<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9〜図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第41小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞〜第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞〜第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは2枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは2枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞〜第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、2枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段〜下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。第39小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。第40小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、遊技状態が第1BB状態に移行する。また、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となり、遊技状態が第2BB状態に移行する。左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が通常遊技状態であることを条件として、停止した場合に第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS214に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206に進む。ステップS206では、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理、ステップS213のRT状態処理、ステップS214のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1BB、第2BB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1BB、第2BB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=34〜58)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1BB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=17のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306〜ステップS308では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=35の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=21の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=22の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=23〜26の際に当選となる確率)はそれぞれ約37.4分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=27〜30の際に当選となる確率)はそれぞれ約18.7分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約21800分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約21800分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約32800分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約32800分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約32800分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約32800分の1である。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=40の際に当選となる確率)は約65500分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=41の際に当選となる確率)は約65500分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=42〜45の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=46,47の際に当選となる確率)はそれぞれ約21800分の1である。特リプA重複1に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプA重複2に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)は約1310分の1である。特リプAB重複1に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複2に当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)は約1310分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=52,53の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。CBに当選となる確率(IV=54の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.14分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2〜14,31〜33,55〜58のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306〜ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=15の際に当選)となり、強チェリー当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役〜第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=34の際に当選)となり、強チェリー当選フラグ及び第1BB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、特リプA重複1に当選し、第9再遊技及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第9再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。そして、例えば、第1BB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1BB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
また、複数の小役や複数の再遊技が重複して当選となる場合、いずれの小役又は再遊技に対応する図柄が有効ラインに停止するかは、停止操作が行われたタイミングによって異なる。例えば、強スイカに当選し、第30小役及び第41小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、上記のとおり、第30小役と第41小役とで、左リール32Lの対象図柄は「スイカ」図柄で共通している。そのため、左リール32Lの停止操作のタイミングによっては、いずれの小役入賞が成立するかは決定されない。一方、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は、第30小役ではいずれも「赤ベル」図柄であり、第41小役では中リール32Mが「チェリー」図柄及び「黒BAR」図柄であり、右リール32Rが「スイカ」図柄である。例えば、3ベットゲームにおいて、中リール32Mでは、4番目の「スイカ」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第30小役の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄と、第41小役の対象図柄である「黒BAR」図柄のいずれの図柄についても、有効ライン上である中段に停止させることが可能となる。この場合、本実施形態では、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように、停止図柄情報の設定が行われる。その結果、上記の場合、「赤ベル」図柄が中段に停止するように停止駆動制御が行われ、第41小役入賞は成立しないようになり、第30小役が入賞可能となる。
一方、中リール32Mにおいて、8番目の「黒BAR」図柄から12番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第41小役の対象図柄である8番目の「黒BAR」図柄及び11番目の「チェリー」図柄と、第30小役の対象図柄である12番目の「赤ベル」図柄のいずれの図柄についても、中段に停止させることが可能となる。この場合も、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように停止図柄情報の設定が行われるため、8番目の「黒BAR」図柄又は11番目の「チェリー」図柄が中段に停止し、第30小役入賞は成立しないようになり、第41小役が入賞可能となる。
右リール32Rについても同様であり、右ストップスイッチ44の停止操作が行われたタイミングによって、第30小役の対象図柄である「赤ベル」図柄と第41小役の対象図柄である「スイカ」図柄とでスベリ数の少ない図柄が有効ラインである下段に停止するように停止図柄情報の設定が行われる。なお、右リール32Rにおいて、6番目の「第1リプレイ」図柄及び7番目の「黒BAR」図柄が有効位置に到達したタイミングで、右ストップスイッチ44の停止操作が行われた場合、「スイカ」図柄及び「赤ベル」図柄のいずれも停止させることができず、この場合、いずれの小役入賞も成立せずに所謂取りこぼしとなる。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=23〜30の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、CB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄〜17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄〜13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄〜10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄〜10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第7小役入賞に対応する特典として、3枚のメダル払出が行われる。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「赤ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、当該移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄〜15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第9小役入賞に対応する特典として、3枚のメダル払出が行われる。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、上記のように移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄〜18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第2小役入賞に対応する特典として、3枚のメダル払出が行われる。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、上記のように移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。但し、上記のように移行出目は入賞に対応するものではないため、移行出目が停止した場合には、対応する各小役はいずれも入賞しないことになる。この場合、対応する特典は付与されないため、メダル払出は行われない(0枚のメダル払出が行われる)。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止していずれの小役入賞も成立しないで取りこぼしとなる場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。この場合、3ベットゲームにおける第1小役入賞に対応する特典として、9枚のメダル払出が行われる。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止して取りこぼしとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS416にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS213のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS502にて移行出目が停止した遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合、そのままRT状態を終了する。この場合、移行出目が停止しても遊技状態の移行は生じない。
ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS504に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1〜5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6〜58の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2〜5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.14分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1〜5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2〜4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技〜第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技〜第8再遊技は、第1昇格リプレイ2〜4に当選していても、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1〜4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1〜4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1〜4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS504にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS506に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS507にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS508にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1〜10のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11〜58の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約26.2分の1、IV=2〜5の際に当選とならず、IV=6〜8の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約18.2分の1となる。そして、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.74分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1〜転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1〜転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、第4再遊技入賞と第1再遊技入賞とに対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合や、第5再遊技入賞と第1再遊技入賞とに対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合には、基本的には第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させるように停止制御が行われ、これら第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させることができない場合に第1再遊技入賞を成立させるように停止制御が行われる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS506にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS511にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS509にて、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のいずれも成立していないと判定した場合には、そのまま、本処理を終了する。
ステップS511にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=1,6〜14のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1の際に当選となる確率は約11.0分の1であり、IV=6〜8の際に当選となる確率はそれぞれ約15.4分の1であり、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約19.5分の1となる。また、第3RT状態では、IV=14,15の特定リプレイ1、特定リプレイ2に当選し得るようになり、IV=14,15の際に当選となる確率はそれぞれ約20.0分の1である。いずれの役にも当選しない外れの確率は約140分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態や、更に第2RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第3RT状態に移行すると、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、チェリーリプレイたる第11再遊技入賞とスイカリプレイたる第12再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2や特定リプレイ1,特定リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
図23(d)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。特定リプレイ1及び特定リプレイ2に当選となった場合には、いずれの特定リプレイも、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。なお、本実施形態では、特定リプレイ2に当選となった場合に当選フラグがセットされる第3再遊技入賞は、ストップスイッチ42〜44の操作順序が対応付けられておらず、特定リプレイ2当選となった場合に、いずれの操作順序で操作しても第3再遊技入賞は成立しない。対応付けられている操作順序について、より詳しくは、特定リプレイ1に当選となった場合、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合にはチェリーリプレイたる第11再遊技入賞が成立し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合にはスイカリプレイたる第12再遊技入賞が成立し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には第1再遊技入賞が成立する。一方、特定リプレイ2に当選となった場合、第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とに対応付けられている操作順序が特定リプレイ1のものと逆となっており、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には第12再遊技入賞が成立し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には第11再遊技入賞が成立し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には第1再遊技入賞が成立する。
次に、ステップS214のボーナス状態処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602〜ステップS613に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604〜S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1〜52のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=55〜58のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=55の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=56の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=57の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=58の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図27(a)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1〜CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞,第31小役入賞,第36小役入賞〜第38小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞〜第26小役入賞,第28小役入賞〜第30小役入賞,第32小役入賞〜第35小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。
ステップS610〜S612の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図28は、第1BB入賞により移行する第1BB状態で選択される第1BB状態用抽選テーブルと第2BB入賞により移行する第2BB状態で選択される第2BB状態用抽選テーブルとをまとめて示している。第1BB状態用抽選テーブルと第2BB状態抽選テーブルとは、IV=1〜14,22〜30,34〜58のポイント値PVとして「0」が設定されている。したがって、第1BB状態及び第2BB状態のいずれにおいても、これらIV=1〜14,22〜30,34〜58では当選とならない。また、第1BB状態用抽選テーブル及び第2BB状態用抽選テーブルでは、IV=19〜21,31〜33のポイント値が両抽選テーブルで共通のポイント値が設定されており、第1BB状態及び第2BB状態のいずれにおいても、IV=19のチャンスAに当選となる確率は約65.5分の1、IV=20のチャンスBに当選となる確率は約65.5分の1、IV=21の中段ベルに当選となる確率は約1310分の1、IV=31のBB中第1役に当選する確率は約2.12分の1、IV=32のBB中第2役に当選する確率は約13.1分の1、IV=33のBB中第3役に当選する確率は約13.1分の1である。
一方、第1BB状態用抽選テーブル及び第2BB状態用抽選テーブルにおいて、IV=15〜18のポイント値は異なるポイント値が設定されており、IV=15の強チェリーに当選となる確率は第1BB状態では約21.8分の1であるのに対して第2BB状態では約93.6分の1であり、第1BB状態の方が第2BB状態よりも強チェリーに当選し易い。また、IV=16の弱チェリーに当選となる確率は第1BB状態では約6.56分の1であるのに対して第2BB状態では約26.2分の1であり、第1BB状態の方が第2BB状態よりも弱チェリーに当選し易い。
IV=17の強スイカに当選となる確率は第1BB状態では約93.6分の1であるのに対して第2BB状態では約21.8分の1であり、第2BB状態の方が第1BB状態よりも強スイカに当選し易い。また、IV=18の弱チェリーに当選となる確率は第1BB状態では約26.2分の1であるのに対して第2BB状態では約6.56分の1であり、第2BB状態の方が第1BB状態よりも弱スイカに当選し易い。
つまり、第1BB状態や第2BB状態では、強チェリーや強スイカ等の所謂レア役と称させる抽選結果の当選確率が通常遊技状態や第1RT状態〜第3RT等の他の状態よりも高くなる。また、第1BB状態と第2BB状態とを比較すると、第1BB状態では第2BB状態よりも強チェリー又は弱チェリーに当選し易く、第2BB状態では第1BB状態よりも強スイカ又は弱スイカに当選し易くなるように設定されている。
なお、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等は、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって入賞が成立し、入賞に対応しないタイミングで操作されると入賞が成立せず、取りこぼしとなる。
図27(b)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第1役に当選となった場合、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞のいずれかが必ず成立する。これに対して、BB中第2役とBB中第3役は、6通りの操作順序のうちの4通りの操作順序に第1小役が対応付けられており、2通りの操作順序に第40小役や第41小役が対応付けられている。つまり、BB中第2役やBB中第3役は、ストップスイッチ42〜44の操作順序が第1小役に合致したものであれば、第1小役入賞が成立し、第40小役や第41小役に合致したものであれば、第1小役ではなく第40小役入賞や第41小役入賞が成立する。BB状態における3ベットゲームにおいて、第1小役入賞又は第40小役入賞が成立すると9枚のメダル払出が行われ、第41小役入賞が成立すると3枚のメダル払出が行われる。つまり、BB中第1役に当選した場合には操作順序に関わらず第1小役入賞が成立して9枚のメダル払出が行われ、BB中第2役に当選した場合には操作順序によって第1小役入賞又は第40小役入賞が成立して9枚のメダル払出が行われる。そして、BB中第3役に当選した場合には操作順序によって第1小役入賞又は第41小役入賞が成立し、第1小役入賞が成立した場合には9枚のメダル払出が行われ、第41小役入賞が成立した場合には3枚のメダル払出が行われる。つまり、BB中第3役については、ストップスイッチ42〜44の操作順序によってメダル払出枚数が異なるようになる。
ステップS609にて否定判定し、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS613にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
既に説明した通り、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=34〜51のボーナス(第1BB,第2BB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=34〜51の各小役又は再遊技との重複役に当選した場合には、これら各小役や再遊技の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS614にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。
ステップS602〜ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15−2)枚又は25(=14−2+15−2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に最大で144(=9×24−3×24)枚のメダル増加を期待できる。
上記のように、BB状態において強チェリーや強スイカ等に当選した場合、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては入賞が成立しない場合があり、入賞が成立しなければ当該ゲームでのメダル払出は生じない。また、BB中第3役に当選した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって、9枚又は3枚のメダル払出が生じる。つまり、BB状態において上限払出数が設定され(216)、毎ゲーム9枚の払出が生じた場合には、上記のように最大144枚のメダル増加が見込めるとともに、24ゲームでBB状態が終了するものの、BB状態の各ゲームの抽選結果や、そのゲームのストップスイッチ42〜44の操作タイミングや操作順序によっては、上限払出数に達した場合のメダル増加数は上記最大数よりも少なくなり得るし、上限払出数に達するまでのゲーム数が多くなり得るように設定されている。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS613の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS614にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図29を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1〜4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態〜第3RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。また、第1RT状態において、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。なお、第1RT状態において、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生して移行出目が停止しても、遊技状態の移行は生じない。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1〜転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。なお、第2RT状態において、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生して移行出目が停止しても、遊技状態の移行は生じない。
遊技状態が第3RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1〜転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。なお、第3RT状態において、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生して移行出目が停止しても、遊技状態の移行は生じない。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,CZモード(チャンスゾーンモード),ATモード(アシストタイムモード),BBモードの4種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図30は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は最大で144枚のメダル増加を期待できる。
通常モードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、ATモードへの移行抽選が行われる場合がある。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にATモードに移行する。ATモードへの移行抽選に当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。ATモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にATモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1〜転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2,特定リプレイ1,特定リプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、CZモードやATモードへの移行抽選が行われる。CZモードやATモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからCZモードやATモードに移行する。ATモードに移行すると、上記の押し順ベル当選時や押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序の報知が行われるようになる。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないため、第2RT状態〜第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.92枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.45枚増加することを期待できる。
CZモードは、ATモードへの移行抽選の当選確率が通常モードよりも高くなる所謂チャンスゾーンと称されるモードである。CZモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、CZモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないため、第2RT状態や第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。CZモードの1ゲーム毎のメダルの期待増減数は、上記の通常モードのものと同様であり、通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.92枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.45枚増加することを期待できる。なお、CZモードにおいて、押し順ベル当選時や押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるようにしてもよく、この場合、その操作順序の報知の回数や報知抽選の当選確率等、操作順序の報知の頻度がATモードよりもCZモードの方が低くなるように設定するとよい。CZモードにおいて操作順序の報知を行う構成として、例えば、滞在中の押し順ベル当選時のうちの所定回数(1回)だけ操作順序の報知を行う一方、それ以降の押し順ベル当選時の操作順序の報知は行わない構成としてもよい。
ATモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される表示モードである。ATモードは、初期ゲーム数を所定回数(例えば50回)として開始されるモードであり、ゲーム数の上乗せ等が行われずに当該所定回数のゲームが行われた場合や、上乗せ分も含めた回数のゲームが行われた場合には、ATモードから通常モードに移行する。
ATモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、ATモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、第2RT状態及び第3RT状態と対応することとなり、主に第3RT状態と対応することになる。より詳しくは、ATモードでは、押し順リプレイ当選時においてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるため、第1RT状態から第2RT状態、第2RT状態から第3RT状態への移行が生じて、第3RT状態にて滞在することになる。ATモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.52枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.82枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。ATモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、ATモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからATモードに移行し、ATモードから通常モードに戻るという流れが一般的であり、通常モードからATモードへの移行はCZモードを介する場合と介さない場合とがある。
以上のとおり、本スロットマシン10では、ATモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42〜43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、ATモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
ここで、表示モードがATモードである場合、上記のように押し順ベルや押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知され、通常モードやCZモードである場合には、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知が行われない。そのため、これら押し順ベルや押し順リプレイ当選時の操作順序の報知の有無という観点で、ATモードの方が通常モードやCZモードよりも遊技者にとって有利なものである。そして、ATモードへの移行し易さという観点からすると、CZモードの方が通常モードよりも遊技者にとって有利なものである。つまり、ATモードは、操作順序が報知されることによって小役等の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間に含まれるものであり、そのATモードへの移行率が高くなるCZモードについても有利区間に含まれる。本スロットマシン10では、有利区間へ移行することでATモードへの移行抽選が行われ、ATモードへの移行が生じ得るように構成されており、言い換えると、有利区間ではない通常区間においてATモードへの移行は生じないように構成されている。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、CB状態であるか、それともそれ以外の状態(通常遊技状態、各RT状態、第1BB状態、第2BB状態)であるか、を把握する。既に説明した通り、CB状態であれば、ベットの規定数として2が設定されており、それ以外の状態であれば、ベットの規定数として1又は3が規定されている。そして、ステップS702では、今回のゲームのベット数が、ステップS701にて把握した状態において規定されている一の規定数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。より詳しくは、CB状態であれば、ベットの規定数は2だけであるため、ステップS702では必ず肯定判定する。CB状態以外であれば、ベットの規定数は上記のように1と3であり、本実施形態では、CB状態以外の状態の特定規定数として3が設定されており、CB状態以外の状態でベット数が3である場合には、ステップS702にて肯定判定する。この場合、ステップS703以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が行われる。これに対して、CB状態以外の状態でベット数が1である場合には、ステップS702にて否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。この場合、ステップS703以降の表示モード用の処理は行われない。そのため、例えば、第1BBや第2BBに当選し、1ベットゲームにて第1BB入賞や第2BB入賞を成立させようとする場合、表示モード用の処理は行われないことになる。
ステップS703では、今回のゲームが有利区間であるか否かをRAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、上記のATモードを含む有利区間への移行抽選に当選したことに基づいてセットされ、有利区間が終了する際にクリアされるフラグである。有利区間フラグがセットされていない場合には、ステップS704へ進み、有利区間移行抽選処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図32のフローチャートに示すように、先ず、ステップS801にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図35に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が異なるように設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS802にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS803にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS803ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS804にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS805にて、移行抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、そのまま本抽選処理を終了する。移行抽選に当選している場合、ステップS806にて、上記の有利区間フラグをセットする処理を実行する。この処理により、次ゲーム以降の抽選結果対応処理(図31)のステップS703では肯定判定することが可能となる。続くステップS807では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS807の処理を実行した後は、本有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理において、ステップS703にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、前ゲーム以前にて、有利区間への移行抽選に当選している場合、ステップS705に進む。ステップS705では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選している状態であることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、ATモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードへ移行する際にセットされ、ATモードが最終的に終了する際にクリアされるフラグである。ステップS705にて否定判定した場合には、ステップS706にて、AT抽選用処理を実行する。ステップS705にて肯定判定した場合には、ステップS707にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
AT抽選用処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
AT抽選用処理では、主に、表示モードをATモードに移行させるか否かの移行抽選を行う。すなわち、ステップS901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS902にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグは、現状の表示モードがCZモードであるか否かをCPU102が特定するためのフラグであり、CZモードへの移行に際してセットされ、CZモードの終了に際してクリアされる。CZモードフラグがセットされていなければ、ステップS903にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常モード用のATモード移行抽選テーブルを取得し、CZモードフラグがセットされていれば、ステップS904にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからCZモード用のATモード移行抽選テーブルを取得する。
