JP2020086781A - 電力変換装置および電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置および電力変換装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンデンサの電圧がアンバランスになることに起因して、コンデンサが劣化するかまたは破損するのを抑制することが可能な電力変換装置および電力変換装置の制御方法を提供する。【解決手段】この電力変換装置100は、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、少なくとも零となった場合に、デルタ結線部11〜13において基本周波数以外の周波数を有する零相電流IZHを循環させることにより、実効値Ieを大きくした状態で、デルタ結線部11〜13の各相における複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化させる制御を行う段間バランス制御部23を含む、制御部20を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、電力変換装置および電力変換装置の制御方法に関し、特に、複数のコンバータセルのコンデンサの電圧を均一化させる調整部を含む制御部を備える電力変換装置および電力変換装置の制御方法に関する。
従来、複数のコンバータセルのコンデンサの電圧を均一化させる調整部を含む制御部を備える電力変換装置および電力変換装置の制御方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1の電力変換器は、交流電源から電力を供給されている負荷の付近に設けられている。上記電力変換器は、無効電力を調整し、連系点の電圧変動を抑制するように構成されている。上記電力変換器は、直流コンデンサと、互いに直列接続された2つの半導体スイッチを有する半導体スイッチ群とが並列に接続されたブリッジセルを含む。また、上記電力変換器では、U相、V相、および、W相の各々において、3つのブリッジセルが互いに直列に接続されている。
また、上記電力変換器には、各相の3つのブリッジセルの半導体スイッチのスイッチング動作の制御に用いられるスイッチング信号を生成する統括制御部が設けられている。また、統括制御部は、各相の3つの直流コンデンサの電圧を均一化させるバランス制御部を備えている。バランス制御部は、各相のブリッジセルに流入する電流(以下、「変換部電流」という)に基づいて電圧指令値を出力するように構成されている。そして、電圧指令値生成部により、各相の3つのブリッジセルの電圧指令値が、バランス制御部により出力された上記電圧指令値に基づいて生成される。
国際公開第2012/099176号
しかしながら、上記特許文献1の電力変換器では、バランス制御部は、変換部電流に基づいて電圧指令値を出力するように構成されているため、3相の変換部電流のうちのいずれかの電流値(実効値)が零となった場合(変換部電流がブリッジセルに流入していない場合)、変換部電流に基づいて制御を行うバランス制御部が、正常に動作しないという不都合がある。この場合、上記特許文献1の電力変換器では、各相において直流コンデンサの電圧がアンバランスになることに起因して、直流コンデンサに過電圧が印加され、直流コンデンサが劣化するかまたは破損するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コンデンサの電圧がアンバランスになることに起因して、コンデンサが劣化するかまたは破損するのを抑制することが可能な電力変換装置および電力変換装置の制御方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による電力変換装置は、コンデンサと、互いに直列接続された複数の半導体スイッチを有する半導体スイッチ群とが、並列接続された複数のコンバータセルが、互いに直列接続されて構成されている3相の変換部が、デルタ結線されて構成されているデルタ結線電力変換部と、3相の変換部の各相に流入する電流である変換部電流のうちのいずれかの実効値が、少なくとも零となった場合に、デルタ結線された3相の変換部において基本周波数以外の周波数を有する零相電流を循環させることにより、実効値を大きくした状態で、3相の変換部の各相における複数のコンデンサの電圧を均一化させる制御を行う調整部を含む、制御部とを備える。
この発明の第1の局面による電力変換装置では、上記のように、調整部を、3相の変換部電流のうちのいずれかの実効値が少なくとも零となった場合に、3相の変換部に零相電流を循環させることにより、実効値を零よりも大きくした状態で、3相の変換部の各相における複数のコンデンサの電圧を均一化させる制御を行うように構成する。これにより、一旦、3相の変換部のうちのいずれかに変換部電流が略流れていない状態(電流値の実効値が零)になった場合でも、基本周波数以外の周波数を有する零相電流を流すことにより、3相の変換部に流れる変換部電流の実効値を零でない状態にすることができる。このため、変換部電流に基づいて制御を行う調整部を正常に動作させることができる。その結果、正常に動作する調整部により、複数のコンデンサの電圧を均一化(バランス)することができるので、コンデンサに過電圧が印加されるのを抑制することができる。これにより、コンデンサが劣化するかまたは破損するのを抑制することができる。ここで、基本周波数の零相電流を3相の変換部に循環させた場合には、各相に定常的に零でない有効電力が流入するため、複数のコンデンサの電圧値を同相内で均一化することは可能であっても、異相間での電圧値のバランスが崩れてしまうという不都合がある。これに対して、本発明では、上記のように、3相の変換部を循環させる電流として、基本周波数以外の周波数を有する零相電流を使用することにより、各相に定常的に零でない有効電力が流入することを防止することができる。この結果、異相間のコンデンサの電圧のバランス(均一性)を維持しながら、同相間のコンデンサの電圧をバランスする(均一化する)ことが可能になる。
