JP2020096815A - ポータブル医療用撮像システムおよび方法 - Google Patents

ポータブル医療用撮像システムおよび方法 Download PDF

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Abstract

【課題】FOVを拡大できるポータブル医療用撮像システムと方法を提供する。【解決手段】システム200は、移動可能なCアームを含む移動可能なステーションと、Cアームに取り付けられたX線源202に略反対に位置付けられ、Cアームに取り付けられた撮像センサ204とを含む。撮像センサは、X線源から撮像センサに照射されてX線の入射角を変化させ、単一位置で撮像センサの視野よりも大きな視野を提供するように、X線源から独立して、移動可能なCアームの略中心軸上で、回転するように構成される。【選択図】図20

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年6月13日に出願された、米国特許出願第15/180,126号の一部継続出願であり、これは、2016年2月3日に出願された、米国特許出願第一5/014,083号の一部継続出願である。これらの優先権の出願は、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本開示は、医療用撮像システムに関し、さらに特には、撮像システムまたはその構成要素の、制御された動作に関する。
ヘルスケアの慣行により、放射線科の診断ツールとして、コンピュータ断層撮影(CT)撮像といった三次元撮像の多大なる価値が示されてきた。これらの撮像システムは概して、患者が頭または足から入る、固定ボアを含む。手術室、集中治療室、および緊急診療部を含むその他の治療領域は、診断および療法ガイダンスの主要手段として、二次元の撮像(透視撮影装置、超音波、2DモバイルX線)に依存している。
「非放射線科」のためのモバイルソリューションおよび患者中心の3D撮像は存在するが、患者を動かすことなくシステムを効果的に位置決めするための、それらの動作の自由が制限されていることが多い。それらの動作の自由が制限されることによって、モバイル三次元撮像システムの許容および使用が妨げられてきた。
そのため、手術室、処置室、集中治療ユニット、緊急診察部、および病院のその他の部分、通院外科診療所(ambulatory surgery centers)、診療所、軍事戦場において使用する、如何なる方向または高さでも患者にアクセスし、高品質の三次元画像を生成することができる、小規模および/またはモバイル三次元撮像システムのニーズがある。これらの撮像システムは、術中CT、核磁気共鳴画像法(MRI)スキャナ、およびそれらの使用および動作を支援するロボットシステムを含み得る。これらは、180度の移動能力(「Cアーム」)を有するシステムを含み、また、360度の移動能力(「Oアーム」)を有する撮像システムを含み得る。
これらのシステムは、リアルタイム画像が手術室の人員を誘導するよう所望される場合、手術中またはそのたの手技中に非常に有用であり得る。撮像中の一つの問題は、撮像システムの正確な位置決めである。これは、手術室または公開手術室では特に重要であり、撮像機器のサイズおよび重量、必要とされる数多くの人員の存在により、撮像機器を正確に位置決めするのが困難になる。
撮像信号送信機と撮像センサとを有するポータブル医療用撮像システムを使用して撮像する方法が開示されている。方法は、撮像信号送信機および撮像センサを、互いに対して略反対側に、その間の点に面するよう位置決めすることを含む。撮像センサは、撮像信号送信機から発される信号に関する入射角を画定する。方法はまた、視野の第一の部分の画像を捕捉するために、撮像センサを使用して撮像信号送信機からの第一の信号を記録することと、入射角が変化するように点を中心に撮像センサを回転させることと、視野の第二の部分の画像を捕捉するために、撮像センサを使用して撮像信号送信機からの第二の信号を記録することと、を含む。
ポータブル医療用撮像システムが開示されている。システムは、移動可能なCアームを有する移動可能なステーションを含む。システムはまた、移動可能なCアームに取り付けられた撮像信号送信機と、撮像信号送信機の略反対に位置付けられ、移動可能なCアームに取り付けられた撮像センサとを含む。撮像センサは、撮像信号送信機から撮像センサに送信された信号の入射角を変化させ、単一位置で撮像センサの視野よりも大きな視野を提供するように、撮像信号送信機から独立して、移動可能なCアームの略中心軸上で、点に対して回転するよう構成される。
ポータブル医療用撮像システムが開示されている。システムは、移動可能なステーションと、移動可能なステーションに取り付けられたガントリー取付部と、ガントリー取付部に回転可能に取り付けられたガントリーであって、ガントリー取付部に手動可能に取り付けられ、ガントリー取付部に対して摺動するよう動作可能な第一のCアームと、第一のCアームに摺動可能に結合された第二のCアームとを含み、第一と第二のCアームが共に、撮像される対象物を中心とした360度回転をもたらすガントリー取付部と、移動可能なステーションおよび第一および第二のCアームの動きを制御し、ポータブル撮像システムの撮像を制御するためのコントロールシステムと、を含む。コントロールシステムは、ポータブル医療用撮像システムに動作を実行させるよう構成されており、その動作は、撮像信号送信機および撮像センサを、互いに対して略反対側に、その間の点に面するよう位置決めすることを含む。撮像センサは、撮像信号送信機から発される信号に関する入射角を画定する。動作はまた、視野の第一の部分の画像を捕捉するために、撮像センサを使用して撮像信号送信機からの第一の信号を記録することを含む。動作はさらに、入射角が変化するように点を中心に撮像センサを回転させることと、視野の第二の部分の画像を捕捉するために、撮像センサを使用して撮像信号送信機からの第二の信号を記録することと、を含む。
本開示は多くの態様および実施形態を含み、それらの数点のみが以下の明細書および図面に記述されている。
図1は、本開示の一実施形態における撮像システムの背面斜視図である。 図2は、本開示の一実施形態における撮像コントローラシステム40の略式図である。 図3は、図1の撮像システムの正面斜視図である。 図4は、ガントリーがX軸を中心に90度回転された、図1の撮像システムの斜視図である。 図5は、ケーブル配線配置を部分的に示すガントリーの斜視図である。 図6は、ケーブル配線配置を示すガントリーの斜視図である。 図7は、ケーブル配線配置を示すガントリーの側面図である。 図8は、ガントリーのCアームを伸縮自在に制御するためのモータアセンブリを図示する。 図9A〜図9Gは、60度単位でのガントリーの360度回転を図示する。 同上。 図10は、本開示のコントロールシステムおよび全方向車輪(「全方向車輪(omni−wheels)」を備えたポータブル医療用撮像装置の平面図であり、センサの配列の第一例を示す。 図11Aおよび11Bは、ポータブルステーションの全方向車輪に電力を印加するための構成を示す。 図12A〜12Dは、ポータブル医療用撮像機器において有用なセンサの配列を示す。 図13は、本開示における撮像システムにおいて有用な第一全方向車輪(「全方向車輪(omni−wheel)」)の例の斜視図である。 図14は、本開示において有用な第二全方向車輪の例の斜視図である。 図15は、本開示において有用な第三全方向車輪の例の斜視図である。 図16は、本開示において有用な第四全方向車輪の例の立面図である。 図17Aおよび17Bは、撮像信号送信機および撮像信号センサが別の並進自由度を有する、別の実施形態を示す。 図18Aおよび18Bは、さらに別の自由度を可能にする、さらに別の詳細を示す。 図19は、本開示の一実施形態による、特に視野(FOV)を拡大するための撮像システムを使用した撮像方法のフローチャートである。 図20は、本開示の実施形態による、FOVを拡大するためにガントリーの中心軸を中心に回転されている撮像センサの図を示す。 図21は、本開示の実施形態による、FOVをさらに拡大するために、撮像信号送信機を並進移動させつつ、ガントリーの中心軸を中心に回転されている撮像センサの図を示す。
本出願の目的のために、「コード」、「ソフトウェア」、「プログラム」、「アプリケーション」、「ソフトウェアコード」、「ソフトウェアモジュール」、「モジュール」、および「ソフトウェアプログラム」という用語は、プロセッサによって実行可能なソフトウェア命令を意味するために互換的に使用される。「使用者」とは、医師、看護師、またはその他の医療専門家とすることができる。
ここで図面を参照すると、図1は、本開示の一実施形態における、コンピュータ断層撮影(CT)X線スキャナといった、撮像システム10を示す概略図である。撮像システム10は、可動ステーション60とガントリー56とを含む。可動ステーションは、垂直シャフト59と、垂直シャフトに回転可能に取り付けられるガントリー取付部58とを含む。可動ステーション60は、二つの全方向前輪62と二つの全方向後輪64とを含み、それらは共に、可動ステーション60の、X−Y面における任意の方向への移動を提供する。X−Y水平面は、図1に示すデカルト座標系のX、Y軸において、垂直軸Zと共に示される。全方向車輪62、64は、例えば、U.KのActive Robots Limited of Somersetより取得され得る。可動ステーション60の筺体に取り付けられる一対のハンドル15は、ユーザが手動でステーションを操作することを可能にする。
垂直シャフト59に取り付けられるモータ66は、X軸を中心に全360度、ガントリー取付部58を回転させるよう設計され、モータ67は、モーション制御モジュール51の制御下において、z軸に沿って垂直にガントリー取付部58を動かす。