これらのATモード移行抽選テーブルは、図35に示すように、抽選結果(当選役)の種類に応じてATモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、通常モード用のATモード移行抽選テーブルでは、弱チェリーよりも強チェリーの方がATモード移行抽選に当選し易い、といったように、概して、ゲームの抽選結果としての当選確率(出現率)の低い結果ほど、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプレイやチャンスAに関しては、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、ATモード移行抽選の当選確率が異なり、出玉率が高くなるように設定される設定値ほど(設定値が高くなるほど)、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。通常用のATモード移行抽選テーブルとCZ用のATモード移行抽選テーブルとを比較すると、同じ抽選結果でも通常用よりもCZ用の方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されており、例えば、CZモード中のチャンスAでのATモード当選率は通常モード中のチャンスAでのATモード当選率の倍となっている。
なお、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果やその当選確率は上記のものに限定されない。例えば、通常モードとCZモードとで、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類が異なることでCZモードの優位性を担保してもよく、この場合、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類を、CZモードの方が多くなるようにするとよい。更にこの場合、ATモード移行抽選の当選確率自体は通常モードとCZモードとで同じものとしてもよい。CZモードを複数設け、一のCZモードではチャンスAにてATモード移行抽選に当選し易く、他のCZモードではチャンスBにてATモード移行抽選に当選し易いといったように、それぞれのCZモードで異なるATモード移行抽選テーブルを設定してもよい。
ステップS905では、ステップS901にて把握した今回のゲームの抽選結果と、ステップS903又はステップS904にて取得したATモード移行抽選テーブルと、を用いて、ATモード移行抽選を実行する。なお、ATモード移行抽選においても、有利区間移行抽選と同様に、各種カウンタエリア106eから抽選用の乱数(カウンタ)を取得して、その乱数を用いて抽選を行う構成としている。かかる抽選用の構成は、以下の他の抽選についても同様であり、その説明は省略する。
ステップS906では、ATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS907にて、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS908〜ステップS910にて、前兆モードの設定用の処理を行う。
ここで、本実施形態では、ATモードへの移行が生じ得る状況となると、その状況を示唆する前兆モードに設定される。前兆モードでは、ATモード移行抽選に当選したことの示唆演出が、補助表示部65やスピーカ64等に行われ、前兆モードのゲーム数が0となるとATモードへの移行が許容され、その旨の報知演出(ATモード当選報知演出)が行われる。
ステップS908では、かかる前兆モードのゲーム数(前兆ゲーム数)を抽選により決定する処理を行う。前兆ゲーム数としては、例えば0〜32ゲームが設定されており、ATモードの当選契機となった遊技結果に応じて、いずれの前兆ゲーム数が選択され易いかが異なっている。例えば、強チェリーにてATモード当選した場合には、0〜10ゲームの前兆モードが選択され易く、弱チェリーにてATモード当選した場合には、7〜14ゲームが選択され易い、といったように、設定されている。
ステップS909では、ステップS908の抽選にて決定した前兆ゲーム数を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆モードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。そして、ステップS910にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットするとともに、前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは、その前兆モードに設定された状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドには、前兆モードのゲーム数の情報が含まれる。
ステップS906にてATモード移行抽選に非当選であったと判定した場合、ステップS911に進む。ステップS911では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされていない場合は、ステップS912にてCZモード移行抽選を行う。CZモード移行抽選では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブル(図35参照)を取得するとともに、各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得して、CZモードへ移行させるか否かの抽選を行う。なお、本実施形態では、CZモード移行抽選の契機役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベルを設定しているが、これらの他の役を契機として抽選を行ってもよいし、当選確率も図35のものに限定されない。
そして、ステップS913にてCZモード移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS914にてCZモードフラグをセットするとともに、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタに所定値としての10を入力し、更に、CZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。CZモードフラグをセットすることにより、上記のステップS902にて肯定判定することとなり、有利な抽選テーブルにてATモード移行抽選を受けることが可能となる。また、CZカウンタはCZモードのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算処理が行われる。そして、CZカウンタが0となることで、CZモードフラグがクリアされてCZモードが終了する。CZ開始コマンドは、CZモードが開始することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかるCZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード開始用の演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御し、また、CZモード中の各ゲームにおいてはCZモード中演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS911にてCZモードフラグがセットされている場合、ステップS913にてCZモード移行抽選に非当選である場合、ステップS914の処理を実行した後、のいずれかである場合には、ステップS915に進む。ステップS915では、各種フラグ格納エリア106dに疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、前兆モードと同じ又は似た示唆演出が発生するものの、最終的にはATモードへの移行が許容されることのATモード当選報知演出が行われることなくその演出モードが終了する疑似前兆モード(所謂ガセ演出が発生するモード)が設定されており、疑似前兆フラグは、かかる疑似前兆モードであることをCPU102が把握するためのフラグである。疑似前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS916にて、疑似前兆モードに設定するか否か、及び設定する場合の疑似前兆モードのゲーム数を抽選により決定する。かかる抽選については、例えば、ゲームの抽選結果として当選しにくい(出現率が低い)結果ほど疑似前兆モードへの移行抽選に当選し易く、また、ゲームの抽選結果として当選し易い(出現率が高い)結果にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選した場合には比較的長いゲーム数の疑似前兆モードが設定されるようにしてもよい。そして、ステップS917では、ステップS916にて決定された疑似前兆モードのゲーム数を疑似前兆カウンタに入力する処理を実行する。なお、疑似前兆モードへの移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS917の処理を行わない(疑似前兆カウンタに0を入力する)。その後、ステップS918にて疑似前兆フラグをセットするとともに、疑似前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。疑似前兆コマンドは、疑似前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、疑似前兆モードの残りゲーム数の情報が含まれ、表示制御装置81では、その疑似前兆モードの残りゲーム数に応じて示唆演出の発生抽選を行ったりする。なお、ステップS916にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS918の処理を行わずに、そのままAT抽選用処理を終了するとよい。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS707にて実行されるAT上乗せ用処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、所定ゲーム数を初期の継続ゲーム数として開始されるATモードの継続ゲーム数の上乗せ等を行うための処理である。
すなわち、ステップS1001では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS1002にて、今回のゲームの抽選結果が、抽選時上乗せ結果であるか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードのゲーム数の上乗せを行うにあたり、ゲームの抽選結果として、役の抽選結果に応じて上乗せ抽選を行う抽選時上乗せ結果と、役の抽選結果のうちの押し順報知の対象となる結果の一部で、所定の押し順報知の有無によって上乗せ抽選を行う報知時上乗せ結果と、が設定されている。報知時上乗せ結果についてより詳しくは、本実施形態では、BARリプレイ1、BARリプレイ2、特定リプレイ1、特定リプレイ2が報知時上乗せ結果として設定されており、BARリプレイ1やBARリプレイ2に当選した場合には、第7再遊技に対応する押し順報知が行われる場合に上乗せ抽選が行われ、特定リプレイ1や特定リプレイ2に当選した場合には第11再遊技や第12再遊技に対応する押し順報知が行われる場合に上乗せ抽選が行われる。
ステップS1002では、これら報知時上乗せ結果ではなく、抽選時上乗せ結である場合に否定判定し、ステップS1003以降の上乗せ用の処理を行う。ステップS1003では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルの取得を行う。
本実施形態における上乗せ抽選テーブルは、図36に示すように、通常テーブルとMY高確率テーブルとが設定されている。上乗せ抽選テーブルの取得処理については、後に詳細に説明するが、ここでは、基本的な上乗せの流れを説明すべく、先ずは、主に取得される通常テーブルを用いた説明を行う。通常テーブルでは、図36に示すように、抽選結果の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率や当選した場合の上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは20ゲームから200ゲームのATモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は40ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから300ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
続くステップS1004では、ステップS1005にて取得した上乗せ抽選テーブルと、各種カウンタエリア106eの抽選用のカウンタとを用いて、上乗せ抽選を実行する。そして、ステップS1005にて上乗せ抽選に当選しているか否かの判定を行う。上乗せに非当選であると判定した場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1006にて、ATモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタ)に、ステップS1006により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。続くステップS1007では、上乗せ抽選に当選したことやそのゲーム数を、事後的に報知する後乗せ報知を行うか否かの後乗せ抽選処理を実行する。
本スロットマシン10では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の上乗せ報知の態様が複数設定されている。より詳しくは、上乗せ報知の態様として、上乗せ報知が行われるゲームが異なる複数の態様を有しており、上乗せが発生したゲーム又は上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「即乗せ報知」とも称する)と、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって報知ゲームが事後的に決定される報知ゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「後乗せ報知」とも称する)とが設定されている。
即乗せ報知において、上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームとは、例えば、上乗せが発生したゲームを契機として、連続演出が発生したりする場合等を示し、当該上乗せが発生したゲームから複数のゲームに亘って継続し得るゲームを一連のゲームと称する。当該一連のゲームは、連続した演出が発生しない場合も含み、例えば、上乗せが発生したゲームにおいては対応する演出は発生せず、次のゲームや複数ゲーム後において上乗せ報知が発生する態様も、当該上乗せが発生したゲーム及び上乗せ報知が発生するまでの間のゲームを一連のゲームとし、かかる上乗せ報知の態様も即乗せ報知に含まれるものとする。
一方、後乗せ報知において、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって事後的に決定される報知ゲームとは、上乗せが発生したゲームにおいて定められるのではなく、例えばATモードの終了間際のゲーム等、ATモードの進行に伴い事後的に報知タイミングが決定される点で、上記即乗せ報知における一連のゲームとは異なっている。言い換えるならば、上記報知ゲームは、上乗せが発生したゲームを契機とせずに設定されるゲームともいえる。
即乗せ報知と後乗せ報知について、図37を参照しながら、補助表示部65の表示内容の概要を説明する。
上記のとおり、即乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数(図における、有利区間残りゲーム数ZG)のうちの一部のゲーム数を報知するものであり、後乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数を後から報知するものである。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)は、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ報知が発生しない限り減算はなされない。
図37に示すように、本実施形態では、ATモードを消化している最中において、補助表示部65に表示される表示上の残りゲーム数(残りゲーム数表示ZGP)が所定数(1)となった場合に、すなわち、表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ報知が発生する。後乗せ報知では、後乗せカウンタBGに対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことが報知される。この場合、後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、表示用残数カウンタHGは後乗せ報知による報知分が上乗せされて更新され、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
このように、上乗せ当選時において、後乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じ得る。その一方で、即乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じない。
上記のステップS1007では、例えば、今回の上乗せ当選の契機となった遊技結果と、現状の後乗せカウンタBGとに基づいて、今回の上乗せを即乗せ報知にて報知するか後乗せ報知にて報知するかを決定する。例えば、今回の上乗せ当選の契機となった遊技結果が上乗せ抽選に当選しにくい結果であれば後乗せ報知が選択され易くすると、後乗せ報知の意外性を高めることが可能となる。また、現状の後乗せカウンタBGが少ないほど後乗せ報知が選択され易くすると、後乗せ報知が行われる機会を好適に増やすことが可能となる。
ステップS1007にて後乗せ抽選処理を実行した後は、ステップS1008にて当該後乗せ抽選に当選したか否かを判定する。後乗せ当選しておらず、即乗せ報知が選択された場合、ステップS1009にて、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGに、今回の上乗せ当選ゲームを加算する処理を行うとともに、今回の上乗せゲーム数をレジスタ等に一時記憶する。そして、ステップS1010にて、今回のゲームにおいて、いずれのタイミングにて上乗せ報知を実行するかを設定するための、報知タイミング設定処理を実行する。報知タイミング設定処理は、今回のゲームにおけるどのタイミングで上乗せ報知を行うかを設定する処理である。
一のゲームにおいては、上乗せゲーム数に応じて上乗せ報知の実行タイミングが異なるように設定されている。本実施形態では、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42〜44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42〜44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42〜44は最も手前側に配置される初期位置から、最も奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42〜44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42〜44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42〜44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42〜44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42〜44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ報知は、各ストップスイッチ42〜44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ報知が発生するゲームでは、ストップスイッチ42〜44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
ステップS1010の報知タイミング設定処理では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ報知が発生し易くなるように報知タイミングを設定する。また、第1〜第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択されにくくなるように設定されている。上乗せゲーム数との関係からすると、上乗せゲーム数が多いほど、特に第3リール停止OFF操作時のタイミングが選択され易くなっている。つまり、上乗せ報知が発生することを事前に察知している場合、第3リール停止ON操作時までに上乗せ報知が発生しなければ、遊技者は、多量のゲーム数の上乗せが発生することに大いに期待しながら、第3リール停止OFF操作を実行するものと考えられる。
ステップS1011では、上乗せが発生したことの情報、上乗せゲーム数、即乗せが選択されたことの情報、及び、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングに関する情報を含む上乗せコマンドを、表示制御装置81への出力対象として設定してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、これらの情報に基づいて、上乗せ報知演出の設定を行う。
ステップS1008にて後乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS1012に進む。ステップS1012では、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS1013にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を行い、その後、ステップS1014にて、上乗せが発生したことの情報、上乗せゲーム数、及び、後乗せ報知が選択されたことの情報を含む上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、AT上乗せ用処理を終了する。
ステップS1002にて、今回のゲームの抽選結果が抽選時上乗せ結果ではなく報知時上乗せ結果であり、BARリプレイ1、BARリプレイ2、特定リプレイ1又は特定リプレイ2である場合は、ステップS1015に進む。ステップS1015〜ステップS1021の処理は、報知時上乗せ結果における押し順報知の当選確率に関する処理であり、かかる処理については、後に詳細に説明する。
抽選結果対応処理(図31)の説明に戻る。ステップS706又はステップS707の処理を実行した後は、ステップS708にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベルの押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS709にて、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているかを判定する。AT用報知フラグは、ATモードへの移行抽選に当選した後、ATモードへの移行を生じさせることが許容された段階で(前兆ゲーム数が0となりATモード当選報知が行われた段階で)セットされるフラグである。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS710にて押し順役用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップS708にて押し順役当選ではない場合や、ステップS709にてAT用報知フラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役用処理の説明に先立って、押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知、態様報知)について、その概要を説明する。操作順序の報知は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。
先ず、指示モニタ68の構成について、図38を参照しながら説明する。図38(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図38(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図38(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図38(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされる等、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(ATモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(CZモード、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65での押し順報知演出について、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として説明する。
図39(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図39(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図39(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役用処理>
次に、ステップS710にて実行される押し順役用処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1〜4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1101にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1102に進み、主制御装置101側の押し順報知として、第3再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1103にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1102にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、ATモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てATモードの当選報知が行われた後であって、ATモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1〜4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1〜4に当選する。但し、ATモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1〜4に当選することで、早期に第3RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1101にて否定判定した場合、ステップS1104にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1〜3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1104にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1105にて、主制御装置101側の押し順報知として、第1再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1106にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、ATモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1〜4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、上記ステップS709にて否定判定した場合は、押し順役用処理が行われないため、押し順報知も発生しない。そのため、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、AT用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1〜3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、上記ステップS709にて否定判定した場合は、押し順報知も発生しないため、例えば、ATモードが終了してAT用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1〜3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1〜3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、ATモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1104にて否定判定した場合、ステップS1107にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1107にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1108にて、主制御装置101側の押し順報知として、第4再遊技又は第5再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1109にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1107にて否定判定した場合、ステップS1110にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1110にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技及び第6再遊技〜第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。上記の通り、BARリプレイ1,2を含む報知時上乗せ結果については、AT上乗せ用処理では上乗せ抽選が行われていない。そこで、BARリプレイ1,2である場合には、上乗せ抽選の対象となる第7再遊技入賞の押し順報知演出を行うか否かの抽選を行ったうえで、第7再遊技入賞の押し順報知演出を行う場合にAT上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1110にて肯定判定した場合、ステップS1111にて、BARリプレイとしての第7再遊技の入賞を成立させることを可能とする報知を行うか否かのBAR揃い抽選処理を実行する。当該BAR揃い抽選の当選確率は、例えば、約1000分の1程度で、比較的低確率に設定されている。なお、設定値によってBAR揃い抽選の当選確率が異なるように設定されていてもよい。
ステップS1112では、BAR揃い抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、ステップS1105に進み、主制御装置101側の押し順報知として、第1再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。その後、ステップS1106にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1112にて、BAR揃い抽選に当選していると判定した場合、ステップS1113にて、上乗せゲーム数をATモード継続カウンタに加算する処理を実行する。ここで、ステップS1111のBAR揃い抽選に当選した場合、図36の上乗せ抽選テーブル(通常テーブル)に規定されているように100%の確率で上乗せ抽選に当選する。そのため、BAR揃い抽選に当選した後は、上乗せ抽選が省略されている。また、BAR揃い抽選に当選した場合の上乗せゲーム数は、予め定められた一のゲーム数としての50ゲームが設定されている。つまり、ステップS1113では、ATモード継続カウンタに50を加算する処理を実行する。
続くステップS1114では、表示用残数カウンタHGに上記上乗せゲーム数(50)を加算するとともに、当該上乗せゲーム数をレジスタに一時記憶する処理を実行する。そして、ステップS1115にて、報知タイミング設定処理を行う。かかる処理では、本実施形態では、今回のBAR揃いが発生するゲームにおける第3停止OFF操作時に上乗せ報知が行われるように報知タイミングを設定する。そして、ステップS1116にて上乗せコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
続くステップS1117では、主制御装置101側の押し順報知として、第1再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。その後、ステップS1118にて、特定押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本押し順役用処理を終了する。特定押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理は後に詳細に説明するが、当該特定押し順報知コマンドを受信した場合、表示制御装置81では主制御装置101側の押し順報知とは異なる(対応しない押し順の)押し順報知演出が行われるように補助表示部65等を制御し、上記ステップS1118の特定押し順報知コマンドの場合、第7再遊技用の押し順報知演出が補助表示部65にて行われることになる。
つまり、上記のようにBAR揃い抽選に当選し、第7再遊技入賞を成立させることに当選している状況であっても、指示モニタ68では押し順報知としては第1再遊技用の押し順報知が行われ、表示制御装置81側で第7再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われる。操作順序によって入賞する結果が異なる押し順役のうち、上記の昇格リプレイや転落リプレイ等のように、その入賞する結果によって、遊技状態の移行が生じたり、移行が生じなかったりする結果については、当該押し順によって遊技者の利益が異なるものといえる。これに対して、BARリプレイ1,2については、第1再遊技及び第6再遊技〜第8再遊技のうちのいずれが入賞しても遊技状態の移行は生じないし、いずれも再遊技が付与されるものであり、押し順によって遊技者の利益は異ならない。そこで、上記遊技者の利益が異なるものについては、主制御装置101側の押し順報知としてそれぞれ異なる押し順報知を行う一方、遊技者の利益が異ならないものについては、主制御装置101側の押し順報知としては共通する押し順報知を行う構成としている。このようにすることで、処理負荷の低減が図られている。
ステップS1110にて否定判定した場合、ステップS1119にて、今回の抽選結果が特定リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1119にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第11再遊技及び第12再遊技のいずれかが入賞する場合である。上記の通り、特定リプレイ1,2についても、BARリプレイ1,2と同様に報知時上乗せ結果であり、AT上乗せ用処理では上乗せ抽選が行われていない。そこで、特定リプレイ1,2である場合には、上乗せ抽選の対象となる第11再遊技入賞や第12再遊技入賞の押し順報知演出を行うか否かの抽選を行ったうえで、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞の押し順報知演出を行う場合にAT上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1119にて肯定判定した場合、ステップS1120にて、チェリーリプレイとしての第11再遊技やスイカリプレイとしての第12再遊技の入賞を成立させることを可能とする報知を行うか否かの特定リプレイナビ抽選処理を実行する。当該特定リプレイナビ抽選処理の詳細については後に説明するが、本実施形態では、チェリーリプレイやスイカリプレイ用の押し順報知演出が発生する確率が遊技状態によって異なっている。また、特定リプレイ1,2当選時においては、いずれの特定リプレイ1,2であってもチェリーリプレイたる第11再遊技とスイカリプレイたる第12再遊技とに重複して当選することから、特定リプレイナビ抽選処理では、チェリーリプレイとスイカリプレイとのいずれの入賞を成立させることを可能とする報知を行うかを抽選により決定する。
ステップS1121では、ステップS1120の特定リプレイナビ抽選処理において当選したか否かを判定する。当選していない場合には、ステップS1105に進み、主制御装置101側の押し順報知として、第1再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。その後、ステップS1106にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1121にて、特定リプレイナビ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1122〜ステップS1123にて特定リプレイナビ当選用の上乗せ抽選を行ったうえで、ステップS1124〜ステップS1128の上乗せ用の処理、ステップS1129及びステップS1130の押し順報知用の処理を行う。
すなわち、ステップS1122では、上乗せ抽選テーブルの取得処理を実行する。かかる処理は、上記AT上乗せ用処理におけるステップS1003の処理と同様であり、ここでは、図36に示す上乗せ抽選テーブルのうち、通常テーブルが取得された場合を説明する。
図36に示すように、通常テーブルにおいて、特定リプレイ1,2におけるチェリーリプレイやスイカリプレイ用の報知に当選した場合の上乗せ抽選における当選確率は、チェリーリプレイ用の報知に当選した場合とスイカリプレイ用の報知に当選した場合とで異なっている。より詳しくは、チェリーリプレイ用の報知に当選した場合よりもスイカリプレイ用の報知に当選した場合の方が上乗せ当選となる確率は高く、また、当選時の平均上乗せゲーム数も多くなるように設定されている。また、上記のBARリプレイ1,2の場合と異なり、チェリーリプレイ用の報知やスイカリプレイ用の報知に当選した場合であっても、上乗せ抽選に当選しない場合があり、この場合、チェリーリプレイやスイカリプレイの入賞が成立しても上乗せは発生しないことになる。
ステップS1123では、上記ステップS1122にて取得した上乗せ抽選テーブルと、各種カウンタエリア106eから取得する抽選用のカウンタとを用いて、上乗せ抽選を行う。そして、ステップS1124にて上乗せ抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS1125にて、上乗せゲーム数をATモード継続カウンタに加算する処理を実行する。
続くステップS1126では、表示用残数カウンタHGに上記上乗せゲーム数(50)を加算するとともに、当該上乗せゲーム数をレジスタに一時記憶する処理を実行する。そして、ステップS1127にて、報知タイミング設定処理を行う。かかる処理では、本実施形態では、今回のチェリーリプレイやスイカリプレイ入賞が成立するゲームにおける第3停止OFF操作時に上乗せ報知が行われるように報知タイミングを設定する。そして、ステップS1128にて上乗せコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
ステップS1124にて上乗せ抽選に当選していないと判定した場合と、ステップS1128の処理を実行した後は、ステップS1129に進む。ステップS1129では、主制御装置101側の押し順報知として、第1再遊技用の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。その後、ステップS1130にて、特定押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本押し順役用処理を終了する。上記のとおり、当該特定押し順報知コマンドを受信した場合、表示制御装置81では主制御装置101側の押し順報知とは異なる(対応しない押し順の)押し順報知演出が行われるように補助表示部65等を制御し、上記ステップS1130の特定押し順報知コマンドの場合、第11再遊技用の押し順報知演出や第12再遊技用の押し順報知演出が補助表示部65にて行われることになる。
ステップS1119にて否定判定した場合、ステップS1131にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合には、ステップS1132に進み、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1131やステップS1132にて否定判定した場合には、そのまま押し順役用処理を終了する。すなわち、AT用報知フラグがセットされている場合であっても、ATモードフラグがセットされておらず、ATモードへの移行前の準備状態である場合には、押し順ベル当選時の押し順報知が行われない。ステップS1132にてATモードフラグがセットされている場合には、ステップS1133にてベル報知用処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。ベル報知用処理の詳細については、後に説明するが、かかる処理では、基本的には、第1小役入賞に対応する押し順報知が主制御装置101側の指示モニタ68にて行われるようにするとともに、当該第1小役入賞に対応する押し順報知演出が表示制御装置81側の補助表示部65にて行われるようにする(図19)。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる入賞結果対応処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、ゲーム数管理処理を実行する。ゲーム数管理処理は、ATモードやCZモード、前兆モード等の継続ゲーム数の管理を行うための処理である。
すなわち、ゲーム数管理処理では、図42のフローチャートに示すように、先ず、ステップS1301及びステップS1302にて、上記ステップS701及びステップS702と同様の処理を行う。すなわち、ステップS1301では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、CB状態であるか、それともそれ以外の状態(通常遊技状態、各RT状態、第1BB状態、第2BB状態)であるか、を把握する。そして、ステップS1302では、今回のゲームのベット数が、ステップS1301にて把握した状態において規定されている一の規定数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。ステップS1302にて肯定判定した場合、ステップS1303以降の表示モード用の処理が行われる。これに対して、ステップS1302にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。この場合、ステップS1303以降の表示モード用の処理は行われない。
ステップS1303では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、現状のゲームが第1BB状態や第2BB状態への移行前の持ち越し状態であるか否かを判定する。持ち越し状態である場合には、ステップS1304にて、CZモードフラグやATモードフラグを消去してから、本ゲーム数管理処理を終了する。この場合、CZモード及びATモードは終了する。但し、ATモードについては、BB状態の終了後、押し順リプレイ当選時の押し順報知により、速やかに第3RT状態への移行が生じるようになる。なお、この場合、BB状態の終了後、第3RT状態への移行が生じてからATモードのゲーム数の計測が再開される。
ステップS1303にて第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1305にて、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS1306にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1307にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS1308にてCZモードフラグをクリアするとともに、CZモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZモードフラグをクリアすることでCZモードが終了して通常モードに移行する。また、CZモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモードが終了したことの報知(例えば、「残念だったな」といった文字表示やその効果音)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1305及びステップS1307のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1308の処理を実行した後は、ステップS1309に進む。ステップS1309では、前兆フラグ又は疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS1310に進み、前兆カウンタや疑似前兆カウンタを1減算する処理を実行する。すなわち、ステップS1310では、前兆モードであれば前兆カウンタを1減算し、疑似前兆モードであれば疑似前兆カウンタを1減算する。
ステップS1310の処理を実行した後は、ステップS1311にて前兆フラグがセットされており、且つ前兆カウンタが0となったか否かを判定する。すなわち、前兆モードにおいて前兆ゲーム数が0となった場合、ステップS1312に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1313にて、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグをセットする処理を実行する。上記のように、当該AT用報知フラグがセットされることにより、押し順リプレイ当選時にRT状態を上位のRT状態へ移行させることが可能となり、且つ下位のRT状態へ移行させないようにすることが可能となる。ちなみに、上記のステップS1304では、ATモード中であってもAT用報知フラグは消去しない。そのため、BB状態の終了後、押し順リプレイ当選時に押し順報知が発生するようになり、第3RT状態まで移行させることが可能となる。
