<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1〜L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1〜L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8〜図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞〜第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役〜第32小役は、主に、第1小役〜第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞〜第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役〜第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞〜第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1〜L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞〜第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技〜第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図14(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技者にとって有利な特典が付与される場合がある。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図14(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技者にとって有利な特典が付与される場合がある。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図13(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図13(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42〜44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている遊技状態用のフラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cにいずれのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11〜22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1〜24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1〜9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11〜22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップS310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11〜22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42〜44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップS415にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS414のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。続くステップS509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。第1BB開始コマンドや第2BB開始コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞〜第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞〜第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップS517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。第1BB終了コマンドや第2BB終了コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役〜第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞〜第6小役入賞となる操作順序(図25)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601〜ステップS603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップS602やステップS603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップS604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合、ステップS604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図30にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702〜ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグ、第1ATモードフラグ及び第2ATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードフラグや第2ATモードフラグは、ATモードであることと、その種類をCPU102が把握するためのフラグであって、ATモード移行時にセットされるフラグである。また、前兆フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS607のAT抽選用処理について図29のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップS801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップS802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップS803〜ステップS810にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップS803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップS804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップS804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップS805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップS806にて、各種フラグ格納エリア106dにCZ終了フラグがセットされているか否かを判定する。CZ終了フラグは、既にCZモードの終了条件が成立しているものの、未だCZモードを終了させていない状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。CZ終了フラグがセットされている場合には、ステップS807にてCZモードフラグ及びCZ終了フラグをクリアする処理を実行してから、ステップS805にて通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。CZ終了フラグがセットされていない場合には、ステップS808にてCZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図30に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップS805又はステップS808にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップS803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップS809にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップS810にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップS810にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップS802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップS811〜ステップS817のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップS810にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップS818〜ステップS824にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップS811では、AT種別決定処理を実行する。上記のように、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設けられており、ステップS811のAT種別決定処理は、今回のATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかを決定するための処理である。
<AT種別決定処理>
具体的には、図31のフローチャートに示すように、ステップS901では、AT種別抽選処理を実行する。AT種別抽選処理では、例えば、当選確率の設定処理にて設定される設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。具体的は、例えば、出玉率が高くなる設定値が設定されているほど、上乗せし易い第2ATモードが選択され易くしてもよく、また、前回のATモードが第1ATモードであれば、今回は第2ATモードが選択され易くしてもよく、普段は第2ATモードは選択されにくいものの、一旦第2ATモードが選択されると次のATモードも第2ATモードが選択され易くなるようにしてもよいし、有利区間の序盤のメダル増加数やゲーム数が少ない場面では第2ATモードが選択され易くしてもよい。
ステップS901の処理を実行した後は、ステップS902にて、ステップS901の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップS903にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグをセットする処理を実行し、ステップS904にて第1ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第1ATフラグは、第1ATモードへの移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。第1ATコマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS902にて第2ATモードである場合、ステップS905にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグをセットする処理を実行し、ステップS906にて第2ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第2ATフラグは、第2ATモードへの移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。第2ATコマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
AT抽選用処理において、ステップS811にてAT種別決定処理を実行した後は、ステップS812にてAT開始ゲーム設定処理を実行する。本実施形態では、ATモードへの移行が確定した後、前兆ゲームを経てから、ATモードへ移行する構成としており、AT開始ゲーム設定処理は、ATモードへ移行させるまでの前兆ゲーム数を設定する処理である。なお、ATモード移行前の前兆ゲームでは、ATモード移行抽選に当選したことを示唆する示唆演出として、連続演出が補助表示部65等にて行われる。
<AT開始ゲーム設定処理>
図32のフローチャートに示すように、AT開始ゲーム設定処理では、ステップS1001にて、今回のATモード移行当選が、天井ゲーム到達を契機とするものであるか否かを判定する。より具体的には、天井カウンタが0である場合には、ステップS1001にて肯定判定する。天井ゲーム到達を契機としてATモード移行当選となった場合、ステップS1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから天井用前兆ゲーム数テーブルを取得する処理を実行する。ステップS1001にて天井ゲーム到達を契機とするものではないと判定した場合、ステップS1003にてCZモード中のATモード移行当選であるか否かを判定する。より具体的には、CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS1003にて肯定判定する。CZモードではなく通常モード中のATモード移行当選である場合、ステップS1004にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用前兆ゲーム数テーブルを取得する。
天井用前兆ゲーム数テーブルと、通常用前兆ゲーム数テーブルとを比較すると、図33に示すように、天井用前兆ゲーム数テーブルにて選択される前兆ゲーム数の方が、通常用前兆ゲーム数テーブルにて選択される前兆ゲーム数よりも短い前兆ゲーム数となり易くなるように設定されており、具体的には、天井用のものであれば、1ゲームから5ゲームの前兆ゲーム数が選択され、通常用のものであれば、5ゲームから10ゲームの前兆ゲーム数が選択されるように設定されている。
ステップS1002又はステップS1004にて前兆ゲーム数テーブルを取得した後は、ステップS1005にて前兆ゲーム数抽選処理を実行し、今回の前兆ゲーム数を抽選により決定する。続くステップS1006では、有利区間へ移行してからのゲーム数を把握する処理を実行する。有利区間へ移行してからのゲーム数は、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGにより把握することが可能である。有利区間ゲーム数AGは、有利区間移行に際してそのカウントが開始され、有利区間において1ゲーム消化する度に1ずつ加算処理が行われる。そして、ステップS1007にて、ステップS1005にて抽選により決定された前兆ゲーム数を現状の有利区間ゲーム数AGに加算し、その値を、RAM106の判定用情報記憶エリア106fに設けられたAT開始判定領域に入力する処理を実行する。本実施形態では、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に入力された値となると、ATモードへの移行が許容される構成としており、ステップS1007の処理は、ATモードの開始処理を行う有利区間中のゲームを設定する処理といえる。例えば、有利区間へ移行してからのゲーム数が50であり、前兆ゲーム数抽選処理により決定された前兆ゲーム数が8である場合、AT開始判定領域には58が入力され、有利区間ゲーム数AGが58になるとATモードへの移行が許容されることになる。
ちなみに、RAM106の初期化処理や有利区間終了時の初期化処理後の、AT開始判定領域に設定される初期設定値は1501であり、有利区間の上限ゲーム数よりも大きいゲーム数が設定される。
ステップS1003にてCZモード中のATモード移行当選であると判定した場合、ステップS1008にて、CZモードの残りゲーム数をCZカウンタにより把握する処理を実行する。CZカウンタは、CZモードへの移行に際してCZモードの継続ゲーム数に対応する値(10)が入力され、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算処理が行われるカウンタである。ステップS1009では、ステップS1006と同様に、有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行する。そして、ステップS1010にて、ステップS1008にて把握したCZモードの残りゲーム数を前兆ゲーム数とし、当該前兆ゲーム数を現状の有利区間ゲーム数AGに加算し、その値を、AT開始判定領域に入力する処理を実行する。ステップS1010の処理も、ステップS1007と同様に、ATモードの開始処理を行う有利区間中のゲームを設定する処理に相当する。例えば、有利区間へ移行してからのゲーム数が50であり、CZモードの残りゲーム数が8である場合、AT開始判定領域には58が入力され、有利区間ゲーム数AGが58になるとATモードへの移行が許容されることになる。
ステップS1007又はステップS1010にてATモードの開始処理を行うゲームの設定を行った後は、ステップS1011にて前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS1012にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始ゲーム設定処理を終了する。前兆コマンドには、前兆ゲーム数の情報が含まれている。なお、前兆コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
AT抽選用処理において、ステップS812にてAT開始ゲーム設定処理を実行した後は、ステップS813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS814にて当該CZモードフラグをクリアする処理を実行する。ステップS813にて否定判定した場合、又はステップS814の処理を実行した後は、ステップS815〜ステップS817にて特化ゾーン用の処理を実行する。特化ゾーンとは、ATモードのゲーム数の上乗せが発生し易いモードである。
すなわち、ステップS815では、有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行し、ステップS816では、RAM106の判定用情報記憶エリア106fに設けられた特化終了判定領域に、現状の有利区間ゲーム数AGに10を加算した値を入力する処理を実行する。そして、ステップS817にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。本実施形態では、有利区間ゲーム数AGが特化終了判定領域に入力された値となると、特化ゾーンが終了する構成としており、ステップS816の処理は、特化ゾーンの終了処理を行う有利区間中のゲームを設定する処理といえる。例えば、有利区間へ移行してからのゲーム数が50である場合、特化終了判定領域には60が入力され、有利区間ゲーム数AGが60になると特化ゾーンが終了することになる。
ちなみに、RAM106の初期化処理や有利区間終了時の初期化処理後の、特化終了判定領域に設定される初期設定値は1501であり、有利区間の上限ゲーム数よりも大きいゲーム数が設定される。
ステップS810にてATモード移行抽選に非当選であったと判定した場合、ステップS818にて、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップS819〜ステップS824にてCZモード移行用の処理を実行する。
すなわち、ステップS819では、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップS803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図30に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。言い換えるならば、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップS819にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップS820にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップS821にて有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行し、ステップS822にて、RAM106の判定用情報記憶エリア106fに設けられたCZ終了判定領域に、現状の有利区間ゲーム数AGに10を加算した値を入力する処理を実行する。そして、ステップS823にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグをセットする処理を実行し、ステップS824にてCZコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。本実施形態では、有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域に入力された値となると、CZモードが終了する構成としており、ステップS822の処理は、CZモードの終了処理を行う有利区間中のゲームを設定する処理といえる。例えば、有利区間へ移行してからのゲーム数が50である場合、CZ終了判定領域には60が入力され、有利区間ゲーム数AGが60になるとCZモードが終了することになる。
ちなみに、RAM106の初期化処理や有利区間終了時の初期化処理後の、CZ終了判定領域に設定される初期設定値は1501であり、有利区間の上限ゲーム数よりも大きいゲーム数が設定される。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、前兆フラグやいずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップS1101にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS1102にて、特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップS1103にて第1ATフラグ又は第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATフラグ又は第1ATモードフラグがセットされており、第1ATモードへの移行が確定している状況又は第1ATモード中である場合には、ステップS1104にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS1103にて第1ATフラグや第1ATモードフラグがセットされておらず、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップS1105にて第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップS1101にて特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップS1106にて、各種フラグ格納エリア106dに特化終了フラグがセットされているか否かを判定する。特化終了フラグは、既に特化ゾーンの終了条件が成立しているものの、未だ特化ゾーンを終了させていない状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。特化終了フラグがセットされている場合には、ステップS1107にて特化ゾーンフラグ及び特化終了フラグをクリアする処理を実行してから、ステップS1103〜ステップS1105にて各AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を行う。ステップS1106にて特化終了フラグがセットされていない場合には、ステップS1108にて特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
各上乗せ抽選テーブルは、図35に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じ抽選結果で比較すると、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易く、更に第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS1104、ステップS1105又はステップS1108にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップS1109にて上乗せ抽選を実行し、ステップS1110にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップS1111にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図35に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップS1111にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS1112にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップS1112の処理を実行した後は、ステップS1113にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図27)において、ステップS607又はステップS608の処理を実行した後は、ステップS609〜ステップS612にて、ストップスイッチ42〜44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップS609〜ステップS612にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図36を参照しながら説明する。図36(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図36(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図36(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図36(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図37を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図37(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図37(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図37(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップS609〜ステップS612における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップS609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップS611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS612にて、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS609にて押し順ベル当選ではない場合、又はステップS610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS415にて実施される入賞結果対応処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップS1201にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1202にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1203にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1201〜ステップS1203の処理は、上記ステップS601〜ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップS1204以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1202又はステップS1203にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選した後、未だATモードへの移行が生じていない状況であることを意味する。この場合、ステップS1205にて、AT開始ゲーム判定処理を実行する。AT開始ゲーム判定処理は、RAM106の判定用情報記憶エリア106fにおけるAT開始判定領域に記憶されている情報を用いて、指示機能に関する特定処理を実行するための一処理である。
<AT開始ゲーム判定処理>
AT開始ゲーム判定処理では、図39のフローチャートに示すように、ステップS1301にて、有利区間ゲーム数AGと、判定用情報記憶エリア106fにおけるAT開始判定領域と、を確認し、現状の有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されている値(ゲーム数)以上となっているか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域の値以上である場合は、ATモードの開始処理を行うゲームであるとして、ステップS1302〜ステップS1309の処理を行う。一方、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域の値未満である場合には、そのまま本AT開始ゲーム判定処理を終了する。
ステップS1302では、前兆フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1303にて、各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに「50」を加算する処理を実行する。既に説明した通り、ATカウンタはATモードの残りゲーム数に相当するカウンタであり、本実施形態では、移行するATモードが第1ATモード及び第2ATモードのいずれであっても、初期ゲーム数は50ゲームとして設定されている。
ステップS1303の処理を実行した後は、ステップS1304にて第1ATフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS1305にて当該第1ATフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1306にて第1ATモードフラグをセットする処理を実行する。ステップS1304にて第1ATフラグがセットされていない場合とは、第2ATフラグがセットされている場合であり、この場合、ステップS1307にて第2ATフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1308にて第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップS1306又はステップS1308の処理を実行した後は、ステップS1309にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始ゲーム判定処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理において、ステップS1204にて否定判定した場合、又はステップS1205の処理を実行した後は、ステップS1206にて、いずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップS1207〜ステップS1211にてATモード終了用の処理を実行する。