ガントリー56は、ガントリー取付部58に摺動可能に結合される第一Cアーム70と、第一Cアームに摺動可能に結合される第二Cアーム72とを含む。示される実施形態では、第一Cアーム70および第二Cアーム72はそれぞれ、外側Cアームおよび内側Cアームである。示される実施形態では、外側Cアーム70および内側Cアーム72は部分的に円形形状であり、ベッド26に横たわっている患者を移動させる必要なく、その患者の撮像を可能にするよう、中心軸を中心に円周方向に回転する。
X線ビーム送信機といった撮像信号送信機74が第二Cアーム72の一方の側面に取り付けられ、X線検出器アレイといった撮像センサ76が第二Cアームの他方の側面に取り付けられ、送信機に対向する。この例では、X線送信機74は、患者(図示なし)の該当部分を通過した後にX線検出器または受信機76によって受信されるX線ビームを送信する。
一実施形態では、システム10は、外科手術を考慮に入れて設計された、マルチモダリティX線撮像システムである。撮像モダリティには、透視撮影装置、二次元ラジオグラフィ、および円錐ビームCTを含むがこれらに限らない。透視撮影装置は、X線動画によく似た、モニタ上のX線連続画像を示す医療用撮像技術である。二次元ラジオグラフィは、X線を使用して、人体のような、非一様に構成され、不透明な対象物の内部構造を見るための撮像技術である。CアームCTとも称される、CBCT(円錐ビーム3D撮像または円錐ビームコンピュータ断層撮影)はX線コンピュータ断層撮影から成る医療用撮像技術であり、X線が分岐し、円錐を形成する。強力な磁石を使用するため、およびそれらが生み出す磁場を制御するための好適な予防措置があれば、磁気共鳴画像法(MRI)も用いることができる。
可動ステーション60は、(1)患者に対して撮像信号送信機74を位置決めするよう、全方向車輪62、64、ガントリー取付部58、およびガントリー56の動作、および、必要に応じてその他の構成要素の動作を制御すること、および、(2)適切な位置決めが一旦達成されたら、患者を撮像するための撮像機能を制御することとの二つの機能を果たす、撮像コントローラシステム40を含む。
次に図2を参照すると、本開示の撮像コントローラシステム40は、通信リンク52から情報を受信し、且つ、通信リンク52へ情報を送信するUSB(ユニバーサルシリアルバス)インターフェースといったI/Oインターフェース42を介して通信リンク52に接続される。撮像コントローラシステム40は、RAM(ランダムアクセスメモリ)といったメモリストレージ44と、プロセッサ(CPU)46と、ROMまたはEEPROMといったプログラムストレージ48と、ハードディスクといったデータストレージ50とを含み、それらはすべてバス53を介して互いに共通接続される。プログラムストレージ48は、とりわけ、撮像コントロールモジュール54およびモーションコントロールモジュール51を保存し、それぞれプロセッサ46によって実行されることになるソフトウェアを含む。プロセッサ46によって実行されるモーションコントロールモジュール51は、可動ステーション60の車輪62、64、および、ガントリー取付部58およびガントリー56の様々なモータを制御して、患者の近くにステーション60を位置決めし、患者の該当部分を撮像するためガントリーを適切な位置に位置決めする。モーションコントロールモジュールはまた、以下に説明するように、位置決めのために使用されるさらに別の構成要素を制御してもよい。
プロセッサ46によって実行される撮像コントロールモジュール54は、撮像信号送信機74および検出器アレイ76を制御して、患者の身体の画像を処理する。一実施形態では、撮像コントロールモジュールは、身体の様々な平面層を撮像し、メモリ44にそれらを保存する。さらに、撮像コントロールモジュール54は、メモリ44に保存された画像のスタックを処理し、三次元画像を生成することができる。あるいは、保存された画像は、撮像のためのホストシステム(図示なし)に送信され得る。
モーションコントロールモジュール51および撮像コントロールモジュール54は、ディスプレイ装置11aおよび11b、キーボード、ボタン12、およびジョイスティック14といった入力装置を介してユーザと相互作用するユーザインタフェースモジュールを含む。ハンドル15に取り付けられるストレインゲージ13は、以下にさらに詳細が記述されるように、I/O装置42に結合され、好都合には、ユーザが手でハンドル15を保持している間は、可動ステーション60の任意の方向(X、Y、首振り)への移動をもたらす。ユーザインタフェースモジュールは、ユーザがガントリー56を位置決めするのを支援する。プログラムストレージ48のソフトウェアプログラムモジュールおよびデータストレージ50からのデータのいずれかが、必要に応じてメモリ44に転送され得、CPU46によって実行される。ディスプレイ装置11aは、ガントリー取付部58近くで可動ステーション60の筺体に取り付けられ、ディスプレイ装置11bは、三つの回転可能ディスプレイアーム16、18、20を通って可動ステーションに結合される。第一ディスプレイアーム16は、可動ステーション60に回転可能に取り付けられ、第二ディスプレイアーム18は、第一アーム16に回転可能に取り付けられ、第三ディスプレイアーム20は、第二ディスプレイアームに回転可能に取り付けられる。ディスプレイ装置11a、11bは、モジュール51および54におけるユーザインタフェースモジュールの使用を介して、入力装置としても機能するタッチスクリーンを有し、ユーザに最大限の柔軟性を提供し得る。
ガントリー取付部58上に配置された誘導マーカ68は、リンク52を通って撮像コントローラシステム40に接続される。モーションコントロールモジュール51の制御下において、マーカ68は、誘導システム(図示なし)を介して患者のベッドまたはOR(手術室の)台に対してガントリー56を自動または半自動で位置決めすることを可能にする。マーカ68は、光学式、電磁式、等であってもよい。それらはまた、例えば患者のベッド上、またはそうでなければ、一つ以上の画像が患者から、または撮像されることになるその他の対象物から撮影されるとき、マーカ(複数含)を撮影された画像において見ることができ、連続している画像を配向するのに使用され得るように、便利且つ有用な場所に配置され得る。マーカはまた、一つ以上の画像が撮影される場合、複数の画像を融合するかまたは調整するのに貢献し得る。
ガントリー56またはシステム10を正確な配置へ命令するための情報が誘導システムによって提供され得る。一例では、外科医は、撮像システム10の所望の配向で誘導されたプローブを保持し、特定の軌道に沿って透視画像または放射線画像を取得する。有利なことに、これによってスカウトショットの必要性が取り除かれることになり、よって、患者および手術室(OR)スタッフへのX線照射を低減させる。ガントリー56上の誘導マーカ68はまた、システム10によって取得される2Dまたは3D画像の自動登録を可能にすることになる。マーカ68はまた、患者が動いた場合、システム10の正確な再位置決めを可能にすることになる。マーカは、放射線不透過性であるか、または、撮像専門家またはその他の医療専門家にとって調整および誘導を容易にする、その他の材料から成ってもよい。誘導プローブまたはマーカは、例えば、撮像されることになる対象物のちかく、またはその上といった所望の通り配置されてもよく、マーカは撮像またはその判読を妨げない。
示される実施形態では、システム10は、下述の6自由度(「DOF」)において、広範囲のモーションを提供する。モーションコントロールモジュール51の制御下では、可動ステーション60の位置決めと、ガントリー56の位置決めといった、モーションの二つの主要なモードがある。その他の位置決めモードが説明され、また、含まれ得る。
可動ステーション60の位置決めは、四つの全方向車輪62、64を介して達成される。これらの車輪62、64は、可動ステーション60が水平面(X、Y、首振り)について全ての三つのDOFにおいて位置決めされるのを可能にする。「首振り」は、垂直軸(Z軸)を中心としたシステム10の回転であり、「X」は、X軸に沿って前後に位置決めするシステムであり、「Y」は、システム10の、Y軸に沿った横方向モーションである。コントロールモジュール51の制御下では、システム10は、モーションの制限のない範囲で、X、Y、および首振り(全方向車輪62、64の使用によって任意のZ軸を中心とした首振り)の任意の組み合わせで位置決めされ得る。特に、全方向車輪62、64は、狭い空間や狭い廊下での位置決め、または、OR台または患者のベッドの長さ方向に正確に、上下に横断することを可能にする。
ガントリー56の位置決めは、(Z、傾斜(Tilt)、ロータ(Rotor))を中心に達成される。「Z」はガントリー56の垂直な位置決めであり、「傾斜」は、上述の通り、X軸に平行な水平軸を中心とした回転であり、「ロータ」は、上述の通り、Y軸に平行な水平軸を中心とした回転である。
可動ステーション60の位置決めとガントリー56の位置決めと共に、システム10は、6DOF(X、Y、首振り、Z、傾斜、およびロータ)におけるモーションの範囲を提供して、可動ステーション60と、撮像送信機74およびセンサ76を必要な場所に正確に配置する。有利なことに、3D撮像は、患者が立っているか、座っているか、またはベッドに横たわっているかどうかに関わらず、および患者を動かす必要なく、実施され得る。
システム10の正確な位置は、ストレージメモリ50に保存され、モーションコントロールモジュール51によっていつでも呼び出され得る。これは、ガントリー56の位置決めに限らず、下述のように、全方向車輪62、64とモーションのその他の軸によってシステム10の位置決めすることも含む。
