JP2020096686A - 遊技機 - Google Patents

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健二 西村
Kenji Nishimura
健二 西村
浩一 芝▲崎▼
Koichi Shibazaki
浩一 芝▲崎▼
一樹 志村
Kazuki Shimura
一樹 志村
力哉 川井
Rikiya Kawai
力哉 川井
勇亮 菊池
Yusuke Kikuchi
勇亮 菊池
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Abstract

【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】スロットマシン10は、ベット操作を行った後、スタートレバー41の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、ストップスイッチ42〜44の操作によって対応するリールが停止し、抽選結果に応じた停止出目が停止し得る。表示モードがATモードであると、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって入賞する結果が異なる押し順役当選時に押し順報知が行われる場合があり、RB状態の終了条件を成立させると、事前取得されているATカウンタCを利用してATモード移行抽選が行われる。【選択図】 図1

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。
スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特許文献1参照)。
特開2008−295707号公報
ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、遊技状態を特定状態へ移行させ、予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、当該特定状態を終了させる遊技状態移行手段を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報を取得する特定情報取得手段と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段と、
前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて、予め定められた特定事象を生じさせるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段と、
前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記特定状態の前記終了条件が成立する場合に前記特定抽選を実行可能な手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
一実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 リールの停止制御を説明するための説明図である。 RT状態処理を示すフローチャートである。 第1RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 第2RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 第3RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 RB状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 表示モードの概要を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 上乗せ抽選テーブル及び上乗せゲーム数抽選テーブルの一例を示す図である。 実際の有利区間の残りゲーム数と表示上の残りゲーム数との関係を説明するための図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 押し順役用処理を示すフローチャートである。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 ゲーム数管理処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 MY更新処理を示すフローチャートである。 有利区間の開始ゲーム及び終了ゲームと区間表示器の表示との関係を説明するための図である。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 上乗せ演出の設定処理を示すフローチャートである。 各停止操作時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 報知タイミングと上乗せ演出との関係を示す図である。 乱数取得用処理を示すフローチャートである。 抽選情報記憶エリアの概要を示す図である。 乱数シフト用処理を示すフローチャートである。 ATモード移行抽選テーブルにおいて各役に対応付けられているATカウンタの値を説明するための図である。 ATカウンタとゲームの抽選結果を利用した、ATモード移行抽選の概要を説明するための図である。 終了判定処理を示すフローチャートである。 終了時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 RB状態中の当選役の概要を説明するための図である。 RB状態中の当選役に対応付けられたATカウンタを説明するための図である。 保留表示用処理を示すフローチャートである。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 保留シフト用処理を示すフローチャートである。 (a)は終了予定ゲームの更新処理を示すフローチャートであり、(b)は終了予定表示の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 RB終了時のAT抽選の概要を説明するための図である。 変形例1における、保留表示用処理を示すフローチャートである。 保留シフト用処理を示すフローチャートである。 保留表示抽選テーブルの一例を示す図である。 変形例2における、保留表示用処理を示すフローチャートである。 保留シフト用処理を示すフローチャートである。 変形例3における、保留表示用処理を示すフローチャートである。 変形例4における、RB状態中の当選役の概要を説明するための図である。 変形例5における、RB状態中の当選役の概要を説明するための図である。 変形例6において、(a)は入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図であり、(b)〜(d)は各状態用の抽選テーブルの一部を示す図である。 終了判定処理を示すフローチャートである。 RB状態中のゲームの進行概要を説明するための図である。 第2の実施形態における、AT抽選用処理を示すフローチャートである。 各状態用の抽選テーブルの概要を説明するための図である。 第1特定役と第2特定役との概要を説明するための図である。 抽選用情報記憶エリアの概要を示す図である。 乱数取得用処理を示すフローチャートである。 乱数シフト用処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 保留表示用処理を示すフローチャートである。 保留シフト用処理を示すフローチャートである。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 特定報知の概要を説明するための図である。 特定報知の概要を説明するための図である。 変形例1における、保留表示用処理を示すフローチャートである。 保留シフト用処理を示すフローチャートである。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 特定報知の概要を説明するための図である。 変形例2における、区間表示第2処理を示すフローチャートである。 (a)は転落リプレイ時の第1停止OFF時演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)は入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 終了図柄回避用報知の概要を説明するための図である。 終了図柄停止用報知の概要を説明するための図である。 変形例3における、保留シフト用処理を示すフローチャートである。 特定報知抽選テーブルの一例を示す図である。 変形例4における保留シフト用処理を示すフローチャートである。 (a)は特定報知抽選処理を示すフローチャートであり、(b)は特定報知抽選テーブルの一例を示す図である。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 特定報知と押し順ベル当選時の報知との関係を説明するための図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9〜図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第41小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞〜第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞〜第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは2枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは2枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞〜第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、2枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段〜下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。第39小役入賞は、2ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。第40小役入賞は、2ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1RB入賞,第2RB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1RB入賞となり、遊技状態が第1RB状態に移行する。また、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2RB入賞となり、遊技状態が第2RB状態に移行する。左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が通常遊技状態であることを条件として、停止した場合に第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、ボーナス状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、RB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS214に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、RB状態及びCB状態における規定数として「2」が設定されており、RB状態及びCB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、RB状態及びCB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、RB状態及びCB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、RB状態及びCB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206に進む。ステップS206では、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理、ステップS213のRT状態処理、ステップS214のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,RB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1RB、第2RB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1RB、第2RB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=34〜54)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1RB当選フラグ、第2RB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1RB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=17のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1RBに当選したことを示す当選フラグ(第1RB当選フラグ)又は第2RBに当選したことを示す当選フラグ(第2RB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1RB当選フラグ又は第2RB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1RB当選フラグ及び第2RB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1RB当選フラグ又は第2RB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306〜ステップS308では、第1RB,第2RB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1RB,第2RB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1RB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1RB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1RB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=35の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2RB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1RB当選フラグ又は第2RB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1RB当選フラグ又は第2RB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1RB,第2RB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=21の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=22の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=23〜26の際に当選となる確率)はそれぞれ約37.4分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=27〜30の際に当選となる確率)はそれぞれ約18.7分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約21800分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約21800分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約32800分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約32800分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約32800分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約32800分の1である。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=40の際に当選となる確率)は約65500分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=41の際に当選となる確率)は約65500分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=42〜45の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=46,47の際に当選となる確率)はそれぞれ約21800分の1である。特リプA重複1に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプA重複2に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)は約1310分の1である。特リプAB重複1に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複2に当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)は約1310分の1である。第1RBに単独当選となる確率(IV=52の際に当選となる確率)は約328分の1である。第2RBに単独当選となる確率(IV=53の際に当選となる確率)は約262分の1〜約437分の1であり、設定されている設定値によってその当選確率が異なっている。より詳しくは、第2RBに単独当選となる確率は、設定6が最も高く、設定1が最も低く、設定値が高くなるほど当選し易くなように設定されている。CBに当選となる確率(IV=54の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約3.25分の1〜約3.27分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2〜14,31〜33,55〜58のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306〜ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=15の際に当選)となり、第28小役当選フラグ、第32小役当選フラグ〜第35小役当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役〜第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=34の際に当選)となり、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグ及び第1RB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1RB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1RB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1RB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、特リプA重複1に当選し、第9再遊技及び第1RB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1RB入賞よりも第9再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。そして、例えば、第1RB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1RB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1RB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
また、複数の小役や複数の再遊技が重複して当選となる場合、いずれの小役又は再遊技に対応する図柄が有効ラインに停止するかは、停止操作が行われたタイミングによって異なる。例えば、強スイカに当選し、第30小役及び第41小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、上記のとおり、第30小役と第41小役とで、左リール32Lの対象図柄は「スイカ」図柄で共通している。そのため、左リール32Lの停止操作のタイミングによっては、いずれの小役入賞が成立するかは決定されない。一方、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は、第30小役ではいずれも「赤ベル」図柄であり、第41小役では中リール32Mが「チェリー」図柄及び「黒BAR」図柄であり、右リール32Rが「スイカ」図柄である。例えば、3ベットゲームにおいて、中リール32Mでは、4番目の「スイカ」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第30小役の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄と、第41小役の対象図柄である「黒BAR」図柄のいずれの図柄についても、有効ライン上である中段に停止させることが可能となる。この場合、本実施形態では、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように、停止図柄情報の設定が行われる。その結果、上記の場合、「赤ベル」図柄が中段に停止するように停止駆動制御が行われ、第41小役入賞は成立しないようになり、第30小役が入賞可能となる。
一方、中リール32Mにおいて、8番目の「黒BAR」図柄から12番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第41小役の対象図柄である8番目の「黒BAR」図柄及び11番目の「チェリー」図柄と、第30小役の対象図柄である12番目の「赤ベル」図柄のいずれの図柄についても、中段に停止させることが可能となる。この場合も、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように停止図柄情報の設定が行われるため、8番目の「黒BAR」図柄又は11番目の「チェリー」図柄が中段に停止し、第30小役入賞は成立しないようになり、第41小役が入賞可能となる。
右リール32Rについても同様であり、右ストップスイッチ44の停止操作が行われたタイミングによって、第30小役の対象図柄である「赤ベル」図柄と第41小役の対象図柄である「スイカ」図柄とでスベリ数の少ない図柄が有効ラインである下段に停止するように停止図柄情報の設定が行われる。なお、右リール32Rにおいて、6番目の「第1リプレイ」図柄及び7番目の「黒BAR」図柄が有効位置に到達したタイミングで、右ストップスイッチ44の停止操作が行われた場合、「スイカ」図柄及び「赤ベル」図柄のいずれも停止させることができず、この場合、いずれの小役入賞も成立せずに所謂取りこぼしとなる。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=23〜30の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、CB状態以外の遊技状態において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄〜17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄〜13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄〜10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄〜10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第7小役入賞に対応する特典として、3枚のメダル払出が行われる。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「赤ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、当該移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄〜15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第9小役入賞に対応する特典として、3枚のメダル払出が行われる。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、上記のように移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄〜18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第2小役入賞に対応する特典として、3枚のメダル払出が行われる。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、上記のように移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、上記のように移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止していずれの小役入賞も成立しないで取りこぼしとなる場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第1小役入賞に対応する特典として、9枚のメダル払出が行われる。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止して取りこぼしとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。続くステップS416では、表示モードの移行抽選に用いられる抽選用の乱数を取得するための乱数取得用処理を実行する。乱数取得種処理についても後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がRB状態やCB状態のボーナス状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS213のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS502にて移行出目が停止した遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合、そのままRT状態を終了する。この場合、移行出目が停止しても遊技状態の移行は生じない。
ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS504に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1〜5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6〜58の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2〜5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.14分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1〜5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2〜4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技〜第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技〜第8再遊技は、第1昇格リプレイ2〜4に当選していても、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1〜4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1〜4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1〜4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS504にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS506に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS507にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS508にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1〜10のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11〜58の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約26.2分の1、IV=2〜5の際に当選とならず、IV=6〜8の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約18.2分の1となる。そして、いずれの役にも当選しない外れの確率は約4.88分の1〜約4.92分の1分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1〜転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1〜転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、第4再遊技入賞と第1再遊技入賞とに対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合や、第5再遊技入賞と第1再遊技入賞とに対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合には、基本的には第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させるように停止制御が行われ、これら第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させることができない場合に第1再遊技入賞を成立させるように停止制御が行われる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS506にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS511にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS509にて、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のいずれも成立していないと判定した場合には、そのまま、本処理を終了する。
ステップS511にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=1,6〜14のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1の際に当選となる確率は約5.48分の1であり、IV=6〜8の際に当選となる確率はそれぞれ約12.0分の1であり、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約1060分の1となる。また、第3RT状態では、IV=14,15の特定リプレイ1、特定リプレイ2に当選し得るようになり、IV=14,15の際に当選となる確率はそれぞれ約238分の1である。いずれの役にも当選しない外れの確率は約4.94分の1〜約4.97分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態や、更に第2RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第3RT状態に移行すると、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、チェリーリプレイたる第11再遊技入賞とスイカリプレイたる第12再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2や特定リプレイ1,特定リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
図23(d)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。特定リプレイ1及び特定リプレイ2に当選となった場合には、いずれの特定リプレイも、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。なお、本実施形態では、特定リプレイ2に当選となった場合に当選フラグがセットされる第3再遊技入賞は、ストップスイッチ42〜44の操作順序が対応付けられておらず、特定リプレイ2当選となった場合に、いずれの操作順序で操作しても第3再遊技入賞は成立しない。対応付けられている操作順序について、より詳しくは、特定リプレイ1に当選となった場合、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合にはチェリーリプレイたる第11再遊技入賞が成立し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合にはスイカリプレイたる第12再遊技入賞が成立し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には第1再遊技入賞が成立する。一方、特定リプレイ2に当選となった場合、第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とに対応付けられている操作順序が特定リプレイ1のものと逆となっており、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には第12再遊技入賞が成立し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には第11再遊技入賞が成立し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には第1再遊技入賞が成立する。
次に、ステップS214のボーナス状態処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がRB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602〜ステップS617に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1RB当選フラグ,第2RB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604〜S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1〜54のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=55〜58のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=55の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=56の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=57の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=58の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図27(a)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1〜CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞〜第28小役入賞,第31小役入賞〜第40小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞〜第26小役入賞,第29小役入賞〜第30小役入賞,第41小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1RB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、第1RB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされている第1RB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cに第1RB設定フラグをセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに110をセットし、残払出枚数表示部61に110を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、第1RB状態における上限払出数に対応する数値であり、第1RB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該第1RB状態が終了される。
ステップS609にて第1RB入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS613にて第2RB入賞が成立したか否かを判定する。そして、第2RB入賞が成立した場合には、ステップS614にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされている第2RB当選フラグをクリアするとともに、ステップS615にて状態情報格納エリア106cに第2RB設定フラグをセットする。その後、ステップS616にて、残払出数カウンタに110をセットし、残払出枚数表示部61に110を表示させる処理を行う。ステップS616でセットする数値は、第2RB状態における上限払出数に対応する数値であり、第2RB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該第2RB状態が終了される。
ステップS610〜S616の処理を行うことにより、遊技状態が第1RB状態や第2RB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RB設定フラグや第2RB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RB状態や第2RB状態であると判別し、対応するRB状態用抽選テーブルを選択する。
図28は、第1RB入賞により移行する第1RB状態で選択される第1RB状態用抽選テーブルと第2RB入賞により移行する第2RB状態で選択される第2RB状態用抽選テーブルとをまとめて示している。第1RB状態用抽選テーブルと第2RB状態抽選テーブルとは、IV=1〜14,16〜30,34〜58のポイント値PVとして「0」が設定されている。したがって、第1RB状態及び第2RB状態のいずれにおいても、これらIV=1〜14,16〜30,34〜58では当選とならない。また、第1RB状態用抽選テーブル及び第2RB状態用抽選テーブルでは、IV=32〜33のポイント値が両抽選テーブルで共通のポイント値が設定されており、第1RB状態及び第2RB状態のいずれにおいても、IV=32のRB中第2役に当選する確率及びIV=RB中第3役に当選する確率は、いずれも約6.55分の1である。
一方、第1RB状態用抽選テーブル及び第2RB状態用抽選テーブルにおいて、IV=15,31のポイント値は異なるポイント値が設定されており、IV=15の強チェリーに当選となる確率は第1RB状態では2分の1であるのに対して第2RB状態では2分の1〜3分の1であり、第1RB状態の方が第2RB状態よりも強チェリーに当選し易い。また、IV=31のRB中第1役に当選する確率は、第1RB状態では約5.13分の1であるのに対して第2RB状態では約2.77分の1〜約5.13分の1である。これら第2RB状態におけるIV=15の強チェリーやIV=31のRB中第1役は、設定値によって当選確率が異なり、設定6が最も強チェリーに当選し易く且つ最もRB中第1役に当選しにくく、設定1が最も強チェリーに当選しにくく且つRB中第1役に当選し易く、設定値が高くなるほど強チェリーに当選し易く且つRB中第1役に当選しにくくなるように設定されている。
つまり、第1RB状態や第2RB状態では、IV=15の強チェリーの当選確率が通常遊技状態や第1RT状態〜第3RT等の他の状態よりも高くなる。また、第1RB状態と第2RB状態とを比較すると、第1RB状態では強チェリーの当選確率が設定値に関わらず同じ確率である(当選確率が共通している)ものの、第2RB状態では強チェリーやRB中第1役の当選確率が設定値によって異なっている。既に説明した通り、RB状態のベット規定数は2ベットゲームであるため、RB状態において強チェリーやRB中第1役〜RB中第3役に入賞すると15枚のメダル払出が行われる。
強チェリーは、2ベットゲームにおいてもストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって入賞が成立し、入賞に対応しないタイミングで操作されると入賞が成立せず、取りこぼしとなる結果である。つまり、RB状態中に強チェリー当選となると、15枚のメダル払出が行われるか、取りこぼしとなってメダル払出が行われない。
なお、以下の説明では、第1RB状態や第2RB状態中におけるIV=15の強チェリーを、他の状態のIV=15の強チェリーと比較し易くすため、第1RB状態や第2RB状態中のものをRB中強チェリーとも称し、他の状態のものを単に強チェリーとも称する。
図27(b)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、RB中第1役に当選となった場合、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞が必ず成立する。これに対して、RB中第2役とRB中第3役は、6通りの操作順序のうちの4通りの操作順序に第1小役が対応付けられており、2通りの操作順序に第1小役や第39小役、第40小役が対応付けられている。つまり、RB中第2役やRB中第3役は、ストップスイッチ42〜44の操作順序が第1小役に合致したものであれば、第1小役入賞が成立し、第1小役や第39小役、第40小役に合致したものであれば、第1小役入賞、第39小役入賞及び第40小役入賞のいずれかが成立する。RB状態における2ベットゲームにおいて、第1小役入賞、第39小役入賞又は第40小役入賞が成立すると15枚のメダル払出が行われる。
図9及び図10に示すように、第39小役や第40小役は、右リール32Rに対応付けられている図柄だけが第1小役と異なっており、左リール32Lと中リール32Mとに対応付けられている図柄は第1小役、第39小役及び第40小役で共通している。また、右リール32Rに対応付けられている図柄は、第39小役と第40小役とでも異なっている。RB中第2役やRB中第3役に当選した場合、右リール32Rに第39小役や第40小役に対応する図柄(「黒BAR」図柄、「赤7」図柄)を有効位置に停止可能なタイミングで停止操作した場合、第39小役入賞や第40小役入賞が成立し、第39小役や第40小役に対応する図柄を有効位置に停止できないタイミングで停止操作した場合、第1小役入賞が成立する。そのため、右リール32Rの停止図柄から第1小役入賞、第39小役入賞及び第40小役入賞のいずれが成立しているのかを把握することが可能である。より詳しくは、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役のいずれに当選したのかを右リール32Rの停止図柄から判断することができる。そして、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役に当選した場合には操作順序や操作タイミングに関わらず15枚のメダル払出が行われる。
ステップS613にて否定判定し、いずれのRB入賞も成立していない場合には、ステップS617にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
既に説明した通り、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=34〜51のボーナス(第1RB,第2RB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=34〜51の各小役又は再遊技との重複役に当選した場合には、これら各小役や再遊技の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はRB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS618にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はRB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、RB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでRB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602〜ステップS618に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1RB、第2RBに当選した場合には、対応するRB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、RB設定フラグをクリアした場合、すなわち第1RB状態や第2RB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1RB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15−2)枚又は25(=14−2+15−2)枚のメダル増加を期待できる。RB状態に移行した場合、遊技者は、当該RB状態が終了するまでの間に最大で104(=15×8−2×8)枚のメダル増加を期待できる。
上記のように、RB状態において強チェリーに当選した場合、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては入賞が成立しない場合があり、入賞が成立しなければ当該ゲームでのメダル払出は生じない。つまり、RB状態において上限払出数が設定され(110)、毎ゲーム15枚の払出が生じた場合には、上記のように最大104枚のメダル増加が見込めるとともに、8ゲームでRB状態が終了するものの、RB状態の各ゲームの抽選結果や、そのゲームのストップスイッチ42〜44の操作タイミングや操作順序によっては、上限払出数に達した場合のメダル増加数は上記最大数よりも少なくなり得るし、上限払出数に達するまでのゲーム数が多くなり得るように設定されている。
第1RB当選フラグ,第2RB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1RB入賞,第2RB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS617の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS618にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図29を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がRB状態である場合、当該RB状態下におけるメダル払出数が110に達した場合にRB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、RB入賞が成立することによって遊技状態がRB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1〜4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態〜第3RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。また、第1RT状態において、各RB当選フラグがセットされたゲームで対応するRB入賞が成立しなかった場合、すなわちRB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1RB当選フラグがセットされたゲームで対応するRB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。なお、第1RT状態において、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生して移行出目が停止しても、遊技状態の移行は生じない。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1〜転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。加えて、各RB当選フラグがセットされたゲームで対応するRB入賞が成立しなかった場合、すなわちRB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各RB当選フラグがセットされたゲームで対応するRB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。なお、第2RT状態において、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生して移行出目が停止しても、遊技状態の移行は生じない。
遊技状態が第3RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1〜転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するRB入賞が成立しなかった場合、すなわちRB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各RB当選フラグがセットされたゲームで対応するRB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。なお、第3RT状態において、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生して移行出目が停止しても、遊技状態の移行は生じない。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,RB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,CZモード(チャンスゾーンモード),ATモード(アシストタイムモード),RBモードの4種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図30は、各表示モードの移行を示す図である。
RBモードとは、第1RB入賞又は第2RB入賞が成立した場合に移行し、RB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、RBモードは、RB状態と対応する表示モードである。したがって、RBモードに移行した場合、遊技者は最大で104枚のメダル増加を期待できる。
通常モードからRBモードに移行した場合、当該RBモードでは、ATモードへの移行抽選が行われる場合がある。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、RBモードの終了後にATモードに移行する。ATモードへの移行抽選に当選しなかった場合には、RBモードの終了後に通常モードに移行する。ATモードからRBモードに移行した場合には、RBモードの終了後にATモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1〜転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2,特定リプレイ1,特定リプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、CZモードやATモードへの移行抽選が行われる。CZモードやATモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからCZモードやATモードに移行する。ATモードに移行すると、上記の押し順ベル当選時や押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序の報知が行われるようになる。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないため、第2RT状態〜第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.92枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.08枚増加することを期待できる。
CZモードは、ATモードへの移行抽選の当選確率が通常モードよりも高くなる所謂チャンスゾーンと称されるモードである。CZモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、CZモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないため、第2RT状態や第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。CZモードの1ゲーム毎のメダルの期待増減数は、上記の通常モードのものと同様であり、通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.92枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.08枚増加することを期待できる。なお、CZモードにおいて、押し順ベル当選時や押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるようにしてもよく、この場合、その操作順序の報知の回数や報知抽選の当選確率等、操作順序の報知の頻度がATモードよりもCZモードの方が低くなるように設定するとよい。CZモードにおいて操作順序の報知を行う構成として、例えば、滞在中の押し順ベル当選時のうちの所定回数(1回)だけ操作順序の報知を行う一方、それ以降の押し順ベル当選時の操作順序の報知は行わない構成としてもよい。
ATモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される表示モードである。ATモードは、初期ゲーム数を所定回数(例えば50回)として開始されるモードであり、ゲーム数の上乗せ等が行われずに当該所定回数のゲームが行われた場合や、上乗せ分も含めた回数のゲームが行われた場合には、ATモードから通常モードに移行する。
ATモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、ATモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、第2RT状態及び第3RT状態と対応することとなり、主に第3RT状態と対応することになる。より詳しくは、ATモードでは、押し順リプレイ当選時においてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるため、第1RT状態から第2RT状態、第2RT状態から第3RT状態への移行が生じて、第3RT状態にて滞在することになる。ATモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.52枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.82枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約2.00枚増加することを期待できる。ATモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、ATモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからATモードに移行し、ATモードから通常モードに戻るという流れが一般的であり、通常モードからATモードへの移行はCZモードを介する場合と介さない場合とがある。
