JP2020085684A - 材料試験機、及び材料試験機の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試験担当者の負担増、及び伸び計の大型化と高コスト化を伴うことなく、伸び計の破損及び故障を回避することができる材料試験機、及び材料試験機の制御方法を提供する。【解決手段】最大試験力取得部22は、引張試験開始からの測定試験力の最大値である最大試験力を取得する。減少度合算出部23は、最大試験力に対する測定試験力の減少度合を算出する。衝撃対応部24は、材料試験の実行中に、減少度合が第1判定値以上となる第1判定条件が成立したときに、試験片TPで生じる破断衝撃の伸び計60への影響を低減するための衝撃対応処理を実行する。【選択図】図1
Description
本発明は、材料試験機、及び材料試験機の制御方法に関する。
材料の力学的特性を評価するための引張試験を行う材料試験機は、試験片等の試験対象に負荷としての試験力を付与する負荷機構と、負荷機構を制御する制御ユニットと、試験対象に付与されている試験力を測定する試験力測定器と、試験力の付与に応じて変化する試験対象の伸び量を測定する伸び計とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
材料試験機においては、試験対象が破断するまで測定を行うことができるが、試験対象の種類によっては、大きな破断衝撃が生じて伸び計が破損或いは故障してしまうおそれがある。
そこで、伸び計の破損及び故障を防止するために、試験担当者が引張試験の進行状況を観察して、試験対象が破断する兆候を認識した時点で試験を終了する、または伸び計を試験対象から取り外す対応をとることが考えられる。しかし、この対応をとる場合、試験担当者は、試験を終了するまでの間ずっと試験対象を観察し続けなければならいので、試験担当者の負担が大きいという不都合がある。また、伸び計を、試験対象の破断衝撃に耐えうる構造として対処することも考えられるが、この場合は、伸び計の大型化と高コスト化を伴うという不都合がある。
さらに、試験対象の弾性領域を予め測定しておき、弾性領域が終了する時点で伸び計を試験対象から取り外す対応も考えられるが、この場合は、弾性領域を過ぎた塑性領域を対象とした測定ができないという不都合がある。
さらに、試験対象の弾性領域を予め測定しておき、弾性領域が終了する時点で伸び計を試験対象から取り外す対応も考えられるが、この場合は、弾性領域を過ぎた塑性領域を対象とした測定ができないという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、試験片に試験力を付与して材料試験を行う際に、試験担当者の負担増、及び伸び計の大型化と高コスト化を伴うことなく、伸び計の破損及び故障を回避することができる材料試験機、及び材料試験機の制御方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、試験対象に試験力を付与する負荷機構と、前記試験力を測定する試験力測定器と、前記試験力の付与に応じて変化する前記試験対象の伸び量を測定する伸び計と、前記負荷機構により前記試験対象に前記試験力を付与した状態で、前記試験力測定器により前記試験力を繰り返し測定すると共に、前記伸び計により前記伸び量を繰り返し測定する材料試験を実行する制御ユニットとを備える材料試験機であって、前記制御ユニットは、前記材料試験の実行中に、前記材料試験の開始時から前記試験力測定器により測定された前記試験力のうちの最大値である最大試験力を取得する最大試験力取得部と、前記材料試験の実行中に、前記試験力測定器により測定された直近の前記試験力の前記最大試験力からの減少度合を算出する減少度合算出部と、前記材料試験の実行中に、前記減少度合が第1判定値以上となる第1判定条件が成立したときに、前記試験対象で生じる破断衝撃の前記伸び計への影響を低減するための衝撃対応処理を実行する衝撃対応部とを備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記衝撃対応部は、前記材料試験の実行中に、前記伸び計により測定された前記伸び量の前記材料試験の開始時からの変化量が第2判定値以上となる第2判定条件が成立し、且つ、前記第2判定条件が成立した後に前記第1判定条件が成立したときに、前記衝撃対応処理を実行することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記減少度合は、前記試験力測定器により測定された直近の前記試験力の前記最大試験力からの減少量であることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のうちのいずれかにおいて、前記伸び計は、前記伸び量を測定するために前記試験対象を把持して前記試験対象と共に変位する試験対象把持部と、前記試験対象把持部により把持された前記試験対象を、使用者の手作業に依らずに前記試験対象把持部から解放する試験対象解放機構とを有し、前記衝撃対応部は、前記衝撃対応処理として、前記試験対象把持部により把持された前記試験対象を、前記試験対象解放機構により前記試験対象把持部から解放する処理を行うことを特徴とする。