すなわち、ステップS1207にてATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1208にてATカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS1209にて対応するATモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1210にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。ATモード終了フラグは、ATモードが終了したことをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS1211にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS1206にていずれのATモードフラグもセットされていない場合や、ステップS1208にてATカウンタが0ではない場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図40を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップS314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1401では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1401にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップS1403にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1404にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1405にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップS1406では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。上記の通り、有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップS1407にて、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。
<有利区間移行ゲーム用処理>
有利区間移行ゲーム用処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップS1501に各種テーブル記憶エリア105aから天井テーブルを取得する処理を実行する。天井テーブルは、例えば、天井ゲーム数として下限値を100、上限値を999として、各ゲームの選択率が設定されており、より詳しくは、100、200、300、400、500、600、700、800、999といったおよそ100ゲーム単位で選択され易い高選択ゲーム数と、101〜199、201〜299、301〜399、401〜499、501〜599、601〜699、701〜799、801〜899、901〜998といった選択されにくい低選択ゲーム数とがあるように設定されている。なお、選択されないゲーム数が下限値と上限値との間に含まれていてもよい。また、下限値と上限値は一例に過ぎず、下限値はそれよりも小さくなってもよいし、上限値はそれよりも大きくなってもよい。当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、各ゲームの選択率が異なる構成としてもよい。
ステップS1502では、ステップS1501にて取得した天井テーブルに基づいて、今回移行する有利区間において、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへ移行させる天井ゲーム数を抽選により決定する。そして、ステップS1503にて、ステップS1502の処理結果を、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタに入力する処理を実行し、ステップS1504にて、天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。上記のように、天井カウンタは、AT抽選用処理において1ゲーム消化する度に1ずつ減算される。また、天井コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
区間表示第1処理において、ステップS1407にて有利区間移行ゲーム用処理を実行した後は、ステップS1408にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップS1401にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1409にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1409について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1402にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS1408にて表示開始処理を実行した後、又はステップS1409の表示継続処理を実行した後は、ステップS1410にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1410にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合と、ステップS1403にて有利区間フラグも有利区間当選ゲームフラグもセットされていないと判定した場合とは、ステップS1411にて、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップS1410にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS1412にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1411又はステップS1412の処理を実行した後は、ステップS1413にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1414にて、ステップS1413の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1414では、ステップS1413の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1414の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1413の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図42(a)のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS1602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。
既に説明した通り、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選した場合、ATモードを開始するまでの前兆ゲーム数を決定し、その前兆ゲーム数と有利区間ゲーム数AGとを加算した値をAT開始判定領域に設定する。そして、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に到達した場合に、ATモード開始用の処理を行う。この場合、有利区間ゲーム数AGは、上記の通り、区間表示第2処理にて1ずつ加算されるところ、当該有利区間ゲーム数AGの加算処理は、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かに関わらず実行される。そのため、例えば、ATモード移行抽選に当選した後、前兆ゲームが2ベットゲームにて遊技されたり、BB状態にて遊技されたりしても、有利区間ゲーム数AGは加算され、当該有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域の値以上であるゲームを、特定規定数によるベットにて遊技することで、ATモード開始用の処理が行われることになる。このようにすることで、例えば、ATモード移行抽選に当選したことに基づいて設定される前兆ゲーム数に応じて、ATモードが開始されるゲームに向けた演出を表示制御装置81側にて行っている場合、当該前兆ゲーム中のゲームを特定規定数ではないベット数にて遊技されることによって、主制御装置101側でのATモード開始ゲームと、表示制御装置81側での演出上のATモード開始ゲームとのズレが生じてしまうことを、表示制御装置81側でその特定規定数ではないベット数にて遊技されたことに対応する処理(例えば、そのゲーム数だけ演出上のATモード開始ゲームを遅らせる処理)を行わなくても、好適に回避することが可能となる。
ステップS1602の処理を実行した後は、ステップS1603にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS1603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS1603のMY更新処理を実行した後は、ステップS1604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS1606では、特定判定領域用処理を実行する。特定判定領域用処理は、RAM106の判定用情報記憶エリア106fの各領域に記憶されている各種情報を用いて、指示機能に関する特定処理を実行するための一処理である。
<特定判定領域用処理>
特定判定領域用処理では、図43のフローチャートに示すように、ステップS1701にて、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合、ステップS1702にて、有利区間ゲーム数AGと、判定用情報記憶エリア106fにおけるAT開始判定領域と、を確認し、現状の有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されているゲーム数となっているか否かを判定する。
ここで、区間表示第2処理において、本特定判定領域用処理の前に、有利区間ゲーム数AGの加算処理(ステップS1602)が実行されていること、及び、ATモード開始用の処理の実行は、一ゲーム中、当該有利区間ゲーム数AGの加算処理よりも前のタイミングで実行されること、からして、ステップS1702にて有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されているゲーム数となっている場合とは、当該ゲームの次のゲームが、遊技状態に応じた特定規定数によるベットにて実施された場合、当該次のゲームにおいてATモード開始用の処理が行われることを意味する。つまり、ステップS1702にて有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域のゲーム数である場合とは、ATモードが開始されるべきゲームの前ゲームであることを意味する。この場合、ステップS1703にてAT当選前ゲームフラグをセットする処理を実行する。本実施形態では、ATモード移行抽選に当選したことに基づいて設定される前兆ゲーム数に応じて、表示制御装置81側にてATモードが開始されるゲームに向けた演出を行うとともに、当該表示制御装置81側の演出に合わせて、主制御装置101側においても、ATモードが開始されるゲームに向けた演出を行う構成としている。より詳しくは、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域の値となるゲームにて、各リール32L,32M,32Rの回転演出として、ATモード移行当選を報知する構成としている。ステップS1703にてセットするAT当選前ゲームフラグは、当該回転演出によるATモード移行当選の報知を行うためのフラグである。
ここで、上記のように区間表示第2処理は、特定規定数のベット数での遊技であるか否かに関わらず各処理を実行するように設定されているところ、ステップS1702の処理についても、特定規定数のベット数での遊技であるか否かに関わらず実行される。すなわち、判定用情報記憶エリア106fにおけるAT開始判定用領域に記憶されている指示機能に関する特定処理としてのATモード開始用の処理を実行するゲーム数等に関する情報は、特定規定数のベット数によるゲームにてCPU102がアクセス可能であるとともに、特定規定数とは異なるベット数によるゲームにてCPU102がアクセス可能な構成としている。
ステップS1701若しくはステップS1702にて否定判定した場合、又はステップS1703の処理を実行した後は、ステップS1704にて、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合、ステップS1705にて、有利区間ゲーム数AGと、判定用情報記憶エリア106fにおけるCZ終了判定領域と、を確認し、現状の有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域に設定されているゲーム数となっているか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域のゲーム数である場合は、次ゲームでCZモードの終了条件が成立するとして、ステップS1706にて、CZ終了前ゲームフラグをセットするとともに、ステップS1707にてCZ終了フラグをセットする処理を実行する。CZ終了前ゲームフラグは、CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了することを、各リール32L,32M,32Rの回転演出として報知する場合に利用される。また、CZ終了フラグは、既に説明したように、AT抽選用処理におけるATモード移行抽選テーブルの取得に際して参照され、CZ終了フラグがセットされていることを条件として、CZモードフラグ及びCZ終了フラグがクリアされて、通常用ATモード移行抽選テーブルの取得が行われる。
すなわち、ステップS1707にてセットするCZ終了フラグは、有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域のゲーム数であり、指示機能に関する特定処理の一処理としてCZモード終了用の処理を行うべきゲームをCPU102が把握可能となるためのフラグである。なお、ATモード開始用の処理のように、CZモード終了用の処理についても、AT抽選用処理において、有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域のゲーム数以上となったことを判定したうえで、CZモード終了用の処理を行う構成としてもよい。いずれにしても、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに記憶されている情報に対応するものとなり、且つ、ベット数が特定規定数であるゲームにて、指示機能に関する特定処理としてのCZ終了用の処理を実行すべきことをCPU102が把握可能となればよい。
ステップS1704若しくはステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1707の処理を実行した後は、ステップS1708に進む。ステップS1708では、特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップS1709にて、有利区間ゲーム数AGと、判定用情報記憶エリア106fにおける特化終了判定領域と、を確認し、現状の有利区間ゲーム数AGが特化終了判定領域に設定されているゲーム数となっているか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGが特化終了判定領域のゲーム数である場合は、次ゲームで特化ゾーンの終了条件が成立するとして、ステップS1710にて、特化終了ゲームフラグをセットする。特化終了フラグは、既に説明したように、AT上乗せ用処理における上乗せ抽選テーブルの取得に際して参照され、特化終了フラグがセットされていることを条件として、特化ゾーンフラグ及び特化終了フラグがクリアされて、各ATモードに対応する上乗せ抽選テーブルの取得が行われる。すなわち、ステップS1710にてセットする特化終了フラグは、有利区間ゲーム数AGが特化終了判定領域のゲーム数であり、指示機能に関する特定処理の一処理として特化ゾーン終了用の処理を行うべきゲームをCPU102が把握可能となるためのフラグである。なお、ATモード開始用の処理のように、特化ゾーン終了用の処理についても、AT上乗せ用処理において、有利区間ゲーム数AGが特化終了判定領域のゲーム数以上となったことを判定したうえで、特化ゾーン終了用の処理を行う構成としてもよい。いずれにしても、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに記憶されている情報に対応するものとなり、且つ、ベット数が特定規定数であるゲームにて、指示機能に関する特定処理としての特化ゾーン終了用の処理を実行すべきことをCPU102が把握可能となればよい。ステップS1708若しくはステップS1709にて否定判定した場合、又はステップS1710の処理を実行した後は、特定判定領域用処理を終了する。
区間表示第2処理において、ステップS1606にて特定判定領域用処理を実行した後は、ステップS1607にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1608にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1610では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1611にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1610の有利区間用情報の初期化処理について、より詳しくは、図42(b)のフローチャートに示すように、先ずステップS1651にてAT開始判定領域の初期化処理を実行する。この場合、AT開始判定領域には初期ゲーム数として、有利区間の上限ゲーム数よりも多い1501ゲームを設定する。続くステップS1652では、CZ終了判定領域の初期化処理を実行する。この場合、CZ終了判定領域には初期ゲーム数として、AT開始判定領域と同様に、有利区間の上限ゲーム数よりも多い1501ゲームを設定する。続くステップS1653では、特化終了判定領域の初期化処理を実行する。この場合も、特化終了判定領域に初期ゲーム数として、有利区間の上限ゲーム数よりも多い1501ゲームを設定する。その後、ステップS1654にて、その他の初期化処理を実行してから、本有利区間用情報の初期化処理を終了する。ステップS1654について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1607にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1611に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップS1608に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
すなわち、本実施形態では、有利区間に移行した後、ATモードへの移行抽選が行われ、その移行抽選に当選すると、AT開始判定領域にATモードを開始させる有利区間中のゲーム数が設定される。そして、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に達することで、ATモード開始用の処理が実行されてATモードに移行する。上記のように、有利区間ゲーム数AGはベット数が特定規定数であるか否かに関わらず有利区間を1ゲーム消化する度に1ずつ加算されるところ、例えば、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始用の処理が実行されるまでの間のゲームを、2ベットゲームにて遊技したり、例えば、第1BB状態や第2BB状態にて遊技したとしても、そのATモード開始用の処理が実行されるまでのゲーム数には影響が及ばない。
但し、ATモード開始用の処理については、ベット数が特定規定数であることを条件として実行されるところ、例えば、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に達するゲームが特定規定数ではないベット数にて遊技された場合、AT開始用の処理の実行が持ち越され、ATモードの開始が遅延されることになる。
また、ATモード移行抽選に当選した場合には、10ゲーム間に亘る特化ゾーンに設定され、上乗せ抽選の当選確率が向上するし、ATモード移行抽選に非当選であった場合には、10ゲーム間に亘るCZモードに設定され、ATモード移行抽選の当選確率が向上する。上乗せ抽選やATモード移行抽選は、ベット数が特定規定数であることを条件として実行されるため、仮に、特定規定数ではないベット数にて遊技した場合には、これら特化ゾーン又はCZモードの恩恵を享受することができなくなる可能性がある。
つまり、基本的には、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始ゲームまでを特定規定数ではないベット数にて遊技することは、遊技者にとって不利となるように設定されている。
但し、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始に向けた演出は、ベット数が特定規定数であるか否かに関わらず更新される構成としている。このようにすることで、例えば、ベット数に応じて、当該ATモード開始に向けた演出のズレを修正するといったような複雑な演出処理が必要なくなる。以下、特に、ATモード開始に向けた演出を行うための処理について説明する。
<回転演出処理>
先ず、主制御装置101側において、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に至ったことを報知するための処理について説明する。図44は、主制御装置101のCPU102にて実行される回転演出処理を示すフローチャートである。回転演出処理は、リール制御処理(図22)におけるステップS401にて実行される処理である。
回転演出処理では、先ずステップS1801にてAT当選前ゲームフラグ又はCZ終了前ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、AT当選前ゲームフラグは、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に達する前ゲームにて、ベット数に関わらずセットされるフラグであり、CZ終了前ゲームフラグは、有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域に設定されたゲーム数に達する前ゲームにて、ベット数に関わらずセットされるフラグである。いずれのフラグもセットされていない場合には、そのまま、回転演出処理を終了する。
いずれかのフラグがセットされている場合、ステップS1802に進み、AT当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。AT当選前ゲームフラグがセットされている場合とは、当該ゲームにて有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に達することを意味し、この場合、ステップS1803にてAT当選前ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1804にて、第1ATフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS1805にて、今回の回転演出として第1AT報知用回転演出を実行するように設定してから、回転演出処理を終了する。
第1AT報知用回転演出としては、例えば、図52(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図52(b1)に示すように、第1ATに対応する第1AT用図柄組合せとして、「BAR」図柄が所定ライン(中ラインL2)に一時停止(停留停止)し、その後、図52(b3)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が再開する演出が設定されている。なお、第1AT報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。
ステップS1804にて第1ATフラグがセットされていない場合とは、第2ATフラグがセットされていることを意味し、この場合、ステップS1806にて今回の回転演出として第2AT報知用回転演出を実行するように設定してから、回転演出処理を終了する。
第2AT報知用回転演出としては、例えば、図52(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図52(b1)に示すように、第2ATに対応する第2AT用図柄組合せとして、「白7」図柄が所定ライン(中ラインL2)に一時停止(停留停止)し、その後、図52(b3)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が再開する演出が設定されている。なお、第2AT報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。
ステップS1802にてAT当選ゲームフラグがセットされておらず、CZ終了前ゲームフラグがセットされている場合とは、今回のゲームにてCZモードが終了することを意味し、この場合、ステップS1807に進む。ステップS1807では、CZ終了前ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1808にて、今回の回転演出として外れ報知用回転演出を実行するように設定してから、回転演出処理を終了する。
外れ報知用回転演出としては、例えば、図52(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図52(b1)の第1AT用図柄組合せ、及び図第2AT用図柄組合せのいずれもを一時停止させることなく、図52(b2)に示すように、例えば、所定ライン(中ラインL2)にばらけ目を一時停止させてから、その後、図52(b4)に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転が再開する演出が設定されている。なお、外れ報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図45のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1901にて否定判定した場合、又はステップS1902の処理を実行した後は、ステップS1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップS1903にて否定判定した場合、又はステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)や区間表示第1処理(図40)にてセットされる第1ATコマンド、第2ATコマンド、前兆コマンド、CZコマンド、上乗せコマンド、押し順報知コマンド及び天井コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1905にて否定判定した場合、又はステップS1906の処理を実行した後は、ステップS1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1907にて否定判定した場合、又はステップS1908の処理を実行した後は、ステップS1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS417にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図24)、入賞結果対応処理(図36)や区間表示第2処理(図38)にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT開始コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1909にて否定判定した場合、又はステップS1910の処理を実行した後は、ステップS1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップS1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS1906の開始時演出設定処理について、図46のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2001では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2002にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS2003にて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS2001にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2004にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図30に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されており、また、図33に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモードの上乗せ抽選においては、他の抽選結果を契機とするよりも上乗せ当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS2005にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、図55(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42〜44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップS2005にて特定役報知演出の設定処理を実行した後は、ステップS2006にて連続演出設定処理を実行する。連続演出設定処理は、特定役を契機として連続演出を設定するための処理である。連続演出とは、複数のゲームに亘って一連の演出を行うとともに、遊技者にとって有利な有利結果演出と、当該有利結果演出が行われた場合よりも遊技者にとって不利な不利結果演出と、を含む複数の結果演出のうちのいずれかの結果演出が最終的に実行される演出である。なお、連続演出には、最終的に結果演出が行われることなく連続演出が終了する構成も含み得る。
<連続演出設定処理>
連続演出設定処理では、図47のフローチャートに示すように、ステップS2101にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合とは、主制御装置101側のAT抽選用処理にてATモード移行当選となったことを意味する。ATモード移行当選である場合、ステップS2102にて、更に今回の開始時コマンドとして、第1ATコマンドを受信しているか否かを判定する。第1ATコマンドは、ATモード移行当選に基づき実行されるAT種別決定処理において、今回移行するATモードが第1ATモードとして決定された場合に出力されるコマンドである。第1ATコマンドを受信している場合、ステップS2103にて、各種フラグ格納エリア183aに第1ATフラグをセットする処理を実行する。また、ステップS2102にて第1ATコマンドを受信していない場合には、第2ATコマンドを受信しており、この場合、ステップS2104にて各種フラグ格納エリア183aに第2ATフラグをセットする処理を実行する。
ステップS2103又はステップS2104の処理を実行した後は、ステップS2105にて、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数の情報を把握する処理を実行する。既に説明した通り、本実施形態では、天井ゲーム到達を契機とするATモード移行当選である場合は1ゲームから5ゲームの前兆ゲーム数が設定され、通常モード中のATモード移行抽選にてATモード移行当選となった場合は5ゲームから10ゲームの前兆ゲーム数が設定され、CZモード中のATモード移行抽選にてATモード移行当選となった場合はCZモードの残りゲーム数が前兆ゲーム数として設定される。
ステップS2105にて前兆ゲーム数を把握した後は、ステップS2106にて各種フラグ格納エリア183aに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップS2107にて、ステップS2105にて把握した前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタに入力してから、連続演出設定処理を終了する。連続演出カウンタは、連続演出の継続ゲーム数(前兆ゲーム数)をCPU181が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算処理が行われる。
