JP2020092506A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】1台のAC充電設備で、当該AC充電設備に接続されたAC充電に対応した車両および当該車両に接続されたAC充電に対応していない車両の双方の外部充電を可能にすることである。【解決手段】充電システムは、AC充電設備、車両および他の車両を備える。車両は、AC充電に対応した車両である。他の車両は、DC充電に対応した車両であり、AC充電に対応していない車両である。車両のECUは、車両にAC充電設備が接続されており(S100においてYES)、かつ、車両に他の車両が接続されている場合(S200においてYES)、充電処理(S300)および中継処理(S400)を実行する。中継処理においては、車両から他の車両へ他の車両の充電を実行するための制御信号が送信されるとともに、AC充電設備から供給される交流電力が車両によって直流電力に変換され、変換された直流電力が他の車両に供給される。【選択図】図2
Description
本開示は、車両外部から電力の供給を受けて車載の蓄電装置を充電する外部充電が可能に構成された車両に関する。
外部充電可能な車両を充電するための充電設備を効率的に使用する施策が考えられてきている。たとえば、特開2015−231289号公報(特許文献1)には、直流電力を供給するDC(Direct Current)充電設備と、車両と、他の車両とを備えた充電システムが開示されている。車両および他の車両は、車両外部から直流電力を受けて車載の蓄電装置を充電する「DC充電」可能に構成された車両であり、充電口および給電口を備える。車両の充電口は、DC充電設備と接続され、車両の給電口は、他の車両の充電口と接続される。車両は、車両内部において充電口を蓄電装置または給電口に選択的に接続する切替スイッチを含む。
車両は、充電口にDC充電設備が接続された状態において、切替スイッチを制御して車両内部において充電口を蓄電装置に接続することで、DC充電設備から供給される直流電力によって自身のDC充電を可能とする。また、車両は、充電口にDC充電設備が接続された状態において、切替スイッチを制御して車両内部において充電口を給電口に接続することで、DC充電設備から供給される直流電力を他の車両に供給し、他の車両のDC充電を可能とする。切替スイッチを制御することによって、1台のDC充電設備で、当該DC充電設備に電気的に接続された車両および他の車両を順次DC充電することができる。
外部充電が可能な車両には、たとえば、DC充電のみが可能な車両や、車両外部から交流電力の供給を受けて車載の蓄電装置を充電する「AC(Alternate Current)充電」のみが可能な車両や、DC充電およびAC充電の双方が可能な車両が存在する。
たとえば、DC充電のみが可能な車両においては、DC充電設備がないと車両を充電することができない。近年においては、DC充電設備の設置が促進されてきているが、その設置数は、交流電力を供給するAC充電設備の設置数と比較して、まだ少ないのが現状である。このような状況を鑑みると、AC充電設備でDC充電のみが可能な車両(AC充電に対応していない車両)を外部充電したいというニーズが生じ得る。
特許文献1には、1台のDC充電設備で、当該DC充電設備に電気的に接続された複数台の車両をDC充電できる充電システムが開示されているが、DC充電設備に代えてAC充電設備を用いることや、AC充電設備に対応していない車両をAC充電設備で外部充電することについては何ら開示されていない。
本開示は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、1台のAC充電設備で、当該AC充電設備に接続されたAC充電に対応した車両および当該車両に接続されたAC充電に対応していない車両の双方の外部充電を可能にすることである。
この開示に係る車両は、蓄電装置と、車両外部の交流電源と接続可能に構成された充電口と、充電口に供給された交流電力を直流電力に変換する充電器と、他の車両と接続可能に構成された給電口と、充電器、蓄電装置および給電口に接続され、充電器と蓄電装置とを接続する第1接続状態と、充電器と給電口とを接続する第2接続状態とに切り替え可能な切替リレーと、切替リレーを制御する制御装置とを備える。充電口に交流電源が接続された状態において、制御装置は、蓄電装置を充電する場合には切替リレーを第1接続状態にして前記充電器を作動させ、他の車両に電力を供給する場合には、他の車両の充電を実行するための制御信号を他の車両に送信し、切替リレーを第2接続状態にして充電器を作動させる。
上記構成によれば、車両は、交流電源(たとえばAC充電設備)が充電口に接続された状態において、自身に搭載された蓄電装置を充電する場合には切替リレーを第1接続状態にして充電器を作動させる。これによって、車両のAC充電を行なうことができる。一方、車両は、交流電源が充電口に接続され、かつ、他の車両が給電口に接続された状態において、他の車両に電力を供給する場合には、他の車両の充電を実行するための制御信号(たとえば、後述の充電制御開始を示す信号およびスペック情報)を送信するとともに、切替リレーを第2接続状態にして充電器を作動させる。車両から他の車両へ、他の車両の充電を実行するための制御信号を送信することによって、他の車両のDC充電を開始させることができる。また、切替リレーを第2接続状態にして充電器を作動させることによって、車両を介して供給される電力(直流電力)によって他の車両のDC充電を行なうことができる。これによって、他の車両がAC充電に対応していない車両であったとしても、車両を介して他の車両を外部充電することが可能となる。その結果、1台のAC充電設備で車両および他の車両を外部充電することができる。
