JP2020092695A - Brdc予兆検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】BRDCの予兆を検知するBRDC予兆検知システムを提供する。【解決手段】BRDC予兆検知システム100は、肥育に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータと、肥育に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータとを取得する取得部と、取得した前記所定期間における状態を示すデータと、BRDCを発症したか否かを示す情報との対応関係を機械学習する機械学習部と、前記対応関係を機械学習することで生成される学習済みモデルに、新たな牛の前記所定期間における状態を示すデータを入力することで、該新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する推論部とを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、BRDC予兆検知システムに関する。
一般に、畜産牛における飼育から販売までの流れは、複数の工程に大別される(例えば、牧草飼育の工程、肥育の工程、加工の工程等)。このうち、Feedlot(肥育場)は、一定の区域内で行われるため、牛が牛呼吸器病(BRDC:Bovine Respiratory Disease Complex)に感染しやすいといった問題がある。
これに対して、例えば、下記非特許文献1には、BRDCに感染した牛のうち、BRDCを実際に発症した牛を自動検知するシステムが提案されている。当該システムによれば、BRDCを発症した牛をいち早く特定することができる。
Cargill、"Cargill brings facial recognition capability to farmers through strategic equity investment in Cainthus"、[online]、2018年1月31日、[2018年7月31日検索]、インターネット(URL:https://www.cargill.com/2018/cargill-brings-facial-recognition-capability-to-farmers)
一方で、牛がBRDCを発症する前に、その予兆を捉えて処置することができれば、BRDCの発症や重症化に伴って生じる様々なコストを低減できると考えられる。
一つの側面では、BRDCの予兆を検知するBRDC予兆検知システムを提供することを目的としている。
一態様によれば、BRDC予兆検知システムは、
肥育に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータと、肥育に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータとを取得する取得部と、
取得した前記所定期間における状態を示すデータと、BRDCを発症したか否かを示す情報との対応関係を機械学習する機械学習部と、
前記対応関係を機械学習することで生成される学習済みモデルに、新たな牛の前記所定期間における状態を示すデータを入力することで、該新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する推論部とを有することを特徴とする。
BRDCの予兆を検知するBRDC予兆検知システムを提供することが可能となる。
BRDC予兆検知システムのシステム構成の一例を示す図である。 牛に装着されるセンサと、センサが装着される位置とを示す図である。 肥育場における撮像装置群の配置例を示す図である。 検知装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 BRDC予兆検知システム全体の処理の流れを示すシーケンス図である。 学習装置及び検知装置の機能構成の一例を示す第1の図である。 実験データ処理部の詳細を示す図である。 学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第1の図である。 学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第2の図である。 学習部の詳細を示す第1の図である。 予兆検知用データ格納部に格納される予兆検知用データの一例を示す第1の図である。 予兆検知部の詳細を示す第1の図である。 学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第3の図である。 検知結果画面の一例を示す図である。 学習装置及び検知装置の機能構成の一例を示す第2の図である。 学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第4の図である。 学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第5の図である。 学習部の詳細を示す第2の図である。 予兆検知用データ格納部に格納される予兆検知用データの一例を示す第2の図である。 予兆検知部の詳細を示す第2の図である。 学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第6の図である。 学習部の詳細を示す第3の図である。 予兆検知部の詳細を示す第3の図である。
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
[第1の実施形態]
<BRDC予兆検知システムのシステム構成>
はじめに、BRDC予兆検知システムのシステム構成について説明する。図1は、BRDC予兆検知システムのシステム構成の一例を示す図である。
BRDC予兆検知システム100は、肥育の工程において、肥育場140内の各牛のBRDC発症の予兆を検知するシステムである。
図1に示すように、BRDC予兆検知システム100は、検知装置110と、学習装置111と、撮像装置群130と、中継器131(及び中継器に無線接続されるセンサ)と、端末装置150と、端末装置160とを有する。BRDC予兆検知システム100において、検知装置110は、ネットワーク120を介して、撮像装置群130、中継器131、端末装置150、端末装置160と通信可能に接続される。
検知装置110は、撮像装置群130により撮影された画像データを受信したり、牛に装着されたセンサにより測定された測定データを、中継器131を介して受信する。また、検知装置110は、受信した画像データ及び測定データ(以下、Feedlotデータと称す)に基づいて、各牛のBRDC発症の予兆を検知する。
また、検知装置110は、BRDC発症の予兆を検知した場合に、当該牛に対して行う処置を判定する。判定の結果、当該牛に対して投薬処置を行う場合には、端末装置150に対して投薬指示を出力する。また、判定の結果、当該牛に対して隔離処置を行う場合には、端末装置160に対して隔離指示を行う。
学習装置111は、検知装置110がBRDC発症の予兆を検知する際に用いる学習済みモデルを生成し、検知装置110に提供する。学習装置111は、実験場112内の実験牛について、BRDC感染からBRDC発症までの間に撮影された画像データ、及び、測定された測定データ(以下、実験データと称す)を収集し、機械学習を行うことで学習済みモデルを生成する。
また、学習装置111は、肥育場140内の牛について、検知装置110が収集したFeedlotデータに基づいて、生成した学習済みモデルを修正する。
撮像装置群130は、肥育場140の周囲に配置され、肥育場140内の牛を撮影する。また、撮像装置群130は、撮影した画像データをネットワーク120を介して検知装置110に送信する。
中継器131は、肥育場140内の牛に装着されたセンサが測定した測定データを、無線通信により受信し、受信した測定データを、ネットワーク120を介して検知装置110に送信する。
端末装置150は、肥育場140内の各牛を管理する肥育管理者によって携行される端末であり、検知装置110から投薬指示があった場合に、肥育管理者に報知する。これにより、肥育管理者は、投薬指示があった牛を特定して、投薬処置を施す。
端末装置160は、肥育場140内の各牛を管理する他の肥育管理者によって携行される端末であり、検知装置110から隔離指示があった場合に、当該他の肥育管理者に報知する。これにより、他の肥育管理者は、隔離指示があった牛を特定し、肥育場140から療養場182へと移送することで、隔離処置を施す。
なお、図1には、BRDC予兆検知システム100以外の装置及び肥育の工程以外の牛の移送についても示されている。このうち、端末装置181は、放牧場180にて牧草飼育されている牛を管理することで得られた放牧データを、ネットワーク120を介して検知装置110に送信する。