ステップS1313の処理を実行した後は、ステップS1314にてATモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ATモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモード移行抽選に当選し、ATモードへの移行が許容された状態となったことのATモード当選報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ATモード当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「スーパーラッキー!!」と表示するとともに、それ用の効果音をスピーカ64から出力する。
ステップS1311にて、前兆カウンタが0ではなかったり、0であるものの前兆フラグではなく疑似前兆フラグがセットされている場合は、ステップS1315に進む。ステップS1315では、疑似前兆カウンタが0であり、且つ疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1315にて肯定判定した場合、ステップS1316にて疑似前兆フラグをクリアする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。これにより、疑似前兆モードが終了することになる。
ステップS1309及びステップS1315のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1314及びステップS1316のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1317に進む。ステップS1317では、ATモードフラグがセットされているかを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップS1318にて、ATモード継続カウンタの減算処理を行う。そして、ステップS1319にてATモード継続カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合、ステップS1320にてATモードフラグ及びAT用報知フラグを消去する処理を行う。その後、ステップS1321にて、各種フラグ格納エリア106dにAT終了フラグをセットする処理を実行する。AT終了フラグは、有利区間であってATモードではない状態が、ATモードへの移行が生じてからの状態であるか否かをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップS1322では、ATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことのATモード終了報知演出(例えば、「END」といった文字表示、ATモード中の獲得メダル数の表示、ATモードの継続ゲーム数の表示、及びその効果音)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1317又はステップS1319にて否定判定した場合と、ステップS1322の処理を実行した後は、ステップS1323にてナビモード用処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。ナビモード用処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップS1201の処理を実行した後は、ステップS1202にて後乗せ報知用処理を実行する。後乗せ報知用処理は、上記の後乗せ報知を行うための処理であり、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったことに基づいて後乗せフラグがセットされていることを条件として後乗せカウンタBGに対応する上乗せ報知(後乗せ報知)を実行する。そして、実行した上乗せ報知に対応する値を表示用残数カウンタHGに加算するとともに後乗せカウンタBGから減算し、後乗せカウンタBGが0であることを条件として後乗せフラグをクリアする。
続くステップS1203では、今回の停止結果が、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1204にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモードへの移行条件が成立することなく第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ATモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1205にて、現状の表示モードがATモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。
ステップS1205にて、ATモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがATモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、ATモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1206〜ステップS1208にてATモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1206では、ATモードフラグをセットする。続くステップS1207では、ATモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからATモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。その後、ステップS1208にて、ATモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタが0であることを条件にATモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。ステップS1208の処理を実行した後は、入賞結果対応処理を終了する。なお、ステップS1208にて、ATモード継続カウンタが0ではない場合とは、例えば、BB状態後にATモードを再開するような場合であり、かかる場合は、そのATモード継続カウンタをそのまま引き継いで計測を再開する。
以上のように、特に、遊技状態を、ATモードの主たる状態としての第3RT状態へ移行させることに対応する役の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてATモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードからATモードへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞の停止によって遊技状態が移行する場合においては、表示モードの移行は行われない。このような下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、これらの下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<区間表示第1処理>
次に、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
図43に示すように、ステップS1401では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1401にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、有利区間フラグは、有利区間移行抽選処理(図32)において、有利区間への移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。有利区間フラグがセットされている場合、ステップS1403にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1404にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。ステップS1403にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測が開始されている状況か否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの計測が開始されていない場合、ステップS1406にて有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1405にて既に計測を開始していると判定した場合、又はステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1407に進む。ステップS1407では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード当選報知が行われてAT用報知フラグがセットされることにより、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態となり、上記の報知条件が成立することとなる。ステップS1407にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1408にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1401にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1409にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1409について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1402にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグがセットされている場合であっても当選ゲームである場合(ステップS1404の処理を実行した後)と、当選ゲームではなくても押し順報知が発生し得る状況ではない場合(ステップS1407にてAT用報知フラグがセットされていないと判定した場合)は、ステップS1410に進む。ステップS1410では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1408にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1409の表示継続処理を実行した後は、ステップS1411に進む。ステップS1411では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1410又はステップS1411の処理を実行した後は、ステップS1412にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1413にて、ステップS1412の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1413では、ステップS1412の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1413の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1412の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1501では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS1502にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MYの更新処理を実行する。有利区間増減枚数MYは、有利区間中のメダルの増減枚数(有利区間中の各ゲームでベットされた枚数と払い出された枚数との差枚数)をCPU102が把握するためのカウンタであり、ステップS1503では、今回のゲームの入賞結果(直前の入賞結果対応処理や払出判定処理)に基づいて、今回のゲームのメダル増減数(今回のゲームのメダル払出数−今回のゲームのベット数)を把握し、そのメダル増減数を有利区間増減枚数MYに加算する処理を行う。
具体的には、図45のフローチャートの示すように、ステップS1503のMY更新処理では、ステップS1601にて、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞である場合には、有利区間増減枚数MYの更新を行わず、そのままMY更新処理を終了する。いずれかの再遊技入賞ではない場合、ステップS1602に進む。
ステップS1602では、今回のゲームの遊技結果に基づいて払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算する処理を実行する。ステップS1602は、ゲームで使用したメダルと獲得したメダルとの差し引きで、メダル増加数やメダル減少数を把握するための処理である。例えば、3ベットゲームにおいて第1小役入賞が成立している場合、3枚ベットして9枚のメダル払出が発生しているため、差し引き6枚のメダル増加が生じている。また、3ベットゲームにおいて第2小役入賞が成立している場合、3枚ベットして3枚のメダル払出が発生しているため、差し引き0枚のメダル増加(減少)が生じている。そして、3ベットゲームにおいていずれの小役入賞も成立していない場合、3枚ベットして0枚のメダル払出が発生しているため(メダル払出が発生していないため)、差し引き3枚のメダル減少が生じている。
続くステップS1603では、ステップS1602の演算結果を有利区間増減枚数MYに加算する処理を行う。例えば、ステップS1602の演算結果が6枚のメダル増加が生じているとする結果であれば、有利区間増減枚数MYに6を加算する処理を実行し、ステップS1602の演算結果が3枚のメダル減少が生じているとする結果であれば、有利区間増減枚数MYから3を減算する処理を実行する。そして、ステップS1604にて、有利区間増減枚数MYが0以上であるか否かを判定し、有利区間増減枚数MYが0よりも小さく、有利区間においてメダル増加が生じておらずメダルが減少している状況であれば、ステップS1605にて、有利区間増減枚数MYを0にクリアする処理を行ってから、MY更新処理を終了する。有利区間増減枚数MYが0以上であって、有利区間においてメダル増加が生じている状況であれば、ステップS1606にてMY高確率用処理を実行してから、MY更新処理を終了する。MY高確率用処理については、後に詳細に説明する。
区間表示第2処理において、ステップS1503のMY更新処理を実行した後は、ステップS1504にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1505にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、ATモードの残りゲーム数が100ゲームであって、有利区間ゲーム数AGが1450となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(ATモード残りゲーム数=0)よりも先に有利区間の上限ゲーム数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残枚数管理処理では、例えば、ATモードの残りゲーム数が100ゲームであって、有利区間増減枚数MYが2300となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(ATモード残りゲーム数=0)よりも先に有利区間の上限増加数に達する可能性が高い状況か否かを把握する。なお、この場合、ATモードの1ゲーム当たりのメダルの期待増減枚数と、ATモードの残りゲーム数と、現状の有利区間増減枚数MYと、から、上記の有利区間の上限増加数に達する可能性が高いか否かの判定を行う。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
これら第1超過フラグや第2超過フラグがセットされることにより、以降のATモードの上乗せが行われなくなったり(制限されたり)、上乗せ抽選に当選した場合に、ゲーム数の上乗せとは異なる特典(設定値の示唆やレア画像の表示等)が行われるようになる。これにより、残りゲーム数が多い等して、既に、上限ゲーム数や上限増加数に達する可能性が高いような状況で、更に無意味な上乗せが発生することを回避し、上記のような状況であっても、遊技を楽しませることが可能となる。
ステップS1505の処理を実行した後は、ステップS1506にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1507にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1508では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1509にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1509のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、前兆フラグや疑似前兆フラグ、CZモードフラグ、ATモード当選フラグ、AT用報知フラグや、ATモードフラグ等がセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、前兆モード、ATモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1506にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合や有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1510に進み、有利区間の通常終了条件が成立したか否かを判定する。より詳しくは、CZモードフラグ、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされておらず、ATモード等の残り継続ゲーム数が0となったか否かを判定する。これらいずれのフラグもセットされていない場合、ステップS1511にてAT終了フラグがセットされているか否かを判定する。AT終了フラグはATモードの終了に際してセットされるフラグである。AT終了フラグがセットされている場合には、ステップS1507へ進み、ステップS1507〜ステップS1509の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。ステップS1510やステップS1511にて否定判定した場合は、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。すなわち、ATモード中だけでなく、有利区間移行後であって、ATモードへの移行が生じていない状態では有利区間は終了せず、有利区間移行後、ATモードへ移行し、当該ATモードが終了することで有利区間が終了することになる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図46を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図46に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びAT用報知フラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」〜「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、押し順報知による恩恵を享受可能な状況であることを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。言い換えるならば、第8表示用セグメントN8が点灯していない状況においては、押し順報知は発生しないため、ゲームを潔く終了することも可能となる。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。当該演出設定処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンド等がある。ベット時コマンドである場合には、ステップS1704にてベット時演出設定処理を実行する。ベット時演出設定処理では、今回のベット操作に基づく演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御するための処理を行う。
ステップS1703にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順報知コマンド、特定押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1708にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1707にて否定判定した場合、又はステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理にてセットされるATモード開始コマンドやATモード終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1709にて否定判定した場合、又はステップS1710の処理を実行した後は、ステップS1711にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、CZモード、ATモード、BBモードのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、CZモードフラグ、ATモードフラグ、BB状態モードフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。ステップS1801では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS1802では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1803にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドや特定押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。いずれかの押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。いずれかの押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1〜4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1〜4である場合には、ステップS1903にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1902にて第1昇格リプレイ1〜4当選ではないと判定した場合、ステップS1904にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1〜3であるか否かを判定する。転落リプレイ1〜3である場合には、ステップS1905に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1904にて転落リプレイ1〜3ではないと判定した場合、ステップS1906にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS1907にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1706にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS1708にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2であるか否かを判定する。BARリプレイ1,2である場合には、ステップS1709にて、今回受信している押し順報知コマンドが特定押し順コマンドであるか否かを判定する。既に説明した通り、主制御装置101側で特定押し順コマンドが出力設定される場合とは、主制御装置101側の押し順報知の内容と、表示制御装置81側の押し順報知演出の内容とが異なる場合である。特定押し順報知コマンドではない場合、ステップS1905に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1909にて特定押し順報知コマンドであると判定した場合、ステップS1910に進み、第7再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。この場合、主制御装置101側の押し順報知では第1再遊技入賞に対応する報知が行われ、表示制御装置81側の押し順報知演出では第7再遊技入賞に対応する報知が演出として行われることとなる。
ステップS1908にてBARリプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS1911にて、今回の抽選結果が特定リプレイ1,2であるか否かを判定する。特定リプレイ1,2である場合には、ステップS1712にて、今回受信している押し順報知コマンドが特定押し順コマンドであるか否かを判定する。特定押し順報知コマンドではない場合、ステップS1905に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS1912にて特定押し順報知コマンドであると判定した場合、ステップS1913に進み、今回の特定押し順報知コマンドに基づいて、今回報知すべき操作順序がチェリーリプレイたる第11再遊技入賞に対応するものであるか否かを判定する。第11再遊技入賞に対応するものである場合、ステップS1914にて、第11再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。この場合、主制御装置101側の押し順報知では第1再遊技入賞に対応する報知が行われ、表示制御装置81側の押し順報知演出では第11再遊技入賞に対応する報知が演出として行われることとなる。
ステップS1913にて、今回報知すべき操作順序がチェリーリプレイたる第11再遊技入賞に対応するものではなく、スイカリプレイたる第12再遊技入賞に対応するものであると判定した場合、ステップS1915にて、第12再遊技入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。この場合、主制御装置101側の押し順報知では第1再遊技入賞に対応する報知が行われ、表示制御装置81側の押し順報知演出では第12再遊技入賞に対応する報知が演出として行われることとなる。
ステップS1911にて特定リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS1916にて、今回の抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルである場合、ステップS1917にてベル報知調整用処理を実行してから、押し順報知用処理を終了する。ベル報知調整用処理では、基本的には、押し順報知コマンドを受信していることを条件として、9枚払出となる第1小役入賞が成立する押し順報知演出を行うように補助表示部65等を制御する。
開始時演出設定処理の説明(図48)に戻り、ステップS1802にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1804にて、移行契機役当選か否かを判定する。移行契機役とは、例えば、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2等、当選確率が低い所謂レア役と称される結果であって、ATモードやボーナス状態等への移行に期待が持てる結果の総称である。移行契機役当選である場合には、ステップS1805にて移行契機役報知用処理を行う。移行契機役報知用処理では、移行契機役の当選に基づいて、何らかの有利な事象が生じる可能性が高い状況であることを示唆する演出として、チャンス示唆演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64等を制御するための処理を行ったり、連続演出が行われるようにするための処理を行ったりする。
ステップS1804にて否定判定した場合、又はステップS1803若しくはステップS1805の処理を実行した後は、ステップS1806に進む。ステップS1806では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS1807にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図53(a)〜図53(c)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS1807の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、報知する上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2002では、報知タイミングを把握する処理を実行する。報知タイミングとは、上乗せ演出を実行するタイミングであり、上記の主制御装置101側の処理にてそのタイミングが決定され、決定されたタイミングの情報は、上記上乗せコマンドに設定されて出力される。そのため、表示制御装置81側では、かかる上乗せコマンドを読み取ることで上乗せ演出を実行すべきタイミングを把握することが可能となる。報知タイミングとしては、上乗せ演出を実行すべきゲームと、各ストップスイッチ42〜44の停止操作に対応するタイミングと、が設定される。
ステップS2002にて、報知タイミングを把握した後は、ステップS2003にて、ステップS2002の把握結果が、今回のゲームで上乗せ演出を行うものであったか否かを判定する。今回のゲームにて上乗せ報知を行うものではない場合とは、後乗せ報知が選択された場合であり、この場合には、そのまま上乗せ演出の設定処理を終了する。今回のゲームで上乗せ演出を行うものである場合、ステップS2004にて、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2005にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ〜第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2705では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2004にて否定判定した場合、ステップS2006にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2007にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2007でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2006にて否定判定した場合、ステップS2008にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2008でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2005、ステップS2007又はステップS2008の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS1806にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS1807の処理を実行した後は、ステップS1808にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS1809にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS1810にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理は、第1BB状態や第2BB状態中のボーナス中演出を補助表示部65等にて行うための処理である。ボーナス中演出では、例えば、第1BB状態と第2BB状態とを遊技者が識別可能となるように、それぞれの演出の内容が異なるように設定されている。また、第1BB状態や第2BB状態中の抽選結果に応じた演出が行われるように設定されている。また、連続演出設定処理は、複数のゲームに亘って一連の演出が設定されている連続演出を行うための処理である。ステップS1810の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS1708にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2101では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42〜44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2101にて肯定判定した場合、ステップS2802に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2103にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2104にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図53(a)に示すように、ストップスイッチ42〜44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図39(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図39(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図39(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図39(c))に変化する。
ステップS2101にて否定判定した場合、ステップS2105に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42〜44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。停止OFFコマンドではない場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS2105にて肯定判定した場合、ステップS2106に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2107にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2108にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図53(b)に示すように、ストップスイッチ42〜44の押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42〜44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2105にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2201では、今回受信している停止時コマンドとしてATモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2202にて、ATモード開始演出を設定する処理を行う。ATモード開始演出では、例えば、補助表示部65にて、「AT開始!」という文字表示を行う。その他、ATモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「いくわよー!」)が発せられるように制御する。
ステップS2201にてATモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2203にて、今回受信している停止時コマンドとしてATモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2204にて、ATモード終了演出を設定する処理を行う。ATモード終了演出では、例えば、補助表示部65にて、「AT END」という文字表示を行うとともに、今回のATモードの継続ゲーム数を表示し、また、今回のATモードの総払出枚数を表示する。その他、ATモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2202及びステップS2204のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2203にて否定判定した後は、ステップS2205に進む。ステップS2205では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS1807にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図50)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図53(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2206にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2206では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、本スロットマシン10では、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、また、当該スタートレバー41の操作に基づき主制御装置101側で各ゲームの抽選が行われる。そして各ストップスイッチ42〜44を操作することで、各リール32L,32M,32Rが停止し、その停止態様がそのゲームの抽選結果に応じた停止態様であれば、抽選結果の入賞として、所定数のメダル払出が行われる。このような構成を前提として、更に、各ゲームの抽選結果を利用して有利区間やATモードへの移行抽選といった押し順報知の指示機能を向上させるための抽選が行われ、その抽選の内容に関する報知演出が表示制御装置81にて行われる。そして、ATモードへの移行抽選に当選すると、主制御装置101側の押し順報知や表示制御装置81側の押し順報知演出によって、遊技状態の移行や押し順ベル当選時により多くのメダル払出が行われる第1結果入賞を成立させることが可能となる。つまり、本実施形態では、指示機能(押し順報知を行うための報知情報)を向上させるか否かの抽選を、ゲームの抽選結果に基づいて行い、また、指示機能が向上した状況(ATモードに当選している状況、ATモード)で押し順役に当選すると、その指示機能の発揮として押し順報知や押し順報知演出が行われる。また、指示機能が向上した状況では、当該状況の継続性に関して上乗せ抽選等が行われ、その上乗せ抽選に当選すると、指示機能が向上した状況が更に長く継続し得るようになる。
更に、本実施形態では、指示機能を変化させるための構成として、特定リプレイナビモードと、MY高確率モードといった複数の構成を有している。
<特定リプレイナビモードについて>
特定リプレイナビモードとは、特定リプレイ1,2当選時の特定リプレイナビ抽選の当選確率が高くなる状態であり、特定リプレイナビ抽選に当選することで第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知演出が発生するようになるので、特定リプレイナビモードは、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する指示機能が向上することにより、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立し易くなる状態といえる。
特定リプレイナビモードへは、抽選結果対応処理におけるAT上乗せ用処理にて行われる特定リプレイナビモード抽選処理(ステップS1015)に当選することで移行する。特定リプレイナビモード抽選は、AT上乗せ用処理において、今回のゲームの遊技結果がBARリプレイ1,2や特定リプレイ1,2当選である場合に実施される(ステップS1002:YES)。特定リプレイナビモード抽選処理について、図54(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、ATモードの残りゲーム数をATモード継続カウンタから把握し、当該残りゲーム数が予め定められた所定数(30)よりも多いか否かを判定する。なお、ステップS2301で判定する所定数は、特定リプレイナビモードの継続ゲーム数に相当する数であり、ステップS2301の処理は、特定リプレイナビモードへ移行させることが可能な状況か否かを判定する処理ともいえる。
続くステップS2302では、今回のゲームの抽選結果を把握する。なお、かかる処理は、ステップS1001にて把握した抽選結果を再度読み出す処理である。上記の通り、本処理が起動される場合とは、今回のゲームの抽選結果が、BARリプレイ1,2や特定リプレイ1,2である。これらBARリプレイ1,2や特定リプレイ1,2は、第3RT状態にて当選可能となる一方、他の遊技状態では当選しない。そのため、当該特定リプレイナビモード抽選は、第3RT状態においてのみ起動される処理といえる。
続くステップS2303では、各種テーブル記憶エリア105aからナビモードテーブルを取得する処理を実行する。ナビモードテーブルは、図54(b)に示すように、ゲームの抽選結果によってナビモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、本実施形態では、BARリプレイ1,2よりも特定リプレイ1,2のほうがナビモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、本実施形態では、特定リプレイナビモードとして、特定リプレイ1,2当選時にチェリーリプレイとしての第11再遊技入賞に対応する押し順報知演出が発生し易くなるチェリーナビモードと、特定リプレイ1,2当選時にスイカリプレイとしての第12再遊技入賞に対応する押し順報知演出が発生し易くなるスイカナビモードとが設定されており、ナビモードテーブルでは、それぞれのナビモードの当選確率が設定されている。より詳しくは、BARリプレイ1及び特定リプレイ1はチェリーナビモードの当選確率が高く、BARリプレイ2及び特定リプレイ2はスイカナビモードの当選確率が高くなるように設定されている。これら、ナビモード移行抽選の当選確率は、任意であるが、本実施形態では、BARリプレイ1,2と特定リプレイ1,2との当選率を合わせて、第3RT状態において約200分の1の確率でいずれかのナビモードに当選するように設定されている。
ステップS2304では、ステップS2303にて取得したナビモードテーブルと、各種カウンタエリア106eから取得する抽選用のカウンタとから、ナビモード移行抽選を行う。この場合、当該ナビモード移行抽選の当否結果と、当選した場合のナビモードの種類と、がレジスタに記憶される。その後、本処理を終了する。
図34に示すように、ステップS1015にて特定リプレイナビモード抽選処理を実行した後は、ステップS1016にて、上記のナビモード移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS1017にて、当選したナビモードがチェリーナビモードであるか否かを判定する。チェリーナビモードである場合、ステップS1018にて各種カウンタエリア106eのチェリーナビカウンタCTCに予め定められた数として30を入力する処理を実行する。チェリーナビカウンタCTCは、チェリーナビモードの継続数をCPU102が把握するためのカウンタであり、チェリーナビモードにおいて1ゲーム毎に1ずつ減算される。その後、ステップS1019にて各種フラグ格納エリア106dにチェリーナビフラグをセットする処理を実行するとともに、チェリーナビコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。チェリーナビフラグは、チェリーナビモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。また、チェリーナビコマンドを受信した表示制御装置81では、チェリーナビモードとなったことを遊技者が把握可能なように、図58(b)に示すように、補助表示部65にて背景色をそれまでの色と異ならせ(背景色を赤に設定)、また、「チェリー高確率」といった文字表示を含むチェリー高確率画像CNPを補助表示部65における所定の領域(例えば、表示画面のうちの上側の領域)に表示する。
ステップS1017にてチェリーナビモードではなくスイカナビモードへの移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS1020に進む。ステップS1020では、各種カウンタエリア106eのスイカナビカウンタSTCに予め定められた数として30を入力する処理を実行する。スイカナビカウンタSTCは、スイカナビモードの継続数をCPU102が把握するためのカウンタであり、スイカナビモードにおいて1ゲーム毎に1ずつ減算される。その後、ステップS1021にて各種フラグ格納エリア106dにスイカナビフラグをセットする処理を実行するとともに、スイカナビコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。スイカナビフラグは、スイカナビモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。また、スイカナビコマンドを受信した表示制御装置81では、スイカナビモードとなったことを遊技者が把握可能なように、図58(a)に示すように、補助表示部65にて背景色をそれまでの色と異ならせ(背景色を緑に設定)、また、「スイカ高確率」といった文字表示を含むスイカ高確率画像SNPを補助表示部65における所定の領域(例えば、表示画面のうちの上側の領域)に表示する。
チェリーナビモードとスイカナビモードとの演出の差を説明すると、補助表示部65における背景色が両ナビモードで異なっており(図ではハッチを異ならせて表示している)、また、チェリーナビモードではチェリー高確率画像CNPが所定の領域に表示されるのに対して、スイカナビモードではスイカ高確率画像SNPが所定の領域に表示されるため、両ナビモードを遊技者は容易に区別することが可能である。
