JP2020093089A - 調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラム - Google Patents

調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】調剤におけるインシデントの発生を防止する、調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラムを提供する。【解決手段】調剤監査方法は、取得部が、処方箋から処方データを取得する取得ステップ(S002)、取得ステップと並行して、又は取得ステップに先んじて、読込部が、薬剤師が処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込ステップ(S003)、及び照合部が、取得ステップで取得された処方データと、読込ステップで読み込まれた調剤データとを照合する照合ステップ(S004)を有する。読込ステップで、薬剤師が取り揃えた薬剤の種類と、薬剤師が取り揃えた薬剤の総重量から、予め薬剤ごとに関連付けられた重量データに基づいて算出される薬剤の個数又は質量と、を含む調剤データを読込部が読み込むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラムに関する。
調剤薬局等では、患者に対し、処方箋に基づいて薬剤師による調剤が行われている。その際、調剤された薬が処方箋どおりに調剤されたものであるか、が確認(監査)されている。そして、監査に問題が無ければ、患者に、服薬の指導説明がされた後、調剤された薬が交付される。
このような調剤においては、従来から、薬剤を取り揃える際に、取り間違いや数量間違い等の調剤事件(インシデント)を生じるおそれがあった。これに対して、インシデント発生を防止するためのシステムがこれまで開発されてきている。
図3は、従来の調剤監査方法の一例を示すフローチャートを示す図である。
図3の調剤監査方法のフローでは、まず、患者が提出する処方箋の受付を行う(ステップS011)。処方箋の内容について、所定の事項他を確認する(処方監査)。
次いで、受け付けた処方箋の内容(処方データ)をレセプトコンピュータ(レセコン)に入力して、処方データを取得する(ステップS012)。
次いで、薬剤師が、レセコンに入力された処方データに基づいて薬剤を取り揃えて調剤を行う(ステップS013)。各薬剤にはそれぞれにバーコードが付されている。各バーコードを読み取り、その調剤データをコンピュータに読み込む。
次いで、ステップS012で取得された処方データと、ステップS013で読み込まれた調剤データとを、監査用パソコン上で照合して最終監査を行う(ステップS014)。照合の結果、両者が一致していれば、その処方された薬を患者に交付する(ステップS015)。
かかる従来の調剤監査方法として、例えば特許文献1には、処方箋のデータとピッキング結果のデータと調剤結果のデータとを監査用パソコンに集結させてそのディスプレイに表示し、その表示に照らして監査者が調剤の監査を行うことができるようにした調剤監査システムが提案されている。
例えば特許文献2には、オペレータによる処方箋データの入力作業及びパソコンの動作と並行して、薬剤師が処方箋に基づく調剤を行うこと、及びパソコンにおいて、入力されたピッキングデータと処方箋データとの照合を行うこと、を備えた調剤薬局業務支援システムが提案されている。
特許文献2に記載の調剤薬局業務支援システムにおいて、前記ピッキングデータは、錠剤又はカプセルを調剤する場合、薬剤師が処方箋を見ながらピッキングした薬剤に添付されたICタグ等から、薬剤師の手を介して読み取られた情報を含むものである。また、散薬又は液薬を調剤する場合、散薬又は液薬の容器に付着されたICタグ等からその散薬又は液薬の種類情報を読み取ると共に、薬剤師がその容器から散薬又は液薬を取り出して調剤に使用した分の重量をデジタル重量計で計測した情報を含むものである。
特開2006−167145号公報 特開2005−10904号公報
しかしながら、近年、後発医薬品の使用促進や一般名処方の増加に伴い、調剤における「先発・後発違い」、「品名違い」のインシデント発生の割合は増加傾向にある。
調剤におけるインシデント発生について、その要因は様々であるが、従来、人為的な過誤に起因するものがほとんどである。
