JP2020092972A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技性のさらなる向上を実現しうる遊技機を提供する。【解決手段】確率変動状態かつ入球容易状態にて図柄変動回数が所定数となる前に大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りまたはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に普通図柄が当りとなって停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に入球変動機構が第1作動時間にわたって作動する。確率変動状態かつ入球容易状態のまま図柄変動回数が所定数となった後に大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りまたはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に普通図柄が当りとなって停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に入球変動機構が第1作動時間よりも短い第2作動時間にわたって作動する。【選択図】図1

Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報
上述のような構成を採用する遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るために、遊技性のさらなる向上が求められている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技性のさらなる向上を実現しうる遊技機を提供することを目的とする
本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられる第1始動口と、遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得される当否抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、特別図柄が変動表示され、特別図柄の停止表示により当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、特別図柄表示装置に当否判定の結果が大当りであることを示す特別図柄が停止表示された場合、その停止表示後に特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、遊技領域に設けられる作動口と、作動口への入球を契機として普通図柄が変動表示され、普通図柄が停止表示される普通図柄表示装置と、普通図柄表示装置に当りであることを示す普通図柄が停止表示された場合、その停止表示後に入球変動機構を作動させる作動制御手段と、第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得される転落抽選値に基づいて確率変動状態から通常確率状態への転落可否を判定する転落判定を実行する転落判定手段と、演出が表示可能な演出表示装置と、を備える。特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態へ移行され、特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となる前に通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定後に通常確率状態かつ入球容易状態へ移行され、その後に特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となる場合、特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となる特別図柄の図柄変動の終了を契機に通常入球状態に移行される。特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態へ移行され、特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となった後に通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定に係る特別図柄の図柄変動の開始を契機に通常確率状態かつ通常入球状態に移行され、特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態へ移行される。特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となる前に当否判定の結果が大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りに係る特別図柄の変動開始前またはその転落判定に係る特別図柄の変動開始前に普通図柄が変動開始され、その大当りに係る特別図柄の変動表示中またはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に入球変動機構が第1作動時間にわたって作動する。特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態へ移行され、確率変動状態かつ入球容易状態のまま特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となった後に当否判定の結果が大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りに係る特別図柄の変動開始前またはその転落判定に係る特別図柄の変動開始前に普通図柄が変動開始され、その大当りに係る特別図柄の変動表示中またはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に入球変動機構が第1作動時間よりも短い第2作動時間にわたって作動する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技性のさらなる向上を実現しうる遊技機を提供できる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 転落判定時の遊技状態の遷移を詳細に示す図である。 確率変動状態かつ入球容易状態に移行後の遊技状態の遷移を示す図である。 入球容易状態の演出表示例を示す図である。 入球容易状態の終期における遊技状態の遷移を詳細に示す図である。 入球容易状態の終期となる図柄変動の開始を契機に入球容易状態が終了する場合の演出表示例を示す図である。 入球容易状態の終期となる図柄変動の終了を契機に入球容易状態が終了する場合の演出表示例を示す図である。 入球容易状態の終期となりうる図柄変動の終了後も入球容易状態が継続する場合の演出表示例を示す図である。 図柄変動回数が所定数を超えてから転落判定がなされる場合の遊技状態の遷移を詳細に示す図である。 図柄変動回数が所定数を超えてから当否判定が大当りとなる場合の遊技状態の遷移を詳細に示す図である。 図柄変動回数が所定数を超えてから当否判定が大当りとなる場合の演出表示例を示す図である。 本実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側の構成を示す図である。 特別遊技中に実行可能な入賞演出の表示例を示す図である。 総獲得数表示の変化の流れの一例を示す図である。 賞球の総獲得数が所定数に到達することを表示する演出表示例を示す図である。 通常遊技中の総獲得数表示の表示例を示す図である。
(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1〜設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1〜M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0〜294、設定値「2」であれば0〜295、設定値「3」であれば0〜296、設定値「4」であれば0〜297、設定値「5」であれば0〜298、設定値「6」であれば、0〜299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295〜2949、設定値「2」であれば296〜2959、設定値「3」であれば297〜2969、設定値「4」であれば298〜2979、設定値「5」であれば299〜2989、設定値「6」であれば、300〜2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」〜「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」〜「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500〜65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000〜65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0〜294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1〜6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300〜2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950〜2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960〜2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970〜2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980〜2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990〜2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000〜56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000〜63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500〜65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000〜65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」〜「6」の数値ではなく、代わりに「0」〜「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを−1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」〜「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」〜「5」の数値データが遊技設定における設定1〜設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122〜S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138〜S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図8の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例1:転落タイプ)
以下、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例では、始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて確率変動状態から通常確率状態への転落可否を判定する転落判定が実行される。特別遊技の終了後に確率変動状態に移行されると、図柄変動の開始を契機に転落判定が実行される。転落判定にて通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされると、その後に確率変動状態が終了して通常確率状態へ移行される。一方、転落判定にて通常確率状態へ転落させない継続判定がなされると、その後も確率変動状態が継続される。
本実施例では、図4の第1抽選手段211に第1転落判定手段がさらに設けられ、第2抽選手段212に第2転落判定手段がさらに設けられる。第1転落判定手段は、第1抽選値取得手段216が取得する抽選値に基づいて転落判定を実行する。第2転落判定手段は、第2抽選値取得手段217が取得する抽選値に基づいて転落判定を実行する。第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に第1転落判定手段による転落判定用の第1転落抽選値を乱数生成手段202から取得する。第1抽選値取得手段216が取得する第1転落抽選値は、第1当否抽選値、第1図柄抽選値および第1パターン抽選値とは別に取得される。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2転落判定手段による転落判定用の第2転落抽選値を乱数生成手段202から取得する。第2抽選値取得手段217が取得する第2転落抽選値は、第2当否抽選値、第2図柄抽選値および第2パターン抽選値とは別に取得される。変形例として、第1転落抽選値は、第1始動口11への入球を契機として取得されるのではなく、第1特別図柄の図柄変動が開始される際に取得されてもよい。同様に、第2転落抽選値は、第2始動口12への入球を契機として取得されるのではなく、第2特別図柄の図柄変動が開始される際に取得されてもよい。
第1抽選値取得手段216が取得する第1転落抽選値および第2抽選値取得手段217が取得する第2転落抽選値は、抽選値に対応する新たな図柄変動が開始されるまで特図保留手段241に保留される。事前判定手段235は、特図保留手段241に保留される第1転落抽選値および第2転落抽選値を当該抽選値に対応する図柄変動の開始前に事前に判定することが可能である。事前判定手段235は、第1転落抽選値および第2転落抽選値の事前判定結果に基づいて遊技状態の遷移について事前判定し、事前判定の対象となる抽選値が本判定されるときの遊技状態が確率変動状態となるか通常確率状態となるかを事前判定することが可能である。事前判定手段235は、事前判定した遊技状態の遷移にしたがって特図保留手段241に保留される抽選値を事前判定することが可能である。
本実施例では、図4の特定遊技制御手段270に確率状態制御手段および入球状態制御手段が設けられる。確率状態制御手段は、当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる。確率状態制御手段は、確率変動状態への移行を可能とする条件が充足される場合、特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行させる。確率状態制御手段は、通常確率状態への移行を可能とする条件が充足される場合、特別遊技の終了後または図柄変動の開始を契機に通常確率状態へ移行させる。入球状態制御手段は、第2始動口12への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から第2始動口12への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる。入球状態制御手段は、入球容易状態への移行を可能とする条件が充足される場合、特別遊技の終了後に入球容易状態に移行させる。入球状態制御手段は、入球容易状態を終了させる条件(または通常入球状態へ移行させる条件)が充足される場合、特別遊技の終了後に通常入球状態へ移行させ、または、図柄変動の開始もしくは終了を契機として通常入球状態へ移行させる。
確率状態制御手段は、所定種類の大当り図柄が停止表示されて実行される特別遊技の終了後に確率変動状態への移行を可能とする。例えば、大当りであることを示す図柄の種類として確変大当り図柄(第1大当り図柄)と、非確変大当り図柄(第2大当り図柄)とが用意され、第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後には確率変動状態へ移行され、第2大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後には通常確率状態へ移行される。確率状態制御手段は、通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされた場合、その転落判定の直後に通常確率状態へ移行させる。特別図柄の図柄変動が開始される際、転落判定、当否判定、図柄判定、変動パターン判定の順で各判定がなされ、各判定がなされた後に特別図柄の変動開始処理が実行される。また、通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合、転落判定、転落による確率変動状態から通常確率状態への移行、当否判定の順に処理が実行される。したがって、通常確率状態へ転落させる旨の転落判定に係る図柄変動が開始される場合、その図柄変動の開始時の遊技状態(確率状態)は通常確率状態であり、その図柄変動に係る当否判定の実行時の遊技状態も通常確率状態である。
図30は、転落判定時の遊技状態の遷移を詳細に示す。本図は、確率変動状態(高確率状態)において通常確率状態(低確率状態)へ転落させる旨の転落判定がなされる場合に、転落させる旨の判定に用いる転落抽選値に対応する特別図柄の図柄変動(当該変動)および当該変動の前後の図柄変動における遊技状態の遷移を示す。図示されるように、転落させる旨の転落判定がなされる場合、その転落判定を契機に遊技状態が移行され、当否判定の直後に開始される特別図柄の変動開始タイミングでは既に高確率状態から低確率状態へ移行されている。前述のとおり、図柄変動が開始される際には転落判定の後に当否判定が実行されるため、転落させる旨の転落判定後になされる当否判定では低確率用の当否判定テーブルが参照される。
本実施例では、特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行される場合、確率変動状態かつ入球容易状態へ移行される。入球容易状態は、少なくとも図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動まで継続され、図柄変動回数が所定数となる図柄変動時に確率変動状態が継続しているか、通常確率状態へ転落しているかに応じて入球容易状態の継続可否が決定される。具体的には、図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動時に確率変動状態であれば、そのまま入球容易状態が継続される。その後、図柄変動回数が所定数を超える(例えば101回以降の)図柄変動が開始される際に通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされると、通常確率状態かつ通常入球状態へ移行され、通常確率状態かつ通常入球状態にて図柄変動が開始される。一方、図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動時に通常確率状態であれば、その図柄変動の終了を契機として入球容易状態から通常入球状態に移行される。つまり、100回目の図柄変動の終了までは入球容易状態であるが、101回目以降の図柄変動では通常入球状態となる。変形例として、図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動時に通常確率状態であれば、その図柄変動の開始を契機として入球容易状態から通常入球状態に移行されてもよい。つまり、図柄変動回数が所定数となる直前(例えば99回目)の図柄変動の終了までは入球容易状態であるが、100回目以降の図柄変動では通常入球状態としてもよい。なお「図柄変動回数」とは、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数の合計数のことをいう。たいていの場合、入球容易状態においては第2特別図柄が変動される第2の遊技のみがなされるため、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数は、第2特別図柄の累計変動回数と一致しうる。
図31は、確率変動状態かつ入球容易状態に移行後の遊技状態の遷移を示す。本図において、確率変動状態を「高確率」とし、通常確率状態を「低確率」としている。また、入球容易状態を「高入球」とし、通常入球状態を「低入球」としている。本図(a)は、特別遊技の終了後の初回の図柄変動において通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合を示す。この場合、特別遊技の終了後の初回の図柄変動から図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動まで低確率かつ高入球状態となる。その後、図柄変動回数が所定数を超える(101回目の)図柄変動から低確率かつ低入球状態となる。本図(b)は、特別遊技の終了後の初回の図柄変動において通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされずに、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動までに通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合を示す。この場合、特別遊技の終了後の初回の図柄変動の開始時には高確率かつ高入球状態であり、その後に図柄変動回数が所定数以内(2回目〜100回目)の図柄変動が開始される際に通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされた場合、その転落判定に係る図柄変動から図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動まで低確率かつ高入球状態となる。その後、図柄変動回数が所定数を超える(101回目の)図柄変動から低確率かつ低入球状態となる。本図(c)は図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動までに通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされずに全て継続判定となる場合を示す。この場合、通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされるまで高確率かつ高入球状態が継続され、その後に通常確率状態へ転落させる旨の転落判定なされた場合に低確率かつ低入球状態となる。
入球容易状態(高入球状態)では、普通電動役物90の作動により第2始動口12への入球容易性が高まる状態となるため、第2始動口12に向けて「右打ち」をする遊技性となる。一方、通常入球状態(低入球状態)では、第2始動口12への入球容易性が低く、第2始動口12への入球が不可または困難となるため、第1始動口11に向けて「左打ち」をする遊技性となる。遊技状態に応じて遊技者に適切な発射操作を促すため、演出表示装置60には所定方向への遊技球の発射を促す「案内表示」がなされる。例えば、入球容易状態においては、右方向への遊技球の発射を促すための右打ち表示がなされる。なお、演出表示装置60とは別の表示装置により右打ちをすべき遊技状態であることが遊技者に示されてもよく、例えばLEDランプなどで構成される「右打ち表示灯」を点灯させることで右打ちすべき遊技状態であることを示す案内表示がなされてもよい。また、演出表示装置60に演出的に表示される案内表示と、LEDランプなどの「右打ち表示灯」の点灯による案内表示とが併用されてもよい。