第5の発明は、前記制御ユニットは、前記材料試験として、前記負荷機構により試験力として前記試験対象に引張力を付与する引張試験を実行し、前記衝撃対応部は、前記衝撃対応処理として、前記負荷機構による前記試験対象の引張速度を低下させる処理を行うことを特徴とする。
第6の発明は、試験対象に試験力を付与する負荷機構と、前記試験力を測定する試験力測定器と、前記試験力の付与に応じて変化する前記試験対象の伸び量を測定する伸び計と、前記負荷機構により前記試験対象に前記試験力を付与した状態で、前記試験力測定器により前記試験力を繰り返し測定すると共に、前記伸び計により前記伸び量を繰り返し測定する材料試験を実行する制御ユニットとを備える材料試験機の制御方法であって、前記制御ユニットが、前記材料試験の実行中に、前記材料試験の開始時から前記試験力測定器により測定された前記試験力のうちの最大値である最大試験力を取得する最大試験力取得ステップと、前記制御ユニットが、前記材料試験の実行中に、前記試験力測定器により測定された直近の前記試験力の前記最大試験力からの減少度合を算出する減少度合算出ステップと、前記制御ユニットが、前記材料試験の実行中に、前記減少度合が第1判定値以上となる第1判定条件が成立したときに、前記試験対象で生じる破断衝撃の前記伸び計への影響を低減するための衝撃対応処理を実行する衝撃対応ステップとを含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、試験対象が弾性領域を過ぎて塑性領域に入り、試験対象の破断が近づいたことを、試験力測定器により測定された直近の試験力の材料試験開始時からの最大試験力からの減少度合によって、認識することができる。そして、減少度合が第1判定値以上になったときに、試験対象の破断が生じる前に、衝撃対応処理を実行することにより、試験対象が破断した際に生じる衝撃の伸び計への影響を低減することができる。これにより、試験担当者の負担増、及び伸び計の大型化と高コスト化を伴うことなく、伸び計の破損及び故障を回避することができる。
第2の発明によれば、伸び計により測定される伸び量の変化量により、試験対象が弾性領域から塑性領域に移行したことを認識することができる。そして、伸び量の変化量が第2判定値以上となる第2判定条件が成立し、且つ、第2判定条件が成立した後に第1判定条件が成立したことを判断することにより、試験片が弾性領域から塑性領域に移行する付近での試験力の減少を、試験片が破断する直前の兆候と誤認識することを防止することができる。
第3の発明によれば、試験対象に与えられている試験力が最大試験力からある程度減少した時点を、試験対象の破断が生じる兆候と判断して、伸び計の破損及び故障を防止することができる。
第4の発明によれば、試験対象解放機構により、試験対象を伸び計の試験対象把持部から解放することにより、試験対象が破断した際の衝撃が伸び計に伝達されないようにして、伸び計の破損及び故障を防止することができる。
第5の発明によれば、負荷機構による試験対象の引張速度を低下させることにより、試験対象が破断した際に生じる衝撃を低減させて、伸び計の破損及び故障を防止することができる。
第6の発明によれば、第6の発明の方法を材料試験機で実施することにより、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
第2の発明によれば、伸び計により測定される伸び量の変化量により、試験対象が弾性領域から塑性領域に移行したことを認識することができる。そして、伸び量の変化量が第2判定値以上となる第2判定条件が成立し、且つ、第2判定条件が成立した後に第1判定条件が成立したことを判断することにより、試験片が弾性領域から塑性領域に移行する付近での試験力の減少を、試験片が破断する直前の兆候と誤認識することを防止することができる。
第3の発明によれば、試験対象に与えられている試験力が最大試験力からある程度減少した時点を、試験対象の破断が生じる兆候と判断して、伸び計の破損及び故障を防止することができる。
第4の発明によれば、試験対象解放機構により、試験対象を伸び計の試験対象把持部から解放することにより、試験対象が破断した際の衝撃が伸び計に伝達されないようにして、伸び計の破損及び故障を防止することができる。