特許文献2に記載の調剤薬局業務支援システムにおいて、錠剤又はカプセルを調剤する際、例えば同じ薬剤(錠剤又はカプセル)が複数個ピッキングされている場合にはICタグも同じ複数個が存在し、薬剤師は各ICタグからの情報を正確に読み取る作業の負担を伴う。また、散薬又は液薬を調剤する場合には、薬剤師はその容器から散薬又は液薬を取り出す作業、及び調剤に使用した分の薬剤の重量を計測する作業の負担が伴うことになる。いずれの作業においても、未だ、人為的な過誤が生じるおそれがある。
そこで、調剤行為においては、取り扱う物が医薬品であることから、患者のみならず、薬剤師にとっても安心できる心理的なサポートが必要であり、新たな対策が求められる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、調剤におけるインシデントの発生を防止することができる調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラムを提供すること、を目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の一態様としては、コンピュータによる調剤監査方法であって、取得部が、処方箋から処方データを取得する取得ステップ、前記取得ステップと並行して、又は前記取得ステップに先んじて、読込部が、薬剤師が前記処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込ステップ、及び照合部が、前記取得ステップで取得された処方データと、前記読込ステップで読み込まれた調剤データとを照合する照合ステップを有し、前記読込ステップで、前記薬剤師が取り揃えた薬剤の種類と、前記薬剤師が取り揃えた薬剤の総重量から、予め薬剤ごとに関連付けられた重量データに基づいて算出される薬剤の個数又は質量と、を含む調剤データを前記読込部が読み込むことを特徴とする、調剤監査方法である。
また、本発明の一態様としては、上記の調剤監査方法に使用する調剤監査システムであって、処方箋から処方データを取得する取得部、薬剤師が前記処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込部、及び前記取得部で取得された処方データと、前記読込部で読み込まれた調剤データとを照合する照合部を有し、前記読込部が、前記薬剤師が取り揃えた包装状態の薬剤の総重量から、予め薬剤ごとに関連付けられた重量データに基づいて薬剤の数量を算出する手段を備える、調剤監査システムである。
また、本発明の一態様としては、上記の調剤監査方法に使用する調剤監査プログラムであって、コンピュータに、処方箋から処方データを取得する取得ステップ、薬剤師が前記処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込ステップ、及び前記取得ステップで取得された処方データと、前記読込ステップで読み込まれた調剤データとを照合する照合ステップを実行させるための調剤監査プログラムである。
本発明の調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラムによれば、調剤におけるインシデントの発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る調剤監査方法のフローチャートを示す図である。 図2(a)は、耳部分15を有するPTPシート10に、10錠の錠剤50が収容された状態の10錠シートを示す模式図である。図2(b)は、耳部分の無いPTPシート20に、10錠の錠剤50が収容された状態の10錠シートを示す模式図である。図2(c)は、PTPシート30に収容された錠剤50の1錠分を示す模式図である。図2(d)は、取り揃えた包装状態の錠剤をまとめるための輪ゴム40を示す模式図である。 従来の調剤監査方法の一例を示すフローチャートを示す図である。
本発明の一態様に係る調剤監査方法は、処方箋の内容(処方データ)のレセコンへの入力(処方データ取得)を待たずに取り揃えられた薬剤の調剤データを、レセコンへ入力された処方データと照合する点に特徴がある。加えて、読込ステップで、薬剤師が取り揃えた薬剤の総重量から、取り揃えた分の薬剤の数量(個数又は質量)が算出される点に特徴がある。前記2つの点以外の構成については、公知の方法、システム、プログラムを適宜適用できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る調剤監査方法のフローチャートを示す図である。