ステップS2101にて特定役当選であっても前兆コマンドを受信していない場合には、ステップS2108にてCZコマンドを受信しているか否かを判定する。CZコマンドを受信していない場合には、そのまま連続演出設定処理を終了する。CZコマンドを受信している場合、ステップS2109にて、疑似前兆抽選処理を実行する。疑似前兆抽選処理は、最終的に不利結果演出が行われる連続演出を実行することを抽選により決定する処理である。疑似前兆抽選処理では、例えば、抽選契機となった特定役の種類や、設定値等によって当該疑似前兆抽選の当選確率が異なるように設定されており、出現率の低い特定役ほど疑似前兆抽選に当選し易くしてもよいし、当選確率の設定処理にて設定される設定値が低いほど疑似前兆抽選に当選し易くしてもよく、これらの当選し易いさの関係性が逆であってもよいし、各パラメータを組合せて適用してもよい。
ステップS2109にて疑似前兆抽選処理を実行した後は、ステップS2110にて疑似前兆抽選に当選したか否かの判定を行う。疑似前兆抽選に当選している場合、ステップS2111にて、CZコマンドに含まれるCZモードのゲーム数を疑似前兆における連続演出のゲーム数とし、当該ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を実行してから、連続演出設定処理を終了する。
開始時演出設定処理において、ステップS2002若しくはステップS2004にて否定判定した場合、又はステップS2003若しくはステップS2006の処理を実行した後は、ステップS2007に進む。ステップS2007では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップS2008にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出の態様が含まれる構成としてもよい。
ステップS2007にて否定判定した場合、又はステップS2008の処理を実行した後は、ステップS2009にて今回の開始時コマンドとして、天井コマンドを受信しているか否かを判定する。天井コマンドを受信しており、有利区間移行ゲームである場合、ステップS2010にて天井ゲーム数に応じた有利区間開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定処理を実行する。有利区間開始演出としては、図53(a)〜図53(c)に示すように、メインキャラクタの顔をアップで表示したカットイン演出が設定されており、図54(b)は通常のメインキャラクタの顔を表示したカットイン演出を示し、図53(a)は気落ちしたメインキャラクタの顔を表示したカットイン演出を示し、図54(b)は気合の入ったメインキャラクタの顔を表示したカットイン演出を示している。天井ゲーム数との関係では、図53(a)のカットイン演出は天井ゲーム数が比較的多い場合に選択され易く、図53(c)のカットイン演出は天井ゲーム数が比較的少ない場合に選択され易く設定されている。つまり、これら各有利区間開始時演出は、今回の天井ゲーム数を示唆する示唆演出といえる。
ステップS2009にて否定判定した場合、又はステップS2010の処理を実行した後は、ステップS2011にて、連続演出カウンタが0よりも大きい値であるか否かを判定する処理を実行する。0よりも大きい値である場合、ステップS2012にて連続演出用処理を実行する。連続演出用処理では、連続演出カウンタの更新を行うとともに、その連続演出カウンタの値に応じた連続演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための設定を行う。
<連続演出用処理>
本実施形態における連続演出では、図51に示すように、メインキャラクタと敵キャラクタとがバトルを行い、そのバトルにてメインキャラクタが勝利することでATモード移行抽選に当選したことの報知として有利結果演出が行われ、そのバトルにてメインキャラクタが敗北することでATモード移行抽選に非当選であったことの報知として不利結果演出が行われる。より詳しくは、連続演出の開始に際して、先ず図51(a)に示すように、バトルが発生する開始演出として、補助表示部65にて「バトル開始!!」といった文字表示を行うとともに、敵キャラクタのアニメーションを表示する。そして、連続演出の各ゲームにおいて、図51(b1)に示す、メインキャラクタが攻撃する様子を示す攻撃演出や、図51(b2)に示す、敵キャラクタが攻撃する様子を示す被攻撃演出を実行する。そして、連続演出の最終ゲームにて、有利結果演出としてのメインキャラクタが勝利する勝利演出(図51(c1))と、不利結果演出としてのメインキャラクタが敗北する敗北演出(図51(c2))と、のいずれかが行われることで連続演出が終了する。
連続演出用処理では、図48のフローチャートに示すように、ステップS2201にて、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合には、ステップS2202にて前兆フラグの有無を確認し、セットされていない場合には前兆フラグをセットする処理を実行し、セットされている場合にはその状態を維持する。ステップS2201及びステップS2202の処理は、既に設定された疑似前兆としての連続演出の実行中にATモード移行抽選に当選した場合、当該疑似前兆としての連続演出をATモード移行当選に対応するものに書き換えるための処理である。
ステップS2201にて否定判定した場合、又はステップS2202の処理を実行した後は、ステップS2203にて連続演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2204にて、前兆フラグがセットされているか否かを判定し、前兆フラグがセットされている場合には、ステップS2205にて、各種テーブル記憶エリア182aから前兆演出テーブルを取得したうえで、当該前兆演出テーブルと現状の連続演出カウンタの値とから、連続演出における今回のゲームの演出データを取得する処理を実行する。なお、前兆演出テーブルでは、連続演出カウンタの値が小さくなるほど図51(b1)の攻撃演出が発生し易くなるように設定されているとともに、図51(b2)の被攻撃演出よりも図51(b1)の攻撃演出の方が発生し易くなるように設定されている。
ステップS2204にて前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS2206にて、各種テーブル記憶エリア182aから疑似前兆演出テーブルを取得したうえで、当該疑似前兆演出テーブルと現状の連続演出カウンタの値とから、連続演出における今回のゲームの演出データを取得する処理を実行する。なお、疑似前兆演出テーブルでは、連続演出カウンタの値が小さくなるほど図51(b2)の被攻撃演出が発生し易くなるように設定されているとともに、図51(b1)の攻撃演出よりも図51(b2)の被攻撃演出の方が発生し易くなるように設定されている。
ステップS2205又はステップS2206にて今回のゲームの演出データを取得した後は、ステップS2207にて、取得した演出データに基づく演出が補助表示部65やスピーカ64等にて実行されるように演出データ設定を行う処理を実行する。
続くステップS2208では、連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS2209にて前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされており、今回の連続演出がATモード移行当選に対応するものである場合、ステップS2210にてその前兆フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS2211にて、第1ATフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS2212にて第1AT報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定処理を行ってから、連続演出用処理を終了する。第1ATフラグがセットされていない場合、ステップS2213にて第2AT報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定処理を行ってから、連続演出用処理を終了する。また、ステップS2209にて前兆フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2214にて外れ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定処理を行ってから、連続演出用処理を終了する。
ここで、本実施形態では、連続演出において、結果演出としての第1AT報知演出、第2AT報知演出及び外れ報知演出は、各リール32L,32M,32Rによる回転演出を伴う演出として設定されている。すなわち、上記図44にて説明した回転演出処理にて設定する、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に実行される第1AT報知用回転演出、第2AT報知用回転演出及び外れ報知用回転演出が行われるゲームは、連続演出の最終ゲームであり、これら各回転演出が行われる場合に、補助表示部65やスピーカ64にて第1AT報知演出、第2AT報知演出又は外れ報知演出が発生する。
具体的には、ATモード移行抽選に当選した場合、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に達するゲームにて回転演出としての各AT報知用回転演出が発生するところ、当該AT開始判定領域に設定されるゲーム数とは、前兆ゲーム数に相当し、前兆ゲーム数が0になるゲームがAT開始判定領域に設定されたゲーム数に達するゲームとなる。そして、表示制御装置81側では、かかる前兆ゲーム数に応じた連続演出を実行し、当該前兆ゲーム数が0となるゲームにて上記の結果演出としての各AT報知演出を発生させるため、ATモード移行抽選に当選したことを契機として主制御装置101側で回転演出を行うゲームと、表示制御装置81側で結果演出を行うゲームとは同期している。
また、例えば、特定役を契機としてATモード移行抽選に非当選であった場合、主制御装置101側ではCZモードへの移行抽選が実行され、当該CZモード移行抽選に当選すると10ゲームのCZモードに設定される。そして、当該CZモードがATモード移行抽選に当選しないまま終了する場合、有利区間ゲーム数AGがCZ終了判定領域に設定されたゲーム数に達するゲームにて回転演出としての外れ報知用回転演出が発生するところ、当該CZ終了判定領域に設定されるゲーム数とは、CZモードのゲーム数に相当し、CZモードのゲーム数が0になるゲームがCZ終了判定領域に設定されたゲーム数に達するゲームとなる。そして、表示制御装置81側では、かかるCZモードのゲーム数に応じた疑似前兆としての連続演出を実行し、当該疑似前兆としての連続演出のゲーム数が0となるゲームにて上記の結果演出としての外れ報知演出を発生させるため、ATモード移行抽選に非当選を契機として主制御装置101側で回転演出を行うゲームと、表示制御装置81側で結果演出を行うゲームとについても同期している。
ちなみに、CZモード中においてATモード移行抽選に当選すると、前兆ゲーム数はCZモードの残りゲーム数として設定される。そのため、CZモードの契機となった特定役当選に基づき疑似前兆としての連続演出を実行している場合において、そのCZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、既に実行している連続演出の残りゲーム数を変更することなくATモード移行当選に対応する連続演出に切り替えることが可能である。より詳しくは、前兆フラグがセットされていない疑似前兆としての連続演出の実行中に前兆コマンドを受信した場合には、連続演出用処理におけるステップS2202にて前兆フラグがセットされる。これにより、表示制御装置81側の連続演出は、ATモード移行当選に対応するものに切り替わる。そして、主制御装置101側では有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域のゲーム数に達した場合に回転演出を行うことから、この場合においても主制御装置101側で回転演出を行うゲームと、表示制御装置81側で結果演出を行うゲームとについても同期している。
但し、既に説明した通り、有利区間ゲーム数AGのカウントはベット数が特定規定数であるか否かに関わらず実行されるものの、判定用情報記憶エリア106fの情報に基づく指示機能に関する特定処理の実行は、ベット数が特定規定数であるゲームにて行われるため、特に、ATモード開始用の処理の実行ゲームと、回転演出や連続演出において各AT報知用の演出が行われるゲームとは、ズレが生じ得るものであり、より詳しくは、ATモード開始用の処理の実行ゲームの方が、回転演出や連続演出において各AT報知用の演出が行われるゲームよりも後のゲームになり得る。
そこで、本実施形態では、上記連続演出の最終ゲームにて実行される各AT報知演出は、ATモード開始用の処理が実行されるゲームまで継続され得る構成としている。つまり、ステップS2212やステップS2213にて設定される第1AT報知演出や、第2AT報知演出は、所定の終了条件としてATモード開始用の処理が行われるまで、複数のゲームに亘って継続され得る演出である。
開始時演出設定処理において、ステップS2011にて否定判定した場合、又はステップS2012の処理を実行した後は、ステップS2013にてベット数対応報知処理を実行し、ステップS2014にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップS2014では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。
既に説明した通り、有利区間ゲーム数AGのカウントはベット数が特定規定数であるか否かに関わらず実行されるものの、判定用情報記憶エリア106fの情報に基づく指示機能に関する特定処理の実行は、ベット数が特定規定数であるゲームにて行われる。ステップS2013のベット数対応報知処理は、今回開始するゲームのベット数が特定規定数ではない場合の報知を実行するための処理である。
<ベット数対応報知処理>
ベット数対応報知処理では、図49のフローチャートに示すように、ステップS2301にて、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かを判定する。いずれのBB状態でもない場合には、ステップS2302にて今回開始するゲームのベット数が3であるか否かを判定し、ベット数が3であり、遊技状態に応じた特定規定数である場合には、そのままベット数対応報知処理を終了する。ステップS2301にていずれかのBB状態である場合、ステップS2303にて今回開始するゲームのベット数が2であるか否かを判定し、ベット数が2であり、遊技状態に応じた特定規定数である場合には、そのままベット数対応報知処理を終了する。ステップS2302又はステップS2303にて否定判定し、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合には、ステップS2304にて制限演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための演出設定処理を実行してから、ベット数対応報知処理を終了する。制限演出とは、今回のゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではなく、ATモード移行抽選や上乗せ抽選等といった指示機能に関する処理の実行が制限されることを遊技者に報知するための演出であり、例えば、連続演出が行われている状況で制限演出を実行する場合には、図54(a)〜図54(c)に示すように、補助表示部65の表示画面において実行されている各演出の前面側に重ね合わせるように、「HOLD」といった文字が付加された帯表示を行う。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図40)におけるステップS1910の全停止時演出設定処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT開始コマンド、AT終了コマンド、BB開始コマンド、BB終了コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップS2401では、AT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップS2402にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図55(a)に示すように、今回のATモードの継続ゲーム数や今回のATモードで獲得したメダル数を補助表示部65にて表示する。
ステップS2401にて否定判定した場合、ステップS2403にて、いずれかのBB開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのBB開始コマンドを受信している場合、ステップS2404にて開始するBB状態に応じたBB開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。BB開始演出は、例えば、図56(a)に示すように、BB状態が開始される旨の表示(「BBスタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、BB開始演出は、開始するBB状態に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
ステップS2403にて否定判定した場合、ステップS2405にていずれかのBB終了コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのBB終了コマンドを受信している場合、ステップS2406にて終了するBB状態に応じたBB終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。BB終了演出は、例えば、図56(b)に示すように、BB状態が終了される旨の表示(「BB END」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、BB終了演出は、終了するBB状態に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
既に説明した通り、BB状態は3ベットゲームにて実行されるように設定されているとともに、BB状態での特定規定数は2ベットゲームであるため、BB状態での遊技は、指示機能に関する処理の実行が制限される。そのため、BB状態中の各ゲームでは制限演出が実行されることになる。つまり、BB終了演出が行われるゲームでは制限演出が実行される(図56(b)参照)。また、第1BB入賞は3ベットゲームにて生じ得るものであり、第2BB入賞は2ベットゲームにて生じ得るところ、第1BB状態に対応するBB開始演出が行われるゲームは、指示機能に関する処理の実行は制限されておらず、制限演出は行われない一方、第2BB状態に対応するBB開始演出が行われるゲームは、指示機能に関する処理の実行は制限され、制限演出は行われる(図56(a)は、第2BB開始演出を示す)。
ステップS2405にて否定判定した場合、ステップS2407にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップS2408にて、実行中のAT報知演出を終了し、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出は、開始するATモードの種類に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
上記の通り、本実施形態では、ATモード開始用の処理の実行ゲームの方が、回転演出や連続演出において各AT報知用の演出が行われるゲームよりも後のゲームになり得るところ、既に実行しているAT報知演出は、所定の終了条件としてATモード開始用の処理が行われてAT開始コマンドの受信に基づき終了する。このようにすることで、仮に、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定用領域に設定されたゲーム数に至ったゲームが2ベットゲーム等のATモード開始用の処理の実行が制限されるゲームである場合であっても、当該ゲームにてAT報知演出が行われるようにしながら、その後、ATモード開始用の処理が行われるまでに当該ATモードへ移行させることの権利が消滅してしまったと遊技者が勘違いしてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
ステップS2402、ステップS2404、ステップS2406又はステップS2408の処理を実行した後は、ステップS2409にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップS2409では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<遊技の流れ>
図57のタイミングチャートを用い、ATモード移行抽選に当選してから、ATモードが開始されるまでの一連の流れを説明する。
図57(a)に示すように、有利区間中であるta1のタイミングで、例えば、特定役を契機としてATモード移行抽選が実行され、当該ATモード移行抽選に当選したとする。この場合、前兆ゲーム数の設定が行われ、当該前兆ゲーム数を有利区間ゲーム数AGに加算したゲーム数が、AT開始判定領域に設定される。既に説明した通り、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数(ta4)に至ることで、ATモード開始用の処理が行われることになる。そして、ta1からta4までの間のゲームにて連続演出を行うことが、ta1にて設定される。
この場合、例えば、ta4のタイミングに至るまでの、ta2〜ta3のタイミングを3ベットゲームではなく2ベットゲームにて消化しても、ATモード開始用の処理が行われるゲームには影響が及ばない。そして、ta4にてAT当選報知として、各リール32L,32M,32Rによる回転演出や、補助表示部65等による各AT報知演出が実行され、また、当該ta4にてATモード開始用の処理が実行されると、表示モードは通常モードからATモードに移行する。
そうすると、上記のように、ta1のタイミングで設定した連続演出を2ベットゲーム等の指示機能に関する処理の実行が制限される遊技の有無によって再調整する必要が生じず、演出を行うための処理構成の圧倒的な簡素化を図ることが可能となる。
図57(b)では、AT開始判定領域に設定されたゲーム数に至るゲームを、2ベットゲーム等の指示機能に関する処理の実行が制限される遊技にて消化した場合を示している。
つまり、有利区間中であるtb1のタイミングで、特定役当選を契機としてATモード移行抽選が実行され、当該ATモード移行抽選に当選した場合、上記ta1の場合と同様に、前兆ゲーム数の設定が行われるとともに、AT開始判定領域にATモード開始用の処理を実行するゲームを設定する(tb3)。そして、tb1からtb3までの間のゲームにて連続演出を行うことが、tb1にて設定される。
tb3に至るよりも前のtb2にて、2ベットゲームに切り替えられ、tb3よりも後のtb4のゲームまで、当該tb3のゲームも含めて当該2ベットゲームにて消化された場合、上記のように設定されたATモード開始用の処理の実行が、tb3からtb4まで持ち越される。そして、tb4のゲームにてATモード開始用の処理が実行され、ATモードが開始される。この場合であっても、tb3では、AT当選報知として、各リール32L,32M,32Rによる回転演出や、補助表示部65等による各AT報知演出が実行される。つまり、AT開始判定領域に設定されたゲームが2ベットゲーム等にて消化された場合であっても、AT当選報知の実行ゲーム数には影響が及ばない。そして、当該tb3にて実行されたAT当選報知は、tb4にてATモード開始用の処理が実行されるまで継続される。
<連続演出中のゲームの有利度>
図58は、連続演出が実行されている状況を、3ベットゲームにて消化した場合と2ベットゲームにて消化した場合との有利度の差を説明するためのタイミングチャートである。
図58(a)に示すように、有利区間中のta11のタイミングで特定役を契機としてATモード移行抽選が行われ、当該ATモード移行抽選に当選したとする。この場合、上記と同様に、前兆ゲーム数の設定が行われ、現状の有利区間ゲーム数AGに前兆ゲーム数を加算したゲーム数がAT開始判定領域に設定される(ta14)。
ATモード移行抽選に当選すると、前兆フラグがセットされるところ、抽選結果対応処理では、ATモード移行前においてもATモードの上乗せ抽選が行われるようになる。そして、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選した後、10ゲームに亘って上乗せ確率が高くなる特化ゾーンに設定される構成としている(ta11からta15まで)。
そうすると、上記のように、AT開始判定領域に設定されたゲーム数に至るよりも前のゲームであるta12からta13のゲームを、2ベットゲームにて消化したとしても、ATモード開始用の処理が行われるまでのゲーム数には影響は及ばないものの、当該ta12からta13までのゲームではATモード移行抽選は実行されないため、かかるta12からta13までのゲームの分だけ特化ゾーンの恩恵を享受することができなくなる。つまり、3ベットゲームよりも2ベットゲームの方が1ゲーム当たりのメダル損失数が少ないため、ATモード移行抽選に当選した後、少ないメダルでATモード開始までのゲームを消化するためには2ベットゲームのほうが遊技者にとって好ましいものとなるものの、2ベットゲームにて遊技することで、特化ゾーンによる恩恵が享受できなくなるため、ATモード開始までのメダル損失数と、特化ゾーンによる恩恵とのいずれかを遊技者が選択したうえで遊技することが可能となる。このようにすることで、遊技の選択肢が増え、遊技の興趣向上が図られる。
なお、本実施形態では、ATモード開始までを2ベットゲームにて行った場合に3ベットゲームで行った場合からの使用メダルの平均削減数よりも、その分のゲーム数を特化ゾーンにて消化した場合に期待できるATモードの上乗せゲーム数から算出される期待メダル獲得数の方が多くなるように設定されており、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始までのゲームは、基本的には3ベットゲームにて遊技したほうが遊技者にとっては有利となるように設定されている。
図58(b)に示すように、有利区間中のtb11のタイミングで特定役を契機としてATモード移行抽選が行われ、当該ATモード移行抽選に非当選であっても、CZモード移行抽選に当選すると、10ゲームに亘ってATモード移行抽選の当選確率が高くなるCZモードに設定される(tb11からtb15まで)。
そうすると、上記のように、特定役に当選した後、当該CZモードに設定されるtb11からtb15までのゲームのうち、例えば、tb12からtb13までのゲームを2ベットゲームにて消化したとすると、当該tb12からtb13までのゲームではATモード移行抽選は実行されないため、かかるtb12からtb13までのゲームの分だけCZモードの恩恵を享受することができなくなる。
tb11にてCZモードに設定されると、当該tb11からCZモードが終了するよりも前のtb14までのゲーム数に亘って、連続演出が実行される。
ここで、連続演出では、最終ゲームにて有利結果演出としての勝利演出と、不利結果演出としての敗北演出とのいずれかが実行されるように設定されているものの、当該最終ゲームまでの各ゲームにおいて、ATモード移行抽選に当選したことを契機とする連続演出では、攻撃演出及び被攻撃演出のいずれもが発生し得るし、ATモード移行抽選に非当選であったことを契機とする連続演出でも、攻撃演出及び被攻撃演出のいずれもが発生し得る。そのため、当該連続演出が有利結果演出及び不利結果演出のいずれが実行されて終了するかの見分けがつかない又は見分けがつきにくく設定されている。
つまり、tb11にて特定役に当選した場合に実行されたATモード移行抽選が当選であったか否かを、基本的には連続演出の最終ゲームまで判別することができなくなっている。そして、ta11にて特定役に当選した場合に実行されたATモード移行抽選が当選であったか否かも、基本的には連続演出の最終ゲームまで判別することができなくない。言い換えるならば、ta11やtb11から開始される連続演出が行われている各ゲームが、連続演出が終了するta14やtb14までは、特化ゾーンに対応するものなのか、それともCZモードに対応するものなのかの区別がつかない。このようにすることで、ta11にて連続演出が開始された場合だけでなく、tb11にて連続演出が開始された場合には、ATモード移行抽選の実行が制限される2ベットゲームでの遊技は遊技者にとって不利となる。よって、3ベットゲームにて遊技を行わせる動機付けとすることができる。
ここで、本実施形態では、特定役を契機としてATモード移行抽選に当選した場合は連続演出が実行される一方、特定役以外の遊技結果(通常リプA〜通常リプC等の通常役)を契機としてATモード移行抽選に当選した場合や天井ゲーム数に到達してATモードへの移行が確定した場合は連続演出が実行されない。つまり、AT開始判定領域にATモード開始用の処理を実行するゲーム数の設定が行われた場合であっても、そのATモード開始用の処理を実行するゲームに向けた演出が行われる場合と行われない場合とがあるようにしている。このようにすることで、連続演出が行われていない状況での各ゲームであっても、期待感を持って臨ませることが可能となる。なお、連続演出を行わない場合であっても、AT開始判定領域に設定されたゲーム数となると、当該ゲームの開始時に、各リール32L,32M,32Rの回転演出としてAT報知用回転演出が実行されるため、遊技者の度肝を抜く演出とすることができる。
また、本実施形態では、ATモード移行抽選に非当選であって、CZモードに移行した場合であっても、疑似前兆演出抽選に当選しなかった場合には連続演出は実行されない。つまり、CZモードであっても連続演出が行われない場合がある構成となる。このようにすることで、特定役当選となった後、連続演出が開始されなくても、CZモードである望みを残し、2ベットゲームにて遊技することの抑止力とすることが可能となる。なお、連続演出を行わない場合であっても、CZ終了判定領域に設定されたゲーム数となると、当該ゲームの開始時に、各リール32L,32M,32Rの回転演出として外れ報知用回転演出が実行されるため、上記の連続演出を伴わないAT報知用回転演出とともに、遊技者の度肝を抜く演出とすることができる。よって、連続演出が行われていない状況での各ゲームにおいて強烈なドキドキ感を提供することが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモード移行抽選に当選する等してATモードへの移行が確定した場合、現状の有利区間ゲーム数AGに前兆ゲーム数を加えたゲーム数をAT開始判定領域に設定し、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となった場合にATモード開始用の処理を行う構成とした。そして、この場合、当該ATモード開始用の処理を遊技状態に応じた特定規定数のベット数によるゲームでは実行可能とする一方、当該特定規定数とは異なるベット数によるゲームでは実行可能とし、仮に、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となったゲームが特定規定数とは異なるベット数によるゲームであった場合、その後に特定規定数のベット数によるゲームが行われた際に当該ATモード開始用の処理を実行する構成とした。つまり、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となってから、特定規定数によるベット数のゲームが行われるまで、ATモード開始用の処理の実行を待機させる構成とした。このようにすることで、判定用情報記憶エリア106fに指示機能に関する特定処理を実行すべきゲーム数を設定する、といった構成を利用して、当該指示機能に関する特定処理の実行ゲーム数の事前設定や当該特定処理の実行ゲームを把握するための処理構成の簡素化を図りながら、ATモード移行抽選に当選した後、特定規定数とは異なるベット数によるゲームを行ったあまり、ATモードへ移行させる権利が消滅してしまったのでは、と、遊技者に勘違いさせてしまう事象を好適に回避することができる。よって、遊技進行用の処理構成の簡素化を図りながら、遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
有利区間情報の初期化処理の後、AT開始判定用領域には、初期ゲーム数として有利区間の上限ゲーム数よりも多いゲーム数である1501が入力される構成とした。このようにすることで、判定用情報記憶エリア106fを利用する構成において、ATモード移行当選となることなくATモード開始用の処理が実行されてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
