を包含するゲノム遺伝子の転写制御配列を含む。これらは正確な転写開始に必要であり、例えば、発展的および/または外因的な刺激に反応して、または組織特異的な方法で、核酸の発現に変化をもたらす他の制御因子(例えば、上流活性化配列、転写因子結合部位、エンハンサーまたはサイレンサー)を必要とする場合としない場合がある。本文脈において、「プロモーター」という用語はまた、作動可能に連結された核酸の発現を実行、活性化、または促進する、組換え、合成、または融合した核酸または誘導体に言及するために使用される。好ましくは、プロモーターは、発現をさらに増強する、および/または上述の核酸の空間的発現および/または時間的発現を変化させる特異的制御因子のコピーを、一つ以上含む。
本明細書で使用される「作動可能に連結される」という用語は、プロモーターを核酸の発現がそれによって制御されるように核酸に関連して位置決めすることを意味する。
「発現構築物」という用語は幅広い意味に解釈され、可溶性タンパク質をコードする核酸と作動可能に連結されたプロモーターおよび可溶性タンパク質の発現に必要な他の因子を含む。
「発現ベクター」という用語は、可溶性タンパク質および可溶性タンパク質の発現に必要な他の因子をコードする核酸と作動可能に連結された少なくとも一つのプロモーターを含む核酸と同時に、当該ベクターが微生物内で複製することを可能にする配列、および任意に選択マーカーをコードする配列に言及するものである。本発明の文脈においては、発現ベクターはプラスミド、バクテリオファージ、ファージミド、コスミド、ウイルスのサブゲノムフラグメントまたはゲノムフラグメント、または発現可能な形式で異種DNAを維持および/または複製可能な他の核酸を指すことは容易に理解されるであろう。多くの発現ベクターが様々な細胞で発現に使用できるように市販されている。適切なベクターの選択は当業者の知識の範囲内である。
菌体内ウイルスでの発現、および、例えば大腸菌(E.coli)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus sp)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium sp.)、サルモネラ属(Salmonella sp.)、バチルス属(Bacillus sp.)、およびシュードモナス属(Pseudomonas sp.)を含む群から選択した菌体での発現に好適である典型的なプロモーターには、laczプロモーター、Ippプロモーター、温度感受性λLまたはλRプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、SP6プロモーター、またはIPTG誘導型tacプロモーターあるいはlacUV5プロモーターのような半人工的なプロモーターが含まれるが、これらに限定されるものではない。菌体内で生み出された核酸フラグメントを発現するたくさんの他の遺伝子構成システムが当業者に一般的に知られており、例えば、Ausubel et al (Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience, ISBN 047 150338,1987)、および/または Sambrook et al (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York, Third Edition 2001)に記載されている。
菌体内で組換えポリペプチドと効果的なリボソーム結合部位を発現する多くの発現ベクターは、例えば、PKC30 (Shimatake and Rosenberg, Nature 292, 128, 1981)、pKK173-3 (Amann and Brosius, Gene 40, 183, 1985)、pET-3(Studier and Moffat, J. Mol. Biol. 189, 113, 1986)、pCRベクター (Invitrogen)、pGEM-T Easy ベクター (Promega)、pL 発現ベクター (Invitrogen)、アラビノース誘導型プロモータを有するpBAD/TOPO または pBAD/thio-TOPOシリーズベクター (Invitrogen, Carlsbad, CA)が、記載されている。最後のベクターはまた、発現タンパク質の高次構造を制約するためにチオレドキシンループと融合タンパク質を製造するよう設計されたものである。それ以外には、pFLEX シリーズ発現ベクター (Pfizer nc., CT,USA)、pQE シリーズ発現ベクター(QIAGEN, CA, USA)、またはpL シリーズ発現ベクター(Invitrogen)が記載されている。
例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロマイセス・セレビシエ(S.cerevisiae)またはサッカロマイセス・ポンベ(S.pombe)を含む群から選択した酵母細胞内での発現に好適な典型的なプロモーターには、限定されるものではないが、ADH1プロモーター、GAL1プロモーター、GAL4プロモーター、CUP1プロモーター、PHO5プロモーター、nmtプロモーター、RPR1プロモーター、またはTEF1プロモーターが含まれる。
酵母細胞内で発現する発現ベクターには、限定されるものではないが、pACTベクター(Clontech)、pDBleu-Xベクター、pPICベクター(Invitrogen)、pGAPZベクター(Invitrogen)、pHYBベクター(Invitrogen)、pYD1ベクター(Invitrogen)、またはpNMT1、pNMT41、pNMT81 TOPOベクター(Invitrogen)、pPC86-Yベクター(Invitrogen)、pRHシリーズベクター(Invitrogen)、pYESTrpシリーズベクター(Invitrogen)が含まれる。多くの他の発現構築物とその利用方法が当業界で知られており、例えば、Giga-Hama and Kumagai (Foreign Gene Expression in Fission Yeast:Schizosaccharomyces pombe, Springer Verlag, ISBN 3540632700, 1997) および Guthrie and Fink (Guide to Yeast Genetics and Molecular and Cell Biology Academic Press, ISBN 0121822540, 2002)に記載されている。