図3に示すように、各ガントリー取付部58、外側Cアーム70、内側Cアーム72はそれぞれ、互いに向かい合う一対の側面フレーム86、88、90を有する。一様に離間した複数のローラ84は、ガントリー取付部58の側面フレーム86の内側面に取り付けられる。外側Cアーム70は、側面フレーム88の外側面に一対のガイドレール78を有する。ローラ84は、ガイドレール78に結合される。示すように、ローラ84およびガイドレール78は、ガントリー取付部に対してCアームの中心軸を中心にCアームが少なくとも180度回転可能となるように、外側Cアーム70がガントリー取付部58に沿って伸縮自在に摺動するのを可能にするよう設計される。
一様に離間した複数のローラ80は、外側Cアーム70の側面フレーム88の内側面に取り付けられる。内側Cアーム70は、側面フレーム90の外側面上に一対のガイドレール82を有する。ローラ80は、ガイドレール82に結合される。示すように、ローラ80およびガイドレール82は、外側Cアームに対してCアームの中心軸を中心にCアームが少なくとも180度回転可能となるように、内側Cアーム72が外側Cアーム70に沿って伸縮自在に摺動するのを可能にするよう設計される。
よって、本明細書に開示される本開示は、有利なことに、ガントリー56がその中心軸を中心に全360度回転するのを可能にし、撮像システム10を位置決めする際、患者への妨害を最小限にして、最大限の柔軟性を提供する。
本開示の別の態様では、撮像システム10をより小型化し、視覚により訴えるよう、固有のケーブル配線配置が提供される。図5および6に示すように、ケーブルキャリア/ハーネス92は、撮像コントローラシステム40と、様々なモータ、X線送信機74、撮像センサまたは検出器76およびガントリー56における様々な電気回路との間で信号を運搬する電気ケーブルを含む。第一ケーブルルータ94は外側Cアーム70の外側表面に取り付けられ、第二ケーブルルータ96は、内側Cアーム72の外側表面に取り付けられる。各ケーブルルータ94、96は、ケーブルキャリア92が通過する貫通穴95、97を有する。
ケーブルキャリア92は、第一Cアーム70の外側表面の上のガントリー取付部58から、第一ケーブルルータ94の貫通穴95を通り、第二Cアーム72の外側表面を超えて延在する。第一Cアーム70に重なるケーブルキャリア92は、第一円周方向(示すように、時計周り)98に延在し、第一円周方向とは反対の、第二円周方向(示すように、反時計周り)99に第一ケーブルルータ94に入り、第一Cアームの外側表面の上に180度サービスループを作出する。
そこから、ケーブルキャリア92は、第一円周方向98に延在し、第二円周方向99に第二ケーブルルータに入り、第二Cアーム72の外側表面の上に別のサービスループを作出する。
第一ケーブルルータ94および第二ケーブルルータ96がサービスループと組み合わせられた特定の配置によって、ケーブルキャリアが絡まったり、またはケーブルキャリアで応力を引き起こすことなく、ケーブルキャリア92のスラックがガントリー56の全360度回転をもたらすのを可能にする。示される実施形態では、ルータはCアームの中間点近くに取り付けられる。
図8は、ガントリー取付部58に対して外側Cアーム70を伸縮自在に回転させること、および、内側Cアーム72を外側Cアームに対して回転させることに有用なモータアセンブリ100の一実施形態を図示する。各モータアセンブリ100は、エンコーダフィードバック付きのサーボモータ102と、回転比を変えるギアボックス104と、ドライブ滑車106と、遊び滑車108と、ドライブ滑車と遊び滑車との間に螺合されるベルト110とを含む。一つのモータアセンブリ100は、ガントリー取付部に対して外側Cアーム70を移動させるようガントリー取付部に取り付けられ、別のモータアセンブリは、外側Cアームに対して内側Cアーム70を移動させるよう、アームの中心部近くで外側Cアーム70に取り付けられる。
図9A〜9Gは、60度単位での反時計周り方向のガントリー56の360度回転を図示し、図9Aは、撮像センサ76および送信機74のゼロ度位置を表す。図9Bは、ガントリー56の60度回転/位置を表す。ガントリー56の各60度回転については、モータアセンブリ100は、モーションコントロールモジュール51の制御下において、反時計周りに30度内側Cアーム72を回転させ、また、あわせて60度回転となるように、反時計周りに30度外側Cアーム70を回転させる。図9Gは、ガントリー56の全360度回転を表わす。見られるように、外側Cアーム70および内側Cアーム72は、図9Aの元のゼロ度位置から180度それぞれ移動する。図9Dおよび9Gの送信機74およびセンサ76は、図1および9Aのそれらの位置と逆であることを留意する。これは、例えば、一つの特定の側面に送信機を有するか、または、一つの特定の側面にセンサを有することに利点がある場合に有利となり得る。これらの配向は、本開示で可能且つ安易となる。
詳細に上述したとおり、様々な実施形態の本開示は、(1)全方向車輪62、64を使用して任意のZ軸を中心とした首振り回転と共に、任意のX−Y方向へのシステムの移動、(2)全360度撮像ビーム回転のためのCガントリーの二重伸縮、(3)スタンディングCBCTといった、ベッドで横たわっている、座っている、または立っている間の撮像、(4)システム10およびガントリー56位置の保存および呼び出し、(5)準同時複数平面X線撮像、(6)ロボットまたは誘導座標を介した位置の呼び出し、という利点をもたらす。
ポータブル医療用撮像システムのためのコントロールシステムは、図2おいて上述された。ポータブル医療用撮像システムのセンサ制御動作のためのコントロールシステムは、図2および図10を参照してここでさらに説明される。撮像コントローラシステム40は、モーションコントロールモジュール51および撮像コントロールモジュール54の両方を含む。入力装置は、ファンクションキー12を有するキーボードと、ハンドル13と、ジョイスティック14とを含み得る。これらの入力装置のいずれかが、モーションコントロールモジュール51と撮像コントロールモジュール54のいずれか、または両方を制御し得る。モーションコントロールモードと撮像コントロールモードとの間の切り換えは、ファンクションキー、ディスプレイ装置のうちの一つからのタッチスクリーン命令、またはその他の所望の方法によって達成され得る。ポータブル医療用撮像システムはまた、モーションコントロールモジュール51または入力/出力42の一部として、通信リンク52を介して患者または撮像システムの位置に関する情報を通信するのに有用であり得る、スマートフォンまたは携帯電話リンクまたはグローバルポジショニングシステム(GPS)を含み得る。
図10のコントロールシステム120は、ポータブル撮像コントロールシステム120の平面図として示され、撮像システム10および第一Cアーム70の頂面図を示す。全方向車輪62、64は、左右の全方向前輪部分62と、同じく左右の全方向後輪部分64とに分けられる。図10はまた、システムのモーションの全方向車輪の3自由度のための三軸を示す。図に示されるように、これらは、Y軸に沿って左右に移動する自由と、X軸に沿って前後に動く自由と、xおよびy軸によって形成される平面に垂直である首振り回転軸、すなわち垂直軸に沿った回転の自由とを含む。よって、図10の首振り垂直軸は、図面の平面に垂直である。垂直回転軸は、回転の物理的軸が必要とされないため、撮像システムに対して所望の通り配置され得る。例えば、首振り回転軸がシャフト59の垂直軸またはジョイスティック14の垂直軸に一致するように、プログラムストレージ48をプログラムすることができる。好都合な代替配置は、可動ステーション60の幾何学中心(図1参照)または可動ステーションの頂部の角部であり得る。軸の任意の好都合且つ有用な配置が成され得る。
図10はまた、本開示において使用されるセンサの説明のため、有用な参照を提供し得る。左センサ101、105は左ハンドル17上に取り付けられ、右センサ103および107は、右ハンドル19上に取り付けられる。第一実施形態は、示すように、これら四つのセンサ101、103、105、107を含み得る。ポータブル撮像システム10を操作するヘルスケア専門家といった人が、ハンドル17、19およびモーションコントロールモジュール51を使用することによって装置を位置決めしてもよい。一実施形態では、モーションコントロールは、搬送モード(transport mode)と微調整モード(fine−tune mode)の二つのモードを有し得る。例えば、ポータブル医療用撮像装置10が病院またはその他のヘルスケア施設の一ウィングから搬送される場合は、微調整された位置決めよりも、スピードがより高く評価される場合がある。よって、撮像システム10の後部分ハンドル17、19を押すことによって搬送モードを作動させ得る。二つのハンドル17、19のいずれかを押すことによって微調整モードを作動させ得、その微調整モードでは、全方向車輪62、64のすべての動作はより遅く、より意図的である。これらのモード間の切り換えはまた、ユーザがファンクションキー、命令、タッチスクリーン入力、等を介して切り換えるのを可能にする適切なプログラミングによって達成され得る。
微調整モードでは、モーションコントロール51は、例えば、所定の位置にスナップ(snap)するといった、撮像システム10を設定位置に戻すのに使用され得る。例えば、図1を参照すると、撮像セッションが完了したら、ユーザは、撮像システム10を患者のベッド26に対して最左位置に移動させたい場合がある。位置は、モーションコントロール51にプログラムされ得、図1および10に示される軸ごとに、xおよびy両方向での移動を必要とし得る。これは、オペレータに利用可能なキーボードまたはファンクションボタン12、ディスプレイ装置11a、11bのタッチスクリーン、ジョイスティック14、または印加される所定の力およびハンドル17、19への方向を使用して達成され得る。キーボード、ファンクションボタン、およびタッチスクリーンディスプレイ装置はまた、全方向車輪62、64を含め、撮像およびモーションコントロール部分を制御するよう使用され得る。
