以下に、本開示のプログラム、情報処理装置及び情報処理方法について、商談に係る作業を支援する装置に適用した実施形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は第1商談支援装置の構成例を示すブロック図である。第1商談支援装置10は、商談相手に関する情報の蓄積処理、蓄積した商談相手に関する情報に基づいて商談を行う商談担当者(以下では単に担当者ということがある)及び商談における戦略(商談戦略)を特定する処理等、種々の情報処理を行う。なお、第1商談支援装置10をサーバコンピュータ等によって構成し、第1商談支援装置10と外部装置(ユーザ端末)とをインターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続し、商談相手に関する情報が、外部装置に入力されて外部装置から第1商談支援装置10へ送信される構成としてもよい。第1商談支援装置10をサーバコンピュータによって構成する場合、第1商談支援装置10は、複数台設けられて複数台で分散処理する構成でもよいし、1台のサーバ装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。
第1商談支援装置10は、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等の情報処理装置であり、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、本開示の情報処理装置が行うべき種々の情報処理、制御処理等を第1商談支援装置10に行わせる。
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、例えば機械学習処理によって構築されたニューラルネットワークである担当者決定用学習済モデル121及び戦略決定用学習済モデル122を記憶している。担当者決定用学習済モデル121は、商談相手に関する情報と、それぞれの商談相手に対して適切であった商談担当者又は不適切であった商談担当者の情報とを含む教師データに基づいて、商談相手に関する情報に基づいて商談相手に適した商談担当者の情報を出力するように学習された学習済みモデルである。戦略決定用学習済モデル122は、商談相手に関する情報と、それぞれの商談相手に対して有効であった戦略又は有効でなかった戦略の情報(戦略内容)とを含む教師データに基づいて、商談相手に関する情報に基づいて商談相手に適した戦略の情報を出力するように学習された学習済みモデルである。なお、学習済モデルは、入力値に対して所定の演算を行い、演算結果を出力するものであり、記憶部12にはこの演算を規定する関数の係数や閾値等のデータが、学習済モデル121,122として記憶される。更に記憶部12には、後述する担当者DB(データベース)12a、商談相手DB12b及び商談予定DB12cが記憶される。なお、担当者DB12a、商談相手DB12b及び商談予定DB12cは、第1商談支援装置10に接続された外部の記憶装置に記憶されてもよく、インターネット又はLAN等のネットワークを介して第1商談支援装置10と通信可能な記憶装置に記憶されてもよい。
通信部13は、有線通信又は無線通信によってネットワークに接続するためのインタフェースであり、ネットワークを介して外部装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、マウス及びキーボード等を含み、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。
読み取り部16は、CD(Compact Disc)−ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)−ROMを含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に予め記憶される制御プログラム及びデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に予め記憶される制御プログラム及びデータは、制御部11が通信部13を介してネットワーク経由で外部装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。更に、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム及びデータを読み出してもよい。
図2は、第1商談支援装置10に記憶されるDB12a〜12cの構成例を示す模式図である。図2Aは担当者DB12aを、図2Bは商談相手DB12bを、図2Cは商談予定DB12cをそれぞれ示す。担当者DB12aは、例えばある会社において営業先の会社との商談を行う商談担当者(所謂営業マン)の情報を記憶している。図2Aに示す担当者DB12aは、担当者ID列、氏名列、年齢列、勤続年数列、所属部署列、役職列等を含む。担当者ID列は、各商談担当者に予め割り当てられた識別情報を記憶する。氏名列、年齢列、勤続年数列、所属部署列、役職列はそれぞれ、各商談担当者の氏名、年齢、勤続年数、所属部署、役職を記憶する。担当者DB12aに記憶される担当者IDは、制御部11が新たな商談担当者の情報を担当者DB12aに記憶(登録)する際に、制御部11によって発行されて記憶される。担当者DB12aに記憶される担当者ID以外の各情報は、入力部14又は通信部13を介して追加、変更又は削除の指示を取得する都度、制御部11によって追加、変更又は削除される。担当者DB12aの記憶内容は図2Aに示す例に限定されず、商談担当者に関する各種の情報を記憶することができる。
商談相手DB12bは、商談相手に関する情報を記憶している。図2Bに示す商談相手DB12bは、商談相手ID列、会社名列、氏名列、年齢列、性別列、性格列等を含む。商談相手ID列は、各商談相手に予め割り当てられた識別情報を記憶する。会社名列、氏名列、年齢列、性別列、性格列はそれぞれ、各商談相手の会社名、氏名、年齢、性別、性格を記憶する。商談相手DB12bに記憶される商談相手IDは、制御部11が新たな商談相手の情報を商談相手DB12bに記憶(登録)する際に、制御部11によって発行されて記憶される。商談相手DB12bに記憶される商談相手ID以外の各情報は、入力部14又は通信部13を介して追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。なお、商談相手ID以外の各情報は、表示部15に表示された所定の入力フォームに対して入力部14を介して入力されて商談相手DB12bに記憶されてもよい。また、商談相手ID以外の各情報は、外部装置で所定の入力フォームに対して入力された各情報をネットワーク経由で受信して商談相手DB12bに記憶されてもよい。更に例えば、商談相手の情報を記載した用紙をスキャナで読み取って電子データに変換することによって、商談相手ID以外の各情報を取得して商談相手DB12bに記憶してもよい。商談相手DB12bの記憶内容は図2Bに示す例に限定されず、商談相手に関する各種の情報を記憶することができる。なお、商談相手DB12bには、商談相手について把握している情報のみが記憶されればよい。
商談予定DB12cは、予定された商談に関する情報(商談予定情報)を記憶している。なお、商談予定DB12cは、実施済みの商談及び実施待ち(未実施)の商談の情報を記憶する。図2Cに示す商談予定DB12cは、商談相手ID列、担当者ID列、戦略列、商談日時列等を含む。商談相手ID列は、各商談相手のID(識別情報)を記憶する。商談相手ID列に記憶されるIDは、商談相手DB12bに記憶されている商談相手IDを用いる。担当者ID列は、各商談担当者に予め割り当てられた識別情報を記憶する。担当者ID列に記憶される識別情報は、担当者DB12aに記憶されている担当者IDを用いる。戦略列は、各商談相手に対して設定された戦略の情報を記憶する。なお、戦略の情報は、戦略内容を記載したテキストデータであってもよいし、戦略内容に応じたフォーム(雛型)の資料(プレゼンテーション資料、提案書等)のデータであってもよい。また、戦略の情報は、各戦略内容に割り当てられた識別情報であってもよいし、記憶部12の所定領域又は外部の記憶装置に記憶された戦略内容を記載したテキストデータ又は戦略内容に応じた資料のデータを読み出すための情報(例えばデータの記憶場所を示すファイル名)であってもよい。また戦略内容は、例えば作成すべき資料のページ数や枚数、記載すべき内容の記載順序、言葉使い、図表の有無、色合いの指定等、資料作成時の注意事項や、商談中に重要視すべき事項、資料に従って話す順序、言葉使い等、商談時の注意事項等を含んでもよい。また戦略内容は、商談対象の商品又はサービスの機能に関する説明、コストに関する説明、アフターサービスに関する説明、競合他社の商品又はサービスに関する説明等の各説明について、話す順序や時間配分等の商談方針を含んでもよい。更に戦略内容は、例えば「とにかく押し続ける営業」、「押すのを止めて他の商品を勧める等一旦引いてみる営業」、「上から目線で買うべきだと言い切る営業」、「下手に出る営業」等の営業姿勢(商談姿勢)を含んでもよい。商談日時列は、各商談相手に対して設定された商談予定日時を記憶する。商談予定DB12cに記憶される商談相手IDは、例えば商談相手DB12bに新たな商談相手の情報が記憶された場合に、商談相手DB12bに記憶された商談相手IDが制御部11によって追加される。商談予定DB12cに記憶される担当者ID、戦略及び商談日時は、制御部11が各商談相手に対する商談担当者、戦略及び商談日時を決定する都度、制御部11によって追加される。商談予定DB12cの記憶内容は図2Cに示す例に限定されず、商談に関する各種の情報を記憶することができる。
次に、第1商談支援装置10の制御部11が制御プログラム12Pを実行することによって実現される機能について説明する。図3は、第1商談支援装置10の制御部11によって実現される機能を示すブロック図、図4及び図5は、画面例を示す模式図である。第1商談支援装置10の制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを実行した場合、登録受付部101、相手情報取得部102、相手情報記憶部103、担当者決定受付部104、相手情報読出部105、担当者特定部106、戦略決定受付部107、相手情報読出部108、戦略特定部109、画面生成部110、出力部111の各機能を実現する。なお、本実施形態では、これらの各機能を制御部11が制御プログラム12Pを実行することにより実現するが、これらの一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