次に、特定リプレイナビモード中の処理について説明する。
図55は、特定リプレイ1,2当選時に実施される特定リプレイナビ抽選処理を示すフローチャートである。特定リプレイナビ抽選処理は、押し順役用処理においてステップS1120にて実施される処理である。
特定リプレイナビ抽選処理では、概して、チェリーナビ用の抽選処理と、スイカナビ用の抽選処理とが設定されており、本実施形態では、チェリーナビ用の抽選処理に非当選となった場合にスイカナビ用の抽選処理が実行される構成となっている。これは、ナビ当選時の恩恵(上乗せ当選率、上乗せゲーム数)が高い側(スイカリプレイ)よりも低い側(チェリーリプレイ)を優先して成立させるようにすることで、当該恩恵が高い側の希少性を高めるとともに、出玉率が増大化してしまうことを回避するためである。
すなわち、先ず、ステップS2401にて上記のチェリーナビフラグがセットされているか否かを判定する。チェリーナビフラグがセットされていない場合には、ステップS2402にて各種テーブル記憶エリア105aからチェリーナビ低確率用テーブルを取得し、チェリーナビフラグがセットされている場合には、ステップS2403にて各種テーブル記憶エリア105aからチェリーナビ高確率用テーブルを取得する。そして、ステップS2404にて、これらのテーブルと抽選用のカウンタとから、チェリーナビ抽選処理を実行する。
チェリーナビの低確率用テーブルと高確率用テーブルとは、図56に示すように、低確率用テーブルでは設定値に関わらず、一律で約0.05%の確率で当選するように設定されている。一方、高確率用テーブルでは、設定値によって当選確率が異なり、概して、設定1,3,5の奇数設定のほうが設定2,4,6の偶数設定よりも当選確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、設定1から設定6にかけて順に、約3.0%、1.2%、3.5%、1.7%、4.0%、4.5%の当選確率となっており、偶奇の差はあれど、設定値が高くなるほど当選確率が高くなるように設定されている。そのため、チェリーナビモードに設定されることで第11再遊技入賞用の押し順報知演出が高確率で発生し得るようになり、高設定ほど当該押し順報知演出は発生し易く、更に奇数設定のほうが偶数設定よりも発生し易くなっている。
ステップS2405では、ステップS2404の抽選処理に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS2406にて、各種フラグ格納エリア106dにチェリーナビ当選フラグをセットしてから、本抽選処理を終了する。
ステップS2405にて非当選であったと判定した場合、ステップS2407〜ステップS2412のスイカナビ用の抽選処理を行う。すなわち、ステップS2407では、上記のスイカナビフラグがセットされているか否かを判定する。スイカナビフラグがセットされていない場合には、ステップS2408にて各種テーブル記憶エリア105aからスイカナビ低確率用テーブルを取得し、スイカナビフラグがセットされている場合には、ステップS2409にて各種テーブル記憶エリア105aからスイカナビ高確率用テーブルを取得する。そして、ステップS2410にて、これらのテーブルと抽選用のカウンタとから、スイカナビ抽選処理を実行する。
スイカナビの低確率用テーブルと高確率用テーブルも、チェリーナビ用のものと同様に、図56に示すように、低確率用テーブルでは設定値に関わらず、一律で約0.05%の確率で当選するように設定されている。一方、高確率用テーブルでは、設定値によって当選確率が異なり、概して、設定2,4,6の偶数設定のほうが設定1,3,5の偶数設定よりも当選確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、設定1から設定6にかけて順に、約1.0%、3.2%、1.5%、3.7%、2.0%、4.5%の当選確率となっており、偶奇の差はあれど、設定値が高くなるほど当選確率が高くなるように設定されている。そのため、スイカナビモードに設定されることで第12再遊技入賞用の押し順報知演出が高確率で発生し得るようになり、高設定ほど当該押し順報知演出は発生し易く、更に偶数設定のほうが奇数設定よりも発生し易くなっている。
また、チェリーナビ用の高確率用テーブルとスイカナビ用の高確率用テーブルとを比較すると、スイカナビ用のもののほうが、設定値による当選確率の差が大きくなるように設定されている。つまり、チェリーナビモードよりもスイカナビモードのほうが、ナビ当選から設定値の予測を行い易くなっており、その点でも、スイカリプレイのチェリーリプレイに対する優位性が担保されている。
ステップS2411では、ステップS2410の抽選処理に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS2412にて、各種フラグ格納エリア106dにスイカナビ当選フラグをセットしてから、本抽選処理を終了する。ステップS2411にて非当選であったと判定した場合には、そのまま本抽選処理を終了する。
次に、これらの特定リプレイナビモードのゲーム数の管理について、ナビモード用処理を図57のフローチャートを参照しながら説明する。ナビモード用処理は、ゲーム数管理処理におけるステップS1323にて実施される処理である。
ステップS2501では、チェリーナビフラグがセットされているか否かを判定する。チェリーナビフラグがセットされている場合には、ステップS2502にてチェリーナビ継続数の減算処理を実行する。かかる処理では、上記のチェリーナビカウンタCTCから1を減算する処理を行う。続くステップS2503では、チェリーナビカウンタCTCが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS2504にてチェリーナビフラグをクリアする処理を行う。これにより、チェリーナビモードが終了することになる。
ステップS2501又はステップS2503にて否定判定した場合と、ステップS2504の処理を実行した後は、ステップS2505に進む。ステップS2505では、スイカナビフラグがセットされているか否かを判定する。スイカナビフラグがセットされている場合には、ステップS2506にてスイカナビ継続数の減算処理を実行する。かかる処理では、上記のスイカナビカウンタSTCから1を減算する処理を行う。続くステップS2507では、スイカナビカウンタSTCが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS2508にてスイカナビフラグをクリアする処理を行う。これにより、スイカナビモードが終了することになる。
上記のように、各ナビモード中に特定リプレイ1,2に当選すると、高確率でチェリーリプレイやスイカリプレイを成立ためのナビ抽選に当選し、チェリーナビ当選フラグやスイカナビ当選フラグがセットされる。これらのナビ当選フラグがセットされることにより、押し順役用処理のステップS1121では肯定判定するようになり、ステップS1122〜ステップS1128の上乗せ用の処理を経て、ステップS1130にて対応する押し順の情報を含む特定押し順報知コマンドが表示制御装置81への出力対象としてセットされる。すなわち、チェリーナビ当選フラグがセットされている場合には、ステップS1130にて第11再遊技入賞に対応する押し順の情報を含む特定押し順報知コマンドをセットし、スイカナビ当選フラグがセットされている場合には、ステップS1130にて第12再遊技入賞に対応する押し順の情報を含む特定押し順報知コマンドをセットする。そして、表示制御装置81側の押し順報知用処理(図49)では、特定リプレイ1,2当選時において特定押し順報知コマンドを受信している場合(ステップS1912:YES)、チェリーナビ当選であれば、ステップS1913にて肯定判定して、第11再遊技入賞用の押し順報知演出を行い(ステップS1914)、スイカナビ当選であれば、ステップS1913にて否定判定して、第12再遊技入賞用の押し順報知演出を行う(ステップS1915)。これにより、遊技者は、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させることが可能となる。
これに対して、チェリーナビ抽選やスイカナビ抽選に当選しなかった場合には、押し順役用処理のステップS1121では否定判定することとなり、この場合、第1再遊技入賞に対応する押し順報知コマンドが出力される(ステップS1106)ため、補助表示部65での押し順報知演出では第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われる。そのため、遊技者は、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させることができない。
ここで、上記のように、押し順報知コマンドが出力されると主制御装置101側の押し順報知と、表示制御装置81側の押し順報知演出とが、共通の内容となるものの、特定押し順報知コマンドが出力されると、主制御装置101側の押し順報知と、表示制御装置81側の押し順報知演出とが異なる内容となる。
具体的には、図59(a)に示すように、例えば、特定リプレイ1当選時において、押し順報知コマンドが出力され、第1再遊技入賞を成立させるような押し順の報知が行われる場合、主制御装置101側の押し順報知と、表示制御装置81側の押し順報知演出とのいずれについても、第1再遊技入賞に対応する内容のものとなり、遊技者はいずれに従っても同じように第1再遊技入賞が成立することとなる。
これに対して、図59(b)に示すように、特定リプレイ1当選時において、特定押し順報知コマンドが出力され、第11再遊技入賞を成立させるような押し順の報知が行われる場合、表示制御装置81側の押し順報知演出では当該第11再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われるものの、主制御装置101側の押し順報知においては、第1再遊技入賞に対応する押し順報知が行われ、両報知の内容が異なっている。この場合、指示モニタ68よりも補助表示部65のほうが報知可能な表示領域が大きく、遊技者の目に留まり易いことや、その表示内容も補助表示部65のほうが直感的でわかりやすいことから、遊技者は、補助表示部65側の押し順報知演出の内容に従って、第11再遊技入賞を成立させるように操作するものと考えられる。但し、主制御装置101側の押し順報知に従って、第1再遊技入賞を成立させたとしても、実質的には遊技者の不利益は発生せず、いずれに従うかは遊技者の意思に委ねられている。
すなわち、特定押し順報知コマンドは、遊技者の利益に変化が生じない範囲内で、主制御装置101側の押し順報知の内容を変更しないようにしながら、表示制御装置81側の押し順報知演出の内容を変更しようとするものであり、遊技者の利益に変化が生じない範囲内で指示機能を変化させるものといえる。
このように、特定リプレイナビモードに設定されると、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞の発生率が変化する。この場合、特定リプレイ1,2の当選確率は変化しておらず、指示機能としての押し順報知の態様の変化のみでその出現率が変化することになる。
<MY高確率用処理>
次に、本実施形態において、指示機能を変化させるための構成としての、MY高確率モードについて説明する。
MY高確率モードとは、区間表示第2処理におけるMY更新処理にて管理されている有利区間増減枚数MYの値に基づいて、指示機能が変化するモードである。より詳しくは、MY高確率モードは、有利区間において所定の開始条件が成立してからの、各ゲームのベット数と払出数との差し引きである有利区間増減枚数MY(特定増減枚数)に基づいて、指示機能としてのATモードの上乗せ機能が向上するモードをいう。MY高確率モードへ移行すると、ATモードの上乗せ抽選に際して、通常用の上乗せ抽選テーブルとは異なるMY高確率用のテーブルが選択されるようになる。MY高確率用のテーブルでは、所定の結果での上乗せ抽選において、上乗せ当選となる確率が向上するように設定されている。
MY高確率モードへの移行の有無は、MY更新処理において起動されるMY高確率用処理(ステップS1606)にて管理される。図60は、MY高確率用処理を示すフローチャートである。
ステップS2601では、有利区間増減枚数MY(以下、単にMYカウンタと称する)が第1特定数として、200以上となっているか否かを判定する。すなわち、有利区間における所定の開始条件が成立してからの遊技媒体の増加数が200枚以上であるか否かを判定する。200枚以上である場合、ステップS2602に進み、MYカウンタが第2特定数として、250以上であり、遊技媒体の増加数が250枚以上であるか否かを判定する。250枚未満であり、MYカウンタ(遊技媒体の増加数)が200枚以上250枚未満である場合、ステップS2603に進む。
ステップS2603では、各種カウンタエリア106eにスイカ高確率フラグがセットされているか否かを判定する。スイカ高確率フラグがセットされていない場合には、ステップS2604にてスイカ高確率フラグをセットし、ステップS2605にて、各種カウンタエリアに設けられたスイカ用カウンタSCに所定数として50を入力する処理を実行する。スイカ高確率フラグは、MY高確率モードとして、スイカ当選時の上乗せ当選確率が向上するスイカ用MY高確率モードであることをCPU102が把握するためのフラグであり、スイカ用カウンタSCは、スイカ用高確率モードであるゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
続くステップS2606では、スイカ高確率開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。スイカ高確率開始コマンドは、スイカ用MY高確率モードが開始されることを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。スイカ高確率開始コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、図62(a)に示すように、補助表示部65における所定の領域(例えば表示画面のうちの下側の領域)において、スイカリプレイ等の対象役での上乗せ当選確率が向上していることを示すように、例えば「スイカ当選で上乗せチャンス!!」という文字表示を含むスイカ上乗せ画像SUPを表示する。また、スイカ用MY高確率モードの開始に際して、スイカ用MY高確率モードの継続ゲーム数(50ゲーム)の表示を開始する。
ステップS2602にて、MYカウンタが第2特定数としての250以上となっていると判定した場合、ステップS2607にて、スイカ高確率フラグがセットされているか否かを判定する。スイカ高確率フラグがセットされている場合には、ステップS2608にてスイカ高確率フラグをクリアする処理を実行し、ステップS2609にて、スイカ高確率終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
すなわち、スイカ用MY高確率モードは、MYカウンタが第1特定数以上となることで設定され、第2特定数となることで設定が解除されるモードであり、MYカウンタが200〜249の間だけスイカ当選時の上乗せ当選確率が向上するものとなる。なお、スイカ高確率終了コマンドは、かかるスイカ用MY高確率モードが終了することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
ステップS2601若しくはステップS2607にて否定判定した後、ステップS2603にて肯定判定した後、又は、ステップS2606若しくはステップS2609の処理を実行した後は、ステップS2610に進む。ステップS2610では、MYカウンタが第3特定数として、500以上となっているか否かを判定する。すなわち、有利区間における所定の開始条件が成立してからの遊技媒体の増加数が500枚以上であるか否かを判定する。500枚以上である場合、ステップS2611に進み、MYカウンタが第4特定数として、550以上であり、遊技媒体の増加数が550枚以上であるか否かを判定する。550枚未満であり、MYカウンタ(遊技媒体の増加数)が500枚以上550枚未満である場合、ステップS2612に進む。
ステップS2612では、各種カウンタエリア106eにチェリー高確率フラグがセットされているか否かを判定する。チェリー高確率フラグがセットされていない場合には、ステップS2613にてチェリー高確率フラグをセットし、ステップS2614にて、各種カウンタエリアに設けられたチェリー用カウンタCCに所定数として50を入力する処理を実行する。チェリー高確率フラグは、MY高確率モードとして、チェリー当選時の上乗せ当選確率が向上するチェリー用MY高確率モードであることをCPU102が把握するためのフラグであり、チェリー用カウンタCCは、チェリー用高確率モードであるゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
続くステップS2615では、チェリー高確率開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。チェリー高確率開始コマンドは、チェリー用MY高確率モードが開始されることを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。チェリー高確率開始コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、図62(b)に示すように、補助表示部65における所定の領域(例えば表示画面のうちの下側の領域)において、チェリーリプレイ等の対象役での上乗せ当選確率が向上していることを示すように、例えば「チェリー当選で上乗せチャンス!!」という文字表示を含むチェリー上乗せ画像CUPを表示する。また、チェリー用MY高確率モードの開始に際して、チェリー用MY高確率モードの継続ゲーム数(50ゲーム)の表示を開始する。
ステップS2611にて、MYカウンタが第4特定数としての550以上となっていると判定した場合、ステップS2616にて、チェリー高確率フラグがセットされているか否かを判定する。チェリー高確率フラグがセットされている場合には、ステップS2617にてチェリー高確率フラグをクリアする処理を実行し、ステップS2618にて、チェリー高確率終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
すなわち、チェリー用MY高確率モードは、MYカウンタが第3特定数以上となることで設定され、第4特定数となることで設定が解除されるモードであり、MYカウンタが500〜549の間だけチェリー当選時の上乗せ当選確率が向上するものとなる。なお、チェリー高確率終了コマンドは、かかるチェリー用MY高確率モードが終了することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
<上乗せ抽選テーブルの取得処理>
次に、これらスイカ用MY高確率モードやチェリー用高確率モードにおいて、指示機能としての上乗せ性能が向上する様子を、図61の上乗せ抽選テーブルの取得処理を示すフローチャートを参照しながら説明する。上乗せ抽選テーブルの取得処理は、AT上乗せ用処理におけるステップS1003や、押し順役用処理におけるステップS1122にて、上乗せ抽選に際して実施される処理である。
ステップS2701では、上記のスイカ高確率フラグがセットされているか否かを判定する。スイカ高確率フラグがセットされている場合には、ステップS2702にて、スイカ用カウンタSCを1減算する処理を行うとともに、スイカ減算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。スイカ減算コマンドを受信した表示制御装置81は、ゲームの消化に際して、スイカ用MY高確率モードの継続ゲーム数の表示を1減算させて更新するように補助表示部65を制御する。
続くステップS2703では、スイカ用カウンタSCが0となったか否かを判定し、0となった場合にはステップS2704にてスイカ用高確率フラグをクリアするとともに、上記のスイカ高確率終了コマンドを表示制御装置81への出力対象をセットする処理を行う。その後、ステップS2705にて、スイカ用MY高確率テーブルを取得する処理を実行してから、本上乗せ抽選テーブルの取得処理を終了する。すなわち、スイカ用MY高確率モードは、MYカウンタが第2特定数としての250に達することで終了する場合のほか、スイカ用MY高確率テーブルが取得される回数が所定回数として50回に達すること、すなわち、50ゲーム消化することで終了する場合がある。
スイカ用MY高確率テーブルは、図36に示すように、強スイカ、弱スイカ、強スイカ重複1、弱スイカ重複1、及びスイカリプレイを契機とする上乗せ抽選の当選確率が、通常テーブルよりも向上しており、上乗せ当選確率としての指示機能が向上している。より具体的には、スイカ用MY高確率テーブルでは、上記各役において、通常テーブルの当選確率よりも2倍当選し易くなるように設定されている。但し、当選時の上乗せゲーム数は、通常テーブルのものと同じであり、上乗せゲーム数としての指示機能は向上していない。また、スイカ用MY高確率テーブルは、上記の上乗せ当選確率が向上する各役以外の役、例えば、強チェリー、弱チェリー、強チェリー重複1、弱チェリー重複1、及びチェリーリプレイを契機とする上乗せ抽選の当選確率は、通常テーブルと同じであり、その当選時の上乗せゲーム数も同じである。つまり、スイカ用MY高確率テーブルは、対象となる上記各役においてのみ上乗せ当選確率としての指示機能が向上し、対象とならない役や、その他の指示機能については変化しないテーブルである(図62(c)参照)。
ステップS2701にてスイカ高確率フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2706にて上記のチェリー高確率フラグがセットされているか否かを判定する。チェリー高確率フラグがセットされている場合には、ステップS2707にて、チェリー用カウンタCCを1減算する処理を行うとともに、チェリー減算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。チェリー減算コマンドを受信した表示制御装置81は、ゲームの消化に際して、チェリー用MY高確率モードの継続ゲーム数の表示を1減算させて更新するように補助表示部65を制御する。
続くステップS2708では、チェリー用カウンタCCが0となったか否かを判定し、0となった場合にはステップS2709にてチェリー用高確率フラグをクリアするとともに、上記のチェリー高確率終了コマンドを表示制御装置81への出力対象をセットする処理を行う。その後、ステップS2710にて、チェリー用MY高確率テーブルを取得する処理を実行してから、本上乗せ抽選テーブルの取得処理を終了する。すなわち、チェリー用MY高確率モードについても、MYカウンタが第4特定数としての550に達することで終了する場合のほか、チェリー用MY高確率テーブルが取得される回数が所定回数として50回に達すること、すなわち、50ゲーム消化することで終了する場合がある。
チェリー用MY高確率テーブルは、図36に示すように、強チェリー、弱チェリー、強チェリー重複1、弱チェリー重複1、及びチェリーリプレイを契機とする上乗せ抽選の当選確率が、通常テーブルよりも向上しており、上乗せ当選確率としての指示機能が向上している。より具体的には、チェリー用MY高確率テーブルでは、上記各役において、通常テーブルの当選確率よりも2倍当選し易くなるように設定されている。但し、当選時の上乗せゲーム数は、通常テーブルのものと同じであり、上乗せゲーム数としての指示機能は向上していない。また、チェリー用MY高確率テーブルは、上記の上乗せ当選確率が向上する各役以外の役、例えば、強スイカ、弱スイカ、強スイカ重複1、弱スイカ重複1、及びスイカリプレイを契機とする上乗せ抽選の当選確率は、通常テーブルと同じであり、その当選時の上乗せゲーム数も同じである。つまり、チェリー用MY高確率テーブルについても、対象となる上記各役においてのみ上乗せ当選確率としての指示機能が向上し、対象とならない役や、その他の指示機能については変化しないテーブルである(図62(c)参照)。
ステップS2706にてチェリー高確率フラグがセットされていないと判定した場合は、いずれのMY高確率モードでもないため、ステップS2711にて通常テーブルを取得する処理を実行してから、上乗せ抽選テーブルの取得処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、特定リプレイナビモードとして、特定リプレイ1,2当選時のスイカリプレイの入賞率が向上するスイカナビモードと、チェリーリプレイの入賞率が向上するチェリーナビモードとが設定されている。そして、これらのナビモードへの移行を生じさせることで、上乗せ抽選の契機となる遊技結果となり易くなり、ATモードのゲーム数の上乗せが行われる期待度が高くなる。更に、MYカウンタに基づいて、スイカ用MY高確率モードとチェリー用MY高確率モードとに移行し得るようになっており、これらのNY高確率モードへ移行すると、対象となる遊技結果において上乗せ当選確率自体が向上することを通じてATモードのゲーム数の上乗せが行われる期待度が高くなる。
このように、特定リプレイナビモード単体で見てもATモードの上乗せに期待でき、MY高確率モード単体でもATモードの上乗せに期待できる構成において、特定リプレイナビモードとMY高確率モードとが重複し得るようにしており、その重複によって、上乗せへの期待度が相乗的に高められる。
つまり、スイカリプレイの入賞率が高くなるスイカナビモードと、スイカリプレイ等での上乗せ当選確率が高くなるスイカ用MY高確率モードとが重複したり、チェリーリプレイの入賞率が高くなるチェリーナビモードと、チェリーリプレイ等での上乗せ当選確率が高くなるチェリー用MY高確率モードとが重複したりすることで、上乗せへの期待度が劇的に高くなる一方、スイカナビモードとチェリー用MY高確率モードとが重複したり、チェリーナビモードとスイカ用MY高確率モードとが重複しても、上乗せへの期待度の高まりは、それら単体同士での期待度の追加分程度である。したがって、単に重複が発生すればよいだけでなく、どのような組み合わせで重複が発生するかによって期待度が大きく異なることとなり、遊技者を惹きつける面白みのある遊技性とすることが可能となる。
特に、MY高確率モードは、MYカウンタに基づいて移行するものであることから、ATモードにおいて単に持ちメダルの増加を目指すといった遊技性から脱却し、その増加したメダル数によって更なる上乗せに期待できるようになる、といった斬新な遊技性が実現される。
しかも、本実施形態において、上記のようにATモードの初期ゲーム数は50ゲームであり、ATモード中においては1ゲーム当たり約1.90枚のメダル増加が期待できるところ、MY高確率モードへの移行が生じるMYカウンタは、初期ゲーム数では到達しにくい値として設定されている。このようにすることで、先ずは、MY高確率モードに期待するのではなく、通常の上乗せ抽選等によってATモードのゲーム数を伸ばし、その結果として、MY高確率モードが付与される遊技性となり、従来の遊技性の前提を覆すことなく、上記斬新な遊技性を違和感なく楽しませることが可能となる。
ここで、上記のようにスイカMY高確率モードは、MYカウンタが200〜249の場合に設定され、チェリーMY高確率モードは、MYカウンタが500〜549の場合に設定されるものであり、両MY高確率モードは互いに重複しない範囲となるように、対象となるMYカウンタの値が定められている。そのため、例えば、両MY高確率モードが重複することによって、一のMY高確率モードにて有利区間の上限ゲーム数までの上乗せが生じてしまう等といった事象が生じないようにし、遊技者にとっての有利度が高くなり過ぎないようになっている。
これに対して、特定リプレイ1,2当選時のナビモードについては、特定リプレイナビモード抽選において、両モードの重複が許容されている。つまり、スイカナビモード中にチェリーナビモードに設定され得るものであるし、チェリーナビモード中にスイカナビモードに設定され得るものである。
つまり、例えば、図63(a)に示すように、スイカナビモードとスイカ用MY高確率モードとが重複している状況で、図63(b)に示すように、さらにチェリーナビモードにも設定される場合がある。この場合、特定リプレイナビ抽選処理(図55)においては、特定リプレイ1,2当選時の押し順報知演出としては、チェリーリプレイたる第11再遊技と、スイカリプレイたる第12再遊技とのうち、チェリーリプレイの入賞を成立させる押し順報知演出が優先される構成としている。そのため、チェリーリプレイ入賞用のナビに当選すると、スイカリプレイ入賞用のナビには当選しないようになる。但し、図63(a)においては、チェリーリプレイ入賞用のナビに当選することは稀であることから、そのような事象は生じにくく、スイカナビモードによる恩恵を好適に享受することができる。
これに対して、図63(b)のように、スイカナビモードとチェリーナビモードとが重複すると、チェリーリプレイ入賞用のナビにも当選し易くなるため、そうすると、スイカリプレイ入賞用のナビよりも、チェリーリプレイ入賞用のナビの方が発生し易くなる。つまり、スイカ用MY高確率モードに設定されている状況においては、チェリーナビモードに設定されることは、遊技者にとって好ましくないものとなる。
これらナビモードは、予め定められたゲーム数(30ゲーム)を消化することで終了するように設定されており、上記のようにナビモードが重複すると、図63(c)に示すように、先に設定されていたスイカナビモードよりも、後から設定されたチェリーナビモードのほうが長く継続し、チェリーナビモードについてもその継続ゲーム数が0となることで終了する。
これに対して、MYカウンタの増減態様は各ゲームの抽選結果や入賞の有無等によって異なることから、MY高確率モードについては継続ゲーム数が変化し得る。そこで、以下、MY高確率モードのゲーム数を調節するための処理について説明する。
<ベル報知用処理>
先ず、主制御装置101にて実施されるベル報知用処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。ベル報知用処理は、押し順役処理において、押し順ベル当選時に実施される処理である。既に説明した通り、押し順ベル当選時においては、9枚のメダル払出が発生する第1小役の入賞と、3枚のメダル払出が発生する第2小役〜第26小役の入賞と、メダル払出が発生しない取りこぼしと、が発生し得る。
先ず、ステップS2801では、主制御装置101側の押し順報知として9枚払出となる第1小役用の押し順報知が行われるように、指示モニタ68の制御を行う。続くステップS2802では、スイカ高確率フラグやチェリー高確率フラグのいずれかがセットされており、現状がMY高確率モードであるか否かを判定する。MY高確率モードではない場合には、ステップS2803にて9枚払出となる第1小役用の押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、ベル報知用処理を終了する。上記のとおり、ATモードにおいて、基本的にはかかるステップS2801〜ステップS2803の処理が行われることで、持ちメダルを増加させることが可能となる。
ステップS2802にていずれかのMY高確率モードであると判定した場合、ステップS2804に進む。ステップS2804では、現状のMYカウンタが230〜249,530〜549の範囲であるか否かを判定する。ステップS2804にて肯定判定する場合とは、スイカ用MY高確率モードやチェリー用MY高確率モードにおいて、中盤以降の状況を意味する。つまり、MYカウンタがこれらの範囲に含まれる場合とは、スイカ用MY高確率モードに設定される200〜249の範囲のうち半分よりも後半の範囲であることを意味し、また、チェリー用MY高確率モードに設定される500〜549の範囲のうち半分よりも後半の範囲であることを意味する。ステップS2804にて否定判定した場合には、ステップS2803に進み、9枚払出となる第1小役用の押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、ベル報知用処理を終了する。
ここで、各MY高確率モードに設定されるMYカウンタの値の範囲(第1特定数と第2特定数との差)は、押し順ベル当選時に入賞可能な各小役の払出数の差(9枚−3枚=6枚)よりも大きく、また、押し順ベル当選時に入賞可能な各小役の払出数の最大数よりも大きくなるように設定されている。そのため、MY高確率モードに移行した場合において、その次のゲームにて、押し順ベル当選時にいずれの小役が入賞しても(最大払出数となる小役が入賞しても)、当該押し順ベル当選に基づいてMY高確率モードが終了してしまう事象は生じない。
また、上記MYカウンタの値の範囲(第1特定数と第2特定数との差)は、押し順ベル当選時の最大払出数となる小役の払出数の2倍よりも大きくなるように設定されている。そのため、押し順ベルの入賞によってMY高確率モードへ移行した場合において、そのMYカウンタと第1特定数との差に関わらず、次のゲームで当該MY高確率モードが終了してしまう事象は生じない。
このように、押し順ベルとの関係で、MY高確率モードを好適に楽しませるうえでの障壁となる事象が生じないようになっている。
ちなみに、各MY高確率モードにおいて上乗せ当選率が向上する対象となるチェリーリプレイやスイカリプレイは、MYカウンタの増減の対象とならない。そのため、当該上乗せ当選率が向上する対象となる結果に当選・入賞することによって、MY高確率モードが終了し易くなるといった事象も生じない。
これに対して、ステップS2804にて肯定判定し、各MY高確率モードの中盤以降の状況である場合、ステップS2805に進み、3枚払出となる第2小役〜第26小役の特定押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。既に説明した通り、押し順ベル当選時において1又は2通りの操作順序が9枚払出となる第1小役に対応しており、残りの4又は5通りの操作順序は3枚払出となる第2小役〜第26小役に対応している。この場合、ステップS2805にて、今回の押し順ベルが順押しベル1,2であれば、所定の操作順序として、左→右→中の操作順序を報知する特定押し順報知コマンドをセットし、他の押し順ベルであれば、所定の操作順序として、左→中→右の操作順序を報知する特定押し順報知コマンドをセットする。なお、所定の操作順序を抽選等によりランダムに決定する構成としてもよい。
上記の特定押し順報知コマンドが出力される場合、主制御装置101側の押し順報知の内容と、表示制御装置81側の押し順報知演出の内容とが異なることになる。すなわち、主制御装置101側では9枚払出となる押し順報知を行い、表示制御装置81側では3枚払出となる押し順報知演出を行う。
既に説明した通り、3枚払出となる第2小役〜第26小役については、ストップスイッチ42〜44の操作順序が合致していても必ず入賞が成立するとは限られず、対応する絵柄を有効ラインに停止可能なタイミングで操作する必要がある(図19及び図20参照)。そこで、本実施形態では、先ず、ステップS2806にて、今回の押し順ベルに対応する小役入賞となる停止態様を含む図柄報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。例えば、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルのうちの中押しベル1当選である場合、図柄報知コマンドには、第2小役、第7小役及び第9小役入賞に対応する停止態様の情報が含まれるようにする。
ステップS2807では、現状のMYカウンタが240〜249,540〜549の範囲であるか否かを判定する。ステップS2807にて肯定判定する場合とは、スイカ用MY高確率モードやチェリー用MY高確率モードにおいて、終盤の状況を意味する。つまり、MYカウンタがこれらの範囲に含まれる場合とは、スイカ用MY高確率モードに設定される200〜249の範囲のうちの最終段階であることを意味し、また、チェリー用MY高確率モードに設定される500〜549の範囲のうちの最終段階であることを意味し、あと少しのメダル増加でMY高確率モードが終了する状況であることを意味する。より詳しくは、9枚払出となる第1小役入賞が2ゲーム連続するとMY高確率モードが終了する状況である。ステップS2807にて否定判定した場合には、そのままベル報知用処理を終了する。
ステップS2807にて肯定判定し、あと少しのメダル増加でMY高確率モードが終了する状況である場合、ステップS2808にて、取りこぼし報知抽選処理を実行する。取りこぼし報知抽選処理は、3枚のメダル払出も発生させず、MYカウンタを減少させることのアシストを行うか否かの抽選処理であり、例えば、約10%の確率で当選するように設定されている。ステップS2809では、上記ステップS2808の取りこぼし報知抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS2810にて、3枚払出となる各小役の取りこぼしをアシストするための取りこぼし報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本ベル報知用処理を終了する。一方、取りこぼし報知抽選に当選していない場合には、ステップS2811にて、取りこぼしをアシストしないものの、取りこぼしを行うことが長い目で見て遊技者にとって有利となることを示唆する取りこぼしチャレンジ用の報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ベル報知用処理を終了する。
<ベル報知調整用処理>
次に、表示制御装置81側の押し順報知用処理において、押し順ベル当選時に実行されるベル報知調整用処理(ステップS1917)を、図65のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2901では、上記の特定押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。特定押し順報知コマンドを受信していない場合とは、通常の押し順報知コマンドを受信しており、この場合、ステップS2902にて9枚払出が行われる第1小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65を制御してから、本ベル報知調整用処理を終了する。この場合、図66(a1)及び図66(b1)に示すように、主制御装置101側の押し順報知の内容と、表示制御装置81側の押し順報知演出の内容が合致する。
ステップS2901にて特定押し順報知コマンドを受信している場合とは、上記のようにMY高確率モードにおいて中盤以降である状況であり、この場合、ステップS2903に進み、取りこぼし報知コマンド又は取りこぼしチャレンジ用の報知コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合とは、上記のようにMY高確率モードにおいて終盤である状況である。ステップS2903にて否定判定した場合、すなわち、MY高確率モードにおいて中盤以降であっても終盤までは進行していない場合、ステップS2904にて3枚払出となる第2小役〜第26小役に対応する押し順報知演出、及びこれら第2小役入賞〜第26小役入賞に対応する図柄報知が行われるように補助表示部65を制御してから、本ベル報知調整用処理を終了する。
この場合、図66(a2)及び図66(b2)に示すように、主制御装置101側の押し順報知の内容と、表示制御装置81側の押し順報知演出の内容が異なり、主制御装置101側は9枚払出の押し順報知が行われ、表示制御装置81側は3枚払出の押し順報知演出が行われる。そして、図66(a3)及び図66(c)に示すように、第1リールと第2リールとが停止した後、第3リールに有効ラインに狙うべき図柄を報知する対応図柄報知が行われる。図においては、第1リールとして左リール32Lの上段に「赤ベル」図柄が停止し、第2リールとして中リール32Mの中段に「赤7」図柄が停止しており、第3リールとして、右リール32Rの下段に「白ベル」図柄を停止させることが可能となれば、第7小役入賞が成立し、3枚のメダル払出が行われる状況であることを示している。すなわち、この場合、右リール32Rの下段に「白ベル」図柄を停止させることができれば、MYカウンタの増減は生じず、持ちメダルを減らすことなくMY高確率モードは継続する。これに対して、右リール32Rの下段に「白ベル」図柄を停止させることができなければ、MYカウンタは3減少し、MY高確率モードは継続するものの持ちメダルが減ることになる。
ステップS2903にて取りこぼし報知コマンド又は取りこぼしチャレンジ用の報知コマンドを受信しており、MY高確率モードの終盤であれば、ステップS2905に進む。ステップS2905では、取りこぼし報知コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS2906にて、3枚払出小役の取りこぼし用報知が行われるように補助表示部65を制御し、取りこぼしチャレンジ用の報知コマンドを受信している場合には、ステップS2907にて3枚払出小役の取りこぼしチャレンジ用の報知が行われるように補助表示部65を制御してから、本ベル報知調整用処理を終了する。
これらの場合、図67(a1)及び図67(b1)に示すように、主制御装置101側の押し順報知の内容と、表示制御装置81側の押し順報知演出の内容が異なり、主制御装置101側は9枚払出の押し順報知が行われ、表示制御装置81側は3枚払出の押し順報知演出が行われる。そして、取りこぼし用報知では、図67(a2)及び図67(c)に示すように、第1リールと第2リールとが停止した後、第3リールに有効ラインに狙うべき図柄を報知する対応図柄報知が行われる。図においては、第1リールとして左リール32Lの上段に「赤ベル」図柄が停止し、第2リールとして中リール32Mの中段に「赤7」図柄が停止しており、第3リールとして、右リール32Rの下段に「スイカ」図柄を停止させることが可能となれば、第7小役入賞が成立せず、取りこぼしとなる状況であることを示している。すなわち、この場合、右リール32Rの下段に「スイカ」図柄を停止させることができれば、MYカウンタは3減少し、持ちメダルは減るものの、MY高確率モードがまだまだ継続し得る中盤の状況に復帰させることができる。これに対して、右リール32Rの下段に「スイカ」図柄を停止させることができなければ、MYカウンタの増減は生じず、MY高確率モードが終了し易い終盤である状況が継続することになる。
これに対して、取りこぼしチャレンジ用の報知では、図67(a3)に示すように、上記図67(c)と同じ状況において、右リール32Rの下段に「スイカ」図柄と「白ベル」図柄のいずれかが停止すると、いずれか一方は3枚払出の小役入賞が生じ、他方は取りこぼしとなることを示唆する画像が表示される。この場合、いずれの図柄を狙うかを遊技者が選択したうえで、遊技者の意思で第3リールの停止操作を行うこととなる。
以上のように、スイカ用MY高確率モードやチェリー用MY高確率モードにおいて、MYカウンタがその高確率モードの範囲における中盤以降や終盤になると、押し順ベル当選時に最大払出枚数となる9枚払出の第1小役入賞に対応する押し順報知演出ではなく、当該第1小役入賞時よりも払出枚数が少ない3枚払出の第2小役入賞〜第26小役入賞に対応する押し順報知演出が行われる。そして、終盤においては、取りこぼし報知抽選を経て、3枚払出となる第2小役〜第26小役すら取りこぼしを生じさせるための報知が行われる。つまり、MYカウンタに基づいて、押し順ベル当選時の指示機能としての押し順報知演出の態様が変化する。これにより、MYカウンタにより範囲が定められている各MY高確率モードにおいて、MYカウンタが範囲外にならないように調節することが可能となる。より詳しくは、MYカウンタが範囲外にならないように、MYカウンタを増加させないようにして、対応する結果の上乗せ当選確率が向上している状況が長く継続するように調節することが可能である。
但し、上記のように各MY高確率モードは上限ゲーム数が定められており、MYカウンタが範囲外となる他、当該上限ゲーム数の消化によっても終了する。そのため、上記の対応する結果の上乗せ当選確率が向上している状況が延々と継続することが回避されている。
<遊技の流れ>
図68を参照しながら、MYカウンタにより規定されるMY高確率モードと、ナビモードとの関係性を、遊技の流れに沿って説明する。
t1のタイミングで有利区間が開始され、t2のタイミングでATモードが開始された場合、当該t2のタイミングにおいて有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)のカウントが開始される(より詳しくは、メダルが増加しだしてから開始される)。t2においてATモードの初期ゲーム数がセットされ、1ゲーム毎にATモードの残りゲーム数の減算が行われる。ATモードにおいては、押し順報知が行われることによりメダル増加が生じ、その増加数が第1特定数としての200に到達するt3のタイミングで、MY高確率モード(スイカ用MY高確率モード)に設定される。なお、図においては、説明の簡略化のため、初期ゲーム数としてMY高確率モードに到達し得るゲーム数が設定された場合を示しているが、上記のように初期ゲーム数ではMY高確率モードに達せず、道中の上乗せを経てMY高確率モードに到達することになる。
上記のように、MY高確率モードでは対象となる結果での上乗せ当選率が向上する。すなわち、指示機能としてのATモードの残りゲーム数に変化を生じさせる上乗せ当選処理の処理態様が変化する(上乗せ当選率が向上する)ことになる。但し、MY高確率モードはMYカウンタが第2特定数(250)に到達すると終了することから、例えば、t4のタイミングからメダルの増加速度を落とし、例えば押し順ベル当選時に第1小役入賞を回避して、持ちメダル数の現状維持を図る遊技が行われる。なお、この場合、上記のようにベル報知調整用処理に基づく各種報知が、上記の遊技をアシストする。そして、MY高確率モードの対象となる結果が高確率で出現し得るナビモードに設定されることを待つことになる。なお、ナビモードに設定されなくても、当該対象となる結果は出現し得るものの、図においてはそれを省略している。
t5のタイミングでスイカナビモードに設定されると、MY高確率モードの対象となっている結果の出現率が向上する。そして、t6、t7のタイミングでATモードゲーム数の上乗せが発生する。
MY高確率モードは、上限ゲーム数が予め定められており、t8のタイミングで当該上限ゲーム数に達すると、MY高確率モードは終了する。この場合、上記のように持ちメダル数の現状維持を図る遊技を止め、メダル増加を目指す遊技に移行する。なお、ナビモードについても上限ゲーム数が予め定められており、t9のタイミングで当該上限ゲーム数に達すると、ナビモードは終了する。
t20のタイミングで、MYカウンタが、第3特定数としての500に達すると、再度、MY高確率モード(チェリー用MY高確率モード)に設定される。そして、上記のように、MY高確率モードの対象となる結果が高確率で出現し得るナビモードに設定されることを待つ遊技を、例えば、t21のタイミングから行う。