第5の発明によれば、負荷機構による試験対象の引張速度を低下させることにより、試験対象が破断した際に生じる衝撃を低減させて、伸び計の破損及び故障を防止することができる。
第6の発明によれば、第6の発明の方法を材料試験機で実施することにより、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
[1.材料試験機の構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る材料試験機1の構成を模式的に示す図である。
本実施形態の材料試験機1は、いわゆる引張試験機であり、引張りやせん断などの外力に対する耐久性などを決定する材料固有の機械的性質を試験する試験機である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る材料試験機1の構成を模式的に示す図である。
本実施形態の材料試験機1は、いわゆる引張試験機であり、引張りやせん断などの外力に対する耐久性などを決定する材料固有の機械的性質を試験する試験機である。
材料試験機1は、試験対象の材料である試験片TPに負荷としての試験力を付与して引張試験を行う引張試験機本体2と、試験機本体2による引張試験動作を制御する制御ユニット5と、試験片TPの伸び量を計測する伸び計60とを備えている。伸び計60は、試験片TPの把持と解放を使用者の手作業に依らずに行う自動伸び計である。
伸び計60は、試験片TPを把持して、試験片TPと共に変位する上アーム61及び下アーム62と、アームアクチュエータ63とを備えている。アームアクチュエータ63は、例えば電動モータであり、上アーム61及び下アーム62を上下方向に移動させる。上アーム61及び下アーム62の先端は開閉可能なU字形状となっており、アームアクチュエータ63によって、開状態と閉状態とが切り替えられる。
引張試験の実行時には、アームアクチュエータ63により、上アーム61及び下アーム62の先端部が閉状態とされて、上アーム61及び下アーム62により試験片TPが把持される。引張試験の実行中は、アームアクチュエータ63による上アーム61及び下アーム62の上下方向の保持が解除され、上アーム61及び下アーム62は、試験片TPの伸びに応じて変位する。
一方、アームアクチュエータ63により、上アーム61及び下アーム62の先端が開状態とされたときには、試験片TPは上アーム61及び下アーム62から解放される。上アーム61及び下アーム62は、本発明の試験対象把持部に相当し、アームアクチュエータ63により、試験片TPを上アーム61及び下アーム62から解放する構成は、本発明の試験対象解放機構に相当する。
伸び計60は、磁気誘導方式リニアセンサーにより試験片TPの伸び量を測定し、試験片TPが所定量伸びる毎に1つのパルスを生成する伸び量測定信号A2を本体制御装置50に出力する。なお、ストレーンゲージ式センサにより、試験片TPの伸び量を測定する構成としてもよい。
[2.試験機本体の構成]
試験機本体2は、テーブル30と、テーブル30上に鉛直方向を向く状態で回転可能に立設された一対のねじ棹31、32と、これらのねじ棹31、32に沿って移動可能なクロスヘッド33と、このクロスヘッド33を移動させて試験片TPに負荷を与える負荷機構40と、ロードセル36とを備えている。ロードセル36は、試験片TPに付与されている引張荷重である試験力を測定し、測定された試験力を示す試験力測定信号A1を本体制御装置50に出力するセンサである。ロードセル36は本発明の試験力測定器に相当する。なお、ねじ棹を1本とする構成としてもよい。
試験機本体2は、テーブル30と、テーブル30上に鉛直方向を向く状態で回転可能に立設された一対のねじ棹31、32と、これらのねじ棹31、32に沿って移動可能なクロスヘッド33と、このクロスヘッド33を移動させて試験片TPに負荷を与える負荷機構40と、ロードセル36とを備えている。ロードセル36は、試験片TPに付与されている引張荷重である試験力を測定し、測定された試験力を示す試験力測定信号A1を本体制御装置50に出力するセンサである。ロードセル36は本発明の試験力測定器に相当する。なお、ねじ棹を1本とする構成としてもよい。
一対のねじ棹31、32はボールねじから成り、クロスヘッド33は、各ねじ棹31,32に対して図示を省略したナットを介して連結されている。負荷機構40は、各ねじ棹31、32の下端部に連結されるウォーム減速機41、42と、各ウォーム減速機41、42に連結されるサーボモータ43と、ロータリエンコーダ44とを備えている。ロータリエンコーダ44は、サーボモータ43が所定角度回転する毎に1つのパルスを生成する回転測定信号をサーボアンプ54に出力するセンサである。