全方向車輪62、64の能力はまた、システムが指定された垂直軸を中心にポータブル撮像システム10を回転させるよう、使用され得る。これは、撮像システム10の幾何学中心、撮像システム10またはそのカートの特定の特徴または一部、撮像システム上に取り付けられたロボットの特徴、等といった、便利な任意の軸であってよい。全方向車輪62、64によって印加されるモーションはまた、センサ101、103、105、107に印加される力に比例し得、つまり、軽い力はより遅い、より意図的な速度と成り得、より高い力またはより重いタッチは、全方向車輪62、64によって印加されるより速い速度と成り得る。さらに、力が印加される方向は、ポータブル撮像システム10の移動の所望方向を表示し得る。センサ101、103、105、107に印加される力は、モーションコントロール51によって、必要に応じて、所望のモーションを提供するために前輪62および後輪64をそれぞれ駆動させるのに使用される合成ベクトルおよびモーメントに分解される。
ここで、図10を使用して移動の例を説明する。一例では、左ハンドル17を前に押すと、装置が前に進み、装置を右に回すよう動作することになる。別の例では、左ハンドル17を押すと、前方への移動を要求するセンサ101、105を作動させる。センサ101、103、105、107は、センサ101、105に対しては特定の方向に、前方に力が印加されるが、センサ103、107には力が印加されないと解釈するストレインゲージであり得る。右ハンドル19およびそのセンサ103、107へ力が印加されないため、モーションコントロール51は、センサ103、107からの信号を、わずかな前方へのモーションのみで右に回転させるための呼び出しとして解釈する。よって、ポータブル撮像システム10は、全方向車輪62、64を介して最小限の前方移動で右に急回転する。実施形態では、四つの車輪62、64はすべて、この例では、わずかな右方向回転の動作を達成するよう動き得る。車輪62、64は、それらが共に動くことにより、可動ステーション60の所望の移動を達成するよう、個別に制御され得る。上述のように、これは、微調整モードでの動作例である。その他の実施形態では、所望する動作に応じて、左車輪62、64のみが作動されてもよいし、右車輪62、64のみが作動されてもよい。
別の例では、左ハンドル17を右に押すと、力がセンサ101、105に印可され、右方向の横方向または側面移動を要求する。前後の力がセンサ101、105に印加されず、右センサ103、107に力が印可されない場合、モーションコントロール51は、微調整モードのまま、前後モーションのない、右横方向移動のための呼び出しとして信号を解釈する。したがって、四つの全方向車輪62、64はすべて、表示される方向へのわずかな移動、すなわち、右へ数mmまたは数インチのわずかな移動を成し得る。別の例では、前輪62は前方左向き方向に回転し、後輪64は後ろ向き且つ右に回転して、適切な位置での左回転および回転を達成する。別の例では、ハンドル17、19の両方を左に押すと、微動作モードではなく、搬送モードを立ち上げることになる。これは、撮像システム10を、例えば図1に示すように左に、患者のベッドまたは台26に対して左向き位置に移動させ得、それは、ポータブル撮像システム10の一部ではない。同じことが、ハンドル17、19の両方を前方に、x軸方向に押して、カートを前方に移動させることについてもあてはまり得、ここでは、微調整モードではなく搬送モードである。特定のハンドル17、19およびセンサ101、103、105、107に力を印加することに関して説明されているが、より多い、または少ないハンドルおよび/またはセンサがシステムと共に用いられ得ることが理解されるだろう。さらに、微調整および/または搬送モードを用いるため、および/または、手術室を中心にポータブル撮像システム10を動かすために、様々な力および/または動作が、数多くの様々な構成で生じ得る。
本開示の実施形態で使用されるセンサ101、103、105、107は、数多くの力センサを含み得る。これらには、ストレインゲージ、力検知レジスタ、圧電センサ、ピエゾ容量(piezocapacitive)圧力センサ、ピエゾレジスタ、微小電気機械システム(MEMS)、マイクロスケールストレインゲージを含む。通常、力センサは、ユーザが力をセンサに印加すると充電される電気特性を所有する。その特性は、力が印加されると予測可能な方法で増減する電気抵抗、抵抗、またはキャパシタンスであり得る。ピエゾ型センサは、圧力が印加されると、微小電圧を生成し得る。センサは、例えばホイートストンブリッジといった、そのような変化を検出するための電気回路の一部であってもよい。配列または複数のストレインゲージまたはセンサを使用することによって、ユーザは、全方向車輪に印加されることになる所望の力の方向を微調整することができる。
図10および下記例にて使用されるセンサ101、103、105、107は、ポータブル医療用撮像装置の車輪62、64を制御するのに使用され得る。そのような技術の例は、図11Aおよび11Bにおいて示される。図11Aでは、可動ステーション60は、前輪62および後輪64と共に示されており、それは、同一でも異なってもよい。この実施形態では、モーションコントロールモジュール51の方向におけるモータ1100は、所望の通り各車輪に電力を送信する。車輪62、64に供給される電力は、手動操作、自動操作、またはその両方の組み合わせを含み得る。モータ1100は、全方向車輪62、64に個別に電力供給するよう、電力を軸1102、1104、1106、1108に供給する一つ以上のシャフトを有し得る。これは、ポータブル撮像ステーションおよびその上に取り付けられた撮像機器を正確に配置するため、各車輪62、64の微制御を可能にする。一実施形態では、モータ1100およびシャフトまたは軸1102、1104、1106、1108は、位置的フィードバックをモーションコントロールモジュールに提供するための回転エンコーダまたはその他のフィードバック機構をさらに備え得る。
あるいは、図11Bに示すように、可動ステーション60は、全方向車輪62、64のそれぞれへの独立軸1124、1126、1128、1130に電力供給する、別のモータ1122を介して電力を割り当てるためのローカルコントローラ1120を含み得る。モーションコントロールモジュール51が、各全方向車輪62、64のそれ自体のモータを介した別々の制御を維持することは、より単純であり得る。この実施形態では、各モータ1122は、位置的フィードバックのための、それ自体のエンコーダを含み得、また、軸1124、1126、1128、1130上にエンコーダまたはその他のフィードバック機構を含み得る。電力を車輪62、64に供給するための一方法が使用され得る。ローカルコントローラまたはモーションコントロールモジュールは、センサ読取値をモータ1122および軸1124、1126、1128、1130のそれぞれへの命令に分解するコンピュータプログラムを含み得る。この技術があれば、全方向車輪62、64は、提供されるセンサによって非常に正確な動作のために個別に制御される。軸1124、1126、1128、1130上の回転エンコーダとモーションからの、またはその他の装置によるフィードバックは、可動ステーションを所望の配置に戻す際に、後ほど使用するために与えられた位置を保存するのに使用され得る。
ポータブル医療用撮像システム10の所望の方向を検出するのに使用されるセンサ101、103、105、107は、上記で開示したように、ハンドル17、19内に取り付けられ得る。あるいは、センサ101、103、105、107は、図12A〜12Dに開示されるように、ジョイスティックまたはその他のタイプのハンドルに取り付けられ得る。第一代替実施形態は、図12Aに開示される。このコントロールシステム1210では、複数の力センサ1212、六つのセンサが、円形配置で取り付けられる。ユーザはコントロールシステムの表面を押下し、センサ1212を作動させ、ポータブル医療用撮像システム10を適切な方向に誘導する。方向は、作動されるセンサ1212によって、または、ユーザによって印加される力または圧力量によって、決定される。これは、ポータブル撮像システム10のハンドル17、19の上記例において使用される同一原則である。円形制御配置は、ポータブル撮像装置を平面における、x−y方向に誘導するのに有用である。所定軸を中心とした回転はまた、ジョイスティックを上下に押すことによって、または、キーボードまたはファンクションボタン入力への命令によって、達成され得る。例えば、ジョイスティックを数秒間押すことによって、ポータブル医療用撮像装置を、軸を中心に時計周りに回転させるよう命令し得、数秒間上向きに引くことによって、反時計回りの回転を命令し得る。
類似の動作モードを有するその他の例が、図12B〜12Dに示される。図12Bでは、八つのセンサ1222が、図1および10に関して説明される側面ハンドルであるように、前後移動、X方向をより示唆するコントロールシステム1220のために、楕円に配置される。より多くのセンサ1222が、オペレータが所望する方向へのさらなる感度のために使用され得る。図12Cでは、コントロールシステム1230は、示すように正方形状に取り付けられた六つの力センサ1232を含み、前後移動のための二つのセンサ1232と、また、残り四つのセンサ1232の四つ角の配分を有する、左右または横方向のためのさらなる感度を有する。図12Dは、長方形配置の複数のセンサ1242で構成されるコントロールシステム1240の例を示す。この配置は、側面毎に三つのセンサ1242を含み、カートまたは撮像ステーションの横方向移動のより微調整を可能にする。ポータブル医療用撮像システムおよびその全方向車輪62、64を誘導するための、その他の構成が使用され得る。