放牧場180で牧草飼育された各牛は、牧草飼育の工程が終了すると、肥育場140に移送され、肥育場140にて、肥育の工程が開始される。肥育場140への移送時には、各牛のチェックが行われ、発育状態によっては放牧場180に戻される。また、BRDCに感染またはBRDCを発症している牛については、療養場182に移送される。
一方で、肥育場140にて肥育の工程が開始された各牛は、肥育の工程に要する期間(肥育に要する期間)が経過し、肥育の工程が終了すると、加工業者183に移送される。端末装置184は、肥育の工程が終了し、加工業者183に移送された各牛を管理する。具体的には、端末装置184は、移送された各牛が加工業者183により加工され、出荷されるまでの間に得られたデータを収集し、加工データとして検知装置110に送信する。
<センサについての説明>
次に、肥育場140の各牛に装着されるセンサについて説明する。図2は、牛に装着されるセンサと、センサが装着される位置とを示す図である。
図2(a)に示すように、肥育場140内の牛には、牛ごとに異なるセンサIDが付されたセンサが装着される。図2(a)の例は、牛ID="001"の牛に装着される、センサID="001"のセンサを示している。
各牛に装着されるセンサには、複数の測定素子群が含まれ、測定項目により、"加速度"、"温度"、"音声"に分類される。また、各牛に装着されるセンサは、測定項目ごとに測定部位が定められており、それぞれの測定部位に、測定素子が装着される。
例えば、"加速度"の測定は、牛の"頭部"と"腹部"について行われ、それぞれの部位に、"加速度センサ1"と"加速度センサ2"とが装着される。また、"温度"の測定は、牛の"首部"について行われ、当該部位に、"温度センサ"が装着される。更に、"音声"の測定は、牛の"腹部"について行われ、当該部位に、"音声センサ"が装着される。
図2(b)は、センサに含まれる複数の測定素子群の装着例を示している。図2(b)において、装着具201は牛の頭部に装着され、牛の頭部における各種測定を行う。図2(a)の例によれば、装着具201には"加速度センサ1"が搭載される。また、装着具202は牛の首部に装着され、牛の首部における各種測定を行う。図2(a)の例によれば、装着具202には"温度センサ"が搭載される。更に、装着具203は牛の腹部に装着され、牛の腹部における各種測定を行う。図2(a)の例によれば、装着具203には"加速度センサ2"と"音声センサ"とが搭載される。
なお、センサにより測定された測定データは、不図示の送信機により、センサIDと対応付けて、所定の周期で中継器131に送信される。これにより、検知装置110では、所定の周期で、センサIDと対応付けられた測定データ(加速度データ1、加速度データ2、温度データ、音声データ)を受信することができる。
<撮像装置群の配置例>
次に、肥育場140における撮像装置群130の配置例について説明する。図3は、肥育場における撮像装置群の配置例を示す図である。図3の例は、撮像装置群130として、肥育場140の周囲に5台の撮像装置310、320、330、340、350を配置した様子を示している。
図3に示すように、撮像装置310、320、330、340、350は、それぞれ、架台311、321、331、341、351に設置され、肥育場140内のすべての領域が撮影できるように、幅方向の撮像範囲が定められている。また、撮像装置310、320、330、340、350は、牛の立位状態から横臥状態までが撮影できるように、高さ方向の撮像範囲が定められている。
なお、撮像装置310、320、330、340、350は、全て可視光線を検知する可視光カメラであってもよいし、一部が、赤外線を検知する赤外線カメラであってもよい。また、架台311、321、331、341、351は、固定式の架台であってもよいし、可動式の架台(パン、チルト、ロール方向に動く架台)であってもよい。
また、図3の例では、紙面の都合上、5台の撮像装置のみを示したが、肥育場140に配置される撮像装置の数は、5台に限定されない。
<検知装置及び学習装置のハードウェア構成>
次に、検知装置110及び学習装置111のハードウェア構成について説明する。なお、検知装置110と学習装置111とは、概ね同じハードウェア構成を有しているため、ここでは、検知装置110のハードウェア構成について説明する。
図4は、検知装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、検知装置110は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403を有する。CPU401、ROM402、RAM403は、いわゆるコンピュータを形成する。また、検知装置110は、補助記憶装置404、操作装置405、表示装置406、通信装置407、ドライブ装置408を有する。なお、検知装置110の各ハードウェアは、バス409を介して相互に接続される。
CPU401は、補助記憶装置404にインストールされた各種プログラム(例えば、後述する予兆検知プログラム等)を実行する。
ROM402は、不揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。ROM402は、補助記憶装置404にインストールされた各種プログラムをCPU401が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する。具体的には、ROM402はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する。
RAM403は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。RAM403は、補助記憶装置404にインストールされた各種プログラムがCPU401によって実行される際に展開される、作業領域を提供する。
補助記憶装置404は、各種プログラムや、各種プログラムがCPU401によって実行されることで収集されるデータ、収集されたデータが処理されることで生成されるデータ等を格納する。例えば、後述する予兆検知用データ格納部は補助記憶装置404において実現されるものとする。
操作装置405は、検知装置110の管理者が検知装置110に対して各種指示を入力する際に用いる入力デバイスである。表示装置406は、検知装置110の管理者に各種情報を表示する表示デバイスである。
通信装置407は、ネットワーク120に接続し、各装置(撮像装置群130、中継器131、端末装置150、端末装置160、端末装置181、端末装置184等)と通信するための通信デバイスである。
ドライブ装置408は記録媒体410をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体410には、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体410には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
なお、補助記憶装置404にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体410がドライブ装置408にセットされ、該記録媒体410に記録された各種プログラムがドライブ装置408により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置404にインストールされる各種プログラムは、ネットワーク120を介してダウンロードされることで、インストールされてもよい。
<BRDC予兆検知システムによる処理の流れ>
次に、BRDC予兆検知システム100全体の処理の流れについて、図5を用いて説明する。図5は、BRDC予兆検知システム全体の処理の流れを示すシーケンス図である。
図5に示すように、BRDC予兆検知システム100の処理は、学習フェーズと、予兆検知及び学習フェーズと、予兆検知フェーズとに分けることができる。
このうち、学習フェーズは、検知装置110がBRDC発症の予兆を検知する際に用いる学習済みモデルを生成するフェーズである。また、予兆検知及び学習フェーズは、学習済みモデルを用いて、検知装置110がBRDC発症の予兆を検知するとともに、学習済みモデルを修正するフェーズである。更に、予兆検知フェーズは、修正された学習済みモデルを用いて、検知装置110がBRDC発症の予兆を検知するフェーズである。