以上のとおり、本スロットマシン10では、ATモード,RBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、RB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42〜43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、ATモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
ここで、表示モードがATモードである場合、上記のように押し順ベルや押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知され、通常モードやCZモードである場合には、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知が行われない。そのため、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知の有無という観点で、ATモードの方が通常モードやCZモードよりも遊技者にとって有利なものである。そして、ATモードへの移行し易さという観点からすると、CZモードの方が通常モードよりも遊技者にとって有利なものである。つまり、ATモードは、操作順序が報知されることによって小役等の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間に含まれるものであり、そのATモードへの移行率が高くなるCZモードについても有利区間に含まれる。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、RB状態やCB状態であるか、それともそれ以外の状態(通常遊技状態、各RT状態、第1RB状態、第2RB状態)であるか、を把握する。既に説明した通り、RB状態やCB状態であれば、ベットの規定数として2が設定されており、それ以外の状態であれば、ベットの規定数として1又は3が規定されている。そして、ステップS702では、今回のゲームのベット数が、ステップS701にて把握した状態において規定されている一の規定数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。より詳しくは、RB状態やCB状態であれば、ベットの規定数は2だけであるため、ステップS702では必ず肯定判定する。RB状態やCB状態以外であれば、ベットの規定数は上記のように1と3であり、本実施形態では、RB状態やCB状態以外の状態の特定規定数として3が設定されており、RB状態やCB状態以外の状態でベット数が3である場合には、ステップS702にて肯定判定する。この場合、ステップS703以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が行われる。これに対して、RB状態やCB状態以外の状態でベット数が1である場合には、ステップS702にて否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。この場合、ステップS703以降の表示モード用の処理は行われない。そのため、例えば、第1RBや第2RBに当選し、1ベットゲームにて第1RB入賞や第2RB入賞を成立させようとする場合、表示モード用の処理は行われないことになる。
ステップS703では、乱数シフト処理を実行する。かかる処理は、ATモード抽選に用いられる乱数用の処理であり、後に詳細に説明する。
続くステップS704では、今回のゲームが有利区間であるか否かをRAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、上記のATモードを含む有利区間への移行抽選に当選したことに基づいてセットされ、有利区間が終了する際にクリアされるフラグである。有利区間フラグがセットされていない場合には、ステップS705へ進み、有利区間移行抽選処理を実行する。
有利区間移行抽選処理では、図32のフローチャートに示すように、先ず、ステップS801にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図35に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が異なるように設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS802にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS803にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS803ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS804にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS805にて、移行抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、そのまま本抽選処理を終了する。移行抽選に当選している場合、ステップS806にて、上記の有利区間フラグをセットする処理を実行する。この処理により、次ゲーム以降の抽選結果対応処理(図31)のステップS704では肯定判定することが可能となる。続くステップS807では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS807の処理を実行した後は、本有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理において、ステップS704にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、前ゲーム以前にて、有利区間への移行抽選に当選している場合と、ステップS705にて有利区間移行抽選処理を実行した後は、ステップS706に進む。ステップS706では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選している状態であることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、ATモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードへ移行する際にセットされ、ATモードが最終的に終了する際にクリアされるフラグである。ステップS706にて否定判定した場合には、ステップS707にて、AT抽選用処理を実行する。ステップS706にて肯定判定した場合には、ステップS708にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
AT抽選用処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
AT抽選用処理では、主に、表示モードをATモードに移行させるか否かの移行抽選を行う。すなわち、ステップS901にて、今回開始されたゲームが第2RB状態中であるか否かを判定する。第2RT状態中のゲームである場合、本実施形態ではステップS902以降のAT抽選に関する処理を行うことなく、そのままAT抽選用処理を終了する。上記のように、第2RB状態は設定されている設定値によって当選確率が異なるものである。これに対して、第1RB状態は、設定されている設定値によって当選確率が異ならないものである。そして、本実施形態では、第1RB状態中のゲームではAT抽選を行うものの、第2RB状態中のゲームではAT抽選を行わない構成としている。
続くステップS902では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS903にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず、今回のゲームが通常区間である場合には、ステップS904にてROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常区間用のATモード抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップS903にて有利区間フラグがセットされている場合であっても、ステップS905にて有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合には、ステップS904にて上記の通常区間用のATモード当選フラグを取得する。すなわち、有利区間移行抽選に当選したゲームでのATモード移行抽選は、通常区間用のATモード移行抽選テーブルを用いて行われる。
ステップS905にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合には、ステップS906にて各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグは、現状の表示モードがCZモードであるか否かをCPU102が特定するためのフラグであり、CZモードへの移行に際してセットされ、CZモードの終了に際してクリアされる。CZモードフラグがセットされていなければ、ステップS907にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間用のATモード移行抽選テーブルを取得し、CZモードフラグがセットされていれば、ステップS908にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからCZ用のATモード移行抽選テーブルを取得する。
これらのATモード移行抽選テーブルは、図35に示すように、抽選結果(当選役)の種類に応じてATモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、通常区間用のATモード移行抽選テーブルでは、弱チェリーよりも強チェリーの方がATモード移行抽選に当選し易い、といったように、概して、ゲームの抽選結果としての当選確率(出現率)の低い結果ほど、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常区間用のATモード移行抽選テーブルと有利区間用のATモード移行抽選テーブルやCZ用のATモード移行抽選テーブルとを比較すると、同じ抽選結果でも通常区間用よりも有利区間用の方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されており、有利区間用よりもCZ用の方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。例えば、有利区間中の弱スイカでのATモード当選率は通常区間中の弱スイカでのATモード当選率の倍となっており、CZモード中の弱スイカでのATモード当選率はそれよりもさらに高い確率となっている。
なお、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果やその当選確率は上記のものに限定されない。例えば、通常区間と有利区間とや有利区間とCZモードとで、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類が異なることで有利区間やCZモードの優位性を担保してもよく、この場合、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類を、有利区間やCZモードの方が多くなるようにするとよい。更にこの場合、ATモード移行抽選の当選確率自体は通常区間や有利区間、CZモードとで同じものとしてもよい。CZモードを複数設け、一のCZモードではチャンスAにてATモード移行抽選に当選し易く、他のCZモードではチャンスBにてATモード移行抽選に当選し易いといったように、それぞれのCZモードで異なるATモード移行抽選テーブルを設定してもよい。
ステップS904、ステップS907又はステップS908にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS909にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ステップS909では、RAM106のうち、抽選用情報記憶エリア106fからATモード移行抽選用の乱数を取得する。抽選用情報記憶エリア106fの構成やATモード移行抽選用の乱数を当該エリア106fに格納するための処理等については後に詳細に説明するが、ステップS909にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理は、他の抽選(例えば有利区間移行抽選)のように抽選時に最新の更新値を取得する構成とは異なっている。
そして、ステップS910にてATモード移行抽選を実行し、ステップS911にてATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS912にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定し、有利区間フラグがセットされておらず、通常区間でのATモード当選である場合には、ステップS913にて有利区間フラグをセットし、ステップS914にて有利区間当選ゲームフラグをセットする。
ステップS912にて有利区間フラグがセットされている場合、又はステップS914の処理を実行した後は、ステップS915にてATモード当選フラグをセットする処理を実行する。続くステップS916では、今回のゲームが第1RB状態中であるか否かを判定する。すなわち、第1RB状態中のゲームにてATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。ステップS916にて否定判定し、第1RB状態中のゲームではない場合、ステップS917〜ステップS919にて、前兆モードの設定用の処理を行う。
ここで、本実施形態では、ATモードへの移行が生じ得る状況となると、その状況を示唆する前兆モードに設定される。前兆モードでは、ATモード移行抽選に当選したことの示唆演出が、補助表示部65やスピーカ64等に行われ、前兆モードのゲーム数が0となるとATモードへの移行が許容され、その旨の報知演出(ATモード当選報知演出)が行われる。
ステップS917では、かかる前兆モードのゲーム数(前兆ゲーム数)を抽選により決定する処理を行う。前兆ゲーム数としては、例えば0〜32ゲームが設定されており、ATモードの当選契機となった遊技結果に応じて、いずれの前兆ゲーム数が選択され易いかが異なっている。例えば、強チェリーにてATモード当選した場合には、0〜10ゲームの前兆モードが選択され易く、弱チェリーにてATモード当選した場合には、7〜14ゲームが選択され易い、といったように、設定されている。
ステップS918では、ステップS917の抽選にて決定した前兆ゲーム数を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆モードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。そして、ステップS919にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットするとともに、前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは、その前兆モードに設定された状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドには、前兆モードのゲーム数の情報が含まれる。
ステップS916にて第1RB状態中のゲームでのATモード移行抽選に当選したと判定した場合、ステップS920にて、各種フラグ格納エリア106dに第1RB中当選フラグをセットし、ステップS921にて第1RB中当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。第1RB中当選フラグは、そのATモード移行抽選に当選したゲームが第1RB状態中のゲームであったことをCPU102が把握するためのフラグであり、第1RB中当選コマンドは、その旨を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第1RB中当選フラグをセットしたり、第1RB中当選コマンドを出力することによる処理については、後に詳細に説明する。
ステップS911にてATモード移行抽選に非当選であったと判定した場合、ステップS922に進む。ステップS922では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされていない場合は、ステップS923にてCZモード移行抽選を行う。CZモード移行抽選では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブル(図35参照)を取得するとともに、各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得して、CZモードへ移行させるか否かの抽選を行う。なお、本実施形態では、CZモード移行抽選の契機役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルを設定しているが、これらの他の役を契機として抽選を行ってもよいし、当選確率も図35のものに限定されない。
そして、ステップS924にてCZモード移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS925にてCZモードフラグをセットするとともに、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタに所定値としての10を入力し、更に、CZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。CZモードフラグをセットすることにより、上記のステップS906にて肯定判定することとなり、有利な抽選テーブルにてATモード移行抽選を受けることが可能となる。また、CZカウンタはCZモードのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算処理が行われる。そして、CZカウンタが0となることで、CZモードフラグがクリアされてCZモードが終了する。CZ開始コマンドは、CZモードが開始することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかるCZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード開始用の演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御し、また、CZモード中の各ゲームにおいてはCZモード中演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS922にてCZモードフラグがセットされている場合、ステップS924にてCZモード移行抽選に非当選である場合、ステップS925の処理を実行した後、のいずれかである場合には、ステップS926に進む。ステップS926では、各種フラグ格納エリア106dに疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、前兆モードと同じ又は似た示唆演出が発生するものの、最終的にはATモードへの移行が許容されることのATモード当選報知演出が行われることなくその演出モードが終了する疑似前兆モード(所謂ガセ演出が発生するモード)が設定されており、疑似前兆フラグは、かかる疑似前兆モードであることをCPU102が把握するためのフラグである。疑似前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS927にて、疑似前兆モードに設定するか否か、及び設定する場合の疑似前兆モードのゲーム数を抽選により決定する。かかる抽選については、例えば、ゲームの抽選結果として当選しにくい(出現率が低い)結果ほど疑似前兆モードへの移行抽選に当選し易く、また、ゲームの抽選結果として当選し易い(出現率が高い)結果にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選した場合には比較的長いゲーム数の疑似前兆モードが設定されるようにしてもよい。そして、ステップS928では、ステップS927にて決定された疑似前兆モードのゲーム数を疑似前兆カウンタに入力する処理を実行する。なお、疑似前兆モードへの移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS928の処理を行わない(疑似前兆カウンタに0を入力する)。その後、ステップS929にて疑似前兆フラグをセットするとともに、疑似前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。疑似前兆コマンドは、疑似前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、疑似前兆モードの残りゲーム数の情報が含まれ、表示制御装置81では、その疑似前兆モードの残りゲーム数に応じて示唆演出の発生抽選を行ったりする。なお、ステップS927にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS929の処理を行わずに、そのままAT抽選用処理を終了するとよい。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS708にて実行されるAT上乗せ用処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、所定ゲーム数を初期の継続ゲーム数として開始されるATモードの継続ゲーム数の上乗せ等を行うための処理である。
すなわち、ステップS1001では、今回開始されたゲームが第1RB状態又は第2RB状態であるか否かを判定する。いずれかのRB状態である場合には、ステップS1002以降の上乗せ用の処理を行うことなく、そのままAT上乗せ用処理を終了する。すなわち、本実施形態では、RB状態中のゲームではATモードの継続ゲーム数の上乗せ抽選等を行わない。ステップS1001にてRB状態中のゲームではない場合、ステップS1002にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS1003にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルの取得を行う。
本実施形態における上乗せ抽選テーブルは、図36に示すように、抽選結果の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率や当選した場合の上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは20ゲームから200ゲームのATモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は40ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから300ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
続くステップS1004では、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用の乱数(カウンタ)を取得する。そして、ステップS1005にて、ATモードのゲーム数上乗せ抽選を行う。続くステップS1006では、上乗せ抽選に当選しているか否かの判定を行う。上乗せに非当選であると判定した場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1007にて、ATモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタ)に、ステップS1005により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。続くステップS1008では、上乗せ抽選に当選したことやそのゲーム数を、事後的に報知する後乗せ報知を行うか否かの後乗せ抽選処理を実行する。
本スロットマシン10では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の上乗せ報知の態様が複数設定されている。より詳しくは、上乗せ報知の態様として、上乗せ報知が行われるゲームが異なる複数の態様を有しており、上乗せが発生したゲーム又は上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「即乗せ報知」とも称する)と、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって報知ゲームが事後的に決定される報知ゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「後乗せ報知」とも称する)とが設定されている。
即乗せ報知において、上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームとは、例えば、上乗せが発生したゲームを契機として、連続演出が発生したりする場合等を示し、当該上乗せが発生したゲームから複数のゲームに亘って継続し得るゲームを一連のゲームと称する。当該一連のゲームは、連続した演出が発生しない場合も含み、例えば、上乗せが発生したゲームにおいては対応する演出は発生せず、次のゲームや複数ゲーム後において上乗せ報知が発生する態様も、当該上乗せが発生したゲーム及び上乗せ報知が発生するまでの間のゲームを一連のゲームとし、かかる上乗せ報知の態様も即乗せ報知に含まれるものとする。
一方、後乗せ報知において、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって事後的に決定される報知ゲームとは、上乗せが発生したゲームにおいて定められるのではなく、例えばATモードの終了間際のゲーム等、ATモードの進行に伴い事後的に報知タイミングが決定される点で、上記即乗せ報知における一連のゲームとは異なっている。言い換えるならば、上記報知ゲームは、上乗せが発生したゲームを契機とせずに設定されるゲームともいえる。
即乗せ報知と後乗せ報知について、図37を参照しながら、補助表示部65の表示内容の概要を説明する。
上記のとおり、即乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数(図における、有利区間残りゲーム数ZG)のうちの一部のゲーム数を報知するものであり、後乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数を後から報知するものである。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)は、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ報知が発生しない限り減算はなされない。
図37に示すように、本実施形態では、ATモードを消化している最中において、補助表示部65に表示される表示上の残りゲーム数(残りゲーム数表示ZGP)が所定数(1)となった場合に、すなわち、表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ報知が発生する。後乗せ報知では、後乗せカウンタBGに対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことが報知される。この場合、後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、表示用残数カウンタHGは後乗せ報知による報知分が上乗せされて更新され、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
このように、上乗せ当選時において、後乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じ得る。その一方で、即乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じない。
上記のステップS1008では、例えば、今回の上乗せ当選の契機となった遊技結果と、現状の後乗せカウンタBGとに基づいて、今回の上乗せを即乗せ報知にて報知するか後乗せ報知にて報知するかを決定する。例えば、今回の上乗せ当選の契機となった遊技結果が上乗せ抽選に当選しにくい結果であれば後乗せ報知が選択され易くすると、後乗せ報知の意外性を高めることが可能となる。また、現状の後乗せカウンタBGが少ないほど後乗せ報知が選択され易くすると、後乗せ報知が行われる機会を好適に増やすことが可能となる。
ステップS1008にて後乗せ抽選処理を実行した後は、ステップS1009にて当該後乗せ抽選に当選したか否かを判定する。後乗せ当選しておらず、即乗せ報知が選択された場合、ステップS1010にて、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGに、今回の上乗せ当選ゲームを加算する処理を行うとともに、今回の上乗せゲーム数をレジスタ等に一時記憶する。そして、ステップS1011にて、今回のゲームにおいて、いずれのタイミングにて上乗せ報知を実行するかを設定するための、報知タイミング設定処理を実行する。報知タイミング設定処理は、今回のゲームにおけるどのタイミングで上乗せ報知を行うかを設定する処理である。
一のゲームにおいては、上乗せゲーム数に応じて上乗せ報知の実行タイミングが異なるように設定されている。本実施形態では、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42〜44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42〜44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42〜44は最も手前側に配置される初期位置から、最も奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42〜44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42〜44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42〜44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42〜44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42〜44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ報知は、各ストップスイッチ42〜44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ報知が発生するゲームでは、ストップスイッチ42〜44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
ステップS1011の報知タイミング設定処理では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ報知が発生し易くなるように報知タイミングを設定する。また、第1〜第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択されにくくなるように設定されている。上乗せゲーム数との関係からすると、上乗せゲーム数が多いほど、特に第3リール停止OFF操作時のタイミングが選択され易くなっている。つまり、上乗せ報知が発生することを事前に察知している場合、第3リール停止ON操作時までに上乗せ報知が発生しなければ、遊技者は、多量のゲーム数の上乗せが発生することに大いに期待しながら、第3リール停止OFF操作を実行するものと考えられる。
ステップS1012では、上乗せが発生したことの情報、上乗せゲーム数、即乗せが選択されたことの情報、及び、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングに関する情報を含む上乗せコマンドを、表示制御装置81への出力対象として設定してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、これらの情報に基づいて、上乗せ報知演出の設定を行う。
ステップS1009にて後乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS1013に進む。ステップS1013では、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS1014にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を行い、その後、ステップS1015にて、上乗せが発生したことの情報、上乗せゲーム数、及び、後乗せ報知が選択されたことの情報を含む上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、AT上乗せ用処理を終了する。
抽選結果対応処理(図31)の説明に戻る。ステップS707又はステップS708の処理を実行した後は、ステップS709にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベルの押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS710にて、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているかを判定する。AT用報知フラグは、ATモードへの移行抽選に当選した後、ATモードへの移行を生じさせることが許容された段階で(前兆ゲーム数が0となりATモード当選報知が行われた段階で)セットされるフラグである。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS711にて押し順役用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップS709にて押し順役当選ではない場合や、ステップS710にてAT用報知フラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役用処理の説明に先立って、押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知、態様報知)について、その概要を説明する。操作順序の報知は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。
先ず、指示モニタ68の構成について、図38を参照しながら説明する。図38(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図38(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図38(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図38(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされる等、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(ATモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(CZモード、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65での押し順報知演出について、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として説明する。
図39(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図39(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図39(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役用処理>
次に、ステップS711にて実行される押し順役用処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1〜4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1101にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1102に進み、主制御装置101側の押し順報知として、第3再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1103にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1102にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、ATモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てATモードの当選報知が行われた後であって、ATモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1〜4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1〜4に当選する。但し、ATモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1〜4に当選することで、早期に第3RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1101にて否定判定した場合、ステップS1104にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1〜3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1104にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1105にて、主制御装置101側の押し順報知として、第1再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1106にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、ATモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1〜4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、上記ステップS710にて否定判定した場合は、押し順役用処理が行われないため、押し順報知も発生しない。そのため、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、AT用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1〜3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、上記ステップS710にて否定判定した場合は、押し順報知も発生しないため、例えば、ATモードが終了してAT用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1〜3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1〜3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、ATモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1104にて否定判定した場合、ステップS1107にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1107にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1108にて、主制御装置101側の押し順報知として、第4再遊技又は第5再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1109にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1107にて否定判定した場合、ステップS1110にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。BARリプレイ1,2は、第3RT状態において当選する結果であり、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって、第1再遊技及び第6再遊技〜第8再遊技のいずれかが入賞する。本実施形態では、図36に示すように、BARリプレイ1,2は、上乗せ抽選の契機役として設定されており、本実施形態では、上記AT上乗せ用処理にて上乗せ当選している場合には第7再遊技入賞が成立する押し順報知を行い、上乗せ当選していない場合には第1再遊技入賞、第6再遊技入賞及び第8再遊技入賞のいずれかが成立する押し順報知を行う。
すなわち、ステップS1110にてBARリプレイ1,2であると判定した場合、ステップS1111にて上記AT上乗せ用処理にて上乗せ当選しているか否かを判定し、当選していない場合には、ステップS1105に進み、第1再遊技の押し順報知用の処理を行う。上乗せ当選している場合には、ステップS1112にて、主制御装置101側の押し順報知として、第7再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。その後、ステップS1113にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。なお、本実施形態におけるAT上乗せ用処理では、BARリプレイ1,2のうちBARリプレイ1において上乗せ当選し得るように上乗せ抽選の当選確率が設定されているとともに、BARリプレイ2においては上乗せ当選しないように設定されている。その為、上記ステップS1111にて肯定判定する場合とは、BARリプレイ1,2のうち、BARリプレイ1であってその上乗せ抽選に当選した場合である。なお、BARリプレイ1であって上乗せ当選していない場合や、BARリプレイ2である場合の一部や全部で、第6再遊技入賞や第8再遊技入賞に対応する押し順報知を行う構成としてもよい。
ステップS1110にて否定判定した場合、ステップS1114にて、今回の抽選結果が特定リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。特定リプレイ1,2は、第3RT状態において当選する結果であり、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって、第1再遊技、第11再遊技及び第12再遊技のいずれかが入賞する場合である。本実施形態では、図36に示すように、BARリプレイ1,2と同様に、特定リプレイ1、2についても、上乗せ抽選の契機役として設定されており、本実施形態では、特定リプレイ1,2を契機とするATモードのゲーム数上乗せ抽選において、先ず、第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞のいずれを成立させるかの抽選を行い、その抽選結果に応じて、上乗せ抽選を行う。すなわち、チェリーリプレイたる第11再遊技が選択された場合には15%で上乗せ当選し、スイカリプレイたる第12再遊技が選択された場合には20%で上乗せ当選する(図36)。
ステップS1114にて特定リプレイである場合、ステップS1115にて上記上乗せ抽選にて選択された側の再遊技に対応する主制御装置101側の押し順報知として、第11再遊技又は第12再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。その後、ステップS1116にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
上記のように、BARリプレイ当選時においては、上乗せ当選している場合に第7再遊技用の押し順報知が行われる一方、特定リプレイ当選時においては、上乗せ当選の有無に関わらずチェリーリプレイやスイカリプレイに対応する押し順報知が行われる。そのため、チェリーリプレイやスイカリプレイの入賞が成立した場合であっても、上乗せが行われない場合がある。
ステップS1114にて否定判定した場合、ステップS1117にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合には、ステップS1118に進み、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1117やステップS1118にて否定判定した場合には、そのまま押し順役用処理を終了する。すなわち、AT用報知フラグがセットされている場合であっても、ATモードフラグがセットされておらず、ATモードへの移行前の準備状態である場合には、押し順ベル当選時の押し順報知が行われない。ステップS1118にてATモードフラグがセットされている場合には、ステップS1119にて第1小役入賞に対応する押し順報知が主制御装置101側の指示モニタ68にて行われるようにし、ステップS1120にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる入賞結果対応処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、ゲーム数管理処理を実行する。ゲーム数管理処理は、ATモードやCZモード、前兆モード等の継続ゲーム数の管理を行うための処理である。
すなわち、ゲーム数管理処理では、図42のフローチャートに示すように、先ず、ステップS1301及びステップS1302にて、上記ステップS701及びステップS702と同様の処理を行う。すなわち、ステップS1301では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、RB状態又はCB状態であるか、それともそれ以外の状態(通常遊技状態、各RT状態)であるか、を把握する。そして、ステップS1302では、今回のゲームのベット数が、ステップS1301にて把握した状態において規定されている一の規定数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。ステップS1302にて肯定判定した場合、ステップS1303以降の表示モード用の処理が行われる。これに対して、ステップS1302にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。この場合、ステップS1303以降の表示モード用の処理は行われない。
ステップS1303では、第1RB当選フラグ又は第2RB当選フラグがセットされており、現状のゲームが第1RB状態や第2RB状態への移行前の持ち越し状態であるか否かを判定する。持ち越し状態である場合には、ステップS1304にて、CZモードフラグやATモードフラグを消去してから、本ゲーム数管理処理を終了する。この場合、CZモード及びATモードは終了する。但し、ATモードについては、RB状態の終了後、押し順リプレイ当選時の押し順報知により、速やかに第3RT状態への移行が生じるようになる。なお、この場合、RB状態の終了後、第3RT状態への移行が生じてからATモードのゲーム数の計測が再開される。
ステップS1303にて第1RB当選フラグや第2RB当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1305にて、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS1306にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1307にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS1308にてCZモードフラグをクリアするとともに、CZモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZモードフラグをクリアすることでCZモードが終了して通常モードに移行する。また、CZモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモードが終了したことの報知(例えば、「残念だったな」といった文字表示やその効果音)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1305及びステップS1307のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1308の処理を実行した後は、ステップS1309に進む。ステップS1309では、前兆フラグ又は疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS1310に進み、前兆カウンタや疑似前兆カウンタを1減算する処理を実行する。すなわち、ステップS1310では、前兆モードであれば前兆カウンタを1減算し、疑似前兆モードであれば疑似前兆カウンタを1減算する。
ステップS1310の処理を実行した後は、ステップS1311にて前兆フラグがセットされており、且つ前兆カウンタが0となったか否かを判定する。すなわち、前兆モードにおいて前兆ゲーム数が0となった場合、ステップS1312に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1313にて、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグをセットする処理を実行する。上記のように、当該AT用報知フラグがセットされることにより、押し順リプレイ当選時にRT状態を上位のRT状態へ移行させることが可能となり、且つ下位のRT状態へ移行させないようにすることが可能となる。ちなみに、上記のステップS1304では、ATモード中であってもAT用報知フラグは消去しない。そのため、RB状態の終了後、押し順リプレイ当選時に押し順報知が発生するようになり、第3RT状態まで移行させることが可能となる。
ステップS1313の処理を実行した後は、ステップS1314にてATモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ATモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモード移行抽選に当選し、ATモードへの移行が許容された状態となったことのATモード当選報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ATモード当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「スーパーラッキー!!」と表示するとともに、それ用の効果音をスピーカ64から出力する。
ステップS1311にて、前兆カウンタが0ではなかったり、0であるものの前兆フラグではなく疑似前兆フラグがセットされている場合は、ステップS1315に進む。ステップS1315では、疑似前兆カウンタが0であり、且つ疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1315にて肯定判定した場合、ステップS1316にて疑似前兆フラグをクリアする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。これにより、疑似前兆モードが終了することになる。
なお、上記のように第1RB状態中のゲームにてATモード移行抽選に当選した場合には、前兆フラグの設定が行われないため、ステップS1309にて否定判定し、ステップS1312〜ステップS1314の処理は行われない。
ステップS1309及びステップS1315のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1314及びステップS1316のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1317に進む。ステップS1317では、ATモードフラグがセットされているかを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップS1318にて、ATモード継続カウンタの減算処理を行う。そして、ステップS1319にてATモード継続カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合、ステップS1320にてATモードフラグ及びAT用報知フラグを消去する処理を行う。その後、ステップS1321にて、各種フラグ格納エリア106dにAT終了フラグをセットする処理を実行する。AT終了フラグは、有利区間であってATモードではない状態が、ATモードへの移行が生じてからの状態であるか否かをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップS1322では、ATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことのATモード終了報知演出(例えば、「END」といった文字表示、ATモード中の獲得メダル数の表示、ATモードの継続ゲーム数の表示、及びその効果音)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS1317又はステップS1319にて否定判定した場合と、ステップS1322の処理を実行した後は、ゲーム数管理処理を終了する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップS1201の処理を実行した後は、ステップS1202にて後乗せ報知用処理を実行する。後乗せ報知用処理は、上記の後乗せ報知を行うための処理であり、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったことに基づいて後乗せフラグがセットされていることを条件として後乗せカウンタBGに対応する上乗せ報知(後乗せ報知)を実行する。そして、実行した上乗せ報知に対応する値を表示用残数カウンタHGに加算するとともに後乗せカウンタBGから減算し、後乗せカウンタBGが0であることを条件として後乗せフラグをクリアする。
続くステップS1203では、今回の停止結果が、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1204にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモードへの移行条件が成立することなく第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ATモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1205にて、現状の表示モードがATモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。
ステップS1205にて、ATモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがATモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、ATモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1206〜ステップS1208にてATモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1206では、ATモードフラグをセットする。続くステップS1207では、ATモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからATモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。その後、ステップS1208にて、ATモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタが0であることを条件にATモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。ステップS1208の処理を実行した後は、入賞結果対応処理を終了する。なお、ステップS1208にて、ATモード継続カウンタが0ではない場合とは、例えば、ATモード中にRB当選し、RB状態後にATモードを再開するような場合であり、このような場合は、そのATモード継続カウンタをそのまま引き継いで計測を再開する。
