JP2020097121A - 三次元造形装置および三次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成によって、造形中における三次元造形物との固定性と、造形後における三次元造形物との分離性とを確保可能な造形ステージを提供する。【解決手段】三次元造形装置は、造形材料を吐出する吐出部と、造形材料が積層される造形面に連通する連通孔部が設けられた造形ステージと、連通孔部を介して、造形面に流体を供給する加圧機構と、加圧機構を制御する制御部と、を備える。制御部は、三次元造形物の造形が完了した後、加圧機構を駆動することによって、三次元造形物の連通孔部に重なる部分に、連通孔部を介して流体を供給する。【選択図】図1
Description
本開示は、三次元造形装置および三次元造形物の製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、貫通穴が設けられた穴板部材と、穴板部材の貫通穴に対応する位置に突起を有する突起部材とを備える、ステージが開示されている。このステージでは、造形時には、突起を貫通穴から突き出させて、造形物と突起との接着面積を増加させることによって、造形物とステージとの固定性の向上が図られ、造形後には、穴板部材と突起部材とを相対的に移動させて、造形物をステージから分離させることによって、造形物とステージとの分離性の向上が図られている。
上述した造形ステージでは、穴板部材と突起部材とを相対的に移動させるための機構が必要であり、かつ、突起部材の突起を穴板部材の貫通穴から突き出させるために、突起と貫通穴との高精度な位置合わせが必要である。そのため、造形ステージが複雑化する可能性がある。そこで、本願は、より簡易な構成によって、造形中における三次元造形物との固定性と、造形後における三次元造形物との分離性とを確保可能な造形ステージを提供することを課題とする。
本開示の一形態によれば、三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、造形材料を吐出する吐出部と、前記造形材料が積層される造形面に連通する連通孔部が設けられた造形ステージと、前記連通孔部を介して、前記造形面に流体を供給する加圧機構と、前記加圧機構を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、三次元造形物の造形が完了した後、前記加圧機構を駆動することによって、前記三次元造形物の前記連通孔部に重なる部分に、前記連通孔部を介して前記流体を供給する。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における三次元造形装置100の概略構成を示す説明図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向に沿った矢印が表されている。X方向およびY方向は、水平方向に沿った方向であり、Z方向は、鉛直方向に沿った方向である。他の図においても、X,Y,Z方向に沿った矢印が、適宜、表されている。図1におけるX,Y,Z方向と、他の図におけるX,Y,Z方向とは、同じ方向を表している。
図1は、第1実施形態における三次元造形装置100の概略構成を示す説明図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向に沿った矢印が表されている。X方向およびY方向は、水平方向に沿った方向であり、Z方向は、鉛直方向に沿った方向である。他の図においても、X,Y,Z方向に沿った矢印が、適宜、表されている。図1におけるX,Y,Z方向と、他の図におけるX,Y,Z方向とは、同じ方向を表している。
本実施形態における三次元造形装置100は、吐出ユニット200と、造形ステージ300と、移動機構400と、加圧機構500と、吸引機構600と、制御部700とを備えている。三次元造形装置100は、制御部700の制御下で、吐出ユニット200に設けられたノズル61から、造形ステージ300に向かって造形材料を吐出しつつ、移動機構400によって、ノズル61と造形ステージ300との相対的な位置を変化させることによって、造形ステージ300上に所望の形状の三次元造形物を造形する。尚、吐出ユニット200のことを、吐出部と呼ぶこともある。
本実施形態における造形ステージ300は、直方体の箱状の形態を有している。造形ステージ300は、板部310と基部320とを備えている。板部310は、基部320によって支持されている。板部310は、ノズル61から吐出された造形材料を積層される造形面311を有している。基部320には、板部310と、基部320の側面と、基部320の底面とによって囲まれた流通室325が設けられている。板部310には、造形面311と流通室325とを連通する複数の連通孔316が形成された、連通孔部315が設けられている。本実施形態では、各連通孔316の径は、同じである。各連通孔316の径は、ノズル孔62の径であるノズル径以下である。尚、連通孔部315の詳細な構成は、図4を用いて後述する。
造形ステージ300には、基部320の側面を貫通する供給口328および排出口329が設けられている。供給口328および排出口329は、流通室325に連通している。供給口328には、加圧機構500に通じる第1配管510が接続されている。排出口329には、吸引機構600に通じる第2配管610が接続されている。尚、図1には、供給口328と排出口329、第1配管510と第2配管610、第1弁機構520と第2弁機構620、加圧機構500と吸引機構600が重なった状態で表されている。
移動機構400は、造形ステージ300と吐出ユニット200との相対的な位置を変化させる。本実施形態では、移動機構400は、造形ステージ300を支持しており、吐出ユニット200に対して、造形ステージ300を移動させる。本実施形態における移動機構400は、3つのモーターの駆動力によって、造形ステージ300をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成される。各モーターは、制御部700の制御下にて駆動する。尚、移動機構400は、造形ステージ300を移動させる構成ではなく、造形ステージ300を移動させずに、吐出ユニット200を移動させる構成であってもよい。移動機構400は、造形ステージ300と吐出ユニット200との両方を移動させる構成であってもよい。
加圧機構500は、第1配管510を介して造形ステージ300の供給口328に接続されている。加圧機構500は、第1配管510を介して造形ステージ300の流通室325に対して、圧縮された空気を供給する。加圧機構500には、例えば、コンプレッサーを用いることができる。尚、空気の他に、種々の流体が用いられてもよい。流体は、気体であってもよいし、液体であってもよい。気体としては、空気の他に、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを用いることができる。液体としては、例えば、水や有機溶媒等を用いることができる。
吸引機構600は、第2配管610を介して造形ステージ300の排出口329に接続されている。吸引機構600は、第2配管610を介して造形ステージ300の流通室325から空気を吸引する。吸引機構600には、例えば、真空ポンプを用いることができる。
第1配管510には、第1弁機構520が設けられている。第2配管610には、第2弁機構620が設けられている。第1弁機構520および第2弁機構620には、例えば、ボールバルブやバタフライバルブやゲートバルブ等を用いることができる。第1弁機構520および第2弁機構620は、制御部700の制御下で駆動するモーターによって開閉される。
制御部700は、1以上のプロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースとを備えるコンピューターによって構成されている。本実施形態では、制御部700は、主記憶装置上に読み込んだプログラムや命令をプロセッサーが実行することによって、種々の機能を発揮する。尚、制御部700は、コンピューターではなく、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。
吐出ユニット200は、材料供給部20と、溶融部30と、ノズル61とを備えている。材料供給部20は、ペレットや粉末等の状態の材料を収容している。本実施形態における材料は、ペレット状のABS樹脂である。本実施形態における材料供給部20は、ホッパーによって構成されている。材料供給部20と溶融部30との間は、材料供給部20の下方に設けられた供給路22によって接続されている。材料供給部20に収容された材料は、供給路22を介して、溶融部30に供給される。