図5に示すように、学習フェーズが開始されると、ステップS501において、学習装置111では、実験場112の牛の監視を開始し、実験データを収集する。なお、図1においては図示しなかったが、実験場112においても、肥育場140と同様のシステムが再現されているものとする。つまり、学習装置111は、実験牛を撮影した画像データ及び実験牛に装着されたセンサにより測定された測定データを、実験データとして収集することができるものとする。
ステップS502において、実験者は、実験場112の各実験牛に、BRDCの原因となるウィルスまたは細菌を投与し、各実験牛をBRDCに感染させる。
ステップS503において、実験者は、BRDCに感染した各実験牛の中から、BRDCを発症した実験牛、及び、発症したBRDCが重症化した実験牛を判定する。各実験牛がBRDCを発症したか否かの判定及び重症化したか否かの判定は、例えば、実験者が日々のクリニカルスコアを判断し、クリニカルスコアがそれぞれ所定の閾値を超えたか否かに基づいて行われるものとする。
具体的には、BRDCを発症した牛は、食欲低下、咳、鼻水、高熱といった症状が出現するため、これらを複合的に判断することで、BRDCを発症したことを判定する。また、BRDCが重症化した牛は、BRDC発症時よりも更に症状が重くなり、衰弱、咳、呼吸困難、極端な体重増加抑制、といった症状が出現するため、これらを複合的に判断することで、BRDCが重症化したことを判定する。なお、各実験牛がBRDCを発症したか否かの判定結果及び重症化したか否かの判定結果は、実験データと対応付けて学習装置111に入力される。
ステップS504において、学習装置111は、実験データと判定結果とを用いて学習用データ(詳細は図8A、8Bを用いて後述)を生成し、解析を行う。学習装置111では、例えば、学習用データを用いて学習モデルを機械学習させることで、学習用データの解析を行う。
ステップS505において、学習装置111は、学習用データの解析を行ったことで、学習済みモデルを生成する。
ステップS506において、検知装置110は、学習装置111により生成された学習済みモデルをインストールする。検知装置110への学習済みモデルのインストールが完了すると、BRDC予兆検知システム100は、予兆検知及び学習フェーズに移行する。
予兆検知及び学習フェーズに移行すると、まず、ステップS511において、肥育場140に、放牧場180から各牛が移送される。
ステップS512において、肥育場140の肥育管理者は、放牧場180から移送された各牛の状態をチェックする。
ステップS513において、検知装置110は、肥育場140の各牛の監視を開始することで、Feedlotデータの収集を開始する。
ステップS514において、肥育場140の肥育管理者は、状態が良好な各牛について肥育の工程を開始する。
ステップS515において、検知装置110は、肥育場140において肥育の工程が開始された各牛について、現時点でのFeedlotデータを用いて、BRDC発症の予兆検知を行う。
ステップS516において、肥育場140の肥育管理者は、BRDC発症の予兆が検知された牛について、隔離処置や投薬処置を行う。
ステップS517において、肥育場140では、肥育の工程に要する期間が経過したことで、肥育の工程を終了する。
ステップS518において、肥育場140の肥育管理者は、各牛の状態を判定する。また、検知装置110は、肥育場140の肥育管理者によって判定された判定結果と、予兆検知に用いられた予兆検知用データ(詳細は図10を用いて後述)とを用いて学習用データ(詳細は図12を用いて後述)を生成し、学習装置111に送信する。
ステップS519において、学習装置111は、検知装置110より送信された学習用データを用いて、再度、学習モデルを機械学習させる。これにより、学習装置111では、学習済みモデルを修正する。
ステップS520において、検知装置110は、学習装置111により修正された学習済みモデルをインストールする。修正された学習済みモデルのインストールが完了すると、BRDC予兆検知システム100は、予兆検知フェーズに移行する。
予兆検知フェーズに移行すると、ステップS531において、肥育場140には、放牧場180から次の各牛が移送される。
ステップS532において、肥育場140の肥育管理者は、放牧場180から移送された次の各牛の状態をチェックする。
ステップS533において、検知装置110は、肥育場140の各牛の監視を開始することで、Feedlotデータの収集を開始する。
ステップS534において、肥育場140の肥育管理者は、チェックの結果、状態が良好な各牛について肥育の工程を開始する。
ステップS535において、検知装置110は、肥育場140において肥育の工程が開始された各牛について、現時点でのFeedlotデータに基づいて生成した予兆検知用データを用いて、BRDC発症の予兆検知を行う。
ステップS536において、肥育場140の肥育管理者は、BRDC発症の予兆が検知された牛について、隔離処置や投薬処置を行う。
ステップS537において、肥育場140では、肥育の工程に要する期間が経過したことで、肥育の工程を終了する。
<学習装置及び検知装置の機能構成>
次に、学習装置111及び検知装置110の機能構成について説明する。図6は、学習装置及び検知装置の機能構成の一例を示す第1の図である。
学習装置111には、学習用プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、学習装置111は、実験データ収集部610、実験データ処理部611、学習用データ収集部612、学習部613として機能する。
実験データ収集部610は、実験場112より送信された画像データ及び測定データを、実験データとして収集する。また、実験データ収集部610は、実験牛がBRDCを発症したか否かの判定結果及び重症化したか否かの判定結果(BRDCを発症したか否かを示す情報)を、実験データと対応付けて取得する。
実験データ処理部611は処理部の一例であり、収集した実験データより特徴量を抽出し、抽出した特徴量を解析することで、個体ごとに学習用データを生成する。
学習用データ収集部612は取得部の一例である。学習用データ収集部612は、学習フェーズにあっては、実験データ処理部611において生成された学習用データ(対応する判定結果を含む)を、学習用データ格納部614に格納する。
また、学習用データ収集部612は、予兆検知及び学習フェーズにあっては、検知装置110において生成された学習用データ(対応する判定結果を含む)を、学習用データ格納部614に格納する。
学習部613は、学習フェーズにあっては、例えば、学習用データ格納部614に格納された学習用データを用いて、学習モデルについて機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。なお、生成した学習済みモデルは、検知装置110に提供され、予兆検知部624にインストールされる。
また、学習部613は、予兆検知及び学習フェーズにあっては、学習用データ格納部614に新たに格納された学習用データを用いて、再度、学習モデルについて機械学習を行い、学習済みモデルを修正する。なお、修正した学習済みモデルは、再び、検知装置110に提供され、予兆検知部624にインストールされる。
一方、検知装置110には、予兆検知プログラムがインストールされている。検知装置110は、当該プログラムが実行されることで、フィードロットデータ収集部621、フィードロットデータ処理部622、予兆検知部624、第1出力部625として機能する。
フィードロットデータ収集部621は、肥育場140より送信された画像データ及び測定データを、Feedlotデータとして収集する。
フィードロットデータ処理部622は処理部の一例であり、収集したFeedlotデータより特徴量を抽出し、抽出した特徴量を解析することで、個体ごとに予兆検知用データを生成し、予兆検知用データ格納部623に格納する。
予兆検知部624は、例えば、学習部613より提供された学習済みモデルを有する。予兆検知部624は、予兆検知用データ格納部623より読み出した予兆検知用データを用いて、当該学習済みモデルを実行させ、BRDC発症の予兆を検知する。
また、予兆検知部624は、BRDC発症の予兆を検知した場合、第1出力部625に通知する。
第1出力部625は、予兆検知部624より、BRDC発症の予兆を検知したことが通知されると、当該牛を特定するための情報を出力し、検知装置110の管理者に、BRDC発症の予兆が検知された牛を報知する。
なお、図6には明示していないが、検知装置110は、
・予兆検知用データ格納部623に格納された予兆検知用データと、
・肥育場140の肥育管理者により判定された判定結果と、
を用いて、学習用データ(詳細は図12を用いて後述)を生成する機能を有しているものとする。
<学習装置の各部の詳細>
次に、学習装置111の各部(ここでは、実験データ処理部611、学習部613)の詳細について説明する。
