(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1
の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、ま
たは記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通
常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出
画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入
賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示
され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、
当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄
決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231お
よび第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマ
ルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第1当否範囲、第1図柄範囲、第1パターン範囲の設定を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第2当否範囲、第2図柄範囲、第2パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複
数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するま
で継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄
態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パター
ンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさ持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合わせによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いこと示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄を仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
時計手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。時計手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、時計手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を実行する。時計同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。時計同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。時計同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
時計同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も時計同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは時計同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは時計同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
時計同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時刻」と呼ぶ)に再生する演出である。時計同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設
定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ時計同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ時計同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
時計同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時刻を迎えることとなり、一斉に同時進行で時計同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サー
バ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデー
タと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM
322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表
示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常
データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に
保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断
した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理に
おいて、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が
連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(
S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異
なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく
複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU32
0からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
以下、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の大入賞口を備える。第1始動入賞口は、左打ちにより入球可能または入球容易な位置に設けられる。第2始動入賞口は、右打ちにより入球可能または入球容易な位置に設けられ、入球容易性が高まるように作動する入球変動機構を備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選の判定結果が大当りとなるとその大当りの種類に応じて第1大入賞口が開放を繰り返す第1特別遊技または第2大入賞口が開放を繰り返す第2特別遊技が実行される。第1大入賞口は遊技領域の左上に位置し、左打ちにより入球可能または入球容易である。一方、第2大入賞口は遊技領域の右下に位置し、右打ちにより入球可能または入球容易である。本実施例では特別遊技の種別によらず大入賞口が開放される単位遊技の設定回数を一定(2回)としているが、第1特別遊技は賞球獲得期待度が低い態様で単位遊技が実行され、第2特別遊技は賞球獲得期待度が高い態様で単位遊技が実行される。
特別遊技が終了すると所定の第1の終期に達するまで確率変動状態へ移行される。特別遊技の実行契機となった大当りが特定種類であった場合、特別遊技の終了から所定の第2の終期に達するまで入球容易状態へ移行される。本実施例において、確率変動状態の終了条件である第1の終期は図柄変動回数により定められ、大当りの種類によらず固定的な回数(70回)が設定される。入球容易状態の終了条件である第2の終期も図柄変動回数により定められるが、大当りの種類によって異なる回数(1回,5回,9回,50回,60
回,70回,80回,90回,100回)が設定される。確率変動状態に移行されてから第1の終期に達する回数の図柄変動がなされた場合、確率変動状態から通常確率状態に移行される。また、入球容易状態に移行されてから第2の終期に達する回数の図柄変動がなされた場合、入球容易状態から通常入球状態に移行される。
本実施例では、通常確率状態と確率変動状態の大当り確率が実質的に同じとなるように大当り確率が設定され、例えば、通常確率状態では1/25、確率変動状態では1/24の大当り確率が設定される。また通常遊技に係る遊技状態として、1)高確率低入球状態、2)低確率低入球状態、3)高確率高入球状態、4)低確率高入球状態の4種類が用意され、いずれの遊技状態において大当りとなるかに応じて選択可能な大当り種類を異ならせている。
1)高確率低入球状態(以下、高低状態ともいう)は、確率変動状態かつ通常入球状態となる遊技状態であり、主として第1の遊技が実行される遊技状態である。高低状態の第1の遊技にて大当りとなる場合、原則として賞球獲得期待度の低い第1特別遊技が実行される。例外的には、第1の遊技にて大当りとなる場合であっても極めて低い確率で賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行される。また高低状態の第1の遊技では、高確率(例えば2/3)で入球容易状態への移行を伴わない種類の大当りとなり、低確率(例えば1/3)で入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなる。入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなる場合、第2の終期として1回,5回,9回,100回のいずれかが選択される。ここで、第2の終期が「選択される」とは、大当り図柄の種類に応じて、または、大当り図柄の種類と大当りとなった図柄の停止時の遊技状態とに応じて、一義的に第2の終期の回数が定まることを含むものとする。なお、高低状態の第1の遊技において大当りとならずに所定の第1の終期(70回)に達した場合、次に説明する低確率低入球状態に移行される。
2)低確率低入球状態(以下、低低状態ともいう)は、通常確率状態かつ通常入球状態となる遊技状態であり、高低状態の第1の遊技において大当りが発生しない期間が継続していわゆる「ハマり」状態に陥ってしまった場合に移行される遊技状態である。低低状態においても主として第1の遊技が実行される。低低状態の第1の遊技にて大当りとなる場合、原則として賞球獲得期待度の低い第1特別遊技が実行されるが、必ず入球容易状態への移行を伴う種類の大当りが選択され、第2の終期として1回,5回,9回,100回のいずれかが選択される。例外的には、極めて低い確率で賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行される。この低低状態は、入球容易状態への移行を必ず伴う種類の大当りとなるようにすることで、ハマり状態からの救済を図るためのいわゆる「天井状態」として機能する。その一方で、低低状態では第2の終期として付与される回数の期待値が高低状態よりも低く設定されており、高低状態と比べて過度な利益が遊技者に付与されないようにしている。
3)高確率高入球状態(以下、高高状態ともいう)は、確率変動状態かつ入球容易状態となる遊技状態であり、入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなって特別遊技が実行された後に移行される遊技状態である。高高状態では第2始動入賞口への入球容易性が高まることから主として第2の遊技が実行される。高高状態の第2の遊技において大当りとなる場合、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行されるとともに入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなり、第2の終期として50回,60回,70回,80回,90回,100回のいずれかが選択される。したがって、高高状態において大当りとなると入球容易状態の継続期間の長い高高状態に移行され、入球容易状態にて大当りを繰り返し発生させて大きな利益獲得を狙うことができる。高高状態において大当りとならない場合、第2の終期の回数に応じて、高低状態(50,60回の場合)、低低状態(70回の場合)、または、次に説明する低確率高入球状態(80,90,100回の場合)に移行さ
れる。
4)低確率高入球状態(以下、低高状態ともいう)は、通常確率状態かつ入球容易状態となる遊技状態であり、高高状態において第1の終期に達して確率変動状態が終了する一方、入球容易状態が継続する場合に移行される遊技状態である。低高状態においても主として第2の遊技が実行される。低高状態の第2の遊技にて大当りとなる場合、上述の高高状態と同様、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行されるとともに入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなり、第2の終期として50回,60回,70回,80回,90回,100回のいずれかが選択される。したがって、低高状態においても大当りを繰り返し発生させて大きな利益獲得を狙うことができる。低高状態において大当りとならずに第2の終期に達した場合、低低状態に移行される。
本実施例では、通常入球状態から入球容易状態へ移行された場合と比べて、入球容易状態から入球容易状態へ連続的に移行された場合の方が移行後の入球容易状態において変動時間の短い変動パターンが選択されやすい。したがって、通常入球状態における大当り(連荘状態への入口となりうる「初当り」)により入球容易状態へ移行された場合よりも、入球容易状態における大当りにより連続的に入球容易状態へ移行された場合のほうが、入球容易状態の終期を長くできるとともに図柄変動効率も高められる。その結果、連荘状態となった場合には利益状態が相乗的に高められ、遊技者にとって魅力ある遊技性が実現されることとなる。
本実施例では大当りの連荘状態を実現するために入球容易状態を連続的に維持する必要があるが、通常入球状態からの初当りによって入球容易状態へ移行させる場合には、通常確率状態であるほうが有利となる。すなわち、本来有利となるはずの確率変動状態(高確率低入球状態)のままでは入球容易状態への移行期待度が低いために遊技者に有利とはなりにくく、遊技状態をより有利に展開させるために一旦通常確率状態(低確率低入球状態)へ移行させるプロセスを経るという特異な遊技性が実現される。具体的には、高確率低入球状態が継続して「ハマり」状態に陥ると、第1の終期に到達することによって天井機能が働き、低確率低入球状態に移行されて入球容易状態への移行期待度が高まる。これにより、入球容易状態への移行を伴わない大当りが連発して遊技者に過度な不利益を与えてしまうことが抑制される。
本実施例では通常入球状態から大当りとなって入球容易状態へ移行した際には第2の終期として相対的に短い期間が設定されるが、その短期間の入球容易状態において大当りとなることで再度入球容易状態へ移行されると、第2の終期として相対的に長い期間を獲得できる。その後は、その長期間の入球容易状態において大当りを引き当てることで入球容易状態を連続的に維持でき、大当りの連荘状態を獲得できる可能性がある。すなわち、相対的に不利な状態である通常入球状態から入球容易状態へ移行し、その入球容易状態から再度入球容易状態へ移行されれば、有利な状態が継続されやすくなるという「関門突破型」の遊技性が実現される。
以上のような遊技仕様に対して、本実施例ではさらに以下に示す演出面での特徴を具備することで、従来の遊技機と比べて特異な遊技性に対する興趣をより高めることとしている。
1.演出設定操作機能
本実施例では、上述の遊技状態に応じて異なる演出内容(演出モード)が選択されるとともに、遊技者の操作入力に応じて決定される演出系統(演出タイプ)に応じて演出の選択傾向が異なるようにしている。複数用意される演出タイプのいずれかを遊技者が好みに応じて選択すると、演出により特定の事象を示唆する場合の示唆態様、示唆確度、示唆頻
度等の表示傾向や、演出に登場するキャラクタやオブジェクトの種類もしくは属性等を切り替えできる。また、演出表示中に出力される音声の音量や装飾ランプの光量についても遊技者の好みに応じて調整可能である。さらに本実施例では、図柄変動や特別遊技が実行されていない待機時間だけではなく、図柄変動中および特別遊技中においても上述の演出タイプ設定や音量・光量調整が可能であり、遊技者がいつでも好きな演出態様に設定して遊技を楽しめるようにしている。
2.高低状態での先読みによる演出モード移行
本実施例では、高低状態の第1の遊技にて入球容易状態へ移行される種類の大当りとなる確率が低く設定される一方、天井機能により低低状態の第1の遊技がなされると入球容易状態へ移行される種類の大当りが必ず選択されるようにしている。そこで、低低状態の第1の遊技にて大当りとなった後は必ず入球容易状態へ移行されるという特徴を利用し、高低状態にて保留され高低状態にて消化される第1の抽選値の判定結果が入球容易状態への移行を伴う種類の大当りである場合に、低低状態と同様の演出モードへの移行を可能とし、高低状態であるにも拘わらずあたかも天井機能が作動したかのような印象を与える演出を行う。実際に低低状態と同様の演出モードへ移行された後に第1の遊技にて大当りになると必ず入球容易状態への移行を伴うため、第1の終期よりも早期の演出モード移行により遊技者の期待感を高めることができる。
3.通常入球状態にて大当りとなる場合の特別遊技演出
本実施例では、通常入球状態にて初当りとなって入球容易状態へ移行されることが第1関門の突破となることから、第1の遊技における大当りの種類が入球容易状態への移行を伴うものであるか否かに遊技者の大きな関心が向けられる。そこで、通常入球状態の第1の遊技にて大当りとなる図柄の変動停止時には入球容易状態への移行を伴うか否かを明示せず、その後の特別遊技の実行中ないし特別遊技の最後のタイミングで次に移行される遊技状態を報知することで遊技者の期待感を煽る演出過程とする。さらに、大当りの種類に応じて特別遊技の実行時間、より具体的には特別遊技の終了デモ時間を異ならせ、終了デモ時間が長いほど入球容易状態へ移行される確率を高くすることで、特別遊技の演出時間および演出内容に応じて異なる期待度を示唆する。一方で、入球容易状態から大当りとなる場合には入球容易状態の継続が確定する仕様としているため、大当りの種類によらず比較的短い固定的な終了デモ時間値とし、次の大当りが発生するまでの時間が短縮されるようにしている。
4.入球容易状態からのモード遷移
本実施例では、通常入球状態にて初当りとなって入球容易状態へ移行される場合、第2の終期として1回,5回,9回のいずれかになる確率が極めて高く設定されるため、この短期間に大当りとなって第2の終期が50回以上になる入球容易状態へ移行させることは容易ではないかもしれない。そこで、入球容易状態の終期に達した時点で入球変動機構を備える第2始動入賞口への入球に起因する第2の抽選値が保留されている場合、その保留されている抽選値が全て消化されるまでの限定的な期間において「復活モード」という演出モード(特殊モード)に移行させる。この復活モードは通常入球状態であるが、第2の抽選値が消化される点で初当り前の通常入球状態と異なり、大当りとなる場合には必ず入球容易状態に移行される種類の大当りとなる。これにより、終期の短い入球容易状態の継続率を高め、第2関門を突破して入球容易状態から再度入球容易状態へ移行される期待度を高めている。
5.保留強化チャレンジ演出
上述の「復活モード」に移行するためには、入球容易状態の終了時に第2始動入賞口への入球による第2の抽選値が保留されている必要があり、仮に第2の終期回数が1回である場合、入球容易状態に移行された直後の最初の図柄変動時に第2の抽選値の保留を貯め
る必要がある。そこで、通常入球状態から入球容易状態に移行された後の最初の図柄変動時において第2始動入賞口への入球による保留生起を促す演出を実行する。また、保留数に対応して表示される保留オブジェクトの表示態様を変化させ、保留される抽選値に対応する図柄が大当りとなる期待度を示唆する保留変化演出を実行する。さらに、保留オブジェクトの変化を示唆するための変化示唆オブジェクトを第2始動入賞口への入球ごとに所定の上限数(例えば10個)まで表示させ、第2始動入賞口への入球数に応じて表示された変化示唆オブジェクトの表示種類に基づいて保留オブジェクトを期待度の高い態様へ変化させる保留変化演出(保留強化チャレンジ演出)とする。例えば、変化示唆オブジェクトの表示数が多いほど期待度または信頼度の高い保留変化演出を実行したり、保留が変化しやすい傾向としたりすることで、保留数の上限までまたは上限を超えた第2始動入賞口への入球を促進し、入球容易状態にて大当りとならない場合であっても通常モードより有利な復活モードに移行されるようにしている。
6.連荘モードでの特殊報知演出
入球容易状態から大当りとなって入球容易状態が継続する場合、第2の終期が50回以上となる「連荘モード」という演出モードに移行される。この連荘モードでは、上述の演出タイプ設定に応じて入球容易状態の終期が異なる態様で報知され、特別遊技の終了後に終期回数が確定的に報知される場合や、実際の終期よりも少ない回数が見かけ上の終期として表示される場合がある。見かけ上の終期として実際の終期よりも少ない回数を表示する場合、連荘モードの途中で見かけ上の残り変動回数を事後的に追加する「上乗せ演出」を実行し、見かけ上の残り変動回数と実際の残り変動回数とが最終的に一致するようにしている。また上乗せの予告演出として複数回の図柄変動期間にわたって所定の演出画像(例えば爆弾)を継続表示させ、新たな図柄変動ごとにカウントダウンされる演出画像が特定態様に変化(例えば爆発)した際に見かけ上の残り変動回数の上乗せを報知する報知演出を実行する。さらに同じ予告演出を利用して、保留される抽選値の判定結果が大当りであった場合にその保留に対応する図柄変動中に演出画像を特定態様に変化させることで、大当りとなることを報知する報知演出の実行を可能にする。このような共通する予告演出を利用して入球容易状態の継続回数の上乗せまたは大当りの発生を報知する報知演出を実行することで、一つの予告演出により複数種類の期待感を与えることができる。
7.打ち分け案内表示
本実施例では、通常入球状態にて第1始動入賞口を狙う場合に左打ちする必要があり、入球容易状態にて第2始動入賞口を狙う場合に右打ちする必要がある。また、第1大入賞口が開放される第1特別遊技では左打ちをする必要があり、第2大入賞口が開放される第2特別遊技では右打ちをする必要がある。その結果、複数パターンある遊技状態遷移に応じて適切に遊技操作を切り替える必要があり、遊技者から見て遊技方法が分かりづらいという印象を与えるおそれがある。一方で、遊技状態の遷移時に発射すべき方向を強調する案内を画一的に表示させると、発射方向が変わらない状態遷移であっても強調された案内表示がされてしまい、遊技者に煩雑な印象を与えるおそれが生じる。そこで本実施例では、案内表示の表示タイミング、表示時間および表示態様ならびに指令される発射目標領域の組み合わせが異なるように複数種類の案内表示パターンを定めておき、遊技状態の遷移や大当り種類に応じて適切なパターンの案内表示が適切なタイミングで表示されるようにする。具体的には、特別遊技の開始時、単位遊技の開始時または単位遊技中に開放される大入賞口への入球時のタイミングや、図柄変動の開始時、図柄変動期間における始動入賞口への入球時または図柄変動の停止時のタイミングに適切な態様で案内表示が開始または終了されるようにする。これにより、遊技操作の切り替えが生じるタイミングに適切な態様ないし強度で遊技者を支援する案内表示を可能とし、本実施例に係る特異な遊技性を遊技者が分かりやすく楽しめるようにできる。