本開示によれば、1台のAC充電設備で、当該AC充電設備に接続されたAC充電に対応した車両および当該車両に接続されたAC充電に対応していない車両の双方の外部充電を可能にすることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本実施の形態に係る充電システムの全体構成図である。充電システムは、車両1と、他の車両2と、AC充電設備200とを備える。
AC充電設備200は、AC充電設備200の充電ケーブル250を介して車両1等に交流電力を供給するための充電設備である。
車両1および他の車両2は、外部充電可能な車両であり、たとえば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車および燃料電池自動車等である。本実施の形態においては、車両1および他の車両2は、電気自動車である例について説明する。
車両1は、車両1外部(AC充電設備200)から交流電力の供給を受けて車載の蓄電装置を充電する「AC充電」可能に構成された車両である。車両1は、蓄電装置10と、システムメインリレー装置20と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」ともいう)30と、動力出力装置40と、充電リレー装置50と、切替リレー装置60と、充電器70と、AC充電口80と、給電口90と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。
蓄電装置10は、積層された複数の電池を含んで構成される。電池は、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池である。また、電池は、正極と負極との間に液体電解質を有する電池であってもよいし、固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。なお、蓄電装置10は、再充電可能な直流電源であればよく、大容量のキャパシタも採用可能である。
システムメインリレー装置20は、蓄電装置10とPCU30との間に設けられる。システムメインリレー装置20が閉状態であると、蓄電装置10からPCU30に電力が供給される。システムメインリレー装置20が開状態であると、蓄電装置10からPCU30に電力が供給されない。すなわち、システムメインリレー装置20が開状態であると、車両1は、車両1の走行が不能であるREADY−OFF状態となる。システムメインリレー装置20が閉状態であると、車両1を車両1の走行が可能であるREADY−ON状態にすることができる。
PCU30は、蓄電装置10から電力を受けて動力出力装置40を駆動するための電力変換装置を総括して示したものである。たとえば、PCU30は、動力出力装置40を駆動するためのインバータ、および、蓄電装置10から出力される電力を昇圧してインバータへ供給するコンバータなどを含む。PCU30は、ECU100からの制御信号に応じて、蓄電装置10に蓄えられた直流電力を交流電力に変換して動力出力装置40に供給する。
動力出力装置40は、駆動輪を駆動するための装置を総括して示したものである。たとえば、動力出力装置40は、駆動輪を駆動するモータを含む。動力出力装置40は、駆動輪を駆動するモータが回生モードで動作することによって、車両の制動時などに発電し、その発電された電力をPCU30へ出力する。なお、エンジンがさらに搭載されるプラグインハイブリッド自動車として車両1が構成される場合には、動力出力装置40にはエンジンが含まれる。
AC充電口80にはAC充電設備200の充電ケーブル250の先端に設けられた充電コネクタ251が接続される。充電ケーブル250には、電力線L1,L2および通信信号線L3が含まれる。AC充電口80に充電コネクタ251が接続されると、電力線L1,L2および通信信号線L3が、電力線CPL,CNLおよび通信信号線SLとそれぞれ接続される。AC充電口80に充電コネクタ251が接続された状態において、AC充電設備200からAC充電口80に交流電力が供給される。
充電器70は、AC充電口80と蓄電装置10との間に設けられる。充電器70は、電力線CPL,CNLを介してAC充電口80に接続される。充電器70は、ECU100からの指令に基づいて、AC充電口80に供給された交流電力を直流電力に変換する。
充電リレー装置50は、充電器70と蓄電装置10との間に設けられる。充電リレー装置50は、充電リレー51および充電リレー52を含む。