(1)実験データ処理部の詳細
はじめに、学習装置111の実験データ処理部611の詳細について説明する。図7は、実験データ処理部の詳細を示す図である。図7に示すように、実験データ処理部611は、特徴量抽出部710、行動データ解析部720、非行動データ解析部730、バイタルデータ解析部740を有する。
特徴量抽出部710は、実験データに含まれる画像データ(画像データ1〜画像データn)より特徴量を抽出する。また、特徴量抽出部710は、実験データに含まれる測定データ(加速度データ1、加速度データ2、温度データ、音声データ)より特徴量を抽出する。
なお、特徴量抽出部710により抽出される特徴量には種々の特徴量が含まれる。一例として、各牛の足元の位置を示す位置座標が挙げられる。当該特徴量を算出することで、例えば、牛の行動データの一つである、歩く(あるいは走る)を解析し、歩行距離(または歩行回数)や走行距離(または走行回数)等を算出することができる。
行動データ解析部720は、特徴量抽出部710において抽出された特徴量を解析することで、行動データ750を生成する。図7に示すように、行動データ解析部720により生成される行動データ750には、例えば、1日あたりの採食回数、1日あたりの歩行距離(または歩行回数)、1日当たりの走行距離(または走行回数)が含まれる。
また、行動データ解析部720により生成される行動データ750には、例えば、1日あたりの佇立休息の回数(または時間)、1日あたりの佇立反芻の回数、1日あたりの横臥休息の回数(または時間)、1日あたりの横臥反芻の回数が含まれる。
更に、行動データ解析部720により生成される行動データ750には、例えば、1日あたりの飲水の量(または回数)、1日あたりの塩なめの量(または回数)、発情の有無等が含まれる。
非行動データ解析部730は、特徴量抽出部710において抽出された特徴量を解析することで、非行動データ760を生成する。図7に示すように、非行動データ解析部730により生成される非行動データ760には、例えば、不活化度が含まれる。不活化度は、牛の動きが本来の動きからどの程度低下したかの度合いを示す指標である。
バイタルデータ解析部740は、特徴量抽出部710において抽出された特徴量を解析することで、バイタルデータ770を生成する。図7に示すように、バイタルデータ解析部740により生成されるバイタルデータ770には、例えば、単位時間ごとの肺音の大きさ、単位時間ごとの体温、単位時間ごとの呼吸数が含まれる。
また、バイタルデータ解析部740により生成されるバイタルデータ770には、例えば、鼻汁の有無、体重等が含まれる。
学習装置111の実験データ処理部611は行動データ750、非行動データ760、バイタルデータ770(牛の状態を示すデータ)を用いて学習用データを生成し、学習用データ格納部614に格納する。
図8A、図8Bは、学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第1及び第2の図である。図8A、図8Bに示すように、学習用データ800は、ヘッダ情報の項目として、"識別データ"、"結果データ"を含む。
図8Aの例は、識別データとして実験牛ID="1001"が割り振られたことを示している。一方、図8Bの例は、識別データとして実験牛ID="1002"が割り振られたことを示している。
また、図8Aの例は、結果データとして、"判定結果:BRDC発症(発症時期:XX日目)、重症化(重症化時期:YY日目)"が記録されたことを示している。一方、図8Bの例は、結果データとして、"判定結果:BRDC発症せず"が記録されたことを示している。このように、学習用データ格納部614には、BRDCを発症した牛についての学習用データ800とBRDCを発症しなかった牛についての学習用データ800'の両方が格納される。
また、図8A、図8Bに示すように、学習用データ800は、本体情報の項目として、"データ項目"と、"時系列データ"とを含む。
"データ項目"には、実験データ処理部611により生成される行動データ750、非行動データ760、バイタルデータ770の各データ項目が格納される。
"時系列データ"には、実験データ処理部611により生成される、行動データ750、非行動データ760、バイタルデータ770に含まれる各データ項目の時系列データが格納される。
なお、図8A、図8Bにおいて"時系列データ"に重ねて図示した破線810は、実験牛ID="1001"、"1002"の実験牛が、実験場112に運び込まれたタイミングを示している。また、図8A、図8Bにおいて"時系列データ"に重ねて図示した破線830は、実験牛に、BRDCの原因となるウィルスまたは細菌を投与し、実験牛ID="1001"、"1002"の実験牛を、BRDCに感染させたタイミングを示している。つまり、矢印820で示す期間は、実験牛ID="1001"、"1002"の実験牛が、実験場112において健康な状態(BRDCに感染していない状態)にある期間ということができる。
また、図8Aにおいて"時系列データ"に重ねて図示した破線850は、BRDCに感染させたタイミングから所定期間(矢印840参照)経過後のタイミングを示している。なお、ここでいう所定期間とは、実験牛ID="1001"の実験牛が、最終的に、BRDCを発症し重症化したと判定されるまでの期間よりも短い期間を指す。BRDCを発症した牛の場合、後述する学習部613では、学習済みモデルの生成に際して、時系列データのうち、矢印840で示す所定期間内の時系列データを用いる。
このように、BRDCを発症する前の時系列データを用いるのは、仮に、BRDCを発症した後の時系列データを用いたとすると、BRDCの発症前にBRDCの発症を予兆する精度が低下してしまう懸念があるためである。換言すると、BRDCを発症する前の時系列データを用いることで、BRDCの発症を予兆する精度を向上させることができる。
一方、図8Bにおいて、"時系列データ"に重ねて図示した破線850は、BRDCに感染させたタイミングから所定期間(矢印840参照)経過後のタイミングを示している。なお、ここでいう所定期間とは、実験牛ID="1002"の実験牛が、BRDCを発症することなく、肥育の工程が完了し、時系列データの取得が完了するまでの期間を指す。肥育の工程が完了した時点でBRDCを発症しなかった牛の場合、後述する学習部613では、学習済みモデルの生成に際して、時系列データのうち、矢印840で示す所定期間内の時系列データを用いる。
更に、図8Aにおいて"時系列データ"に重ねて図示した破線860は、実験牛ID="1001"の実験牛が、BRDCを発症したと判定されたタイミングを示している。
更に、図8Aの"時系列データ"に重ねて図示した破線870は、実験牛ID="1001"の実験牛が、重症化したと判定されたタイミングを示している。
なお、図8A、図8Bでは、学習フェーズにおいて学習用データ格納部614に格納される学習用データについて示したが、予兆検知及び学習フェーズにおいて学習用データ格納部614に格納される学習用データも同様の構成を有しているものとする。
(2)学習部の詳細
次に、学習装置111の学習部613の詳細について説明する。図9は、学習部の詳細を示す第1の図である。学習部613は、予兆検知部624にインストールされる、学習済みモデルを生成する。
図9に示すように、学習部613は、学習モデル901、比較変更部902を有する。
学習モデル901は機械学習部の一例であり、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)ベースの学習モデルである。学習モデル901は、学習用データ格納部614から読み出した学習用データ(例えば、学習用データ800、800')の時系列データ(所定期間)が入力されることで処理を実行する。これにより、学習モデル901は、出力結果(BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発症せず)を比較変更部902に出力する。
比較変更部902は、学習モデル901が機械学習を行うための誤差を算出する。具体的には、比較変更部902は、
・学習モデル901より出力された出力結果(BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発症せず)と、
・学習用データ格納部614から読み出した学習用データの"結果データ"の項目に含まれる判定結果(BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発症せず)と、
を比較することで誤差を算出する。また、比較変更部902は、算出した誤差に基づいて学習モデル901内のモデルパラメータを変更することで、学習モデル901について機械学習を行う。