本実施形態において、第1商談支援装置10の制御部11は制御プログラム12Pを実行した場合、図4Aに示す初期画面を表示部15に表示する。図4Aに示す画面は、「商談相手を登録する」ボタン、「担当者を決める」ボタン及び「戦略を決める」ボタンを表示する。「商談相手を登録する」ボタンは、商談相手の情報を商談相手DB12bに登録する際に操作するボタンであり、入力部14を介してこのボタンが操作された場合、登録受付部101は、商談相手に関する情報の登録指示を受け付ける。「担当者を決める」ボタンは、商談相手DB12bに登録された商談相手に対して商談を行う商談担当者を決定する際に操作するボタンであり、入力部14を介してこのボタンが操作された場合、担当者決定受付部104は、商談相手に対する商談担当者の決定指示を受け付ける。「戦略を決める」ボタンは、商談相手DB12bに登録された商談相手に適した戦略を決定する際に操作するボタンであり、入力部14を介してこのボタンが操作された場合、戦略決定受付部107は、商談相手に対する戦略の決定指示を受け付ける。
登録受付部101が商談相手の登録指示を受け付けた場合、相手情報取得部(取得部)102は、登録すべき商談相手に関する情報(相手情報)を取得する。なお、図4Aに示す画面において「商談相手を登録する」ボタンが操作された場合、相手情報取得部102は、図4Bに示す登録画面を表示部15に表示する。図4Bに示す画面は、商談相手に関する情報の登録方法として、CSV(Comma-Separated Value )、API(Application Programming Interface )、入力画面又は紙スキャンを選択するためのCSVボタン、APIボタン、入力画面ボタン、紙スキャンボタンを表示する。入力部14を介していずれかのボタンが操作されて「登録する」ボタンが操作された場合、相手情報取得部102は、選択された方法によって商談相手に関する情報を取得する。例えば、CSVボタンが選択(操作)されて「登録する」ボタンが操作された場合、相手情報取得部102は、CSVフォーマットで商談相手の情報が記載されたファイルの指定を受け付け、指定されたファイルから商談相手の情報を読み込む。また、入力画面ボタンが選択(操作)されて「登録する」ボタンが操作された場合、相手情報取得部102は、所定の入力フォームの画面を表示部15に表示し、入力フォームを介して商談相手の情報を取得する。商談相手の情報は、例えば過去に商談経験を有する担当者によって登録されてもよいし、商談終了直後に各担当者によって登録されてもよい。また商談相手の情報に、商談相手が好む資料の記載態様、話し方や言葉使い、趣味等、商談の過程で担当者が得た情報を含めてもよい。
また、図4Bに示す画面は、商談相手に対して所定のアンケートへの回答又は所定の入力フォームへの情報入力を依頼するための「アンケート/情報入力を依頼する」ボタンを表示する。入力部14を介して「アンケート/情報入力を依頼する」ボタンが操作された場合、相手情報取得部102は、所定のアンケートフォーム又は入力フォームを商談相手の端末へネットワーク経由で送信する。商談相手は、受信したアンケートフォーム又は入力フォームに適宜情報を入力して返信することにより、相手情報取得部102は、所定のアンケートフォーム又は入力フォームを介して商談相手の更なる情報を取得できる。なお、所定のアンケートフォーム又は入力フォームは、例えば商談相手に予め配布したプレゼンテーション資料に対する質問やプレゼンテーション資料に対して興味を持った箇所等の情報を入力するように構成してある。また、商談相手の端末の宛先情報は取得しているものとする。
相手情報記憶部103は、相手情報取得部102が取得した商談相手に関する各種の情報を商談相手DB12bに記憶する。図4Bに示す画面において、いずれかの登録方法に対応するボタン及び「登録する」ボタンが操作されて、商談相手に関する情報が商談相手DB12bに登録された後、制御部11は、図4Cに示す一覧画面を表示部15に表示する。図4Cに示す画面は、商談相手DB12bに登録された商談相手の情報を一覧表示する。例えば、商談相手の氏名及び会社名等を表示する。なお、商談担当者又は商談における戦略が設定されていない商談相手の情報のみを一覧表示してもよい。また図4Cに示す画面は、各商談相手を選択するためのチェックボックス、「担当者を決める」ボタン及び「戦略を決める」ボタンを表示する。入力部14を介して1又は複数の商談相手のチェックボックスが選択されて「担当者を決める」ボタンが操作された場合、担当者決定受付部104が、選択された商談相手に対する商談担当者の決定指示を受け付ける。なお、図4Cに示す画面において、入力部14を介して1又は複数の商談相手のチェックボックスが選択されて「戦略を決める」ボタンが操作された場合、戦略決定受付部107が、選択された商談相手に対する戦略の決定指示を受け付ける。
担当者決定受付部104が商談担当者の決定指示を受け付けた場合、相手情報読出部105は、商談担当者を決定すべき商談相手に関する情報を商談相手DB12bから読み出す。例えば相手情報読出部105は、商談相手の氏名及び会社名等を読み出す。相手情報読出部105が商談相手の情報を読み出した場合、画面生成部110は、図5Aに示すような担当者の決定画面を生成する。図5Aに示す画面は、相手情報読出部105が読み出した商談相手の情報を一覧表示する。なお、図5Aでは、商談相手に対応する担当者の情報(担当者ID)が表示されているが、担当者が決定されていない商談相手については、担当者の情報は表示されない。図5Aに示す画面は、各商談相手を選択するためのチェックボックスを表示する。また図5Aに示す画面は、担当者の決定方法として、選択された商談相手毎に異なる方針で個別に決定する方法、選択された商談相手に対して同じ方針で一括して決定する方法、所定の学習済モデル(AI:Artificial Intelligence )を用いて自動で決定する方法のいずれかを選択するための個別決定ボタン、一括決定ボタン及びAI決定ボタンを表示する。更に図5Aに示す画面は、商談の方針として、機能重視の説明、コスト重視の説明、簡潔な説明のいずれかを選択するための機能重視ボタン、コスト重視ボタン及び簡潔ボタンを表示する。
出力部111は、画面生成部110が生成した担当者の決定画面を表示部15に表示する。図5Aに示す画面において、入力部14を介して担当者の決定方法として個別決定ボタンが選択された場合、いずれかの方針に対応するボタンと、いずれかの商談相手のチェックボックスとが更に操作された後に、担当者特定部(特定部)106は、選択された1人の商談相手について適切な商談担当者を特定する。また図5Aに示す画面において、担当者の決定方法として一括決定ボタンが選択された場合、いずれかの方針に対応するボタンと、1又は複数の商談相手のチェックボックスとが更に操作された後に、担当者特定部106は、選択された各商談相手について適切な商談担当者を特定する。更に図5Aに示す画面において、担当者の決定方法としてAI決定ボタンが選択された場合、1又は複数の商談相手のチェックボックスが更に操作された後に、担当者特定部106は、選択された各商談相手について適切な商談担当者を特定する。なお、AI決定ボタンが選択された場合は、商談の方針は選択される必要はない。
担当者特定部106は、図5Aに示す画面を介して選択された商談相手に対して適切な担当者を、例えば担当者決定用学習済モデル121を用いて特定する。具体的には、担当者特定部106は、それぞれの商談相手について、商談相手の情報と商談の方針とを担当者決定用学習済モデル121に入力し、担当者決定用学習済モデル121からの出力値を取得する。商談相手の情報は、相手情報読出部105が商談相手DB12bから読み出した情報であり、商談の方針は、図5Aに示す画面を介して選択された方針(方針を示す方針情報)である。担当者決定用学習済モデル121の出力値は、担当者DB12aに登録してある商談担当者のそれぞれに対する判別確率であり、それぞれの担当者が、商談相手に対してどの程度適切であるかを表す度合を示す。例えば担当者決定用学習済モデル121の出力ノードは商談担当者の数だけ設けられており、各出力ノードから、各出力ノードに対応付けられた担当者に対する判別確率が出力される。各出力ノードの出力値は例えば0〜1.0の値であり、全ての出力ノードから出力された確率の合計が1.0(100%)となる。担当者特定部106は、例えば担当者決定用学習済モデル121からの出力値が最大の担当者を特定し、特定した担当者を商談相手に対する商談担当者に決定する。
なお、担当者決定用学習済モデル121は、例えば深層学習アルゴリズムを用いて学習させたディープラーニングモデルである。担当者決定用学習済モデル121は例えば、過去の商談相手に関する情報と、それぞれの方針に係る情報と、それぞれの商談相手に対して適切であった商談担当者を示す情報(正解ラベル)とを1セットとした教師データを用いて学習する。担当者決定用学習済モデル121は、教師データに含まれる商談相手に関する情報及び方針に係る情報を入力した場合に、教師データに含まれる正解ラベルが示す担当者に対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、その他の出力ノードからの出力値が0に近づくように学習する。なお、学習処理において、担当者決定用学習済モデル121は、入力値に対して行う所定の演算を規定する関数の係数や閾値等のデータを最適化する。これにより、商談相手に関する情報と方針に係る情報とに基づいて、商談相手に最適な担当者の情報を出力するように学習済みのモデル121が得られる。
担当者決定用学習済モデル121は、第1商談支援装置10において学習が行われてもよいし、異なる学習装置において学習された後に第1商談支援装置10の記憶部12に記憶されてもよい。担当者決定用学習済モデル121は、ディープラーニングモデルに限定されず、種々の機械学習のアルゴリズムによって構築された学習済モデルを用いることができる。また、担当者決定用学習済モデル121は、図5Aに示す画面を介して選択可能な商談の方針毎に設けられていてもよい。この場合、担当者特定部106は、商談相手の情報のみを担当者決定用学習済モデル121に入力し、担当者決定用学習済モデル121からそれぞれの担当者に対する判別確率を示す出力値を取得する。
なお、図5Aに示す画面において、担当者の決定方法としてAI決定ボタンが選択された場合、担当者特定部106は、商談相手の情報のみに基づいて商談相手に適した担当者を特定する。ここでは、担当者特定部106は、担当者決定用学習済モデル121を用いて担当者を特定してもよいし、担当者決定用学習済モデル121とは異なり、商談相手の情報のみに基づいて適切な担当者の情報を出力するように学習された学習済モデルを用いてもよい。担当者特定部106が商談相手に適した担当者を特定した場合、画面生成部110は、図5Aに示す画面において、商談相手に対応する担当者として、特定した担当者の担当者IDを追加する。出力部111は、画面生成部110によって更新された決定画面を表示部15に表示する。