負荷機構40は、ウォーム減速機41、42を介して、一対のねじ棹31、32にサーボモータ43の回転を伝達し、各ねじ棹31、32が同期して回転することにより、クロスヘッド33がねじ棹31、32に沿って昇降する。
クロスヘッド33には、試験片TPの上端部を把持するための上つかみ具34が付設され、テーブル30には、試験片TPの下端部を把持するための下つかみ具35が付設されている。試験機本体2は、引張試験の際、試験片TPの上端部を上つかみ具34で把持すると共に、試験片TPの下端部を下つかみ具35で把持した状態で、制御ユニット5による制御により、クロスヘッド33を上昇させることによって、試験片TPに試験力を付与する。
[3.制御ユニットの構成]
制御ユニット5は、本体制御装置50と外部制御装置10とを備えている。本体制御装置50は、試験機本体2の作動の制御と試験状況の測定を行う。外部制御装置10は、本体制御装置50との間で通信を行って、引張試験の試験条件の設定、引張試験の開始の指示、引張試験の進行状況の監視、及び測定データの表示と解析等を行う。
制御ユニット5は、本体制御装置50と外部制御装置10とを備えている。本体制御装置50は、試験機本体2の作動の制御と試験状況の測定を行う。外部制御装置10は、本体制御装置50との間で通信を行って、引張試験の試験条件の設定、引張試験の開始の指示、引張試験の進行状況の監視、及び測定データの表示と解析等を行う。
本体制御装置50は、本体制御装置50の全体的な作動を制御する本体制御部51と、ロードセル36から出力される試験力測定信号A1を増幅するセンサアンプ52と、伸び計60から出力される伸び量測定信号A2のパルス数をカウントするカウンタ53と、サーボモータ43に駆動電流を供給するサーボアンプ54とを備えている。また、本体制御装置50には、伸び計60の上アーム61及び下アーム62の上下方向の移動と開閉等を指示するためのリモコン55が接続されている。
本体制御部51は、図示しないCPU、メモリ、インターフェース回路等により構成され、メモリに保存された本体制御装置50用の制御プログラムを実行することによって、本体制御装置50の作動を制御する。本体制御装置50は、外部制御装置10から送信される試験条件命令TCd、試験開始命令TSc、及び試験片解放命令RLc等を受信する。
そして、本体制御部51は、試験開始命令TScを受信したときに、試験条件命令TCdに従って、試験機本体2による引張試験の動作の制御を実行する。試験条件命令TCdにより、原点調整、ストロークレンジ、引張速度等の試験条件が指定される。また、本体制御部51は、試験片解放命令RLcを受信したときに、伸び計60の上アーム61及び下アーム62の先端を開状態に制御して、試験片TPを伸び計60から解放する。
本体制御部51は、センサアンプ52により増幅された試験力測定信号A1に基づいて、試験片TPに付与されている試験力(以下、測定試験力Fsと記す)を認識する。また、本体制御部51は、カウンタ53によりカウントされた伸び量測定信号A2のパルス数に基づいて、引張試験開始時からの試験片TPの上方向の変位(伸び量、以下、測定変位Xsと記す)を認識する。そして、本体制御部51は、測定試験力Fsと測定変位Xsを含む測定データMdを外部制御装置10に送信する。
次に、外部制御装置10は例えばPC(Personal Computer)であり、CPU20、メモリ11、表示器12、入力部13、及び図示しないインターフェース回路等により構成されている。CPU20は、メモリ11に保存された引張試験に対応したアプリケーションプログラムを読み込んで実行することにより、引張試験管理部21、最大試験力取得部22、減少度合算出部23、及び衝撃対応部24として機能する。
なお、最大試験力取得部22により実行される処理は、本発明の材料試験機の制御方法における最大試験力取得ステップにに相当し、減少度合算出部により実行される処理は、本発明の材料試験機の制御方法における減少度合算出ステップに相当する。また、衝撃対応部24により実行される処理は、本発明の材料試験機の制御方法における衝撃対応ステップに相当する。
引張試験管理部21は、使用者による入力部13による操作によって設定される引張試験の実行条件を取得して、試験条件命令TCdを本体制御装置50に送信する。引張試験管理部21は、使用者による入力部13による操作によって指示される引張試験の開始を受付けて、試験開始命令TScを本体制御装置50に送信する。引張試験管理部21は、本体制御装置50から送信される測定データMdを受信して、測定試験力Fsと測定変位Xsを認識する。引張試験管理部21は、測定試験力Fsと測定変位Xsの変化等を示すモニタ画面を表示器12に表示する。