以下、本実施例について、図面を参照しながら上述の前提技術との相違点を中心に説明
する。
図26は、実施例に係る演出全体の概略構成を示す図であり、複数用意される演出モード間の状態遷移を示している。本実施例では、遊技状態に応じて選択される演出モードとして、第1通常モード、第2通常モード、擬似第2通常モード、第1有利モード、第2有利モード(連荘モード)、復活モード(特殊モード)が用意される。通常モードから第1関門を突破して第1有利モードに移行し、第1有利モードから第2関門を突破して第2有利モード(連荘モード)に辿り着き、その連荘モードに滞在し続けることができれば、多くの出玉を獲得することが可能となる。本実施例では、このような演出モード間の遷移に関して斬新なアルゴリズムを提供する。さらに、複数の演出モードにわたる一貫した演出系統(演出タイプ)を複数種類設け、遊技者の操作入力に応じて好みの演出タイプに設定できるようにすることで演出モードと演出タイプの組み合わせによる演出態様の多様化を実現している。
第1通常モードは、遊技状態が高確率低入球状態(高低状態)である場合の第1の遊技に対応する演出モードであり、典型的には遊技開始時に設定される初期モードである。第1通常モードにて大当りとなる場合、原則として賞球獲得期待度の低い第1特別遊技が実行され、1/3の確率で入球容易状態に移行され、2/3の確率で再度第1通常モードに移行される。入球容易状態に移行される場合、入球容易状態の終期(第2の終期)として1回,5回,9回,100回のいずれかが選択される。したがって、第1通常モードは、利益獲得の期待度が低い低ベースの演出モードと言える。なお、極めて低い確率(0.1%)で直撃大当りとなる場合、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技実行が実行されて第2の終期が100回となる第2有利モードに移行される。
第2通常モードは、遊技状態が低確率低入球状態(低低状態)である場合の第1の遊技に対応する演出モードであり、第1通常モードにて確率変動状態の終期(第1の終期)である70回に達する場合に移行される演出モードである。また、遊技機の電源投入時に設定される初期モードでもある。第2通常モードにて大当りとなる場合、原則として賞球獲得期待度の低い第1特別遊技が実行されるが、必ず入球容易状態に移行され、第2の終期として1回,5回,9回,100回のいずれかが選択される。したがって、第2通常モードは、利益獲得の期待度が低い低ベースの演出モードであるが、第1通常モードと比べて入球容易状態への移行期待度が高い演出モードと言える。
擬似第2通常モードは、遊技状態が高低状態である第1の遊技にて所定条件を満たす場合に第1通常モードから移行される演出モードである。擬似第2通常モードは、上述の第2通常モードと同等の演出内容となる演出モードであり、第1通常モードから擬似第2通常モードへの移行により、あたかも第2通常モードに移行されたかのような印象を遊技者に与える。擬似第2通常モードは、保留される第1の抽選値の判定結果が入球容易状態への移行を伴う大当りとなる場合に移行可能であり、擬似第2通常モードにて大当りとなると高低状態であるにも拘わらず必ず入球容易状態へ移行される。したがって、擬似第2通常モードは、第2通常モードと同様に入球容易状態への移行期待度が高い演出モードと言える。
第1有利モードは、通常モードにて入球容易状態への移行を伴う大当りとなって移行される入球容易状態に対応する演出モードであり、遊技状態が高確率高入球状態(高高状態)となる演出モードである。第1有利モードは入球容易状態であるため、主に第2の遊技が実行される。第1有利モードの第2の遊技にて大当りとなる場合、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行されるとともに、第2の終期が必ず50回以上となる入球容易状態に移行される。したがって、第1有利モードは、利益獲得の期待度が相対的に高い高ベースの演出モードと言える。
第2有利モードは、入球容易状態から再度入球容易状態へ移行される場合の入球容易状態に対応する演出モードであり、遊技状態が高高状態または低高状態となる演出モードである。第2有利モードにおいても主に第2の遊技が実行される。第2有利モードにて大当りとなると、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行されるとともに、第2の終期として必ず50回以上が再設定される入球容易状態に移行され、第2有利モードが継続(ループ)される。第2有利モードでは、特別図柄の外れ変動の変動時間が短くなる傾向になるため、効率的に図柄変動が実行され、次の大当りを早期に獲得する可能性が高まる。したがって、第2有利モードは、大当りを連続発生させて連荘状態とすることにより大きな利益が獲得できる超有利モードと言える。
復活モードは、入球容易状態の終期に到達した時点で第2の抽選値が保留されている場合に選択される演出モードであり、遊技状態が高低状態または低低状態となる演出モードである。復活モードにて大当りとなると、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行されて必ず入球容易状態に移行されるが、高い確率(92%)で第1有利モードに移行され、第2の終期として1回,5回,9回,100回のいずれかが選択される。なお、低い確率(8%)で直撃大当りとなる場合、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技実行が実行されるとともに第2の終期が100回となる第2有利モードに移行される。したがって、復活モードは、大当りとなると賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行され、直撃大当りの確率が高めに設定される点で第1通常モードや第2通常モードと比べて相対的な有利な演出モードであると言える。なお復活モードは、第1有利モードおよび第2有利モードの双方から移行されてもよいし、第1有利モードのみから移行されるよう構成されてもよい。後者の場合、第2有利モードの終期に達すると、復活モードへ移行されずに第1通常モードまたは第2通常モードに移行されてよい。
本実施例では上述したような状態遷移の制御がなされるため、以下のような遊技性が得られる。第1/第2通常モードでは大当りとなってからが勝負であり、大当りが発生しても入球容易状態を伴うか否か、伴う場合に入球容易状態の終期回数をどの程度獲得できるかに注目が集まるようになる。一方、第1有利モードでは、大当りの発生が連荘モードへの突入確定を意味するため、次の第2有利モードにて大当りを獲得できるか否かに注目が集まるようになる。第2有利モードでは、その期間内に大当りを何回連続して獲得できるかが勝負の遊技性となるため、連荘モードの継続率に影響する入球容易状態の終期回数に注目が集まるようになる。復活モードは、保留が消化されるまでの短期間に入球容易状態へ再度移行できるか否かが勝負となり、復活モード中に大当りとなるかに注目が集められる。本実施例では、このような注目点に特化した演出がなされる。その詳細については後述する。
図27は、実施例に係るぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機500は、大入賞口として第1大入賞口21と第2大入賞口22を備える点で上述の前提技術と異なる。第1大入賞口21は、第1特別遊技に対応する大入賞口として設けられ、第1特別図柄51が停止して所定種類の大当りとなったときに開放状態となる羽根形状の入賞口である。第1大入賞口21は、演出表示装置60の表示領域の左上方の位置に設けられ、センター飾り64の左上の一部領域を占めるように取り付けられる。第1大入賞口21は、第1特別遊技中にこれが開放された際に発射強度を相対的に弱めにするいわゆる左打ちがなされると入球可能となる。第1大入賞口21は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置26と、第1大入賞口21の羽根を開閉させるための第1大入賞口ソレノイド93を備える。第1大入賞検出装置26は、第1大入賞口21への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。
第2大入賞口22は、第2特別遊技に対応する大入賞口として設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52が停止して第1特別遊技が実行される場合と異なる種類の大当りとなったときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口22は、上述の前提技術にて示した大入賞口20と同様、アウト口34の右上方の位置に設けられ、遊技領域81の右下方の位置に取り付けられる。第2大入賞口22は、第2特別遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると入球可能または入球容易となる。第2大入賞口22は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置27と、第2大入賞口22の蓋部を開閉させるための第2大入賞口ソレノイド94を備える。第2大入賞検出装置27は、第2大入賞口22への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。
遊技領域81の外側右下位置には、遊技機500の遊技状態を示すための状態表示ランプ590が設けられる。状態表示ランプ590は、例えば、三つのランプによって構成され、第1のランプは入球容易状態であるか否かを示し、第2のランプは確率変動状態であるか否かを示し、第3のランプは右打ちをすべき遊技状態であるか否かを示す。第1のランプは、入球容易状態の通常遊技である場合に点灯し、通常入球状態の通常遊技である場合と特別遊技である場合に消灯する。第2のランプは、確率変動状態の通常遊技である場合に点灯し、通常確率状態の通常遊技である場合と特別遊技である場合に消灯する。第3のランプは、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、入球容易状態または第2特別遊技の実行中である場合に点灯し、通常入球状態または第1特別遊技の実行中である場合に消灯する。第3のランプは、いわゆる「右打ち表示灯」として機能し、一定の表示態様にて右打ちをすべき遊技状態であるか否かを表示する。
ぱちんこ遊技機500のメイン基板200は、図4に示したブロック図と同様の機能構成を有する。入球判定手段201は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口21に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口22に入賞したと判断する。第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能を有し、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第2抽選手段212は、第2の遊技に係る第2の抽選を実行する機能を有し、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。特図調整手段276は、第1の抽選値と第2の抽選値の双方が保留されている場合、つねに第2の抽選値を優先的に消化させ、第2の抽選値の保留がなくなるまで第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
図28は、実施例に係る当否判定テーブルを模式的に示す図である。図28(a)は通常確率状態にて参照されるテーブルであり、図28(b)は確率変動状態にて参照されるテーブルである。本実施例では、通常確率状態において当否抽選値が0〜2620の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確率変動状態には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜2620の範囲に該当する場合だけでなく、2621〜2730の範囲に該当する場合にも大当りとなる。大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが入球容易状態への移行を伴うか否かは大当りとなる特別図柄の停止図柄の種類および大当りとなるときの遊技状態に応じて別途決定される。なお、本実施例では図示するように、大当りとなる確率が通常確率状態で1/25、確率変動状態で1/24と比較的近い値とされている。このことは、単に確率変動状態に移行されるよりも入球容易状態(時短状態)へ移行されたほうが相対的に有利となることを意味する。
図29は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、図示のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜2620」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範
囲に設定し、当否抽選値が「2621〜2730」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「2731〜65535」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となって第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止された場合、その停止時の図柄種類および遊技状態に応じて、第1大入賞口21を開放させる第1特別遊技または第2大入賞口22を開放させる第2特別遊技を実行する。一方、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となって第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止された場合、その停止時の図柄種類および遊技状態によらず第2大入賞口22を開放させる第2特別遊技を実行する。第1特別遊技と第2特別遊技は、いずれも単位遊技を2回含む2R特別遊技である。しかしながら、本実施例では、第1大入賞口21を開放させる第1特別遊技と、第2大入賞口22を開放させる第2特別遊技とで開放態様を異ならせており、第1特別遊技よりも第2特別遊技の方が賞球獲得期待度が高くなるようにしている。
図30は、第1特別遊技および第2特別遊技の実行過程を模式的に示す図である。図30(a)は、第1特別遊技における第1大入賞口21の開放パターンを示している。特別遊技制御手段260は、第1特別遊技を実行する場合、所定の開始デモ時間の経過後に第1大入賞口21の短開放を複数回(例えば14回)繰り返す第1ラウンド(1R)を実行し、つづいて第1大入賞口21の短開放を1回行う第2ラウンド(2R)を実行し、所定の終了デモ時間の経過後に第1特別遊技を終了させる。第1特別遊技の第1ラウンドでは、例えば0.05秒間の短開放が1回、3秒間の閉鎖が1回実行された後、2秒間の短開放13回と0.1秒間の閉鎖12回とが交互に実行される。なお、第1ラウンドにおいて所定個数(9球)以上の遊技球が落入した場合にはそれ以降の短開放は行われず、第1大入賞口21の閉鎖後に第2ラウンドが開始される。第1特別遊技の第2ラウンドでは、例えば0.08秒間の短開放が1回と1.9秒間の閉鎖が1回行われる。第1特別遊技の終了デモ時間は、比較的長い時間値が設定可能であり、遊技状態および大当りの種類に応じて複数種類定められる終了デモ時間値のいずれかが選択される。例えば、通常入球状態の第1の遊技にて大当りとなって第1特別遊技が実行される場合、終了デモ時間値として、7秒,18秒,30秒,40秒,56秒のいずれかが設定される。一方、入球容易状態の第1の遊技において大当りとなって第1特別遊技が実行される場合、終了デモ時間値として一律の時間値である6.5秒が設定される。なお、開始デモ時間値は遊技状態に応じて一律的な時間値が設定され、通常入球状態にて大当りとなって第1特別遊技が実行される場合には2秒が設定され、入球容易状態にて大当りとなって第1特別遊技が実行される場合には4秒が設定される。
図30(b)は、第2特別遊技における第2大入賞口22の開放パターンを示している。特別遊技制御手段260は、第2特別遊技を実行する場合、所定の開始デモ時間の経過後に第2大入賞口22を長開放させる第1ラウンド(1R)および第2ラウンド(2R)を実行し、所定の終了デモ時間の経過後に第2特別遊技を終了させる。第2特別遊技では、第1ラウンドおよび第2ラウンドのそれぞれにおいて、第2大入賞口22を所定の基準時間(30秒)が経過するまでもしくは遊技球が所定個数(9球)入球するまで長開放させた後に閉鎖させる。第2特別遊技の終了デモ時間についても、遊技状態および大当りの種類に応じて複数種類定められる終了デモ時間値のいずれかが選択される。入球容易状態の第1の遊技または第2の遊技において大当りとなって第2特別遊技が実行される場合、
終了デモ時間値として一律の6.5秒が設定される。一方、通常入球状態の第1の遊技または第2の遊技において大当りとなって第2特別遊技が実行される場合、終了デモ時間値として6秒または6.5秒が設定される。第2特別遊技の開始デモ時間値も同様であり、入球容易状態の第1の遊技または第2の遊技において大当りとなって第2特別遊技が実行される場合、開始デモ時間値として一律の4秒が設定される。一方、通常入球状態の第1の遊技または第2の遊技において大当りとなって第2特別遊技が実行される場合、開始デモ時間値として4秒または8秒が設定される。
本実施例では、このような開放パターンの異なる2種類の特別遊技を用意することにより、第1特別遊技と第2特別遊技の賞球獲得期待度に差を設けている。第2特別遊技では第1ラウンドおよび第2ラウンドの双方において長開放がなされるため、所定の上限数まで遊技球を入球させることが比較的容易であり、2R特別遊技にて獲得可能な上限数の賞球を期待できる。一方、第1特別遊技では実質的に第1ラウンドにおける賞球獲得しか期待できず、第1ラウンドであっても第1大入賞口21が連続的に開放されないために複数個の遊技球を連続的に入球させることが容易ではない。その結果、第1特別遊技では1ラウンド分の賞球獲得をも期待できない場合があり、第2特別遊技と比べて賞球獲得期待度が低くなる。本実施例では、このような差を設けることにより、大当りとなった場合に第2特別遊技が必ず実行される第2の遊技の優位性を高めるとともに、第2の遊技を実行できる入球容易状態が極めて有利となる遊技性を実現している。
つづいて、本実施例に係る大当り種類の決定方法について説明する。本実施例では、当否判定結果が大当りとなる場合の遊技状態と特別図柄の図柄種類の組み合わせに応じて大当り種類が決定され、決定された大当り種類に応じて特別遊技の種類や開始デモ時間値および終了デモ時間値、特別遊技の終了後に移行される遊技状態、演出モード、入球容易状態の終期が決定される。以下、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄判定テーブルを参照しながら選択される大当り種類について詳述する。
図31は、第1特別図柄51の図柄判定テーブルを模式的に示し、遊技状態が「高確率低入球状態」の場合に選択される大当り種類を示している。本実施例では、当否判定結果が大当りとなることを示す第1特別図柄51の図柄種類として「1」〜「18」が定められる。それぞれの図柄種類には異なる図柄抽選値の範囲が定められており、図柄抽選値の範囲に応じてそれぞれの図柄種類が選択される確率が決められている。本実施例では、図柄抽選値として0〜999までの値が設定される。図柄種類「1」「2」は、入球容易状態への移行を伴わない大当り種類であり、第1特別遊技の終了後に再度第1通常モードに移行される。図柄種類「3」〜「17」は、入球容易状態への移行を伴う大当り種類であり、第1特別遊技の終了後に第1有利モードに移行される。図柄種類「18」は、いわゆる直撃大当りとなるレアな大当り種類であり、第2特別遊技の終了後に入球容易状態への移行を伴うとともに第1有利モードを飛ばして第2有利モードに直接移行される。図柄種類「1」または「2」が選択される確率は約2/3であり、図柄種類「3」〜「17」が選択される確率は約1/3であり、図柄種類「18」が選択される確率は0.1%である。したがって、第1の遊技にて大当りになると、ほぼ100%の確率で第1特別遊技が実行され、図柄種類「18」が選択された場合にのみ第2特別遊技が実行される。
図柄種類「1」〜「18」のそれぞれには、各図柄種類に対応する特別図柄(図柄番号)が設定されている。例えば、図柄種類「1」には、図柄番号1〜4の四つの図柄が設定されており、図柄番号1〜4のいずれの図柄であっても大当り種類は同じである。同様にして、図柄種類「2」〜「5」「8」「14」「15」には、それぞれ四つの図柄が設定されている。一方、選択確率が相対的に低い図柄種類には、より少ない数の図柄が設定されている。具体的には、選択確率が0.4%〜2.0%となる図柄種類「6」「7」「9」〜「12」「16」には、それぞれ二つの図柄が設定されている。また、選択確率が極
めて低い図柄種類には、一つの図柄のみが設定されている。具体的には、選択確率が0.1%となる図柄種類「13」「17」「18」には、一つの図柄が設定されている。したがって、第1特別図柄51では、図柄種類に応じて設定される図柄数が異なっており、選択確率が高い図柄種類では多くの図柄数(例えば四つ)が設定される一方、選択確率が低い図柄種類では少ない図柄数(一つまたは二つ)が設定される。
高確率低入球状態において図柄種類「1」〜「13」が選択されると、第1特別遊技の終了デモ時間値として18秒,30秒,40秒,56秒のいずれかとなる。これらの比較的長い時間値のことを本実施例において「第1特定終了デモ時間値以上の時間値」ともいう。例えば、第1特定終了デモ時間値は18秒である。本実施例では、比較的長い時間値(第1特定終了デモ時間値以上)が設定される終了デモ期間において特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行されるか否かを煽るとともに移行先を報知する特別遊技演出を実行する。この特別遊技演出として、入球容易状態へ移行される期待度の異なる複数種類の演出パターンが用意される。具体的には、所定のミッションをクリアすることにより入球容易状態への移行を示唆するミッション演出と、敵キャラクタとのバトルに勝利することにより入球容易状態への移行を示唆するバトル演出と、設定された演出タイプに対応するキャラクタにまつわるエピソードの表示過程により入球容易状態への移行を示唆するエピソード演出が用意される。これらの特別遊技演出は、ミッション演出<バトル演出<エピソード演出の順に入球容易状態へ移行される期待度が高く、この順に入球容易状態が付与される終期回数の期待値が高くなるように設定される。またこれら特別遊技演出は、演出種類および報知内容に応じて演出時間が異なるように定められ、相対的に演出時間が長い方が入球容易状態へ移行される期待度が高い。