図13〜図16に示されるような、本開示の実施形態で有用な、多くのタイプの全方向車輪62、64がある。従来の、装置を一方向(例えば、前後)に移動するのを可能にするのみの車輪とは違い、全方向車輪は、ポータブル撮像装置があらゆる方向(例えば、前方、後方、左、右、対角線状、弧状、等)に動かされるのを可能にする。よって、全方向車輪62、64は、ポータブル撮像装置が任意の方向に動かされるのを可能にする。全方向車輪62、64またはメカナムタイプ車輪は概して、複数のより小さい車輪またはローラをその円周に有する中心ハブを有する。より小さい車輪は、45度または90度といった、ハブの中心軸に対して斜めに取り付けられる。図13は、全方向車輪130を示す。この車輪130は、中心軸Aを中心に中心ハブ132を含み、複数のローラまたは車輪134が、中心軸に対して約45度の角度で、二つの非同軸列136、138で取り付けられている。車輪またはローラ134は、順に地面に接し、回転をより容易にする。これらのタイプの車輪130は、米国特許出願第2010/0187779号に記載され、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
本開示で有用な、別のタイプの全方向車輪62、64が図14に示される。メカナム車輪140は、中心軸Aを有する中心ハブ142を有する。複数のローラ144は、中心ハブの周辺部上のフランジ146上に取付けられる。この例では、フランジ146は、約45度の角度で曲げられ、さらに、ローラ144はまた、中心軸に対して約45度の角度で取り付けられる。その他の角度が使用されてもよい。各車輪62、64は個別に電力供給され、所望の方向にポータブル医療用撮像カートを誘導し得る。これらのタイプの車輪140は、米国特許出願第2013/0292918号に記載され、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
図15は、本開示において有用な、全方向車輪62、64の別のタイプである、メカナム車輪150を図示する。車輪150は、中心ハブ軸Aおよび複数の平らな円周表面を有する中心ハブ152(図示なし)を含む。各表面は、突出した輪止め154を取付け、さらに、円周ローラ156を取り付けるのに使用される。この車輪150では、ローラ156の一つまたは二つのみが、一度に床または表面にあり、回転をより容易にする。これらのタイプの車輪150は、米国特許出願第8,011,735号に記載され、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
さらに別のタイプの全方向車輪62、64、および車輪160が図16に開示される。車輪160は、二つの一連の輪止めまたは取付部164、166を取り付ける中心ハブ162を含む。第一連の輪止め164のそれぞれは、回転軸が車輪160および中心ハブ162の回転の方向に対向した90度である、車輪165を取り付ける。第二連の輪止め166のそれぞれは、回転軸がまた、車輪160の回転の方向に対向した90度である、車輪167を取り付ける。車輪の第二連166は、車輪の第一連164よりもわずかに大きな直径を有する。車輪160は、その中心ハブ162に垂直な軸(図示なし)を中心に回転し得る。ローラ165、167は、車輪が容易に方向を変え、さらに、これを好適な全方向車輪62、64にすることが可能である。これらのタイプの車輪160は、米国特許出願第2015/0130260号に記載され、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。メカナムまたは全方向車輪62、64のその他のタイプが、本開示の実施形態において使用されてもよい。
一旦ポータブル撮像システム10の配置が手術室内にセットされると、ポータブル撮像システム10は、所定位置にロックされ得る。例えば、全方向車輪62、64は、それらが移動することができないよう、ロックされ得る。代替では、ポータブル撮像システム10の移動を防止するのに、キックスタンドまたはその他のロック機構が用いられ得る。一旦ロック機構が解除されると、ポータブル撮像システム10は再度、本明細書に記載のように、任意の方向に自在に移動する。
本開示の利点は、上述の三軸、3自由度能力を使用して、所望の任意の位置または方向に大型機器を正確に位置決めする能力を含む。搭載型GPSシステムもまた、機器の位置を追跡し、機器が使用される位置を保存および呼び出すのに使用され得る。全方向車輪62、64の固有の三軸モーション能力は、垂直回転軸を含み、所望の場合は選択され得る。モーションコントロールおよび撮像コントロールの両方を使用することによって、オペレータまたは診断者は、システムの位置を撮像機器の所望位置に調整することができる。ガントリー位置は、上述のように、ロボットアーム制御または手動制御を介して成され得る。モーションコントロールシステム、エンコーダ、および全方向車輪62、64によって可能となる正確な位置決めは、ポータブル撮像システム10が、固定の、非可動システムの制御および精度を有することを可能にする。
モーションコントロールシステム、センサ、エンコーダ、およびシステムメモリは、ポータブル医療用撮像システムがスマートシステムとして作用するのを可能にする。センサは、センサおよびメモリを使用して所望のようにシステムを位置決めするのを可能にする。システムは、例えば、別の患者に、または別の部屋に移動するための搬送モードと同様に、患者の特定の画像のための正確な、細かい動作のための能力を含む。これにより、ユーザがより便利な配置にシステムを置き、次いで、所望のときに撮像システムを正確な配置に呼び出すのを可能にする。システムのメモリは、ユーザに、後に必要となる時に撮像カートを特定の位置に素早く、正確に呼び出す能力を与える。システムはまた、例えば、より大きな視野のために画像をまとめて繋ぎ合わせるよう、後に組み合わせるための一連の画像を撮影するための、一連の微動作を使用し得る。ロボットまたはロボットアームが可動ステーション上に撮像装置を位置決めするのに使用されるとき、その位置を素早く正確に復元するステーションの能力が、ロボットまたはロボットアームの能力に追加し、そのような医療用ロボットへのモーション範囲を追加すると見なされ得る。
前述は、システムを位置決めし、画像を取り込む際に、ポータブル医療用撮像システム10の自由度がどのように有用であるのかを明確にする。信号送信機とセンサの両方を、例えばそれらを弧状に回転させることによって同時に動かす能力は、急速なスキャン、つまり、コンピュータ断層撮影を可能にする。信号送信機とセンサの両方を同時に並進させる、つまり、上述のようにx−y面で並進される能力はまた、システムがより大きな対象物の画像または広がった視野を捕捉することを可能にする。図17Aに示すように、例えば、撮像システム170は、信号送信機174および検出器またはセンサ176を、例えば、互いに直接対向するよう取付ける内側アーム171を含み得る。上述のように、送信機174およびセンサ176は、それらが180度弧の対向する端にあるように取り付けられる。よって、例えば、図9A〜9Gを参照して記載されるように、ガントリーの360度回転において、172の領域は撮像装置によって完全に撮像される。
内側アーム171の半径は、対象物172のスキャニングを可能にし、その一部分、または焦点は対象物172によって画定される境界内にある。対象物172の中間点は、送信機174とセンサ176との間に中央に配置される。図17Aに示すように、信号またはX線ビーム175のその源174からの相違または幅は、ターゲットまたは対象物172の全ての側面、または、172によって画定される半径内に含まれる対象物の一部分を捕捉するには十分である。よって、図17Aでは、送信機174から送信される信号またはX線の視野(FOV)は、ターゲットまたは対象物172の全部分または172によって画定される半径内に含まれる対象物の一部分を捕捉することができる。対象物は、いくつかの例では、実際は、対象物172として特定される領域よりも大きくてもよいことが理解されるだろう。ここに示されるように、センサ176はまた、送信機174から受信され、対象物172または画像が所望されるその一部分を通って送信されるX線またはその他の信号を捕捉するには十分大きい。
時には、図17Aに示される視野よりも大きいターゲットまたは対象物を撮像する必要がある場合がある。よって、図17Bに示すように、対象物178は、信号の幅175よりも大きい。しかしながら、送信機174およびセンサ176の配置を中心から外して動かすことによって、ガントリーの360度回転(例えば、60度単位の動作を図示する図9A〜9G参照)において、対象物178全体を含める、より広い視野が取得される。図17Bに示すように、信号送信機174および検出器またはセンサ176は両方とも、特定の距離177だけ中心から外れて動かされる。この例では、動かされた距離、またはオフセットは、送信機174の視野が、ガントリーの内側アーム72が回転されるにつれて、ターゲットまたは対象物178の全体をここで捕捉するには十分である。再度、実際は対象物が178として特定される部分よりも大きいことが理解されるだろう。この例では、ポータブル医療用撮像カートは例えば並進するようには移動しておらず、むしろ、信号送信機174および検出器またはセンサ176は、中心線からの距離177にある固定位置にあるか、または、要求距離177だけ中心からずれるよう並進される。送信機174およびセンサ176の距離177をオフセットすることによって、より広い視野が。撮像されることになる対象物の中心で焦点を中心に回転する必要なく、および、従来のO形状のガントリーの必要なく、取得され得ることが発見された。送信機174およびセンサ176の配置がこの位置に固定され得るか、または、例えば以下にさらに詳細に記載されるように、並進装置に沿って可動であり得ることが理解されるだろう。