上記第1の局面による電力変換装置において、好ましくは、調整部は、3相の変換部電流のうちのいずれかの実効値が、零よりも大きい値である所定の値以下となった場合に、3相の変換部において零相電流を循環させる制御を行う。このように構成すれば、実効値と所定の値とを比較するという比較的簡易な処理によって、適切な場合に零相電流を循環させることができる。この結果、制御部の制御負荷を軽減しながら、複数のコンデンサの電圧を均一化する制御を行うことができる。
この場合、好ましくは、所定の値は、調整部が正常に動作するために必要な最小の値である。このように構成すれば、調整部が正常に動作するために必要な最小の値以下となり、零相電流を循環させることが必要な場合に、零相電流を循環させることができる。すなわち、適切な場合に零相電流を循環させることができるので、より効果的に複数のコンデンサの電圧を均一化する制御を行うことができる。
上記実効値が所定の値以下となった場合に零相電流を循環させる電力変換装置において、好ましくは、調整部は、3相の変換部電流の全ての実効値が、所定の値よりも大きい場合に、3相の変換部において零相電流を循環させない制御を行う。このように構成すれば、3相の変換部において不要な零相電流が循環されるのを抑制することができる。これにより、不要な零相電流を含む変換部電流に基づく、複数のコンデンサの電圧を均一化する制御が行われるのを抑制することができるので、より適切に複数のコンデンサの電圧を均一化する制御を行うことができる。
上記第1の局面による電力変換装置において、好ましくは、調整部は、3相の変換部電流のうちのいずれかの実効値が、少なくとも零となった場合に、3相の変換部の各相の出力電圧に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧を重畳することにより、3相の変換部において零相電流を循環させる制御を行う。このように構成すれば、3相の変換器における電圧を制御することにより、3相の変換部において零相電流を循環させることができる。これにより、コンデンサの電圧値を電圧指令値に追従させるように電圧を制御する調整部によって、容易に3相の変換部において零相電流を循環させることができる。
この場合、好ましくは、調整部は、同相の複数のコンデンサの電圧値の平均値に対する、複数のコンデンサのうちの一のコンデンサの電圧値の偏差と、一のコンデンサと同相の変換部電流の電流値とを乗算した値に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧指令値を加算して得られる電圧指令値に基づいて、変換部を制御することによって、零相電圧を出力電圧に重畳させて、3相の変換部において零相電流を循環させる制御を行う。このように構成すれば、変換部電流の電流値が零となった場合でも、零ではない電圧指令値を生成し、この電圧指令値に基づいて、変換部を制御することができる。この結果、変換部電流の電流値が零となった場合でも、複数のコンデンサの電圧を均一化(バランス)することができる。
この発明の第2の局面による電力変換装置の制御方法は、コンデンサと、互いに直列接続された複数の半導体スイッチを有する半導体スイッチ群とが、並列接続された複数のコンバータセルが、互いに直列接続されて構成され、デルタ結線された3相の変換部に流入する電流である変換部電流の実効値を取得し、3相の変換部電流のうちのいずれかの実効値が、少なくとも零となった場合に、デルタ結線された3相の変換部において基本周波数以外の周波数を有する零相電流を循環させることにより、実効値を大きくした状態で、3相の変換部の各相における複数のコンデンサの電圧を均一化させる。
この発明の第2の局面による電力変換装置の制御方法では、上記のように構成することにより、第1の局面による電力変換装置と同様に、コンデンサの電圧がアンバランスになることに起因して、コンデンサが劣化するかまたは破損するのを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、コンデンサの電圧がアンバランスになることに起因して、コンデンサが劣化するかまたは破損するのを抑制することができる。
一実施形態による負荷、交流電源、および、電力変換装置の配置構成を示した図である。 一実施形態による電力変換装置の構成を示した図である。 一実施形態による電力変換装置の制御部の構成を示した図である。 一実施形態による電力変換装置の段間バランス制御部の構成を示した図である。 一実施形態による電力変換装置の実効値と所定の値との関係を説明するための模式図であり、(a)実効値が所定の値よりも大きい場合の図、および、(b)実効値が所定の値以下の場合、(c)零相電流を示す図である。 一実施形態による電力変換装置の制御部(段間バランス制御部)による制御処理を説明するための図(フローチャート)である。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態]
図1〜図5を参照して、本実施形態による電力変換装置100の構成について説明する。
(電力変換装置の全体構成)
電力変換装置100は、図1に示すように、交流電源101と、負荷102との間に接続されている。3相の交流電源101と電力変換装置100との間には、系統インピーダンスのリアクトル成分103が存在する。また、電力変換装置100と負荷102との間には、たとえば、変圧器104が設けられている。負荷102は、たとえば、アーク炉等である。