図32は、入球容易状態の演出表示例を示す。図示されるように、画面中央には複数列(例えば3列)の装飾図柄列で構成される装飾図柄が変動表示され、画面上部には右打ちをすべき遊技状態であることを示す「右打ち表示」がなされている。右打ち表示は、「右打ち」の文言および右方向を示す矢印や記号の組み合わせにより構成される。右打ち表示に含まれる文言や記号は、右方向にスクロール表示されてもよい。右打ち表示は、画面右上などの特定の表示領域に固定的に表示されてもよい。右打ち表示は、装飾図柄や他の演出表示よりも手前に表示されるように表示優先度が高く設定されてもよい。また、画面右下には入球容易状態の終期となりうる所定数の図柄変動回数に到達するまでの残り回数(70回)が表示されている。なお、残り回数の表示態様は本図に示される例に限られず、例えば画面右下などの画面の外周付近に常時表示するのではなく、画面中央などに図柄変動の開始を契機に「残り70」などのように一時的に表示させてもよい。例えば、残り回数が特定数(例えば30回、20回、10回などの10の倍数)となる場合に「残り30!」などの強調表示を画面中央などにしてもよいし、残り回数が特定数以下(例えば9回以下)となる場合に「残り9!」「残り8!」・・・「残り0!」のように残り回数をカウントダウンさせる強調表示を画面中央などにしてもよい。このような残り回数の強調表示と、本図に示される画面の外周付近に常時表示される残り回数の表示とが併用されてもよく、双方を併用する場合、画面の外周付近に常時表示される残り回数の表示領域に比べて、残り回数の強調表示の表示領域を大きくしてもよい。画面に表示される残り回数は、いずれの図柄変動回数にて転落させる旨の転落判定がなされるに拘わらずに最低限保障されている入球容易状態の残回数であり、図柄変動回数が所定数(例えば100回)となるまでに転落させる旨の転落判定がなされない場合には、所定数を超える(例えば101回以降の)図柄変動において入球容易状態が継続することもある。所定数を超える(例えば101回以降の)図柄変動において入球容易状態が継続する場合には、残り回数を「??」といった図柄変動の開始時に残り回数がカウントダウンされず、残り回数が明示されずに秘匿された表示態様に切り替えることで入球容易状態がさらに継続することを遊技者に示してもよい。本実施例は転落判定が前提となるが、転落判定を実行しない仕様とする変形例では、画面に表示される残り回数は、最低限保障される入球容易状態の残り回数ではなく、入球容易状態が終了するまでの実際の残り回数と一致してもよい。
上述の右打ち表示は、入球容易状態(高入球状態)の終了により非表示となる。つまり、通常入球状態(低入球状態)へ移行されるタイミングで非表示となる。なお、入球容易状態から通常入球状態へ移行されるタイミングは、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動の開始または終了を契機とすることができる。具体的には、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動の開始直後や、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動の変動停止後とすることができる。本実施例において、特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定数以内(例えば1回〜100回)となる図柄変動が開始される際に通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされた場合、図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動の開始直前(後述の図33(a)に対応)または変動停止後(後述の図33(b)に対応)に入球容易状態から通常入球状態へ移行される。ここで、図柄変動の変動停止後とは、特別図柄の変動停止タイミングであってもよいし、次の図柄変動が開始されるまで特別図柄の停止表示状態を維持する停止表示期間の終了タイミングであってもよい。
図33は、入球容易状態の終期における遊技状態の遷移を詳細に示す。本図は、入球容易状態(高入球状態)の終期となりうる図柄変動回数が所定数となる特別図柄の図柄変動(100回目)およびその前後の図柄変動(99回目および101回目)における遊技状態の遷移を示す。本図(a)および(b)では、図柄変動回数が所定数以内(1回目〜100回目)の図柄変動にて転落させる旨の転落判定がなされており、所定数を超える(101回目以降の)図柄変動時に高入球状態が継続しない場合を示している。本図(a)は、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数となる図柄変動(100回目)の開始を契機に遊技状態が移行される場合を示し、特別図柄の変動開始タイミングに高入球状態から低入球状態へ移行されている。本図(b)は、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数となる図柄変動(100回目)の終了を契機に遊技状態が移行される場合を示し、特別図柄の変動停止タイミングに高入球状態から低入球状態へ移行されている。なお、特別図柄の変動停止タイミングではなく、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数となる図柄変動(100回目)の停止後であって次の図柄変動(101回目)の開始前に高入球状態から低入球状態へ移行されてもよい。例えば、前述のとおり、特別図柄の停止表示期間の終了タイミングに高入球状態から低入球状態へ移行されてもよい。
図34は、入球容易状態の終期となる図柄変動の開始を契機に入球容易状態が終了する場合の演出表示例を示す。本図は、図33(a)に示す状態遷移がなされる場合に対応する。本図(a)は、図柄変動回数が所定数となる一つ前(99回目)の図柄変動の変動停止時の表示例を示し、画面中央には装飾図柄が外れ態様で停止表示され、画面右下には入球容易状態の残り回数があと1回となっている。このとき、画面上部には右打ち表示がなされている。本図(b)は、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の開始時の表示例を示し、画面中央の装飾図柄の変動が開始され、画面右下の残り回数が0回となっている。このとき、画面上部の右打ち表示は非表示となっており、入球容易状態が終了したことが示唆される。本図(c)は、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の変動停止時の表示例を示し、画面中央には装飾図柄が外れ態様で表示されている。その後、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の変動停止時において、本図(d)に示されるように、入球容易状態が終了したことを示す「BATTLE RUSH終了」の文言が表示されるとともに、左打ちに戻すことを遊技者に促す案内表示がなされる。なお、本図(d)における「BATTLE RUSH終了」の表示と「左打ちに戻してください」の表示は同時ではなく、別々のタイミングに表示されてもよい。例えば、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動において装飾図柄が仮停止表示される際(つまり、特別図柄の変動停止より前)に「BATTLE RUSH終了」を表示させ、その後に特別図柄および装飾図柄が停止表示して次の図柄変動が開始される変動開始時またはその後の変動表示中に「左打ちに戻してください」の案内表示をしてもよい。つまり、左打ちに戻すことを遊技者に促す案内表示は、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の終了まで表示させず、その次の図柄変動の開始後に表示させるようにしてもよい。
図35は、入球容易状態の終期となる図柄変動の終了を契機に入球容易状態が終了する場合の演出表示例を示す。本図は、図33(b)に示す状態遷移がなされる場合を示す。本図(a)は、図34(a)と同様、図柄変動回数が所定数となる一つ前(99回目)の図柄変動の変動停止時の表示例を示し、画面中央には装飾図柄が外れ態様で停止表示され、画面右下には入球容易状態の残り回数があと1回となっている。このとき、画面上部には右打ち表示がなされている。本図(b)は、図柄変動回数が所定数となる(100回目)の図柄変動の開始時の表示例を示し、画面中央の装飾図柄の変動が開始され、画面右下の残り回数が0回となっている。このとき、画面上部の右打ち表示は継続表示されており、入球容易状態が継続していることが示唆される。本図(c)は、図柄変動回数が所定数となる(100回目)の図柄変動の変動停止時の表示例を示し、画面中央には装飾図柄が外れ態様で表示されている。このときも、画面上部の右打ち表示は継続表示されている。その後、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の変動停止時において、本図(d)に示されるように、入球容易状態が終了したことを示す「BATTLE RUSH終了」の文言が表示され、画面上部の右打ち表示が非表示になるとともに、左打ちに戻すことを遊技者に促す案内表示がなされる。なお、本図(d)においても「BATTLE RUSH終了」の表示と「左打ちに戻してください」の表示は同時ではなく、別々のタイミングに表示されてもよい。例えば、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動において装飾図柄が仮停止表示される際(つまり、特別図柄の変動停止より前)に「BATTLE RUSH終了」を表示させ、その後に特別図柄および装飾図柄が停止表示して次の図柄変動が開始してから「左打ちに戻してください」の案内表示をしてもよい。つまり、左打ちに戻すことを遊技者に促す案内表示は、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の終了まで表示させず、その次の図柄変動の開始後に表示させるようにしてもよい。
図36は、入球容易状態の終期となりうる図柄変動の終了後も入球容易状態が継続する場合の演出表示例を示す。本図は、図31(b)の状態遷移に対応する。本図(a)〜(c)は、図35(a)〜(c)と同様である。本図(c)の図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の変動停止時において装飾図柄が外れ態様で表示された後、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の変動停止時において、本図(d)に示すように、入球容易状態および確率変動状態が継続することを示す「EXTRA RUSH突入!!」の文言が表示され、画面上部の右打ち表示も継続表示される。なお、本図(d)は、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の次の図柄変動中に表示されてもよい。その他、本図(d)は、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動の変動停止前に表示されてもよく、本図(d)の表示がなされた後に、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動が変動停止するよう構成されてもよい。
図37は、図柄変動回数が所定数を超えてから通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合の遊技状態の遷移を詳細に示す。本図は、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数(100回)となるまでに転落させる旨の転落判定がなされず、所定数を超える(101回以降の)図柄変動において確率変動状態(高確率状態)および入球容易状態(高入球状態)が継続した後に転落させる旨の転落判定がなされる場合を示している。前述のとおり、転落させる旨の転落判定がなされる場合、転落させる旨の転落判定の直後に高確率状態から低確率状態へ移行されるため、その転落判定に係る特別図柄の変動開始時にはすでに低確率状態となっている。このとき、高確率状態の終了を契機として高入球状態が終了するよう構成されるため、高確率状態の終了タイミングと高入球状態の終了タイミングは厳密には同時ではない。しかしながら、高確率状態および高入球状態の終了タイミングはいずれもその転落判定に係る特別図柄の変動開始タイミングよりも前であるため、図柄変動の開始前に高確率状態および高入球状態の双方がほぼ同時に終了するとも言える。その結果、転落させる旨の転落判定に係る特別図柄の変動開始タイミングでは、すでに低入球状態へ移行されており、転落させる旨の転落判定に係る特別図柄の図柄変動の開始を契機として右打ち表示が非表示となる。
図38は、図柄変動回数が所定数を超えてから当否判定が大当りとなる場合の遊技状態の遷移を詳細に示す図である。本図は、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数(100回)となるまでに転落させる旨の転落判定がなされず、所定数を超える(101回以降の)図柄変動において確率変動状態(高確率状態)および入球容易状態(高入球状態)が継続した状態で当否判定の結果が大当りとなる場合を示している。図示されるように、当否判定の結果が大当りとなる場合、その当否判定がなされた直後に高確率状態から低確率状態へ移行されるため、その当否判定に係る特別図柄の変動開始時の遊技状態はすでに低確率状態となっている。このとき、高確率状態の終了を契機として高入球状態が終了するよう構成されるが、高確率状態の終了タイミングと高入球状態の終了タイミングはほぼ同時であり、高確率状態および高入球状態の終了タイミングはいずれも、その大当りとなる当否判定に係る特別図柄の変動開始タイミングよりも前である。その結果、大当りとなる当否判定に係る特別図柄の変動開始タイミングでは既に低入球状態へ移行されており、大当りとなる当否判定がなされた抽選値に対応する特別図柄の図柄変動の開始を契機として右打ち表示が非表示となる。なお、変形例として、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動において確率変動状態(高確率状態)および入球容易状態(高入球状態)が継続したまま当否判定の結果が大当りとなる場合、その当否判定に係る特別図柄の図柄変動の開始を契機としてその図柄変動の開始直後に高確率状態を終了させ、高確率状態の終了を契機として高確率状態の終了直後に高入球状態を終了させるよう構成してもよい。ここでの「直後」とは時系列上において後であるものの、タイミングがほぼ同一であることを意味する。
図39は、図柄変動回数が所定数を超えてから当否判定が大当りとなる場合の演出表示例を示す図である。本図は、図38の状態遷移に対応する。本図(a)は、大当りとなる図柄変動の一つ前であって図柄変動回数が所定数を超える(101回目以降の)図柄変動の変動停止時の表示例を示す。画面中央には装飾図柄が外れ態様で停止表示され、画面右下には確率変動状態かつ入球容易状態が継続するモードに滞在していることを示す「EXTRA RUSH」の文言が表示されている。画面上部には右打ち表示がなされている。本図(b)は、図柄変動回数が所定数を超える(101回目以降の)図柄変動であって当否判定の結果が大当りとなる図柄変動の開始時の表示例を示す。画面中央の装飾図柄の変動が開始され、画面右下には「EXTRA RUSH」の文言が継続表示されている。このとき、画面上部の右打ち表示は非表示となっており、確率変動状態および入球容易状態が終了したことが示唆される。その後、図柄変動回数が所定数を超える(例えば101回以降の)図柄変動であって当否判定の結果が大当りとなる図柄変動の停止時において、本図(c)に示されるように、画面中央の装飾図柄が大当り態様で停止表示される。さらにその後、本図(d)に示されるように、特別遊技に移行されることを示す「SPECIAL BONUS獲得!」の文言が表示され、大入賞口の開放を伴う特別遊技が開始される。なお、本図(d)の画面表示タイミングは、図柄変動回数が所定数を超える(例えば101回以降の)図柄変動であって当否判定の結果が大当りとなる図柄変動の変動停止時である。特別遊技中に開放される大入賞口が右打ちにより入球容易または入球可能な位置に設けられる場合、特別遊技の開始デモにて右打ちの案内表示がなされ、特別遊技の実行中にわたって右打ち表示が継続される。変形例として、本図(d)に示す「SPECIAL BONUS獲得!」の文言が特別遊技の開始デモ中に表示されるとともに、開始デモ中に右打ちの案内表示が同時に表示されてもよい。
上述の状態遷移により、少なくとも図柄変動回数が所定数(100回)に達するまでは高入球状態が継続され、図柄変動回数が所定数に達するまでの遊技状態は「高確率かつ高入球」または「低確率かつ高入球」のいずれかとなる。遊技者は大当りとなる当否確率が高確率であるか低確率であるかを直接的に知ることはできないため、図柄変動回数が所定数(100回)に達するまでは確率変動状態であるか否かが秘匿された「潜伏モード」となりうる。一方、図柄変動回数が所定数を超えると、遊技状態が「高確率かつ高入球」または「低確率かつ低入球」のいずれかとなる。そのため、図柄変動回数が所定数を超えた場合、第2始動口12に設けられる普通電動役物90(入球変動機構ともいう)の動作を確認することで、高入球状態または低入球状態のいずれであるかを判別することができ、間接的に高確率状態または低確率状態のいずれであるかを判別できる。したがって、図柄変動回数が所定数を超えた場合、確率変動状態であるか否かが秘匿されていない「非潜伏モード」となりうる。
そこで、本実施例では、特別遊技の終了後に高確率かつ高入球状態に移行された場合、少なくとも図柄変動回数が所定数(100回)に達するまでは、高確率状態であるか低確率状態であるかを遊技者に報知しないこととする。言いかえれば、少なくとも図柄変動回数が所定数(100回)に達するまでは、転落判定により低確率状態へ転落されていたとしても、転落したことを遊技者に報知しないこととする。これにより、高確率状態であるか低確率状態であるかが判別可能となる所定数を超える(101回目の)図柄変動の開始時まで高確率状態が継続しているかもしれないという期待感を遊技者に持たせることができる。なお、前述したように、図柄変動回数が所定数(100回)に達した際に「EXTRA RUSH突入!!」もしくは「BATTLE RUSH終了」の文言を表示するよう構成される場合には、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動において高確率状態であるか低確率状態であるかを判別できる。
また、本実施例では、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動時において、高確率状態が継続するか否かを煽るとともに、高確率状態が継続するか否かを遊技者に報知する報知演出を実行可能とする。この報知演出は、当否判定の結果が外れとなる図柄変動にて実行されることが望ましく、当否判定の結果が大当りとなる図柄変動では報知演出が実行されなくてもよい。高期待度の報知演出を実行可能とするため、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動時に変動時間が相対的に長い変動パターン(例えば30秒)が選択可能となるようにしてもよい。一方、図柄変動回数が所定数(100回)以外となる図柄変動においては、変動時間が相対的に短い「時短用変動パターン」が選択されて時短状態が実現されてもよい。図柄変動回数が所定数(100回)以外となる図柄変動においては、特図保留手段241に保留される抽選値の保留数に応じて変動時間が短縮される「短縮変動」や「超短縮変動」が実現されてもよく、保留数が1個や2個の場合に比べて、保留数が3個の場合や4個の場合に変動時間のより短い変動パターンが選択されるようにしてもよい。より具体的には、特図保留手段241に保留される第1当否抽選値の保留数が多いほど第1特別図柄の変動パターンとして変動時間のより短いパターンが選択されやすくなるよう構成され、特図保留手段241に保留される第2当否抽選値の保留数が多いほど第2特別図柄の変動パターンとして変動時間のより短いパターンが選択されやすくなるよう構成されてもよい。なお、本実施例では、高入球状態において第2特別図柄の変動表示を優先させるため、第1当否抽選値の保留数とは関係なく、第2当否抽選値の保留数が相対的に多い場合(例えば3個保留の場合)に第2特別図柄の変動パターンとして変動時間の短いパターン(例えば3秒)が選択されやすくなる一方、第2当否抽選値の保留数が多い場合(例えば1個保留の場合)に第2特別図柄の変動パターンとして変動時間の長いパターン(例えば10秒)が選択されやすくなることが好ましい。なお、当否判定の結果が大当りとなる場合には、保留数に拘わらずに相対的に長い変動パターン(例えば60秒)が選択されるため、当否判定の結果が外れとなる図柄変動にて選択される変動パターンにて上記仕様を適用することが好ましい。
図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動時には、報知演出用の特定の変動パターン(報知用変動パターン)が必ず選択されてもよい。その他、図柄変動回数が所定数(100回)となるまでに転落させる旨の転落判定がなされた場合(100回目の図柄変動に係る転落判定にて転落させる旨の判定がなされる場合も含む)にのみ、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動において転落している旨を報知するための報知用変動パターンが必ず選択されるようにしてもよい。つまり、図柄変動回数が所定数(100回)となるまでに転落させる旨の転落判定がなされておらず、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動において高確率かつ高入球状態が継続される場合には、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動において報知用変動パターンが選択されなくてもよい。このとき、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動において報知用変動パターン以外が必ず選択されるようにしてもよいし、一定の割合で報知用変動パターンが選択されるようにしてもよい。報知用変動パターンが選択されない場合には、時短用変動パターンが選択されてもよいし、保留数が多いほど変動時間のより短い変動パターンが選択されやすくなるよう構成してもよい。
上述の報知演出は、1回の図柄変動期間で完結するよう構成されてもよいし、複数回の図柄変動期間にわたって実行されるよう構成されてもよい。後者の場合、報知演出を実行するための複数回の図柄変動の全てにおいて報知演出用の特定の変動パターン(報知用変動パターン)が選択されてもよい。例えば、図柄変動回数が所定数(100回)となるまでの複数回(例えば5回)の図柄変動(つまり、96回〜100回の図柄変動)において、特定の報知用変動パターンが選択可能であってもよい。このとき、複数回の図柄変動(例えば96回〜100回の図柄変動)のそれぞれの変動時間が共通であってもよいし、それぞれの変動時間が共通でなくてもよい。例えば、図柄変動回数が所定数以外の図柄変動(例えば96回〜99回)では相対的に短い変動時間の報知用変動パターンが選択される一方、図柄変動回数が所定数の図柄変動(例えば100回)では相対的に長い変動時間の報知用変動パターンが選択されてもよい。
図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動において入球容易状態が継続する場合、所定数以内の図柄変動と同様、変動時間が相対的に短い「時短用変動パターン」が選択されて時短状態が実現されてもよい。図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動においては、特図保留手段241に保留される抽選値の保留数に応じて変動時間が短縮される「短縮変動」や「超短縮変動」が実現されてもよく、保留数が1個や2個の場合に比べて、保留数が3個の場合や4個の場合に変動時間のより短い変動パターンが選択されるようにしてもよい。つまり、保留数が多いほど変動時間のより短い変動パターンが選択されやすくなるよう構成されてもよい。その他、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動において固定的な変動パターンのみが選択されてもよく、図柄変動回数が所定数(100回)以内の図柄変動にて選択されうる「短縮変動」や「超短縮変動」のための時短用変動パターンよりも変動時間の短い超速変動パターンが選択可能であってもよい。
上述の特定の変動パターン(報知用変動パターンなど)が選択可能となるように、特別遊技終了後の図柄変動回数に応じて特別図柄の変動パターンの選択傾向が途中で変更または切替されてもよい。例えば、特定の変動パターンが選択候補に含まれない第1変動パターン選択基準と、特定の変動パターンが選択候補に含まれる第2変動パターン選択基準とを用意し、図柄変動回数に応じて変動パターンの選択基準を変更または切替してもよい。例えば、図柄変動回数が所定数となる前(99回まで)の図柄変動にて第1変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定し、図柄変動回数が所定数となる(100回目)の図柄変動にて第2変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定してもよい。これにより、図柄変動回数が所定数となる前(99回まで)の図柄変動にて特定の変動パターンが選択不可となり、図柄変動回数が所定数となる(100回目)の図柄変動にて特定の変動パターンが選択可能となる。なお、三以上の変動パターンの選択傾向を用意するとともに、特別遊技後の図柄変動回数が所定数以内(100回以内)となる図柄変動において選択傾向を複数回(例えば二回)変更または切替してもよい。