本実施形態の調剤監査方法は、例えば、受付パソコンと、取得部であるレセプトコンピュータ(レセコン)と、読込部である調剤用パソコンと、照合部である監査用パソコンとを互いに連携させて全体が構成された調剤監査システム及び調剤監査プログラムを使用して行う。調剤用パソコンは、散剤又は液剤調剤用、計数調剤用など、剤形に応じて複数のパソコンを備える。
本実施形態の調剤監査方法のフローでは、まず、患者が提出する処方箋の受付を行う(ステップS001)。処方箋の内容について、所定の事項他を確認する。必要に応じて、処方箋を発行した医師等へ疑義照会を行う(処方監査)。
次いで、受け付けた処方箋の内容(処方データ)をレセプトコンピュータ(レセコン)に入力して、処方データを取得する(ステップS002)。
レセコンに入力した処方データは、受付パソコンへ転送され、受付パソコンから調剤用パソコン及び監査用パソコンへそれぞれ送られる。
ステップS002とは別に、並行して、又は先んじて、薬剤師が受け付けた処方箋の内容(処方データ)を直接に確認しながら薬剤を取り揃える(ステップS003)。
本実施形態では、レセコンに入力された処方データに基づくのではなく、処方箋を直接に確認しながら調剤を行う。例えば、処方箋の原本、処方箋の写し、又はスキャナ等により取得した処方箋の画像データを確認しながら調剤を行う。これにより、レセコン入力ミスに伴う調剤ミスを防ぐことができる。また、レセコンと調剤場所とが離れている場合でも、調剤を行うことができる。
そして、各薬剤に付されたバーコード等の調剤データを調剤用パソコンに読み込む。調剤用パソコンに読み込まれた調剤データは、監査用パソコンへ送られる。
次いで、ステップS002で取得された処方データと、ステップS003で読み込まれた調剤データとを照合して最終監査を行う(ステップS004)。
ステップS004における照合の結果、監査用パソコンへ送られてきた処方データと調剤データとが一致していれば、その処方された薬を患者に服薬指導と共に交付する(ステップS005)。
ステップS004における照合の結果、監査用パソコンへ送られてきた処方データと調剤データとが不一致である場合には、処方データに誤りがある、調剤データに誤りがある、又は両者に誤りがあることになり、インシデント発生が未然に防がれる。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る調剤監査方法は、取得ステップと読込ステップと照合ステップとを有する。前記読込ステップは、前記取得ステップと並行して、又は前記取得ステップに先んじて進められる。また、レセコンへの入力(ステップS002)と、薬剤の取り揃え(ステップS003)とは別々のフローを経て、最終的に処方データと調剤データとが照合される。これにより、調剤ミスに加え、レセコンへの入力ミスも同時にチェックが可能である。つまり、本実施形態に適用の調剤監査システムは、レセコンへの入力ミスのチェック機能と、調剤ミスのチェック機能とのダブルチェック機能を持つ。このため、ヒューマンエラーを極限まで減らすことができ、間違った薬の交付を防ぐことができるようになる。したがって、本実施形態に係る調剤監査方法によれば、調剤におけるインシデントの発生を防止することができる。
上記のように、本実施形態に適用の調剤監査システムは、ダブルチェック機能を持つことから、本システムを介することで、調剤された薬が処方箋どおりに調剤されたものである確実性が高められ、加えて、従来よりも高い安心感が得られる。かかる本システムは、患者のみならず、薬剤師にとっても安心できる心理的なサポートとなり得る。
また、本発明の一実施形態に係る調剤監査方法によれば、処方箋の内容(処方データ)のレセコンへの入力(処方データ取得)を待たずに、薬剤師による薬剤の取り揃え(調剤)を行うことができる。これにより、処方箋を受け付けてから調剤開始までの時間の短縮が図られる。また、処方箋の受け付け順に、レセコンの入力を待たずに、次の処方箋についての薬剤の取り揃えを続けて行うことができる。さらに、本実施形態に適用の調剤監査システムにおいては、照合部で、調剤データの保留が可能であるため、レセコン入力に先行して調剤を進めることができる。