発現構築物または発現ベクターは当業界で知られている一般的な方法で微生物に導入する。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている多価陽イオン(例えばカルシウム)を利用する方法が、実質的な細胞壁バリアを持つバクテリア細胞には一般的に用いられる。別の形質転換法では、Chung and Miller, Nucleic Acids Res., 16: 3580 (1988)に記載されている通り、ポリエチレングリコール/DMSOを利用する。その他には、エレクトロポレーションや、カチオン性脂質を用いた遺伝子導入、ウイルスによる運搬、真菌の接合の導入方法がある。
組換え微生物を生産した後、可溶性タンパク質を発現する微生物群を生産するのに十分な条件下で培養する。このように、本開示の方法はまた、組換え細胞を生産する方法および/または可溶性タンパク質を発現する方法を包含する。
可溶性タンパク質の製造に使用する微生物は、一般的に記載されている方法、例えば、Sambrook et al.、前述の文献および/またはAusubel et al.、前述の文献および/または商業的に利用されている方法で、プロモーターを誘導できる好適な培地で培養する。炭素源、窒素源、無機リン酸源を除く必要な栄養素はまた、いずれも適切な濃度で含んでよく、単独でまたは他の栄養源と混合で、または複合窒素源のような培地として導入してもよい。培地のpHは5〜9のいずれでもよく、主に宿主の微生物による。可溶性タンパク質の蓄積のために、微生物は可溶性タンパク質の蓄積に十分な条件下で培養する。これらの条件には、例えば、温度、栄養物、細胞密度などのタンパク質の発現と蓄積を微生物内で促す条件が含まれる。さらに、当業者には明らかであるが、これらの条件は、微生物にとって転写、翻訳および細胞内区画間でのタンパク質輸送といった基本的な細胞機能が働く条件である。
誘導型発現の場合、例えば誘導型プロモーターを利用する場合、典型的には細胞を、誘導が開始されるある濁度に達するまで培養し、(例えば、誘導物質の添加によって、またはリプレッサー、サプレッサーまたは培地組成物の枯渇によって)可溶性タンパク質をコードする遺伝子の発現を誘導する。
タンパク質
本開示は、微生物中で可溶性が維持される、例えばバクテリア内で封入体を形成しないタンパク質の抽出を包含する。
一例として、可溶性タンパク質はそのタンパク質を微生物集団から抽出する際に可溶性が維持される等電点を示す。
一例として、可溶性タンパク質は約7.5以上、8以上、8.5以上、9以上、9.5以上、10以上、10.5以上、11以上、11.5以上、12以上、12.5以上または13以上の等電点を示す。
一例として、可溶性タンパク質は約6.5以下、6以下、5.5以下、5以下、4.5以下、4以下、3.5以下、3以下、2.5以下、2以下の等電点を示す。例えば、あるタンパク質は約3〜6の等電点、例として約4〜5の等電点、例えば4.6の等電点を示す。
一例として、ある可溶性タンパク質は約7の等電点、例として約6〜7の等電点を示す。
タンパク質の等電点を測定または推定する方法は当業者にとって明らかである。例えば、タンパク質の理論的な等電点はBjellqvist et al.,Electrophoresis,14:1023-1031,1993に記載される方法を用いて予測することができる。Bjellqvist et alによって記載された算法はスイスバイオインフォマティクス研究所のExPasyプロテオミクスサーバーから入手可能なCompute pIツールで実行する。
あるいは、タンパク質の等電点は、等電点電気泳動(IEF)を使って決定する。IEFは、両性電解質溶液を固定化pHグラジエント(IPG)ゲルに添加することが必要である。IPGゲルは、pH勾配と共重合したアクリルアミドゲル基盤である。電流をゲルに流すと、「正の」陽極と「負の」陰極が生まれる。負の電荷を持つタンパク質はpH勾配を通過して「正」極に移動し、正の電荷を持つタンパク質は「負」極に移動する。タンパク質はその電荷と反対の極に向かって移動し、タンパク質の等電点と同様のpHの位置に達するまでpH勾配の中を移動する。この時点で、タンパク質はもはや正味電荷を持たず(関連する官能基のプロトン化または脱プロトン化によって)、それ自体はこれ以上ゲル内を進まない。
一例として、タンパク質は例えばヒトの治療目的に使用される。典型的なタンパク質には組換え型ヒトインターロイキン-11(オプレルベキン:等電点11.85)、インターフェロン(アルファコン1:等電点9)、インターフェロンベータ(等電点8.9)、インターフェロンガンマ、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼ、オクトレオチド(等電点8.29)またはケラチン生成細胞成長因子(等電点10.42)が含まれる。
一例として、タンパク質はインターフェロン、例えばインターフェロンベータである。
一例として、タンパク質はインターロイキン、例えばIL-2のようなリンフォカインである。
一例として、タンパク質は抗体の可変領域を含む。典型的な可変領域を含むタンパク質は、例えば、ドメイン抗体(例えば、US6248516)、Fab領域、Fab’領域、F(ab’)領域、scFv(例えば、US5260203に記載されている)、ディアボディ、トリアボディ、テトラボディ、またはさらに高次の複合体(例えば、WO98/044001 および/または WO94/007921に記載されている)を含む。例えば、タンパク質は抗体のFab領域である。例えば、タンパク質はアブシキマブ、ラニビズマブ、またはセルトリズマブ(ポリエチレングリコールを結合させることでセルトリズマブペゴルを生成できる)である。