指示機能に関する特定処理として複数種類の特定処理を設け、それぞれの特定処理の内容に応じて、判定用情報記憶エリア106fに、AT開始判定領域、CZ終了判定領域や、特化終了判定領域を設けた。つまり、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となった場合には、特定処理の一処理としてATモード開始用の処理を行い、CZ終了判定領域に設定されたゲーム数となった場合には、特定処理の一処理としてCZモード終了用の処理を行い、特化終了判定領域に設定されたゲーム数となった場合には、特定処理の一処理として特化ゾーン終了用の処理を行う構成とした。このようにしたことで、複数の特定処理の実行の有無や実行タイミングを判定用情報記憶エリア106fと有利区間ゲーム数AGとで一元管理することが可能となり、処理構成の簡素化が図られる。具体的には、例えば、有利区間情報の初期化処理において、各特定処理に対応する実行用の情報を消去したりするのではなく、判定用情報記憶エリア106f自体を初期化(ステップS1651〜ステップS1653)すればよく、処理の大幅な簡素化が期待できる。
判定用情報記憶エリア106fにおける各領域には、遊技状態に応じた特定規定数のベット数によるゲームだけでなく、当該特定規定数以外のベット数によるゲームでもCPU102がアクセス可能とした。このようにしたことで、指示機能に関する特定処理を実行すべきゲームとなったことを、特定規定数以外のベット数によるゲームでもCPU102が把握可能となる。よって、当該特定処理を実行すべきゲームとなった場合に、仮に特定処理が実行されなくても、その特定処理を実行すべきゲームとなった旨を報知する等することができる。また、既にその特定処理を実行すべきゲームとなったことの情報(例えば、CZ終了フラグや特化終了フラグ等)を記憶しておくことで、次に、特定規定数のベット数によるゲームが行われた場合に、再度、対応する判定用情報記憶エリア106fを確認する必要もなくなるため、処理の簡素化も図ることが可能となる。
例えば、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となった場合、そのゲームが特定規定数のベット数によるゲームであるか、特定規定数以外のベット数によるゲームであるかに関わらず、すなわち、当該ゲームにてATモード開始用の処理が行われるか否かに関わらず、主制御装置101側では当該ゲームにて各リール32L,32M,32RによるAT報知用回転演出を実行するし、表示制御装置81側では当該ゲームにて補助表示部65等によるAT報知演出を実行する。つまり、例えば、特定規定数以外のベット数によるゲームが行われた場合に、AT報知用回転演出やAT報知演出を実行するゲームを遅らせる、といった処理を行うことなく、特定規定数以外のベット数によるゲームの実行の有無に関わらず、AT開始判定領域に設定されたゲームにてこれらAT報知用回転演出やAT報知演出を実行する構成としている。このようにすることで、処理の大幅な簡素化が実現される。
しかも、表示制御装置81側においては、ATモード移行抽選に当選した際に主制御装置101側から出力される前兆コマンドに基づいて、AT報知演出を実行するゲームを連続演出カウンタに設定し、後は、1ゲーム消化する度に更新される連続演出カウンタが0となることで、AT報知演出を実行する構成としている。つまり、表示制御装置81側では、連続演出の実行に際し、特定規定数以外のベット数によるゲームが実行されたか否かすら判断することがない構成とし、処理の大幅な簡素化が実現されている。
ATモード移行抽選の結果が当選であった場合には、前兆ゲーム数に応じて連続演出が実行され、ATモード移行抽選の結果が非当選であった場合には、CZモード移行抽選に当選したことを条件として、疑似前兆演出テーブルを利用した連続演出が実行される。つまり、ATモード移行抽選の当否に関わらず、連続演出が開始され得る構成としており、ATモード開始用の処理が行われるまでのゲームが特定規定数以外のベット数により消化されることの抑止効果が期待できる。
但し、連続演出における結果演出としてAT報知演出が行われた場合、当該ゲームが特定規定数以外のベット数によるゲームであればAT開始コマンドを受信しないため、当該AT報知演出は、その後、AT開始コマンドを受信するゲーム、すなわち特定規定数のベット数によるゲームにてATモード開始用の処理が実行されるまで継続する構成とした。このようにすることで、AT報知演出が行われたのにもかかわらず、ATモードが開始しないことを通じて、ATモードへの移行権利が消滅してしまったのでは、と、遊技者が勘違いしてしまう事象を回避することができる。
特定規定数のベット数によるゲームよりも、特定規定数以外のベット数によるゲームの方が、一ゲーム当たりに期待できるメダル数(純増枚数)が多い構成とした。より詳しくは、BB状態以外の内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて消化した場合には、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待でき、これら内部状態や非内部状態を2ベットゲームにて消化した場合には、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できるため、内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて消化した場合よりも2ベットゲームにて消化した場合の方が、純増枚数が多い。また、BB状態においては1ゲーム当たり約0.00枚のメダル減少(増加)が期待できるため、内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて消化した場合よりも純増枚数が多い。このような構成であることによって、例えば、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始用の処理が行われるまでのゲームを、2ベットゲームにて消化したり、BB状態にて消化したりすることで、ATモードが開始されるまでのメダル損失を抑えながらATモードの開始を待つことが可能となり、押し順報知用の処理や特定処理等の実行が制限されるとしても、2ベットゲームにて遊技したり、BB状態にて遊技したりすることの遊技者のメリットが存在することになる。よって、特定規定数以外のベット数によるゲームにて特定処理を実行すべきゲームとなった場合、特定規定数のベット数によるゲームまで特定処理の実行を待機させることの意義が存在することになる。
上記のように、ATモード移行抽選に非当選であった場合には、CZモードに移行し得る構成であるところ、ATモード移行抽選は、特定規定数のベット数によるゲームでは実行される一方、特定規定数以外のベット数によるゲームでは実行されない構成としている。つまり、ATモード移行抽選に非当選であっても、特定規定数のベット数にてゲームを消化しないと、ATモード移行抽選を受けることができないため、CZモードによる恩恵を享受することができない。このようにすることで、少なくともAT開始判定領域にゲーム数を設定し得る契機が生じてから特定処理が行われ得るゲームまでの間について、特定規定数以外のベット数にてゲームが消化されることを抑制することが可能となる。
また、ATモード移行抽選に当選であった場合には、特化ゾーンに移行し得る構成であるところ、ATモードの上乗せ抽選は、特定規定数のベット数によるゲームでは実行される一方、特定規定数以外のベット数によるゲームでは実行されない構成としている。つまり、ATモード移行抽選に当選であった場合、特定規定数のベット数にてゲームを消化しないと、ATモードの上乗せ抽選を受けることができないため、特化ゾーンによる恩恵を享受することができない。このようにすることで、少なくともAT開始判定領域にゲーム数を設定し得る契機が生じてから、特定処理が行われ得るゲームまでの間について、特定規定数以外のベット数にてゲームが消化されることを抑制することができる。
特に、これらCZモードや特化ゾーンへはゲームの抽選結果が所謂レア役としての特定役となり、かかる特定役に基づくATモード移行抽選が行われた場合に移行し易くしている。つまり、特定役を契機とするATモード移行抽選では特定役以外の結果を契機とするATモード移行抽選よりも当選し易く、その結果、特定役を契機として特化ゾーンにも移行し易いことになる。また、特定役を契機とするATモード移行抽選に非当選であっても、当該非当選を契機として行われるCZモード移行抽選においては、当該特定役を契機したほうが特定役以外の結果を契機とするよりも当選し易く、特定役を契機としてCZモードにも移行し易いことになる。そうすると、AT開始判定領域にゲーム数の設定が行われ得れる特定役となると、少なくとも有利区間ゲーム数AGが当該AT開始判定領域に設定されたゲーム数となるまでのゲームに関し、高確率のATモード移行抽選や高確率の上乗せ抽選が行われる特定規定数のベット数にて遊技したほうが、特定規定数以外のベット数にて遊技するよりも遊技者にとって有利となる。よって、AT開始判定領域にゲーム数の設定が行われた後、特定規定数以外のベット数にて遊技されることに起因する不都合(例えば、連続演出を3ベットゲームでは進行するものの2ベットゲームでは進行しないようにした場合の終了ゲームのズレが生じる不都合や、押し順報知等を行えないことでRT等の遊技状態の移行を生じさせることができない不都合)を回避することが可能となる。
ATモード移行抽選に非当選であったことを契機としてCZモードに移行した場合、疑似前兆演出テーブルに基づく連続演出が行われることころ、かかる疑似前兆演出テーブルに基づく連続演出中に、ATモード移行抽選に当選した場合には、当該実行中の連続演出の最終ゲーム(結果演出が行われるゲーム)を変更することなく、連続演出の内容の変更だけが行われる。より詳しくは、当該疑似前兆演出テーブルに基づく連続演出は、CZモードの継続ゲーム数に亘って実行されるように設定されるところ、当該CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には、CZモードの残りゲーム数が前兆ゲーム数として設定されて、AT開始判定領域のゲーム数の設定が行われる。このようにすることで、連続演出のゲーム数の相違から、ATモード移行抽選の当否が判別されてしまう事象を好適に抑制することが可能となり、連続演出が行われている状況を、特定規定数以外のベット数にて遊技されることを好適に抑制することが可能となる。
この場合、表示制御装置81側では、AT開始判定領域にゲーム数が設定されるよりも前に、当該AT開始判定領域にゲーム数が設定された場合の連続演出を開始している構成となる。このような構成とすることで、判定用情報記憶エリア106fに特定処理を実行すべきゲーム数を設定する構成を用いるうえで、当該実行すべきゲーム数に向けた演出設定自体は、当該実行すべきゲーム数を設定するよりも前に行う構成となり、当該実行すべきゲーム数を設定する際の処理負荷の局所的な増大化を抑制することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、判定用情報記憶エリア106fに設定する情報として、天井ゲーム数の情報についても設定する。図59は、本実施形態における有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。
ステップS2501では、天井テーブルを取得する処理を実行し、ステップS2502では、天井ゲーム数抽選処理を実行する。これらステップS2501及びステップS2502の処理は、上記ステップS1501及びステップS1502の処理と同様である。
ステップS2503では、判定用情報記憶エリア106fに設けられた天井判定領域に、上記ステップS2502にて選択された天井ゲーム数の情報を設定する処理を実行する。例えば、天井ゲーム数として999ゲームが選択された場合、天井判定領域には999ゲームが入力されることになる。すなわち、上記ステップS2503の処理は、指示機能に関する特定処理を実行する有利区間におけるゲーム数を設定する一処理である。ちなみに、RAM106の初期化処理や有利区間終了時の初期化処理後の、天井判定領域に設定される初期設定値は1501であり、有利区間の上限ゲーム数よりも大きいゲーム数が設定される。なお、初期設定値を天井ゲーム抽選処理における上限ゲーム数である999ゲームとしてもよい。
そして、ステップS2504にて、天井ゲーム数の情報を含む天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
図60は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT抽選用処理は、抽選結果対応処理において、有利区間中のATモードへの移行が確定していない状況において、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実施される処理である。本実施形態では、天井ゲーム数に到達したか否かの判定用の処理の態様が、上記第1の実施形態と異なっている。
すなわち、ステップS2601では、有利区間ゲーム数AGを把握する処理を実行する。続くステップS2602では、有利区間ゲーム数AGが上記天井判定領域に設定されているゲーム数以上となっているか否かを判定する。天井判定領域に設定されているゲーム数以上である場合には、ステップS2603〜ステップS2610のATモード移行抽選用の処理を介することなく、ステップS2611に進み、ATモード移行当選用の処理を実行する。一方、有利区間ゲーム数AGが天井判定領域に設定されているゲーム数未満である場合には、ステップS2603に進み、ATモード移行抽選用の処理を実行する。
以上のように、本実施形態では、有利区間ゲーム数AGが、判定用情報記憶エリア106fにおける天井判定領域に設定されたゲーム数となった場合に、天井到達としてATモードに移行させる構成としたことで、特定規定数のベット数によるゲームでは指示機能に関する処理として押し順報知用の処理やATモード移行抽選等の実行が許容される一方、特定規定数以外のベット数によるゲームではこれら指示機能に関する処理の実行が制限される構成を前提としながらも、ベット数が特定規定数であるか否かに関わらず進行する有利区間ゲーム数AGに応じてATモードに移行する構成となり、例えば、天井到達を目指すのであれば、純増枚数が多い側の特定規定数以外のベット数にて各ゲームを消化する、といった遊技性を実現することが可能となる。但し、天井に到達した場合であっても、少なくともATモードを開始させるためには、特定規定数のベット数にて遊技する必要があり、このような構成であれば、指示機能に関する特定処理を実行可能となる特定規定数のベット数による遊技と実行不可となる特定規定数以外のベット数による遊技とを設けた意義に反しない範囲で、上記天井到達までの斬新な遊技性を実現することが可能となる。
有利区間移行ゲーム用処理において、天井判定領域に天井ゲーム数に対応するゲーム数が設定されたことに基づき、補助表示部65等にて、天井ゲーム数に対応する有利区間開始演出(ステップS2009、ステップS2010、図53)が実行される。このようにすることで、判定用情報記憶エリア106fにおける天井判定領域に設定されたゲーム数を示唆することが可能となり、当該示唆によって、判定用情報記憶エリア106fの内容(天井ゲーム数)を予測する遊技を行わせることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、有利区間ゲーム数AGと、判定用情報記憶エリア106fに記憶されている情報と、各種フラグ格納エリア106dにセットされている情報とを利用して、指示機能に関する特定処理の実行の内容を異ならせる。図61は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。
本実施形態におけるAT抽選用処理では、ATモード開始用の処理を実行するゲーム数に関する情報、CZモード終了用の処理を実行するゲーム数に関する情報、及び特化ゾーン終了用の処理を実行するゲーム数に関する情報を、いずれも判定用情報記憶エリア106fにおける特定判定領域に入力する点で、上記第1,第2の実施形態と異なっている。
すなわち、ステップS2701〜ステップS2711の処理は、上記ステップS801〜ステップS811の処理と同様であり、遊技結果や表示モードに応じてATモード移行抽選を実行した後、当該ATモード移行抽選に当選した場合に、ATモード種別の設定を行う。ステップS2712におけるAT開始ゲーム設定処理では、図62のフローチャートに示すように、ステップS2807及びステップS2810において、ATモード開始用の処理を実行すべきゲーム数に関する情報を判定用情報記憶エリア106fに入力するうえで、AT開始判定用領域ではなく、特定判定領域に入力する。AT開始ゲーム設定処理において、ステップS2807及びステップS2810を除く他の処理は、上記第1,第2の実施形態における対応する処理と同様である。
AT抽選用処理において、ステップS2712にてAT開始ゲーム設定処理を実行した後は、ステップS2713、ステップS2714にてCZモードフラグをクリアするための処理を実行する。その後、ステップS2715にて特化ゾーンフラグをセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。すなわち、本実施形態では、特化ゾーン終了用の処理を実行するゲーム数に関する情報を、判定用情報記憶エリア106fに入力する処理が省略されている。
ステップS2710にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップS2716〜ステップS2718にてCZモード移行抽選等の処理を行う。CZモードに移行させる場合(ステップS2718:YES)、ステップS2719にて有利区間ゲーム数AGを把握したうえで、ステップS2720にて、CZモード終了用の処理を実行するゲーム数に関する情報として、現状の有利区間ゲーム数AGに10を加算したゲーム数を上記の特定判定領域に入力する処理を実行する。そして、ステップS2721にてCZモードフラグをセットし、ステップS2722にてCZコマンドをセットしてから、AT抽選用処理を終了する。
本実施形態におけるAT開始ゲーム判定処理では、図63のフローチャートに示すように、ステップS2901にて、有利区間ゲーム数AGが、AT開始判定領域ではなく特定判定領域のゲーム数以上であるか否かを判定することで、ATモード開始用の処理を実行すべきゲームであるか否かの判定を行う。AT開始ゲーム判定処理における他の処理については、上記第1,第2の実施形態におけるそれと同様である。
本実施形態における特定判定領域用処理では、図64のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3001にて、有利区間ゲーム数AGが特定判定領域に設定されたゲーム数であるか否かを判定する。ステップS3001にて肯定判定した場合、ステップS3002にて前兆フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3003にてAT当選前ゲームフラグをセットする処理を実行する。
ステップS3002にて前兆フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS3003の処理を実行した後は、ステップS3004に進む。ステップS3004では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3005にてCZ終了前ゲームフラグをセットし、ステップS3006にてCZ終了フラグをセットする処理を実行する。ステップS3004にてCZモードフラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS3006の処理を実行した後は、ステップS3007にて特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップS3008にて特化終了フラグをセットする処理を実行する。ステップS3001若しくはステップS3007にて否定判定した場合、又はステップS3008の処理を実行した後は、特定判定領域用処理を終了する。
本実施形態における回転演出処理では、図65のフローチャートに示すように、ステップS3101にて、有利区間ゲーム数AGが特定判定領域に設定されたゲーム数であるか否かを判定する。ステップS3101にて肯定判定した場合、ステップS3102にてAT当選前ゲームフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3103〜ステップS3106にて各AT報知用回転演出を行うための処理を実行する。一方、有利区間ゲーム数AGが特定判定領域に設定されたゲーム数であっても、AT当選前ゲームフラグがセットされておらず、CZ終了前ゲームフラグがセットされている場合には、ステップS3107〜ステップS3108にて、外れ報知用回転演出を行うための処理を実行する。ステップS3102〜ステップS3108の処理は、上記ステップS1802〜ステップS1808の処理と同様である。
以上のように、本実施形態では、指示機能に関する特定処理を実行すべきゲーム数の情報を、特定判定領域に入力する構成とし、有利区間ゲーム数AGが当該特定判定領域に入力されているゲーム数となった場合、各種フラグ格納エリア106dにセットされている各種情報を用いて、いずれの特定処理を実行すべきかを判断したうえで、対応する特定処理(ATモード開始用の処理、CZモード終了用の処理、特化ゾーン終了用の処理)を実行する構成とした。より詳しくは、前兆フラグがセットされている状況で特定判定領域に入力されているゲーム数となるとATモード開始用の処理が実行され、CZモードフラグがセットされている状況で特定判定領域に入力されているゲーム数となるとCZモード終了用の処理が実行され、特化ゾーンフラグがセットされている状況で特定判定領域に入力されているゲーム数となると特化ゾーン終了用の処理が実行される。このようにすることで、判定用情報記憶エリア106fに複数種類の特定判定用のゲーム数が設定される構成と比較して、圧倒的な構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、指示機能に関する特定処理の内容に対応する演出を行うための演出処理(回転演出処理)においても、有利区間ゲーム数AGが当該特定判定領域に入力されているゲーム数となった場合、各種フラグ格納エリア106dにセットされている各種情報を用いて、いずれの特定処理を実行すべきかを判断したうえで、対応する演出処理(各AT報知用回転演出を行うための処理、外れ報知用回転演出を行うための処理)を実行する構成とした。より詳しくは、AT当選前ゲームフラグがセットされている状況で特定判定領域に入力されているゲーム数となると、各AT報知用回転演出を行うための処理が実行され、CZ終了前ゲームフラグがセットされている状況で特定判定領域に入力されているゲーム数となると、外れ報知用回転演出を行うための処理が実行される。このように、特定判定領域に入力されるゲーム数を用いて、指示機能に関する特定処理を行うだけでなく、有利区間ゲーム数AGとリンクさせるべき演出等の他の処理を行う構成とすることで、当該演出を行うための処理構成についても圧倒的に簡素なものとすることが可能となる。
<第4の実施形態>
上記各実施形態では、有利区間ゲーム数AGが、判定用情報記憶エリア106fに設定されたゲーム数となった場合において、そのゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合には、指示機能に関する特定処理の実行が、特定規定数のベット数でのゲームまで持ち越される構成としたが、本実施形態では、それを持ち越さない構成とする。図66は、本実施形態における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS3201にて特定判定領域用第2処理を実行する。当該特定判定領域用第2処理は、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となった場合のATモード開始用の処理を実行するか否かを、今回のゲームのベット数に応じて決定する処理である。特定判定領域用第2処理を実行した後は、ステップS3202〜ステップS3213にて、有利区間用の処理やATモード用の処理、押し順報知用の処理を実行する。ステップS3202〜ステップS3213の処理は、上記ステップS601〜ステップS612の処理と同様である。
特定判定領域用第2処理は、図67のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3301にて、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされていない場合は、そのまま本特定判定領域用第2処理を終了する。前兆フラグがセットされている場合は、ステップS3302にて、今回のゲームの有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数であるか否かを判定する。ステップS3302にて肯定判定した場合、ステップS3303にていずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS3304にてベット数が3であるか否かを判定する。また、いずれかのBB状態フラグがセットされている場合、ステップS3305にてベット数が2であるか否かを判定する。
即ち、ステップS3303〜ステップS3305の処理は、今回開始されたゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かを判定する処理である。ステップS3304又はステップS3305にて肯定判定した場合は、今回開始されたゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるとして、そのまま本特定判定領域用第2処理を終了する。これに対して、ステップS3304又はステップS3305にて否定判定した場合とは、今回開始されたゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合であり、この場合、ステップS3306に進む。
ステップS3306では、前兆フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS3307にて第1ATフラグや第2ATフラグをクリアする処理を実行する。続くステップS3308では、AT当選前ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS3309では、CZ終了前ゲームフラグをセットする処理を実行する。
すなわち、ステップS3306〜ステップS3307にて前兆フラグや第1ATフラグ、第2ATフラグがクリアされることにより、その後のAT開始ゲーム判定処理においては、ATモード開始用の処理が実行されることはなくなるし、そもそも、前兆フラグがクリアされるため、当該前兆フラグ等がセットされる契機となったATモード移行抽選に当選したことの情報、すなわち、当該ATモード移行抽選に基づき獲得したATモードへ移行させる権利が消滅することになる。また、AT当選前ゲームフラグもクリアされ、CZ終了前ゲームフラグがセットされることからして、今回のゲームの回転演出処理においては、各AT報知用回転演出を実行するための処理は行われず、外れ報知用回転演出を実行するための処理が行われるようになる。
ステップS3309の処理を実行した後は、ステップS3310にて回避コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本特定判定領域用第2処理を終了する。回避コマンドは、ATモード移行抽選に当選していたものの、ATモード開始用の処理を実行すべきゲームが、特定規定数ではないベット数にて遊技されたことに基づき、当該ATモード開始用の処理の実行が回避されたことを、表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
図68は、本実施形態における連続演出用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、連続演出用処理は、表示制御装置81側の開始時演出設定処理の一処理として実施される処理であり、より詳しくは、連続演出カウンタが0よりも大きい場合に実施される処理である。
ステップS3401では、今回の開始時コマンドとして、上記の回避コマンドを受信しているか否かを判定する。回避コマンドを受信している場合、ステップS3402にて前兆フラグや各ATフラグをクリアする処理を実行する。ステップS3401にて否定判定した場合、又はステップS3402の処理を実行した後は、ステップS3403〜ステップS3416にて、連続演出カウンタの値に応じた連続演出用の演出設定処理を実行する。
上記のように、回避コマンドを受信した場合には、前兆フラグや各ATフラグがクリアされることから、連続演出カウンタが0となるゲームにおいて連続演出における結果演出では、勝利演出(第1AT報知演出や第2AT報知演出)は実行されず、敗北演出(外れ報知演出)が実行されることになる。
本実施形態における遊技の流れを、図69のタイミングチャートを参照しながら説明する。
有利区間中であるt21のゲームで特定役当選となり、当該特定役に基づくATモード移行抽選に当選した場合、前兆ゲーム数の設定が行われたうえで、AT開始判定領域にATモード開始用の処理を行うべきゲームがt23のゲームとして設定される。
t23よりも前のt22のゲームから、t23よりも後のt24のゲームに亘って、例えばいずれかのBB状態にて遊技する等、遊技状態に応じた特定規定数ではないベット数にて遊技した場合、t23のゲームではATモード開始用の処理は実行されないし、t24のゲームでもATモード開始用の処理は実行されない。つまり、t23のゲームを特定規定数ではないベット数にて遊技したことに基づいて、t21にて獲得したATモードへの移行権利が消滅することになる。
そして、t21から開始された連続演出は、t23のゲームの前ゲームまでは、前兆演出テーブルに基づく演出が行われているものの、当該t23のゲームにて前兆演出テーブルから疑似前兆演出テーブルに基づく演出に切り替えられ、連続演出における結果演出は、勝利演出ではなく敗北演出が実行されることになる。なお、当該t23のゲームにおける各リール32L,32M,32Rによる回転演出も、各AT報知用回転演出から外れ報知用回転演出に切り替えられることになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモード移行抽選に当選し、AT開始判定領域にATモード開始用の処理を実行すべきゲーム数の設定が行われた場合、当該ATモード開始用の処理を実行すべきゲームを、特定規定数以外のベット数にて消化してしまうと、当該ゲームにてATモード開始用の処理が行われないだけでなく、以降のゲームを特定規定数のベット数にて遊技したとしても、再度ATモード移行抽選に当選しない限りATモード開始用の処理は行われない構成とした。このようにすることで、特定規定数以外のベット数にて消化したほうが純増枚数が多い(損失枚数が少ない)こと等を理由として、ATモード開始用の処理が実行されるまでの遊技を特定規定数以外のベット数にて消化されることを、好適に抑止することが可能となる。
有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となるゲームが特定規定数以外のベット数にて遊技された場合、上記のようにATモード開始用の処理を行わないようになるものの、当該AT開始判定領域に設定されたゲーム数についての情報はそのまま維持する構成としている。つまり、AT開始判定領域の情報の管理(設定、消去等)については、特定規定数のベット数による遊技に委ねることで、指示機能に関する各種処理の実行の有無を特定規定数によって管理することの意義に反しないようにしながら、ATモード開始用の処理を実行しないようにすることができる。なお、上記構成であっても、一の有利区間において有利区間ゲーム数AGは減算されることはないため、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数を超過した後は、再度、有利区間ゲーム数AGが当該AT開始判定領域に設定されたゲーム数となることはなく、ATモード開始用の処理は行われない。
上記のように、内部状態や非内部状態における2ベットゲームが、特定規定数以外のベット数による遊技に相当する他、第1BB状態や第2BB状態の各ゲームも、特定規定数以外のベット数による遊技に相当するところ、第1BB状態や第2BB状態は、複数のゲームに亘って継続し得る状態であり、一旦、第1BB状態や第2BB状態に移行させてしまうと、当該第1BB状態や第2BB状態の終了条件が成立するまで当該第1BB状態や第2BB状態は継続し得る。つまり、ATモード開始用の処理を実行すべきゲーム数付近で第1BB状態や第2BB状態への移行を生じさせてしまうと、いやおうなしに、これら第1BB状態や第2BB状態中に当該ATモード開始用の処理を実行すべきゲーム数に到達してしまう可能性がある。よって、特に、ATモード開始用の処理の直前では、第1BB状態や第2BB状態への移行を生じさせないように注意を促し、緊張感をもって遊技に臨ませることが可能となる。