切替リレー装置60は、充電器70と充電リレー装置50との間に設けられる。切替リレー装置60は、充電器70と蓄電装置10とを接続する「第1接続状態」と、充電器70と給電口90とを接続する「第2接続状態」とに切替可能に構成される。具体的には、切替リレー装置60は、切替リレー61および切替リレー62を含む。切替リレー61は、入力端子aと2つの出力端子b,cとを有する。入力端子aは、どちらかの出力端子と接続されるように構成される。切替リレー62は、入力端子dと2つの出力端子e,fとを有する。入力端子dは、どちらかの出力端子と接続されるように構成される。なお、切替リレー装置60は、第1接続状態および第2接続状態に加えて、入力端子がどちらの出力端子にも接続されない「第3接続状態」に切替可能に構成されてもよい。
入力端子aは、充電器70に接続される。出力端子bは、充電リレー51の一端に接続される。充電リレー51の他端は、システムメインリレー装置20と蓄電装置10の正極端子との間のノードn1に接続される。出力端子cは、電力線CPL2を介して給電口90に接続される。
入力端子dは、充電器70に接続される。出力端子eは、充電リレー52の一端に接続される。充電リレー52の他端は、システムメインリレー装置20と蓄電装置10の負極端子との間のノードn2に接続される。出力端子fは、電力線CNL2を介して給電口90に接続される。
切替リレー61の入力端子aおよび切替リレー62の入力端子dを、切替リレー61の出力端子bおよび切替リレー62の出力端子eにそれぞれ接続することによって、切替リレー装置60が第1接続状態になる。切替リレー61の入力端子aおよび切替リレー62の入力端子dを、切替リレー61の出力端子cおよび切替リレー62の出力端子fにそれぞれ接続することによって、切替リレー装置60が第2接続状態になる。切替リレー装置60は、ECU100からの指令に基づいて、第1接続状態と第2接続状態とを切り替える。
ECU100は、いずれも図示しないがCPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力バッファを含み、センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
ECU100は、蓄電装置10のSOC(State Of Charge)を算出可能に構成される。蓄電装置10のSOCの算出方法については、図示しない監視ユニットにより検出された蓄電装置10の端子間電圧および蓄電装置10の入出力電流などを用いた種々の公知の手法を採用することができる。
ECU100は、通信信号線SLを介してAC充電口80に接続されたAC充電設備200と通信可能に構成される。
AC充電設備200は、外部の交流電源210からの交流電力の供給を受けるように構成されている。AC充電設備200は、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)220と、AC充電ケーブル250とを含む。
EVSE220は、交流電源210に接続される。交流電源210は、たとえば、商用系統電源である。EVSE220は、AC充電設備200内に設けられるものとするが、AC充電ケーブル250の途中に設けられてもよい。EVSE220は、交流電源210からAC充電ケーブル250を介した車両1への交流電力の供給/遮断を制御する。
EVSE220は、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)221と、CPLT(Control Pilot)制御回路222とを備える。CCID221は、交流電源210から車両1への給電経路に設けられるリレーである。
CPLT制御回路222は、CPLT信号(パイロット信号)を生成し、生成したCPLT信号を充電ケーブル250に含まれる通信信号線L3を介して車両1のECU100に送信する。CPLT信号は、ECU100によって電位が操作される。CPLT制御回路222は、CPLT信号の電位に基づいてCCID221を制御する。すなわち、ECU100は、CPLT信号の電位を操作することによって、CCID221を遠隔操作することができる。なお、CPLT信号の電位を変化させる手法については、公知の手法を用いることができ、ここでは詳細に説明はしないが、たとえば特開2016−82801号公報に開示されている回路構成等を適用することができる。
他の車両2は、他の車両2の外部(たとえば、直流電力を供給するためのDC充電設備(図示せず))から直流電力を受けて車載の蓄電装置を充電する「DC充電」が可能に構成された車両である。他の車両2は、チャデモ(CHAdeMO)(登録商標)方式のDC充電に対応した車両である。なお、他の車両2は、他のDC充電の方式、たとえば、CCS(Combined Charging System)方式、GB/T方式等のDC充電に対応した車両であってもよい。また、他の車両2は、充電器を搭載しておらず、AC充電には対応していない車両である。
他の車両2は、蓄電装置15と、システムメインリレー装置25と、PCU35と、動力出力装置45と、充電リレー装置55と、DC充電口85と、ECU105とを備える。なお、蓄電装置15、システムメインリレー装置25、PCU35および動力出力装置45の各構成については、車両1の蓄電装置10、システムメインリレー装置20、PCU30および動力出力装置40の各構成とそれぞれ同様であるため、繰り返し説明しない。