図柄種類「1」には18秒の終了デモ時間値が設定されており、この時間値はミッション演出が失敗する場合の演出時間に対応する。図柄種類「2」には30秒の終了デモ時間値が設定されており、この時間値はバトル演出にて敗北する場合の演出時間に対応する。したがって、相対的に短い終了デモ時間値(18秒,30秒)になると入球容易状態への移行を伴わない結果となる。一方、図柄種類「3」には40秒の終了デモ時間値が設定されており、この時間値はミッション演出が成功する場合の演出時間に対応する。図柄種類「4」には56秒の終了デモ時間値が設定されており、この時間値はバトル演出にて勝利する場合の演出時間に対応する。同様にして、図柄種類「5」「8」「11」にはミッション演出が成功する場合の40秒が設定され、図柄種類「6」「9」「12」にはバトル演出にて勝利する場合の56秒が設定される。また、図柄種類「7」「10」「13」にはエピソード演出の演出時間に対応する40秒が設定される。したがって、相対的に長い終了デモ時間値(40秒,56秒)が選択されると入球容易状態への移行を伴う結果となるとともに、特定演出(エピソード演出)が表示される場合には入球容易状態の終期が5回以上となることが確定する。これらの相対的に長い終了デモ時間値のことを本実施例において「第2特定終了デモ時間値以上の時間値」ともいう。例えば、第2特定終了デモ時間値は40秒である。このように図柄種類に応じて終了デモ時間値を異ならせることにより、入球容易状態に移行されるか否かの期待感を第1特別遊技の最後まで継続させる演出を実現できる。なお、開始デモ時間値は2秒で共通である。
高確率低入球状態において図柄種類「14」〜「17」が選択されると、第1特別遊技の終了デモ時間値として7秒が選択され、特別遊技の終了後に第1有利モードへ移行される。図柄種類「14」〜「17」が選択される場合には、特別遊技の開始前の図柄変動中に第1有利モードに移行されることを確定的に報知する次回予告演出が表示されるため、特別遊技中に入球容易状態に移行されるか否かを煽る必要がない。そこで、第1特別遊技の終了デモ時間として短い時間値(7秒)を設定している。なお、図柄種類「14」〜「17」が選択される確率は図柄種類「1」〜「13」が選択される確率に比べて低く設定されており、次回予告演出は表示確率の低いレア演出に位置付けられる。なお、開始デモ
時間値は2秒である。
高確率低入球状態において図柄種類「18」が選択されると、第2特別遊技が実行されるとともに終了デモ時間値が6.5秒となり、特別遊技の終了後に第2有利モードへ移行される。図柄種類「18」が選択される場合、特別遊技演出の過程を第1有利モードから第2有利モードへ移行される場合と同等としており、入球容易状態に移行されるか否かを煽る必要がないため、短い終了デモ時間値(6.5秒)を設定している。なお、図柄種類「18」が選択される場合には、特別遊技開始前の図柄変動中に第2有利モードへ移行されることを確定的に報知する次回予告演出が表示される。図柄種類「18」が選択される確率は極めて低く設定されており、通常入球状態からの大当りにより第2有利モードへ移行されることを報知する次回予告演出はプレミアム演出に位置付けられる。この演出は、図柄種類「14」〜「17」に対応した次回予告演出とは異なる演出態様とすることが好ましく、全回転演出などの演出態様が全く異なる内容としてもよい。また図柄種類「18」では、それ以外の図柄種類とは異なる4秒の開始デモ時間値が設定される。
このように図柄種類に応じて終了デモ時間値を異ならせることにより、図柄種類に応じて入球容易状態への移行期待度が異なるように特別遊技演出を実行することができる。特に、終了デモ時間値が特定終了デモ時間値以上(18,30,40,56秒)となる場合には、終了デモ時間値が長いほど入球容易状態への移行期待度が高く、付与される入球容易状態の終期回数の期待値が高くなる演出を実現できる。特に、第1特定終了デモ時間値(18秒)以上第2特定終了デモ時間値(40秒)未満となる場合と比べて、第2特定終了デモ時間値以上となる場合の方が入球容易状態への移行期待度が高くなる。一方で、終了デモ時間として特定終了デモ時間値未満(6.5秒,7秒)となる場合には、入球容易状態への移行が確定し、かつ、第2有利モードへ直接移行される可能性があるという期待度のより高い演出を実行できる。
図32は、第1特別図柄51の図柄判定テーブルを模式的に示し、遊技状態が「低確率低入球状態」の場合に選択される大当り種類を示している。本図の図柄判定テーブルにおいて、図柄抽選値と図柄種類の対応関係は上述の図31と同じである。また、図柄種類「14」〜「18」については上述の図31と同様の大当り種類が対応付けられ、実行される特別遊技の種類、終了デモ時間値、移行先となる演出モード、入球容易状態の終期回数についても同じである。一方で、図柄種類「1」〜「13」については、全て終了デモ時間値として40秒、移行先として第1有利モードが定められる。この固定的な40秒の終了デモ時間では、ミッション演出が成功する特別遊技演出またはエピソード演出が実行される。図柄種類「1」〜「6」「8」「9」「11」「12」には、入球容易状態の終期として1回が設定され、図柄種類「7」には入球容易状態の終期として5回が設定され、図柄種類「10」には入球容易状態の終期として9回が設定され、図柄種類「13」には入球容易状態の終期として100回が設定される。これにより、天井機能によって低低状態に移行された場合には大当り後に必ず入球容易状態へ移行される遊技性を実現できる。変形例においては、図32のテーブルが参照される場合であっても、一部の図柄種類について終了デモ時間値が56秒となるようにしてもよい。つまり、低低状態の第1の遊技にて大当りとなる場合であってもバトル演出が実行され、バトル演出の勝利により入球容易状態へ移行されてもよい。
図33は、第1特別図柄51の図柄判定テーブルを模式的に示し、遊技状態が入球容易状態(高入球状態)の場合に選択される大当り種類を示している。本図の図柄判定テーブルにおいても図柄抽選値と図柄種類の対応関係は上述の図31と同じである。遊技状態でが入球容易状態である場合、基本的には第2特別図柄52に係る第2の遊技の方が有利となるが、第1特別図柄51に係る第1の遊技が実行された場合には本図の対応関係にしたがって大当り種類が決定される。入球容易状態において第1特別図柄51が大当りとなる
場合、いずれの図柄種類であっても第2有利モードに移行されるとともに入球容易状態の終期として一律に100回が設定される。また開始デモ時間値として4秒が設定され、終了デモ時間値として6.5秒が設定される。しかしながら、図柄種類「1」〜「17」が選択された場合には賞球獲得期待度の低い第1特別遊技が実行され、極めて低い確率で図柄種類「18」が選択された場合にのみ賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行される。したがって、入球容易状態において第1の遊技を実行することは遊技者にとって不利である。
入球容易状態の第1の遊技にて大当りとなって第1特別遊技が実行される場合、前述のミッション演出、バトル演出、エピソード演出などの特定演出や、第2有利モードの終期回数を報知する終期回数報知演出(詳細は後述)とは異なる内容の演出を表示してもよい。例えば、賞球獲得期待度が第2特別遊技と比べて低いことを示唆する「ぷちボーナス開始!」などの表示をするとともに、特別遊技の終了後に移行される入球容易状態の終期である100回を確定的に報知する表示がなされてもよい。なお変形例においては、図柄種類に応じて設定される入球容易状態の終期が異なってもよい。例えば図柄種類「1」には70回、図柄種類「2」には80回、図柄種類「3」「4」には90回、図柄種類「5」〜「7」には50回、図柄種類「8」〜「12」には60回、図柄種類「13」〜「18」には100回が設定されてもよい。
図34は、第2特別図柄52の図柄判定テーブルを模式的に示し、遊技状態が入球容易状態(高入球状態)の場合に選択される大当り種類を示している。本実施例では、当否判定結果が大当りとなることを示す第2特別図柄52の図柄種類として「19」〜「26」が定められる。それぞれの図柄種類には異なる図柄抽選値の範囲が定められており、図柄抽選値の範囲に応じてそれぞれの図柄種類が選択される確率が決められている。また、第2特別図柄52の図柄種類「19」〜「26」のそれぞれには、各図柄種類に対応する特別図柄(図柄番号)が設定されている。第2特別図柄52については、いずれの図柄種類であっても図柄数が四つずつ設定されている。理由として、いずれの図柄種類であっても選択確率が第1特別図柄51に比べて高く、最小の選択確率となる図柄種類「23」であっても2%の選択確率が設定されるためである。したがって、第2特別図柄52は、図柄種類によらずに図柄数が同じであり、共通する図柄数(例えば四つ)が設定される。
入球容易状態の場合、図柄種類「19」〜「26」のいずれであっても第2特別遊技の終了後に第2有利モードへ移行される種類の大当りが対応付けられる。また開始デモ時間値として4秒が設定され、終了デモ時間値として6.5秒が設定される。入球容易状態の終期は図柄種類によって決定され、例えば図柄種類「19」には70回、図柄種類「20」には80回、図柄種類「21」には90回、図柄種類「22」〜「24」には100回、図柄種類「25」には50回、図柄種類「26」には60回が設定される。したがって、入球容易状態において第2の遊技を実行すると、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行され、かつ、終期回数が50回以上の入球容易状態へ再移行されるため、非常に有利に遊技を進めることができる。本実施例では、入球容易状態の終期が70回となる確率が最も高くなるように図柄テーブルが定められているが、変形例においては入球容易状態の終期が100回となる確率が最も高くなるようにしてもよい。
入球容易状態の第2の遊技にて大当りとなって第2特別遊技が実行される場合、第2特別遊技の終了後に移行される入球容易状態の終期回数を示唆または報知する終期回数報知演出が実行される。終期回数報知演出として、ルーレット演出、敵殲滅演出、称号獲得演出などの複数種類の演出内容が用意される。ルーレット演出では、複数のマスに異なる数字が表示され、ルーレットの停止マスがいずれとなるかにより終期回数が示唆される。停止マスの候補には、実際の終期回数となりうる50〜100回の数字の他に、30回や40回などの実際の終期回数となりうる回数よりも少ない数字も表示可能であり、実際の終
期回数とは異なる回数も報知可能である。敵殲滅演出では、多数登場する敵キャラクタの殲滅数(撃退数)が演出過程の進行とともに増えていき、最終的に表示される殲滅数によって終期回数が報知される。称号獲得演出では、第2有利モードの連続滞在回数や、複数回連続する第2有利モードの累積獲得賞球数に応じて遊技者に称号を付与する演出であり、称号の獲得を示す表示がなされた後の終了デモ時間に次の入球容易状態の終期回数が報知される。なお、これらの終期回数報知演出では、設定された演出タイプに応じて報知される終期回数の信頼性ないし確度が異なるように演出傾向が定められている。
図35は、第2特別図柄52の図柄判定テーブルを模式的に示し、遊技状態が通常入球状態(低入球状態)の場合に選択される大当り種類を示している。本図に定められる大当り種類は、入球容易状態の終了時点において第2の遊技に係る抽選値が保留されている場合にその保留が消化されるまでの限定的な期間滞在する「復活モード」にて選択されうる。本図の図柄判定テーブルにおいて、図柄抽選値と図柄種類の対応関係は上述の図34と同じであり、いずれの図柄種類が選択されたとしても第2特別遊技が実行されるように定められる。しかし、通常入球状態の場合には8%の確率で図柄種類「24」が選択された場合にのみ第2有利モードへ移行され、それ以外の図柄種類「19」〜「23」「25」「26」が選択されると第1有利モードへ移行される。図柄種類「24」が選択される場合、上述の第1特別図柄51に係る図柄種類「18」と同様に開始デモ時間値として4秒が設定され、終了デモ時間値として6.5秒が設定される。一方、第1有利モードへ移行される図柄種類が選択される場合、開始デモ時間値として8秒が設定され、終了デモ時間値として6秒が設定され、この時間値を利用して第1有利モードに復帰できたことを示す復活演出が実行される。第1有利モードに移行される場合の入球容易状態の終期は図柄種類によって決定され、例えば図柄種類「19」〜「21」には1回、図柄種類「22」には5回、図柄種類「23」には100回、図柄種類「25」「26」には9回が設定される。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別遊技の終了後に大当りとなる確率が通常確率状態よりも高い確率変動状態へ移行させる確率変動手段と、特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行させ、第2始動口12への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう入球変動機構を作動させる入球変動手段とを備える。確率変動手段は、大当りとなった場合の大当り種類によらず特別遊技の終了後から所定の第1の終期である70回の図柄変動が実行されるまで確率変動状態へ移行させ、第1の終期に到達した後に通常確率状態へ移行させる。入球変動手段は、特定種類の大当りとなった場合に特別遊技の終了後から大当り種類に応じて決定される第2の終期まで入球容易状態に移行させ、第2の終期に到達した後に通常入球状態に移行させる。入球変動手段は、入球容易状態において普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみを実施する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを選択するための選択基準として、複数種類の変動パターンとパターン抽選値の対応関係が定められた複数の変動パターン選択基準を保持する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、遊技状態に応じて参照すべき変動パターン選択基準を決定し、決定した変動パターン選択基準、当否判定結果および図柄判定結果に応じて第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動パターンを選択する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、例えば、入球容易状態において図柄の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動時間の短い変動パターンの選択傾向が高くなるようにして第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動パターンを選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、特定の演出モードにおける特定回数の図柄変動にて特定種類の変動パターンが固定的に選択されるよう定められる変動パターン選択基準にしたがって変動パターンを決定してもよい。例えば、第1通常モードにて参照される変動パターン選択基準には、第1通常モードの確変終期に達する回数(70回)の図柄変動時に特定種類の変動パターンが固定的に選択されるように定められてもよい。特に、第1通常モードの終期に達する図柄変動が外れとなる場合に特定種類の変動パターンが固定的に選択されることが好ましい。この固定的に選択される特定種類の変動パターンには、第1通常モードから第2通常モードへの移行を演出的に報知する演出表示過程に対応した変動時間が定められてもよい。
また、第1有利モードにて参照される変動パターン選択基準には、第1有利モードの初回の図柄変動時に特定種類の変動パターンが固定的に選択されるように定められてもよい。特に、第1有利モードの初回の図柄変動が外れとなる場合に特定種類の変動パターンが固定的に選択されることが好ましい。第1有利モードの初回変動時に選択される変動パターンには、上述した保留強化チャレンジ演出の表示過程に対応した変動時間が定められてもよい。さらに同じパターン選択基準には、第1有利モードの終期(5回,9回,100回)に達する図柄変動時において、第1有利モードから復活モードまたは通常モードに転落することを演出的に報知する演出表示過程に対応した変動時間を定める特定種類の変動パターンが固定的に選択されるように定められてもよい。特に、第1有利モードの終期となりうる回数の図柄変動が外れとなる場合に特定種類の変動パターンが固定的に選択されることが好ましい。
また、第2有利モードにて参照される変動パターン選択基準には、第2有利モードの終期となりうる所定回数(50回,60回,70回,80回,90回,100回)の少なくともいずれかにおいて特定種類の変動パターンが固定的に選択されるよう定められてもよい。特に、第2有利モードの終期となりうる回数の図柄変動が外れとなる場合に特定種類の変動パターンが固定的に選択されることが好ましい。第2有利モードの終期となりうる回数に固定的に選択される変動パターンには、第2有利モードの継続または終了を煽るための演出表示過程に対応した変動時間が定められてもよい。
メイン基板200は、遊技機の外部端子(外部端子板)に所定種類の外部信号を出力する処理を実行する。外部端子からの出力信号は、遊技ホールの管理コンピュータ等に送られる。外部端子からの出力信号として、遊技状況に関する信号、遊技球の入出力に関する信号、セキュリティ信号、遊技機の個体識別信号などが用意される。
遊技状況に関する信号として、大当り中信号、時短中信号、図柄確定信号、始動口入賞信号などが出力される。大当り中信号は、第1大入賞口21または第2大入賞口22が開放される特別遊技の実行中にオンとなり、それ以外の期間においてオフとなる。より詳細には、特別遊技の開始デモ実行中、単位遊技の実行中および終了デモの実行中において継続してオンとなり、それ以外の期間においてオフとなる。時短中信号は、通常入球状態の通常遊技中および特別遊技の開始前後の遊技状態が通常入球状態となる特別遊技中にオフとなり、それ以外の期間においてオンになる。したがって、時短中信号は、入球容易状態の通常遊技中および特別遊技の開始前後の少なくとも一方の遊技状態が入球容易状態となる特別遊技中にオンになる。本実施例では、大当りとなる図柄の停止時の遊技状態および停止図柄の種類に応じて開始デモ時間値および終了デモ時間値が異なりうることから、遊技状態および図柄種類に応じて大当り中信号および時短中信号がオンとなる期間も異なりうる。特に、同じ図柄で大当りとなる場合であっても、その大当り図柄の停止時の遊技状態に応じて、大当り中信号および時短中信号の出力期間が異なる可能性がある。
図柄確定信号は、特別遊技の変動停止から所定期間(0.5秒間)オンになるパルス信
号として出力される。図柄確定信号として、第1特別図柄51および第2特別図柄52の双方の図柄確定を示す信号と、第2特別図柄52の図柄確定のみを示す信号とが別に用意されてもよい。始動口入賞信号は、第1始動口11または第2始動口12への入球が検知された場合に所定期間(0.1秒間)オンになるパルス信号として出力される。入球が連続的に検知された場合、検知した入球数に応じて0.1秒間のオンとオフとが繰り返される連続的なパルス信号が始動口入賞信号として出力される。
遊技球の入出力に関する信号として、遊技機の全ての入球口への入球数を示す入球数信号と、払い出された賞球数を示す賞球数信号とが出力される。入球数信号は、入賞口、大入賞口またはアウト口に入球した遊技球数のカウントが所定数(10個)に達すると所定期間(0.1秒間)オンになるパルス信号として出力する。連続的に入球が検知された場合には、入球数に応じて0.1秒間のオンとオフとが繰り返される連続的なパルス信号が入球数信号として出力される。賞球数信号は、払い出しされた賞球数のカウントが所定数(10個)に達すると所定期間(0.1秒間)オンになるパルス信号として出力する。連続的に賞球の払い出しがなされた場合には、賞球数に応じて0.1秒間のオンとオフとが繰り返される連続的なパルス信号が賞球数信号として出力される。
セキュリティ信号として、ユニット監視信号、不正磁気検知信号、不正電波検知信号、不正入賞検知信号、初期化操作検知信号などが出力される。ユニット監視信号は、遊技機の前枠102や扉104が開放中となった場合、下球皿106が開放中となった場合に出力される。ユニット監視信号は、前枠102、扉104または下球皿106が開放状態に変化した際に所定期間(例えば0.1秒間)オンになるパルス信号として出力され、開放状態が継続される場合には連続的なパルス信号または常時オンの信号として出力される。不正磁気検知信号は、遊技機に設けられる磁石センサが異常な磁気を検知した場合に所定期間(0.2秒間)オンとなるパルス信号として出力される。不正電波検知信号は、遊技機に設けられる電波センサが異常な電波を検知した場合に所定期間(0.2秒間)オンとなるパルス信号として出力される。不正入賞検知信号は、入賞口または大入賞口に所定時間内に所定個数以上の遊技球の入球が検知された場合に所定期間(0.2秒間)オンとなるパルス信号として出力される。不正入賞検知信号は、例えば、通常の遊技方法ではあり得ないような多くの入賞数が短期間に検知された場合や、1回の特別遊技中に入賞可能な遊技球数の上限値を超える入賞が検知された場合にオンとなる。初期化操作検知信号は、遊技機のRAMを初期化するラムクリア操作がなされた場合に所定期間(0.2秒間)オンとなるパルス信号として出力される。その他、セキュリティ信号として、上述のいずれかの信号がオンとなる状況が発生した場合に所定期間(30秒間)オンとなる不正検知信号が用意されてもよい。
遊技機の個体識別信号は、遊技機の製造業者を示す識別コード(32バイト)、遊技機の型式名を示す識別コード(64バイト)、メイン基板200のCPUの固有情報(4バイト)を順に出力するように構成される。個体識別信号は、遊技機の電源投入から所定期間(例えば10秒)経過後に出力される。個体識別信号は、32+64+4=100バイトの信号を1バイト(8ビット)単位のデータビットに分割し、スタートビット(1ビット)、データビット(8ビット)、パリティビット(1ビット)、ストップビット(1ビット)の11ビットを一つの単位として出力される。各ビットを示す信号は、所定の間隔(例えば200bps)で出力される。
ぱちんこ遊技機500のサブ基板300は、図9に示したブロック図と同様の機能構成を有する。パターン記憶手段302には、図柄変動中に表示される演出過程を定める変動演出パターンと、特別遊技中に表示される演出過程を定める特別遊技演出パターンとを含む複数種類の演出パターンが保持される。パターン記憶手段302に保持される複数種類の演出パターンには、滞在する演出モードに応じて異なる演出内容が表示可能となるよう
に各演出モードにおける演出過程に対応した演出パターンが含まれる。また、演出タイプ設定に応じて異なるメインキャラクタおよび異なる演出傾向の演出内容が表示可能となるように各演出タイプに対応した演出パターンが含まれる。
演出決定手段303は、パターン記憶手段302に保持される複数種類の演出パターンのいずれかを選択するために参照する演出選択基準を複数保持し、いずれかの演出選択基準にしたがって演出表示装置60に表示させる演出内容を決定する。演出決定手段303は、演出モードと演出タイプの組み合わせの種類に対応しうる複数の演出選択基準を保持し、演出モードの遷移または演出タイプの変更に応じて参照すべき演出選択基準を切り替える。これにより、演出表示装置60に表示される演出内容の選択傾向が演出モードおよび演出タイプに応じて異なるようにする。
演出制御手段304は、演出決定手段303の決定に基づいて演出表示装置60の表示、スピーカ108からの音声出力、装飾ランプ111の点灯を制御する。演出制御手段304は、遊技者の操作入力により設定される音量値にしたがってスピーカ108から出力される演出音声の音量を制御する。演出制御手段304は、遊技者の操作入力により設定される光量値にしたがって装飾ランプ111の点灯時の明るさを制御する。