以上のように、特に、遊技状態を、ATモードの主たる状態としての第3RT状態へ移行させることに対応する役の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてATモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードからATモードへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞の停止によって遊技状態が移行する場合においては、表示モードの移行は行われない。このような下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、これらの下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<区間表示第1処理>
次に、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
図43に示すように、ステップS1401では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1401にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、有利区間フラグは、有利区間移行抽選処理(図32)において、有利区間への移行抽選に当選した場合や、AT抽選用処理(図33)において通常区間中にATモード移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。有利区間フラグがセットされている場合、ステップS1403にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合や、AT抽選用処理(図33)において通常区間中にATモード移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1404にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。ステップS1403にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測が開始されている状況か否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの計測が開始されていない場合、ステップS1406にて有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1405にて既に計測を開始していると判定した場合、又はステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1407に進む。ステップS1407では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされることにより、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態となり、上記の報知条件が成立することとなる。ステップS1407にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1408にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1401にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1409にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1409について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1402にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグがセットされている場合であっても当選ゲームである場合(ステップS1404の処理を実行した後)と、当選ゲームではなくても押し順報知が発生し得る状況ではない場合(ステップS1407にてAT用報知フラグがセットされていないと判定した場合)は、ステップS1410に進む。ステップS1410では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1408にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1409の表示継続処理を実行した後は、ステップS1411に進む。ステップS1411では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1410又はステップS1411の処理を実行した後は、ステップS1412にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1413にて、ステップS1412の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1413では、ステップS1412の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1413の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1412の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1501では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS1502にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MYの更新処理を実行する。有利区間増減枚数MYは、有利区間中のメダルの増減枚数(有利区間中の各ゲームでベットされた枚数と払い出された枚数との差枚数)をCPU102が把握するためのカウンタであり、ステップS1503では、今回のゲームの入賞結果(直前の入賞結果対応処理や払出判定処理)に基づいて、今回のゲームのメダル増減数(今回のゲームのメダル払出数−今回のゲームのベット数)を把握し、そのメダル増減数を有利区間増減枚数MYに加算する処理を行う。
具体的には、図45のフローチャートの示すように、ステップS1503のMY更新処理では、ステップS1601にて、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞である場合には、有利区間増減枚数MYの更新を行わず、そのままMY更新処理を終了する。いずれかの再遊技入賞ではない場合、ステップS1602に進む。
ステップS1602では、今回のゲームの遊技結果に基づいて払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算する処理を実行する。ステップS1602は、ゲームで使用したメダルと獲得したメダルとの差し引きで、メダル増加数やメダル減少数を把握するための処理である。例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞が成立している場合、3枚ベットして9枚のメダル払出が発生しているため、差し引き6枚のメダル増加が生じている。また、3ベットゲームにおいて第2小役入賞が成立している場合、3枚ベットして3枚のメダル払出が発生しているため、差し引き0枚のメダル増加(減少)が生じている。そして、3ベットゲームにおいていずれの小役入賞も成立していない場合、3枚ベットして0枚のメダル払出が発生しているため(メダル払出が発生していないため)、差し引き3枚のメダル減少が生じている。
続くステップS1603では、ステップS1602の演算結果を有利区間増減枚数MYに加算する処理を行う。例えば、ステップS1602の演算結果が6枚のメダル増加が生じているとする結果であれば、有利区間増減枚数MYに6を加算する処理を実行し、ステップS1602の演算結果が3枚のメダル減少が生じているとする結果であれば、有利区間増減枚数MYから3を減算する処理を実行する。そして、ステップS1604にて、有利区間増減枚数MYが0以上であるか否かを判定し、有利区間増減枚数MYが0よりも小さく、有利区間においてメダル増加が生じておらずメダルが減少している状況であれば、ステップS1605にて、有利区間増減枚数MYを0にクリアする処理を行ってから、MY更新処理を終了する。有利区間増減枚数MYが0以上であって、有利区間においてメダル増加が生じている状況であれば、そのままMY更新処理を終了する。
区間表示第2処理において、ステップS1503のMY更新処理を実行した後は、ステップS1504にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1505にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、ATモードの残りゲーム数が100ゲームであって、有利区間ゲーム数AGが1450となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(ATモード残りゲーム数=0)よりも先に有利区間の上限ゲーム数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残枚数管理処理では、例えば、ATモードの残りゲーム数が100ゲームであって、有利区間増減枚数MYが2300となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(ATモード残りゲーム数=0)よりも先に有利区間の上限増加数に達する可能性が高い状況か否かを把握する。なお、この場合、ATモードの1ゲーム当たりのメダルの期待増減枚数と、ATモードの残りゲーム数と、現状の有利区間増減枚数MYと、から、上記の有利区間の上限増加数に達する可能性が高いか否かの判定を行う。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
これら第1超過フラグや第2超過フラグがセットされることにより、以降のATモードの上乗せが行われなくなったり(制限されたり)、上乗せ抽選に当選した場合に、ゲーム数の上乗せとは異なる特典(設定値の示唆やレア画像の表示等)が行われるようになる。これにより、残りゲーム数が多い等して、既に上限ゲーム数や上限増加数に達する可能性が高いような状況で、更に無意味な上乗せが発生することを回避し、上記のような状況であっても、遊技を楽しませることが可能となる。
ステップS1505の処理を実行した後は、ステップS1506にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1507にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1508では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1509にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1509のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、前兆フラグや疑似前兆フラグ、CZモードフラグ、ATモード当選フラグ、AT用報知フラグや、ATモードフラグ等がセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、前兆モード、ATモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1506にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合や有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1510に進み、有利区間の通常終了条件が成立したか否かを判定する。より詳しくは、CZモードフラグ、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされておらず、ATモード等の残り継続ゲーム数が0となったか否かを判定する。これらいずれのフラグもセットされていない場合、ステップS1511にてAT終了フラグがセットされているか否かを判定する。AT終了フラグはATモードの終了に際してセットされるフラグである。AT終了フラグがセットされている場合には、ステップS1507へ進み、ステップS1507〜ステップS1509の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。ステップS1510やステップS1511にて否定判定した場合は、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。すなわち、ATモード中だけでなく、有利区間移行後であって、ATモードへの移行が生じていない状態では有利区間は終了せず、有利区間移行後、ATモードへ移行し、当該ATモードが終了することで有利区間が終了することになる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図46を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図46に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びAT用報知フラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」〜「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、押し順報知による恩恵を享受可能な状況であることを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。言い換えるならば、第8表示用セグメントN8が点灯していない状況においては、押し順報知は発生しないため、ゲームを潔く終了することも可能となる。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。当該演出設定処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンド等がある。ベット時コマンドである場合には、ステップS1704にてベット時演出設定処理を実行する。ベット時演出設定処理では、今回のベット操作に基づく演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御するための処理を行う。
ステップS1703にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順報知コマンド、特定押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1708にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1707にて否定判定した場合、又はステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理にてセットされるATモード開始コマンドやATモード終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1709にて否定判定した場合、又はステップS1710の処理を実行した後は、ステップS1711にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、CZモード、ATモード、RBモードのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、CZモードフラグ、ATモードフラグ、RB状態モードフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。ステップS1801では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS1802では、保留シフト用処理を実行する。保留シフト用処理は、ATモード移行抽選に関する保留情報の表示についての処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
ステップS1803では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1804にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1〜4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1〜4である場合には、ステップS1903にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1902にて第1昇格リプレイ1〜4当選ではないと判定した場合、ステップS1904にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1〜3であるか否かを判定する。転落リプレイ1〜3である場合には、ステップS1905に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1904にて転落リプレイ1〜3ではないと判定した場合、ステップS1906にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS1907にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1706にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS1708にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2であるか否かを判定する。BARリプレイ1,2である場合には、ステップS1709にて、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。すなわち、BARリプレイ1,2当選時の上乗せ抽選に当選ているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信していない場合には、ステップS1905に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1909にて上乗せコマンドを受信していると判定した場合、ステップS1910に進み、第7再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1908にてBARリプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS1911にて、今回の抽選結果が特定リプレイ1,2であるか否かを判定する。特定リプレイ1,2である場合には、ステップS1712にて、チェリーリプレイ(第11再遊技)に対応する押し順報知が行われるか否かを判定する。すなわち、特定リプレイ1,2当選時の上乗せ抽選にてチェリーリプレイが選択されている場合、ステップS1913にて、11再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1912にて、今回報知すべき操作順序がチェリーリプレイたる第11再遊技入賞に対応するものではなく、スイカリプレイたる第12再遊技入賞に対応するものであると判定した場合、ステップS1914にて、第12再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1911にて特定リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS1915にて、今回の抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルである場合、ステップS1916にて、9枚払出となる第1小役入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御してから、本押し順報知用処理を終了する。ステップS1915にて否定判定した場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図48)に戻り、ステップS1803にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1805にて、移行契機役当選か否かを判定する。移行契機役とは、例えば、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2等、当選確率が低い所謂レア役と称される結果であって、ATモードやボーナス状態等への移行に期待が持てる結果の総称である。移行契機役当選である場合には、ステップS1806にて移行契機役報知用処理を行う。移行契機役報知用処理では、移行契機役の当選に基づいて、何らかの有利な事象が生じる可能性が高い状況であることを示唆する演出として、チャンス示唆演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64等を制御するための処理を行ったり、連続演出が行われるようにするための処理を行ったりする。
ステップS1805にて否定判定した場合、又はステップS1804若しくはステップS1806の処理を実行した後は、ステップS1807に進む。ステップS1807では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS1808にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図53(a)〜図53(c)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS1808の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、報知する上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2002では、報知タイミングを把握する処理を実行する。報知タイミングとは、上乗せ演出を実行するタイミングであり、上記の主制御装置101側の処理にてそのタイミングが決定され、決定されたタイミングの情報は、上記上乗せコマンドに設定されて出力される。そのため、表示制御装置81側では、かかる上乗せコマンドを読み取ることで上乗せ演出を実行すべきタイミングを把握することが可能となる。報知タイミングとしては、上乗せ演出を実行すべきゲームと、各ストップスイッチ42〜44の停止操作に対応するタイミングと、が設定される。
ステップS2002にて、報知タイミングを把握した後は、ステップS2003にて、ステップS2002の把握結果が、今回のゲームで上乗せ演出を行うものであったか否かを判定する。今回のゲームにて上乗せ報知を行うものではない場合とは、後乗せ報知が選択された場合であり、この場合には、そのまま上乗せ演出の設定処理を終了する。今回のゲームで上乗せ演出を行うものである場合、ステップS2004にて、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2005にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ〜第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2705では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2004にて否定判定した場合、ステップS2006にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2007にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2007でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2006にて否定判定した場合、ステップS2008にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2008でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2005、ステップS2007又はステップS2008の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS1807にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS1808の処理を実行した後は、ステップS1809にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS1810にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS1811にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理は、第1RB状態や第2RB状態中のボーナス中演出を補助表示部65等にて行うための処理である。ボーナス中演出では、例えば、第1RB状態と第2RB状態とを遊技者が識別可能となるように、それぞれの演出の内容が異なるように設定されている。また、第1RB状態や第2RB状態中の抽選結果に応じた演出が行われるように設定されている。また、連続演出設定処理は、複数のゲームに亘って一連の演出が設定されている連続演出を行うための処理である。ステップS1811の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS1708にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42〜44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2101にて肯定判定した場合、ステップS2802に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2103にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2104にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図53(a)に示すように、ストップスイッチ42〜44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図39(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図39(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図39(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図39(c))に変化する。
ステップS2101にて否定判定した場合、ステップS2105に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42〜44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。停止OFFコマンドではない場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS2105にて肯定判定した場合、ステップS2106に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2107にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2108にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図53(b)に示すように、ストップスイッチ42〜44の押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42〜44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2105にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2201では、今回受信している停止時コマンドとしてATモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2202にて、ATモード開始演出を設定する処理を行う。ATモード開始演出では、例えば、補助表示部65にて、「AT開始!」という文字表示を行う。その他、ATモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「いくわよー!」)が発せられるように制御する。
ステップS2201にてATモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2203にて、今回受信している停止時コマンドとしてATモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2204にて、ATモード終了演出を設定する処理を行う。ATモード終了演出では、例えば、補助表示部65にて、「AT END」という文字表示を行うとともに、今回のATモードの継続ゲーム数を表示し、また、今回のATモードの総払出枚数を表示する。その他、ATモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2202及びステップS2204のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2203にて否定判定した後は、ステップS2205に進む。ステップS2205では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS1807にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図50)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図53(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2206にて、保留表示用処理を実行する。保留表示用処理は、ATモード移行抽選に関する保留情報の表示についての処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。ステップS2206の処理を行った後は、ステップS2207にてその他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2207では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42〜44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数のRT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することでRT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる有利区間への移行抽選に当選して有利区間へ移行し、更に、当該有利区間に含まれるATモードへの移行抽選に当選してATモードへ移行することで行われるようになる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42〜44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、ATモードへ移行して、リプレイ確率が向上するRT状態として第3RT状態に移行させることで、そのRT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
既に説明したとおり、ATモードへ移行すると、初期ゲーム数(50)が設定され、当該初期ゲーム数に亘ってATモードによる遊技が可能となる。ATモード等において上乗せ抽選に当選すると、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが行われ、ATモードによる遊技を行うことが可能となるゲーム数が増加する。その結果、当該ATモードにて獲得できるメダル数も増加し得ることとなる。
ATモードの残りゲーム数が0となり、且つ有利区間中の他の表示モードの残りゲーム数が0である場合や、有利区間の強制終了条件(1500ゲーム消化や2400枚増加)が成立した場合には、区間表示第2処理において、有利区間(ATモード)の終了処理が行われる。既に説明した通り、有利区間の終了処理においては、有利区間中の各種パラメータ(各種情報)の初期化処理を行うことによって、有利区間の終了後に、当該有利区間中の情報が引き継がれないようにし、有利区間と通常区間とが明確に区別可能となっている。
<ATモード移行抽選について>
以下、本スロットマシン10のATモード移行抽選の抽選態様について説明する。
既に説明したとおり、ATモード移行抽選は、抽選結果対応処理において、AT抽選用処理にて行われる。ATモード移行抽選は、当該移行抽選が行われるゲームにおける抽選処理の抽選結果(以下の説明では、「ゲームの抽選結果」や、単に「抽選結果」とも称する)と、ATモード移行抽選テーブルと、抽選用の乱数(カウンタ値)と、に基づいて行われる。各ゲームの抽選結果は各ゲームの開始操作(スタートレバー41の操作)に基づき行われる抽選処理の結果であり、ATモード移行抽選テーブルは、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに予め記憶されている。これに対して、抽選用の乱数は、ATモード移行抽選が行われるゲーム以前のゲームにて事前に取得される構成としている。
図54は、ATモード移行抽選用の乱数を事前取得するための処理として、乱数取得用処理を示すフローチャートである。乱数取得用処理は、リール制御処理(図18)におけるステップS416にて実施される処理であり、全リール32L,32M,32Rの停止操作が行われた後に実施される。言い換えると、各リール32L,32M,32Rの停止操作のうち、第3停止操作における第3停止OFF操作に基づいて行われる。
ステップS2301では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタCを取得する処理を実行する。ATカウンタCは、ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数に相当する。そして、ATカウンタCは、0〜999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり999)に達した後、初期値(つまり0)に戻るループカウンタである。ATカウンタCは定期的に更新され、例えば、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ加算される。
なお、役の当否判定に用いられるフリーランカウンタとハード回路とのように、専用のフリーランカウンタとハード回路を用い、ステップS2301の処理よりも前(例えば、第3停止OFF操作時)に当該ハード回路がフリーランカウンタの値をラッチし、ステップS2301にてそのラッチした値を読み取る構成としてもよい。また、ステップS2301の処理が行われるまで、ラッチした値をRAM106の所定の領域に一時記憶しておく構成としてもよい。
ステップS2302では、ステップS2301にて取得したATカウンタCの値を、RAM106の抽選用情報記憶エリア106fに記憶する処理を実行する。抽選用情報記憶エリア106fは、図55に示すように、記憶エリアREと、実行エリアAEとを備えている。記憶エリアREは複数の記憶エリアからなり、第1記憶エリアRE1〜第5記憶エリアRE5を備えている。
第1記憶エリアRE1〜第5記憶エリアRE5には、ATカウンタCの取得条件が成立した場合に、第1記憶エリアRE1→第2記憶エリアRE2→第3記憶エリアRE3・・・といった順に、ATカウンタCが時系列的に格納される。そして、複数の記憶エリアとして5個の記憶エリアを有していることにより、ATモード移行抽選に用いられる抽選用の乱数は最大5個まで記憶される。
ステップS2302では、第1記憶エリアRE1〜第5記憶エリアRE5における空きエリアのうちの最も番号が小さい領域(若い領域)に、ステップS2301にて取得したATカウンタCの値を格納する。例えば、第1記憶エリアRE1〜第4記憶エリアRE4の各エリアにATカウンタCの値が格納されており、第5記憶エリアRE5が空きエリアとなっていた場合、ステップS2302では、ステップS2301にて取得したATカウンタCの値を第5記憶エリアRE5に格納する。
なお、ATカウンタCの値をそのまま格納する構成に限定されず、ATカウンタCの値に対応する情報を格納する構成であってもよく、例えば、ATカウンタCの値をATモード抽選用の値に変換してから格納する構成であってもよい。
ステップS2303では、今回終了するゲームが第1RB状態又は第2RB状態でのゲームであるか否かを判定する。いずれかのRB状態である場合には、ステップS2304にてATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、乱数取得用処理を終了する。ATコマンドには、今回格納されたATカウンタCの値に対応する情報の他、各記憶エリアRE1〜RE5に格納されているATカウンタCの値に対応する情報が含まれている。そのため、表示制御装置81は、当該ATコマンドを受信することで抽選用情報記憶エリア106fにおける各記憶エリアRE1〜RE5の情報を把握可能となる。
ステップS2303にてRB状態ではないと判定した場合、ATコマンドを出力することなく本乱数取得用処理を終了する。そのため、RB状態以外のゲームにおいては、ATカウンタCの取得は行われるものの、ATコマンドの出力は行われない。
上記の乱数取得用処理は、各ゲームの抽選結果や遊技状態や表示モード等に関わらず起動され、各ゲームの抽選結果や遊技状態や表示モード等に関わらず、ATカウンタCの取得が行われる。つまり、ATカウンタCは、その取得時のゲームの抽選結果や遊技状態や表示モード等とは独立して取得される。
次に、抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアRE1〜RE5に記憶されているATモード抽選用の乱数を、順にシフトする乱数シフト用処理について、図56のフローチャートを参照しながら説明する。乱数シフト用処理は、抽選結果対応処理(図31)におけるステップS703にて実施される処理である。
ステップS2401では、各記憶エリアRE1〜RE5のうち、第1記憶エリアRE1に記憶されている抽選用の乱数の情報(ATカウンタCに対応する情報)を実行エリアAEにシフトするとともに、当該第1記憶エリアRE1に記憶されている乱数の情報をクリアする処理を行う。実行エリアAEは、今回のゲームにてATモード移行抽選が行われる場合、ATモード移行抽選に用いられる乱数の情報を格納するためのエリアである。そして、AT抽選用処理(図33)におけるATモード移行抽選に際し、ステップS909の抽選用の乱数を取得する処理では、かかる実行エリアAEに格納されているATカウンタCに対応する情報を今回のATモード移行抽選に用いられる乱数の情報として取得する。つまり、ATモード移行抽選は、事前取得されているATカウンタCの情報のうち、実行エリアAEにシフトされた情報に基づいて行われる。
続くステップS2402では、各記憶エリアRE2〜RE5に格納されている情報を下位エリア側にシフトする処理を行う。具体的には、第2記憶エリアRE2に格納されている情報を第1記憶エリアRE1に格納するとともに当該第2記憶エリアRE2に格納されている情報をクリアし、順に、第3記憶エリアRE3→第2記憶エリアRE2、第4記憶エリアRE4→第3記憶エリアRE3、第5記憶エリアRE5→第4記憶エリアRE4といった具合に各エリア内の情報をシフトする。この場合、第5記憶エリアRE5からは第4記憶エリアRE4へ情報がシフトされるだけであり、新たな情報はシフトされない。つまり、第5記憶エリアRE5の情報はクリアされ、第5記憶エリアRE5は空きエリアとなる。
続くステップS2403では、今回終了するゲームが第1RB状態又は第2RB状態でのゲームであるか否かを判定する。いずれかのRB状態である場合には、ステップS2404にてシフト時コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、乱数シフト用処理を終了する。ステップS2403にていずれのRB状態でもない場合には、そのまま乱数シフト用処理を終了する。
<ATモード移行抽選テーブル>
上記のように、ATモード移行抽選には、各ゲームの第3停止OFF操作に基づいて事前に取得されたATカウンタCの情報が用いられる。ATモード移行抽選は、ATカウンタCとしての抽選用の乱数の情報の他、各ゲームの抽選結果と、ATモード移行抽選テーブルと、が用いられる。そこで以下、ATカウンタCの値と、各ゲームの抽選結果との関係を、図57を参照しながら説明する。
ATモード移行抽選テーブルでは、各ゲームの抽選結果に対して、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値が対応付けられている。具体的には、例えば、通常区間用のATモード移行抽選テーブルにおいて、ゲームの抽選結果が強チェリーである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「0」〜「14」であり、ゲームの抽選結果が弱チェリーである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「0」〜「3」である。また、ゲームの抽選結果が強スイカである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「500」〜「529」であり、ゲームの抽選結果が弱スイカである場合、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値は「500」〜「514」である。
つまり、例えば、ATカウンタCとして「3」が取得され、当該ATカウンタCが実行エリアAEに格納されているゲームにおいてATモード移行抽選が行われた場合であって、当該ゲームの抽選結果が強チェリー又は弱チェリーであった場合、ATモード移行抽選に当選となる。これに対して、同様にATカウンタCとして「3」が実行エリアAEに格納されているゲームにてATモード移行抽選が行われた場合であっても、当該ゲームの抽選結果が強スイカや弱スイカであった場合、ATモード移行抽選に非当選となる。
図58は、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタCの値と、各ゲームの抽選結果とによって、ATモード移行抽選に当選となるか否かを示した図である。
例えば、図58(a)では、ゲームの開始に際して乱数シフト用処理が行われ、抽選用情報記憶エリア106fの実行エリアAEにはATカウンタCとして「751」がシフトされ、第1記憶エリアRE1には「600」、第2記憶エリアRE2には「324」、第3記憶エリアRE3には「40」、第4記憶エリアRE4には「99」がシフトされた状況を示している。なお、上記のように乱数シフト用処理が行われることによって、第5記憶エリアRE5の乱数はクリアされている。当該ゲームの抽選結果が通常リプレイである場合、実行エリアAEに記憶されているATカウンタCとしての「751」は通常リプレイに対応付けられたものではないため(図57)、今回のゲームのATモード移行抽選は非当選となる。
図58(b)は、図58(a)の次のゲームの開始時を示しており、図58(a)にて示した各記憶エリアのATカウンタCの値が、1つずつ下位のエリアにシフトされた状態を示している。また、図58(b)では、図58(a)のゲームの終了時(第3停止OFF操作時)に、新たなATカウンタCの取得が行われ、そのATカウンタCが第5記憶エリアRE5に記憶された後、図58(b)のゲームの開始時のシフトによって、第4記憶エリアRE4にシフトされている。
図58(b)のゲームの抽選結果が当該ゲームの抽選結果が弱チェリーである場合、実行エリアAEに記憶されているATカウンタCとしての「600」は弱チェリーに対応付けられたものではないため(図57)、今回のゲームのATモード移行抽選は非当選となる。
図58(c)は、図58(b)の次のゲームの開始時を示しており、図58(b)にて示した各記憶エリアのATカウンタCの値が、更に1つずつ下位のエリアにシフトされた状態を示している。また、図58(c)でも、図58(b)のゲームの終了時(第3停止OFF操作時)に、新たなATカウンタCの取得が行われ、そのATカウンタCが第5記憶エリアRE5に記憶された後、図58(c)のゲームの開始時のシフトによって、第4記憶エリアRE4にシフトされている。
図58(c)のゲームの抽選結果が当該ゲームの抽選結果が強スイカである場合、実行エリアAEに記憶されているATカウンタCとしての「324」は強スイカに対応付けられたものではないため(図57)、今回のゲームのATモード移行抽選は非当選となる。
図58(d)は、図58(c)の次のゲームの開始時を示しており、図58(c)にて示した各記憶エリアのATカウンタCの値が、1つずつ下位のエリアにシフトされた状態を示している。また、図58(d)では、図58(c)のゲームの終了時(第3停止OFF操作時)に、新たなATカウンタCの取得が行われ、そのATカウンタCが第5記憶エリアRE5に記憶された後、図58(d)のゲームの開始時のシフトによって、第4記憶エリアRE4にシフトされている。
図58(d)のゲームの抽選結果が当該ゲームの抽選結果が強チェリーである場合、実行エリアAEに記憶されているATカウンタCとしての「40」は、有利区間用のATモード移行抽選テーブルでは強チェリーに対応付けられていないものの、CZ用のATモード移行抽選テーブルでは強チェリーに対応付けられているため(図57)、当該ゲームがCZモードであれば、今回のゲームのATモード移行抽選は当選となる。
ここで、図58(a)〜図58(d)の各ゲームのATモード移行抽選は、上記のようにATモード移行抽選が行われるゲームよりも前のゲームにて取得されたATカウンタCと、当該ATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果と、ATモード移行抽選テーブルを用いて行われる。つまり、図58(a)〜図58(d)の各ゲームのATモード移行抽選に用いられるATカウンタCは、基本的には5ゲーム前に取得されたATカウンタCである。そのため、例えば、図58(d)のゲームで実行エリアAEにシフトされているATカウンタCが取得された5ゲーム前のゲームがCZモードではなくても、図58(d)のゲームがCZモードであれば、当該ATカウンタCを用いたATモード移行抽選では当選となる。逆に、図58(d)のゲームで実行エリアAEにシフトされているATカウンタCが取得された5ゲーム前のゲームがCZモードであっても、図58(d)のゲームがCZモードではなければ、当該ATカウンタCを用いたATモード移行抽選では非当選となる。
また、本実施形態では、RB状態のうち、第1RB状態中であれば各ゲームのATモード移行抽選が行われ得る構成としている。そのため、例えば、有利区間中のRB中第3役に対応付けられているATカウンタCとして「777」が取得されている状況で、当該ATカウンタCがATモード移行抽選に付与されるまでに第1RB状態へ移行させることができれば、又は当該ATカウンタCがATモード移行抽選に付与されるまで第1RB状態を継続させることができれば、そのATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果がRB中第3役当選であることを条件としてATモード移行抽選に当選となる。そして、上記のように第1RB状態へ移行させることができたり第1RB状態を継続させることができても、そのATモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果がRB中第3役当選では無ければ、ATモード移行抽選に非当選となる。
このように、本実施形態では、事前取得されるATカウンタCと、今回のゲームの抽選結果とを用いてATモード移行抽選を行う構成としていることから、そのATカウンタCの取得ゲームと利用ゲームとのズレを利用した斬新な遊技性が実現される。
更に、本実施形態では、各ゲームのATモード移行抽選だけでなく、RB状態終了時にもATモード移行抽選を行う構成としている。以下、その構成について説明する。
<終了判定処理>
先ず、本実施形態における終了判定処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。終了判定処理は、ボーナス状態処理(図26)において、ボーナス状態中の各ゲームにて実施される処理である(ステップS618)。
ステップS2501では、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。既に説明した通り、CB状態では、CB中小役1〜CB中小役4のいずれかに当選することで第1小役入賞〜第41小役入賞のいずれかが成立する。これに対して、第1RB状態や第2RB状態では、RB中強チェリー、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役のいずれに当選する。図61は、各RB状態中の当選役の割合と設定値との関係を示している。
第1RB状態においては、図61(a)に示すように、設定されている設定値に関わらず、第1RB状態中の当選役の割合は同じ割合となっており、RB中強チェリーに50%の確率で当選し、RB中第1役に20%の確率で当選し、RB中第2役に15%の確率で当選し、RB中第3役に15%の確率で当選する。既に説明した通り、RB中強チェリーに当選となると、第28小役入賞及び第32小役入賞〜第35小役入賞を成立させることが可能であり、入賞した場合には15枚のメダル払出が行われる(2ベットゲーム)。但し、RB中強チェリーは、取りこぼしが生じ得る結果であり、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては当該RB中強チェリー当選となったゲームでいずれの小役入賞も成立せず、この場合、メダルの払出は行われない。なお、この場合、ステップS2501にて否定判定する。
RB中第1役は当選した場合に第1小役入賞を成立させることが可能であり、RB中第2役は当選した場合に第1小役入賞及び第39小役入賞のいずれかを成立させることが可能であり、RB中第3役は当選した場合に第1小役入賞及び第40小役入賞のいずれかを成立させることが可能とであり、いずれの小役入賞が成立しても15枚のメダル払出が行われる(2ベットゲーム)。そして、これらRB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役は、いずれも取りこぼしが生じない結果であり、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングや操作順序に関わらずいずれかの小役入賞が成立して15枚のメダル払出が行われる。
すなわち、第1RB状態においては、取りこぼしが生じ得る15枚払出役(RB中強チェリー)に50%の確率で当選し、取りこぼしの生じ得ない15枚払出役(RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役)に50%の確率で当選する。
第2RB状態においては、図61(b)に示すように、設定されている設定値によって、第2RB状態中の当選役の割合が異なっている。より詳しくは、RB中強チェリーとRB中第1役の割合が設定値によって異なっており、設定1ではRB中強チェリーに34%の確率で当選し、RB中第1役に36%の確率で当選する一方、設定6ではRB中強チェリーに50%の確率で当選し、RB中第1役に20%の確率で当選し、設定値が高くなるほど、RB中強チェリーに当選する割合が増加し、RB中第1役に当選する割合が減少する。この場合、RB中強チェリーとRB中第1役との割合の合計は設定値によって異ならないように設定されている。すなわち、第2RB状態においては、70%の割合でRB中強チェリー又はRB中第1役に当選し、15%の割合でRB中第2役に当選し、15%の割合でRB中第3役に当選する。
すなわち、第2RB状態においては、取りこぼしが生じ得る15枚払出役(RB中強チェリー)に34%〜50%の確率で当選し、取りこぼしの生じ得ない15枚払出役(RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役)に66%〜50%の確率で当選し、その割合が第1RT状態のものと異なっている。
ちなみに、既に説明した通り、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役は、いずれも第1小役入賞が成立し得るものの、右リール32Rの停止操作タイミングによっては、RB中第2役では第39小役入賞が成立し、RB中第3役では第40小役入賞が成立する。そのため、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役のいずれに当選したかを遊技者は把握することが可能である。
ステップS2501にていずれかの小役入賞が成立している場合には、ステップS2502にて、今回のゲームのメダル払出数を、上記の残払出数カウンタから減算する処理を行う。既に説明した通り、残払出数カウンタは、ボーナス入賞時に上限払出数に対応する数値が入力されるカウンタであり、例えば、第1RB状態や第2RB状態であれば、上限払出数として100が設定される。
ステップS2502の処理を実行した後は、ステップS2503にて残払出数カウンタが0以下でありボーナスの上限払出数に達したか否かを判定する。上限払出数に達している場合、ステップS2504にて、今回のボーナスが第1RB状態及び第2RB状態のいずれかであるか否かを判定する。すなわち、CB状態である場合にはステップS2504にて否定判定する。第1RB状態や第2RB状態である場合、ステップS2505にて、ATモード当選フラグ又はAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグやAT用報知フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選してからATモードに移行する前に第1RBや第2RBに当選した場合や、ATモード中に第1RBや第2RBに当選した場合等である。これらATモード当選フラグやAT用報知フラグのいずれもがセットされていない場合、ステップS2506にて、終了時AT抽選用処理を実行してから、終了判定処理を終了する。ステップS2501、ステップS2503及びステップS2504のいずれかで否定判定した場合、又はステップS2505にて肯定判定した場合は、終了時AT抽選用処理を行うことなく終了判定処理を終了する。
<終了時AT抽選用処理>
終了時AT抽選用処理では、図60に示すように、ステップS2601にて、各種フラグ格納エリア106dに第1RB中当選フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態では、RB状態のうち、第1RB状態においては各ゲームのATモード移行抽選の実行が許容されており、第1RB中当選フラグは、当該第1RB状態中のいずれかのゲームにてATモード移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。セットされていない場合には、ステップS2602に進む。
ステップS2602では、各種テーブル記憶エリア105aからRB終了時用のATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。そして、ステップS2603にて、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ステップS2603の処理は、AT抽選用処理(図33)のステップS909の処理と同様であり、抽選用情報記憶エリア106fの実行エリアAEに記憶されているATカウンタCを取得する。すなわち、ステップS2603の処理は、RB状態の終了条件が成立して当該RB状態が終了するゲームよりも前に取得されたATモード移行抽選用の乱数(ATカウンタC)を取得する処理である。
続くステップS2604では、ステップS2602にて取得したRB終了時用のATモード移行抽選テーブルと、ステップS2603にて把握した事前取得されているATカウンタCと、を用いてATモード移行抽選を行う。ここで、RB終了時用のATモード移行抽選テーブルは、図62に示すように、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCの値が、RB状態の種類、今回のゲームの結果や設定値に関わらず、共通の値が設定されている。すなわち、図62(a)に示す、第1RB状態終了時用のATモード移行抽選テーブルでは、当該第1RB状態において当選し得るRB中強チェリー、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役のいずれによって第1RB状態が終了したかに関わらず、また、設定されている設定値に関わらず、ATモード移行抽選に当選となるように対応付けられたATカウンタCの値は「0」〜「499」である。また、図62(b)に示す、第2RB状態終了時用のATモード移行抽選テーブルでも、当該第2RB状態において当選し得るRB中強チェリー、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役のいずれによって第2RB状態が終了したかに関わらず、また、設定されている設定値に関わらず、ATモード移行抽選に当選となるように対応付けられたATカウンタCの値は「0」〜「499」である。そのため、RB状態終了ゲームよりも前のゲームにて事前取得されるATカウンタCの値が、「0」〜「499」であれば、RB状態の種類や終了ゲームの抽選結果、設定値に関わらずRB終了時のATモード移行抽選にて当選することになる。