そして、電力変換装置100は、負荷102に起因する電圧降下および電圧変動を抑制するために、高速な正相および逆相の無効電力制御、および、低周波数の有効電力制御を実行するように構成されている。負荷102に流れ込む負荷電流(図1では、電流iL)には、正相の有効電流の他に、電圧フリッカ(電圧の繰り返しの変動)を誘発する、正相無効電流、逆相無効電流、および、低周波数の有効電流が含まれる。ここで、電力変換装置100が設けられていない場合には、これらの電流が電源電流(図1では電流is)に現われるので、電圧フリッカが発生する。電力変換装置100は、電圧フリッカを抑制するために、補償電流(図1では、電流ic)を生成する。なお、電流icは、後述する補償電流(Iu、Iv、Iw)に対応する。
電力変換装置100は、図2に示すように、MMC(Modular Multilevel Converter)の無効電力補償装置である。具体的には、電力変換装置100は、内部に3つのデルタ結線点10を介して、デルタ結線されたU相用のデルタ結線部11、V相用のデルタ結線部12、および、W相用のデルタ結線部13が設けられている。また、電力変換装置100は、デルタ結線部11〜13の動作(駆動)を制御する制御部20を備える。なお、デルタ結線部11〜13は、特許請求の範囲の「変換部」および「デルタ結線電力変換部」の一例である。
(デルタ結線部の構成)
デルタ結線部11は、交流電源101と負荷102とを接続するU相用の配線101aに接続されている。デルタ結線部12は、交流電源101と負荷102とを接続するV相用の配線101bに接続されている。デルタ結線部13は、交流電源101と負荷102とを接続するW相用の配線101cに接続されている。デルタ結線点10と、デルタ結線部11、デルタ結線部12、および、デルタ結線部13の各々の間には、リアクトル100aが設けられている。配線101aに印加される電源電圧、配線101bに印加される電源電圧、および、配線101cに印加される電源電圧を、それぞれ、VSu、VSv、および、VSwと表記する。また、配線101aと配線101bとの間の線間電圧(電圧差)、配線101bと配線101cとの間の線間電圧、および、配線101cと配線101aとの間の線間電圧を、それぞれ、VSuv、VSvw、および、VSwuと表記する。
この場合、下記の数式(1)、(2)、および、(3)が成り立つ。
Suv=VSu−VSv・・・(1)
Svw=VSv−VSw・・・(2)
Swu=VSw−VSu・・・(3)
また、配線101aから電力変換装置100に流れる補償電流、配線101bから電力変換装置100に流れる補償電流、および、配線101cから電力変換装置100に流れる補償電流を、それぞれ、Iu、Iv、および、Iwと表記する。また、デルタ結線部11、デルタ結線部12、および、デルタ結線部13に流入する電流(変換部電流)を、それぞれ、Iuv、Ivw、および、Iwuと表記する。
この場合、下記の数式(4)、(5)、および、(6)が成り立つ。
u=Iuv−Iwu・・・(4)
v=Ivw−Iuv・・・(5)
w=Iwu−Ivw・・・(6)
また、デルタ結線部11は、コンバータセル11a、11b、および、11cが互いに直列に接続されて構成されている。また、デルタ結線部12は、コンバータセル12a、12b、および、12cが互いに直列に接続されて構成されている。また、デルタ結線部13は、コンバータセル13a、13b、および、13cが互いに直列に接続されて構成されている。コンバータセル11a〜11c、コンバータセル12a〜12c、および、コンバータセル13a〜13cの各々には、直流コンデンサ1と、直流コンデンサ1に並列に接続されている2つの半導体スイッチ群2とが設けられている。半導体スイッチ群2は、互いに直列に接続された2つの半導体スイッチ2aを有する。半導体スイッチ2aは、互いに逆並列に接続されたバイポーラ素子とダイオード素子とにより構成されている。なお、直流コンデンサ1は、特許請求の範囲の「コンデンサ」の一例である。
デルタ結線部11、デルタ結線部12、および、デルタ結線部13の出力電圧を、それぞれ、Vuv、Vvw、および、Vwuと表記する。コンバータセル11a〜11cの出力電圧を、それぞれ、Vua、Vub、および、Vucと表記する。また、コンバータセル12a〜12cの出力電圧を、それぞれ、Vva、Vvb、および、Vvcと表記する。また、コンバータセル13a〜13cの出力電圧を、それぞれ、Vwa、Vwb、および、Vwcと表記する。なお、以下の記載では、必要に応じて(図3および図4では)、Vua、Vub、および、Vucを「Vuj」(jは、a、b、または、c)として記載する。これと同様に、Vva、Vvb、および、Vvcを「Vvj」として、Vwa、Vwb、および、Vwcを「Vwj」として記載する。
この場合、下記の数式(7)、(8)、および、(9)が成り立つ。
uv=Vua+Vub+Vuc・・・(7)
vw=Vva+Vvb+Vvc・・・(8)
wu=Vwa+Vwb+Vwc・・・(9)
コンバータセル11a〜11c、コンバータセル12a〜12c、および、コンバータセル13a〜13cの各々を、PWM(Pulse−Width Modulation)制御することによって、電力変換装置100のデルタ結線部11〜13の各相の出力電圧Vuv、Vvw、および、Vwuを制御することが可能である。
なお、コンバータセル11a〜11cの直流コンデンサ1の電圧(直流電圧)を、それぞれ、VCua、VCub、および、VCucと表記する。また、コンバータセル12a〜12cの直流コンデンサ1の電圧(直流電圧)を、それぞれ、VCva、VCvb、および、VCvcと表記する。また、コンバータセル13a〜13cの直流コンデンサ1の電圧(直流電圧)を、それぞれ、VCwa、VCwb、および、VCwcと表記する。なお、以下の記載では、必要に応じて(図3および図4では)、VCua、VCub、および、VCucを「VCuj」、VCva、VCvb、および、VCvcを「VCvj」として、VCwa、VCwb、および、VCwcを「VCwj」として記載する。