最大試験力取得部22は、引張試験開始からの測定試験力Fsの最大値である最大試験力Fmaxを取得する。減少度合算出部23は、引張試験の実行中に、直近の測定試験力Fsについて、最大試験力Fmaxからの減少度合(変化量の一例に相当する)を算出する。本実施形態では、減少度合として、最大試験力Fmaxからの減少量ΔF=Fmax−Fsを用いる。衝撃対応部24は、引張試験の実行中に減少度合ΔFを監視し、減少度合ΔFが第1判定値Ft以上になったときに、本体制御装置50に試験片解放命令RLcを送信して、試験片TPを伸び計60から解放する衝撃対応処理を行う。最大試験力取得部22、減少度合算出部23、及び衝撃対応部24による処理の詳細については後述する。
[4.試験片TPの破断衝撃の影響を低減する処理]
図2及び図3を参照して、外部制御装置10により実行される試験片TPの破断衝撃の伸び計60への影響を低減するための衝撃対応処理について説明する。図2は引張試験の実行処理のフローチャートである。図3は引張試験実行時の試験力及び試験片の伸び量の変化を示す図である。
[4.試験片TPの破断衝撃の影響を低減する処理]
図2及び図3を参照して、外部制御装置10により実行される試験片TPの破断衝撃の伸び計60への影響を低減するための衝撃対応処理について説明する。図2は引張試験の実行処理のフローチャートである。図3は引張試験実行時の試験力及び試験片の伸び量の変化を示す図である。
図2のステップS1で、引張試験管理部21は、試験開始命令TScを本体制御装置50に送信する。試験開始命令TScを受信した本体制御装置50は、試験機本体2の作動を制御して試験片TPの引張試験を開始する。
続くステップS2〜S7の繰り返しループによる処理を、所定の制御周期毎に実行することにより、外部制御装置10は、試験片TPの状態を監視して、試験片TPの破断が生じる前に衝撃対応処理を実行する。ステップS2で、外部制御装置10は、本体制御装置50から測定データMdを受信して、試験片TPに付与されている試験力(引張力)の測定値である測定試験力Fsと、材料試験開始からの上方向への試験片TPの変位(伸び量)の測定値である測定変位Xsとを認識する。
次のステップS3で、最大試験力取得部22は、ステップS2で認識された直近の測定試験力Fsが最大試験力Fmaxよりも大きいか否かを判断する。なお、最大試験力Fmaxの初期値は例えば0に設定される。そして、最大試験力取得部22は、測定試験力Fsが最大試験力Fmaxよりも大きいときはステップS4に処理を進め、測定試験力Fsを新たな最大試験力Fmaxとする。一方、測定試験力Fsが最大試験力Fmax以下であるときには、最大試験力取得部22は、ステップS5に処理を進め、この場合は最大試験力Fmaxは更新されない。
続くステップS5で、衝撃対応部24は、測定変位Xsが第2判定値Xt以上である第2判定条件が成立しているか否かを判断する。第2判定値Xtは、試験片TPが弾性領域を過ぎて塑性領域に入ったことを判断するための判定値である。
ここで、図3は引張試験の実行中における測定試験力Fsと測定変位Xsの推移の例を、横軸を測定変位Xsに設定し、縦軸を測定試験力Fsに設定して示している。引張試験の開始時点(測定試験力Fs=0、測定変位Xs=0)から測定試験力Fsと測定変位Xsが次第に増加し、測定変位XsがX1となったP1で、測定試験力Fsが極大となって増加から減少に転じている。その後、測定変位XsがX2となったP2で、測定試験力Fsが極小となって減少から増加に転じている。
P1は試験片TPが弾性領域から塑性領域に変わる際に応力値が最も高くなる上降伏点であり、P2は上降伏点を過ぎてから生じる応力が最も低くなる下降伏点である。第2判定値Xtを、P2を過ぎたP3に対応したX3に設定することにより、P1付近における測定試験力Fsの減少を、後述するステップS7における破断の兆候と誤認識することを避けることができる。
P4は測定試験力Fsが最大となった状態であり、ステップS3及びS4の処理により、P4での測定試験力Fsが最大試験力Fmaxとなる。P5は測定試験力Fsが最大試験力FmaxからFtだけ減少した状況であり、その後、測定変位XsがX6となったP6で試験片TPが破断している。
図2のステップS6で、減少度合算出部23は、最大試験力Fmaxからの測定試験力Fsの減少量ΔF(=Fmax−Fs)を、減少度合ΔFとして算出する。続くステップS7で、衝撃対応部24は、減少度合ΔFが第1判定値Ft以上であるか否かを判断する。