溶融部30は、スクリューケース31と、駆動モーター32と、フラットスクリュー40と、バレル50とを備えている。溶融部30は、材料供給部20から供給された固体状態の材料の少なくとも一部を溶融させて流動性を有するペースト状の造形材料にして、ノズル61に供給する。尚、フラットスクリュー40のことを、単にスクリューと呼ぶこともある。
スクリューケース31は、フラットスクリュー40を収容する筐体である。スクリューケース31の上面には、駆動モーター32が固定されている。駆動モーター32の回転軸は、フラットスクリュー40の上面41に接続されている。
フラットスクリュー40は、中心軸RXに沿った方向の高さが直径よりも小さい略円柱形状を有している。フラットスクリュー40は、中心軸RXがZ方向に平行になるように、スクリューケース31内に配置されている。駆動モーター32が発生させるトルクによって、フラットスクリュー40は、スクリューケース31内にて、中心軸RXを中心に回転する。
フラットスクリュー40は、中心軸RXに沿った方向における上面41とは反対側に溝形成面42を有している。溝形成面42には、溝部45が形成されている。フラットスクリュー40の溝形成面42の詳細な形状は、図2を用いて後述する。
バレル50は、フラットスクリュー40の下方に設けられている。バレル50は、フラットスクリュー40の溝形成面42に対向するスクリュー対向面52を有している。バレル50には、フラットスクリュー40の溝部45に対向する位置にヒーター58が内蔵されている。ヒーター58の温度は、制御部700によって制御される。尚、ヒーター58のことを加熱部と呼ぶこともある。
スクリュー対向面52の中心には、送出口56が設けられている。送出口56は、ノズル61に連通している。尚、バレル50のスクリュー対向面52の詳細な形状については、図3を用いて後述する。
ノズル61には、ノズル孔62と、ノズル孔62に連通するノズル流路65が設けられている。ノズル孔62は、ノズル61の先端部分に設けられている。ノズル孔62は、ノズル流路65の大気に連通する側の端部に設けられた流路断面が縮小された部分である。ノズル流路65は、溶融部30の送出口56に連通する。溶融部30からノズル61に供給された造形材料は、ノズル孔62から吐出される。
図2は、本実施形態におけるフラットスクリュー40の溝形成面42の構成を示す斜視図である。図2に示したフラットスクリュー40は、技術の理解を容易にするために、図1に示した上下の位置関係を逆向きとした状態で示されている。フラットスクリュー40の溝形成面42には、上述したとおり、溝部45が形成されている。溝部45は、中央部46と、渦状部47と、材料導入部48とを有している。
中央部46は、フラットスクリュー40の中心軸RXの周りに形成された円形の窪みである。中央部46は、バレル50に設けられた送出口56に対向する。
渦状部47は、中央部46を中心として、溝形成面42の外周に向かって弧を描くように渦状に延びる溝である。渦状部47は、インボリュート曲線状や螺旋状に延びるように構成されてもよい。渦状部47の一端は、中央部46に接続されている。渦状部47の他端は、材料導入部48に接続されている。
材料導入部48は、溝形成面42の外周縁に設けられた渦状部47よりも幅広な溝である。材料導入部48は、フラットスクリュー40の側面43まで連続している。材料導入部48は、供給路22を介して材料供給部20から供給された材料を、渦状部47に導入する。
図3は、本実施形態におけるバレル50のスクリュー対向面52の構成を示す上面図である。上述したとおり、スクリュー対向面52の中央には、ノズル61に連通する送出口56が形成されている。スクリュー対向面52における送出口56の周りには、複数の案内溝54が形成されている。それぞれの案内溝54は、一端が送出口56に接続され、送出口56からスクリュー対向面52の外周に向かって渦状に延びている。それぞれの案内溝54は、造形材料を送出口56に導く機能を有している。
上述した三次元造形装置100の構成によれば、材料供給部20に収容された材料は、供給路22を通って、回転しているフラットスクリュー40の側面43から材料導入部48に供給される。材料導入部48内に供給された材料は、フラットスクリュー40の回転によって、渦状部47内へと搬送される。
渦状部47内に搬送された材料は、フラットスクリュー40の回転と、バレル50に内蔵されたヒーター58による加熱とによって、少なくとも一部が溶融されて、流動性を有するペースト状の造形材料となる。
フラットスクリュー40の回転によって、渦状部47内を中央部46に向かって造形材料が搬送される。中央部46に搬送された造形材料は、送出口56からノズル流路65を介してノズル孔62に送出され、ノズル孔62から造形ステージ300に向かって吐出される。このようにして、造形ステージ300上に造形材料が積層されることによって、三次元造形物が造形される。
図4は、本実施形態における造形ステージ300の上面図である。本実施形態では、連通孔部315の複数の連通孔316は、造形面311に沿って規則的に配置されている。X方向に沿って連通孔316が等間隔に配置されており、Y方向に沿って連通孔316が等間隔に配置されている。尚、連通孔316は、造形面311に沿って不規則に配置されてもよい。
本実施形態における板部310には、ステンレス鋼製の板状部材が用いられ、連通孔部315は、この板状部材に切削加工によって形成されている。尚、板部310には、アルミニウム製の多孔質部材や、セラミック製の多孔質部材が用いられてもよい。この場合、多孔質部材の有する細孔によって連通孔部315が形成される。造形面311は、平滑に仕上げられることが好ましい。
図5は、三次元造形物OBが造形ステージ300に吸引される様子を示す説明図である。吸引機構600の駆動が開始され、かつ、第2弁機構620が開状態にされると、造形ステージ300の流通室325の空気が吸引機構600によって吸引される。流通室325の空気が吸引されることによって、流通室325は負圧にされる。流通室325が負圧にされることによって、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が、連通孔部315を介して吸引されて、三次元造形物OBは、造形ステージ300に強固に固定される。
図6は、三次元造形物OBが造形ステージ300から分離される様子を示す説明図である。加圧機構500の駆動が開始され、かつ、第1弁機構520が開状態にされると、加圧機構500から造形ステージ300の流通室325に対して、圧縮された空気が供給される。流通室325に供給された圧縮空気は、連通孔部315を介して、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分に対して供給される。供給された圧縮空気によって、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が押し上げられて、三次元造形物OBは、造形ステージ300から分離される。
図7は、本実施形態における三次元造形物OBの製造方法のフローチャートである。本実施形態における三次元造形物OBの製造方法は、データ取得工程と、吸引開始工程と、造形工程と、吸引停止工程と、分離工程と、仕上工程とを有し、この順で三次元造形物OBの製造が行われる。三次元造形装置100に設けられた操作パネルや、三次元造形装置100に接続されたコンピューターに対して、所定の開始操作がユーザーによって行われた場合に、三次元造形物OBの製造が開始される。
ステップS110のデータ取得工程では、制御部700は、三次元造形装置100に接続されるコンピューターや記録媒体から、ツールパスデータを取得する。ツールパスデータとは、三次元造形物OBの造形に用いられる、吐出ユニット200や造形ステージ300の軌跡が表されたデータである。尚、この状態では、第1弁機構520および第2弁機構620は閉状態にされている。つまり、造形ステージ300と加圧機構500との間、および、造形ステージ300と吸引機構600との間は、空気の流通が遮断されている。
ステップS120の吸引開始工程では、制御部700は、吸引機構600の駆動を開始した後、第2弁機構620を開状態にする。そのため、連通孔部315を介して、造形面311から吸引機構600への空気の吸引が開始される。尚、制御部700は、吸引機構600の駆動を開始することに先立って、第2弁機構620を開状態にしてもよい。
ステップS130の造形工程では、制御部700は、吐出ユニット200と移動機構400とを駆動することによって、造形ステージ300の造形面311に造形材料を吐出して、三次元造形物OBを造形する。造形面311に吐出された造形材料の一部は、連通孔部315に入り込み、その後、冷えて硬化する。そのため、アンカー効果によって、三次元造形物OBは、造形ステージ300に対して、強固に固定される。