充電リレー装置55は、DC充電口85と蓄電装置15との間に設けられる。充電リレー装置55は、充電リレー56および充電リレー57を含む。充電リレー56の一端は、電力線DPLを介してDC充電口85に接続され、他端は、システムメインリレー装置25と蓄電装置15の正極端子との間のノードn3に接続される。充電リレー57の一端は、電力線DNLを介してDC充電口85に接続され、他端は、システムメインリレー装置25と蓄電装置15の負極端子との間のノードn4に接続される。
充電リレー装置55は、ECU105からの指令によって開閉状態が制御される。充電リレー装置55が閉状態になると、DC充電口85と蓄電装置15とが電気的に接続され、DC充電口85に供給された直流電力による蓄電装置15の充電が可能となる。充電リレー装置55が開状態になると、DC充電口85と蓄電装置15とが電気的に非接続となり、DC充電口85に供給された直流電力による充電が行えない。
ECU105は、いずれも図示しないがCPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力バッファを含み、センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
ECU105は、蓄電装置15のSOCを算出可能に構成される。蓄電装置15のSOCの算出方法については、図示しない監視ユニットにより検出された蓄電装置15の端子間電圧および蓄電装置15の入出力電流などを用いた種々の公知の手法を採用することができる。
<充電処理および中継処理について>
近年においては、DC充電が可能な車両の普及とともに、DC充電設備の設置が促進されてきているが、その設置数は、AC充電設備200の設置数と比較して、まだ少ないのが現状である。このような状況を鑑みると、AC充電設備200で他の車両2のようなDC充電のみが可能な車両(AC充電に対応していない車両)を外部充電したいというニーズが生じ得る。
近年においては、DC充電が可能な車両の普及とともに、DC充電設備の設置が促進されてきているが、その設置数は、AC充電設備200の設置数と比較して、まだ少ないのが現状である。このような状況を鑑みると、AC充電設備200で他の車両2のようなDC充電のみが可能な車両(AC充電に対応していない車両)を外部充電したいというニーズが生じ得る。
しかしながら、AC充電設備200と他の車両2(AC充電に対応していない車両)とを直接接続して、他の車両2に搭載された蓄電装置15を充電することはできない。
そこで、本実施の形態に係る充電システムの車両1は、「充電処理」および「中継処理」を実行可能に構成される。
「充電処理」は、車両1に少なくともAC充電設備200が接続された状態において、AC充電設備200から供給される交流電力で自身(車両1)の蓄電装置10を充電するAC充電を実行する処理である。
「中継処理」は、車両1にAC充電設備200および他の車両2が接続された状態において、他の車両2の充電を実行するための制御信号(たとえば、後述の充電制御開始を示す信号およびスペック情報)するとともに、AC充電設備200から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を他の車両2に供給する処理である。他の車両2の充電を実行するための制御信号を送信することによって、他の車両2のDC充電を開始させることができる。そして、AC充電設備200から供給される交流電力が車両1によって直流電力に変換され、変換された直流電力が他の車両2に供給されることによって、他の車両2のDC充電を行なうことができる。すなわち、他の車両2に対して、車両1およびAC充電設備200がDC充電設備として機能する。そのため、AC充電に対応していない他の車両2をAC充電設備200から供給される電力を用いて充電することが可能となる。以下、具体的に説明する。
<<車両1と他の車両2との接続について>>
車両1と他の車両2との接続には、充電ケーブル300が用いられる。充電ケーブル300の両端には、コネクタ310およびコネクタ320が設けられる。コネクタ310は、車両1の給電口90に接続可能に構成される。コネクタ320は、他の車両2のDC充電口85に接続可能に構成される。
車両1と他の車両2との接続には、充電ケーブル300が用いられる。充電ケーブル300の両端には、コネクタ310およびコネクタ320が設けられる。コネクタ310は、車両1の給電口90に接続可能に構成される。コネクタ320は、他の車両2のDC充電口85に接続可能に構成される。
充電ケーブル300は、車両1の給電口90から他の車両2のDC充電口85に直流電力を供給するための電力線L11,L12、および、車両1のECU100と他の車両2のECU105との間で通信するための通信信号線L13を含む。
充電ケーブル300のコネクタ310,320が、車両1の給電口90および他の車両のDC充電口85にそれぞれ接続されると、車両1の電力線CPL2,CNL2と他の車両2の電力線DPL,DNLとが電力線L11,L12を介してそれぞれ接続される。
また、車両1の通信信号線SL1と他の車両2の通信信号線DSLとが、通信信号線L13を介して接続される。車両1と他の車両2との間における通信は、たとえば、チャデモ方式のDC充電で採用されている、CAN(Controller Area Network)の通信プロトコルに従う通信(以下「CAN通信」とも称する)で行なわれる。なお、車両1と他の車両2との間における通信は、CAN通信に限定されるものではなく、たとえば、CCS方式のDC充電で採用されている電力線通信(PLC:Power Line Communication)で行なうようにしてもよい。