ここで、図3に示したように、試験片TPが破断するP6よりも前のP5の時点で、測定試験力Fsが最大試験力Fmaxから第1判定値Ft以上減少している。そのため、減少度合ΔFが第1判定値Ft以上になったP5の時点で、試験片TPを伸び計60の上アーム61及び下アーム62から解放することにより、その後、試験片TPが破断したときに、破断衝撃が伸び計60に伝達されることを回避できる。これにより、試験片TPの破断衝撃によって、伸び計60が破損或いは故障することを防止することができる。
そこで、衝撃対応部24は、ステップS7で、減少度合ΔFが第1判定値Ft以上である第1判定条件が成立しているか否かを判断する。そして、衝撃対応部24は、第1判定条件が成立したときはステップS7に処理を進め、本体制御装置50に試験片解放命令RLcを送信する。試験片解放命令RLcを受信した本体制御装置50は、伸び計60の上アーム61及び下アーム62の先端部を開状態として、試験片TPを伸び計60から解放する。
これにより、図3に示したP5の時点で、試験片TPの破断衝撃が伸び計60に伝達されない状態として、試験片TPの破断衝撃により伸び計60が破損或いは故障することを防止している。一方、ステップS7でΔFが第2判定値よりも小さいときには、衝撃対応部24はステップS2に処理を進め、この場合は測定が継続される。
[5.他の実施形態]
上記実施形態では、最大試験力Fmaxからの測定試験力Fsの減少度合として、ΔF=Fmax−Fsを用いたが、減少度合はこれに限られず、最大試験力Fmaxからの減少の程度を判断できればよい。例えば、最大試験力Fmaxに対する測定試験力Fsの割合Fs/Fmaxを用いてもよい。
上記実施形態では、最大試験力Fmaxからの測定試験力Fsの減少度合として、ΔF=Fmax−Fsを用いたが、減少度合はこれに限られず、最大試験力Fmaxからの減少の程度を判断できればよい。例えば、最大試験力Fmaxに対する測定試験力Fsの割合Fs/Fmaxを用いてもよい。
上記実施形態では、図2のステップS5において、試験片TPが弾性領域から塑性領域に切り替わる際の測定試験力Fsの減少を、試験片TPの破断の予兆として誤認識しないように、第2判定条件を判断したが、第2判定条件の判断を行わない場合にも、本発明の効果を得ることができる。この場合は、例えば、第1判定値Ftを、試験片TPが弾性領域から塑性領域に切り替わる際の測定試験力Fsの減少幅よりも大きなるように設定して対応することができる。
上記実施形態では、負荷機構40の駆動源としてサーボモータ43を用いたが、油圧源等の他の駆動源を用いてもよい。
上記実施形態では、図1に示したように、本体制御装置50と外部制御装置10とにより構成される制御ユニット5を示したが、本体制御装置50と外部制御装置10を一体に構成してもよい。また、本体制御装置50を、測定を行う測定装置と、試験機本体2の作動を制御する作動制御装置とに分けて構成してもよい。
上記実施形態では、本発明の衝撃対応処理として、上アーム61及び下アーム62の先端部を開状態として試験片TPを伸び計60から解放する処理を行ったが、衝撃対応処理はこれに限られず、試験片TPの破断衝撃の伸び計60への影響を低減する効果が得られる処理であればよい。例えば、衝撃対応処理として、試験機本体2による試験片TPの引張速度を低下させる処理を行ってもよい。
上述実施形態において、図1に示した機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
1 材料試験機
2 試験機本体
5 制御ユニット
10 外部制御装置
20 CPU
21 引張試験管理部
22 最大試験力取得部
23 減少度合算出部
24 衝撃対応部
36 ロードセル(試験力測定器)
44 ロータリエンコーダ
50 本体制御装置
60 伸び計
61 上アーム
62 下アーム
63 アームアクチュエータ(試験対象解放機構)
TP 試験片
2 試験機本体
5 制御ユニット
10 外部制御装置
20 CPU
21 引張試験管理部
22 最大試験力取得部
23 減少度合算出部
24 衝撃対応部
36 ロードセル(試験力測定器)
44 ロータリエンコーダ
50 本体制御装置
60 伸び計
61 上アーム
62 下アーム
63 アームアクチュエータ(試験対象解放機構)
TP 試験片
Claims (6)
- 試験対象に試験力を付与する負荷機構と、
前記試験力を測定する試験力測定器と、
前記試験力の付与に応じて変化する前記試験対象の伸び量を測定する伸び計と、
前記負荷機構により前記試験対象に前記試験力を付与した状態で、前記試験力測定器により前記試験力を繰り返し測定すると共に、前記伸び計により前記伸び量を繰り返し測定する材料試験を実行する制御ユニットと
を備える材料試験機であって、
前記制御ユニットは、
前記材料試験の実行中に、前記材料試験の開始時から前記試験力測定器により測定された前記試験力のうちの最大値である最大試験力を取得する最大試験力取得部と、