(制御部の構成)
制御部20は、図3に示すように、電力制御部21と、相間バランス制御部22と、段間バランス制御部23と、電圧指令値生成部24とを含む。なお、電力制御部21と、相間バランス制御部22と、段間バランス制御部23と、電圧指令値生成部24との機能は、プログラムなどのソフトウェアにより実現することが可能である。なお、段間バランス制御部23は、特許請求の範囲の「調整部」の一例である。
電力制御部21は、正相無効電力制御および逆相無効電力制御を実行するための線間電圧指令値である指令値(Vuv *、Vvw *、Vwu *)を生成する。具体的には、電力制御部21は、瞬時有効電力指令値p*、瞬時無効電力指令値q*、直流コンデンサ1の電圧指令値Vc *、線間電圧(Vsuv、Vsvw、Vswu、図2参照)、デルタ結線部11〜13に流入する変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)、および、基本周波数の零相電流IZF *を入力値として、指令値(Vuv *、Vvw *、Vwu *)を生成する。電力制御部21は、三相分の直流コンデンサ1の平均電圧値VCaveを直流コンデンサ1の電圧指令値Vc *に追従させるフィードバックループを備えている。
相間バランス制御部22は、U相の3つの直流コンデンサ1の平均電圧値VCuave、V相の3つの直流コンデンサ1の平均電圧値VCvave、および、W相の3つの直流コンデンサ1の平均電圧値VCwaveを均一化させるように構成されている。具体的には、相間バランス制御部22は、三相分の直流コンデンサ1の平均電圧値VCave、平均電圧値VCuave、平均電圧値VCvave、および、平均電圧値VCwaveを入力値として、デルタ結線点10に流すべき基本周波数の零相電流IZF *を算出する。
段間バランス制御部23は、デルタ結線部11〜13の各々に流入する変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)に基づいて、同相の複数のコンバータセルの(たとえば、コンバータセル11a、11b、11cの各々において)直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化させるように構成されている。
具体的には、段間バランス制御部23は、図4に示すように、平均電圧値VCuave、および、コンバータセル11a〜11cのそれぞれの直流コンデンサ1の電圧VCujを入力値として、指令値VBuj *を生成する。また、段間バランス制御部23は、平均電圧値VCvave、および、コンバータセル12a〜12cのそれぞれの直流コンデンサ1の電圧VCvjを入力値として、指令値VBvj *を生成する。また、段間バランス制御部23は、平均電圧値VCwave、および、コンバータセル13a〜13cのそれぞれの直流コンデンサ1の電圧VCwjを入力値として、指令値VBwj *を生成する。
そして、段間バランス制御部23は、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)を用いた指令値(VBuj *、VBvj *、VBwj *)が算出されることにより、指令値(VBuj *、VBvj *、VBwj *)は変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)と同位相または逆位相となる。その結果、指令値(VBuj *、VBvj *、VBwj *)に基づいて生成される各コンバータセルの出力電圧(Vua〜Vuc、Vva〜Vvc、Vwa〜Vwc)にも、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)と同位相または逆位相の成分が含まれるので、各コンバータセルの出力電圧(Vua〜Vuc、Vva〜Vvc、Vwa〜Vwc)と変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)との間で有効電力が生成される。これにより、各相内で、直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)が、直流コンデンサ1の平均電圧値(VCuave、VCvave、VCwave)に追従されて、互いに均一化される。
電圧指令値生成部24は、電力制御部21により生成された指令値(Vuv *、Vvw *、Vwu *)と、段間バランス制御部23により生成された指令値(VBuj *、VBvj *、VBwj *)(図3参照)とに基づいて、各コンバータセルの電圧指令値(Vuj *、Vvj *、Vwj *)を生成する。電圧指令値生成部24(制御部20)により生成された電圧指令値(Vuj *、Vvj *、Vwj *)により、各コンバータセル(11a〜11c、12a〜12c、13a〜13c)の各々の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)が均一化される。すなわち、電力変換装置100の9つの直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)が、互いに略同等になるように制御される。
具体的には、電圧指令値生成部24は、電力制御部21からの指令値Vuv *を1/3倍した値に、段間バランス制御部23からの指令値(VBuj *)を加算することにより、デルタ結線部11のコンバータセル11a〜11cの電圧指令値(Vuj *)を生成する。また、電圧指令値生成部24は、指令値Vvw *を1/3倍した値に、指令値(VBvj *)を加算することにより、デルタ結線部12のコンバータセル12a〜12cの電圧指令値(Vvj *)を生成する。また、電圧指令値生成部24は、指令値Vwu *を1/3倍した値に、指令値(VBwj *)を加算することにより、デルタ結線部13のコンバータセル13a〜13cの電圧指令値(Vwj *)を生成する。