また、既存の調剤監査システムを適用した調剤監査方法では、散剤、液剤、軟膏剤、注射剤などを監査できなかった。本実施形態に適用の調剤監査システムにおいては、調剤の事前に、医薬品のシステムへの登録を行うことで、混合された散剤、液剤、軟膏剤、注射剤等の識別が可能となる。これにより、最終的に、いずれの剤形であっても監査することが可能となる。さらに、本システムの採用により、錠剤、散剤、液剤、軟膏剤、注射剤、外用剤などの複数種類の調剤を、異なる場所又は担当者が行ったとしても、集約したところで照合(最終監査)を行うことができる。
また、本実施形態に適用の調剤監査システムにおいては、最終監査済みの処方・調剤を履歴から確認することができる。このため、本システムの採用により、最終監査済みデータを基にして予製の監査も可能である。このように、本システムにおいては、調剤データ及び最終監査済みデータの保管機能を有し、これを活用することで調剤業務の効率化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳しく説明をしてきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更などをすることが可能である。
上述した実施形態の調剤監査方法におけるステップS003(読込ステップ)では、さらに、薬剤に付与されている各種の番号「コード」を登録することで、先発品、後発品、取り揃えた薬剤の数量等のチェックもステップS004(照合ステップ)で可能となる。各種の番号「コード」としては、例えば、GS1コード、厚生労働省コード、薬価コード、電子レセプト請求コード等が挙げられる。これにより、人のダブルチェック機能を強化することができる。加えて、各チェック項目を完全マッチングすることになるため、間違った薬の交付防止がより図られる。
前記の、取り揃えた薬剤の数量のチェックについては、例えば以下のようにして行うことができる。
本発明の一実施形態に係る調剤監査方法においては、前記ステップS003(読込ステップ)として、薬剤師が取り揃えた薬剤の種類と、薬剤師が取り揃えた薬剤の総重量から、予め薬剤ごとに関連付けられた重量データに基づいて算出される薬剤の個数又は質量とを含む調剤データを、読込部が読み込む形態が挙げられる。
かかる実施形態のステップS003(読込ステップ)は、例えば、薬剤に付与されている各種の番号「コード」に、予め計測しておいた重量データを関連付けることによって、薬剤師が取り揃えた包装状態の薬剤の総重量から、薬剤の数量を算出する手段を読込部に備える。
薬剤の数量としては、薬剤の個数(錠数、包数)又は質量(容器内の内容量)の算出が可能である。
したがって、読込部に出力するバーコードリーダー及び重量計を用い、薬剤師は、取り揃えた薬剤の番号「コード」を、バーコードリーダーで読み取り、また、取り揃えた包装状態の全薬剤を重量計に載せるだけで、取り揃えた薬剤の種類と、取り揃えた薬剤の個数又は質量と、を含む調剤データが読込部に読み込まれていく。
ここで、薬剤の番号「コード」をバーコードリーダーで読み取る操作と、取り揃えた薬剤を重量計に載せる操作との順序は、特に制限されず、どちらが先行してもよいし、同時であってもよい。
前記重量データは、薬剤の状態(錠剤、顆粒、液剤など)、包装形態(PTP(press through pack)シート、注射剤、チューブ、軟膏つぼ、投薬瓶、輪ゴムなど)等に応じて準備しておくことが可能である。例えば、前記重量データとしては、包装状態(例えば、1錠当たり、10錠当たり、1包当たり等)の薬剤の重さ、包装材の耳部分の重さ、各種の外装材の重さ、投薬瓶(空の状態)の重さ、液剤の密度、複数の包装材をまとめるための輪ゴムの重さ等が挙げられる。
以下、図2を参照しながら、薬剤として錠剤が収容されたPTPシートの場合を例に挙げて説明する。
図2(a)は、耳部分15を有するPTPシート10に、10錠の錠剤50が収容された状態の10錠シートを示している。
図2(b)は、耳部分の無いPTPシート20に、10錠の錠剤50が収容された状態の10錠シートを示している。
図2(c)は、PTPシート30に収容された錠剤50の1錠分を示している。