一方、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動においては、図柄変動回数に応じて特別図柄の変動パターンの選択傾向が途中で変更または切替されなくてもよい。つまり、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動においては、図柄変動回数に拘わらず、一つの変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定されてもよい。なお、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動においても、図柄変動回数に応じて変動パターンの選択基準を変更または切替してもよい。この場合、特別遊技終了後の図柄変動回数が所定数を超える図柄変動における変動パターンの選択傾向の変更回数は、特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定数以内である図柄変動における変動パターンの選択傾向の変更回数よりも少なくてもよい。例えば、図柄変動回数が所定数以内の図柄変動では変動パターンの選択傾向が2回以上変更されるのに対し、図柄変動回数が所定数を超える図柄変動では変動パターンの選択傾向が1回しか変更されなくてもよい。
本実施例において、大当り図柄の種類に応じて特別遊技の終了後に「高確率かつ高入球状態」または「低確率かつ高入球状態」に移行されるように構成されてもよい。つまり、大当り後の確率変動状態への移行確率が100%未満であってもよい。例えば、大当り図柄Aまたは大当り図柄Bで大当りとなって特別遊技が実行される場合に特別遊技後に高確率かつ高入球状態に移行され、大当り図柄Cで大当りとなって特別遊技が実行される場合には特別遊技後に低確率かつ高入球状態に移行されるようにしてもよい。さらに、大当り図柄Aで大当りとなって特別遊技が実行される場合には特別遊技後の遊技状態が確率変動状態であることを遊技者に報知される「確変確定モード」に移行される一方、大当り図柄Bまたは大当り図柄Cで大当りとなって特別遊技が実行される場合には特別遊技後の遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する「秘匿モード」に移行されてもよい。なお、確変確定モードを設けないこととし、いずれの大当り図柄で大当りとなっても特別遊技後の遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する「秘匿モード」に移行されるようにしてもよい。
本実施例において、大当り後の特別遊技にて開放される大入賞口内の特定領域に遊技球が入球するか否かに応じて、特別遊技後に「高確率かつ高入球状態」または「低確率かつ高入球状態」に移行されるようにしてもよい。つまり、特別遊技中に大入賞口内に設けられる特定領域に入球した場合にのみ特別遊技後に「高確率かつ高入球状態」に移行され、特別遊技中に大入賞口内に設けられる特定領域に入球しなかった場合には「低確率かつ高入球状態」に移行される。この場合に、特別遊技中の大入賞口内の特定領域への入球の有無によらずに、特別遊技後に遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に秘匿する「秘匿モード」に移行されてもよい。さらに、特別遊技中に大入賞口内の特定領域への入球を狙わせる「Vを狙え!」などの表示をしないようにし、特定領域への入球(V入賞)により確率変動状態に移行されるか否かがより効果的に秘匿されるようにしてもよい。
本実施例において、図柄変動回数が所定数以内(1回〜100回)となる図柄変動と、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動とにおいて、大当りとなる期待度や確変付き大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出(まとめて期待度示唆演出ともいう)の演出傾向や発生頻度を異ならせてもよい。ここで、大当りとなる期待度を示唆する予告演出とは、当該変動に対応する当否抽選値の当否判定が大当りとなる期待度を当該変動中に実行する演出のことである。一方、大当りとなる期待度を示唆する先読み演出とは、特図保留手段241に保留される当否抽選値の事前判定結果に基づく演出のことであり、先読みされる当否抽選値が消化される図柄変動の開始前に実行される演出のことである。
期待度示唆演出の一例として、擬似連続変動演出において装飾図柄が停止表示されたかのように見せる仮停止表示や、仮停止表示において仮停止後の演出内容を示唆する擬似連専用図柄を仮停止表示させる場合などが挙げられる。また、装飾図柄のリーチ態様を伴うリーチ変動演出において、リーチ態様となる前タイミングで実行されるリーチ前予告や、リーチ態様となった後に実行されるリーチ後予告も期待度示唆演出に該当しうる。リーチ前予告やリーチ後予告の具体例は、期待度を示唆する文言やキャラクタ画像の表示を比較的短時間(数秒程度)にわたって表示するカットイン演出や、期待度がより高い状態に突入ないし発展することを示唆する特定ゾーン突入演出などである。これらの予告演出では、期待度の高さに応じた種類のキャラクタが表示されたり、期待度の高さに応じた表示色で文字やウィンドウ枠などが表示されたりしてもよい。また、背景表示の変更や滞在中のゾーンを示す帯状の表示等の付加、高期待度であることを示唆するオブジェクト画像を画面上に付帯表示等により特定ゾーン(高期待度であることが示唆される状態)への突入演出が示されてもよいし、可動役物66を作動させる役物作動演出が実行されてもよい。その他、可動役物66に電飾ランプが施される場合には、期待度の高さに応じた表示色で可動役物を点灯させながら作動させてもよい。
期待度示唆演出は、いわゆるスーパーリーチ演出中に実行されてもよい。スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、リーチ前演出、リーチ後演出、リーチ後の発展演出(いわゆるスーパーリーチ演出)が含まれ、リーチ後に実行される複数段階の発展演出によりスーパーリーチ演出が構成されることもある。なお、スーパーリーチ演出への発展前のリーチ前演出やリーチ後演出において期待度示唆演出が実行されてよいし、リーチ後の発展演出において期待度示唆演出が実行されてよい。リーチ後演出は、スーパーリーチ演出ではない、いわゆるノーマルリーチ演出にて実行される演出内容と少なくとも部分的に共通する共通演出を含んでもよく、共通演出の実行後に次の段階への発展(つまり、スーパーリーチ演出への発展)を示唆する予告演出を実行することで期待度を高める演出としてもよい。発展演出が複数段階にわたる場合には、複数段階の少なくとも一つにおいて期待度示唆演出が実行されてもよいし、複数段階の二以上や各段階において期待度示唆演出が実行されてもよい。複数種類の発展演出を用意し、発展演出の段階数を異ならせたり、複数種類の発展演出の表示順序を入れ替えることにより、多種多様なスーパーリーチ演出が実現されてもよい。例えば、複数種類の発展演出を連続的に順番に実行していくことにより、リーチ後の発展演出がステップアップしていくリーチアップ演出が実行されてもよい。また、各段階の発展演出の実行中や、各段階の発展演出の合間のタイミングにおいて、上述のカットイン演出、装飾図柄の仮停止表示、擬似連専用図柄の仮停止表示などが実行されてもよい。また、スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、カットイン演出や擬似連専用図柄の表示態様として金色やキリン柄といった高期待度の表示色が用いられてもよい。
期待度示唆演出は、図柄の変動停止直前のタイミングで実行されてもよい。変動停止直前に実行される期待度示唆演出は、当該変動の当否結果を確定的に報知する演出であってよく、例えば、演出ボタン109やレバー112による入力操作を遊技者に促す表示後に遊技者の入力操作を契機として開始可能な特定操作演出であってよい。この特定操作演出は、例えば、可動役物66が作動する役物作動演出などであり、虹色などの点灯色にて役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りまたは確変を伴う大当りとなることが確定的に報知される。一方で、虹色以外の点灯色、例えば、白色、青色、緑色、赤色などで役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りとなる期待度が高いことが示唆される。期待度の高さが作動する役物の点灯色により、白色、青色、緑色、赤色の順に高くなることが示唆されてもよいし、虹色以外のこれらの点灯色の場合に当否結果が大当りとなることが確定しないことが示唆されてもよい。遊技者の入力操作を促す表示(例えば、操作ボタンを模擬したボタン画像の表示や「押せ!」の文言表示など)やその後に実行されうる特定操作演出は、図柄がリーチ態様である状況下で実行されてもよいし、図柄が外れ態様または当り態様にて仮停止されている状況下で実行されてもよい。図柄が外れ態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、外れであると思わせた後に大当りとなる復活演出または救済演出であってもよい。復活演出または救済演出が実行される場合には、仮停止状態の図柄がその後に再変動する擬似連続変動を伴ってもよい。つまり、図柄が外れ態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、仮停止状態の図柄がその後に再変動する擬似連続変動が実行されてもよい。また、当り態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、より有利な種類の大当りに昇格する昇格演出であってもよい。昇格演出は、例えば、確変なしの大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せから確変付き大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せへの昇格であってもよいし、大当り後に移行される特別遊技の実質ラウンド数がより多い大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せへの昇格であってもよい。特定操作演出は、可動役物の作動を伴わない演出であってもよい。特定操作演出は、遊技者の入力操作に応じて開始されてもよいし、遊技者の入力操作によらずに開始されてもよい。特定操作演出は、遊技者の入力操作がなされない場合に実行がスキップされてもよいし、遊技者の入力操作がなされない場合であっても実行されてもよい。
また、期待度示唆演出として、当該変動に係る大当り期待度を示唆する当該変動オブジェクトの表示態様を変化させる当該変動オブジェクト変化演出や、保留に係る大当り期待度を示唆する保留オブジェクトの表示態様を変化させる保留変化演出などが挙げられる。本明細書において、当該変動オブジェクトの変化演出と、保留オブジェクトの変化演出の双方を合わせて「保留変化演出」ということがある。当該変動オブジェクトや保留オブジェクトは、画面の中央下部などに表示される球状のオブジェクト画像である。保留オブジェクトは、特図保留手段に保留される抽選値の保留数を演出的に示すためのオブジェクト画像であり、保留数と同数の球状のオブジェクト画像(保留球画像)が表示され、保留球画像の表示数により保留数が示される。当該変動オブジェクトは、保留オブジェクトと同様または類似の表示態様を有するオブジェクト画像であるが、一見して保留オブジェクトとの違いが分かるように、保留オブジェクトより大きく表示されたり、保留オブジェクトの表示領域とは異なる位置に表示されたりする。当該変動オブジェクトや保留オブジェクトはさらに、その表示態様により当該変動または保留に係る大当り期待度を示唆する。例えば、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示画像の表示色、表示文言、オーラ画像やキャラクタ画像などの付加的な装飾表示により当該変動または保留に係る大当り期待度が示唆される。保留変化演出では、相対的に低期待度の表示態様から高期待度の表示態様にオブジェクトの表示が変化し、表示態様の変化および変化後の表示態様により当該変動または保留に係る大当り期待度が高いことが示唆される。
また、先読みによる期待度示唆演出として、先読みされる抽選値に係る図柄変動よりも前の図柄変動において停止表示される装飾図柄を奇数または偶数の組合せや同色図柄の組合せとするチャンス目演出が挙げられる。例えば、偶数図柄組合せのチャンス目、青色図柄組合せのチャンス目などにより低期待度であることが示唆される一方、奇数図柄組合せのチャンス目、赤色図柄組合せのチャンス目などにより高期待度であることが示唆される。
このような期待度示唆演出は、例えば、図柄変動回数が所定数以内の図柄変動において高頻度で実行され、図柄変動回数が所定数を超える図柄変動において低頻度で実行されてもよい。逆に、このような予告演出や先読み演出は、例えば、図柄変動回数が所定数以内の図柄変動において低頻度で実行され、図柄変動回数が所定数を超える図柄変動において高頻度で実行されてもよい。
このような期待度示唆演出は、上述の特定の変動パターンが選択される場合とそうではない場合とで実行頻度が異なっていてもよい。例えば、上述の報知用変動パターンが選択される場合には大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出を低頻度で実行するか全く実行しないようにする一方、報知用変動パターンが選択されない場合には大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出を報知用変動パターンが選択される場合よりも高頻度で実行してもよい。逆に、報知用変動パターンが選択される場合には大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出を高頻度で実行する一方、報知用変動パターンが選択されない場合には大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出を報知用変動パターンが選択される場合よりも低頻度で実行してもよい。また、上述の超速変動パターンが選択される場合とそうでない場合とで大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出の実行頻度を異ならせてもよい。例えば、超速変動パターンが選択される場合には大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出を低頻度で実行する一方、超速変動パターンが選択されない場合には大当りとなる期待度を示唆する予告演出や先読み演出を高頻度で実行してもよい。その他、変動パターンの選択傾向に応じて期待度示唆演出の実行頻度を異ならせてもよく、例えば、特定の変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定される場合に期待度示唆演出の実行頻度が相対的に高くなり、別の変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定される場合には期待示唆演出の実行頻度が相対的に低くなってもよい。
特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態へ移行され、特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となる前に当否判定の結果が大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合であって、その大当りとなることを示す特別図柄の変動開始前またはその転落判定後に変動開始される特別図柄の変動開始前に普通図柄が変動開始され、その特別図柄の変動表示中に入球変動機構の作動判定の結果が当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に入球変動機構が相対的に長い第1作動時間にわたって作動してもよい。一方、特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態へ移行され、確率変動状態かつ入球容易状態のまま特別遊技の終了後の特別図柄の図柄変動回数が所定数となった後に当否判定の結果が大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合であって、その大当りとなることを示す特別図柄の変動開始前またはその転落判定後に変動開始される特別図柄の変動開始前に普通図柄が変動開始され、その特別図柄の変動表示中に入球変動機構の作動判定の結果が当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に入球変動機構が第1作動時間よりも短い第2作動時間にわたって作動してもよい。つまり、当りとなる普通図柄の変動開始時点の遊技状態に拘わらず、その普通図柄の停止表示時の遊技状態が入球容易状態であるか通常入球状態であるかに応じて、当りとなる普通図柄の停止表示後に作動する入球変動機構の作動時間が異なってもよい。
本実施例において、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にその特別遊技後に必ず確率変動状態に移行され、かつ、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にその特別遊技後に必ず確率変動状態に移行されてもよい。つまり、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り種別として確変大当りのみが用意される確変100%の構成であってもよい。本構成において、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動にて特定の演出が実行されるか否かに応じて所定数を超える(101回以降の)図柄変動にて確率変動状態が継続するか否かが確定報知されてもよい。例えば、演出ボタン109の操作に応じて確率変動状態が継続することを確定報知する報知演出が実行されてもよく、遊技者にボタン操作を促すための演出ボタン109を模した画像を報知演出の実行前に表示することで確率変動状態が継続することが確定的に示唆されてもよい。つまり、図柄変動回数が所定数(100回)となるまでに通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされ、かつ、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動が外れとなる場合に、その所定数となる図柄変動にて演出ボタン109を模した画像の表示がなされないようにしてもよい。なお、図柄変動回数が所定数(100回)となるまでに通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合であっても、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動が大当りとなる場合には、その所定数となる図柄変動にて演出ボタン109を模した画像を表示させ、演出ボタン109の操作後に大当りとなることを確定報知する報知演出を実行可能としてもよい。
特図1および特図2を確変100%とする構成において、図柄変動時の演出傾向が異なる複数の演出モードが用意され、遊技者の操作に応じて複数の演出モードのいずれかを選択できるように構成されてもよい。複数の演出モードのいずれを選択するかに応じて、上述の期待度示唆演出の演出傾向や実施頻度が異なっていてもよい。例えば、A,B,Cの三つの演出モードを用意し、演出モードAでは示唆確度や示唆頻度を高くし、演出モードBでは示唆確度や示唆頻度を中程度となり、演出モードCでは示唆確度や示唆頻度を低くしてもよい。演出モードAの場合、大当りとなる図柄変動時や大当りに対応する抽選値が保留されるときに大当りとなることを示唆する期待度示唆演出が高頻度で実行される。一方、演出モードCの場合、大当りとなる図柄変動時や大当りに対応する抽選値が保留されるときであっても大当りとなることを示唆する期待度示唆演出がほとんど実行されないか、全く実行されない。演出モードBは、演出モードAとCの間に位置するようなバランス型の演出が実行され、例えば、演出モードAよりも相対的に低い頻度や信頼度で期待度示唆演出が実行される。
本実施例において、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にその特別遊技後に確率変動状態または通常確率状態に移行される一方、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にはその特別遊技後に必ず確率変動状態に移行されてもよい。この場合、大当り後の特別遊技中に開放される大入賞口内の特定領域に遊技球が入球するか否かに応じて確率変動状態に移行されるか否かが決定されてもよい。つまり、特別遊技中の特定領域への入球(V入賞)により確率変動状態への移行が確定する「玉確」または「V確」といわれる構成であってもよい。特別遊技中に開放可能な大入賞口として、大入賞口内に特定領域が設けられていない第1大入賞口と、大入賞口内に特定領域が設けられる第2大入賞口とが設けられ、1回の特別遊技中に第1大入賞口が開放される第1単位遊技および第2大入賞口が開放される第2単位遊技が実行されてもよい。この場合、大当り図柄の種類に応じて第2大入賞口の開放態様や開放時間が異なる第2単位遊技を実行可能とし、特定領域の入球容易性が異なる第2単位遊技を実行可能とすることで、大当り図柄の種類に応じて確率変動状態への移行確率が異なるようにしてもよい。例えば、大当り図柄Aで大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2大入賞口の開放時間が相対的に長い第2単位遊技を実行し、特定領域への入球が容易となるようにしてもよい。一方で、大当り図柄Bで大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2大入賞口の開放時間が相対的に短い第2単位遊技を実行し、特定領域への入球が困難となるようにしてもよい。その他、大入賞口の開放タイミングと、大入賞口内で特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構の作動タイミングとを大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能な特別遊技(大当り図柄A)または特別領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B)が実行されるようにしてもよい。その他、特定領域が設けられる大入賞口のみを設け、特定回数の単位遊技(例えば第4ラウンド)において特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構を作動させるようにし、その作動態様を大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A、特定領域に入球可能となる振分時間値が10秒)と、特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B、特定領域に入球可能となる振分時間値が0.05秒)とが実行されるようにしてもよい。