図5Aに示す画面は、表示された商談相手に対する担当者を決定するための「決定する」ボタンを表示しており、入力部14を介して「決定する」ボタンが操作された場合、表示されている担当者をそれぞれの商談相手の担当者に決定する。このとき、制御部11は、商談予定DB12cに対して、商談相手の商談相手IDに対応付けて、決定した担当者の担当者IDを記憶する。これにより、商談相手に対して適切な担当者が設定される。このように、商談相手の情報に基づいて最適な商談担当者を設定することにより、商談成立につながるような有効な商談の実施が可能となる。なお、担当者特定部106は、担当者決定用学習済モデル121を用いずに、商談相手に関する情報と、担当者に関する情報とに基づいて、それぞれの商談相手に対して適切な担当者を特定してもよい。例えば、既に商談経験があり適切な組合せである商談相手の属性や性格と、担当者とを対応付けてテーブルに記憶しておき、商談相手の属性や性格に対応する担当者をテーブルから特定してもよい。また、第1商談支援装置10が各担当者のスケジュールアプリと連携している場合、制御部11は、商談相手に対する担当者を決定した場合に、対応する担当者のスケジュールアプリに、商談予定が入ったこと及び商談相手に関する情報を登録してもよい。
一方、戦略決定受付部107が戦略の決定指示を受け付けた場合、相手情報読出部108は、戦略を決定すべき商談相手に関する情報を商談相手DB12bから読み出す。例えば相手情報読出部108は、商談相手の氏名及び会社名等を読み出す。相手情報読出部108が商談相手の情報を読み出した場合、画面生成部110は、図5Bに示すような戦略の決定画面を生成する。図5Bに示す画面は、図5Aに示す担当者の決定画面と同様の構成を有しており、図5Aに示す画面が商談相手に対する担当者の情報を表示する代わりに、商談相手に対する戦略の情報を表示する。図5Aに示す画面に表示される戦略の情報は、例えば戦略内容、戦略内容の識別情報、戦略内容を記載したテキストデータや戦略内容に応じたデータ等のファイルへのリンク等を用いることができる。
出力部111は、画面生成部110が生成した戦略の決定画面を表示部15に表示する。図5Bに示す画面において、入力部14を介して戦略の決定方法として個別決定ボタンが選択された場合、いずれかの方針に対応するボタンと、いずれかの商談相手のチェックボックスとが更に操作された後に、戦略特定部(特定部)109は、選択された1人の商談相手について適切な戦略を特定する。また図5Bに示す画面において、戦略の決定方法として一括決定ボタンが選択された場合、いずれかの方針に対応するボタンと、1又は複数の商談相手のチェックボックスとが更に操作された後に、戦略特定部109は、選択された各商談相手について適切な戦略を特定する。更に図5Bに示す画面において、戦略の決定方法としてAI決定ボタンが選択された場合、1又は複数の商談相手のチェックボックスが更に操作された後に、戦略特定部109は、選択された各商談相手について適切な戦略を特定する。なお、戦略特定部109が特定する戦略は、商談に用いる資料のフォーム及び資料作成時の注意事項、並びに商談時の注意事項や商談姿勢(営業姿勢)等を含んでもよい。注意事項としては、例えば重要視すべき内容が、商談対象の商品又はサービスの機能に関する説明、コストに関する説明又はアフターサービスに関する説明のいずれであるのか、簡潔な記載及び説明が要求されているのか、資料のページ数の指定等の情報を含んでもよい。
戦略特定部109は、図5Bに示す画面を介して選択された商談相手に対して適切な戦略を戦略決定用学習済モデル122を用いて特定する。具体的には、戦略特定部109は、それぞれの商談相手について、商談相手の情報と商談の方針とを戦略決定用学習済モデル122に入力し、戦略決定用学習済モデル122からの出力値を取得する。戦略決定用学習済モデル122の出力値は、予め設定された複数の戦略のそれぞれに対する判別確率であり、それぞれの戦略が、商談相手に対してどの程度適切であるかを表す度合を示す。例えば、戦略決定用学習済モデル122の出力ノードは、予め設定された戦略の数設けられており、各出力ノードから、各出力ノードに対応付けられた戦略に対する判別確率が出力される。戦略特定部109は、例えば戦略決定用学習済モデル122からの出力値が最大の戦略を特定し、特定した戦略を商談相手に対する戦略に決定する。これにより、商談相手の属性等の情報に適した戦略を決定できる。また例えば商談相手の情報に、商談相手が予め配布した資料に対して興味を持った箇所の情報が含まれる場合、商談相手が興味を持った内容を充実させるような戦略を決定できる。なお、予め設定された戦略に関する情報(例えば戦略内容を記載したテキストデータや戦略内容に応じた資料のデータ)は、戦略の識別情報に対応付けて記憶部12に記憶しておく。また戦略内容は、作成すべき資料のページ数や枚数、記載すべき内容の記載順序、言葉使い、図表の有無、色合いの指定等、資料作成時の注意事項を含む。また戦略内容は、商談中に重要視すべき事項、資料中の各内容(各ページ)の話す順序や時間配分、言葉使い等、商談時の注意事項等を含んでもよい。
なお、戦略決定用学習済モデル122は、担当者決定用学習済モデル121と同様にディープラーニングモデルを用いることができる。戦略決定用学習済モデル122は例えば、過去の商談相手に関する情報と、それぞれの方針に係る情報と、それぞれの商談相手に対して有用であった戦略を示す情報(正解ラベル)とを1セットとした教師データを用いて学習する。戦略決定用学習済モデル122は、教師データに含まれる商談相手に関する情報及び方針に係る情報を入力した場合に、教師データに含まれる正解ラベルが示す戦略に対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、その他の出力ノードからの出力値が0に近づくように学習する。これにより、商談相手に関する情報と方針に係る情報とに基づいて、商談相手に最適な戦略の情報を出力するように学習済みのモデル122が得られる。
戦略決定用学習済モデル122も、第1商談支援装置10において学習が行われてもよいし、異なる学習装置において学習された後に第1商談支援装置10の記憶部12に記憶されてもよい。戦略決定用学習済モデル122はディープラーニングモデルに限定されず、種々の機械学習のアルゴリズムによって構築された学習済モデルを用いることができる。また、戦略決定用学習済モデル122は、図5Bに示す画面を介して選択可能な商談の方針毎に設けられていてもよい。この場合、戦略特定部109は、商談相手の情報のみを戦略決定用学習済モデル122に入力し、戦略決定用学習済モデル122からそれぞれの戦略に対する判別確率を示す出力値を取得する。
なお、図5Bに示す画面において、戦略の決定方法としてAI決定ボタンが選択された場合、戦略特定部109は、商談相手の情報のみに基づいて商談相手に適した戦略を特定する。ここでは、戦略特定部109は、戦略決定用学習済モデル122を用いて戦略を特定してもよいし、戦略決定用学習済モデル122とは異なり、商談相手の情報のみに基づいて適切な戦略を特定するように学習された学習済モデルを用いてもよい。戦略特定部109が商談相手に適した戦略を特定した場合、画面生成部110は、図5Bに示す画面において、商談相手に対応する戦略として、特定した戦略の識別情報を追加する。なお、戦略内容自体を図5Bに示す画面に追加してもよい。出力部111は、画面生成部110によって更新された戦略の決定画面を表示部15に表示する。
図5Bに示す画面は、表示された商談相手に対する戦略を決定するための「決定する」ボタンを表示しており、入力部14を介して「決定する」ボタンが操作された場合、表示されている戦略をそれぞれの商談相手の戦略に決定する。このとき、制御部11は、商談予定DB12cに対して、商談相手の商談相手IDに対応付けて、決定した戦略の識別情報を記憶する。これにより、商談相手に対して適切な戦略が設定される。このように、商談相手の情報に基づいて、商談前に最適な戦略を設定することにより、商談成立につながるような有効な商談を実施するための準備が可能となる。なお、戦略特定部109は、戦略決定用学習済モデル122を用いずに、商談相手に関する情報に基づいて、それぞれの商談相手に対して適切な戦略を特定してもよい。例えば、商談相手の情報と、それぞれの商談相手に適した戦略とを対応付けてテーブルに記憶しておき、商談相手の情報に対応する戦略をテーブルから特定してもよい。
以下に、上述したように第1商談支援装置10によって各種情報が記憶された商談相手DB12b及び商談予定DB12cを用いて、実際の商談において担当者を支援する第2商談支援装置20について説明する。図6は第2商談支援装置20の構成例を示すブロック図である。第2商談支援装置20は、商談中に方針変更を指示された場合に方針に沿った戦略を特定する処理等、種々の情報処理を行う。なお、商談には、顧客(商談相手)に対して商品やサービスに関する説明を行い、購入してもらうように交渉する所謂商談のほかに、例えば商談後や商品購入後において顧客からのクレームや問合せに対して行うクレーム対応や問合せ対応も含まれる。第2商談支援装置20は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ等であり、第1商談支援装置10と同様の構成を有するので、構成については説明を省略する。
第2商談支援装置20の記憶部22は、制御部21が実行する制御プログラム22P及び制御プログラム22Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部22は、商談の進捗状況と商談の方針とに対応付けて戦略が設定してある戦略設定テーブル221を記憶している。更に記憶部22は、商談相手DB22a及び商談予定DB22bを記憶する。商談相手DB22a及び商談予定DB22bは、第1商談支援装置10の記憶部12に記憶してある商談相手DB12b及び商談予定DB12cと同一である。なお、商談相手DB22a及び商談予定DB22bの代わりに、実施される商談の商談相手に関する情報と、商談相手に設定された戦略とが記憶部22に記憶されていてもよい。