図においては、t20から開始されたMY高確率モード中に、対応するナビモード(チェリーナビモード)の設定が行われなかった場合を示しており、この場合、MYカウンタが第4特定数となる550に達するt22のタイミングで、MY高確率モードが終了する。その後、t23のタイミングでATモードの残りゲーム数が0となると、ATモードが終了し、有利区間も終了する。
この場合、上記のように、MY高確率モードにおいて対応するナビモードへの設定を待ったり、なるべく多くのゲームをMY高確率モードにて行うようにするために、持ちメダルの現状維持を図る遊技が行われるようになるため(t4〜t8,t21〜t22)、その分のメダル増加スピードが抑制されることになる。そのため、メダルの上限増加数が定められている有利区間において、より多くのゲームを楽しませることが可能となるし、例えば、有利区間のメダルの上限増加数に達するよりも前に、有利区間の上限ゲーム数に達するようになる。
より詳しくは、ATモード中においては、1ゲーム毎に約1.90枚のメダル増加が期待できるところ、各MY高確率モードの上限ゲーム数は50ゲームであり、各MY高確率モードはMYカウンタが50することで終了する構成としている。つまり、通常であれば、約25ゲームでMY高確率モードが終了するところ、MY高確率モードを押し順ベル当選時の枚数調整を行うことにより、約2倍のゲーム数をMY高確率モードとして行わせることが可能となる。この場合、当該MY高確率モードにおいては、1ゲーム毎の平均メダル増加数は、約1.0枚となり、通常時の約2分の1の増加枚数となる。つまり、MY高確率モードを用いることで、上記のように上乗せ期待度を向上させて遊技の興趣を図ることが可能となるだけでなく、メダル増加スピードを抑制することも可能となり、押し順報知が行われる有利区間中の遊技をより長く楽しませることにも成功している。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
有利区間中において、MYカウンタが第1特定数から第2特定数の範囲となると、MY高確率モードに設定され、指示機能としての上乗せ当選率が高くなる構成とした。そのため、有利区間において、多くのメダルを得て、MYカウンタを増加させるだけでなく、MYカウンタを第1特定数と第2特定数の範囲内で留める、といった遊技が実現され、有利区間中により多くのメダルを獲得するといった遊技性から脱却した、新たな遊技性を実現することができる。
特に、MY高確率モードにおいて、スイカ用MY高確率モードでは強スイカ、弱スイカ、スイカリプレイ等での上乗せ当選確率が高くなり、チェリー用MY高確率モードでは強チェリー、弱チェリー、チェリーリプレイ等での上乗せ当選確率が高くなるようにしたため、単にMY高確率モードとなればよいだけでなく、その間のゲームの結果にも関心を寄せさせることができ、MY高確率モードを利用した遊技の興趣向上が図られる。
これら、各MY高確率モードで上乗せ性能が向上する遊技結果は、MYカウンタに関係なく、各ゲームの抽選処理による抽選結果に基づいて出現する。そのため、MYカウンタを利用する遊技としながらも、従来からあるゲームの結果を利用した遊技を前提とし、当該斬新な遊技性であっても遊技者に違和感なく楽しませることができる。
また、MY高確率モードの対象となるチェリーリプレイやスイカリプレイの出現率が向上するナビモードを設け、当該ナビモードについても、MYカウンタに関係なく設定される構成としたことで、各ゲームとの関係性をうまく利用しながら、比較的簡素な構成で、且つわかり易い遊技性とすることができる。
これらのナビモードとMY高確率モードが重複することで、上乗せに対する期待度が相乗的に向上する構成とした。そのため、例えば、スイカ用MY高確率モードやチェリー用MY高確率モードに設定される前にスイカナビモードやチェリーナビモード等、対応するナビモードの移行抽選に当選し、当該対応するナビモードに設定されている状況であれば、なるべく早く対応するMY高確率モードに設定されるように、MYカウンタの増加、すなわちメダル増加に対して、単にメダルが増加すること以上の期待感を抱かせることが可能となる。
そして、各ナビモードに設定されることなくMY高確率モードに設定された場合には、なるべく早期にそのMY高確率モードに対応するナビモードとなるように、各ゲームの抽選結果に対する期待感を大いに抱かせることができる。
各MY高確率モードにおいて押し順ベル当選時の押し順報知演出が変化して、MY高確率モードを引き延ばすアシストを行う構成とすることにより、対応する結果の上乗せ当選確率が向上している状況を継続させるという遊技だけでなく、対応するナビモードへの移行待ちの状態を維持するといった遊技も行わせることができる。
MY高確率モードとして設定される第1特定数は、ATモードの初期ゲーム数だけでは到達しにくい値としたため、先ずは、ATモードにおいて通常の上乗せを目指せばよいので、より馴染み易い遊技とすることができる。
ちなみに、上記のようにスイカナビモードやチェリーナビモードへ移行することで、スイカリプレイやチェリーリプレイの出現率が高くなることを前提として説明したが、第1BB状態や第2BB状態に移行することでもMY高確率モードの対象結果の出現率が高くなる。つまり、図28に示すように、第1BB状態では強チェリーや弱チェリーに当選し易くなり、第2BB状態では強スイカや弱スイカに当選し易くなる。そのため、スイカ用MY高確率モードにおいて第2BB状態へ移行することでも、スイカ用MY高確率モードでの上乗せに期待できるようになるし、チェリー用MY高確率モードにおいて第1BB状態へ移行することでも、チェリー用MY高確率モードでの上乗せに期待できるようになる。但し、これら第1BB状態や第2BB状態では、第3RT状態でのATモード中と比較して、メダル増加スピードが高くなるため、移行することで、MY高確率モードもし易くなるといえる。その点からして、MY高確率モードにおいて対応するナビモードへの移行が生じたほうが遊技者にとって好ましい事象といえる。
その一方で、第1BBや第2BBに当選した場合、その当選フラグは当選ゲームで入賞しなくても持ち越される構成であるため、例えば、第1BBや第2BBに当選した状態で対応するMY高確率モードに到達させ、その第1BBや第2BBへ入賞させる、といった遊技も行うことが可能である。
<変形例1>
本変形例では、特定リプレイナビモードの構成が、上記第1の実施形態のものと異なっている。すなわち、上記第1の実施形態では、第3RT状態において当選する特定リプレイ1,2の押し順報知演出によって、チェリーリプレイやスイカリプレイの出現率を異ならせたが、本変形例では、チェリーリプレイやスイカリプレイの当選確率が高くなるRT状態によって実現する。
図69(a)は、ゲームの抽選結果と入賞態様との関係を示す図である。本変形例では、入賞した場合に再遊技が付与される再遊技結果として、第13再遊技と第14再遊技とが、上記のものの他に設定されている。第13再遊技入賞や第14再遊技入賞が成立すると、RT状態が第4RT状態に移行する。第4RT状態は、実行可能なゲーム数が予め定められた固定RT状態であり、当該ゲーム数を消化することで第4RT状態が終了して通常遊技状態に移行する。なお、ATモード中においては、通常遊技状態に移行した後、押し順報知によって第1RT状態及び第2RT状態を経て、第3RT状態に復帰する。
図69(b)〜図69(d)は、本変形例における抽選テーブルの一部を示しており、図69(b)は第3RT状態、図69(c)は第13再遊技入賞により移行する第4RT状態、図69(d)は第14再遊技入賞により移行する第4RT状態の抽選テーブルの一部である。なお、本変形例では、IV=13,14の特定リプレイ1,2の代わりに、IV=59,60の特定リプレイ3,4が設定されており、IV=13,14についてはいずれの抽選テーブルもポイント値PVが0に設定されている。IV=59の特定リプレイ3に当選すると、チェリーリプレイたる第11再遊技入賞が可能となり、IV=60の特定リプレイ4に当選となると、スイカリプレイたる第12再遊技入賞が可能となる。また、IV=61のチェリーRT移行リプレイに当選となると、上記の第13再遊技入賞が可能となり、IV=62のスイカRT移行リプレイに当選となると、上記の第14再遊技入賞が可能となる。
図69(b)の第3RT状態用の抽選テーブルでは、IV=59,60の特定リプレイ3,4に当選とならず、IV=61,62のチェリーRT移行リプレイとスイカRT移行リプレイには、それぞれ約200分の1の確率で当選となるように設定されている。
図69(c)の第13再遊技入賞により移行する第4RT状態用の抽選テーブルでは、IV=59の特定リプレイ3に約10分の1の確率で当選し、IV=60の特定リプレイ4には当選とならず、IV=61,62のチェリーRT移行リプレイとスイカRT移行リプレイにも当選とならないように設定されている。
図69(d)の第13再遊技入賞により移行する第4RT状態用の抽選テーブルでは、IV=59の特定リプレイ3には当選とならず、IV=60の特定リプレイ4に約10分の1の確率で当選し、IV=61,62のチェリーRT移行リプレイとスイカRT移行リプレイには当選とならないように設定されている。
本変形例のRT状態処理について、図70のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3001では、RAM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされているか否かを確認することで、遊技状態が第4RT状態か否かを判定する。第4RT状態である場合には、ステップS3002へ進み、固定RTゲーム数の減算処理を行う。上記のように、第4RT状態は、実行可能なゲーム数が予め定められているRT状態であり、ステップS3002の処理は、当該実行可能な残りのゲーム数を減算するための処理である。続くステップS3003では、ステップS3002の処理結果に基づいて、第4RT状態における実行可能な残りゲーム数が0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS3004にて第4RT設定フラグをクリアする処理を実行してから、本RT状態処理を終了する。ステップS3004の処理を行うことで、遊技状態は通常遊技状態へ移行する。ステップS3003にて否定判定した場合、そのまま本RT状態処理を終了する。この場合、第4RT状態が継続される。
ステップS3001にて否定判定した場合、ステップS3005〜ステップS3015にて、第1RT状態〜第3RT状態用の処理を行う。これらの処理は、上記のステップS501〜ステップS511と同様である。
ステップS3013にて第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS3016に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第13再遊技入賞又は第14再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第13再遊技入賞及び第14再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、そのままRT状態処理を終了する。第13再遊技入賞又は第14再遊技入賞が成立した場合には、ステップS3017にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS3018にて今回入賞した移行リプレイに対応する第4RT設定フラグをセットする。より詳しくは、第13再遊技入賞が成立した場合にはチェリー用第4RT設定フラグをセットし、第14再遊技入賞が成立した場合にはスイカ用第4RT設定フラグをセットする。そして、ステップS3019にて固定RTゲーム数設定処理を実行してから、本処理を終了する。ステップS3019は、第4RT状態において実行可能なゲーム数を設定する処理であり、本変形例では、いずれの第4RT状態であっても30ゲームを実行可能なゲームとして設定する。
図による詳細な説明は省略するが、本変形例における抽選処理(図16)では、上記のチェリー用第4RT設定フラグがセットされていれば、図68(c)の抽選テーブルを用いてゲームの抽選を行い、スイカ用第4RT設定フラグがセットされていれば、図68(d)の抽選テーブルを用いてゲームの抽選を行う。これらの抽選テーブルを用いてゲームの抽選が行われることにより、チェリー用第4RT設定フラグがセットされている状況であれば、約10分の1でチェリーリプレイたる第11再遊技入賞が成立し、スイカ用第4RT設定フラグがセットされている状況であれば、約10分の1でスイカリプレイたる第12再遊技入賞が成立する。
上記のように、本変形例では、ATモード中に第4RT状態への移行が生じることで、チェリーリプレイやスイカリプレイに高確率(約10分の1)で当選するようになり、かかるチェリーリプレイやスイカリプレイを契機とする上乗せに期待が持てるようになる。
この場合、各第4RT状態において押し順報知が行われることなくチェリーリプレイやスイカリプレイの入賞が可能となることから、チェリー用MY高確率モードやスイカ用MY高確率モードにおいて上乗せ当選率が向上する対象結果について、指示機能を変化させることなくその対象結果の出現率を向上させることが可能となる。このように、指示機能の変化をMY高確率モードに集約することで、処理構成の簡素化につながるし、例えば、指示機能を不正に変化させる等、指示機能の変化を利用した不正行為が正当な変化に紛れて見分けがつきにくくなることを抑制することが可能となる。
<変形例2>
MY高確率モードに設定されるMYカウンタの値(範囲)の変形例を示す。
図71(a)は、MY高確率モードに設定されるMYカウンタの値が、設定値によって異なる例を示している。
すなわち、スイカ用MY高確率モードに設定されるMYカウンタの値は、上記第1の実施形態と同じであり、設定値の高低に関わらず、いずれの設定値が設定されている場合であっても、MYカウンタが200〜249である場合にスイカ用MY高確率モードに設定される。これに対して、チェリー用高確率モードに設定されるMYカウンタの値は、設定値によって異なり、設定1〜設定4では、MYカウンタが500〜549である場合にチェリー用MY高確率モードとして設定される一方、設定5,6では、MYカウンタが500〜539である場合にチェリー用MY高確率モードとして設定される。そのため、MYカウンタが540に達した場合にチェリー用MY高確率モードが終了すると、設定値が5又は6であるこを遊技者は把握することが可能となる。
特に、複数あるMY高確率モードにおいて、大きい値のMYカウンタにて設定される側であるチェリー用MY高確率モードに設定差を設けたことで、MYカウンタが大きくなることで設定値の予測が可能となる構成となる。これにより、有利区間におけるメダル増加への期待感に、単にメダルが増加することだけでなく、設定値の予測が可能となることの付加価値も追加することが可能となる。
更に、チェリー用MY高確率モードにおいて、開始側ではなく終了側のMYカウンタの値を設定値により異ならせたことで、以下のような効果も期待できる。すなわち、MY高確率モードの開始ゲームと終了ゲームとを比較すると、開始ゲームについては、MY高確率モードが開始されることへの期待感やそれに対応する期待演出によって、終了ゲームよりも当該遊技機を遊技している遊技者だけでなく、例えば隣接する遊技機を遊技している遊技者等、他の遊技者の視線を集め易いといえる。その点、上記のように開始側ではなく終了側のMYカウンタの値を設定値により異ならせれば、他の遊技者に悟られにくくし、設定値の予測を、当該遊技機を遊技している遊技者に限って行わせるようにすることが可能となる。よって、当該遊技機を遊技している遊技者が、対応するMYカウンタまでメダル増加を生じさせたことへの優位性を担保することができる。
しかも、上記のように、本実施形態では終了ゲームを引き延ばす遊技性であることから、その終了ゲームが上記のように異なっていても、他の遊技者は、チェリー用MY高確率モードが、MYカウンタが550に達して終了したのか、それとも540に達して終了したのかの見分けがつきにくい。このような観点からも、当該遊技機を遊技している遊技者の優位性を担保することが可能である。
なお、MY高確率モードに設定するMYカウンタの値を設定値により異ならせる場合、MY高確率用処理(図60)において、各MY高確率モードの開始や終了を処理としてその閾値となる第1特定数〜第4特定数の判定処理(ステップS2601、ステップS2602、ステップS2610、ステップS2611)にて、設定値を参照したうえで、対応するMYカウンタの閾値にてMY高確率モードの開始や終了を設定するとよい。これは、他の変形例にも適用可能であり、MYカウンタの閾値が、モードによって異なっていたり、他の要因により異なっていたりする場合であっても、上記の閾値となる第1特定数〜第4特定数の判定処理において判定する値を、そのモードや要因によって異ならせるとよい。
図71(b)は、スイカ用MY高確率モードとチェリー用MY高確率モードとにそれぞれ設定される確率が、設定値によって異なる例を示している。
すなわち、スイカ用MY高確率モードは、MYカウンタが200に達した場合に設定される確率が設定値によって異なる。慨すると、設定1,3,5の奇数設定の方が設定2,4,6の偶数設定よりもスイカ用MY高確率モードに設定され易く、且つ高設定ほどスイカ用MY高確率モードに設定され易くなるように設定されている。
また、チェリー用MY高確率モードは、MYカウンタが500に達した場合に設定される確率が設定値によって異なる。慨すると、設定2,4,6の偶数設定の方が設定1,3,5の奇数設定よりもチェリー用MY高確率モードに設定され易く、且つ高設定ほどチェリー用MY高確率モードに設定され易くなるように設定されている。
このようにすることで、スイカ用MY高確率モードとチェリー用MY高確率モードとに設定されたりされなかったりする様を通じて、設定値の偶奇や高低を予測させることが可能となる。
ここで、スイカ用MY高確率モードに設定される確率の設定差と、チェリー用MY高確率モードに設定される確率の設定差と、を比較すると、チェリー用MY高確率モードの方がスイカ用MY高確率モードよりもその設定差が大きくなるように設定されている。つまり、MYカウンタが大きな値で設定される側のMY高確率モードの方が、より設定値の予測を行い易くなるように設定されている。このようにすることで、有利区間において、メダル増加への期待感に付加価値を追加することが可能となる。
なお、上記のように、所定のMYカウンタを超過した(所定のMYカウンタに到達した)場合のMY高確率モードに設定される確率とは、当該所定のMYカウンタを超過した際に行われる移行抽選の当選確率を示すものである。この場合、当該移行抽選が行われるゲームを所定のMYカウンタを超過したゲーム又はそれに対応するゲームに限定することで、所定のMYカウンタから開始される範囲でのMY高確率モードの設定の有無を、一の移行抽選にて決定する構成となる。これに対して、当該移行抽選を、所定のMYカウンタを超過している状況で行われるゲームにて毎ゲーム又はそれに対応するゲームにて行われる構成とすると、所定のMYカウンタから規定される範囲のMY高確率モードの開始ゲームが変動する構成となる。より詳しくは、図71において、前者であれば、MYカウンタが200〜249として設定されているチェリー用高確率モードに設定される確率が、設定値によって異なる構成となる。また、後者であれば、MYカウンタが200を超過したゲームからチェリー用高確率モードに設定される確率が設定値によって異なり、以降のゲームでのチェリー用高確率モードに設定され得るものとなる。
図72では、チェリー用MY高確率モードやスイカ用MY高確率モードに、それぞれ複数のMYカウンタの範囲で設定される構成とし、そのMYカウンタの範囲の種類によって、設定差が設けられている例を示している。
すなわち、チェリー用MY高確率モードは、MYカウンタが200〜249と、300〜349とで設定され得るものであり、200〜249については設定される確率に設定差がなく、300〜349については設定される確率に設定差があるように設定されている。また、スイカ用MY高確率モードは、MYカウンタが500〜549と、600〜649とで設定され得るものであり、500〜549については設定される確率に設定差がなく、600〜649については設定される確率に設定差があるように設定されている。
このように、MY高確率モードに設定されるMYカウンタの範囲を複数設定することで、有利区間における複数の状況でMY高確率モードへの期待感を高めることが可能となるし、複数設定することで、一の範囲でMY高確率モードに設定されなかったとしても、次の範囲で設定されることを望むように、期待感を持続させることができる。
<変形例3>
本変形例では、有利区間毎に、MY高確率モードに設定されるMYカウンタの値やその範囲が異なっている。
本変形例では、MY高確率モードへの移行を、MYカウンタの値に応じて、各ゲームで移行抽選により行い、その移行抽選に当選した場合に対応するMY高確率モードの設定が行われる構成とする。そして、図73(b)に示すように、各ゲームでのMY高確率モードへの移行抽選の当選確率がMYカウンタの値によって異なるように設定されている。
図73(a)は、有利区間開始時のモード設定処理を示すフローチャートである。当該モード設定処理は、例えば、有利区間移行抽選処理(図32)において、有利区間への移行抽選に当選した場合に、主制御装置101のCPU102にて実施される処理である。
ステップS3101ではモード抽選処理を実行する。当該モード抽選処理は、MYカウンタの値に応じて設定されているMY高確率モードへの移行抽選の当選確率を規定するモードテーブルを抽選する処理である。すなわち、本変形例では、図73(b)に示すように、MY高確率モードへの移行抽選テーブルとして、モードAテーブルとモードBテーブルとが設定されており、モードAテーブルとモードBテーブルとで、MY高確率モードに当選し易いMYカウンタの値や当選しにくいMYカウンタの値が異なっている。
より詳しくは、例えば、モードAテーブルでは、スイカ用MY高確率モードへの移行抽選に当選する確率が、MYカウンタが0〜99の範囲及び300〜349の範囲で最も高くなるように設定されており(例えば、各ゲームの移行抽選にてそれぞれ当選確率10%)、MYカウンタが100〜199、350〜399、500〜599の範囲で次いで高くなるように設定されており(例えば、各ゲームの移行抽選にてそれぞれ当選確率5%)、MYカウンタが200〜249、400〜449、600以降の範囲で次いで高くなるように設定されており(例えば、各ゲームの移行抽選にてそれぞれ当選確率1%)、MYカウンタが250〜299、450〜499の範囲では移行抽選に当選しない又は当選しにくいように設定されている(例えば、各ゲームの移行抽選にてそれぞれ当選確率0.01%)。これに対して、モードBテーブルでは、スイカ用MY高確率モードへの移行抽選に当選する確率が、MYカウンタが0〜99の範囲及び300〜349の範囲で最も高くなるように設定されている点はモードAテーブルと共通するものの、MYカウンタが100〜299、400以降の範囲での移行抽選の当選確率がモードAテーブルのものと異なるように設定されている。
なお、図において示す記号(二重丸、丸、三角、バツ)は各ゲームでのMY高確率モードへの移行抽選の当選確率を示すものであり、同じ記号は同じ当選確率を示している。但し、完全に同じ確率ではなくてもよく、一部又は全部のゲームで当選確率が異なっていてもよく、他の記号との関係で、確率差が生じるものであればよい。また、同じ記号の範囲内の各ゲームで当選確率が異なるものとなっていてもよい。
また、チェリー用MY高確率モードへの移行抽選に関しては、最も当選し易い範囲についてもモードAテーブルとモードBテーブルとで異なっており、モードAテーブルではMYカウンタが500〜599の範囲で最も当選し易く、モードBテーブルではMYカウンタが450〜499の範囲で最も当選し易くなるように設定されている。
そのため、モードAテーブルが選択された場合と、モードBテーブルが選択された場合とで、有利区間においてどのようなMYカウンタによってMY高確率モードに設定されるかが異なっており、モードテーブルによりATモードの上乗せが行われる指示機能に変化が生じることとなる。
ステップS3101では、例えば、所定の確率(40%)でモードAが選択されるように抽選を行う。そして、ステップS3102にてステップS3101の結果判定を行い、モードAであれば、ステップS3103にてMY高確率モードの移行抽選テーブルとして、モードAテーブルを設定する処理を実行してから、本モード設定用処理を終了する。また、ステップS3101の結果がモードBであれば、ステップS3104にてMY高確率モードの移行抽選テーブルとして、モードBテーブルを設定する処理を実行してから、本モード設定用処理を終了する。そして、これらの処理にて設定された移行抽選テーブルを利用して、各ゲームでのMY高確率モードへの移行抽選が行われる。
以上のようにすることで、有利区間毎にMY高確率モードとなるMYカウンタの値や範囲が異なることとなり、いずれのモードに設定されているかがわからないことを前提とすると、MYカウンタの値に関わらずMY高確率モードに設定されることへの期待感を抱かせることが可能となる。また、上記のようにモード抽選を経てモードを設定するようにすることで、MY高確率モードに設定されるMYカウンタの値にランダム性を生じさせることが可能となる。
なお、設定されたモードを示唆するモード示唆演出を、有利区間移行時やATモード開始時、その他有利区間中の各タイミングで行う構成としてもよい。特に、かかるモード示唆演出を、MYカウンタに基づくMY高確率モードに設定され得るタイミングよりも前のタイミングで行う構成とすることで、MY高確率モードへの期待感を煽ることができる。
ちなみに、上記のような変形例においては、スイカ用MY高確率モードとチェリー用MY高確率モードとが重複して設定され得るものとなる。このようにすることで、それぞれのMY高確率モードに滞在している状況と、いずれのMY高確率モードにも滞在していない状況との他、両MY高確率モードが重複している状況が生じるようになり、ATモードのゲーム数上乗せへの期待感を好適に高めることが可能となる。
<変形例4>
上記第1の実施形態では、特定リプレイナビモードへの移行抽選を、BARリプレイ1,2や特定リプレイ1,2当選を契機として行い、その当否確率や移行抽選の実行頻度にMYカウンタの値が関与しない構成としたが、MYカウンタの値に応じたものとしてもよい。本変形例では、特定リプレイ1、2当選時の特定リプレイナビ抽選(ステップS1120)の当選確率がMYカウンタの値に応じて異なる構成とする。
具体的には、図74の抽選テーブルに示すように、第11再遊技入賞を生じさせるスイカナビの当選確率と、第12再遊技入賞を生じさせるチェリーナビの当選確率とが、MYカウンタの値に応じて異なっている。例えば、スイカナビの当選確率は、MYカウンタの値が200〜249で当選し易く、300〜399,500〜599では当選しない又は当選しにくくなっている。また、チェリーナビの当選確率は、MYカウンタの値が500〜549で当選し易く、200〜299,400〜499では当選しない又は当選しにくくなっている。
このように、MY高確率モードにおいて指示機能が向上する対象となる遊技結果の出現率に関しても、MYカウンタの値によって変化する構成とすることで、より一層、有利区間中のメダル増加に対する付加価値を追加することができる。
この場合、例えば、変形例3のように、MYカウンタの値に関わらずMY高確率モードの移行抽選が行われ得るような構成として、MY高確率モードに設定されるMYカウンタの範囲が多様なものとされた構成に本変形例を適用することで、上記のナビの当選確率が高いMYカウンタにてMY高確率モードとなることを期待させる、といった遊技性が実現される。
<第2の実施形態>
本実施形態では、ゲーム終了時のMYカウンタが予め定められた特定数と一致した場合にATモードの上乗せが発生する。図75は、本実施形態における入賞結果対応処理の一部を示すフローチャートである。
本実施形態における入賞結果対応処理では、ゲーム数管理処理(ステップS3201)と後乗せ報知用処理(ステップS3203)との間に、MY高確率用第2処理(ステップS3202)が行われる点で、上記第1の実施形態のものと異なっており、他の処理については上記第1の実施形態のものと同様である。MY高確率用第2処理は、ゲームの終了に際して、MYカウンタの値に基づくATモードの上乗せを行うための処理である。
<MY高確率用第2処理>
図76のフローチャートを参照しながら、MY高確率用第2処理について説明する。
先ず、ステップS3301では、MYカウンタの値を把握し、各種カウンタエリア106eに設けられた算出用SMYカウンタに、把握したMYカウンタの値を入力する処理を行う。続くステップS3302では、今回のゲームの払出数からベット数を減算する処理を行う。そして、ステップS3303にて、ステップS3302の減算結果を、算出用SMYカウンタに加算する処理を行う。ステップS3304では、SMYコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。SMYコマンドは、今回のゲームの終了に際して更新されるMYカウンタ(SMYカウンタ)の値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかるSMYコマンドを受信した表示制御装置81では、補助表示部65での対応する表示を更新するように制御する処理を行う。なお、SMYコマンドを受信した表示制御装置81の処理は、後に詳細に説明する。
ステップS3304の処理を実行した後は、ステップS3305にて、今回のゲームの結果に基づいて、いずれかの払出結果入賞が成立したか否かを判定する。つまり、ステップS3305では、今回のゲームの結果が、いずれかの再遊技結果であったり、外れ結果であったり、他の結果であっても取りこぼしが生じていると否定判定し、メダルの払出数が1枚以上であれば肯定判定する。ステップS3305にて肯定判定した場合、ステップS3306〜ステップS3317におけるATモードのゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
ステップS3306では、SMYカウンタが第1特定数以上であるか否かを判定する。ここで、第1特定数としては、本実施形態では、50,100,150,200,250,300が設定されている。ステップS3306では、小さい値のものから順にその値以上となっているかを判定し、その値以上となった場合には、次の値以上であるかを判定する。そして次の値以上である場合は、更にその次の値以上であるかを判定し、その値未満となった場合、最後に肯定判定した値をレジスタ等に記憶する。より詳しくは、ステップS3306では、例えば、SMYカウンタが101である場合、先ず、50以上であるかを判定し、50以上であるため、100以上であるかを判定する。SMYカウンタが100以上であるため、次に、150以上であるかを判定する。SMYカウンタは150未満であるため、その前に肯定判定した100をレジスタに記憶する処理を行う。SMYカウンタが、いずれの第1特定数よりも小さい場合、すなわち、SMYカウンタが50未満である場合には、ステップS3306にて否定判定する。
ステップS3306にて肯定判定した場合、ステップS3307にて、対応する第1特定数フラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、上記複数設定されている第1特定数に対応させて、第1特定数としての50に対応する50フラグ、第1特定数としての100に対応する100フラグ、第1特定数としての150に対応する150フラグ、、、といったように、それぞれ第1特定数フラグが設けられている。そして、SMYカウンタがそれぞれの第1特定数を超過する度に、その超過した第1特定数に対応する第1特定数フラグがセットされる(ステップS3308)。そのため、ステップS3307は、対応する第1特定フラグがセットされているか否かを判定し、これまで超過していない第1特定数に到達(超過)したか否かを判定する処理である。
ステップS3307にて否定判定した場合、ステップS3308にて対応する第1特定数フラグをセットする。すなわち、SMYカウンタが101である場合、50フラグはセットされているものの、100フラグがセットされていなければ(ステップS3307:YES)、100フラグをセットする処理を行う(ステップS3308)。
その後、ステップS3309にて、SMYカウンタが今回の処理にてステップS3306にて肯定判定(ステップS3307にて否定判定)する契機となった特定数(上記例では100)と等しいか否かを判定する。等しい場合、ステップS3310にて、特定数用上乗せ抽選処理を実行する。特定数用上乗せ抽選処理は、ゲームの終了に際して、MYカウンタ(SMYカウンタ)が特定数ピッタリとなった場合に行われる上乗せ抽選処理であり、MYカウンタの値に基づき指示機能を変化させるための処理に相当する。特定数上乗せ抽選処理では、図77に示す特定数用の上乗せ抽選テーブルと抽選用のカウンタとを用いて、上乗せを発生させるか否かの抽選を行う。本実施形態では、MYカウンタの値が第1特定数ピッタリとなった場合の上乗せ当選率は、一律で50%となっており、その当選時の上乗せゲーム数が、ピッタリとなった第1特定数の種類に応じて異なっている。より詳しくは、図77に示すように、大きい値の第1特定数ピッタリとなるほど、多くのゲーム数の上乗せが発生し得るように設定されている。
ステップS3311では、上記ステップS3310の特定数上乗せ抽選処理の結果が、当選結果であるか否かを判定し、当選している場合には、ステップS3312にてATモードの上乗せ用処理を実行する。ステップS3312の処理は、ステップS1006〜ステップS1014の処理と同様であり、上乗せゲーム数を図77のテーブルにより把握し、ATモード継続カウンタに加算するとともに、後乗せとするか即乗せとするかによりそれぞれ表示用の処理を行う。
ステップS3306、ステップS3309及びステップS3311のいずれかの処理で否定判定した場合、ステップS3307にて肯定判定した場合、又はステップS3312の処理を実行した場合、ステップS3313に進む。ステップS3313では、SMYカウンタが第2特定数以上であるか否かを判定する。ここで、第2特定数としては、本実施形態では、77,111,222,333が設定されている。ステップS3313では、ステップS3316と同様に、小さい値のものから順にその値以上となっているかを判定し、その値以上となった場合には、次の値以上であるかを判定する。そして次の値以上である場合は、更にその次の値以上であるかを判定し、その値未満となった場合、最後に肯定判定した値をレジスタ等に記憶する。より詳しくは、ステップS3313では、例えば、SMYカウンタが113である場合、先ず、50以上であるかを判定し、77以上であるため、111以上であるかを判定する。SMYカウンタが111以上であるため、次に、222以上であるかを判定する。SMYカウンタは222未満であるため、その前に肯定判定した111をレジスタに記憶する処理を行う。SMYカウンタが、いずれの第2特定数よりも小さい場合、すなわち、SMYカウンタが77未満である場合には、ステップS3313にて否定判定する。
ステップS3313にて肯定判定した場合、ステップS3314にて、対応する第2特定数フラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、上記複数設定されている第2特定数に対応させて、第2特定数としての77に対応する77フラグ、第2特定数としての111に対応する111フラグ、第2特定数としての333に対応する333フラグ、といったように、それぞれ第2特定数フラグが設けられている。そして、SMYカウンタがそれぞれの第2特定数を超過する度に、その超過した第2特定数に対応する第2特定数フラグがセットされる(ステップS3315)。そのため、ステップS3314は、対応する第2超過フラグがセットされているか否かを判定し、これまで超過していない第2特定数に到達(超過)したか否かを判定する処理である。
ステップS3314にて否定判定した場合、ステップS3315にて対応する第2特定数フラグをセットする。すなわち、SMYカウンタが113である場合、77フラグはセットされているものの、111フラグがセットされていなければ(ステップS3314:YES)、111フラグをセットする処理を行う(ステップS3315)。
その後、ステップS3316にて、SMYカウンタが今回の処理にてステップS3313にて肯定判定(ステップS3314にて否定判定)する契機となった特定数(上記例では111)と等しいか否かを判定する。等しい場合、ステップS3317にて、ATモードの上乗せ用処理を実行する。ステップS3317の処理も、ステップS1006〜ステップS1014の処理と同様であり、上乗せゲーム数を図77のテーブルから把握したうえで、ATモード継続カウンタに加算するとともに、後乗せとするか即乗せとするかによりそれぞれ表示用の処理を行う。
ステップS3305、ステップS3313及びステップS3316のいずれかにて否定判定した場合、ステップS3314にて肯定判定した場合、又はステップS3317の処理を実行した後は、ステップS3318に進み、SMYカウンタを0にクリアしてから、本MY高確率用第2処理を終了する。
すなわち、MY高確率用第2処理では、MYカウンタ(SMYカウンタ)が第1特定数や第2特定数ピッタリとなることで、ATモードの上乗せ用の処理を行う。そして、ピッタリとなることなくこれら第1特定数や第2特定数を超過した場合には、仮に、そこからMYカウンタが減少して、超過した第1特定数や第2特定数を下回ったとしても、当該第1特定数や第2特定数については、MYカウンタがピッタリとなっても上乗せ用の処理は行われない。つまり、第1特定数や第2特定数に関し、同じ数についてはMYカウンタをピッタリとさせるチャンスは1回限りとしており、より入念な枚数調整が求められることになる。
ちなみに、上記MY高確率用第2処理を、区間表示第2処理において行うのではなく、入賞結果対応処理において行う理由は、仮にATモード終了ゲームにてMYカウンタが特定数ちょうどとなって上乗せが発生した場合、区間表示第2処理では、既にATモードの終了処理が行われているため演出用の矛盾が生じ得るためである。
<SMYコマンド対応処理>
次に、本実施形態において表示制御装置81のCPU181にて実行されるSMYコマンド対応処理について、図78のフローチャートを参照しながら説明する。SMYコマンド対応処理は、例えば、全停止時演出設定処理(図52)におけるその他の処理(ステップS2206)にて実施される処理である。
ステップS3401では、受信しているSMYコマンドに基づいて、今回のゲームの終了に際してのSMYカウンタ(MYカウンタ)の値を把握する。そして、ステップS3402では、補助表示部65にて表示される表示用MYカウンタ画像MYPの更新処理を行う。表示用MYカウンタ画像MYPは、例えば、図79(a)に示すように、補助表示部65における所定の領域(例えば、画面右上)に、現状のMYカウンタの値、すなわち、有利区間におけるメダル増加数に対応する値を数字等により示すものである。
続くステップS3403では、ステップS3401にて把握したSMYカウンタよりも大きく且つ最も近い(小さい)特定数を把握する処理を実行する。例えば、現状のSMYカウンタが42であれば、当該SMYカウンタよりも大きく且つ最も近い特定数とは、第1特定数としての50である。また、例えば、現状のSMYカウンタが202であれば、当該SMYカウンタよりも大きく且つ最も近い特定数とは、第2特定数としての222である。
ステップS3404では、上記ステップS3403にて把握した特定数と、現状のSMYカウンタとの差を把握する処理を行う。例えば、SMYカウンタが42であれば、第1特定数としての50との差は8であり、SMYカウンタが202であれば、第2特定数としての222との差は20である。
ステップS3405では、上記ステップS3404にて把握した特定数との差が、3ベットゲームにおいて最大払出数となる小役2回分の増加数以上であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、3ベットゲームにおいて最大払出数となる小役は、9枚払出となる第1小役であり、この第1小役入賞2回分の増加数とは、12枚((9枚−3枚)×2回=12枚)である。すなわち、上記ステップS3405では、上記の特定数との差が12枚以上であるかを判定する。12枚以上である場合、そのままSMYコマンド対応処理を終了する。
12枚未満である場合、ステップS3406にて、調整用報知を実行してから、SMYコマンド対応処理を終了する。調整用報知では、例えば、図79(b)に示すように、対象となる最も近い特定数を表示するとともに、MYカウンタ(表示用MYカウンタ画像MYP)が当該特定数ピッタリとなれば遊技者にとって有利となることを示唆する表示(例えば、(表示用MYカウンタ画像MYPを指し示す吹き出し表示として、「(特定数)ピッタリでチャンスだ!!」という表示)を行う。)例えば、上記のようにSMYカウンタが42であれば、第1特定数としての50に対応する調整用報知が行われる(図79(b))。
この場合、現状のMYカウンタの値と、ピッタリとすべき特定数の値とを把握可能となることから、あと何枚でピッタリとなるかも明確に把握することができる。そうすると、上記例では、残り8枚の増加が生じるようにその後のゲームを行うようになる。例えば、2ゲーム連続で押し順ベル当選して、そのいずれもで第1小役入賞が成立すると、6枚+6枚で12枚の増加が生ることとなり、MYカウンタは50ピッタリとはならない。この場合、例えば、1回目の押し順ベル当選時において第1小役入賞を成立させ、残り8枚の状況から残り2枚の状況とした後、次のように枚数の調整を行うことが可能である。すなわち、2回目の押し順ベル当選時において、第1小役入賞ではなく第2小役入賞〜第26小役入賞を成立させることで、メダルの増加を抑え(上記残り8枚の状況から残り2枚の状況に留める)、2枚増加が生じる小役入賞(例えば第29小役入賞、図10参照)が成立するまで、その特定数間近の状態を維持する。
以上のように、本実施形態では、MYカウンタが予め定められた特定数ピッタリとなると、ATモードの上乗せが行われ、指示機能(ATモード継続数)に変化が生じる。このようにすることで、単にMYカウンタを増加させて、多くのメダル獲得を目指すといった遊技だけでなく、メダルの増加数(MYカウンタ)を特定数ピッタリの払出数の抽選結果となるように行う遊技が追加され、遊技の興趣向上が図られる。
3ベットゲームにおけるATモードにおけるメダル増加が期待できる押し順ベル当選時に入賞し得る遊技結果としては、9枚払出となる第1小役と、3枚払出となる第2小役〜第26小役とがあり、第1小役入賞を成立させなければメダル増加は生じない。また、例えば、強スイカ当選時において、第30小役又は第41小役入賞を成立させれば5枚払出となり2枚のメダル増加が生じるものの、当該第30小役及び第41小役の取りこぼしとなれば、メダル増加は生じない(3枚のメダル減少が生じる)。そして、例えば、強チェリー当選時においては、第28小役入賞を成立させれば2枚のメダル払出が行われ、1枚のメダル減少が生じる。つまり、上記のように、調整用報知が行われた場合、これらの結果の組合せにより、多くの場合が特定数ピッタリとなるように、MYカウンタを調節することが可能である。
これに対して、例えば、図79(b)において、次ゲームで第1小役入賞を成立させた場合、MYカウンタを50ピッタリとするには残り2枚のメダル増加が求められるところ、その次ゲームで2枚のメダル増加が生じる場合とは、強スイカ、弱スイカ等に当選したうえで(約160分の1で当選)、対応する小役入賞が成立する場合であり、仮に強スイカ等に当選せず、押し順ベルに当選した場合には、残り2枚の状態で維持したり、取りこぼしが生じると、残り5枚の状態になる。残り5枚の状態になると、MYカウンタを特定数ピッタリとするには、一旦、外れ等によって持ちメダルを3枚減少させて、残り8枚の状態に戻してから、上記の手順(6枚増加→2枚増加)を経るパターンが主なパターンである。
そして、50ピッタリとなった場合の上乗せ当選確率は50%であり、その平均上乗せゲーム数は50ゲーム(図77)であることから、100ゲーム未満でMYカウンタが50ピッタリとすることができれば、遊技者にとっては好ましく、100ゲームよりも多いゲーム数を要するのであれば、50ピッタリを目指すことなくMYカウンタを超過させた方が好ましくなる。このように、特定数ピッタリとすることの難易度と、特定数ピッタリとなった場合の利益(上乗せゲーム数)との関係により、当該特定数ピッタリとする遊技を行うかを、遊技者が選択可能となり、これまでにない面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
しかも、例えば、MYカウンタを特定数ピッタリとするために平均100ゲーム要するにしても、ATモードの残りゲーム数が100ゲームに満たなければ、MYカウンタを特定数ピッタリとさせることができないままATモードが終了する。そのため、上記のように特定数とすることの難易度と利益だけでなく、残りゲーム数も加味してその遊技にチャレンジさせることができ、より遊技の面白みを増加させることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、第1特定数や第2特定数が有利区間の開始時に設定されるモードによって異なる。すなわち、本変形例は、第1の実施形態における変形例3に相当するものである。図80は、本変形例における有利区間開始時のモード設定用処理を示すフローチャートである。
ステップS3501では、モード抽選処理を行う。本変形例では、図81(a)に示すモードAテーブルが参照されて各特定数での上乗せ用の処理が行われるモードAと、図81(b)に示すモードBテーブルが参照されて各特定数での上乗せ用の処理が行われるモードBと、が設定されている。モードAテーブルとモードBテーブルとは、設定されている第1特定数と第2特定数とが異なるように設定されている。そして、モード抽選処理では、図82に示すモード抽選用テーブルに基づいて、いずれのモードに設定するかを抽選により決定する。モード抽選用テーブルは、設定値によって選択されるモードが異なり、設定1,3,5の奇数設定ではモードAが選択され易く、設定2,4,6の偶数設定ではモードBが選択され易くなっている。
ステップS3501では、上記のモード抽選用テーブルを各種テーブル記憶エリア105aから取得し、現状の設定値と、抽選用のカウンタとから、いずれのモードに設定するかを抽選により決定する。続くステップS3502では、ステップS3501の結果がモードAであるか否かを判定し、モードAであれば、ステップS3503にて今回の有利区間においてMY高確率用第2処理にて参照する各特定数を、モードAテーブルに基づくものとして設定する。その後、ステップS3504にてモードAに設定されたことを示すモードAコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本モード設定用処理を終了する。これに対して、ステップS3502にてモードBであると判定した場合、ステップS3505にて今回の有利区間においてMY高確率用第2処理にて参照する各特定数を、モードBテーブルに基づくものとして設定する。その後、ステップS3506にてモードBに設定されたことを示すモードBコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本モード設定用処理を終了する。