ステップS2605では、ステップS2604の移行抽選の結果が当選結果であったか否かを判定し、非当選であれば、そのまま終了時AT抽選用処理を終了する。
ステップS2601にて第1RB中当選フラグがセットされている場合、ステップS2606にて第1RB中当選フラグをクリアする。そして、ステップS2606の処理を実行した後と、ステップS2605にてRB終了時のATモード移行抽選に当選したと判定した場合と、はステップS2607に進み、AT用報知フラグをセットし、ステップS2608にてATモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本終了時AT抽選用処理を終了する。
このように、本実施形態では、RB状態が終了する場合に、その終了条件が成立することとなったゲームの結果に関わらず、当該終了条件が成立したゲームよりも前のゲームにおいて取得したATカウンタCを用いたATモード移行抽選が行われる。そのため、上記のような通常時に行われる各ゲームの抽選結果を利用したATモード移行抽選のように、取得しているATカウンタCに対応付けられた抽選結果となることでATモード移行当選となる構成とは異なり、取得しているATカウンタCに対応付けられたゲームにてRB状態の終了条件が成立するとATモード移行当選となる。
<保留表示用処理>
次に、上記のようなRB終了時にATモード移行抽選が行われる構成を利用した遊技性について説明する。図63は、保留表示用処理を示すフローチャートである。保留表示用処理は、表示制御装置81における全停止時演出設定処理(図52)のステップS2206にて実施される処理である。
ステップS2701では、主制御装置101からATコマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ATコマンドは、ゲームの終了に際して第3停止OFF操作時に実施される乱数取得用処理において、今回終了するゲームがRB状態中であることを条件に出力設定されるコマンドであり、今回取得されたATカウンタCの値に対応する情報の他、各記憶エリアRE1〜RE5に格納されているATカウンタCの値に対応する情報が含まれている。ステップS2701にてATコマンドを受信していない場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。
ATコマンドを受信している場合には、ステップS2702にて、受信したATコマンドに含まれる情報に基づき、各記憶エリアRE1〜RE5に対応するATカウンタCの情報を、RAM183の保留用情報記憶エリア183cに格納する処理を行う。図による詳細な説明は省略するが、表示制御装置81側の保留用情報記憶エリア183cは、主制御装置101側の抽選用情報記憶エリア106fと同様の構成をなしており、5ゲーム分のATカウンタCの情報を記憶可能に各記憶エリア(第1記憶エリア〜第5記憶エリア)を有しているとともに、ATモード移行抽選の対象となるゲームのATカウンタCの情報を格納する実行エリアを有している。ステップS2702では、受信しているATコマンドに基づいて、主制御装置101側の第1記憶エリアRE1のATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける第1記憶エリアに格納し、第2記憶エリアRE2のATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける第2記憶エリアに格納し・・・第5記憶エリアRE5のATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける第5記憶エリアに格納し、実行エリアAEのATカウンタCの情報を保留用情報記憶エリア183cにおける実行エリアに格納する処理を行う。
ステップS2702の処理を行った後は、ステップS2703〜ステップS2708にて、補助表示部65に保留表示を行うための処理を実行する。
ここで、補助表示部65にて行う保留表示について、図64を参照しながら説明する。
図64(a)に示すように、補助表示部65における所定の表示領域として下部において、保留表示領域Drが設定されている。保留表示領域Drは、ATカウンタCが保留用情報記憶エリア183cに記憶される最大個数と同一の数の単位保留表示領域Dr1〜Dr5が左右方向に併設されるように区画されている。具体的には、保留表示領域Drには、第1単位保留表示領域Dr1、第2単位保留表示領域Dr2、第3単位保留表示領域Dr3、第4単位保留表示領域Dr4、第5単位保留表示領域Dr5が設定されている。また、保留表示領域Drに併設させて、保留表示領域Drの左側(第1単位保留表示領域Dr1の左側)には、保留用情報記憶エリア183cの実行エリアに格納されるATカウンタCの保留表示を行うための実行用表示領域Dpが設定されている。実行用表示領域Dpは、各単位保留表示領域Dr1〜Dr5よりも大きな領域として区画されており、当該ゲームのATモード移行抽選用の保留表示と、当該ゲームよりも後のATモード移行抽選用の保留表示とを遊技者が明確に区別可能とされている。
図64(b)に示すように、実行用表示領域Dpや保留表示領域Drに表示する保留表示を行うための特別画像テーブルでは、第1特別画像P1〜第3特別画像P3とATカウンタCとがそれぞれ対応付けられている。第1特別画像P1〜第3特別画像P3は、対応するATカウンタCに基づくRB終了時のATモード移行抽選の当選結果の内容を示唆するものである。具体的には、ATカウンタCが「0」〜「399」である場合には、RB終了時のATモード移行抽選に当選することの示唆として、第1特別画像P1が表示されるように対応付けられている。また、ATカウンタCが「400」〜「599」である場合には、RB終了時のATモード移行抽選に当選する場合と当選しない場合とがあることの示唆として、第2特別画像P2が表示されるように対応付けられている。そして、ATカウンタCが「600」〜「999」である場合には、RB終了時のATモード移行抽選に非当選となることの示唆として、第3特別画像P3が表示されるように対応付けられている。
これら各特別画像P1〜P3は、遊技者がそれぞれを識別可能となるように表示されるキャラクタや色等が異なるように設定されている。図においては、第1特別画像P1を丸印のキャラクタとして表示し、第2特別画像P2は三角印のキャラクタとして表示し、第3特別画像P3をバツ印のキャラクタとして表示しているが、これらを遊技者が識別可能であれば各特別画像P1〜P3のキャラクタや表示態様は任意である。
保留表示用処理の説明に戻り、ステップS2704では、ステップS2703にて取得した特別画像テーブルと、ATカウンタCの値とから、対応する特別画像を選択する。そして、ステップS2705にて、当該選択した特別画像の画像データを、今回の取得契機で取得されたATカウンタCを格納する記憶エリアに当該ATカウンタCとともに格納する。より詳しくは、上記選択した特別画像に対応する画像データをROM182から読み出し、その画像データと、今回取得したATカウンタCの値とを、保留用情報記憶エリア183cの空きエリアのうちの最も番号の若い空きエリア(基本的には第5記憶エリア)に格納する。
続くステップS2706では、既に補助表示部65にて特別画像を表示中か否かを判定する。ステップS2706の処理は、保留用表示の表示条件が既に成立している状態か否かの判定を行う処理である。保留用表示の表示条件が成立しており、特別画像を表示中である場合には、ステップS2708に進み、ステップS2705にて格納した画像データに対応する特別画像が、対応する単位保留表示領域(基本的には第5単位保留表示領域Dr5)に表示されるように補助表示部65を制御する。ステップS2701にてATコマンドを受信しておらず、RB状態中ではない場合や、ステップS2706にて特別画像を表示中ではない場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。
すなわち、RB状態中であっても、特別画像(保留用表示)の表示条件が成立していない場合には、ATカウンタCに対応する特別画像の選択を行ったうえで、その画像データの格納処理だけが行われる。
<保留シフト用処理>
次に、保留シフト用処理について、図65のフローチャートを参照しながら説明する。保留シフト用処理は、スタートレバー41の操作に基づきゲームが開始される際に、開始時演出設定処理(図48)のステップS1802にて実施される処理である。
先ずステップS2801では、主制御装置101からシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。上記の通り、シフト時コマンドは、抽選結果対応処理(図31)において今回開始するゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実施される乱数シフト用処理にて、RB状態中であることを条件として主制御装置101から出力されるコマンドである。シフト時コマンドを受信していない場合には、ステップS2802以降の保留表示用のデータのシフト処理を行うことなく、そのまま保留シフト用処理を終了する。
シフト時コマンドを受信している場合、ステップS2802にて、実行用表示領域Dpに表示される保留表示用のデータをクリアする処理を行う。より詳しくは、保留用情報記憶エリア183cのうち、実行用表示領域Dpに対応する実行エリアに記憶されているATカウンタCの情報と保留表示としての特別画像用の画像データとをクリアする処理を行う。そしてステップS2803にて、上記データクリアした実行エリアに第1単位保留表示領域Dr1に表示される保留表示用のデータをシフトする処理を行う。より詳しくは、保留用情報記憶エリア183cのうち、第1単位保留表示領域Dr1に対応する第1記憶エリアに記憶されているATカウンタCの情報と保留表示として特別画像用の画像データを、上記の実行エリアにシフトする。
続くステップS2804では、各単位保留表示領域に表示される保留表示用のデータを下位の記憶エリアへシフトする処理を行う。より詳しくは、第2単位保留表示領域Dr2に対応する第2記憶エリアに記憶されているATカウンタCの情報と保留表示として特別画像用の画像データを第1記憶エリアにシフトするとともに、当該第2記憶エリアのATカウンタCの情報と画像データをクリアし、順に、第3記憶エリア→第2記憶エリア、第4記憶エリア→第3記憶エリア、第5記憶エリア→第4記憶エリアといった具合に、各単位保留表示領域に対応する記憶エリアのデータをシフトする。この場合、第5単位保留表示領域Dr5に対応する第5記憶エリアからは第4単位保留表示領域Dr4に対応する第4記憶エリアのデータがシフトされるだけであり、新たなデータのシフトは行われない。つまり、第5記憶エリアのデータはクリアされ、第5記憶エリアはデータが記憶されていない空き領域となる。
ステップS2805では、RB状態の上限払出数と現状の払出数とから残り払出数を把握し、その残り払出数が65枚以下であるか否かの判定を行う。上記の通り、RB状態では、上限払出数が110枚として設定されるとともに、各ゲームではいずれの役に当選した場合であっても15枚のメダル払出が発生し得るように設定されており、8回の15枚メダル払出が行われることでRB状態の終了条件が成立してRB状態が終了するように設定されている。そのため、上記の65枚以下であるか否かを判定する処理とは、既に3回の15枚メダル払出が行われ、今回のゲームを含めて残り5ゲーム以内でRB状態が終了し得る状況であるか否かを判定する処理といえる。
ステップS2805にて65枚以下であると判定した場合、ステップS2806にて、上記ステップS2801〜ステップS2806にてシフトした各エリアの画像データに対応する特別画像を、対応する表示領域に表示する処理を行う。すなわち、実行エリアにシフトした画像データに対応する特別画像を実行用表示領域Dpに表示するとともに、各記憶エリアにシフトした画像データに対応する特別画像を各単位保留表示領域に表示する。すなわち、ステップS2805の処理は、RB状態における特別画像(保留用表示)の表示条件が成立しているか否かの判定処理であり、RB状態にて残り払出数が特定数としての65枚以下となって残り5ゲーム以内で終了し得る状況となることで特別画像の表示条件が成立する。
ステップS2805にて特別画像の表示条件が成立していないと判定した場合には、そのまま保留シフト用処理を終了する。また、ステップS2806にて各特別画像の表示を行った後は、ステップS2807にて、終了予定ゲームの更新処理を行ってから、保留シフト用処理を終了する。
<終了予定ゲームの更新処理>
既に説明した通り、RB状態では、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役のいずれかに当選した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず15枚払出となる小役入賞が成立する一方、RB中強チェリーに当選した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって15枚払出となる小役入賞が成立したり成立せずに取りこぼしが生じたりする。そのため、上記ステップS2805にて5ゲーム以内でRB状態が終了し得ると判定した場合であっても、各ゲームの抽選結果やストップスイッチ42〜44の操作態様によって、終了までに5ゲームより多いゲーム数を要するようになる場合がある。つまり、RB終了時のATモード移行抽選が行われるゲームが、各ゲームの抽選結果とストップスイッチ42〜44の操作態様といったゲームの進行内容によって変化し得る。そこで、ステップS2807では、当該RB終了時のATモード移行抽選が行われる予定のゲームを終了予定ゲームとし、その終了予定ゲームをゲームの進行内容に合わせて更新する。
すなわち、終了予定ゲームの更新処理では、図66(a)のフローチャートに示すように、ステップS2901にて現状の残り払出数を、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた算出用カウンタSCに入力する処理を行う。そして、ステップS2902にて、算出用カウンタSCから1ゲーム当たりの最大払出数(15)を減算する処理を行う。なお、本実施形態では、RB状態の各ゲームで当選し得る役として、いずれも15枚のメダル払出が行われる構成としているが、例えば、9枚のメダル払出又は3枚のメダル払出が行われるような構成においては、ステップS2902では算出用カウンタSCから9を減算する構成とするとよい。
続くステップS2903では、各種カウンタエリア183bに設けられた終了カウンタECを1加算する処理を行う。終了カウンタECは、上記終了予定ゲームに対応するものである。そして、ステップS2904にて、上記ステップS2902の処理の結果に基づいて算出用カウンタSCが0未満となったか否かを判定する。0以上である場合にはステップS2902に戻り、再度、算出用カウンタSCから最大払出数を減算するとともに、終了カウンタECの加算処理を行う。算出用カウンタSCが0未満となった場合に、ステップS2904にて肯定判定し、ステップS2905に進む。
ステップS2905では、終了カウンタECに対応する終了予定表示を実行する処理を行う。本実施形態では、図66(b)に示すように、実行用表示領域Dpや各単位保留表示領域Dr1〜Dr5のうちのいずれに表示されている特別画像が、終了予定ゲームに対応するものかを示唆する表示として、補助表示部65における実行用表示領域Dpや各単位保留表示領域Dr1〜Dr5の表示に対応する箇所(上方)に終了予定表示EPが表示される。例えば、終了カウンタECが1であって終了予定ゲームが今回のゲームである場合、実行用表示領域Dpの特別画像に対応させて当該特別画像の上方に終了予定表示EPが表示される。また、例えば、終了カウンタECが4であって終了予定ゲームが今回のゲームを含めて4ゲーム後である場合、第3単位保留表示領域Dr3の特別画像に対応させて当該特別画像の上方に終了予定表示EPが表示される。
ステップS2905では、ステップS2904にて肯定判定した場合の終了カウンタECに対応する箇所に、終了予定表示EPを表示するように補助表示部65を制御する。そして、ステップS2906にて算出用カウンタSCや終了カウンタECを0にクリアしてから、本終了予定ゲームの更新処理を終了する。
<終了予定ゲームとATカウンタとの関係>
次に、RB状態中の各ゲームの遊技結果に応じて終了予定ゲームが変更される様子を図67〜図72を参照しながら説明する。
図67では、前回のゲームの遊技結果でRB状態の残り払出数が65枚となり、残り5ゲーム以内で終了し得る状況となったゲームが開始された場合に、そのゲームの開始時の様子を示している。例えば、図67(a)では、RB状態の残り払出数に対応する数を表示する残り払出数表示ZHPが、補助表示部65の所定領域として、例えば右上隅に表示されている。また、補助表示部65では、実行用表示領域Dpや各単位保留表示領域Dr1〜Dr4に特別画像が表示される。各特別画像は、各エリアに記憶されているATカウンタCや画像データに対応するものである。例えば、図67(b)に示すように、実行エリアのATカウンタCは「27」であり、この場合の画像データとしては第1特別画像P1の画像データ(図67(c)では1と表示)が記憶されており、この場合、図67(a)の実行用表示領域Dpには第1特別画像P1が表示される。また、第2記憶エリアのATカウンタCは「895」であり、この場合の画像データとしては第3特別画像P3の画像データ(図67(c)では3と表示)が記憶されており、この場合、図67(a)の第2単位保留表示領域Dr2には第3特別画像P3が表示される。また、第4記憶エリアのATカウンタCは「531」であり、この場合の画像データとしては第2特別画像P2の画像データ(図67(c)では2と表示)が記憶されており、この場合、図67(a)の第4単位保留表示領域Dr4には第2特別画像P2が表示される。
終了予定表示EPは、今回のゲームを含めて5ゲーム後に対応する第4単位保留表示領域Dr4に表示され、当該5ゲーム後の第2特別画像P2に対応するATカウンタCを利用して、RB終了時のATモード移行抽選が行われる予定であることが示唆されている。
例えば、今回のゲームの抽選結果がRB中第1役であり、図67(d)に示すように、第1小役入賞が成立すると、残り払出数は65枚から50枚に減少する。そして、今回のゲームの終了に際して、新たなATカウンタCの事前取得が行われる。例えば、図67(e)に示すように、今回取得されたATカウンタCが「7」であれば、第5記憶エリアに当該ATカウンタCの値と、第1特別画像P1の画像データとが記憶されるとともに(ステップS2702〜ステップS2705)、補助表示部65における第5単位保留表示領域Dr5に第1特別画像P1が、ゲームの終了に際して表示される。
図68は、図67の次のゲームの様子を示している。
すなわち、図67(b)及び図67(c)の各エリアから、1つずつ下位のエリアにATカウンタCや画像データのシフトが行われ、実行用表示領域Dpや各単位保留表示領域Dr1〜Dr4に対応する特別画像も1つずつ下位の領域にシフトされている。例えば、図67において第1記憶エリアに記憶されていたATカウンタC(601)や画像データ(3)が、図68では実行エリアにシフトされており、特別画像も第1単位保留表示領域Dr1から実行用表示領域Dpにシフトされている。また、前回のゲームの進行内容に伴い終了予定表示EPの更新も行われており、前回のゲームで15枚払出が発生したので、図68では、終了予定表示EPが第4単位保留表示領域Dr4に対応する箇所から、第3単位保留表示領域Dr3に対応する箇所に移動している。
例えば、今回のゲームの抽選結果がRB中第1役であり、図68(d)に示すように、第1小役入賞が成立すると、残り払出数は50枚から35枚に減少する。そして、今回のゲームの終了に際して、新たなATカウンタCの事前取得が行われ、図68(e)に示すように、今回取得されたATカウンタCが「915」であれば、第5記憶エリアに当該ATカウンタCの値と、第3特別画像P3の画像データとが記憶され、補助表示部65における第5単位保留表示領域Dr5に第3特別画像P3が、ゲームの終了に際して表示される。
図69は、ゲームの開始時における残り払出数が20枚である状況で、RB中強チェリー当選となった場合の様子を示している。すなわち、図69(a)に示すように、残り払出数表示ZHPは「20」を示しており、実行用表示領域Dpは第1特別画像P1が、第1単位保留表示領域Dr1には第2特別画像P2が表示されているとともに、当該第1単位保留表示領域Dr1に対応させて終了予定表示EPが表示されている。また、図69(b)、図69(c)に示すように、保留用情報記憶エリア183cの各エリアには、対応するATカウンタCの情報と画像データの情報とが記憶されている。
このような状況にて、RB中強チェリー当選となり、図69(d)に示すように、第28小役入賞が成立すると、残り払出数は20枚から5枚に減少する。そして、今回のゲームの終了に際して、新たなATカウンタCの事前取得が行われ、図69(e)に示すように、今回取得されたATカウンタCが「815」であれば、第5記憶エリアに当該ATカウンタCの値と、第3特別画像P3の画像データとが記憶され、補助表示部65における第5単位保留表示領域Dr5に第3特別画像P3が、ゲームの終了に際して表示される。
図70は、図69の次のゲームの様子を示している。
すなわち、図69(b)及び図69(c)の各エリアから、1つずつ下位のエリアにATカウンタCや画像データのシフトが行われ、実行用表示領域Dpや各単位保留表示領域Dr1〜Dr4に対応する特別画像も1つずつ下位の領域にシフトされている。例えば、図69において第1記憶エリアに記憶されていたATカウンタC(531)や画像データ(2)が、図70では実行エリアにシフトされており、特別画像も第1単位保留表示領域Dr1から実行用表示領域Dpにシフトされている。また、前回のゲームの進行内容に伴い終了予定表示EPの更新も行われており、前回のゲームで15枚払出が発生したので、図70(a)では、終了予定表示EPが第1単位保留表示領域Dr1に対応する箇所から、実行用表示領域Dpに対応する箇所に移動している。すなわち、今回のゲームで15枚払出が発生したらRB状態が終了することを示している。
このような状況にて、RB中強チェリー当選となり、図70(d)に示すように、RB中強チェリーを取りこぼすと、残り払出数は5枚のままで維持される。そうすると、今回のゲームでRB状態は終了せず、RB終了時のATモード移行抽選を行われない。すなわち、今回のゲームに対応する実行エリアに記憶されているATカウンタC(531)を用いたATモード移行抽選は行われない。ちなみに、図72に示すように、当該ゲームにてRB中強チェリーを取りこぼさず、例えば第28小役入賞を成立させると、今回のゲームにて15枚のメダル払出が発生し、残り払出数は5枚から0枚となり、RB状態の終了条件が成立する。この場合、今回のゲームにて実行エリアに記憶されている上記のATカウンタC(531)を用いたATモード移行抽選が行われる。但し、当該ATモード移行抽選では非当選となる(図62参照)。
上記のようにRB中強チェリーを取りこぼしても、図70(e)に示すように、今回のゲームの終了に際して、新たなATカウンタCの事前取得が行われる。すなわちATカウンタCの取得は、ゲームの抽選結果や遊技結果(入賞役、取りこぼしの有無、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングや操作順序)に関わらず、ゲームの終了に際して取得される。図70(e)に示すように、今回取得されたATカウンタCが「691」であれば、第5記憶エリアに当該ATカウンタCの値と、第3特別画像P3の画像データとが記憶され、補助表示部65における第5単位保留表示領域Dr5に第3特別画像P3が、ゲームの終了に際して表示される。
この場合、図71に示すように、図70のゲームの次のゲームで15枚払出が発生すると、ATモード移行抽選が行われる。すなわち、図70(b)及び図70(c)の各エリアから、1つずつ下位のエリアにATカウンタCや画像データのシフトが行われ、実行用表示領域Dpや各単位保留表示領域Dr1〜Dr4に対応する特別画像も1つずつ下位の領域にシフトされている。例えば、図70において第1記憶エリアに記憶されていたATカウンタC(7)や画像データ(1)が、図71では実行エリアにシフトされている。また、前回のゲームの進行内容に伴い終了予定表示EPの更新も行われており、前回のゲームで15枚払出が発生しなかったので、図71(a)では、終了予定表示EPが実行用表示領域Dpに対応する箇所に表示されたままとなっている。すなわち、今回のゲームでも、15枚払出が発生したらRB状態が終了することを示している。
そして、図71(d)に示すように、第1小役入賞が成立すると、残り払出数は5枚から0枚に減少し、RB状態の終了条件が成立する。この場合、RB終了時のATモード移行抽選を行われ、今回のゲームに対応する実行エリアに記憶されているATカウンタC(7)を用いたATモード移行抽選は行われる。ちなみに、当該ATカウンタC(7)を用いたATモード移行抽選が行われていた場合には、ATモード移行当選となる(図62参照)。
なお、図71(e)に示すように、ATカウンタCの取得は、今回のゲームの抽選結果や遊技結果だけでなく、ATモード移行抽選の当否に関わらず行われる。すなわち、今回のゲームの終了に際して、新たなATカウンタCの事前取得が行われ、図71(e)に示すように、今回取得されたATカウンタCが「83」であれば、第5記憶エリアに当該ATカウンタCの値と、第1特別画像P1の画像データとが記憶され、補助表示部65における第5単位保留表示領域Dr5に第1特別画像P1が、ゲームの終了に際して表示される。
<RB中のATモード移行抽選>
上記のように、第1RBは当選確率に設定差が設けられておらず、且つ第1RB状態中の各ゲームの抽選テーブルでも当選し得る各役の確率に設定差が設けられていない。これに対して、第2RBの当選確率及び第2RB状態中の各ゲームの確率には設定差が設けられている。
図73(a)に示すように、ta1のタイミングで第1RBに当選した場合、当該第1RBの当選ゲームではATモード移行抽選が行われ得る。ta2のタイミングで第1RB状態の1ゲーム目が開始され、ta3のタイミングで当該1ゲーム目が終了し、ta4のタイミングで第1RB状態の2ゲーム目が開始され、ta5のタイミングで当該2ゲーム目が終了する場合において、上記のように各ゲームのATモード移行抽選はゲーム開始時の抽選結果対応処理において実行されるため、当該1ゲーム目のATモード移行抽選はta2のタイミングで行われ、2ゲーム目のATモード移行抽選はta4のタイミングで行われる。このATモード移行抽選は、実行エリアAEに記憶されているATカウンタCと、今回のゲームの抽選結果(RB中強チェリー、RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役)に応じて行われる(図57)。
すなわち、ta3やta5にていずれの小役入賞が成立しているかや、メダル払出数、RB状態中の残り払出数等に関わらず、ATモード移行抽選が行われる。そのため、ta6にて開始された6ゲーム目が終了するta7や、ta8にて開始された9ゲーム目が終了するta10において、例えばRB中強チェリーの取りこぼしが発生しても、当該6ゲーム目や9ゲーム目のATモード移行抽選はta6やta8のタイミングで行われる。
ta10のタイミングで開始された10ゲーム目において、ta11のタイミングで小役入賞が成立し当該入賞に基づき第1RB状態の終了条件が成立すると、RB終了時のATモード移行抽選が行われる。このATモード移行抽選は、当該終了条件が成立したゲームの抽選結果や遊技結果に関わらず行われる。すなわち、当該10ゲーム目において実行エリアAEにATカウンタCとして「0〜499」のいずれかが格納されていれば、ATモード移行抽選に当選し、「500」〜「999」のいずれかが格納されていれば、ATモード移行抽選に当選とならない。
なお、図73(a)において、ta11のATモード移行抽選よりも前のATモード移行抽選ではいずれも非当選となったことを示している。この場合、ta11のRB状態の終了時にATモード当選報知が行われる(図74(b)参照)。
これに対して、図73(b)では、RB終了時のATモード移行抽選が行われるよりも前の第1RB状態中の各ゲームでのATモード移行抽選に当選した場合を示している。すなわち、tb1〜tb5は、上記ta1〜ta5と同様であり、第1RB当選となってから、第1RB状態が開始され、その各ゲームでATモード移行抽選がおこなわる(tb1、tb2、tb4)。そして、tb6で開始された6ゲーム目のATモード移行抽選において当選となると、それ以降のATモード移行抽選の実行が制限される(tb8、tb10、tb11)。この場合、ゲームの開始時のATモード移行抽選だけでなく、RB終了時のATモード移行抽選も行われない。
但し、tb6にてATモード移行抽選に当選となっても、そのtb6のゲームではATモード当選報知は行われない。また、RB状態中の各ゲームの特別画像等を用いた保留用表示や、終了予定表示EP等についても、ATモード移行抽選に当選となってもそのまま実施が継続される。そして、tb11においてRB終了時のATモード移行抽選が行われ得るタイミングで、tb6にて当選したATモードの当選報知が行われる。このATモード当選報知の態様は図74(b)のものであり、図73(a)においてRB終了時のATモード移行抽選にて当選した場合の報知態様と共通している。つまり、遊技者は、第1RB状態の各ゲームのいずれかでATモード移行抽選に当選したのか、それとも第1RB状態の終了条件成立に基づくATモード移行抽選に当選となったのかが、ATモード当選報知の実行タイミングや報知態様からは識別することができない。
図74(a)は、第2RB状態の場合のATモード移行抽選について示している。
上記のように、第2RBにおいてはその当選時だけでなく、第2RB状態中の各ゲームでのATモードの実行が制限される。そのため、tc1のタイミングで第2RB当選したゲームだけでなく、第2RB状態中の各ゲームの開始タイミング(tc2、tc4、tc6、tc8、tc10)でのATモード移行抽選は行われない。もちろん、各ゲームの終了時(tc3、tc5、tc7、tc9)においても、当該ゲームの抽選結果や遊技結果に基づくATモード移行抽選は行われない。但し、第2RB状態の終了条件が成立するtc11のタイミングにおいては、RB終了時のATモード移行抽選が行われる。なお、当該RB終了時のATモード移行抽選は、tc10で開始されたゲームの抽選結果や、tc11の入賞時の遊技結果に関わらず実行されるものであり、ATカウンタCとATモード移行抽選テーブルとによるATモード移行抽選が行われる。図においては、tc11のATモード移行抽選に当選となった場合を示しており、この場合、tc11にて図74(b)のATモード当選報知が行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモード移行抽選に用いられるATカウンタCを事前に取得する構成としたうえで、RB状態の終了条件を成立させることでATモード移行抽選を行う構成としたため、当該終了条件の成否を取得済みのATカウンタCとの関係で調整するといった遊技を行わせることができ、RB状態中の新たな遊技性を創出することが可能となる。
この場合、RB状態の終了条件を上限枚数の払出が発生したこととし、RB状態中に当選し得る結果として、ストップスイッチ42〜44の操作態様によって取りこぼしが生じ得るRB中強チェリーを設けたことにより、上記ATカウンタCとの関係で、RB中強チェリーを取りこぼしてまでATモード移行抽選が行われるゲームを調節するかといった選択を、遊技者にさせることが可能となる。また、取りこぼしを生じさせるとの選択を行った場合には、取りこぼしが発生し得る操作タイミングにてストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。このように、ATモード移行抽選に対し、適度な介入が可能な構成とすることで、遊技の面白みを格段に向上させることができる。
これに対して、RB状態中の当選役として、RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役に当選した場合には、遊技者の介入の余地なく第1小役入賞が成立する。このように、RB状態の終了条件を調節するうえで、ゲームの抽選結果によって調節の可否が異なるようにしたため、介入を行うこと(取りこぼしを生じさせること)が可能な遊技者とそうではない遊技者との有利度の差が大きくなり過ぎないようにすることができる。
更に、本実施形態では、第2RB状態において、RB中強チェリーの当選確率と、RB中第1役の当選確率とに設定差を設けたことから、上記の介入の可否に設定差が生じることとなる。このようにすることで、ATモード移行抽選自体に設定差を設けなくても、ATモード移行当選となる確率に設定差を生じさせることも可能であるし、上記の介入を行った場合とそうではない場合とで、同じ設定値でも出玉率が異なることとなり、設定値による出玉率の多様化をより好適に図ることができる。
設定差に関し、第1RB状態への移行率には設定差を設けず、当該第1RB状態への当選契機となる結果ではATモード移行抽選を行う構成とし、また、第1RB状態中においてはATモード移行抽選を行う構成としたのに対して、第2RB状態への移行率には設定差を設け、当該第2RB状態への当選契機となる結果ではATモード移行抽選を行わない構成とし、また、第2RB状態中においてはATモード移行抽選を行わない構成とした。そのうえで、いずれのRB終了時であっても終了時AT抽選用処理を行う構成としたことで、当該終了時AT抽選処理が第2RB状態でも行われることを通じて、第2RB状態への当選契機となる結果でもATモード移行抽選が行われていたり、第2RB状態中においてもATモード移行抽選が行われているのでは、と遊技者に思わせることが可能となり、これらの対象となるゲームへの注目度を好適に高めることができる。
特に、RB状態中にATモード移行抽選が行われた場合には、その結果の報知をRB終了時にまとめて行う構成としたことから、その報知の内容が、RB状態中のものなのかそれとも終了時のものなのかがわかりにくくなるし、それによって、実際にRB状態中にATモード移行抽選が行われていたのかもわかりにくくすることができる。これにより、上記対象となるゲームへの注目度を好適に高めるとともに、RB状態終了ゲームへより大きな関心を寄せさせることが可能となる。
第2RB状態中においては上記のようにATモード移行抽選は行われないため、ATモード移行抽選の実行が制限されるゲームでのストップスイッチ42〜44の操作態様によって、RB状態の終了ゲームを調節してATモード移行抽選が行われるゲームを調節する、といった斬新な遊技性が実現される。
この場合、第1RB状態中であれば、RB中強チェリー当選時にATモード移行抽選が行われ得るのであるから、あたかも、ATモード移行抽選が行われるゲームの操作態様によって、その後のATモード移行抽選が行われるゲームを調節するといった遊技とすることもできる。このように、遊技者自らの操作がATモード移行抽選に与える影響度合いが大きなものとして思わせることで、ATモード移行抽選への注目度をより好適に高めることができる。
また、第2RB状態中において、当該第2RB状態の終了ゲームを調節するといっても、RB中強チェリーを用いて調節する場合、15枚のメダル払出を受けるか0枚のメダル払出を受けるかとなるため当該ゲームの利益が大きく異なり、その調整による代償は大きい。つまり、当該ゲームの利益を低くしてまで、終了ゲームを調節するかといった選択を遊技者自身に行わせることで、その後に受けるATモード移行抽選による利益とのバランスを考慮させ、当該ゲームでの面白みをより増加させることができる。
また、第2RB状態中にATモード移行抽選の実行が制限されているため、ATカウンタCを事前取得する構成において、ATモード移行抽選の実行が制限されているゲームでRB状態終了時のATモード移行抽選に用いられるATカウンタCが取得されることになる。このようにすることで、ATモード移行抽選の実行が制限されているゲームですら、ATモード移行抽選への関心を薄れさせないようにすることができ、ATモード移行抽選への注目度をより好適に高めることが可能となる。
特に、ATカウンタCの取得に際して、設定値や取得ゲームの抽選結果は影響がない構成としたことで、低設定だから期待できない、良く出現する結果だから期待できないといったマイナス印象を与えることなく、各ゲーム平等に取得されるATカウンタCへ、関心を寄せさせることができる。
このように設定値や取得ゲームの抽選結果に関係なくATカウンタCを取得する構成としつつも、設定値や抽選結果によって、RB状態の終了ゲームが前後し得る構成であるため、設定値による影響がATモード移行抽選に及びすぎないようにしながら、且つ設定値による影響がある程度は及ぶようにすることができる。
しかも、取得ゲームの抽選結果等によってRB状態の終了ゲームが前後してATモード移行抽選が行われるゲームを調節可能としながら、当該RB終了時のATモード移行抽選は、当該終了ゲームの結果が反映されることなく行われる。つまり、RB状態終了ゲームの遊技結果がRB中強チェリーであろうと、RB中第1役であろうと、ATモード移行抽選の当否は、ATカウンタCによってのみ定められる。このようにすることで、基本的にはゲームの抽選結果とATカウンタCとの組み合わせでATモード移行抽選が行われるようにしながらも、RB終了時のATモード移行抽選では、ゲームの抽選結果はRB状態中のゲームの結果でATカウンタCはRB終了ゲームでの値、といったようにその組み合わせが別々のゲームでの組み合わせとなる。よって、一のATモード移行抽選への関心を、複数のゲームに亘って分散させることができ、遊技の注目度向上を好適に図ることができる。
<変形例1>
本変形例では、RB状態中の保留用表示の表示条件が上記第1の実施形態のものと異なっている。図75は、本変形例における保留表示用処理を示すフローチャートである。
本変形例においては、特別画像を表示中ではないと判定した後の処理が、上記のものと異なっている。すなわち、ステップS3001〜ステップS3007の処理はステップS2701〜ステップS2707の処理と同様であり、受信したATコマンドに基づいて、ATカウンタCの値や対応する特別画像の画像データを対応するエリアに記憶する処理を行う。そして、ステップS3006にて、特別画像を表示中であるか否かを判定し、表示中であると判定した場合には、ステップS3007にて今回取得したATコマンドに対応する特別画像を第5単位保留表示領域Dr5に表示する処理を行ってから、本保留表示用処理を終了する。
ステップS3006にて特別画像を表示中ではないと判定した場合、本変形例では、ステップS3008に進む。ステップS3008では、今回のゲームの抽選結果が保留用表示を行うか否かの抽選契機となる結果であるかを判定する。本変形例では、当該保留用表示の実行抽選の契機役をRB中強チェリーとして設定している。すなわち、ステップS3008では、今回のゲームの抽選結果がRB中強チェリーであるか否かを判定する。RB中強チェリーである場合、ステップS3009にて保留表示抽選処理を実行する。保留表示抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから保留表示抽選テーブルを取得して、保留用表示を開始するか否かの抽選を行う。
保留表示抽選テーブルは、図77に示すように、第1RB状態では設定値に関わらず当選確率が共通の確率となっており、本変形例では一律で20%となっている。すなわち、第1RB状態においてRB中強チェリーに当選したゲームの20%で保留用表示の開始条件が成立することになる。一方、第2RB状態においては、設定値によって当選確率が異なっており、設定1が最も当選確率が低く、設定6が最も当選確率が高くなるように設定されている。すなわち、設定1では第2RB状態においてRB中強チェリーに当選したゲームの20%で保留用表示の開始条件が成立し、設定6では50%で開始条件が成立する。特に、第2RB状態では、RB中強チェリーの当選確率を設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されており(図61)、保留用表示の開始条件の成否の設定差がより顕著なものとなる。
ステップS3010では、ステップS3009の保留表示抽選処理にて当選となったか否かを判定し、当選である場合にはステップS3011にて各種フラグ格納エリア183aに保留表示当選フラグをセットしてから、保留表示用処理を終了する。ステップS3008又はステップS3011にて否定判定した場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。
保留表示当選フラグをセットすることにより、保留用表示が行われるようになる。すなわち、図76に示すように、本変形例における保留シフト用処理では、ステップS3105にて残り払出数が65枚以下であると判定した場合、ステップS3106にて上記の保留表示当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま保留シフト用処理を終了する。すなわち、この場合、残り払出数に関わらず、保留用表示が行われない。そのため、RB状態の終了ゲームを先延ばしにするか否かの判断を遊技者ができなくなる。ステップS3106にて保留表示当選フラグがセットされている場合には、ステップS3107にて特別画像の表示処理を行うとともに、ステップS3108にて終了予定ゲームの更新処理を実行してから、保留シフト用処理を終了する。なお、ステップS3101〜ステップS3105、ステップS3107〜ステップS3108の処理は、上記ステップS2801〜ステップS2807の処理と同様である。
このように、保留用表示の開始ゲームにランダム性を生じさせることで、RB状態の終了ゲームを先延ばしにするか否かを保留用表示によって判断する遊技において、その判断材料となる保留用表示の有無が遊技結果に応じて異なるようになり、遊技の面白みが向上する。つまり、保留用表示が行われていない状況では、RB状態の終了ゲームを早くすべきか遅くすべきかの判断がつかず、RB中強チェリー当選時にその入賞を成立させるか否かの判断を行うことができない。
但し、RB中強チェリーの入賞を成立させないと、当該ゲームのベット数の分だけRB状態中のメダル増加数が少なくなるのであるから、入賞を成立させたほうがよいという考えもある。その一方で、第1RB状態においては、RB状態中のゲームを長く継続するほど、RB状態中のATモード移行抽選が行われる回数が増えるため、ATモード移行抽選の当選率を向上させるといった観点からすると、RB中強チェリーを入賞させないほうが好ましい。そして、第2RB状態であっても、上記の保留用表示の実行抽選が行われる回数も増えるため、保留用表示からRB状態の終了ゲームを調節するためにも、RB中強チェリーを入賞させないほうが好ましい。そうすると、実質的なメダル増加を目指す遊技か、ATモード移行当選を目指す遊技かを遊技者が選択したうえで、RB中強チェリー当選時に取りこぼしを生じさせるか否かを決定することになる。このようにすることで、遊技者の遊技への介入が促され、遊技の面白みを向上させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、上記変形例1をベースとして、保留表示抽選処理に当選する度に、保留用表示が行われる個数が増加する構成とする。すなわち、図78に示す保留表示用処理において、ステップS3209にて保留表示抽選処理を行った後、ステップS3210にて当該抽選処理にて当選となったか否かを判定する。当選である場合には、ステップS3211にて保留表示当選フラグをセットした後、ステップS3212にて各種カウンタエリア183bに設けられた表示数カウンタに1を加算する処理を実行してから、保留表示用処理を終了する。表示数カウンタは、表示する特別画像の数をCPU181が把握するためのカウンタである。なお、ステップS3201〜ステップS3211の処理は、上記ステップS3001〜ステップS3011の処理と同様である。
本変形例における保留シフト用処理では、図79に示すように、ステップS3306にて保留表示当選フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3307にて上記の表示用カウンタの値を把握して、保留表示抽選に当選した回数を特定する。そして、ステップS3308にて、表示用カウンタの値に応じた数の保留用表示が行われるように補助表示部65を制御する。その後、ステップS3309にて終了予定ゲームの更新処理を行ってから、本保留シフト用処理を終了する。なお、ステップS3301〜ステップS3306、ステップS3309の処理は、ステップS3101〜ステップS3106、ステップS3108の処理と同様である。
例えば、表示用カウンタが1であれば、実行用表示領域Dpに対応する特別画像を表示する一方、各単位保留表示領域Dr1〜Dr5には特別画像を表示しない。そのため、今回のゲームでRB状態を終了させた場合のATモード移行抽選の結果に対応する情報は当該実行用表示領域Dpの表示内容から把握可能であるものの、次ゲーム以降でRB状態を終了させた場合のATモード移行抽選の結果に対応する情報は把握することができない。
例えば、実行用表示領域Dpに表示されている特別画像が第1特別画像P1であれば、今回のゲームにてRB状態を終了させることが好ましいことが把握可能であり、また、第3特別画像P3であれば、今回のゲームにてRB状態を終了させることが好ましくないことが把握可能である。ただし、今回のゲームがRB中強チェリーではなければ取りこぼしを生じさせることができないので、第3特別画像P3が表示されていても、当該ゲームにてRB状態を終了せざるを得ない場面はある。
その一方で、実行用表示領域Dpに表示されている特別画像が第2特別画像P2である場合、今回のゲームにてRB状態を終了させれば、ATモード移行抽選に当選となり得るものの、非当選となる場合もある。更に、今回のゲームにてRB状態を終了させなくても、次ゲームにて所望のATカウンタCに対応する特別画像が表示されるかはわからない。つまり、この場合、今回のゲームの結果が取りこぼしを生じさせることが可能なRB中強チェリーであっても、その取りこぼしを生じさせるか否かは遊技者の判断に委ねられることとなり、その選択を通じて遊技の興趣向上が図られる。
<変形例3>
本変形例では、変形例1において保留用表示の実行抽選の契機が異なっている。すなわち、本変形例では、図80のフローチャートに示すように、ステップS3406にて特別画像を表示中ではないと判定した場合、ステップS3408にて、上記保留用表示の実行抽選の契機として、今回のゲームの遊技結果としてRB中強チェリーの入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立している場合には、ステップS3409にて保留表示抽選処理を行い、取りこぼしが生じている場合には、そのまま保留表示用処理を終了する。ステップS3401〜ステップS3411の処理は、上記ステップS3408の処理を除き、ステップS3001〜ステップS3011の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、RB中強チェリー当選であっても、入賞を成立させないと保留用表示の実行抽選が行われない。そのため、RB中強チェリーに当選したゲームにて当該RB中強チェリーを取りこぼしてRB状態を引き延ばすか、入賞を成立させて保留表示用の抽選を受け、且つRB状態のメダル増加を目指すか、を遊技者が選択することになる。このようにすることで、RB状態の終了ゲームにて行われるATモード移行抽選を先延ばしにするかを遊技者が選択する遊技において、その選択肢の枝が増え、遊技の興趣向上が図られる。
<変形例4>
本変形例では、RB状態中のゲームの抽選結果の内容が上記第1の実施形態のものと異なっている。すなわち、図81(a)の第1RB状態における各ゲームの抽選結果や、図81(b)の第2RB状態における各ゲームの抽選結果に示すように、本変形例では、RB中強チェリー、RB中第1役、RB中第2役及びRB中第3役の他に、外れ結果が含まれる。すなわち、第1RB状態の各ゲームのうち、10%はストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず入賞が成立しない外れ結果となり、第2RB状態の各ゲームのうち20%〜30%は当該外れ結果となる。そのため、仮に実行用表示領域Dpに対応させて終了予定表示EPが行われており、今回のゲームにて15枚払出を生じさせることでRB状態の終了条件が成立することが示されていても、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であれば、今回のゲームにてATモード移行抽選を受けることができない。また、実行用表示領域Dpに限らず、終了予定表示EPに対応する領域に第1特別画像P1が表示されており、このまま各ゲームにて15枚払出を発生させつづければ、RB終了時のATモード移行抽選に当選となることが把握されていても、途中で外れ結果となれば、RB状態の終了は強制的に先延ばしとなる。このようにすることで、RB状態中の遊技の面白みを増加させることができる。
なお、本変形例における外れ結果について、第1RB状態では、その外れ結果となる確率も設定差がないように定められている。また、第2RB状態では、RB中強チェリーと外れ結果に設定差が設けられており、高設定ほどRB中強チェリーに当選し易く且つ外れとなりにくく、低設定ほどRB中強チェリーの当選しにくく且つ外れとなり易くなっている。このように、設定差を設けることで、RB状態の終了ゲームを調節する遊技を行いながらも、設定値の予測を行うことも可能であり、例えば、RB終了時のATモード移行抽選との関係では外れ結果となることが好ましいものの、設定値の予測(高設定の予測)を行う上では外れ結果とならないことが好ましい、といったように、遊技の興趣向上が図られている。
しかも、RB状態中に外れ結果となることで、RB状態終了時のATモード移行抽選が行われるゲームが先延ばしになるため、対応するATカウンタCがズレることとなり、外れ結果でさえATモード移行抽選に影響を及ぼす構成とすることができる。そして、その外れ結果となる確率に設定差が設けられていることから、外れ結果の当選確率を設定値によって調節することで出玉率を変化させる、といった比較的簡素な構成で、ATモード移行抽選に設定値による影響を及ぼすことが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、RB状態中に押し順ベルに当選し得る構成とする。上記のように、押し順ベル当選時においては、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって第1小役入賞が成立する場合と、第2小役入賞〜第26小役入賞が成立する場合と、いずれの小役入賞も成立せず取りこぼしとなる場合とがある。RB状態においては、2枚ベットにて遊技が行われるため、第1小役入賞で15枚のメダル払出が発生し、第2小役入賞〜第26小役入賞にて14枚のメダル払出が発生する。つまり、ストップスイッチ42〜44の操作順序によってメダル払出数が異なり、例えば、RB状態の残り払出数が15枚の場合において、第1小役入賞を成立させれば当該ゲームにてRB状態の終了条件が成立するものの、第2小役入賞〜第26小役入賞や取りこぼしの場合には、当該ゲームにてRB状態の終了条件が成立しない、といった事象を生じさせることができる。
この場合、RB状態中のストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する構成としてもよく、例えば、第1小役入賞に対応する押し順報知演出を行う構成としてもよい。このようにすると、15枚のメダル払出を行わせることで終了条件を調節したい場合と、14枚のメダル払出を行わせることで終了条件を調節したい場合や、取りこぼしを生じさせて調節したい場合に、遊技者はその押し順報知を参考にすることができる。14枚のメダル払出が発生すると有利となるような状況にて、第2小役入賞〜第26小役入賞に対応する押し順報知を発生させなくても、第1小役入賞に対応する押し順報知さえ発生させていれば、当該14枚のメダル払出を受けたい遊技者としては、第1小役入賞に対応する押し順報知に従わなければよい。
また、RB状態における押し順報知の有無を、有利区間中に移行したRB状態か、通常区間中に移行したRB状態かによって、異ならせる構成としてもよい。すなわち、通常区間中に移行した場合には、押し順報知を発生させず、有利区間中に移行した場合には押し順報知を発生させる構成としてもよい。このようにすることで、押し順報知により、メダルの払出数を多くできる、といったメリットだけでなく、RB状態の終了ゲーム数を調節する、といったメリットも生じさせることができ、押し順報知を利用した新たな遊技性の創出に寄与することができる。
ちなみに、本変形例では、図82に示すように、第1RB状態中の押し順ベル当選となる確率と、第2RB状態中の押し順ベル当選となる確率とが、同じ確率となっているものの、第1RB状態と第2RB状態とでは、RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役の割合が異なっている。より詳しくは、第1RB状態ではRB中第1役に当選し易く、第2RB状態ではRB中第2役に当選し易くなるように設定されている。そして、第2RB状態においては、高設定ほどRB中第1役に当選し易く且つRB中第3役に当選しにくく、低設定ほどRB中第1役に当選しにくく且つRB中第3役に当選し易くなるように設定されている。上記のように、RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役は、第1小役入賞を成立させるか否かによって、いずれの結果に当選しているかを判別できる。その点、本変形例では、いずれの結果に当選しているかを判別することにより設定値の予測を行ううえで、第1小役入賞か否かを判別に、押し順ベルか否かの判断も必要となり、設定値の予測を行うことの難易度が高められ、遊技の興趣向上が図られている。
<変形例6>
本変形例では、RB状態中に小役抽選確率が異なる特定状態への移行が生じ得る構成とする。
すなわち、本変形例では、図83(a)に示すように、入賞態様として強JACと弱JACとが設けられている。左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ラインに停止すると、強JAC入賞が成立し、第1JAC状態への移行が生じる。第1JAC状態は、第1JACゲームが3回行われることで終了する状態であり、当該第1JAC状態が終了すると、入賞時の状態へ復帰する。例えば、RB状態中に第1JAC状態に移行した場合には、第1JAC状態の終了後はRB状態に移行する。
左リール32Lの「黒BAR」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ラインに停止すると、弱JAC入賞が成立し、第2JAC状態への移行が生じる。第2JAC状態は、第2JACゲームが3回行われることで終了する状態であり、当該第2JAC状態が終了すると、入賞時の状態へ復帰する。例えば、RB状態中に第2JAC状態に移行した場合には、第2JAC状態の終了後はRB状態に移行する。
図83(b)は、第1RB状態及び第2RB状態用の抽選テーブルの一部を示す図である。なお、本変形例では、第1RB状態と第2RB状態とで抽選テーブルを共通のものを使用する構成する。
本変形例では、JAC当選としてインデックス値IV=59の際に当選となる確率は、約1.31分の1の確率であり、外れ結果となる確率は約4.22分の1であり、他の小役(RB中強チェリー、RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役)には当選しない。JAC当選となると、強JAC当選フラグ及び弱JAC当選フラグがセットされ、上記の第1JAC状態及び第2JAC状態のいずれかへの入賞が生じ得るようになる。この場合、強JACと弱JACとで入賞となる図柄の組み合わせとして、中リール32Mと右リール32Rとは共通の図柄が設定されており、左リール32Lが異なるように設定されている。そのため、JAC当選時に左リール32Lに狙う図柄によって強JACと弱JACとのいずれの入賞を成立させるかを選択することが可能である。
中リール32M及び右リール32Rにおいて、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄はそれぞれの間隔が4図柄以内となるように配置されており、ストップスイッチ43,44の操作タイミングに関わらず、対応する図柄を有効位置に停止させることが可能である。これに対して、左リール32Lにおいては、「赤7」図柄と「黒BAR」図柄とは、最大で11図柄分離れた位置に配置されており、ストップスイッチ42の操作タイミングによって、対応する図柄を有効位置に停止させることが可能な場合とそうではない場合とがある。すなわち、JAC当選となったゲームで、強JACと弱JACとのいずれにも入賞が成立せずに取りこぼしとなる場合がある。なお、本変形例では、JAC当選した場合の当選フラグは、当選したゲームにて入賞が成立しなければクリアされ、次ゲームに持ち越されない構成としている。