電圧指令値(Vuj *、Vvj *、Vwj *)は、各直流コンデンサ1のスイッチング指令値として利用される。図示しないスイッチング制御部は、上記スイッチング指令値と、キャリア周波数の三角波キャリア信号とを比較することにより、PWMスイッチング信号を生成する。スイッチング制御部により生成されたPWMスイッチング信号は、対応するコンバータセル内の半導体スイッチ2aのスイッチング制御に用いられる。
(基本周波数以外の周波数を有する零相電流を循環させるための構成)
本実施形態では、段間バランス制御部23は、図4および図5に示すように、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、少なくとも零(略零)となった場合(図5(b)参照)に、デルタ結線部11〜13において基本周波数以外の周波数を有する零相電流IZHを循環させることにより、実効値Ieを大きくした状態(図5(c)参照)で、デルタ結線部11〜13の各相における複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化させる制御を行うように構成されている。ここで、基本周波数以外の周波数とは、たとえば、高調波であり、2倍波または3倍波等である。なお、図5(c)では、高調波の例として2倍波を図示しているが、この例には限られない。また、実効値Ieは、図5に示すように、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の最大値Ip(振幅)を√2により除算した値である。また、略零とは、所定の値Itよりも小さい値(絶対値)である。
図5(a)に示すように、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の実効値Ieは、通常、零よりも大きく所定の値Itよりも大きい値である。しかしながら、図5(b)に示すように、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の実効値Ieは、零(略零)となり、所定の値It以下となる場合ある。ここで、本実施形態では、段間バランス制御部23は、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、零よりも大きい値である所定の値It以下となった場合に、図5(c)に示すように、デルタ結線部11〜13において、零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成されている。一方、段間バランス制御部23は、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の全ての実効値Ieが、所定の値Itよりも大きい場合には、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させない制御を行うように構成されている。
所定の値Itは、段間バランス制御部23が正常に動作するために必要な最小の値である。言い換えると、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のいずれかの実効値Ieが所定の値It以下の場合は、段間バランス制御部23が正常に動作せず、各相における3つの直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)がアンバランスになる。詳細には、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のいずれかの実効値Ieが所定の値It以下の場合は、後述する零相電流IZHがなければ、指令値VBuj *(VBvj *またはVBwj *)が十分な大きさにならない。それに伴って、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の大きさも十分な大きさにならず(略零になり)、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)が入力されている段間バランス制御部23から正常な(適切な)指令値が出力されなくなる。一方で、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のいずれかの実効値Ieが所定の値Itよりも大きい場合は、後述する零相電流IZHがなくても、一定の大きさの変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)が流れるので、段間バランス制御部23から正常な(適切な)指令値が出力される。
また、段間バランス制御部23は、図2に示すように、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、少なくとも零となった場合に、デルタ結線部11〜13の各相の出力電圧(Vuj、Vvj、Vwj)に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧VZHを重畳することにより、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成されている。