<<充電処理>>
車両1に少なくともAC充電設備200が接続された状態において、AC充電設備200に対する充電を開始するための操作(たとえば、AC充電設備200の充電開始スイッチの押す操作)がされると、車両1は、自身に搭載された蓄電装置10の充電を開始する。具体的には、車両1のECU100は、切替リレー装置60を第1接続状態(入力端子a,dを出力端子b,eに接続した状態)にする。また、ECU100は、充電リレー装置50を閉状態にする。
車両1に少なくともAC充電設備200が接続された状態において、AC充電設備200に対する充電を開始するための操作(たとえば、AC充電設備200の充電開始スイッチの押す操作)がされると、車両1は、自身に搭載された蓄電装置10の充電を開始する。具体的には、車両1のECU100は、切替リレー装置60を第1接続状態(入力端子a,dを出力端子b,eに接続した状態)にする。また、ECU100は、充電リレー装置50を閉状態にする。
そして、車両1のECU100は、AC充電ケーブル250を介して通信されるCPLT信号の電位を操作することによって、CCID221を遠隔操作する。すなわち、ECU100(車両1側)からAC充電設備200にAC充電の開始要求をする。そして、CCID221が閉状態になると、AC充電設備200からAC充電口80に交流電力が供給される。
ECU100は、充電器70を制御して、AC充電設備200から車両1に供給される交流電力を蓄電装置10を充電するための直流電力に変換する。これによって、AC充電設備200から供給される交流電力で車両1の蓄電装置10を充電することができる。
<<中継処理>>
車両1は、AC充電設備200に加えて、他の車両2が接続されている場合には、充電処理の完了後に中継処理を実行する。つまり、車両1にAC充電設備200および他の車両2が接続された状態において充電処理が完了すると、車両1は、中継処理を実行して、AC充電設備200から車両1に供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を車両1から他の車両2へ供給する。
車両1は、AC充電設備200に加えて、他の車両2が接続されている場合には、充電処理の完了後に中継処理を実行する。つまり、車両1にAC充電設備200および他の車両2が接続された状態において充電処理が完了すると、車両1は、中継処理を実行して、AC充電設備200から車両1に供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を車両1から他の車両2へ供給する。
具体的には、充電処理が完了すると、車両1のECU100は、他の車両2のECU105に、充電制御開始を示す信号を送信する。充電制御開始を示す信号は、たとえば、他の車両2がDC充電設備に接続された場合において、DC充電設備の充電開始ボタンが操作された際に送信される信号と同等の信号である。本実施の形態においては、他の車両2はチャデモ方式のDC充電に対応した車両であるため、チャデモ方式に従った充電制御開始を示す信号を送信する。なお、他の車両2がCCS方式、GB/T方式等のDC充電に対応した車両である場合には、それぞれの方式に従った充電制御開始を示す信号を送信する。
車両1のECU100から充電制御開始を示す信号が送られてくることによって、他の車両2のECU105は、DC充電設備に接続された際と同様の処理を実行する。
充電制御開始を示す信号を受けた他の車両2のECU105は、DC充電が開始されると認識し、車両1とのCAN通信を開始する。そして、車両1のECU100は、他の車両2のECU105から蓄電装置15の電池情報B(蓄電装置15の最大電圧、最大電流等)を取得する。
車両1のECU100は、電池情報Bを取得すると、他の車両2が充電可能な車両であるか否かを確認する。一例としては、充電器70から給電口90へ出力可能な最大出力電圧が、蓄電装置15の最大電圧より大きいか否かが確認される。充電器70から給電口90へ出力可能な最大出力電圧が、蓄電装置15の最大電圧より大きければ、他の車両2が充電可能な車両であるとされる。
充電可能であると判定すると、車両1のECU100は、充電器70から給電口90へ出力可能な最大出力電圧、最大出力電流等を含むスペック情報を他の車両2のECU105に送信する。なお、スペック情報に含まれる最大出力電圧、最大出力電流等の情報は、たとえば、AC充電設備200の出力可能電圧や出力可能電流、充電器70の変換効率、充電器70の出力可能電圧や出力可能電流等を考慮して定められる。
そして、他の車両2のECU105から所定周期毎に送信される要求充電電流に応じた電流で他の車両2に直流電力を供給する。
上記のように、車両1を介することによって、AC充電設備200から車両1に供給された電力を用いて、他の車両2を充電することが可能となる。
<充電処理および中継処理の手順>