上述の「V確」の構成において、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技の実行態様と、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技の実行態様とを異ならせることにより、確率変動状態への移行確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を相対的に短くして特定領域への入球が相対的に困難となるようにする一方、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を相対的に長くして特定領域への入球が相対的に容易となるようにしてもよい。具体例を挙げれば、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2大入賞口内の特定領域への入球確率が50%程度となるようにする一方、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2大入賞口内への入球確率が80%程度となるようにしてもよい。また、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を長くする(例えば5秒以上、10秒以上または20秒以上)とすることで、特別遊技中に第2大入賞口に向けて遊技球を発射していればほぼ確実に第2大入賞口に入球するように第2単位遊技を構成してもよい。これにより、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合に第2大入賞口内の特定領域への入球確率が実質的に100%となるようにしてもよい。つまり、第2特別図柄が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率が実質的に100%となるようにしてもよい。この場合、第1特別図柄が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率は100%未満であってもよく、第1特別図柄が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率が50%〜80%程度であってもよい。つまり「V確」の構成において、特図1を確変100%未満とし、特図2を確変100%としてもよい。
特図1を確変100%未満とし、特図2を確変100%とする構成において、通常遊技中の図柄変動時の演出傾向が異なる複数の演出モードが用意され、遊技者の操作に応じて複数の演出モードのいずれかを選択できるように構成されてもよい。演出モードとして、特別遊技終了後の図柄変動回数が特定回数(例えば20回)となるまでの図柄変動にて共通演出が実行され、特定回数を超える(例えば21回以降の)図柄変動にて互いに異なる演出が実行可能となる複数の特定演出モードが用意されてもよい。さらに、複数の特定演出モードとは異なる特殊演出モードが用意されてもよい。特殊演出モードでは、特別遊技終了後の図柄変動回数が特定回数(例えば20回)となるまでの図柄変動にて上述の共通演出とは異なる演出が実行可能であってよい。さらに、同一の演出モード内において複数のキャラクタのいずれかを遊技者が選択可能となるよう構成されてもよく、選択されるキャラクタに応じて演出内容が異なっていてもよい。
特図1を確変100%未満とし、特図2を確変100%とする構成において、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動にて実行される確率変動状態の継続可否を示唆する継続演出の演出傾向を演出モードに応じて異ならせてもよい。例えば、第1演出モードでは確率変動状態の継続可否を確定的に報知する報知演出が実行される一方で、第2演出モードでは確率変動状態の継続期待度を示唆する期待度示唆演出が実行されるようにしてもよい。演出モードに応じて、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動にて実行される変動演出の演出傾向を異ならせてもよい。この場合、図柄変動回数が所定数以内の図柄変動にて実行される変動演出と、図柄変動回数が所定数を超える図柄変動演出にて実行される変動演出の演出傾向が同一の演出モードにて共通し、異なる演出モードにて異なってもよい。さらに、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動にて大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合、図柄変動が所定数(100回)となる図柄変動にて実行される変動演出(つまり、報知演出または期待度示唆演出)と同様の演出が実行されてもよい。この場合、図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動にて大当りとなる場合または通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされる場合の変動演出と、図柄変動が所定数(100回)となる図柄変動にて実行される変動演出が同一の演出モードにて共通し、異なる演出モードにて異なってもよい。
特図1を確変100%未満とし、特図2を確変100%とする構成において、図柄変動回数が所定数(100回)となる前の図柄変動にて通常確率状態へ転落するか否かを示唆する転落演出が実行されてもよい。この転落演出は、味方キャラクタと敵キャラクタがバトルし、バトル結果に応じて期待度が示唆されるバトル演出であってもよく、図柄変動回数が所定数(100回)となる前にバトルで敗北する敗北演出が実行される場合に通常確率状態への転落が示唆されてもよい。なお、バトル敗北後に味方キャラクタが復活する可能性を示唆する復活演出が実行されてもよく、復活演出の実行により確率変動状態が継続する可能性があることが示唆されてもよい。一方、バトル敗北後の図柄変動回数が特定回数(例えば5回、10回)となるまでに復活演出が実行されない場合には通常確率状態へ転落したことが確定的に報知されてもよい。図柄変動回数が所定数(100回)となる前に敗北演出や復活演出が複数回実行されてもよく、例えば、敗北、復活、敗北、復活、といった流れで転落するか否かを煽る演出が実行されてもよい。
本実施例において、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にその特別遊技後に確率変動状態または通常確率状態に移行され、かつ、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にもその特別遊技後に確率変動状態または通常確率状態に移行されてもよい。つまり、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り種別として確変大当りと非確変大当りが用意される確変100%未満の構成であってもよい。なお、大当りとなって特別遊技が実行された後に確率変動状態へ移行される確率は、特図1と特図2で共通であってもよいし、特図1よりも特図2の方が高くてもよい。例えば、上述の「V確」の構成において、特図1が大当りとなった後に確率変動状態へ移行される確率を50%とし、特図2が大当りとなって確率変動状態へ移行される確率を80%としてもよい。本構成において、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動にて特定の演出が実行されるか否かに応じて所定数を超える(101回以降の)図柄変動にて確率変動状態が継続する期待度が示唆されてもよい。例えば、演出ボタン109の操作に応じて確率変動状態が継続する期待度を示唆する特定操作演出が実行されてもよく、図柄変動回数が所定数(100回)となる図柄変動において複数回(例えば2回)の特定操作演出の実行を可能とし、複数回の特定操作演出の示唆内容に応じて確率変動状態が継続する期待度の高さが示唆されてもよい。この場合、複数回の特定操作演出のいずれかで確率変動状態が継続することを確定報知する報知演出が実行されてもよいし、複数回の特定操作演出のいずれにおいても確率変動状態が継続することが確定報知されなくてもよい。後者の場合、確率変動状態が継続する期待度が相対的に低いことが示唆されてもよい。
特図1および特図2を確変100%未満とする構成において、特別遊技後の図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動時の演出内容に応じて、図柄変動回数が所定数以内(1回〜100回)の図柄変動において転落させる旨の転落判定がなされていたかが示唆されてもよい。例えば、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動におけるバトル演出が勝利、バトル継続、敗北のいずれであるかに応じて、すでに転落しているか否かの可能性が異なってもよい。例えば、バトルに勝利した場合にはすでに転落しているか否かの判別が不能となるものの、図柄変動回数が所定数となる(100回目の)図柄変動において大当りとなることが示唆されてもよい。バトルが継続する場合には転落させる旨の転落判定がなされていないことが示唆されてもよい。バトルに敗北した場合にはすでに転落させる旨の転落判定がなされており、遊技状態が通常確率状態に転落していたことが示唆されてもよい。本構成において、特別遊技後の図柄変動回数が所定数を超える(101回以降の)図柄変動において確率変動状態および入球容易状態が継続する場合、所定数を超える図柄変動において変動パターンの選択傾向が変更されてもよい。例えば、変動時間が非常に短い超速変動パターンが選択可能となる変動パターン選択基準に変更され、所定数を超える(101回以降の)図柄変動の変動効率がさらに高められてもよい。
(実施例2:リミットタイプ)
本実施例では、特別遊技終了後に確率変動状態へ移行可能となる確変大当りが連続して発生する回数(いわゆる連荘回数)に上限(リミット)が設けられる。確率変動状態にて確変大当り図柄が停止表示される場合であって、リミット到達契機とはならない確変大当り図柄が停止表示される場合(つまりリミット到達前の場合)、その確変大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行される。一方、確率変動状態にて確変大当り図柄が停止表示される場合であって、リミット到達契機となる確変大当り図柄が停止表示される場合(つまりリミット到達後の場合)、その確変大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行される。リミット到達となる上限回数は、通常確率状態から確率変動状態へ移行されてから次に前記通常確率状態へ移行されるまでの確変継続中に確変大当り図柄が停止表示された累積回数に対して設定され、確変継続中に確変大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数(例えば6回)となるとリミット到達となる。リミットに到達する場合、つまり、確変継続中における確変大当り図柄の停止表示の累積回数が所定数(例えば6回)となる場合、累積回数が所定数となる確変大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常確率状態へ強制的に移行される。一方、確変継続中に確変大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数未満(例えば5回以下)であればリミット到達とはならない。リミット到達前である場合、つまり、確変継続中における確変大当り図柄の停止表示の累積回数が所定数未満(例えば5回以下)である場合、累積回数が所定数未満である確変大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行される。なお、通常確率状態へ移行されると、リミットに係る確変大当り図柄の累積回数のカウントはリセットされる。本実施例における大当り確率の一例は、通常確率状態(低確率状態)において1/120〜1/160程度であり、確率変動状態(高確率状態)において1/30〜1/40程度である。
本実施例では、特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行される場合、確率変動状態かつ入球容易状態へ移行される。したがって、確率変動状態では、入球容易性が高まる第2始動口12に向けて遊技球を入球させ、第2特別図柄が大当りとなることを目指す遊技性となる。このとき、第2特別図柄の大当り種別として確変大当りのみが用意され、特図2が確変100%となる構成としてもよい。この場合、通常確率状態から確率変動状態に移行されると、リミット到達までは特別遊技の実行後に必ず確率変動状態に移行され、リミット到達時には特別遊技の実行後に必ず通常確率状態に移行されることとなる。その結果、リミット到達となる上限数まで確率変動状態の継続が保障される。リミットタイプでは、確率変動状態が次回大当りまで継続する一方、入球容易状態については所定回数の終期が設定されることがある。その結果、入球容易状態の終期に到達すると、その終期となる図柄変動回数(例えば100回)の次の図柄変動の開始を契機に確率変動状態(高確率)かつ通常入球状態(低入球)に移行される。
本実施例において、第2特別図柄の大当り種別として確変大当りと非確変大当りとを用意し、特図2が確変100%未満となる構成としてもよい。例えば、第2特別図柄が大当りであることを示す図柄の種類として確変大当り図柄(第1大当り図柄)と、非確変大当り図柄(第2大当り図柄)とを用意し、第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行可能とし、第2大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行可能としてもよい。この場合、リミット到達の契機となる第1大当り図柄が停止表示される場合には特別遊技後に通常確率状態へ移行される一方、リミット到達前に第1大当り図柄が停止表示される場合には特別遊技後に確率変動状態へ移行される。つまり、通常確率状態から確率変動状態へ移行されてから次に通常確率状態へ移行されるまでの確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数に達しする場合、累積回数が所定数に達する(リミットに到達する)第1大当り図柄の停止表示後に実行される前記特別遊技の終了後に前記通常確率状態へ移行される。一方で、確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数未満である場合、累積回数が所定数未満である(リミット到達前である)第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行される。なお、確変継続中に第2大当り図柄が停止表示される場合には、それまでに第1大当り図柄が停止表示された累積回数に拘わらず通常確率状態へ移行される。したがって、リミット到達後は特別遊技の実行後に必ず通常確率状態に移行されるが、リミット到達前であっても特別遊技の実行後に通常確率状態へ移行される可能性がある。
特図2が確変100%未満となる構成において、特図1と特図2の確変移行確率を同じとしてもよい。つまり、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行された後に確率変動状態へ移行される確率と、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行された後に確率変動状態へ移行される確率とを同じにしてもよい。この場合、第1特別図柄が大当りであることを示す図柄の種類として第1確変大当り図柄と第1非確変大当り図柄とがあり、第2特別図柄が大当りであることを示す図柄の種類として第2確変大当り図柄と第2非確変大当り図柄とがあってもよい。
特図2が確変100%未満となる構成において、特図1と特図2の確変移行確率を異ならせてもよい。例えば、特図1の確変移行確率を50%とし、特図2の確変移行確率を80%としてもよい。この場合、上述の実施例1で述べた「V確」の構成としてもよい。例えば、特図1で大当りとなる場合には、特定領域が設けられる第2大入賞口を相対的に短い時間開放させることで特定領域への入球が困難となる第2単位遊技が含まれる特別遊技を実行可能とし、確変移行確率が相対的に低くなるようにしてもよい。一方、特図2で大当りとなる場合には、特定領域が設けられる第2大入賞口を相対的に長い時間開放させることで特定領域への入球が容易となる第2単位遊技が含まれる特別遊技を実行可能とし、確変移行確率が相対的に高くなるようにしてもよい。
本実施例において、上述の実施例1で述べた転落判定を組み合わせてもよい。例えば、特図1および特図2の確変移行確率を100%とし、確率変動状態に移行された後の図柄変動ごとに通常確率状態へ移行させるか否かを決定する転落判定がなされてもよい。この構成では、通常確率状態から確率変動状態へ移行された後、通常確率状態へ転落させる旨の転落判定が1度もなされることなく大当りの累積回数が所定数に達すると、累積回数が所定数に達する大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行される。確率変動状態において通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされると、それまでの大当り図柄(確変大当り図柄)が停止表示された累積回数に拘わらず、その転落判定に係る図柄変動が開始される際に通常確率状態へ移行される。なお、リミットと転落が組み合わされる構成において、特図1および特図2の少なくとも一方の確変移行確率が100%未満であってもよい。リミットと転落を組み合わせる仕様(リミットかつ転落タイプ)では、確率変動状態が転落させる旨の転落判定がなされるか次回大当りとなるまで継続する一方、入球容易状態については所定回数の終期が設定されることがある。その結果、転落させる旨の転落判定がなされずに入球容易状態の終期に到達すると、その終期となる図柄変動回数(例えば100回)の次の図柄変動の開始を契機に確率変動状態(高確率)かつ通常入球状態(低入球)に移行される。
特図1および特図2が確変100%であり、リミットと転落が組み合わされる構成において、特図1で大当りとなって特別遊技が実行された後に入球容易状態へ移行可能であってもよい。例えば、通常入球状態にて特図1で大当り(いわゆる初当り)となって特別遊技が実行された後には必ず入球容易状態へ移行されてもよく、特図1の大当り図柄の種類に応じて入球容易状態の継続条件が異なっていてもよい。例えば、通常入球状態にて特図1が大当りとなる場合、特図1の大当り図柄の種類として、入球容易状態の終期となる図柄変動回数が相対的に少ない(例えば1回、9回、18回)大当り図柄Aと、入球容易状態の終期となる図柄変動回数が相対的に多い(例えば100回)大当り図柄Bとがあってもよい。大当り図柄Aは、入球容易状態の終期となる複数の図柄変動回数(例えば1回、9回、18回)に対応して複数種類の大当り図柄(例えば大当り図柄A1、大当り図柄A2、大当り図柄A3)があることが好ましい。入球容易状態にて特図2が大当りとなる場合、終期となる図柄変動回数が相対的に多い(例えば100回、または次回大当りまで継続する)入球容易状態に必ず移行されてもよい。例えば、通常入球状態にて特図1で初当りとなった後に終期となる図柄変動回数が相対的に少ない(例えば1回、9回、18回)入球容易状態へ移行され、その入球容易状態が終了するまでに特図2で大当りとなる場合、終期となる図柄変動回数が相対的に多い(少なくとも100回の)入球容易状態へ移行される。特図1または特図2が大当りとなって終期となる図柄変動回数が相対的に多い(例えば100回の)入球容易状態に移行される場合、その後に確率変動状態から通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がなされるまで入球容易状態が継続されてもよい。つまり、上述の実施例1で述べたように、入球容易状態の終期となりうる所定数の図柄変動回数の図柄変動がなされるまでに転落させる旨の転落がなされず、その後に図柄変動回数が所定数を超える(例えば101回以降の)図柄変動にて転落させる旨の転落がなされる場合には、その転落判定に係る図柄変動が開始される際に高確率かつ高入球状態から低確率かつ低入球状態に移行されてもよい。なお、特図1または特図2が大当りとなってリミット到達となる場合であって、終期となる図柄変動回数が相対的に多い(例えば100回の)入球容易状態に移行される場合、入球容易状態の終期となる図柄変動回数が固定された低確率かつ高入球状態に移行されてもよい。つまり、リミット到達の契機となる大当り図柄が停止表示された後に実行される特別遊技の終了後には、入球容易状態の終期が100回となる低確率かつ高入球状態に移行されてもよい。
特図1および特図2が確変100%であり、リミットと転落が組み合わされる構成において、通常入球状態にて特図1で大当り(いわゆる初当り)となる場合、特図1の大当り図柄の種類に応じて、終期となる図柄変動回数が相対的に少ない(例えば1回、9回、18回)の入球容易状態または通常入球状態に移行されてもよい。別の例として、通常入球状態にて特図1で大当り(いわゆる初当り)となる場合、特図1の大当り図柄の種類に応じて、終期となる図柄変動回数が相対的に多い(例えば100回、または次回大当りまで継続する)入球容易状態、または通常入球状態(入球容易状態ではない状態)に移行されてもよい。さらに別の例として、通常入球状態にて特図1で大当り(いわゆる初当り)となる場合、特図1の大当り図柄の種類に応じて、終期となる図柄変動回数が相対的に多い(例えば100回、または次回大当りまで継続する)入球容易状態または終期となる図柄変動回数が相対的に少ない(例えば1回、9回、18回の)入球容易状態に移行されてもよい。
本実施例において、通常入球状態にて特図1が大当り(いわゆる初当り)となる図柄変動中の演出によってその後に入球容易状態に移行される期待度が示唆されてもよい。大当り図柄の種類に応じて入球容易状態への移行可否が決まる場合、その大当りに係る図柄変動中に演出表示装置に表示される演出内容に応じて、その大当りに係る図柄変動の停止時の大当り図柄の種類がいずれになるかの可能性が異なってもよい。例えば、特図1の大当り図柄の種類として少なくとも第1大当り図柄(大当り図柄C)と第2大当り図柄(大当り図柄D)とがあり、通常確率状態かつ通常入球状態にて第1大当り図柄(大当り図柄C)の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行可能であり、通常確率状態かつ通常入球状態にて第2大当り図柄(大当り図柄D)の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常入球状態へ移行される場合において、特図1が大当りとなる図柄変動中の演出内容に応じてその図柄変動にて第1大当り図柄(大当り図柄C)および第2大当り図柄(大当り図柄D)のいずれが停止表示されるのかの可能性が異なってもよい。入球容易状態への移行可能性の期待度を示唆する演出として、上述の実施例1で述べた期待度示唆演出が実行されてもよく、期待度示唆演出により示唆される期待度の高さに応じて、第1大当り図柄(大当り図柄C)および第2大当り図柄(大当り図柄D)のいずれが停止表示されるのかの可能性が異なってもよい。なお、大当りとなる図柄変動中に実行される演出ではなく、大当りに係る当否抽選値の先読み結果を利用して大当りに係る図柄変動より前の図柄変動にて実行される先読み演出の内容に応じて、第1大当り図柄(大当り図柄C)および第2大当り図柄(大当り図柄D)のいずれが停止表示されるのかの可能性が異なってもよい。この場合に実行される先読み演出は、上述の実施例1で述べた期待度示唆演出であってもよい。
本実施例において、通常入球状態にて特図1が大当りとなる図柄変動中の演出に応じて、終期となる図柄変動回数が相対的に多い(または次回の大当りまで継続する)入球容易状態に移行される期待度が示唆されてもよい。例えば、特図1の大当り図柄の種類として少なくとも第1大当り図柄(大当り図柄E)と第2大当り図柄(大当り図柄F)とがあり、通常確率状態かつ通常入球状態にて第1大当り図柄(大当り図柄E)の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に終期となる図柄変動回数が相対的に多い(または次回の大当りまで継続する)入球容易状態へ移行可能であり、通常確率状態かつ通常入球状態にて第2大当り図柄(大当り図柄F)の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に終期となる図柄変動回数が相対的に少ない(または次回の大当りまで継続しない)入球容易状態へ移行される場合において、特図1が大当りとなる図柄変動中の演出内容に応じて、その図柄変動にて第1大当り図柄(大当り図柄E)および第2大当り図柄(大当り図柄F)のいずれが停止表示されるのかの可能性が異なってもよい。終期となる図柄変動回数が相対的に多い(または次回の大当りまで継続する)入球容易状態への移行可能性の期待度を示唆する演出として、上述の実施例1で述べた期待度示唆演出が実行されてもよく、期待度示唆演出により示唆される期待度の高さに応じて、第1大当り図柄(大当り図柄E)および第2大当り図柄(大当り図柄F)のいずれが停止表示されるのかの可能性が異なってもよい。なお、大当りとなる図柄変動中に実行される演出ではなく、大当りに係る当否抽選値の先読み結果を利用して大当りに係る図柄変動より前の図柄変動にて実行される先読み演出の内容に応じて、第1大当り図柄(大当り図柄E)および第2大当り図柄(大当り図柄F)のいずれが停止表示されるのかの可能性が異なってもよい。この場合に実行される先読み演出は、上述の実施例1で述べた期待度示唆演出であってもよい。