さらに、図17Aおよび17Bは、さらなる自由度、例えば信号送信機174および検出器またはセンサ176が直線方法で並進する能力を示す。図18Aおよび18Bは、これが達成され得る、少なくとも一つの方法例を示す。図18Aでは、信号送信機174は、トラック、リニアアクチュエータ、またはその他の並進装置184上に取り付けられる。例えば、並進装置184は、リニアトラック182に取り付けられ得る。同様に、180度反対に配置されたアーム171の反対側では、センサまたは検出器176はまた、トラック、リニアアクチュエータ、または、例えばトラック186内といった、その他の並進装置188上に取り付けられ得る。矢印および仮想線(phantom−line)の表示で示されるように、信号送信機174および検出器またはセンサ176は、単一の軸において、左右に動くことができる。さらに、送信機174およびセンサ176は、撮像空間の視野を拡大または縮小するために中心から外れて位置決めされることができる。
並進装置184、188によって提供されるリニア軸は、ユーザによって所望の通り配向され得、さらに、実質的に所望の任意の配向でより正確な制御を提供する。回転軸は二つのリニア軸を使用するよりもより正確になり得るため、この新しい軸は、ガントリー56、外側アーム70、内側アーム72、ガントリー垂直シャフト59のz軸、さらには可動ステーション60を所望の配向に配向することによって、所望の通り配置され得る。さらに、図17B、図18Aおよび18Bに示すように、および、図1を参照すると、軸は、前後に並進するようx軸に沿って、または、左右に並進するようy軸に沿って配置される。図3に関して、送信機74およびセンサ76は、z軸に沿って上下に動くだろう。図4に関して、ガントリー56はここで水平に配向され、新しい軸はまた、示すように、x軸に平行して並進するだろう。さらに、ガントリーおよび外側アーム72は、図9B、9C、9E、および9Fにおける非水平および非垂直配向で位置決めされる。並進装置184、188はさらに、中間配向あるいは所望の配向と呼称され得るものに沿って、独立自由度を形成する。送信機174およびセンサ176はさらに、有利なことに、従来の撮像装置よりも広い視野で、特定の損傷、腫瘍、またはその他の医学的事象を撮像するよう配向され得る。
送信機174およびセンサ176は、ここで可能なより広い視野を使用するよう、所望の通り動かされ得るか、または調整され得る。例えば、送信機174およびセンサ176は、順にいくつかの位置に回転され、ターゲットの所望領域または容量を完全に含めるのを確実にし得る。「ターゲット化すること(targeting)」は、撮像する前に行われ得る。所望位置は、メモリ44または撮像コントロールモジュール54において利用可能なその他のメモリにメモされ、記録される。画像が撮影されるとき、撮像オペレータまたはヘルスケア専門家は、所望の一連の画像を通るシーケンスのみを必要とする。これは、完全且つ正確に含めること、および、各画像が撮影された後に達成される回転または動作を確実にし得るため、画像がぶれない。
並進装置またはリニアアクチュエータは、直線に沿った動作を提供するよう、モータ付き電気リニアアクチュエータ、リニアトラック、リニアスライド、ボールスライド、ラックスライド、ボールスクリュー、等を含み得る。並進装置184、188は、モーションコントロールモジュール51によって制御され得、さらに、ポータブル医療用撮像装置のすべての構成要素の、調整された動作を確実にする。特に、並進装置184、188の動作は、それらが同一であるよう制御され得る。さらに、どちらかの装置が左に、または右に移動する場合、他方の装置もまた、調整された方法で移動し得、さらに、撮像されることになる対象物178が含まれることを確実にし、また、送信機174から送られる信号が、患者または撮像されることになるその他の対象物を通って横切った後、センサ176によって捕捉されることを確実にする。これはまた、有害な放射線の如何なる漏れも防止し、患者および診断およびヘルスケア従事者の被爆を制限する。信号送信機174および検出器またはセンサ176の動作は、モーションコントロールモジュールの制御下における装置のその他の動作のように、調整され、制御される。この実施形態では、各リニアアクチュエータ、ボールスクリュー、またはモータは、ポータブル医療用撮像システム10のその他のモータまたはアクチュエータについての上述のように、位置フィードバック用のそれ自体のエンコーダを含み得る。
代替実施形態では、送信機174および/またはセンサ176は適切な位置に固定され得る。例えば、送信機174およびセンサ176は、機器が常に拡大された視野で撮像するよう、中心からの距離177の適切な位置に固定され得る。別の実施形態では、センサ176の領域が送信機174に対して大きい場合は、センサ176が未だ送信機174の送信を検出可能である限りは、送信機174が移動または並進しても、センサ176は静止していてもよい。
図17Aおよび17B、18Aおよび18Bに示されるが、並進移動は、撮像されることになる対象物を含むことを確実にし得る。そのような調整および視野の能力の向上がなければ、さらにより大きな撮像装置が必要とされるだろう。つまり、Cアーム70および72は、対象物178を完全に含めることを達成するには、さらにより大きな直径を有する必要があるだろう。外側Cアーム70および内側Cアーム72を別々に移動させることなく、ポータブル撮像装置は、実際は、完全な360度含めることを達成するように、完全な円形、O形状ガントリーまたはガントリー取付部を必要とする場合もある。例えば、米国特許第7,108,421号の装置のようないくつかの従来装置は、より大きな並進装置を、対象物を中心とした様々な位置に回転させることによって、より大きな対象物を含めることを達成する。より大きなモーションは、例えば、より高額な費用で、動作の自由度の制限がより大きく、手術室の環境における制限のある、O形状ガントリーまたはガントリー取付部を要求し得る。
その一方、本開示の実施形態は、ポータブル医療用撮像システムおよびその構成要素の細かい動作を使用することによって、より大きな対象物を含むことができ、撮像されることになるさらにより広い視野を有することができる。動作例は、図1、3、および4を参照して成されることになる。図1では、例えば、ガントリー56は、略垂直配向にあり、Cアーム70、72が患者のベッド26を中心に位置決めされ、患者に対して準備が整っている。撮像送信機74は、患者の下にあり、患者の上にある検出器76と連動して作用することになる。図18Aおよび18Bを参照して説明される例は、左右または水平方向に、すなわち、アーム171の平面においての動作を必要とする。図1を参照すると、これはy軸方向の動作であることがわかる。
図3では、ガントリー56は同一垂直配向にあるが、内側アーム72は90度回転しているため、送信機74およびセンサ76はここで、水平に配向される。これは、前述の、y軸に平行の、「ロータ(rotor)」の回転自由度である。ここで、送信機74およびセンサ76をアーム72の平面において並進させることは、図3に示すように、垂直移動、すなわち、z軸に沿った移動であるだろう。図4を参照すると、ここで、ガントリー56は、水平位置に90度回転している。内側アーム72が図18Aおよび18Bのリニア並進装置を備えていれば、送信機74およびセンサ76は、図4に示されるx軸方向に、内側アーム72の平面内で並進するだろう。X軸を中心とした、または、x軸に平行な回転は、上述の「傾斜(tilt)」自由度である。さらに、送信機74およびセンサ76自体は、リニア軸に沿って、単一の自由度のみを有するが、その軸は、ポータブル医療用撮像システムのコンテキストにおいて使用され得る。さらに、リニアの動作は、図1および4のように患者の幅を横切るか、または、図3のように患者に対して上下の垂直方向であってもよい。
これらの同じ図を参照すると、前述したようなその他の自由度も考慮され得る。さらに、図1では、外側70および内側72アームは、患者のベッド26を中心とした回転自由度を可能にする。垂直シャフト59は、垂直並進、すなわち、z軸に沿ったリニア移動を可能にする。全方向車輪62、64は、x−y平面内での動作の完全自由を可能にする。これらの自由度はまた、医療チームが患者のベッド26上に取り付けられることになる患者の画像を捕捉することを望む場合に使用されてもよい。ポータブル医療用撮像システム10はさらに、図17Aおよび17Bに示すように、前述の6自由度を可能にし、また、新たなリニア軸自由度も有する。
これらの自由度は、ポータブル医療用撮像システムのさらに別の使用を可能にする。例えば、より大きな動作よりもむしろ、軸に沿った、より細かな、より正確に制御された動作がここで使用され得る。例えば、図17Aおよび17Bに示すように、撮像されることになる対象物が好都合に取扱われ得るものよりも大きい場合、リニア自由度は並進移動から生じ、それによって、視野の拡大を可能にする。
図19は、上述のシステムの一つ以上の実施形態など、ポータブル医療用撮像システムを使用して対象物を撮像するための方法190の実施形態のフローチャートを図示する。特に、方法190は、それらの衝突ゾーンを拡大することなく、システム10の視野(FOV)を拡大するために用いられうるが、これは以下でより詳細に説明される。
ここで図20を参照すると、方法190の実施形態を実行する撮像システム200の図解例が示されている。方法190は、例として撮像システム200を参照して本明細書に記述される。撮像システム200は、上述のように、撮像信号送信機202と、撮像センサ204とを含み、これらはガントリー、Cアーム、などに結合される。撮像信号送信機202および撮像センサ204は、別個のアクチュエータ(並進装置)を介してガントリーに結合されてもよく、または撮像信号送信機202および撮像センサ204が互いから独立して移動することを可能にする機能が与えられてもよい。