なお、第1BB状態と第2BB状態との終了条件を異ならせてもよく、例えば、第1BB状態における上限払出数は15枚(ステップS506に15をセットする)である一方、第2BB状態における上限払出数を15枚よりも多い150枚(ステップS511にて150をセットする)とする構成としてもよい。この場合、第1BB状態はほぼ2ゲームで終了する(13枚払出+13枚払出=26枚払出)一方、第2BB状態はほぼ12ゲームで終了する(13枚払出×12=156枚払出)構成となる。つまり、例えば、ATモード移行抽選に当選した後、第1BB状態に移行させた場合には、ATモード開始用の処理を行うべきゲームを2ゲーム以内に控えていなければ、当該移行させた第1BB状態の終了後にATモード開始用の処理を行うゲーム数に到達するものの、第2BB状態に移行させた場合には、当該第2BB状態中にATモード開始用の処理を行うゲーム数に到達する(前兆ゲーム数≦10ゲーム)ことになる。このように、移行させるBB状態によって、当該BB状態中にATモード開始用の処理を実行すべきゲーム数に到達するか否かが異なる構成とすることで、入賞させないようにすべきBB状態の種類に応じた緊張感の違いを利用して遊技の興趣向上に役立てることも可能である。
このように第1BBと第2BBとで終了条件が異なる構成において、第1BBは3ベットゲームにて入賞させることが可能である一方、2ベットゲームでは入賞させることができず、第2BBは2ベットゲームにて入賞させることが可能である一方、3ベットゲームでは入賞させることができない構成としているが、かかる構成を変更し、第1BB及び第2BBのいずれもが3ベットゲームにて入賞させることが可能な構成とすることで、いずれのBBに当選しているかによって、ATモード移行当選となった後の遊技の緊張感が大きく異なり、第2BBに当選している状況でATモード移行当選となった場合は緊張感が高くなり、第1BBに当選している状況でATモード移行当選となった場合は緊張感が低くなることを利用して遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、第1BBと第2BBとで終了条件が異なる構成において、第1BBや第2BBに当選した場合、入賞を回避することが可能な構成を、入賞回避不可となる(当選ゲームにて入賞する)構成としてもよく、この場合、ATモード移行当選となった後、第1BBに当選した場合には、その当選ゲームとATモード開始用の処理を行うべきゲームとの関係によって、ATモード開始用の処理が行われる可能性はあるものの、第2BBに当選した場合には、その当選ゲームに関わらず、ATモード開始用の処理が行われなくなり、ATモードへの移行権利が消滅する、といった斬新な遊技性を実現することも可能である。
<第5の実施形態>
本実施形態では、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されたゲーム数に達した場合に指示機能に関する特定処理を実行する、といった本発明を利用した斬新な遊技性について説明する。図70は、本実施形態におけるAT開始ゲーム判定処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT開始ゲーム判定処理は、入賞結果対応処理において、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数であり、且つ前兆フラグがセットされている場合に実施される処理である。
ステップS3501では、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数以上であるか否かを判定するAT開始判定領域に設定されたゲーム数以上である場合、ステップS3502にて前兆フラグをクリアし、ステップS3503にてATカウンタに50を加算する処理を実行する。そして、ステップS3504にて特定判定内容設定処理を実行してから、ステップS3505〜ステップS3510にてATモード開始用の処理を実行する。ステップS3505〜ステップS3510の処理は、ステップS1304〜ステップS1309の処理と同様である。
ステップS3504の特定判定内容設定処理について、図71のフローチャートを参照しながら説明する。特定判定内容設定処理は、判定用情報記憶エリア106fに設定されるゲームにて実行される指示機能に関する特定処理の内容を決定する処理である。
ステップS3601では、特定上乗せ抽選処理を実行する。特定上乗せ抽選処理では、上記特定処理として、ATモードの上乗せ用の処理を実行するか否かを抽選により決定する。当該特定上乗せ抽選処理の当選確率は任意であるが、例えば、当該特定上乗せ抽選処理では50%の確率で特定上乗せ抽選に当選する構成とすると、2回に1回は上記特定処理としてATモードの上乗せ用の処理が実行されることになる。ステップS3601にて特定上乗せ抽選処理を実行した後は、ステップS3602にて、当該特定上乗せ抽選処理に当選したか否かの判定を行う。当選している場合、ステップS3603にて、各種フラグ格納エリア106dに特定上乗せフラグをセットする処理を実行する。特定上乗せフラグは、CPU102が指示機能に関する特定処理を行うにあたり、当該特定処理としてATモードの上乗せ用の処理を実行すべきことを把握するためのフラグである。そして、ステップS3604にて、特定上乗せ当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
ステップS3602にて否定判定した場合、又はステップS3604の処理を実行した後は、ステップS3605にて、判定用情報記憶エリア106fにおける特定判定領域に、現状の有利区間ゲーム数AGに所定ゲーム数として10ゲームを加算したゲーム数を入力する処理を実行する。そして、ステップS3606にて、内容設定コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本特定内容設定処理を終了する。内容設定コマンドは、特定判定領域に、特定処理を実行すべきゲーム数の入力が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
図72は、本実施形態における特定判定領域用処理を示すフローチャートである。
ステップS3701〜ステップS3710の処理は、上記ステップS1701〜ステップS1710の処理と同様であり、有利区間ゲーム数AGが、AT開始判定領域、CZ終了判定領域、特化終了判定領域に設定されているゲーム数となった場合に特定処理を実行するための前処理を実行する。
ステップS3711では、有利区間ゲーム数AGが特定判定領域に設定されたゲーム数であるか否かを判定する。すなわち、上記のようにATモード開始用の処理に際して、有利区間ゲーム数AGに10を加えたゲーム数が特定判定領域に設定されることから、ATモードが開始されてから10ゲーム後に、特定判定領域に設定されたゲーム数に達することになる。ステップS3111にて肯定判定した場合、ステップS3112にて特定判定処理を実行する。
特定判定処理は、図73のフローチャートに示すように、ステップS3801にて、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS3802にてベット数が3であるか否かを判定する。また、いずれかのBB状態フラグがセットされている場合には、ステップS3803にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS3801〜ステップS3803の処理は、今回のゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かを判定する処理である。
ステップS3802又はステップS3803にて肯定判定し、遊技状態に応じた特定規定数である場合、ステップS3804に進む。ステップS3804では、上記の特定上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。特定上乗せフラグがセットされている場合、ステップS3805にて、当該特定上乗せフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS3806にて、上乗せゲーム数抽選処理を実行する。
なお、本実施形態における上乗せゲーム数抽選処理では、10ゲームから50ゲームの上乗せゲーム数から抽選により今回の上乗せゲーム数を選択し、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとして設定されている。例えば、通常の上乗せゲーム数抽選処理のように、今回のゲームの抽選結果に応じて上乗せゲーム数が異なり得るように設定してもよく、今回のゲームがチャンス目Aである場合よりも、当該チャンス目Aよりも出現率が低いチャンス目Cの方が、多い上乗せゲーム数が選択され易くなるように設定してもよい。また、当選確率の設定処理により設定される設定値によって、上乗せゲーム数が異なり得るように設定してもよく、高設定ほど多い上乗せゲーム数が選択され易くなるように設定してもよい。
ステップS3806の上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS3807にて今回の上乗せゲーム数をATカウンタに加算する処理を実行する。そして、ステップS3808にて、今回の上乗せゲーム数の情報を含む特定上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
ステップS3804にて、特定上乗せフラグがセットされておらず、先の特定判定内容設定処理において、特定上乗せ抽選に非当選であった場合、ステップS3809に進む。ステップS3809では、減算ゲーム数抽選処理を実行する。減算ゲーム数抽選処理は、現状のATモードの残りゲーム数から、抽選により決定されたゲーム数を減算する特定処理を実行するうえ、当該減算するゲーム数を決定するための処理である。
本実施形態における減算ゲーム数抽選処理では、10ゲームから50ゲームの減算ゲーム数から抽選により今回の減算ゲーム数を選択し、その平均減算ゲーム数は20ゲームとして設定されている。例えば、上乗せゲーム数抽選処理のように、今回のゲームの抽選結果に応じて減算ゲーム数が異なり得るように設定してもよく、今回のゲームがチャンス目Aである場合よりも、当該チャンス目Aよりも出現率が低いチャンス目Cの方が、少ない減算ゲーム数が選択され易くなるように設定してもよい。また、当選確率の設定処理により設定される設定値によって、減算ゲーム数が異なり得るように設定してもよく、高設定ほど少ない減算ゲーム数が選択され易くなるように設定してもよい。また、減算ゲーム数抽選処理では、現状のATモードの残りゲーム数未満の減算ゲーム数となるように最大減算ゲーム数をその都度変更するようにしてもよい。更に、減算ゲーム数を抽選により決定するのではなく、現状のATモードの残りゲーム数の何%を減算するかを抽選により決定する構成としてもよく、例えば、現状のATモードの残りゲーム数が50ゲームであり、40%のゲーム数を減算するとして決定した場合、20ゲームを減算ゲーム数とする構成としてもよい。
ステップS3809の減算ゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS3810にて今回の減算ゲーム数をATカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS3811にて、今回の減算ゲーム数の情報を含む減算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
なお、減算ゲーム数抽選処理にて、現状のATモードの残りゲーム数以上の減算ゲーム数が決定され得る構成においては、ステップS3810の減算処理を行う場合に、現状のATカウンタの値よりも多い値を当該ATカウンタから減算する場面が生じ得る。この場合、例えば、ATカウンタがマイナス値とするのではなく、ATカウンタを0とする構成とすることで、処理エラーの発生を好適に回避することが可能となる。ATカウンタの値よりも大きい値を減算する場合、次のゲームにてATモード終了用の処理(ステップS1206〜ステップS1211)が実行されることになる。なお、ATカウンタの値よりも大きい値を減算する場合、今回のゲームにてATモード終了用の処理を実行する構成としてもよい。
ステップS3808又はステップS3811の処理を実行した後は、ステップS3812にて、特定判定内容設定処理を実行してから、本特定判定処理を終了する。特定判定内容設定処理は、上記図71の処理であり、10ゲーム後に実行される特定処理の内容(ATモードのゲーム数上乗せ処理か、ATモードのゲーム数の減算処理)を設定するための処理である。つまり、ATモードが開始されて10ゲーム後に上乗せ又は減算が行われ、更に10ゲーム後に上乗せ又は減算が行われる、といったように、ATモードにおける所定ゲーム数周期で特定処理が実行され、各特定処理の内容が特定上乗せ抽選として抽選により決定される構成としている。
ステップS3802又はステップS3803にて否定判定し、今回のゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合、ステップS3813に進む。ステップS3813では、各種フラグ格納エリア106dに回避フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS3814にて回避コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本特定判定処理を終了する。本実施形態における回避フラグは、特定判定領域に設定されたゲーム数での特定処理の実行が回避されたことを、CPU102が把握するためのフラグであり、回避コマンドをその内容を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
特定判定領域用処理において、ステップS3711にて否定判定した場合、又はステップS3712の処理を実行した後は、ステップS3713に進む。ステップS3713では、上記の回避フラグがセットされているか否かを判定する。回避フラグがセットされている場合、ステップS3714〜ステップS3716にて、今回のゲームのベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるか否かを判定する。すなわち、ステップS3714では、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS3715にてベット数が3であるか否かを判定する。いずれかのBB状態フラグがセットされている場合には、ステップS3716にてベット数が2であるか否かを判定する。ステップS3715又はステップS3716にて肯定判定して特定規定数である場合、ステップS3717にて、上記の特定判定内容設定処理(図71)を実行する。そして、ステップS3718にて回避フラグをクリアする処理を実行してから、特定判定領域用処理を終了する。ステップS3713、ステップS3715又はステップS3716にて否定判定した場合、そのまま特定判定領域用処理を終了する。
上記のように、ATモード中の所定ゲーム毎に実行される特定処理について、表示制御装置81のCPU181にて実行される特定判定演出設定処理を、図74のフローチャートを参照しながら説明する。特定判定演出設定処理は、例えば、全停止時演出設定処理(図50)におけるステップS2409のうちの一処理として実施される処理である。なお、特定判定演出設定処理の説明に際しては、図75〜図78の演出内容の例を示しながら説明を行う。
ステップS3901では、今回の全停止時コマンドとして、内容設定コマンドを受信しているか否かを判定する。内容設定コマンドは、上記特定判定内容設定処理が実行された場合に主制御装置101側から出力されるコマンドである。内容設定コマンドを受信している場合、ステップS3902にて、各種カウンタエリア183bに設けられた特定判定カウンタに特定処理が行われるまでのゲーム数に相当する10を入力する処理を実行する。続くステップS3903では、今回の全停止時コマンドとして、特定上乗せ当選コマンドを受信しているか否かを判定する。特定上乗せ当選コマンドは、上記特定判定内容設定処理における特定上乗せ抽選処理に当選した場合に主制御装置101側から出力されるコマンドである。特定上乗せ当選コマンドを受信している場合、ステップS3904にて、各種フラグ格納エリア183aに特定上乗せ当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS3901若しくはステップS3903にて否定判定した場合、又はステップS3904の処理を実行した後は、ステップS3905にて、特定判定カウンタの減算処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS3902にて設定される特定判定カウンタを、ゲームの進行に合わせて更新するための処理であり、ステップS3905では、特定判定カウンタから1を減算する。
上記のように、特定判定カウンタは、ATモードにおいて特定処理が実行されるまでのゲーム数に相当するカウンタであるところ、本実施形態では、図75(a)に示すように、補助表示部65において特定判定までのゲーム数表示として、当該特定判定カウンタの値に対応するゲーム数の表示が行われる。そして、ステップS3905にて特定判定カウンタの値が更新される度に、ステップS3906にて当該特定判定までのゲーム数表示の更新処理を実行する。図75(a)は、特定判定までのゲーム数が10ゲームであることを示し、図75(b)は特定判定までのゲーム数が1ゲームであることを示している。ちなみに、本実施形態では、当該特定判定までのゲーム数表示に加えて、ATモードの残りゲーム数表示も行われる構成としている。例えば、図75(a)では、ATモードの残りゲーム数が50ゲームであり、図75(b)では、ATモードの残りゲーム数が41ゲームであることを示している。
ステップS3906の処理を実行した後は、ステップS3907にて、特定上乗せ当選フラグがセットされているか否かを判定する。特定上乗せ当選フラグがセットされている場合には、ステップS3908〜ステップS3910にて、次の特定処理の内容が、ATモードの上乗せ用の処理であることを示唆する示唆演出を実行するための処理を行う。
すなわち、ステップS3908では、示唆演出抽選処理を実行する。示唆演出抽選処理は、上記示唆演出を実行するか否かを抽選により決定する処理である。示唆演出抽選の当選確率は任意であるが、例えば、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって示唆演出抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、設定値が高いほど示唆演出抽選に当選し易くなるようにしてもよい。また、以前の特定処理の内容に応じて示唆演出抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、以前の特定処理の内容が減算処理である場合の方が上乗せ処理である場合よりも示唆演出抽選に当選し易くなるようにしてもよい。更に、以前の特定処理の実施が回避されたか否かによって示唆演出抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、以前の特定処理の実施が回避されていない場合の方が回避された場合よりも示唆演出抽選に当選し易くなるようにしてもよい。
ステップS3908にて示唆演出抽選処理を実行した後は、ステップS3909にて示唆演出抽選に当選したか否かを判定し、当選した場合には、ステップS3910にて示唆演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。示唆演出としては、例えば、図78(b)に示すように、補助表示部65における所定領域(例えば左端)に所定のキャラクタを表示させる演出が設定されている。なお、図78(a)は、示唆演出抽選に非当選であった場合の演出内容を示しており、当該図78(a)においては、示唆演出としての所定のキャラクタは表示されていない。
ステップS3907若しくはステップS3909にて否定判定した場合、又はステップS3910の処理を実行した後は、ステップS3911に進む。ステップS3911では、今回の全停止時コマンドとして、特定上乗せコマンド、減算コマンド及び回避コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。いずれのコマンドも受信していない場合には、そのまま特定判定演出設定処理を終了する。これらいずれかのコマンドを受信している場合とは、有利区間ゲーム数AGが特定判定領域に設定されたゲーム数に達したことを意味し、主制御装置101側で特定判定処理が実施された場合である。この場合、ステップS3912にて、特定判定時演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。特定判定時演出としては、例えば、図76(a)に示すように、補助表示部65にて、「JUDGE」といった文字表示を行い、特定処理が行われる予定のゲームである旨を遊技者が明確に把握可能とされる。なお、特定判定時演出を行うゲームにおいて、押し順報知演出が行われる場合、当該押し順報知演出は、補助表示部65における所定領域(例えば右隅)において、押し順報知演出の内容が縮小して表示されるようにすると、遊技者は押し順報知の内容を把握しながら、特定判定時演出を楽しむことが可能となる。なお、かかる押し順報知演出の視認性に関しては、他の演出との関係性でも同様である(例えば、図76(b)、図77(a))。
ステップS3912にて、特定判定時演出用の処理を実行した後は、ステップS3913にて特定上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。特定上乗せコマンドを受信している場合、ステップS3914にて、上乗せ演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。上乗せ演出としては、例えば、図76(b)に示すように、補助表示部65にて、今回の上乗せゲーム数に対応させて「+20」等と表示することで、今回の特定処理の内容が上乗せ処理であったことと、その上乗せ処理により上乗せされたゲーム数を遊技者が明確に把握可能とされる。
ステップS3913にて特定上乗せコマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3915にて減算コマンドを受信しているか否かを判定する。減算コマンドを受信している場合、ステップS3916にて、減算演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。減算演出としては、例えば、図77(a)に示すように、補助表示部65にて、今回の減算ゲーム数に対応させて「−20」等と表示することで、今回の特定処理の内容が減算処理であったことと、その減算処理により減算されたゲーム数を遊技者が明確に把握可能となる。
ステップS3915にて減算コマンドを受信していないと判定した場合とは、回避コマンドを受信している場合であり、この場合、ステップS3917にて、回避演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。回避演出としては、例えば、図77(b)に示すように、補助表示部65にて、例えば、忍者のキャラクタを表示することで特定処理の実行が回避された旨を遊技者が把握可能とされる。ちなみに、回避演出が行われるゲームは、特定規定数とは異なるベット数にて遊技されている場合であり、この場合、図77(b)に示すように制限演出も実行されている。
ステップS3914、ステップS3916又はステップS3917の処理を実行した後は、ステップS3918にて、特定上乗せ当選フラグをクリアする処理を実行してから、本特定判定演出設定処理を終了する。なお、ステップS3918にて、特定上乗せ当選フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。
以上のように、本実施形態では、ATモード中に特定処理が行われるように特定判定領域にゲーム数を設定するとともに、特定判定領域に設定されたゲーム数となった場合には、当該特定処理として上乗せ処理と減算処理とのいずれかが行われるようにしたことから、ATモードの残りゲーム数が少なくなるリスクを負いながらも、ATモードの残りゲーム数が多くなる上乗せ処理が行われることを期待させながら、当該特定判定領域に設定されたゲームに望ませることが可能となる。しかも、仮に、そのリスクを嫌うのであれば、2ベットゲームにて当該特定判定領域に設定されたゲームを遊技する等して、特定処理の実行を回避することが可能となっているため、遊技者が、ATモードの残りゲーム数やリスクとの兼ね合いで、特定処理を実行させるか否かを決定する、といった、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
次の特定処理の内容を、事前に示唆演出によって把握可能としていることから、当該示唆演出により、特定処理を回避するか否かを判断させることが可能となる。このようにすることで、特定処理が行われるゲームだけでなく、それ以前のゲームについても遊技者の関心を惹きつける面白みのある遊技性を実現することができる。
なお、上記構成においては、特定上乗せ抽選に当選している場合にだけ示唆演出が発生し得る構成としたが、特定上乗せ抽選に当選していない場合にも示唆演出が発生し得る構成としたうえで、その発生率が特定上乗せ抽選に当選している場合の方が当選していない場合よりも高くなる構成としてもよい。
上記のように、特定処理の回避は、ベット数の切り替えだけで可能であることから、例えば、特定処理を回避したいのにもかかわらず、回避用の操作が困難であることを通じて、特定処理を回避できない、といった不都合は生じにくい。よって、上記の斬新な遊技性を、遊技者の熟練度に関わらず平等に楽しませることが可能となる。
また、特定判定領域に設定されたゲーム数となり、特定処理を実行した後は、再度、特定上乗せ抽選を行って、特定判定領域の設定を行う構成としたことで、これら上乗せ又は減算が行われる契機が、ATモード中、繰り返し生じるようになる。よって、ATモード中の面白みを向上させ、飽きさせない効果をより継続的に期待することができる。
特定上乗せ抽選に当選した場合の上乗せゲーム数の最大ゲーム数や、特定上乗せ抽選に当選しなかった場合の減算ゲーム数の最大ゲーム数を50ゲームとしており、特定処理と特定処理との間のゲーム数は当該最大ゲーム数よりも少ない10ゲームとしていることから、より短い周期で特定処理が行われる契機ゲームとなり、上記飽きさせない効果をより好適に期待することができる。
しかも、上記上乗せゲーム数の平均ゲーム数や、減算ゲーム数の平均ゲーム数は20ゲームとしており、特定処理と特定処理との間のゲーム数よりも多い構成としていることから、特定処理によるATモードの残りゲーム数の振れ幅が特定処理と特定処理との間のゲーム数よりも多くなり、特定処理にて残りゲーム数が増加することと減少することとの残りゲーム数への影響度合いが大きくなる。よって、特定処理への関心が高められ、遊技の興趣向上をうまく図ることができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fの各領域に設定されたゲーム数となった場合に実行可能となる指示機能に関する特定処理は、ATモード開始用の処理、CZモード終了用の処理、特化ゾーン終了用の処理、天井到達用の処理、特定上乗せ用の処理、ゲーム数の減算用の処理、といった各処理に限定されない。例えば、ATモード終了用の処理としてもよいし、CZモード開始用の処理としてもよい。
ATモード終了用の処理とする場合、例えば、ATモード開始時に、ATモードの継続ゲーム数に基づき、当該継続ゲーム数と現状の有利区間ゲーム数AGとを加算し、当該加算したゲーム数を、判定用情報記憶エリア106fの対応する領域に設定し、有利区間ゲーム数AGが当該対応する領域に設定されたゲーム数に達した場合に、ATモード終了用の処理を実行する構成とするとよい。この場合、当該対応する領域に設定されたゲーム数に達したゲームが、2ベットゲーム等の特定規定数以外のベット数による遊技である場合には、当該ゲームでのATモード終了用の処理の実行が回避されることになる。そこで、例えば、当該ゲーム以後で特定規定数のベット数による遊技が行われた場合に、ATモード終了用の処理を実行することで、ATモードがいつまでも継続してしまう不都合を回避することが可能となる。
また、例えば、当該ゲームでATモード終了用の処理が実行されなかった場合には、以後、特定規定数のベット数による遊技が行われた場合に、ATモード終了用の処理を行うべきゲーム数を再設定する構成としてもよい。このようにすることで、ATモード終了用の処理が行われる可能性のあるゲームを2ベットゲーム等で回避しながら、如何にATモードを継続させるか、といった斬新な遊技性を実現することができる。更に、ATモード終了用の処理を実行するゲーム数を複数設定する構成としてもよい。より詳しくは、例えば、ATモード開始時にATモード終了用の処理を行うべきゲーム数として、10ゲーム後、30ゲーム後、50ゲーム後、、、として設定し、これら設定された各ゲームを2ベットゲームにて遊技することで、ATモード終了用の処理の実行をかいくぐりながら、ATモードを進行させる遊技性を実現することができる。この場合、上記第5の実施形態のように、10ゲーム後、30ゲーム後、50ゲーム後、、、にて、ATモード終了用の処理が行われる場合と、当該ATモード終了用の処理とは有利度の異なる指示機能に関する特定処理(例えば、RT状態を移行させるための押し順報知を実行する処理)や他の処理(例えば、設定値の示唆演出を発生させる処理)が行われる場合とを設け、いずれの処理を実行するかを抽選等により決定する構成としてもよい。このようにしても、当該10ゲーム後等において、特定処理を実行させるか、2ベットゲームにて回避するか、を遊技者が選択する、といった遊技性を実現することが可能となる。また、上記のように複数設定するATモード終了用の処理を実行し得るゲーム数が、抽選により決定される構成として、遊技者がそのゲーム数を把握しにくい、又は把握できない構成としてもよい。このようにすることで、いつATモード終了用の処理が実行されるかがわからないままATモードが進行する、といったドキドキ感を提供することが可能となる。
(2)判定用情報記憶エリア106fにおける各領域の初期設定値(初期ゲーム数)を、有利区間の上限ゲーム数(1500)よりも大きいゲーム数としたが、有利区間の上限ゲーム数としてもよい。有利区間の上限ゲーム数であれば、対応する特定処理は実行されるものの、結局は有利区間の強制終了処理が行われるため、実質的に当該特定処理による作用は生じない。また、初期設定値をマイナスのゲーム数としてもよい。更に、初期設定値として、いずれのゲーム数も入力されない構成としてもよい。
(3)例えば、ATモード開始用の処理を行う場合、前兆フラグがセットされている状況にて有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されているゲーム数以上となることで、ATモード開始用の処理を実行する構成としたが、前兆フラグの有無に関わらず、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されているゲーム数以上となっているか否かを判定し、当該ゲーム数以上であればATモード開始用の処理を実行する構成としてもよい。すなわち、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されたゲーム数に至った場合に指示機能に関する特定処理を実行するうえでは、前兆フラグは必須の構成ではない。但し、ATモード移行抽選に当選した後か否かをCPU102が判断するためには、AT開始判定領域にATモード開始用の処理を実行すべきゲーム数を設定したことを前兆フラグによって把握可能とすることが好ましい。なお、ATモード移行抽選に当選するまでAT開始判定領域にはいずれのゲーム数も記憶させないようにし、AT開始判定領域にゲーム数が設定されていることで、ATモード移行抽選に当選した後であるとCPU102が判断する構成としてもよい。この場合、AT開始判定領域にゲーム数が設定されれており、且つ有利区間ゲーム数AGがそのAT開始判定領域に設定されているゲーム数(以上)となっている場合に、ATモード開始用の処理を実行する構成とするとよい。
ちなみに、上記各実施形態においては、ATモードが終了する場合に、有利区間も終了する構成としていることから、ATモードではなく、且つ有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となっている場合(ゲーム数以上となっている場合)とは、当該AT開始判定領域のゲーム数の設定契機となったATモード移行当選に対応するATモード移行前の状態であることになる。但し、ATモードの終了に際して有利区間が終了しない場合もある構成においては、当該ATモードの終了に際して、AT開始判定領域のゲーム数の初期化処理(1501に設定する処理)を実行する構成とするとよい。