本実施例において、高確率かつ低入球状態にて大当りとなって特別遊技が実行された後に入球容易状態へ移行される場合、その大当りによってリミット到達となるか否かに応じてその後に移行される入球容易状態の終期が異なってもよい。言いかえれば、高確率かつ低入球状態にて特定の大当り図柄が停止表示される場合に、確変継続中に確変大当り図柄が停止表示される累積回数が所定数(例えば6回)に達する停止表示となるか否かに応じて、その後に移行される入球容易状態の終期が異なってもよい。例えば、特定の大当り図柄で大当りとなる場合であってリミットに到達しない場合には、その大当り後の特別遊技の実行後に高確率かつ高入球状態に移行されるとともに、高確率かつ高入球状態が次回の大当りまで継続してもよい。一方、同じ特定の大当り図柄で大当りとなる場合であってリミットに到達する場合には、その大当り後の特別遊技の実行後に低確率かつ高入球状態に移行されるとともに、高入球状態の終期として所定の図柄変動回数(例えば100回)が定められてもよい。つまり、特定の大当り図柄で大当りとなってリミットに到達し、特別遊技の終了後に低確率かつ高入球状態に移行される場合、特別遊技の終了後の図柄変動回数が100回となるまで入球容易状態が継続し、特別遊技の終了後の図柄変動回数が101回となる図柄変動にて通常入球状態となる。このときの入球容易状態から通常入球状態への移行タイミングは、100回目の図柄変動の開始を契機としてもよいし、100回目の図柄変動の終了を契機としてもよいし、101回目の図柄変動の開始直前としてもよい。
本実施例において、高確率かつ高入球状態にて大当りとなって特別遊技が実行された後に入球容易状態へ移行される場合、その大当りによってリミット到達となるか否かに応じてその後に移行される入球容易状態の終期が異なってもよい。言いかえれば、高確率かつ高入球状態にて特定の大当り図柄が停止表示される場合に、確変継続中に確変大当り図柄が停止表示される累積回数が所定数(例えば6回)に達する停止表示となるか否かに応じて、その後に移行される入球容易状態の終期が異なってもよい。例えば、特定の大当り図柄で大当りとなる場合であってリミットに到達しない場合には、その大当り後の特別遊技の実行後に高確率かつ高入球状態に移行されるとともに、高確率かつ高入球状態が次回大当りまで継続してもよい。一方、同じ特定の大当り図柄で大当りとなる場合であってリミットに到達する場合には、その大当り後の特別遊技の実行後に低確率かつ高入球状態に移行されるとともに、高入球状態の終期として所定の図柄変動回数(例えば100回)が定められてもよい。つまり、特定の大当り図柄で大当りとなってリミットに到達し、特別遊技の終了後に低確率かつ高入球状態に移行される場合、特別遊技の終了後の図柄変動回数が100回となるまで入球容易状態が継続し、特別遊技の終了後の図柄変動回数が101回となる図柄変動にて通常入球状態となる。このときの入球容易状態から通常入球状態への移行タイミングは、100回目の図柄変動の開始を契機としてもよいし、100回目の図柄変動の終了を契機としてもよいし、101回目の図柄変動の開始直前としてもよい。
特図1および特図2が確変100%であり、リミットと転落が組み合わされる構成において、特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態に移行される場合、その後に通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がいずれの図柄変動回数の図柄変動にてなされるかに拘わらずに共通の演出傾向となる特定の演出モードが用意されてもよい。さらに言えば、入球容易状態が継続する限りにおいて、確率変動状態が継続しているか、または、転落判定により通常確率状態に移行されているかに拘わらずに共通の演出傾向となる特定の演出モードが用意されてもよい。特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態に移行されて特定の演出モードに突入する場合、その特別遊技の終了デモにて特定の演出モードに突入することを表示する突入演出が実行されてもよい。特別遊技の終了デモでは複数の表示態様で突入演出が実行可能であってもよく、突入演出の表示態様の違いによってその後の入球容易状態の継続条件が示唆されてもよい。例えば、特定の演出モードに突入する場合の入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数が複数(例えば1回、9回、18回、100回および次回大当りまで継続)が用意され、入球容易状態の終期がいずれとなるかの期待度が突入演出の表示態様により示唆されてもよい。例えば、入球容易状態の終期回数が1回、9回、18回のいずれかである場合には「演出モードA突入!」の文言が表示される突入演出が表示され、その文言の表示色によって入球容易状態の終期回数がいずれであるかを示唆可能であってもよい。例えば、突入演出の文言として青文字と赤文字とがあり、赤文字の方が青文字よりも入球容易状態の終期回数が18回となる可能性が高くてもよい。一方、入球容易状態の終期回数が100回となる場合または次回大当りまで入球容易状態が継続する場合には「演出モードB突入!!!」の文言が表示される突入演出が表示され、その文言の表示色によって入球容易状態の終期の有無が示唆可能であってもよい。例えば、突入演出の文言として青文字と赤文字とがあり、赤文字の方が青文字よりも次回大当りまで入球容易状態が継続する可能性が高くてもよい。また、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数(例えば1回、9回または18回)の図柄変動において入球容易状態が継続するか否かを煽る継続演出が実行されてもよい。例えば、1回目の図柄変動であれば入球容易状態(つまり、演出モードA)が1回で終了するのか、9回以上継続するのかを煽る継続演出が実行可能であり、9回目の図柄変動であれば入球容易状態(つまり、演出モードA)が9回で終了するのか、18回以上継続するのかを煽る継続演出が実行可能である。また、18回目の図柄変動であれば、入球容易状態が18回で終了して演出モードAが終了するのか、または、演出モードBに突入して入球容易状態が100回以上継続するのかを煽る継続演出が実行可能である。さらに、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数(例えば1回、9回または18回)の図柄変動に実行される継続演出の表示態様の違いによって入球容易状態の継続期待度(つまり、入球容易状態の終期がいずれとなるかの可能性)が示唆されてもよい。さらに、継続演出の表示態様の違いによって現在の遊技状態が確率変動状態であるか否かが示唆されてもよい。つまり、継続演出の表示態様の違いによって通常確率状態へ転落させる旨の転落判定がすでになされたか否かが示唆されてもよい。
本実施例において、リミット到達までの確変大当りの残回数を報知可能であってもよい。例えば、通常確率状態から確率変動状態へ移行されてから次に通常確率状態へ移行されるまでの確変継続中の大当りの累積回数が所定数(例えば16回)に制限される場合、確変継続中の大当りの現在の累積回数(例えば2回)を所定数(例えば16回)から減算した回数(例えば14回)が残回数として報知可能となる。この場合、通常確率状態から確率変動状態へ移行された直後は上限となる所定数(例えば16回)が残回数として報知され、リミット到達となる累積回数が所定数に達する大当りの発生直前では残回数が1回となる。リミット到達まで残回数は、通常遊技時の図柄変動中に報知可能であってもよく、通常遊技時の演出表示装置に常時表示されていてもよいし、遊技者が通常遊技中に演出ボタンを操作することで表示されてもよい。その他、特別遊技の実行中に報知可能であってもよく、特別遊技中の演出表示装置に常時表示されていてもよいし、遊技者が特別遊技中に演出ボタンを操作することで表示されてもよい。リミット到達までの残回数は、特定の遊技状態においてのみ報知可能であってもよく、例えば入球容易状態にて報知可能である一方、通常入球状態では報知されない構成であってもよい。例えば、上述のリミットと転落が組み合わされる構成において、特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態に移行される場合に突入する特定の演出モードにおいてリミット到達までの残回数が報知可能であってもよい。その他、特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態に移行される場合であって、入球容易状態の終期となる図柄変動回数が相対的に多い場合(例えば少なくとも100回)にリミット到達までの残回数が報知可能であってもよい。別の例として、特図2が大当りとなって実行される特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態に移行された場合にリミット到達までの残回数が報知可能であってもよい。これらのリミット到達までの残回数の報知は、残回数を確定的または明示的に報知するのではなく、残回数が多いのか少ないのかが示唆される程度に曖昧に報知するようにしてもよい。例えば、赤色のマークが表示された場合は残回数が相対的に多い(例えば8〜16回である)可能性が高く、青色のマークが表示された場合は残回数が相対的に少ない(例えば0〜7回である)可能性が高いことを示唆するよう構成してもよい。
本実施例において、リミット到達までの残回数の代わりに、次の大当りにて累積回数が所定数に達する(リミット到達となる)か否かを報知してもよい。つまり、リミット到達までの残回数が1回である場合にはリミット到達直前であることを報知する一方、リミット到達までの残回数が2回以上である場合にはリミット到達直前ではないことを報知してもよい。リミット到達直前であるか否かの報知は、上述のリミット到達までの残回数の報知と同様、通常遊技時の図柄変動中に報知可能であってもよく、特別遊技中に報知可能であってもよく、特定の遊技状態においてのみ報知可能であってもよい。具体的には、入球容易状態においてリミット到達直前であるか否かが報知可能である一方、通常入球状態においてリミット到達直前であるか否かが報知されない構成であってもよい。また、リミット到達直前であるか否かを確定的または明示的に報知するのではなく、リミット到達直前である可能性が高いか否かを曖昧に示唆するようにしてもよい。例えば、赤色のマークが表示された場合はリミット到達直前ではない可能性が高く、青色のマークが表示された場合はリミット到達直前である可能性が高いことを示唆するよう構成してもよい。
本実施例において、リミット到達までの残回数を報知するまたはリミット到達直前であるか否かを報知するリミット報知演出は、通常遊技中または特別遊技中に遊技者が演出ボタン109や十字キー110、レバー112を通じて特定の入力操作をした場合に実行可能となるよう構成されてもよい。この場合、特定の入力操作を遊技者に促す表示がなされなくてもよく、特定の入力操作を知る遊技者のみがリミット報知演出を実行可能とする「裏コマンド演出」であってもよい。大当りとなる図柄変動中または大当りとなる図柄停止後に実行される特別遊技中に特定の入力操作をすることでリミット報知演出を実行可能とする場合、その大当りによってリミットに到達するか否かが報知されてもよい。なお、リミットの到達有無を報知する代わりに、特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行されるか否かを報知してもよい。つまり、大当りとなる図柄変動中または大当りとなる図柄停止後に実行される特別遊技中に特定の入力操作をすることで、特別遊技後に確率変動状態へ移行されるか否かを報知してもよい。リミットに到達しない場合には確率変動状態へ移行可能である一方、リミットに到達する場合には必ず通常確率状態へ移行されるためである。その他、特定状況下で裏コマンドを入力することで、リミット到達までの残回数やリミット到達直前であるか否かや、特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行されるか否かが報知可能または示唆可能な演出モードである「裏モード」に突入するようにしてもよい。例えば、特別遊技中にレバー112を操作した後、演出ボタン109を所定回数押下したり、十字キー110にて所定順序の操作をしたりした場合に裏モードに突入してもよい。なお、いったん裏モードに突入するよう設定した場合には、入球容易状態が終了して通常入球状態へ移行するまでは再度裏コマンドを入力することなく裏モードの設定が維持されてもよく、裏モードの設定が維持されている間は図柄変動中や特別遊技中に上記報知または示唆が常に実行可能であってもよい。
特図1および特図2の少なくとも一方が確変100%未満となる構成において、大当りとなる図柄変動中または大当りに係る図柄変動より前の図柄変動中に確率変動状態へ移行される期待度を示唆する期待度示唆演出を実行可能としてもよい。確変100%未満とするため、大当りであることを示す図柄の種類として少なくとも確変大当り図柄(第1大当り図柄)と非確変大当り図柄(第2大当り図柄)とがあり、第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行可能とし、第2大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行可能とする。通常確率状態から確率変動状態へ移行されてから次に通常確率状態へ移行されるまでの確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数(例えば6回)に達する場合、確変継続中の累積回数が所定数(例えば6回)に達する第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行される。一方で、確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数未満(例えば5回以下)である場合、確変継続中の累積回数が所定数未満(例えば5回以下)である第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行される。本構成において、リミット到達の直前の状態であるか否かに応じて、第1大当り図柄が停止表示された後に確率変動状態へ移行されるか否かの期待度を示唆する期待度示唆演出の演出傾向や実行頻度を異ならせてもよい。具体的には、リミット到達直前の状態である場合、つまり、確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数から1を引いた数(例えば5回)となる特定状況下では、確率変動状態へ移行される期待度が相対的に低いことが示唆される期待度示唆演出を実行可能としたり、確率変動状態へ移行される期待度を示唆する期待度示唆演出の実行頻度を相対的に低くしたり、または、確率変動状態へ移行されることを確定報知する報知演出を実行しないようにしたりする。一方で、リミット到達直前ではない状態の場合、つまり、確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数から1を引いた数未満(例えば4回以下)となる非特定状況下では、確率変動状態へ移行される期待度が相対的に高いことが示唆される期待度示唆演出を実行可能としたり、確率変動状態へ移行される期待度を示唆する期待度示唆演出の実行頻度を相対的に高くしたり、または、確率変動状態へ移行されることを確定報知する報知演出を実行可能としたりする。例えば、確変継続中に第1大当り図柄が停止表示された累積回数(またはリミット到達までの残回数)をサブ基板300にて保持しておき、その累積回数(またはリミット到達までの残回数)に応じて確率変動状態への移行に係る期待度示唆演出や報知演出の実行態様を異ならせることでリミット到達直前であるか否かに応じて異なる演出を実現できる。例えば、確率変動状態への移行が確定的である旨を報知するわけではないが、確率変動状態へ移行する可能性が相対的に高いことを示唆する期待度示唆演出(例えば確率変動状態への移行期待度が90%であることを示唆する期待度示唆演出)に対して上記仕様を適用することが好ましい。
上記構成において、確変大当り図柄(第1大当り図柄)が停止表示される図柄変動中に確率変動状態への移行に係る期待度示唆演出や報知演出の実行を可能としてもよく、第1大当り図柄の停止表示前の時点でリミット到達直前であるか否かに応じて、第1大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出や報知演出の実行態様を異ならせてもよい。例えば、第1大当り図柄の停止表示前の時点でリミット到達直前である場合、第1大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出の実行頻度を低くしたり、示唆される期待度を低くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行しないようにしたりしてもよい。リミット到達直前の状態で第1大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出の実行態様は、非確変大当り図柄(第2大当り図柄)が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出の実行態様と同等であってもよい。つまり、リミット到達となる第1大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出および第2大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出についてはいずれも、実行頻度を低くしたり、示唆される期待度を低くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行しないようにしたりしてもよい。一方、第1大当り図柄の停止表示前の時点でリミット到達直前ではない場合、第1大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出の実行頻度を高くしたり、示唆される期待度を高くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行可能としたりしてもよい。この場合、第2大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出の実行態様と比較して、リミット到達とはならない第1大当り図柄が停止表示される図柄変動中の期待度示唆演出の実行頻度を高くしたり、示唆される期待度を高くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行するようにしたりしてもよい。
上記構成において、当否抽選値および図柄抽選値の事前判定結果に基づいて確変大当り図柄(第1大当り図柄)となることが先読みされる場合、先読みされる当否抽選値および図柄抽選値を消化する図柄変動より前の図柄変動中に確率変動状態への移行に係る期待度示唆演出や報知演出の実行を可能としてもよい。さらに、先読みされる当否抽選値および図柄抽選値を消化する図柄変動より前の図柄変動の時点でリミット到達直前であるか否かに応じて、期待度示唆演出や報知演出の実行態様を異ならせてもよい。例えば、第1大当り図柄に対応する抽選値が事前判定される時点でリミット到達直前である場合、第1大当り図柄が停止表示される図柄変動より前の図柄変動中の期待度示唆演出の実行頻度を低くしたり、示唆される期待度を低くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行しないようにしたりしてもよい。第1大当り図柄に対応する抽選値の先読みによる期待度示唆演出がリミット到達直前の状態で実行される場合の期待度示唆演出の実行態様は、非確変大当り図柄(第2大当り図柄)に対応する抽選値の先読みによる期待度示唆演出の実行態様と同等であってもよい。つまり、リミット到達となる第1大当り図柄が先読みされる図柄変動中の期待度示唆演出および第2大当り図柄が先読みされる図柄変動中の期待度示唆演出についてはいずれも、実行頻度を低くしたり、示唆される期待度を低くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行しないようにしたりしてもよい。一方、第1大当り図柄に対応する抽選値が事前判定される時点でリミット到達直前ではない場合、第1大当り図柄が停止表示される図柄変動より前の図柄変動中の期待度示唆演出の実行頻度を高くしたり、示唆される期待度を高くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行可能にしたりしてもよい。この場合、第2大当り図柄が先読みされる図柄変動中の期待度示唆演出の実行態様と比較して、リミット到達とはならない第1大当り図柄が先読みされる図柄変動中の期待度示唆演出の実行頻度を高くしたり、示唆される期待度を高くしたり、確率変動状態へ移行されることを報知する報知演出を実行するようにしたりしてもよい。
本実施例において、所定の特殊演出の実行後に大当りであることを示す特別図柄が停止表示された場合、その停止表示後に実行される特別遊技の終了後に確率変動状態に必ず移行されてもよい。所定の特殊演出は、演出表示装置に表示される装飾図柄が特殊図柄で停止表示される演出であってもよく、停止表示される装飾図柄の図柄種類によって確率変動状態への移行可否が報知されてもよい。例えば、停止表示される装飾図柄が数字(例えば222や333)である場合には確率変動状態へ移行されない可能性が示唆される一方、停止表示される装飾図柄が特定の文字(例えばSSS)である場合には確率変動状態への移行が確定されてもよい。
リミットと転落が組み合わされる構成において、入球容易状態の終期となりうる図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動において変動パターンの選択傾向が変更されてもよく、例えば、特定の変動パターンが固定的に選択されてもよい。図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動では、特図保留手段241に保留される抽選値の保留数に依存しない変動パターンの選択傾向となる一方、図柄変動回数が所定数となる前後(例えば99回および101回)の図柄変動では、特図保留手段241に保留される抽選値の保留数に依存する変動パターンの選択傾向となってもよい。例えば、図柄変動回数が所定数(例えば100回)となる図柄変動では、入球容易状態が継続するか否かを報知するための特定の報知用変動パターンが選択可能であり、変動パターンの選択傾向が保留数に依存しない変動パターン選択基準を用いて変動パターンが決定されてもよい。一方、図柄変動回数が所定数となる前後(例えば99回および101回)の図柄変動では、保留数が多いほど変動時間のより短い変動パターンが選択されやすくなる変動パターン選択基準を用いて変動パターンが決定されてもよい。
(実施例3:設定示唆演出)
本実施例では、設定変更手段により設定された遊技機の設定値を遊技者に示唆するための設定示唆演出を実行可能とする。各遊技機の設定値は設定変更状態または設定確認状態においてのみ確認できるため、遊技店の従業員といった遊技機の管理者しか確認することができず、遊技者が直接的に設定値を知ることはできない。一方で、遊技機の設定値は大当り確率に影響を与えうるため、遊技者に有利な遊技仕様に対応する遊技設定となっているか否かは遊技者にとって非常に重要である。そこで本実施例では、設定示唆演出を実行可能とするとともに、特定条件が充足されることを契機として設定示唆演出を実行可能にする。
設定示唆演出は、遊技球の検出を契機として実行可能としてもよい。この場合、遊技球の検出ごとに設定示唆演出を実行してもよいし、遊技球の検出回数が所定数に達するごとに設定示唆演出を実行してもよい。また、遊技球の1回または所定回数の検出ごとに抽選値を取得し、その抽選値が所定結果となることを条件として設定示唆演出を実行してもよい。また、遊技球の検出の直後に設定示唆演出を実行してもよいし、遊技球の検出後の所定タイミングに設定示唆演出を実行してもよい。後者の場合、遊技球の検出後であって、遊技進行上または演出進行上の設定示唆演出が実行可能なタイミングとなることを条件として設定示唆演出を実行してもよい。
設定示唆演出は、遊技状態の移行を契機として実行可能としてもよい。この場合、遊技状態の移行後の図柄の変動開始時、変動中または変動停止時に設定示唆演出が実行されてもよい。また、遊技状態が移行してから初回の図柄変動期間に設定示唆演出が実行されてもよいし、遊技状態が移行してから図柄が所定回数変動された後に設定示唆演出が実行されてもよい。その他、遊技状態の移行後にリーチ変動などの特定の変動パターンによる図柄変動がなされる場合に設定示唆演出が実行されてもよい。