強JAC入賞が成立すると、図83(c)の抽選テーブルに示すように、高確率(約1.31分の1)で第1JAC小役としての第1小役入賞が成立し得る第1JAC状態に移行する。また、弱JAC入賞が成立すると、図83(d)の抽選テーブルに示すように、高確率(約1.31分の1)で第2JAC小役としての第2小役入賞〜第26小役入賞が成立し得る第2JAC状態に移行する。なお、第1JAC状態及び第2JAC状態において、第1JAC小役及び第2JAC小役以外には当選しないようになっており、対応するJAC小役当選とならなければ外れ結果となる(約4.22分の1)。
第1JAC状態及び第2JAC状態では、ベットの規定数として「3」が設定されており、3ベットゲームにて第1JACゲームや第2JACゲームが実行される。第1JAC小役当選となると第1小役入賞が成立し得るようになり、この場合、9枚のメダル払出が発生する。第2JAC小役当選となると第2小役入賞〜第26小役入賞が成立し得るようになり、この場合、3枚のメダル払出が発生する。
図84は、本変形例における終了判定処理を示すフローチャートである。終了判定処理は、ボーナス状態処理(図26)においてボーナス中の各ゲームで実施される処理である。
ステップS3501では、いずれかのJAC入賞が成立したか否かを判定する。JAC入賞が成立している場合、ステップS3502にて、各種カウンタエリア106eに設けられたJACカウンタに3を入力する処理を実行する。JACカウンタはJAC状態でのJACゲームの回数をCPU102が把握するためのカウンタである。続くステップS3503では、今回入賞したJACが強JACか否かを判定し、強JACである場合には、ステップS3504にて強JACフラグをセットする処理を実行する。この場合、第1JAC状態に設定され、次のゲームから第1JAC状態用の抽選テーブル(図83(c))を用いた第1JACゲームが実施される。すなわち、第1JAC小役が高確率で3回当選し得るようになる。
ステップS3503にて弱JAC入賞であると判定した場合、ステップS3505にて弱JACフラグをセットする処理を実行する。この場合、第2JAC状態に設定され、次のゲームから第2JAC状態用の抽選テーブル(図83(d))を用いた第2JACゲームが実施される。すなわち、第2JAC小役が高確率で3回当選し得るようになる。
ステップS3501にて否定判定した場合と、ステップS3504又はステップS3505の処理を実行した後と、はステップS3506に進む。ステップS3506では、いずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立している場合、ステップS3507にて、残払出数カウンタから今回入賞したメダル払出数を減算する処理を実行する。そして、ステップS3508にて、今回入賞した小役がいずれかのJAC小役入賞であるか否かを判定する。なお、上記のように本変形例ではRB状態ではJAC入賞以外の入賞は成立せず、JAC状態ではJAC小役入賞以外の入賞は成立しないため、今回のボーナス状態がRB状態であれば、ステップS3508では必ず肯定判定する。そのため、ステップS3508にて否定判定する場合とは、今回のボーナス状態がCB状態であることを意味する。ステップS3508にて肯定判定した後は、ステップS3509にてJACカウンタを1減算する処理を実行し、ステップS3510にてJACカウンタが0となったか否かを判定する。JACカウンタが0である場合には、ステップS3511にて各JACフラグをクリアする処理を行う。
ステップS3506、ステップS3508及びステップS3510のいずれかで否定判定した場合と、ステップS3511の処理を実行した後は、ステップS3512に進む。ステップS3512〜ステップS3515の処理は、上記ステップS2503〜ステップS2506の処理と同様である。すなわち、ボーナス状態の終了用の処理として、RB状態の終了条件が成立してRB状態を終了する場合には、ATモード当選フラグやAT用報知フラグがセットされていないことを条件として、終了時AT抽選用処理を実行する。
すなわち、本変形例におけるRB状態では、第1JAC状態及び第2JAC状態を繰り返し消化しながら、上限払出数としての110枚の払出が発生するとRB終了時のATモード移行抽選が行われる。そして、第1JAC状態では、9枚のメダル払出が発生する第1JACゲームが3回行われ、第2JAC状態では、3枚のメダル払出が発生する第2JACゲームを3回行われるため、強JAC入賞を成立させると合計27枚の払出が発生し、弱JAC入賞を成立させると合計9枚のメダル払出が発生することになる。すなわち、強JAC入賞を成立させると18枚のメダル増加を期待できる一方、弱JACを成立させてもメダル増加は生じない。上記のように強JAC入賞と弱JAC入賞とは、遊技者が左リール32Lの停止態様によって選択することが可能となっている。
なお、図による詳細な説明は省略するが、本変形例においては、RB状態中の総払出数が90枚以上となり、仮に強JAC入賞を成立させると、当該強JAC入賞に基づく第1JAC状態中にRB状態が終了し得る状況となると、保留用表示の表示開始条件が成立し、保留用表示が行われるようになる。
本変形例におけるRB状態中のゲームの流れの例を、図85を参照しながら説明する。
図85(a)は、特にメダル増加を目指す場合のRB状態の進行例を示している。すなわち、RB状態中の1ゲーム目に強JAC入賞を成立させ、2ゲーム目〜4ゲーム目で第1JACゲームを実行すると、4ゲーム目終了時においてメダル払出数は27枚であって、メダル増加数は15枚である。このJAC当選→強JAC入賞→第1JACゲーム3回→JAC当選、、、といったサイクルを繰り返すと、17ゲーム目で強JAC入賞を成立させて18ゲーム目で第1JAC小役の入賞が成立した時点でRB状態の終了条件が成立して、RB状態が終了する。この場合のメダル増加数は63枚である。そして、RB状態の終了条件の成立に伴い、当該18ゲーム目のATカウンタCを用いてRB終了時のATモード移行抽選が行われる。
図86(b)は、取得されているATカウンタCとの関係で、RB状態の終了ゲームを先延ばしする場合の進行例を示している。例えば、12ゲーム目で3回目の第1JAC状態の3ゲーム目が終了した後、13ゲーム目において、強JACではなく弱JAC入賞を成立させた場合を示している。この場合、14ゲーム目からのメダル増加スピードが図85(a)の場合よりも(強JAC入賞させた場合よりも)遅くなり、1ゲーム当たりのメダル払出数が少なくなる。また、当該弱JAC入賞に基づく第2JAC状態が終了した後、17ゲーム目で再度強JACではなく弱JAC入賞を成立させた場合、当該弱JAC入賞に基づく第2JAC状態は20ゲーム目で終了する。
そうすると、当該弱JAC入賞に基づく第2JAC状態が終了する20ゲーム目においては、総払出数は99枚となり、残り11枚となる。つまり、仮に強JAC入賞を成立させると、当該強JAC入賞に基づく第1JACゲーム中に(2回目の第1JACゲームで)RB状態の終了条件が成立し得るようになる。この場合、次の21ゲーム目において、第2単位保留表示領域Dr2にATモード移行当選に対応する第1特別画像P1が表示されていれば、RB終了時のATモード移行抽選に当選することになる。
図では、21ゲーム目でJAC当選せず、外れ結果となった場合を示している。そうすると、仮にその次の22ゲーム目で強JAC入賞させても、RB状態の終了はその2ゲーム後の24ゲーム目になるので、上記21ゲーム目において第2単位保留表示領域Dr2に表示されていた第1特別画像P1に対応するゲームでRB状態を終了させることができない。図においては、24ゲーム目での特別画像は、ATモード移行非当選に対応する第3特別画像P3が表示されていることを示し、その次の25ゲーム目での特別画像は、ATモード移行当選に対応する第1特別画像P1が表示されていることを示している。
そこで、22ゲーム目にJAC当選した場合であっても、強JACや弱JACのいずれにも入賞させず、取りこぼしを生じさせ、その次の23ゲーム目に強JAC入賞させることで、当該強JAC入賞に基づく第1JAC状態の2ゲーム目である25ゲーム目でRB状態が終了する。その結果、RB終了時のATモード移行抽選を、第1特別画像P1に対応するATカウンタCにて受けることが可能となり、ATモード移行当選となる。
以上のように、ATカウンタCが事前取得され、RB終了ゲームにてATモード移行抽選が行われる構成において、当該RB状態中にメダル増加スピードが異なる第1JAC状態と第2JAC状態とに移行可能な構成とすることで、事前取得されているATカウンタCとの関係から、いずれのJAC状態に移行させるか、といった遊技性を創出することができ、当該当選したゲームのメダル増加数を考慮した入賞の可否だけでなく、次ゲーム以降のメダル増加数を加味した選択が必要となることから、RB状態の終了ゲームを調節する遊技の遊技性を格段に向上させることが可能となる。
強JACと弱JACとのいずれの入賞を成立させるかを、遊技者の操作によって選択できるようにし、しかも、強JAC及び弱JACのいずれにも入賞させないようにすることも可能であるため、ATカウンタCとの関係でその選択の幅が広がり、遊技の面白みを増加させることが可能となる。
RB状態中にJAC当選しない外れ結果や、JACゲーム中にもJAC小役当選しない外れ結果を設けたため、遊技者の計画通りにならない場面も生じることとなり、RB終了ゲームをATカウンタCとの関係で調節することの難易度が高くなり、遊技の面白みを増加させるだけでなく、出玉率が高くなり過ぎないようにすることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、ATカウンタCを事前取得する構成において、有利区間と通常区間とのATモード移行抽選の差を利用した新たな遊技性を創出する。図86は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT抽選用処理は抽選結果対応処理(図33)においてATモードに当選していない状況で実行される処理である。
ステップS3601では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS3602にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず、通常区間である場合、ステップS3603に進む。ステップS3603では、今回のゲームの抽選結果が通常区間におけるATモード移行抽選の契機役として設定されている第1特定役であるか否かを判定する。第1特定役として、本実施形態では、図87に示すように、通常リプレイ、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、不問ベル、押し順ベルが設定されている。これらの結果は、いずれも、通常遊技状態、第1RT状態、第2RT状態及び第3RT状態といったようにボーナス状態を除く各種遊技状態に関わらず当選確率が同じ確率として設定されている結果である。なお、図87に示すように、本実施形態では、第1の実施形態とは各結果の当選確率が異なっている。但し、遊技状態によって、特に押し順リプレイの当選確率が変化する点は、第1の実施形態と共通している。これら第1特定役は、押し順リプレイとボーナス重複役やボーナス単独役を除く結果である。本実施形態では、今回の抽選結果が第1特定役ではない場合には、ステップS3604以降のATモード移行抽選用の処理を実行することなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
第1特定役である場合には、ステップS3604に進み、通常区間用のATモード抽選テーブルを取得する。通常区間用のATモード移行抽選テーブルでは、図88(a)に示すように、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCが、第1特定役のうちの結果に関わらず、共通の値として設定されている。より詳しくは、通常リプレイ、押し順ベル、強チェリー等のいずれの結果であっても、第1特定役であれば、ATカウンタCが「0」〜「56」である場合にATモード移行抽選に当選となるように設定されている。なお、本実施形態におけるATカウンタCは、「0」〜「9999」の間で1ずつ更新可能であって、所定周期で更新されるとともに、最大値(9999)に達した場合に初期値(0)に戻るループカウンタとして設定されている。すなわち、通常区間用のATモード移行抽選テーブルでは、約176分の1の確率でATモード移行抽選に当選となるように、第1特定役に対してATカウンタCが割り振られている。図87に示すように、各遊技状態の抽選テーブルにおいて第1特定役にはポイント値PVが合計28800となるように設定されており、遊技状態に関わらず、いずれかの第1特定役に当選となる確率は約2.27分の1である。そのため、各遊技状態において通常区間中に第1特定役を契機としてATモード移行抽選に当選となる確率は約399分の1である。
ステップS3602にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3605にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合には、ステップS3603に進み、第1特定役であることを条件にATモード移行抽選を行う。有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合には、ステップS3606に進み、今回のゲームの抽選結果が有利区間におけるATモード移行抽選の契機役として設定されている第2特定役であるか否かを判定する。第2特定役として、本実施形態では、図87に示すように、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルが設定されている。これらの結果は、いずれも、通常遊技状態、第1RT状態、第2RT状態及び第3RT状態といったようにボーナス状態を除く各種遊技状態に関わらず当選確率が同じ確率として設定されている結果であり、第2特定役は第1特定役のうちの当選確率の比較的高い通常リプレイ、不問ベル及び押し順ベルを除いた結果であって、所謂レア役と称されるものである。今回の抽選結果が第2特定役ではない場合には、ステップS3607以降のATモード移行抽選用の処理を実行することなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
第2特定役である場合には、ステップS3607に進み、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。そして、CZモードフラグがセットされていない場合には、ステップS3608にて有利区間用のATモード移行抽選テーブルを取得し、CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS3609にてCZ用のATモード移行抽選テーブルを取得する。有利区間用のATモード移行抽選テーブルでは、図88(b)に示すように、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCが、第2特定役のうちの結果に関わらず、共通の値として設定されている。より詳しくは、強チェリー、弱チェリー等のいずれの結果であっても、第2特定役であれば、ATカウンタCが「0」〜「4098」である場合にATモード移行抽選に当選となるように設定されている。すなわち、有利区間用のATモード移行抽選テーブルでは、約2.44分の1の確率でATモード移行抽選に当選となるように、ATカウンタCが割り振られている。図87に示すように、各遊技状態の抽選テーブルにおいて第2特定役にはポイント値PVが合計800となるように設定されており、遊技状態に関わらず、いずれかの第2特定役に当選となる確率は約81.9分の1である。そのため、各遊技状態において有利区間用のATモード移行抽選テーブルを用いてATモード移行抽選が行われる場合において、第2特定役を契機としてATモード移行抽選に当選となる確率は約199分の1であり、上記通常区間の場合よりも高い確率である。
また、CZ用のATモード移行抽選テーブルについても、ATモード移行抽選に当選となるATカウンタCが、第2特定役のうちの結果に関わらず、共通の値として設定されており、ATカウンタCが「0」〜「8264」である場合にATモード移行抽選に当選となるように設定されている。すなわち、CZ用のATモード移行抽選テーブルでは、約1.21分の1の確率でATモード移行抽選に当選となるように、第2特定役に対してATカウンタCが割り振られている。そのため、各遊技状態においてCZ用のATモード移行抽選テーブルを用いてATモード移行抽選が行われる場合において、第2特定役を契機としてATモード移行抽選に当選となる確率は約99分の1であり、上記通常区間の場合よりも高く、更に、有利区間用のテーブルを用いた場合よりも高い確率である。
ステップS3604、ステップS3608及びステップS3609のいずれかでATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS3610にてATカウンタCを取得する処理を行う。ここで、図89に示すように、本実施形態における抽選用情報記憶エリア106fでは、ATモード抽選用の乱数としてATカウンタCを10ゲーム分記憶可能に構成されている。より詳しくは、抽選用情報記憶エリア106fは、実行エリアAEと記憶エリアREとを備えており、記憶エリアREには第1記憶エリアRE1〜第10記憶エリアRE10が設けられている。ステップS3610では、このうち今回のゲームにて利用するATカウンタCを記憶する領域としての実行エリアAEからATカウンタCを取得する。
その後、ステップS3611にてATモード移行抽選を実行する。すなわち、通常区間用のATモード移行抽選テーブルを用いる場合、ATカウンタCが「0」〜「56」であればATモード移行当選となり、それ以外の値であればATモード非当選となる。また、有利区間用のATモード移行抽選テーブルを用いる場合、ATカウンタCが「0」〜「4098」であればATモード移行当選となり、それ以外の値であればATモード非当選となる。そして、CZ用のATモード移行抽選テーブルを用いる場合、ATカウンタCが「0」〜「8264」であればATモード移行当選となり、それ以外の値であればATモード非当選となる。
続くステップS3612では、ステップS3611の抽選結果が、ATモード移行当選であるか否かを判定する。移行当選である場合には、ステップS3613〜ステップS3615にて通常区間中のATモード移行当選である場合の処理を行う。かかる処理は、上記ステップS912〜ステップS914の処理と同様である。その後、ステップS3616〜ステップS3619にてATモード当選フラグをセットする処理や前兆モード用の処理を行ってから、AT抽選用処理を終了する。なお、本実施形態ではRB状態中のATモード移行抽選についての構成を省略しているが、上記第1の実施形態のようにRB状態中であるか否かによってATモード移行抽選の有無を異ならせたり、当選時の報知態様についての処理を行う構成としてもよい。
ステップS3612にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップS3620に進む。ステップS3620〜ステップS3627の処理は、上記ステップS922〜ステップS929の処理と同様であるため、その説明を省略する。
<乱数取得用処理>
本実施形態における乱数取得用処理では、図90のフローチャートに示すように、ステップS3701にてATカウンタCの取得を行った後は、ステップS3702にて抽選用情報記憶エリア106fの各記憶エリアREのうち最も番号の若いエリア(基本的には第10記憶エリアRE10)にATカウンタCを格納する処理を行う。そして、ステップS3703にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定し、有利区間中であることを条件として、ステップS3704にてATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、乱数取得用処理を終了する。有利区間中ではない場合には、ATコマンドを出力設定することなく、そのまま乱数取得用処理を終了する。
すなわち、上記第1の実施形態では、RB状態中であることを条件にATコマンドを出力設定していたところ、本実施形態では、有利区間中であることを条件にATコマンドを出力設定する点で相違している。これに対して、ATコマンドを出力するか否かに関わらず、ATカウンタCの取得を行う点は上記第1の実施形態と同様である。
<乱数シフト用処理>
本実施形態における乱数シフト用処理では、図91のフローチャートに示すように、ステップS3801にて第1記憶エリアRE1に記憶されているATカウンタCを実行エリアAEにシフトするとともに、当該第1記憶エリアRE1に記憶されているATカウンタCをクリアする処理を行う。続くステップS3802では、各記憶エリアRE2〜RE10に格納されている情報を下位エリア側にシフトする処理を行う。この場合、第10記憶エリアRE10は空きエリアとなる。続くステップS3803では、今回終了するゲームが有利区間中のゲームであるか否かを判定する。有利区間中である場合には、ステップS3804にてシフト時コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、乱数シフト用処理を終了する。ステップS3803にて通常区間である場合には、そのまま乱数シフト用処理を終了する。
すなわち、上記第1の実施形態では、RB状態中であることを条件にシフト時コマンドを出力設定していたところ、本実施形態では、有利区間中であることを条件にシフト時コマンドを出力設定する点で相違している。これに対して、シフト時コマンドを出力するか否かに関わらず、ATカウンタCのシフトを行う点は上記第1の実施形態と同様である。
<区間表示第2処理>
次に、本実施形態における有利区間の終了条件の変更点について説明する。
図92のフローチャートに示すように、本実施形態における区間表示第2処理では、ステップS3901〜ステップS3911にて、上記ステップS1501〜ステップS1511と同様の処理を実行する。本実施形態では、有利区間における強制終了条件が成立しておらず(ステップS3906:NO)、更に、通常の終了条件も成立していない場合(ステップS3910:NO、ステップS3911:NO)であっても、ステップS3912にて第2再遊技入賞が成立すると、ステップS3907に進み、有利区間終了用の処理を行う。第2再遊技入賞が成立していない場合には、有利区間は継続される。
既に説明した通り、第2再遊技は、転落リプレイ当選時に入賞が成立し得るようになり、入賞が成立すると第1RT状態への移行が生じる再遊技である。そして、AT用報知フラグがセットされている場合には、転落リプレイ当選時に第2再遊技入賞を成立させないような押し順報知が発生することで、RT状態を上位のRT状態に維持することが可能となっている。図87に示すように、本実施形態では、押し順リプレイのうちの転落リプレイの当選確率が上記第1の実施形態と異なり、通常遊技状態や第1RT状態においても転落リプレイに当選し得る構成としている。この場合、RT状態処理(図21)では、通常遊技状態にて移行出目が停止した場合だけでなく、通常遊技状態にて第2再遊技入賞が成立した場合にも第1RT状態に移行させ、また、第1RT状態にて第2再遊技入賞が成立した場合には、第1RT状態に再設定する構成とするとよい。そして、本実施形態では、当該第2再遊技入賞が成立することで、第1RT状態への移行が生じるとともに、有利区間中であれば通常区間への移行が生じるようにしている。つまり、本実施形態では、転落リプレイ当選ゲームにおいて、第2再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されると有利区間から通常区間への移行が生じる一方、第2再遊技入賞に対応しない操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されると有利区間から通常区間への移行が生じない。
<保留表示用処理>
次に、本実施形態における保留表示用処理を、図93のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4001ではATコマンドを受信しているか否かを判定する。ATコマンドを受信している場合、すなわち、有利区間中である場合には、ステップS4002にて受信したATコマンドに含まれるATカウンタCの値を把握する処理を行い、ステップS4003にて当該把握したATカウンタCを対応する記憶エリアに記憶させる処理を行う。そして、ステップS4004にて今回取得したATカウンタCが通常区間での当選範囲内として特定範囲内の値であるか否かを判定する。すなわち、現状が有利区間ではあるものの、仮に通常区間であって第1特定役にてATモード移行抽選を受けることができればATモード移行当選となる値(0〜56)であるか否かを判定する。特定範囲内である場合、ステップS4005にて各種カウンタエリア183bに設けられた特定範囲カウンタTCに、今回のATカウンタCを記憶する記憶エリアに対応する数(基本的には第10記憶エリアに対応する10)を入力する処理を実行してから、本保留表示用処理を終了する。特定範囲カウンタTCは、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタCのうち特定範囲に含まれるATカウンタCが記憶されているエリアを、表示制御装置81側のCPU181が把握するためのカウンタである。
ステップS4001にてATコマンドを受信していない場合や、ステップS4004にて今回取得したATカウンタCが特定範囲内ではない場合には、そのまま本保留表示用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、通常区間において第1特定役にてATモード移行抽選を受けることができればATモード移行当選となるようなATカウンタCが取得された場合、そのATカウンタCが記憶されている記憶エリアの位置を、特定範囲カウンタTCとして表示制御装置81が把握する。
<保留シフト用処理>
本実施形態における保留シフト用処理では、図94のフローチャートに示すように、先ず、ステップS4101にてシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS4102にて、上記の特定範囲カウンタTCが0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合、ステップS4103にて特定範囲カウンタTCを1減算する処理を行う。
ステップS4102にて否定判定した場合、又はステップS4103の処理を実行した後は、ステップS4104に進む。ステップS4104では、実行用表示領域Dpに対応する実行エリアに記憶されているATカウンタCの情報と保留表示としての特別画像用の画像データとをクリアする処理を行う。そしてステップS4105にて、第1単位保留表示領域Dr1に対応する第1記憶エリアに記憶されているATカウンタCの情報と保留表示として特別画像用の画像データを、上記の実行エリアにシフトする。続くステップS4106では、各単位保留表示領域に表示される保留表示用のデータを下位の記憶エリアへシフトする処理を行う。この場合、第10記憶エリアのデータはクリアされ、第10記憶エリアはデータが記憶されていない空き領域となる。
ステップS4107では、特定範囲カウンタTCが3よりも大きいか否かを判定し、3以下となった場合には、ステップS4108にて特定範囲カウンタTCが0ではないことを条件として、ステップS4109にてATモード中であるか否かを判定する。そして、今回のシフト処理によって特定範囲カウンタTCが特定数(3)以下となり、それがATモード中ではない場合には、ステップS4110にて特定報知フラグをセットする処理を実行してから、本保留シフト用処理を終了する。ステップS4108にて特定範囲カウンタTCが0である場合には、ステップS4111にて特定報知フラグをクリアする処理を行ってから、本保留シフト用処理を終了する。なお、ステップS4111にて特定報知フラグがセットされていなければ、その状態を維持する。
ステップS4101にてシフト時コマンドを受信していない場合の他、上記ステップS4107にて特定範囲カウンタが特定数より大きい場合や、ステップS4109にてATモード中ではない場合は、特定報知フラグをセットすることなく、そのまま本保留シフト用処理を終了する。
<押し順報知用処理>
本実施形態における押し順報知用処理は、特に転落リプレイ当選時の処理が、上記第1の実施形態のものと異なっている。
すなわち、図95のフローチャートに示すように、先ず、ステップS4201にて今回のゲームの抽選結果が第1昇格リプレイであるか否かを判定し、第1昇格リプレイである場合には、ステップS4202にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合には、ステップS4203にて第3再遊技用の押し順報知演出を行うための処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドを受信していない場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。すなわち、ステップS4201〜ステップS4203の処理は、押し順報知コマンドを受信しているか否かの判定を先に行うか否かの違いはあれど、処理の内容としては、上記ステップS1901〜ステップS1903の処理と同様である。
ステップS4201にて第1昇格リプレイではないと判定した場合、ステップS4204にて、今回のゲームの抽選結果が転落リプレイであるか否かを判定する。転落リプレイである場合、ステップS4205にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップS4206にて第1再遊技用の押し順報知演出を行うための処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。
ステップS4205にて押し順報知コマンドを受信していない場合とは、ATモード中ではない状況や、ATモード移行抽選に当選していない状況であり、この場合、ステップS4207にて、上記の特定報知フラグがセットされているか否かを判定する。特定報知フラグがセットされていなければ、そのまま本押し順報知用処理を終了する。特定報知フラグがセットされている場合とは、上記のように、事前取得されているATカウンタCに、通常区間にて第1特定役であればATモード移行当選となる特定範囲内の値のATカウンタCが含まれている場合であって、3ゲーム以内にそのATカウンタCがATモード移行抽選に利用される場合である。この場合、ステップS4208にて第2再遊技入賞を成立させて有利区間を終了させることを可能とする特定報知を、補助表示部65にて行うための処理を実行する。
特定報知としては、図96(a)に示すように、補助表示部65において第2再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、その操作順序にて操作を行って有利区間を終了させたうえで第1特定役にてATモード移行抽選を受けることができればATモード移行当選となることを示唆するように、例えば、当該第2再遊技入賞に対応する操作順序を指し示しながら「通常役モード」と表示する。なお、図23(b)に示すように、本スロットマシン10では、転落リプレイ1〜3当選時において、最初に停止操作するストップスイッチ42〜44によって、第1再遊技入賞が成立するか、第2再遊技入賞が成立するか、が異なっており、例えば、転落リプレイ1では左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には第1再遊技入賞が成立し、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には第2再遊技入賞が成立する構成としている。そのため、上記特定報知として、転落リプレイ当選時の第2再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合、最初に停止操作すべきストップスイッチ42〜44の報知だけで足りる。また、最初に停止操作すべきストップスイッチ42〜44のうち、第2再遊技入賞に対応するものは、3通りのうち2通りのものが対応しており、本実施形態では、そのうち1通りのストップスイッチ42〜44を報知する構成としている。すなわち、例えば、転落リプレイ1当選時における特定報知として、中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44のうちの、中ストップスイッチ43を第2再遊技入賞に対応するストップスイッチ42〜44として報知する。
更に、本実施形態では、特定報知を行う場合、転落リプレイ当選時に第2再遊技入賞を成立させない操作順序の報知も行う。すなわち、図96(a)では、補助表示部65において第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、その操作順序にて操作を行った場合に第2特定役にてATモード移行抽選を受けた場合に有利となることが把握可能なように、例えば、当該第1再遊技入賞に対応する操作順序を指し示しながら「レア役モード」と表示する。より具体的には、転落リプレイ1当選時において、第1再遊技入賞に対応する左ストップスイッチ42の報知を行う。
ステップS4208にて特定報知を実行した後は、ステップS4209にて第2再遊技用の押し順報知を行うとともに、ステップS4206にて第1再遊技用の押し順報知を行うための処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。なお、ステップS4209及びステップS4206の処理は、特定報知のうちの第2再遊技入賞を可能とする押し順報知と、第1再遊技入賞を可能とする押し順報知とを行うための処理に含まれる。
ステップS4204にて転落リプレイ当選ではないと判定した場合、ステップS4210〜ステップS4224にて、上記ステップS1906〜ステップS1916と同様の処理を行う。なお、上記のとおり、本実施形態では、押し順報知用処理の最初に押し順報知コマンドの受信の有無を判定していない関係上、各種押し順役当選であると判定する処理の後に、押し順報知コマンドを受信しているか否かの判定処理(ステップS4211、ステップS4214、ステップS4218、ステップS4223)が追加されている。これは、押し順報知コマンドを受信している場合に対応する押し順報知演出を行う一方、押し順報知コマンドを受信していない場合には押し順報知演出を行わないようにするためであり、基本的な処理の内容は、上記第1の実施形態のものと同じである。
図96(a)に示すように、転落リプレイ当選時に特定報知が補助表示部65にて行われることで、有利区間から通常区間に移行させることを可能とする操作態様の報知とともに、有利区間を維持する操作態様の報知も行う構成としていることから、転落リプレイ当選時に、有利区間を終了させるか維持するかを遊技者が選択可能となる。この場合、図96(c)に示すように、第1再遊技入賞を成立させると、有利区間は終了せずに継続することとなり、その後、第2特定役に当選した場合には比較的高確率でATモード移行抽選に当選する。その一方で、第2再遊技入賞を成立させると、有利区間は終了することとなり、その後、第1特定役に当選した場合には比較的高確率でATモード移行抽選に当選する。
既に説明した通り、第1特定役は、通常リプレイ、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、不問ベル、押し順ベルの総称であり、これらの第1特定役に当選した場合には、通常区間においてはATカウンタCが「0」〜「56」の特定範囲内であればATモード移行抽選に当選する。
そうすると、上記のように、事前取得されているATカウンタCとして特定範囲内に含まれるATカウンタCがある場合に、有利区間から通常区間に移行させ、その特定範囲内であるATカウンタCにてATモード移行抽選が行われるゲームにて、第1特定役に当選させることに成功すればATモード移行抽選に当選させることが可能となる。この場合、図88(a)に示すように、第1特定役当選となる確率は約2.27分の1であることから、当該特定範囲内であるATカウンタCが通常区間にてATモード移行抽選が行われた場合の当選率は約2.27分の1であり、比較的高確率でATモード移行抽選に当選する。
但し、当該特定範囲内のATカウンタCにて第1特定役に当選しなければATモード移行抽選に当選とならないし、第1特定役当選が通常区間ではなく有利区間であると、ATカウンタCが特定範囲内であってもATモード移行抽選に当選とならない場合もある。
例えば、有利区間においては、第1特定役に含まれる強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルの総称である第2特定役に当選した場合であって、ATカウンタCが「0」〜「4098」(CZモードであれば、「0」〜「8264」)であればATモード移行抽選に当選し得るものの、ATカウンタCがこの範囲内であっても、通常リプレイや不問ベル、押し順ベル当選である場合にはATモード移行抽選に当選とならない(移行抽選が行われない)。
そこで、本実施形態では、有利区間におけるATモード移行抽選に当選前に、特定範囲内のATカウンタCが事前取得されている場合には、当該特定範囲内のATカウンタCに対応するゲームにて第1特定役当選を目指す遊技性と、そうではなく有利区間中に第2特定役当選を目指す遊技性とを、遊技者が選択可能となるように特定報知の報知態様を設定している。このようにすることで、遊技者が自らの意志によってATモード移行抽選の内容を選択するといった斬新な遊技を実現することが可能となる。
ちなみに、特定報知が行われる場合とは、転落リプレイ当選であって且つ押し順報知コマンドを受信していない場合である。そのため、当該状況においては、図96(b)に示すように、主制御装置101側の押し順報知も行われない。つまり、押し順報知や特定報知が行われないことによって、第2再遊技入賞が成立し、有利区間が終了する場合もある。
上記のように、事前取得されているATカウンタCに特定範囲内のものが含まれていても、転落リプレイ当選を待って特定報知を行う構成としている。つまり、ATカウンタCとして特定範囲内のものが含まれていても、転落リプレイに当選しなければ特定報知は行われない。このようにすることで、有利区間を通常区間に移行させることができない状況にまで特定報知が行われることにより煩わしさを軽減することができる。
また、事前取得されているATカウンタCに特定範囲内のものが含まれており、第2再遊技入賞によって有利区間から通常区間に移行させたとしても、有利区間移行抽選は各ゲームで当選し得る全ての結果にて行われるとともに、その有利区間移行抽選の当選確率も本スロットマシン10では100%となるように設定されている(図35)。つまり、有利区間から通常区間に移行させても、比較的早期に有利区間に復帰することとなる。そうすると、上記のように事前取得されているATカウンタCに特定範囲内のものが含まれており、第2再遊技入賞によって有利区間から通常区間に移行させた場合、当該特定範囲内のATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるよりも以前のゲームでは外れ結果となり、且つ当該特定範囲内のATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるゲームでは第1特定役に当選となることでATモード移行当選となることとなる。
この場合、通常区間中の特定範囲内のATカウンタCを用いたATモード移行抽選において1ゲーム単位でのATモード移行当選となる確率は上記のように約2.27分の1であって非常に高確率であるものの、例えば、その前のゲームで外れ結果(第1RT状態では約3.25分の1〜約3.27分の1)となったうえで、次のゲームで第1特定役当選となる確率は約7.38分の1〜約7.42分の1となり、1ゲーム当たりのものよりも低い確率となる。更に、2回連続で外れ結果となったうえで第1特定役当選となる確率は約24.0分の1〜約24.3分の1であり、3回連続で外れ結果となったうえで第1特定役当選となる確率は約78.0分の1〜約79.5分の1であり、4回連続で外れ結果となったうえで第1特定役当選となる確率は約253分の1〜約260分の1である。つまり、抽選用情報記憶エリア106fに特定範囲内のATカウンタCが記憶されていることに基づいて通常区間へ移行させた場合であっても、常に約2.27分の1の確率でATモード移行抽選に当選となるわけではない。そして、通常区間において3回連続で外れ結果となったうえで第1特定役当選となる確率は有利区間において第2特定役に当選となってATモード移行抽選に当選となる確率(約199分の1)よりも高いものの、通常区間において4回連続で外れ結果となったうえで第1特定役当選となる確率は有利区間において第2特定役に当選となってATモード移行抽選に当選となる確率よりも低い。
例えば、図97(a)に示すように、第9記憶エリアRE9に記憶されているATカウンタCが特定範囲内の値である場合、仮に今回のゲームで転落リプレイ当選となって第2再遊技入賞を成立させた場合、次のゲーム(第1記憶エリアRE1)から8ゲーム後までのゲームにて連続して外れ結果となる確率は第1RT状態では約12400分の1であり、そのうえで9ゲーム後に第1特定役となる確率は約28300分の1である。
そこで、本実施形態では、単に抽選用情報記憶エリア106fに特定範囲内のATカウンタCが記憶されたからといってすぐに特定報知が行われるのではなく、特定範囲内のATカウンタCが記憶されている記憶エリアが特定ゲーム数以内(3ゲーム以内)のものとなった場合に特定報知が行われるようにしている。つまり、上記図97(a)の場合には、特定報知は行われず、第1再遊技入賞が成立し得る。
これに対して、図97(b)に示すように、特定範囲内のATカウンタCが特定ゲーム数以内にはATモード移行抽選の対処となる場合に転落リプレイ当選となると、特定報知が行われ、第2再遊技入賞が成立して有利区間から通常区間へ移行し得る。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
有利区間中において、通常区間にてATモード移行抽選を受ければ高確率でATモード移行当選となる特定範囲内のATカウンタCが取得された場合、有利区間から通常区間へ移行させることを可能とする特定報知が行われ得るようにした。これにより、ATモード移行抽選の当選確率が通常区間よりも有利区間の方が高い、といった前提のもと、一旦、通常区間への移行を生じさせることでATモード移行抽選に当選し易くなる、といった斬新な遊技性が実現される。
この場合、特定範囲内のATカウンタCが取得されたからといって、即、通常区間への移行を可能とするのではなく、転落リプレイに当選して第2再遊技入賞が成立することでその移行が可能となる構成としたため、上記遊技の難易度が向上し、遊技の面白みを増加させることができる。
但し、上記のように転落リプレイ当選時の第2再遊技入賞を通常区間への契機とすることで、特定範囲内のATカウンタCが取得されていないのにもかかわらず、通常区間への移行が生じてしまう可能性がある。その点、本実施形態では、ATモード中であれば、押し順報知演出等によって第2再遊技入賞を回避することを可能としている。これにより、せっかくのATモードが、第2再遊技入賞によってRT状態が転落するだけでなく、有利区間も終了して当該ATモードが終了してしまう、といった事象を生じにくくすることができる。これに対して、ATモード中ではなければ、特定範囲内のATカウンタCが取得されていなければ、転落リプレイ当選時の操作順序が第2再遊技入賞に合致したものであれば有利区間は終了し、合致したものでなければ有利区間は継続する、といったように、有利区間の継続の有無をランダムなものとした。これは、通常区間において有利区間移行抽選が、全小役で行われることや、その当選確率が高確率(100%)であることを前提としており、このような構成だからこそ、仮に有利区間が意図せず終了したからといって、直ぐに再度有利区間へ移行するのであるから、遊技者が被る不利益は少ない(ない)であろうという考えによるものである。
更に、本実施形態では、特定範囲内のATカウンタCが取得されている状況で転落リプレイに当選しても、特定範囲カウンタTCが3よりも大きければ特定報知が発生しない構成とした。これは、上記のように有利区間への移行抽選を高めることで、通常区間へ一旦転落させることのデメリットを少なくすることが可能であるものの、通常区間へ移行させたのにも関わらず、特定範囲内のATカウンタCがATモード移行抽選の対象となるよりも前に有利区間への移行が生じると、当該行為が無意味なものとなり得るからである。そして、その境界としての特定範囲カウンタTC=3は、有利区間を維持した場合にATモード移行当選となる確率と、通常区間へ移行させた場合に有利区間に復帰することなく第1特定役にてATモード移行抽選を受けることができる確率と、を考慮したものであり、有利区間を維持したほうが良い状況であれば、特定範囲内のATカウンタCが取得されている状況で転落リプレイ当選となっても特定報知が行われないようにしている。このようにすることで、特定報知に従って通常区間へ移行させた場合のATモード移行当選となる期待度を好適に高めることが可能となる。
通常区間において、特定範囲内のATカウンタCにてATモード移行抽選が行われた場合にATモード移行当選となる第1特定役として、複数の抽選結果を設定したことで、当該特定範囲内のATカウンタCを用いてATモード移行抽選が行われる場合にATモード移行当選となる場合を多くすることができる。
特に第1特定役については、ゲームの抽選結果として当選し易い構成とし、且つ特定範囲を狭く(対応するATカウンタCの個数を少なく)したことから、特定範囲内のATカウンタCが取得されている場合に当該ATカウンタCがATモード移行抽選に供与される確率を高めながらも、当該第1特定役当選時のATモード移行抽選の当選確率自体を低くすることが可能となる。
また、第1特定役として、各遊技状態によって当選確率が変化しない結果を設定していることから、有利区間から通常区間に移行させた場合の状態に関わらず、特定範囲内のATカウンタCを用いたATモード移行抽選の当選確率を共通なものとすることができる。これにより、移行時の状態を加味した特定報知を行うといった構成の煩雑化を招くことがないし、遊技のわかり易さも向上する。
しかも、第1特定役であれば、通常リプレイや押し順ベルといった高確率で当選する高確率結果や、強チェリーや弱チェリーといった低確率で当選する低確率結果のいずれであっても、特定範囲内のATカウンタCを用いたATモード移行抽選に当選し得る構成としたため、遊技のわかり易さが向上するし、上記の高確率でATモード移行当選させる遊技性を好適に実現することができる。
<変形例1>
本変形例では、有利区間中に第2特定役当選となった場合にATモード移行当選となるATカウンタCの存在を考慮する。図98は、本変形例における保留表示用処理を示すフローチャートである。
ステップS4301にてATコマンドを受信している場合、ステップS4302にてATカウンタCの値を把握し、ステップS4303にて当該ATカウンタCの値に対応する情報を対応する記憶エリア(第10記憶エリア)に記憶する処理を行う。そして、ステップS4304では、今回取得したATカウンタCの情報が、有利区間中に第2特定役を契機とするATモード移行抽選であれば当選となる値の範囲内であるか否かを判定する。すなわち、上記のように、有利区間中においてはATカウンタCが「0」〜「4098」(CZモードであれば、「0」〜「8264」)である場合に第2特定役にてATモード移行抽選が行われればATモード移行当選となり、ステップS4304では、上記の「0」〜「4098」を第2特定範囲とし、今回取得したATカウンタCが第2特定範囲内のものであるか否かの判定を行う。第2特定範囲内のものである場合、ステップS4305にて、各種カウンタエリア183bに設けられた第2特定範囲カウンタTC2に、今回ATカウンタCを記憶させた記憶エリアに対応する数(10)を入力する処理を行う。第2特定範囲カウンタTC2は、上記の特定範囲カウンタTCに対応するものであり、第2特定役であればATモード移行当選となるATカウンタCが記憶されている記憶エリアの位置をCPU181が把握するためのカウンタである。なお、本変形例では、上記の第1特定役用の特定範囲カウンタTCを上記第2特定範囲カウンタTC2との関係上、第1特定範囲カウンタTC1と称する。
ステップS4304にて否定判定した場合や、ステップS4305の処理を実行した後は、ステップS4306にて、今回取得したATカウンタCが第1特定範囲(「0」〜「56」)であるか否かを判定し、第1特定範囲内である場合には、ステップS4307にて第1特定範囲カウンタTC1に10を入力する処理を実行してから、本保留表示用処理を終了する。ステップS4306及びステップS4307の処理は、上記ステップS4004及びステップS4005の処理と同様の処理である。ステップS4301にてATコマンドを受信していない場合や、ステップS4302にて第1特定範囲内ではないと判定した場合、そのまま保留表示用処理を終了する。
本変形例における保留シフト用処理では、図99に示すように、ステップS4401にてシフト時コマンドを受信している場合、ステップS4402にて、第1特定範囲カウンタTC1が0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合には、ステップS4403にて第1特定範囲カウンタTC1を1減算する処理を行う。ステップS4402及びステップS4403の処理は、上記ステップS4102及びステップS4103の処理と同様である。
ステップS4402にて否定判定した場合や、ステップS4403の処理を実行した後は、ステップS4404に進み、第2特定範囲カウンタTC2が0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合には、ステップS4405にて第2特定範囲カウンタTC2を1減算する処理を行う。ステップS4404及びステップS4405の処理は、上記ステップS4402及びステップS4403の処理に対応する処理である。
ステップS4404にて否定判定した場合や、ステップS4405の処理を実行した後は、ステップS4406〜ステップS4408にて保留情報(ATカウンタCの情報)をシフトするための処理を行う。これらの処理は、上記ステップS4104〜ステップS4106等の処理と同様である。
続くステップS4409では、第1特定範囲カウンタTC1が3よりも大きいか否かを判定する。3以下である場合、ステップS4410にて第1特定範囲カウンタTC1が0ではないことを条件として、ステップS4411にてATモード中であるか否かの判定を行う。ATモード中ではない場合、ステップS4412にて第1特定報知フラグをセットする処理を実行する。第1特定報知フラグは、上記の特定報知フラグに対応するものである。ステップS4409にて第1特定範囲カウンタTC1が3よりも大きい場合、ステップS4410にて第1特定範囲カウンタTC1が0である場合、又はステップS4411にてATモード中である場合は、ステップS4413にて第1特定報知フラグをクリアする処理を実行する。なお、ステップS4413にて第1特定報知フラグがセットされていなければ、その状態を維持する。
ステップS4412又はステップS4413の処理を実行した後は、ステップS4414に進む。ステップS4414では、上記の第2特定範囲カウンタTC2が、第1特定範囲カウンタTC1よりも小さく、且つ0よりも大きいか否かを判定する。すなわち、ステップS4414では、抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている各ATカウンタCのうち、第1特定範囲に含まれるATカウンタCよりも前にATモード移行抽選の対象となるATカウンタCとして第2特定範囲に含まれるものがあるか否かを判定する(図101(b))。ステップS4414にて肯定判定した場合、ステップS4415にてATモード中であるか否かを判定し、ATモード中ではない場合には、ステップS4416にて各種フラグ格納エリア183aに第2特定報知フラグをセットする処理を実行してから、本保留シフト用処理を終了する。ステップS4414にて第2特定範囲カウンタTC2が0である場合や、第2特定範囲カウンタTC2が0よりも大きくても第1特定範囲カウンタTC1よりも大きい場合、又はステップS4415にてATモード中である場合には、ステップS4417に第2特定報知フラグをクリアする処理を実行してから、本保留シフト用処理を終了する。なお、ステップS4417にて第2特定報知フラグがセットされていなければ、その状態を維持する。
本変形例における押し順報知用処理では、ステップS4504にて転落リプレイ当選であると判定した場合、ステップS4505にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合には、ステップS4506にて第1再遊技用の押し順報知演出を行ってから、押し順報知用処理を終了する。これらの処理は、上記第2の実施形態のものと同様である。
ステップS4505にて押し順報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS4507にて第1特定報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1特定報知フラグがセットされていなければ、そのまま本押し順報知用処理を終了する。第1特定報知フラグがセットされている場合、ステップS4508にて第2特定報知フラグがセットされているか否かを判定する。第2特定報知フラグがセットされていない場合には、ステップS4509にて第1特定報知を実行する処理を行ってから、ステップS4510にて第2再遊技用の押し順報知を行い、ステップS4506にて第1再遊技用の押し順報知を行ってから、本押し順報知用処理を終了する。なお、第1特定報知は、上記第2の実施形態における特定報知に対応するものである。この場合、第2再遊技入賞を成立させて有利区間を終了させることを可能とする報知を行うとともに、第1再遊技入賞を成立させて有利区間を維持することを可能とする報知を行う。また、第2再遊技入賞を成立させて有利区間を終了させ、第1特定役にてATモード移行抽選を受けるとATモード移行当選となり易いことを示唆する報知を行う。
ステップS4508にて第2特定報知フラグがセットされている場合、ステップS4511にて、有利区間中に第2特定役にてATモード移行抽選を受けることができればATモード移行当選となり易いことを示唆する第2特定報知が補助表示部65等にて行われるようにするための処理を実行する。第2特定報知としては、例えば、図101(a)に示すように、第1再遊技入賞を成立させるための操作順序に対応する位置に、第1特定報知であれば「レア役モード」と表示されるところを、所定のキャラクタとともに、「レア役当選でいつもよりもチャンスだぜ!」と表示し、第2特定役に当選すれば、有利区間中の通常時よりもATモード移行抽選に当選し易いことを示唆するとよい。
ステップS4511にて第2特定報知用の処理を実行した後は、ステップS4509にて第1特定報知用の処理を行う。なお、この場合、上記のように第2特定報知と重複する部分については第2特定報知が優先されるように第1特定報知の内容を調整する。そして、ステップS4510及びステップS4506にて第1再遊技及び第2再遊技用の押し順報知演出を行うための処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。ステップS4501〜ステップS4503、ステップS4512〜ステップS4525の処理は、上記ステップS4201〜ステップS4203、ステップS4210〜ステップS4223の処理と同様である。
以上のように、本変形例では、特定報知を行う場合、有利区間を維持した方がよい場合も考慮して、第2特定報知が行われる場合があるようにしたため、遊技者の選択の幅が広まり、遊技の面白みを増加させることができる。
特に、上記のように第2特定報知が行われる場面を特定報知が行われるゲームに限定し、更に、ATカウンタCが第2特定範囲内である場合に第2特定報知を行う構成としたことで、第2特定報知が行われることがかえって煩わしいものとして捉えられてしまうことを回避することができる。すなわち、有利区間であれば、基本的には通常区間よりも有利なATモード移行抽選が受けられるからであり、上記のように、有利区間から通常区間への移行を生じさせるか否かの選択が迫られる場面において、現状のATカウンタCの事前把握によってATモード移行当選となる可能性が高い場合にだけ、第2特定報知を行う構成とすることで、より第2特定報知の実効性を高めることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、有利区間の終了条件を変更する。図102は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS4612にて第2再遊技入賞が成立したと判定した後の処理が異なっており、ステップS4613にて、第2再遊技入賞が、終了用の図柄によって成立したか否かを判定する。
図103(b)に示すように、本変形例では、第2再遊技入賞に対応付けられた停止図柄として、左リール32Lの「黒BAR」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ラインに停止する第1の停止図柄と、左リール32Lの「青年」図柄又は「スイカ」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄とが有効ラインに停止する第2の停止図柄と、左リール32Lの「青年」図柄又は「スイカ」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ラインに停止する第3の停止図柄と、が設定されている。このうち、第1の停止図柄及び第2の停止図柄にて第2再遊技入賞が成立した場合には、第1RT状態への移行が生じるものの有利区間は終了せず、第3の停止図柄にて第2再遊技入賞が成立した場合には、第1RT状態への移行と有利区間の終了とが生じるように設定されている。