つづいて、本実施例に係る演出面での特徴について詳述する。
(1.演出設定操作機能)
図36は、遊技者の操作入力により選択可能な複数種類の演出タイプを模式的に示す。本実施例では、3種類の演出タイプA,B,Cと、これら3種類の演出タイプA〜Cが遊技進行に応じて自動的に切り替えられる演出タイプD(ランダムタイプ)が用意される。遊技機の電源投入時や待機デモの発生時では初期設定として演出タイプDが選択されており、遊技者の操作入力により異なる演出タイプへの切替が可能である。各演出タイプA〜Cには、演出表示過程において登場するメインキャラクタA〜Cが定められ、演出タイプに応じて演出傾向を異ならせている。例えば、演出全体を通して、演出タイプAでは示唆確度や示唆頻度が高く、演出タイプBでは示唆確度や示唆頻度が中程度となり、演出タイプCでは示唆確度や示唆頻度が低くなるように演出傾向が設定される。なお変形例においては、演出タイプD(ランダムタイプ)が設けられなくてもよく、初期設定として演出タイプA〜Cのいずれかが選択されていてもよい。
第1通常モードおよび第2通常モードにおいては、第1有利モードへの移行期待度を示唆する演出が表示され、第1有利モードへの移行を伴う場合には移行後の第1有利モードの終期回数の期待度を示唆する演出が表示される。演出タイプAの場合、大当りとなる図柄の変動時や大当りに対応する抽選値が保留されるときに大当りとなることが高頻度で示唆され、大当りとなって第1有利モードへ移行される場合には特別遊技の終了後に第1有利モードの滞在回数が報知される。さらに抽選値の先読みにより、大当り後に入球容易状態へ移行されるか否かを図柄変動中に高頻度で報知してもよい。一方、演出タイプCの場合、図柄変動中には第1有利モードへ移行されるか否かが示唆されず、大当りとなって第1有利モードへ移行される場合であっても特別遊技の終了時に第1有利モードの滞在回数が報知されずに秘匿される。演出タイプBは、演出タイプAとCの間に位置するようなバランス型の演出が実行され、例えば、演出タイプAよりも相対的に低い頻度および/または信頼度となる態様で大当り種類の予告演出や第1有利モードの滞在回数が示唆される。
第2有利(連荘)モードにおいては、入球容易状態の終期回数および/または残り変動回数を示唆または報知する演出が表示される。演出タイプAでは、大当り種類に応じて決定された終期回数が報知され、報知された終期回数が図柄変動に応じてカウントダウンされる。終期回数は、第2有利モードに移行される前の特別遊技の実行中、特別遊技の終了
時(終了デモ実行中)、特別遊技の終了後(第2有利モードの開始時)などに報知される。演出タイプBでは、大当り種類に応じて決定された終期回数よりも少ない回数が見かけ上の終期回数として第2有利モードの開始までに報知され、実際の終期回数が所定回数よりも多い場合には途中で見かけ上の終期回数が上乗せされる上乗せ演出が実行される。例えば、70回の終期回数に対して50回や60回が報知され、第2有利モードの途中で10回追加などの上乗せ演出が実行される。演出タイプCでは、第2有利モードの開始までに終期回数が報知されず、第2有利モードの終期となりうる所定回数(例えば50回、60回、70回)の図柄変動時に入球容易状態が移行されるか否かが報知されたり、上乗せ演出が実行されたりする。変形例においては、演出タイプCであっても終期回数によらずに第2有利モードの開始までに固定的な回数(例えば50回)が報知され、実際の終期回数との差がある場合に上乗せ演出が実行されてよい。
一方、第1有利モードおよび復活モードにおいては、演出タイプによらずに第2有利モードへの移行期待度を示唆する演出が表示され、例えば、メインキャラクタと敵キャラクタのバトル演出により第2有利モードへの移行期待度が示唆される。具体的には、バトル演出にてメインキャラクタが勝利した場合には第2有利モードへの移行が確定し、メインキャラクタが敗北した場合には第1/第2通常モードへの移行が確定し、バトルが引き分けとなった場合には復活モードから第1有利モードへの移行(復活)が確定する。また、第1有利モードの初回変動時において、第2の抽選値の保留を示す保留オブジェクトの表示態様を変化させて大当りとなる期待度を示唆する保留変化演出(保留強化チャレンジ演出)が実行される。なお変形例では、第1有利モードおよび復活モードにおいても、演出タイプに応じて示唆演出および予告演出の表示傾向を異ならせてもよい。
上述の演出タイプの選択操作は、遊技が実行されていない待機デモ表示中、図柄の停止表示中、変動表示中および特別遊技中に実行可能である。待機デモ表示中や図柄の停止表示中は、例えば、演出ボタン109の押下により表示される遊技設定画面を介して十字キー110を操作することにより設定可能である。また図柄変動中および特別遊技中は、十字キー110の下ボタンを押下することによりタイプ選択画面が表示され、左右ボタンの押下により演出タイプの切替が可能である。演出ボタン109を押下すると切替後の演出タイプに確定され、演出タイプが変更されたことを示す表示がなされる。一方、演出タイプの確定前に再度下ボタンが押下された場合や、所定時間(例えば3秒)の経過までに操作入力がなされない場合には、タイプ選択が中止されてタイプ選択画面が非表示となる。なお変形例では、図柄変動の開始から所定時間(例えば8秒)が経過するまでの期間のみ演出タイプの設定操作を受け付けることとし、所定時間の経過から図柄停止までの期間は十字キー110の下ボタンが押下されてもタイプ選択画面を表示させないようにしてもよい。同様に、特別遊技中において演出タイプの設定操作を受け付けないようにしてもよい。また特定の演出モード(例えば、第2有利モード)に滞在する場合には、設定されている演出タイプの種類を演出表示装置60の所定領域に常時表示し、例えば十字キー110の上下ボタンを押下するのみでタイプ設定が可能となるようにしてもよい。また図柄停止中に遊技設定画面を介した操作中に始動口への入球が発生し、新たな図柄変動が開始される場合には遊技設定画面を非表示にして図柄の変動演出が表示されるようにしてもよい。つまり、変動開始を契機としてタイプ設定操作が中止されるようにしてもよい。
演出決定手段303は、演出タイプの設定が切り替えられた場合、参照すべき演出選択基準を切替後の演出タイプに対応する演出選択基準に切り替えし、切替後の演出選択基準にしたがって演出パターンを選択する。演出制御手段304は、変動停止中に演出タイプの変更設定が確定された場合、その設定操作の直後から切替後の演出選択基準に基づいて決定された演出パターンにしたがう演出内容を演出表示装置60に表示させる。演出制御手段304は、図柄変動中または特別遊技中に演出タイプの変更設定が確定された場合、その図柄変動中または特別遊技中は切替前の演出選択基準に基づいて決定された演出パタ
ーンにしたがう演出内容を演出表示装置60に表示させ、その図柄変動の停止後または特別遊技の終了後から切替後の演出選択基準に基づいて決定された演出パターンにしたがう演出内容を表示させる。つまり、変動停止中は演出タイプ設定の変更が即時反映される一方、図柄変動中および特別遊技中は演出タイプ設定の変更が次の図柄変動開始時に反映される。
なお、ランダムタイプである演出タイプDが選択されている場合、特定の演出モード遷移がなされた場合、つまり、演出モードが遷移されるための所定条件が充足された場合に演出タイプが変更され、例えば、A,B,C,A,B,C,・・・の順に演出タイプが自動的に切り替えされる。ランダムタイプが選択されている場合、相対的に有利な演出モードに移行される場合や有利な演出モードが維持(継続)される場合には演出タイプがそのまま引き継がれ、相対的に不利な演出モードに移行される場合や不利な演出モードが維持(継続)される場合に演出タイプが切り替えされる。具体的には、第1有利モードにおいて入球容易状態への移行を伴わない種類の大当りとなる場合に特別遊技が終了して再度第1有利モードが開始されるタイミングで演出タイプが切り替えされる。その他、第1有利モード、第2有利モードまたは復活モードから第1通常モードまたは第2通常モードに移行される場合に演出タイプが切り替えされる。この場合、演出決定手段303は演出モード遷移を契機として参照すべき演出選択基準を切り替えし、演出制御手段304は切替後の演出選択基準に基づいて決定された演出パターンにしたがう演出内容を移行先の演出モードの開始時から表示させる。なお変形例ではさらに、第2有利モードにて所定回数大当りが連続発生した場合に演出タイプを自動切替してもよい。一方で、第2有利モードが継続する場合であっても遊技者がタイプ選択を変更しない限り同じ演出タイプが維持されるようにしてもよい。
図37は、音声および光量の設定操作が可能となるタイミングを模式的に示す。本実施例では、演出タイプ設定の他に、スピーカ108の音量設定、演出音声(BGM)の種類設定および装飾ランプ111の光量設定が可能である。音量設定は、第2有利(連荘)モードの通常遊技中のみ設定不可であり、それ以外の状態、つまり、待機デモ表示中、第2有利モード以外の演出モードの通常遊技中および特別遊技中、第2有利モードの特別遊技中において設定可能である。一方、BGM設定は、第2有利モードの通常遊技中のみ設定可能であり、それ以外の状態では設定不可である。光量設定はいつでも可能である。
待機デモ表示中は、例えば、演出ボタン109を押下することにより表示される遊技設定画面を介して十字キー110の操作により音量設定および光量設定が可能である。遊技中(通常遊技における図柄変動中および特別遊技中)は十字キー110の左右ボタンを押下すると音量設定画面が表示され、さらに左右ボタンを押下すると音量調整ができる。また十字キー110の上ボタンを押下すると光量設定画面が表示され、さらに左右ボタンを押下すると光量調整ができる。なお第2有利モードの通常遊技中は、BGM設定画面が演出表示装置60の所定領域に常時表示され、十字キー110の左右ボタンを押下するとBGMが変更できる。また第2有利モードの特別遊技中は、音量設定画面が演出表示装置60の所定領域に常時表示され、十字キー110の左右ボタンを押下すると音量調整ができる。
以上説明したように、本実施例では、遊技中に設定可能なパラメータとして、演出タイプ、音量、BGM、光量の4種類があり、いずれも演出ボタン109および十字キー110の操作により設定可能である。十字キー110の上下左右の4つのボタンのそれぞれに4種類の設定機能を割り当てれば、4種類全ての設定操作が常時実行できるようになるかもしれない。しかしながら、原則として所定種類の設定画面が表示された後に共通して左右ボタンを押下すると各パラメータが変更される仕様としているため、左ボタンと右ボタンに異なる機能を割り当てると遊技者に分かりづらい入力操作手段となるおそれがある。
そこで本実施例では、常時設定可能なパラメータを3種類に限定し、音量設定とBGM設定が同時に設定できないような仕様としている。また、第2有利モードにて音量設定が可能な期間とBGM設定が可能な期間の判別が容易となるように第2有利モードでは音量またはBGM設定画面を常時表示させることとしている。これにより、複数種類のパラメータを遊技中に設定できるようにしつつ、パラメータ種類が増えて操作入力が煩雑となることを防いでいる。
なお、遊技状態に応じて設定可能または設定不可とするパラメータ種類の組み合わせは図37に示すものに限られず、変形例においてはその他の組み合わせを適宜用いてもよい。例えば、BGM設定を常時不可とする一方で、音量設定を常時可能としてもよいし、逆に音量設定を常時不可とする一方で、BGM設定を常時可能としてもよい。遊技中に表示される各種パラメータの設定画面は、演出表示装置60に表示される演出表示の上に重畳して表示されてもよい。つまり、他の演出表示よりも表示優先度の高い態様で演出表示装置60に表示されてもよい。その一方で、各種パラメータの設定画面は、装飾図柄とは別に所定領域に常時表示されて図柄変動中である示唆する簡易図柄のスクロール表示や、抽選値の保留状態を示唆する保留オブジェクトの表示とは重ならない領域に表示されることが望ましい。演出表示装置60がメイン液晶画面とは別にサブ液晶画面を備える場合には、図柄変動や各種演出内容をメイン液晶画面に表示させ、各種パラメータの設定用表示をサブ液晶画面に表示させることで、演出表示を阻害しにくい態様で設定画面が表示されるようにしてもよい。
また変形例においては、遊技中に十字キー110の左右ボタンを押下するだけで音量調整がなされ、十字キー110の上下ボタンを押下するだけで光量調整がなされてもよい。例えば、十字キー110の右ボタンを1回押下すると、音量設定画面が表示されるとともに音量が1段階上がってもよい。同様に、十字キー110の左ボタンを1回押下すると、音量設定画面が表示されるとともに音量が1段階下がってもよい。また、十字キー110の上ボタンを1回押下すると、光量調整画面が表示されるとともに光量が1段階上がってもよい。同様に、十字キー110の下ボタンを1回押下すると、光量調整画面が表示されるとともに光量が1段階下がってもよい。なお、十字キー110が押下されても音量または光量調整画面を表示させず、ボタン押下により音量または光量が調整されるようにしてもよい。本変形例においては、遊技中に十字キー110を押下するだけでは演出タイプの選択ができないようにし、待機デモ中の遊技設定画面を介してのみ演出タイプの選択ができるようにしてもよい。
(2.高低状態での先読みによる演出モード移行)
図38は、通常モードにおける演出遷移を模式的に示す。上述したように、通常入球状態において第1の遊技が実行される場合、演出モードとして第1通常モード、第2通常モード、擬似第2通常モードのいずれかが選択される。第1通常モードではさらに複数のステージが用意されており、各ステージにおける滞在回数や図柄変動時の演出内容が所定条件を満たした場合にステージの切替がなされる。例えば、図柄変動回数が20回に達した場合や20回目以降の図柄変動においてステージチェンジ演出が実行可能な種類の変動パターンが選択された場合に次のステージに切替される。各ステージは、演出表示の背景画像が異なっており、例えばメインキャラクタの滞在場所が異なることが示される。滞在するステージに応じて異なった演出内容の表示が可能であり、例えば滞在場所にちなんだ演出内容が表示される。
第1通常モードでのステージの切替前後では演出タイプが保持され、演出タイプに応じたメインキャラクタが継続して登場する。第1通常モードにおいて演出タイプの変更がなされた場合、滞在するステージは変わらずに演出タイプのみが変更される。またステージチェンジの条件となる図柄変動回数についてもリセットされず、演出タイプの切替前後で
継続してカウントされる。なお変形例においては、演出タイプが変更された場合に所定のステージに必ず移行されるようにしてもよいし、図柄変動回数をリセットして演出タイプ変更後から所定回数の図柄変動がなされた場合に次のステージへの切替をしてもよい。また電断が発生して復帰した場合には、所定の初期ステージから必ず開始されるようにしてもよい。また第2通常モードの滞在中に電断が生じた場合、復帰直後においては第1通常モードの初期ステージとなり、変動停止後または次の変動開始から第2通常モードに移行されてもよい。
第1通常モードでは、第2通常モードまたは擬似第2通常モードへの移行を示唆する演出オブジェクトが常時表示される。この演出オブジェクトは、例えばメータ表示などを表す演出画像であり、メータの数値が増えていくにつれて第2通常モードまたは擬似第2通常モードへの移行期待度が高まることを示唆する。メータの数値は、第1通常モードにて実行される演出内容に応じて増加され、例えば、図柄変動中にメータの増加を示唆する示唆オブジェクトが表示されたり、装飾図柄の停止時または停止態様として示唆オブジェクトが表示されたりすることを契機としてメータが増えていく。メータの数値は変動回数の累積に応じて増えていき、第2通常モードへの移行条件が充足される70回の図柄変動時に最大値(満タン状態)となり、次変動から第2通常モードへ移行される。また、擬似第2通常モードへの移行条件が充足される場合、つまり、第1の抽選値の判定結果が第1有利モードへ移行される種類の大当りとなる場合にもメータ表示が最大値まで増加して次変動から擬似第2通常モードへ移行される。なお、第1通常モードにて特定種類の図柄で大当りとなる場合にもメータ表示が最大値となるようにしてもよい。この場合、メータ表示が最大値の状態となって特別遊技が開始され、メータのMAX表示により入球容易状態への移行期待度が高いことが示唆される。一方で、これらの条件が充足されない場合、つまり、70回の図柄変動に到達しない場合や、70回の図柄変動に達するまでに入球容易状態への移行を伴う種類の大当りに対応する第1の抽選値が保留されない場合には、原則としてメータ表示が満タンにならないように制御される。メータ表示を増加させるか否かは、例えば、所定の演出抽選を実行することにより決定される。なお、メータ表示中に電断復帰した場合には、必ずメータがゼロの状態から開始されるようにしてもよい。ただし、ある程度のメータが溜まっている場合に電断復帰した場合には、復帰直後の変動停止後または次の変動開始のタイミングでメータが一気に復活するようにしてもよいし、通常よりも早いペースでメータが溜まるようにしてもよい。また、メータが満タン状態のときに電断復帰した場合には、復帰直後においてメータをゼロとし、復帰直後の変動停止後または次の変動開始のタイミングで一気に満タン状態が復活するようにしてもよい。さらに、復帰直後の変動停止後または次の変動開始のタイミングで第2通常モードまたは擬似第2通常モードに移行されるようにしてもよい。
第2通常モードに移行されると演出表示の背景画像が切り替えられ、第1通常モードの各ステージと異なるステージに滞在していることが示される。第2通常モードは、大当りとなる場合に必ず入球容易状態へ移行される種類の大当りとなることから、第1通常モードよりも有利なステージであることが示唆される演出表示が用いられる。例えば、大当り後に移行される第1有利モードではメインキャラクタと敵キャラクタのバトル演出が実行されることから、次のモードに移行される準備状態(戦闘準備態勢)にあることが示唆される演出背景および演出内容が用いられる。また第2通常モードでは、第1通常モードからの移行前に最大値となったメータ表示がそのまま引き継がれて表示され、メータのMAX表示により入球容易状態への移行期待度が高いことが示唆される。
擬似第2通常モードは、第2通常モードと演出内容が同等の演出モードであり、第2通常モードと同じ演出背景および演出内容が用いられる。擬似第2通常モードは、演出表示上、第2通常モードとの区別が不可能または困難となる態様で演出が進行されてもよいし、第2通常モードとの区別が可能または容易となる態様で演出が進行されてもよい。例え
ば後者の場合、第2通常モードでは「戦闘準備態勢」の文言が画面下方で帯状にスクロール表示されるのに対し、擬似第2通常モードでは「臨戦態勢」の文言がスクロール表示されるようにして第1有利モードへの移行がより差し迫っていることを示唆してもよい。擬似第2通常モードにおいても、第1通常モードからの移行前に最大値となったメータ表示がそのまま引き継がれて表示され、メータのMAX表示により入球容易状態への移行期待度が高いことが示唆される。擬似第2通常モードに移行されると、移行直前に先読みされた保留に対応する1回〜4回目のいずれかの図柄変動にて大当りとなり、かつ、必ず入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなる。
なお変形例においては、第1の抽選値の事前判定結果に応じて擬似第2通常モードへの移行を可能とするのではなく、第1の抽選値の本判定結果に応じて擬似第2通常モードへ移行させてもよい。つまり、先読み結果に基づいて擬似第2通常モードへ移行させるのではなく、入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとなる図柄変動の開始を契機として擬似第2通常モードへ移行させてもよい。つまり、擬似第2通常モードへの移行条件として先読み結果を用いなくてもよい。また、入球容易状態への移行を伴う種類の大当りとならない場合であっても擬似第2通常モードへ移行されるようにしてもよい。この場合、擬似第2通常モードに移行された後に大当りとなって入球容易状態へ移行される確率の方が、第1通常モードのまま大当りとなって入球容易状態へ移行される確率よりも高くなるように擬似第2通常モードへの移行条件が定められることが好ましい。
(3.通常入球状態にて大当りとなる場合の特別遊技演出)
図39は、通常入球状態にて大当りとなる場合の遊技過程を模式的に示し、特に入球容易状態へ移行される種類の大当りとなって第1有利モードへ移行される場合の遊技過程を示す。図示するように、特別図柄が所定の大当り態様にて変動停止されると第1大入賞口が開放される第1特別遊技が実行され、第1ラウンドおよび第2ラウンドの実行から所定の終了デモ時間の経過後に入球容易状態となる通常遊技に移行される。大当り中信号は特別遊技の開始から終了までオンとなり、時短中信号は特別遊技の開始から入球容易状態の終了までオンとなり、図柄確定信号は特別図柄の変動停止から所定時間(例えば0.5秒間)経過までオンとなる。
演出表示装置には、大当りとなる図柄の変動開始から特別遊技終了までの期間においてスーパーリーチ変動演出(SPリーチ演出)、擬似スーパーリーチ演出(擬似SP演出または特殊特別遊技演出という)および移行演出が表示される。図示する例では、第1特別遊技の終了デモ時間値として比較的長い時間(18秒,30秒,40秒,56秒)が設定され、特殊特別遊技演出(擬似SP演出)としてミッション演出、バトル演出、エピソード演出のいずれかが表示される。特殊特別遊技演出では、直前のSPリーチ演出における装飾図柄の表示態様を引き継ぐ形で演出表示が開始されるように構成されており、SPリーチ演出と擬似SP演出とが一続きの図柄変動演出であるかのように見せる演出としている。SPリーチ演出は、図柄の変動パターンに対応した固定的な演出時間を有する一方、擬似SP演出は単位遊技の実行時間に応じて可変となる演出時間を有する。
図40は、SPリーチ変動演出における演出例を示す。図40(a)に示すように三つの装飾図柄61が変動開始され、図40(b)に示すように図柄「3」のリーチ状態となった後、図40(c)に示すように図柄「3」「バトル」「3」の組み合わせで仮停止状態で表示される。図40(c)の仮停止状態の中図柄「バトル」は、数字「1」〜「7」で表される装飾図柄とは種類の異なる特殊図柄であり、数字の装飾図柄との組合せにより大当りとなることを示すとともに、図柄停止後に開始される特殊特別遊技演出の内容を示唆する。本実施例では、特殊図柄として「ミッション」「バトル」「エピソード」の3種類が用意され、特別図柄の停止図柄の種類に応じて特殊図柄の種類が決定される。例えば、図31に示す図柄種類「1」「3」「5」「8」「11」が選択された場合には中図柄
が「ミッション」となり、図柄種類「2」「4」「6」「9」「12」が選択された場合には中図柄が「バトル」となり、図柄種類「7」「10」「13」が選択された場合には中図柄が「エピソード」となる。その結果、特殊図柄の種類に応じて特別遊技の終了デモ時間が異なることとなる。また、変動演出では演出表示装置60の所定領域(例えば右下領域)に有利な状態への移行期待度を示唆する演出オブジェクト501(メータ表示)が表示され、メータが満タン状態となってMAX表示がされることにより入球容易状態への移行期待度が高いことが示唆される。