第2商談支援装置20は第1商談支援装置10であってもよく、この場合、第2商談支援装置20の記憶部22に、第1商談支援装置10の記憶部12に記憶してある学習済モデル121,122及び担当者DB12aが記憶されていてもよい。また、第2商談支援装置20をサーバコンピュータ等によって構成し、第2商談支援装置20と外部装置(商談担当者の端末)とをインターネット又はLAN等のネットワークを介して接続し、外部装置で入力された情報が、ネットワーク経由で第2商談支援装置20へ送信される構成としてもよい。第2商談支援装置20をサーバコンピュータによって構成する場合、第2商談支援装置20は、複数台設けられて複数台で分散処理する構成でもよいし、1台のサーバ装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。また、第1商談支援装置10及び第2商談支援装置20が実現する各機能を1台のサーバコンピュータによって構成してもよく、1台のサーバ装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。
図7は、戦略設定テーブル221の構成例を示す模式図である。戦略設定テーブル221には、商談の進捗状況と、商談中に担当者によって指定された方針とに対応付けて戦略が設定してある。商談の進捗状況は、例えば商談用に用意した資料において説明が終了したページ番号を示す。戦略設定テーブル221に記憶される戦略の内容は、例えば商談用の資料において次に説明すべきページ番号、資料の各ページにおいて商談相手に質問又は説明すべき内容、変更すべき商談姿勢等を示す。図7に示す例では、進捗状況を進捗1〜4としているが、区分する進捗状況の数は4つに限らない。
次に、第2商談支援装置20の制御部21が制御プログラム22Pを実行することによって実現される機能について説明する。図8は、第2商談支援装置20の制御部21によって実現される機能を示すブロック図、図9は、画面例を示す模式図である。図9Aは商談中の支援画面例を示し、図9Bは商談中に方針を指定(変更)された場合の支援画面例を示す。第2商談支援装置20の制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pを実行した場合、進捗検知部201、方針受付部202、戦略特定部203、画面生成部204、出力部205の各機能を実現する。なお、本実施形態では、これらの各機能を制御部21が制御プログラム22Pを実行することにより実現するが、これらの一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
本実施形態の第2商談支援装置20において、商談を開始する際に、担当者は第2商談支援装置20の制御部21に制御プログラム22Pを実行させる。進捗検知部201は、商談用に用意された資料において説明が終了したページ番号を検知する。進捗検知部201は、例えば商談中に入力部24を介して、説明が終了したページ番号の入力を受け付けることにより、進捗状況を検知する。また例えば、電子データの商談用資料をモニタ装置又はプロジェクタ等を用いて表示しつつ商談を行う場合、進捗検知部201は、表示済みのページ番号を、説明が終了したページ番号として検知してもよい。
画面生成部204は、進捗検知部201が検知した進捗状況に基づいて、図9Aに示すような商談支援画面を生成する。図9Aに示す画面は、商談前に第1商談支援装置10で特定した戦略に応じて担当者等が作成した商談用の資料を、進捗検知部201が検知した進捗状況に基づいて表示する進捗状況欄を有する。進捗状況欄は、商談において説明中のページ及びページ番号を表示し、ページを戻すための戻るボタンと、ページを進めるための次へボタンとを有する。なお、進捗検知部201は、図9Aに示す画面において戻るボタン又は次へボタンが入力部24を介して操作されることにより、進捗状況を検知してもよい。図9Aに示す画面は、商談中の担当者を支援するためのアドバイス欄を有する。アドバイス欄は、実施中の商談の方針を選択するための機能重視ボタン、コスト重視ボタン及び簡潔ボタンを表示し、商談中に選択された方針に応じたレコメンド戦略を表示するレコメンド戦略欄を有する。またアドバイス欄は、商談相手からの質問の入力欄と、入力した質問に対する戦略を表示する戦略欄と、入力した質問に対する回答を表示する回答欄とを有する。出力部205は、画面生成部204が生成した商談支援画面を表示部25に表示する。
担当者は商談中に商談方針を変更したい場合、図9Aに示す画面において、いずれかの方針に対応するボタンを入力部24にて操作する。商談支援画面において、いずれかの方針に対応するボタンが操作(選択)された場合、方針受付部(方針取得部)202は、実施中の商談の方針(方針に関する方針情報)を受け付ける。方針受付部202が商談の方針を受け付けた場合、戦略特定部(特定部)203は、戦略設定テーブル221に基づいて次に説明すべきページ番号や変更すべき商談姿勢等(レコメンド戦略)を特定する。ここでは、戦略特定部203は、進捗検知部201が検知した現在の進捗状況と、方針受付部202が受け付けた方針とに対応する戦略を特定する。戦略特定部203が商談の方針に沿った戦略を特定した場合、画面生成部204は、図9Bに示す画面中のレコメンド戦略欄に、特定した戦略を表示して商談支援画面を更新する。ここでの戦略は、例えば早急に説明すべきページ番号である。出力部205は、画面生成部204によって更新された商談支援画面を表示部25に表示する。なお、戦略特定部203は、第1商談支援装置10の戦略特定部109のように、担当者から指定された方針に応じた戦略を、戦略決定用学習済モデルを用いて特定してもよい。この場合、戦略決定用学習済モデルは記憶部22に記憶しておく。
また担当者は商談中に商談相手から質問があり、質問に対応するページ番号や質問に対する回答(正解)が分からない場合、入力部24にてアドバイス欄の質問の入力欄に質問を入力してOKボタンを操作する。なお、第2商談支援装置20が音声入力機能及び音声認識機能を有する場合、制御部21は、音声入力機能によって商談相手の会話音声を取得し、音声認識機能によって会話音声から会話内容を認識し、会話内容から質問内容を抽出して質問の入力欄に表示してもよい。この場合、担当者は、質問の入力欄に表示された質問内容を確認した後、OKボタンを操作すればよい。商談支援画面において質問が入力された場合、方針受付部202は、入力された質問を受け付ける。方針受付部202が質問を受け付けた場合、戦略特定部203は、資料において質問に対応する内容のページ番号を特定する。例えば、戦略特定部203は、資料中の各ページに対して、入力された質問中の文言を検索し、質問中の文言が記載されているページを特定する。戦略特定部203が商談相手からの質問に対応するページを特定できた場合、画面生成部204は、図9Bに示す画面中の質問に対する戦略欄に、戦略特定部203が特定したページ番号を表示して商談支援画面を更新する。また戦略特定部203は、方針受付部202が受け付けた質問に対する回答を、ネットワークを介して、所定のサーバに蓄積されている情報又はwebサーバで公開されている情報から検索して特定してもよい。なお、所定のサーバや第2商談支援装置20において、予め質問及び回答例を登録しておき、戦略特定部203は、方針受付部202が受け付けた質問が予め登録されていれば、対応する回答例を質問に対する回答に特定してもよい。また、質問内容が入力された場合に適切な回答が出力されるように学習させた学習済モデルを用いて、方針受付部202が受け付けた質問に対する回答を特定してもよい。戦略特定部203が商談相手からの質問に対する回答を特定できた場合、画面生成部204は、質問に対する回答欄に、戦略特定部203が特定した回答を表示して商談支援画面を更新する。出力部205は、画面生成部204によって更新された商談支援画面を表示部25に表示する。
上述した各部の処理により、第2商談支援装置20では、商談中に担当者が商談の方針の変更指示を行った場合、方針に応じた戦略(レコメンド戦略)が表示される。よって、担当者はレコメンド戦略に応じて商談を進めることにより、商談成立につながるような有効な商談が可能となる。また、商談中に商談相手から質問があり、質問に対応するページ番号や質問に対する回答が分からない場合であっても、商談支援画面中の質問の入力欄に質問を入力することにより、対応するページ番号や質問に対する適切な回答が表示されて担当者を支援できる。なお、商談中に商談相手から受ける質問の内容や質問に対する回答例を自動的に蓄積し、蓄積した情報に基づいて、その後の商談において商談相手から受けた質問に対する回答を特定してもよい。また、質問内容が入力された場合に適切な回答を出力する学習済モデルを、蓄積した情報に基づいて再学習させてもよい。この場合、商談を行う毎に質問内容と回答例とが蓄積されるので、質問に対してより適した回答を特定できるようになる。
次に、第1商談支援装置10が行う処理について説明する。図10は、第1商談支援装置10による商談相手の登録処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、第1商談支援装置10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行される。第1商談支援装置10の制御部11は、商談相手に関する情報の登録指示を受け付けたか否かを判断する(S11)。例えば制御部11は、図4Aに示す初期画面において「商談相手を登録する」ボタンが操作された場合、商談相手に対する情報の登録指示を受け付ける。登録指示を受け付けていないと判断した場合(S11:NO)、制御部11は登録指示を受け付けるまで待機する。
登録指示を受け付けたと判断した場合(S11:YES)、制御部11は、図4Bに示すような登録画面を表示部15に表示する(S12)。次に制御部11は、図4Bに示す画面を介して商談相手の情報の登録方法を受け付け(S13)、受け付けた登録方法にて商談相手に関する情報を取得する(S14)。例えば登録方法としてCSVが選択された場合、制御部11は、CSVフォーマットで商談相手の情報が記載されたファイルから商談相手の情報を取得する。制御部11は、取得した商談相手に関する各種の情報を商談相手DB12bに記憶し(S15)、登録処理を終了する。
図11は、第1商談支援装置10による担当者又は戦略の決定処理の手順を示すフローチャートである。第1商談支援装置10の制御部11は、担当者の決定指示を受け付けたか否かを判断する(S21)。例えば制御部11は、図4A又は図4Cに示す画面において「担当者を決める」ボタンが操作された場合、担当者の決定指示を受け付ける。担当者の決定指示を受け付けていないと判断した場合(S21:NO)、制御部11はステップS28に処理を移行する。担当者の決定指示を受け付けたと判断した場合(S21:YES)、制御部11は、商談相手DB12bに登録された商談相手の情報を商談相手DB12bから読み出し(S22)、商談相手の情報を一覧表示する担当者の決定画面を生成して表示部15に表示する(S23)。これにより、図5Aに示すような決定画面が表示される。なお、制御部11は、担当者がまだ決定されていない商談相手の情報のみを表示する担当者の決定画面を生成してもよい。