設定示唆演出は、様々な態様で実行可能である。設定示唆演出は、演出表示装置60に表示される演出画像を用いて実行されてもよいし、可動役物66の動作による役物作動演出であってもよいし、スピーカー108から出力される演出音声を用いて実行されてもよいし、装飾ランプ111の点灯を用いて実行されてもよく、これらの任意の組み合わせにより実行されてもよい。設定示唆演出は、演出ボタン109やレバー112の操作を契機として実行されてもよい。
設定示唆演出は、遊技機の設定値が複数の設定(例えば設定1〜設定6)のいずれであるかが特定可能な態様で実行されてもよい。例えば、複数の設定のそれぞれに対応する複数種類(例えば6種類)の設定示唆演出を用意しておき、そのいずれが実行されるかによって設定値がいずれであるかが示唆されてもよい。なお、遊技機の設定値と実行される設定示唆演出の種類とが完全に対応しなくてもよく、複数種類の設定示唆演出のいずれが実行されるかの確率を設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、相対的に高設定であることを示唆する第1設定示唆演出と、相対的に低設定であることを示唆する第2設定示唆演出とを用意し、より有利な設定の場合には第1設定示唆演出の実行確率を高くし、第2設定示唆演出の実行確率を低くしてもよい。その他、特定以上の設定であることが確定する設定示唆演出を実行してもよく、例えば、第3設定示唆演出が実行される場合に相対的に有利な設定値(例えば設定4〜設定6)であることが示唆されてもよい。また、特定種類の設定示唆演出が実行される場合には設定値がいずれであることが確定する一方、特定種類とは異なる設定示唆演出が実行される場合には設定値がいずれであることが確定しないこととしてもよい。
設定示唆演出は、遊技機の設定値に応じて実行頻度が異なってもよい。例えば、より有利な設定の場合には設定示唆演出の実行頻度が高く、より不利な設定の場合には設定示唆演出の実行頻度が低くてもよい。この場合、遊技球の検出を契機として取得される抽選値が所定結果となる確率を設定値に応じて異ならせてもよい。その他、設定値の違いによる設定示唆演出の実行頻度の差異に応じて、実行される設定示唆演出の信頼度を異ならせてもよい。例えば、特定の設定値(例えば設定6)では設定示唆演出の実行頻度を相対的に低くくする一方で、高信頼度の設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。具体例を挙げれば、設定6では特定条件の充足を契機とする設定示唆演出の実行確率を5%とし、設定4、5では特定条件の充足を契機とする設定示唆演出の実行確率を10%とする。さらに設定6では、高設定を示唆する第1示唆演出の実行確率を90%以上とする一方、設定4,5では高設定を示唆する第1示唆演出の実行確率を60%〜80%とする。この場合、実行される設定示唆演出の実行頻度と種類の組み合わせにより、遊技機の設定値を示唆できる。
図柄変動の途中で挿入される特定のカットイン演出により設定示唆演出が実行されてもよい。特定のカットイン演出は、設定示唆専用演出であってもよい。設定示唆用の特定のカットイン演出は、演出表示装置の表示領域のほぼ全体を占める演出表示であってもよく、特定のカットイン演出の表示期間において画面中央に変動表示される装飾図柄が一時的に非表示となってもよい。特定のカットイン演出は、遊技機の設定値に応じて実行頻度が異なってもよい。例えば、特定のカットイン演出の実行頻度が高いほど遊技機の設定値が高いことが示唆されてもよい。ここで、特定のカットイン演出の実行頻度とは、図柄変動の累計数のうち特定のカットイン演出の実行を伴う図柄変動の回数の割合として定義することができる。特定のカットイン演出は、遊技状態に応じて実行頻度が異なってもよく、通常確率状態と確率変動状態とで実行頻度を異ならせてもよい。例えば、遊技機が特定の設定値である場合に、通常確率状態よりも確率変動状態における特定のカットイン演出の実行頻度が低くてもよい。逆に、通常確率状態よりも確率変動状態における特定のカットイン演出の実行頻度が高くてもよい。特定のカットイン演出は、図柄変動の後半よりも前半における実行頻度が高くてもよく、例えば、リーチ前に特定のカットイン演出が実行される頻度がリーチ後に特定のカットイン演出が実行される頻度が高くてもよい。
図柄変動の途中で特定のキャラクタが登場する演出により設定示唆演出が実行されてもよく、例えば装飾図柄がリーチ態様となる場合に三列の装飾図柄列のうち中央の図柄列が特定のキャラクタとなるキャラクタリーチ演出の実行頻度により遊技機の設定値が示唆されてもよい。キャラクタリーチ演出は、上述のカットイン演出よりも実行頻度が低くてもよく、例えば特定のカットイン演出の実行頻度の1/10程度に設定されてもよい。キャラクタリーチ演出は、上述のカットイン演出よりも実行頻度の差に応じた設定値の違いの判別が容易となるよう構成されてもよい。言いかえれば、キャラクタリーチ演出は、設定値の違いに応じて実行頻度の差が相対的に大きくなるよう実行頻度が定められる一方、特定のカットイン演出は、設定値の違いに応じて実行頻度の差が相対的に小さくなるように実行頻度が定められてもよい。また、キャラクタリーチ演出は、遊技状態に応じた実行頻度の違いが上述のカットイン演出とは逆であってもよい。例えば、特定のカットイン演出の実行頻度が確率変動状態よりも通常確率状態にて高くなるのに対し、キャラクタリーチ演出の実行頻度は通常確率状態よりも確率変動状態にて高くなってもよい。
所定の入球口に入球することを契機に所定の効果音を再生することにより設定示唆演出が実行されてもよい。例えば、始動口への入球を契機に所定の効果音が再生される場合に遊技機の設定値が高いことが示唆されてもよい。例えば、設定1−3の場合には始動口への入球を契機とする所定の効果音が再生されないのに対し、設定4−6の場合には始動口への入球を契機とする所定の効果音が再生されるようにしてもよい。その他、設定値が高いほど始動口への入球を契機とする所定の効果音の再生頻度が高くなるようにしてもよい。この場合、設定1−6のいずれでも所定の効果音が再生されるようにしてもよいし、所定以上の設定値(例えば設定4−6)の場合のみ所定の効果音が再生されるようにしてもい。また、特図保留手段241に保留される保留数が所定数以上(例えば3個以上)の場合にのみ始動口への入球を契機とする所定の効果音が再生されるようにしたり、保留数が多いほど始動口への入球を契機とする所定の効果音の再生頻度が高くなるようにしたりしてもよい。特定の始動口への入球時のみ所定の効果音が再生可能となるようにしてもよい。例えば、第1始動口への入球を契機として所定の効果音の再生を可能とする一方、第2始動口への入球を契機とする所定の効果音の再生がなされないようにしてもよい。
装飾図柄が外れ態様で停止表示される際に装飾図柄が奇数または偶数の組合せや同色図柄の組合せとするチャンス目演出により設定示唆演出が実行されてもよい。例えば、相対的に低期待度であることが示唆される偶数図柄の組合せや青色図柄の組合せで装飾図柄が停止表示される場合には、第1の設定値以上(例えば設定2以上)であることが示唆され、相対的に高期待度であることが示唆される奇数図柄の組合せや赤色図柄の組合せで装飾図柄が停止表示される場合には、第1の設定値よりも高設定である第2の設定値以上(例えば設定3以上)であることが示唆されてもよい。チャンス目演出による設定示唆が可能となる設定値(例えば設定2−6)において、設定値に応じてチャンス目演出の実行頻度を異ならせてもよいし、設定値によらずにチャンス目演出の実行頻度を同じとしてもよい。例えば、設定1の場合にはチャンス目演出が実行されないようにし、設定2−6の場合には同じ実行頻度でチャンス目演出が実行されるようにしてもよい。その他、外れ態様となる特定の図柄組合せ(例えば315、634、357)となる場合に特定の設定値以上であることが確定報知されてもよい。例えば、設定4以上や設定5以上であることが確定してもよいし、設定6であることが確定してもよい。
累計の図柄変動回数が特定回数に到達することを契機に実行される特殊演出により設定示唆演出が実行されてもよい。例えば、50回転ごとや100回転ごとに特殊演出が実行され、実行される特殊演出の内容に応じて遊技機の設定値が示唆されてもよい。例えば、期待度が異なる複数の特殊演出のいずれかを図柄変動が特定回数となる図柄変動にて実行可能とし、実行される特殊演出の種類に応じて設定値が示唆されてもよい。また、低期待度の特殊演出は設定値が小さいほど実行頻度を高くし、中期待度の特殊演出は設定3−4にて実行頻度を高くし、高期待度の特殊演出は設定値が大きいほど実行頻度を高くしてもよい。その他、設定値が奇数(設定1,3,5)である場合に偶数(設定2,4,6)である場合よりも実行頻度が高くなる特殊演出を用意してもよいし、逆に設定値が偶数(設定2,4,6)である場合に奇数(設定1,3,5)である場合よりも実行頻度が高くなる特殊演出を用意してもよい。また、設定値が所定以上であることが確定する特殊演出が実行されてもよい。例えば、設定3以上であることが確定する特殊演出や、設定5以上であることが確定する特殊演出が用意されてもよい。設定値が所定以上であることが確定する特殊演出は、全ての設定値で実行可能な特殊演出よりも実行頻度が低くてもよい。
累計の図柄変動回数が特定回数に到達することを契機に実行される特殊演出は、図柄変動回数が増えるほど特殊演出により示唆される設定値の確度が高まるようにしてもよい。例えば、図柄変動回数が小さい場合(例えば50回〜400回)には、特定の特殊演出の設定値の違いに応じた実行頻度の差を小さくする一方、図柄変動回数が大きい場合(例えば450回〜700回)には、特定の特殊演出の設定値の違いに応じた実行頻度の差を大きくしてもよい。つまり、実行頻度の差を大きくすることで、特定の特殊演出がいずれの設定値に対応しうるのかが判別しやすくなるようにしてもよい。例えば、特定の特殊演出が実行される場合には他の特殊演出が実行される場合よりも所定の設定値または所定以上の設定値である可能性が高くなる、もしくは、特定の特殊演出が実行される場合には所定の設定値または所定以上の設定値であることが確定するように特殊演出を実行することが望ましい。その他、図柄変動回数が大きくなるほど実行頻度に差が大きくなる特殊演出と、図柄変動回数によらずに実行頻度の差が変わらない特殊演出とが交互に実行されてもよい。例えば、50回、150回、250回といった末尾が50となる図柄変動回数においては、図柄変動回数に拘わらずに実行頻度が一定となる特殊演出を実行可能とする一方、100回、200回、300回といった末尾が00となる図柄変動回数においては、図柄変動回数に応じて実行頻度が変化しうる特殊演出を実行可能としてもよい。さらに、図柄変動回数が所定数を超える場合(例えば800回、900回)において設定値が所定以上である場合、設定値が所定以上であることが確定する特殊演出の実行頻度を図柄変動回数が所定数未満であるときよりも高めたり、設定値が所定以上であることが確定する特殊演出のみを実行可能としたりしてもよい。
大当りとなる期待度の高いスーパーリーチ演出を伴う図柄変動にて外れとなる場合に図柄変動の終盤の特別図柄の停止表示直前に実行可能とする特定のカットイン演出により設定示唆演出が実行されてもよい。特定のカットイン演出は、スーパーリーチ演出が外れとなって終了したことを示す終了演出であってもよく、スーパーリーチ演出にて装飾図柄が外れ態様にて仮停止表示された後に実行される「シャッター演出」であってもよい。シャッター演出は、画面全体に対応する大きさのシャッターや扉が閉じていく過程を表示する演出であり、装飾図柄や背景画像の表示よりも前面に重畳してシャッターまたは扉を表示させ、シャッターまたは扉が完全に閉じることで装飾図柄や背景画像が見えなくなるように(非表示となるように)する演出である。このような演出過程により、次の図柄変動のための場面転換がなされ、例えば完全に閉じたシャッターまたは扉が開けることで次の図柄変動のための装飾図柄が見えるように(表示されるように)する。シャッター演出は、スーパーリーチ演出にて装飾図柄が外れ態様にて停止表示(確定停止)された後に実行されてもよく、スーパーリーチ演出にて装飾図柄が外れとなった変動の次の図柄変動の開始時に実行されてもよい。シャッター演出は、設定示唆を伴うシャッター演出と、設定示唆を伴わないシャッター演出とが用意されてもよい。設定値の示唆を伴うシャッター演出では、シャッターが閉じたときに特定のキャラクタや文言を付加したり、シャッターの表示色を赤色や金色といった高期待度を示唆する色に変化させたりすることで設定値の期待度が示唆されてもよい。一方、設定示唆を伴わないシャッター演出では、シャッターが閉じたときに特定のキャラクタや文言が付加されず、灰色などの通常色のシャッター表示となる。このようなシャッター演出について、設定値が高いほど実行頻度を高くしたり、設定値が所定以上である場合にのみ特定のシャッター演出が実行可能となるようにしたりしてもよい。
上述のシャッター演出は、スーパーリーチ演出にて外れになるとみせかけた後に大当りとなる復活演出に用いられてもよい。例えば、スーパーリーチ演出にて装飾図柄が外れ態様で仮停止表示されてシャッターが閉じる演出過程の後に復活演出を実行することで大当りとなることが報知される。このとき、シャッター演出を特定の表示態様とすることで、その後に復活演出が実行されて大当りとなることを事前に報知してもよい。また、大当りとなることを事前報知する表示態様のシャッター演出により設定値が所定以上であることが確定してもよい。さらに大当りとなることを事前報知する表示態様のシャッター演出を複数種用意し、特定のシャッター演出では設定値が所定以上(例えば設定2以上)であることが確定するとともに復活演出が実行されることが確定してもよい。別の特定のシャッター演出では、設定値が6であることが確定するとともに復活演出が実行されることが確定してもよい。
図柄変動中または特別遊技中に複数の演出モードのいずれかを選択するモード選択画面が表示される場合に、モード選択画面の選択候補の種類や選択候補の表示順の違いによって設定示唆がなされてもよい。例えば、通常用のモード選択画面にて1番目に表示されうる演出モード(特定の演出モード)が、通常用ではない設定示唆用のモード選択画面にて2番目や3番目といった別の位置に表示される場合に設定値が高いことが示唆されてもよい。この設定示唆用のモード選択画面は、通常用のモード選択画面が表示可能となるタイミングで通常用のモード選択画面の代わりに表示可能であり、例えば、設定値が高いほど設定示唆用のモード選択画面が表示されやすくなるようにしてもよい。その結果、設定値が低いほど特定の演出モードが選択候補の1番目に表示される頻度が高くなる一方、設定値が高いほど特定の演出モードが選択候補の2番目や3番目に表示される頻度が高くなるしてもよい。また、特定の演出モードが4番目に表示されることで設定値が所定以上であることや設定値が偶数(設定2,4,6)であることが確定してもよい。さらに、通常では選択不可となる特殊な演出モードがモード選択画面の選択候補に含まれている場合に設定値が高いことが示唆されてもよく、例えば、設定値が高いほど特殊な演出モードがモード選択画面の選択候補に含まれる頻度が高くなるようにしてもよい。
遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態に移行される場合に有利なモードが終了することを示すモード終了演出により設定示唆演出が実行されてもよい。例えば、通常入球状態において特図1が大当りとなって入球容易状態へ移行された後に特図2が大当りとなることなく入球容易状態が終了する場合のモード終了演出(例えば、入球容易状態の終期となる100回転目に表示される演出)にて設定示唆がなされてもよい。例えば、設定値が相対的に低い場合には灰色、青色、緑色などの低期待度であることを示唆する表示色でモード終了演出を実行する一方で、設定値が相対的に高い場合には赤色や金色などの高期待度であることを示唆する表示色でモード終了演出を実行可能としてもよい。その他、モード終了演出にて特定のキャラクタが登場したり、特定の効果音が再生されたりする場合に設定値が高いことが示唆されてもよい。また、金色の表示色のモード終了演出が表示される場合には設定値が所定以上(例えば設定4以上や設定5以上)であることが確定してもよいし、金色のモード終了演出と特定の効果音の再生が組み合わされる場合には設定6であることが確定してもよい。設定示唆を伴うモード終了演出は、通常確率状態へ転落させる旨の転落判定により確率変動状態から通常確率状態へ移行される際に実行されてもよい。その他、リミット到達により通常確率状態へ移行される際や、リミット到達により通常確率状態かつ入球容易状態に移行された場合の入球容易状態の終期となる図柄変動(つまり、入球容易状態の最終変動)の変動表示中または変動停止時に実行されてもよい。
遊技者に有利な遊技状態への移行により有利なモードに突入することを示すモード突入演出により設定示唆演出が実行されてもよい。例えば、通常入球状態において特図1が大当りとなって入球容易状態へ移行された後に特図2が大当りとなって終期となる図柄変動回数が多い(例えば100回の)入球容易状態へ移行可能となる場合のモード突入演出にて設定示唆がなされてもよい。このときのモード突入演出は、有利なモードへの突入の契機となる大当り図柄の停止後であって特別遊技の開始前に実行されてもよいし、特別遊技の終了デモにて実行されてもよい。モード突入演出では、モード突入を示す文言の表示色により設定値が高いことが示唆されてもよいし、特定のキャラクタが登場する場合に設定値が高いことが示唆されてもよい。また、モード突入を示す文言が金色や虹色の場合に設定値が所定以上(例えば設定5以上または設定6)であることが確定してもよい。なお、設定示唆演出は、終期となる図柄変動回数が多い入球容易状態である有利モードに初めて移行された場合にのみ表示可能とし、有利モードにて大当りとなって有利モードが継続する場合に表示されるモード継続演出では実行されなくてもよい。
(実施例4:入賞演出)
本実施例では、一般入賞口および大入賞口(総称して入賞口ともいう)への入球を契機として賞球が付与されたことを示す入賞演出を実行可能とする。入賞演出では、入賞口への入球を契機に付与される賞球数を数字で表示するとともに、特定のタイミングから現在までに獲得した賞球の総獲得数を表示可能とする。例えば、賞球数が3個である一般入賞口に入球した場合には、3個の賞球が獲得されたことを示す「+3」を表示する入賞演出を実行可能とするとともに画面に表示される総獲得数に3を加算する。また、賞球数が13個である大入賞口に入球した場合には、総獲得数に13を加算する入賞演出を実行可能とする。このとき、入賞による獲得数(例えば13)を現在の総獲得数(例えば1000)に加算した数(例えば1013)を入賞直後に表示するのではなく、総獲得数を1個ずつカウントアップしていく入賞演出を実行可能とする。具体的には、1001、1002、1003、・・・というように総獲得数を1つずつ増加させていく。これにより、入賞口に遊技球が1個入球することを契機に開始される総獲得数のカウントアップに要する時間を長くし、付与される賞球数が同じであってもより多くの賞球が得られたかのような印象を遊技者に与えられるようにする。さらに本実施例では、大入賞口が開放される特別遊技中に一般入賞口への入球による追加的な賞球獲得(いわゆるオマケ入賞)が可能となるように、大入賞口に向かう遊技球の経路の途中に一般入賞口(いわゆるオマケ入賞口)を設けている。これにより、1回の特別遊技にて獲得可能な賞球数が追加的に増えるようにする。
図40は、本実施例に係るぱちんこ遊技機100の前面側の構成を示す。本図では、一般入賞口(オマケ入賞口)501が第2作動口32の近くに配置される点で図1の構成と相違する。オマケ入賞口501は、遊技領域の右側通路に設けられており、大入賞口20に向けて遊技球を右打ちした場合に入球可能となる位置に設けられる。オマケ入賞口501は、第2作動口32を通過する遊技球が入球不能となる位置に設けられる。オマケ入賞口501には、オマケ入賞口501への遊技球の入球を検出するオマケ入賞検出装置511が設けられる。オマケ入賞検出装置511は、オマケ入賞口501への入球を検出するセンサであり、オマケ入賞口501への入球時にその入球を示すオマケ入賞情報を生成する。
図41は、特別遊技中に実行可能な入賞演出の表示例を示す。図示されるように、特別遊技中の画面には、右打ちを案内する案内表示520、特別遊技のラウンド数表示522、大入賞口のオーバー入賞を示すオーバー入賞表示524、オマケ入賞口501の入賞を示すオマケ入賞表示526および賞球の総獲得数表示528が表示可能である。オーバー入賞表示524は、単位遊技中に開放される大入賞口の閉鎖条件となる規定数(例えば10球)を超えて大入賞口に入球した場合にその入球を契機に表示可能となる。通常、1回の単位遊技中に大入賞口に入球可能となる入球数は規定数までであり、規定数に達する入球時に連続して複数の遊技球が大入賞口に入球することで規定数を超える入球(いわゆるオーバー入賞)が発生しうる。このようなオーバー入賞の発生頻度は低く、遊技者にとって有利となるため、オーバー入賞が発生したことを演出的に示すオーバー入賞表示524を可能とする。オーバー入賞表示524では、大入賞口への入球により獲得可能な賞球数(例えば13個)が獲得されたことを示す「+13」の表示がなされる。同様に、特別遊技中にオマケ入賞口501への入球が発生した場合には、オマケ入賞が発生したことを演出的に示すオマケ入賞表示526を可能とし、オマケ入賞により獲得可能な賞球数(例えば3個)が獲得されたことを示す「+3」の表示がなされる。オマケ入賞とオーバー入賞が同時に発生した場合、オーバー入賞表示524およびオマケ入賞表示526が同時に表示されうる。
オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出では、演出表示装置60への画像表示のみではなく、所定の効果音が出力される音声演出を伴ってもよいし、画像表示をせずに音声演出のみとしてもよい。つまり、オーバー入賞演出について、1)画像表示と音声出力の併用、2)画像表示のみ、または、3)音声出力のみとしてもよい。同様に、オマケ入賞演出について、4)画像表示と音声出力の併用、5)画像表示のみ、または、6)音声出力のみとしてもよい。オーバー入賞時やオマケ入賞時の音声演出として、例えば「やったね」「いいぞ」「おめでとう」といったメッセージ音声が出力されてもよい。その他、「ピコン」「シャキーン」といった効果音が出力されてもよい。オーバー入賞とオマケ入賞が同時発生する場合、オーバー入賞演出用の音声出力とオマケ入賞演出用の音声出力がスピーカー108から同時に出力されうる。
画面右下の総獲得数表示528に示される数値は、入賞口への入球を契機にカウントアップされ、例えば数値が1つずつ増加するようにカウントアップ表示がなされる。言いかえれば、総獲得数表示528に示される数値を変化させる表示または更新する表示が入賞により獲得可能な賞球数と同じ回数だけ連続的に実行される。例えば、大入賞口への入球により13個の賞球が獲得可能な場合、総獲得数表示528に示される数値に+1するカウントアップ表示が13回発生する。つまり、総獲得数表示528は、オマケ入賞や大入賞口への入賞が発生するごとに都度加算される。
総獲得数表示528の1回のカウントアップ表示に要する時間の一例は、10ミリ秒〜50ミリ秒程度である。したがって、大入賞口に1個入球することで実行されるカウントアップ表示の実行時間は、大入賞口の賞球数が13個であれば、130ミリ秒〜650ミリ秒程度となる。また、1回の単位遊技(1ラウンド)に大入賞口に入球可能な入球数の上限が10個であれば、1ラウンドで獲得可能となる賞球数130個のカウントアップ表示に要する実行時間は、1.3秒〜6.5秒程度となる。1ラウンドで獲得可能となる賞球数のカウントアップ表示に要する時間は、特別遊技の終了デモ時間より短くてもよい。これにより、特別遊技中に獲得した賞球のカウントアップ表示が特別遊技の終了デモ期間の終了までに、つまり、通常遊技へ移行されて次の図柄変動が開始するまでに完了させることができる。
入賞口への入球による入賞検知が連続的に複数発生した場合、総獲得数表示528のカウントアップ表示は、複数発生した入賞により獲得可能な合計賞球数のカウントアップが完了するまで順次実行される。1回のカウントアップ表示に必要な時間値は固定されているため、入賞検知が連続的に複数発生することで獲得可能な合計賞球数が多い場合、その合計賞球数を反映するためのカウントアップ表示の分だけ時間がかかり、次の入賞までにカウントアップ表示が完了しない可能性が生じうる。この場合、実行中のカウントアップ表示を中断したり、1個ずつのカウントアップ表示を省略して合計賞球数を反映した数値に飛ばしたりすることなく、現在進行中のカウントアップ表示が完了してから次の入賞分に対応するカウントアップ表示を実行することとする。これにより、獲得した賞球数と同じ回数のカウントアップ表示が必ず実行されるようにし、付与される賞球数が同じであってもより多くの賞球が得られたかのような印象を遊技者に与えられるようにする。