図41は、擬似SP演出の前半部分における演出例を示し、特別図柄の停止直前のタイミングから第1特別遊技の第1ラウンドが実行中となるまでの期間の演出例を示す。図41(a)に示すように画面右下の演出オブジェクト501から画面左上に向けて延びる演出画像502が第1特別遊技の開始を契機に表示され、第1ラウンドの開始を契機として図41(b)に示すように演出表示装置60の左上に位置する第1大入賞口21(ターゲットアタッカ)への入球を指令する案内表示がなされる。演出画像502は、メータに貯まったエネルギーが左上方向に発射される様子を示しており、遊技者の注目を画面左上の第1大入賞口21に向けさせるような表示態様となっている。このメータ表示は、入球容易状態への移行期待度の高さを示唆し、メータ表示の数値が大きいほど特別遊技後に入球容易状態へ移行される期待度が高いことが示される。本実施例において、メータ表示が満タン状態であれば入球容易状態への移行が確定することを意味する。変形例においては、メータが満タン状態であっても入球容易状態へ移行されない場合があってもよい。
第1ラウンド中に開放される第1大入賞口21に遊技球が入球すると、その入球を契機として可動役物66が作動する可動役物作動演出が実行され、図41(c)に示すように画面中央に可動役物66が落下して入球容易状態への移行期待度が高いことが示唆される。また、第1大入賞口21への入球を契機として入球指令の案内表示が切り替えられ、図示されるように小さいサイズの表示態様となる。可動役物作動演出は、可動役物66の落下後から所定時間(例えば、2秒または4秒)経過もしくは第1ラウンドの終了まで継続され、第2ラウンドの開始前または第2ラウンドの開始時に可動役物66が撤収されて終了する。なお、第1ラウンド中に第1大入賞口21への入球がなされない場合、可動役物66の落下演出は実行されない。
図42は、擬似SP演出の後半部分における演出例を示し、第1特別遊技の終了デモ時間に対応する期間の演出例を示す。図42(a)に示すようにメインキャラクタと敵キャラクタのバトルが開始され、バトル演出の表示過程により入球容易状態への移行期待度が示唆される。図42(b)に示すようにメインキャラクタが勝利すると、図42(c)に示すように装飾図柄を模した演出オブジェクト503が大当りを示す態様にて表示され、入球容易状態への移行が確定することが示唆される。このとき、特別遊技開始前の装飾図柄61の停止態様である「3」「バトル」「3」の図柄組合せが大当り態様である「3」「3」「3」の図柄組合せに昇格したかのように見せる表示をしてもよい。なお、第1有利モードへの昇格を示唆する「3」「昇格」「3」や、移行先の演出モードを示唆する「3」「有利」「3」などの図柄組合せを表示してもよい。つまり、特別遊技前に表示された特殊図柄(ミッション、バトル、エピソード)とは異なる特殊図柄(昇格、有利)により入球容易状態への移行確定を示唆してもよい。演出オブジェクト503の表示後、入球容易状態への移行演出が表示されて第1特別遊技が終了する。
本実施例では、擬似SP演出を特別図柄の変動停止前から開始させ、特別図柄の変動停止時に装飾図柄61を代替図柄のように小さいサイズに切り替えて停止表示させた後、装飾図柄61の表示を消去している。例えば、図柄変動中に「3」「バトル」「3」にて仮停止された装飾図柄が小さいサイズに縮小されて特別図柄の停止直後に画面から消去される。一般に、大きいサイズの装飾図柄61を代替図柄のような小さいサイズに切り替える
場合、図柄変動をそのまま継続させつつ、画面中央に高期待度の演出過程を表示させることが通常である。本実施例ではこのような演出手法を逆手に取ることで、装飾図柄61を小さいサイズで停止表示させることで図柄停止されたこと確実に示す一方、図柄変動がリーチ態様のまま継続しているかのような印象を与えることができる。さらに、擬似SP演出の最後に大当り態様の装飾図柄を模した演出オブジェクト503を表示させることにより、擬似SP演出の終了時に停止図柄が確定したかのような印象を与えることができる。このようにして大当り変動と大当り遊技とが一続きの図柄変動演出であるかのように見せることで、賞球獲得期待度の低い第1特別遊技に対する遊技者の注目度を下げ、入球容易状態へ移行されるか否かに対する期待感を高める演出とすることができる。さらに、特別遊技後の初回の変動開始時に擬似SP演出にて表示された停止態様を引き継いで次の図柄変動を開始させることで、SPリーチ変動演出と擬似SP演出の一体感をさらに高めることができる。例えば、入球容易状態へ移行される場合であれば、擬似SP演出の最後に表示される「3」「3」「3」や「3」「昇格」「3」などの停止態様から次の図柄変動を開始させてもよいし、入球容易状態へ移行されない場合であれば、「3」「2」「3」などの停止態様から次の図柄変動を開始させてもよい。
本実施例では、第1ラウンドの開始時に第1大入賞口21への入球を強く促す案内表示をするとともに、第1大入賞口21への入球を契機として入球容易状態への移行期待度が高いことを示唆する可動役物作動演出が実行される。これにより、図柄変動中であるかのように見せている特別遊技中において打ち止めがなされる結果、第1特別遊技中に本来得られるはずの利益が得られない結果となることを防ぐことができる。また、第1大入賞口21への入球を契機として演出が発展するようにすることで、擬似SP演出の実行期間における遊技性を高めることができる。
図43は、擬似SP演出の前半部分における別の演出例を示す。本演出例は、上述した図41と比べて入球容易状態への移行期待度の低い演出過程を示している。図示されるように(a)第1特別遊技の開始を契機に画面左上に向かう演出オブジェクト501が表示され、(b)第1ラウンドの開始を契機として第1大入賞口21への入球を指示する案内表示がなされ、(c)第1大入賞口21への入球を契機として入球を指示する案内の表示態様が切り替えられる。本演出例は、例えば第1通常モードにおいて表示されるメータ量が所定の基準値未満である場合に実行される。本演出例は、メータ量が所定の基準値未満である場合に高い確率で実行され、メータ量が所定の基準値以上である場合に低い確率で実行されるようにしてもよい。つまり、メータ量が所定の基準値以上である場合よりもメータ量が所定の基準値未満である場合に実行される確率が高くてもよい。本演出例では、第1大入賞口21への入球を契機とした可動役物作動演出が実行されず、入球容易状態への移行期待度が低いことが示唆される。また可動役物66の落下を伴わないことから、第1大入賞口21への入球指令が相対的に大きな面積を占める態様で演出表示装置60に表示される。つまり、図41に示した移行期待度が高い場合とは異なる表示態様にて入球指令が表示される。
図44は、擬似SP演出の後半部分における別の演出例を示し、バトルに敗北して入球容易状態への移行を伴わない結果となる場合の演出例を示す。図示されるように(a)バトルが開始され、(b)バトルにメインキャラクタが敗北すると、(c)外れ態様の装飾図柄を模した演出オブジェクト504が表示される。例えば、SPリーチ変動演出の最後に「3」「バトル」「3」の図柄組合せが表示されていた場合、「3」「2」「3」などの外れ態様の図柄組合せが表示される。本演出例では、バトルの敗北により入球容易状態への移行期待度が低いことが示唆され、外れ態様の図柄画像の表示により入球容易状態への移行を伴わないことが確定される。その後、第1通常モードに移行される旨の移行演出が表示されて第1特別遊技が終了する。
上述の例では、可動役物作動演出を伴う演出パターンが選択された場合に入球容易状態へ移行され、可動役物作動演出を伴わない演出パターンが選択された場合に入球容易状態へ移行されない場合を示した。変形例においては、可動役物作動演出を伴う場合であっても図44のように入球容易状態への移行を伴わない結果となってもよいし、逆に可動役物作動演出を伴わない場合であっても図42のように入球容易状態への移行を伴う結果となってもよい。この場合、可動役物作動演出が実行されない場合よりも可動役物作動演出が実行される場合の方が入球容易状態へ移行される確率が高くなるように演出選択基準が定められてもよい。また、可動役物作動演出の実行を可能とする演出パターンが選択された場合、第1大入賞口21への入球数に応じて可動役物作動演出の実行態様を異ならせてもよい。例えば、第1大入賞口21への入球数が増えるごとに可動役物66の表示色または点灯色を変化させて期待感を高める演出としてもよい。その他、第1大入賞口21に所定個数(例えば3個)以上の遊技球が入球した場合のみ可動役物作動演出が実行されるようにしてもよい。一方で、別の変形例においては、第1ラウンド中に第1大入賞口21への入球が検知されない場合であっても所定タイミングで可動役物66の落下演出が実行されるようにしてもよい。
(4.入球容易状態からのモード遷移/5.保留強化チャレンジ演出)
つづいて、第1有利モードおよび第1有利モードからのモード遷移について詳述する。まず、第1有利モードの初回の図柄変動演出(5.保留強化チャレンジ演出)について説明し、つづいて、第1有利モードにおける2回目以降の図柄変動時の演出および第1有利モードから移行される復活モードの演出(4.入球容易状態からのモード遷移)について説明する。
図45は、第1有利モードの初回図柄変動期間の演出過程を模式的に示す。入球容易状態となって第1有利モードへ移行されると、初回の図柄変動において保留変化演出(保留強化チャレンジ演出)が実行される。最初に右打ちを指令する案内表示がされた後に、保留強化チャレンジ演出の遊技説明がなされ、変動中の図柄に対応する抽選値の期待度を示唆する当該変動オブジェクトと、保留される第2の抽選値の期待度を示唆する保留オブジェクトが画面中央に表示される。保留強化チャレンジの開始を報知する「強化開始!」の表示以降に第2始動口12へ遊技球が入球すると、入球のたびに保留変化を示唆する変化示唆オブジェクトが累積的に表示される。強化開始から所定の保留強化期間(例えば7秒)の経過後に強化期間の終了を示す表示がなされ、累積表示された変化示唆オブジェクトの表示種類に応じて当該変動オブジェクトおよび保留オブジェクトの表示態様が変化する。保留変化演出の実行後、当該変動の当否結果を示すためのバトル演出が実行される。第1有利モードの初回変動では、保留変化演出とバトル演出が必ず実行され、これらの演出時間に対応した変動時間を有する特定種類の変動パターンが固定的に選択される。この特定種類の変動パターンにはいくつかのバリエーションがあり、当該変動の当否や第1有利モードの終期回数等に応じて変動パターンが選択される。なお、サブ間コマンドについては後述する。
図46は、第1有利モードの初回図柄変動期間の画面例を示し、遊技説明までの演出表示例を示す。まず、図46(a)に示すように画面中央に大きく「右打ち」の案内表示をし、直前の第1特別遊技における左打ち状態から右打ち状態へと移行されたことを遊技者に報知する。つづいて、図46(b)に示すように特殊演出の開始を示す「保留強化チャレンジ」の文言を表示した後、図46(c)に示すように特殊演出の遊技方法を説明する文言を表示する。具体的には、第2始動口12に設けられる普通電動役物90を拡開させるために第2作動口32(作動ゲート)の通過を促す案内表示をする。変形例では、第2作動口32ではなく、第2始動口12を狙わせる案内表示としてもよい。第2作動口32を遊技球が通過すると、入球容易状態であることから普通電動役物90が高確率で長開放され、右打ちされた遊技球の多くが第2始動口12へ入球される。
図47は、第1有利モードの初回図柄変動期間の画面例を示し、保留強化期間の演出表示例を示す。まず、図47(a)に示すように画面中央下方に当該変動の期待度を示唆するための当該変動オブジェクト510と、第2の抽選値の保留数および各保留の期待度を示唆するための複数(例えば4個)の保留オブジェクト511が表示される。当該変動オブジェクト510および保留オブジェクト511は、保留強化演出の実行期間以外においても表示されうるが、保留強化チャレンジ中は通常の図柄変動中と比べて大きいサイズで表示される。なお、当該変動オブジェクト510および保留オブジェクト511は、通常の図柄変動中とは異なる表示態様にて表示されてもよく、例えばオブジェクト画像に装飾を施したり、オブジェクト画像の周囲に装飾的な演出画像を配置したりして強調表示されるようにしてもよい。また、画面中央上方には、保留強化期間の開始を報知するための「強化開始!」の表示がなされる。
つづいて、図47(b)に示すように保留オブジェクト511の上側に変化示唆オブジェクト512が表示される。変化示唆オブジェクト512は、第2始動口12への入球を契機として表示され、第2始動口12への入球数が増えるごとに変化示唆オブジェクト512の表示数が増えるようにして累積的に表示されていく。同時に、保留オブジェクト511として表示される保留数が上限に達していない場合には、第2始動口12への入球ごとに所定の上限数(4個)まで第2の抽選値が保留される。また、画面の右上領域には保留強化期間の残り時間が表示される。図47(c)に示すように保留強化期間の残り時間がなくなると、保留強化演出が終了する。保留強化演出では、第2始動口12への入球数に応じて所定の上限数(例えば10個)まで変化示唆オブジェクト512が表示される。保留強化期間に10個を超える入球があった場合には上限数である10個の変化示唆オブジェクト512が表示される。保留強化期間に10個未満の入球があった場合には、入球数と同じ数の変化示唆オブジェクト512が表示される。
変化示唆オブジェクト512の表示種類は複数用意されており、表示種類に応じて示唆される内容および確度が異なっている。本実施例では、変化示唆オブジェクト512として、保留変化しない不発マーク「×」、リーチ変動以上の保留変化を示唆する低期待度マーク「?」、大当り確定以上の保留変化を示唆する中期待度マーク「当」、第2有利モードへの移行を伴う大当り確定となる保留変化を示唆する高期待度マーク「V」が用意される。また、低期待度マーク「?」として複数色(例えば、白、緑、赤)が用意され、白<緑<赤の順に信頼度ないし期待度の高い保留変化が示唆される。
図48は、第1有利モードの初回図柄変動期間の画面例を示し、保留変化演出の表示例を示す。保留変化演出では、変化示唆オブジェクト512の表示種類に基づいて保留オブジェクト511または変化示唆オブジェクト512の表示態様が変化する。図48(a)に示すように、不発マーク以外の変化示唆オブジェクト512が対応する保留オブジェクト511または変化示唆オブジェクト512に向けて移動し、変化示唆オブジェクト512を吸収することにより保留オブジェクト511または変化示唆オブジェクト512の表示態様が変化する。例えば、1番目の低期待度マーク「?」は第1保留を変化させ、3番目の中期待度マーク「当」は第2保留を変化させ、7番目の高期待度マーク「V」は第4保留を変化させる。また、保留変化に無関係な不発マーク「×」は消去される。なお、変化示唆オブジェクト512の表示順序(表示位置)と保留オブジェクト511または変化示唆オブジェクト512との対応関係は、所定の演出選択基準に基づいて決定される。図示する例では、当該変動オブジェクト510を変化させていないが、選択される演出選択基準および当該変動に係る抽選値の内容によっては当該変動オブジェクト510の変化を伴う保留変化演出も実行される。詳細は後述する。
つづいて、図48(b)に示すようにメインキャラクタのカットイン演出が表示され、
保留強化演出が終了する。その後、図48(c)に示すように保留オブジェクト511の表示サイズが小さなサイズ(通常サイズ)となって当該変動オブジェクト510の右側の通常時の表示位置に配置される。なお、第1有利モードにおいては第1の抽選値の保留の有無に拘わらず第1の抽選値に対応する保留オブジェクトは非表示とされる。その後、当該変動の当否結果を示唆するためのバトル演出が開始される。バトル演出にて勝利した場合、第2有利モードへの移行が確定し、バトル演出にて引き分けた場合、第1有利モードの継続または復活モードへの移行が確定する。なお万が一、第2の抽選値が保留されておらず、次の図柄変動から通常入球状態への移行される場合にはバトル演出で敗北して第1通常モードへ移行される。
第1有利モードの初回変動の最後には、次に移行される遊技状態の候補を示す複数のパネル(オブジェクト画像)が表示され、そのいずれかが選択されることにより移行先を報知する演出が実行される。候補となるパネルの種類として、第1通常モードへ移行されることを示す「終了」、第1有利モードが継続することを示す「上乗せ」、大当りとなって第2有利モードへ移行されることを示す「勝利」、復活モードへ移行されることを示す「降格」の4種類が用意される。なお、演出表示装置60には4種類のパネルが全て表示されるのではなく、3種類のパネルのみが表示され、その3種類の中からいずれかが選択される。具体的には、「上乗せ」および「勝利」の2種類は常時表示候補となるのに対し、「終了」と「降格」はいずれか一方のみが表示される。第1有利モードが1回のみで終了する場合、第2の抽選値の保留の有無によって第1通常モードまたは復活モードのいずれかに移行されるため、保留の有無に応じて「終了」と「降格」のいずれか一方のみを表示させればよいからである。
上述の移行先を示すためのパネルは、バトル演出の最後に表示されるようにしてもよいし、バトル演出の開始時から演出表示装置60の所定領域に小さく表示させてもよい。また保留強化チャレンジ演出の実行中においても3種類のパネルを画面の所定領域に小さく表示させてもよいし、第1有利モードの開始時からパネルを表示させていてもよい。第1有利モードの開始時からパネルを表示させる場合であって、第1有利モードの開始時に第2の抽選値が保留されていない場合には、「終了」「上乗せ」「勝利」の3枚のパネルを表示させてもよい。その後、第2始動口12への入球により第2の抽選値が保留された場合には、その保留生起を契機として「終了」のパネルを「降格」のパネルに変化させてもよい。なお、パネル内容の変化のタイミングは、保留生起時に限られず、保留強化チャレンジの終了時やバトル演出の開始時、バトル演出の実行途中であってもよい。例外的に、第2の抽選値が保留されていないにも拘わらず「降格」のパネルに変化させたり、第2の抽選値が保留されているにも拘わらず「終了」のパネルのままとしたりすることにより、当該変動が大当りとなることを示唆してもよい。また、パネル選択が最終確定される前にいずれのパネルが選択される可能性が高いかを示唆する演出表示をしてもよい。例えば、小さく表示させている3枚のパネルのうち、いずれか1枚のみを他の2枚よりも大きく表示させたり、点滅表示させたりする強調表示により、移行先がいずれになるかの期待度を示唆してもよい。
第1有利モードの初回図柄変動の終了後に復活モードへ移行される場合、つまり、入球容易状態の終期が1回であった場合、引き分けとなったバトル演出の終了後に第2の抽選値の保留数に応じて復活モードの滞在回数が報知される。復活モードの滞在回数の報知は、期待度の低い態様でなされ、例えば、青色の背景に銀文字で残り変動回数が表示される。初回図柄変動の終了後に第1有利モードが継続される場合、つまり、入球容易状態の終期が5回,9回,100回のいずれかであった場合、引き分けとなったバトル演出の終了時に入球容易状態の残り変動回数(4回,8回,99回のいずれか)が報知される。第1有利モードの滞在回数の報知は、復活モードと比べて期待度の高い態様でなされ、例えば、赤色の背景と金文字の組合せや、金色の背景と虹文字の組合せで残り変動回数が表示さ
れる。なお、金色の背景と虹文字の組合せは、保留内に第2有利モードへの移行を伴う大当りが含まれている場合にのみ表示されるようにしてもよいし、第2有利モードの終期回数が80回以上または100回となる大当りが含まれている場合にのみ表示されるようにしてもよい。つまり、保留の事前判定結果に応じて第1有利モードの残り変動回数を報知する演出の表示態様を異ならせてもよい。
図49は、変化示唆オブジェクト512の表示順序の決定に用いるパターンテーブルを模式的に示す図である。本実施例では表示順序パターンとしてA〜Lの12種類が用意され、選択した表示順序パターンにしたがって変化示唆オブジェクト512の表示態様が決定される。例えば、パターンA〜Dには保留順序通りとなる場合が規定され、パターンE〜Hには保留順序がランダムかつ当該保留が最後となる場合が規定され、パターンI〜Lには保留順序がランダムかつ当該保留が最後とならない場合が規定される。これらの表示順序パターンは、パターン記憶手段302にあらかじめ保持される。本実施例では、9番目および10番目が不発マーク「×」となる確率が低くなるようにパターンを定めており、不発マーク「×」の表示確率が10番目において最も低くなるようにパターンを定めている。これにより、第2始動口12に多数の遊技球を入球させて上限数まで変化示唆オブジェクト512を表示させた方が保留強化演出の信頼性ないし確度が高まるようにしている。変化示唆オブジェクトが上限数まで表示されない場合、期待度の高い抽選値が保留され、かつ、期待度の高い変化示唆オブジェクトの表示が後半に予定されていたとしても、その変化示唆オブジェクトが非表示となって期待度の高い抽選値に対応する保留変化が実行されないこととなるためである。
演出決定手段303は、当該変動に係る第1の抽選値の判定結果および保留される第2の抽選値の事前判定結果に基づいて各保留に対応するオブジェクトの保留変化演出の内容を決定する。演出決定手段303は、各保留変化演出に対応する変化示唆オブジェクトの表示種類を決定し、それらの表示順序を選択した表示順序パターンにしたがって決定する。演出制御手段304は、演出決定手段303の決定にしたがって第2始動口12への入球がなされるごとに変化示唆オブジェクト512を決められた順序および態様にて表示させる。演出制御手段304は、第2始動口12への入球数に応じて実際に表示された変化示唆オブジェクト512に対応する保留についてのみ保留変化演出を表示させる一方、第2始動口12への入球数が少ないために表示されなかった変化示唆オブジェクト512に対応する保留についての保留変化演出を表示しないようにする。
演出決定手段303は、各保留が消化されるときの遊技状態を加味しながら各保留に対応する変化示唆オブジェクトの表示態様を決定する。例えば、次変動に対応する保留(1番目の保留)の事前判定結果が大当りとなる場合、次変動が入球容易状態であれば第2有利モードへ移行される結果となる一方、次変動が通常入球状態であれば第1有利モードへ移行される結果となる。つまり、当該変動の開始前の大当り種類によって入球容易状態の終期が1回であるか、5回以上であるかによって先読みの結果が異なることとなる。同様にして、2番目以降の保留についてもそれ以前の事前判定結果に応じて消化時の遊技状態が異なりうるため、全ての保留について適切な先読み結果を得るためには事前判定結果を保留順に辿って遊技状態の遷移を把握する必要がある。これは、入球容易状態の終期として保留上限数(4個)よりも少ない回数(例えば1回)が設定されうることに起因している。そこで本実施例では、各保留が消化される際の遊技状態をそれ以前の保留の事前判定結果に基づいて順に先読みし、遊技状態の遷移を先読みすることで信頼度の高い保留変化演出の実行を可能とする。演出決定手段303は、例えば、当該変動の遊技状態および各保留の抽選値の組み合わせと各保留の事前判定結果とを対応付けるテーブルをあらかじめ定めておき、そのテーブルを参照することで各保留の保留変化態様を決定してもよい。
図47および図48に示す保留変化態様の例では、当該変動が変化なし、第1保留が「
?」に変化し、第2保留が「当」に変化し、第3保留が変化なし、第4保留が「V」に変化する例を記載している。これは、例えば次のような状況を意味している。まず、当該変動に係る第1有利モードの終期が1回であり、当該変動の終了後に移行される高低状態の復活モードの初回変動にて第1保留が消化されて外れとなり、つづく復活モードの2回目の変動にて第2保留が消化されて大当りとなり、入球容易状態の終期が5回以上となる第1有利モードに移行される。さらに第1有利モードの初回変動にて第3保留が消化されて外れとなり、つづく第1有利モードの2回目の変動にて第4保留が消化されて大当りとなり、その後に第2有利モードへ移行される。このように本実施例では、各保留の先読み結果に応じて遊技状態の遷移過程についても先読みすることで、大当りに対応する抽選値の保留オブジェクトを中期待度マーク「当」に変化させるのか、高期待度マーク「V」に変化させるのかを決定している。