(4)ATモード移行抽選に当選した場合に、特化ゾーンに移行させる構成としたが、それに加えて又は代えて、例えば、ATモードの開始時等の所定契機に基づいて、特化ゾーンへの移行ゲーム数を判定用情報記憶エリア106fにおける所定領域に設定し、有利区間ゲーム数AGが当該所定領域に設定されたゲーム数に到達した場合に、指示機能に関する特定処理の一処理として、特化ゾーンへ移行させる処理を実行可能となる構成としてもよい。この場合、有利区間ゲーム数AGが所定領域に設定されたゲーム数に到達するまで、ATモードが継続していることを上記特化ゾーンへ移行させる処理の実行条件とすることで、ATモードにおける到達目標を所定領域に設定されるゲーム数とさせ、その到達目標をクリアした場合には恩恵(上乗せ特化ゾーン)が付与される、といった遊技性を実現することができる。なお、ATモードが継続していることを上記特化ゾーンへ移行させる処理の実行条件とする場合、ATモード終了に際して有利区間も終了させて所定領域に設定されたゲーム数の初期化を行う構成としたり、ATモード終了に際して有利区間を終了させないにしても、ATモード終了に際して所定領域に設定されたゲーム数の初期化を行う構成とするとよい。また、上記所定領域に設定されるゲーム数(ATモードの到達目標)は任意であるが、例えば、有利区間(ATモード)の上限ゲーム数に近い1000ゲームとすることで、かかるゲームに到達することで、上乗せ特化ゾーンの恩恵によって、上限ゲーム数まで継続し易くなる、といった遊技性を実現可能である。
(5)判定用情報記憶エリア106fの各領域に設定されたゲーム数を、主制御装置101から外部出力する出力手段を備える構成としてもよい。外部出力される出力先としては、表示制御装置81の他、遊技ホールのホールコンピュータや、各遊技機に又は複数の遊技機に対して備え付けられているデータ表示器が想定される。例えば、遊技ホールのホールコンピュータに外部出力する構成とすることで、設定されたゲーム数にて、又はそのゲーム数に近いゲーム数にて対応する指示機能に関する特定処理が実行されているかをホール管理者が確認することが可能となる。よって、特定処理の実行を不正に回避したり、判定用情報記憶エリア106fに対応するゲーム数が設定されることなく特定処理を行わせたりする等して、不正な利益を享受しようとする行為が行われた場合、当該行為を容易に発見することが可能となる。なお、当該指示機能に関する特定処理が実行された場合、その旨の情報、及び/又は当該指示機能に関する特定処理の処理結果の情報についてもホールコンピュータ等に外部出力する構成とするとよい。
(6)有利区間情報の初期化処理に際して、AT開始判定領域等の初期化処理(図42(b))を実行する構成としたが、対応する指示機能に関する特定処理を実行した場合に、対応する領域の初期化処理を行う構成としてもよい。例えば、有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域に設定されたゲーム数となったことに基づきATモード開始用の処理を実行した場合、AT開始判定領域の初期化処理を行う(1501ゲームを設定する)構成としてもよい。
(7)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(8)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(9)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(10)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(11)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(12)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(13)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(14)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(15)主制御装置101が、判定用情報記憶エリア106fに指示機能に関する特定処理を実行するゲーム数を設定する処理を行うとともに、主制御装置101が、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数に達した場合に対応する指示機能に関する特定処理を実行する構成としたが、上記ゲーム数を設定する制御装置と、特定処理を実行する制御装置とが異なる制御装置であってもよい。例えば、主制御装置101が、判定用情報記憶エリア106fに指示機能に関する特定処理を実行するゲーム数を設定する処理を行う一方、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数に達した場合に、表示制御装置81へその旨のコマンドを出力する等し、表示制御装置81が対応する指示機能に関する特定処理を実行する構成としてもよい。
(16)連続演出や示唆演出等の態様は一例であり、他の演出態様であってもよい。例えば、連続演出に関して、最終的に、勝利演出又は敗北演出の結果演出を実行する構成としたが、いずれの結果演出も実行しないで終了する場合がある構成としてもよい。この場合、ATモード移行当選であれば、勝利演出を実行するゲームよりも前に確定演出が実行された(その確定演出の演出パターンが選択された)ことを契機として、勝利演出を実行することなく連続演出を終了し、ATモード移行非当選であれば、敗北演出を実行することなくそのまま連続演出が終了する構成としてもよい。
(17)前兆ゲーム数として、上記のものよりも多いゲーム数が選択される構成としてもよいし、短いゲーム数が選択される構成としてもよい。また、ATモード移行当選やCZモード移行当選を契機として前兆ゲーム数やCZモードの継続ゲーム数に亘って連続演出が行われる構成としたが、所定の前兆演出を経てから、連続演出が開始される構成としてもよい。
(18)特定規定数以外のベット数による遊技が行われた場合には、毎ゲーム、制限演出を実行する構成としたが、特定規定数のベット数による遊技から、特定規定数以外のベット数による遊技に切り替えられたゲームにて制限演出を実行する一方、その後のゲームでは特定規定数以外のベット数による遊技であっても、当該特定規定数以外のベット数による遊技が連続する場合には制限演出を行わない構成としてもよい。また、特定規定数以外のベット数による遊技にて、制限演出の実行の有無を抽選により決定する構成としてもよい。
(19)特定役に基づくATモード移行抽選が行われた場合において、当該ATモード移行抽選に当選した場合には特化ゾーンに移行することで、ATモード開始用の処理が行われるまでのゲームを特定規定数のベット数にて遊技した方が特定規定数以外のベット数にて遊技するよりも遊技者にとって有利となるようにしたが、少なくとも特定役に基づくATモード移行抽選に当選してからATモード開始用の処理が行われるまでの所定遊技が、特定規定数のベット数にて遊技した方が特定規定数以外のベット数にて遊技するよりも遊技者にとって有利となるようになればよく、例えば、かかる所定遊技において、特定規定数のベット数にて遊技した方が特定規定数以外のベット数にて遊技するよりも設定値の示唆演出が発生し易くなる構成としてもよい。
また、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始用の処理が行われるまでのゲームにて、ATモードの昇格抽選(第1ATモードから第2ATモードへの昇格抽選)を実行する構成としてもよい。この場合、当該ATモードの昇格抽選を、特定規定数のベット数によるゲームでは実行する一方、特定規定数以外のベット数によるゲームでは実行しない構成とするとよい。
(20)ATモード移行抽選に当選した場合、ATモード開始用の処理が行われるまで、BB入賞を生じさせない限り、遊技状態の移行が生じない構成を前提としたが、所定の再遊技結果となる確率が異なるRT状態を設け、ATモード移行抽選に当選した場合に、RT状態の移行を生じさせてからATモード開始用の処理が行われる構成としてもよい。この場合、RT状態の移行を生じさせる移行役当選時の押し順報知を、特定規定数のベット数によるゲームでは実行可能とする一方、特定規定数以外のベット数によるゲームでは実行不可とすることで、ATモード移行抽選に当選した後、少なくともATモード開始用の処理が行われるまでの所定遊技を、特定規定数のベット数にて遊技させる必要性を生じさせることが可能となる。
(21)有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されたゲーム数に達した場合、当該ゲームが特定規定数以外のベット数によるゲームであれば、CZモード終了用の処理や特化ゾーン終了用の処理については、CZ終了フラグや特化終了フラグをセットして、次に特定規定数のベット数によるゲームが行われた場合には、判定用情報記憶エリア106fの確認を行うことなく、これらCZ終了フラグや特化終了フラグを確認することでCZモード終了用の処理や特化ゾーン終了用の処理を実行する構成としたが、ATモード開始用の処理のように、特定規定数のベット数によるゲームにて、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数以上となっていることを確認したうえで、対応する指示機能に関する特定処理を実行する構成としてもよい。
(22)有利区間ゲーム数AGと判定用情報記憶エリア106fとを利用して、指示機能に関する特定処理を実行する構成としたが、有利区間ゲーム数AGに加えて又は代えて、例えば、遊技ホールの開店からのゲーム数や、遊技機の工場出荷から総ゲーム数等と、判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数とを利用して、指示機能に関する特定処理を実行する構成としてもよい。
(23)有利区間ゲーム数AGと判定用情報記憶エリア106fとを利用して、指示機能に関する特定処理を実行する構成としたが、例えば、有利区間ゲーム数AGと判定用情報記憶エリア106fとを利用して、指示機能に関する特定処理に加えて又は代えて、例えば、所定の演出(例えば設定値の示唆演出)に関する処理や、有利区間に関する処理(例えば有利区間終了用の処理)、各リール32L,32M,32Rの回転演出に関する処理、各ゲームの抽選テーブルの変更用の処理等を実行する構成としてもよい。
(24)判定用情報記憶エリア106fの各領域に設定されているゲーム数と、指示機能に関する特定処理とは、1対1の関係で対応付けられていたが、例えば、有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fの対応する領域に設定されているゲーム数に達した場合に、指示機能に関する特定処理の内容を抽選により決定する構成とし、当該抽選結果に対応する内容の特定処理を実行する構成としてもよい。
(25)特化ゾーンに移行することで、上乗せ抽選の当選確率が向上する構成としたが、それに加えて又は代えて、上乗せ抽選に当選した場合の上乗せゲーム数が多くなる構成としてもよい。
(26)ATモード移行抽選に当選した場合、必ず特化ゾーンへ移行させる構成としたが、特化ゾーンへの移行抽選を経て、当該移行抽選に当選した場合に特化ゾーンへ移行させる構成としてもよい。この場合、特化ゾーンへ移行する場合には連続演出を実行する一方、特化ゾーンへ移行しない場合には連続演出を実行しない構成としてもよい。
(27)CZモードや特化ゾーンのゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(28)CZモードのゲーム数を、一律で10ゲームとする一方、ATモード移行抽選に当選した場合の前兆ゲーム数は抽選により決定する構成とし、ATモード移行抽選の当否によって、AT開始判定領域やCZ終了判定領域に設定されるゲーム数が異なり得る構成としたが、ATモード移行抽選の当否に関わらず共通のゲーム数がAT開始判定領域やCZ終了判定領域に設定される構成としてもよい。
(29)ATモード移行当選となった場合、直ぐに特化ゾーンへ移行する構成としたが、ATモード移行当選となってから所定ゲーム数を挟んで特化ゾーンへ移行する構成としてもよい。この場合、所定ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよい。
(30)ATモード移行非当選となり、CZモード移行当選となった場合、直ぐにCZモードへ移行する構成としたが、ATモード移行非当選となり、CZモード移行当選となってから所定ゲーム数を挟んでCZモードへ移行する構成としてもよい。この場合、所定ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよい。
(31)判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数となるよりも所定ゲーム数前のゲームにて、当該判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数となった場合に実行される特定処理の内容に対応する報知を実行する構成としてもよい。例えば、第4の実施形態のように、AT開始判定領域に設定されているゲーム数を特定規定数のベット数にて遊技しないと、その後ATモード開始用の処理が実行されない構成において、当該AT開始判定領域に設定されているゲーム数よりも所定ゲーム数前のゲームにて事前報知することで、第1BB入賞や第2BB入賞させないようにさせる注意喚起とすることも可能である。この場合、所定ゲーム数を第1BB状態や第2BB状態の継続ゲーム数以上とすることで、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させてしまって、手遅れとなるよりも前に、上記の第1BB入賞や第2BB入賞を成立させないようにする注意喚起の意義が担保される。
(32)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(33)第5の実施形態において、特定判定処理を実行する周期をランダムにしてもよい。具体的には、特定判定内容設定処理を実行した場合、現状の有利区間ゲーム数AGに一律で10を加えたゲーム数を特定判定領域に設定すれ構成としたが、抽選等により決定された値を有利区間ゲーム数AGに加えて、当該値を特定判定領域に設定する構成としてもよい。
(34)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(35)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(36)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(37)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(38)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技価値の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行された遊技数を把握する遊技数把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記有利状態において、予め定められた特定契機(ATモード移行当選、ATモード移行非当選)が生じた場合に、前記態様報知手段による前記態様報知に関する特定処理(ATモード開始用の処理、CZモード終了用の処理)を実行する予定遊技数を、予め定められた判定用領域(AT開始判定領域、CZ終了判定領域)に対応情報として設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域やCZ終了判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する予定遊技数としての特定数となった場合に、前記特定処理を実行可能となる特定処理実行手段(主制御装置101による、ATモード開始用の処理、CZモード終了用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる有利状態と、態様報知が行われない通常状態とを設けることで、有利状態の通常状態に対する優位性が担保され、有利状態への移行に期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。しかも、本遊技機では、有利状態における遊技数が特定数に至った場合、態様報知に関する特定処理が実行される構成としていることから、当該特定処理の内容によっては、遊技者にその特定数に至ることを心待ちにさせることもできる。この場合、特定契機が生じると、特定処理が実行されるように判定用領域に対応情報が設定されるので、特定契機に基づきその後に特定処理を実行するような構成において、特定契機が生じたことを特定処理の実行まで記憶する必要がなく、当該対応情報の有無を把握することで既に特定契機が生じた後であることや、特定契機が生じた後であって特定処理を実行するよりも前の状況であること、特定処理を実行すべき状況であること等を、遊技数把握手段により把握される遊技数と、判定用領域の対応情報だけで判断することが可能となり、構成の簡素化を図ることができる。
特徴A2.少なくとも前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が許容される第1遊技(遊技状態に応じた特定規定数のベット数による遊技)と、前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が制限される第2遊技(遊技状態に応じた特定規定数以外のベット数による遊技)と、
が設定されており、
前記遊技数把握手段は、前記第1遊技及び前記第2遊技を含めて遊技数を把握するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知や特定処理の実行が許容される第1遊技と、態様報知や特定処理の実行が制限される第2遊技と、が設定されていることから、例えば、遊技の進行状況に応じて、態様報知を行うべきではない状況では第2遊技に切り替えさせる等、態様報知を利用した遊技性を、遊技者に設計通り遊技させることが可能となる。
その一方で、有利状態における遊技数は、第1遊技及び第2遊技と、のいずれの遊技も含めて遊技数把握手段により把握される構成であるため、例えば第2遊技にて態様報知の実行が回避された場合であっても、特定数までの遊技数のカウントは進行する。つまり、第2遊技にて遊技した遊技数も含めて特定処理を実行するまでの遊技数が把握される。そして、第2遊技では特定処理の実行も制限されることから、特定処理が実行されるまでの遊技数やその特定処理の実行の有無と、態様報知の実行の有無との関係で、第1遊技と第2遊技との切り替えを行いながら遊技を進行させる、とった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴A3.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数に至ったことを、前記第2遊技において把握可能な手段(主制御装置101による特定領域判定用処理にて有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fの各領域に設定されたゲーム数に至ったことの判定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技にて特定数に至った場合であっても特定処理の実行が制限される構成において、特定数に至ったこと自体は、第2遊技であっても把握される。このようにすることで、特定処理の実行が制限されることを遊技者に報知することも可能であるし、例えば、特定数に至った後、第1遊技が行う際に初めて当該特定数に至っていたことが把握可能となるような構成と比較して、その把握後の処理や報知を実行するための猶予が生じるため、処理負荷の一時的な増大化を回避することも可能である。
特徴A4.遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)を備え、
前記抽選手段は、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて前記抽選を行う構成であり、
前記遊技価値付与手段により付与される遊技価値と、前記賭数設定手段により設定される賭数との差し引きの一遊技当たりの平均値である期待増加数は、前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技では態様報知や特定処理が行われないものの、第1遊技よりも、一遊技当たりの遊技価値の期待増加数が多くなるため、例えば、特定数に至るまでの遊技を第2遊技にて遊技したほうが遊技者にとってメリットがある場面も生じ得るようになる。このようにすることで、第1遊技と第2遊技との切り替えを利用した遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴A5.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、予め定められた上限数に達した場合に、前記有利状態を終了して前記通常状態に移行させる終了手段(主制御装置101による上限ゲーム数に到達したことに基づく有利区間終了用の処理を実行する機能)と、
所定の初期化処理を実行する初期化手段(主制御装置101による有利区間情報の初期化処理を実行する機能)と、
を備え、
前記初期化手段により初期化処理が実行された場合、前記判定用領域には初期情報として、前記上限数よりも多い遊技数に対応する情報が設定されることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定用領域の初期情報は、有利状態の上限数よりも多い遊技数に対応する情報が設定されることから、有利状態において、特定契機が生じないまま特定処理が実行されてしまうことを好適に回避することが可能となる。
特徴A6.前記特定契機として、少なくとも第1特定契機(ATモード移行当選)と第2特定契機(ATモード移行非当選)とが設定されており、
前記対応情報設定手段は、
前記有利状態において、前記第1特定契機が生じた場合に、前記特定処理としての第1特定処理(ATモード開始用の処理)を実行する第1予定遊技数を、判定用領域(AT開始判定領域)に対応情報として設定する第1対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
前記有利状態において、前記第2特定契機(ATモード移行非当選)が生じた場合に、前記特定処理として、前記第1特定処理とは異なる第2特定処理(CZモード終了用の処理)を実行する第2予定遊技数を、判定用領域(CZ終了判定領域)に対応情報として設定する第2対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるCZ終了判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する前記第1予定遊技数としての第1特定数となった場合に、前記第1特定処理を実行可能となる第1特定処理実行手段(主制御装置101によるATモード開始用の処理を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する前記第2予定遊技数としての第2特定数となった場合に、前記第2特定処理を実行可能となる第2特定処理実行手段(主制御装置101によるCZモード終了用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定契機や第2特定契機が生じた場合にそれぞれ第1予定遊技数や第2予定遊技数を特定情報として記憶させ、有利状態における遊技数が第1特定数に至った場合には第1特定処理を実行し、第2特定数に至った場合には第2特定処理を実行する。このように、特定処理の内容やその実行ゲーム数が単一ものではないことを明確化することにより、より多様な遊技性をより簡素な構成にて実現することが可能となる。
特徴A7.前記第1対応情報設定手段が前記対応情報を設定する判定用領域と、前記第2対応情報設定手段が前記対応情報を設定する判定用領域とは共通の判定用領域であることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、共通の判定用領域を用いることから、各特定処理用にそれぞれ判定用領域を用いる構成と比較して、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
特徴A8.前記第1対応情報設定手段が設定する対応情報に対応する第1予定遊技数と、前記第2対応情報設定手段が設定する対応情報に対応する第2予定遊技数とは、共通の遊技数を示すものであることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態における同じ遊技において、第1特定処理が行われたり、第2特定処理が行われたりすることになる。このように、同じ遊技において複数種類の特定処理が行われ得ることを許容することで、判定用領域に各対応情報を設定することで複数種類の特定処理を実行可能となる構成の自由度が大幅に向上する。
特徴A9.遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせるか否かの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能や、主制御装置101による特定上乗せ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段による有利判定の結果が、前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果である場合に前記第1特定契機が生じ、
前記有利判定手段による有利判定の結果が、前記有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果である場合に前記第2特定契機が生じる構成であることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果の当否によって第1特定処理が実行されるか第2特定事象が生じるかが異なることになる。つまり、有利判定の結果が対応結果である場合は、判定用領域に第1予定遊技数に対応する対応情報が設定されて第1特定処理が行われ、有利判定の結果が非対応結果である場合は、判定用領域に第2予定遊技数に対応する対応情報が設定されて第2特定処理が行われる。このように一の有利判定の結果に応じて、判定用領域に設定する対応情報を異ならせることで、判定用領域は、当該有利判定と一対一の関係で対応付けられることになり、判定用領域に重複して複数の対応情報が設定されてしまう事象を回避することができる。
特徴A10.前記有利状態において、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されるようになる、又は実行確率が向上する報知状態(ATモード)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として予め定められた契機結果(特定役)に基づいて実行された前記有利判定の結果が前記対応結果である場合に、前記第1特定処理が行われて前記報知状態に移行させることが可能となる構成であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果が契機結果となることで、有利判定が行われ、その有利判定に当選すると、その後に第1特定処理として報知状態への移行が生じることになる。つまり、契機結果は、報知状態への移行が生じ得るサインとなる。よって、判定用領域に対応情報が設定される構成を利用して報知状態への移行を生じさせる構成においても、その対応情報の設定契機がわかりやすくなり、遊技者はその設定契機が生じた場合、その後、大いに期待感を抱きながら遊技することになる。よって、遊技の興趣向上が好適に図られる。
特徴A11.前記第1特定処理は、前記報知状態を開始させるための処理であることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、契機結果となって有利判定に当選となると、第1予定遊技数に対応する対応情報が設定され、その第1予定遊技数に対応する第1特定数となると、報知状態への移行が生じ得るようになる。よって、契機結果となってから報知状態への移行が生じるまでの遊技への関心を高めることを通じて、判定用情報に設定されている情報への注目度も高めることができる。
特徴A12.前記有利状態において、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されるようになる、又は実行確率が向上する報知状態(ATモード)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として予め定められた契機結果(特定役)に基づいて実行された前記有利判定の結果が前記非対応結果である場合に、前記報知状態への移行が生じ易くなる高移行状態へ移行させ、前記第2特定処理として当該高移行状態を終了させる処理が実行される構成であることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果が契機結果となることで、有利判定が行われ、その有利判定に外れると、報知状態への移行が生じ易くなる高移行状態へ移行し、その後、第2特定処理として当該高移行状態の終了処理が行われるようになる。つまり、契機結果は、高移行状態の移行の契機となるとともに、高移行状態の終了の契機ともなる。このようにすることで、有利判定に非当選であっても、遊技への期待感を継続させることができる。
特に、本構成を特徴A10に適用すると、契機結果に基づく有利判定に当選した場合には報知状態に移行し、当該契機結果に基づく有利判定に非当選であった場合には報知状態への高移行状態に移行する、といった構成を、判定用領域に設定する対応情報を利用して実現することが可能となる。よって、比較的簡素な構成にて、かかる遊技性を実現することができる。
特徴A13.前記有利状態において、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されるようになる、又は実行確率が向上する報知状態(ATモード)が設定されており、
前記有利判定手段による前記有利判定の結果が前記対応結果である場合、前記第1特定処理が行われて前記報知状態の継続遊技数が増加する構成であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定処理は、報知状態の継続遊技数を増加させる所謂上乗せ処理に相当するものとなる。つまり、有利判定に当選となると、報知状態が終了しにくくなり、遊技者にとって好ましい事象が生じることになる。このような遊技性についても、判定用領域に対応情報を設定する構成を利用すれば、比較的簡素な構成にて当該遊技性を実現することが可能となる。
特徴A14.前記有利判定手段による前記有利判定の結果が前記非対応結果である場合、前記第2特定処理が行われて前記報知状態の継続遊技数が減少する構成であることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定処理は、報知状態の継続遊技数を減少させる処理となる。そうすると、有利判定にて非当選となると、報知状態が終了し易くなり、遊技者にとって好ましくない事象が生じることとなる。このような遊技性についても、判定用領域に対応情報を設定する構成を利用すれば、比較的簡素な構成にて当該遊技性を実現することが可能となる。
特徴A15.前記第1対応情報設定手段が設定する対応情報に対応する第1予定遊技数と、前記第2対応情報設定手段が設定する対応情報に対応する第2予定遊技数とは、共通の遊技数を示すものであり、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記第1特定数及び前記第2特定数に対応する遊技数以上となり、前記第1特定処理実行手段及び前記第2特定処理実行手段による各特定処理の実行が可能となる可能遊技において、対応する特定処理が実行される構成であることを特徴とする特徴A9乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、契機結果に基づく有利判定に当選となると第1特定契機が生じ、当該有利判定に非当選となると第2特定契機が生じる構成において、有利判定の結果がいずれであっても、共通の遊技数にて第1特定処理と第2特定処理とのいずれかが行われる構成となる。このようにすることで、契機結果となってから、第1特定数や第2特定数となるまでの遊技において、有利判定の結果を予測させる等して遊技への注目度向上を図るうえで、比較的簡素な構成にて、当該注目度向上効果を期待することができる。
しかも、上記構成においては、仮に第1特定数や第2特定数となる遊技にて第1特定処理や第2特定処理が実行されなくても、その後に、これら第1特定処理や第2特定処理が実行される可能遊技にて、対応する特定処理が実行される構成となることから、特定処理がいつまでも実行されない、といった事象が生じないようにすることができる。