一例として、タンパク質は硬タンパク質である。例えば、タンパク質はコラーゲン(例えば、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、V型コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、VIII型コラーゲン、IX型コラーゲン、X型コラーゲン、XI型コラーゲンまたはXII型コラーゲン)、テネイシン(例えば、テネイシンCまたはテネイシンX)、ラミニン(例えば、ラミニンα、ラミニンβまたはラミニンγ)、フィブリリン、ALCAM、ビトロネクチン、デコリン、マトリックスGlaタンパク質、エラスチン、トロポエラスチンまたはテクトリンである。
一例として、タンパク質はコイルドコイル領域を含むまたは持っている。例えば、タンパク質はフィブリノーゲン、非クロスリンク角質(エピデルミン)、ミオシン、トロポミオシンおよびコラーゲンから成る群から選択される。
別の例として、タンパク質はシャペロニンまたは熱ショックタンパク質である。一例として、タンパク質はI型シャペロニンまたはII型シャペロニンである。典型的なシャペロニンは例えばHill et al.,Genome Res.14:1669-1675,2004に記載されている。一例としては、タンパク質は、例えばUS7618935に記載されているシャペロニン10である。
別の例として、可溶性タンパク質はナトリウム利尿ペプチドまたはその活性断片である。
さらに別の例として、可溶性タンパク質は、例えばワクチンにおいて使用される免疫原性断片である。
一例として、タンパク質は融合タンパク質である。
例えば、融合タンパク質は、例として大量生産を可能にするために、ペプチドまたはポリペプチドの複数のコピーを含むことができる。
別の例として、融合タンパク質はタグ、例えば精製または検出を容易にするタグ、例えばヘキサ-Hisタグを含む。
さらに別の例として、融合タンパク質は互いに融合した2つのペプチドまたはポリペプチドを含む。例えば、融合タンパク質は抗体、例えばIgG抗体のFc領域と融合したペプチドまたはポリペプチドを含む。例えば、融合タンパク質は、抗体のFc領域に融合する一つ以上(例えば、2つ)のトロンボポエチン受容体結合領域を含む。例えば、融合タンパク質はロミプロスチムである。
本明細書で述べるタンパク質には、例えば、1つ以上の保存的アミノ酸置換、一つ以上の欠失、および/または一つ以上の挿入を含む、タンパク質変異体も含む。一つの例として、タンパク質は20個未満の置換および/または欠失および/または挿入を含む。
タンパク質修飾
本開示に記載の方法によって抽出または回収したタンパク質は修飾、例えば別の化合物と結合させることで、修飾可能である。
例えば、他の化合物は、放射性同位元素、検出可能な標識、治療用化合物、コロイド、毒素、核酸、ペプチド、タンパク質、対象内のタンパク質の半減期を延ばす化合物およびこれらの混合物から成る群より選択される。
典型的な化合物を表2に列挙した。
Figure 2020097601

タンパク質の精製
いくつかの例として、本開示に記載の方法はさらに、タンパク質を精製する方法を含む。様々なタンパク質の精製方法が当業界で知られている。
微生物から調整したタンパク質は、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、フルオロアパタイトクロマトグラフィー、置換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、限外濾過またはアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製できる。これらの手法は当業界で知られており、例えば、Scopes (Protein purification: principles and practice, Third Edition, Springer Verlag, 1994)が記述している。エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカのクロマトグラフィー、ヘパリンのクロマトグラフィー、クロマト分画、SDS-PAGEまたは硫安沈殿のようなタンパク質精製方法もまた、回収するタンパク質によっては利用可能である。
可溶性タンパク質の精製または検出を可能にするタグ、例えば、ヘキサヒスチジンタグのようなポリヒスチジンタグ、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タグ、シミアンウイルス5(V5)タグ、FLAGタグまたはグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグを付与する修飾が可能であることが当業者に知られているであろう。好ましくは、タグはヘキサヒスタグである。これによって得られるタンパク質は、当業界で知られている方法、例えばアフィニティー精製を用いて精製する。例えば、ヘキサヒスタグを含むタンパク質は、タンパク質を含む溶液を、固体または半固体支持体に固定されたヘキサヒスタグと特異的に結合するニッケルニトリロ三酢酸(Ni-NTA)と接触させ、非結合タンパク質を除去するために溶液を洗浄し、その後結合タンパク質を抽出することによって、精製する。
配合
本明細書に記載の方法で抽出および/または精製したタンパク質は組成物の配合に使用できる。例えば、組成物は非経口投与、局所的投与(topical administration)、経口投与、筋肉内投与、眼内投与、皮下投与、局所投与(local administration)、エアゾールとしての投与、皮内投与、または経皮投与に、予防的処置または治療的処置または美容的処置のために使用できる。