図2は、車両1のECU100で実行される処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、車両1がREADY−OFF状態である場合において所定の制御周期毎にECU100により繰り返し実行される。図2、後述する図3および図4に示すフローチャートの各ステップは、ECU100によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部がECU100内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
図2は、車両1のECU100で実行される処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、車両1がREADY−OFF状態である場合において所定の制御周期毎にECU100により繰り返し実行される。図2、後述する図3および図4に示すフローチャートの各ステップは、ECU100によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部がECU100内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
ECU100は、AC充電口80に充電ケーブル250の充電コネクタ251が接続されているか否かを判定する(ステップ100、以下ステップを「S」と略す)。AC充電口80に充電ケーブル250が接続されていない場合(S100においてNO)、ECU100は、以降の処理をスキップして処理を終了させる。
AC充電口80に充電ケーブル250が接続されている場合(S100においてYES)、ECU100は、AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作がされているか否かを判定する(S150)。AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作がされていない場合(S150においてNO)、ECU100は、以降の処理をスキップして処理を終了させる。
AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作がされている場合(S150においてYES)、ECU100は、給電口90に充電ケーブル300のコネクタ310が接続されたか否かを判定する(S200)。
給電口90に充電ケーブル300のコネクタ310が接続されていない場合(S200においてNO)、ECU100は、ユーザが自身(車両1)のAC充電のみを目的としていると想定されるため、充電処理を実行し(S300)、充電処理の実行後に処理を終了させる。
図3は、充電処理の手順を示すフローチャートである。AC充電口80に充電ケーブル250の充電コネクタ251が接続されると、規定の電位V0のCPLT信号がAC充電設備200から車両1に送信される。
車両1のECU100は、規定の電位V0のCPLT信号を受けている状態において充電処理を開始し、規定の電位のCPLT信号の電位を電位V1(<V0)に低下させる(S310)。
AC充電設備200は、CPLT信号の電位が電位V0から電位V1に低下したことを検出すると、CPLT制御回路222に含まれる発振回路(不図示)を用いてCPLT信号を発振させる(S2)。これによって、CPLT信号は、発振されてパルス波形を形成する。CPLT信号のパルス幅は、AC充電設備200から充電ケーブル250を介して車両1へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。
ECU100は、CPLT信号が発振されたことを検出すると、CPLT信号のデューティによってAC充電設備200から充電ケーブル250を介して車両1へ供給可能な定格電流を検出する(S320)。
ECU100は、AC充電を開始させるための充電開始信号をAC充電設備200に送信する(S330)。具体的には、ECU100は、CPLT信号の電位を電位V1から電位V2(<V1)に低下させる。
AC充電設備200は、充電開始信号を受信すると交流電力の供給を開始する(S4)。具体的には、CPLT信号の電位が電位V1から電位V2に低下したことを検出すると、CPLT制御回路222は、CCID221を閉状態にする。これによって、AC充電設備200から車両1に交流電力が供給される。
ECU100は、電力線CPL,CNLの電位の上昇によってAC充電設備200からの交流電力の供給を検出すると、切替リレー装置60を第1接続状態にするとともに、充電リレー装置50を閉状態にする(S340)。そして、ECU100は、充電器70による電力変換を開始することによって蓄電装置10の充電を開始する(S345)。
ECU100は、蓄電装置10のSOCが目標SOCに到達したか否かを判定する(S350)。目標SOCは、たとえば、満充電やSOC80%等に設定される。目標SOCは、たとえば、AC充電設備200あるいは車両1への操作によってユーザが適宜設定することが可能である。
ECU100は、蓄電装置10のSOCが目標SOCに到達するまでAC充電を継続する(S350においてNO)。そして、蓄電装置10のSOCが目標に到達すると(S350においてYES)、ECU100は、充電停止信号をAC充電設備200に送信する(S360)。具体的には、ECU100は、CPLT信号の電位を電位V2から電位V1に上昇させる。