上述したステップS130の造形工程では、図5を用いて説明したとおり、流通室325が負圧にされることによって、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が、連通孔部315を介して吸引される。そのため、造形中の三次元造形物OBは、造形ステージ300に強固に固定される。また、造形面311に吐出された造形材料の一部は、吸引機構600からの吸引によって、連通孔部315により深く入り込む。そのため、より高いアンカー効果が得られる。吸引の強さは、造形材料が連通孔部315に留まる程度の強さに調節されることが好ましい。つまり、吸引の強さは、造形材料が流通室325まで入り込まない程度の強さに調節されることが好ましい。尚、造形工程において、三次元造形物OBの硬化した部分に対して、切削加工を施してもよい。この場合、吸引機構600によって、連通孔部315を介して、切削加工に伴って生じる切りくずを吸引できるので、切りくずの飛散を抑制できる。切りくずが第2配管610に流入しないように、流通室325にフィルターが設けられてもよい。
三次元造形物OBの造形が完了した後、吸引停止工程と、分離工程と、仕上工程とが行われる。三次元造形物OBの造形が完了した後とは、造形工程が完了した後のタイミングのことを意味する。つまり、三次元造形物OBの造形が完了した後とは、吐出ユニット200による造形材料の積層や切削加工のために、三次元造形物OBを造形ステージ300に固定する必要がなくなり、三次元造形物OBを造形ステージ300から分離させてもよいタイミングのことを意味する。
ステップS140の吸引停止工程では、制御部700は、第2弁機構620を閉状態にした後、吸引機構600の駆動を停止する。そのため、造形面311の吸引が停止される。尚、制御部700は、第2弁機構620を閉状態にすることに先立って、吸引機構600の駆動を停止してもよい。
ステップS150の分離工程では、制御部700は、加圧機構500の駆動を開始した後、第1弁機構520を開状態にする。そのため、加圧機構500から三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分に対して、連通孔部315を介して、圧縮空気が供給される。図6を用いて説明したとおり、供給された圧縮空気によって、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が押し上げられて、三次元造形物OBは、造形ステージ300から分離される。その後、制御部700は、加圧機構500の駆動を停止してから、第1弁機構520を閉状態にする。尚、制御部700は、加圧機構500の駆動を停止することに先立って、第1弁機構520を閉状態にしてもよい。
ステップS160の仕上工程では、造形ステージ300から分離された三次元造形物OBに対して、サポート材の切除や、表面仕上げ等が行われる。そのため、三次元造形物OBにおける、造形中に連通孔部315に入り込んでいた部分を平滑に仕上げることができる。仕上工程が完了することによって、所望の形状の三次元造形物OBが完成する。
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100によれば、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が、連通孔部315に入り込んだ状態で硬化する。そのため、アンカー効果によって、造形中の三次元造形物OBを造形ステージ300に強固に固定することができる。また、三次元造形物OBの造形が完了した後、制御部700は、連通孔部315を介して、加圧機構500から三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分に圧縮空気を供給させる。そのため、三次元造形物OBと造形ステージ300とを容易に分離させることができる。したがって、簡易な構成によって、造形中における三次元造形物OBと造形ステージ300との固定性を確保できるとともに、造形後における三次元造形物OBと造形ステージ300との分離性を確保できる。
また、本実施形態では、連通孔部315を介して、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分を、吸引機構600によって吸引するため、造形中の三次元造形物OBを造形ステージ300に対して、より強固に固定することができる。さらに、吸引機構600による吸引によって、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分を、連通孔部315により深く入り込ませた状態で硬化させることができるため、より高いアンカー効果を得ることができる。
尚、本実施形態では、ペレット状のABS樹脂の材料が用いられたが、吐出ユニット200において用いられる材料としては、例えば、熱可塑性を有する材料や、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を主材料として三次元造形物を造形する材料を採用することもできる。ここで、「主材料」とは、三次元造形物の形状を形作っている中心となる材料を意味し、三次元造形物において50重量%以上の含有率を占める材料を意味する。上述した造形材料には、それらの主材料を単体で溶融したものや、主材料とともに含有される一部の成分が溶融してペースト状にされたものが含まれる。
主材料として熱可塑性を有する材料を用いる場合には、溶融部30において、当該材料が可塑化することによって造形材料が生成される。「可塑化」とは、熱可塑性を有する材料に熱が加わり溶融することを意味する。
熱可塑性を有する材料としては、例えば、下記のいずれか一つまたは2以上を組み合わせた熱可塑性樹脂材料を用いることができる。
<熱可塑性樹脂材料の例>
ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのエンジニアリングプラスチック。
<熱可塑性樹脂材料の例>
ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのエンジニアリングプラスチック。
熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック、その他に、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。熱可塑性を有する材料は、溶融部30において、フラットスクリュー40の回転とヒーター58の加熱によって可塑化されて溶融した状態に転化される。また、そのように生成された造形材料は、ノズル孔62から吐出された後、温度の低下によって硬化する。
熱可塑性を有する材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル孔62から射出されることが望ましい。例えば、ABS樹脂は、ガラス転移点が約120℃であり、ノズル孔62からの射出時には約200℃であることが望ましい。このように高温の状態で造形材料を射出するために、ノズル孔62の周囲にはヒーターが設けられてもよい。
吐出ユニット200では、上述した熱可塑性を有する材料の代わりに、例えば、以下の金属材料が主材料として用いられてもよい。この場合には、下記の金属材料を粉末状にした粉末材料に、造形材料の生成の際に溶融する成分が混合されて、溶融部30に投入されることが望ましい。
<金属材料の例>
マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金。
<合金の例>
マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金。
<金属材料の例>
マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金。
<合金の例>
マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金。
吐出ユニット200においては、上記の金属材料の代わりに、セラミック材料を主材料として用いることが可能である。セラミック材料としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックスや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックスなどが使用可能である。主材料として、上述したような金属材料やセラミック材料を用いる場合には、造形ステージ300に配置された造形材料は、例えばレーザーの照射や温風などによる焼結によって硬化されてもよい。