図2(d)は、取り揃えた包装状態の錠剤をまとめるための輪ゴム40を示している。
かかる実施形態のステップS003(読込ステップ)では、以下のようにして、薬剤師が取り揃えた包装状態の薬剤の総重量から、薬剤の個数(錠数)が算出される。
図2(a)に示す状態の包装体の重さが10g、図2(b)に示す状態の包装体の重さが8g、図2(c)に示す状態の包装体の重さが0.8g、図2(d)に示す輪ゴムの重さが0.3g、薬剤師が取り揃えた、包装状態の薬剤の重さ(総重量)が41.9gの場合の錠数を求める。
[アルゴリズムその1]
図2(a)に示す状態の包装体が4つ(40錠) 10g×4つ=40g
総重量41.9g−40g=1.9g
図2(c)に示す状態の包装体が2つ(2錠) 0.8g×2つ=1.6g
1.9g−1.6g=0.3g
耳部分15の重さ 10g−8g=2g>0.3g
これより、図2(b)に示す状態の包装体(耳部分無し)は含まれない可能性が高いと判定する。図2(d)に示す輪ゴム1つ(0.3g)が含まれている可能性が高い。
以上から、薬剤の錠数は42錠と算出される。
[アルゴリズムその2]
図2(c)に示す状態の包装体が1つ(1錠)0.8g
総重量41.9g−0.8g=41.1g
図2(a)に示す状態の包装体が4つ(40錠) 10g×4つ=40g
41.1g−40g=1.1g
図2(c)に示す状態の包装体が1つ(1錠)0.8g
1.1g−0.8g=0.3g
耳部分15の重さ 10g−8g=2g>0.3g
これより、図2(b)に示す状態の包装体(耳部分無し)は含まれない可能性が高いと判定する。図2(d)に示す輪ゴム1つ(0.3g)が含まれている可能性が高い。
以上から、1錠分の誤差は無く、薬剤の錠数は42錠と算出される。
[アルゴリズムその3]
耳部分15の重さ 10g−8g=2g
総重量41.9g−2g=39.9g
図2(a)に示す状態の包装体が3つ(30錠) 10g×3つ=30g
39.9g−30g=9.9g
図2(c)に示す状態の包装体が12つ(12錠)0.8g×12=9.6g
9.9g−9.6g=0.3g
耳部分15の重さ2g>0.3g
これより、図2(b)に示す状態の包装体(耳部分無し)は含まれない可能性が高いと判定する。図2(d)に示す輪ゴム1つ(0.3g)が含まれている可能性が高い。
以上から、薬剤の錠数は42錠と算出される。
アルゴリズムその1、その2及びその3のいずれにおいても、42錠と算出されたことから、薬剤師が取り揃えた薬剤の個数(錠数)を42錠と判定する。
かかる実施形態のステップS003(読込ステップ)を採用することで、薬剤師が取り揃えた薬剤と、処方箋との単なる一致・不一致のみならず、薬剤師が取り揃えた薬剤の個数又は質量それ自体の正否(数量違い)を確認することが可能となる。
加えて、実施形態のステップS003(読込ステップ)によれば、予め薬剤ごとに関連付けられる重量データを駆使し、薬剤の番号「コード」にその重量データを紐付けすることで、取り揃えた薬剤の総重量からその数量(個数又は質量)が自動的に算出されるため、人の手を介したピッキングに伴う数量のデータ入力を要しない。
また、かかる実施形態のステップS003(読込ステップ)においては、薬剤の種類、薬剤の状態(錠剤、顆粒、液剤など)を問わず、いかなる薬剤であっても、取り揃えた薬剤の総重量からその数量(個数又は質量)の算出が可能である。
さらに、実施形態のステップS003(読込ステップ)によれば、例えば、包装単位が複数あるPTPシート(耳部分の有無、10錠シート、14錠シート等)の取違えの防止も図れる。
尚、従来の、重量を計測する監査システムでは、処方箋の入力情報から、計測された重量が理論上の想定範囲内であれば許容されている。
上述した実施形態のステップS003(読込ステップ)を有する調剤監査方法においては、特に、取り揃えた全医薬品に対して、種類のみならず、その数量(個数又は質量)までを「調剤データ」として入力することができるため、事前の「処方データ」の入力を待たずして「調剤データ」を照合ステップへ送ることができる。
この結果、「処方データ」と「調剤データ」とに相違がある場合にはミスマッチとなるため、「処方データ」又は「取り揃えられた薬剤」のどちらかにミスがあることが示唆される。このように、かかる一実施形態に係る調剤監査方法は、他に無い「ダブルチェック機能」を持つ有用な方法である。