典型的には、治療上有効な量のタンパク質が対象者に投与する組成物に配合される。「治療上有効な量」という表現は対象者において処置または他の治療効果を進める、誘導する、および/または強化する上で十分な量のことを指す。明らかではあるが、組成物中のタンパク質の濃度は広範囲に及び、主に液量、粘度、体重などに基づき、選択した特定の投与法または患者の要求に従って選択される。疾患の種類および程度によって、治療上有効な量は約1μg/kg〜150mg/kgのタンパク質であってよく、例えば、一回以上の分割した投与または連続注入でもよい。典型的な一日投与量は約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲である。患者に投与されるタンパク質の典型的な投与量は、患者の体重に対して約0.1〜約10mg/kgの範囲にある。
投与される組成物は一般的に、医薬上許容される担体、好ましくは水性担体に溶解したタンパク質の溶液を含む。様々な水性担体が使用可能である。例えば、緩衝食塩水などである。他の典型的な担体は、水、食塩水、リンガー溶液、ブドウ糖溶液および5%のヒト血清アルブミンを含む。混合油およびオレイン酸エチルのような非水性溶媒もまた使用してもよい。リポソームもまた担体として使用してもよい。担体は、等張性および化学安定性を強化する少量の添加物、例えば、緩衝液と防腐剤を含んでもよい。組成物は、pH調整剤、緩衝剤および毒性調整剤のような生理的状態に近づけるのに必要な医薬上許容される補助剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含んでもよい。
医薬組成物を調整する技術は、当業界では一般的に知られており、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th Ed. Mack Publishing Company, 1980に例示されている。
本明細書に記載されるいずれかの例による方法で抽出、単離または精製したタンパク質はまた、固体または半固体支持体の上部または内部に固定化できる。典型的な半固体支持体は、一般的に物質から成るマトリックスで、たいていの場合はポリマーであり、酵素的または酸/塩基の加水分解または溶解によって分解可能である。一度体内に挿入されると、マトリックスは酵素および体液によって影響を受ける。徐放性マトリックスは、リポソーム、ポリラクチド(ポリ乳酸)、ポリグリコリド(グリコール酸のポリマー)、ポリラクチド-コ-グリコリド(乳酸とグリコール酸のコ-ポリマー)、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリタンパク質、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(例えばフェニルアラニン、チロシン、イソロイシン)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドンおよびシリコーンのような生体適合性の物質から選択することが望ましい。
典型的な固体支持体は、プラスチック、包帯、縫合糸、ステント、ペースメーカー、人工内耳、または骨および/または脊髄のインプラントを含む。
本明細書に記載の組成物、半固体支持体、または固体支持体はさらなる構成要素を含むことができる。例えば、さらなる構成要素は、治療上のまたは美容上の効果を提供する、または抽出タンパク質の治療上のまたは美容上の効果を強化する、または、抽出タンパク質と相互作用または結合する、例えば複合体を形成する化合物(例えば、タンパク質)である。
本明細書に記載の組成物、半固体支持体、または固体支持体は、医薬用途、動物薬用途、化粧用途、薬用化粧用途または対象者へのインプラントまたは塗布を含む様々な用途に適している。半固体および固体支持体は、組織バルキング、組織損傷の修正、創傷の密封に有用である。同様に、組織マトリックスである組成物は、組織バルキング、組織損傷の修正、創傷の密封に有用である。
本明細書に記載の組成物、半固体支持体、または固体支持体は、注射、移植、噴霧、拭き取り、注入、塗布または接触によって投与することも可能である。
本開示はまた、本明細書に記載の方法で単離、抽出または製造されたタンパク質を含む医療装置を包含する。「医療装置」という用語は、規制当局が医療装置とみなすいずれの組成物も包含する。このように、本用語は、包帯および他の包帯材、つまり、縫合糸、インプラント、注射器、ステント、無針注射器、ペースメーカーなどを包含する。
キット
本開示はまた、本明細書に記載の方法の説明書が同封されたカルボン酸を含むキットを提供するものである。
一例として、キットはさらに、抽出する可溶性タンパク質を発現する微生物集団の生産に使用する微生物を含む。
別の例として、キットは、抽出する可溶性タンパク質を発現する微生物集団の生産に使用する微生物および本明細書に記載の方法の実施によりタンパク質を抽出するための説明書を含む。
別の例として、キットは、本開示の方法の実施により抽出したタンパク質を含む。
別の例として、キットは、本開示に従った固体支持体、半固体支持体または医療装置を含む。
次の実施例は可溶性タンパク質(例えば、可溶性の組換えタンパク質)を微生物(例えば大腸菌(E.coli))から抽出するために様々なカルボン酸が有用であることを示す。
実施例1:組換えタンパク質の抽出方法の比較
カルボン酸、n-プロパノール、または尿素を用いるプロトコールにて、等電点約7.5、分子量72kDaの組換えタンパク質を微生物細胞から抽出する能力を試験した。
試験に用いた抽出溶液は以下の通りである。
1. 100mM(0.57%(v/v)酢酸(室温)
2. 100mM(0.57%(v/v)酢酸(4oC)
3. 2.2M(10%(v/v))ギ酸(4oC)
4. 60% n-プロパノール
5. 15mM 水酸化ナトリウム
6. 尿素抽出溶液
表3に、各溶液に使用した細胞重量を示した。
Figure 2020097601

各溶液5mlを湿重量1gの細胞に添加し1時間懸濁した。その後、懸濁液は遠心分離によって沈殿させ上清を回収した。
15mM水酸化ナトリウで処理した細胞は15分培養後、100μlの1Mホウ酸塩(pH8.0)を加え約pH8.0に調整し、20mMホウ酸塩溶液とした。