制御部11は、担当者の決定画面を介して、担当者の決定方法、商談の方針、担当者を決定すべき商談相手の選択を受け付け、選択された商談相手に対して、選択された決定方法で、選択された商談の方針に応じた担当者を特定する(S24)。なお、制御部11は、選択された商談相手に適した担当者を担当者決定用学習済モデル121を用いて特定する。制御部11は、例えば担当者の決定画面に、特定した担当者の担当者IDを追加することにより、決定した担当者(特定結果)を表示する(S25)。
制御部11は、表示された担当者を、それぞれの商談相手に対する担当者に決定する指示を受け付けたか否かを判断する(S26)。例えば制御部11は、図5Aに示す画面中の「決定する」ボタンが操作された場合、表示された担当者に対する決定指示を受け付ける。担当者に対する決定指示を受け付けたと判断した場合(S26:YES)、制御部11は、図5Aに示す画面に表示された各商談相手に対応する担当者(特定結果)を商談予定DB12cに記憶する(S27)。具体的には、制御部11は、商談予定DB12cにおいて、この商談相手の商談相手IDに対応付けて、決定した担当者の担当者IDを記憶する。これにより、それぞれの商談相手に対して最適な担当者を決定して登録できる。担当者の決定指示を受け付けていないと判断した場合(S26:NO)、制御部11はステップS27の処理をスキップする。
次に制御部11は、商談相手に対する戦略の決定指示を受け付けたか否かを判断する(S28)。例えば制御部11は、図4A又は図4Cに示す画面において「戦略を決める」ボタンが操作された場合、いずれかの商談相手に対する戦略の決定指示を受け付ける。戦略の決定指示を受け付けていないと判断した場合(S28:NO)、制御部11はステップS21に処理を戻す。
戦略の決定指示を受け付けたと判断した場合(S28:YES)、制御部11は、商談相手DB12bに登録された商談相手の情報を読み出し(S29)、商談相手の情報を一覧表示する戦略の決定画面を生成して表示部15に表示する(S30)。これにより、図5Bに示すような決定画面が表示される。なお、制御部11は、戦略がまだ決定されていない商談相手の情報のみを表示する戦略の決定画面を生成してもよい。制御部11は、戦略の決定画面を介して、戦略の決定方法、商談の方針、戦略を決定すべき商談相手の選択を受け付け、選択された商談相手に対して、選択された決定方法で、選択された商談の方針に応じた戦略を特定する(S31)。なお、制御部11は、選択された商談相手に適した戦略を、戦略決定用学習済モデル122を用いて特定する。制御部11は、例えば戦略の決定画面に、特定した戦略の識別情報を追加することにより、決定した戦略(特定結果)を表示する(S32)。
制御部11は、表示された戦略を、それぞれの商談相手に対する戦略に決定する指示を受け付けたか否かを判断する(S33)。例えば制御部11は、図5Bに示す画面中の「決定する」ボタンが操作された場合、表示された戦略に対する決定指示を受け付ける。戦略に対する決定指示を受け付けたと判断した場合(S33:YES)、制御部11は、図5Bに示す画面に表示された各商談相手に対して決定した戦略(特定結果)を商談予定DB12cに記憶する(S34)。具体的には、制御部11は、商談予定DB12cにおいて、この商談相手の商談相手IDに対応付けて、決定した戦略の識別情報を記憶する。これにより、それぞれの商談相手に対して最適な戦略を決定して登録できる。戦略に対する決定指示を受け付けていないと判断した場合(S33:NO)、制御部11はステップS34の処理をスキップする。
上述した処理により、商談前に商談相手に関する各種情報を取得して商談相手DB12bに登録することができる。また、登録した各情報に基づいて事前に商談相手について把握でき、商談前に商談相手に最適な担当者及び戦略を設定できる。なお、担当者は、設定された戦略に応じた方針で商談用の資料を作成する。これにより、有意義な商談を行うための準備が可能となる。
次に、第2商談支援装置20が行う処理について説明する。図12は、第2商談支援装置20による商談支援処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、第2商談支援装置20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pに従って制御部11によって実行される。担当者は、商談を行う際に、第2商談支援装置20の制御部21に制御プログラム22Pを実行させる。これにより、制御部21は、商談に用いる資料の電子データに基づいて、図9Aに示すような商談支援画面を生成して表示部25に表示する(S41)。なお、商談に用いる資料の電子データは予め記憶部22に記憶しておく。
制御部21は、開始した商談における進捗状況を検知する(S42)。例えば制御部21は、商談用の資料において説明が終了したページ番号を進捗状況として検知する。制御部21は、商談支援画面中の進捗状況欄に表示する商談用の資料を、検知した進捗状況に基づくページに変更して商談支援画面を更新する(S43)。制御部21は、商談支援画面を介して商談の方針を受け付けたか否かを判断する(S44)。例えば制御部21は、図9Aに示す商談支援画面中に表示したいずれかの方針に対応するボタンが操作された場合、操作されたボタンに対応する方針を受け付ける。商談の方針を受け付けたと判断した場合(S44:YES)、制御部21は、戦略設定テーブル221に基づいてレコメンド戦略を特定し(S45)、商談支援画面中のレコメンド戦略欄に、特定したレコメンド戦略を表示して商談支援画面を更新する(S46)。なお、制御部21は、商談の進捗状況と、指定された商談の方針とに応じた戦略を特定して商談支援画面に表示する。商談の方針を受け付けていないと判断した場合(S44:NO)、制御部21はステップS45,S46の処理をスキップする。
また制御部21は、商談支援画面中の質問の入力欄を介して商談相手からの質問を受け付けたか否かを判断する(S47)。質問を受け付けたと判断した場合(S47:YES)、制御部21は質問に対する戦略を特定し(S48)、商談支援画面中の戦略欄に、特定した戦略を表示して商談支援画面を更新する(S49)。ここでは、制御部21は例えば、資料において質問に対応する内容のページ番号を特定して表示する。これにより、商談相手からの質問に対して適切なページを参照しながらの説明が可能となる。質問の入力欄を介して質問を受け付けていないと判断した場合(S47:NO)、制御部21はステップS48,S49の処理をスキップする。
制御部21は、例えば商談支援画面中の終了ボタンが操作されることによって、商談の終了指示を受け付けたか否かを判断する(S50)。制御部21は、終了指示を受け付けていないと判断した場合(S50:NO)、ステップS42の処理に戻り、ステップS42〜S50の処理を繰り返し、終了指示を受け付けたと判断した場合(S50:YES)、処理を終了する。
第2商談支援装置20は、上述した処理により、商談中に方針の変更指示を受け付けた場合に、方針に応じた戦略を商談担当者に提案することができるので、商談担当者を支援できる。また、商談中に商談相手からの質問が商談支援画面の入力欄に入力された場合に、第2商談支援装置20は、商談相手からの質問に対するページ番号を通知するので、担当者が適切なページを探す手間が省け、商談を円滑に進めることが可能となる。本実施形態では、商談相手に対して最適な担当者及び最適な戦略で商談に臨むことにより、商談成立につながるような商談の実施が可能となる。
(実施形態2)
第2商談支援装置20が商談中に商談担当者と商談相手との会話音声を収集する構成を有する実施形態について説明する。本実施形態において、第1商談支援装置10は、実施形態1と同様の構成を有し同様の処理を行うので、説明を省略する。図13は、実施形態2の第2商談支援装置20の構成例を示すブロック図である。本実施形態の第2商談支援装置20は、実施形態1と同様の構成を有し、更にマイク27を有する。なお、同様の構成については説明を省略する。本実施形態の第2商談支援装置20は、商談中に戦略を特定する処理に加えて、商談中に商談担当者と商談相手との会話音声を収集する処理、収集した会話音声に基づいて商談相手の状態を検出する処理等、種々の情報処理を行う。
マイク27は、増幅器及びA/D(アナログ/デジタル)変換器等を有する集音装置である。マイク27は、周囲の音声を収集してアナログの音声データを取得し、取得した音声データを増幅器にて増幅し、A/D変換器にてデジタルの音声データに変換し、音声データを取得する。マイク27は、制御部21からの指示に従って集音を行い、取得した音声データを逐次制御部21へ送出する。なお、第2商談支援装置20は、マイク27が内蔵された構成のほかに、外部のマイクの接続が可能な接続部を備える構成でもよい。この場合、接続部は、外部のマイクにて取得された音声データの入力を受け付け、入力された音声データを逐次制御部21へ送出する。また、第2商談支援装置20をサーバコンピュータ等によって構成し、第2商談支援装置20と、マイクを有する外部装置(担当者の端末)とをネットワークを介して接続し、外部装置で取得された音声データが、ネットワーク経由で第2商談支援装置20へ送信される構成としてもよい。この場合、第2商談支援装置20はマイク27を備えていなくてもよい。
更に、第2商談支援装置20と、マイクを有する商談相手の端末とをネットワークを介して接続し、商談相手の端末で取得された商談相手の会話音声(音声データ)が、ネットワーク経由で第2商談支援装置20へ送信される構成としてもよい。このような構成とした場合、第2商談支援装置20を用いる商談担当者と商談相手とが遠隔地にいる場合であっても、電話や音声チャット等を利用した商談(例えば電話営業)を行うことができる。なお、この場合、第2商談支援装置20は、商談担当者の会話音声を取得して商談相手の端末へ送信する必要があるのでマイク27を備えており、第2商談支援装置20及び商談相手の端末は相互に送受信する相手の会話音声を出力するためのスピーカを備えている。
本実施形態の第2商談支援装置20の記憶部22は、制御プログラム22P、戦略設定テーブル221、商談相手DB22a及び商談予定DB22bに加えて、商談状況DB22cを記憶している。商談相手DB22a及び商談予定DB22bは、実施形態1と同一である。図14は、実施形態2の戦略設定テーブル221の構成例を示す模式図である。本実施形態の戦略設定テーブル221には、商談中に第2商談支援装置20にて判定される商談相手の状態と、商談中に担当者によって指定された方針とに対応付けて戦略が設定してある。戦略設定テーブル221に記憶される戦略の内容は、実施形態1と同様であり、例えば商談用の資料において説明すべきページ番号を示す。商談相手の状態は、第2商談支援装置20が商談中に収集した担当者と商談相手との会話音声に基づいて逐次判定する状態であり、商談状況DB22cに逐次記憶される情報を用いる。図14に示す例では、商談相手の状態をタイプA〜Dとしているが、タイプの数は4つに限らない。また戦略設定テーブル221は、商談の進捗状況毎に設けられていてもよく、商談相手の状態毎に図7に示す戦略設定テーブル221が設けられていてもよい。