なお、図47および図48に示す保留変化態様の例となる場合は、次のような状況であってもよい。まず、当該変動に係る第1有利モードの終期が5回以上であり、つづく第1有利モードの2回目の変動にて第1保留が消化されて外れとなり、第1有利モードの3回目の変動にて第2保留が消化されて大当りとなって第2有利モードに移行される。そして、第2有利モードの初回変動にて第3保留が消化されて外れとなり、つづく第2有利モードの2回目の変動にて第4保留が消化されて大当りとなる。その他、以下のような状況であってもよい。まず、当該変動に係る第1有利モードの終期が1回であり、当該変動の終了後に移行される復活モードの初回変動にて第1保留が消化されて外れとなり、つづく復活モードの2回目の変動にて第2保留が消化されて大当りとなり、入球容易状態の終期が1回となる第1有利モードに移行される。つづいて、第1有利モードの初回変動にて第3保留が消化され外れとなって復活モードに降格され、復活モードの初回変動にて第4保留が消化されて第2有利モードへの移行を伴う直撃大当りとなる。
演出決定手段303は、当該変動に係る第1の抽選値が大当りとなる場合、保留される第2の抽選値の事前判定結果を参照せずに変化示唆オブジェクト512の表示種類および表示順序を決定してもよい。この場合、図49に示した表示順序パターンとは異なるパターンにしたがって変化示唆オブジェクト512を表示させてもよい。例えば、当該変動が大当りとなる場合に変化示唆オブジェクト512を全て同じ表示種類とすることで、図49の表示順序パターンにしたがった表示態様とは似つかない表示態様を実現してもよい。より具体的には、変化示唆オブジェクト512を全て不発マーク「×」としたり、全て高期待度マーク「V」としたりすることで、複数種類のオブジェクトが含まれるケースとは異なった意外性のある保留強化演出としてもよい。また、当該変動が大当りとなる場合に表示順序パターンにしたがった保留強化演出とするか否かを抽選により決定し、表示順序パターンを参照しない旨の決定がされた場合にのみ変化示唆オブジェクト512を全て同じ表示種類とする保留強化演出を実行してもよい。これらの場合、変化示唆オブジェクト512の表示種類が最後(10番目)まで同じであった場合に第2有利状態への移行が確定される。一方で、変化示唆オブジェクト512の表示種類が9番目まで不発マーク「×」であったとしても当該変動が大当りではない場合には10番目の変化示唆オブジェクト512として低期待度マーク「?」などの不発マーク以外の種類を強制的に表示させるようにしてもよい。変形例においては、当該変動が大当りとなる場合ではなく、保留される抽選値のいずれかの事前判定結果が大当りとなる場合もしくは第2有利状態への移行を伴う大当りとなる場合に変化示唆オブジェクト512の表示種類を全て同じとする保留強化演出を表示させてもよい。
図45に戻り、サブ間コマンドについて説明する。サブ間コマンドとは、図11および図12に示すサブ基板300のサブCPU310(サブメイン)から演出表示制御装置313の表示CPU320(サブサブ)に送信されるコマンドデータである。サブCPU310は、演出決定手段303の決定内容にしたがって表示制御のためのコマンドデータを
表示CPU320に送信する。表示CPU320は、コマンドデータを正常に受信した場合、受信したコマンドデータにしたがって表示制御回路326の動作を制御し、演出表示装置60に演出決定手段303の決定したがった演出内容を表示させる。
本実施例において、サブCPU310から表示CPU320へ送信するコマンドデータは、いわゆるMODEデータと呼ばれるコマンド種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれるコマンド内容データの組合せで構成される。サブCPU310は、コマンド種別データおよびコマンド内容データを対応付けて表示CPUへ送信することで一コマンドを送ることができる。コマンド種別データは、コマンドの種別を示す12ビットのビット列であり、あらかじめコマンドの種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。コマンド内容データは、コマンドの内容を示す12ビットのビット列である。サブCPU310がコマンド種別データとコマンド内容データとを連続して送信し、これらを連続して受信した表示CPUは先に受信したデータをコマンド種別データと認識し、その直後に受信したデータをコマンド内容データと認識する。ただし、コマンド種別データおよびコマンド内容データの最上位ビットはコマンド種別データとコマンド内容データのいずれであるかを示す識別ビットとして設定する方式でもよい。その場合、例えば最上位ビットが1のときはコマンド種別データであることを示し、最上位ビットが0のときはコマンド内容データであることを示してもよい。なお、コマンド種別データおよびコマンド内容データとして12ビット以外のビット数でビット列を構成してもよい。
図45には、第1有利モードの初回変動に用いられる代表的なサブ間コマンドを例示している。特別図柄の変動開始時には装飾図柄61の変動を開始させる変動開始指令と、当該変動オブジェクト510および保留オブジェクト511の表示態様を指定する保留表示指定と、遊技球の打ち分け表示の表示態様を指定する打ち分け表示指定がなされる。保留表示指定は、保留強化演出や保留変化演出の開始時にも送信される。また図示していないが、新たな保留が生起した場合にも保留表示指定が送信される。保留表示指定のコマンドデータには、例えば、保留位置といった保留種別を指定するMODEデータと、オブジェクト画像の表示種類を指定するEVENTデータとが含まれる。本実施例において、当該変動に係る内容を指定するコマンドと、保留される抽選値に係る内容を指定するコマンドは、種別の異なるコマンドとして別々に用意される。なお変形例においては、当該変動用と保留用のコマンド種別を共通にしてもよく、保留種別に関するデータがEVENTデータに含まれるようにコマンドデータを規定してもよい。保留強化演出中には、変化示唆オブジェクト512を表示させるためのオブジェクト表示指令がなされる。オブジェクト表示指令のコマンドデータには、変化示唆オブジェクトを表示を指令するMODEデータと、変化示唆オブジェクトの表示位置および表示種類を指令するEVENTデータとが含まれ、第2始動口12への入球検知を契機として送信される。特別図柄の変動停止前には装飾図柄61の最終停止図柄の図柄種類を指定する最終停止図柄指定がなされ、特別図柄の変動停止時には装飾図柄61の変動停止指令がなされる。
図50は、各遊技状態において使用可能となる保留表示指定の種別を模式的に示す。図示されるように、第1の遊技が実行される通常モードでは、第1の抽選に係る当該変動オブジェクトと第1の抽選に係る保留オブジェクトの表示が可能とされる一方、第2の抽選に係る当該変動オブジェクトと第2の抽選に係る保留オブジェクトは表示不可とされる。第1の遊技中は、低入球状態であり、第2始動口12への入球による第2の抽選を想定していないためである。一方、第2の遊技では原則として第2の抽選に係る当該変動オブジェクトと第2の抽選に係る保留オブジェクトの表示が可能とされる一方、第1の抽選に係る当該変動オブジェクトと第1の抽選に係る保留オブジェクトは表示不可とされる。第2の遊技中においては、入球容易状態への移行前または入球容易状態中に保留される第1の抽選値が存在しうるが、第2の遊技を優先させるためにあえて第1の抽選に係る保留オブジェクトの表示を禁止している。仮に第2の遊技中において大当りとなる第1の抽選値の
保留があることが先読みされ、当該保留を消化させるためにあえて第2の遊技を中止する遊技操作がなされると、第2の抽選値が連続的に優先消化されることを前提とする遊技設計が無実化するおそれがあるためである。
その一方で、第1有利モードにおいては、初回変動時つまり保留強化チャレンジ演出において当該変動に係る第1の抽選値の保留表示(つまり、当該変動オブジェクトの表示)を可能としている。第1有利モードは、通常入球状態から入球容易状態へ移行される場合に選択される演出モードであるため、通常入球状態において保留された第1の抽選値が消化されて初回変動がなされることが多いためである。また本実施例では、初回変動における当該変動オブジェクトを用いた保留変化演出の実行を特徴としているため、当該変動オブジェクトの表示のために第2の遊技中であるにも拘わらず当該変動に係る第1の抽選値の情報が演出表示上必要となる。そこで本実施例では、第1有利モードにて限定的に使用される保留表示指定コマンドとして、当該変動に係る第1の抽選値情報を送信するための専用コマンドを用意する。この専用コマンドは、第1有利モードにおいてのみ使用可能であり、第2有利モードや復活モードでは使用不可(使用禁止)とされる。第2有利モードや復活モードにおける専用コマンドの使用を禁止することで、第1の抽選値情報に基づく保留表示が誤ってなされてしまうことを防ぐことができる。なおこの専用コマンドは、さらに第1有利モードの初回変動時のみ使用可能とし、第1有利モードの2回目以降の変動中には使用禁止とされてもよい。
つづいて、第1有利モードの2回目以降の図柄変動時の演出について説明する。第1有利モードでは、2回目以降の図柄変動時においてもバトル演出の進行状況によって大当りとなる期待度を示唆する。外れ変動となる場合、バトルが発生しないか引き分けとなる演出表示がされ、大当り変動となる場合にバトルに勝利する演出が表示される。また、演出表示装置60の所定領域には第1有利モードの残り滞在回数が表示され、図柄変動のたびに減算表示されるとともに、保留の事前判定結果に応じて残り滞在回数の表示を期待度の高い態様へ変化させる先読み演出を実行する。また、第1有利モードの終期に達する図柄変動では、第2の抽選値を上限数まで保留させるための右打ち指令がなされ、バトル演出の進行に応じて復活モードと第2有利モードのいずれに移行されるかが確定される。このような演出表示が可能にするため、第1有利モードの最終変動においても特定の変動時間を有する変動パターンが固定的に選択されうる。
次に復活モードの演出について説明する。復活モードでは、第1有利モードと同様のバトル演出が実行され、バトル演出の進行状況によって大当りとなる期待度を示唆する。しかしながら、復活モードでは、大当りとなる場合であっても第2有利モードへの移行が確定しないため、大当りとなる場合であってもバトル結果が引き分けとなる演出が表示されうる。言いかえれば、第2有利モードへの移行を伴う大当り(例えば、8%の確率で選択される図柄種類「24」)となる場合にのみバトルに勝利し、第1有利モードへ再移行される大当りとなる場合にはバトルが引き分けとなる。第1有利モードおよび復活モードを通じて、第2有利モードへ移行される場合にのみバトルに勝利するようにしているためである。
復活モードでは、第1有利モードと同様に残り滞在回数が表示され、図柄変動のたびに減算表示される。復活モードでは、第1有利モードと比較して第2有利モードへ移行される期待度が低く、通常モードへ移行されてしまう可能性があるため、不利な状況に近づきつつあることを示唆するような緊迫感のある態様にて残り滞在回数が表示される。復活モードにおける残り滞在回数の表示は、残り回数が少なくなるにつれて緊迫度が高められるように表示態様を変化させてもよく、例えば、残り回数の表示を点滅させるとともに残り回数が減るにつれて点滅の周期を速くするようにしてもよい。復活モードの最終変動にて外れとなると、バトルに敗北して通常モードへの移行を示唆する演出表示がなされる。な
お、復活モードの最終変動では固定的な変動パターンが選択されず、変動時間の異なる複数の変動パターンのいずれかが抽選により選択される。したがって、復活モードでの最終変動では、選択された変動パターンに応じて異なる演出時間および演出表示過程が選択されうる。なお、復活モードの最終変動にて外れとなる場合、選択された変動パターンに応じて演出時間が異なるものの、復活モードが終了して通常モードへ移行されることを意味する演出内容となる点では共通する。
復活モードにおいて第1有利モードへ移行される種類の大当りとなる場合、賞球獲得期待度の高い第2特別遊技が実行され、終了デモ時間として6秒が設定される。終了デモ時間を用いて、例えば、第2有利モードへ移行される可能性、上述の保留強化チャレンジ演出が再度実行される可能性、初回の保留強化チャレンジの実行を伴わずに第1有利モードへ移行される可能性などが示される。その後、移行先が報知されて第2特別遊技が終了し、第1有利モードへ再移行される。なお、報知された移行先が保留強化チャレンジ演出とならなかった場合、第1有利モードの初回変動時に保留強化チャレンジ演出が実行されなくてもよい。
なお復活モードは、第1有利モードの終期に到達して移行される場合の他、通常入球状態(通常モード)において入球困難な第2始動口12への入球がなされた場合に移行されてもよい。通常モードの図柄変動中に第2の抽選値が保留されると、第1の抽選値よりも優先して消化されることから、第2の抽選値が保留された図柄変動の最後に復活モードへの移行演出が実行され、第2の抽選値の保留数に応じた回数の復活モードが実行される。
(6.連荘モードでの特殊報知演出)
第2有利(連荘)モードでは、演出タイプの設定に応じて見かけ上の残り変動回数が報知され、図柄変動の回数に応じて残り変動回数がカウントダウンされていく。連荘モードの進行に伴って所定の予告演出開始条件が充足されると、数字の付された所定の演出画像(爆弾)が登場し、複数回の図柄変動期間にわたって継続表示されるとともに、新たな図柄変動ごとに演出画像に付される数字がカウントダウンされる予告演出が表示される。カウントダウンされた演出画像が特定態様に変化(爆発)すると、見かけ上の残り変動回数の上乗せを報知する報知演出または当該変動が大当りとなることを報知する報知演出が実行される。このような特殊報知演出により、連荘モードにおける遊技者の期待感をより高めることしている。
図51は、第2有利モードにおける予告演出の画面例を模式的に示す。図51(a)は、予告演出が開始される前の画面例を示す。画面の左上には右打ちをすべき旨の案内表示が小さく表示され、画面の右上には連荘モードにおける見かけ上の残り変動回数が表示されている。この見かけ上の残り変動回数の信頼度は演出タイプに応じて異なり、例えば、完全告知型の演出タイプAでは信頼度が高く、バランス告知型の演出タイプBでは信頼度が中程度であり、非報知型の演出タイプCでは信頼度が低い。演出タイプAでは、実際の終期回数と等しい回数が残り変動回数として表示されることが多く、実際の終期回数より少ない回数が表示されることが少ない。一方で、演出タイプCでは、実際の終期回数がそのまま表示される場合が非常に少なく、残り変動回数として実際の終期回数(例えば70回)よりも大幅に少ない回数(例えば20回、30回)が表示されうる。
つづいて、図51(b)に示すように、第2始動口12に入球して新たな保留が生じると、保留発生を契機として爆弾を模した演出オブジェクト520が表示される。演出オブジェクト520は、保留消化つまり変動開始を契機として表示されてもよい。演出オブジェクト520には「10」の数字が付されており、次の図柄変動が開始されると図51(c)に示すように「9」に減算され、さらに次の図柄変動が開始されると図51(d)に示すように「8」に減算される。このようにして新たな図柄変動のたびに演出オブジェク
ト520に付される数字がカウントダウンされ、10回の図柄変動後に何かが起こることが示唆される。また、見かけ上の残り変動回数も新たな図柄変動のたびに減算され、図51(b)において残り48回が表示される場合には、図51(c)にて残り47回となり、図51(d)にて残り46回となる。
図52は、第2有利モードにおける特殊報知演出の画面例を模式的に示す。図52(a)は、予告演出が開始されてから10回目の図柄変動が開始されるときの画面例を示し、見かけ上の残り変動回数が38回になるとともに演出オブジェクト520の数字が「0」になっている。演出オブジェクト520の数字が「0」になると、図52(b)に示すように爆弾が爆発したことを示す演出オブジェクト521が表示され、つづいて図52(c)に示すように残り変動回数の上乗せ(+10回)を示唆する演出オブジェクト522が表示される。その後、図52(d)に示すように残り変動回数の上乗せが報知され、画面右上に表示される残り変動回数に上乗せされた回数が追加される。図示する例の場合、残り38回に対して10回が上乗せされて残り48回の表示となる。本実施例では、上乗せ演出として、+10回、+20回、+30回、+40回、+50回の計5種類が用意され、上乗せ後に表示される回数が実際の残り変動回数を越えないように上乗せ回数が決定される。
図53は、第2有利モードにおける特殊報知演出の別の画面例を模式的に示す。図53(a)は、予告演出が開始されてから5回目の図柄変動が開始されるときの画面例を示し、見かけ上の残り変動回数が43回になるとともに演出オブジェクト520の数字が「5」になっている。本図に示す例では、演出オブジェクト520の数字が「0」ではなく、まだ残り「5」の状態であるが、図53(b)に示すように爆弾が爆発したことを示す演出オブジェクト521が表示される。つづいて、図53(c)に示すように大当りとなることを示唆する「V」の演出オブジェクト523が表示され、図53(d)に示すように装飾図柄が大当り態様を示す「777」にて停止表示され、大当りとなることが報知される。このように、演出オブジェクト520のカウントダウンの途中で特定態様に変化する場合には、上乗せ報知ではなく、大当り報知がなされる。
演出決定手段303は、第2有利モードにおいて、第2始動口12への入球により第2の抽選値の保留が生起されることを契機として演出抽選を実行し、予告演出の有無、大当り報知の実行可否、および、上乗せ報知時の上乗せ回数を決定する。図54は、演出抽選の実行時に参照される予告演出パターンテーブルを模式的に示す図である。パターンAには、予告演出なしのパターンが定められ、パターンB1〜B5には予告演出あり、大当り報知不可のパターンが定められ、パターンC1〜C5には予告演出あり、大当り報知可のパターンが定められている。パターンB1〜B5およびパターンC1〜C5には、上乗せ報知回数として10回〜50回のいずれかが定められている。演出決定手段303は、演出抽選により本図に定めるパターンのいずれかを選択し、予告演出の有無、大当り報知の実行可否、および、上乗せ報知時の上乗せ回数を決定する。
演出決定手段303は、予告演出なしを決定した場合や、決定された上乗せ回数が実際の残り変動回数と見かけ上の残り変動回数の差分よりも多い場合、爆弾を登場させる予告演出を開始しないこととする。一方、予告演出ありを決定し、かつ、決定した上乗せ回数が残り回数の差分以下である場合には爆弾を登場させる予告演出を開始させる。なお、大当りとなる第2の抽選値が保留された場合、その保留発生を契機として予告演出の開始を決定してもよい。つまり、予告演出の開始後に大当り報知が実行可能となる場合には、図54のパターンを選択せずに予告演出の開始を決定してもよい。演出決定手段303は、予告演出を開始した場合、その予告演出およびその後の報知演出が終了するまで新たな演出抽選を実行しないこととする。実行中の予告演出にてカウントダウンされる数字が新たな演出抽選により上書きされ、整合が取れなくなることを防ぐためである。
演出決定手段303は、大当り報知を実行可とした場合に大当りとなる第2の抽選値が保留されていれば、その保留が消化される変動の開始時に爆弾を爆発させて大当り報知演出を実行する。つまり、カウントダウンの途中で大当り変動が実行される場合には、上乗せ報知の予定を変更して大当り報知に差し替えする。一方、大当り報知を実行不可とした場合や、大当り報知を実行可とした場合であっても大当りとなる第2の抽選値が保留されなかった場合には、所定回数(10回目)の図柄変動が開始されるタイミングで爆弾を爆発させて上乗せを報知する報知演出を実行する。変形例においては、予告演出の開始から所定回数の図柄変動が実行されない場合であっても上乗せ報知演出を実行してもよい。つまり、カウントダウンの途中で上乗せ報知演出を実行してもよい。この場合、図柄変動の開始時に爆弾を爆発させるか否かの抽選を実行し、爆弾を爆発させる旨が決定された場合に予定よりも早いタイミングで上乗せ報知演出を実行してもよい。なお、予告演出の途中で大当りが発生して第2特別遊技が実行される場合、予告演出は中止される。
本実施例では、上述のカウントダウンによる予告演出および報知演出の他に、ある時点での有利な遊技状況を保存(セーブ)した旨を報知した後、セーブされた遊技状況が読込(ロード)された旨を報知することでセーブされた有利な遊技状況が再現されたことを報知するセーブ/ロード演出を備える。保存の対象となる有利な遊技状況とは、装飾図柄が大当り態様「777」にて停止した時点や、見かけ上の残り変動回数が上乗せされて「+10回獲得!」と表示された時点などである。その他、残り変動回数が10回や20回などの節目となる回数となった時点がセーブされてもよい。これらの遊技状況をあらかじめセーブしておき、その後にロードすることで装飾図柄が再び「777」にて停止されたり、残り変動回数の上乗せがされたりすることとなる。また、残り変動回数が0回や10回となった時点で残り変動回数が10回や20回となる画面表示をロードすることによって、残り変動回数が10回や20回に巻き戻しされ、実質的に残り変動回数が上乗せされることとなる。また、セーブした遊技状況の読込中であることを複数回の図柄変動期間にわたって表示し、所定回数の変動後にロードが完了した旨を表示することにより有利な報知がなされることを予告する。このような予告演出および報知演出によっても上乗せ報知および大当り報知がなされる。
図55は、第2有利モードにおける特殊報知演出のさらに別の画面例を模式的に示し、セーブ/ロード演出により大当り報知がなされる場合の画面例を示す。図55(a)は、装飾図柄が大当り態様を示す「777」にて停止表示された遊技状況を示す。演出表示装置60の所定領域には「セーブ完了!」の演出オブジェクト525が表示され、大当りとなった遊技状況がセーブされた旨が報知される。その後、大当りに伴い第2特別遊技が実行されて再度第2有利モードへ移行されると、図55(b)に示すように第2の抽選値の保留を契機として「ロード開始!」の演出オブジェクト526が表示され、セーブされた有利な遊技状況が再現されることが予告される。つづいて、図55(c)に示すように複数回の図柄変動期間にわたって「ロード中...」の演出オブジェクト527が継続表示された後、図55(d)に示すように「ロード完了!」の演出オブジェクト528が表示される変動において装飾図柄が「777」で停止表示され、セーブされた有利な状況が再現される。なお上乗せ報知を実行する場合には、図52(d)に示すような上乗せ報知がなされた時点で「セーブ完了!」の表示がなされ、複数回の図柄変動期間にわたってロード演出が表示された後、上乗せ報知がなされる変動においてロード完了の表示がなされる。
なお、第2有利モードにおける特殊報知演出は、演出タイプの設定に応じて報知演出の表示傾向が異なりうる。完全告知型の演出タイプAの場合、第2有利モードの開始時に報知される見かけ上の残り変動回数の信頼度が高いため、上乗せ演出が実行されにくく、上乗せ演出が実行されたとしても上乗せ回数が少ない傾向にある。その結果、予告演出が開