図42は、総獲得数表示528の変化の流れの一例を示す。本図は、1回の単位遊技中において大入賞口20に11個の入球があり、オマケ入賞口501に2個の入球があった場合の遊技過程を示している。1回の単位遊技の大入賞口への入球数の上限は10個であるため、大入賞口への11個目の入球はオーバー入賞である。本図下方には、入賞検知により順次増加していく総獲得賞球数をグラフ表示している。グラフの細線は入賞検知タイミングに賞球数を加算する場合の実際値であり、グラフの太線は総獲得数表示528として表示される表示値である。図示されるように、総獲得数表示528における1回のカウントアップ表示には一定の時間がかかるため、総獲得数表示528の表示値の増加速度には上限がある。一方、総獲得賞球数の実際値は、入賞検知タイミングにおいて3個や13個といった複数個の増加が可能であるため、表示値の更新速度よりも速く増加しうる。その結果、入賞検知直後のタイミングでは実際値よりも表示値が少ない状況となり、表示値が実際値に追いつくまで一定の速度で表示値が増えていく。表示値が実際値に追いつくと、表示値のカウントアップ表示が終了する。その後、再び実際値が増加すると、増加した実際値に追いつくように表示値がカウントアップされ、実際値と表示値が一致するまでカウントアップ表示がなされる。特別遊技中に始動口(例えば第2始動口12)への入賞検知がなされる場合であっても、現在実行中のカウントアップ表示は中断されずに継続するが、始動口への入賞検知に伴う賞球については、総獲得数表示528のカウントアップ表示の加算対象から除外される。
図43は、賞球の総獲得数が所定数に到達することを表示する演出表示例を示す。本図では、総獲得数表示528の表示値が所定数(例えば2000)に到達することを契機として、累計2000個の賞球獲得達成を示す「2000達成!」の強調表示530が画面中央に表示されている。強調表示530は、所定時間(例えば0.5秒、1秒)にわたって継続して表示され、強調表示530により示される賞球獲得数(例えば2000)の数値は固定されたままである。一方、画面右下の総獲得数表示528の表示値は、強調表示530が継続表示される場合であっても並行してカウントアップ可能である。また、強調表示530の表示中にオーバー入賞やオマケ入賞が発生した場合には、強調表示530の表示中にオーバー入賞表示524やオマケ入賞表示526を並行して表示させることが可能である。強調表示530に加えて、賞球の総獲得数が所定数に到達したことを音声により報知する音声演出が実行されてもよく、例えば「2000達成おめでとう!」などのメッセージ音声が出力されてもよい。なお、賞球の総獲得数が所定数に到達したことを音声により報知する音声演出の実行中において、総獲得数表示528のカウントアップ表示や、オーバー入賞表示524、オマケ入賞表示526などが並行して表示可能であってもよい。つまり、強調表示530はオーバー入賞演出の画像表示およびオマケ入賞演出の画像表示と並行して表示可能とし、また、強調表示530に伴う音声演出はオーバー入賞演出用の音声出力およびオマケ入賞演出用の音声出力と並行して同時出力可能としてよい。この場合、強調表示530の表示優先度は、オーバー入賞演出の画像表示の表示優先度およびオマケ入賞演出の画像表示の表示優先度よりも高く設定されることが望ましい。つまり、オーバー入賞演出用の画像表示およびオマケ入賞演出用の画像表示よりも強調表示530が前面に表示されることが望ましい。
上述の賞球の総獲得数表示は、特別遊技中および通常遊技中の双方において表示可能としてもよい。総獲得数表示は、入球容易状態においてのみ表示可能とし、通常入球状態では表示不可としてもよい。例えば、通常入球状態で特図1で大当りとなって特別遊技が実行され、特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行される場合、特別遊技の開始を契機に総獲得数表示528を表示させることとし、特別遊技の終了後の図柄変動中も総獲得数表示528を継続表示してもよい。総獲得数表示528は、入球容易状態が継続する限り、確率変動状態が終了したとしても継続表示されてもよい。つまり、高確率かつ高入球状態から低確率かつ高入球状態に移行される場合であっても、低確率かつ高入球状態にて総獲得数表示528が継続表示されてもよい。
図44は、通常遊技中の総獲得数表示528の表示例を示す。本図は、入球容易状態における図柄変動中の演出表示例を示している。画面上部には右打ちの案内表示520があり、画面右下には総獲得数表示528がある。また、画面中央では装飾図柄540(メイン装図ともいう)が変動表示され、画面下部には当該変動の期待度を示唆する当該変動オブジェクト542や保留される抽選値の期待度を示唆する保留オブジェクト544が表示されている。また、画面右端には図柄変動中であることを示す簡易図柄546(サブ装図ともいう)が変動表示されており、画面左端には特図1および特図2のそれぞれの保留数を表示する保留数表示548がある。簡易図柄546は、例えば複数列(例えば3列)の図柄で構成され、特別図柄の変動開始とともに変動表示を開始し、特別図柄の変動停止とともに停止表示される。図示する例では、縦に3列の図柄列により構成される簡易図柄546を示しているが、横に3列の図柄列で簡易図柄が構成されてもよいし、3列以外の複数の図柄列(例えば2列)の図柄で簡易図柄が構成されてもよいし、単一の図柄列により簡易図柄が構成されてもよい。保留数表示548は、数字により保留数を表示するものであり、図示する例では上側に特図1の保留数(例えば赤色で3)が表示され、下側に特図2の保留数(例えば青色で4)が表示される。
図柄の変動停止時において、装飾図柄540の停止図柄の組合せと、簡易図柄546の停止図柄の組合せは同じである。例えば、装飾図柄540が「543」の図柄組合せで停止した場合、簡易図柄546も同じ「543」の図柄組合せで停止する。本図は、入球容易状態の演出モード(演出モードAともいう)における画面例を示しており、演出モードAでは装飾図柄540および簡易図柄546の双方が数字のみで構成されている。一方で、通常入球状態の演出モード(演出モードBともいう)では、装飾図柄が数字のみではなく、数字(例えば「1」や「2」)とその数字に対応する種類のキャラクタ画像(例えばキャラクタAやキャラクタB)の組合せで構成され、例えば、数字「1」にキャラクタAの画像が付帯された図柄や数字「2」にキャラクタBの画像が付帯された図柄が装飾図柄として用いられる。しかしながら、演出モードBにおける簡易図柄は数字のみで構成され、演出モードAにおける簡易図柄546と同じ表示態様を有する。演出モードAと演出モードBとでは、表示される演出内容または演出傾向が異なり、例えば図柄変動時に表示される背景画像や演出音声の内容、大当りとなって特別遊技が実行される期待度を示唆する予告演出やスーパーリーチ演出の内容が異なりうる。なお、上述の演出モードAと演出モードBは、それぞれが同じ遊技状態にて用いられてもよく、例えば通常入球状態における演出モードとして上述の演出モードAおよび演出モードBが用意されてもよいし、入球容易状態における演出モードとして上述の演出モードAおよび演出モードBが用意されてもよい。演出モードAにて第1特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードAにて第2特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域と共通であり、演出モードAにて第1特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードAにて第2特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示領域と同じである。また、演出モードBにて第1特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードBにて第2特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域と共通であり、演出モードBにて第1特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードBにて第2特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示領域と同じである。その一方で、演出モードAにて第1特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードBにて第1特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域と異なるが、演出モードAにて第1特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードBにて第1特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示領域と同じである。同様に、演出モードAにて第2特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードBにて第2特別図柄が変動表示される場合の装飾図柄の画面上の表示位置ないし表示領域と異なるが、演出モードAにて第2特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示位置ないし表示領域は、演出モードBにて第2特別図柄が変動表示される場合の簡易図柄の画面上の表示領域と同じである。ここで、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれか変動表示されるかに応じて、装飾図柄および簡易図柄がいずれの図柄組合せで停止表示されるかの傾向が異なることが好ましい。つまり、装飾図柄および簡易図柄の図柄変動時の表示態様は第1特別図柄または第2特別図柄のいずれが変動表示されるかに拘わらずに共通であるのに対し、装飾図柄および簡易図柄の停止時の図柄組合せは第1特別図柄または第2特別図柄のいずれが変動表示されているかが判別可能となるように構成することが好ましい。例えば、第1特別図柄が変動表示される場合、外れ時に「787」の図柄組合せとなりやすく、大当り時に「666」の図柄組合せとなりやすくなるように装飾図柄および簡易図柄の停止時の図柄組合せが構成されてもよい。一方、第2特別図柄が変動表示される場合、外れ時に「676」の図柄組合せとなりやすく、大当り時に「777」の図柄組合せとなりやすくなるように装飾図柄および簡易図柄の停止時の図柄組合せが構成されてもよい。その他の変形例として、簡易図柄の停止時の図柄組合せの種類数を、装飾図柄の停止時の図柄組合せの種類数よりも少なくしてもよい。例えば、簡易図柄の停止時の図柄組合せは、外れ時に「246」のみ、大当り時に「666」と「777」のみとし、装飾図柄の停止時の図柄組合せは、外れ時には数十種類以上とし、大当り時には「111」、「222」、・・・「888」の8種類としてもよい。簡易図柄546は当否判定の結果が大当りとなるか外れとなるかを遊技者が識別しやすくする視認性担保の役割を持たせているため、演出的に様々な態様で表示されうる装飾図柄540と比べて停止時の図柄組合せの種類数を少なくすれば、その分図柄組合せデータに関する容量削減や開発設計が容易となる。
本実施例における装飾図柄540と簡易図柄546には、以下に記載する仕様1〜仕様6の少なくとも一部が適用されてもよい。
(仕様1)遊技者が視認しやすい装飾図柄540の表示領域の方が、図柄の変動表示および停止表示を担保するための簡易図柄546の表示領域よりも大きい。例えば、装飾図柄540の複数の装飾図柄列の少なくとも一列を構成する単一図柄の表示サイズは、簡易図柄546の複数の簡易図柄列の少なくとも一列を構成する単一図柄の表示サイズよりも大きい。
(仕様2)装飾図柄540の表示位置を遊技状態に応じて異ならせ、例えば入球容易状態(演出モードA)であるか通常入球状態(演出モードB)であるかに応じて異ならせる。これにより、装飾図柄540を用いた多様な変動演出が実現されるようにする。一方、簡易図柄546は演出モードAおよび演出モードBのいずれにおいても同一の表示位置とする。これにより、簡易図柄546によって図柄の表示状態を担保しつつ、開発負担の増加を防止できる。
(仕様3)装飾図柄540の複数の装飾図柄列の少なくとも一列を構成する単一図柄の表示態様を演出モードAであるか演出モードBであるかに応じて異ならせる。例えば、演出モードA(入球容易状態)では、数字のみの図柄(例えば「1」「2」・・・「8」)で装飾図柄540の単一図柄が構成されるようにし、演出モードB(通常入球状態)では、数字とキャラクタ画像を組み合わせた図柄(例えば「1+キャラクタA」「2+キャラクタB」・・・「8+キャラクタH」)で装飾図柄540の単一図柄が構成されるようにする。これにより、装飾図柄540を用いた多様な変動演出が実現されるようにする。一方、簡易図柄546は演出モードAおよび演出モードBのいずれにおいても同一の表示態様とする。例えば、演出モードAおよび演出モードBのいずれにおいても、簡易図柄546の簡易図柄列を構成する単一図柄を数字のみの図柄(「1」「2」・・・「8」)で構成する。これにより、簡易図柄546によって図柄の表示状態を担保しつつ、開発負担の増加を防止できる。
(仕様4)装飾図柄540の表示領域は、図柄変動の開始から終了までの変動過程において可変(移動可能)とし、例えばノーマルリーチとなるか、スーパーリーチとなるか等に応じて表示位置が変化しうるようにする。これにより、装飾図柄540を用いた多様な変動演出が実現されるようにする。一方、簡易図柄546の表示領域は、図柄変動の開始から終了まで変化(移動)させずに一定とする。これにより、簡易図柄546によって図柄の表示状態を担保しつつ、開発負担の増加を防止できる。
(仕様5)装飾図柄540の変動速度は、図柄変動の開始から終了までの変動過程において、超低速、低速、中速、高速、超高速などに可変とする。また、装飾図柄540の複数の装飾図柄列の少なくとも一列の変動方向またはスクロール方向を可変とし、上から下への変動のみならず、下から上への変動や、右から左への変動、左から右への変動、斜め方向への変動などを可能とする。また、装飾図柄540の変動表示は、一定方向のスクロール表示のみならず、図柄を回転(スピン)させたり、図柄の表示サイズを変化させたり、図柄を破壊したりする表示によって異なる図柄種類に変化する過程が表されてもよい。これにより、装飾図柄540を用いた多様な変動演出が実現されるようにする。一方、簡易図柄546の変動速度は、変動表示中において一定速度とするか、低速と高速の2段階のみといった装飾図柄540の変動速度の段階数よりも少ない段階数のみとする。また、簡易図柄546の変動表示は、一定方向のスクロール表示または回転表示のみとし、例えば上から下へのスクロールや、左から右へのスクロールのみ、または回転表示のみとする。これにより、簡易図柄546によって図柄の表示状態を担保しつつ、開発負担の増加を防止できる。
(仕様6)装飾図柄540は、特別図柄の変動停止時とは異なるタイミングである特別図柄の変動表示中に、微小な揺れ変動を伴うように図柄を表示させることであたかも停止表示されたかのようにみせる仮停止表示が可能である。装飾図柄540の仮停止表示では、変動停止時の図柄組合せに用いる数字図柄(例えば「1」「2」・・・「8」)とは異なる特殊図柄を用いることができ、例えばスーパーリーチへの発展を予告する「SP」や「発展」などの文言が付加された特殊図柄や、大当りとなる期待度が高いことを示唆する「激熱」などの文言が付加された特殊図柄が仮停止表示されうる。これにより、高期待度の演出過程に発展する可能性を装飾図柄540を用いて示唆することができ、より多彩な変動演出を実現できる。一方、簡易図柄546は、図柄変動の開始から終了までの変動過程の途中で仮停止表示されることはなく、数字図柄とは異なる特殊図柄が停止表示されることもない。これにより、簡易図柄546によって図柄の表示状態を担保しつつ、開発負担の増加を防止できる。
案内表示520、簡易図柄546および保留数表示548は、表示優先度が高く設定され、装飾図柄540や画面中央に表示される予告演出といった他の演出表示よりも優先して表示される。つまり、案内表示520、簡易図柄546および保留数表示548は、装飾図柄540や画面中央に表示される予告演出の表示と重複する場合に装飾図柄540や予告演出の表示よりも手前側に重複するように表示され、他の演出表示によって表示が隠れてしまわないように表示される。総獲得数表示528は、案内表示520、簡易図柄546および保留数表示548といった表示優先度が高い表示と重複しないように表示され、案内表示520、簡易図柄546および保留数表示548の表示領域とは異なる領域に表示される。
総獲得数表示528の表示数は、特定の条件が満たされた場合にリセットされてもよい。例えば、入球容易状態の終了を契機として総獲得数表示528の表示数をリセットし、その後の通常入球状態において総獲得数表示528を非表示としてもよい。総獲得数表示528が非表示である通常入球状態において大当りとなって特別遊技が実行される場合、その特別遊技の開始を契機に総獲得数表示528を開始してもよく、初期値(例えば0)から総獲得数表示528を開始してもよい。なお、入球容易状態の終了直後に総獲得数表示528の表示数をリセットして非表示としてもよいし、入球容易状態の終了後に追加の条件が満たされた場合に総獲得数表示528の表示数をリセットして非表示としてもよい。例えば、入球容易状態が終了し、かつ、特図2の保留が全て消化された場合、つまり、通常入球状態において特図1の新たな図柄変動が開始可能となる場合に総獲得数表示528の表示数をリセットして非表示としてもよい。その他、入球容易状態が終了してから通常入球状態での図柄変動回数が所定数(例えば10回、20回)となる図柄変動が終了した場合に総獲得数表示528の表示数をリセットして非表示としてもよい。この場合、通常入球状態での図柄変動回数が所定数以内となる図柄変動にて滞在可能な特殊な演出モード(特殊モード)が用意され、特殊モードの終了とともに総獲得数表示528の表示数をリセットして非表示としてもよい。
特定のエラーの発生中にオーバー入賞やオマケ入賞が生じた場合、オーバー入賞演出に係る演出表示または音声出力やオマケ入賞演出に係る演出表示または音声出力が実行されないようにしてもよい。例えば、ぱちんこ遊技機100の前面の枠や扉が開放されていることを示す「扉・枠開放エラー」の発生中にオーバー入賞およびオマケ入賞の少なくとも一方が生じた場合、オーバー入賞表示(オーバー入賞演出に係る演出表示)およびオマケ入賞表示(オマケ入賞演出に係る演出表示)を実行可能にする一方、オーバー入賞およびオマケ入賞に係る音声出力を実行不能としてもよい。「扉・枠開放エラー」が発生している場合、エラー発生を示す音声出力が優先されるようにしてもよい。なお、「扉・枠開放エラー」の発生中にオーバー入賞やオマケ入賞が生じた場合、入賞に基づく賞球の払出処理は通常どおり実行されてもよい。
また、異常磁気の検知に基づく「磁気センサエラー」や異常電波の検知に基づく「電波センサエラー」、断線や短絡の検知に基づく「断線短絡電源エラー」、過剰入賞の検知に基づく「過剰入賞エラー」の発生中にオーバー入賞およびオマケ入賞の少なくとも一方が生じた場合、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出に係る演出表示および音声出力の双方を実行不能としてもよい。なお、「磁気センサエラー」「電波センサエラー」「断線短絡電源エラー」および「過剰入賞エラー」の少なくとも一つの発生中にオーバー入賞やオマケ入賞が生じた場合、入賞に基づく賞球の払出処理は通常どおり実行されてもよい。
なお、払出処理の異常検知に基づく「払出エラー」の発生中にオーバー入賞およびオマケ入賞の少なくとも一方が生じた場合、オーバー入賞演出およびオマケ入賞演出に係る演出表示および音声出力の双方を実行可能としてもよい。この場合、払出処理にエラーが発生しているため、オーバー入賞やオマケ入賞に基づく賞球の払出処理は実行されない。
上述のオマケ入賞演出は、特別遊技の実行中のみに実行可能とし、通常遊技の実行中には実行不可としてもよい。オマケ入賞口501が右打ちにより入球可能な位置に設けられる場合、遊技状態が入球容易状態であるためにオマケ入賞口501に入球可能な状況であっても、オマケ入賞を契機とするオマケ入賞演出の実行を不可としてもよい。また、特別遊技の実行中の一部期間においてオマケ入賞の実行を不可としてもよい。特別遊技の実行過程は、a)開始デモ期間、b)初回の単位遊技の実行期間(第1ラウンドの大入賞口開放期間)、c)次の単位遊技が開始するまでのインターバル期間、d)2回目の単位遊技の実行期間(第2ラウンドの大入賞口開放期間)、e)次の単位遊技が開始するまでのインターバル期間、・・・、f)最後の単位遊技の実行期間(最終ラウンドの大入賞口開放期間)、g)終了デモ開始までのインターバル期間、h)終了デモ期間の順で構成される。このとき、オマケ入賞は、特別遊技の実行期間のうち単位遊技の実行中および単位遊技間のインターバルにおいてのみ実行可能とし、特別遊技の開始デモ期間および終了デモ期間において実行不可としてもよい。つまり、特別遊技において最初に大入賞口が開放されるタイミングから特別遊技において最後に大入賞口が閉鎖されるタイミングまで、または、特別遊技において最初に大入賞口が開放されるタイミングから特別遊技において最後に大入賞口が閉鎖されてから所定時間経過して終了デモの開始タイミングに達するまで、オマケ入賞演出を実行可能としてもよい。同様に、オーバー入賞演出についても、特別遊技において最初に大入賞口が開放されるタイミングから特別遊技において最後に大入賞口が閉鎖されるタイミングまで、または、特別遊技において最初に大入賞口が開放されるタイミングから特別遊技において最後に大入賞口が閉鎖されてから所定時間経過して終了デモの開始タイミングに達するまで、オーバー入賞演出を実行可能としてもよい。その結果、特別遊技の開始デモ期間および終了デモ期間にオーバー入賞やオマケ入賞が発生したとしても、開始デモ期間および終了デモ期間にオーバー入賞演出およびオマケ入賞演出が実行されないように構成されてもよい。
上述のオマケ入賞演出は、オマケ入賞口501への入球が連続して複数回発生した場合、オマケ入賞口への入球数と同じ回数のオマケ入賞演出が連続的に実行されてもよい。例えば、オマケ入賞口501に遊技球が2個連続して入球した場合、オマケ入賞演出を2回連続して実行してもよい。この場合、1回目のオマケ入賞表示526を所定時間継続した後にオマケ入賞表示526を非表示とし、その後に2回目のオマケ入賞表示526を所定時間継続した後にオマケ入賞表示526を非表示としてもよい。オマケ入賞表示526の表示開始に合わせてオマケ入賞に係る音声演出が実行されてもよく、2回のオマケ入賞表示526に合わせて演出音声が2回出力されるように、1回目の音声演出の終了後に2回目の音声演出を開始してもよい。変形例として、1回目のオマケ入賞表示526の継続中にオマケ入賞口501への2回目の入球があった場合、1回目のオマケ入賞表示526を中断して、2回目のオマケ入賞表示526の表示を開始し、2回目のオマケ入賞表示526を所定時間継続した後にオマケ入賞表示526を非表示としてもよい。同様に、1回目のオマケ入賞に係る音声演出の実行中にオマケ入賞口501への2回目の入球があった場合、1回目のオマケ入賞に係る音声演出を中断して、2回目のオマケ入賞に係る音声出力を開始してもよい。
上述のオーバー入賞演出は、大入賞口へのオーバー入賞が連続して複数回発生した場合、複数のオーバー入賞の発生に拘わらず、オーバー入賞演出を1回だけ実行してもよい。つまり、1回の単位遊技中のオーバー入賞数に拘わらずに1回の単位遊技につきオーバー入賞演出を1回のみ実行可能としてもよい。例えば、単位遊技中の大入賞口への入球数が規定数(例えば10個)に到達することを契機に大入賞口が閉鎖されるタイミングで大入賞口にさらに追加で2個の遊技球が入球した場合、大入賞口の閉鎖後にオーバー入賞演出(演出表示および音声出力の双方)を1回のみ実行してもよい。この場合、総獲得数表示528に反映される追加の賞球数は、1回分の賞球数ではなく、2回のオーバー入賞に対応する賞球数となる。変形例として、1回の単位遊技中に2回のオーバー入賞が発生した場合に2回分のオーバー入賞演出を実行してもよく、例えば1回目のオーバー入賞演出の開始後に1回目のオーバー入賞演出(演出表示および音声出力の双方)を中断し、2回目のオーバー入賞演出(演出表示および音声出力の双方)を開始してもよい。
