JP2020084956A - タービン装置の動作方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このうち、衝動タービンは高速水流が回転羽根やバケット302aに衝撃を加えることにより動作する。
代表的なモデルとしてはペルトンタービン(Pelton Turbine)300aがある(図2A参照)。
反動タービンは水流の圧力及び運動エネルギーを利用して動作する。代表的なモデルとしては、
タービン型回転羽根302bを使用したフランシスタービン(Francis Turbine)300b(図2B参照)、
及び螺旋形回転羽根302cを使用したカプランタービン(Kaplan Turbine)300cがある(図2C参照)。
図2aに示すペルトンタービンのような非密閉型ケース301a、
図2bに示すフランシスタービンのような密閉型ケース301b、
及び図2cに示すカプランタービンに大別される。
高圧エリアにおいては水の位置エネルギーの運動エネルギーが電気エネルギーに変換されるが、低圧エリアにおいてはその一部が水の蒸気圧より低い場合、水蒸気化して気泡(破裂する)が生じ、タービンの部材を侵蝕してしまう(キャビテーション)。これがタービンの効率及び耐用年数に影響を及ぼす。
また、複雑な設計にするか、タービンの構造設計を変更することも考えられるが、これは容易に完成できるものではなく、コストも掛かる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、発電効率が向上し、キャビテーションの発生が抑制される、水力発電用のタービン装置の動作方法を提供することにある。
水力発電所のダムに設置される。
ダムの上端は取水口を有し、ダムの底端は排水口を有する導水管と、ケース及び前記ケースに内設される回転羽根を有する。
前記導水管の排水口に接合されることで前記導水管の水流及び水の重力により前記回転羽根が駆動されるタービンを備える。
前記導水管及び前記タービンの回転羽根の前方にはガス導入装置が設置される。
前記ガス導入装置は、前記導水管及び前記回転羽根の前方にあるパイプ本体に周設される少なくとも1本のエアダクトで構成される。
前記エアダクトの上部は外部からのガスを導入するための吸気口を有し、下部は前記パイプ本体内まで延伸されて排気口が形成される。
前記エアダクトの前記吸気口と前記排気口との間に前記エアダクトの開閉を制御するためのスイッチバルブが設置される。
ベルヌーイの定理(Bernoulli's Principle)を応用し、前記導水管の高速水流により前記パイプ本体の排気口に形成される負圧が外部からのガスを吸入させる。これら前記ガスが前記排気口から排出されると共に水と混合された後、大量の加圧気泡を含む水流が形成される。
これにより前記ダムの位置水頭及び前記ガス導入装置を利用して加圧気泡が製造され大量の前記加圧気泡を含む水流により、減圧エリアにおいて前記加圧気泡の体積が膨張することで前記回転羽根を押動させる水流が補助される。
こうして、水流の作用力が増加してタービンのパワーが高まるのみならず、水流中に含まれる加圧気泡により低圧エリアにおける気泡の発生が同時に抑制され、前記タービンのキャビテーションによる侵蝕現象の発生が防止される。
タービン内部の原設計には変更を加えずに、ベルヌーイの定理(Bernoulli's Principle)を応用し、ダムの位置水頭を利用して発生する高速水流がガス導入装置の排気口に形成させる負圧により外部からのガスが吸入されて水と混合された後、大量の加圧気泡を含む水流が製造される。
キャビテーション現象は主に高速水流が回転羽根に衝撃を与え、低圧部分が水の蒸気圧より低くなり、水蒸気化して気泡が発生し、タービン内部の関連部材を侵蝕することでタービンのパワー及び耐用年数に影響が及ぶ。
従来の水流の気泡は破裂するが、本発明のタービン装置高圧気泡は圧縮可能性があるため圧縮時に破裂しない。
よって、本発明の加圧気泡は水流の作用力を増加させてタービンのパワーを高めるのみならず、水流中に加圧気泡が含まれると同時に低圧エリアにおける気泡の発生が抑制され、回転羽根及び関連部材のキャビテーション現象の発生が防止される。
また、下述の「タービン装置」はタービン部品及び部材等の関連部材を含む。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、水力発電所のダム10内部またはその上方に設置される。上端には取水口21を有し、底端には排水口22を有する導水管20と、ケース31及び前記ケース31に内設される回転羽根32を有する。前記導水管20の排水口22に接合され、前記導水管20の上から下に流れる水流の圧力を利用して前記回転羽根32を駆動させ、発電機50を連動させるタービン30を備える。
なお上記の構成は一般的な水力発電所の設備及びその基本構造に属するため、その原理及び機能についての説明は省く。
図3及び図4に示すように、本発明の下述のパイプ本体33は、前記排水口22の前方及び取水用管継手33aについての段落で述べる位置に設置される。