次に、10μlのn-プロパノール抽出液をhetovacを用いて乾燥させ、13μlのドデシル硫酸リチウム(LDS)バッファーに再懸濁し4〜12%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。他の試験区は全て、10μlの上清を3μlのLDSバッファーと混合し、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。結果は図1に示した。
結果によると、水酸化ナトリウムまたは0.57%(v/v)酢酸は組換えタンパク質をほとんど可溶化しなかった。ギ酸による抽出は当該タンパク質を特異的に溶解し、n-プロパノールも同様であった。尿素は多くの細胞タンパク質を溶解したため、図1では過負荷の結果となった。尿素の結果はまた、溶解された可能性のある大量の核酸によって不利な影響を受けたのかもしれない。
実施例2:組換えタンパク質の酢酸抽出
実施例1に記載の通り、ギ酸は大腸菌(E.coli)からの組換えタンパク質の抽出に使用可能である。酢酸は、比較的弱酸のカルボン酸という限りにおいては、ギ酸に似ている。酢酸はまた安価で安全に保管、取り扱いおよび廃棄できる。したがって、酢酸を、実施例1に記載の組換えタンパク質を大腸菌(E.coli)から抽出する試験に用いた。
酢酸は2%(v/v);pH2.71、5%(v/v);pH2.47および10%(v/v);pH2.22で試験した。
細胞を以下の通りに溶解した。
2%酢酸:1.12g(湿重量)細胞ペースト+5mL 2%(v/v)酢酸
5%酢酸: 1.01g(湿重量)細胞ペースト+5mL 5%(v/v)酢酸
10%酢酸: 1g(湿重量)細胞ペースト+5mL 10%(v/v)酢酸
尿素: 1.08g(湿重量)細胞ペースト+5mL 尿素バッファー
サンプルをボルテックスして、細胞ペーストをスパチュラで砕いて混合した。その後、サンプルを回転ミキサーにかけ、約1.5時間混合した。各サンプルから1ml採取し、Eppendorf(商標)ベンチトップ型遠心分離機によって14,000rpmで沈殿させた。上清10μlをSDS-PAGEに供した。結果を図2に示す。
SDS-PAGEの結果、酢酸溶解が目的タンパク質にとって非常に特異的であること、すなわち、他のタンパク質はほとんど可溶化されなかったことが判明した。
遠心分離によって、酢酸抽出溶解物は直ちに沈殿し、その上清はわずかに黄色を呈した。対照的に、尿素抽出では遠心分離の後、上清は暗い黄色を呈し、軟性または「粘液性」のペレットを生じた。
HPLC解析の結果、2%(v/v)、3%(v/v)または10%(v/v)酢酸で抽出した組換えタンパク質は、コントロール(すなわち別の方法で製造したタンパク質)とクロマトグラム上の同じ点に溶出した。よって、タンパク質が正しく形成されており、酸性抽出によって損傷を受けていないであろうと考えられる。
HPLCおよびSDS-PAGEの結果は、10%酢酸抽出が5%酢酸抽出よりも多くの組換えタンパク質を、また5%酢酸抽出が2%酢酸抽出よりも多くの組換えタンパク質を製造したことを示している。さらに、酢酸抽出タンパク質は尿素抽出タンパク質よりも十分に純度が高かった(HPLCの結果、尿素抽出では48.6%の純度に対し、10%酢酸抽出では70.6%の純度であった)。
実施例3:酢酸抽出条件の特性評価
酢酸濃度、培養時間、溶解率(カルボン酸(ml):細胞の湿重量(g))の効果を測定するために、ボックス−ベッケン計画を展開した。考慮した因子は、以下の通りである。
酢酸(v/v%):最小=10%、最大=25%
培養時間(h):最小=1、最大=5
溶解率(カルボン酸(ml)/細胞の湿重量(g)):最小=1、最大=9
試験した変数は表4に提示の通りである。
Figure 2020097601

全ての反応液をボルテクスし、反応管に付着したいずれの細胞集団も反応時間の間回転式ミキサーにかける前にガラスパスツールピペットで混合した。
反応1をサンプリングした後、回転式ミキサーに戻し、さらに19時間かけた。
反応液は、溶液を確実に完全に混合させるために、サンプリングの前にボルテクスした。それぞれの時間において、1mlの溶液を反応液から採取し、Eppendorf(商標)遠心分離機で14000rpm、4分間遠心分離し、約500μlの上清を採取し、HPLC解析まで保存した。結果は表5にまとめた。
Figure 2020097601

結果はまた、図3および4に示している。
本結果は、酢酸は、様々な長さの時間培養した組換えタンパク質の抽出が可能であり、培養時間は収量や純度に実質上は影響を与えないことを示す。このように、本結果は、試験した条件下での細胞の分解および/またはタンパク質の抽出は迅速に起こることを証明する。すなわち、分解および/または抽出のレベルが1時間の培養時間の時と、3、5または20時間の培養時間の時とで同様である。培養時間が長いと高レベルの細胞分解をもたらすと期待されるため、この結果は反直感的に見える。本結果はまた、酢酸濃度と溶解率が収量(濃度:推定回帰係数0.22;p<0.005;溶解率:推定回帰係数0.16;p<0.05)と純度(濃度:推定回帰係数12.05;p<0.005;溶解率:推定回帰係数13.65;p<0.05)に最も強く影響することを証明する。純度および収量ともに濃度および溶解率を上げると上昇した。
実施例4:酢酸量がタンパク質の収量および純度に与える影響
様々な酢酸濃度および抽出時間が、大腸菌(E.coli)細胞から抽出した組換えタンパク質の量およびタンパク質の純度に与える影響を測定するために、評価を行った。実施例1と同様のタンパク質を発現する細胞を評価した。
抽出(酢酸濃度(%):25、37.5、50、62.5、75、87.5、100を使用)は終了まで放置した(すなわち、20±4時間の一晩抽出)。その後上清をRP-HPLCによって解析し、抽出した組換えタンパク質の量および製造したタンパク質の純度を標準試料のピークエリアおよび純度と比較して決定した。
図5は、SDS-PAGE解析の図で、酢酸濃度を上昇させると高レベルの組換えタンパク質が抽出されるが、抽出される夾雑物のレベルもまた上昇することを示している。