なお、転落リプレイ当選時において、第2再遊技入賞に対応付けられている操作順序にてストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合であっても、上記の第1の停止図柄〜第3の停止図柄のいずれも停止させることができない場合は、第1再遊技入賞が成立するように設定されている。
すなわち、上記ステップS4613では、第1の停止図柄〜第3の停止図柄のうち、第3の停止図柄にて第2再遊技入賞が成立した場合に、終了用の図柄によって第2再遊技入賞が成立したとして、肯定判定する。ステップS4613にて肯定判定した場合、ステップS4607に進み、有利区間の終了用の処理を行う。これに対して、ステップS4613にて否定判定した場合、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、第2再遊技入賞が成立しても、有利区間は継続(維持)される。そのため、転落リプレイ当選時であって、第2再遊技入賞が成立した場合において、上記の第3の停止図柄を停止させることができれば有利区間が終了し、第3の停止図柄を停止させることができなければ(第1の停止図柄又は第2の停止図柄を停止させることができれば)有利区間が継続(維持)される。
本変形例における転落リプレイ当選時の演出用の処理について、図103(a)のフローチャートを参照しながら説明する。図103(a)は、転落リプレイ当選時の演出用の処理のうち、第1停止OFF時演出設定処理を示すフローチャートである。本第1停止OFF時演出設定処理は、表示制御装置81における各停止操作時演出設定処理(図51)のうち、転落リプレイ当選時の第1停止OFF操作に基づく停止OFF時演出を行う場合に実施される処理である(ステップS2108)。
ステップS4701では、今回停止させた第1停止リールの停止図柄が、第2再遊技入賞に対応するものであるか否かを判定する。ここで、第1停止リールが左リール32Lである場合、上記のように、第1の停止図柄を構成する「黒BAR」図柄、第2の停止図柄及び第3の停止図柄を構成する「青年」図柄及び「スイカ」図柄が、第2再遊技入賞に対応する図柄である。これに対して、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1再遊技入賞に対応する図柄である。すなわち、第1停止リールが左リール32Lである場合には、転落リプレイのうち、第1再遊技入賞に対応する図柄か、第2再遊技入賞に対応する図柄かを、明確に区別することができる。また、第1停止リールが右リール32Rである場合、第1の停止図柄及び第3の停止図柄を構成する「スイカ」図柄と、第2の停止図柄を構成する「黒BAR」図柄が、第2再遊技入賞に対応する図柄である。これに対して、「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄及び「青年」図柄が、第1再遊技入賞に対応する図柄である。すなわち、第1停止リールが右リール32Rである場合にも、転落リプレイのうち、第1再遊技入賞に対応する図柄か、第2再遊技入賞に対応する図柄かを、明確に区別することができる。
一方、第1停止リールが中リール32Mである場合、第1の停止図柄〜第3の停止図柄を構成する「第1リプレイ」図柄及び「第2リプレイ」図柄が、第2再遊技入賞に対応する図柄であり、これら「第1リプレイ」図柄及び「第2リプレイ」図柄は、第1再遊技入賞に対応する図柄でもある。すなわち、第1停止リールが中リール32Mである場合には、転落リプレイのうち、第1再遊技入賞に対応する図柄か、第2再遊技入賞に対応する図柄かを、明確に区別することができない。
そのため、ステップS4701では、今回停止させた第1停止リールの停止図柄が、第2再遊技入賞に対応するものであるか否かを判定する場合において、第1停止リールが左リール32L又は右リール32Rである場合には、第2再遊技入賞に対応するものであれば肯定判定する一方、第1再遊技入賞に対応するものであれば否定判定する。ステップS4701にて否定判定した場合には、そのまま本第1停止OFF時演出設定処理を終了する。これに対して、今回停止させた第1停止リールが中リール32Mである場合には、第1再遊技入賞及び第2再遊技入賞の区別なく肯定判定する。
ステップS4701にて肯定判定した場合、ステップS4702にて特定報知(第1特定報知)を実行中であるか否かを判定する。すなわち、転落リプレイ当選時において第2再遊技入賞を成立させることで有利区間を終了させ、特定範囲(第1特定範囲)のATカウンタCにてATモード移行抽選を受けることが可能であることの報知が行われているか否かを判定する。ステップS4702にて否定判定した場合、ステップS4703にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。すなわち、押し順報知演出を行っているか否かを判定する。この場合の押し順報知演出は、第1再遊技用の押し順報知演出である。
ステップS4701にて第2再遊技入賞に対応する図柄が第1リールに停止し、更に、ステップS4702にて特定報知を行っておらず、且つステップS4703にて押し順報知演出を行っている場合とは、ATモード中等、遊技者が操作順序を誤って第2再遊技入賞に対応するもので操作してしまった可能性が高い。そこで、ステップS4703にて肯定判定した場合には、ステップS4704にて、終了図柄回避用報知が補助表示部65にて行われるようにする処理を実行してから、本第1停止OFF時演出設定処理を終了する。
ここで、第1停止リールが左リール32Lである場合、「黒BAR」図柄が停止していると第1の停止図柄による第2再遊技入賞が成立し、第2の停止図柄や第3の停止図柄による第2再遊技入賞は成立しない。また、第1停止リールが左リール32Lである場合において、「青年」図柄又は「スイカ」図柄が停止していても、右リール32Rに「スイカ」図柄が停止しなければ第3の停止図柄による第2再遊技入賞は成立せず、右リール32Rに「黒BAR」図柄を停止させることで第2の停止図柄による第2再遊技入賞を成立させることが可能である。
また、第1停止リールが右リール32Rである場合も、「黒BAR」図柄が停止していると第2の停止図柄による第2再遊技入賞が成立し、第1の停止図柄や第3の停止図柄による第2再遊技入賞は成立しない。また、第1停止リールが右リール32Rである場合において、「スイカ」図柄が停止していても、左リール32Lに「青年」図柄又は「スイカ」図柄が停止しなければ第3の停止図柄による第2再遊技入賞は成立せず、左リール32Lに「黒BAR」図柄を停止させることで第1の停止図柄による第2再遊技入賞を成立させることが可能である。
第1停止リールが中リール32Mである場合は、左右のいずれかのリール32L,32Rに「黒BAR」図柄を停止させれば、第3の停止図柄ではなく、第1の停止図柄又は第2の停止図柄による第2再遊技入賞を成立させることが可能である。
すなわち、第1リールを停止させた段階では、第1の停止図柄〜第3の停止図柄のうちのいずれにて第2再遊技入賞が成立するかが確定しない。
そこで、上記のステップS4704における終了図柄回避用報知では、例えば、図104(a)に示すように、第1停止リールに基づいて、残りのリールで第3の停止図柄にて第2再遊技入賞を成立させないようにするための報知、すなわち、第1の停止図柄又は第2の停止図柄にて入賞を成立させるように、停止させるべき(狙うべき)図柄の報知を行う。図104(a)では、中リール32Mが第1リールとして停止された場合の終了図柄回避用報知を示しており、この場合、左リール32Lに16番〜18番の「黒BAR」図柄、「白BAR」図柄及び「黒BAR」図柄の塊を狙い、右リール32Rに7番〜9番の「黒BAR」図柄、「赤7」図柄及び「黒BAR」図柄の塊を狙って停止操作することで、第1の停止図柄又は第2の停止図柄に対応する「黒BAR」図柄を有効ラインに停止させることが可能となり、仮にそれが停止しなければ、現状のATモードが終了してしまうことを示唆する報知が行われる様子を示している。
そして、当該終了図柄回避用報知に従って、左右いずれかのリール32L,32Rに「黒BAR」図柄を停止させることに成功すると、図104(b1)や図104(b2)に示すように、第1の停止図柄又は第2の停止図柄にて第2再遊技入賞が成立する。この場合、有利区間は終了しない。但し、第2再遊技入賞に基づいてRT状態は第1RT状態へ移行する。その為、ATモード中に第1RT状態へ移行することとなり、その後、第1昇格リプレイ、第2昇格リプレイ当選時の押し順報知によって第3RT状態へ復帰する。
なお、図による詳細な説明は省略するが、第1停止リールが左リール32Lである場合には、図104(a)における右リール32Rに「黒BAR」図柄を停止させるべき旨の報知が終了図柄回避用報知として行われ、第1停止リールが右リール32Rである場合には、図104(a)における左リール32Lに「黒BAR」図柄を停止させるべき旨の報知が終了図柄回避用報知として行われる。
ステップS4702にて特定報知(第1特定報知)を実行中である場合、ステップS4705にて終了図柄停止用報知が補助表示部65にて行われるようにする処理を実行してから、本第1停止OFF時演出設定処理を終了する。
ステップS4705における終了図柄停止用報知では、例えば、図105(a)に示すように、第1停止リールに基づいて、残りのリールで第3の停止図柄にて第2再遊技入賞を成立させるようにするための報知、すなわち、第1の停止図柄又は第2の停止図柄にて入賞を成立させないように、停止させるべき(狙うべき)図柄の報知を行う。図105(a)では、中リール32Mが第1リールとして停止された場合の終了図柄停止用報知を示しており、この場合、左リール32Lに「LUCKY」図柄を狙い、右リール32Rに「白BAR」図柄を狙って停止操作することで、第3の停止図柄に対応する図柄(左リール32Lでは「青年」図柄又は「スイカ」図柄、右リール32Rでは「スイカ」図柄)を有効ラインに停止させることが可能となり、仮にそれを停止させることが可能であれば、現状の有利区間を終了して通常区間へ移行すること、すなわち、特定範囲内のATカウンタCでのATモード移行抽選を通常区間にて受けることが可能であることを示唆する報知が行われる様子を示している。
そして、当該終了図柄停止用報知に従って、左右のリール32L,32Rに第3の停止図柄に対応する図柄を停止させることに成功すると、図105(b)に示すように、第3の停止図柄にて第2再遊技入賞が成立する。この場合、有利区間は終了し、更にRT状態は第1RT状態へ移行する。
なお、図による詳細な説明は省略するが、第1停止リールが左リール32Lである場合には、図105(a)における右リール32Rに「白BAR」図柄を狙って停止操作すべき旨の報知が終了図柄停止用報知として行われ、第1停止リールが右リール32Rである場合には、図105(a)における左リール32Lに「LUCKY」図柄を狙って停止操作すべき旨の報知が終了図柄停止用報知として行われる。
このように、第2再遊技入賞にて有利区間を終了させることが可能な構成において、第2再遊技入賞が第1の停止図柄にて成立した場合と第2の停止図柄にて成立した場合には、有利区間を終了させないようにし、第3の停止図柄にて成立した場合には有利区間を終了させるようにした。そのため、遊技者が誤って有利区間を終了させてしまうことを回避し、ATカウンタCが特定範囲内である場合に有利区間から通常区間への移行させることで有利なATモード移行抽選を受けることが可能となる構成が、かえって遊技者の不利益の発生を助長してしまうことを好適に回避することが可能となる。
また、上記のようにすることで、ATカウンタCが特定範囲内である場合に有利区間から通常区間への移行させることで有利なATモード移行抽選を受けるためには、第1の停止図柄〜第3の停止図柄のうち、第3の停止図柄にて第2再遊技入賞を成立させる必要があるため、当該遊技の難易度が高くなり、遊技の面白みを増大化することが可能となる。
ここで、第1の停止図柄〜第3の停止図柄のうち、有利区間が終了しない第1の停止図柄と第2の停止図柄には、左右のリール32L,32Rにおいて「黒BAR」図柄が対応付けられており、有利区間が終了する第3の停止図柄には、左右のリール32L,32Rにおいて「黒BAR」図柄が対応付けられていない。そのため、左右いずれかのリール32L,32Rの有効ラインに「黒BAR」図柄を停止させることに成功すれば有利区間を終了させないようにすることができ、左右いずれのリール32L,32Rにも有効ラインに「黒BAR」図柄を停止させないようにすることに成功すれば有利区間を終了させることが可能となる。この場合、「黒BAR」図柄は、左右のリール32L,32Rにおいてそれぞれ2つずつ配置されており、1つの図柄を挟んで塊として配置されている。そのため、当該「黒BAR」図柄は左右のリール32L,32Rにおいて塊として視認し易く、「黒BAR」図柄を狙って操作するうえで、その操作難易度が比較的低くなる。
これに対して、第1の停止図柄〜第3の停止図柄のうち、有利区間が終了する第3の停止図柄には、左リール32Lには「青年」図柄及び「スイカ」図柄が対応付けられており、右リール32Rには「スイカ」図柄が対応付けられている。この場合、「青年」図柄や「スイカ」図柄を直接視認できない遊技者は、比較的サイズが大きい図柄である左リール32Lの「LUCKY」図柄や、右リール32Rの「白BAR」図柄を目安に対応する図柄を狙うことが想定される。ところが、これら比較的サイズが大きい図柄であっても、上記の左右の「黒BAR」図柄の塊よりも視認性は低く、左リール32Lの「LUCKY」図柄や、右リール32Rの「白BAR」図柄を狙って操作するうえで、その操作難易度が比較的高くなる。
このようにすることで、遊技者が誤って有利区間を終了させないようにするとともに、有利区間をあえて終了させる遊技の面白みを好適に高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、特定報知が所定の報知抽選に当選した場合に行われるようにする。図106は、本変形例における保留シフト用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、特定範囲カウンタTCが3以下となり、あと3ゲーム以内で特定範囲内のATカウンタCに基づくATモード移行抽選が行われる状況である場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS4807にて特定範囲カウンタTCが3以下であると判定した場合、ステップS4808にて特定範囲カウンタTCが0ではないことを条件として、ステップS4809にてATモード中ではないことの判定を行う。ATモード中ではない場合、本変形例では、ステップS4810にて特定報知抽選処理を実行する。
特定報知抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから、特定報知抽選テーブルを取得するとともに、有利区間中のゲーム数(主制御装置101側の有利区間ゲーム数AGに相当するゲーム数)と、当選確率の設定処理により設定される設定値の情報を把握し、抽選用のカウンタ等を用いて、特定報知を実行するか否かの抽選を行う。特定報知抽選テーブルは、図107に示すように、有利区間中のゲーム数と、設定値とにより、特定報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。具体的には、概して、高設定ほど特定報知抽選に当選し易くなり、設定1,3,5の奇数設定では、有利区間中のゲーム数が100ゲーム台、300ゲーム台、500ゲーム台、700ゲーム台、900ゲーム台である場合に特定報知抽選に当選し易く、設定2,4では、有利区間中のゲーム数が200ゲーム台、400ゲーム台、600ゲーム台、800ゲーム台である場合に特定報知抽選に当選し易く、設定6では、有利区間中のゲーム数が多くなるほど特定報知抽選に当選し易くなるように設定されている。また、有利区間中のゲーム数が100ゲーム未満では、設定4〜設定6では特定報知抽選に当選し得る一方、設定1〜設定3では当選しないように設定されている。そして、有利区間中のゲーム数が1000ゲームを超えると、特定報知抽選の当選確率が高まり、本変形例では必ず当選するように設定されている。
ステップS4810にて特定報知抽選を行った後は、ステップS4811にて報知抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS4812にて特定報知フラグをセットする処理を実行してから、保留シフト用処理を終了する。報知抽選に当選していない場合には、特定報知フラグをセットすることなく、そのまま保留シフト用処理を終了する。
ステップS4801〜ステップS4809、ステップS4812〜ステップS4813の処理は、上記ステップS4101〜ステップS4111の処理と同様である。
このように、通常区間へ移行させることでATモードへの移行抽選の当選確率が高くなり得る特定報知を利用して、有利区間への移行後のATモード移行抽選に当選し易いチャンスゾーンとして設定することが可能である。そして、有利区間中のゲーム数が多くなるほど特定報知抽選に当選し易くなるように設定したため、当該チャンスゾーンを利用して、なかなかATモードへ移行しないことへの救済とすることが可能となる。
この場合、上記のように特定報知抽選に当選して、特定報知フラグがセットされた場合であっても、特定報知フラグがクリアされるまでに転落リプレイに当選しなければ特定報知は行われないことから、有利区間は継続され得る。言い換えると、特定報知が行われた場合には、有利区間から通常区間への移行が生じ、有利区間中のゲーム数はリセットされる。このようにすることで、特定報知に従って通常区間への移行を生じさせたのであるならば、何としてでもATモード移行抽選に当選となるように、より一層、第1特定役当選を願って遊技を行うようになり、当該ATカウンタCに基づいて有利区間を終了させる遊技の興趣が格段に高められる。
また、特定報知抽選の当選確率を設定値による差を設けたことから、通常区間においてATモード移行抽選の当選率に設定差を設けなくても、有利区間から通常区間への移行を可能とする特定報知の実行率によってATモード移行抽選の当選率を間接的に調節することが可能となる。よって、仮に、通常区間においてはATモード等の指示機能に関する構成に設定差を設けることができないような事情があっても、その事情の範囲内でうまく調節することが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、特定報知を、ATモード中において実行する構成としたうえで、有利区間におけるメダルの増加数が上限増加数(2400枚)近くになると、特定報知が行われ得るようになる。図108は、本変形例における保留シフト用処理を示すフローチャートである。
ステップS4901〜ステップS4906の処理は、上記ステップS4101〜ステップS4106の処理と同様であり、シフト時コマンドを受信したことに基づいて、各記憶エリアのデータのシフトを行うとともに、特定範囲内のATカウンタCの位置情報(特定範囲カウンタTC)の更新処理を行う。
ステップS4107では、特定報知抽選処理を実行する。図109(a)は、本変形例における特定報知抽選処理を示すフローチャートである。
ステップS5001では、主制御装置101側で管理する有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)に相当する値を把握する処理を行う。例えば、主制御装置101側のMY更新処理を行う度に、現状のMYカウンタの値を示すMYコマンドを表示制御装置81へ出力する構成とし、当該表示制御装置81でもMYカウンタの最新情報を把握可能な構成とするとよい。
続くステップS5002では、ステップS5001にて把握した情報に基づいて、MYカウンタが2350以上となっているか否か、すなわち、上限増加数である2400枚まで残り僅か(特定数以下、50枚以下)である状況であるか否かの判定を行う。2350枚未満である場合には、そのまま特定報知抽選処理を終了する。この場合、特定報知抽選は実行されないため、特定報知も行われない。上限増加数まで残り僅かであれば、ステップS5003にて各種フラグ格納エリア183aに抽選済みフラグがセットされているか否かを判定する。抽選済みフラグは、今回の有利区間において特定報知抽選が既に実行されていることをCPU181が特定するためのフラグである。抽選済みフラグがセットされている場合には、そのまま特定報知抽選処理を終了する。
抽選済みフラグがセットされていない場合、ステップS5004にて、主制御装置101側で管理する超過フラグの有無に対応する情報を把握する処理を実行する。既に説明した通り、超過フラグは区間表示第2処理(図44)において残ゲーム数管理処理(ステップS1504)や残枚数管理処理(ステップS1506)にてセットされるフラグであり、現状の有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYと残りATモードゲーム数から、既に強制終了条件が成立することが特定されている状況であることを示すフラグである。より詳しくは、現状の有利区間ゲーム数AGとATモードの残りゲーム数(後乗せ分も含む)との合計が、上限ゲーム数(1500ゲーム)を超過している場合には、残ゲーム数管理処理にて第1超過フラグがセットされ、現状の有利区間増減枚数MYと、ATモードの残りゲーム数(後乗せ分も含む)と各ゲームの平均純増枚数から算出される予定払出枚数との合計が、上限増加数(2400枚)を超過している場合には、残枚数管理処理にて第2超過フラグがセットされる。すなわち、ステップS5004では、主制御装置101側で既に第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況か否かを判定する。なお、主制御装置101側で第1超過フラグや第2超過フラグをセットした際に対応する情報を含むコマンドを表示制御装置81へ出力する構成とし、当該コマンドを特定することで上記の判定を行う構成とするとよい。
そして、ステップS5005にて、各種テーブル記憶エリア182aから特定報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS5006にて特定報知抽選を実行する。特定報知抽選テーブルは、図109(b)に示すように、いずれかの超過フラグがセットされている場合と、いずれの超過フラグもセットされていない場合とで、特定報知抽選の当選確率が異なるとともに、設定値によっても当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、いずれかの超過フラグがセットされている場合には、設定値の高低に関わらず、超過フラグがセットされている場合よりも高確率で特定報知抽選に当選するように設定されており、本変形例では100%の確率で当選するように設定されている。いずれの超過フラグもセットされていない場合には、低設定ほど特定報知抽選に当選しにくく、高設定ほど特定報知抽選に当選し易いように設定されており、例えば、設定1では50%の確率で当選するところ、設定6では100%の確率で当選するように設定されている。
ステップS5006にて特定報知抽選を行った後は、ステップS5007にて当該報知抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS5008にて各種フラグ格納エリア183aに特定報知当選フラグをセットする処理を行う。ステップS5007にて非当選であると判定した場合や、ステップS5008にて特定報知当選フラグをセットした後は、ステップS5009にて抽選済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定報知抽選処理を終了する。
保留シフト用処理において、上記ステップS4907にて特定報知抽選処理を実行した後は、ステップS4908にて特定範囲カウンタTCが3以下であるか否かの判定を行う。3よりも大きい場合には、そのまま保留シフト用処理を終了し、3以下である場合には、ステップS4909にて特定範囲カウンタTCが0であるか否かを判定する。0ではなく、特定範囲カウンタTCが1〜3である場合、ステップS4910にて、ATモード中であるか否かを判定する。本変形例では、ATモード中に特定報知を行う構成であるため、ATモード中ではない場合には、そのまま保留シフト用処理を終了する。ATモード中である場合、ステップS4911にて、上記の特定報知当選フラグがセットされているか否かを判定する。特定報知当選フラグがセットされている場合には、ステップS4912にて特定報知フラグをセットする処理を実行してから、保留シフト用処理を終了する。特定報知当選フラグがセットされていない場合には、特定報知フラグをセットすることなく、そのまま保留シフト用処理を終了する。また、ステップS4909にて特定範囲カウンタTCが0である場合には、ステップS4913にて特定報知フラグの有無を把握し、セットされている場合にはそれをクリアし、セットされていない場合にはその状態を維持する。その後、保留シフト用処理を終了する。
図110は、本変形例における押し順報知用処理を示すフローチャートである。本変形例では、転落リプレイ当選時の処理と、押し順ベル当選時の処理とが、異なっている。
すなわち、ステップS5104にて転落リプレイ当選であると判定した場合、ステップS5105にて特定報知フラグがセットされているか否かを判定する。特定報知フラグがセットされていない場合、ステップS5106にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS5107にて第1再遊技用の押し順報知演出を行ってから、本押し順報知用処理を終了する。ステップS5106にて押し順報知コマンドを受信していない場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。
ステップS5105にて特定報知フラグがセットされている場合、ステップS5108にて特定報知を実行するための処理を行い、ステップS5109にて第2再遊技用の押し順報知、ステップS5107にて第1再遊技用の押し順報知を行うための処理をそれぞれ行ってから、本押し順報知用処理を終了する。この場合、補助表示部65にて、第2再遊技に対応する押し順の報知が行われて、有利区間を終了させることを可能とする報知が行われるとともに、第1再遊技に対応する押し順の報知も行われて、有利区間を継続させることを可能とする報知が行われる。
ステップS5122にて押し順ベル当選であると判定した場合、ステップS5123にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS5123にて特定報知当選フラグがセットされているか否かの判定を行う。セットされていない場合には、ステップS5124にて第1小役(9枚払出小役)に対応する押し順報知演出用の処理を行ってから、本押し順報知用処理を終了する。これに対して、ステップS5123にて特定報知当選フラグがセットされている場合、ステップS5124にて第2小役〜第26小役(3枚払出小役)に対応する押し順報知演出用の処理を行ってから、本押し順報知用処理を終了する。
すなわち、特定報知当選フラグがセットされることにより、押し順ベル当選時にメダル払出数が少ない第2小役〜第26小役用の押し順報知が行われるようになり、更に、特定範囲内のATカウンタCが取得されると特定報知フラグがセットされて、ATモード中において転落リプレイ当選時に特定報知が行われるようになる。なお、押し順報知用処理において、上記説明した処理以外の他の処理については、図100のものと同様であるため、その説明を省略する。
図111(c)に示すように、例えば、ATモード中のMYカウンタが上限付近(2350未満)ではない状況であるt1のタイミングで、特定範囲内のATカウンタCが取得されたとしても、特定報知抽選は行われないので特定報知当選フラグはセットされない。そうすると、特定報知フラグもセットされないため、仮に、特定範囲カウンタTCが1〜3になり、且つ転落リプレイに当選した場合であっても特定報知は行われない。この場合、第1再遊技入賞用の押し順報知演出が発生し、有利区間及びATモードは継続し得る。また、このMYカウンタが上限付近ではない状況では、特定報知当選フラグがセットされていないため、図111(a)に示すように、押し順ベル当選時の押し順報知演出は第1小役に対応するものであり、その押し順報知演出に従ってストップスイッチ42〜44の操作を行うことで、9枚のメダル払出(6枚の増加)を受けることができ、持ちメダルを増やすことが可能である。
t2のタイミングでMYカウンタが上限付近に達すると、特定報知抽選が行われる。当該特定報知抽選に当選した場合、特定報知当選フラグがセットされる。その結果、例えば、t3のタイミングで押し順ベルに当選した場合、図111(b)に示すように、第1小役ではなく第2小役〜第26小役に対応する押し順報知演出が行われるようになる。その結果、当該押し順報知演出に従ってストップスイッチ42〜44の操作を行うと、3枚のメダル払出(0枚の増加)を受けることとなり、メダルの増加スピードが低下し、本変形例では、メダルが増加しないようになる。つまり、MYカウンタが上限付近になると、押し順ベル当選時に上限に達しないようにするための押し順報知が発生することになる。
そして、t4のタイミングよりも若干前に特定範囲内のATカウンタCが取得され、当該ATカウンタCが第3記憶エリアRE3以下のエリアに記憶されている状況となるt4のタイミングで転落リプレイに当選すると、特定報知が発生する。当該特定報知のうち、第2再遊技入賞を成立させる報知に従って操作することで、有利区間は終了し、ATモードも終了する。この場合、有利区間の終了用の処理において、有利区間ゲーム数AGやMYカウンタの初期化処理が行われる。その後、通常区間中であるt5のタイミングで、上記特定範囲内のATカウンタCがATモード移行抽選に用いられる場合に、第1特定役当選となると、ATモード移行抽選に当選となり、有利区間へも再度移行することとなる。
以上のように、有利区間の上限付近で特定報知が行われることにより、有利区間を再セットするチャンスを付与することが可能となり、ATモードの連荘性を実現することができる。しかも、有利区間の上限に達して強制終了されるということは、遊技者としては、まだまだATモードが継続するであろうと目論んでいるであろう最中に強制終了されることとなり、遊技意欲の低下が懸念されるところ、上記のようにその上限付近にてATモードが再セットされ得るようにすることで、当該遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
特に、残りゲーム数が有利区間の上限ゲーム数を超過していたり、上限増加数を超過するであろう場合には、特定報知抽選に当選し易くしたため、上記のような遊技意欲の低下をより好適に抑制することが可能である。
この場合、有利区間の上限付近となった場合であっても、特定範囲内のATカウンタCが取得されることと、そのATカウンタCが取得されている状況で転落リプレイに当選することと、更に通常区間に移行させた場合であっても、当該ATカウンタCがATモード移行抽選に利用されるゲームよりも前に有利区間に移行しないことや、当該ATカウンタCがATモード移行抽選に利用されるゲームにて第1特定役当選する必要があること、といったようにATモードの連荘が発生するためには多くの条件がある。つまり、これらの条件がうまく成立した場合にだけ当該連荘となるようにしているため、ATモードが連荘し過ぎないようにうまく調節することが可能となるし、その各条件を潜り抜ける遊技の面白みを提供することができ、興趣向上を好適に図ることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)RB状態の終了条件が成立したことに基づいて、事前取得されているATカウンタCによるATモード移行抽選を行う構成としたが、所定の終了条件が成立することで終了する状態において、当該所定の終了条件成立に基づいて、事前取得されているATカウンタCによるATモード移行抽選を行う構成であればよい。例えば、BB状態の終了条件が成立したことに基づいてATモード移行抽選を行う構成としてもよく、CB状態やRT状態の終了条件が成立したことに基づいてATモード移行抽選を行う構成としてもよく、BB当選のやRB当選が持ち越されている内部状態の終了条件が成立したことに基づいて(BB入賞、RB入賞が成立したことに基づいて)ATモード移行抽選を行う構成としてもよい。また、所定の終了条件が成立するゲームにてATモード移行抽選を行う構成であればよく、当該ATモード移行抽選を行うタイミングは所定の終了条件が成立するゲームの終了時に限定されない。例えば、今回のゲームの操作態様に関わらず今回のゲームにて上限払出数に達して所定の終了条件が成立する場合や、所定の終了役(パンク役)に当選すると所定の終了条件が成立するような構成において当該所定の終了役に当選したゲームにおいては、当該ゲームの終了を待たずして当該ゲームにて所定の終了条件が成立することが確定し得る。そこで、そのような構成においては、当該所定の終了条件が成立するゲームのいずれかのタイミングにおいてATモード移行抽選が行われるような構成としてもよい。
(2)RB状態の終了条件を110枚のメダル払出が行われることとして規定したが、それよりも少ない枚数であってもよいし、多い枚数であってもよい。また、終了条件はこれに限定されず、例えば、RB状態におけるメダル増加数が特定数(110)に達した場合に成立する構成としてもよいし、メダル減少数が特定数に達した場合に成立する構成としてもよい。また、小役等の入賞が所定回数発生した場合に終了条件が成立する構成としてもよい。更に、上記の各終了条件が成立しなくても、予め定められた上限ゲーム数のRB状態が実行された場合には、当該RB状態を終了する構成としてもよい。これらの場合において、その終了条件の成立するゲームが、RB状態中の各ゲームの遊技結果(抽選結果、ストップスイッチ42〜44の操作態様、入賞結果等)に基づいて前後する構成とするとよい。
(3)RB状態の終了条件を第1RB状態と第2RB状態とで異ならせてもよい。また、RB当選時や入賞時、終了時の遊技状態(通常遊技状態、第1RT状態〜第3RT状態)や表示モード(通常モード、CZモード、ATモード)によって、終了条件が異なる構成としてもよい。
(4)RB終了時のATモード移行抽選において、ATモード移行当選となるように対応付けられたATカウンタCの値が、第1RB状態と第2RB状態とで異なる構成としてもよく、第1RB状態よりも第2RB状態の方が当選し易い又は当選しにくい、といったようにATモード移行当選に対応付けられているATカウンタCの個数が異なる構成としてもよい。また、RB当選時や入賞時、終了時の遊技状態や表示モードによって、RB終了時のATモード移行抽選において、ATモード移行当選となるように対応付けられたATカウンタCの値が異なる構成としてもよい。また、設定値によって、ATモード移行当選となるように対応付けられているATカウンタCの値が異なる構成としてもよい。これらの場合、対応付けられているATカウンタCの値は異なるものの、その当選確率は異ならない又は同程度であるようにATカウンタCを設定してもよい。
(5)RB状態の終了条件を成立させるまでのゲームの内容によって、終了時のATモード移行抽選において、ATモード移行当選となるように対応付けられたATカウンタCの値が異なる構成としてもよい。例えば、RB状態中におけるRB中強チェリーの当選回数に応じてATモード移行当選となるATカウンタCの値が異なる構成としてもよく、この場合、当選回数が多くなるほどATモード移行当選となり易くなるようにATカウンタCの値を設定してもよく、当選回数に応じてATモード移行当選となるATカウンタCの値は異なるもののATモード移行当選となる確率は異ならない又は同程度である構成としてもよい。
(6)RB状態を、移行前の状態よりもメダルの払出が発生し易くなって遊技者にとって有利であることを前提として説明したが、例えば、移行前の状態よりもメダルの払出が発生しにくくなって遊技者にとって不利である状態としてもよい。また、ATモードを、それまでのモードよりも押し順報知が行われることによって持ちメダルの増加が見込めるようになって遊技者にとって有利であることを前提として説明したが、それまでのモードよりも押し順報知が発生しにくくなったり、不利な押し順報知が発生し易くなることによって遊技者にとって不利であるモードとしてもよい。
(7)抽選用情報記憶エリア106fには、RB状態の終了条件を成立させるために必要なゲーム数よりも少ないゲーム数分だけの保留情報(ATカウンタCの情報)を記憶可能な構成としたが、RB状態の終了条件を成立させるために必要なゲーム数よりも多いゲーム数分の保留情報を記憶可能な構成としてもよい。この構成においては、RB終了時のATモード移行抽選が、RB状態移行前に取得されたATカウンタCを利用して行われ得るような構成となる。この場合、RB状態への移行ゲームを遊技者が調節可能なように、RB入賞を成立させたり成立させなかったりする(RB取りこぼしが生じ得る)構成とするとよい。このようにすることで、RB終了時のATモード移行抽選の内容を、事前取得されているATカウンタCと、RB状態への移行ゲームとにより調節する、といった遊技性も実現可能である。
(8)RB終了時に、事前取得されているATカウンタCを利用してATモード移行抽選を行う構成としたが、RB終了時に、事前取得されている乱数の情報を用いて特典を付与するか否かの抽選を行う構成としてもよい。例えば、事前取得されている乱数の情報を用いて、設定示唆演出を発生させるか否かの抽選をRB終了時に行う構成としてもよく、レア画像を表示させるか否かの抽選をRB終了時に行う構成としてもよく、ATモードのゲーム数上乗せ抽選や、上乗せ抽選の当選確率が高くなる特化ゾーンへの移行抽選をRB終了時に行う構成としてもよい。
また、これらの抽選を1つだけ行う構成に限定されず、RB終了時に複数の抽選を行う構成としてもよい。この場合、例えば、第1のゲーム(例えばRB開始後8ゲーム目)にてRB状態を終了させると第1の抽選(例えばATモード移行抽選)に当選となり易い一方、第1の抽選とは異なる第2の抽選(例えば設定示唆演出の発生抽選)に当選となりにくく、第1のゲームとは異なるゲーム(例えばRB開始後9ゲーム目)にてRB状態を終了させると第1の抽選に当選となりにくい一方、第2の抽選に当選となり易い、といったように、各ゲーム用に記憶されているカウンタの値と抽選の内容とによって、終了ゲームを異ならせれば得られる結果が異なる構成としてもよい。
(9)抽選用情報記憶エリア106fに記憶されているATカウンタCに対応する保留表示として、第1特別画像P1〜第3特別画像P3を説明したが、保留表示の態様はこれに限定されず、他の態様であってもよいし、その種類も上記のものに限定されない。また、ATカウンタCと表示される保留表示とを1対1で対応付けられている構成ではなく、一のATカウンタCに対して対応付けられている保留表示を複数設け、複数の保留表示から一の保留表示が選択されて表示され得るように、抽選等を介して表示する保留表示を決定する構成としてもよい。
(10)第2RB状態中の各ゲームでATモード移行抽選の実行が制限される構成としたが、例えば、第2RB状態中の各ゲームの抽選結果によってATモード移行抽選の実行が制限されたり許容されたりする構成としてもよく、第2RB状態中の各ゲームの抽選結果が設定値による当選確率の差があるRB中強チェリーやRB中第1役当選である場合にはATモード移行抽選の実行が制限される一方、設定値による当選確率の差がないRB中第2役やRB中第3役当選である場合にはATモード移行抽選の実行が許容される構成としてもよい。
(11)第2RB状態の終了ゲームではATモード移行抽選を行う一方、それ以前のゲームではATモード移行抽選の実行が制限される構成としたが、終了ゲームよりも前にATモード移行抽選の実行が制限されるゲームが含まれる構成であればよく、例えば、第2RB当選ゲームから入賞ゲームまでの持ち越し状態ではATモード移行抽選の実行が制限される一方、第2RB状態中の各ゲームではATモード移行抽選の実行が許容される構成であってもよい。
(12)第2RB状態中の各ゲームでのストップスイッチ42〜44の操作態様によって、RB終了ゲームが前後し、それによりATモード移行抽選の実行ゲームが異なる構成としたが、少なくとも、ATモード移行抽選の実行が制限されるゲームのストップスイッチ42〜44の操作態様によって、ATモード移行抽選の実行ゲームが異なるようになる構成であればよく、ATモード移行抽選の制限される状況は、第2RB状態に限定されない。例えば、第2RBの持ち越し状態であってもよい。また、第2RB状態の終了ゲームにてATモード移行抽選を行う構成を前提として、その終了ゲームを前後させる構成としたが、第2RB状態の終了後のゲームにてATモード移行抽選を行う一方、第2RB状態中のゲームではATモード移行抽選の実行が制限される構成とし、当該第2RB状態中のゲームのストップスイッチ42〜44の操作態様によって終了ゲームが前後し、それにより第2RB状態終了後のATモード移行抽選の実行ゲームも異なることとなる構成としてもよい。
(13)ATモード移行抽選の実行が制限されている第2RB状態において、RB中強チェリー当選ゲームでのストップスイッチ42〜44の操作態様によって、終了ゲームが前後する構成としたが、例えば、第2RB状態中の所定の再遊技当選ゲームでのストップスイッチ42〜44の操作態様によって終了ゲームが前後する構成としてもよい。
(14)第2RB状態中の抽選テーブルは上記のものに限定されない。例えば、当選確率に設定差の無い取りこぼし役に当選し得るようにしてもよいし、所定の再遊技に当選し得るようにしてもよいし、払出枚数の異なる複数の小役に当選し得るようにしてもよい。また、所定の終了役に当選し得る構成とし、当該所定の終了役当選時のストップスイッチ42〜44の操作態様によって第2RB状態が終了する場合と終了しない場合とを設けてもよいし、当該所定の終了役当選時にはストップスイッチ42〜44の操作態様に関わらず第2RB状態が終了し得る構成としてもよい。所定の終了役の当選時の操作態様に関わらず第2RB状態を終了させる構成においては、それとは異なる終了条件も設定し、当該異なる終了条件の成否をストップスイッチ42〜44の操作態様によって異ならせることが可能な構成とするとよい。
(15)第2RB状態中のゲームの結果によって、第2RB状態の終了ゲームが異なる構成において、当該終了ゲームの結果に関わらずATモード移行抽選を行う構成としたが、ゲームの結果によってATモード移行抽選を行うゲームが変化する構成において、当該ATモード移行抽選ではゲームの結果に関わらず当該ATモード移行抽選を行う構成であればよい。例えば、通常遊技状態中の所定の小役当選回数(押し順ベルの当選回数)や、所定の小役入賞回数(第1小役の入賞回数)が特定数に達した場合にATモード移行抽選を行う構成とし、当該特定数に達してATモード移行抽選を行う際にはゲームの結果を参照しない構成としてもよい。
(16)第1JAC状態や第2JAC状態の構成は上記のものに限定されない。例えば、第1JAC状態では第1JAC小役だけに当選し、第2JAC状態では第2JAC小役だけの当選する構成としたが、第1JAC状態で第1JAC小役と第2JAC小役とに当選し得る構成としたうえで、第1JAC小役の方が第2JAC小役よりも当選し易い構成としてもよいし、第2JAC状態で第1JAC小役と第2JAC小役とに当選し得る構成としたうえで、第2JAC小役の方が第1JAC小役よりも当選し易い構成としてもよい。また、JAC小役の当選回数(入賞回数)が規定数(3回)に達したことに基づいて、JAC状態が終了する構成としたが、JAC状態のゲーム数が所定数(例えば5回)に達したことに基づいてJAC状態が終了する構成としてもよく、この場合、JAC状態のゲーム数が所定数に達した際に、JAC小役の当選回数(入賞回数)が規定数に達していなくてもJAC状態が終了する構成としてもよい。
(17)RB状態中にJAC当選し得る構成において、JAC当選の回数やJAC状態の回数が規定数(例えば2回)に達した場合に、RB状態の終了条件が成立する構成としてもよい。この場合、規定数に達した際のJAC状態の終了に基づいてRB状態が終了するのであれば、当該終了ゲームにてATモード移行抽選を行う構成としてもよい。
(18)RB状態中の保留用表示の実行抽選の契機役としてRB中強チュリーを設定したが、RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役、外れ結果、押し順ベル等、他の結果を実行抽選の契機役としてもよく、また、契機役は1つでなくてもよく複数であってもよい。この場合、当選確率に設定差がある結果を契機役としてもよいし、設定差のない結果を契機役としてもよい。更に、取りこぼしが生じ得る結果を契機役としてもよいし、取りこぼしが生じ得ない結果を契機役としてもよい。これらにおいて、実行抽選の有無だけでなく、実行抽選の当選確率を異ならせてもよく、例えば、RB中強チェリーでは実行抽選に当選し易く、RB中第1役では実行抽選に当選しにくかったり、RB中強チェリー当選時において、RB中強チェリーの入賞を成立させた場合よりも取りこぼした場合の方が実行抽選に当選し易い構成としてもよく、その逆であってもよい。また、ゲームの抽選結果に関わらず各ゲームで保留用表示の実行抽選を行う構成としてもよい。さらに、RB状態中の実行ゲーム数によって保留用表示の実行抽選の当選確率を異ならせてもよく、実行ゲーム数が多くなるほど当選し易くなるように設定してもよい。実行抽選に当選確率に設定差を設けたが、設定差がないようにしてもよい。
(19)第2再遊技入賞に基づいて有利区間を終了させて通常区間へ移行させる構成としたが、有利区間の終了契機となる遊技結果は第2再遊技入賞に限定されず、他の結果であってもよい。例えば、各ゲームの抽選結果として所定の終了結果を設定し、当該所定の終了結果当選に基づいて、又は所定の終了結果当選ゲームでのストップスイッチ42〜44の操作態様等に基づいて(所定の終了結果入賞の有無や、入賞時の停止図柄によって)、有利区間を終了させて通常区間へ移行させる構成としてもよい。所定の終了結果当選時のストップスイッチ42〜44の操作態様によって有利区間終了か否かが異なる構成においては、当該有利区間を終了させることを可能とする操作態様の報知を特定報知として、補助表示部65等にて行う構成とするとよい。また、有利区間を終了させるゲームは所定の終了結果の当選ゲームに限定されず、例えば、第1RBや第2RBのように当選ゲームにて入賞が成立しなければ持ち越し可能な結果を所定の終了結果とするならば、当該所定の終了結果に当選している状況で、その所定の終了結果の入賞を成立させることで有利区間を終了させる構成としてもよい。つまり、所定の終了結果当選ゲームと所定の終了結果入賞ゲームとが異なる構成において、所定の終了結果当選ゲームでは有利区間を終了させず、所定の終了結果入賞ゲームにて有利区間を終了させる構成としてもよい。
(20)有利区間の終了条件として、例えば、有利区間ゲーム数AGが所定数(100、200、300等)に至った場合のストップスイッチ42〜44の操作態様によって成立し得る構成としてもよい。この場合、所定数に至るよりも前に、記憶されているATカウンタCとして特定範囲内のATカウンタCがあれば、所定数に至った際に有利区間を終了させることを可能とする操作態様の報知を行う一方、特定範囲内のATカウンタCがなければ所定数に至っても当該操作態様の報知を行わない構成としてもよい。
(21)各遊技状態において有利区間の終了契機となる転落リプレイに当選し得る構成としたが、転落リプレイに当選しない遊技状態が含まれる構成としてもよい。また、各遊技状態における転落リプレイの当選確率は上記のものに限定されず、例えば、通常遊技状態や第1RT状態のようにATモードに対応しない遊技状態の方が、第2RT状態や第3RT状態のようにATモードに対応する遊技状態よりも、転落リプレイに当選し易い構成としてもよい。
(22)第2再遊技入賞が成立したり、第2再遊技入賞が第3の停止図柄によって成立した場合に有利区間を終了させる構成としたが、有利区間終了の条件として特定報知が行われていることを含める構成としてもよい。例えば、第2再遊技入賞が成立しても、特定報知が行われていなければ有利区間を終了させず、特定報知が行われた状況で第2再遊技入賞が成立した場合に有利区間を終了させる構成としてもよい。
(23)第2再遊技入賞を成立させて有利区間を終了させることを可能とする特定報知を行う場合、第1再遊技入賞を成立させて有利区間を終了させないようにすることを可能とする報知も行う構成としたが、有利区間を終了させることを可能とする操作態様さえ特定可能な報知であればよい。この場合であっても、有利区間を終了させたくない遊技者は、その操作態様とは異なる操作態様にて操作すればよく、有利区間を終了させないようにすることが可能である。
(24)ATカウンタCが通常区間中にATモード移行抽選に供与されれば当選し易い特定範囲内のものであることを条件として、有利区間を終了させることを可能とする特定報知を行う構成としたが、ATカウンタCとは関係なく有利区間を終了させることを可能とする特定報知を行う構成としてもよい。この場合、例えば、ATモード移行抽選に当選することなく有利区間のゲーム数が所定ゲーム数に至ったら、罰ゲームとして、遊技者にとって不利な事象が生じるような構成において、当該有利区間のゲーム数が所定ゲーム数に至るよりも前に有利区間を終了させることを可能とする特定報知を行う構成としてもよい。
(25)有利区間の強制終了条件の成立間近で特定報知を行う構成としたが、ATモード中において、当該ATモードが所定ゲーム数に至った場合に、特定報知が行われ得る構成としてもよい。例えば、ATモードの実行ゲーム数が第1所定ゲーム数として50ゲーム以上となった場合に特定報知抽選を経る等して特定報知当選フラグがセットされ、特定範囲内のATカウンタCが所定エリアに存在する状況で転落リプレイ当選となった場合に特定報知を実行する構成とすると、ATモードが第1所定ゲーム数以上となると連荘し易くなる、といった遊技性を実現することができる。この場合、第1所定ゲーム数よりも多い第2所定ゲーム数として60ゲームに至った場合に、ATモードが終了するようにし、特定報知が行われ得る期間を限定することで、当該期間内に如何に特定範囲内のATカウンタCを取得するかといった遊技性や、当該特定範囲内のATカウンタCが記憶されている状況で転落リプレイに当選するかといった遊技性が追加され、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能である。
また、ATモードの実行ゲーム数ではなく、ATモード中の払出メダル数や増加メダル数にて、特定報知の実行の有無を規定してもよく、例えば、払出メダル数や増加メダル数が第1所定数(100枚)以上となった場合に特定報知抽選を経る等して特定報知当選フラグがセットされ、特定範囲内のATカウンタCが所定エリアに存在する状況で転落リプレイ当選となった場合に特定報知を実行する構成としてもよい。この場合も、第1所定数よりも多い第2所定数として120枚に至った場合に、ATモードが終了するようにし、特定報知が行われ得る期間を限定することで、当該期間内に如何に特定範囲内のATカウンタCを取得するかといった遊技性や、当該特定範囲内のATカウンタCが記憶されている状況で転落リプレイに当選するかといった遊技性が追加され、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能である。
(26)第1超過フラグ又は第2超過フラグがセットされている場合、いずれの超過フラグもセットされていない場合よりも特定報知抽選に当選し易い構成としたが、第1超過フラグと第2超過フラグとのいずれかがセットされているかで、特定報知抽選の当選し易さを異ならせてもよい。また、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされてから、上乗せ抽選の契機となる遊技結果の当選回数や、仮に超過フラグがセットされた後でも上乗せが行われたとしてその上乗せゲーム数に応じて、特定報知抽選の当選確率を異ならせてもよく、上乗せ抽選の契機となる遊技結果の当選回数が多いほど、又は、上乗せゲーム数が多いほど、特定報知抽選の当選確率が高くなる構成としてもよい。
(27)第1特定役として、当選し易い通常リプレイや押し順ベルの他、強チェリーや弱チェリー等の当選しにくい所謂レア役を設定したが、少なくとも、通常区間において当選し易い通常リプレイや押し順ベルが含まれる構成であれば、特定範囲内のATカウンタCを用いたATモード移行抽選において、当選契機としての第1特定役となる確率を高くする効果を期待することが可能である。
(28)第1特定役にてATモード移行抽選が行われる場合、特定範囲内のATカウンタCであれば、第1特定役の種類に関わらず当選となる構成としたが、第1特定役の種類に応じてATモード移行当選となるATカウンタCの値が異なる構成としてもよい。この場合、例えば、通常リプレイでは、ATカウンタCが「0」〜「80」にてATモード移行当選となり、押し順ベルでは、ATカウンタCが「11」〜「70」にてATモード移行当選となり、不問ベルでは、ATカウンタCが「15」〜「91」にてATモード移行当選となる、といったように、第1特定役に含まれる各結果に対応付けられたATカウンタCの共通部分(上記例では、「15」〜「70」)が存在するようにし、当該共通部分を特定範囲として設定する構成とするとよい。また、第2特定役についても同様であり、第2特定役の種類によって、ATモード当選となるATカウンタCの値を異ならせてもよい。
(29)第1特定役や第2特定役を契機としてATモード移行抽選に当選した場合、第1特定役や第2特定役の種類に関わらず、共通の処理(共通のATモードの恩恵を設定する処理)を行う構成としたが、ATモード移行抽選に当選した場合の第1特定役や第2特定役の種類によって、その後の処理を異ならせてもよく、より詳しくは、移行するATモードの種類や恩恵等が異なる構成としてもよい。例えば、第1特定役として、通常リプレイや押し順ベルにてATモード移行当選となった場合よりも、第1特定役として、強チェリーや弱チェリーにてATモード移行当選となった場合の方が、遊技者にとって有利なATモードに設定される(例えば、初期ゲーム数が強チェリー等の方が多い)構成としてもよい。
(30)遊技状態によって当選確率が変化しない結果を、第1特定役や第2特定役として設定したが、遊技状態によって当選確率が変化する結果として、例えば、押し順リプレイを第1特定役に含ませる構成としてもよいし、例えば、チェリーリプレイやスイカリプレイが成立し得る特定リプレイを第2特定役に含ませる構成としてもよい。
(31)有利区間から通常区間へ移行させた場合、有利区間に復帰するよりも前に第1特定役当選となることでATモード移行当選となる構成において、第1特定役を、各ゲームの抽選結果として全ての結果が含まれる構成としてもよい。この場合、各ゲームの抽選結果に外れが生じないようにすることで、通常区間におけるゲームの抽選結果に関わらず第1特定役にてATモード移行抽選を行うことが可能となる。外れが生じない構成としては、例えば、入賞した場合に他の払出結果よりも少ない所定数(1枚)のメダル払出が生じる特定結果を設け、上記各実施形態において外れ結果となる分のポイント値PVを、当該特定結果に割り振ることで、1ゲーム当たりのメダル増減数に与える影響を小さくしながら外れを生じさせないようにすることが可能である。この場合、第1特定役に対応するATカウンタCは上記のものに限定されず、例えば、ATカウンタCの値の所定割合として約20%が第1特定役に対応するものとして特定範囲を定めてもよい。そして、上記の全ての結果を第1特定役とするとともに、当該第1特定役であれば、有利区間移行抽選に高確率(100%)で当選するようにすると、通常区間において、当該第1特定役となるゲームの約20%はATモード移行抽選に当選し且つ有利区間に移行し、それ以外は、ATモード移行抽選に当選することなく有利区間に移行する、といった構成とすることができる。つまり、通常区間を1ゲームに限って実施させ、当該1ゲームのうちの所定割合でATモード移行抽選に当選する、といった遊技性を実現可能である。
(32)有利区間から通常区間へ移行させた場合、有利区間に復帰するよりも前に第1特定役当選となることでATモード移行当選となる構成において、1ゲーム当たりの有利区間に復帰する確率(外れ結果とならない確率)を設定値によって異なる構成としてもよく、有利区間から通常区間へ移行させる場合の遊技状態によって1ゲーム当たりの有利区間に復帰する確率が異なる構成としてもよい。
(33)有利区間から通常区間へ移行させた場合、有利区間に復帰するよりも前に第1特定役当選となることでATモード移行当選となる構成において、第1特定役であればATモード移行当選となる特定範囲内のATカウンタCが抽選用情報記憶エリア106fに記憶されている個数によって、特定報知の有無を異ならせてもよく、例えば、特定範囲内のATカウンタCが特定数(3個)以上記憶されている状況で転落リプレイ当選となった場合に特定報知を実行し得る一方、特定数未満であれば転落リプレイ当選であっても特定報知を実行しない構成としてもよい。