上述した実施形態の調剤監査方法におけるS004(照合ステップ)では、さらに、複数の照合部を有していてもよい。例えば、2台以上の監査用パソコンを連動できるようにすることで、調剤場所が離れていてもそれぞれの場所で読み込まれた各調剤データと、同一の処方箋の処方データとを照合することができる。又は、複数人が調剤を担当したとしても各担当の調剤データと、同一の処方箋の処方データとを照合することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例)
図1の調剤監査方法のフローに従い、本発明の一実施形態に適用の調剤監査システムを使用し、平成30年4月30日から7月31日の間で、交付後インシデント発生についての検証を行った。
その結果、検証期間中の交付後インシデント発生件数は「ゼロ」であった。
検証期間中に本調剤監査システムにより発見した調剤ミスは48件、入力ミスは3件であった。以下にその内容を示した。
調剤ミス:「数量違い」16件、「先発品−後発品違い」11件、「品名違い」9件、「規格違い」8件、「調剤漏れ」4件
レセコンへの入力ミス:「先発品−後発品違い」1件、「数量違い」2件
(比較例)
図3の調剤監査方法のフローによる、過去2年間(平成28年度、平成29年度)の交付後インシデント発生の状況を以下に示した。
平成28年度:交付後インシデント発生件数0.83件
調剤ミス:「先発品−後発品違い」1件、「規格違い」1件、「品名違い」2件、「数量違い」2件
レセコンへの入力ミス:「数量違い」1件、「入力漏れ」1件、「医院名・Dr名違い」1件、「規格違い」1件
平成29年度:交付後インシデント発生件数0.75件
調剤ミス:「先発品−後発品違い」2件、「規格違い」1件、「数量違い」1件
レセコンへの入力ミス:「先発品−後発品違い」2件、「用法違い」1件、「医院名・Dr名違い」1件、「患者名違い」1件
上述の検証結果から、本発明を適用した調剤監査方法、調剤監査システム及び調剤監査プログラムによれば、調剤におけるインシデント発生を防止できること、を確認することができる。
10 PTPシート、20 PTPシート、30 PTPシート、40 輪ゴム、50 錠剤

Claims (3)

  1. コンピュータによる調剤監査方法であって、
    取得部が、処方箋から処方データを取得する取得ステップ、
    前記取得ステップと並行して、又は前記取得ステップに先んじて、読込部が、薬剤師が前記処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込ステップ、及び
    照合部が、前記取得ステップで取得された処方データと、前記読込ステップで読み込まれた調剤データとを照合する照合ステップ
    を有し、
    前記読込ステップで、前記薬剤師が取り揃えた薬剤の種類と、
    前記薬剤師が取り揃えた包装状態の薬剤の総重量から、予め薬剤ごとに関連付けられた重量データに基づいて算出される薬剤の数量と、
    を含む調剤データを、前記読込部が読み込むことを特徴とする、調剤監査方法。
  2. 請求項1に記載の調剤監査方法に使用する調剤監査システムであって、
    処方箋から処方データを取得する取得部、
    薬剤師が前記処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込部、及び
    前記取得部で取得された処方データと、前記読込部で読み込まれた調剤データとを照合する照合部
    を有し、
    前記読込部が、前記薬剤師が取り揃えた包装状態の薬剤の総重量から、予め薬剤ごとに関連付けられた重量データに基づいて薬剤の数量を算出する手段を備える、調剤監査システム。
  3. 請求項1に記載の調剤監査方法に使用する調剤監査プログラムであって、
    コンピュータに、
    処方箋から処方データを取得する取得ステップ、
    薬剤師が前記処方箋を直接に確認しながら薬剤を取り揃えて調剤した、調剤データを読み込む読込ステップ、及び
    前記取得ステップで取得された処方データと、前記読込ステップで読み込まれた調剤データとを照合する照合ステップ
    を実行させるための調剤監査プログラム。
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