前記材料試験の実行中に、前記試験力測定器により測定された直近の前記試験力の前記最大試験力からの減少度合を算出する減少度合算出部と、
前記材料試験の実行中に、前記減少度合が第1判定値以上となる第1判定条件が成立したときに、前記試験対象で生じる破断衝撃の前記伸び計への影響を低減するための衝撃対応処理を実行する衝撃対応部と
を備えることを特徴とする材料試験機。 - 前記衝撃対応部は、前記材料試験の実行中に、前記伸び計により測定された前記伸び量の前記材料試験の開始時からの変化量が第2判定値以上となる第2判定条件が成立し、且つ、前記第2判定条件が成立した後に前記第1判定条件が成立したときに、前記衝撃対応処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の材料試験機。 - 前記減少度合は、前記試験力測定器により測定された直近の前記試験力の前記最大試験力からの減少量である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の材料試験機。 - 前記伸び計は、前記伸び量を測定するために前記試験対象を把持して前記試験対象と共に変位する試験対象把持部と、前記試験対象把持部により把持された前記試験対象を、使用者の手作業に依らずに前記試験対象把持部から解放する試験対象解放機構とを有し、
前記衝撃対応部は、前記衝撃対応処理として、前記試験対象把持部により把持された前記試験対象を、前記試験対象解放機構により前記試験対象把持部から解放する処理を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の材料試験機。 - 前記制御ユニットは、前記材料試験として、前記負荷機構により試験力として前記試験対象に引張力を付与する引張試験を実行し、
前記衝撃対応部は、前記衝撃対応処理として、前記負荷機構による前記試験対象の引張速度を低下させる処理を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の材料試験機。 - 試験対象に試験力を付与する負荷機構と、
前記試験力を測定する試験力測定器と、
前記試験力の付与に応じて変化する前記試験対象の伸び量を測定する伸び計と、
前記負荷機構により前記試験対象に前記試験力を付与した状態で、前記試験力測定器により前記試験力を繰り返し測定すると共に、前記伸び計により前記伸び量を繰り返し測定する材料試験を実行する制御ユニットと
を備える材料試験機の制御方法であって、
前記制御ユニットが、前記材料試験の実行中に、前記材料試験の開始時から前記試験力測定器により測定された前記試験力のうちの最大値である最大試験力を取得する最大試験力取得ステップと、
前記制御ユニットが、前記材料試験の実行中に、前記試験力測定器により測定された直近の前記試験力の前記最大試験力からの減少度合を算出する減少度合算出ステップと、
前記制御ユニットが、前記材料試験の実行中に、前記減少度合が第1判定値以上となる第1判定条件が成立したときに、前記試験対象で生じる破断衝撃の前記伸び計への影響を低減するための衝撃対応処理を実行する衝撃対応ステップと
を含むことを特徴とする材料試験機の制御方法。
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JP2018221377A JP2020085684A (ja) | 2018-11-27 | 2018-11-27 | 材料試験機、及び材料試験機の制御方法 |
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Citations (4)
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JPS6453948U (ja) * | 1987-09-30 | 1989-04-03 | ||
JPH0734355U (ja) * | 1993-11-30 | 1995-06-23 | 株式会社島津製作所 | 材料試験機 |
JPH1114520A (ja) * | 1997-06-19 | 1999-01-22 | Shimadzu Corp | 材料試験機の負荷制御方法 |
JP2002357522A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Univ Nihon | 万能材料試験方法及びその装置 |
-
2018
- 2018-11-27 JP JP2018221377A patent/JP2020085684A/ja active Pending
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