上記のように、モードAやモードBに設定されたことの情報が各コマンドによって表示制御装置81にて把握可能となるため、SMYコマンド対応処理において、特定数との関係で調整用報知を行うことが可能となる。
この場合、例えば、図83に示すように、演出スイッチ66等の操作に基づき、いずれのモードであるかを表示可能とする構成としてもよい。すなわち、図83(a)はモードAであることを示し、図83(b)はモードBであることを示すものであり、演出スイッチ66の操作に基づき、対応する特定数が補助表示部65に表示される例を示している。なお、何らかの条件が成立することで、図83(a)や図83(b)の表示が行われるようにしてもよく、この場合、MYカウンタの値が最小の特定数を超過するよりも前に成立し易い条件を、上記の表示が可能となる条件として設定することで、調整用報知とのバランスが担保される。
このように、有利区間毎に、特定数の種類が異なるようになるため、MYカウンタを特定数とする遊技の多様化が図られるし、いずれのモードに設定されるかによって設定値を予測する遊技が追加されるため、MYカウンタと特定数とを用いた遊技に新たな付加価値を追加することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、MYカウンタを特定数とする遊技において、MYカウンタと特定数との差分に相当する結果の表示を行う。図84は、本変形例におけるSMYコマンド対応処理を示すフローチャートである。
ステップS3601〜ステップS3605の処理は、上記ステップS3401〜ステップS3405の処理と同様であり、表示用MYカウンタ画像MYPの更新や、SMYカウンタと特定数との差を把握する処理が行われ、ステップS3605にてその差が12枚以上であるか否かの判定を行う。
ステップS3605にてSMYカウンタと特定数との差が12枚未満である場合、ステップS3606に進み、抽選結果のうち、その差に対応するメダル増加数となる結果が存在するか否かを判定する。より詳しくは、本実施形態では、3ベットゲームにおいて、メダルが増加する遊技結果として、6枚増加(9枚払出)となる結果と、2枚増加(5枚払出)とがあり、ステップS3606では、SMYカウンタと特定数との差が6枚又は2枚である場合に肯定判定する。6枚又は2枚ではない場合には、ステップS3607にて調整用報知が行われるように補助表示部65等を制御してから、SMYコマンド対応処理を終了する。6枚又は2枚である場合、ステップS3608にて小役対応調整用報知が行われるように補助表示部65を制御してから、SMYコマンド対応処理を終了する。
小役対応調整用報知では、例えば、図85(a)に示すように、調整用報知が行われている状況において、SMYカウンタとその調整用報知の対象となっている特定数との差が6枚又は2枚となった場合、図85(b)に示すように、その差に対応する結果入賞が成立することで特定数ピッタリとなることの報知を行う。図においては、MYカウンタが44枚であり、50の特定数との差が6枚である状況において、6枚のメダル増加が生じる押し順ベル入賞(第1小役入賞)が成立することで50となることが示されている。
このように小役対応調整用報知を行うことで、いずれの結果となることで、MYカウンタを特定数とすることが可能となるかを、遊技者は直感的に把握可能となり、当該MYカウンタを特定数とする遊技を行い易くすることができる。
<変形例3>
本変形例では、MYカウンタと特定数との差を、複数の遊技結果の組合せとして報知する。図86は、本変形例におけるSMYコマンド対応処理を示すフローチャートである。
ステップS3701〜ステップS3705の処理は、上記ステップS3401〜ステップS3405等の処理と同様であり、表示用MYカウンタ画像MYPの更新や、SMYカウンタと特定数との差を把握する処理が行われ、ステップS3705にてその差が12枚以上であるか否かの判定を行う。
ステップS3705にてSMYカウンタと特定数との差が12枚未満である場合、ステップS3706に進み、SMYカウンタと特定数との差に対応する結果組合せを把握する処理を行う。ここで、本変形例における各種テーブル記憶エリア182aには、図87に示すように、SMYカウンタと特定数との差と、ゲームの結果の組合せの対応関係を記憶した、結果組合せテーブルが記憶されている。結果組合せテーブルでは、例えば、SMYカウンタと特定数との差が1であれば、MYカウンタを1増加させるために必要な結果組合せとして、1ゲーム目に強チェリーや弱チェリーに対応する小役(第29小役や第30小役等)の入賞を成立させ(1枚減少させ)、2ゲーム目に強スイカや弱スイカに対応する小役(第27小役や第28小役等)の入賞を成立させる(2枚増加させる)ことで、特定数ピッタリとなることが記憶されている。また、SMYカウンタと特定数との差が9であれば、1ゲーム目に外れ結果や取りこぼしとしてメダルをベット数の分だけ減少させ(3枚減少させ)、2ゲーム目と3ゲーム目に押し順ベルに対応する小役(第1小役)の入賞を成立させる(12枚増加させる)ことで、特定数ピッタリとなることが記憶されている。
なお、結果組合せテーブルにおいて、これらSMYカウンタと特定数との差に対応する結果組合せは、1の値に対して複数の組合せパターンが記憶されており、図ではその一例を示している。
ステップS3706では、上記の結果組合せテーブルを取得したうえで、SMYカウンタと特定数との差に対応する結果組合せを把握し、複数ある結果組合せから1の結果組合せを抽選等によりランダムに選択する。なお、結果組合せとして、成立し易い組合せを選択し易い構成としてもよい。その後、ステップS3707にて、結果対応調整用報知が行われるように補助表示部65を制御してから、SMYコマンド対応処理を終了する。
結果対応調整用報知では、例えば、図88(a)に示すように、特定数との差が11である場合、押し順ベル入賞(第1小役入賞)が2回、チェリー入賞(第29小役や第30小役入賞)が1回発生すると、MYカウンタが特定数(第2特定数)として77ちょうどとなることが示されている。このようにすることで、どのような結果となれば特定数となるかを、複数のゲームに亘る結果として直感的に理解させることが可能となるため、MYカウンタを特定数とする遊技を、複雑な計算を強要することなく、容易に楽しませることが可能となる。
この場合、結果組合せテーブルとして、表示制御装置81にその差と結果組合せの関係性を予め記憶しておくようにしたため、差を算出してから、その差に相当する結果の組合せをその場で演算する必要が生じず、処理負荷の増大化を回避しながら上記の遊技を楽しませることが可能となる。
なお、結果組合せテーブルでは、1ゲーム目〜3ゲーム目までの各ゲームの結果を記憶しているため、結果対応調整用報知において、その順序についても報知するようにしてもよい。この場合、同じ結果の組合せであっても、順序によって特定数となった場合の上乗せ用の処理の有無が異なることも報知可能である。すなわち、図88(b1)及び図88(b2)に示すように、例えば、MYカウンタと特定数との差が9である場合、押し順ベル入賞(第1小役入賞)2回と、外れ1回と、で特定数ちょうどとなる。この場合、外れ1回が押し順ベル2回よりも先に生じた場合(図88(b1))、MYカウンタが特定数ピッタリとなり上乗せ用の処理が行われるものの、外れ1回が押し順ベル入賞2回よりも後に生じた場合(図88(b2))、一旦、MYカウンタが特定数を超過した後、MYカウンタが減少することで特定数ちょうどとなり、この場合は、上乗せ用の処理が行われない。よって、結果の順序まで報知することで、その報知の内容と上乗せ用の処理の有無とに矛盾が生じないようにすることが可能となる。
ここで、各ゲームの結果として、入賞時のメダル増減数が奇数となる結果(外れ、強チェリー等)が設けられていることから、上記特定数ちょうどとする遊技において、その差が奇数であても特定数ちょうどとすることができる余地が生じる。よって、当該MYカウンタを特定数ちょうどとする遊技を好適に行わせることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、現状のMYカウンタに近い特定数が複数存在する場合には、それぞれの特定数に対応する調整用報知を行う。図89は、本変形例におけるSMYコマンド対応処理を示すフローチャートである。
ステップS3801〜ステップS3805の処理は、上記ステップS3401〜ステップS3405等の処理と同様であり、表示用MYカウンタ画像MYPの更新や、SMYカウンタと特定数との差を把握する処理が行われ、ステップS3805にてその差が12枚以上であるか否かの判定を行う。
ステップS3805にてSMYカウンタと特定数との差が12枚未満である場合、ステップS3806に進み、ステップS3803にて把握した特定数の次に近い特定数を把握する処理を行う。すなわち、例えば、現状のSMYカウンタが121であり、図81のモードBテーブルにおいて、ステップS3803にて把握した特定数が123(第2特定数)である場合、ステップS3806では、その次に近い特定数として130(第1特定数)を把握する。そして、ステップS3807にて、当該ステップS3806にて把握した特定数とSMYカウンタとの差を把握する処理を行う。続くステップS3808では、ステップS3806の処理結果が12枚以上であるか否か(最大増加数となる小役2回分の増加数以上であるか否か)を判定する。12枚以上である場合、すなわち、現状のMYカウンタとの差が12枚未満となる特定数が1つである場合、ステップS3809にて調整用報知を実行してから、本SMYコマンド対応処理を終了する。
ステップS3808にて、12枚未満である場合、すなわち、現状のMYカウンタとの差が12枚未満となる特定数が2つである場合、ステップS3810にてそれぞれの特定数との差に対応する調整用報知を実行してから、本SMYコマンド対応処理を終了する。
具体的には、図90(a)に示すように、現状のMYカウンタが121であり、第2特定数として123となることで上乗せ用の処理が行われ、更に第1特定数として130となることで上乗せ用の処理が行われることが、押し順ベル2回分の増加範囲内に控えている場合、これらMYカウンタが123となることで有利となることの調整用報知と、MYカウンタが130となることで有利となることの調整用報知とが、それぞれ補助表示部65にて行われる。このようにすることで、MYカウンタを特定数とする遊技において、いずれの特定数とするかを、遊技結果を見ながら調節することが可能となり、当該遊技の興趣を向上させることができる。
しかも、第1特定数と第2特定数とのそれぞれの調整用報知が行われることにより、MYカウンタを第1特定数ピッタリとした場合と第2特定数ピッタリとした場合との有利度の差を踏まえたうえで、いずれの特定数とするかを選択させることも可能となり、遊技の面白みが劇的に向上する。
この場合、上記の変形例2や変形例3のように、小役対応調整用報知や結果対応調整用報知を、それぞれの調整用報知として行う構成としてもよい(図90(b))。このようにすれば、どのような結果となれば特定数ピッタリとなるかを、それぞれの特定数毎に直感的に理解させることが可能となり、これらの遊技をより容易に楽しませることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、MYカウンタが特定数を超過した場合のゲームの結果に応じて上乗せ用の処理が行われる。図91は、本実施形態におけるMY高確率用第2処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、MY高確率用第2処理は、入賞結果対応処理のうちの一処理として行われるものであり、ゲームの終了に際して実施される一処理である。
ステップS3901〜ステップS3905の処理は、上記ステップS3301〜ステップS3305の処理と同様であり、前ゲームのMYカウンタの値をSMYカウンタに入力したうえで、今回のゲームの増減枚数をSMYカウンタに反映させる処理等を行う。
ステップS3906では、SMYカウンタが第1特定数の各数以上であるか否かの判定を行い、ステップS3907では、対応する第1特定数フラグが既にセットされているか否かの判定を行う。ステップS3906及びステップS3907の処理は、上記ステップS3306及びステップS3307の処理と同様である。ステップS3908では、ステップS3308と同様に、対応する第1特定数フラグをセットする。
続くステップS3909では、今回のゲームの遊技結果を把握する処理を行う。ここでいう遊技結果とは、ゲームの抽選処理における抽選結果と、その抽選結果に対する入賞の有無とを含むものである。例えば、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選である場合、ステップS3909では、その押し順ベル当選であることの情報の他、第1小役入賞〜第26小役入賞のいずれが成立したことの情報や、取りこぼしが生じたことの情報を把握する。
そして、ステップS3910にて、第1特定数用上乗せ抽選処理を行う。第1特定数用上乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている特定数用の上乗せ抽選テーブルを取得したうえで、ATモードの上乗せを行うか否かの抽選を実行する。本実施形態における特定数用の上乗せ抽選テーブルは、図92に示すように、今回のゲームの抽選結果と、入賞の有無と、超過した特定数の種類(第1特定数/第2特定数)と、により上乗せ当選率が異なるように設定されている。例えば、第1特定数超過時において、強スイカについては対応する小役入賞時の上乗せ当選確率が80%であるのに対して、弱スイカについては対応する小役入賞時の上乗せ当選確率が60%とされ、同じ第1特定数を超過してもその超過時の遊技結果によって上乗せ当選率が異なる。そして、特定数用の上乗せ抽選テーブルにおいて、入賞が発生した場合でも増減数が0又はマイナスである遊技結果(例えば、強チェリーや弱チェリーに対応する小役入賞)については、上乗せ当選率が設定されていない。これは、増減数が0やマイナスの場合に特定数を超過する事象は発生し得ないことに対応するものであり、このようにすることで、記憶しておくテーブルの情報量を抑え、限られた記憶領域を圧迫しないようにすることができる。
ステップS3910にて第1特定数用上乗せ抽選処理を行った後は、ステップS3911にて上乗せ当選であったか否かの判定を行い、上乗せ当選であれば、ステップS3912にて上乗せ用の処理を行う。ステップS3912の処理は、上記ステップS3312の処理と同様である。但し、本実施形態では、同じ特定数を超過した場合であっても、超過した場合の遊技結果によって上乗せ当選時の上乗せゲーム数が異なり得るように上乗せゲーム数のテーブルが設定されており(図92)、ステップS3912では、遊技結果に対応した上乗せゲーム数を把握したうえで、上乗せ用の処理を行う。図92に示すように、例えば、第1特定数超過時の遊技結果が強スイカでは平均上乗せゲーム数が70ゲームであるのに対して、同じ第1特定数を超過した場合であってもその超過時の遊技結果が押し順ベルでは平均上乗せゲーム数が15ゲームであり、強スイカの場合よりも少ない。
ステップS3906若しくはステップS3911にて否定判定した場合、ステップS3907にて肯定判定した場合、又はステップS3912の処理を実行した後は、ステップS3913に進む。ステップS3913では、SMYカウンタが第2特定数の各数以上であるか否かの判定を行い、ステップS3914では、対応する第2特定数フラグが既にセットされているか否かの判定を行う。ステップS3913及びステップS3914の処理は、上記ステップS3313及びステップS3314の処理と同様である。ステップS3915では、ステップS3315と同様に、対応する第2特定数フラグをセットする。
続くステップS3916では、今回のゲームの遊技結果を把握する処理を行う。かかる処理は、上記ステップS3909の処理に対応するものである。そして、ステップS3917にて、第2特定数用上乗せ抽選処理を行う。第2特定数用上乗せ抽選処理でも、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている特定数用の上乗せ抽選テーブルを取得したうえで、ATモードの上乗せを行うか否かの抽選を実行する。本実施形態では、第1特定数を超過した場合と第2特定数を超過した場合とで、同じ遊技結果であっても上乗せ当選率や上乗せゲーム数が異なるように設定されており、第1特定数よりも第2特定数の方が上乗せ当選率が高くなるように、また、上乗せゲーム数も多くなるように設定されている(図92)。そして、ステップS3918にて上乗せ当選であるか否かの判定を行ったうえで、上乗せ当選である場合には、ステップS3919にて上乗せ用の処理を行う。ステップS3919の処理は上記ステップS3917と同様であり、遊技結果に応じて上乗せゲーム数が異なることについては上述の通りである。
ステップS3905、ステップS3913若しくはステップS3918にて否定判定した場合、ステップS3914にて肯定判定した場合、又はステップS3919の処理を実行した後は、ステップS3920にてSMYカウンタを0にクリアしてから、MY高確率用第2処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、MYカウンタが超過した場合にATモードの上乗せを行うといった指示機能(ATモード継続数)に変化を生じさせるうえで、その超過時の遊技結果によってその指示機能の変化の態様(上乗せ当選率や上乗せゲーム数)が異なるようにしたため、MYカウンタと特定数とを利用した遊技において、いずれの遊技結果にて特定数を超過させるか、といった選択肢が生じ、遊技性が大幅に向上する。
例えば、MYカウンタが特定数を超過する場合の遊技結果が、強スイカに対応する小役入賞である場合の方が、押し順ベルに対応する小役入賞である場合よりも上乗せ当選確率が高く、更に当選時の上乗せゲーム数も多くなり易いことから(図92)、MYカウンタが特定数間近の状況において、押し順ベルに対応する小役入賞を回避して、強スイカ等の超過時の利益が大きい遊技結果とすることが可能なゲームを待つ遊技が実現される。
但し、超過待ちに要するゲーム数と、超過時の上乗せゲーム数との関係から、例えば、強スイカを待つのであれば、70ゲーム未満で強スイカに対応する遊技結果にて超過すれば遊技者にとって利益があり(上乗せゲーム数の方が超過に要するゲーム数よりも多くなり)、70ゲーム以上であれば遊技者にとって不利益となり(上乗せゲーム数よりも超過に要するゲーム数の方が多くなり)、それらを考慮したうえで超過時の結果が所望の結果となることを待つ遊技を行う、といったように、これまでにない斬新な遊技性が実現される。
また、超過待ちに際して、ATモードの残りゲーム数も加味する必要があり、残りゲーム数が少ないのであれば、超過時の利益(上乗せ当選率や上乗せゲーム数)が低くても、発生し易い押し順ベルでの小役入賞で特定数を超過させたり、どうせ間もなく終了するのであれば、超過時の利益が大きくなる遊技結果となることを待つ、といった両極端の選択も可能であり、遊技者がいずれを選択しても遊技の面白みを満喫することが可能な遊技性とすることができる。
ちなみに、本実施形態のように、特定数を超過する場合には、MYカウンタの値が特定数を超過すればよく、MYカウンタが特定数ちょうどとなる場合も含むものである。つまり、上記第2の実施形態のように、MYカウンタを特定数ちょうどとする遊技において、当該特定数ちょうどとなる場合の遊技結果に応じて上乗せを行う構成も、本実施形態の技術範囲に含まれる。なお、この場合、MYカウンタが特定数を超過した場合に、特定数ちょうどとなる場合と、特定数よりも多くなる場合とで、特定数ちょうどとなった場合の方が有利な扱いを受ける(上乗せ当選確率が高くなる、上乗せゲーム数が多くなる)構成とすると、その特定数ちょうどとすることの難易度と付与される利益とのバランスを保つことができる。
更に、MYカウンタが特定数を超過した場合の特定数とMYカウンタとの差によって、付与する利益を異ならせる構成としてもよい。例えば、MYカウンタが特定数を超過した場合にMYカウンタと特定数との差が第1数(3)である場合には、上乗せ当選確率を第1確率とし、MYカウンタが特定数を超過した場合にMYカウンタと特定数との差が第1数よりも少ない第2数(1)である場合には、上乗せ当選確率を第1確率よりも高い第2確率とする等といった構成としてもよい。このようにすることで、少ない払出数となる小役入賞で特定数を超過した場合や、特定数とMYカウンタとの差が大きい状況で一気に特定数を超過した場合の優位性を担保することができるし、それを見越した遊技性を創出することも可能である。
<変形例>
上記第3の実施形態では、特定数を超過したゲームの遊技結果に基づいて上乗せを行う構成としたが、本変形例では、特定数を超過したゲームの次のゲームの抽選結果に基づいて上乗せを行う。図93は、本変形例におけるMY高確率用第2処理を示すフローチャートである。
ステップS4001〜ステップS4005の処理は、上記ステップS3901〜ステップS3905の処理と同様である。また、ステップS4006の処理は、ステップS3906の処理と同様であり、SMYカウンタが第1特定数の各数以上であるか否かの判定を行う。
ステップS4007では、ステップS4006の判定対象となった第1特定数に対応する第1特定数済フラグが、各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かの判定を行う。第1特定数済フラグは、第1特定数の種類に応じて設けられており、例えば、第1特定数が50,100,150,200,250,300である構成においては、50済フラグ、100済フラグ、150済フラグ、200済フラグ、250済フラグ、300済フラグが設けられている。ステップS4007では、ステップS4006の判定対象となった第1特定数に対応する第1特定数済フラグとして、例えば、ステップS4006にてSMYカウンタが100を超過したと判定した場合には、100済フラグがセットされているか否かの判定を行う。セットされていなければ、ステップS4008にて、対応する第1特定数フラグ(上記例では100フラグ)をセットする処理を実行する。
ステップS4006にて否定判定した場合、ステップS4007にて肯定判定した場合、又はステップS4008の処理を実行した後は、ステップS4009に進む。ステップS4009の処理は、ステップS3913の処理と同様であり、SMYカウンタが第2特定数の各数以上であるか否かの判定を行う。
ステップS4010では、ステップS4009の判定対象となった第2特定数に対応する第2特定数済フラグが、各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かの判定を行う。第2特定数済フラグは、第2特定数の種類に応じて設けられており、例えば、第2特定数が77,111,222,333である構成においては、77済フラグ、111済フラグ、222済フラグ、333済フラグが設けられている。ステップS4010では、ステップS4009の判定対象となった第2特定数に対応する第2特定数済フラグとして、例えば、ステップS4009にてSMYカウンタが111を超過したと判定した場合には、111済フラグがセットされているか否かの判定を行う。セットされていなければ、ステップS4011にて、対応する第2特定数フラグ(上記例では111フラグ)をセットする処理を実行する。
ステップS4005若しくはステップS4009にて否定判定した場合、ステップS4010にて肯定判定した場合、又はステップS4011の処理を実行した後は、ステップS4012に進み、SMYカウンタを0にクリアしてから、本MY高確率用第2処理を終了する。
本変形例における抽選結果対応処理では、図94のフローチャートに示すように、AT上乗せ用処理の後に、特定MY上乗せ用処理(ステップS4109)を行う。なお、他の処理(ステップS4101〜ステップS4108)の処理は、上記ステップS701〜ステップS708と同様である。
特定MY上乗せ用処理では、図95のフローチャートに示すように、先ずステップS4201にて、各種第1特定数フラグ又は各種第2特定数フラグのいずれかがセットされているか否かの判定を行う。いずれの特定数フラグもセットされていない場合、そのまま特定MY上乗せ用処理を終了する。いずれかの特定数フラグがセットされている場合、ステップS4202に進む。
ステップS4202では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を行う。すなわち、ステップS4202の処理は、今回のゲームの抽選処理の結果を把握するものであり、入賞の有無は本処理よりも後の事象であることから、本処理では把握しない。そして、ステップS4203にて特定数用上乗せ抽選処理を行う。特定数用上乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている特定数用の上乗せ抽選テーブルを取得したうえで、ATモードの上乗せを行うか否かの抽選を実行する。
本変形例における特定数用の上乗せ抽選テーブルは、図96に示すように、ゲームの抽選結果と、超過した特定数の種類(第1特定数/第2特定数)と、により上乗せ当選率が異なるように設定されている。上記のように、本変形例では、ゲームの抽選処理の抽選結果に基づく上乗せ抽選を行うため、入賞の有無等は当該上乗せ抽選には影響を及ぼさない。なお、図96では、図92との比較のため、入賞の有無や入賞する小役による上乗せ当選率を表示しているが、いずれも上乗せ当選率に差がないものとして表示している。そして、上記のように、特定数を超過したゲームの次のゲームの抽選結果であるため、今回のゲームの増減枚数は影響せず、上乗せ抽選の対象となる抽選結果が、図96のものと比較して圧倒的に多くなっている。
ステップS4203では、上記の特定数用の上乗せ抽選テーブルと、今回のゲームの抽選結果と、抽選用のカウンタとを利用して、上乗せ抽選を行う。そして、ステップS4204にて、対応する特定数フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS4205にて、対応する特定数済フラグをセットする処理を実行する。ステップS4204にて特定数フラグをクリアすることで、次ゲーム以降でステップS4203の特定数用上乗せ抽選処理が行われないようになり、また、ステップS4205にて特定数済フラグをセットすることにより、一旦、MYカウンタが特定数を超過した場合には、当該MYカウンタが減少してその特定数を下回った場合において、再度その特定数を超過しても、特定MY上乗せ用処理の対象としないことが可能となる。
ステップS4206では、ステップS4203の上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に当選していないと判定した場合には、そのまま本特定MY上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合には、ステップS4207にて上乗せ用の処理を行う。かかる処理は、上記ステップS3912等の処理と同様である。但し、ステップS4207では、図96の上乗せゲーム数を参照して、今回の上乗せ用の処理を行う。ステップS4207の処理を実行した後は、特定MY上乗せ用処理を終了する。
以上のように、MYカウンタが特定数を超過したゲームの次のゲームの抽選結果を利用して、上乗せ用の処理を行う構成とすることで、特定数を超過するために必要なメダル払出数が少ない抽選結果であっても上乗せ用の処理の対象とすることが可能である。すなわち、例えば、強チェリーや弱チェリーのように、通常のAT用上乗せ処理においては、高確率で上乗せが発生するものの、対応する小役入賞時の払出数が少ないことから第3の実施形態における上乗せ用の処理の対象から除外されていた結果についても、本変形例では上乗せ用の処理の対象とすることが可能である。
また、抽選結果を利用することで、その入賞の有無に関わらず、上乗せ用の処理が行われるようになり、仮に取りこぼしが生じても共通の利益が付与されるため、入賞を成立させることが可能な遊技者と入賞を成立させることができない(取りこぼしてしまう)遊技者との公平性を担保することができる。
更に、抽選結果を利用して上乗せ用の処理を行うことで、遊技結果を利用する構成と比較して上乗せ報知のタイミングの自由度が圧倒的に向上する。すなわち、遊技結果を利用する構成においては、入賞の有無を待ってから上乗せ用の処理を行うため、その上乗せ報知は当該ゲームの終了後(第3リールの停止後)である必要が生じる。これに対して、抽選結果であれば、第1リールの停止前から上乗せ報知が可能であり、通常のAT用上乗せ処理における上乗せ報知と報知タイミングを共通化させることも可能である。
<第4の実施形態>
本実施形態では、有利区間においてATモードが終了した場合、その後、所定ゲーム数に亘って有利区間が継続し得る構成とする。すなわち、有利区間において、ATモードとATモードとの間にATモードではない通常モードやCZモードが介在し得る構成である。図97は、本実施形態におけるゲーム数管理処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、上記のステップS1308若しくはステップS1314にて否定判定した場合、又はステップS1313若しくはステップS1315の処理を実行した後、本実施形態ではステップS4301に進む。ステップS4301では、ATモードフラグがセットされているか否かの判定を行い、セットされている場合には、ステップS4302にてATモード継続カウンタの減算処理を行う。そしてステップS4303にてATモード継続カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS4304にてATモードフラグ及びAT用報知フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4305にてAT終了フラグをセットする処理を実行する。これらステップS4301〜ステップS4305の処理は、上記ステップS1316〜ステップS1320の処理と同様である。
ステップS4305の処理を実行した後は、ステップS4306にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間継続カウンタに所定数として100を入力する処理を実行する。有利区間継続カウンタは、ATモード終了後、有利区間を保持する(終了させない)ゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、本実施形態では、ATモード終了後、100ゲームに亘って有利区間が継続し得るものとなる。
ステップS4306の処理を実行した後は、ステップS4307にて、上記の特定数フラグや特定数済フラグをクリアする処理を実行する。すなわち、MYカウンタが一度は特定数を超過したことの情報を、ATモードの終了に際してクリアする。
その後、ステップS4308にて、ATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ステップS4301若しくはステップS4303にて否定判定した場合、又はステップS4308の処理を実行した後は、ステップS1322に進む。
次に、本実施形態における区間表示第2処理について、図98のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態において、ステップS4401〜ステップS4409の処理は、上記ステップS1501〜ステップS1509の処理と同様であり、有利区間ゲーム数AGの更新処理、有利区間増減枚数MYの更新処理、上限ゲーム数や上限増加数に到達することを事前に把握するための処理等を行うとともに、上限ゲーム数や上限増加数に達した場合に、有利区間を終了し、各種データの初期化処理を行う。
ステップS4410にて、上限ゲーム数や上限増加数に達していないものの、CZモードフラグや、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされていないと判定した場合、ステップS4411にてAT終了フラグがセットされているか否かの判定を行い、AT終了フラグがセットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。AT終了フラグがセットされている場合には、ステップS4412に進む。
ステップS4412では、上記の有利区間継続カウンタを1減算する処理を行う。そして、ステップS4413にて当該有利区間継続カウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS4407〜ステップS4409に進み、有利区間の終了用の処理を行う。有利区間継続カウンタが0ではない場合、そのまま区間表示第2処理を終了する。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態を第2の実施形態に適用する場合、MY更新処理において行われる特定MY高確率用処理では、先ず、ATモード中であるか否かの判定を行い、ATモード中であることを条件として、MYカウンタが特定数ちょうどとなる場合の上乗せ用の処理を行ったり、特定数を超過した場合に特定数フラグをセットする処理を行う。また、本実施形態を第3の実施形態に適用する場合においても、入賞結果対応処理にておいて行われる特定MY高確率用第2処理では、先ず、ATモード中であるか否かの判定を行い、ATモード中であることを条件として、MYカウンタが特定数を超過する場合の上乗せ用の処理を行ったり、特定数を超過した場合に特定数フラグをセットする処理を行う。すなわち、ATモードが終了した後、有利区間中の通常モードやCZモードにおいては、MYカウンタが特定数ピッタリとなったり特定数を超過したりしても、特定数フラグがセットされない。言い換えると、ATモード終了に際して、特定数フラグ等がクリアされた後、MYカウンタがその特定数を超過していることに基づいて、再度、特定数フラグがセットされる事象が回避される。
本実施形態における遊技の流れを、図99のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t31のタイミングにて有利区間が開始され、t32のタイミングにてATモードが開始されると、MYカウンタの計測が開始される。例えば、t33のタイミングでMYカウンタが所定の特定数近くとなった場合、特定数ピッタリとしたり、特定数を超過する際の遊技結果が所望の結果となるように、特定数よりも若干少ない状態で持ちメダルを現状維持しながら待機する遊技が行われる。そして、t34のタイミングでMYカウンタが所定の特定数を超過する。なお、図においては、t33とt34とでメダル増減(MYカウンタ)が同じとなっているが、実際にはt33の方がt34よりも若干少ないものとなる。t34にて特定数を超過した際には、特定数ピッタリとすることができなかったり、特定数超過時の上乗せ抽選に非当選となったりした場合を示しており、その後t35のタイミングでATモードが終了する。
t35のタイミングでATモードが終了する際、本実施形態では、有利区間が終了しないため、MYカウンタの計測は継続される。これに対して、当該t35のタイミングにおいて、特定数フラグがクリアされる。但し、t35のタイミングでATモードが終了してから、間もなくt36のタイミングでATモードが連荘すると、t36のタイミングでの持ちメダル(MYカウンタ)は、上記t34のタイミングで超過した所定の特定数を下回っておらず、当該t36のタイミングで開始されたATモードでは、所定の特定数での上乗せは発生しにくい。
t43のタイミングで上記の所定の特定数近くになり、t44のタイミングで所定の特定数を超過した場合において、更にt45のタイミングでATモードが終了し、その後、t46のタイミングでATモードが開始された場合、当該t46のタイミングでの持ちメダル(MYカウンタ)は、上記t44のタイミングで超過した所定の特定数を下回っている。そうすると、当該t46のタイミングで開始されたATモードにおいて、t47のタイミングで所定の特定数近くとなり、t48のタイミングで所定の特定数ピッタリとしたり、所定の特定数を超過する場合の遊技結果に応じた上乗せが発生し得るようになる。
このように、ATモード中にMYカウンタと特定数との関係を利用した上乗せが行われた後、ATモードが一旦終了して、MYカウンタが減少し、当該特定数を下回ると、再度ATモードに移行した場合には、MYカウンタが当該特定数ちょうどとなったり当該特定数を超過した際に、上乗せが行われ得るものとなる。よって、ATモードとATモードとの間に持ちメダルが減少し得る状態が介在するような構成であっても、その持ちメダルが減少することを通じて、特定数との関係を利用した上乗せに再チャレンジすることが可能となり、持ちメダルの減少による遊技者の喪失感を解消することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)MYカウンタに基づいて、上乗せ当選確率が高くなったり、上乗せ抽選が行われたりする、といったように、指示機能が向上する構成を示したが、MYカウンタに基づいて、上乗せ当選確率が低くなったり、上乗せ抽選が行われにくくなったり行われなくなったりする、といったように、指示機能が低下する構成としてもよい。例えば、MYカウンタが第1特定数から第2特定数の間である特定状況では、上乗せ当選確率が低くなるようにしてもよく、このような特定状況の前においては、なるべく当該特定状況とならないように、押し順ベル当選時に9枚払出ではなく3枚払出となる結果入賞や取りこぼしを生じさせるための押し順報知や図柄報知を行う構成としてもよい。また、当該特定状況となった後は、より早期に当該特定状況から脱することが有利となる旨の演出を行う構成としてもよい。更に、MYカウンタがちょうど特定数となった場合や、特定数を超過した場合のゲームの結果(超過した後のゲームの結果)に基づいて、上乗せ抽選が行われにくくしたり上乗せ抽選が行われないようにしたりしてもよく、例えば、ちょうど特定数となった場合や超過した場合のゲームの結果が通常であれば上乗せ抽選を行い易い結果(強チェリー等)であっても、通常よりも上乗せ抽選を行いにくくしたり、上乗せ抽選が行われないようにしたりしてもよい。また、上乗せ抽選を行うものの、当選時の上乗せゲーム数が少なくなるようにしてもよい。
(2)MYカウンタに基づいて、上乗せ抽選の当選確率や上乗せ抽選の有無が変化することで、指示機能としてのATモードの継続数が変化する構成としたが、MYカウンタに基づいて指示機能が変化すればよく、例えば、MYカウンタに基づいてATモードの移行抽選の当選確率や移行抽選の有無が変化したり、上乗せ特化ゾーンへの移行抽選の当選確率や移行抽選の有無が変化したりする構成としてもよい。また、ATモードや疑似ボーナス、特化ゾーン等に当選することなく所定ゲーム数が消化されたら強制的にATモードや疑似ボーナス、特化ゾーンに設定されるといった所謂天井が設けられている構成においては、MYカウンタに基づいてその天井が変化する構成としてもよい。更に、指示機能に関する上乗せ抽選や移行抽選が行われる契機となる契機事象(ゲームの抽選結果等)を異ならせてもよく、例えば、通常では強チェリーにて上乗せ抽選を行う一方、通常リプレイでは上乗せ抽選を行わないところ、MYカウンタに基づいて、強チェリー及び通常リプレイにて上乗せ抽選を行うようにしたり、強チェリーでは上乗せ抽選を行わないものの、通常リプレイでは上乗せ抽選を行うようにする構成としてもよい。
(3)MYカウンタに基づいて指示機能が変化する構成としたが、MYカウンタに基づいて遊技者にとって有利となる特典が付与される構成としてもよい。特典としては、例えば、設定値の示唆演出が発生したり、発生し易くなったり、レア画像が表示されたり、表示され易くなったりする構成が挙げられる。また、MYカウンタに基づいて、小役やボーナス当選確率が高くなったり、所定の結果入賞時の払出数が多くなる等、メダル増減に直結する事象を特典としてもよい。特に、MYカウンタが特定数ちょうどとなったり、特定数を超過する場合の遊技結果に応じて特典が付与されるような構成とすることで、その特典を得るために、特定数前でMYカウンタを調節する遊技等を通じて、メダル増加を目指す遊技から脱却した斬新な遊技性とすることができる。
(4)MYカウンタを1ベットゲーム、2ベットゲーム、3ベットゲームの全ての情報が反映される構成としたが、いずれかのベットゲームの情報が含まれない構成や、いずれかのベットゲームのみの情報によりMYカウンタの更新が行われる構成や、遊技状態において規定されたベットゲームでの情報がMYカウンタに反映される構成としてもよい。より具体的には、例えば、所定のベット数(例えば、1枚ベット)にて行われたゲームでのベット数や払出数はMYカウンタに入力されない構成や、所定のベット数(3枚ベット)にて行われたゲームでのベット数や払出数のみをMYカウンタに入力する構成や、CB状態では2枚ベットにて行われたゲームでのベット数や払出数をMYカウンタに入力し、CB状態以外の状態では3枚ベットにて行われたゲームでのベット数や払出数をMYカウンタに入力する構成としてもよい。
(5)遊技状態に応じて規定される一の規定数(特定規定数)は上記のものに限定されない。例えば、BB状態を2ベットゲームにて遊技可能とし、BB状態では特定規定数を2枚ベットとし、BB状態(CB状態)以外の状態では特定規定数を3枚ベットとしてもよい。
(6)MY高確率モードに設定される際の遊技結果に応じて、MY高確率モードの性能が異なる構成としてもよい。例えば、MYカウンタが第1特定数を超過してMY高確率モードに設定される際の遊技結果が強チェリーであれば、チェリー用MY高確率モードに設定され、当該第1特定数を超過した際の遊技結果が強スイカであれば、スイカ用MY高確率モードに設定されるようにしてもよい。また、強チェリーで第1特定数を超過した場合の方が、弱チェリーで第1特定数を超過した場合よりも有利なMY高確率モードに設定されるようにしてもよい。
(7)各MY高確率モードが連続するMYカウンタにより実現される構成としてもよい。例えば、MYカウンタが200〜249ではスイカ用MY高確率モードに設定され、MYカウンタが250〜299ではチェリー用MY高確率モードに設定されるといったようにしてもよい。また、例えば、チェリー当選時の上乗せ性能が向上するチェリー用MY高確率モードとチェリー当選時の上乗せ性能が低下するチェリー用MY低確率モードとを設ける構成としてもよい。そして、これらチェリー用MY高確率モードとチェリー用MY低確率モードとが連続するMYカウンタにより実現される構成としてもよい。
(8)MY高確率モードに設定される第1特定数と第2特定数は、上記のものに限定されない。例えば、ATモード開始直後のMYカウンタの値(0付近)を第1特定数として設定してもよく、有利区間の上限増加数付近(2400付近)を第2特定数として設定してもよい。また、有利区間中のMYカウンタ全体に亘ってMY高確率モードの範囲内となるように第1特定数を0、第2特定数を2400としてもよい。この場合、有利区間全体がチェリー用MY高確率モードとなる場合と、有利区間全体がスイカ用MY高確率モードとなる場合とを設け、有利区間開始時のモード設定用処理等にて、今回の有利区間を何れとするかを設定する構成とするとよい。
(9)MY高確率モードに設定される第1特定数と第2特定数との差は、上記のものに限定されない。例えば、第1特定数と第2特定数との差が1や2であってもよい。但し、押し順ベル当選時に生じる増加数の差(9枚−3枚=6枚)よりも、第1特定数と第2特定数との差が大きくなるように第1特定数及び第2特定数を設定することで、押し順ベル当選時に一方の結果入賞では第2特定数を超過する一方、他方の結果入賞では第2特定数を超過しない、といった事象を生じさせることができる。また、第1特定数と第2特定数との差を小さくすることで、よりMY高確率モードに維持することの難易度が高くなり、遊技性が向上する。
(10)MY高確率モードの種類は、チェリー用MY高確率モードやスイカ用MY高確率モードだけでなく、押し順ベル当選時の上乗せ性能が向上するベル用MY高確率モードや、外れ結果時の上乗せ性能が向上する外れ用MY高確率モード等、他のものを設けてもよい。
(11)MY高確率モードにおいて、対象となる遊技結果を主に再遊技結果(第11再遊技結果、第12再遊技結果)とし、対象となる遊技結果の入賞がMYカウンタに影響を及ぼさない構成としたが、入賞がMYカウンタに影響を及ぼす遊技結果を対象としてもよい。例えば、押し順ベルを対象とするベル用MY高確率モードを設けると、押し順ベル当選に基づき上乗せが発生し得るものの、第1小役入賞を成立させると、ベル用MY高確率モードが終了し易くなるため、第1小役入賞を回避するように操作する、といった遊技性が実現される。
(12)ゲームの抽選処理での抽選結果を用いてMY高確率モード中の上乗せ抽選を行う構成としたが、対象となる結果入賞に基づいてMY高確率モード中の上乗せ抽選を行う構成としてもよい。例えば、上記のベル用MY高確率モードにおいて、第1小役入賞を成立させると、MY高確率テーブルでの上乗せ抽選が行われる一方、第2小役入賞〜第26小役入賞を成立させたり取りこぼしとなると、MY高確率テーブルではなく通常テーブルでの上乗せ抽選が行われるようにしたり、第2小役入賞〜第26小役入賞を成立させたり取りこぼしとなると、上乗せ抽選が行われない構成としてもよい。
(13)押し順役当選時に特定押し順報知コマンドを出力することで、主制御装置101側の押し順報知と表示制御装置81側の押し順報知演出とが異なる内容となる構成としたが、特定押し順報知コマンドを出力する状況において、主制御装置101側の押し順報知と表示制御装置81側の押し順報知演出とが同じ内容となる構成としてもよい。すなわち、例えば、特定リプレイ1当選時において、チェリーリプレイたる第11再遊技入賞用の押し順報知演出を表示制御装置81に行わせる場合、主制御装置101側の押し順報知に関しても、第11再遊技入賞用の押し順報知を行うようにしてもよい。押し順ベル当選時において、第2小役入賞〜第26小役入賞用の押し順報知演出を表示制御装置81に行わせる場合、主制御装置101側の押し順報知に関しても、第2小役入賞〜第26小役入賞用の押し順報知を行うようにしてもよい。
(14)チェリーリプレイとスイカリプレイとで、上乗せ当選率や上乗せゲーム数等の指示機能の性能に関してスイカリプレイの方がチェリーリプレイよりも優位なものとしたが、同程度の性能としてもよいし、チェリーリプレイの方が優位なものとしてもよい。また、チェリーリプレイとスイカリプレイとのナビ抽選について、スイカリプレイよりもチェリーリプレイを優先し、チェリーリプレイのナビ抽選をスイカリプレイのナビ抽選よりも先に行う構成としたが、同時にいずれのナビを行うかを抽選する構成としてもよく、この場合、当該抽選テーブルにおいてチェリーナビの方がスイカナビよりも選択され易い構成としてもよいし、同程度の選択率としてもよいし、選択率が逆の関係となるようにしてもよい。
(15)特定リプレイナビモードの移行抽選について、ATモードの残りゲーム数がナビモード継続数(30)よりも少なければ、移行抽選を行わない構成としたが、移行抽選を行う構成としてもよく、この場合、ATモードの残りゲーム数が少ない方が(移行抽選に当選した場合のナビモードの継続数が少ない方が)ナビモード移行抽選に当選し易い構成としたり、ATモードの残りゲーム数が少ない方が、その分だけ、ナビモードとは異なる特典(設定値示唆やレア画像)が付与される、又は付与され易くなる構成としてもよい。