図9に示す学習部613では、学習用データ格納部614に格納された、全ての実験牛についての学習用データを用いて、学習モデル901について機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する。
なお、学習用データ800、800'の例では、判定結果として、BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発生せず、が含まれるものとして説明した。しかしながら、判定結果には、これらのうちのいずれか1つまたは複数のみが判定結果に含まれていてもよい。
<検知装置の各部の詳細>
次に、検知装置110の各部(ここでは、フィードロットデータ処理部622、予兆検知部624、第1出力部625)の詳細について説明する。
(1)フィードロットデータ処理部の詳細
はじめに、検知装置110のフィードロットデータ処理部622の詳細について説明する。なお、フィードロットデータ処理部622の処理内容は、学習装置111の実験データ処理部611の処理内容と概ね同じである。このため、ここでは、フィードロットデータ処理部622より出力され、予兆検知用データ格納部623に格納される予兆検知用データについて説明する。
図10は、予兆検知用データ格納部に格納される予兆検知用データの一例を示す第1の図である。図10に示すように、予兆検知用データ1001は、ヘッダ情報の項目として、"識別データ"を含む。
図10の例は、識別データとして牛ID="001"が割り振られたことを示している。
また、図10に示すように、予兆検知用データ1001は、本体情報の項目として、"データ項目"と、"時系列データ"とを含む。
"データ項目"には、フィードロットデータ処理部622より出力される、行動データ、非行動データ、バイタルデータの各データ項目が格納される。
"時系列データ"には、フィードロットデータ処理部622より出力される、行動データ、非行動データ、バイタルデータに含まれる各データ項目の時系列データが格納される。
なお、図10において"時系列データ"に重ねて図示した破線1010は、牛ID="001"の牛が、肥育場140に移送され、状態チェックが開始されたタイミングを示している。また、図10において"時系列データ"に重ねて図示した破線1030は、牛の状態チェックが完了したタイミングを示している。つまり、矢印1020は、牛ID="001"の牛が健康な状態(BRDCに感染していない状態)にある期間ということができる。
また、図10において"時系列データ"に重ねて図示した破線1050は、肥育場140で肥育の工程を開始してから所定期間(矢印1040)が経過した後のタイミングを示している。なお、図10の矢印1040で示す所定期間は、図8Aの矢印840で示した所定期間と概ね同じ長さである。予兆検知及び学習フェーズ、予兆検知フェーズでは、当該所定期間(矢印1040)を予兆監視期間と称し、当該予兆監視期間内の時系列データを、予兆監視データと称する。
(2)予兆検知部の詳細
次に、検知装置110の予兆検知部624の詳細について説明する。図11は、予兆検知部の詳細を示す第1の図である。図11に示すように、予兆検知部624は、学習済みモデル1101を有する。
学習済みモデル1101は推論部の一例であり、学習部613により生成される。学習済みモデル1101は、予兆検知用データ格納部623から読み出した予兆検知用データ(例えば、予兆検知用データ1001)の時系列データ(予兆監視期間)が入力されることで、BRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する。
なお、BRDCを発症するか否かを示す情報には、BRDCを発症することを示す情報と、BRDCを発症しないことを示す情報とが含まれ、いずれかが出力される。また、BRDCを発症することを示す情報を出力するとは、例えば、図9の学習モデル901を構成するCNNの出力層において"BRDC発症"または"BRDC発症、重症化"を含むノードが、推論結果として出力されることを指す。また、BRDCを発症しないことを示す情報を出力するとは、例えば、図9のCNNの出力層において、"BRDC発症せず"を含むノードが、推論結果として出力されることを指す。
学習済みモデル1101には、所定周期ごと(例えば、3時間ごと)に、予兆検知用データの時系列データが入力される。これにより、学習済みモデル1101では、所定周期ごとに、BRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する。つまり、第1の実施形態において、
・"BRDC発症の予兆を検知する"、または、
・"BRDC発症の予兆を検知したことを通知する"、
とは、学習済みモデル1101が、BRDCを発症することを示す情報を、推論結果として出力することに他ならない。
なお、検知装置110は、予兆検知及び学習フェーズにあっては、予兆検知に用いられた予兆検知用データ及び肥育の工程終了後に肥育管理者により判定された判定結果を用いて学習用データを生成し、学習用データ収集部612に送信する。これにより、検知装置110において生成された学習用データが、学習用データ格納部614に格納される。
図12は、学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第3の図である。図12に示すように、予兆検知用データ1001には、対応する牛(牛ID=001)の結果データ1201が対応付けられ、個体ごとに学習用データが生成される。
図12の例は、"判定結果:BRDC発症(発症時期:XX日目)、重症化(重症化時期:YY日目)"が記載された結果データ1201が、予兆検知用データ1001に対応付けられたことを示している。
(3)第1出力部の詳細
次に、検知装置110の第1出力部625の処理の詳細として、第1出力部625により生成される表示画面の一例である、検知結果画面について説明する。図13は、検知結果画面の一例を示す図である。
第1出力部625は、予兆検知部624より、BRDC発症の予兆を検知したことが通知されると、検知結果画面1300を生成し、表示装置406に表示する。
図13に示すように、検知結果画面1300には、BRDC発症の予兆を検知した旨のメッセージが含まれる。また、検知結果画面1300には、BRDC発症の予兆が検知された牛を特定するための、牛IDが含まれる。更に、検知結果画面1300には、BRDC発症の予兆が検知された日時、検知時の牛の体温、体重等が含まれる。
なお、図13には明示していないが、検知結果画面1300には、BRDC発症の予兆が検知された牛の現在位置が含まれていてもよい。
<BRDC予兆検知システムの効果>
次に、BRDC予兆検知システム100の効果について説明する。上述したように、BRDC予兆検知システム100によれば、BRDC発症前に予兆を検知することが可能になる。この結果、牛の廃棄に伴う損失を低減することが可能になる。発症または重症化する前の早い段階で検知して処置を施すことで、重症化する牛の絶対量を減らすことができるからである。
また、出荷遅れに伴う肥育コストの上昇を抑えることが可能になる。発症または重症化する前の早い段階で検知して処置を施すことで、体重が減った牛の回復までの期間を短くすることができるからである。
更に、処置費を削減することが可能になる。発症または重症化する前の早い段階で検知して処置を施すことで、発症または重症化した後の牛に対して処置を施す場合と比較して、投薬回数を減らし、治療コストを削減することができるからである。また、発症しても自然回復する牛を投薬前に見分けることができるからである。
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係るBRDC予兆検知システム100は、
・肥育の工程に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データ)を取得する。また、肥育の工程に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データ)を取得する。
・取得した所定期間における状態を示すデータと、BRDCを発症したか否かを示す情報との対応関係を機械学習する。
・対応関係を機械学習することで生成される学習済みモデルに、新たな牛の所定期間における状態を示すデータを入力することで、当該新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する。
これにより、第1の実施形態によれば、BRDCを発症していない早い段階で、BRDC発症の予兆を検知することができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、学習モデル901に時系列データを入力するものとして説明した。しかしながら、学習モデル901に入力するデータは、時系列データに限定されない。