図15は、商談状況DB22cの構成例を示す模式図である。商談状況DB22cは、商談相手の商談時における会話内容や声に関する情報を記憶している。図15に示す商談状況DB22cは、商談相手ID列、音声データ列、会話時間列、会話間の時間列、質問・回答の時間列、声のトーン列、音声に基づく心理状態列、音声のテキストデータ列、テキストデータのグルーピング情報列、キーワード列、解析結果情報列、スコア列等を含む。商談相手ID列は、各商談相手のID(識別情報)を記憶する。音声データ列は、商談相手の商談時における会話の音声データ(音声情報)を記憶する。なお、音声データは、商談状況DB22cに記憶されるほかに、記憶部22の所定領域又は第2商談支援装置20に接続された外部の記憶装置に記憶されてもよい。この場合、音声データ列は、会話の音声データを読み出すための情報(例えばデータの記憶場所を示すファイル名)を記憶する。会話時間列、会話間の時間列、質問・回答の時間列、声のトーン列、音声に基づく心理状態列、音声のテキストデータ列、テキストデータのグルーピング情報列、キーワード列、解析結果情報列、スコア列はそれぞれ、商談相手の音声データに基づいて抽出した商談相手の会話に関する各種の情報を記憶する。
例えば、会話の音声データに対して、音声の特徴量を抽出する処理、担当者及び商談相手の声の特徴量の差異等に基づいて担当者の会話部分と商談相手の会話部分とを分割する処理、会話の継続又は中断を検知する処理等を行うことにより、一連の会話の継続時間(会話時間)、会話と会話の合間の時間(会話間の時間)、質問及び質問に対する回答に要する時間(質問・回答の時間)を取得できる。また、音声データに対して周波数変換処理を行うことにより、商談相手の声のトーンを抽出することができ、抽出した声のトーン等に基づいて、商談相手の心理状態を取得できる。また、音声データをテキストデータに変換する処理、テキストデータ中の類似する各文言をグループ化する処理、テキストデータ中に複数回出現するキーワードを抽出する処理等を行うことにより、音声(会話)のテキストデータ、グループ化した各文言のグルーピング情報、キーワードを取得できる。また、上述したような商談相手の会話に関する情報に基づいて、商談相手の状態を解析することができ、解析結果に係る情報を取得できる。更に、商談相手の状態の解析結果に基づいて、この商談が良好に進行しているか否かを示すスコアを特定できる。なお、商談のスコアは、例えば商談相手に対する解析結果に応じて予め設定されている。また、商談担当者が商談の良し悪しを判断して入力部24を介して判断結果を入力し、入力された判断結果も加味して商談のスコアが特定されてもよい。このように取得される商談相手の会話に関する情報が商談状況DB22cに記憶される。
商談状況DB22cに記憶される商談相手IDは、商談が開始される際に、制御部21によって記憶される。商談状況DB22cに記憶される音声データは、マイク27にて取得する都度、制御部21によって記憶される。また、商談状況DB22cに記憶される商談相手の会話に関する各種の情報は、制御部21が商談相手の会話音声に基づいて各種の情報を取得する都度、制御部21によって記憶される。商談状況DB22cの記憶内容は図15に示す例に限定されず、商談相手の会話音声(音声データ)から抽出できる商談相手の会話に関する各種の情報を記憶することができる。
次に、本実施形態の第2商談支援装置20の制御部21が実現する機能について説明する。図16は、第2商談支援装置20の制御部21によって実現される機能を示すブロック図、図17は、画面例を示す模式図である。第2商談支援装置20の制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pを実行した場合、図8に示した各部に加えて、音声取得部206、状況取得部207、状況情報記憶部208の各機能を実現する。
本実施形態の第2商談支援装置20において、商談を開始する前に、担当者はマイク27の動作確認を行い、マイク27にて商談相手の発話を集音できるようにマイク27を配置する。そして、商談を開始する際に、担当者は第2商談支援装置20の制御部21に制御プログラム22Pを実行させる。制御部21が制御プログラム22Pを実行した場合、音声取得部206はマイク27による集音を開始する。音声取得部206は、取得した音声データを逐次商談状況DB22cに記憶すると共に、状況取得部207へ送出する。状況取得部207は、商談相手の会話音声(音声データ)に対して各種の音声信号処理を行うことにより、一連の会話の会話時間、会話と会話の合間の時間、質問及び質問に対する回答に要する時間を取得する。また状況取得部207は、音声データから商談相手の声のトーンを抽出し、抽出した声のトーン等に基づいて、商談相手の心理状態を取得する。また状況取得部207は、音声データをテキストデータに変換し、得られたテキストデータ中の各文言をグループ化すると共に、複数回出現するキーワードを抽出する。更に状況取得部207は、上述したような情報に基づいて商談相手の状態を解析して解析結果に係る情報を取得し、取得した商談相手の状態に基づいて商談のスコアを特定する。なお、商談相手の声のトーン等から推測される心理状態や、各種の情報に基づいて推測される商談相手の状態は例えば、平穏、緊張、喜び、興奮、驚き、悲しみ、恐れ、怒り等の感情を含む。状況情報記憶部208は、状況取得部207が取得した商談相手の会話に基づく各種の情報を商談状況DB22cに記憶する。状況取得部207は、商談相手の会話に基づく情報として、商談相手の会話音声から、担当者と商談相手との会話の進捗状態や商談相手の発話状態等を検出し、検出結果から商談相手の感情を検出して商談状況DB22cに記憶してもよい。これにより、商談状況DB22cには商談相手の会話に基づく各種の情報が蓄積される。
本実施形態の戦略特定部203は、商談状況DB22cに記憶された商談相手の状態と、方針受付部202が受け付けた方針とに対応する戦略(レコメンド戦略)を戦略設定テーブル221に基づいて特定する。なお、戦略特定部203は、進捗検知部201が検知した現在の進捗状況も考慮して戦略を特定してもよい。また本実施形態の画面生成部204は、進捗検知部201が検知した進捗状況と、商談状況DB22cに記憶された商談相手の状態とに基づいて、図17に示すような商談支援画面を生成する。図17に示す商談支援画面は、図9Aに示す商談支援画面と同様の構成を有し、更に、商談状況DB22cから読み出した商談相手の状態及び商談のスコアを表示する。なお、商談相手の状態は、例えば商談相手に対して商談状況DB22cに記憶された解析結果情報を用いることができる。このような商談支援画面が表示部25に表示されることにより、担当者は、商談相手の現在の状態と、商談が適切に進行しているか否かを示すスコアとを把握でき、商談相手の状態に適した対応を採ることによって商談を円滑に進めることが可能となる。なお、戦略特定部203は、第1商談支援装置10の戦略特定部109のように、商談相手の現在の状態と、担当者から指定された方針とに応じた戦略を戦略決定用学習済モデルを用いて特定してもよい。この場合、戦略決定用学習済モデルは記憶部22に記憶しておく。
本実施形態の第2商談支援装置20は、実施形態1と同様に図12に示す商談支援処理を行う。なお、本実施形態では、商談担当者は、商談を行う際に、商談相手の発話を集音できるようにマイク27を配置し、第2商談支援装置20の制御部21に制御プログラム22Pを実行させる。これにより、制御部21は、マイク27による集音を開始し、取得した音声データ(商談相手の会話音声)を順次商談状況DB22cに記憶すると共に、記憶した音声データに基づいて商談相手の状態を抽出し、商談相手の会話に関する各種の情報を取得して商談状況DB22cに逐次蓄積する。よって、本実施形態の第2商談支援装置20の制御部21は、図12に示す処理を行いつつ、マイク27による会話音声の取得処理と、取得した会話音声に基づく商談相手の状態に対する解析処理とを行う。
本実施形態では、実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、商談中に商談相手の会話音声及び会話内容に基づいて商談相手の心理状態及び商談の進捗状態(スコア)をリアルタイムに把握でき、担当者に通知できる。よって、商談担当者は、商談相手の状態及び商談の進捗状態を考慮しつつ商談を進めることができるので、商談成立につながるような商談の実施が可能となり、商談担当者を支援できる。
(実施形態3)
第2商談支援装置20が商談中に商談担当者と商談相手との会話音声を収集すると共に商談相手の撮影画像を取得する構成を有する実施形態について説明する。本実施形態において、第1商談支援装置10は、実施形態1と同様の構成を有し同様の処理を行うので、説明を省略する。図18は、実施形態3の第2商談支援装置20の構成例を示すブロック図である。本実施形態の第2商談支援装置20は、実施形態2と同様の構成を有し、更にカメラ28を有する。なお、同様の構成については説明を省略する。本実施形態の第2商談支援装置20は、商談中に戦略を特定する処理、商談中に商談担当者と商談相手との会話音声を収集する処理に加えて、商談中に商談相手の撮影画像を取得する処理、商談相手の会話音声及び撮影画像に基づいて商談相手の状態を検出する処理等、種々の情報処理を行う。
カメラ28は、レンズ及び撮像素子等を有する撮像装置であり、レンズを介して入射した光を撮像素子にて光電変換して画像データを取得する。カメラ28は、制御部21からの指示に従って撮影を行い、取得した画像データ(撮影画像)を逐次制御部21へ送出する。なお、第2商談支援装置20は、カメラ28が内蔵された構成のほかに、外部のカメラの接続が可能な接続部を備える構成でもよい。この場合、接続部は、外部のカメラにて取得された画像データの入力を受け付け、入力された画像データを逐次制御部21へ送出する。また、第2商談支援装置20をサーバコンピュータ等によって構成し、第2商談支援装置20と、カメラ及びマイクを有する外部装置(担当者の端末)とをネットワークを介して接続し、外部装置で取得された画像データ及び音声データが、ネットワーク経由で第2商談支援装置20へ送信される構成としてもよい。この場合、第2商談支援装置20はカメラ28及びマイク27を備えていなくてもよい。