(16)MYカウンタの特定数について、大きい数の特定数ほど設定差がある構成としたが、小さい数の特定数ほど設定差がある構成としてもよい。より詳しくは、例えば、MY高確率モードに関し、開始用の特定数(第1特定数)の方が終了用の特定数(第2特定数)よりも設定差がある構成としてもよいし、複数のMY高確率モードが設定される構成において、先に設定される側のMY高確率モードの方が後に設定される側のMY高確率モードよりもその特定数に設定差がある構成としてもよい。
(17)第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている場合には、MY高確率モードに設定されない又は設定されにくい構成としたり、MYカウンタに基づく上乗せ用の処理(特定数ピッタリとなったり特定数を超過した場合の上乗せ用の処理)が行われない又は行われにくい構成としたりしてもよい。
また、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている場合には、通常よりも不利なMY高確率モード(対象結果当選時の上乗せ当選確率が低い、上乗せゲーム数が少ない)に設定される又は設定され易い構成としたり、MYカウンタに基づく上乗せ用の処理(特定数ピッタリとなったり特定数を超過した場合の上乗せ用の処理)において、通常よりも不利な上乗せ用の処理(上乗せ当選確率が低い、上乗せゲーム数が少ない)が行われたり又は行われ易い構成としたりしてもよい。
(18)有利区間ゲーム数AGと上限ゲーム数(1500)との差が所定数以下である場合や、MYカウンタと上限増加数(2400)との差が所定数以下である場合は、MY高確率モードに設定されない又は設定されにくい構成としたり、MYカウンタに基づく上乗せ用の処理(特定数ピッタリとなったり特定数を超過した場合の上乗せ用の処理)が行われない又は行われにくい構成としたりしてもよい。
また、有利区間ゲーム数AGと上限ゲーム数(1500)との差が所定数以下である場合や、MYカウンタと上限増加数(2400)との差が所定数以下である場合は、通常よりも不利なMY高確率モード(対象結果当選時の上乗せ当選確率が低い、上乗せゲーム数が少ない)に設定される又は設定され易い構成としたり、MYカウンタに基づく上乗せ用の処理(特定数ピッタリとなったり特定数を超過した場合の上乗せ用の処理)において、通常よりも不利な上乗せ用の処理(上乗せ当選確率が低い、上乗せゲーム数が少ない)が行われたり又は行われ易い構成としたりしてもよい。
(19)MYカウンタが特定数ピッタリとなった場合や、MYカウンタが特定数を超過した場合の遊技結果に応じて上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成において、その場合の遊技状態が加味される構成としてもよい。例えば、MYカウンタが特定数ピッタリとなった場合の遊技状態が通常遊技状態である場合の方が、第3RT状態である場合よりも有利な上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成としてもよい。また、例えば、MYカウンタが特定数を超過した場合の遊技結果が同じでも、遊技状態が第3RT状態である場合よりも、BB状態である場合の方が有利な上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成としてもよい。上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理について、有利不利の関係は上記のものと逆であってもよい。
(20)MYカウンタが特定数を超過した場合において、当該超過時のMYカウンタと特定数との差に応じて上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成とする場合、その差が大きいほど有利な上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる(有利な特典が付与される)構成としてもよいし、その差が小さいほど有利な上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成としてもよい。
(21)押し順ベルに対応する各小役入賞時のメダル払出数は上記のものに限定されない。例えば、第1小役入賞時の払出数を9枚よりも多くしてもよいし少なくしてもよく、ベット数よりも少ない2枚以下としてもよい。また、第2小役入賞〜第26小役入賞時の払出数をベット数よりも多い4枚以上としてもよいし、ベット数よりも少ない2枚以下としてもよい。
(22)各ゲームの抽選結果として、入賞時に第1小役の9枚よりも多い払出数となる遊技結果が含まれる構成としてもよい。この場合、当該遊技結果を押し順ベルのように押し順役としてもよいし、押し順に関わらず入賞が成立し得る結果としてもよいし、取りこぼしが生じ得る結果としてもよい。
(23)MYカウンタが特定数ピッタリとなった場合や、MYカウンタが特定数を超過した場合の遊技結果に応じて上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成において、各特定数同士の差は上記のものに限定されない。そして、一の結果入賞で複数の特定数に到達し得る構成としてもよい。例えば、隣接する特定数同士の差が5以下であると、少ない側の特定数から1小さいMYカウンタの状況で第1小役入賞により6枚のメダル払出が生じると、いずれの特定数にも到達し得るものとなり、到達前のMYカウンタによって、両特定数に到達したり、一方のみの特定数に到達する、といった事象を生じさせることができる。また、このようにすることで、例えば、第1小役入賞(6枚増加)であれば両特定数に到達するものの、第29小役入賞(2枚増加)であれば一方の特定数にだけ到達する、といった事象も生じさせることができる。
これらの場合、両特定数に到達した場合には、いずれの特定数についてもその特典が付与される(上乗せ用の処理が行われる)構成としてもよいし、一方のみ(例えば大きい数の特定数だけ)特典が付与される構成としてもよい。また、指示機能の変化等、一方は不利な処理(例えばATモードの残りゲーム数の減算)が行われ、他方は有利な処理(残りゲーム数の上乗せ)が行われる構成としてもよい。
更に、例えば、隣接する特定数同士が連続する数となる構成してもよい。この場合、第1特定数と第2特定数とが連続する構成としてもよいし、第1特定数同士が連続する構成としてもよいし、第2特定数同士が連続する構成としてもよいし、第1特定数よりも第2特定数の方が少ない数として両特定数が連続する構成としてもよい。
(24)MYカウンタが特定数ピッタリとなった場合や、MYカウンタが特定数を超過した場合の遊技結果に応じて上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理が行われる構成において、特定数ピッタリとなったゲームや、特定数を超過したゲームやその次のゲームにて、上乗せ用の処理が行われる構成としたが、例えば、ボーナス状態中にその特定数に到達した場合等、所定ゲーム数後や所定の状態移行(ボーナス終了)に基づいて上乗せ用の処理が行われる構成としてもよい。
(25)MYカウンタが特定数ピッタリとなった場合において、次のゲームの終了時においてもMYカウンタが当該特定数ピッタリであれば、特定処理を行う構成としてもよい。特定処理としては、前回のゲームで特定数ピッタリとなった場合に行われた上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理と同じ処理であってもよいし、異なる処理であってもよい。異なる処理としては、前回のゲームで行われた上乗せ用の処理等の指示機能を変化させる処理よりも遊技者にとって有利となる処理としてもよいし、不利となる処理としてもよい。より具体的には、例えば、前回のゲームで特定数ピッタリとなった場合に行われた上乗せ用の処理が行われる場合、次のゲームの終了時においても特定数ピッタリであれば、同等の上乗せ当選確率や上乗せゲーム数となる上乗せ用の処理が行われる構成としてもよいし、前回のゲームよりも上乗せ当選確率が高い上乗せ用の処理や、前回のゲームよりも上乗せゲーム数が多い上乗せ用の処理や、前回のゲームよりも上乗せ当選確率が低い上乗せ用の処理や、前回のゲームよりも上乗せゲーム数が低い上乗せ用の処理が行われる構成としてもよい。また、例えば、前回のゲームで特定数ピッタリとなった場合に行われた上乗せ用の処理が行われる場合、次のゲームの終了時においても特定数ピッタリであれば、特定処理として設定値の示唆演出を発生させる処理を行ったり、レア画像を表示させる処理を行ったりしてもよい。
この場合、MYカウンタが特定数ピッタリとなった場合において、次のゲームの終了時においてもMYカウンタが当該特定数ピッタリとなる場合とは、当該次のゲームの遊技結果が再遊技結果であった場合か、ベット数と同数の払出が行われる結果入賞(第2小役入賞〜第26小役入賞)であった場合である。例えば、再遊技結果である場合、複数種類ある再遊技結果のうちの所定の再遊技結果の場合に上記特定処理が行われる構成としてもよいし、全ての再遊技結果において上記特定処理が行われる構成としてもよいし、所定の再遊技結果の場合に上記特定処理が行われない構成としてもよい。また、ベット数と同数の払出が行われる結果入賞の場合についても同様であり、複数種類ある結果入賞のうちの所定の結果入賞の場合に上記特定処理が行われる構成としてもよいし、全ての結果入賞において上記特定処理が行われる構成としてもよいし、所定の結果入賞の場合に上記特定処理が行われない構成としてもよい。更に、再遊技結果の場合には特定処理が行われる一方、ベット数と同数の払出が行われる結果入賞であれば特定処理が行われない、又はその逆の構成としてもよい。
更に、当該次のゲームの終了時においてもMYカウンタが当該特定数ピッタリとなる場合、更に次のゲームの終了時においてもMYカウンタが当該特定数ピッタリとなっていれば、上記特定処理が行われる構成としてもよく、当該事象(MYカウンタが特定数ピッタリとなる事象)が継続する限り特定処理が各ゲームで行われる構成としてもよい。
(26)調整用報知、特に、小役対応調整用報知や結果対応調整用報知において、1ゲーム毎の小役を対象として調整用報知を行う構成としたが、遊技状態の移行を含めて調整用報知を行う構成としてもよい。例えば、15枚の払出で終了するCB状態は、13枚(15枚−2枚=13枚)又は25枚(14枚−2枚+15枚−2枚=25枚)の増加が生じるところ、MYカウンタと特定数との差が13枚や25枚の場合に、CB状態への移行が生じると特定数ちょうどとなることの報知が行われるようにしてもよい。
(27)ATモード終了時にMYカウンタを引き継ぐ一方、特定数フラグ等を消去する構成において、一部の特定数フラグを消去して残りの特定数フラグは消去しない構成としてもよい。例えば、対応する特典が付与されなかった(上乗せ用の処理が行われなかった)特定数の特定数フラグは消去する一方、対応する特典が付与された特定数の特定数フラグについては消去しない構成としてもよい。また、特定数フラグを消去するか否かを抽選等により決定する構成としてもよく、その当選確率が設定値や、MYカウンタの値、有利区間ゲーム数AG等によって異なる構成としてもよい。
(28)ATモード終了時にMYカウンタを引き継ぐ一方、特定数フラグ等を消去する構成において、ATモード中ではない状況で、MYカウンタが特定数を下回るまでは特定数フラグがセットされないものの、MYカウンタが特定数に到達した場合には、ATモード中ではなくても特定数フラグがセットされたり、その特定数に到達したことに基づく特典が付与される(上乗せ用の処理が行われる)構成としてもよい。
(29)ATモード終了時にMYカウンタを引き継ぐ一方、特定数フラグ等を消去する構成において、ATモード終了時に入力する有利区間継続カウンタの値を、消去する特定数フラグの特定数とMYカウンタとの差に応じて異ならせる構成としてもよい。例えば、消去する特定数フラグに対応する特定数が120である場合において、ATモード終了時のMYカウンタが140である場合は、有利区間継続カウンタに20を入力し、ATモード終了時のMYカウンタが121である場合は、有利区間継続カウンタに1を入力する等、消去する特定数フラグの特定数とMYカウンタとの差が大きいほど、有利区間継続カウンタに入力する値を大きくしてもよいし、逆に小さくしてもよい。
(30)ATモード終了時にMYカウンタを引き継ぐ一方、特定数フラグ等を消去する構成において、有利区間又はATモード中に所定の条件を満たした場合に、特定数フラグ等を消去する構成としてもよい。例えば、有利区間に移行してからATモードに移行するまでのゲーム数が所定ゲーム数よりも多ければ、ATモード終了後に特定数フラグ等を消去する一方、所定ゲーム数以下であれば消去しない構成としてもよい。また、ATモード終了時に、当該ATモードの継続ゲーム数と増加メダル数とから、今回のATモードの1ゲーム当たりの純増枚数を算出し、当該純増枚数が所定数以下であれば消去する一方、所定数より大きければ消去しない構成としてもよい。
(31)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(32)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(33)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY、MYカウンタ)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定条件の成立に対応するものである場合、前記態様報知手段が前記態様報知を行うための報知情報(指示機能、例えば、ATモード継続ゲーム数、上乗せ当選確率、上乗せゲーム数等)に変化を生じさせるための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置101によるMY高確率用処理やMY高確率用第2処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知の指示する操作態様に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。そして、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中にのみ移行可能な設定とすることで、遊技媒体の増加が設計者の意図した範囲を凌駕するような事象を極力発生させないようにすることができるし、態様報知による遊技媒体の増加が生じているのか、それとも不正に遊技媒体の払出を生じさせているのかを、有利状態か通常状態かを判別することで容易に特定することができるようになる。
このような構成において、有利状態中の所定の開始条件が成立してからの、遊技媒体の払出数と賭数との差分である特定増減枚数を把握する手段を備え、その特定増減枚数が特定条件の成立に対応するものとなった場合、態様報知を行わせるための報知情報に変化を生じさせるための特定処理が行われる場合があるようにした。例えば、特定増減枚数が設計値よりもあまりに多くなった場合に態様指示報知を行わせにくくするようにしたり、逆に特定増減枚数が設計値よりもあまりに少なくなった場合に態様指示報知を行い易くしたりすると、設計値通りの特定増減枚数となり易くすることができるし、また、特定増減枚数が設計値を凌駕するような場合には不正行為が行われていると判断することも可能である。さらに、特定条件を成立させることで指示機能が有利となるような構成であれば、有利状態中に特定条件を成立させるか否か、といった遊技性も実現することが可能となる。よって、特定増減枚数に基づく特定条件の成否により、特定処理が実行され得る構成とすれば、遊技媒体の増減率をうまく調節することが可能となるし、それを利用した新たな遊技性の創出にも役立てることが可能となる。
なお、「報知情報」について、「指示情報」、「態様指示情報」、「指示機能」、「態様指示機能」と言い換えることも可能である。また、「報知情報」について、「前記特定状態への移行し易さ、前記特定状態のゲーム数、前記特定状態における前記態様報知手段による前記態様報知の実行し易さ、又は前記特定状態における前記態様報知手段による前記態様報知の実行可能なゲーム数を含む報知情報」と表現してもよい。
また、「前記有利状態において前記特定処理が行われることにより、当該有利状態において当該特定処理に基づく前記態様報知が行われる」構成を追加することにより、特定処理が行われることによって有利状態が終了するものではないことが明確化される。
特徴A2.前記特定条件は、前記特定増減枚数が予め定められた第1特定数(例えば、第1の実施形態における200や500)に達することで成立するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が第1特定数に達することで報知情報に変化を生じさせるための特定処理が行われる。そのため、特定処理により報知情報が遊技媒体の増加を抑えるように変化するような構成であれば、特定増減枚数が多くなり過ぎることを抑制することが可能となるし、逆に、特定処理により報知情報が遊技媒体の増加を推進するように変化するような構成であれば、第1特定数となることを目指して遊技を行わせる、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
特徴A3.前記特定条件は、前記特定増減枚数が前記第1特定数よりも多い枚数である第2特定数に達することで成立しないようになることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定数に達して特定条件が成立した後、更に第2特定数に達すると、当該特定条件は非成立となる。つまり、特定増減枚数が第1特定数から第2特定数の間の状況では特定条件が成立しているようになり、当該状況にて特定処理が行われることになる。このようにすれば、第1特定数に達した後、第2特定数を超過しないようにしたり、より早期に第2特定数を超過させる、といった遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記構成は、「前記特定条件は、前記特定増減枚数が前記第1特定数から当該第1特定数よりも多い枚数である第2特定数の間で成立する」と表現してもよい。
特徴A4.前記払出手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1操作結果の入賞が成立した場合には第1数(3枚)の遊技媒体の払出を行い、前記第2操作結果の入賞が成立した場合には前記第1数よりも多い第2数(9枚)の遊技媒体の払出を行う構成であり、
前記第1特定数と前記第2特定数との差が、少なくとも前記第1数と前記第2数との差よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選時の操作態様によって、第1操作結果入賞が成立して第1数の遊技媒体の払出が行われたり、第2操作結果入賞が成立して第2数の払出が行われたりする構成において、第1特定数と第2特定数との差は、少なくとも第1数と第2数との差よりも大きくなる。このようにすることで、第1特定数に至った後、特定結果当選となった場合、第2操作結果入賞であれば第2特定数に至る可能性があるものの、第1操作結果入賞であれば第2特定数に至らない可能性を生じさせることが可能となる。
特徴A5.前記第1特定数と前記第2特定数との差が、前記第2数よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定数に至った後、特定結果当選となった場合、いずれの操作結果入賞が成立しても第2特定数に至らない可能性を生じさせることができる。よって、特定条件が成立したのに、直ぐに非成立となることを抑制し、特定増減枚数と特定条件の成否を利用した構成が適用される場面を多くすることが可能となる。
特徴A6.前記第1特定数と前記第2特定数との差が、前記第2数の2倍よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定数に至った後、特定結果当選となった場合、第2操作結果入賞にて第1特定数に至った際の特定増減枚数に関わらず、いずれの操作結果入賞が成立しても第2特定数に至らないようにすることができる。よって、特徴A5の効果をより好適にそうすることが可能となる。
なお、上記構成は、以下の構成を更に限定することで、上記の効果をより好適に奏することが可能となる。
「前記抽選手段による抽選結果として、前記払出手段により遊技媒体の払出が行われることとなる払出結果が設定されており、
少なくとも前記特定状態において、前記特定結果となる確率は、前記払出結果のうちで最も確率が高くなるように設定されている」構成。
「前記抽選手段による抽選結果として、前記払出手段により遊技媒体の払出が行われることとなる払出結果が設定されており、
前記第1特定数と前記第2特定数との差が、少なくとも前記特定状態において前記払出結果の入賞が成立して払い出される遊技媒体の最大数と、前記第2数との合計よりも大きくなるように設定されている」構成。
特徴A7.前記特定処理実行手段は、前記特定条件が成立している状況において、ゲームの結果が特別結果(スイカ、チェリー)である場合、前記報知情報に変化が生じるように前記特定処理を実行することを特徴とする特徴A3乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定増減枚数に基づく特定条件が成立すればよいだけではなく、特定条件が成立している状況でのゲームの結果が加味されて報知情報に変化が生じるようになる。このようにすることで、報知情報の変化へのハードルが高まり、報知情報が変化することにより遊技者にとっての有利/不利が変動する構成を利用した遊技における興趣を好適に高めることが可能となる。
なお、「ゲームの結果」とは、例えば、「前記抽選手段による抽選結果」や、「前記有効位置に停止した絵柄の組み合わせ」や、「前記抽選手段による抽選結果と前記有効位置に停止した絵柄の組み合わせとに基づく結果」と表現することも可能である。
特徴A8.ゲームの結果が前記特別結果となる確率が相対的に高低となるように、特別高確率状態(特定ナビモード)と特別低確率状態とが設定されており、
所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記特別低確率状態から前記特別高確率状態へ移行させる特別移行手段(主制御装置101によるステップS1015〜ステップS1021の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の移行条件は、前記特定増減枚数に関わらず成立することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が第1特定数から第2特定数の間の状況でゲームの結果が特別結果となる場合に報知情報に変化が生じるような構成において、特別結果となる確率が異なる状態が設定されており、当該状態の移行が特定増減枚数とは関係なく生じるものとなる。このようにすることで、特定増減枚数を調節するといった遊技だけでなく、特定増減枚数とは関係のない所定の移行条件を成立させるといった遊技を並行して行わせることが可能となり、遊技の重厚化が図られる。
なお、「前記所定の移行条件は、前記特定増減枚数に関わらず成立する」は、「前記所定の移行条件に前記特定増減枚数が含まれない」や、「前記所定の移行条件の成否に前記特定増減枚数が含まれない」や、「前記所定の移行条件の成否を判定する判定手段を備え、前記判定手段は前記特定増減枚数を加味することなく前記所定の移行条件の成否を判定する」と表現してもよい。
また、上記構成において、「所定の終了条件が成立したことに基づいて、前記特別高確率状態から前記特別低確率状態へ移行させる手段」を備えるようにしたり、更に「前記所定の終了条件は、前記特定増減枚数に関わらず成立する」といった限定を加えてもよく、このような限定を加えることにより、特別高確率状態の希少性が担保されるし、その終了条件についても特定増減枚数が関与しないことが明確化される。
特徴A9.前記第1特定数として第1特別数(200)と当該第1特別数とは異なる第3特別数(500)とが設定されており、
前記第2特定数として第2特別数(250)と当該第2特別数とは異なる第4特別数(550)とが設定されており、
前記特定条件は、前記特定増減枚数が前記第1特別数から前記第2特別数の間で成立するとともに、前記特定増減枚数が前記第3特別数から前記第4特別数の間で成立するものであり、
前記特定処理実行手段は、前記第1特別数と前記第2特別数との間で前記特定条件が成立している状況では、ゲームの結果が前記特別結果のうちの第1特別結果(スイカ)である場合に、前記報知情報に変化が生じるように前記特定処理を実行し、前記第3特別数と前記第4特別数との間で前記特定条件が成立している状況では、ゲームの結果が前記特別結果のうちの前記第1特別結果とは異なる第2特別結果(チェリー)である場合に、前記報知情報に変化が生じるように前記特定処理を実行することを特徴とする特徴A7又は特徴A8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が第1特定数から第2特定数との間となる状況で特定条件が成立する構成において、その第1特定数と第2特定数との間となる状況が複数種類設定されており、その種類に応じて、当該状況中に報知情報に変化を生じさせる対象となるゲームの結果が異なるようになる。このようにすることで、遊技の多様化が図られるし、その特定条件が成立する状況が有利状態の序盤に生じるのかそれとも終盤に生じるのか、といった観点からも遊技性の向上が図られる。
特徴A10.ゲームの結果が前記第1特別結果となる確率が相対的に高低となるように第1特別高確率状態(スイカナビモード)と第1特別低確率状態とが設定されており、
所定の第1移行条件が成立したことに基づいて前記第1特別低確率状態から前記第1特別高確率状態へ移行させる第1特別移行手段(主制御装置101によるスイカナビフラグをセットする処理を実行する機能)と、
ゲームの結果が前記第2特別結果となる確率が相対的に高低となるように第2特別高確率状態(チェリーナビモード)と第2特別低確率状態とが設定されており、
所定の第2移行条件が成立したことに基づいて前記第2特別低確率状態から前記第2特別高確率状態へ移行させる第2特別移行手段(主制御装置101によるチェリーナビフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の第1移行条件及び前記所定の第2移行条件は、前記特定増減枚数に関わらず成立することを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が第1特別数から第2特別数の間のゲームの結果が第1特別結果となったり、第3特別数から第4特別数の間のゲームの結果が第2特別結果となる場合に報知情報に変化が生じるような構成において、第1特別結果や第2特別結果となる確率が異なる状態が設定されており、これらの状態の移行が特定増減枚数とは関係なく生じるものとなる。このようにすることで、特定増減枚数を調節するといった遊技だけでなく、特定増減枚数とは関係のない所定の第1移行条件や所定の第2移行条件を成立させるといった遊技を並行して行わせることが可能となり、遊技の重厚化が図られる。
なお、「前記所定の第1移行条件及び前記所定の第2移行条件は、前記特定増減枚数に関わらず成立する」は、「前記所定の第1移行条件及び前記所定の第2移行条件に前記特定増減枚数が含まれない」や、「前記所定の第1移行条件及び前記所定の第2移行条件の成否に前記特定増減枚数が含まれない」や、「前記所定の第1移行条件及び前記第2移行条件の成否を判定する判定手段を備え、前記判定手段は前記特定増減枚数を加味することなく前記所定の移行条件の成否を判定する」と表現してもよい。
また、上記構成において、「所定の第1終了条件が成立したことに基づいて、前記第1特別高確率状態から前記第1特別低確率状態へ移行させる手段」や「所定の第2終了条件が成立したことに基づいて、前記第2特別高確率状態から前記第2特別低確率状態へ移行させる手段」を備えるようにしたり、更に「前記所定の第1終了条件及び前記所定の第2終了条件は、前記特定増減枚数に関わらず成立する」といった限定を加えてもよく、このような限定を加えることにより、各特別高確率状態の希少性が担保されるし、その終了条件についても特定増減枚数が関与しないことが明確化される。
特徴A11.前記第1特別高確率状態と前記第2特別高確率状態とは、重複し得る構成であることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果となり易い第1特別高確率状態と、第2特別結果となり易い第2特別高確率状態とが重複し得るものとなり、当該重複している状態では、いずれの特別結果にもなり易い状態となる。但し、第1特別結果となっても第1特別数と第2特別数との範囲では報知情報が変化するものの第3特別数と第4特別数との範囲では変化しないし、第2特別結果についても同じ関係であることから、両特別結果に当選し易くなっても、結局は、特定増減枚数が所定の範囲であることが特定条件の成立には優先されることになる。このようにすることで、第1特別高確率状態や第2特別高確率状態への移行が、特定増減枚数とは独立していることをより明確化される。
特徴A12.前記第1特別数よりも前記第2特別数のほうが大きく、前記第2特別数よりも前記第3特別数の方が大きく、前記第3特別数よりも前記第4特別数のほうが大きいことを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別数から第2特別数の範囲で特定条件が成立し、第3特別数から第4特別数の範囲で特定条件が成立する構成において、両範囲に重複が生じないようになる。このように、特定条件の成否に関しては両範囲が重複しないようにすれば、出玉率があまりにも高くなり過ぎることを抑制することができるし、同じ出玉率とするならば別々の範囲としたほうが場合、有利状態においてより多くのゲームにて特定条件が成立することの遊技を楽しませることができる。
特徴A13.遊技媒体の増加態様又は増加率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定数及び前記第2特定数のいずれかが、前記設定手段により設定される前記設定値によって異なることを特徴とする特徴A3乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立する第1特定数と第2特定数との間となる状況が複数種類設定されている構成において、その範囲が設定値によって異なるようになる。例えば、特定条件が成立することにより有利となるような構成であれば、設定値が高くなるほど特定条件が成立する範囲が広くなるようにすれば、特定条件(特定処理)を設定値に対応付けることも可能である。また、このような範囲の相違を用いて、設定値の予測を行う遊技を行わせることも可能となり、遊技の興趣向上に役立てることができる。
なお、上記構成を特徴A9に適用するならば、「前記第1特別数、前記第2特別数、前記第3特別数及び前記第4特別数のいずれかが、前記設定手段により設定される前記設定値によって異なる」と表現するとよい。
特徴A14.前記第1特定数よりも前記第2特定数の方が、前記設定手段により設定される前記設定値によって異なり易い、又は前記設定値による差が大きいことを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中における増加枚数に相当する特定増減枚数が多くなるほど特定条件の成否に関与する特定数が設定値によって異なり易くなったり、その異なる場合の設定差が大きくなる。このようにすることで、有利状態における序盤では設定値による差はないものの以降は設定値による差が生じ易くなる、といったように、遊技媒体の増加率等に設定差を設けながらも、ある程度の遊技媒体の増加は設定値に関わらず見込めるようにすることも可能である。また、設定値の予測を行う遊技においては、特定増減枚数が多くなるほど、予測が行い易くなる、といったように、特定条件の成否を利用して遊技媒体の増加に付加価値を設けることが可能となる。
なお、上記構成を特徴A9に適用するのであれば、「前記第1特別数、前記第2特別数、前記第3特別数及び前記第4特別数のうちの多い数に対応するものの方が少ない数に対応するものよりも、前記設定手段により設定される前記設定値によって異なり易い、又は前記設定値による差が大きい」と表現するとよい。
特徴A15.前記第1特定数及び前記第2特定数のいずれかが異なる複数の遊技状態が設定されており、
所定契機に基づいて、前記複数の遊技状態のうちの一の遊技状態を設定することが可能な手段(主制御装置101による有利区間開始時のモード設定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定数や第2特定数の相違によって特定条件が成立する範囲が異なる遊技状態が複数設定されており、所定契機に基づいてその遊技状態うちの一の遊技状態に設定されることから、いずれの遊技状態に設定されるかによって、特定条件が成立することとなる特定増減枚数が異なることとなり、特定増減枚数に対して遊技媒体の増加だけでなく興味を持たせることが可能となるし、いずれの遊技状態に設定されるかについても注目させることも可能である。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記構成を特徴A9に適用するのであれば、「前記第1特別数、前記第2特別数、前記第3特別数及び前記第4特別数のいずれかが異なる複数の遊技状態が設定されており、」と表現するとよい。
特徴A16.前記特定処理実行手段は、前記特定条件が成立している状況において、ゲームの結果が特別結果(スイカ、チェリー)である場合、前記報知情報に変化が生じるように前記特定処理を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別対応結果(特定リプレイ1,2)である場合であって、前記停止操作手段が対応操作態様にて操作された場合に、当該ゲームの結果が前記特別結果となり、前記抽選手段による抽選結果が前記特別対応結果である場合であっても、前記停止操作手段が前記対応操作態様とは異なる非対応操作態様にて操作された場合には、当該ゲームの結果は前記特別結果とならない構成であることを特徴とする特徴A3乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様が対応操作態様か非対応操作態様かによって特別対応結果当選時のゲームの結果が特別結果となるか否かが異なる。このようにすることで、抽選手段による抽選確率を変化させなくても特別結果の出現率を変化させることが可能となり、比較的簡素な構成にて、特定条件が成立している状況で特別結果を出現させたりすることが可能となる。
特徴A17.前記払出手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1操作結果の入賞が成立した場合には第1数(3枚)の遊技媒体の払出を行い、前記第2操作結果の入賞が成立した場合には前記第1数よりも多い第2数(9枚)の遊技媒体の払出を行う構成であり、
前記特定処理実行手段は、前記特定条件が成立している状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記態様報知手段による前記態様報知を、前記第1の操作態様に対応する態様報知とする、又は前記第1操作結果及び前記第2操作結果のいずれの入賞にも対応しない操作態様に対応する特定態様報知が行われるように、前記特定処理を実行することが可能な特定態様報知手段(表示制御装置81によるベル報知調整用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定数から第2特定数の間で特定条件が成立するような構成において、特定結果当選時の態様報知が払出手段による払出数がなるべく多くならないような特定態様報知が行われるようになる。このようにすることで、特定増減枚数が第1特定数から第2特定数の間で留まり易くなり、特定条件が成立している期間を長くすることが可能となる。
なお、「特定態様報知手段」は、「前記特定処理実行手段は、前記特定条件が成立している状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記態様報知手段による前記態様報知を、前記第2の操作態様とは異なる特定態様報知が行われるように、前記特定処理を実行することが可能な特定態様報知手段(表示制御装置81によるベル報知調整用処理を実行する機能)」と表現してもよい。
特徴A18.前記特定態様報知手段は、前記特定増減枚数が前記第2特定数に近いほど前記特定態様報知が行われ易くなるように、前記特定処理を実行することが可能であることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が第2特定数に近くなるほど払出手段による払出数が多くならないようにする特定態様報知が行われ易くなる。このようにすることで、特定増減枚数がなるべく多い状態で第1特定数から第2特定数の間で留まり易くするなる。
特徴A19.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記態様報知手段による前記態様報知が行われる場合、前記所定の報知手段とは異なる報知手段(指示モニタ68)にて前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様を含む態様報知を実行することが可能な第2態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能)と、
少なくとも前記抽選手段と前記第2態様報知手段とを有する第1制御装置(主制御装置101)と、
前記態様報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備え、
前記特定処理実行手段により前記特定処理が実行されることにより前記態様報知手段により報知される前記態様報知の内容が変化することとなる場合であっても、前記第2態様報知手段により報知される前記態様報知の内容は変化しないことを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の利益に直結する抽選手段を有する第1制御装置と、態様報知手段を有する第2制御装置と、を備える構成において、特定条件成立に基づいて特定処理が行われて報知情報に変化が生じ、それに基づいて態様報知手段による態様報知の内容が変化するようになったとしても、第1制御装置側の第2態様報知手段による態様報知の内容は変化しない。このようにすることで、態様情報の変化を演出上の変化として捉えることも可能であり、特定処理の自由度を大幅に向上しつつ遊技者の利益を確保することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定数と等しい場合、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101によるMY高確率用第2処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知の指示する操作態様に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。そして、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中にのみ移行可能な設定とすることで、態様報知によるメリットを享受できるようになるまでに複数の段階を踏ませるような構成となり、態様報知による遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、有利状態中の所定の開始条件が成立してからの、遊技媒体の払出数と賭数との差分である特定増減枚数を把握する手段を備え、その特定増減枚数が予め定められた特定数と等しくなると、遊技者に特典が付与される場合がある。そのため、単に有利状態において多くの遊技媒体の払出を生じさせるだけの遊技に、特定増減枚数を特定数ピッタリとなるように調節する、といった新たな遊技が追加され、遊技の興趣向上が図られる。
なお、「前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定数と等しい場合、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段」について、「一のゲームの終了に際して、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定数と等しい場合、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段」と表現してもよい。
特徴B2.前記特典付与手段は、所定のゲームで前記払出手段により遊技媒体の払出が生じたことにより、当該所定のゲームでの前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が前記特定数と等しくなった場合に、前記特典を付与することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数ピッタリになるといっても、遊技媒体の払出が生じることで特定数ピッタリとなる、という条件が追加される。つまり、例えば、ゲームの結果が外れであり、遊技媒体の払出が生じないで賭数設定手段により設定された賭数の分だけ特定増減枚数が減ることにより特定数ピッタリとなった場合や、ゲームの開始前に賭数設定手段により賭数が設定されることにより特定数ピッタリとなる場合は、特典が付与されない。このようにすることで、ゲームの結果として遊技媒体の払出を受けるといったスロットマシンの遊技の前提の範囲内で上記特徴B1の新たな遊技を楽しませることが可能となる。
特徴B3.前記特定増減枚数が前記特定数以上となったことの特定情報を記憶する特定情報記憶手段(主制御装置101による各種特定数フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記特定情報が記憶されていない状況で前記特定増減枚数が前記特定数と等しくなった場合に、前記特典を付与することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数以上となると特定情報が記憶されることから、一旦、特定数以上となってから特定増減枚数が減少して特定数未満となり、その後、特定数ピッタリとなった場合には特典が付与されないようになる。このようにすることで、特定増減枚数を特定数ピッタリとすることの難易度が高くなり、特定数ピッタリとする遊技の面白みが増加される。
特徴B4.前記有利状態において前記特定状態が終了した後、所定ゲーム数に亘って当該有利状態が継続し得る構成であり、
前記特定状態が終了した場合に、前記特定情報記憶手段により記憶されている前記特定情報を消去する一方、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数は消去しない手段(主制御装置101による図97のゲーム数管理処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知によって遊技媒体の増加が見込める特定状態が終了すると、特定増減枚数は引き継がれるものの、特定情報は消去される。つまり、特定状態において特定増減枚数が特定数を超過した場合であっても、当該特定状態が終了して特定増減枚数が減ることにより特定数よりも少なくなった場合には、再度、特定増減枚数を特定数ピッタリとすることにチャレンジすることが可能となる。このようにすることで、有利状態中の特定状態と特定状態との間で特定増減枚数が減ることによる遊技者の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
特徴B5.前記特定増減枚数把握手段は、前記賭数設定手段により予め定められた特定賭数(3枚)が設定されたゲームの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分を前記特定増減枚数として把握することを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数設定手段により特定賭数が設定されたゲームでの差分が特定増減枚数として把握されるようになるため、例えば、賭数を調節することにより特定数ピッタリとなっても、特典は付与されない。このようにすれば、例えば、メインとなる賭数(特定賭数)の遊技では払出結果に当選し易いものの、他の賭数では当選しにくいといった構成において、賭数の変更を通じてメインとなる賭数の遊技において不利益が生じてしまうことを抑制することができるし、それを見越して他の賭数での当選確率を向上させるといった構成も不要となる。また、賭数を調節することにより行われる所定の不正行為が行われることを想定すると、上記のようにすることで、当該所定の不正行為を好適に特定することも可能となる。
なお、上記構成は、「遊技状態に応じて前記賭数設定手段に設定される賭数として特定賭数(通常遊技状態では3枚、ボーナス状態では2枚)が設定されており、前記特定増減枚数把握手段は、前記賭数設定手段により前記特定賭数が設定されたゲームの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分を前記特定増減枚数として把握する」と表現することで、遊技状態等に応じてメインとなる賭数が変更される遊技機に対して、好適に適用させることが可能となる。
特徴B6.前記払出手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1操作結果の入賞が成立した場合には第1数(3枚)の遊技媒体の払出を行い、前記第2操作結果の入賞が成立した場合には前記第1数よりも多い第2数(9枚)の遊技媒体の払出を行うことを特徴とするB1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知により多くの遊技媒体の払出を受けることが可能となる、といった遊技性において、その態様報知に従って特定増減枚数を増加させたほうがよい場面と、特定数との関係で態様報知に従わない方がよい場面とが生じるようになり、当該態様報知を利用した遊技の新たな遊技性を創出することが可能となる。
特徴B7.前記特定増減枚数が前記特定数よりも少ない特別数となった場合に、当該特別数となったことに対応する特別報知(調整用報知)を所定の報知手段にて実行可能な特別報知実行手段(表示制御装置81によるSMYコマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数に至るよりも前の状況であることを、特定数よりも少ない特別数の段階で、遊技者は把握可能となる。このようにすることで、特定数に近くない状況では特定増減枚数を主に増加させることを目的とする遊技を行わせ、特定数に近くなったら特定数ピッタリになるようにすることを目的とする遊技を行わせるといったように、それぞれ別々の遊技を好適に行わせることが可能となる。