例えば、時系列データに代えて、時系列データを加工した加工データを入力してもよい。第2の実施形態では、加工データとして、時系列データの基準データからの変化量を算出し、当該変化量を学習モデル901に入力する。
また、時系列データに加えて、時系列データ以外のデータを入力してもよい。第2の実施形態では、時系列データ以外のデータとして、事前データ(実験牛が実験場112に運び込まれる前の飼育に関するデータ)を取得し、当該事前データを学習モデル901に入力する。
以下、第2の実施形態の詳細について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
<学習装置及び検知装置の機能構成>
はじめに、学習装置111及び検知装置110の機能構成について説明する。図14は、学習装置及び検知装置の機能構成の一例を示す第2の図である。
図6との相違点は、図14の学習装置111の場合、放牧データ収集部1410としても機能する点である。また、図14の学習装置111の場合、学習用データ収集部1401及び学習部1403の機能が、図6で示した学習用データ収集部612及び学習部613の機能とは異なる点である。
また、図6との相違点は、図14の検知装置110の場合、放牧データ収集部1421、肥育データ生成部1425、第2出力部1426としても機能する点である。また、図14の検知装置110の場合、予兆検知部1424の機能が、図6で示した予兆検知部624の機能とは異なる点である。
学習装置111において、放牧データ収集部1410は、事前データ(実験牛が実験場112に運び込まれる前の飼育に関するデータ)を収集し、当該事前データを学習用データ収集部1401に格納する。なお、本実施形態において、事前データとは、放牧場180にて牧草飼育されている牛を管理することで得られた放牧データ(遺伝情報、過去の病歴、牛の生年月日、産地等)を指すものとする。放牧データ収集部1410では、ネットワーク120を介して、端末装置181より、放牧データを収集する。
学習用データ収集部1401は取得部の一例である。学習用データ収集部1401は、学習フェーズにあっては、実験データ処理部611において生成された学習用データ(対応する判定結果を含む)を、学習用データ格納部1402に格納する。このとき、学習用データ収集部1401では、対応する放牧データを放牧データ格納部1411より読み出し、学習用データに含めて学習用データ格納部1402に格納する。
また、学習用データ収集部1401は、予兆検知及び学習フェーズにあっては、検知装置110において生成された学習用データ(対応する判定結果、対応する放牧データを含む)を、学習用データ格納部1402に格納する。
学習部1403は、学習フェーズにあっては、例えば、学習用データ格納部1402に格納された学習用データを用いて、学習モデルについて機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。なお、学習部1403の場合、時系列データに代えて、時系列データの基準データからの変化量を、学習モデル901に入力する。また、学習部1403の場合、時系列データに加えて、放牧データを学習モデル901に入力する。
一方、検知装置110において、放牧データ収集部1421は、学習装置111の放牧データ収集部1410と同様に、放牧データを収集し、放牧データ格納部1422に格納する。なお、放牧データ格納部1422に格納された放牧データのうち、肥育場140にて肥育の工程が開始された牛の放牧データについては、対応する予兆検知用データに含めて予兆検知用データ格納部1423に格納される。
予兆検知部1424は、例えば、学習部1403より提供された学習済みモデルを有する。予兆検知部1424は、予兆検知用データ格納部1423より読み出した予兆検知用データを用いて、当該学習済みモデルを実行させ、BRDC発症の予兆を検知する。なお、予兆検知部1424の場合、時系列データに代えて、時系列データの基準データからの変化量を、学習済みモデルに入力する。また、予兆検知部1424の場合、時系列データに加えて、放牧データを学習済みモデルに入力する。
肥育データ生成部1425は、肥育の工程が終了し、加工業者183に移送された牛についての予兆検知用データ(放牧データを含めた予兆検知用データ)を予兆検知用データ格納部1423より読み出し、肥育データを生成する。
第2出力部1426は、生成された肥育データを、加工業者183の端末装置184に送信する。これにより、加工業者183では、肥育場140より移送された、肥育の工程が終了した牛についての、肥育データを取得することができる。
<学習用データの詳細>
次に、学習用データ格納部1402に格納される学習用データの詳細について説明する。図15A、図15Bは、学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第4及び第5の図である。図8A、図8Bに示した学習用データ800、800'との相違点は、学習用データ1500、1500'の場合、ヘッダ情報の項目として、"事前データ"が含まれている点である。図15A、図15Bに示すように、本実施形態において、"事前データ"には、放牧データが格納される。
<学習部の詳細>
次に、学習装置111の学習部1403の詳細について説明する。図16は、学習部の詳細を示す第2の図である。図16に示すように、学習部1403は、前処理部1601、学習モデル1602、比較変更部1603を有する。
前処理部1601は、学習用データに基づいて学習モデル1602に入力するデータを生成する。学習モデル1602に入力するデータは、
・放牧データ、
・各データ項目の時系列データの変化量(所定期間)、
である(符号1611参照)。
このうち、放牧データは、学習用データ格納部1402から読み出した学習用データ(例えば、学習用データ1500、1500')の"事前データ"の項目から抽出する。
また、各データ項目の時系列データの変化量(所定期間)は、牛の状態を示すデータであり、学習用データ格納部1402から読み出した学習用データ(例えば、学習用データ1500、1500')の時系列データに基づいて算出する。具体的には、各データ項目("採食"、"歩く"、・・・等)について、
・矢印840で示す所定期間内の時系列データと、
・基準データ(例えば、矢印820で示す所定期間内の時系列データの代表値(例えば、平均値))と、
の差分を算出することで、時系列データの変化量を算出する。
学習モデル1602は機械学習部の一例であり、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)ベースの学習モデルである。学習モデル1602は、前処理部1601にて生成されたデータ(放牧データ、時系列データの変化量(所定期間))が入力されることで処理を実行する。これにより、学習モデル1602は、出力結果(BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発症せず)を比較変更部1603に出力する。
比較変更部1603は、学習モデル1602が機械学習を行うための誤差を算出する。具体的には、比較変更部1603では、
・学習モデル1602より出力された出力結果(BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発症せず)と、
・学習用データ格納部1402から読み出した学習用データの"結果データ"の項目に含まれる判定結果(BRDC発症、発症時期、重症化、重症化時期、あるいはBRDC発症せず)と、
を比較することで誤差を算出する。また、比較変更部1603は、算出した誤差に基づいて学習モデル1602内のモデルパラメータを変更することで、学習モデル1602について機械学習を行う。
図16に示す学習部1403では、学習用データ格納部1402に格納された、全ての実験牛についての学習用データを用いて、学習モデル1602について機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する。
<予兆検知用データの詳細>
次に、予兆検知用データ格納部1423に格納される予兆検知用データの詳細について説明する。図17は、予兆検知用データ格納部に格納される予兆検知用データの一例を示す第2の図である。図10に示した予兆検知用データ1001との相違点は、ヘッダ情報の項目として、"事前データ"が含まれている点である。図17に示すように、本実施形態において、"事前データ"には、放牧データが格納される。
<予兆検知部の詳細>