撮像システム200はまた、撮像センサ204の可能な位置の範囲によって画定される略環状の領域である、衝突部205のゾーンを画定する。撮像センサ204は、システム200の一部の実施形態で露出されてもよく、ガントリーに取り付けられた移動可能な構成要素の最も内部の範囲を呈してもよい。従って、衝突部205のゾーンを妨げるものが確実に何もないように注意を払い、そうでなければ、撮像センサ200の動きを遮断することによってシステム200の動作を妨げる。撮像センサ204が(図17Aおよび図17Bに関して上述したように)並進移動するか、中心軸以外の点を中心に回転することが許可される場合、衝突部205のゾーンは、膨張してもよい(すなわち、図20の環状の衝突ゾーン205を画定する外側のサイズまたは直径が増加してもよい)。一部の事例では、それは、例えば、FOVを増加させつつ、撮像センサ204が中心軸以外の点を中心に移動または回転可能ではなかった場合まで、衝突部205のゾーンを最小化することが有利でありうる。
示されるように、撮像信号送信機202は、撮像センサ204によって受信されうる信号203(例えば、X線)を送信しうる。信号203は、撮像信号送信機202に位置しうる焦点208を画定しうる。信号203はまた、視野(FOV)209の第一の部分209Aを画定してもよく、これはその中に位置付けられた対象物211の画像を生成しうる。一部の状況では、例えば、以下に説明する通り、第二の部分209BをFOV209に追加することによって、撮像センサ204が単一の画像を提供するようにサイズ決めされたよりも、FOV209のサイズを大きくすることが望ましい場合がある。こうしたFOV209への追加により、対象物211よりも大きな、および/または、FOV209Aの第一の部分よりも大きな対象物213が撮像されるのを可能にしうる。
さらに、撮像センサ204は、撮像信号送信機202と撮像センサ204との間にある点、例えば、ガントリーの中心軸、またはその近くに配置されるアイソセンター210、を中心に回転可能であってもよい。例えば、アイソセンター210である点は、撮像される対象物の略中央の位置に一致するように構成されてもよく、撮像センサ204および撮像信号送信機202から略等距離であってもよい。アイソセンター210を中心とした回転を制約することによって、衝突部205のゾーンは拡張されず、または、ほぼ同じままである。その他の実施形態では、点は、撮像信号送信機202と撮像センサ204との間の別の点であってもよい。
さらに、信号203の入射角θは、焦点208から撮像センサ204の中央まで引かれた線215と、撮像センサ204に垂直な線217によって画定されてもよい。これは、撮像信号送信機202および撮像センサ204が互いに対してどの程度平行ではなく配向されているかについての測定値または表示でありうる。よって、センサ204または送信機202の他方に対する回転によって、入射角θが変化する。したがって、例えば、撮像信号送信機202を静止して保持しつつ、二つの位置204−1と204−2との間のアイソセンター210を中心に撮像センサ204を回転させることによって、入射角θの変化が生じる。したがって、図20では、線215、217は、位置204−1に対して共線であり(入射角はθ0)、位置204−2では0以外の角度によって分離される。
図19に示す方法190に再び戻り、図20のシステム200を再度参照すると、方法190は、191にあるように、特定の点(例えば、アイソセンター210)に面するように、撮像信号送信機202を位置付けることを含みうる。「面する(facing)」は必ずしも、センサが撮像信号送信機208の焦点スポットから半径方向外向きに延在する線に対して垂直であることを意味するのではなく、例えば一部の実施形態では垂直から約0.01度から約20度といった、垂直からいくらかずれることを許可することが理解されよう。いくつかの実施形態では、それでもなお、撮像センサ204は、こうした線に対して垂直であってもよい。
方法190はまた、192にあるように、撮像センサがアイソセンター210に面するように、撮像センサ204を撮像信号送信機202に対して略反対に位置決めすることを含みうる。「略反対(generally opposite)」は必ずしも、中心軸を中心に180度離れていることを意味しているわけではなく、送信機202がセンサに向かって信号を送信し、その後、その間で対象物の少なくとも一部の画像を形成するためにセンサ204によって捕捉される、いくらかの角度の範囲を許容することが理解されよう。例えば、一部の実施形態では、撮像センサ204は、撮像信号送信機202から、約180度+/−5度で対向してもよい。この時点では、入射角θは、一例では、位置204−1に示すように、0度であってもよいが、これは単に例示的なものであり、その他の開始位置では、入射角θは、30度といった、0以外であってもよい。
方法190は、193にあるように、FOV209の第一の部分209Aの画像を捕捉するために、撮像センサ204を使用して撮像信号送信機202から信号203を記録することをさらに含みうる。第一の部分209Aは、図示するように、アイソセンター210を包含しうる。さらに、第一の部分209Aのサイズは、撮像信号送信機202と撮像センサ204との間の距離によって、および、その構成要素の幾何学的形状によって指定されうる。
方法190はさらに、194にあるように、入射角θが変化するように、アイソセンター210を中心に撮像センサ204を回転させることを含んでもよい。これは、図20では、第一の位置204−1と第二の位置204−2との間を移動するように図示されている。アイソセンター210を中心に回転させることに加え、撮像センサ204のこの移動によっても、194にあるように、撮像信号送信機202が撮像センサ204と共にアイソセンター210を中心に回転しないため、焦点208を中心とした回転が生じる。次いで、上述のように、これによって入射角θを変化させ、この場合には、0から0以外の数値まで変化させる。
次いで、方法190は、196にあるように、FOV209の第二の部分209Bの画像を捕捉するために、撮像センサ204を使用して撮像信号送信機202から別の信号218を記録することをさらに含みうる。撮像センサ204が回転するにつれて、それが対象物213を通過する、信号218の位置または経路は、信号203の位置または経路から変化する。したがって、FOV209の第二の部分209Bは、第二の信号218の位置または経路によって画定され、第二の部分209Bは第一の部分209Aに追加されうる。第一の部分209Aおよび第二の部分209Bは、重なり合うかまたは隣接してもよく、よって、それらを共に追加することによって全体的なFOV209を増加させる。さらに、一部の実施形態では、アイソセンター210は、両方の部分209A、209B内に維持される。アイソセンター210に対する撮像センサ204の複数の回転位置は、撮像信号送信機202の回転に対応することなく用いられ、それによって両横方向にFOVが増加することが理解されよう。
第二の位置204−2では、入射角θが(この事例では、0から0以外に)変更されたため、撮像補正を用いることができ、この補正は入射角に基づいて、または入射角θを使用して計算されうる。オフセットおよび(例えば、第二の位置204−2の撮像センサ204を有する)傾斜パネルで撮影された投影画像を使用して画像容積を再構成するために、強度の補正およびピクセルサイズスケーリングが実行される。さらに、各投影データに対するフェルトカンプ重量は、パネルの中央からのオフセットに基づいて調節される。パネルに重複データがある(第一の部分209Aと第二の部分209Bとの間の重複)場合、この領域のデータは、適切な画像再構成に対してより大きな重みを受ける。2002年の29 Med.Phys.9に掲載された、Ge Wangの、変位検出器アレイを有するX線マイクロCTで参照されており、本開示と矛盾しない程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
さらに図19を参照し、ここではさらに図21を参照するが、システム200を使用した方法190の実行の別の図が示されている。この実施形態では、方法190はさらに、(194にあるように)アイソセンター210に対する撮像センサ204の回転に加えて、195にあるように、アイソセンター210によって2Dで示されるように、中心軸に対して垂直方向に撮像信号送信機202を並進移動させる(例えば、撮像信号送信機202を横方向に移動させる)ことを含む。したがって、焦点208は、第一の位置208−1から第二の位置208−2まで移動し、入射角θもまた、変化する。次に、第二の画像が(196にあるように)捕捉され、得られたFOV209がさらに広がり、ここでも、衝突部205のゾーンを拡張することはなく、または、衝突部205のゾーンがほぼ同じまま残る。
アイソセンター210に対する撮像センサ204のこうした二つ以上の回転位置204−1、204−2全体のスキャンが完了し(および/または撮像信号送信機202の二つ以上の位置)、所望のFOV209が撮像されると、方法190は、197にあるように、視野を撮像するための異なる視点を達成するために、アイソセンター210に対して、少なくとも撮像信号送信機202を回転させることに進みうる。いくつかの実施形態では、撮像センサ204は、FOV209が継続的にアイソセンター210を含むように、この時点(実行193の前)で移動されてもよい。新しい位置(例えば、位置204−1に類似するが、撮像センサ204および撮像信号送信機202の両方がアイソセンター210を中心に回転される)に達すると、撮像信号送信機202の回転位置を維持しつつ(および、一部の実施形態では、撮像信号送信機202を並進させつつ)、(例えば、194、195、および/または196にあるように)撮像センサ204をアイソセンター210に対して回転させる上述のプロセスが繰り返されうる。これは、視野の360度の視界が捕捉されるまで(例えば、FOV209の周辺すべての一連の画像)繰り返されうる。