材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料は、単一の金属の粉末や合金の粉末、セラミック材料の粉末を、複数種類、混合した混合材料であってもよい。また、金属材料やセラミック材料の粉末材料は、例えば、上で例示したような熱可塑性樹脂、あるいは、それ以外の熱可塑性樹脂によってコーティングされていてもよい。この場合には、溶融部30において、その熱可塑性樹脂が溶融して流動性が発現されるものとしてもよい。
材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のような溶剤を添加することもできる。溶剤は、下記の中から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<溶剤の例>
水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等。
<溶剤の例>
水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等。
その他に、材料供給部20に投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のようなバインダーを添加することもできる。
<バインダーの例>
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)或いはその他の熱可塑性樹脂。
<バインダーの例>
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)或いはその他の熱可塑性樹脂。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態における造形ステージ300bの上面図である。第2実施形態の三次元造形装置100bでは、造形ステージ300bの造形面311は、複数の領域に区画されており、それぞれの領域ごとに連通孔部315が設けられている。また、第2実施形態では、造形ステージ300bに、それぞれの領域に設けられた連通孔部315を流通する圧縮空気の流量を、領域ごとに調節可能な流量調節機構330が設けられている。その他の構成は、特に説明しない限り、図1に示した第1実施形態と同じである。
図8は、第2実施形態における造形ステージ300bの上面図である。第2実施形態の三次元造形装置100bでは、造形ステージ300bの造形面311は、複数の領域に区画されており、それぞれの領域ごとに連通孔部315が設けられている。また、第2実施形態では、造形ステージ300bに、それぞれの領域に設けられた連通孔部315を流通する圧縮空気の流量を、領域ごとに調節可能な流量調節機構330が設けられている。その他の構成は、特に説明しない限り、図1に示した第1実施形態と同じである。
本実施形態における造形ステージ300bは、第1領域301と、第2領域302と、第3領域303と、第4領域304と、第5領域305と、第6領域306と、第7領域307と、第8領域308と、第9領域309との、9個の領域に区画されている。尚、以下の説明では、第1領域301に対応する構成要素には、符号の末尾に「A」を付し、第2領域302に対応する構成要素には、符号の末尾に「B」を付し、第3領域303に対応する構成要素には、符号の末尾に「C」を付し、第4領域304に対応する構成要素には、符号の末尾に「D」を付し、第5領域305に対応する構成要素には、符号の末尾に「E」を付し、第6領域306に対応する構成要素には、符号の末尾に「F」を付し、第7領域307に対応する構成要素には、符号の末尾に「G」を付し、第8領域308に対応する構成要素には、符号の末尾に「H」を付し、第9領域309に対応する構成要素には、符号の末尾に「I」を付して説明する。各構成要素の所属を特に区別せずに説明する場合は、符号の末尾に「A」や「B」等を付さずに説明する。
第1領域301に含まれる造形面311を第1造形面311Aと呼び、第2領域302に含まれる造形面311を第2造形面311Bと呼び、第3領域303に含まれる造形面311を第3造形面311Cと呼び、第4領域304に含まれる造形面311を第4造形面311Dと呼び、第5領域305に含まれる造形面311を第5造形面311Eと呼び、第6領域306に含まれる造形面311を第6造形面311Fと呼び、第7領域307に含まれる造形面311を第7造形面311Gと呼び、第8領域308に含まれる造形面311を第8造形面311Hと呼び、第9領域309に含まれる造形面311を第9造形面311Iと呼ぶ。本実施形態では、各造形面311A〜311Iの面積は同じである。尚、各造形面311A〜311Iの面積は異なってもよい。
第1領域301には、第1造形面311Aに連通する第1連通孔部315Aが設けられている。第2領域302には、第2造形面311Bに連通する第2連通孔部315Bが設けられている。第3領域303には、第3造形面311Cに連通する第3連通孔部315Cが設けられている。第4領域304には、第4造形面311Dに連通する第4連通孔部315Dが設けられている。第5領域305には、第5造形面311Eに連通する第5連通孔部315Eが設けられている。第6領域306には、第6造形面311Fに連通する第6連通孔部315Fが設けられている。第7領域307には、第7造形面311Gに連通する第7連通孔部315Gが設けられている。第8領域308には、第8造形面311Hに連通する第8連通孔部315Hが設けられている。第9領域309には、第9造形面311Iに連通する第9連通孔部315Iが設けられている。各連通孔部315A〜315Iは、相互に独立して流体が流通可能に構成されている。
図9は、本実施形態における造形ステージ300bの断面模式図である。流通室325と各連通孔部315A〜315Iとの間には、第1個別流通室327Aと、第2個別流通室327Bと、第3個別流通室327Cと、第4個別流通室327Dと、第5個別流通室327Eと、第6個別流通室327Fと、第7個別流通室327Gと、第8個別流通室327Hと、第9個別流通室327Iとが設けられている。第1個別流通室327Aは、第1連通孔部315Aに連通している。第2個別流通室327Bは、第2連通孔部315Bに連通している。第3個別流通室327Cは、第3連通孔部315Cに連通している。第4個別流通室327Dは、第4連通孔部315Dに連通している。第5個別流通室327Eは、第5連通孔部315Eに連通している。第6個別流通室327Fは、第6連通孔部315Fに連通している。第7個別流通室327Gは、第7連通孔部315Gに連通している。第8個別流通室327Hは、第8連通孔部315Hに連通している。第9個別流通室327Iは、第9連通孔部315Iに連通している。個別流通室327A〜327I同士は、基部320の壁面によって区画されている。
第1個別流通室327Aと流通室325との間は、第1流通口326Aによって連通している。第2個別流通室327Bと流通室325との間は、第2流通口326Bによって連通している。第3個別流通室327Cと流通室325との間は、第3流通口326Cによって連通している。第4個別流通室327Dと流通室325との間は、第4流通口326Dによって連通している。第5個別流通室327Eと流通室325との間は、第5流通口326Eによって連通している。第6個別流通室327Fと流通室325との間は、第6流通口326Fによって連通している。第7個別流通室327Gと流通室325との間は、第7流通口326Gによって連通している。第8個別流通室327Hと流通室325との間は、第8流通口326Hによって連通している。第9個別流通室327Iと流通室325との間は、第9流通口326Iによって連通している。
本実施形態では、第1流通口326Aに第1流量調節機構330Aが設けられている。第2流通口326Bに第2流量調節機構330Bが設けられている。第3流通口326Cに第3流量調節機構330Cが設けられている。第4流通口326Dに第4流量調節機構330Dが設けられている。第5流通口326Eに第5流量調節機構330Eが設けられている。第6流通口326Fに第6流量調節機構330Fが設けられている。第7流通口326Gに第7流量調節機構330Gが設けられている。第8流通口326Hに第8流量調節機構330Hが設けられている。第9流通口326Iに第9流量調節機構330Iが設けられている。
本実施形態における各流量調節機構330は、板状の遮断部331と、遮断部331を駆動する駆動部332を備えている。遮断部331は、駆動部332によって、流通口326を横断する方向に移動させられる。駆動部332は、例えば、制御部700の制御下で駆動するモーターと、モーターの回転を並進方向の移動に変換するラックアンドピニオンによって構成することができる。尚、駆動部332は、制御部700の制御下で駆動するモーターと、モーターの回転を並進方向の移動に変換するボール螺子によって構成されてもよいし、ソレノイド機構やピエゾ素子等のアクチュエーターによって構成されてもよい。