次に、検知装置110の予兆検知部1424の詳細について説明する。図18は、予兆検知部の詳細を示す第2の図である。図18に示すように、予兆検知部1424は、前処理部1801、学習済みモデル1802を有する。
前処理部1801は、予兆検知用データに基づいて学習済みモデル1802に入力するデータを生成する。学習済みモデル1802に入力するデータは、
・放牧データ、
・各データ項目の時系列データの変化量(予兆監視期間)、
である(符号1811参照)。
このうち、放牧データは、予兆検知用データ格納部1423から読み出した予兆検知用データ(例えば、予兆検知用データ1701)の"事前データ"の項目から抽出する。
また、各データ項目の時系列データの変化量(予兆監視期間)は、予兆検知用データ格納部1423から読み出した予兆検知用データ(例えば、予兆検知用データ1701)の時系列データに基づいて算出する。具体的には、各データ項目("採食"、"歩く"、・・・等)について、
・矢印1040で示す所定期間内の時系列データと、
・基準データ(例えば、矢印1020で示す所定期間内の時系列データの代表値(例えば、平均値))と、
の差分を算出することで、時系列データの変化量を算出する。
学習済みモデル1802は推論部の一例であり、学習部1403により生成される。学習済みモデル1802は、前処理部1801にて生成されたデータ(放牧データ、時系列データの変化量(予兆監視期間))が入力されることで処理を実行する。これにより、学習済みモデル1802は、BRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する。
なお、検知装置110は、予兆検知及び学習フェーズにあっては、予兆検知に用いられた予兆検知用データ及び肥育の工程終了後に肥育管理者により判定された判定結果を用いて学習用データを生成し、学習用データ収集部1401に送信する。これにより、検知装置110において生成された学習用データが、学習用データ格納部1402に格納される。
図19は、学習用データ格納部に格納される学習用データの一例を示す第6の図である。図19に示すように、予兆検知用データ1001には、対応する牛(牛ID=001)の結果データ1901が対応付けられ、個体ごとに学習用データが生成される。
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係るBRDC予兆検知システム100は、
・肥育の工程に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データの変化量)を取得する。また、肥育の工程に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データの変化量)を取得する。
・各牛の放牧データを取得する。
・取得した所定期間における状態を示すデータ及び放牧データと、BRDCを発症したか否かを示す情報との対応関係を機械学習する。
・対応関係を機械学習することで生成される学習済みモデルに、新たな牛の所定期間における状態を示すデータ及び放牧データを入力することで、当該新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する。
これにより、第2の実施形態によれば、BRDCを発症していない早い段階で、BRDC発症の予兆を検知することができる。
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、学習部613、1403が学習モデル901、1602を有し、学習用データを用いて、機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成するものとして説明した。また、上記第1及び第2の実施形態では、予兆検知部624、1424が、予兆検知用データを用いて学習済みモデルを実行し、推論結果を出力するものとして説明した。
これに対して、第3の実施形態では、学習部613、1403に個別データ格納部を配し、事前データ及び各データ項目の時系列データ(または各データ項目の時系列データの変化量)を、判定結果と対応付けて個体ごとに蓄積する。また、第3の実施形態では、予兆検知部624、1424が、
・新たに取得した事前データ及び各データ項目の時系列データ(または各データ項目の時系列データの変化量)と、
・過去に蓄積した事前データ及び各データ項目の時系列データ(または各データ項目の時系列データの変化量)と、
を対比し、類似するものを検索する。そして、第3の実施形態では、予兆検知部624、1424が、検索結果に対応付けられた判定結果を、推論結果として出力する。以下、第3の実施形態の詳細について説明する。なお、以下では、主に、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
<学習部の詳細>
はじめに、学習装置111の学習部の詳細について説明する。図20は、学習部の詳細を示す第3の図である。
図20に示すように、学習部613は、個別データ格納処理部2001を有する。
個別データ格納処理部2001は格納部の一例であり、学習用データ格納部614より読み出した、各データ項目の時系列データと、判定結果とを、互いに対応付けて個別データ格納部2002に格納する。
<予兆検知部の詳細>
次に、検知装置110の予兆検知部624の詳細について説明する。図21は、予兆検知部の詳細を示す第3の図である。図21に示すように、予兆検知部624は、類似度判定部2101を有する。
類似度判定部2101は検索部の一例である。類似度判定部2101は、個別データ格納部2002に格納された各データ項目の時系列データの中から、予兆検知用データ格納部623より読み出した予兆検知用データ(例えば、予兆検知用データ1001)に類似する、各データ項目の時系列データを検索する。なお、第3の実施形態において、類似する各データ項目の時系列データを検索することは、BRDCを発症するか否かを示す情報を推論することと等価である。
更に、類似度判定部2101は、検索した各データ項目の時系列データに対応付けられた判定結果(BRDCを発症するか否かを示す情報)を、推論結果として出力する。
つまり、第3の実施形態の場合、
・"BRDC発症の予兆を検知する"、または、
・"BRDC発症の予兆を検知したことを通知する"、
とは、類似度判定部2101が、検索結果に対応付けられた判定結果のうち、BRDCを発症することを示す情報を、推論結果として出力することに他ならない。
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第3の実施形態に係るBRDC予兆検知システム100は、
・肥育の工程に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データまたは各データ項目の時系列データの変化量)を、BRDCを発症したことを示す情報と対応付けて格納する。
・肥育の工程に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データまたは各データ項目の時系列データの変化量)を、BRDCを発症していないことを示す情報と対応付けて格納する。
・新たな牛の所定期間における状態を示すデータ(各データ項目の時系列データまたは各データ項目の時系列データの変化量)を取得した場合に、格納した所定期間における状態を示すデータと類似するデータを検索する。これにより、新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論する。
これにより、第3の実施形態によれば、BRDCを発症していない早い段階で、BRDC発症の予兆を検知することができる。
[第4の実施形態]
上記第1乃至第3の実施形態では、学習用データとして、BRDCを発症した牛(または実験牛)と、BRDCを発症しなかった牛(または実験牛)の両方について、学習用データを生成するものとして説明した。
しかしながら、学習用データの生成対象は、これに限定されず、例えば、BRDCを発症しなかった牛(または実験牛)についてのみ学習用データを生成するようにしてもよい。この場合、予兆検知部624では、第1及び第2の実施形態にあっては、BRDCを発症しないことを示す情報が学習済みモデル1101より出力されなかった場合に、BRDCを発症することを示す情報を、推論結果として出力する。また、第3の実施形態にあっては、個別データ格納部2002を検索し、いずれのデータとも類似しない場合に、BRDCを発症することを示す情報を、推論結果として出力する。
また、上記第1の実施形態では、学習済みモデルを1つのみ生成するものとして説明したが、学習済みモデルは複数生成してもよい。例えば、学習用データを、互いに類似する複数のグループに分け、それぞれのグループごとに機械学習を行い、学習済みモデルを生成してもよい。