(34)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(35)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(36)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、遊技状態を特定状態へ移行させ、予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、当該特定状態を終了させる遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて、予め定められた特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記特定状態の前記終了条件が成立する場合に前記特定抽選を実行可能な手段(主制御装置101による終了時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を用いて、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて行われるようにしたため、特定情報を用いた特定抽選において特定情報が事前に取得される構成となり、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、遊技状態が特定状態である状況において、当該特定状態が終了する終了条件が成立する場合にも特定抽選が行われるようにした。その為、当該特定状態の終了時に行われる特定抽選は、特定状態が終了するゲームよりも前のゲーム、すなわち特定状態中にて取得された特定情報を用いて行う構成となる。このようにすることで、特定状態中の遊技において取得条件が成立した後、終了条件を成立させるか否かといった楽しみが追加される。すなわち、特定事象が遊技者にとって好ましいものであれば、特定事象が生じることを願いながら終了条件を成立させようとするであろうし、特定事象が好ましくないものであれば、特定事象が生じないことを願いながら終了条件を成立させようとするものと考えられる。その一方で、特定状態が遊技者にとって有利な状態であれば、その終了条件を成立させることは遊技者にとって好ましくなく、不利な状態であればその逆の感情を抱くことになる。つまり、特定状態の有利不利と、特定事象の有利不利との関係性から、終了条件の成否へ大きな関心を寄せさせることが可能となり、遊技の向上が図られる。
なお、「前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」について、「予め定められた所定数の前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」と表現してもよく、「予め定められた複数である所定数の前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段」と表現してもよい。かかる表現の変更は、他の特徴や他の特徴群においても適用可能である。
特徴A2.前記特定情報取得手段は、ゲームの進行に伴い各ゲームで前記特定情報を取得する構成であり、
ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を順次、消去することが可能な消去手段(主制御装置101による保留シフト用処理を実行する機能)を備え、
前記消去手段は、前記特定情報が前記特定抽選手段による前記特定抽選に用いられるか否かに関わらず、当該特定情報を消去することが可能な構成であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報取得手段は、各ゲームで特定情報を取得し、その取得した特定情報は、特定抽選手段による特定抽選の対象となるか否かに関わらず順次消去される。つまり、特定状態中の各ゲームで順次消去される特定情報のうち、終了条件が成立して特定抽選が行われるゲームに対応付けられる特定情報を用いた特定抽選が行われることになる。このようにすることで、取得された特定情報のうちのいずれの特定情報を用いて特定抽選を行わせるかといった遊技において、その特定情報の選択が、特定状態中の終了条件の成否タイミングと密接に関与することとなり、特定状態中のゲームの進行状況への注目度を好適に高め、特定状態中の遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
なお、「ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を順次、消去することが可能な消去手段」は、「ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を順次、シフトすることが可能なシフト手段」と表現してもよい。この表現を用いる場合、対応する「消去手段」の表現を「シフト手段」等、適宜、表現の変更を行うとよい。また、「ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報のうち、前記特定情報取得手段により最も以前に取得された前記特定情報を、順次、消去することが可能な消去手段」と表現してもよい。
特徴A3.前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報について、当該特定情報が前記特定抽選の対象となった場合の当該特定抽選の結果に対応する特定報知を、当該特定情報が前記特定抽選の対象となるよりも前に、所定の報知手段にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の内容から、特定状態の終了条件を成立させることで特定抽選に当選するか否か等を把握しながら特定状態を遊技させることができる。このようにすることで、特定状態の終了による有利不利と、特定事象による有利不利との関係性を利用した遊技を好適に行わせることが可能となる。
特徴A4.前記特定報知実行手段は、前記特定抽選の結果に対応する前記特定報知を、前記特定状態の前記終了条件が成立するゲームよりも前のゲームにて実行することが可能であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、特定状態の終了条件の成否を遊技者が関与できるような構成において、特定報知を見ながら当該終了条件を成立させるか否かを判断することが可能となるし、終了条件の成否が遊技機側の抽選に一存されるような構成であっても、特定報知との関係でその抽選結果に大きな関心を寄せさせることが可能となる。
特徴A5.前記特定報知実行手段による前記特定報知を行うか否かの実行抽選を行う実行抽選手段(表示制御装置81による保留表示抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記実行抽選手段による実行抽選の結果が前記特定報知の実行に対応する結果であることに基づいて、前記特定報知を実行するものであることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行抽選手段による実行抽選を経て行われるようになるため、特定報知の実行性にランダム性を生じさせることができる。これにより、仮に、事前取得されている特定情報についての事前報知としての特定報知が行われない場合であっても、当該事前取得されている特定情報が所望の特定情報ではないから特定報知が行われないのか、それとも特定報知の実行抽選に当選しないから特定報知が行われないのか、がわかりにくくなる。よって、その事前取得された特定情報についての特定報知を行うようにする構成が、かえって事前に注目度を低下させてしまうといった不都合を助長しないようにすることができる。
特徴A6.前記実行抽選手段は、前記特定報知実行手段による前記特定報知を行う場合の、当該特定報知の対象とする前記特定情報の個数を抽選する個数抽選手段(表示制御装置81による保留表示抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記個数抽選手段による抽選結果に基づく個数の前記特定情報に対応する前記特定報知を実行するものであることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
事前取得される特定情報によって特定状態の終了時の特定抽選を予測しながら終了ゲームを調整するといった遊技において、その終了時の特定抽選の内容に関する特定報知の対象とする特定情報の個数は、その遊技に大いに役立つものであり、特定報知の対象とする特定情報の個数が多くなればなるほど、その終了ゲームをうまく調節することが可能となる。上記構成は、その個数を抽選により決定するため、単に特定報知が行われればよいだけでなく、その個数やその個数抽選へも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の注目度を好適に高めることができる。
特徴A7.遊技媒体の増減態様又は増減率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記実行抽選手段による所定の抽選の当選確率が前記設定手段により設定される設定値によって異なり得ることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
上記構成のように、特定報知の実行し易さ等に設定差を設けることで、終了ゲームの調節のし易さを通じて遊技媒体の増加率等を調節することが可能となるし、特定抽選に直接的な設定差を設けるよりも設定差に基づく遊技の多様化をより好適に図ることができる。
なお、「前記実行抽選手段による所定の抽選」とは、例えば、「実行抽選」や「特定報知の対象とする特定情報の個数の抽選」である。
特徴A8.前記特定報知実行手段は、前記特定情報記憶手段に前記特定情報が複数記憶されている場合、それぞれの特定情報について前記特定報知を実行可能であり、
前記特定報知実行手段により実行される前記特定報知の数は、前記特定状態に移行してから前記終了条件が成立するまでの最低ゲーム数よりも少ない数として設定されていることを特徴とする特徴A3乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中に特定報知が行われることで、特定状態の終了条件が成立した際の特定抽選の内容を事前に把握しながら特定状態を遊技するといった遊技性を前提としながら、特定報知の数は、特定状態の最低ゲーム数よりも少ないようにしているため、仮に特定状態を開始してから直ぐに特定報知を行うようにしても、特定状態が開始してからしばらくの間は、その特定報知の内容は、特定状態終了時の特定抽選に関係のないものとなる。また、特定状態が開始してからしばらくしてから特定報知を行うようにしても、取得された特定情報を特定状態の終了条件が成立するよりも前のゲームにて特定報知にて事前報知するといった機能は担保される。このように、特定状態の終了時の特定抽選へ注目させるタイミングを当該特定状態の終了間近に絞ることで、当該終了時の特定抽選が気になるあまり特定状態自体の楽しみが削がれてしまう、といった事象を回避することができる。
特徴A9.前記特定状態における所定ゲームの遊技結果が第1結果(残り払出枚数15枚以下のゲームでの遊技結果が15枚払出小役入賞となる結果)である場合、当該所定ゲーム又はその後のゲームにて前記終了条件が成立する一方、当該所定ゲームでの遊技結果が前記第1結果とは異なる第2結果(残り払出枚数15枚以下のゲームでの遊技結果が15枚払出小役入賞非成立となる結果)である場合、当該所定ゲーム又はその後のゲームにて前記終了条件が成立しない又は前記第1結果の場合よりも成立しにくいことを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中の所定ゲームでの遊技結果に基づいて、終了条件が成立したり成立しなかったりする。そのため、当該所定ゲームの遊技結果によって特定抽選が行われたり行われなかったりすることになる。このようにすることで、特定抽選の実行の有無や実行タイミングを、特定状態中の所定ゲームでの遊技結果によって異ならせる、といった遊技性が実現され、特定状態中の遊技性を好適に向上させることができる。
特徴A10.前記抽選手段による抽選結果として、予め定められた第1終了結果(例えば、RB中強チェリー)が設定されており、
前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1終了結果であり、前記停止操作手段が第1の操作態様(15枚払出小役入賞を成立させる操作態様)にて操作された場合、当該所定ゲームの遊技結果が前記第1結果となり、
前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1終了結果であり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様(15枚払出小役入賞を成立させない操作態様)にて操作された場合、当該所定ゲームの遊技結果が前記第2結果となることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了条件の成否が、遊技者による停止操作手段の操作態様によって異なることとなる。そのため、特定抽選を受けるか否かに対して遊技者が介入する余地が生じ、遊技への積極参加を促し、遊技の興趣向上が図られる。
特徴A11.前記抽選手段による抽選結果として、前記第1終了結果とは異なる予め定められた第2終了結果(例えば、RB用第1役、RB用第2役、RB用第3役)が設定されており、
前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第2終了結果である場合、前記停止操作手段の操作態様に関わらず、当該所定ゲームの遊技結果が前記第1結果となることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームの抽選結果が第2終了結果である場合には、遊技者の介入の余地なく終了条件が成立することになり、各ゲームの抽選結果への関心も高めることができるようになる。特に、特徴A9のように、第1終了結果である場合には遊技者の操作によって終了条件の成否をコントロールできるため、終了条件の成否をコントロールできる場合とできない場合とがあるようになり、例えば、特定情報との関係で特定抽選の実行ゲームを引き延ばしたい場合であっても遊技者の思い通りにはならない場合があるようになり、遊技の面白みが向上する。
特徴A12.遊技媒体の増減態様又は増減率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記所定ゲームの遊技結果が前記第2結果となる確率が、前記設定手段により設定される設定値によって異なっていることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選の実行タイミングの調節を可能とするか否かによって遊技媒体の増減態様や増減率を変化させることができる。これにより、特定事象の発生率を設定値によって異ならせることも可能となる。
特徴A13.前記特定抽選手段による前記特定抽選の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する結果となる確率は、前記設定手段により設定される設定値に関わらず共通の確率であることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選の当選確率自体は設定値による差を設けないような構成を前提としながら、特定抽選の実行タイミングの調節の有無により、特定事象の発生率を設定値によって異ならせることが可能となる。
特徴A14.遊技媒体の増減態様又は増減率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態として、少なくとも当該特定状態への移行抽選に前記設定手段により設定されている設定値によって当選確率の差が存在する第1特定状態(第2RB状態)と、当選確率の差が存在しない第2特定状態(第1RB状態)とが設定されており、
前記第1特定状態における前記終了条件の成立確率と、前記第2特定状態における前記終了条件の成立確率とは、前記設定手段により設定されている設定値による差が存在しないように設定されており、
前記特定抽選手段は、前記第1特定状態の前記終了条件が成立したことに基づいて前記特定抽選を実行可能であり、且つ前記第2特定状態の前記終了条件が成立したことに基づいて前記特定抽選を実行可能であることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態と第2特定状態とのいずれの特定状態でも終了条件の成立確率に設定差がないことを前提としたうえで、移行確率に設定差がある第1特定状態と第2特定状態との両特定状態の終了条件成立に基づく特定抽選を実行することが可能となる。このようにすることで、仮に特定抽選の実行契機として設定差を設けられないような構成であっても、特定抽選の実行に設定差を設けることができる。
特徴A15.前記特定抽選手段は、前記特定状態における各ゲームで前記特定抽選を実行することが可能な構成であり、
当該特定状態における各ゲームでの前記特定抽選の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する結果であった場合、当該結果の報知を、当該特定状態の前記終了条件の成立に基づく前記特定抽選の結果の報知として実行することが可能な手段(主制御装置101によるステップS916、ステップS920及びステップS921の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中のゲームでの特定抽選の結果の報知が、終了条件成立に基づく特定抽選の結果の報知として行われる場合がある。このようにすることで、例えば終了条件成立に基づく特定抽選に非当選であった場合にもそれよりも前の特定抽選で当選であれば、その旨の報知を終了条件成立に基づく特定抽選の結果の報知時に行うことができ、終了条件成立に基づく特定抽選の当選確率を実際の確率よりも高く思わせることが可能である。
なお、上記構成は、特徴A14の構成に適用することで、特定状態への移行条件成立時の特定抽選が行われ得る特定状態とそうではない特定状態との演出上の差を少なくすることが可能である。
特徴A16.前記特定抽選手段が前記特定状態の前記終了条件が成立したことに基づいて所定の特定情報を利用して前記特定抽選を行う場合、当該特定抽選が行われるゲームにおける前記抽選手段による抽選結果に関わらず当該特定抽選の結果が共通していることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ特定情報を用いて特定状態終了時の特定抽選が行われる場合、当該終了時のゲームの抽選結果は、特定抽選に影響されない構成となる。そのため、終了条件を成立させるゲームと事前取得されている特定情報と、で特定抽選の結果が決まる遊技性となり、如何にその終了条件を成立さるゲームを調節するかといった点に当該遊技の面白みが集約されることになる。言い換えると、せっかくその終了ゲームをうまく調節したのにもかかわらず、終了ゲームの抽選結果によって特定抽選の結果が覆されてしまうといった事象を生じさせないようにすることができ、当該終了ゲームを調節する面白みを好適に向上させることが可能となる。
特徴A17.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第2小役〜第26小役)が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1操作態様又は前記第2操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特定抽選手段は、前記特定抽選として、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行され易くなる報知状態(ATモード)への移行抽選を行うことを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果として停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合と第2操作態様にて操作された場合とで、異なる利益が付与される態様結果が設けられており、当該態様結果当選時に操作態様についての態様報知が特定状態にて行われる場合があるため、態様報知の有無により、遊技者に付与する利益を異ならせる遊技性を実現することができる。しかも、このような態様報知が行われる報知状態への移行を生じさせるか否かの特定抽選が、特定情報取得手段により事前に取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を用いて、特定状態の終了条件成立に基づいて行われるようになる。そのため、特定状態の終了ゲームを如何に特定情報と調節するかで、報知状態への移行の可否が決定されるといった従来にはない斬新な遊技性を実現することができる。
特徴A18.前記特定状態の前記終了条件は、前記特典付与手段により前記特典として払い出された遊技媒体の払出数、又は当該特定状態での遊技媒体の増加数が予め定められた上限数に達することで成立することを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態での遊技媒体の払出数や増加数が上限数に達すると当該特定状態の終了条件が成立して特定抽選が行われるため、特定抽選を受ける際には、少なくとも上限数の遊技媒体の払出が生じていることになる。つまり、特定状態終了時の特定抽選を受けたいあまりに上限数に達する前に特定状態を途中で終了させる、といった行為を行いにくくすることで、例えば、特定状態の移行と終了とを遊技ホールのホールコンピュータ等で管理するうえで特定状態中の遊技媒体の払出数等を用いるような構成が、うまく利用されなくなってしまう(うまく特定状態の移行や終了を把握することができなくなってしまう)といった不都合を生じさせにくくすることができる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を、特定ゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の実行が制限される特定状態(第2RB状態)における所定ゲームにて、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合、前記特定ゲームが第1特定ゲームとなり、
前記特定状態における前記所定ゲームにて、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合、前記特定ゲームが前記第1特定ゲームよりも後のゲームである第2特定ゲームとなることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選の実行が制限される特定状態の所定ゲームにおいて、第1の操作態様にて停止操作手段が操作されると特定抽選が第1特定ゲームにて行われる一方、当該所定ゲームにおいて、第2の操作態様にて停止操作手段が操作されると特定抽選が第1特定ゲームよりも後の第2特定ゲームにて行われる。この場合、特定抽選をより早期に行わせたければ第1の操作態様にて操作するであろうし、特定抽選を後で行わせたければ第2の操作態様にて操作するであろうところ、その操作態様を行うゲームは特定抽選の実行が制限されている。すなわち、このような構成とすることで、特定抽選の実行が制限されている状況(特定状態)ですら、特定抽選への関心を薄れさせないようにしながら遊技を行わせることが可能となる。しかも、単に、その状況でのゲームの抽選結果によって特定抽選の行われる特定ゲームが変化するだけでなく、その状況での停止操作手段の操作態様によって特定ゲームが変化するため、遊技者が特定抽選へ介入できる余地が生じ、遊技への関心を高めることができる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
特徴B2.前記特典付与手段は、前記所定ゲームにて前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作された場合、当該所定ゲームにて第1特典を付与し、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作された場合、当該所定ゲームにて前記第1特典とは異なる第2特典を付与することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選が行われる特定ゲームを変化させようとすると、当該ゲームでの特典が異なることとなる。このようにすることで、当該ゲームでの特典を異ならせてまで特定抽選が行われる特定ゲームを変化させるかといった観点でも、特徴B1の遊技を行うか否かを遊技者に判断させることができ、当該遊技の益々の興趣向上が図られる。
特徴B3.前記第2特典は、前記第1特典よりも遊技者にとっての有利度が低いものであり、
前記第1特定ゲームにて前記特定抽選が行われた場合、前記第2特定ゲームにて前記特定抽選が行われた場合よりも前記特定抽選の結果が前記特定結果となり易くなる第1特定状況が生じ得るものであって、且つ、前記第1特定ゲームにて前記特定抽選が行われた場合、前記第2特定ゲームにて前記特定抽選が行われた場合よりも前記特定抽選の結果が前記特定結果となりにくくなる第2特定状況が生じ得るものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選が行われるゲームを先延ばしにするように停止操作手段を第2の操作態様にて操作を行うと、当該所定ゲームでは遊技者にとっての利益が低い第2特典が付与されるものであり、この場合、特定抽選の結果が特定事象を生じさせることに対応する特定結果となり易くなる第1特定状況が生じる場合もあれば、特定結果となりにくくなる第2特定状況が生じる場合もあるようになる。このように、当該所定ゲームでの特典が不利となる第2の操作態様を選択した場合であっても、必ずしも先延ばしにした特定抽選に当選し易くなるとは限られず、逆に、所定ゲームでの特典が有利となる第1の操作態様を選択した場合の方が特定抽選に当選し易くなる場合もあるようになる。よって、第1の操作態様とするか第2の操作態様とするかの選択を、より慎重に行わせることが可能となる。
特徴B4.前記所定ゲームにおいて、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(RB中第1役、RB中第2役、RB中第3役)である場合、前記停止操作手段に対する操作態様に関わらず、前記特定ゲームが変化しないことを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームの抽選結果が特別結果である場合には、遊技者の介入の余地なく特定ゲームが同じゲームとなり、操作態様によって特定ゲームを異ならせることが可能な遊技性において、遊技者の思い通りにはならない場合があるため、遊技の面白みが向上する。
特徴B5.前記所定ゲームにおいて、前記抽選手段による抽選結果が第2結果(RB中強チェリー)である場合、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作されることで前記特定ゲームが前記第1特定ゲームとなり、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作されることで前記特定ゲームが前記第2特定ゲームとなる構成であり、
前記第1結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記第2結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典とが、共通していることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選を先延ばしできるか否かが抽選手段による抽選結果によって異なる構成において、いずれの抽選結果となっても入賞時に付与される特典が共通のものとなる。このようにすることで、当該ゲームの有利度に差が生じないようにしながら、特定抽選が行われるゲームを異ならせることが可能となる。
特徴B6.遊技媒体の増減態様又は増減率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記所定ゲームでの前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる割合と前記第2結果となる割合とが異なる一方、前記第1結果及び前記第2結果のいずれかとなる確率が共通していることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって特定ゲームを先延ばしにできるか否かが設定値によって異なる構成としたうえで、先延ばしにできる結果と先延ばしにできない結果とのいずれかの結果となる確率は設定値による差がないようにすることができる。このようにすることで、設定値によって特定抽選を行うゲームを変化させることができる可能性を異ならせるようにしながらも、当該変化させることを可能とする所定ゲームでの有利度に設定差が無いようにすることが可能となる。
特徴B7.前記所定ゲームにおいて、前記抽選手段による抽選結果が第2結果(RB中強チェリー)である場合、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作されることで前記特定ゲームが前記第1特定ゲームとなり、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作されることで前記特定ゲームが前記第2特定ゲームとなる構成であり、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果であり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作された場合、当該所定ゲームにおける特典として第1特典を付与し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果であり、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作された場合、当該所定ゲームにおける特典として前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典を付与する又は特典を付与しないことを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選が行われる特定ゲームを先延ばしにすると、当該先延ばしをした所定ゲームでの特典が、先延ばしをしなかった場合の特典よりも遊技者にとって不利となったり特典が付与されなかったりする。そのため、付与される特典を少なくしてまで先延ばしをするかどうかといった選択を遊技者にさせることができ、遊技の面白みが向上する。
特徴B8.前記特定状態は、前記特典付与手段により特典が付与され易くなる状態であり、
前記特定ゲームは、前記特定状態が終了するゲームであり、
前記所定ゲームにて、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作された場合よりも、前記第2の操作態様にて操作された場合の方が、前記特定状態にて付与される特典が少なくなることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中に付与される特典が少なくしてまで特定状態終了ゲームを異ならせて、特定抽選を先延ばしにするかどうかといった選択を遊技者にさせることができる。
特徴B9.前記特典付与手段は、前記特典として入賞が成立した結果に対応する数の遊技媒体を払い出す構成であり、
前記特定状態は、移行してからの前記遊技媒体の払出数が予め定められた上限枚数に達したことに基づいて終了する状態であり、
前記特定ゲームは、前記特定状態が終了するゲームであり、
前記抽選手段による抽選結果として、入賞した場合に各ゲームの遊技媒体の平均増減数が第1数となる第1状態(第1JAC状態)へ移行が生じる第1移行結果(強JAC)と、入賞した場合に各ゲームの遊技媒体の平均増減数が前記第1数より少ない第2数となる第2状態(第2JAC状態)へ移行が生じる第2移行結果(弱JAC)と、が設定されており、
前記所定ゲームにて、前記第1の操作態様にて前記停止操作手段を操作することで前記第1移行結果の入賞が成立し、前記第2の操作態様にて前記停止操作手段を操作することで前記第2移行結果の入賞が成立することを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状態と第2状態とを比較すると第2状態のほうが1ゲーム当たりの平均増減数が少ないため、特定状態における上限枚数に達するまでのゲーム数が多くなる。この場合、特定状態中に払い出された遊技媒体数は、上限増加数として同じ程度であるものの、各ゲームで使用する遊技媒体(ベット数)を考慮すると、特定状態で実際に増加する遊技媒体数は、第2状態に移行した場合の方が少なくなる。この場合、特定状態中の増加数を多くしたほうが、特定抽選を先延ばしにするよりもメリットが大きくなる場合もあり得る。これにより、特定抽選と特定状態との関係性を利用した斬新な遊技性を実現することができる。
特徴B10.前記抽選手段による抽選結果として、前記第1移行結果と前記第2移行結果とに重複して当選となる重複結果が設定されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において重複結果当選ゲームが所定ゲームとなり、第1移行結果入賞を成立させるか、それとも第2移行結果入賞を成立させるか、の選択を、同じゲームにて行わせることができ、遊技の肝となるゲームをより際立たせることが可能となる。
特徴B11.前記第1状態は特定回数のゲームが実行された場合、又は所定回数の入賞が成立した場合に終了するものであり、
前記第2状態は前記特定回数のゲームが実行された場合、又は前記所定回数の入賞が成立した場合に終了するものであることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状態及び第2状態のいずれに移行した場合も、特定状態中に占めるゲーム数は変化しない。但し、平均増減数が異なることにより特定状態の上限枚数に達するまでのゲーム数が変化することは上述の通りである。つまり、第1状態や第2状態のゲーム数が特定状態の終了ゲームに影響を与えることはなく、特定状態における仕様を無理に変更しないようにしながら、特徴B10の効果を期待することができる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、各ゲームで特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて、予め定められた特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後の特定ゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101による終了時AT抽選用処理を実行する機能)と、
ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を、当該特定情報が前記特定抽選に用いられたか否かに関わらず、順次、消去することが可能な消去手段(主制御装置101による保留シフト用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
少なくとも、前記特定ゲームの前のゲームでの前記特定抽選の実行を制限する制限手段(主制御装置101による第2RB状態中のATモード移行抽選を制限する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、特定情報取得手段により各ゲームで取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を用いて、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選が、当該特定情報が取得されたゲームよりも後の特定ゲームにて行われるようにしたため、特定情報を用いた特定抽選において特定情報が事前に取得される構成となり、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、特定抽選が行われる特定ゲームの前のゲームでは、特定抽選の実行が制限されるため、各ゲームで取得された特定情報のうち、特定ゲームと合致する特定情報は特定抽選に用いられるものの、その前のゲームでは、取得された特定情報は特定抽選に用いられることなく消去される。このようにすることで、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報として、特定抽選の対象となる特定情報とそうではない特定情報とが存在するようになり、取得された特定情報が特定抽選の対象となるかとともに、その特定ゲームだけでなく、特定ゲーム前のゲームへの関心を好適に高めることが可能となる。
特徴C2.前記制限手段は、前記特定ゲームにて前記特定抽選の対象となる前記特定情報が前記特定情報取得手段による取得されるゲームにおいて、前記特定抽選が行われることを制限することが可能であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成は特徴C1の具体的構成である。このような構成であれば、特定ゲームよりも前のゲームにて特定抽選が制限されるだけでなく、特定ゲームにて行われる特定抽選に供与される特定情報が取得されるゲームでも特定抽選が制限されるようになり、当該特定情報が取得される特定ゲーム前のゲームへの関心を好適に高めることが可能となる。
特徴C3.遊技媒体の増減態様又は増減率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定抽選手段が共通の前記特定情報を用いて前記特定抽選を行う場合、前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、当該特定抽選の結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定差が無いようにすることで、複数の遊技台が設置される遊技ホールにおいていずれの遊技台を遊技するかによる遊技者間の有利・不利を生じさせないようにすることができる。これにより、特定抽選を利用した遊技を、平等に楽しませることが可能となる。
また、特定抽選の当選確率に設定差がなく、特定情報が特定抽選の結果に与える影響度が高められ、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報のうちのいずれの特定情報が特定抽選に利用されるかが肝の遊技において、その興趣を好適に高めることが可能となる。
特徴C4.前記特定ゲームより前のゲームの結果が、前記設定手段により設定されている設定値によって異なる結果となり得る構成であることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定ゲームにて行われる特定抽選について設定差がないことを前提としながら、それ以前のゲームでは設定差があることが許容される。このようにすることで、特定抽選に影響を与えない範囲で設定差を利用した遊技を創出することができるようになるし、仮に、その特定抽選が行われる特定ゲームが、それ以前のゲームにて前後するような構成であれば、特定抽選についての設定差を設けなくても、それ以前の設定差のあるゲームにて特定ゲームを前後させることで、特定抽選に供与される特定情報も前後するため、それ以前の設定差のあるゲームを通じて、間接的に特定抽選に設定値による影響を与えることも可能である。このようにすることで、設定差のない特定抽選を前提としながら、その遊技設計の自由度を大幅に向上させることができる。
特徴C5.前記抽選手段による抽選結果として、前記設定手段により設定されている前記設定値によって当選確率が異なり得る特別結果(RB中強チェリー)が設定されており、
前記特定ゲームよりも前の特定状況(RB状態)における所定ゲームにて、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合とそうではない場合とで、当該所定ゲームから前記特定ゲームまでのゲーム数が変化し得ることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定差のある抽選結果の当選の有無によって、特定ゲームが前後し得る構成となり、ゲームの進行とともに特定情報が順次消去される構成との関係で、その設定差のある抽選結果の当選の有無が、特定抽選に影響を及ぼす構成となる。このようにすることで、設定差のない特定抽選を前提としながら、特定抽選の自由度を向上させることができる。
特徴C6.所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態を特定状態に移行させ、所定の終了条件が成立した場合に当該特定状態を終了させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記特定ゲームは、前記特定状態の前記終了条件が成立するゲームとして設定されており、
前記移行条件は、前記設定手段により設定されている前記設定値によって成立確率が異なり得るように設定されていることを特徴とする特徴C4又は特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行条件の成立確率に設定差がある特定状態の終了条件が成立すると、設定差のない特定抽選が行われる構成となる。このようにすることで、特定状態への移行率によって遊技媒体の増減態様や増減率に変化を生じさせながら、そのような特定状態とセットで特定抽選を行う構成となり、設定差のある特定状態の面白みが向上する。
特徴C7.前記特定状態として、前記移行条件の成立確率が前記設定手段により設定されている前記設定値によって異なり得る第1特定状態(第2RB)と、前記移行条件の成立確率が前記設定手段により設定されている前記設定値に関わらず共通である第2特定状態(第1RB)と、が設定されており、
前記特定ゲームは、前記第1特定状態の前記終了条件が成立するゲームとして設定されており、且つ、前記第2特定状態の前記終了条件が成立するゲームとして設定されていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定差のある第1特定状態と設定差のない第2特定状態とのいずれにおいても、その終了条件が成立すると特定抽選が行われることになる。このようにすることで、特定状態への移行や当選の際に、設定差のあるものなのかどうかを特定抽選に関しては気にさせる必要がなく、特定抽選とセットの特定状態をより楽しませることができる。
特徴C8.前記特定抽選手段は、前記特定状態における所定のゲームで前記特定抽選を実行することが可能な構成であり、
当該特定状態における所定のゲームでの前記特定抽選の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する結果であった場合、当該結果の報知を、当該特定状態の前記終了条件の成立に基づく前記特定ゲームでの前記特定抽選の結果の報知として実行することが可能な手段(主制御装置101によるステップS915、ステップS919及びステップS920の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態への移行抽選に当選した場合の特定抽選の結果の報知が、当該特定状態の終了条件成立に基づく特定ゲームでの特定抽選の結果の報知として行われる。このようにすることで、例えば特定ゲームでの特定抽選に非当選であった場合にもそれよりも前の特定抽選で当選であれば、その旨の報知を終了条件成立に基づく特定抽選の結果の報知時に行うことができ、特定ゲームでの特定抽選の当選確率を実際の確率よりも高く思わせることが可能である。
特徴C9.前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1操作態様で操作された場合に入賞成立となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様で操作された場合に入賞成立となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1操作態様及び前記第2操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象は、前記態様報知手段による態様報知が実行され得る報知状態への移行を生じさせることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得する特定情報に基づいて行う特定抽選は、操作態様のナビを発生し得る報知状態への移行を生じさせる特定事象の抽選を行うものとなる。このようにすることで、操作態様のナビを用いた遊技に関し、その抽選用の特定情報を事前取得するといった抽選手法とし、その事前取得した特定情報がゲームの進行とともに順次消去され、更に、特定情報を用いた特定抽選が実行される特定ゲームよりも前のゲームでは特定抽選が制限される、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
特徴C10.前記報知状態への移行が可能となる有利区間と、前記報知状態への移行が生じない又は前記有利区間よりも生じにくい通常区間とが設定されており、
前記有利区間及び前記通常区間のいずれでも前記特定ゲームが存在し得ることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利区間だけでなく通常区間においても、特定ゲームにて特定抽選が行われる構成となり、そして、その特定ゲームより前のゲームでは特定抽選が制限される構成となる。言い換えると、通常区間において、特定抽選の実行が制限されるゲームの後のゲームである特定ゲームにて、当該制限されるゲームで取得された特定情報を用いた特定抽選が行われる構成となる。このようにすることで、通常区間において特定抽選が行われる場面を増やすことができ、特定抽選への楽しみを増加させることができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて、予め定められた特定事象(ATモード移行)を生じさせるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を、当該特定情報が前記特定抽選に用いられたか否かに関わらず、順次、消去することが可能な消去手段(主制御装置101による保留シフト用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定抽選手段は、前記特定情報を用いた前記特定抽選を行う場合、当該特定抽選を行う場合の前記抽選手段による抽選結果を利用することなく予め定められた特定ゲームにて前記特定抽選を実行する手段(主制御装置101による終了時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えば、RB中強チェリー)である場合、前記特定ゲームが第1特定ゲームとなり、
前記抽選手段による抽選結果が第2結果(例えば、RB中第1役)である場合、前記特定ゲームが前記第1特定ゲームよりも後の第2特定ゲームとなることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象を生じさせるか否かの特定抽選は、各ゲームの抽選結果を利用することなく、特定ゲームとなることで、事前に取得された特定情報によって行われる。これに対して、特定ゲームは、ゲームの抽選結果が第1結果であると第1特定ゲームとなり、ゲームの抽選結果が第2結果であると第1特定ゲームよりも後の第2特定ゲームとなる。つまり、ゲームの抽選結果を利用しないで特定抽選が行われる構成において、当該特定抽選が行われるゲーム(特定ゲーム)に、ゲームの抽選結果が間接的に関与することになる。このようにすることで、特定抽選と各ゲームの抽選結果を関連付けながらも、それぞれの抽選が別々のゲームでのものとなるため、それぞれのゲームで集中すべき箇所を別々に設定することができる。そして、一のゲームの抽選結果と特定情報とを利用して特定抽選を行う構成よりも、一の特定抽選へ複数のゲームの情報が関与することとなり、特定抽選が行われる特定ゲームとは異なるゲームでは抽選手段による抽選結果に関心を寄せさせ、特定抽選が行われる特定ゲームでは特定抽選に関心を寄せさせる、といったように、一の特定抽選を利用して各ゲームの面白みをそれぞれ設定することが可能となる。
それだけでなく、当該特定抽選に用いられる特定情報は、特定ゲームよりも以前のゲームにて取得された特定情報であることから、上記のように一の特定抽選に複数のゲームを関連付けるうえで、どのような特定情報が事前取得されるか、といった点でその取得されるゲームも関連付けられる。よって、各ゲームで、一のゲームでの抽選結果と特定情報とを利用して特定抽選を行うといった従来からの遊技性とは全く異なる、面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
特徴D2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合に前記特定ゲームが前記第1特定ゲームとなり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合に前記特定ゲームが前記第1特定ゲームとは異なるゲームとなることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選が行われる特定ゲームは、ゲームの抽選結果が第1結果である場合の操作態様によって第1特定ゲームとなったり、第1特定ゲームとは異なるゲームとなる。そのため、特定抽選と各ゲームの抽選結果だけでなく、そのゲームの操作態様まで関連付けることができ、遊技者の介入も含めて、遊技への関心を劇的に高めることが可能となる。
特徴D3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作された場合に前記特定ゲームが前記第2特定ゲームとなることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果である場合の操作態様によっては、抽選結果が異なる第2結果である場合の特定ゲームと同じゲームになり得る。つまり、第1結果であっても、遊技者が第1の操作態様にて操作しなければ、抽選手段による抽選結果は、特定ゲームがどのゲームとなるかといった点に何ら影響を及ぼさないこととなる。このように、遊技者の介入による特定ゲームの影響度の程度を規定することで、その操作を行うことが可能な遊技者とそうではない遊技者との差が大きくなり過ぎないようにすることができる。
特徴D4.前記特定情報取得手段は、前記抽選手段による抽選結果に関わらず前記特定情報を取得する構成であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果は、事前取得される特定情報の取得に影響を及ぼさないため、抽選手段による抽選結果によって、特定抽選に当選し易い特定情報が取得されたり、そうではない特定情報が取得されたりすることがない。そのため、事前取得された特定情報を利用して特定抽選が行われる構成において、その事前のゲームの抽選結果によって、特定抽選に期待が持てなくなる、といった事象を生じさせないようにすることができる。つまり、特定ゲームで行われる特定抽選への注目度が事前に低下してしまうことがないようにすることができる。
特徴D5.前記第1結果又は前記第2結果に、前記抽選手段による抽選においていずれの役にも当選しない外れ結果が含まれていることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、外れ結果ですら、特定抽選に影響を及ぼす構成とすることができる。つまり、外れ結果であっても、特定抽選が行われる特定ゲームがいずれのゲームとなるかといった点に関与することとなり、各ゲームの抽選結果へ大きな関心を寄せさせることができる。
特徴D6.遊技媒体の増減態様又は増減率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記外れ結果となる確率が前記設定手段により設定される設定値によって異なり得ることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、外れ結果となることが特定抽選に影響を与えるような構成において、その外れ結果となる確率に設定差が設けられている。このような構成であれば、外れ結果の当選率で遊技媒体の増減率等を調節しながら、それを特定抽選に関連付けることが可能となる。よって、比較的簡素な構成で、特定抽選の当選確率等に設定差を設けることができる。
特徴D7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合に前記特定ゲームが前記第1特定ゲームとなり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合に前記特定ゲームが前記第2特定ゲームとなる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記外れ結果である場合、前記特定ゲームが前記第2特定ゲームとなることを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定抽選が行われる特定ゲームは、外れ結果である場合と、第1結果であって第2の操作態様にて操作された場合とが同じ第2特定ゲームとなる。この場合、外れ結果が特定抽選に与える影響度合いが、第1結果であって第2の操作態様にて操作された場合の影響度合いと、同じ程度となる。つまり、遊技者の停止操作手段による操作の介入が行われても、外れ結果と同等の効果を生じさせる程度となり、遊技者の技術介入の範囲を定めることで公平性を担保することができる。逆に、外れ結果となりさえすれば介入の余地なく同じ程度の影響を特定抽選に与えることが可能となるので、外れ結果への期待感を高めることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第2小役〜第26小役)が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行され易くなる特定状態(ATモード)を含む有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて前記特定状態へ移行させるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定状態への移行に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報について、当該所定の特定情報が前記特定抽選手段による前記特定抽選の対象となった場合の情報を、当該所定の特定情報が前記特定抽選の対象となるゲームよりも前のゲームにて把握することが可能な先把握手段(表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能)と、
前記有利状態において、前記先把握手段による把握結果に基づいて、当該有利状態から前記通常状態へ移行させることを可能とする特定報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81により特定報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果として停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合と第2の操作態様にて操作された場合とで、異なる利益が付与される態様結果が設けられており、当該態様結果当選時に操作態様についての態様報知が特定状態にて行われる場合があるため、態様報知の有無により、遊技者に付与する利益を異ならせる遊技性を実現することができる。しかも、このような態様報知が行われる特定状態への移行を生じさせるか否かの特定抽選が、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を用いて、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて行われるようにしたため、特定情報を用いた特定抽選において特定情報が事前に取得される構成となり、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、上記構成では、特定情報取得手段により取得されている所定の特定情報について、当該所定の特定情報が特定抽選の対象となるよりも前に、その特定抽選の対象となった場合の情報が先把握手段により把握され、それに基づいて、特定状態を含む有利状態から通常状態への移行を生じさせることを可能とする特定報知が行われる場合がある。その為、有利状態の方が通常状態よりも有利であることを前提としながらも、一旦、通常状態に移行せたほうが有利であるような場合には、それを事前に報知することが可能となる。これにより、事前取得される特定情報を利用して、単に有利状態であれば有利である、といった単純な遊技性から脱却した、新たな遊技性を創出することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴E2.前記有利状態から前記通常状態への移行が生じる所定の移行条件は、ゲームの結果を利用して成立することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に取得されている特定情報が、通常状態で特定抽選の対象となった方が好ましい状況だからといって、自動的に通常状態へ移行させたりするのではなく、各ゲームの結果を利用して成立する移行条件が成立することで、上記通常状態への移行が可能となる。このようにすることで、有利状態から通常状態への移行がゲームの結果を利用して生じる、といった従来からある遊技を利用して遊技者に違和感を与えないようにしながら、特別情報による有利不利の逆転現象を用いた遊技性を楽しませることが可能となる。