本実施形態における流量調節機構330は、駆動部332によって遮断部331を駆動し、遮断部331と流通口326との重なる面積を調節することによって、流通口326の流路断面積を変更する。流量調節機構330は、流通口326の流路断面積を変更することによって、流通口326の流路抵抗を調節することができる。つまり、流量調節機構330は、流通口326の流路断面積を変更することによって、流通口326を流通する流体の流量を調節することができる。遮断部331と流通口326の重なる面積が大きくなるにつれて、流通口326の流路抵抗は大きくなる。遮断部331と流通口326の重なる面積が、流通口326の面積と同じになると、流通口326における空気の流通は遮断される。
本実施形態における三次元造形物OBの製造方法は、図7に示した第1実施形態と同様に、データ取得工程と、吸引開始工程と、造形工程と、吸引停止工程と、分離工程と、仕上工程とを有し、この順で三次元造形物OBの製造が行われる。
三次元造形物OBが、第1領域301から第9領域309までに亘って積層される場合を例にして説明する。三次元造形物OBの内周部分は、造形ステージ300bにおける内周側に配置された第5領域305に積層される。三次元造形物OBの外周部分は、造形ステージ300bにおける外周側に配置された第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309に積層される。
本実施形態では、ステップS130の造形工程を含む、ステップS120の吸引開始工程からステップS140の吸引停止工程までの間、制御部700は、各流量調節機構330A〜330Iを制御することによって、第5領域305に積層される三次元造形物OBの内周部分よりも、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309に積層される三次元造形物OBの外周部分をより強く吸引させる。
本実施形態では、ステップS150の分離工程において、制御部700は、各流量調節機構330A〜330Iを制御することによって、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309に積層された三次元造形物OBの外周部分よりも、第5領域305に積層された三次元造形物OBの内周部分を圧縮空気によって、より強く押し上げさせる。
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100bによれば、造形ステージ300bは、複数の領域に区画されており、制御部700は、それぞれの領域に設けられた流量調節機構330によって、連通孔部315を流通する空気の流量を、それぞれの領域ごとに調節する。そのため、吸引機構600の駆動や加圧機構500の駆動を調節しなくても、流量調節機構330によって、それぞれの領域ごとに、三次元造形物OBを吸引する強さや、圧縮空気によって三次元造形物OBを押す強さを調節できる。
また、本実施形態では、制御部700は、流量調節機構330を制御することによって、三次元造形物OBの造形中には、反りが生じやすい三次元造形物OBの外周側の部分が積層される、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309を、三次元造形物OBの内周側の部分が積層される第5領域305よりも強く吸引する。そのため、三次元造形物OBに反りが生じることを抑制できる。一方、三次元造形物OBの造形後には、加圧機構500から供給された圧縮空気を用いて、熱が残留しやすく造形ステージ300bにより強く密着しやすい三次元造形物OBの内周部分が積層される第5領域305を、三次元造形物OBの外周部分が積層される、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309よりも強く押し上げる。そのため、三次元造形物OBを造形ステージ300bからより分離させやすくできる。
C.第3実施形態:
図10は、第3実施形態における造形ステージ300cの上面図である。第3実施形態の三次元造形装置100cでは、造形ステージ300c各領域301〜309の内から、造形材料が積層される領域を特定する特定部710を有することが第2実施形態と異なる。また、第3実施形態では、三次元造形物OBの製造方法が第2実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図8および図9に示した第2実施形態と同じである。
図10は、第3実施形態における造形ステージ300cの上面図である。第3実施形態の三次元造形装置100cでは、造形ステージ300c各領域301〜309の内から、造形材料が積層される領域を特定する特定部710を有することが第2実施形態と異なる。また、第3実施形態では、三次元造形物OBの製造方法が第2実施形態と異なる。その他の構成は、特に説明しない限り、図8および図9に示した第2実施形態と同じである。
特定部710は、各領域301〜309の内から、造形材料が積層される領域を特定する。本実施形態では、制御部700の一部が特定部710としての機能を有する。本実施形態では、特定部710は、三次元造形物OBの造形に用いられるツールパスデータに含まれる、造形材料が吐出される位置の座標によって、造形材料が積層される領域を特定する。尚、各領域301〜309に圧力センサーが設けられ、特定部710は、圧力センサーによって取得した情報に基づいて、それぞれの領域内に造形材料が積層されたことを特定してもよい。特定部710は、カメラによって撮像した画像を用いて、それぞれの領域内に造形材料が積層されたことを特定してもよい。
図11は、本実施形態における三次元造形物OBの製造方法のフローチャートである。本実施形態における三次元造形物OBの製造方法は、データ取得工程と、領域特定工程と、吸引開始工程と、造形工程と、吸引停止工程と、分離工程と、仕上工程とを有し、この順で三次元造形物OBの製造が行われる。三次元造形物OBが、造形ステージ300cにおける第5領域305のみに積層される場合を例にして説明する。
ステップS210のデータ取得工程は、図7を用いて説明した第1実施形態における三次元造形物OBの製造方法のステップS110のデータ取得工程と同じであるため、説明を省略する。
ステップS215にて、特定部710は、各領域301〜309の内から、造形材料が積層される領域を特定する。例えば、三次元造形物OBが第5領域305のみに積層される場合、特定部710は、造形材料が積層される領域として、第5領域305を特定する。制御部700は、特定部710によって特定された第5領域305に対応する第5流量調節機構330Eを制御することによって、第5領域305に対応する第5流通口326Eを連通させる。
一方、制御部700は、特定部710によって特定されなかった、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309に対応する各流量調節機構330A,330B,330C,330D,330F,330G,330H,330Iを制御することによって、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309に対応する各流通口326A,326B,326C,326D,326F,326G,326H,326Iを遮断する。
ステップS220の吸引開始工程からステップS250の分離工程が終了するまでの間、第5領域305に対応する第5流通口326Eのみが連通され、第5領域305を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309に対応する各流通口326A,326B,326C,326D,326F,326G,326H,326Iは遮断される。
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100cによれば、特定部710によって、各領域301〜309の内から、造形材料が積層される領域を特定し、制御部700は、特定された領域にのみ吸引機構600による吸引、および、加圧機構500による圧縮空気の供給を行う。そのため、造形材料が積層されない領域にまで、吸引機構600による吸引や、加圧機構500による圧縮空気の供給が行われる形態に比べて、効率良く吸引や圧縮空気の供給を行うことができる。
尚、本実施形態と第2実施形態と組み合わせてもよい。つまり、制御部700は、流量調節機構330を制御することによって、特定部710によって特定された領域に対応する流通口326のみを連通させ、さらに、特定部710によって特定された領域に重なる三次元造形物OBの部分の、三次元造形物OBにおける位置に応じて流量調節機構330を制御することによって、特定された領域に設けられた連通孔部315を流通する流体の流量を、特定された領域ごとに調節してもよい。
D.第4実施形態:
図12は、第4実施形態における造形ステージ300dの上面図である。第4実施形態の三次元造形装置100dでは、造形面311の中心を含む第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合は、第5領域305よりも外周側に配置された第1領域301における第1造形面311Aに対する第1連通孔部315Aの占める面積の割合よりも大きい。また、第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合は、第5領域305よりも外周側に配置された他の領域302,303,304,306,307,308,309における各造形面311B,311C,311D,311F,311G,311H,311Iに対する各連通孔部315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iの占める面積の割合よりも大きい。その他の構成は、特に説明しない限り、図8および図9に示した第2実施形態と同じである。尚、第5領域305のことを内周領域と呼ぶこともあり、第5領域を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309のことを外周領域と呼ぶこともある。
図12は、第4実施形態における造形ステージ300dの上面図である。第4実施形態の三次元造形装置100dでは、造形面311の中心を含む第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合は、第5領域305よりも外周側に配置された第1領域301における第1造形面311Aに対する第1連通孔部315Aの占める面積の割合よりも大きい。また、第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合は、第5領域305よりも外周側に配置された他の領域302,303,304,306,307,308,309における各造形面311B,311C,311D,311F,311G,311H,311Iに対する各連通孔部315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iの占める面積の割合よりも大きい。その他の構成は、特に説明しない限り、図8および図9に示した第2実施形態と同じである。尚、第5領域305のことを内周領域と呼ぶこともあり、第5領域を除いた各領域301,302,303,304,306,307,308,309のことを外周領域と呼ぶこともある。
造形ステージ300dの各領域301〜309における、造形面311に対する連通孔部315の占める面積の割合は、連通孔部315の面積を造形面311の面積で割った値として算出される。造形面311の面積は、連通孔部315を無視した造形面311の面積として算出される。例えば、造形面311が矩形である場合、造形面311の面積は、造形面311の縦の長さと、横の長さとの積によって算出される。連通孔部315の面積は、連通孔316の開口面積と連通孔316の数との積によって算出される。
本実施形態では、内周領域の第5連通孔部315Eにおける連通孔316の数は、外周領域の各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iにおける連通孔316の数よりも多い。各領域301〜309における各造形面311A〜311Iの面積は同じであり、全ての連通孔316の径は同じである。そのため、内周領域における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合は、外周領域における各造形面311A,311B,311C,311D,311F,311G,311H,311Iに対する各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iの占める面積の割合よりも大きい。尚、内周領域の第5連通孔部315Eにおける連通孔316の数と、外周領域の各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iにおける連通孔316の数とが同じで、内周領域の第5連通孔部315Eにおける連通孔316の径が、外周領域の各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iにおける連通孔316の径よりも大きい構成であってもよい。
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100dによれば、流量調節機構330を設けなくても、内周領域において圧縮空気が三次元造形物OBを押し上げる強さを、外周領域において圧縮空気が三次元造形物OBを押し上げる強さよりも大きくできる。
E.第5実施形態:
図13は、第5実施形態における造形ステージ300eの上面図である。第5実施形態の三次元造形装置100eでは、第5領域305よりも外周側に配置された第1領域301における第1造形面311Aに対する第1連通孔部315Aの占める面積の割合は、造形面311の中心を含む第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合よりも大きい。また、第5領域305よりも外周側に配置された他の領域302,303,304,306,307,308,309における各造形面311B,311C,311D,311F,311G,311H,311Iに対する各連通孔部315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iの占める面積の割合は、第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合よりも大きい。その他の構成は、特に説明しない限り、図8および図9に示した第2実施形態と同じである。
図13は、第5実施形態における造形ステージ300eの上面図である。第5実施形態の三次元造形装置100eでは、第5領域305よりも外周側に配置された第1領域301における第1造形面311Aに対する第1連通孔部315Aの占める面積の割合は、造形面311の中心を含む第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合よりも大きい。また、第5領域305よりも外周側に配置された他の領域302,303,304,306,307,308,309における各造形面311B,311C,311D,311F,311G,311H,311Iに対する各連通孔部315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iの占める面積の割合は、第5領域305における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合よりも大きい。その他の構成は、特に説明しない限り、図8および図9に示した第2実施形態と同じである。
本実施形態では、外周領域の各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iにおける連通孔316の数は、内周領域の第5連通孔部315Eにおける連通孔316の数よりも多い。各領域301〜309における各造形面311A〜311Iの面積は同じであり、全ての連通孔316の大きさは同じである。そのため、外周領域における各造形面311A,311B,311C,311D,311F,311G,311H,311Iに対する各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iの占める面積の割合は、内周領域における第5造形面311Eに対する第5連通孔部315Eの占める面積の割合よりも大きい。尚、外周領域の各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iにおける連通孔316の数と、内周領域の第5連通孔部315Eにおける連通孔316の数とが同じで、外周領域の各連通孔部315A,315B,315C,315D,315F,315G,315H,315Iにおける連通孔316の径が、内周領域の第5連通孔部315Eにおける連通孔316の径よりも大きい構成であってもよい。
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置100eによれば、流量調節機構330を設けなくても、外周領域における吸引の強さを、内周領域における吸引の強さよりも大きくできる。
F.他の実施形態:
(F1)上述した各実施形態の三次元造形装置100,100b,100c,100d,100eは、吸引機構600を備えている。これに対して、三次元造形装置100,100b,100c,100d,100eは、吸引機構600を備えていなくてもよい。この場合であっても、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が、連通孔部315に入り込んだ状態で硬化するため、アンカー効果によって、造形中の三次元造形物OBを造形ステージ300,300b,300c,300d,300eに対して強固に固定することができる。
(F1)上述した各実施形態の三次元造形装置100,100b,100c,100d,100eは、吸引機構600を備えている。これに対して、三次元造形装置100,100b,100c,100d,100eは、吸引機構600を備えていなくてもよい。この場合であっても、三次元造形物OBの連通孔部315に重なる部分が、連通孔部315に入り込んだ状態で硬化するため、アンカー効果によって、造形中の三次元造形物OBを造形ステージ300,300b,300c,300d,300eに対して強固に固定することができる。
(F2)上述した各実施形態の三次元造形装置100,100b,100c,100d,100eにおいて、造形ステージ300,300b,300c,300d,300eの板部310には、造形面311と流通室325とを連通する連通孔316が形成された連通孔部315が設けられている。これに対して、連通孔部315は、造形面311と板部310の側面とを連通してもよい。この場合、造形ステージ300,300b,300c,300d,300eは、基部320を有さなくてもよく、板部310の側面に供給口328や排出口329が設けられればよい。
(F3)上述した第2実施形態および第3実施形態の三次元造形装置100b,100cでは、造形ステージ300b,300cにおける各領域301〜309に対応する流通口326A〜326Iに、各領域301〜309に対応する連通孔部315A〜315Iを流通する流体の流量を、それぞれの領域ごとに調節可能な流量調節機構330が設けられている。これに対して、造形ステージ300b,300cには、流量調節機構330が設けられていなくてもよい。例えば、造形ステージ300b,300cは、流通室325を有さず、各個別流通室327A〜327Iに、加圧機構500に連通する配管が接続され、各配管を流通する流体の流量を調節可能なバルブが設けられてもよい。また、各個別流通室327A〜327Iに、吸引機構600に連通する配管が接続され、各配管を流通する流体の流量を調節可能なバルブが設けられてもよい。
(F4)上述した第3実施形態の三次元造形装置100cでは、造形ステージ300cの各領域301〜309における流通口326A〜326Iに設けられた流量調節機構330A〜330Iによって、各領域301〜309における吸引の開始および停止が切替えられ、圧縮空気の供給の開始および停止が切替えられている。これに対して、造形ステージ300cには、各領域301〜309の造形面311A〜311Iを被覆可能なカバーが設けられ、当該カバーによって、各領域301〜309における吸引の開始および停止が切替えられ、圧縮空気の供給の開始および停止が切替えられてもよい。
(F5)上述した第2実施形態から第5実施形態までの三次元造形装置100b,100c,100d,100eでは、造形ステージ300b,300c,300d,300eは、9個の領域に区画されている。これに対して、造形ステージ300b,300c,300d,300eは、2個から8個の領域に区画されてもよいし、10個以上の領域に区画されてもよい。
G.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は、造形材料を吐出する吐出部と、前記造形材料が積層される造形面に連通する連通孔部が設けられた造形ステージと、前記連通孔部を介して、前記造形面に流体を供給する加圧機構と、前記加圧機構を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、三次元造形物の造形が完了した後、前記加圧機構を駆動することによって、前記三次元造形物の前記連通孔部に重なる部分に、前記連通孔部を介して前記流体を供給する。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の連通孔部に重なる部分が、連通孔部に入り込んだ状態で硬化する。そのため、アンカー効果によって、造形中の三次元造形物を造形ステージに対して強固に固定することができる。また、三次元造形物の造形が完了した後、三次元造形物の連通孔部に重なる部分に対して、連通孔部を介して、加圧機構から流体を供給することによって、三次元造形物と造形ステージとを容易に分離させることができる。したがって、簡素な構成によって、造形中における三次元造形物と造形ステージとの固定性を確保できるとともに、造形後における三次元造形物と造形ステージとの分離性を確保できる。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の連通孔部に重なる部分が、連通孔部に入り込んだ状態で硬化する。そのため、アンカー効果によって、造形中の三次元造形物を造形ステージに対して強固に固定することができる。また、三次元造形物の造形が完了した後、三次元造形物の連通孔部に重なる部分に対して、連通孔部を介して、加圧機構から流体を供給することによって、三次元造形物と造形ステージとを容易に分離させることができる。したがって、簡素な構成によって、造形中における三次元造形物と造形ステージとの固定性を確保できるとともに、造形後における三次元造形物と造形ステージとの分離性を確保できる。
(2)上記形態の三次元造形装置は、さらに、前記連通孔部を吸引する吸引機構を備え、前記制御部は、前記三次元造形物の造形中に、前記吸引機構を駆動することによって、前記連通孔部を介して前記三次元造形物の前記連通孔部に重なる部分を吸引してもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、連通孔を介して、三次元造形物の連通孔部に重なる部分を、吸引機構によって吸引できる。そのため、造形中の三次元造形物を造形ステージに対して、より強固に固定することができる。
この形態の三次元造形装置によれば、連通孔を介して、三次元造形物の連通孔部に重なる部分を、吸引機構によって吸引できる。そのため、造形中の三次元造形物を造形ステージに対して、より強固に固定することができる。
(3)上記形態の三次元造形装置において、前記造形ステージは、複数の領域に区画され、前記領域ごとに前記連通孔部が設けられ、それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部を流通する前記流体の流量を、前記領域ごとに調節可能な流量調節機構を有してもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、吸引機構の駆動や加圧機構の駆動を調節しなくても、流量調節機構によって、それぞれの領域ごとに、吸引機構によって三次元造形物を吸引する強さや、加圧機構から供給された流体によって三次元造形物を押す強さを調節できる。
この形態の三次元造形装置によれば、吸引機構の駆動や加圧機構の駆動を調節しなくても、流量調節機構によって、それぞれの領域ごとに、吸引機構によって三次元造形物を吸引する強さや、加圧機構から供給された流体によって三次元造形物を押す強さを調節できる。
(4)上記形態の三次元造形装置において、前記制御部は、それぞれの前記領域に重なる前記三次元造形物の部分の、前記三次元造形物における位置に応じて前記流量調節機構を制御することによって、それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部を流通する前記流体の流量を、前記領域ごとに調節してもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の造形中には、反りが生じやすい三次元造形物の外周部分を、内周部分よりも強く吸引することができるため、三次元造形物に反りが生じることを抑制できる。また、三次元造形物の造形後には、熱が残留しやすく、造形ステージにより強く密着しやすい三次元造形物の内周部分を、加圧機構から供給された流体によって外周部分よりも強く押すことができるため、三次元造形物を造形ステージから、より分離させやすくできる。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の造形中には、反りが生じやすい三次元造形物の外周部分を、内周部分よりも強く吸引することができるため、三次元造形物に反りが生じることを抑制できる。また、三次元造形物の造形後には、熱が残留しやすく、造形ステージにより強く密着しやすい三次元造形物の内周部分を、加圧機構から供給された流体によって外周部分よりも強く押すことができるため、三次元造形物を造形ステージから、より分離させやすくできる。