当業者であれば、図19に示される方法190の実施例は簡潔かつ明瞭に説明するために提示されており、本発明の原理から逸脱することなく、動作、機能、段階、および/または、ステップが方法190で、追加され、削除され、再度順序付けられ、同時に実施され、または修正されうることを理解するだろう。例えば、記述されたように、195で示される動作は、省略されてもよく、または随意に実施されてもよい。その他の変形が可能である。
本発明のいくつかの実施形態が前述の明細書に開示されているが、本発明の多くの変更および他の実施形態が、発明に関係することが想定され、前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を享受する。したがって、本発明は、上に開示された特定の実施形態に限定されず、多くの修正および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解される。一実施形態の特徴は、本明細書に記載された異なる実施形態の特徴と組み合わせることができ、または使用することがさらに想定される。さらに、特定の用語が、本明細書および以下の特許請求の範囲で用いられているが、それらは包括的で説明的な意味でのみ使用され、記載された発明および以下の特許請求の範囲を限定する目的で使用されるものではない。本明細書に引用された各特許および公報の開示全体は、あたかもそのような各特許または特許公報が参照により個々に本明細書に組み込まれているかのように、その全体が参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴および利点が、下記の特許請求の範囲に記載されている。

Claims (20)

  1. 撮像信号送信機と撮像センサとを備えるポータブル医療用撮像システムを使用して撮像するための方法であって、
    前記撮像信号送信機および前記撮像センサを、互いに対して略反対側に、その間の点に面するように位置付けることであって、前記撮像センサが、前記撮像信号送信機から発される信号に対する入射角を画定する、位置付けることと、
    視野の第一の部分の画像を捕捉するために、前記撮像センサを使用して前記撮像信号送信機からの第一の信号を記録することと、
    前記入射角が変化するように、前記点を中心に前記撮像センサを回転させることと、
    前記視野の第二の部分の画像を捕捉するように、前記撮像センサを使用して前記撮像信号送信機からの第二の信号を記録することと、を含む方法。
  2. 前記点が前記撮像システムのアイソセンターを備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記視野の前記第一および第二の部分を組み合わせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記撮像センサが、前記撮像センサを回転させる前、および後の両方に、前記点から延在する半径方向の線に対して垂直である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記点が、前記視野の前記第一および第二の部分内にある、請求項1に記載の方法。
  6. 前記撮像信号送信機の回転位置が前記第一および第二の信号を送信するときに実質的に同一であるように、前記撮像センサを回転させつつ、前記撮像信号送信機の前記回転位置を維持することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第一の信号を記録した後、前記第二の信号を記録する前に、前記撮像信号送信機を直線的に並進させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第二の信号を記録した後、前記点を中心に前記撮像信号送信機および前記撮像センサを回転させることと、
    前記点を中心に前記撮像信号送信機および前記撮像センサを回転させた後、第二の視野の第一の部分の画像を捕捉するために、前記撮像センサを使用して前記撮像信号送信機からの第三の信号を記録することと、
    前記第三の信号が記録されたときから、前記入射角を変化させるように、前記点を中心に前記撮像センサを回転させることと、
    前記第二の視野の第二の部分の画像を捕捉するために、前記撮像センサを使用して前記撮像信号送信機からの第四の信号を記録することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 移動可能なCアームを備える移動可能なステーションと、
    前記移動可能なCアームに取り付けられた撮像信号送信機と、
    前記撮像信号送信機に対して略反対に位置付けられ、前記移動可能なCアームに取り付けられた撮像センサと、を備え、
    前記撮像センサは、前記撮像信号送信機から前記撮像センサに送信された信号の入射角を変化させ、単一位置で前記撮像センサの視野よりも大きな前記視野を提供するように、前記撮像信号送信機から独立して、前記移動可能なCアームの略中心軸上で、点に対して回転するよう構成された、ポータブル医療用撮像システム。
  10. 前記撮像センサが、回転中に前記中心軸上の前記点に面するように構成された、請求項9に記載のポータブル医療用撮像システム。
  11. 前記撮像センサが、前記撮像信号送信機とは独立して回転する前に、第一の画像を捕捉し、前記撮像信号送信機とは独立して回転した後に、第二の画像を捕捉するように構成され、前記ポータブル医療用撮像システムが、前記第一および第二の画像を組み合わせて前記拡大視野を生成するように構成されたコントローラを備える、請求項9に記載のポータブル医療用撮像システム。
  12. 前記撮像信号送信機および前記撮像センサが、前記撮像信号送信機と前記撮像センサの間の対象物の360度の視界を提供するように、前記中心軸の周りを回転するように構成されている、請求項9に記載のポータブル医療用撮像システム。
  13. 前記撮像信号送信機を前記移動可能なCアームに取り付ける並進装置をさらに備え、前記並進装置が、前記中心軸に対して横方向に前記撮像信号送信機を並進させるよう構成された、請求項9に記載のポータブル医療用撮像システム。
  14. 前記並進装置が、デカルト座標系の軸に対して垂直または平行な配向であるリニア軸に沿った動きのために適合される、請求項13に記載のポータブル医療用撮像システム。
  15. 前記リニア軸が、対象物の画像を捕捉する際に、直線自由度を提供する、請求項14に記載のポータブル医療用撮像システム。
  16. 前記移動可能なステーションに取り付けられたガントリー取付部と、
    前記ガントリー取付部に回転可能に取り付けられたガントリーであって、前記ガントリー取付部に摺動可能に取り付けられ、前記ガントリー取付部に対して摺動するよう動作可能な第一のCアームを含むガントリーと、をさらに備え、
    前記移動可能なCアームが、前記第一のCアームに摺動可能に結合され、
    前記第一のCアームおよび前記移動可能なCアームが共に、前記撮像信号送信機と前記撮像センサの360度の回転を提供する、請求項9に記載のポータブル医療用撮像システム。
  17. 移動可能なステーションと、
    前記移動可能なステーションに取り付けられたガントリー取付部と、
    前記ガントリー取付部に回転可能に取り付けられたガントリーであって、前記ガントリー取付部に摺動可能に取り付けられ、前記ガントリー取付部に対して摺動するよう動作可能な第一のCアームを含むガントリーと、
    前記第一のCアームに摺動可能に結合された第二のCアームであって、前記第一および第二のCアームが撮像される対象物を中心に360度回転を共に提供する、第二のCアームと、
    前記移動可能なステーションおよび第一および第二のCアームの動作を制御するための、および前記ポータブル撮像システムの撮像を制御するためのコントロールシステムであって、前記コントロールシステムが、前記ポータブル医療用撮像システムが動作を実行するように構成される、コントロールシステムと、を備え、前記動作が、
    前記撮像信号送信機および前記撮像センサを、互いに対して略反対側に、その間の点に面するように位置付けることであって、前記撮像センサが、前記撮像信号送信機から発される信号に対する入射角を画定する、位置付けることと、
    視野の第一の部分の画像を捕捉するために、前記撮像センサを使用して前記撮像信号送信機からの第一の信号を記録することと、
    前記入射角が変化するように、前記点を中心に前記撮像センサを回転させることと、
    前記視野の第二の部分の画像を捕捉するように、前記撮像センサを使用して前記撮像信号送信機からの第二の信号を記録することと、を含むポータブル医療用撮像システム。
  18. 前記点が前記ガントリーのアイソセンターを備える、請求項17に記載のポータブル医療用撮像システム。
  19. 前記視野の前記第一および第二の部分を組み合わせることをさらに含む、請求項17に記載のポータブル医療用撮像システム。
  20. 前記撮像センサが、前記撮像センサを回転させる前、および後の両方に、前記点から延在する半径方向の線に対して垂直に配向された、請求項17にポータブル医療用撮像システム。

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