AC充電設備200は、充電停止信号を受信すると交流電力の供給を停止する(S6)。具体的には、CPLT信号の電位が電位V2から電位V1に上昇したことを検出すると、CPLT制御回路222は、CCID221を開状態にする。これによって、AC充電設備200から車両1への交流電力の供給が停止される。
ECU100は、電力線CPL,CNLの電位の低下によってAC充電設備200からの交流電力の供給の停止を検出すると、充電リレー装置50を開状態にする(S370)。以上によって、車両1のAC充電が完了する。
再び、図2を参照し、S200において、給電口90に充電ケーブル300のコネクタ310が接続されている場合(S200においてYES)、つまり、AC充電口80に充電ケーブル250の充電コネクタ251が接続されており、かつ、給電口90に充電ケーブル300のコネクタ310が接続されている場合には、ECU100は、ユーザが自身(車両1)および自身に接続された車両(他の車両2)の外部充電を実行することを目的としていると想定されるため、まず充電処理を実行し(S300)、充電処理の完了後に中継処理を実行する(S400)。
図4は、中継処理の手順を示すフローチャートである。充電処理(S300)が完了すると、車両1のECU100は、中継処理の実行を開始する。中継処理において、ECU100は、まず、他の車両2に充電制御開始を示す信号を送信する(S405)。他の車両2のECU105は、充電制御開始を示す信号を受信すると、自身のDC充電が開始されることを認識する。
次いで、車両1のECU100と他の車両2のECU105との間でCAN通信が開始され、双方間において情報交換処理が実行される(S410,S510)。S510において、他の車両2のECU105は、電池情報B(蓄電装置15の最大電圧、最大電流等)を車両1に送信する。
電池情報Bを受信すると、車両1のECU100は、電池情報Bに基づいて他の車両2が充電可能な車両であることを確認した後に、スペック情報を他の車両2に送信する。スペック情報には、充電器70から給電口90へ出力可能な最大出力電圧、最大出力電流等の情報が含まれる。
スペック情報を受信すると、他の車両2のECU105は、スペック情報に基づいて自身の充電が可能であると判定すると、充電リレー装置55を閉状態にする(S520)。これによって、電力線L11,L12を介して電力線CPL2,CNL2に他の車両2の蓄電装置15の電圧が供給される。
車両1のECU100は、電力線CPL2,CNL2に他の車両2の蓄電装置15の電圧が供給されたことを検出すると、準備処理を実行する(S415)。準備処理とは、具体的には、図3で説明した充電処理におけるS310からS330の処理である。これによって、AC充電設備200から車両1に交流電力の供給が開始される(S8)。
AC充電設備200から交流電力の供給が開始されたことを検出すると、車両1のECU100は、切替リレー装置60を第2接続状態にするとともに、充電リレー装置50を開状態にする(S420)。
他の車両2のECU105は、蓄電装置15の充電を監視しつつ、所定周期毎に車両1のECU100に要求充電電流を送信する(S530)。
車両1のECU100は、要求充電電流を受信すると、充電器70を制御して(S430)、要求充電電流に応じた電流を他の車両2に供給する(S440)。
他の車両2のECU105は、蓄電装置15のSOCが目標SOCに到達したか否かを判定する(S540)。目標SOCは、たとえば、満充電やSOC80%等に設定される。目標SOCは、たとえば、他の車両2への操作によってユーザが適宜設定することが可能である。
蓄電装置15のSOCが目標SOCに到達すると(S540においてYES)、他の車両2のECU105は、充電停止要求を車両1に送信する(S550)。充電停止要求は、たとえば、値がゼロに設定された要求充電電流である。
車両1のECU100は、充電停止要求を受信すると、充電停止信号を送信する(S460)。S460の処理は、図3で説明したS360と同様の処理である。
AC充電設備200は、充電停止信号を受信すると交流電力の供給を停止する(S9)。
他の車両2のECU105は、電力の供給が停止されると、充電リレー装置55を開状態にする(S560)。
以上のように、本実施の形態に係る充電システムにおいては、車両1にAC充電設備200および他の車両2が接続された状態において、たとえば、AC充電設備200の充電開始スイッチが操作されると、まず、充電処理が実行されて車両1に対してAC充電が実行される。車両1のAC充電(充電処理)が完了すると、次いで、中継処理が実行される。中継処理においては、車両1から他の車両2へ他の車両2の充電を実行するための制御信号が送信されるとともに、AC充電設備200から供給される交流電力が車両1によって直流電力に変換され、変換された直流電力が他の車両2に供給される。車両1から他の車両2へ他の車両2の充電を実行するための制御信号が送信されることによって、他の車両2のDC充電を開始させることができる。そして、AC充電設備200から供給される交流電力が車両1によって直流電力に変換され、変換された直流電力が他の車両2に供給されることによって、他の車両2のDC充電を行なうことができる。すなわち、他の車両2に対して、車両1およびAC充電設備200がDC充電設備として機能する。そのため、AC充電に対応していない他の車両2をAC充電設備200から供給される電力を用いて充電することが可能となる。その結果、1台のAC充電設備200で車両1および他の車両2を外部充電することができる。