特徴A16.前記第1対応情報設定手段が設定する対応情報に対応する第1予定遊技数と、前記第2対応情報設定手段が設定する対応情報に対応する第2予定遊技数とは、共通の遊技数を示すものであり、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記第1特定数及び前記第2特定数に対応する遊技数となる特定遊技が、予め定められた第1遊技である場合、前記第1特定処理実行手段及び前記第2特定処理実行手段による各特定処理が実行される一方、前記特定遊技が前記第1遊技とは異なる第2遊技である場合、前記第1特定処理実行手段及び前記第2特定処理実行手段による各特定処理が回避されることを特徴とする特徴A9乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、契機結果に基づく有利判定に当選となると第1特定契機が生じ、当該有利判定に非当選となると第2特定契機が生じる構成において、有利判定の結果がいずれであっても、共通の遊技数にて第1特定処理と第2特定処理とのいずれかが行われる構成となる。このようにすることで、契機結果となってから、第1特定数や第2特定数となるまでの遊技において、有利判定の結果を予測させる等して遊技への注目度向上を図るうえで、比較的簡素な構成にて、当該注目度向上効果を期待することができる。
しかも、上記構成においては、仮に第1特定数や第2特定数となる遊技にて第1特定処理や第2特定処理が実行されなかったら、その特定処理の実行が回避される構成としていることから、第1特定処理や第2特定処理の内容によって、これら特定処理を実行させる遊技だけでなく、これら特定処理の実行を回避させる遊技も実現することができる。よって、契機結果に基づく有利判定への注目度を劇的に高めることが可能となる。
なお、上記特徴A1乃至A16に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴A1乃至A16の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C10、特徴D1乃至D9、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技価値の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行された遊技数を把握する遊技数把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が特定数となった場合、前記態様報知手段による前記態様報知に関する特定処理(指示機能に関する特定処理)を実行可能となる特定処理実行手段(主制御装置101による、ATモード開始用の処理やCZモード終了用の処理、特化ゾーン終了用の処理等を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が許容される第1遊技(遊技状態に応じた特定規定数のベット数による遊技)と、前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が制限される第2遊技(遊技状態に応じた特定規定数以外のベット数による遊技)と、
が設定されており、
前記遊技数把握手段は、前記第1遊技及び前記第2遊技を含めて遊技数を把握するものであり、
前記第2遊技にて前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数に至った場合、その後、前記第1遊技が行われるまで前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行を待機させる待機手段(主制御装置101によるAT開始ゲーム判定処理において有利区間ゲーム数AGがAT開始判定領域のゲーム数に至った後でATモード開始用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる有利状態と、態様報知が行われない通常状態とを設けることで、有利状態の通常状態に対する優位性が担保され、有利状態への移行に期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。しかも、本遊技機では、有利状態における遊技数が特定数に至った場合、態様報知に関する特定処理が実行される構成としていることから、当該特定数に至ることで行われる特定処理の内容によっては、遊技者にその特定数に至ることを心待ちにさせることもできる。
ここで、本遊技機では、態様報知や特定処理の実行が許容される第1遊技と、態様報知や特定処理の実行が制限される第2遊技と、が設定されていることから、例えば、遊技の進行状況に応じて、態様報知を行うべきではない状況では第2遊技に切り替えさせる等、態様報知を利用した遊技性を、遊技者に設計通り遊技させることが可能となる。
ところが、有利状態における遊技数は遊技数把握手段により把握されるところ、当該遊技数把握手段は、第1遊技及び第2遊技と、のいずれの遊技も含めて遊技数の把握を行う構成であるため、第2遊技にて特定数に至った場合、当該特定数に至った遊技では特定処理を実行することができなくなる。そこで、本遊技機では、待機手段を備えるようにしたことから、特定処理の実行は第1遊技まで待機されるようになり、せっかく特定数に至って特定処理が行われる状況となったのにもかかわらず、第2遊技にて遊技してしまったことで特定処理が行われなくなってしまう、といった不都合を好適に回避することができる。
特徴B2.前記有利状態において、予め定められた特定契機(例えば、ATモード移行当選)が生じた場合に、予め定められた判定用領域(例えば、AT開始判定領域)に前記特定数に対応する対応情報を設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する遊技数以上となっている場合に、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定契機が生じた場合に判定用領域に対応情報が設定されるため、当該特定契機が生じたことを特定処理の実行まで記憶する必要がなく、当該対応情報の有無を把握することで既に特定契機が生じた後であることを判断することが可能となる。しかも、有利状態中の遊技数が判定用領域に設定された対応情報に対応する遊技数以上であれば特定処理を実行するようにすることで、特定契機の発生の有無だけでなく、特定契機が生じた後において、特定処理を実行するよりも前の状況であることや、特定処理を実行すべき状況であることを、遊技数把握手段により把握される遊技数と、判定用領域の対応情報だけで判断することが可能となり、構成の簡素化を図りながら、特徴A1の効果を期待することができる。
特徴B3.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、予め定められた上限数に達した場合に、前記有利状態を終了して前記通常状態に移行させる終了手段(主制御装置101による上限ゲーム数に到達したことに基づく有利区間終了用の処理を実行する機能)と、
所定の初期化処理を実行する初期化手段(主制御装置101による有利区間情報の初期化処理を実行する機能)と、
を備え、
前記初期化手段により初期化処理が実行された場合、前記判定用領域には初期情報として、前記上限数よりも多い遊技数に対応する情報が設定されることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定用領域の初期情報は、有利状態の上限数よりも多い遊技数に対応する情報が設定されることから、有利状態において、特定契機が生じないまま特定処理が実行されてしまうことを好適に回避することが可能となる。
特徴B4.前記特定処理実行手段は、
前記特定処理として第1特定処理を実行する第1特定処理実行手段(主制御装置101によるATモード開始用の処理を実行する機能)と、
前記特定処理として前記第1特定処理とは異なる第2特定処理を実行する第2特定処理実行手段(主制御装置101によるCZ終了用の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応情報設定手段は、
前記特定契機として第1特定契機(ATモード移行当選)が生じた場合に、前記判定用領域のうちの第1判定用領域(AT開始判定領域)に前記対応情報としての第1対応情報を設定する第1対応情報設定手段(主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理を実行する機能)と、
前記特定契機として前記第1特定契機とは異なる第2特定契機(CZモード移行当選)が生じた場合に、前記判定用領域のうちの前記第1判定用領域とは異なる第2判定用領域(CZ終了判定領域)に前記対応情報としての第2対応情報を設定する第2対応情報設定手段(主制御装置101によるCZ終了判定領域にゲーム数を設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定処理実行手段は、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記第1対応情報に対応する遊技数以上となっている場合に、前記第1特定処理を実行するものであり、
前記第2特定処理実行手段は、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記第2対応情報に対応する遊技数以上となっている場合に、前記第2特定処理を実行するものであることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定用領域を複数種類設けることで、有利状態中の遊技数がそれぞれの判定用領域に設定された対応情報に対応する遊技数となった場合に、対応する特定処理を実行すればよく、複数種類の特定処理をそれぞれ異なる遊技数にて実行するような構成であっても、特徴B2のような比較的簡素な構成での効果を期待することが可能となる。
特徴B5.前記第1特定処理が行われることによって遊技者にとって有利な事象が生じ、
前記第2特定処理が行われることによって遊技者にとって不利な事象又は前記第1特定処理が行われる場合よりも遊技者にとって有利ではない事象が生じることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定処理と第2特定処理とは、遊技者にとっての有利度が全く異なる事象を生じさせるための処理であり、このような処理同士であっても、特徴B4のように複数の判定用領域を用いることで、それぞれの処理を同じ遊技数把握手段により把握される遊技数を利用しながら並行して行うことが可能となる。
特徴B6.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数に至ったことを、前記第2遊技において把握可能な手段(主制御装置101による特定領域判定用処理にて有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fの各領域に設定されたゲーム数に至ったことの判定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技において遊技数が特定数に至った場合には、第1遊技まで特定処理の実行が待機される構成において、特定数に至ったこと自体は、第2遊技であっても把握される。このようにすることで、特定処理の実行が待機されていることを遊技者に報知することも可能であるし、例えば、特定数に至った後、第1遊技が行う際に初めて当該特定数に至っていたことが把握可能となるような構成と比較して、当該第1遊技において特定処理を実行するための猶予が生じるため、特定処理を行ううえでの処理負荷の一時的な増大化を回避することも可能である。
特徴B7.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数に至ったことを把握した場合、特定情報を記憶する特定情報記憶手段(例えば、主制御装置101によるCZ終了フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定情報が記憶されている状況で前記第1遊技が実行された場合に、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技にて特定数に至った場合に特定情報を記憶するようにすることで、第1遊技においては当該特定情報を確認すればよく、再度、遊技数が特定数に至っているか否かの判定を行う必要が生じない。よって、特定処理を行ううえでの処理の簡素化が図られる。
特徴B8.前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数となった場合、所定の報知手段にて特別報知を実行可能な特別報知手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能、表示制御装置81による連続演出用処理において結果演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段は、前記第1遊技にて前記特定数に至った場合と、前記第2遊技にて前記特定数に至った場合とで、共通の報知態様となる前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の実行が待機されるか否かに関わらず、有利状態の遊技数が特定数となった場合に実行される特別報知の報知態様が共通なものとなる。このようにすることで、特定処理の実行が待機されることに基づいて特別報知の報知態様を調節しようとするための複雑な処理が必要なくなり、処理構成の簡素化を図ることができる。
特徴B9.前記有利状態において、予め定められた特定契機(例えば、ATモード移行当選)が生じた場合に、予め定められた判定用領域(例えば、AT開始判定領域)に前記特定数に対応する対応情報を設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する遊技数以上となっている場合に、前記特定処理を実行する構成であり、
本遊技機は、
少なくとも前記遊技数把握手段、前記対応情報設定手段及び前記特定処理実行手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記特別報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を有してなり、
前記第1制御装置は、前記対応情報設定手段により前記対応情報が設定される場合、前記特定数までの遊技数に対応する対応数情報を前記第2制御装置へ出力する出力手段(主制御装置101による前兆コマンドを出力する処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段は、前記出力手段から出力された前記対応数情報に基づき、前記特別報知を実行する構成であることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定契機が生じた場合に、第1制御装置側で対応情報の設定が行われ、特定処理実行手段は遊技数把握手段により把握される遊技数と対応情報とに基づいて特定処理を行う構成としたうえで、特別報知を行う第2制御装置側では、対応情報の設定が行われる場合に第1制御装置から出力される対応数情報に基づき特別報知を実行する構成としていることから、特別報知を行うにあたり、特定契機が生じてから特定数に至るまでの間で、遊技数が特定数に至るか否かを判断するような構成が必要なくなる。つまり、特定数に至るまでの遊技が第1遊技であろうと第2遊技であろうと、特定契機が生じた際に受信した対応数情報に基づいて特別報知を実行する構成としておけば、不要な構成を追加することなく、特定処理が行われるべき予定とされた遊技にて特別報知を実行することが可能となる。
特徴B10.前記第1制御装置は、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数に至ったことを、前記第2遊技において把握可能な手段(主制御装置101による特定領域判定用処理にて有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fの各領域に設定されたゲーム数に至ったことの判定処理を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数となった場合に、特定報知(回転演出)を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知手段は、前記特定報知手段により前記特定報知が行われる遊技にて、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の遊技数が特定数に至ると、その至った遊技が第2遊技であっても、第1制御装置側では特定報知が実行され、第2制御装置側では特別報知が実行される。このような構成において、第1制御装置側では遊技数把握手段により把握される遊技数を利用して特定報知を行い、第2制御装置側では第1制御装置側から出力された対応数情報に基づいて特別報知を行うため、複数の制御装置にて各機能をそれぞれ分担することで、処理負荷の局所的な増大化を回避しながら、複数の制御装置で行う各報知の同期を図ることが可能となる。
特徴B11.遊技者にとって有利な有利事象(ATモード移行)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段による前記特定処理は、前記有利事象を生じさせるための処理であり、
前記対応情報設定手段は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となることに基づいて、前記対応情報を設定するものであり、
前記特別報知手段は、前記対応数情報に基づいて、複数の遊技に亘って所定報知(連続演出における攻撃演出や被攻撃演出)を実行した後、前記特定数となる遊技を前記対応数情報に基づき把握して前記特別報知を実行する構成であり、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないことに対応する非対応結果である場合に、前記所定報知を実行し、当該所定報知の実行契機となった前記有利判定の結果が前記対応結果であれば前記特定処理が実行される前記特定数に相当する遊技にて、当該有利判定の結果が前記非対応結果であることに対応する報知を実行する第2特別報知手段(表示制御装置81による疑似前兆演出テーブルに基づく連続演出を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段、及び前記第2特別報知手段は、前記第1遊技及び前記第2遊技のいずれの遊技においても、共通の前記所定報知及び前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による判定結果を、所定報知を経て特別報知にて報知するといった所謂連続演出にて報知する構成において、有利判定の結果が当選であっても非当選であっても、途中までは同じような連続演出が実行される。そして、これらの連続演出において、第1遊技及び第2遊技のいずれにて遊技するかに関わらず、共通の連続演出が実行されるため、いずれの遊技を行っている場合であっても特定数に至るまでの遊技数に影響を及ぼす構成となり、特定処理の実行タイミングと連続演出にズレが生じてしまう事象を回避することができるし、有利判定に非当選であったか否かが特定数に至るまでわかりにくくなる。
特徴B12.前記第2遊技にて前記特定数に至った場合に前記特別報知手段により実行される前記特別報知を、少なくとも次に前記第1遊技にて遊技されるまで待機させる手段(表示制御装置81による各AT報知用演出をAT開始演出の実行ゲームまで継続させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
第2遊技にて特別報知が行われた場合とは、特定処理は実行されていないものの、有利状態中の遊技数が特定数に至ったことを意味する。つまり、その後、第1遊技が行われることで特定処理が実行される場合である。そこで、上記構成のように、実行された特別報知を、第1遊技が行われるまで継続させるようにすることで、特定数に至った遊技と特定処理が行われる遊技とのいずれに対しても特別報知を対応付けられた構成となる。仮に、特別報知を特定処理の実行まで継続させない場合、遊技者は、特別報知が終了することを通じて、特定処理が行われる権利が消滅してしまったと勘違いしてしまう可能性がある。その点、上記構成のようにすることで、特定処理の実行が持ち越されている状況であることを、容易に理解させることが可能となる。
特徴B13.前記有利状態において、予め定められた特定契機(例えば、ATモード移行当選)が生じた場合に、予め定められた判定用領域(例えば、AT開始判定領域)に前記特定数に対応する対応情報を設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
遊技者にとって有利な有利事象(ATモード移行)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段による前記特定処理は、前記有利事象を生じさせるための処理であり、
前記対応情報設定手段は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となることに基づいて、前記対応情報を設定するものであり、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果とは異なる非対応結果である場合、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果となり易い高有利状態に移行させることが可能な手段(主制御装置101によるCZモードへの移行処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段による有利判定は、前記第1遊技では実行されるものの、前記第2遊技では実行されない構成であることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定に当選となると対応情報が判定用領域に設定され、特定数に至ると有利事象を生じさせるための特定処理が実行される構成において、当該有利判定に非当選であると、有利判定に当選し易くなる高有利状態に移行する場合があり、しかも、第2遊技ではその有利判定が実行されない。そうすると、有利判定が行われてから、特定数に至るまでの遊技を第2遊技にて消化してしまうと、仮に、先の有利判定の結果が非当選であった場合に移行する高有利状態での恩恵を受けることができないまま特定数に至ることになる。つまり、有利判定が行われてから特定数に至るまでの遊技を第1遊技のまま消化したほうが、有利判定の結果が非当選であった場合も含めると、遊技者にとって有利となる。このようにすることで、判定用領域に対応情報が設定された後、第2遊技にて遊技されにくくなり、特定処理の実行が特定数に至る遊技にて行われ易くなる。
特徴B14.前記有利状態において、予め定められた特定契機(例えば、ATモード移行当選)が生じた場合に、予め定められた判定用領域(例えば、AT開始判定領域)に前記特定数に対応する対応情報を設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
遊技者にとって有利な第1有利事象(ATモード移行)を生じさせることの第1有利判定を実行する第1有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記第1有利事象が生じた後、当該第1有利事象とは異なる事象であって、遊技者にとって有利な第2有利事象(AT上乗せ)を生じさせることの第2有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段による前記特定処理は、前記第1有利事象を生じさせるための処理であり、
前記対応情報設定手段は、前記第1有利判定手段による第1有利判定の結果が前記第1有利事象を生じさせることに対応する第1対応結果となることに基づいて、前記対応情報を設定するものであり、
前記第1有利判定手段による第1有利判定の結果が前記第1対応結果である場合、前記第2有利判定手段による第2有利判定の結果が前記第2有利事象を生じさせることに対応する第2対応結果となり易い高有利状態に移行させることが可能な手段(主制御装置101による特化ゾーンへの移行処理を実行する機能)を備え、
前記第2有利判定手段による第2有利判定は、前記第1遊技では実行されるものの、前記第2遊技では実行されない構成であることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利判定に当選となると対応情報が判定用領域に設定され、特定数に至ると第1有利事象を生じさせるための特定処理が実行される構成において、当該第1有利判定に当選であると、第1有利事象とは異なる第2有利事象を生じさせることの第2有利判定に当選し易くなる高有利状態に移行する場合があり、しかも、第2遊技ではその第2有利判定が実行されない。そうすると、第1有利判定が行われてから、特定数に至るまでの遊技を第2遊技にて消化してしまうと、仮に、先の第1有利判定の結果が当選であった場合に移行する高有利状態での恩恵を受けることができないまま特定数に至ることになる。つまり、第1有利判定が行われてから特定数に至るまでの遊技を第1遊技のまま消化したほうが、遊技者にとって有利となる。このようにすることで、判定用領域に対応情報が設定された後、第2遊技にて遊技されにくくなり、特定処理の実行が特定数に至る遊技にて行われ易くなる。
特徴B15.遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)を備え、
前記抽選手段は、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて前記抽選を行う構成であり、
前記遊技価値付与手段により付与される遊技価値と、前記賭数設定手段により設定される賭数との差し引きの一遊技当たりの平均値である期待増加数は、前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技では態様報知や特定処理が行われないものの、第1遊技よりも、一遊技当たりの遊技価値の期待増加数が多くなるため、例えば、特定数に至るまでの遊技を第2遊技にて遊技したほうが遊技者にとってメリットがある場面も生じ得るようになる。つまり、特定数に至った遊技にて特定処理を行えない場面が生じ得るようになる。このような構成に対して、特徴B1の構成を適用することで、第2遊技にて特定処理が行えないことでの不都合を好適に回避することができる。
なお、上記特徴B1乃至B15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴B1乃至B15の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C10、特徴D1乃至D9、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技価値の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行された遊技数を把握する遊技数把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記有利状態において、予め定められた特定契機(例えば、ATモード移行当選)が生じた場合に、前記態様報知手段による前記態様報知に関する特定処理(指示機能に関する特定処理)を実行する予定遊技数を、予め定められた判定用領域(例えば、AT開始判定領域)に対応情報として設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する予定遊技数としての特定数となった場合に、前記特定処理を実行可能となる特定処理実行手段(主制御装置101による、ATモード開始用の処理やCZモード終了用の処理、特化ゾーン終了用の処理等を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数となる特定遊技において、遊技者の特定操作に基づき、前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行を回避させる回避手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGが判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数となったゲームが特定規定数のベット数のゲームではない場合に、対応する特定処理の実行を行わない機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる有利状態と、態様報知が行われない通常状態とを設けることで、有利状態の通常状態に対する優位性が担保され、有利状態への移行に期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。しかも、本遊技機では、有利状態における遊技数が特定数に至った場合、態様報知に関する特定処理が実行される構成としていることから、当該特定数に至ることで行われる特定処理の内容によっては、遊技者にその特定数に至ることを心待ちにさせることもできる。この場合、特定契機が生じると、有利状態における遊技数が特定数に至った場合に、態様報知に関する特定処理が実行されるように判定用領域に対応情報が設定されるため、特定契機に基づきその後に特定処理を実行するような構成において、特定契機が生じたことを特定処理の実行まで記憶する必要がなく、当該対応情報の有無を把握することで既に特定契機が生じた後であることや、特定契機が生じた後であって特定処理を実行するよりも前の状況であること、特定処理を実行すべき状況であること等を、遊技数把握手段により把握される遊技数と、判定用領域の対応情報だけで判断することが可能となり、構成の簡素化を図ることができる。
さらに、このように有利状態における遊技数が特定数に至った場合に、態様報知に関する特定処理が実行される構成としたうえで、その遊技数が特定数に至った場合に、遊技者の特定操作に基づき、特定処理の実行を回避させることが可能な回避手段を備えるようにしたことから、特定処理の内容によって、遊技者が特定操作を行うか否かを判断する、といった斬新な遊技性を実現することができる。しかも、判定用領域に設定した対応情報と、遊技数とによって特定処理を実行する構成としていることから、仮に特定処理の実行が回避された場合であっても、遊技数が対応情報に対応するものを超えれば特定処理は実行されなくなるのであるから、特定処理を実行するための情報を記憶しておく構成のように、当該情報を消去する必要が生じず、比較的簡素な構成にて上記斬新な遊技性を実現することができる。
特徴C2.前記回避手段により前記特定処理の実行が回避された場合、前記判定用領域に設定されている前記対応情報を維持する一方、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記対応情報に対応する遊技数より多くなった後も、前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が回避されることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数が特定数に至った場合に特定処理の実行が回避される構成において、判定用領域に設定される対応情報がそのまま維持される(消去されない)こと、及び、その後の遊技でも特定処理が行われないことが明確化される。
特徴C3.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する移行用の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を、複数の遊技に亘って継続し得る特別状態に移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記特別状態は、前記有利状態に含まれる状態であり、
前記特別状態における各遊技は、前記特定操作が行われる遊技であることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選時に移行用の絵柄組合せが停止すると、所謂ボーナス状態としての特別状態に移行する構成において、当該特別状態の各遊技は特定操作が行われる遊技となることから、仮に、特別状態中に特定数に至った場合、特定処理の実行が回避されることになる。このようにすることで、特定数に至るよりも前に移行結果当選となった場合に、特別状態への移行を生じさせるか否かを、特定数までの遊技数や、特定処理の有利度(回避する必要性の有無)から判断させることができ、面白みのある遊技性とすることが可能となる。