始された場合には大当り報知がなされる期待度が高く、上乗せされる回数の期待値は低い。一方、非報知型の演出タイプCの場合、第2有利モードの終期回数として選択可能な回数のいずれよりも少ない回数(例えば、30回など)が初回変動時に表示されるため、上乗せ演出が実行される可能性が高い。また、次回の大当り発生までに上乗せ演出が複数回実行されたり、30回や40回などの多くの回数が一度に上乗せされたりすることもある。その結果、予告演出が開始された場合の多くが上乗せ報知となり、上乗せ回数の期待値も高くなる一方で、大当り報知がなされる確率は低くなる。また、バランス型の演出タイプBの場合に予告演出が開始されると、上乗せ報知と大当り報知の双方がバランスよく表示される傾向となる。このようにして、設定された演出タイプに応じて報知演出の表示傾向、具体的には、大当り報知となる期待度、上乗せ報知となる期待度および上乗せされる回数の期待値が異なることとなる。
第2有利モードの終期となりうる節目の回数(50,60,70,80,90,100回)の外れ変動時には、前述の上乗せ演出などにより第2有利モードが継続する期待度を高める演出を実行するため、特定種類の変動パターンが固定的に選択される。この特定種類の変動パターンは、節目の回数以外の外れ変動時に選択されうる変動パターンとは異なり、上乗せ演出を実行するために相対的に長い変動時間が定められている。バランス型の演出タイプBや非報知型の演出タイプCでは、上乗せ報知が実行される確率が高いため、この特定種類の変動パターンに定められる変動時間を利用して上乗せ報知演出を実行する。一方で、完全告知型の演出タイプAの場合、上乗せ報知が実行される確率が低く、第2有利モードの開始時において70回以上の残り回数が報知されていたとすると、50回目や60回目の外れ変動時に上乗せ報知演出を実行する必要が生じない。しかしながら、演出タイプはいつでも変更できるため、設定される演出タイプに応じて節目の回数に固定的な変動パターンが選択されたり、選択されなかったりすることは好ましくない。そこで、演出タイプAの場合に特定種類の変動パターンが選択される場合、上乗せ報知演出を実行する代わりに、演出時間が比較的長い演出過程を表示させてもよい。具体的には、リーチ変動時に表示されるリーチ演出や予告演出、特別遊技中に表示されるバトル演出などを表示させてもよい。また、遊技機の仕様上、仕方なく変動時間の長い演出表示としていることを釈明するような文言を表示させてもよい。
(7.打ち分け案内表示)
本実施例では、「左打ち」や「右打ち」などの遊技操作を遊技者に指令する打ち分け案内表示のために専用のサブ間コマンドを用意しており、サブCPU310から表示CPU320に専用コマンドが送信されるとコマンド内容に対応する案内表示が即時に反映されるようにしている。また、画面左上に小さく「左打ち」や「右打ち」を表示する案内表示のみならず、「左上TARGETアタッカを狙え!!」や「作動ゲートを狙って保留を強化せよ!」といった演出的な案内表示についても専用コマンドの送信により画面表示されるようにしており、変動演出や特別遊技演出用の表示パターンとは別に案内表示用の表示パターンが定められる。本実施例では、演出表示過程と案内表示過程を分離するとともに、その他の演出表示よりも案内表示が優先的に表示されるようにすることで、遊技者の利益に直結する遊技操作に関する案内が適切なタイミングかつ表示態様で表示されるようにしている。
図56は、打ち分け案内表示用の表示パターンを模式的に示し、通常遊技(図柄変動遊技)において用いられる案内表示パターンを示す。表示パターン1,2は、通常入球状態(第1通常モード、第2通常モード、擬似第2通常モード、復活モード)にて「左打ち」を案内するために用いられる。表示パターン3〜6は、入球容易状態(第1有利モード、第2有利モード)にて「右打ち」の案内するために用いられる。表示パターン7は、演出モードの遷移直前に右打ちから左打ちへの切り替えを案内するために用いられる。表示パターン8,9は、エラー発生時や特定演出の開始時などに用いられ、既に表示されている
案内を非表示に切り替えるために用いられる。
表示パターン1を指定するコマンドは、主に通常入球状態が継続される際の図柄変動開始時に送信され、図40に示すように画面左上に小さく「左打ち」を継続的に表示させる。表示パターン2を指定するコマンドは、遊技領域81の右側に設けられる第2作動口32などの入球検知を契機に送信され、左打ちをすべきことを遊技者に報知(警告)するために強調した態様にて案内を表示させる。表示パターン2には、画面中央に大きく「左打ち」を表示させた後、所定時間経過後(例えば5秒後)に画面左上に小さく「左打ち」を表示させる過程が定められる。表示パターン2には、表示態様を自動的に切り替える表示過程が定められているため、入球検知時にコマンドを1回送信するだけで二つの表示態様(大サイズと小サイズ)にて案内表示をすることができる。なお、表示パターン1のコマンドにて小さく表示される「左打ち」と、表示パターン2のコマンドにて所定時間経過後に小さく表示される「左打ち」は同じであり、同一の表示用画像が共通して使用される。
表示パターン3を指定するコマンドは、主に入球容易状態が継続される際の図柄変動開始時に送信され、図51に示すように画面左上に小さく「右打ち」を継続的に表示させる。表示パターン4を指定するコマンドは、第1有利モードの初回に保留強化チャレンジが実行される際の変動開始時に送信され、図46〜図47に示すような表示過程の右打ち案内を表示させる。まず、図46(a)に示すように画面中央に大きく「右打ち」を表示させた後、図46(b)に示すように画面左上に小さく「右打ち」を表示させ(5秒間)、つづいて、図46(c)に示すように「作動ゲートを狙って保留を強化せよ!」を追加表示させる(5秒間)。その後、図47に示すように画面左上に小さく「右打ち」のみの表示を継続表示させる。このように、表示パターン4には保留強化チャレンジ演出の演出過程に対応した案内表示過程が定められる。また、図47(c)に示すように具体的な発射目標領域(第2作動口32)を演出的に強調する表示態様にて指定する表示過程が含まれる。
表示パターン5,6を指定するコマンドは、遊技領域81の左側に設けられる第1作動口31や一般入賞口33、第1始動口11への入球検知を契機に送信され、右打ちをすべきことを遊技者に報知(警告)するために強調した態様にて案内を表示させる。表示パターン5は、主に第1有利モードにて用いられ、画面中央に大きく「右打ち」を表示させた後に画面左上に小さく「右打ち」を表示させる過程が定められている。表示パターン6は、主に第2有利モードにて用いられ、画面中央に「作動ゲートを狙え!」を表示させた後に画面左上に小さく「右打ち」を表示させる過程が定められる。なお、第2作動口32を狙わせる文言を表示させる際には、第2作動口32を模したオブジェクト画像を併せて表示させて発射目標領域がより分かりやすくなるようにしてもよい。
表示パターン7を指定するコマンドは、入球容易状態の終期に達する図柄変動の変動停止時に送信され、画面中央に大きく「左打ち」を表示させた後に画面左上に小さく「左打ち」を表示させる。上述の表示パターン1とは別に表示パターン7を用意することで、第1の抽選値が保留されていないために次変動が開始されない場合であっても左打ちをすべき遊技状態に移行されたことを確実に遊技者に報知することができる。表示パターン8を指定するコマンドは、イレギュラーな事象が発生した際に送信され、コマンド送信前に表示されていた案内表示を即時に非表示にさせる。表示パターン9を指定するコマンドは、特定の演出が開始される際に送信され、例えば、画面全体にわたる演出表示に対して画面左上の小さい案内表示が重畳されると支障が生じるような演出内容の表示開始時に送信される。表示パターン9には、コマンド送信前に表示されていた案内表示の透明度を徐々に高めて最終的に非表示とする表示過程が定められており、既存の案内表示をフェードアウトさせて非表示にすることができる。
図57は、打ち分け案内表示用の表示パターンを模式的に示し、特別遊技において用いられる案内表示パターンを示す。パターン番号10〜16は、遊技領域81の左上に設けられる第1大入賞口21が開放される第1特別遊技にて「左打ち」の案内をするために用いられる。パターン番号17〜22は、遊技領域81の右下に設けられる第2大入賞口22が開放される第2特別遊技にて「右打ち」を案内するために用いられる。
表示パターン10を指定するコマンドは、図41に示す可動役物作動演出の実行が可能な高期待度の擬似SP演出が実行される場合の第1ラウンドの開始時に送信され、図41(b)に示す態様で「左上TARGETアタッカを狙え!!」の案内を大きく表示させる。つづいて、第1大入賞口21への入球が検知されると表示パターン13を指定するコマンドが送信され、図41(c)に示す態様で「TARGETアタッカを狙え!!」の案内が画面上方に小さく表示される。このように、擬似SP演出が実行される第1特別遊技では、二つのコマンドにより案内表示の表示タイミングが制御され、第1大入賞口21への入球を契機とするタイミングで表示態様が切り替えされる。
表示パターン11を指定するコマンドは、図43に示す可動役物作動演出の実行が不可となる低期待度の擬似SP演出が実行される場合の第1ラウンドの開始時に送信され、図43(b)に示す態様で「左上TARGETアタッカを狙え!!」の案内を大きく表示させる。つづいて、第1大入賞口21への入球が検知されると表示パターン14を指定するコマンドが送信され、図43(c)に示す態様で「左上TARGETアタッカを狙え!!」の案内が画面左方に小さく表示される。これらの表示態様は、表示パターン10,13に定める表示態様と異なっている。本実施例では、期待度の異なる演出に対して異なる表示パターンを用意することで、演出内容に応じた表示態様にて案内表示をすることができる。
表示パターン12を指定するコマンドは、上述の次回予告演出が表示された場合の第1ラウンドの開始時に送信され、画面左上に小さく「左打ち」を表示させる。これにより、表示パターン11,12とは異なる態様にて第1大入賞口21への入球を促す案内表示とする。表示パターン15を指定するコマンドは、第1有利モードにて第1の抽選値が大当りとなった場合に送信され、第2有利モードへの突入を意味する「RUSH突入」の表示および「左上TARGETアタッカを狙え!!」の案内を大きく表示させる。表示パターン16を指定するコマンドは、第2有利モードにて第1の抽選値が大当りとなった場合に送信され、第2有利モードへの再突入を意味する「RUSH復活」の表示および「左上TARGETアタッカを狙え!!」の案内を大きく表示させる。入球容易状態において第1の遊技がなされて第1の抽選値が大当りとなることは想定しにくいが、事象として発生しうることから表示パターン15,16を用意している。
表示パターン17を指定するコマンドは、第2特別遊技の開始時に送信され、画面左上に「右打ち」を小さく表示させるとともに「右アタッカを狙え!」の文言を右アタッカを模したオブジェクト画像とともに小さく表示させる。表示パターン17は、第2特別遊技の種類および開始前の演出モードを問わずに共通して用いられ、発射目標領域として第2大入賞口22が指定される。表示パターン18を指定するコマンドは、第1有利モードから第2有利モードへ移行される場合の第2特別遊技の開始デモ実行時に送信され、「RUSH突入!」の表示および「右アタッカを狙え!!」の案内を大きく表示させる。つづいて、第2大入賞口22への入球が検知されると表示パターン21を指定するコマンドが送信され、「右アタッカを狙え!!」の案内を小さく表示する表示態様に切り替えされる。表示パターン19を指定するコマンドは、第2有利モードから第2有利モードへ再移行される場合の第2特別遊技の開始デモ実行時に送信され、「RUSH継続!」の表示および「右アタッカを狙え!!」の案内を大きく表示させる。つづいて、第2大入賞口22への入球が検知されると表示パターン22を指定するコマンドが送信され、「右打ち」の案内
を画面左上に小さく表示する表示態様に切り替えされる。
表示パターン19を指定するコマンドは、復活モードから第1有利モードへ移行される場合の第2特別遊技の開始デモ実行時に送信される。復活モードから第1有利モードへ移行される場合、第2特別遊技の実行中に移行先がいずれになるかを演出的に示す延長チャンス演出が表示される。表示パターン19には、延長チャンス演出の遊技説明として「右アタッカを狙って第1有利モードを掴み取れ!」の文言を画面中央に大きく表示させた後、画面左上に小さく「右打ち」を表示させる表示過程が定められている。延長チャンス演出では、移行先の候補として「保留強化チャレンジ」、「第1有利モード(保留強化なし)」、「第2有利モード」がラウンド中に示され、終了デモにおいていずれかの移行先が選択される。例えば、復活モードから第1有利モードへ移行される種類の大当りとなった場合には、移行先として「保留強化チャレンジ」または「第1有利モード」が選択され、復活モードから第2有利モードへ直接移行される種類の大当りとなった場合には、「第2有利モード」が選択される。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
(変形例1)
上述の実施例では、大当りとなった場合の遊技状態および図柄種類に応じて入球容易状態へ移行されないか、入球容易状態へ移行される場合にはその終期回数が1、5、9、50、60、70、80、90、100回のいずれかが選択される場合について示した。つまり、確率変動状態の終期回数70回に対して、70回、70回未満、70回超のいずれもが選択されうる場合を示した。変形例においては、入球容易状態にて大当りとなる場合には必ず確変終期回数以上(例えば70回,80回,90回,100回)の入球容易状態へ移行されるようにし、通常入球状態にて大当りとなる場合に限り確変終期回数未満の入球容易状態へ移行されるようにしてもよい。なお、選択される入球容易状態の終期回数は複数設定され、大当りとなった図柄種類によって終期回数が決定されてもよい。また、通常入球状態にて大当りとなる場合には通常入球状態へ移行されてもよい。
(変形例2)
変形例では、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が少ない遊技モードにおいて高確率高入球状態となる最後の図柄変動において選択される変動パターンAと、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が多い遊技モードにおいて高確率高入球状態となる最後の図柄変動において選択される変動パターンBとを比較した場合に、両者の変動パターンの選択傾向が異なっていてもよい。つまり、変動停止後に高確率低入球状態に移行される場合の変動パターンAと、変動停止後に低確率高入球状態に移行される場合の変動パターンBとで変動パターンの選択傾向が相違してもよい。具体的には、変動時間の選択傾向が異なっていてもよいし、保留数に応じた選択傾向が異なっていてもよいし、変動パターンと対応するように選択される変動演出パターンの表示傾向が異なっていてもよい。例えば、変動パターンAの方が入球容易状態の終了を煽るために比較的長い変動時間のパターンが選択される確率が高くてもよい。また、変動パターンAの方が保留数によらずに固定的に変動パターンが選択される確率が高く、変動パターンBの方が保留数に応じて異なる変動時間の変動パターンが選択される確率が高くてもよい。
(変形例3)
変形例では、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が少なく設定されうる場合において、高確率高入球状態の演出モードは複数用意される一方、高確率低入球状態の演出
モードは一つだけ用意されてよい。高確率低入球状態の演出モードの種類数は、高確率高入球状態の演出モードの種類数よりも少なくてよい。したがって、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が少ない演出モードにおいて入球容易状態が終了し、高確率低入球状態に移行される場合には必ず同じ演出モードに移行されてもよい。その一方で、低確率高入球状態の演出モードは、高確率高入球状態の演出モードと同等であってもよい。
(変形例4)
変形例では、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が多く設定される場合において、高確率高入球状態の所定回数目の外れ変動時に固定的な変動パターンが選択されることとなる所定回数の種類数が相対的に少なくなるように設定される一方、低確率高入球状態の所定回数目の外れ変動時に固定的な変動パターンが選択されることとなる所定回数の種類数が相対的に多くなるように変動パターン選択基準が定められてもよい。例えば、高高状態においては節目となる70回の外れ変動時にのみ固定的な変動パターンが選択され、低高状態においては節目となる80回、90回、100回の外れ変動において固定的な変動パターンが選択されるように変動パターン選択基準を定めてもよい。さらなる変形例においては、高高状態においては節目となる回数が設定されず、固定的な変動パターンが選択されないように変動パターン選択基準が定められてもよい。
(変形例5)
変形例では、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が少なく設定される場合に参照される変動パターン選択基準Aと、確変終期回数よりも入球容易状態の終期回数が多く設定される場合に参照される変動パターン選択基準Bとを比較したとき、高高状態において選択される変動パターンの選択傾向が異なるように変動パターン選択基準A,Bが定められてもよい。例えば、図柄変動の回数に応じて選択基準を切り替えていくように変動パターン選択基準が定められる場合、その切り替え回数が両者で異なっていてもよい。その他、リーチ態様を伴う比較的長い変動時間の変動パターンが選択される確率が両者で異なっていてもよい。
(変形例6)
上記実施例では、特定の演出モードにおいてリーチとなり、かつ最終停止図柄として特殊図柄「バトル」などが停止されることが実質的に大当り確定を示す構成とした。つまり、リーチ態様が表示されるのみでは大当りが確定せず、中図柄として特殊図柄が停止されることで大当りが確定する構成とした。変形例においては、種別を問わずリーチが表示されることが大当り確定を示す構成としてもよい。その場合、リーチ態様となった後に必ず特殊図柄「ミッション」「バトル」「エピソード」のいずれかが停止する構成としてもよい。また、特殊図柄として次回予告演出の実行を示唆する「次回予告」の図柄を用いてもよい。
(変形例7)
上記実施例では、第2有利モードの終期回数として見かけ上の残り変動回数を表示させた後、第2有利モードの進行に伴って見かけ上の変動回数を上乗せして実際の残り回数に近づける演出例を示した。変形例においては、第2有利モードへ移行される前の特別遊技中に同様の上乗せ演出を表示してもよい。例えば、2R特別遊技の第1ラウンドで+20回を表示し、第2ラウンドで+30回を表示することで「50回確定!」などと表示してもよい。
(変形例8)
上記実施例では、擬似SP演出の開始時に特殊図柄を含む特殊な図柄組合せを停止表示させる例を示した。変形例においては、特殊図柄を含む図柄組合せではなく、「777」などの図柄揃いとしてもよい。例えば「777」等の奇数図柄での当り図柄組合せであれ
ば入球容易状態への移行確定を示唆し「222」等の偶数図柄での当り図柄組合せであれば入球容易状態への移行非確定を示唆してもよい。その他、奇数図柄の図柄組合せは、入球容易状態への移行期待度が高いことを示唆し、偶数図柄の図柄組合せは、入球容易状態への移行期待度が低いことを示唆してもよい。
また、特殊図柄を含む図柄組合せにおいて、特殊図柄と組み合わされる左右の数字図柄の種類によって入球容易状態への移行期待度を示唆してもよい。例えば、図柄組合せが「2」「バトル」「2」であれば入球容易状態への期待度が低いことを示し、「5」「バトル」「5」であれば入球容易状態への移行期待度が高いことを示し、「7」「バトル」「7」であれば入球容易状態への移行が確定することを示してもよい。
(変形例9)
上記実施例では、第1特別遊技を実質1Rの特別遊技とし、第2特別遊技を実質2Rの特別遊技とすることで両者の賞球獲得期待度に差を設ける場合について示した。変形例においては、第1特別遊技と第2特別遊技の双方を実質2Rの構成とする一方で、それぞれの大入賞口の賞球付与数を異ならせることにより賞球獲得期待度に差を設けてもよい。例えば、第1大入賞口は1球あたり5球の賞球が付与されるのに対し、第2大入賞口は1球あたり10球の賞球が付与されるようにしてもよい。さらなる変形例においては、第1特別遊技を実質1R、第2特別遊技を実質2Rにするとともに、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数に差を設けることで、両者の賞球獲得期待度に大きな差を設けてもよい。
また変形例として、実質的に1Rの出玉しか期待できない第1特別遊技よりもさらに賞球獲得期待度の低い第3特別遊技があってもよい。第3特別遊技は、例えば、1回の短開放で構成される単位遊技が2回繰り返し実行され、実質的に出玉が期待できない態様で第1大入賞口21が開放されてもよい。第3特別遊技は、遊技状態が通常入球状態である場合に大当りとなって図柄種類「1」が選択された場合に実行され、第3特別遊技が実行されると確定的に入球容易状態への移行を伴わない結果となるように構成されてもよい。これにより、第1大入賞口21の開放態様によって入球容易状態への移行期待度が示唆される遊技性を実現できる。さらなる変形例においては、第3特別遊技が実行される場合であっても、第1特別遊技が実行される場合と比べて低い確率で入球容易状態へ移行されるようにしてもよい。
さらなる変形例においては、第1大入賞口21が開放される第1特別遊技が実行される場合には賞球獲得期待度の低い態様の単位遊技が実行される確率が高く、第2特別遊技が実行される場合には賞球獲得期待度の高い態様の単位遊技が実行される確率が高くてもよい。つまり、第1特別遊技が実行される場合であっても第1大入賞口21が賞球獲得期待度の高い態様にて開放されてもよいし、第2特別遊技が実行される場合であっても第2大入賞口22が賞球獲得期待度の低い態様にて開放されてもよい。例えば、大当りとなる停止図柄の種類に応じて実行される単位遊技の開放態様が異なるようにしてもよい。より具体的には、第1の遊技において大当りとなる場合には賞球獲得期待度の低い態様の単位遊技となる図柄種類の選択確率が高く、賞球獲得期待度の高い態様の単位遊技となる図柄種類の選択確率が低くてもよい。逆に、第2の遊技において大当りとなる場合には賞球獲得期待度の高い態様の単位遊技となる図柄種類の選択確率が高く、賞球獲得期待度の低い態様の単位遊技となる図柄種類の選択確率が低くてもよい。
(変形例10)
上記実施例では、演出表示装置60として一つの液晶画面を用いる場合を示した。変形例においては、演出表示装置60に対応する大型のメイン液晶と、メイン液晶よりも表示領域の小さいサブ液晶とを組み合わせてもよい。この場合、滞在する演出モードを示す表示、右打ちや左打ちを案内する表示、滞在する演出モードの終期回数または見かけ上の残
り変動回数、予告演出における演出画像(爆弾)やセーブ/ロード中を示す表示などをサブ液晶に表示させることとしてもよい。
(変形例11)
上記実施例では、特別遊技を2R特別遊技のみとしたが、単位遊技数の異なる特別遊技をさらに設けてもよい。具体的には、上述の前提技術で示したような4R特別遊技や16R特別遊技などを設けてもよい。ただし、上記実施例のように特別遊技のラウンド数を統一することにより、いわゆるラウンド表示灯を設ける必要がなくなるといったメリットはある。また、短開放特別遊技である2R特殊特別遊技と区別を困難とする小当り遊技を設けてもよい。当否抽選の結果が小当りとなった場合に小当り遊技に移行される。小当りが入球容易状態への移行契機とならないようにすることで、2R特殊特別遊技又は小当り遊技のいずれであるかにつき、遊技者の期待感を煽る遊技性を実現することができる。