RP-HPLCを使用した抽出物の解析結果を表6に示す。本データは酢酸濃度が約62.5%を超えると純度が低下することを示している。
Figure 2020097601

表6に記載のデータはまた、図6にグラフ化しており、酢酸濃度と組換えタンパク質の収量とが正の相関を示すこと、および酢酸濃度とタンパク質の純度とが閾値に達するまで負の相関を示すことを表している。
上述したとおりに作成した100μlの反応液はまた、様々な時間(5、10、20、40または60分)でサンプリングし、直ちに遠心分離して、上清を取り除いた。上清はRP-HPLCによって解析し、標準物質と比較してタンパク質の量と純度を測定した。解析の結果を表7、表8および図7に表している。SDS−PAGE解析はまた、製造タンパク質の純度を比較するオルソゴナル法を提供するために実施した。その結果を図8に示す。
Figure 2020097601


Figure 2020097601

実施例5:酢酸を用いた融合タンパク質の抽出
3つのペプチドのコピーを持ち、且つ約4.6の等電点を示す融合タンパク質を発現する微生物細胞を増殖、回収および凍結した。その後細胞を溶解、または、25%(v/v)酢酸溶液と1時間接触させることにより融合タンパク質を抽出し、遠心分離して上清を回収した。得られた組成物のSDS-PAGE解析の結果を図9に表している。本データは酢酸抽出が宿主細胞のタンパク質による夾雑物を実質的に減らしたことを示している。本データはまた、本明細書に記載の抽出方法が融合タンパク質および/または酸性の等電点を示すタンパク質にも適用可能であることを示している。
実施例5:酢酸を用いた融合タンパク質の抽出
3つのペプチドのコピーを持ち、且つ約4.6の等電点を示す融合タンパク質を発現する微生物細胞を増殖、回収および凍結した。その後細胞を溶解、または、25%(v/v)酢酸溶液と1時間接触させることにより融合タンパク質を抽出し、遠心分離して上清を回収した。得られた組成物のSDS-PAGE解析の結果を図9に表している。本データは酢酸抽出が宿主細胞のタンパク質による夾雑物を実質的に減らしたことを示している。本データはまた、本明細書に記載の抽出方法が融合タンパク質および/または酸性の等電点を示すタンパク質にも適用可能であることを示している。
さらに本願発明は次の態様を含む。
項1. 微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量の、約1%(v/v)以上50%(v/v)未満のカルボン酸を含む溶液とを接触させることを含む方法。
項2. 溶液が約1%(v/v)〜約40%(v/v)のカルボン酸を含む、項1に記載の方法。
項3. 溶液が約25%(v/v)〜約37.5%(v/v)のカルボン酸を含む、項1に記載の方法。
項4. カルボン酸を約1:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))〜約20:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する、項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
項5. カルボン酸を約5:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))〜約10:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する、項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
項6. カルボン酸が少なくとも約3のpKaを示す、項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
項7. カルボン酸が酢酸またはギ酸である、項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
項8. カルボン酸が酢酸である、項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
項9. 微生物集団と溶液とを約5時間以下接触させることを含む、項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
項10. 微生物集団と溶液とを約1時間以下接触させることを含む、項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
項11. さらに微生物集団と界面活性剤とを接触させる、項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
項12. 可溶性タンパク質が微生物集団によって組換えタンパク質として発現される、項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
項13. 微生物集団が細菌、酵母または真菌である、項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
項14. 微生物集団が細菌である、項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
項15. 微生物集団がグラム陰性細菌である、項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
項16. 微生物集団が大腸菌(Escherichia coli)である、項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
項17. 可溶性タンパク質が微生物集団から抽出される際に溶液中で可溶性を維持できる等電点を示す、項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
項18. 可溶性タンパク質が7.5以上の等電点を示す、項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