更に、第2商談支援装置20と、カメラ及びマイクを有する商談相手の端末とをネットワークを介して接続し、商談相手の端末で取得された商談相手の撮影画像(画像データ)及び会話音声(音声データ)が、ネットワーク経由で第2商談支援装置20へ送信される構成としてもよい。このような構成とした場合、第2商談支援装置20を用いる商談担当者と商談相手とが遠隔地にいる場合であっても、テレビ電話やビデオチャット等を利用した商談(例えばWeb営業やチャット営業)を行うことができる。なお、この場合、第2商談支援装置20は、商談担当者の会話音声及び撮影画像を取得して商談相手の端末へ送信する必要があるので、カメラ28及びマイク27を備える。
本実施形態の第2商談支援装置20の記憶部22は、制御プログラム22P、戦略設定テーブル221、商談相手DB22a及び商談予定DB22bに加えて、第1商談状況DB22c及び第2商談状況DB22dを記憶している。商談相手DB22a及び商談予定DB22bは、実施形態1と同一である。第1商談状況DB22cは、実施形態2の商談状況DB22cと同一であり、商談相手の商談時における会話内容や声に関する情報を記憶している。
図19は、第2商談状況DB22dの構成例を示す模式図である。第2商談状況DB22dは、商談相手の商談時における動作や挙動に関する情報を記憶している。図19に示す第2商談状況DB22dは、商談相手ID列、画像データ列、意図的動作の情報列、無意識的動作の情報列、目線・視線の情報列、顔・表情の情報列、姿勢の情報列、行動の情報列、運動の情報列、解析結果情報列、スコア列等を含む。商談相手ID列は、各商談相手のID(識別情報)を記憶する。画像データ列は、商談相手の商談時における撮影画像のデータ(画像情報)を記憶する。なお、撮影画像のデータは、第2商談状況DB22dに記憶されるほかに、記憶部22の所定領域又は第2商談支援装置20に接続された外部の記憶装置に記憶されてもよい。この場合、画像データ列は、撮影画像のデータを読み出すための情報(例えばデータの記憶場所を示すファイル名)を記憶する。意図的動作の情報列、無意識的動作の情報列、目線・視線の情報列、顔・表情の情報列、姿勢の情報列、行動の情報列、運動の情報列、解析結果情報列、スコア列はそれぞれ、商談相手の撮影画像のデータに基づいて抽出した商談相手の挙動に関する各種の情報を記憶する。例えば、商談相手の撮影画像からモーションキャプチャ技術によって商談相手の動きをデジタルデータとして抽出することにより、商談相手の目線・視線の動きに係る情報、顔・表情の動きに係る情報、姿勢の変化に係る情報、行動に係る情報、運動に係る情報を取得できる。また、モーションキャプチャ技術によって取得した商談相手の動きの周期や大きな等に基づいて、商談相手が意図的に行っている意図的動作であるのか、無意識に行っている無意識的動作であるのかに分類できる。よって、それぞれ分類した意図的動作に係る情報及び無意識的動作に係る情報を取得できる。また、上述したような商談相手の挙動に関する情報に基づいて、商談相手の状態を解析することができ、解析結果に係る情報を取得できる。更に、商談相手の状態の解析結果に基づいて、この商談が良好に進行しているか否かを示すスコアを特定できる。なお、商談のスコアは、例えば商談相手に対する解析結果に応じて予め設定されている。また、商談担当者が商談の良し悪しを判断して入力部24を介して判断結果を入力し、入力された判断結果も加味して商談のスコアが特定されてもよい。このように取得される商談相手の挙動に関する情報が第2商談状況DB22dに記憶される。
第2商談状況DB22dに記憶される商談相手IDは、商談が開始される際に、制御部21によって記憶される。第2商談状況DB22dに記憶される画像データは、カメラ28にて取得する都度、制御部21によって記憶される。また、第2商談状況DB22dに記憶される商談相手の挙動に関する各種の情報は、制御部21が商談相手の撮影画像に基づいて各種の情報を取得する都度、制御部21によって記憶される。第2商談状況DB22dの記憶内容は図19に示す例に限定されず、商談相手の撮影画像から抽出できる商談相手の挙動に関する各種の情報を記憶することができる。
本実施形態の戦略設定テーブル221は実施形態2と同一であるが、戦略設定テーブル221における商談中に第2商談支援装置20にて判定される商談相手の状態は、商談中の商談相手の会話音声に基づいて判定される状態であってもよく、商談中の商談相手の撮影画像に基づいて判定される状態であってもよく、両方の状態から総合的に判定される状態であってもよい。
次に、本実施形態の第2商談支援装置20の制御部21が実現する機能について説明する。図20は、第2商談支援装置20の制御部21によって実現される機能を示すブロック図、図21は、画面例を示す模式図である。第2商談支援装置20の制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pを実行した場合、図16に示した各部に加えて、画像取得部209、第2状況取得部210、第2状況情報記憶部211の各機能を実現する。なお、図20中の第1状況取得部207及び第1状況情報記憶部208は、図16中の状況取得部207及び状況情報記憶部208と同一である。
本実施形態の第2商談支援装置20において、商談を開始する前に、担当者はカメラ28及びマイク27の動作確認を行い、カメラ28にて商談相手を撮影でき、マイク27にて商談相手の発話を集音できるようにカメラ28及びマイク27を配置する。なお、カメラ28は、例えば商談相手の上半身又は全身を撮影できるように配置される。そして、商談を開始する際に、担当者は第2商談支援装置20の制御部21に制御プログラム22Pを実行させる。制御部21が制御プログラム22Pを実行した場合、画像取得部209はカメラ28による撮影を開始する。画像取得部209は、取得した画像データを逐次第2商談状況DB22dに記憶すると共に、第2状況取得部210へ送出する。第2状況取得部210は、商談相手の撮影画像(画像データ)からモーションキャプチャ技術によって商談相手の動きを抽出し、商談相手の目線・視線の動き、顔・表情の動き、姿勢の変化、行動、運動等、商談相手の挙動に関する情報を取得する。また第2状況取得部210は、取得した商談相手の挙動に関する情報に基づいて、商談相手の意図的動作及び無意識的動作に関する情報を取得する。更に第2状況取得部210は、上述したような情報に基づいて商談相手の状態を解析して解析結果に係る情報を取得し、取得した商談相手の状態に基づいて商談のスコアを特定する。第2状況情報記憶部211は、第2状況取得部210が取得した商談相手の挙動に関する各種の情報を第2商談状況DB22dに記憶する。第2状況取得部210は、商談相手の挙動に関する情報として、例えばMicrosoft社製のEmotion API等のアプリケーションプログラムを用いて、商談相手の撮影画像から商談相手の感情を検出し、検出した感情を第2商談状況DB22dに記憶してもよい。これにより、第2商談状況DB22dには商談相手の挙動や動作に関する各種の情報が蓄積される。
本実施形態の戦略特定部203は、第1商談状況DB22c及び第2商談状況DB22dに記憶された商談相手の状態と、方針受付部202が受け付けた方針とに対応する戦略(レコメンド戦略)を戦略設定テーブル221に基づいて特定する。なお、戦略特定部203は、進捗検知部201が検知した現在の進捗状況や現在の商談のスコアも考慮して戦略を特定してもよい。また本実施形態の画面生成部204は、進捗検知部201が検知した進捗状況と、第1商談状況DB22c及び第2商談状況DB22dに記憶された商談相手の状態とに基づいて、図21に示すような商談支援画面を生成する。図21に示す商談支援画面は、図17に示す商談支援画面と同様の構成を有し、更に、第1商談状況DB22c及び第2商談状況DB22dから読み出した商談相手の状態及び商談のスコアと、カメラ28にて取得した商談相手の撮影画像(カメラ映像)とを表示する。なお、商談相手の状態は、例えば商談相手に対して第1商談状況DB22cに記憶された解析結果情報、第2商談状況DB22dに記憶された解析結果情報、又は、両方の解析結果情報から総合的に判定される解析結果等を用いることができる。また、商談のスコアは、例えば商談相手に対して第1商談状況DB22cに記憶されたスコア、第2商談状況DB22dに記憶されたスコア、又は、両方のスコアから算出された総合的なスコア等を用いることができる。このような商談支援画面が表示部25に表示されることにより、担当者は、商談相手の現在の状態と商談の現在のスコアとを把握でき、商談相手の状態に適した対応を採ることによって商談を円滑に進めることが可能となる。なお、戦略特定部203は、第1商談支援装置10の戦略特定部109のように、商談相手の現在の状態と、担当者から指定された方針とに応じた戦略を戦略決定用学習済モデルを用いて特定してもよい。この場合、戦略決定用学習済モデルは記憶部22に記憶しておく。
本実施形態の第2商談支援装置20は、実施形態1と同様に図12に示す商談支援処理を行う。なお、本実施形態では、商談担当者は、商談を行う際に、マイク27にて商談相手の発話を集音でき、カメラ28にて商談相手を撮影できるようにマイク27及びカメラ28を配置し、第2商談支援装置20の制御部21に制御プログラム22Pを実行させる。これにより、制御部21は、マイク27による集音を開始し、取得した音声データ(商談相手の会話音声)を順次第1商談状況DB22cに記憶すると共に、記憶した音声データに基づいて商談相手の状態を抽出し、商談相手の会話に関する各種の情報を取得して第1商談状況DB22cに逐次蓄積する。また制御部21は、カメラ28による撮影を開始し、取得した画像データ(商談相手の撮影画像)を順次第2商談状況DB22dに記憶すると共に、記憶した画像データに基づいて商談相手の動きを抽出し、商談相手の挙動に関する各種の情報を取得して第2商談状況DB22dに逐次蓄積する。よって、本実施形態の第2商談支援装置20の制御部21は、図12に示す処理を行いつつ、マイク27による会話音声の取得処理と、カメラ28による撮影画像の取得処理と、取得した会話音声及び撮影画像に基づく商談相手の状態に対する解析処理とを行う。なお、商談相手の撮影画像は、カメラ28にて取得された後に、又はカメラ28にて取得されて第2商談状況DB22dに記憶された後に、表示部25に表示中の商談支援画面にカメラ映像として表示される。
本実施形態では、実施形態1,2と同様の効果が得られる。また本実施形態では、商談中に商談相手の撮影画像に基づいて商談相手の心理状態及び商談の進捗状態(スコア)をリアルタイムに把握でき、担当者に通知できる。よって、商談担当者は、商談相手の状態及び商談の進捗状態を考慮しつつ商談を進めることができるので、商談成立につながるような商談の実施が可能となり、商談担当者を支援できる。