この場合、予兆検知部624、1424に学習済みモデルをインストールするにあたっては、各学習済みモデルを生成する際に用いたグループの学習用データを、学習済みモデルと対応付けて予兆検知部624、1424に格納する。
これにより、予兆検知部624、1424では、予兆検知用データ格納部623、1423より読み出した予兆検知用データに類似する学習用データを検索し、類似する学習用データに付随する学習済みモデルを実行させることで、BRDC発症の予兆を検知する。なお、予兆検知部624、1424では、予兆検知用データに類似する学習用データを検索するにあたり、所定期間の時系列データ同士を比較するものとする。
また、上記第2の実施形態では、学習用データのヘッダ情報の項目に、"事前データ"を含め、放牧データ(遺伝情報、過去の病歴、牛の生年月日、産地等)を記録するものとして説明した。しかしながら、"事前データ"には、放牧データ以外のデータを、事前データとして記録してもよい。
また、上記第1乃至第3の実施形態では、学習モデル901について機械学習を行う際、発症時期、重症化時期を含めて機械学習を行うものとして説明したが、発症時期、重症化時期を除いて機械学習を行うようにしてもよい。あるいは、発症時期、重症化時期を、所定の長さの時間範囲に置き換えたうえで、機械学習を行うようにしてもよい。
また、上記第1乃至第3の実施形態では、BRDC発症の予兆を検知したことが通知された場合に(BRDCを発症することを示す情報が推論結果として出力された場合)、隔離処置または投薬処置を行うものとして説明した。しかしながら、BRDCを発症することを示す情報が推論結果として出力された場合であっても、重症化しない場合にあっては、投薬処置及び隔離処置のいずれも行わないように構成してもよい。これにより、これまで投薬していた牛のうち、重症化する牛に対してのみ投薬し、投薬不要の牛に対しては投薬しないようにすることが可能となる。この結果、投薬コストを削減することができるといった効果が得られる。
また、上記第1乃至第3の実施形態では、学習装置と検知装置とを別体として構成したが、学習装置と検知装置とは一体として構成してもよい。
また、上記第1乃至第3の実施形態では、センサの測定部位として、頭部、首部、腹部を挙げ、当該測定部位にセンサを装着するものとして説明したが、他の測定部位にセンサを装着してもよい。また、各測定部位への装着方法も任意である。
また、上記第1乃至第3の実施形態では、実験データ収集部610またはフィードロットデータ収集部621が、実験データまたはFeedlotデータとして、画像データ、加速度データ、温度データ、音声データを収集するものとして説明した。しかしながら、実験データ収集部610またはフィードロットデータ収集部621が収集するデータは、画像データ、加速度データ、温度データ、音声データに限定されず、それ以外のデータであってもよい。
また、上記第1の実施形態では、実験データ処理部611またはフィードロットデータ処理部622が、行動データ、非行動データ、バイタルデータを生成するものとして説明した。しかしながら、実験データ処理部611またはフィードロットデータ処理部622が生成するデータは、行動データ、非行動データ、バイタルデータに限定されず、それ以外のデータであってもよい。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 :BRDC予兆検知システム
110 :検知装置
111 :学習装置
130 :撮像装置群
131 :中継器
140 :肥育場
150、160 :端末装置
610 :実験データ収集部
611 :実験データ処理部
612 :学習用データ収集部
613 :学習部
621 :フィードロットデータ収集部
622 :フィードロットデータ処理部
624 :予兆検知部
625 :第1出力部
710 :特徴量抽出部
720 :行動データ解析部
730 :非行動データ解析部
740 :バイタルデータ解析部
800、800' :学習用データ
901 :学習モデル
902 :比較変更部
1001 :予兆検知用データ
1101 :学習済みモデル
1300 :検知結果画面
1403 :学習部
1424 :予兆検知部
1601 :前処理部
1801 :前処理部
1802 :学習済みモデル

Claims (8)

  1. 肥育に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータと、肥育に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータとを取得する取得部と、
    取得した前記所定期間における状態を示すデータと、BRDCを発症したか否かを示す情報との対応関係を機械学習する機械学習部と、
    前記対応関係を機械学習することで生成される学習済みモデルに、新たな牛の前記所定期間における状態を示すデータを入力することで、該新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する推論部と
    を有することを特徴とするBRDC予兆検知システム。
  2. 肥育に要する期間内にBRDCを発症した牛の、BRDCを発症していない所定期間における状態を示すデータと、肥育に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータとを取得する取得部と、
    取得した前記所定期間における状態を示すデータと、BRDCを発症したか否かを示す情報との対応関係を機械学習することで生成した学習済みモデルを、機械学習に用いたデータと対応付けて格納する格納部と、
    新たな牛の前記所定期間における状態を示すデータを取得した場合に、該所定期間における状態を示すデータと類似するデータを、前記機械学習に用いたデータの中から検索し、類似するデータに付随する学習済みモデルにより、該新たな牛がBRDCを発症するか否かを示す情報を推論し、推論結果を出力する推論部と
    を有することを特徴とするBRDC予兆検知システム。
  3. 肥育に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータを取得する取得部と、
    取得した前記所定期間における状態を示すデータを入力した場合に、BRDCを発症しないことを示す情報が出力されるように機械学習する機械学習部と、
    機械学習することで生成される学習済みモデルに、新たな牛の前記所定期間における状態を示すデータを入力し、該新たな牛がBRDCを発症しないことを示す情報が出力されなかった場合に、該新たな牛がBRDCを発症することを示す情報を、推論結果として出力する推論部と
    を有することを特徴とするBRDC予兆検知システム。
  4. 肥育に要する期間経過後にBRDCを発症していない牛の、所定期間における状態を示すデータを格納する格納部と、
    新たな牛の前記所定期間における状態を示すデータを取得した場合に、前記格納部における前記所定期間における状態を示すデータと類似するデータを検索し、いずれのデータとも類似しない場合に、該新たな牛がBRDCを発症することを示す情報を、推論結果として出力する検索部と
    を有することを特徴とするBRDC予兆検知システム。
  5. 前記所定期間における状態を示すデータは、前記所定期間における状態を示す時系列データの、前記所定期間より前の健康な状態を示すデータからの変化量であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のBRDC予兆検知システム。
  6. 前記推論結果として、新たな牛がBRDCを発症することを示す情報が出力された場合に、該新たな牛を特定するための情報を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のBRDC予兆検知システム。
  7. 前記推論結果として、新たな牛がBRDCを発症することを示す情報が出力され、隔離処置を行うと判定された場合に、前記新たな牛を特定するための情報を含む隔離指示を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のBRDC予兆検知システム。
  8. 前記牛を撮影した画像データと、前記牛に装着されたセンサにより測定された測定データとを処理し、個体ごとに前記状態を示すデータを生成する処理部を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のBRDC予兆検知システム。
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