(5)上記形態の三次元造形装置は、さらに、複数の前記領域の内、前記造形材料が積層される前記領域を特定する特定部を備え、前記制御部は、前記流量調節機構を制御することによって、それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部の内、前記特定部によって特定された前記領域に設けられた前記連通孔部に前記流体を流通させ、それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部の内、前記特定部によって特定されなかった前記領域に設けられた前記連通孔部における前記流体の流通を遮断してもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、特定部によって、造形材料が積層される領域を特定でき、特定された領域にのみ吸引機構による吸引や、加圧機構による流体の供給を行うことができる。そのため、造形材料が積層されない領域にまで、吸引や流体の供給が行われる形態に比べて、効率良く吸引や流体の供給が行われる。
この形態の三次元造形装置によれば、特定部によって、造形材料が積層される領域を特定でき、特定された領域にのみ吸引機構による吸引や、加圧機構による流体の供給を行うことができる。そのため、造形材料が積層されない領域にまで、吸引や流体の供給が行われる形態に比べて、効率良く吸引や流体の供給が行われる。
(6)上記形態の三次元造形装置において、前記造形ステージは、内周領域と、前記内周領域よりも外周側に配置された外周領域とに区画され、前記内周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合は、前記外周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合よりも大きくてもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の造形後において、三次元造形物の外周部分よりも熱が残留しやすく、造形ステージに、より強く密着しやすい三次元造形物の内周部分を、加圧機構から供給された流体によって、より強く押すことができる。そのため、三次元造形物を造形ステージから、より分離させやすくできる。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の造形後において、三次元造形物の外周部分よりも熱が残留しやすく、造形ステージに、より強く密着しやすい三次元造形物の内周部分を、加圧機構から供給された流体によって、より強く押すことができる。そのため、三次元造形物を造形ステージから、より分離させやすくできる。
(7)上記形態の三次元造形装置において、前記造形ステージは、内周領域と、前記内周領域よりも外周側に配置された外周領域とに区画され、前記外周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合は、前記内周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合よりも大きくてもよい。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の造形中において、三次元造形物の内周部分よりも反りが生じやすい三次元造形物の外周部分の方が、造形ステージに対して、より強く固定される。そのため、三次元造形物に反りが生じることを抑制できる。
この形態の三次元造形装置によれば、三次元造形物の造形中において、三次元造形物の内周部分よりも反りが生じやすい三次元造形物の外周部分の方が、造形ステージに対して、より強く固定される。そのため、三次元造形物に反りが生じることを抑制できる。
本開示は、三次元造形装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、三次元造形物の製造方法、三次元造形装置の制御方法、造形ステージ等の形態で実現することができる。
20…材料供給部、22…供給路、30…溶融部、31…スクリューケース、32…駆動モーター、40…フラットスクリュー、41…上面、42…溝形成面、43…側面、45…溝部、46…中央部、47…渦状部、48…材料導入部、50…バレル、52…スクリュー対向面、54…案内溝、56…送出口、58…ヒーター、61…ノズル、62…ノズル孔、65…ノズル流路、100,100b,100c,100d,100e…三次元造形装置、200…吐出ユニット、300,300b,300c,300d,300e…造形ステージ、301…第1領域、302…第2領域、303…第3領域、304…第4領域、305…第5領域、306…第6領域、307…第7領域、308…第8領域、309…第9領域、310…板部、311…造形面、315…連通孔部、316…連通孔、320…基部、325…流通室、326…流通口、327…個別流通室、328…供給口、329…排出口、330…流量調節機構、331…遮断部、332…駆動部、400…移動機構、500…加圧機構、510…第1配管、520…第1弁機構、600…吸引機構、610…第2配管、620…第2弁機構、700…制御部、710…特定部。
Claims (8)
- 三次元造形装置であって、
造形材料を吐出する吐出部と、
前記造形材料が積層される造形面に連通する連通孔部が設けられた造形ステージと、
前記連通孔部を介して、前記造形面に流体を供給する加圧機構と、
前記加圧機構を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、三次元造形物の造形が完了した後、前記加圧機構を駆動することによって、前記三次元造形物の前記連通孔部に重なる部分に、前記連通孔部を介して前記流体を供給する、
三次元造形装置。 - 請求項1に記載の三次元造形装置であって、
さらに、前記連通孔部を吸引する吸引機構を備え、
前記制御部は、前記三次元造形物の造形中に、前記吸引機構を駆動することによって、前記連通孔部を介して前記三次元造形物の前記連通孔部に重なる部分を吸引する、三次元造形装置。 - 請求項1または請求項2に記載の三次元造形装置であって、
前記造形ステージは、
複数の領域に区画され、
前記領域ごとに前記連通孔部が設けられ、
それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部を流通する前記流体の流量を、前記領域ごとに調節可能な流量調節機構を有する、三次元造形装置。 - 請求項3に記載の三次元造形装置であって、
前記制御部は、それぞれの前記領域に重なる前記三次元造形物の部分の、前記三次元造形物における位置に応じて前記流量調節機構を制御することによって、それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部を流通する前記流体の流量を、前記領域ごとに調節する、三次元造形装置。 - 請求項3または請求項4に記載の三次元造形装置であって、
さらに、複数の前記領域の内、前記造形材料が積層される前記領域を特定する特定部を備え、
前記制御部は、前記流量調節機構を制御することによって、
それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部の内、前記特定部によって特定された前記領域に設けられた前記連通孔部に前記流体を流通させ、
それぞれの前記領域に設けられた前記連通孔部の内、前記特定部によって特定されなかった前記領域に設けられた前記連通孔部における前記流体の流通を遮断する、三次元造形装置。 - 請求項1または請求項2に記載の三次元造形装置であって、
前記造形ステージは、内周領域と、前記内周領域よりも外周側に配置された外周領域とに区画され、
前記内周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合は、前記外周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合よりも大きい、三次元造形装置。 - 請求項1または請求項2に記載の三次元造形装置であって、
前記造形ステージは、内周領域と、前記内周領域よりも外周側に配置された外周領域とに区画され、
前記外周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合は、前記内周領域における前記造形面に対する前記連通孔部の占める面積の割合よりも大きい、三次元造形装置。 - 三次元造形物の製造方法であって、
連通孔部が設けられた造形面に造形材料を積層することによって、前記三次元造形物を造形する工程と、
前記三次元造形物の造形が完了した後、前記三次元造形物の前記連通孔部に重なる部分に、前記連通孔部を介して流体を供給する工程と、
を含む三次元造形物の製造方法。
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