前記導水管20の排水口22及び前記タービンの回転羽根32の前方にはガス導入装置40が設置される。
前記ガス導入装置40は、前記導水管20の排水口22及び前記回転羽根32の前方のパイプ本体33に周設される少なくとも1本のエアダクト41で構成される。
前記エアダクト41の上部は外部からのガス(a)を導入するための吸気口411を有し、下部は前記パイプ本体33の内壁面まで延伸されて排気口412が形成される。また、前記エアダクト41は前記吸気口411(図5−10、12)と前記排気口412との間に前記エアダクト41の開閉を制御するためのスイッチバルブ413(図5−10、12)が設置されることを含む。
前記ケース31は密閉型ケース31aを呈する。その回転羽根32はタービン型32aであり、取水用管継手33aを有する。
前記導水管20の排水口22は前記取水用管継手33aに連結される。
前記ガス導入装置40は、複数のエアダクト41で構成され、前記導水管20の排水口22の前方または前記取水用管継手33aの任意の位置に設置される。
導水管20で上から下に流される水流が前記回転羽根32を駆動させ始める際にはまだ高速水流状態に達しないため、排気口412(図5−10、12)で負圧を発生させてガスを導入することができない。この際、前記スイッチバルブ413を閉状態(CLOSE)にしなければ水流が前記排気口412から流出して前記取水口411に逆流する。
その後、導水管20が高速水流状態に達したら前記スイッチバルブ413を開状態(OPEN)にすると、この際に高速水流(h)がガス導入装置40の環状体排気口422で形成される負圧により外部からのガス(a)が吸入されると共に水(w)と混合された後、大量の加圧気泡(b)を含む水流が形成される。
また、本発明に記載の排気口412は円孔状であるが、この限りではなく、他の形状でもよい。
なお、第1実施形態では、前記排気口412が後に向けて傾斜していることが好ましいが、この限りではない。実験からは、前記排気口412が管壁に垂直に設置されても高圧水流が前記排気口412で負圧吸引力を発生させることが分かった。
前記環状体排気口422及び上述の排気口412は共に高速水流状態において形成される負圧により外部からのガス(a)を吸入させると共に水(w)と混合させた後、大量の加圧気泡(b)を含む水流を形成させる。
本発明のタービン装置は位置水頭を利用して高速水流(h)を発生させる。高速水流(h)がガス導入装置40の排気口412で形成させる負圧により外部からのガス(a)が吸入されると共に水(w)と混合された後、大量の加圧気泡(b)を含む水流が形成される。導入された気泡が圧縮されて体積が小さくなって排水口付近の圧力が徐々に低下すると、前後の圧力差の変化を利用して瞬間的に膨張して大きくなる。
本発明の加圧気泡(b)は圧縮可能性があるため圧縮時に破裂しない。このため、本発明の加圧気泡(b)により水流の作用力(F)が増加し、タービンのパワーが高まるのみならず、水流中に含まれる加圧気泡(b)により、低圧エリアでの気泡の発生が同時に抑制され、回転羽根30及びその関連部材にキャビテーション現象の発生が防がれる。
(第2実施形態)
前記タービン30は衝動タービン30cであり、非密閉型ケース31cに属する。前記導水管20の排水口22は前記衝動タービン30cの回転羽根32cの周辺まで延伸され、前記ガス導入装置40は前記排水口22の前方の周縁に設置される。
第2実施形態では、前記衝動タービン30cがペルトンタービン(Pelton Turbine)であり、前記ケース31が非密閉型ケース31cであり、前記回転羽根32がペルトン型回転羽根32dであってもよい。
また、前記導水管20の排水口22の前方には前記排水口22の水流量の調整に用いられる調整バルブ23が設置される。前記調整バルブ23は先行技術に属し、本発明の特許の目的ではないため詳述は省く。
1.ベルヌーイの定理。
位置水頭を利用して高速水流(h)を発生させ、高速水流(h)がガス導入装置40の排気口412で形成する負圧により、外部からのガス(a)が吸入されると共に水と混合された後、大量の加圧気泡(b)を含む水流が形成される。
前記水流中の大量の加圧気泡(b)のエネルギー源はダムの位置水頭から変換されたものであり、別途エネルギー源が必要なく、経済効率が高い。
2.ガスの圧縮可能性原理及びボイルの法則(Boyle's law)。
圧縮可能性ガスの体積と加えられる圧力とは反比例の関係にある。即ち、P1V1=P2V2となり、圧力が増大すると体積が小さくなり、圧力が減少すると体積が大きくなる。例えば、2P11V1=1P22V2である。
水には圧縮可能性がないが、水流中に気泡が混合される際に圧縮可能性を有する水流気泡が生まれる。これにより、本発明の大量の加圧気泡(b)を含む水流が圧縮可能性を獲得する。圧縮時には体積が変化するのみで、破裂はしない。
3.加圧気泡(b)は破裂しない。
キャビテーション現象は主に、高速水流が前記回転羽根(インペラーガイド板)に衝撃を与え、低圧部分が水の蒸気圧より低くなり、水蒸気化して気泡(破裂する)が発生し、タービン内部の関連部材が侵蝕されることで発生する。これがタービンのパワー及び耐用年数に影響を及ぼす。