また、1台のAC充電設備200で車両1および他の車両2を外部充電するにあたって、AC充電設備200、車両1および他の車両2を接続する1度の操作で、2台の車両(車両1および他の車両2)を外部充電するための操作を完了させることができる。これによって、ユーザの利便性を向上させることができる。
(変形例1)
実施の形態に係る充電システムにおいては、図2において、給電口90に充電ケーブル300のコネクタ310が接続されているか否かの判定(S200)の後に充電処理(S300)が実行される例について説明した。すなわち、車両1に他の車両2が接続されているか否かの判定の後に充電処理が実行される例について説明した。しかしながら、充電処理(S300)が実行されるタイミングは、上記に限られるものではない。たとえば、AC充電口80に充電ケーブル250の充電コネクタ251が接続された状態、すなわち、車両1にAC充電設備200が接続された状態において、AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作がされた場合に、まず充電処理が実行されてもよい。そして、充電処理の完了後に車両1に他の車両2が接続されているか否かを判定し(S200)、車両1に他の車両2が接続されている場合に、中継処理を実行するようにしてもよい。
実施の形態に係る充電システムにおいては、図2において、給電口90に充電ケーブル300のコネクタ310が接続されているか否かの判定(S200)の後に充電処理(S300)が実行される例について説明した。すなわち、車両1に他の車両2が接続されているか否かの判定の後に充電処理が実行される例について説明した。しかしながら、充電処理(S300)が実行されるタイミングは、上記に限られるものではない。たとえば、AC充電口80に充電ケーブル250の充電コネクタ251が接続された状態、すなわち、車両1にAC充電設備200が接続された状態において、AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作がされた場合に、まず充電処理が実行されてもよい。そして、充電処理の完了後に車両1に他の車両2が接続されているか否かを判定し(S200)、車両1に他の車両2が接続されている場合に、中継処理を実行するようにしてもよい。
(変形例2)
実施の形態に係る充電システムにおいては、車両1にAC充電設備200および他の車両2が接続されている状態において、AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作が行なわれると、まず、充電処理が開始され、充電処理の完了後に中継処理が実行される例について説明した。しかしながら、充電処理が先に実行されることに限られるものではなく、中継処理が先に実行され、中継処理の完了後に充電処理が実行されてもよい。
実施の形態に係る充電システムにおいては、車両1にAC充電設備200および他の車両2が接続されている状態において、AC充電設備200の充電開始スイッチを押す操作が行なわれると、まず、充電処理が開始され、充電処理の完了後に中継処理が実行される例について説明した。しかしながら、充電処理が先に実行されることに限られるものではなく、中継処理が先に実行され、中継処理の完了後に充電処理が実行されてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 他の車両、10,15 蓄電装置、20,25 システムメインリレー装置、30,35 PCU、40,45 動力出力装置、50,55 充電リレー装置、51,52,56,57 充電リレー、60 切替リレー装置、61,62 切替リレー、70 充電器、80 AC充電口、85 DC充電口、90 給電口、100,105 ECU、200 AC充電設備、210 交流電源、220 EVSE、221 CCID、222 CPLT制御回路、250,300 充電ケーブル、251 充電コネクタ、310,320 コネクタ。
Claims (1)
- 蓄電装置と、
車両外部の交流電源と接続可能に構成された充電口と、
前記充電口に供給された交流電力を直流電力に変換する充電器と、
他の車両と接続可能に構成された給電口と、
前記充電器、前記蓄電装置および前記給電口に接続され、前記充電器と前記蓄電装置とを接続する第1接続状態と、前記充電器と前記給電口とを接続する第2接続状態とに切り替え可能な切替リレーと、
前記切替リレーを制御する制御装置とを備え、
前記充電口に前記交流電源が接続された状態において、前記制御装置は、
前記蓄電装置を充電する場合には前記切替リレーを前記第1接続状態にして前記充電器を作動させ、
前記他の車両に電力を供給する場合には、前記他の車両の充電を実行するための制御信号を前記他の車両に送信し、前記切替リレーを前記第2接続状態にして前記充電器を作動させる、車両。
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