上述した各実施形態では、商談前に商談相手の情報に基づいて最適な商談担当者及び戦略を設定することができ、より有意義な商談を行うための準備が可能となる。また商談中に、商談支援画面において、商談の方針に応じたレコメンド戦略を提示したり、入力欄に入力された質問に応じた戦略を提示することができ、担当者による商談を支援できる。
(実施形態4)
実施形態3の第2商談支援装置20において、商談中に商談相手の会話音声及び撮影画像に基づいて特定する商談に関するスコアを所定時間毎に算出する構成を有する実施形態について説明する。本実施形態の第1商談支援装置10は、実施形態1と同様の構成を有し同様の処理を行うので、説明を省略する。また本実施形態の第2商談支援装置20は、実施形態3と同様の構成を有し、更に図22に示すような商談履歴DBを記憶部22に記憶する。なお、同様の構成については説明を省略する。
図22は、商談履歴DBの構成例を示す模式図である。商談履歴DBは、例えば商談(商談相手)毎に設けられ、それぞれの商談について商談開始から所定時間毎の商談に関する情報を記憶している。図22に示す商談履歴DBは、開始時間列、終了時間列、音声データ列、画像データ列、スコア列等を含む。開始時間列及び終了時間列は、商談の開始から終了までの間における所定の時間帯の開始時点の時間及び終了時点の時間をそれぞれ記憶する。なお、図22に示す例では、開始時間及び終了時間は、商談開始からの時間を「分:秒」で示しているが、日時情報等を用いてもよい。音声データ列は、商談相手の商談時における会話の音声データを記憶し、画像データ列は、商談相手の商談時における撮影画像のデータを記憶する。なお、音声データ及び撮影画像のデータは、商談履歴DBに記憶されるほかに、記憶部22の所定領域又は第2商談支援装置20に接続された外部の記憶装置に記憶されてもよい。この場合、音声データ列及び画像データ列は、音声データ及び撮影画像のデータを読み出すための情報(例えばデータの記憶場所を示すファイル名)を記憶する。スコア列は、商談相手の音声データ及び撮影画像のデータに基づいて算出(特定)された商談のスコアを記憶する。なお、スコアは、例えば商談相手の音声データ及び撮影画像のデータに基づいて解析された商談相手の状態の解析結果から算出され、商談が良好に進行しているか否かを示す。スコアは、それぞれの時間帯における音声データ及び撮影画像のデータに基づくスコアであってもよいし、商談開始からそれぞれの時間帯が経過するまでの間における音声データ及び撮影画像のデータに基づくスコアであってもよい。
商談履歴DBにおいて、所定の時間帯は、図22に示すように10分毎に限定されない。例えば第2商談支援装置20が、商談相手との会話音声及び撮影画像に基づいて、商談の開始から終了までの間において、商品説明の時間帯、質疑応答の時間帯、値段交渉の時間帯、雑談の時間帯等、商談中の各時間帯(シーン)を判別できる場合、それぞれ判別した時間帯を用いてもよい。なお、第2商談支援装置20は、商談履歴DBに各データを記憶する代わりに、第1商談状況DB22cにそれぞれの時間帯に応じた音声データ及びスコアを記憶し、第2商談状況DB22dにそれぞれの時間帯に応じた画像データ及びスコアを記憶する構成でもよい。
本実施形態の第2商談支援装置20は、実施形態3と同様の処理を行いつつ、商談中に図22に示すような商談履歴DBに各データを蓄積する。このような商談履歴DBは、商談終了後の反省会に用いることができる。図23は画面例を示す模式図である。第2商談支援装置20は、例えば入力部24を介して商談履歴の表示指示を受け付けた場合、図23Aに示すような商談履歴画面を生成して表示部25に表示する。図23Aに示す画面では、それぞれの商談について商談担当者の氏名、商談相手の氏名及び会社名、商談日、総合スコア等を表示する。第2商談支援装置20の制御部21は、記憶部22に記憶してあるDB22a〜22dから各情報を読み出して商談履歴画面を生成する。なお、図23Aに示す画面中に表示される総合スコアは、商談終了時点でのスコアであってもよく、商談履歴DBに各時間帯に応じて記憶してあるスコアから算出される値であってもよい。
図23Aに示す画面において、例えば入力部24を介していずれかの商談が選択された場合、第2商談支援装置20は、選択された商談の商談履歴DBから各データを読み出し、図23Bに示す画面を生成して表示部25に表示する。図23Bに示す画面では、選択された商談に関する情報(商談担当者の氏名、商談相手の氏名及び会社名、商談日、総合スコア)が表示されると共に、商談中に撮影された商談相手の撮影画像が表示される。また図23Bに示す画面では、表示される撮影画像(動画)に対して商談の開始から終了までの間の任意の時点を指定するためのインジケータが表示されている。また、インジケータの上部には商談開始からの経過時間が表示され、下部にはそれぞれの時点で算出されたスコアが表示されている。図23Bに示す画面において、入力部24を介してインジケータが操作された場合、第2商談支援装置20は、インジケータによって指定された時点から撮影画像の再生(表示)を行うことができる。なお、第2商談支援装置20は、商談相手の撮影画像を表示部25に表示する場合、商談相手の会話音声(音声データ)もスピーカ(図示せず)から音声出力する。これにより、商談履歴DBに蓄積した音声データ及び画像データを商談終了後に視聴することができる。また、商談におけるそれぞれのタイミングで算出されたスコアが表示されるので、商談時の画像及び音声と共にその時点でのスコアを確認できる。よって、商談担当者は、図23Bに示す画面によって商談の反省会を行うことができる。なお、スコアと共に、それぞれの時点における良い点、悪い点、課題等を表示させてもよい。これにより、商談後に商談担当者に商談における良い点、悪い点、課題等をフィードバックすることができる。なお、それぞれの時点における良い点、悪い点、課題は、例えば商談担当者の上司や先輩によって入力部24を介して入力される評価情報であり、入力された評価情報は商談履歴DBに記憶されてもよい。
図23Bに示す画面において、例えば任意のスコアを入力するための入力欄を設けてもよい。そして、第2商談支援装置20は、入力部24を介して任意のスコアが入力された場合に、入力されたスコアに対応する時間帯の撮影画像及び会話音声を再生される構成としてもよい。この場合、商談担当者は、例えばスコアの低い箇所(時間帯)の撮影画像及び会話音声をまとめて視聴したり、スコアの高い箇所(時間帯)の撮影画像及び会話音声をまとめて視聴することができる。よって、商談担当者は、効率よく商談の画像及び音声を視聴することができ、効率よく商談を振り返ることができる。
また、商談履歴DBは、例えば新人研修のように、他の商談担当者が商談の研修や練習を行う際に用いることができる。この場合にも、図23Aに示す画面においていずれかの商談が選択され、第2商談支援装置20は、選択された商談の商談履歴DBから各データを読み出し、図23Bに示す画面を生成して表示部25に表示する。これにより、他の商談担当者が行った商談の撮影画像及び会話音声を視聴することができると共に、それぞれのタイミングでのスコアを把握できる。よって、商談の状況とスコアとに基づいて商談のやり方を学ぶことができ、商談の練習を行うことができる。また例えば、各商談担当者の性格やキャラクタを特定し、性格やキャラクタに対応付けて、商談中に取得した会話音声及び商談相手の撮影画像(商談履歴)を蓄積してもよい。この場合、商談の練習をしたい担当者は、自身の性格やキャラクタに適した商談履歴を学習教材として用いることにより、それぞれの担当者に応じた練習を行うことができる。
本実施形態において、第2商談支援装置20は、商談中に取得した撮影画像及び会話音声と、それぞれのタイミングでのスコアとに基づいて、商談の手本となるべき商談担当者の行動や言動を蓄積する構成を有してもよい。例えば、第2商談支援装置20は、所定値以上のスコアが得られた商談中の撮影画像及び会話音声において、商談相手の行動や言動に対して商談担当者がとった行動や言動を抽出して蓄積する。そして、第2商談支援装置20は、蓄積した手本となるべき商談担当者の行動や言動を、例えば所定の担当者用キャラクタの画像を用いて再現することにより、商談(営業)の手本を示すことができる。具体的には、第2商談支援装置20は、蓄積した撮影画像及び会話音声に基づいて、担当者用キャラクタが手本となるべき商談担当者の行動(動作)を行う動画を生成して表示部25に表示し、手本となるべき商談担当者が発する可能性の高い会話音声を生成してスピーカから出力する。このように担当者用キャラクタによる映像及び音声によって商談の手本が示されることにより、効率よく商談のやり方を学習できる。
また本実施形態において、第2商談支援装置20は、商談中に取得した撮影画像及び会話音声に基づいて、例えば商談相手からよくある質問や商談担当者が回答に困った質問等を抽出して蓄積する構成を有してもよい。そして、第2商談支援装置20は、蓄積した質問を、例えば所定の顧客用キャラクタの画像を用いて再現することにより、商談の練習相手を提供することができる。具体的には、第2商談支援装置20は、蓄積した撮影画像及び会話音声に基づいて、顧客用キャラクタが、蓄積した質問を行う動画及び会話音声を生成して表示部25及びスピーカにて出力する。このように顧客用キャラクタによる映像及び音声によって練習相手を提供できるので、商談の練習相手を探す必要がなく、商談の練習を自主的に行うことができる。なお、図23Bに示す画面において、顧客用キャラクタの画像を表示させることにより、図23Bに示す画面を介して商談の練習を行うことができる。
本実施形態の構成は、実施形態2の第2商談支援装置20にも適用でき、適用した場合であっても、同様の効果が得られる。なお、実施形態2の第2商談支援装置20に適用する場合、商談のスコアは、商談相手との会話音声に基づいて特定される。本実施形態の構成は、第2商談支援装置20とは別の装置で実現されてもよい。この場合、別の装置は、第2商談支援装置20から商談履歴DBを取得することにより、本実施形態の第2商談支援装置20と同様の処理が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、商談の実施中に商談相手の画像情報及び/又は音声情報を入力部を介して取得し、取得した前記画像情報及び/又は音声情報に基づいて、前記商談相手の商談時の状態を特定し、実施中の商談の方針に関する方針情報を入力部を介して取得し、取得した前記方針情報及び特定した前記商談相手の状態に基づいて前記商談相手に対する商談戦略を特定し、特定した前記商談戦略を出力部にて出力する処理を実行させる。