特徴E3.前記特定報知実行手段は、ゲームの結果が前記所定の移行条件の成立に寄与する特別結果(第2再遊技入賞が成立し得る転落リプレイ当選、上限払出数に達し得る押し順ベル等の払出結果当選)であることに基づいて、前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶されている特定情報が通常状態で特定抽選の対象となった方がよいからといって特定報知が行われるわけではなく、所定の移行条件成立に寄与する特別結果である場合に特定報知が行われる。このようにすることで、通常状態へ移行させるべき状況であっても、どうしようもない状況までその旨の報知が行われないようにすることができ、特定報知の印象の希釈化を防止し、特定報知が行われた場合の注目度を好適に高めることができる。
特徴E4.ゲームの結果が前記特別結果であることに基づいて、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行の有無に関わらず、前記有利状態から前記通常状態への移行が生じることとなる前記所定の移行条件が成立し得る構成であることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の有無に関わらず、ゲームの結果が特別結果となることに基づいて、有利状態は通常状態に移行する。このようにすることで、有利状態から通常状態への移行を生じさせる際に、特定報知の有無を判断する必要がなく、処理の簡素化や処理の共通化が図られるし、例えば、有利状態と通常状態とを管理する制御装置と、特定報知を行う制御装置とがそれぞれ異なるような構成において、ゲームの結果が特別結果となった際に特定報知の有無を制御装置間でやり取りする必要が生じない。
特徴E5.前記特定状態においてゲームの結果が前記特別結果となる場合、前記所定の移行条件を成立させないようにすることを可能とする第2特定報知を実行可能な第2特定報知実行手段(表示制御装置81による転落リプレイ当選時の第1再遊技用の押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機、
上記構成によれば、特定状態において特別結果となると、有利状態を通常状態に移行さないような第2特定報知が行われる。このようにすることで、特別結果だからといってむやみに通常状態に移行させず、有利状態における特定状態の優位性を好適に担保することができる。
特徴E6.前記有利状態において、前記先把握手段による把握結果に基づいて、当該有利状態を維持することを可能とする第3特定報知を、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第3特定報知実行手段(表示制御装置81により第2特定報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先把握手段による把握結果が有利状態を維持した方がよいとの結果であれば、有利状態を維持可能な第3特定報知が行われる場合がある。このようにしたことで、有利状態を維持したほうがよい場合にまで通常状態への移行を生じさせないようにすることができ、当該通常状態への移行を生じさせることが、かえって遊技者の不利益につながることを回避することができる。
特徴E7.前記第3特定報知実行手段は、前記特定報知が行われる場合に、前記第3特定報知を行う構成であることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、基本的には通常状態よりも有利状態の方が有利なのであるから、第3特定報知が行われる場面を特定報知が行われる場面に限定することで、第3特定報知がかえって煩わしいものとなってしまうことを回避することができる。
特徴E8.前記特定報知実行手段は、前記先把握手段による把握結果が、前記所定の特定情報が前記有利状態にて前記特定抽選の対象となった場合よりも当該所定の特定情報が前記通常状態にて前記特定抽選の対象となった場合の方が前記特定結果となり易いとする結果である場合、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得されている所定の特定情報が特定抽選の対象となる場合の状態が、有利状態である場合よりも通常状態である場合の方が特定状態へ移行させるとする特定結果となり易い場合、通常状態へ移行させることを可能とする特定報知が行われる。このようにすることで、有利状態において、特定報知を契機として当該有利状態から通常状態へ移行させ、その特定報知の契機となった所定の特定情報についての特定抽選を、通常状態で受けさせる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴E9.前記有利状態における所定の状況にて実行されたゲーム数を把握可能なゲーム数把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGの加算処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記ゲーム数把握手段による把握結果に基づいて、前記特定報知を実行可能となることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態へ移行してからのゲーム数によって特定報知が行われたり行われなかったりする。そのため、特定報知の実行し易さ等を有利状態中のゲーム数に応じて変化させれば、有利状態中の有利不利を有利状態中のゲーム数に応じて設定することが可能となる。この場合、特定抽選の確率は実質的には変化させる必要がない。つまり、上記構成によれば、特定抽選の当選確率を変化させることなく有利状態中の有利不利を設定することが可能となり、新たな遊技性の創出に大きく貢献することができる。
特徴E10.前記特定報知実行手段は、前記ゲーム数把握手段による把握結果が予め定められた特定ゲーム数以上であるとする結果である場合、前記特定報知を実行可能となる又はそれまでよりも実行し易くなることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成は、特徴E9の具体的構成である。
特徴E11.前記有利状態において予め定められた強制終了条件が成立した場合、当該特定状態を終了する強制終了手段(主制御装置101により区間表示第2処理において強制終了条件成立に基づく終了用の処理を実行する機能)と、
前記強制終了条件が終了するよりも前のゲームにおいて、当該強制終了条件が成立すること又は成立する可能性があることを事前に把握可能な事前把握手段(主制御装置101によるステップS4901の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記事前把握手段の把握結果に基づいて、前記特定報知を実行可能となる又はそれまでよりも実行し易くなることを特徴とする特徴E8乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の強制終了条件が成立することや成立する可能性があることが事前に把握された場合、特定報知が行われ易くなり、有利状態を通常状態へ移行させることで特定状態への移行抽選に当選し易くなる。この場合、有利状態が一旦通常状態へ移行することで、把握していた有利状態の強制終了条件が成立しなくなるため、通常状態に移行してから特定状態への移行抽選に当選すると、再度、新たな有利状態が開始されることになり、強制終了条件をリセットすることができる。このようにすることで、実質的に強制終了条件を回避させることができ、有利状態の興趣を好適に向上させることができる。
なお、「前記事前把握手段の把握結果に基づいて、前記特定報知を実行可能となる又はそれまでよりも実行し易くなる」について、「前記事前把握手段の把握結果が、前記強制終了条件が成立する又は成立する可能性があるとする結果であることに基づいて、前記特定報知を実行可能となる又はそれまでよりも実行し易くなる」と表現してもよい。
また、「強制終了条件」について、「前記特定状態において実行されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数となったこと、又は前記特定状態において増加可能な遊技媒体数が予め定められた上限数に達したことで成立する特定条件」と表現してもよい。
特徴E12.前記強制終了条件は、前記特定状態における所定の状況にて増加可能な遊技媒体数が予め定められた上限増加数に達することで成立するものであり、
前記事前把握手段は、前記有利状態における所定の状況にて増加した遊技媒体数が、前記上限増加数よりも少ない数である特定数(2350)に達したことを把握可能であり、
前記特定報知実行手段は、前記事前把握手段により前記増加した遊技媒体数が前記特定数に達したことが把握された場合、前記特定報知を実行可能となる又はそれまでよりも実行し易くなる構成であり、
少なくとも、前記事前把握手段により前記増加した遊技媒体数が前記特定数に達したことが把握されてから前記特定報知実行手段による前記特定報知が行われるまでの間において、前記態様報知実行手段による前記態様報知において、前記第1操作結果及び前記第2操作結果のうち、入賞した場合に付与される利益が少ない側の結果に対応する操作態様についての特定態様報知を実行することが可能な手段(表示制御装置81によるステップS5126の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増加数が上限増加数に達することで強制終了条件が成立する構成において、上限増加数よりも少ない特定数となると特定報知が行われて、有利状態から通常状態に移行して強制終了条件がリセットされる。但し、取得している特定情報が通常状態へ移行した場合に特定結果となり易い情報でなければ、通常状態へ移行しても意味がなく、そうすると、遊技媒体数が特定数に至ったからといって直ちに通常状態へ移行させてしまうと、遊技者は大きな不利益を被ることになる。そこで、特定数に至った後、通常状態での特定抽選に当選し易い特定情報が取得されるまで、有利状態にて待つことが得策と考えられ、そのような特定情報が取得されるまで待つ遊技において、態様結果当選時には付与される利益が少ない側の操作態様が報知されることになる。これにより、態様結果当選に基づいて多くの遊技媒体を獲得可能となる遊技性を前提としながらも、強制終了条件が成立する間近となった場合には、遊技媒体の払出が少なくなるようにうまく調整しつつ、上記の待つ遊技を行わせることができる。これにより、有利状態の優位性を最大限に生かしつつも、有利状態を一旦終了させ、その後、再度有利状態へ移行させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴E13.前記有利状態の残数を把握可能な残数把握手段(ATモード継続数カウンタ)を備え、
前記事前把握手段は、前記残数把握手段により把握される残数に基づいて、前記強制終了条件が成立することを把握可能であり、
前記特定報知実行手段は、前記残数に基づいて前記事前把握手段により前記強制終了条件が成立することが把握されたことに基づいて、前記特定報知を実行可能となる又はそれまでよりも実行し易くなることを特徴とする特徴E11又は特徴E12に記載の遊技機。
有利状態の残数に基づいて強制終了条件が成立することが把握された場合とは、その残数を消化しきる前に強制終了条件が成立することが考えられ、上記構成では、このような場合に、その差分の補填として特定報知が行われるようになる。これにより、残数を消化しきることができないことに対する喪失感を、特定報知による新たな有利状態への再移行といった特典でフォローすることが可能となる。
特徴E14.前記特定報知実行手段は、前記特定状態において所定の報知条件が成立したことに基づいて、前記特定報知を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴E1乃至E13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特定報知が有利状態中の特定状態において実行され得ることを規定するものである。このような構成であれば、例えば、特定報知によって有利状態とともに特定状態を一旦終了させた後、再度、特定状態へ移行させる、といった連荘性を、有利状態を跨いで実現することが可能となる。
特徴E15.前記抽選手段による抽選結果を利用して、前記通常状態から前記有利状態への移行抽選を行う有利移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記有利移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が外れ結果である場合を除く全ての抽選結果にて前記移行抽選を実行し、当該移行抽選にて非当選となることがないように当該移行抽選を実行することを特徴とする特徴E1乃至E14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、通常状態→有利状態→特定状態→通常状態、といったサイクルの構成を前提とし、有利状態へは外れ結果を除く全ての抽選結果で100%移行する構成となる。このような構成であれば、特定報知によって有利状態から通常状態への移行を生じさせるようにしても、その後、間もなく新たな有利状態に復帰することとなる。つまり、通常状態から有利状態へ移行させることのハードルを下げることを通じて、有利状態から通常状態へ移行させることについてもハードルを下げ、通常状態へ移行させることのメリットを際立たせることが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第2小役〜第26小役)が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行され易くなる特定状態(ATモード)を含む有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において予め定められた特定結果(特定役、所定の終了結果、第2再遊技)に当選している場合に、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合には当該有利状態を終了させて前記通常状態へ移行させる一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には当該有利状態を終了させないようにすることが可能な特定手段(主制御装置101による例えば転落リプレイ当選時の第2再遊技入賞によって有利区間を終了させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果として停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合と第2の操作態様にて操作された場合とで、異なる利益が付与される態様結果が設けられており、当該態様結果当選時に操作態様についての態様報知が特定状態にて行われる場合があるため、態様報知の有無により、遊技者に付与する利益を異ならせる遊技性を実現することができる。しかも、このような特定状態は有利状態に含まれ、通常状態では態様報知が行われないことから、態様報知を利用した遊技性においては、有利状態の方が遊技者にとって有利な状態といえる。
これに対して、例えば、有利状態への移行や有利状態の維持を望まない遊技者のニーズもあり、例えば、有利状態において何らかの事象(ペナルティ等)によって態様報知が予定よりも発生しないようになった場合や、有利状態における強制終了条件に近い状況で特定状態への移行を待っている状況等においては、有利状態を一旦終了させたほうがメリットが生じる場合もある。但し、有利状態から通常状態への移行を、遊技者に一任することは、遊技の管理や不正対策上好ましくない。
そこで上記構成では、特定結果に当選している場合であって、且つ停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合に有利状態を終了させることが可能としたため、有利状態を終了させることを遊技者の意思によって決定可能としつつ、遊技機による抽選がそれに関与することとなり、有利状態の終了の有無をバランスよく好適に管理することが可能となる。
特徴F2.前記第1操作態様よりも前記第2操作態様の方が容易に操作可能な態様であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、誤って有利状態を終了させてしまう事象を、極力避けることが可能となる。
特徴F3.前記特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、第1特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合には前記有利状態を終了させる一方、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合には前記有利状態を終了させないようにする構成であり、
前記第1特定の絵柄組合せの種類数よりも前記第2特定の絵柄組合せの種類数の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴F2の具体的構成である。特に、上記構成のように対応付けられている絵柄組合せの数を異ならせれば、比較的簡素な構成にて第1操作態様と第2操作態様との操作難易度に差を設けることが可能となる。
特徴F4.前記特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、第1特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合には前記有利状態を終了させる一方、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合には前記有利状態を終了させないようにする構成であり、
各前記周回体のうち予め定められた特定周回体において前記第1特定の絵柄組合せを構成する第1特定絵柄(例えば右リール32Rの第2再遊技入賞に対応付けられた「スイカ」図柄)よりも、前記特定周回体において前記第2特定の絵柄組合せを構成する第2特定絵柄(例えば右リール32Rの第2再遊技入賞に対応付けられた「黒BAR」図柄)の方が、遊技者が視認し易い絵柄として設定されていることを特徴とする特徴F2又は特徴F3に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、絵柄の視認性の観点からも、第2操作態様の方が第1操作態様よりも操作難易度が低くなる。このようにすることで、より簡素な構成にて、第1操作態様と第2操作態様との操作難易度の差を設けることが可能となる。
なお、「第1特定絵柄よりも第2特定絵柄の方が、遊技者が視認し易い絵柄」についてより具体的には、「第1特定絵柄が表示される表示面積よりも第2特定絵柄が表示される表示面積の方が大きい」や、「第1特定絵柄に付されている主な色よりも第2特定絵柄に付されている主な色の方が、周囲の色との色差が大きい」と表現することも可能である。
特徴F5.前記有利状態において、前記特定状態である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率の方が、前記特定状態ではない状況で行われる前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率よりも高くなり易いことを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選時の操作態様によって有利状態を終了させることが可能となる構成において、特定結果当選となる確率が特定状態の方が有利状態における特定状態ではない状態よりも高くなり易くなる。特定状態へ移行し易くなる有利状態をあえて終了させたい場合とは、特定状態への移行が生じていない場面の他、特定状態に滞在しているものの当該特定状態をあえて終了させてまで通常状態に移行させるべき場面が想定される。この場合、特定状態では態様報知が行われるようになることから、その実行ゲーム数が限定的なものとなっている場合が多く、当該特定状態をあえて終了させようとする場面とは、残りの実行ゲーム数を消化するよりも前に終了させようとする場面であり、比較的急を要する場面といえる。そこで、上記構成のように、特定結果の当選確率を規定することで、急を要する特定状態中の終了操作を好適に行わせることが可能となる。
特徴F6.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1操作態様にて操作することの操作指示報知を所定の報知手段にて実行可能な第1操作指示報知手段(表示制御装置81による転落リプレイ当選時に第1再遊技入賞用の押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第2操作態様にて操作することの操作指示報知を所定の報知手段にて実行可能な第2操作指示報知手段(表示制御装置81による転落リプレイ当選時に第2再遊技入賞用の押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定状態において予め定められた特定条件の成立を判定することが可能な判定手段(表示制御装置81による特定報知フラグがセットされているか否かの判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特定条件が成立していないとする結果であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、前記第1操作指示報知手段による操作指示報知を実行可能とし、前記判定手段による判定結果が前記特定条件が成立しているとする結果であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、前記第2操作指示報知手段による操作指示報知を実行可能とする手段(表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において特定条件が成立するまでは有利状態を終了させないように第1操作態様にて操作することの操作指示報知が行われ、特定条件が成立することで有利状態を終了させるように第2操作態様にて操作することの操作指示報知が行われる。このようにすることで、有利状態においてせっかく特定状態に移行したのにもかかわらず、誤って有利状態及び特定状態を終了させてしまうことを回避することができる。
特徴F7.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて前記特定状態へ移行させるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定状態への移行に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報について、当該所定の特定情報が前記特定抽選手段による前記特定抽選の対象となった場合の情報を、当該所定の特定情報が前記特定抽選の対象となるゲームよりも前のゲームにて把握することが可能な先把握手段(表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定条件は、前記先把握手段による把握結果が、前記所定の特定情報を用いた前記特定抽選を前記有利状態にて行うよりも前記通常状態にて行う方が前記特定結果となり易いとする結果であることを一の条件として成立するものであることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前取得される特定情報を用いて特定状態への移行を生じさせるか否かの特定抽選が行われる構成において、所定の特定情報を用いた特定抽選が有利状態にて行われるよりも通常状態にて行われた方が特定結果となり易いものであれば、特定条件が成立して特定状態中の操作指示報知が有利状態終了用のものに変化する。このようにすることで、一の特定状態において、特定条件が成立した場合に、特定状態の再セットを促すことが可能となり、特定状態への移行と再セットによって特定状態の連荘性を実現することが可能となる。
特徴F8.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される特典とが共通していることを特徴とする特徴F1乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態を終了させるか否かの相違はあるものの、特定結果当選時の操作態様によって付与される特典は変化しない。このような構成であれば、特定結果当選時にいずれの操作態様にて操作すべきかの報知を、有利状態だけでなく通常状態でも発生し得るものとすることができる。
特徴F9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第2小役〜第26小役)が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行され易くなる特定状態(ATモード)を含む有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であって、第1特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合には前記有利状態を終了させる一方、前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合には前記有利状態を終了させないようにすることが可能な特定手段(主制御装置101による第2再遊技入賞時の終了用図柄停止に基づいて有利区間を終了させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果として停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合と第2の操作態様にて操作された場合とで、異なる利益が付与される態様結果が設けられており、当該態様結果当選時に操作態様についての態様報知が特定状態にて行われる場合があるため、態様報知の有無により、遊技者に付与する利益を異ならせる遊技性を実現することができる。しかも、このような特定状態は有利状態に含まれ、通常状態では態様報知が行われないことから、態様報知を利用した遊技性においては、有利状態の方が遊技者にとって有利な状態といえる。
これに対して、例えば、有利状態への移行や有利状態の維持を望まない遊技者のニーズもあり、例えば、有利状態において何らかの事象(ペナルティ等)によって態様報知が予定よりも発生しないようになった場合や、有利状態における強制終了条件に近い状況で特定状態への移行を待っている状況等においては、有利状態を一旦終了させたほうがメリットが生じる場合もある。但し、有利状態から通常状態への移行を、遊技者に一任することは、遊技の管理や不正対策上好ましくない。
そこで上記構成では、抽選手段による抽選結果が特定結果であって、且つ第1特定の絵柄組合せを有効位置に停止させた場合には有利状態を終了させることが可能である一方、抽選手段による抽選結果が特定結果であっても、第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せを有効位置に停止させた場合には有利状態を終了させないようにする構成としたため、有利状態を終了させることを遊技者の停止操作手段の操作によって決定可能としつつ、遊技機による抽選がそれに関与することとなり、有利状態の終了の有無をバランスよく好適に管理することが可能となる。
なお、上記特徴F9に対して、特徴F1乃至F8にて限定した各構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
<特徴G群>
特徴G1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第2小役〜第26小役)が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行され易くなる特定状態(ATモード)を含む有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
少なくとも前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報と前記抽選手段による抽選結果とを用いて前記特定状態へ移行させるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定抽選手段による前記特定抽選の抽選結果が前記特定状態への移行に対応する特定結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定情報として、前記通常状態にて前記特定抽選が行われた方が、前記有利状態にて前記特定抽選が行われるよりも、前記特定結果となり易い特別情報(第1特定役に対応するATカウンタ=0〜56)が設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段によりゲームの抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が今回のゲームの抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果として停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合と第2の操作態様にて操作された場合とで、異なる利益が付与される態様結果が設けられており、当該態様結果当選時に操作態様についての態様報知が特定状態にて行われる場合があるため、態様報知の有無により、遊技者に付与する利益を異ならせる遊技性を実現することができる。しかも、このような態様報知が行われる特定状態への移行を生じさせるか否かの特定抽選が、特定情報取得手段により取得され特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を用いて、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて行われるようにしたため、特定情報を用いた特定抽選において特定情報が事前に取得される構成となり、単に抽選手段による抽選結果と周回体の停止結果との対応付けといった従来のスロットマシンとは全く異なる遊技性が実現される。
しかも、上記構成では、このような特定状態は有利状態に含まれ、通常状態では態様報知が行われない、といったように、態様報知を利用した遊技性において有利状態の方が遊技者にとって有利な状態であることを前提としながらも、特定情報取得手段により取得される特定情報が特別情報である場合、その特別情報を用いた特定抽選では有利状態よりも通常状態の方が特定抽選に当選し易くなる。このようにすることで、特定情報が特別情報である場合にはその特別情報が特定抽選に用いられるゲームに限っては、通常状態の方が有利状態よりも有利となる事象が生じ、有利状態の方が通常状態よりも有利であることを前提としながらも、各状態の有利不利を逆転させることができる。この場合、例えば、事前取得されている特定情報が特別情報である場合に、その旨を報知したり、有利状態から通常状態へ移行させたりすることもできる。このように、上記構成を用いれば、単に有利状態であれば有利である、といった単純な遊技性から脱却した、新たな遊技性を創出することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴G2.前記特定抽選手段は、前記通常状態において、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えば通常リプレイや押し順ベル)であって前記特定情報が前記特別情報である場合、前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となるように設定されており、且つ、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば強チェリー等のレア役)であって前記特定情報が前記特別情報である場合、前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となるように設定されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果と特定情報とのセットを用いて特定抽選が行われる構成において、通常状態の方が特定抽選に当選し易くなる特別情報に関しては、第1結果とのセットで特定抽選が行われた場合と、第2結果とのセットで特定抽選が行われた場合とのいずれにおいても当選するように設定されている。つまり、特別情報を用いて特定抽選が行われる場合、そのゲームの抽選結果が第1結果と第2結果とのいずれであっても特定抽選に当選となる。この場合、例えば、特別情報を用いた特定抽選において当選し易くなるようにするためには、その特別情報とセットで当選となる抽選手段による抽選結果の出現率を高くする構成も考えられる。しかし、出玉率や他の結果の出現率との関係上、その抽選結果の出現率を高くしようとしても上限がある。その点、上記構成のようにすることで、特別情報を用いた特定抽選に当選し易くなる事象を、抽選手段による抽選結果を変更することなく実現することが可能となる。
特徴G3.前記特定抽選手段は、前記有利状態において、前記抽選手段による抽選結果が第3結果(例えば強チェリー等のレア役)であって前記特定情報が予め定められた第2特別情報である場合、前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3結果となる確率と、前記特定情報取得手段が前記第2特別情報を取得する確率とにより算出される前記有利状態における前記特定抽選の当選確率が、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果又は前記第2結果となる確率と、前記特定情報取得手段が前記特別情報を取得する確率とにより算出される前記通常状態における前記特定抽選の当選確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上記構成では、特徴G2のように複数の抽選結果とセットで特定抽選に付されることで特定結果となる構成において、有利状態においては第3結果と第2特別情報とのセットで特定抽選に付されることで特定結果となる構成とし、これら各ゲームで第1結果や第2結果、第3結果となる確率と、特別情報や第2特別情報が取得される確率とを考慮すると、全体的に有利状態のほうが特定結果となり易くなるように、第1結果〜第3結果の確率や、特別情報や第2特別情報が取得される確率が設定されている。このようにすることで、通常状態においては特別情報が複数の抽選結果とセットで特定抽選に付される構成を用いながらも、特定抽選の当選確率に関して有利状態の優位性を担保することが可能となる。
特徴G4.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる確率の方が前記第2結果となる確率よりも高くなるように設定されており、
前記第3結果は前記第2結果であることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果の方が第2結果よりも当選し易い構成において、通常状態においては、第1結果又は第2結果と特別情報とのセットで特定抽選に当選となり、有利状態においては、第2結果と第2特別情報とのセットで特定抽選に当選となる。つまり、通常状態と有利状態とで、当選確率の低い所謂レア役と称される第2結果である場合の特定抽選の結果が、取得されている特定情報によって異なる構成である。このような構成とすることで、全体的に有利状態のほうが特定結果となり易くなるようにするうえで、第2結果となる場合に対応付けられた特別情報と第2特別情報との数値範囲を、有利状態側の方を広くしたり、その種類を有利状態側の方を多くしたりすればよく、比較的簡素な構成にて、特定抽選の当選確率を設定することが可能となる。
特徴G5.前記特定抽選手段は、前記有利状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果とならないように設定されていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率の高い第1結果については、有利状態にて特定結果となる特定情報が対応付けられていないため、全体的に有利状態のほうが特定結果となり易くなるようにするうえで、第2結果となる場合に対応付けられた特別情報と第2特別情報との数値範囲等を最大限広くすることが可能となる。つまり、有利状態においては、第1結果では特定抽選に当選しないものの、第2結果となった場合の特定抽選の当選確率を最大限高くすることが可能となる。これにより、有利状態のメリハリを生じさせることができ、有利状態における興趣を向上させることができる。
特徴G6.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果又は前記第2結果となる確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記第3結果となる確率よりも高く、
前記特定情報取得手段が前記特別情報を取得する確率は、前記特定情報取得手段が前記第2特別情報を取得する確率よりも低くなるように設定されていることを特徴とする特徴G3乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴G3乃至G5の具体的構成である。
特徴G7.前記特定抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が特別結果(通常リプレイ、不問ベル、押し順ベル等)であって前記特定情報が前記特別情報である場合、前記特定抽選の抽選結果が前記特定結果となるように設定されており、
遊技状態が第1遊技状態(例えば通常遊技状態)である場合と、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(例えば第3RT状態)である場合とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
通常状態と有利状態とを明確に区別することで、特定状態への移行が生じていないのにも関わらず態様報知が行わせたり、その態様報知による恩恵を不正に享受しようとしたりする不正行為を遊技ホールの管理者等が特定し易くなるメリットがある。その点、仮に、通常状態においても特定抽選を行ううえで、遊技状態によって当選確率が異なる結果で特定抽選を行う構成とすると、遊技状態によって特定抽選の当選確率が異なることとなり、有利状態の意義が薄れ、そうすると、上記の不正行為の特定が行いにくくなる。これに対して上記構成では、抽選手段による抽選結果と特定情報とのセットを用いて特定抽選が行われる構成において、特別情報とのセットで特定抽選に当選となる特別結果は、遊技状態によって当選確率が変化しない結果となる。このようにすることで、通常状態において特定抽選を行う構成としても、有利状態との区別を明確にすることができ、上記のような不都合を生じさせないようにすることができる。
<特徴H群>
特徴H1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第2小役〜第26小役)が入賞する態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行され易くなる特定状態(ATモード)への移行が可能となる有利状態(有利区間)と、当該有利状態よりも前記特定状態へ移行しにくい通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記通常状態にて、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1契機結果(外れを除く全結果)であることに基づいて、前記有利状態へ移行させるか否かの有利移行抽選を実行する有利移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)と、
前記有利移行抽選手段による有利移行抽選の結果が前記有利状態へ移行させることに対応する有利移行結果(有利状態移行当選)であることに基づいて、前記有利状態へ移行させる有利状態移行手段(主制御装置101による有利区間へ移行させるための処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2契機結果(第1特定役)であることに基づいて、前記特定状態へ移行させるか否かの特定移行抽選を実行する特定移行抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定移行抽選手段による特定移行抽選の結果が前記特定状態へ移行させることに対応する特定移行結果(ATモード移行当選)であることに基づいて、前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
予め定められた特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となった後で前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となるよりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となる前に前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となった方が、遊技者にとって有利となるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、態様報知が行われ易い特定状態への移行が生じ易くなる有利状態と、特定状態への移行が生じにくい通常状態とが設定されている構成において、第1契機結果となると有利状態への移行抽選が行われ、第2移行結果となると特定状態への移行抽選が行われるようにしたうえで、特定状況では、第1契機結果となった後に第2契機結果となるよりも、第1契機結果となる前に第2契機結果となった方が遊技者にとって有利となる。つまり、通常であれば、第1契機結果となって有利状態へ移行抽選を受け、有利状態へ移行してから第2契機結果となる方が有利状態への移行し易さからすると有利となるものの、特定状況においてはそれが逆転する。このような特定状況が生じ得るようにしたことから、通常状態→有利状態→特定状態といった段階的な状態移行を規定しつつも、最下層である通常状態において特定状態への移行し易さ等の有利度が逆転する状況が生じ、当該通常状態の面白みを向上させることができる。
なお、上記構成において、「予め定められた特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となった後で前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となるよりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となる前に前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となった方が、遊技者にとって有利となるように設定されている」は、「予め定められた特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となった後のゲームで前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となるよりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となる前のゲームで前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となった方が、遊技者にとって有利となるように設定されている」と表現してもよい。
特徴H2.前記特定状況は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となって前記有利移行抽選手段による抽選結果が前記有利移行結果となるよりも前に、前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となることで、当該第2契機結果に基づく前記特定移行抽選手段による前記特定移行抽選の結果が前記特定移行結果となり易いことを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴H1の具体的構成である。このような構成とすることで、通常状態よりも有利状態のほうが全体的に見ると特定状態へ移行し易い構成であることを前提としながら、特定状況では、通常状態中の方が有利状態よりも特定状態へ移行し易いといった逆転現象が生じ、通常状態の遊技性を格段に向上させることができる。
特徴H3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となる確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となる確率よるも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1契機結果となる確率の方が第2契機結果となる確率の方が高いため、第1特定結果の方が第2契機結果よりも先に発生し易い。そのため、特定状況といった通常状態の方が有利状態よりも有利となる状況であっても、それがより限定的なものとなり、有利状態の優位性が逆転するような状況がより限られた状況として、当該状況への注目度を好適に高めることができる。
特徴H4.前記第2契機結果は前記第1契機結果に含まれるものであることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1契機結果であっても第2契機結果ではないといった事象は生じるものの、第2契機結果であっても第1契機結果ではないといった事象は生じない。このように、両契機結果の重複を許容することで、契機結果の選別の自由度が大幅に向上する。
特徴H5.前記通常状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となった場合、前記通常状態における前記有利移行抽選手段による前記有利移行抽選が実行され、且つ前記通常状態における前記特定移行抽選手段による前記特定移行抽選が実行されるものであることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成は両契機結果が重複する場合の移行抽選の態様を規定するものであり、上記構成のようにすることで、第2契機結果に基づく特定移行抽選が通常状態において行われるものであることが明確化される。これにより、通常状態中の有利度の逆転現象を好適に実現することができる。
特徴H6.前記特定状況となり得ることを、当該特定状況となるよりも前に把握することが可能な先把握手段(表示制御装置81による保留表示用処理を実行する機能)と、
前記先把握手段による把握結果に基づいて、当該特定状況となり得ることの特定報知を、当該特定状況となるよりも前に、所定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81により特定報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況が生じるよりも前に特定報知によってそれを把握することができる。このようにすることで、特定報知が通常状態中であればそれに期待しながら遊技を行うようになるであろうし、特定報知が有利状態中であれば、通常状態への移行が生じることを期待しながら遊技を行うようになると考えられ、いずれにしても、特定報知を契機としてその後の遊技姿勢が大きく変化するものと考えられる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴H7.前記特定報知実行手段は、前記有利状態において前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中に、通常状態中の特定状況に関する特定報知が行われることになる。そのため、有利状態ではあっても、当該有利状態から通常状態への移行が生じることを望むようになり、従来とは真逆の感情を惹起させる、といった斬新な遊技性を提供することが可能となる。
特徴H8.前記先把握手段により前記特定状況となり得ることの把握が行われた場合であっても、前記抽選手段による抽選結果が前記第1契機結果となる前に前記抽選手段による抽選結果が前記第2契機結果となることが前記有利状態において生じた場合には、前記通常状態において生じた場合よりも不利となることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中に特定報知が行われた場合において、有利状態から通常状態への移行が生じなければ意味がないことが明確化される。このようにすることで、より通常状態への移行を渇望させることができ、従来にはない面白みのある遊技性が実現される。
特徴H9.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特定情報(ATカウンタC)を取得する特定情報取得手段(主制御装置101における乱数取得用処理を実行する機能)と、
前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段(主制御装置101における抽選用情報記憶エリア106f)と、
を備え、
前記特定移行抽選手段は、前記特定移行抽選を、前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な構成であり、
前記先把握手段は、前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報について、当該所定の特定情報が前記通常状態にて前記特定移行抽選の対象となった場合の情報を把握することで前記特定状況となり得ることを把握可能な構成であることを特徴とする特徴H6乃至H8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は特徴H6の具体的構成であり、特定状態への移行抽選が、事前取得される特定情報を用いて行われ、当該事前取得されている所定の特定情報が通常状態において特定移行抽選の対象となった場合の情報に基づいて特定状況となり得ることを把握し、その把握結果に基づいて特定報知が行われる。このようにすれば、特定状況を容易に把握することができ、特定報知を用いた遊技性を好適に実現することができる。
特徴H10.前記先把握手段は、前記特定情報記憶手段に記憶されている所定の特定情報について、当該所定の特定情報が前記通常状態にて前記特定移行抽選の対象となった場合に、当該特定移行抽選が所定の第2契機結果に基づいて行われることで前記特定移行結果となることを把握可能であり、
前記特定報知実行手段は、
前記有利状態から前記通常状態へ移行させることを可能とする報知を前記特定報知として実行可能であり、
前記通常状態にて前記所定の特定情報が前記特定移行抽選の対象となった場合の前記抽選手段による抽選結果が前記所定の第2契機結果であり、且つ当該所定の特定情報が前記特定移行抽選の対象となるまでに当該通常状態にて前記第1契機結果とならない確率の方が、前記有利状態にて前記所定の特定情報が前記特定移行抽選の対象となった場合の前記特定移行結果となる確率よりも高くなる場合に前記特定報知を行うことが可能であることを特徴とする特徴H9に記載の遊技機。
通常状態において、所定の特定情報が特定移行抽選の対象となるゲームで所定の第2契機結果となるよりも先に第1契機結果となる確率が高い場合にまで通常状態へ移行させてしまうと、実質的に特定状況の恩恵を享受できない可能性が高い。その点、上記構成では、所定の特定情報が特定移行抽選の対象となるゲームで所定の第2契機結果となるよりも先に第1契機結果となる確率と、そのまま有利状態にて所定の特定情報を用いた特定抽選を受けた場合の特定移行結果となる確率と、を考慮して通常状態への移行を生じさせるようにするため、特定状況の恩恵をより好適に享受させることが可能となる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴H群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴H群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのスロットマシン、32…周回体としてのリール、41…開始操作手段としてのスタートレバー、42〜44…停止操作手段としてのストップスイッチ、64…補助演出部を構成するスピーカ、65…補助演出部を構成する補助表示部、68…指示モニタ、N8…区間表示器としての第8表示用セグメント、81…サブ制御基板としての表示制御装置、101…メイン制御基板としての主制御装置、102…抽選手段やメイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU。

Claims (7)

  1. 複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
    各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段と、
    前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
    前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段と、
    予め定められた移行条件が成立したことに基づいて、遊技状態を特定状態へ移行させ、予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、当該特定状態を終了させる遊技状態移行手段を備える遊技機であって、
    予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特定情報を取得する特定情報取得手段と、
    前記特定情報取得手段により取得された前記特定情報を記憶可能な特定情報記憶手段と、
    前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報を用いて、予め定められた特定事象を生じさせるか否かの特定抽選を、当該特定情報が取得されたゲームよりも後のゲームにて実行可能な特定抽選手段と、
    前記特定抽選の抽選結果が前記特定事象の発生に対応する特定結果であることに基づいて、前記特定事象を生じさせる特定実行手段と、
    を備え、
    前記特定抽選手段は、前記特定状態の前記終了条件が成立する場合に前記特定抽選を実行可能な手段を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定情報取得手段は、ゲームの進行に伴い各ゲームで前記特定情報を取得する構成であり、
    ゲームの進行に伴い、前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報を順次、消去することが可能な消去手段を備え、
    前記消去手段は、前記特定情報が前記特定抽選手段による前記特定抽選に用いられるか否かに関わらず、当該特定情報を消去することが可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記特定情報記憶手段に記憶されている前記特定情報について、当該特定情報が前記特定抽選の対象となった場合の当該特定抽選の結果に対応する特定報知を、当該特定情報が前記特定抽選の対象となるよりも前に、所定の報知手段にて実行可能な特定報知実行手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記特定状態における所定ゲームの遊技結果が第1結果である場合、当該所定ゲーム又はその後のゲームにて前記終了条件が成立する一方、当該所定ゲームでの遊技結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合、当該所定ゲーム又はその後のゲームにて前記終了条件が成立しない又は前記第1結果の場合よりも成立しにくいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
  5. 前記抽選手段による抽選結果として、予め定められた第1終了結果が設定されており、
    前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1終了結果であり、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合、当該所定ゲームの遊技結果が前記第1結果となり、
    前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1終了結果であり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合、当該所定ゲームの遊技結果が前記第2結果となることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記特定抽選手段は、前記特定状態における各ゲームで前記特定抽選を実行することが可能な構成であり、
    当該特定状態における各ゲームでの前記特定抽選の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する結果であった場合、当該結果の報知を、当該特定状態の前記終了条件の成立に基づく前記特定抽選の結果の報知として実行することが可能な手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
  7. 前記特定抽選手段が前記特定状態の前記終了条件が成立したことに基づいて所定の特定情報を利用して前記特定抽選を行う場合、当該特定抽選が行われるゲームにおける前記抽選手段による抽選結果に関わらず当該特定抽選の結果が共通していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
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