詳細には、段間バランス制御部23は、平均電圧値VCvaveに対する、直流コンデンサ1の電圧VCujの電圧値の偏差と、この直流コンデンサ1と同相の変換部電流Iuvとを乗算した値に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧指令値VZH *を加算して得られる電圧指令値VBuj *に基づいて、デルタ結線部11を制御することによって、零相電圧VZHを出力電圧Vujに重畳させて、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成されている。また、V相およびW相においても同様に、零相電圧指令値VZH *を加算して得られる電圧指令値VBvj *(VBwj *)に基づいて、デルタ結線部11を制御することによって、零相電圧VZHを出力電圧VvjVwj)に重畳させて、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成されている。なお、平均電圧値VCvaveに対する、直流コンデンサ1の電圧VCujの電圧値の偏差とは、たとえば、平均電圧値VCvaveと直流コンデンサ1の電圧VCuaとの差分にK倍のゲインをかける処理を含む。
すなわち、下記の数式(10)、(11)、および、(12)が成り立つ。
Buj *=K×(VCuave−VCuj)×Iuv+VZH *・・・(10)
Bvj *=K×(VCvave−VCvj)×Ivw+VZH *・・・(11)
Bwj *=K×(VCwave−VCwj)×Iwu+VZH *・・・(12)
そして、段間バランス制御部23は、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、所定の値Itが所定の値It以下(少なくとも零)となった場合に、零相電圧指令値VZH *≠0とするとともに、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の全ての実効値Ieが、所定の値Itが所定の値Itよりも大きい場合に、零相電圧指令値VZH *=0とするように構成されている。
これにより、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、所定の値Itが所定の値It以下(少なくとも零)となった場合でも、零相電圧指令値VZH *≠0によりデルタ結線部11〜13に零相電流IZHを含む変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)が流れることにより、段間バランス制御部23が正常に動作する状態を維持することが可能となる。
[本実施形態による電力変換装置の制御方法]
次に、図6を参照して、本実施形態による電力変換装置100の制御方法について説明する。なお、電力変換装置100の制御処理は、制御部20(段間バランス制御部23)により実行される。
ステップS1において、制御部20(段間バランス制御部23)により、同相の複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化させるための制御が行われる。なお、ステップS1は、3相各相(U相、V相、および、W相)において、実行される。次に、ステップS2において、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、所定の値It以下か否かが判断される。変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、所定の値It以下の場合、ステップS3に進み、所定の値Itよりも大きい場合には、ステップS4に進む。
ステップS3において、零相電圧指令値VZH *が零でない値(VZH *≠0)に設定される。また、ステップS4において、零相電圧指令値VZH *が零(VZH *=0)に設定される。その後、ステップS1に戻る。
すなわち、本実施形態では、3相の変換部電流のうちのいずれかの実効値Ieが、所定の値It以下(少なくとも零)となった場合に、零相電圧指令値VZH *が零でない値にされることにより、出力電圧(Vuj、Vvj、Vwj)に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧VZHが重畳され、デルタ結線部11〜13において基本周波数以外の周波数を有する零相電流IZHが循環されることにより、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の実効値Ieを大きくした状態で、3相の変換部の各相における同相の複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化させるための制御が行われる。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、段間バランス制御部23を、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが少なくとも零となった場合に、デルタ結線部11〜13に零相電流IZHを循環させることにより、実効値Ieを零よりも大きくした状態で、デルタ結線部11〜13の各相における複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化させる制御を行うように構成する。これにより、一旦、デルタ結線部11〜13のうちのいずれかに変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)が略流れていない状態(たとえば、所定の値It以下)になった場合でも、零相電流IZHを流すことにより、デルタ結線部11〜13に流れる変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)を零でない状態にすることができる。このため、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)に基づいて制御を行う段間バランス制御部23を正常に動作させることができる。その結果、正常に動作する段間バランス制御部23により、複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化(バランス)することができるので、直流コンデンサ1に過電圧が印加されるのを抑制することができる。これにより、直流コンデンサ1が劣化するかまたは破損するのを抑制することができる。また、上記のように、デルタ結線部11〜13を循環させる電流として、基本周波数以外の周波数を有する零相電流IZHを使用することにより、各相に定常的に零でない有効電力が流入することを防止することができるので、異相間の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)のバランス(均一性)を維持しながら、同相間の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)をバランスする(均一化する)ことが可能になる。