オマケ入賞やオーバー入賞を契機として、外部情報出力端子160から賞球信号が出力されてもよい。外部情報出力端子160から出力される賞球信号は、獲得する累計賞球数が所定数(例えば10個)増えるごとに出力可能であってもよく、例えばオマケ入賞(例えば3個賞球)によりそれまでの賞球数の増分と合わせて10個以上の増分となる場合にオマケ入賞を契機に賞球信号が出力されうる。なお、大入賞口の入賞検知を契機に賞球信号が出力されてもよく、大入賞口における入賞(例えば13個賞球)ごとに賞球信号が必ず出力されてもよい。なお、大入賞口において遊技球が1個入球したことを契機に賞球信号が2回出力されてもよい。つまり、オマケ入賞があった場合、そのオマケ入賞を契機とする賞球信号は1回までしか出力されないが、オーバー入賞があった場合、そのオーバー入賞を契機とする賞球信号は1回または2回のいずれかを出力可能としてよい。
電断復帰処理の途中でオマケ入賞や大入賞口への入賞が発生した場合、電断復帰処理の完了後に総獲得数表示の更新処理を実行してもよい。電断が発生した場合、電断復帰してから演出表示装置60での演出表示が正常状態に復帰するまでの電断復帰処理に0.5秒〜1秒程度の時間を要する。この電断復帰処理中にオマケ入賞やオーバー入賞が発生した場合、演出表示装置60での演出表示が実行不可であるため、オマケ入賞演出やオーバー入賞演出に係る演出表示や音声出力は不可となる。その一方で、電断復帰処理中に生じた入賞を契機に総獲得数表示528をカウントアップさせる演出表示は電断復帰後であっても実行可能である。例えば、電断発生直前の総獲得数表示528の表示数がN個である場合、電断復帰処理の完了直後の総獲得数表示528の表示数をN個とし、その表示数Nからカウントアップ表示を実行してもよい。この場合、電断復帰処理中に生じた入賞に対応するカウントアップ表示が最初から実行されると言える。
なお、電断発生直前に総獲得数表示528のカウントアップ表示が実行途中である場合、電断復帰処理後にカウントアップ表示が途中から実行されてもよい。例えば、電断発生直前の総獲得数表示528がN個である一方、総獲得数の実際値がN+α個であり、実際値N+α個に向けてカウントアップ表示がなされている途中で電断が発生した場合、電断復帰処理の完了直後の総獲得数表示528の表示数をN+α個とし、その表示数N+αからカウントアップ表示を実行してもよい。この場合、電断直前の表示数Nから電断復帰処理直後の表示数N+αに表示数が飛ぶこととなるため、電断復帰処理中に生じた入賞に対応するカウントアップ表示が途中から実行されると言える。
なお、電断復帰処理の途中でオマケ入賞や大入賞口への入賞が発生した場合に、電断復帰処理の完了後に総獲得数表示のカウントアップ表示をスキップしてもよい。例えば、電断発生直前の総獲得数表示528の表示数がN個であり、電断復帰処理の途中でβ個の入賞が発生した場合、電断復帰処理の完了直後の総獲得数表示528の表示数をN+β個とし、その後のカウントアップ表示が省略されてもよい。この場合、電断復帰処理中に生じた入賞に対応するカウントアップ表示が実行されないと言える。
上述のように、電断が発生する場合、電断発生直前の総獲得数表示528のカウントアップ表示が未完了であれば、電断復帰処理後において未完了のカウントアップ表示が少なくとも部分的にスキップされて実行されないこととなる。特に、賞球数の多い特別遊技中に電断が発生した場合には、大入賞口への入賞を契機とするカウントアップ演出が少なくとも部分的にスキップされうる。その一方で、電断発生直前において大入賞口への入賞を契機とする賞球の払出処理が未完了である場合、電断復帰処理の完了後に未完了の払出処理がなされる。なお、電断復帰処理後の未完了の払出処理は、電断時にラムクリアがなされない場合のみである。電断時にラムクリア処理がなされた場合には、獲得賞球数に関する情報がリセットされるため、未完了の払出処理はなされず、総獲得数表示528の未完了のカウントアップ表示もなされない。
上述の総獲得数表示528のカウントアップ表示は、大入賞口への入賞やオマケ入賞の発生を契機として実行されるため、実際の賞球の払出処理の進行状況とは無関係に実行されうる。例えば、上球皿105に貯留される遊技球が一杯となって払出処理が中断される場合、つまり払出エラーが発生した場合であっても、払出処理の中断の有無に拘わらず、総獲得数表示528のカウントアップ表示は継続して実行される。したがって、払出処理が未完了であったとしても、入賞を契機とする総獲得数表示528のカウントアップ表示が完了していれば、その後の払出処理が再開されたとしても、払出処理の再開を契機としたカウントアップ表示はなされない。例えば、1回目の特別遊技の終了直後に大当りとなって2回目の特別遊技が実行される場合において、1回目の特別遊技にて獲得した賞球の払出処理が未完了であるまま2回目の特別遊技が開始され、1回目の特別遊技にて獲得した賞球の払出処理が2回目の特別遊技中に実行される場合、1回目の特別遊技にて獲得した賞球の払出処理を契機とするカウントアップ表示は2回目の特別遊技中に実行されない。2回目の特別遊技中には、2回目の特別遊技中のオマケ入賞や大入賞口への入賞を契機とした総獲得数表示528のカウントアップ表示が実行される。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上述の実施例1〜4のそれぞれに記載される構成は、上述の前提技術に記載の組み合わせと組み合わせることができる。また、上述の実施例1〜4に記載の構成を組み合わせることもできる。例えば、実施例1〜4の全てを組み合わせる構成として、転落かつリミットの構成において、実施例3に記載の設定示唆演出の実行を可能としたり、実施例4に記載の入賞演出の実行を可能としてもよい。
以下、本発明のいくつかの態様を挙げる。
(態様1)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、
演出を表示可能な演出表示装置と、を備え、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄の種類として少なくとも第1大当り図柄と第2大当り図柄とがあり、前記第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行可能であり、前記第2大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に前記通常確率状態へ移行可能であり、
前記通常確率状態から前記確率変動状態へ移行されてから次に前記通常確率状態へ移行されるまでの確変継続中に前記第1大当り図柄が停止表示された累積回数が所定数に達する場合、前記確変継続中の累積回数が前記所定数に達する前記第1大当り図柄の停止表示後に実行される前記特別遊技の終了後に前記通常確率状態へ移行される一方、前記確変継続中に前記第1大当り図柄が停止表示された累積回数が前記所定数未満である場合、前記確変継続中の累積回数が前記所定数未満である前記第1大当り図柄の停止表示後に実行される前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行され、
前記確変継続中に前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行される期待度を示唆する期待度示唆演出を実行可能であり、
前記確変継続中に前記第1大当り図柄が停止表示された累積回数が前記所定数から1を引いた数となる特定状況下で実行される期待度示唆演出は、前記確変継続中に前記第1大当り図柄が停止表示された累積回数が前記所定数から1を引いた数未満となる非特定状況下で実行される期待度示唆演出よりも低期待度となりやすい、または、前記確変継続中の前記特定状況下では前記確変継続中の前記非特定状況下よりも期待度示唆演出が実行されにくい弾球遊技機。
(態様2)
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技者の発射操作に応じて前記遊技領域へ向けて遊技球を発射させる発射装置と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得される当否抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される転落抽選値に基づいて前記確率変動状態から前記通常確率状態への転落可否を判定する転落判定を実行する転落判定手段と、
演出が表示可能な演出表示装置と、を備え、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定数となる前に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定後に前記通常確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、その後に前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となる場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となる図柄変動の終了を契機に前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定に係る図柄変動の開始を契機に前記通常確率状態かつ前記通常入球状態に移行され、
前記演出表示装置に前記第2始動口への入球が可能または容易となる所定方向への遊技球の発射を促す案内表示を表示可能であり、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行される場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となるまでに前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされたか否かに拘わらず、少なくとも前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となる図柄変動までは前記案内表示が表示され、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合、その転落判定に係る図柄変動の開始前まで前記案内表示が表示され、その転落判定に係る図柄変動の開始を契機に前記案内表示が非表示とされ、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされないまま前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記当否判定の結果が大当りとなる場合、その当否判定に係る図柄変動の開始前まで前記案内表示が表示され、その当否判定に係る図柄変動の開始を契機に前記案内表示が非表示とされ、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となるまでに前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされ、かつ、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数以内である図柄変動にて前記当否判定の結果が大当りとならない場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となる図柄変動の変動表示中に前記通常確率状態へ転落していた旨を報知する報知演出が前記演出表示装置に表示される弾球遊技機。
(態様3)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得される当否抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄の変動開始から停止表示までの変動時間を定める変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記図柄表示装置に当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される転落抽選値に基づいて前記確率変動状態から前記通常確率状態への転落可否を判定する転落判定を実行する転落判定手段と、
演出が表示可能な演出表示装置と、を備え、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が所定数となる前に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定後に前記通常確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、その後に前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となる場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となる図柄変動の終了を契機に前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定に係る図柄変動の開始を契機に前記通常確率状態かつ前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行される場合、前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数以内である図柄変動にて変動パターンの選択傾向が少なくとも1回変更され、前記確率変動状態かつ前記入球容易状態のまま前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数を超える図柄変動にて変動パターンの選択傾向が変更されない、または、前記確率変動状態かつ前記入球容易状態のまま前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数を超える図柄変動における変動パターンの選択傾向の変更回数が前記特別遊技の終了後の図柄変動回数が前記所定数以内である図柄変動における変動パターンの選択傾向の変更回数よりも少ない弾球遊技機。
(態様4)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される当否抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
特別図柄が変動表示され、前記特別図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、
前記特別図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りであることを示す特別図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
前記遊技領域に設けられる作動口と、
前記作動口への入球を契機として普通図柄が変動表示され、前記普通図柄が停止表示される普通図柄表示装置と、
前記普通図柄表示装置に当りであることを示す普通図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記入球変動機構を作動させる作動制御手段と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される転落抽選値に基づいて前記確率変動状態から前記通常確率状態への転落可否を判定する転落判定を実行する転落判定手段と、
演出が表示可能な演出表示装置と、を備え、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が所定数となる前に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定後に前記通常確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、その後に前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となる場合、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となる前記特別図柄の図柄変動の終了を契機に前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定に係る特別図柄の図柄変動の開始を契機に前記通常確率状態かつ前記通常入球状態に移行され、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となる前に前記当否判定の結果が大当りとなる場合または前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りに係る特別図柄の変動開始前またはその転落判定に係る特別図柄の変動開始前に前記普通図柄が変動開始され、その大当りに係る特別図柄の変動表示中またはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に前記入球変動機構が第1作動時間にわたって作動し、
前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記確率変動状態かつ前記入球容易状態のまま前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記当否判定の結果が大当りとなる場合または前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りに係る特別図柄の変動開始前またはその転落判定に係る特別図柄の変動開始前に前記普通図柄が変動開始され、その大当りに係る特別図柄の変動表示中またはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に前記入球変動機構が前記第1作動時間よりも短い第2作動時間にわたって作動する弾球遊技機。
(態様5)
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技者の発射操作に応じて前記遊技領域へ向けて遊技球を発射させる発射装置と、
前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
図柄が変動表示され、前記図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す図柄表示装置と、
前記図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
演出を表示可能な演出表示装置と、を備え、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄の種類として少なくとも第1大当り図柄と第2大当り図柄とがあり、前記通常確率状態かつ前記通常入球状態にて前記第1大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行可能である一方、前記通常確率状態かつ前記通常入球状態にて前記第2大当り図柄の停止表示後に実行される特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行せず、
前記通常確率状態かつ前記通常入球状態にて前記当否判定の結果が大当りとなる場合、その大当りに係る図柄変動中に前記演出表示装置に表示される演出の内容に応じて、その大当りに係る図柄変動の停止時に前記第1大当り図柄および前記第2大当り図柄のいずれが停止表示されるかの可能性が異なり、
前記通常確率状態から前記確率変動状態へ移行されてから次に前記通常確率状態へ移行されるまでの確変継続中に大当りであることを示す図柄が停止表示された累積回数が所定数に達する場合、その停止表示後に実行される前記特別遊技の終了後に前記通常確率状態へ移行される一方、前記確変継続中に前記大当りであることを示す図柄が停止表示された累積回数が所定数未満である場合、その停止表示後に実行される前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行可能であり、
所定の特殊演出の実行後に大当りであること示す図柄が停止表示された場合、その停止表示後に実行される前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態へ移行される弾球遊技機。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 210 抽選手段、 213 普図抽選手段、 220 当否判定手段、 230 変動パターン決定手段、 260 特別遊技制御手段、 275 開閉制御手段、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられる第1始動口と、
    前記遊技領域に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
    前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される当否抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する当否判定を実行する当否判定手段と、
    特別図柄が変動表示され、前記特別図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、
    前記特別図柄表示装置に前記当否判定の結果が大当りであることを示す特別図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記特別遊技へ移行させる特別遊技制御手段と、
    前記当否判定の結果が大当りとなる確率が所定確率である通常確率状態から前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記所定確率よりも高確率である確率変動状態へ移行させる確率状態制御手段と、
    前記第2始動口への入球容易性が相対的に低い通常入球状態から前記第2始動口への入球容易性が相対的に高い入球容易状態へ移行させる入球状態制御手段と、
    前記遊技領域に設けられる作動口と、
    前記作動口への入球を契機として普通図柄が変動表示され、前記普通図柄が停止表示される普通図柄表示装置と、
    前記普通図柄表示装置に当りであることを示す普通図柄が停止表示された場合、その停止表示後に前記入球変動機構を作動させる作動制御手段と、
    前記第1始動口または前記第2始動口への入球を契機として取得される転落抽選値に基づいて前記確率変動状態から前記通常確率状態への転落可否を判定する転落判定を実行する転落判定手段と、
    演出が表示可能な演出表示装置と、を備え、
    前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が所定数となる前に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定後に前記通常確率状態かつ前記入球容易状態へ移行され、その後に前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となる場合、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となる前記特別図柄の図柄変動の終了を契機に前記通常入球状態に移行され、
    前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされた場合、その転落判定に係る特別図柄の図柄変動の開始を契機に前記通常確率状態かつ前記通常入球状態に移行され、
    前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となる前に前記当否判定の結果が大当りとなる場合または前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りに係る特別図柄の変動開始前またはその転落判定に係る特別図柄の変動開始前に前記普通図柄が変動開始され、その大当りに係る特別図柄の変動表示中またはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に前記入球変動機構が第1作動時間にわたって作動し、
    前記特別遊技の終了後に前記確率変動状態かつ前記入球容易状態へ移行され、前記確率変動状態かつ前記入球容易状態のまま前記特別遊技の終了後の前記特別図柄の図柄変動回数が前記所定数となった後に前記当否判定の結果が大当りとなる場合または前記通常確率状態へ転落させる転落判定がなされる場合であって、その大当りに係る特別図柄の変動開始前またはその転落判定に係る特別図柄の変動開始前に前記普通図柄が変動開始され、その大当りに係る特別図柄の変動表示中またはその転落判定に係る特別図柄の変動表示中に当りであることを示す普通図柄が停止表示される場合、その普通図柄の停止表示後に前記入球変動機構が前記第1作動時間よりも短い第2作動時間にわたって作動する弾球遊技機。
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