項19. 可溶性タンパク質が6以下の等電点を示す、項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
項20. タンパク質が、硬タンパク質、ナトリウム利尿ペプチド、シャペロニン、熱ショックタンパク質、インターロイキン、インターフェロン、融合タンパク質および抗体の様々なドメインを含むタンパク質からなる群から選択される、項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
項21. 微生物集団から可溶性タンパク質を精製する方法であって、項1〜20のいずれか1項に記載の方法を実施することおよび前記の方法によって抽出した可溶性タンパク質を精製することを含む方法。
項22. 可溶性タンパク質を他の化合物と混合することをさらに含む、項21に記載の方法。
項23. 精製または抽出したタンパク質を修飾することをさらに含む、項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
項24. 修飾タンパク質を製造する方法であって、項21〜23のいずれか1項に記載の方法によって精製したタンパク質を取得して修飾すること、または項1〜20のいずれか1項に記載の方法によって抽出したタンパク質を取得して修飾することを含む方法。
項25. タンパク質の修飾が別の化合物をタンパク質へ結合させることを含む、項23または24に記載の方法。
項26. タンパク質を組成物に配合することをさらに含む、項21〜25のいずれか1項に記載の方法。
項27. タンパク質を固体支持体または半固体支持体の上部または内部に固定化することをさらに含む、項21〜25のいずれか1項に記載の方法。
項28. 組成物を製造する方法であって、項1〜25のいずれか1項に記載の方法によって抽出、精製または製造したタンパク質を取得すること、および前記タンパク質を組成物に配合することを含む方法。
項29. 固体または半固体支持体を製造する方法であって、項1〜25のいずれか1項に記載の方法によって抽出、精製、または製造したタンパク質を取得すること、およびタンパク質を固体支持体または半固体支持体の上部または内部に固定化することを含む方法。
項30. 組成物、固体支持体または半固体支持体がヒトまたは非ヒト動物への投与または適用に用いられる、項26〜29のいずれか1項に記載の方法。
項31. 組成物、固体支持体または半固体支持体が医薬用途、化粧用途、薬用化粧用途、動物薬用途、または移植に用いられる、項26〜31のいずれか1項に記載の方法。
項32. 項1〜31のいずれか1項に記載の方法を実施することを含む方法を実施することによって製造される、タンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。
項33. 医薬品に用いられる、項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。
項34. 医薬用途、化粧用途、薬用化粧品途、動物薬用途、または移植に用いられる、項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。
項35. 病態を治療する方法であって、項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体を、それを必要とする対象者に投与することを含む方法。
項36. 病態を治療するための医薬の製造のための、項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体の使用。
項37. 項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体を含む装置。
項38. 注射器、パッチ、またはインプラントである項35に記載の装置。

Claims (38)

  1. 微生物集団から可溶性タンパク質を抽出する方法であって、可溶性タンパク質を発現する微生物集団と、微生物集団から可溶性タンパク質を抽出するのに有効な量の、約1%(v/v)以上50%(v/v)未満のカルボン酸を含む溶液とを接触させることを含む方法。
  2. 溶液が約1%(v/v)〜約40%(v/v)のカルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 溶液が約25%(v/v)〜約37.5%(v/v)のカルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  4. カルボン酸を約1:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))〜約20:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. カルボン酸を約5:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))〜約10:1(カルボン酸(ml):微生物(湿重量,g))の溶解率で添加する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. カルボン酸が少なくとも約3のpKaを示す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. カルボン酸が酢酸またはギ酸である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. カルボン酸が酢酸である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 微生物集団と溶液とを約5時間以下接触させることを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 微生物集団と溶液とを約1時間以下接触させることを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. さらに微生物集団と界面活性剤とを接触させる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 可溶性タンパク質が微生物集団によって組換えタンパク質として発現される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 微生物集団が細菌、酵母または真菌である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 微生物集団が細菌である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 微生物集団がグラム陰性細菌である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  16. 