特徴C4.前記遊技価値付与手段により付与される遊技価値と、前記賭数設定手段により設定される賭数との差し引きの一遊技当たりの平均値である期待増加数は、前記特別状態へ移行することでそれまでの状態よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態に移行させることで、付与される遊技価値と、設定される賭数との差し引きの一遊技当たりの平均値である期待増加数が多くなるため、特定契機が生じた後、特定数に至るまでの遊技における遊技価値の増加又は損失といった観点では、特定数に至るまでの遊技を特別状態にて消化したほうが遊技者にとって有利となる。その反面、上記のように、特別状態においては特定処理の実行が回避されることから、特定数までの遊技価値の増加・損失と特定処理の実行の有無との関係で、特別状態へ移行させるべきか否かを判断させることが可能となり、遊技者が考慮すべき事項が増えることで、遊技の面白みを向上させることができる。
特徴C5.前記特別状態として、継続遊技数が、前記特定契機が生じてから前記特定数に至るまでの遊技数よりも多くなり得る第1特別状態と、前記特定契機が生じてから前記特定数に至るまでの遊技数よりも少なくなり得る第2特別状態とが設定されていることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定契機が生じた後、第1特別状態に移行させると、移行させた際の特定数までの遊技数に関わらず特定処理の実行は回避され、第2特別状態に移行させると、移行させた際の特定数までの遊技数によって特定処理の実行が回避される場合と回避されない場合とが生じる。このようにすることで、移行させる特別状態の種類も含めて、特定処理の有利度との関係性から、特別状態へ移行させるか否かを遊技者に検討させることが可能となる。
特徴C6.前記特定処理実行手段は、
前記特定処理として、遊技者にとって有利な第1事象を生じさせる第1特定処理を実行する第1特定処理実行手段(主制御装置101による特定上乗せ用の処理を実行する機能)と、
前記特定処理として、遊技者にとって不利な、又は前記第1事象より遊技者にとって有利ではない第2事象を生じさせる第2特定処理を実行する第2特定処理実行手段(主制御装置101による減算用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理として、遊技者にとっての有利度が異なる第1事象と第2事象とをそれぞれ生じさせる第1特定処理と第2特定処理とがあるようにしたことから、有利な側の第1特定処理が行われる場合には回避させず、不利な側の第2特定処理が行われる場合には回避させる、といったそれぞれの遊技を、遊技者の意思による特定操作によって選択させる、といった遊技性を実現することができる。このようにすることで、判定用領域に対応情報を設定することで実行可能となる特定処理を利用した面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
特徴C7.前記特定契機が生じた場合、前記特定遊技にて、前記第1特定処理実行手段による前記第1特定処理、及び、前記第2特定処理実行手段による前記第2特定処理を含む、複数の特定処理のうちいずれか一の特定処理が実行される構成であり、
前記回避手段は、前記特定遊技にて前記特定操作が行われた場合、いずれの前記特定処理の実行も回避されるようにすることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定契機が生じた場合に、有利な第1特定処理を実行するか、不利な第2特定処理を実行するかが決定されるところ、特定遊技にて特定操作が行われた場合には、いずれの特定処理が行われるかに関わらず、特定処理の実行が回避される。このようにすることで、設定されている特定処理がいずれの特定処理であるかを判断させながら、不利な側の特定処理が設定されているのであれば、又はその可能性が高いのであれば、特定処理の実行を回避させ、有利な側の特定処理が設定されているのであれば、又はその可能性が高いのであれば特定処理を実行させる、といったスリルある遊技性を実現することができる。
特徴C8.前記特定契機が生じた場合に、前記特定遊技にて実行する特定処理の種類に対応する特定情報(例えば、特定上乗せ当選フラグ)を記憶する手段を備え、
前記対応情報設定手段は、前記特定遊技にて実行する特定処理の種類に関わらず、共通の対応情報を前記判定用領域に設定する構成であることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の種類に対応する特定情報を利用することで、判定用領域に設定する対応情報を特定処理の種類によって異ならせる必要がなく、判定用領域の共通化を図ることができる。
特徴C9.前記特定処理が生じた場合に、前記特定遊技にて実行する特定処理の種類に対応する示唆報知を実行可能な示唆報知手段(表示制御装置81による示唆演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において特定操作を行って特定処理の実行を回避するか否かを、示唆報知から判断させることができる。よって、特定処理の内容を予測して、当該特定処理の実行を回避するか否かを判断する、といった遊技性を好適に実現することができる。
特徴C10.前記第1特定処理実行手段は、前記第1特定処理として、前記有利状態において遊技可能な遊技数の上乗せ処理を実行し、
前記第2特定処理実行手段は、前記第2特定処理として、前記有利状態において遊技可能な遊技数を減算する減算処理を実行することを特徴とする特徴C6乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理として、第1特定処理が行われると有利状態にて遊技可能な遊技数の上乗せが行われ、第2特定処理が行われると有利状態にて遊技可能な遊技数の減算が行われる。このような構成とすることで、有利状態において第1特定処理が行われるか第2特定処理が行われるかを見定めて、その特定処理の実行を回避するか否かを遊技者が選択する、といった構成を利用して、有利状態を如何に継続させていくか(遊技数を減らさず増やしていくか)といった斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技の興趣向上が図られる。
なお、上記特徴C1乃至C10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴C1乃至C10の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C10、特徴D1乃至D9、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技価値の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(ATモード)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常モード)と、が設定されており、
予め定められた移行契機が生じた場合に、前記通常状態から前記有利状態に移行させる有利移行手段(主制御装置101によるAT開始用の処理を実行する機能)と、
前記有利状態において遊技可能な遊技数の遊技が行われた場合に、前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利終了手段(主制御装置101によるAT終了用の処理を実行する機能)と、
前記有利状態における特定遊技において、前記有利状態において遊技可能な遊技数の上乗せ処理、及び前記有利状態において遊技可能な遊技数を減算する減算処理のいずれかである特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101による特定上乗せ処理又は減算処理を実行する機能)と、
前記特定遊技において、遊技者による特定操作に基づき前記特定処理の実行を回避する回避手段(主制御装置101による特定規定数ではないベット数による特定上乗せ処理や減算処理を回避させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる有利状態と、態様報知が行われない通常状態とを設けることで、有利状態の通常状態に対する優位性が担保され、有利状態への移行に期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。しかも、本遊技機では、有利状態における特定遊技において、遊技数の上乗せ処理及び減算処理のいずれかが行われる場合があるようにしている。そのため、上乗せ処理が行われば有利状態はより長く継続することになる一方、減算処理が行われれば有利状態は早期に終了し得るため、遊技者としては、いずれの処理が行われるかによって、真逆の作用が生じることになり、いずれの処理が行われるかに高い関心を寄せさせることが可能となる。
しかも、上記上乗せ処理や減算処理の行われる特定遊技において、遊技者の特定操作に基づき、これら上乗せ処理や減算処理の実行を回避することが可能としていることから、例えば、減算処理が行われる可能性が高いと感じた場合には、特定操作を行う一方、上乗せ処理が行われる可能性が高いと感じた場合には、特定操作を行わない、といった遊技者の勘と遊技操作とを紐づけた面白みのある遊技を実現することが可能となる。
なお、「減算処理」について、「前記有利状態において遊技可能な遊技数を当該有利状態において実行された遊技数よりも多く減算する減算処理」と表現してもよい。
特徴D2.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記上乗せ処理及び前記減算処理を含めて前記特定処理の内容を抽選する内容抽選手段(主制御装置101による特定上乗せ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定遊技において前記内容抽選手段により抽選された内容の前記特定処理を実行することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理として上乗せ処理及び減算処理のいずれを実行するかが、特定遊技よりも前の遊技にて決定されることから、特定遊技にて特定操作を行おうとしても間に合わない、といった事象が生じなくなり、特徴D1の遊技性を好適に実現することができる。
特徴D3.遊技者の操作に基づき、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッ56,57、メダル投入口45)を備え、
前記回避手段は、前記特定遊技において、前記賭数設定手段による賭数を遊技状態に応じた特定数とすることで、当該特定遊技における前記特定処理の実行が許容され、前記賭数設定手段による賭数を遊技状態に応じた前記特定数とは異なる数とすることを前記特定操作として、当該特定遊技における前記特定処理の実行を回避させることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数に基づいて上乗せ処理や減算処理を実行したり回避したりする構成となるため、比較的容易な操作によって、これらの処理を回避することが可能となる。よって、例えば、特定処理の実行を回避したいのにもかかわらず、特定操作の困難性によって回避できない、といった事象を生じにくくすることができる。
特徴D4.前記態様報知手段は、前記賭数設定手段により前記特定数の賭数が設定された遊技にて前記態様報知を実行可能となり、前記賭数設定手段により前記特定数とは異なる数の賭数が設定された遊技では前記態様報知の実行が不可となる構成であることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の実行が許容されたり回避されたりする賭数を、態様報知手段による態様報知の実行が許容されたり制限されたりする賭数と合わせることで、特定処理の実行の有無と態様報知との親和性が高まり、遊技者に受け入れられ易くなるし、例えば、態様報知の有無やその態様に基づいて上乗せ処理や減算処理を行う遊技数を決定するような構成とすることも可能となる。
特徴D5.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記上乗せ処理及び前記減算処理を含めて前記特定処理の内容を抽選する内容抽選手段(主制御装置101による特定上乗せ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定遊技において前記内容抽選手段により抽選された内容の前記特定処理を実行する構成であり、
前記内容抽選手段は、前記特定処理実行手段により前記特定処理が実行された後、次の前記特定処理を実行する特定遊技及び前記特定処理の内容を抽選することが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態において特定処理は定期的に行われることになるし、仮に、一の特定遊技にて減算処理が行われても、次の特定遊技にて上乗せ処理にて遊技数が復活する可能性もあるようになるため、有利状態中の遊技を飽きさせないようにすることができる。
特徴D6.前記特定処理実行手段により前記特定処理が実行された後、次の前記特定処理を実行する特定遊技までの遊技数は、前記特定処理として前記上乗せ処理が行われた場合の最大増加遊技数及び前記特定処理として前記減算処理が行われた場合の最大減算遊技数よりも少ない遊技数として設定されていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴D5において遊技を飽きさせない効果をより好適に期待することができる。
特徴D7.遊技者の操作に基づき、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッ56,57、メダル投入口45)を備え、
前記回避手段は、前記特定遊技において、前記賭数設定手段による賭数を遊技状態に応じた特定数とすることで、当該特定遊技における前記特定処理の実行が許容され、前記賭数設定手段による賭数を遊技状態に応じた前記特定数とは異なる数とすることを前記特定操作として、当該特定遊技における前記特定処理の実行を回避させる構成であり、
前記内容抽選手段は、前記賭数設定手段による賭数を遊技状態に応じた前記特定数とされた遊技にて前記特定処理の内容を抽選する一方、前記賭数設定手段による賭数を遊技状態に応じた前記特定数とは異なる数とされた遊技にて前記特定処理の内容の抽選を実行しないことを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の内容の抽選を、特定処理の実行の有無に合わせることで、特定処理が行われたのにも関わらず、次の特定処理の内容が決定されていない、であったり、特定処理が行われていないのにもかかわらず、次の特定処理の内容が決定されている、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴D8.前記内容抽選手段は、前記回避手段により前記特定処理の実行が回避された場合、次に、遊技状態に応じた前記特定数となる賭数にて実行される遊技にて、前記特定処理の内容を抽選することを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の実行が回避された場合は、次に特定数の賭数による遊技にて、次の特定処理の内容の抽選が行われる。このようにすることで、特定処理の実行を賭数によって回避させ、且つ、特定処理の内容の抽選を、特定処理の実行が回避される賭数では行わないようにする構成において、特定処理の実行が回避されたのにもかかわらず、次の特定処理の内容がなかなか決定されない不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴D9.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記上乗せ処理及び前記減算処理を含めて前記特定処理の内容を抽選する内容抽選手段(主制御装置101による特定上乗せ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定遊技において前記内容抽選手段により抽選された内容の前記特定処理を実行する構成であり、
前記内容抽選手段による抽選が行われた後であって、前記特定処理が実行されるよりも前の遊技において、前記内容抽選手段による抽選結果を示唆する示唆報知を所定の報知手段にて実行可能な示唆報知手段(表示制御装置81による示唆演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において特定操作を行って特定処理の実行を回避するか否かを、示唆報知から判断させることができる。よって、特定処理の内容を予測して、当該特定処理の実行を回避するか否かを判断する、といった遊技性を好適に実現することができる。
なお、上記特徴D1乃至D9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴D1乃至D9の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C10、特徴D1乃至D9、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
遊技の賭数を設定する賭数設定手段(クレジット投入スイッチ56,57、メダル投入口45)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技価値の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行された遊技数を把握する遊技数把握手段(有利区間ゲーム数AG)を備え、
少なくとも前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が許容される第1遊技(遊技状態に応じた特定規定数のベット数による遊技)と、前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特定処理実行手段による前記特定処理の実行が制限される第2遊技(遊技状態に応じた特定規定数以外のベット数による遊技)と、
が設定されており、
前記遊技数把握手段は、前記第1遊技及び前記第2遊技を含めて遊技数を把握するものであり、
前記遊技価値付与手段により付与される遊技価値と、前記賭数設定手段により設定される賭数との差し引きの一遊技当たりの平均値である期待増加数は、前記第1遊技よりも前記第2遊技の方が高くなるように設定されており、
前記有利状態において、予め定められた特定契機(例えば、ATモード移行当選)が生じた場合に、前記態様報知手段による前記態様報知に関する特定処理(指示機能に関する特定処理)を実行する予定遊技数を、予め定められた判定用領域(例えば、AT開始判定領域)に対応情報として設定する対応情報設定手段(例えば、主制御装置101によるAT開始判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記判定用領域に設定されている前記対応情報に対応する予定遊技数としての特定数となった場合に、前記特定処理を実行可能となる特定処理実行手段(主制御装置101による、ATモード開始用の処理やCZモード終了用の処理、特化ゾーン終了用の処理等を実行する機能)と、
少なくとも前記特定契機が生じた後、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数となるまでの所定遊技を、前記第2遊技にて遊技した場合よりも前記第1遊技にて遊技した場合の方が遊技者にとって有利となるようにすることが可能な特定手段(主制御装置101によるATモード移行当選となることに基づいて特化ゾーンに設定する手段)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる有利状態と、態様報知が行われない通常状態とを設けることで、有利状態の通常状態に対する優位性が担保され、有利状態への移行に期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。しかも、本遊技機では、有利状態において特定契機が生じると、有利状態における遊技数が特定数に至った場合に、態様報知に関する特定処理が実行されるように判定用領域に対応情報が設定されるため、特定契機に基づきその後に特定処理を実行するような構成において、特定契機が生じたことを特定処理の実行まで記憶する必要がなく、当該対応情報の有無を把握することで既に特定契機が生じた後であることや、特定契機が生じた後であって特定処理を実行するよりも前の状況であること、特定処理を実行すべき状況であること等を、遊技数把握手段により把握される遊技数と、判定用領域の対応情報だけで判断することが可能となり、構成の簡素化を図ることができる。
ここで、本遊技機では、態様報知や特定処理の実行が許容される第1遊技と、態様報知や特定処理の実行が制限される第2遊技と、が設定されていることから、例えば、遊技の進行状況に応じて、態様報知を行うべきではない状況では第2遊技に切り替えさせる等、態様報知を利用した遊技性を、遊技者に設計通り遊技させることが可能となる。
ところが、有利状態における遊技数は遊技数把握手段により把握されるところ、当該遊技数把握手段は、第1遊技及び第2遊技と、のいずれの遊技も含めて遊技数の把握を行う構成であり、更に、遊技価値付与手段により付与される遊技価値と賭数設定手段により設定される賭数との差し引きの一遊技当たりの平均値である期待増加数は、第1遊技よりも第2遊技の方が高くなるように設定されていることから、特定契機が生じた後、特定処理が実行されるまでの間の遊技が、第1遊技ではなく第2遊技にて遊技される可能性がある。
そうすると、例えば、特定契機が生じてから特定処理が行われるまで、第1遊技では進行するものの第2遊技では進行しないような演出等を行う構成とした場合に、第2遊技が行われることによって特定処理の実行タイミングと当該演出の終了タイミングとにズレが生じ得るし、例えば、態様報知によって遊技状態を移行させる移行役入賞をアシストするような構成において、第2遊技が行われることによって特定処理までに所望の遊技状態に移行させることが困難となる事情も生じ得る。
そこで、少なくとも特定契機が生じてから特定処理が行われる所定遊技を含むように、第2遊技よりも第1遊技の方が遊技者にとって有利とする特定手段を備えることで、第2遊技を行わせにくくすることができ、上記のような第2遊技が行われることにより生じる不都合を好適に回避することができる。
特徴E2.前記特定手段は、前記特定契機が生じる前の遊技よりも前記所定遊技の方が遊技者にとって有利となるように設定することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利となる遊技をより限定的なものとすることで、遊技者にとっての有利度を高めすぎることなく第2遊技による不都合を回避することができる。特に、特定契機前よりも有利とすることで、当該特定契機が生じた場合には、第2遊技にて遊技しないようにする、といった動機付けとすることが可能となり、特徴E1の効果がより高められる。
特徴E3.遊技者にとって有利な有利事象(ATモード移行)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記特定契機は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となることであり、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果とは異なる非対応結果である場合に、少なくとも当該有利判定の結果が前記対応結果であれば前記特定処理が実行される前記特定数に対応する遊技までの特定遊技を、前記第2遊技にて遊技した場合よりも前記第1遊技にて遊技した場合の方が遊技者にとって有利となるようにすることが可能な第2特定手段(主制御装置101によるATモード移行非当選となることに基づいてCZモードに設定する手段)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定にて当選することで特定契機が生じて、特定判定までの所定遊技を第1遊技にて行う方が有利とする構成において、有利判定に非当選であっても第1遊技にて行う方が有利となる。そのため、例えば特定処理が行われるまで、有利判定の結果が遊技者はわからないことを前提とすると、有利判定の結果に関わらず有利判定が行われた後は、第2遊技にて遊技するより第1遊技にて遊技したほうが遊技者にとって有利となるため、第2遊技にて遊技させない動機付けとすることが可能となる。よって、例えば、演出上のズレや遊技状態の移行が生じないことを通じて有利判定の結果がまるわかりとなってしまう不都合を解消することができる。
特徴E4.前記第2特定手段は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果とは異なる非対応結果である場合、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果となり易い高有利状態に移行させることが可能な手段(主制御装置101によるCZモードへの移行処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段による有利判定は、前記第1遊技では実行されるものの、前記第2遊技では実行されない構成であることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴E3の具体的構成であり、上記構成のようにすることで、有利判定の結果が対応結果となり易い所謂チャンスゾーンとしての高有利状態に移行する構成や、有利判定が第1遊技では実行されるものの第2遊技では実行されない、といった既存の構成を利用しながら、うまく特徴E3の効果を期待することが可能となる。
特徴E5.前記有利判定手段による所定の有利判定が行われることに基づき所定報知を開始し、前記特定数となる遊技にて当該所定報知を前記有利判定手段による前記所定の有利判定の結果に対応する結果報知とする特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による連続演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特別報知手段による前記特別報知の実行契機となった前記有利判定手段による前記所定の有利判定の結果が前記非対応結果であり、且つ、当該特別報知手段により前記所定報知が行われている状況にて行われた前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果である場合、実行中の前記特別報知における結果報知が行われる遊技にて、当該対応結果に対応する前記結果報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による疑似前兆演出テーブルに基づく連続演出中に前兆コマンドを受信した場合に、前兆フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定を契機として所定報知が開始されて、当該有利判定の結果に対応する結果報知が実行されるといった所謂連続演出としての特別報知が行われる構成において、当該特別報知の契機となった有利判定が非対応結果であっても、その特別報知中の有利判定にて対応結果となれば、結果報知が行われる遊技を変更することなくその内容だけが変更される。このようにすることで、有利判定への注目度を特別報知によって高めるうえで、有利判定の結果が途中で判別されにくくなる。よって、特定契機後、特定数に至るまでの遊技が第2遊技にて消化されにくくなる。
特徴E6.遊技者にとって有利な第1有利事象(ATモード移行)を生じさせることの第1有利判定を実行する第1有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記第1有利事象が生じた後、当該第1有利事象とは異なる事象であって、遊技者にとって有利な第2有利事象(AT上乗せ)を生じさせることの第2有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段による前記特定処理は、前記第1有利事象を生じさせるための処理であり、
前記特定手段は、前記第2有利判定手段による第2有利判定の結果が前記第2有利事象を生じさせることに対応する対応結果となり易くなる高有利状態(特化ゾーン)に移行させ、且つ前記第2有利判定手段による前記第2有利判定を前記第1遊技では行う一方、前記第2遊技では行わないようにする構成であることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利判定に当選後、第2有利判定の当選確率が向上する高有利状態に移行し、且つ第2有利判定を第2遊技では行わないようにすることで、特定処理が行われるまでの所定遊技を第1遊技にて行う方が有利となる。このようにすることで、第2有利判定の確率の変化や実行の有無といった比較的簡素な構成にて、第2遊技にて遊技させない動機付けとすることが可能となる。よって、例えば、演出上のズレや遊技状態の移行が生じないことを通じて有利判定の結果がまるわかりとなってしまう不都合を解消することができる。
特徴E7.遊技者にとって有利な有利事象(ATモード移行)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記特定契機は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となることであり、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記対応結果とは異なる非対応結果である場合に、前記態様報知手段による前記態様報知に関する処理であって前記特定処理とは異なる第2特定処理(CZモード終了用の処理)を実行する予定遊技数を、前記判定用領域(特定開始判定領域)に対応情報として設定する第2対応情報設定手段(主制御装置101による特定判定領域にゲーム数を設定する処理等を実行する機能)と、
前記遊技数把握手段により把握される遊技数が、前記特定数となった場合であって、且つ前記判定用領域に設定されている前記対応情報の設定契機が、前記非対応結果である場合、前記第2特定処理を実行可能となる第2特定処理実行手段(主制御装置101による、CZモード終了用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定に当選した場合に判定用領域に対応情報が設定されて、特定数に至ると特定処理が実行される構成において、有利判定に非当選であっても、指示機能に関する第2特定処理が実行される構成としたうえで、当該第2特定処理についても判定用領域に対応情報を設定する構成を利用して実行タイミングを見定める構成としたことで、判定用領域を共用することを通じて、実行契機が共通する複数種類の処理を実行するうえでの処理構成の簡素化が図られる。
特徴E8.前記判定用領域に設定されている前記対応情報を、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数となるよりも前に把握することが可能な手段(主制御装置101による判定用情報記憶エリア106fに設定されているゲーム数に対応するゲームの前ゲームとなったことを把握する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数に至るよりも前に把握できるようになるため、例えば、特定処理が行われることの事前報知を行う等、処理の拡張性が大幅に向上する。よって、判定用領域を用いた処理構成の簡素化を図りながら、遊技進行用の処理や演出用の処理へ適用し易くすることができる。
特徴E9.前記特定処理実行手段は、前記遊技数把握手段により把握される遊技数が前記特定数となる遊技が前記第2遊技にて実行された場合、その後、前記第1遊技が行われても、当該特定数となった場合に実行可能となる前記特定処理を実行しない構成であることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数となった遊技が第2遊技にて消化された場合、特定処理は実行されなくなるため、特定処理の実行を望む遊技者としては、特定数に至る遊技を誤って第2遊技にて消化しないように、特定数に至るまでの遊技も含めて第2遊技にて遊技しないようになると考えられる。よって、第2遊技が行われることにより生じる不都合を好適に回避することができる。
特徴E10.前記特定契機が生じた場合に、複数種類設定されている前記予定遊技数から一の予定遊技数を選択する予定遊技数選択手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の設定用の処理を実行する機能)を備え、
前記対応情報設定手段は、前記予定遊技数選択手段により選択された予定遊技数に応じて前記対応情報を設定する構成であることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定契機が生じた後、特定処理が実行される遊技がわかりにくくなるため、特定数に至る遊技を誤って第2遊技にて消化しないように、特定数に至るまでの遊技も含めて第2遊技にて遊技しないようになると考えられる。よって、第2遊技が行われることにより生じる不都合を好適に回避することができる。
なお、上記特徴E1乃至E10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴E1乃至E10の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C10、特徴D1乃至D9、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。