特徴B8.前記特別報知実行手段は、前記特別報知として前記特定数と前記特別数との差が、所定の遊技結果となった場合の前記払出手段による払出数と前記賭数設定手段による賭数との差に相当するものであることの報知を行うことが可能であることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数に近い特別数となった場合に、遊技者は、所定の遊技結果となれば特定数ピッタリとなることを特別報知から把握することが可能となる。これにより、どの遊技結果となれば特定数ピッタリとなるかを、特定増減枚数の計算を行わなくても特別報知により直感的に理解することが可能となる。よって、特定数となるように調節する遊技をより好適に行わせることが可能となる。
なお、「所定の遊技結果」とは、「前記抽選手段による抽選結果が所定の結果」や、「前記抽選手段による抽選結果が所定数の払出が行われるようになる状態への移行に対応する所定の結果」と言い換えることも可能である。
特徴B9.前記抽選手段による抽選結果として、入賞した場合に前記払出手段により遊技媒体の払出が行われることになる払出結果が設定されており、
前記特別報知実行手段は、前記特定数と前記特別数との差が、前記払出結果のうち、入賞した場合に前記払出手段により払い出される遊技媒体の数が最も多い特定払出結果の当該払出数と前記賭数設定手段による賭数との差よりも大きくなるように設定された前記特別数となった場合に、前記特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、1回の遊技結果で特定数に至るよりも前に特別報知が行われるようになる。これにより、特別報知が行われてから特定数ピッタリになるように調節する余地を残し、当該特定数ピッタリとなるように調節する遊技をより好適に行わせることが可能となる。
特徴B10.前記特別報知実行手段は、前記特別報知として、前記特定増減枚数が前記特定数と等しくなるための遊技結果の組合せを前記特別報知として実行することが可能であることを特徴とする特徴B7乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、どのような遊技結果の組合せであれば特定数ピッタリとなるかを、特別報知により直感的に理解可能となる。これにより、特定数ピッタリとさせる遊技をより行い易くなる。
特徴B11.前記特定数と前記特別数との差に応じて、前記特定増減枚数が前記特定数と等しくなるための遊技結果の組合せを予め所定の記憶領域に記憶する記憶手段(ROM182の各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている結果組合せテーブル)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記特定数と前記特別数との差と、前記記憶手段に記憶されている前記遊技結果の組合せと、に基づいて、前記特別報知を実行可能であることを特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知を行う際に、特定数と特別数との差に対応する遊技結果の組合せを、払出数や賭数とから算出する必要が生じず、処理負荷の低減が図られる。
特徴B12.前記特定数として、第1特定数と当該第1特定数とは異なる第2特定数とが設定されており、
前記特典付与手段は、前記特定増減枚数が前記第1特定数と等しくなった場合には前記特典として第1特典を付与し、前記特定増減枚数が前記第2特定数と等しくなった場合には前記特典として前記第1特典とは異なる第2特典を付与することを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数として第1特定数と第2特定数とが設定されており、特定増減枚数が第1特定数ピッタリとなれば第1特典が付与され、第2特定数ピッタリとなれば第2特典が付与される。このように、目指す特定数によって付与される特典が異なるようにすれば、ピッタリとする難易度等に応じて特典を付与することが可能となり、特定増減枚数と特定数とを利用した上記遊技性の興趣を好適に高めることが可能となる。
特徴B13.前記特定数が異なる複数の遊技状態が設定されており、
所定契機に基づいて、前記複数の遊技状態の一の遊技状態に設定することが可能な手段(主制御装置101による有利区間開始時のモード設定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数が異なる複数の遊技状態があることを前提として、所定契機に基づいてその遊技状態うちの一の遊技状態に設定されることから、いずれの遊技状態に設定されるかによって、どの特定数に特定増減枚数を調節すればよいかが異なることとなり、いずれの遊技状態に設定されるかについて大いに注目させることが可能である。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴B14.遊技媒体の増加態様又は増加率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定数が、前記設定手段により設定される前記設定値によって異なることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数ピッタリとなると特典が付与される構成において、その特定数が設定値によって異なるようになる。例えば、設定値が高いほど小さい特定数となり易いような構成であれば、設定値が高いほど、比較的早期に特典が付与されるようになる。また、いずれの特定数にて特典が付与されるかによって、設定値を予測させることも可能となり、遊技の重厚化を通じて興趣向上が図られる。
特徴B15.前記特定増減枚数が前記特定数と等しくなった場合の、ゲームの結果を把握可能な結果把握手段(主制御装置101によるステップS3909やステップS3916の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記結果把握手段により把握される結果に応じて異なる特典を付与することが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定増減枚数を特定数ピッタリとさせればよいだけでなく、当該特定数ピッタリとなった場合のゲームの結果が付与される特典に関与することとなるので、例えば、同じ増加枚数でも、なかなか当選しない結果で特定数ピッタリとなる方が、当選し易い結果で特定数ピッタリとなるよりも有利な特典が付与されるようにする等すると、特定数ピッタリとさせる際の面白みが向上するし、特定数までの残りがなかなか当選しない結果に対応する増加枚数である場合であっても、遊技者の遊技意欲を掻き立てることが可能となる。
特徴B16.前記抽選手段による抽選結果として、入賞した場合に前記払出手段により遊技媒体の払出が行われることになる払出結果が設定されており、
前記払出結果として、入賞した場合に前記払出手段により払い出される遊技媒体の数と前記賭数設定手段により設定される賭数との差が、奇数となる奇数払出結果(例えば強チェリーや弱チェリー)が設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば奇数として設定されている特定数との兼ね合いで、奇数払出結果の入賞を含まないと特定数ピッタリとならない場合も生じ、特定数ピッタリとさせる遊技を好適に行わせることができる。
特徴B17.前記特定状態の上乗せ処理を実行可能な上乗せ手段(主制御装置101による上乗せ用の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記特典として前記特定状態の上乗せ処理を行うことを特徴とする特徴B1乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数を特定数ピッタリとさせると、特典として特定状態の上乗せ処理が行われる。特定数ピッタリとさせるためには、特定状態において、例えば、あえて取りこぼしを生じさせたり、少ない枚数の払出となるようにしたりする場合があり、上記構成のように特定状態の上乗せ処理を行う構成とすれば、その見返りとて十分な利益を付与することができ、遊技性を好適に向上させることが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数と、ゲームの遊技結果と、を利用して成立する特定条件に基づいて、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による上乗せ用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定の開始条件が成立してからの遊技媒体の払出数と賭数との差分である特定増減枚数が把握され、その特定増減枚数と、各ゲームの遊技結果とを利用して、遊技者にとって有利な特典が付与される場合がある。このようにすることで、始動操作手段を操作してゲームを開始するとともに、当該ゲームの抽選が行われ、停止操作手段を操作することで当該ゲームの抽選結果に対応する絵柄を停止させて入賞を成立させ、その遊技媒体の払出を受ける、といった所謂スロットマシンの遊技性を前提としながら、単に遊技媒体が増加すればよいだけではなく、且つ単にゲームの遊技結果が有利なものとなればよいだけではない、といった遊技性を実現することができる。より詳しくは、上記構成によれば、例えば、特典付与との関係で、遊技媒体が増加しない方が好ましい状況も生じるし、一のゲームの遊技結果自体は遊技者にとって好ましくないものの方が特典付与との関係で好ましくなるような状況も生じ、従来にはない斬新な遊技性を実現することが可能となる。よって遊技の興趣向上が図られる。
特徴C2.前記特定条件は、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が第1条件を満たすものであり、且つ、ゲームの遊技結果が第2条件を満たすものであることで成立するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴C1の具体的構成である。つまり、特定増減枚数が第1条件を満たすものであっても、ゲームの遊技結果が第2条件を満たすものではない場合には特定条件は成立しないし、ゲームの遊技結果が第2条件を満たすものであっても、特定増減枚数が第1条件を満たすものではない場合には、特定条件は成立しない。
特徴C3.前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定数を超過したことを特定可能な超過特定手段(主制御装置101によるMY高確率用第2処理を実行する機能)を備え、
前記第1条件は、前記超過特定手段による特定結果に基づいて成立するものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件は特定増減枚数が特定数を超過する場合に成立する。この場合、単に、特定増減枚数が特定数を超過させればよいだけでなく、第2条件側のゲームの遊技結果によって、特典付与の有無が異なることとなる。このようにすることで、特定増減枚数を増加させて多くの遊技媒体の獲得を目指す、といった従来の遊技性とは全く異なる遊技性を実現することができ、興趣向上が図られる。
特徴C4.前記第2条件は、ゲームの遊技結果として、前記払出手段により、前記賭数設定手段にて設定された賭数以上の遊技媒体の払出が生じたことで成立するものであり、
前記特典付与手段は、前記超過特定手段により前記特定増減枚数が前記特定数を超過したことが特定された場合、ゲームの遊技結果が第1遊技結果である場合は、前記特典として第1特典を付与し、ゲームの遊技結果が前記第1遊技結果とは異なる第2遊技結果である場合は、前記特典として前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典を付与することが可能であることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数を超過した時点での結果が第1遊技結果よりも第2遊技結果であるほうが遊技者にとって有利な特典が付与されるため、特典付与手段により特典を得る遊技においては第2遊技結果の方が好ましくなる。そのため、各ゲームの結果として第1遊技結果と第2遊技結果とがある遊技性において、例えば、各ゲームで入賞時に払い出される遊技媒体数等からすると第1遊技結果の方が第2遊技結果よりも好ましかったりしても、特定数を超過する際には、第1遊技結果よりも第2遊技結果の方が好ましい、といった逆転現象を生じさせることができるし、各ゲームで入賞時に払い出される遊技媒体数等は第1遊技結果と第2遊技結果とが同等でも、特定数を超過する際には第1遊技結果と第2遊技結果とで有利度に差を生じさせることができるし、更に、各ゲームで入賞時に払い出される遊技媒体数等も第1遊技結果よりも第2遊技結果の方が好ましかったりすると、特定数を超過する際にはその差をより顕著なものとすることができる。よって、特定数との関係を利用して、斬新な遊技性を創出することが可能となる。
特徴C5.前記第1遊技結果は、前記払出手段により第1数(9枚)の遊技媒体の払出が生じる結果であり、
前記第2遊技結果は、前記払出手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技媒体の払出が生じる結果であることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
第1遊技結果と第2遊技結果とを比較すると、第1遊技結果の方が第2遊技結果よりも遊技媒体の払出数が多いため、単に遊技媒体の増加を目指す遊技においては、第1遊技結果の方が好ましい。その一方で、上記構成においては、特定数を超過した時点での結果が第2遊技結果であるほうが遊技者にとって有利な特典が付与されるため、特典付与手段により特典を得る遊技においては第2遊技結果の方が好ましくなる。しかも、第2遊技結果が好ましいのは特定数を超過するタイミングであるといった限定的なものであることから、遊技媒体の増加を目指し、より多くの払出を受けることが好ましい遊技性を前提としながらも、特定数を超過するタイミングにおいては少ない払出数の方がよい、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
なお、上記構成の具体的構成は以下の通りである。
「前記抽選手段による抽選結果として、入賞した場合に前記払出手段により第1枚数(9枚)の遊技媒体の払出が行われる第1結果(ベル)と、入賞した場合に前記払出手段により前記第1枚数よりも少ない第2枚数(5枚)の遊技媒体の払出が行われる第2結果(強スイカ)と、が設定されており、
前記特典付与手段は、前記超過特定手段により前記特定増減枚数が前記特定数を超過したことが特定された場合、ゲームの遊技結果が前記第1結果の入賞である場合を前記第1遊技結果として前記第1特典を付与し、ゲームの遊技結果が前記第2結果の入賞である場合を前記第2遊技結果として前記第2特典を付与することが可能であることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機」。
特徴C6.前記第1遊技結果は、前記抽選手段による抽選結果が第1結果である場合に生じる結果であり、
前記第2遊技結果は、前記抽選手段による抽選結果が第2結果である場合に生じる結果であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる確率よりも前記第2結果となる確率の方が低いことを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率が低く、所謂レア役にて特定数を超過すると有利な特典が付与されることになる。このようにすることで、当選確率と付与される特典とのバランスをとることができる。
特徴C7.ゲームの遊技結果が前記第2遊技結果であっても、当該第2遊技結果が、前記特定数を超過するものではない場合には、前記第2特典は付与されないことを特徴とする特徴C4乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技結果は特定数を超過する際に生じるからこそ意義が生じるものであることが明確化される。そのため、例えば特徴C5のように、第2遊技結果が払出数の少ない結果である場合においては、特定増減枚数を増加させることを目指す遊技性において、第2遊技結果が普段は好ましくない事象であることがより理解可能なものとなる。
特徴C8.前記抽選手段による抽選結果として、入賞した場合に前記払出手段により遊技媒体の払出が行われる払出結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果であっても、当該払出結果の入賞が成立しなければ、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われず、前記第2条件が成立しないことを特徴とする特徴C3乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの遊技結果として、抽選手段による抽選結果が払出結果となるだけでは足りず、入賞が成立して払出が生じることが必要となる。つまり、特定数に近い状況で、払出結果当選となっても、入賞が成立しなければ特定数を超過することにはならないため、特典は付与されない。このようにすることで、始動操作手段を操作してゲームを開始するとともにそのゲームの抽選が抽選手段によりが行われ、停止操作手段を操作してそのゲームの抽選結果に応じた絵柄を停止させて入賞を狙う、といった所謂スロットマシンの醍醐味を抹殺することなく、特定増減枚数との関係で特典を付与する構成とすることができる。
特に、超過した場合のゲームの遊技結果に応じて特典が付与される構成であることから、ゲームの抽選結果が遊技者の望むものではない場合には、停止操作手段の操作態様を工夫して入賞を回避することで、そのゲームでは特定数を超過することを回避することが可能となり、遊技者が特定数を超過するゲームを選択可能となり、遊技への参加を通じて興趣向上を図ることができる。
なお、「前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果であっても、当該払出結果の入賞が成立しな」い場合がある構成の具体的構成としては、「前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果である場合、前記停止操作手段が第1停止操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に当該払出結果に対応する絵柄組合せを停止させるように各前記周回体を停止させ、前記停止操作手段が前記第1停止操作態様とは異なる第2停止操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に当該払出結果に対応する絵柄組合せを停止させないように各前記周回体を停止させる」構成や、「前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果である場合、前記有効位置に当該払出結果に対応する絵柄組合せを停止可能なタイミングで前記停止操作手段が操作された場合には、前記有効位置に当該払出結果に対応する絵柄組合せを停止させるように各前記周回体を停止させ、前記有効位置に当該払出結果に対応する絵柄組合せを停止不可能なタイミングで前記停止操作手段が操作された場合には、前記有効位置に当該払出結果に対応する絵柄組合せを停止させないように各前記周回体を停止させる」構成が考えられる。
特徴C9.前記特定数として、第1特定数と当該第1特定数とは異なる第2特定数とが設定されており、
前記特典付与手段は、前記特定増減枚数が前記第1特定数であるとして前記第1条件が成立した場合と、前記特定増減枚数が前記第2特定数であるとして前記第1条件が成立した場合とで、ゲームの遊技結果が同じ結果で前記第2条件が成立しても異なる特典を付与することが可能であることを特徴とする特徴C3乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数として第1特定数と第2特定数とが設定されており、特定増減枚数が第1特定数である場合と、第2特定数である場合とで、ゲームの遊技結果が同じでも異なる特典が付与され得る。このように、目指す特定数によって付与される特典が異なるようにすれば、その特定数となることや、特徴C2のように超過することの難易度等に応じて特典を付与することが可能となり、特定増減枚数と特定数とを利用した上記遊技性の興趣を好適に高めることが可能となる。
特徴C10.前記特典付与手段は、前記特定増減枚数が前記特定数を超過して前記第1条件が成立した場合、当該特定数を超過した特定増減枚数と前記特定数との差分が小さいほど有利な特典を付与する、又は特典を付与し易いことを特徴とする特徴C3乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数を超過した時点での特定数と特定増減枚数との差が小さいほど有利な特典が付与されたり、特典が付与され易くなったりする。つまり、ゲームの遊技結果として払出数が少ない結果で特定数を超過したほうが、払出数が多い結果で超過した場合よりも超過時の差分が小さくなり易く、その払出数が少ない結果の方が好ましい構成となる。これにより、遊技媒体の増加を目指し、より多くの払出を受けることが好ましい遊技性を前提としながらも、特定数を超過するタイミングにおいては少ない払出数の方がよい、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
特徴C11.前記抽選手段による抽選結果として、入賞した場合に前記払出手段により所定数の遊技媒体の払出が行われる所定の払出結果が設定されており、
前記所定の払出結果の入賞が成立することで前記特定増減枚数が前記特定数を超過して前記第1条件が成立した場合、前記特典付与手段は、、当該特定数を超過した特定増減枚数と前記特定数との差分が小さいほど有利な特典を付与する、又は特典を付与し易いことを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの遊技結果が同じ結果であっても、特定数を超過した時点での特定数と特定増減枚数との差分が小さい方が有利となる。このようにすることで、特定数を超過することとなるゲーム単体ではなく、超過する前段階のゲームの要素も、特典に関与することとなり、遊技の重厚化が図られる。
特徴C12.前記第1条件は、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた第1特定数から当該第1特定数よりも多い第2特定数の間で成立するものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立する特定増減枚数に第1特定数から第2特定数といった幅が生じるため、第1条件の成立難易度が緩和される。このようにすることで、特定増減枚数とゲームの抽選結果とを利用して特定条件を成立させる遊技の難易度も低下し、当該遊技を楽しむうえのハードルを下げ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴C13.前記抽選手段による抽選結果が前記第2条件を満たすものとなり易くなる特定状態(スイカナビモード、チェリーナビモード)が設定されており、
所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記特定状態へ移行させ、所定の終了条件が成立したことに基づいて、当該特定状態を終了させる特定移行手段(主制御装置101によるナビモード用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2条件が成立し易くなる特定状態か否かにより、特定条件の成立し易さも変化することとなり、このような構成を簡素な構成にて遊技媒体の増減枚数とゲームの抽選結果とを利用した特定条件の成立し易さを変化させるようにすれば、遊技の興趣向上をシンプルな構成にて実現することができる。
特徴C14.前記所定の移行条件は、前記抽選手段による抽選結果を利用して成立するものであることを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果としての第2条件が成立し易くなる特定状態への移行は、抽選手段による抽選結果を利用して生じるものとなる。このように、抽選手段による抽選結果により変化する情報を第2条件に集約することで、第1条件と第2条件とを利用して成立する特定条件を、よりわかり易いものとすることができる。よって、遊技の簡素化を通じて遊技への参加を促すことが可能となる。
特徴C15.前記第2条件は、前記抽選手段による抽選結果が、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数に変化が生じない特定結果(チェリーリプレイ、スイカリプレイ)となることで成立することを特徴とする特徴C12乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2条件を成立させるために特定増減枚数に変化が生じて第1条件の成否に影響が及ぶ、といった遊技の複雑さを招くことがないため、複数の条件により特定条件を成立させる遊技を、より遊技をシンプルなものとすることが可能となる。
特徴C16.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた上限枚数を超過した場合、前記有利状態を終了させる上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が前記上限枚数よりも少ない枚数であって予め定められた特定数を超過したことを特定可能な超過特定手段(主制御装置101によるMY高確率用第2処理を実行する機能)と、
前記超過特定手段により前記特定増減枚数が前記特定数を超過したことが特定された場合、ゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による上乗せ用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知の指示する操作態様に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。そして、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中にのみ移行可能な設定とすることで、態様報知によるメリットを享受できるようになるまでに複数の段階を踏ませるような構成となり、態様報知による遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、有利状態中の所定の開始条件が成立してからの、遊技媒体の払出数と賭数との差分である特定増減枚数を把握する手段を備え、その特定増減枚数が上限枚数を超過すると有利状態を終了させるようにしていることから、それに基づいて特定状態も終了することとなり、遊技媒体の増加が設計値を凌駕してしまう事象を好適に回避することが可能となっている。
ここで、上記のように上限枚数が定められている構成においては、単に上限枚数に達するまで有利状態や特定状態を継続させることが目的となってしまう、といったように遊技の単調化が懸念される。その点、上記構成では、上限枚数よりも少ない枚数として定められた特定数を超過すると、その超過した時点でのゲームの結果に応じて遊技者に特典が付与される場合があるようにしているため、上限枚数に達するまでの過程がより重視されるようになり、遊技の単調化が回避される。よって、遊技の興趣向上が図られる。
特徴C17.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定数を超過したことを特定可能な超過特定手段(主制御装置101によるMY高確率用第2処理を実行する機能)と、
前記超過特定手段により前記特定増減枚数が前記特定数を超過したことが特定された場合、その超過した場合の前記特定増減枚数と前記特定数との差分に応じて遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による上乗せ用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知の指示する操作態様に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。そして、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中にのみ移行可能な設定とすることで、態様報知によるメリットを享受できるようになるまでに複数の段階を踏ませるような構成となり、態様報知による遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、有利状態中の所定の開始条件が成立してからの、遊技媒体の払出数と賭数との差分である特定増減枚数を把握する手段を備え、その特定増減枚数が特定数を超過すると、その超過した時点での特定増減枚数と特定数との差分に応じて特典が付与される。このようにすることで、単に有利状態中の遊技媒体の増加を目指す遊技に、どのような結果によって特定数を超過するかといった遊技が追加され、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴C16又は特徴C17に対して、特徴C1乃至C15にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において成立し得る特定条件(有利区間増減枚数MYが特定数となることや特定数を超過すること)の成否を判定する特定条件判定手段(主制御装置101によるMY高確率用第2処理を実行する機能)と、
前記特定条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定された場合、遊技者にとって有利な特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による上乗せ用の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定条件は、一の前記特定状態が継続するよりも、前記特定状態と前記特定状態との間に前記態様報知が行われない所定状態が介在する方が成立し易いことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知の指示する操作態様に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。そして、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中にのみ移行可能な設定とすることで、態様報知によるメリットを享受できるようになるまでに複数の段階を踏ませるような構成となり、態様報知による遊技の興趣向上が図られる。
但し、有利状態において態様報知が行われる特定状態が延々と継続すると、出玉率が増大化することにより、例えば、遊技媒体の増加数に上限を設けるような構成においては、早期に上限に達してしまい、遊技を長く楽しませることができない。そこで、有利状態において態様報知が行われる特定状態が、態様報知が行われない所定状態を介しながら連続する構成とすることで、遊技媒体の増加スピードを抑え、遊技を長く楽しませることが可能となる。その一方で、このような所定状態を介することによる遊技媒体の減少を好ましくないと考える遊技者のニーズもあり、遊技者の多様なニーズに応えることが困難となる。
そこで上記構成においては、所定状態が介在する方が介在しないよりも特定条件が成立し易くなるようにし、特定条件成立に基づいて、遊技者に特典を付与する構成としたことで、有利状態中の遊技を長く楽しみたいといった遊技者のニーズを満たしながらも、所定状態が介在することのメリットによって当該所定状態中の遊技媒体の減少による遊技者の遊技意欲の低下を抑えることが可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに応え、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D2.前記所定状態が長く継続するほど、前記特定条件は成立し易くなる構成であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特定状態と特定状態との間の所定状態が長いほど、遊技者の遊技意欲の減衰が懸念されるところ、上記構成のように所定状態が長いほど特定条件が成立し易くなるので、特典が付与され易くなり、上記遊技意欲の減衰を抑制することが可能となる。
特徴D3.前記有利状態における所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)を備え、
前記所定状態は、前記特定状態よりも前記特定増減枚数が減少し易い構成であり、
前記所定状態において前記特定増減枚数が減少するほど、前記特定条件が成立し易くなる構成であることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定状態において遊技媒体が減少するほど特定条件が成立し易くなるので、単に所定状態の有無や長さだけでなく、所定状態における各ゲームの遊技結果によって特定条件の成立し易さが変化することになる。そして、所定状態における各ゲームの遊技結果が遊技者にとって好ましくない(遊技媒体数が減少する)方が、特典が付与され易くなるので、より遊技者の不満を直接的に解消することが可能な構成とすることができる。
特徴D4.一の前記特定状態が継続するよりも、前記特定状態と前記特定状態との間に前記態様報知が行われない所定状態が介在する方が、前記特定条件の成立可能となる特定状況が生じる回数が増加する構成であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定状態が介在することにより、特定条件の成立可能となる状況が生じる回数が増加するため、結果的に、特定条件が成立し易くなる。このようにすることで、所定状態の介在の有無によって、特定条件の成否テーブルを異ならせる等して特定条件の成立確率を変化させるといった複雑な構成を用いなくても、当該所定状態の介在の有無によって特定条件の成立し易さを変化させることが可能となる。
特徴D5.前記特定状態において前記特定状況が生じたことを特定し、当該特定した情報を特定情報として記憶する特定記憶手段(主制御装置101による各種特定数フラグや特定数済フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態において、前記特定情報が記憶されている場合には前記特定条件は成立しない構成であり、
前記特定状態から前記所定状態へ移行する場合に、前記特定情報を消去する手段(主制御装置101による図97のゲーム数管理処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ特定状態中は特定情報が記憶されることで特定条件は再成立しないようになるものの、所定状態を介することで再成立するようになる。このようにすることで、所定状態の介在の有無によって特定条件の成立し易さを比較的簡素な構成にて実現することが可能となる。
特徴D6.前記特定条件は、前記所定状態では成立しないことを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態と特定状態との間に所定状態を介することで特定条件が成立し易くなるような構成において、所定状態では特定条件が成立しないため、所定状態にて特典が付与されるものの特定状態へ再度移行しない、といった事象を生じさせないようにすることができ、所定状態を介在するにせよ特定状態を目指す遊技であることが明確化され、遊技をわかり易くすることが可能となる。
特徴D7.前記有利状態において所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた上限枚数を超過した場合、前記有利状態を終了させる上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態が継続することにより上限終了手段によって終了される可能性が高くなることが明確化され、特定状態と特定状態との間に所定状態を介在させることの意義がより高められる。
特徴D8.前記特定条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定され、前記特典付与手段により前記特典が付与されることにより、当該特典の付与の契機となった前記特定条件は、当該特典が付与されなかった場合よりも成立しにくくなる(ATモードのゲーム数が上乗せされることにより、当該上乗せの契機となった特定数を有利区間増減枚数MYが下回りにくくなる)ことを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立して特典が付与されることにより、特定条件は成立しにくくなるため、特定状態と特定状態との間に所定状態が介在する方が成立し易いといった構成を前提としながらも、特典が付与されることによる遊技者の有利度が高くなり過ぎないようにすることが可能となる。
特徴D9.前記特定状態の上乗せ処理を実行可能な上乗せ手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記特典として前記特定状態の上乗せ処理を行うことを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成は特徴D8の具体的構成である。すなわち、特定状態中に特定条件が成立すると、その特典として特定状態の上乗せ処理が行われるため、特定状態は継続し易くなり、所定状態が介在する余地は低下する。つまり、特定条件が成立することで、特定条件は、その後、成立しにくくなる構成となる。
特徴D10.前記有利状態において所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定条件は前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数に基づいて成立するものであることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の遊技媒体の増減数によって、特定条件を成立させて特典を得る、といった新たな遊技性を創出することができる。そのうえで、特定状態が継続して遊技媒体が増加し続けるよりも、特定状態と特定状態との間に所定状態が介在することで遊技媒体の増加が一旦抑えられたり、遊技媒体が減少したりする方が特典が付与され易くなり、遊技媒体の増加スピードは抑えつつも、そのことによる遊技者の遊技意欲の低下を防ぐことが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果の入賞に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の開始条件が成立してからの、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数(有利区間増減枚数MY)を算出する特定増減枚数算出手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数算出手段により算出された前記特定増減枚数を把握する特定増減枚数把握手段(主制御装置101によるМY更新処理を実行する機能)と、
前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数と、前記抽選手段による抽選結果と、を利用して成立する特定条件に基づいて、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による上乗せ用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定の開始条件が成立してからの遊技媒体の払出数と賭数との差分である特定増減枚数が把握され、その特定増減枚数と、各ゲームで行われる抽選手段による抽選結果とを利用して成立する特定条件に基づいて、遊技者にとって有利な特典が付与される場合がある。このようにすることで、始動操作手段を操作してゲームを開始するとともに、当該ゲームの抽選が行われ、停止操作手段を操作することで当該ゲームの抽選結果に対応する絵柄を停止させて入賞を成立させ、その遊技媒体の払出を受ける、といった所謂スロットマシンの遊技性を前提としながら、単に遊技媒体が増加すればよいだけではなく、且つ単にゲームの抽選結果が有利なものとなればよいだけではない、といった遊技性を実現することができ、スロットマシンの楽しみを向上させることが可能となる。よって遊技の興趣向上が図られる。
特徴E2.前記特定条件は、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が第1条件を満たすものであり、且つ、前記抽選手段による抽選結果が第2条件を満たすものであることで成立するものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴E1の具体的構成である。つまり、特定増減枚数が第1条件を満たすものであっても、ゲームの抽選結果が第2条件を満たすものではない場合には特定条件は成立しないし、ゲームの抽選結果が第2条件を満たすものであっても、特定増減枚数が第1条件を満たすものではない場合には、特定条件は成立しない。
特徴E3.前記第1条件は、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた第1特定数から当該第1特定数よりも多い第2特定数の間で成立するものであることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立する特定増減枚数に第1特定数から第2特定数といった幅が生じるため、第1条件の成立難易度が緩和される。このようにすることで、特定増減枚数とゲームの抽選結果とを利用して特定条件を成立させる遊技の難易度も低下し、当該遊技を楽しむうえのハードルを下げ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E4.前記抽選手段による抽選結果が前記第2条件を満たすものとなり易くなる特定状態(スイカナビモード、チェリーナビモード)が設定されており、
所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記特定状態へ移行させ、所定の終了条件が成立したことに基づいて、当該特定状態を終了させる特定移行手段(主制御装置101によるナビモード用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2条件が成立し易くなる特定状態か否かにより、特定条件の成立し易さも変化することとなり、このような構成を簡素な構成にて遊技媒体の増減枚数とゲームの抽選結果とを利用した特定条件の成立し易さを変化させるようにすれば、遊技の興趣向上をシンプルな構成にて実現することができる。
特徴E5.前記所定の移行条件は、前記抽選手段による抽選結果を利用して成立するものであることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果としての第2条件が成立し易くなる特定状態への移行は、抽選手段による抽選結果を利用して生じるものとなる。このように、抽選手段による抽選結果により変化する情報を第2条件に集約することで、第1条件と第2条件とを利用して成立する特定条件を、よりわかり易いものとすることができる。よって、遊技の簡素化を通じて遊技への参加を促すことが可能となる。
特徴E6.前記第2条件は、前記抽選手段による抽選結果が、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数に変化が生じない特定結果(チェリーリプレイ、スイカリプレイ)となることで成立することを特徴とする特徴E3乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2条件を成立させるために特定増減枚数に変化が生じて第1条件の成否に影響が及ぶ、といった遊技の複雑さを招くことがないため、複数の条件により特定条件を成立させる遊技を、より遊技をシンプルなものとすることが可能となる。
特徴E7.前記第1条件は、前記特定増減枚数把握手段により把握される前記特定増減枚数が予め定められた特定数以上となることで成立し、前記第2条件は、当該特定増減枚数が前記特定数以上となる場合のゲームの結果に基づいて成立することを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数以上となる場合に第1条件が成立し、その特定数以上となる場合のゲームの結果に基づいて第2条件が成立するようになるため、当該特定数以上となる場合のゲームが特定条件の成否に集約されることとなり、当該遊技における肝となる部分へより関心を寄せさせ易くし、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴E8.前記第2条件は、前記特定増減枚数が前記特定数以上となる場合のゲームの結果が、前記特定増減枚数が前記特定数となる結果である場合に成立することを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数が特定数以上となる際のゲームの結果が、特定数ピッタリとなるものであれば第2条件が成立する。このようにすることで、特定増減枚数を特定数ピッタリとなるように、ゲームの抽選結果や入賞の有無を調節する、といった遊技性を実現することが可能となる。
特徴E9.遊技媒体の増加態様又は増加率に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と当該第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記第1条件が異なる一方、前記第2条件は共通していることを特徴とする特徴E2乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定値によって、特定増減枚数に基づいて成立する第1条件が異なる一方、抽選手段による抽選結果に基づいて成立する第2条件は共通する。このようにすれば、抽選テーブルを設定値により変更するといったような構成を用いなくても、第1条件側の調整だけで、特定条件の成否に設定差を設けることができる。
特徴E10.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役用処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段により前記特典が付与されることにより、前記態様報知手段が前記態様報知を行うための報知情報(指示機能、例えば、ATモード継続ゲーム数、上乗せ当選確率、上乗せゲーム数等)が遊技者にとって有利なものに変化することを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知の指示する操作態様に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。そして、特定増減枚数とゲームの抽選結果とを利用する特定条件が成立すると、態様報知を行うための態様情報が遊技者にとって有利なものに変化する。このようにすることで、態様報知によって遊技者に利益を調節するような遊技性において、特定増減枚数とゲームの抽選結果とによる特定条件を成立させる遊技性を追加することが可能となり、これらの遊技性の融合により、斬新な遊技性が創出される。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。