また、本実施形態では、上記のように、段間バランス制御部23を、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、零よりも大きい値である所定の値It以下となった場合に、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成する。これにより、実効値Ieと所定の値Itとを比較するという比較的簡易な処理によって、適切な場合に零相電流IZHを循環させることができる。この結果、制御部20の制御負荷を軽減しながら、複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化する制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、所定の値Itを、段間バランス制御部23が正常に動作するために必要な最小の値とする。これにより、段間バランス制御部23が正常に動作するために必要な最小の値以下となり、零相電流IZHを循環させることが必要な場合に、零相電流IZHを循環させることができる。すなわち、適切な場合に零相電流iZHを循環させることができるので、より効果的に複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化する制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、段間バランス制御部23を、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の全ての実効値Ieが、所定の値Itよりも大きい場合に、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させない制御を行うように構成する。これにより、デルタ結線部11〜13において不要な零相電流IZHが循環されるのを抑制することができる。この結果、不要な零相電流IZHを含む変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)に基づく、複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化する制御が行われるのを抑制することができるので、より適切に複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化する制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、段間バランス制御部23を、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)のうちのいずれかの実効値Ieが、少なくとも零となった場合に、デルタ結線部11〜13の各相の出力電圧に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧を重畳することにより、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成する。これにより、3相の変換器における電圧を制御することにより、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させることができる。この結果、直流コンデンサ1の電圧値(VCuj、VCvj、VCwj)を電圧指令値に追従させるように、電圧を制御する段間バランス制御部23により、容易にデルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、段間バランス制御部23を、同相の複数の直流コンデンサ1の平均電圧値(VCuave、VCvave、VCwave)に対する、複数の直流コンデンサ1のうちの一の直流コンデンサ1の電圧値(VCuj、VCvj、VCwj)の偏差と、一の直流コンデンサ1と同相の変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の電流値とを乗算した値に、基本周波数以外の周波数を有する零相電圧指令値を加算して得られる電圧指令値に基づいて、変換部を制御することによって、零相電圧を出力電圧に重畳させて、デルタ結線部11〜13において零相電流IZHを循環させる制御を行うように構成する。これにより、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の電流値が零となった場合でも、零ではない電圧指令値を生成し、この電圧指令値に基づいて、変換部を制御することができる。この結果、変換部電流(Iuv、Ivw、Iwu)の電流値が零となった場合でも、複数の直流コンデンサ1の電圧(VCuj、VCvj、VCwj)を均一化(バランス)することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、電力変換装置100を、MMCの無効電力補償装置として構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明の電力変換装置を、MMCの無効電力補償装置以外の電力変換装置に適用してもよい。