微生物集団が大腸菌(Escherichia coli)である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  17. 可溶性タンパク質が微生物集団から抽出される際に溶液中で可溶性を維持できる等電点を示す、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 可溶性タンパク質が7.5以上の等電点を示す、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 可溶性タンパク質が6以下の等電点を示す、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  20. タンパク質が、硬タンパク質、ナトリウム利尿ペプチド、シャペロニン、熱ショックタンパク質、インターロイキン、インターフェロン、融合タンパク質および抗体の様々なドメインを含むタンパク質からなる群から選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 微生物集団から可溶性タンパク質を精製する方法であって、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法を実施することおよび前記の方法によって抽出した可溶性タンパク質を精製することを含む方法。
  22. 可溶性タンパク質を他の化合物と混合することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 精製または抽出したタンパク質を修飾することをさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 修飾タンパク質を製造する方法であって、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法によって精製したタンパク質を取得して修飾すること、または請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法によって抽出したタンパク質を取得して修飾することを含む方法。
  25. タンパク質の修飾が別の化合物をタンパク質へ結合させることを含む、請求項23または24に記載の方法。
  26. タンパク質を組成物に配合することをさらに含む、請求項21〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. タンパク質を固体支持体または半固体支持体の上部または内部に固定化することをさらに含む、請求項21〜25のいずれか1項に記載の方法。
  28. 組成物を製造する方法であって、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法によって抽出、精製または製造したタンパク質を取得すること、および前記タンパク質を組成物に配合することを含む方法。
  29. 固体または半固体支持体を製造する方法であって、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法によって抽出、精製、または製造したタンパク質を取得すること、およびタンパク質を固体支持体または半固体支持体の上部または内部に固定化することを含む方法。
  30. 組成物、固体支持体または半固体支持体がヒトまたは非ヒト動物への投与または適用に用いられる、請求項26〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 組成物、固体支持体または半固体支持体が医薬用途、化粧用途、薬用化粧用途、動物薬用途、または移植に用いられる、請求項26〜31のいずれか1項に記載の方法。
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法を実施することを含む方法を実施することによって製造される、タンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。
  33. 医薬品に用いられる、請求項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。
  34. 医薬用途、化粧用途、薬用化粧品途、動物薬用途、または移植に用いられる、請求項32
    に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体。
  35. 病態を治療する方法であって、請求項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体を、それを必要とする対象者に投与することを含む方法。
  36. 病態を治療するための医薬の製造のための、請求項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体の使用。
  37. 請求項32に記載のタンパク質、組成物、固体支持体または半固体支持体を含む装置。
  38. 注射器、パッチ、またはインプラントである請求項35に記載の装置。
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