さらなる変形例においては、例えば、第2特別遊技として設定ラウンド数が5R,8R,11R,15Rの特別遊技を用意するとともに、複数段階設定される5R,8R,11Rの単位遊技が終了した後に次のラウンドが継続するか否かを示す継続演出を実行する特別遊技を実行してもよい。継続演出が成功すると、新たな単位遊技が実行されることとなり、獲得可能な賞球数がランクアップしていく。設定ラウンド数の単位遊技とその次の単位遊技との間のインターバル(具体的には、5Rと6Rの間、8Rと9Rの間、11Rと12Rの間)は、継続演出表示のために、それ以外の単位遊技間のインターバルより長くてもよい。
(変形例12)
上記実施例では、大当りとなる特別図柄の図柄種類にかかわらずに特別遊技終了後に確率変動状態へ必ず移行し、次の大当りが発生しない限り、予め設定した確変終期回数分の期間はその確率変動状態が維持される場合を示した。変形例においては、大当り図柄に応じて確率変動状態へ移行する場合と移行しない場合とが混在してもよい。また確変終期回数を複数設け、大当り図柄に応じて確変終期回数が異なるように設定されてもよい。
(変形例13)
上記実施例では、第1の抽選値よりも第2の抽選値を優先的に消化する優先消化とする場合について示した。変形例においては、第1始動口11および第2始動口12のいずれかに遊技球が入球したかの順序にしたがって抽選値を消化(入球順消化)させ、第1特別図柄51および第2特別図柄52を選択的に変動表示させてもよい。
(変形例14)
上記実施例では、高低状態の第1の遊技において大当りとなる場合には、所定確率(1/3)で入球容易状態へ移行されるのに対し、低低状態の第1の遊技にて大当りとなる場合には、必ず(100%の確率)で入球容易状態へ移行される場合について示した。変形例においては、低低状態の第1の遊技にて大当りとなる場合でも、低確率で入球容易状態への移行を伴わないようにしてもよい。この場合、高低状態よりも低低状態の方が入球容易状態への移行確率が高くなるようにしてもよい。例えば、高低状態の第1の遊技において大当りとなる場合には1/3の確率で入球容易状態へ移行され、低低状態の第2の遊技において大当りとなる場合には2/3の確率で入球容易状態へ移行されるようにしてもよい。
(変形例15)
上記実施例では、高低状態の第1の遊技において大当りとなって入球容易状態へ移行される確率よりも低低状態の第1の遊技において大当りとなって入球容易状態へ移行される確率の方が高くなる場合を示した。変形例においては、入球容易状態への移行確率の差が
逆に設定されてもよく、低低状態よりも高低状態の方が入球容易状態へ移行される確率が高くてもよい。この場合、第2通常モードは第1通常モードよりも期待度の低い演出モードであってもよい。また、通常入球状態に対応する演出モードとして、第1通常モードおよび第2通常モードよりも期待度が高いことが示唆される第3通常モードを用意し、入球容易状態への移行を伴う大当りとなる抽選値が保留された場合に、期待度の高い第3通常モードへ移行させてもよい。
(変形例16)
上記実施例では、高低状態の第1の遊技において入球容易状態への移行を伴う種類の大当りに対応する抽選値が保留される場合に限り、第1通常モードから擬似第2通常モードへの移行を可能とする場合を示した。変形例においては、高低状態において入球容易状態への移行を伴わない種類の大当りに対応する抽選値が保留される場合であっても低確率で擬似第2通常モードへの移行を可能としてもよい。つまり、擬似第2通常モードへ移行された後に大当りとなっても入球容易状態へ移行されない場合が低確率で生じるようにしてもよい。この場合、第1通常モードにおいて入球容易状態への移行を伴う大当りとなる確率(例えば1/3)よりも擬似第2通常モードにおいて入球容易状態への移行を伴う大当りとなる確率が高くなるように擬似第2通常モードへの移行条件が定められることが好ましい。例えば、擬似第2通常モードにおいて入球容易状態への移行を伴う大当りとなる確率が2/3以上、例えば、80%または90%程度となるように擬似第2通常モードへの移行条件が定められてもよい。
(変形例17)
上記実施例では、高低状態または低低状態において第2の遊技(復活モード)が実行される場合に大当りとなると、必ず入球容易状態への移行される種類の大当りとなる場合について示した。変形例においては、高低状態または低低状態の第2の遊技にて大当りとなる場合であっても、入球容易状態への移行を伴わない種類の大当りとなってもよい。この場合、高低状態または低低状態の第1の遊技と比べて、高低状態または低低状態の第2の遊技の方が大当りとなった場合に入球容易状態へ移行される確率が高く設定されてもよい。また、高低状態の第2の遊技と低低状態の第2の遊技との間で、入球容易状態へ移行を伴う種類の大当りとなる確率が同じとなるように定められてもよいし、異なるように定められてもよい。
(変形例18)
上記実施例において、通常入球状態の場合には第1の遊技と第2の遊技のいずれであるかに応じて演出モードを異ならせる(通常モードまたは復活モードとする)一方、入球容易状態の場合には第1の遊技と第2の遊技のいずれであっても共通の演出モード(有利モード)とする例を示した。変形例においては、通常入球状態の場合に第1の遊技あっても第2の遊技であっても共通の演出モードとしてもよいし、入球容易状態の場合に第1の遊技であるか第2の遊技であるかに応じて演出モードを異ならせてもよい。つまり、特定の状況や特定の遊技状態となる場合に第1の遊技と第2の遊技とで演出モードを異ならせる一方、異なる状況や異なる遊技状態となる場合に第1の遊技と第2の遊技とで異なる演出モードとするようにしてもよい。
以下、本実施例の一態様を示す。
[態様1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示に伴い演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置の表示に伴い演出的な音声が出力される音声出力装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容の選択傾向が異なるように定められる複数の演出選択基準のいずれかに応じた演出内容を決定する演出決定手段と、
参照すべき演出選択基準を切り替えるための演出設定操作と、前記音声出力装置の音量調整をするための音量設定操作と、を遊技者から受け付ける操作入力手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて前記演出表示装置の表示および前記音声出力装置の出力を制御する演出制御手段と、を備え、
前記操作入力手段は、前記図柄の停止表示中および前記図柄の変動表示中の双方において前記演出設定操作および前記音量設定操作の受け付けを可能とし、
前記図柄の停止表示中に前記演出選択基準を切り替える演出設定操作がなされた場合、その演出設定操作の直後から演出設定基準が切り替えられ、前記図柄の変動表示中に前記演出選択基準を切り替える演出設定操作がなされた場合、その図柄変動の停止後から演出設定基準が切り替えられ、
前記図柄の停止表示中に音量を変更する音量設定操作がなされた場合、その音量設定操作の直後から音量設定が切り替えられ、前記図柄の変動表示中に音量を変更する音量設定操作がなされた場合も、その音量設定操作の直後から音量設定が切り替えられる弾球遊技機。
[態様2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域の前記第1始動口とは異なる位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値または前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記第1始動口への入球を契機として新たに取得される第1抽選値および前記第2始動口への入球を契機として新たに取得される第2抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで所定個数を上限に保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記特別遊技の終了後から第1の終期に達するまで前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常確率状態よりも高い確率変動状態へ移行させる確率変動手段と、
前記特別遊技の終了後から第2の終期に達するまで前記第2始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、
前記図柄の変動表示に伴い演出的な内容が表示される演出表示装置と、
複数定められる演出モードのいずれかに応じて前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて前記演出表示装置の表示を制御する演出制御手段と、を備え、
前記複数定められる演出モードには、遊技状態が前記確率変動状態かつ前記通常入球状態である高確率低入球状態に対応する第1通常モードと、遊技状態が前記通常確率状態かつ前記通常入球状態である低確率低入球状態に対応する第2通常モードと、前記第2通常モードと同等の演出内容となる演出モードであって前記高確率低入球状態かつ所定条件を充足する場合に選択される擬似第2通常モードと、が含まれ、
前記低確率低入球状態にて前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなった後に前記入球容易状態へ移行される確率は、前記高確率低入球状態にて前記第1抽選値に係る
当否判定の結果が大当りとなった後に前記入球容易状態へ移行される確率よりも高く、
前記演出決定手段は、前記高確率低入球状態から前記低確率低入球状態へ遊技状態が移行される場合、前記第1通常モードから前記第2通常モードに切り替え、
前記演出決定手段は、前記高確率低入球状態にて新たに取得され保留される第1抽選値であって当該高確率低入球状態にて消化される第1抽選値が前記入球容易状態への移行を伴う特別遊技に対応する抽選値である場合、前記第1通常モードから前記擬似第2通常モードに切替可能であり、
前記高確率低入球状態にて前記擬似第2通常モードに移行されてから前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなった後に前記入球容易状態へ移行される確率は、前記高確率低入球状態にて前記擬似第2通常モードに移行されずに前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなった後に前記入球容易状態へ移行される確率よりも高い弾球遊技機。
[態様3−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域の前記第1始動口とは異なる位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値または前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の停止図柄の種類を前記当否判定の結果に応じて決定する図柄決定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が大当りとなった場合、前記大入賞口を開放可能とする単位遊技を所定回数含み、最後の単位遊技から所定の終了デモ時間の経過後に終了する特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
所定の移行条件を充足する場合に、前記特別遊技の終了後から所定の終期に達するまで前記第2始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、を備え、
前記特別遊技の終了デモ時間値は、当該特別遊技の開始前の遊技状態および当該特別遊技の実行契機となった停止図柄の種類に応じて複数種類定められる終了デモ時間値のいずれかとなるよう構成され、
前記特別遊技の実行契機となった同一種類の停止図柄に対して当該特別遊技の開始前の遊技状態が前記通常入球状態であるか前記入球容易状態であるかに応じて異なる終了デモ時間値となり得るよう構成され、
前記通常入球状態にて前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなって前記特別遊技が実行される場合の終了デモ時間値の種類は、前記入球容易状態にて前記第1抽選値または前記第2抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなって前記特別遊技が実行される場合の終了デモ時間値の種類よりも多く、
前記通常入球状態にて前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなって前記特別遊技が実行される場合の終了デモ時間値には、前記入球容易状態にて前記第1抽選値または前記第2抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなって前記特別遊技が実行される場合の終了デモ時間値より長い特定終了デモ時間値以上の時間値が含まれており、
前記通常入球状態にて前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなる場合、前記特定終了デモ時間値以上の終了デモ時間値となる特別遊技の実行後に前記入球容易状態へ移行される期待度が、前記特定終了デモ時間値未満の終了デモ時間値となる特別遊技の実行後に前記入球容易状態へ移行される期待度よりも高い弾球遊技機。
[態様3−2]
前記特定終了デモ時間値は、第1特定終了デモ時間値であり、
前記通常入球状態にて前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなる場合、前記第1特定終了デモ時間値より長い第2特定終了デモ時間値以上の終了デモ時間値となる特別遊技の実行後に前記入球容易状態へ移行される期待度が、前記第1特定終了デモ時間値以上前記第2特定終了デモ時間値未満の終了デモ時間値となる特別遊技の実行後に前記入球容易状態へ移行される期待度よりも高くてもよい。
[態様3−3]
前記通常入球状態にて大当りとなって前記特別遊技が実行される場合、当該特別遊技における遊技者への利益付与の期待度および当該特別遊技の終了後に移行される遊技状態が同等となる特定の複数種の停止図柄に対して異なる終了デモ時間値が定められてもよい。
[態様3−4]
前記入球容易状態にて大当りとなって前記特別遊技が実行される場合、当該特別遊技の終了後に確定的に前記入球容易状態に移行される一方、前記通常入球状態にて大当りとなって前記特別遊技が実行される場合、当該特別遊技の実行契機となった停止図柄の種類が前記入球容易状態への移行を示す場合に前記入球容易状態に移行されてもよい。
[態様4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域の前記第1始動口とは異なる位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値または前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動開始から変動停止までの変動時間が定められた複数種類の変動パターンのいずれかを前記当否判定の結果に応じて選択する変動パターン決定手段と、
前記第1始動口への入球を契機として新たに取得される第1抽選値および前記第2始動口への入球を契機として新たに取得される第2抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで所定個数を上限に保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
所定の移行条件を充足する場合、前記特別遊技の終了後から所定の終期に達するまで前記第2始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、
前記図柄の変動表示に伴い演出的な内容が表示される演出表示装置と、
複数定められる演出モードのいずれかに応じて前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて前記演出表示装置の表示を制御する演出制御手段と、を備え、
前記複数定められる演出モードには、前記通常入球状態にて前記第1抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなって前記入球容易状態へ移行される場合に設定される第1有利モードと、前記入球容易状態にて前記第1抽選値または前記第2抽選値に係る当否判定の結果が大当りとなって前記入球容易状態が継続される場合に設定される第2有利モードと、前記入球容易状態が終了して前記通常入球状態へ移行される際に保留されている一以上の第2抽選値が当該通常入球状態にて全て消化されるまでの間に設定される特殊モードと、が含まれ、
前記特別遊技の終了後に移行される前記入球容易状態の終期は、複数種類定められる終
期のいずれかとなり、
前記変動パターン決定手段は、前記第1有利モードが設定される前記入球容易状態の終期に対応する最後の図柄変動に係る変動パターンとして特定の変動時間が定められた変動パターンを固定的に選択し、前記特殊モードが設定される最後の図柄変動に係る変動パターンとして変動時間が異なりうる複数種類の変動パターンのいずれかを選択し、
前記特殊モードが設定される最後の図柄変動時に当該図柄の変動パターンの種類に応じて異なる演出内容が前記演出表示装置に表示される弾球遊技機。
[態様5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記始動口への入球を契機として新たに取得される抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで所定個数を上限に保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
所定の移行条件を充足する場合、前記特別遊技の終了後から所定の終期に達するまで前記始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、
前記図柄の変動表示に伴い演出的な内容が表示され、前記保留制御手段に保留される抽選値の保留数に対応した数の保留オブジェクトが表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて前記演出表示装置の表示を制御する演出制御手段と、を備え、
前記保留オブジェクトの表示態様の変化を示唆する変化示唆オブジェクトが前記始動口への入球ごとに所定の上限数まで表示され、前記変化示唆オブジェクトの表示結果に応じて前記保留オブジェクトの表示態様が変化し、保留される抽選値に対応する図柄が大当りとなる期待度を示唆する保留変化演出が実行され、
前記保留変化演出が実行される場合、当該保留変化演出の実行時に保留されている抽選値の事前判定結果に基づいて前記始動口への入球ごとに順に表示される変化示唆オブジェクトの表示種類が決定され、前記始動口への入球数に応じて表示された変化示唆オブジェクトの表示種類に基づいて前記保留オブジェクトの表示態様が変化する弾球遊技機。
[態様6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて通常遊技より遊技者に有利な特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記始動口への入球を契機として新たに取得される抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで所定個数を上限に保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記特別遊技の終了後から前記図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで前記始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、
前記図柄の変動表示に伴い演出的な内容が表示される演出表示装置と、
遊技状態に応じて前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて前記演出表示装置の表示を制御する演出制御手段と、を備え、
前記特別遊技の終了後に移行される前記入球容易状態の終期回数は、複数種類定められる終期のいずれかとなり、
前記入球容易状態に移行された場合、当該入球容易状態の終期回数に達するまでの実際の残り変動回数以下に設定される見かけ上の残り変動回数が前記演出表示装置に表示され、新たな図柄変動の開始を契機として見かけ上の残り変動回数が減算表示され、
前記入球容易状態にて所定の報知演出を実行すべき条件が充足された場合、連続する複数回の図柄変動期間にわたって継続表示される所定の演出画像の表示を当該複数回の図柄変動期間の最後の図柄変動中に特定態様に変化させた後、当該最後の図柄変動に係る当否判定の結果が大当りとなることを報知する、または、見かけ上の残り変動回数が実際の残り変動回数を上限として上乗せされることを報知する報知演出が実行される弾球遊技機。
[態様7−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の停止図柄の種類を前記当否判定の結果に応じて決定する図柄決定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が大当りとなった場合、所定の開始デモ時間の経過後に前記大入賞口を所定の基準時間経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放可能とする単位遊技を所定回数行う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記特別遊技の終了後から第1の終期に達するまで前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常確率状態よりも高い確率変動状態へ移行させる確率変動手段と、
前記特別遊技の終了後から第2の終期に達するまで前記始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、
演出的な内容が表示されるとともに、前記遊技領域内の所定の発射目標領域に向けて遊技球を発射すべき旨を指令する案内表示がなされる演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段の決定に基づいて前記演出表示装置の表示を制御する演出制御手段と、を備え、
前記案内表示の表示過程として、前記案内表示の表示時間、表示態様および指令される発射目標領域の組合せが異なるように定められる複数種類の案内表示パターンが定められ、
前記演出決定手段は、前記特別遊技が実行される場合に表示する前記案内表示として前記複数種類の案内表示パターンのいずれかを当該特別遊技の開始前の遊技状態および当該特別遊技の実行契機となった停止図柄の種類に応じて選択し、
前記特別遊技が実行される場合、選択された案内表示パターンの種類に応じて前記特別遊技の開始、前記単位遊技の開始または前記大入賞口への入球を契機として、前記案内表示の開始または終了が可能である弾球遊技機。
[態様7−2]
前記演出決定手段は、前記図柄が変動表示される場合に表示する前記案内表示として前
記複数種類の案内表示パターンのいずれかを当該図柄変動中の遊技状態および当該図柄変動の開始前の遊技状態に応じて選択し、
前記図柄が変動表示される場合、選択された案内表示パターンの種類に応じて当該図柄の変動開始または当該図柄変動中の前記始動口への入球を契機とした前記案内表示の開始または終了が可能であってもよい。