また、上記実施形態では、デルタ結線部11、デルタ結線部12、および、デルタ結線部13の各々には、3つのコンバータセル(11a〜11c、12a〜12c、または、13a〜13c)が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。デルタ結線部11、デルタ結線部12、および、デルタ結線部13の各々には、2つまたは4つ以上の複数個のコンバータセルが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、コンバータセルを、1つの直流コンデンサと、互いに直列接続された2つの半導体スイッチを有する2つの半導体スイッチ群とが、並列接続することにより構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、直流コンデンサを複数のコンデンサを組み合わせて構成してもよいし、たとえば、4つの半導体スイッチを有する3レベルの半導体スイッチ群を、2つまたは3つ以上の数で並列接続してもよい。
また、上記実施形態では、実効値と所定の値とを比較して、実効値が所定の値以下となった場合に、3相の変換部において零相電流を循環させる制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、実効値と所定の値との比較を行わずに、実効値が零(略零)となった場合に、3相の変換部において零相電流を循環させる制御を行ってもよい。
また、上記実施形態では、所定の値を、段間バランス制御部が正常に動作するために必要な最小の値とする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、所定の値を、段間バランス制御部が正常に動作するために必要な最小の値よりも大きい値としてもよい。
また、上記実施形態では、基本周波数以外の周波数の零相電流の例として、2倍波および3倍波を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、基本周波数以外の周波数の零相電流として、4倍波以上の高調波を用いてもよい。
1 直流コンデンサ(コンデンサ)
2 半導体スイッチ群
2a 半導体スイッチ
11、12、13 デルタ結線部(変換部、デルタ結線電力変換部)
11a、11b、11c、12a、12b、12c、13a、13b、13c コンバータセル
20 制御部
23 段間バランス制御部(調整部)
100 電力変換装置

Claims (7)

  1. コンデンサと、互いに直列接続された複数の半導体スイッチを有する半導体スイッチ群とが、並列接続された複数のコンバータセルが、互いに直列接続されて構成されている3相の変換部が、デルタ結線されて構成されているデルタ結線電力変換部と、
    前記3相の変換部の各相に流入する電流である変換部電流のうちのいずれかの実効値が、少なくとも零となった場合に、デルタ結線された前記3相の変換部において基本周波数以外の周波数を有する零相電流を循環させることにより、前記実効値を大きくした状態で、前記3相の変換部の各相における複数の前記コンデンサの電圧を均一化させる制御を行う調整部を含む、制御部とを備える、電力変換装置。
  2. 前記調整部は、3相の前記変換部電流のうちのいずれかの前記実効値が、零よりも大きい値である所定の値以下となった場合に、前記3相の変換部において前記零相電流を循環させる制御を行う、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記所定の値は、前記調整部が正常に動作するために必要な最小の値である、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記調整部は、前記3相の前記変換部電流の全ての前記実効値が、前記所定の値よりも大きい場合に、前記3相の変換部において前記零相電流を循環させない制御を行う、請求項2または3に記載の電力変換装置。
  5. 前記調整部は、3相の前記変換部電流のうちのいずれかの前記実効値が、少なくとも零となった場合に、前記3相の変換部の各相の出力電圧に、前記基本周波数以外の周波数を有する零相電圧を重畳することにより、前記3相の変換部において前記零相電流を循環させる制御を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記調整部は、同相の前記複数のコンデンサの電圧値の平均値に対する、前記複数のコンデンサのうちの一の前記コンデンサの電圧値の偏差と、前記一のコンデンサと同相の前記変換部電流の電流値とを乗算した値に、前記基本周波数以外の周波数を有する零相電圧指令値を加算して得られる電圧指令値に基づいて、前記変換部を制御することによって、前記零相電圧を前記出力電圧に重畳させて、前記3相の変換部において前記零相電流を循環させる制御を行う、請求項5に記載の電力変換装置。
  7. コンデンサと、互いに直列接続された複数の半導体スイッチを有する半導体スイッチ群とが、並列接続された複数のコンバータセルが、互いに直列接続されて構成され、デルタ結線された3相の変換部に流入する電流である変換部電流の実効値を取得し、
    3相の前記変換部電流のうちのいずれかの前記実効値が、少なくとも零となった場合に、前記デルタ結線された3相の変換部において基本周波数以外の周波数を有する零相電流を循環させることにより、前記実効値を大きくした状態で、前記3相の変換部の各相における複数の前記コンデンサの電圧を均一化させる、電力変換装置の制御方法。
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