しかし、本発明では位置水頭を利用して高速水流(h)を製造し、前記ガス導入装置40の排気口412に形成される負圧により、外部からのガス(a)が吸入されると共に水(w)と混合された後、大量の加圧気泡(b)を含む水流が形成される。導入された気泡が圧縮されることにより体積が小さくなり、排水口付近の圧力が徐々に低下すると、前後の圧力差の変化により瞬間的に膨張する。
本発明の加圧気泡(b)は圧縮可能性を有するため、圧縮時に破裂しない。よって、本発明の加圧気泡(b)が減圧エリアにおいて体積が膨張し、水流の作用力が増加してタービンのパワーが高まるのみならず、水流中に含まれる加圧気泡(b)により、低圧エリアにおける気泡の発生が同時に抑制され、回転羽根及びその関連部材のキャビテーション現象の発生が防がれる。
注入ガスを加圧する必要がある場合でも、少量の動力によって数倍の動力効果を獲得できる。
また、注入ガスを加圧する必要があって、加圧された注入ガスが前記環状体排気口422から排出される場合には、より高い推進動力効果が獲得され、少量の動力で数倍の動力効果が得られる。
20 導水管
21 取水口
22 排水口
23 調整バルブ
30 タービン
30a 反動タービン
30c 衝動タービン
31 ケース
31a 密閉型ケース
31c 非密閉型ケース
32 回転羽根
32a 回転羽根
32b 回転羽根
32c 回転羽根
32d ペルトン型回転羽根
33 パイプ本体
33a 取水用管継手
40 ガス導入装置
41 エアダクト
411 吸気口
412 排気口
413 スイッチバルブ
42 環状体
422 環状体排気口
50 発電機
(a) 外部からのガス
(b) 加圧気泡
(F) 水流の作用力
(h) 高速水流
(w) 水
Claims (8)
- 水力発電所のダムに設置されるタービン装置の動作方法であって、
上端には取水口を有し、底端には排水口を有する導水管と、
ケース、及び前記ケースに内設される回転羽根を有し、前記導水管の排水口に接合されることで前記導水管の水流及びその重力により前記回転羽根が駆動されるタービンと、を備え、
前記導水管及び前記タービンの回転羽根の前方にはガス導入装置が設置され、
前記ガス導入装置は、前記導水管及び前記回転羽根の前方にあるパイプ本体に周設される少なくとも1本のエアダクトで構成され、
前記エアダクトの上部は外部からのガスを導入するための吸気口を有し、下部は前記パイプ本体の内壁面まで延伸されて排気口が形成され、
前記吸気口と前記排気口との間に前記エアダクトの開閉を制御するためのスイッチバルブが設置され、
前記導水管の高速水流により前記パイプ本体の排気口に形成される負圧が外部からのガスを吸入させ、吸入された前記ガスが前記排気口から排出されると共に水と混合された後、大量の加圧気泡を含む水流が形成され、
前記ダムの位置水頭及び前記ガス導入装置により大量の前記加圧気泡が発生して水流中に混入され、
大量の前記加圧気泡を含む水流により、タービンの減圧エリアにおいて前記加圧気泡の体積が膨張して前記回転羽根を回転させる水流が補助され、水流の作用力が増加してタービンのパワーが高まるのみならず、同時に水流中に含まれる加圧気泡により低圧エリアにおける気泡の発生が抑制され、前記タービン装置のキャビテーション現象の発生が防止されることを特徴とするタービン装置の動作方法。 - 前記タービンは反動タービンであり、
前記ケースは密閉型を呈すると共に取水用管継手を有し、
前記導水管の排水口は前記タービン取水用管継手に連結され、
前記ガス導入装置は、前記導水管の排水口の前方または前記タービンの取水用管継手の任意の位置に設置される少なくとも1本のエアダクトで構成されることを特徴とする請求項1に記載のタービン装置の動作方法。 - 前記ガス導入装置は、環状体を更に含み、
前記少なくとも1本のエアダクトが前記環状体の周縁に設置され、
前記環状体の下端には前記導水管または前記タービンの取水用管継手の管壁面に環状体排気口が形成されることを特徴とする請求項2に記載のタービン装置の動作方法。 - 前記反動タービンが、フランシスタービン及びカプランタービンであることを特徴とする請求項2に記載のタービン装置の動作方法。
- 前記タービンは衝動タービンであり、
前記導水管の排水口が前記衝動タービンの回転羽根の周辺まで延伸され、
前記ガス導入装置が前記排水口の前の周縁に設置されることを特徴とする請求項1に記載のタービン装置の動作方法。 - 前記衝動タービンはペルトンタービンであることを特徴とする請求項5に記載のタービン装置の動作方法。
- 前記スイッチバルブが手動式スイッチバルブ及び自動式スイッチバルブであることを特徴とする請求項1に記載のタービン装置の動作方法。
- 前記導水管が高速水流状態に達していない場合、前記スイッチバルブが閉状態となり、
前記導水管が高速水流状態に達した場合、前記スイッチバルブが開けられて開状態となることを特徴とする請求項7に記載のタービン装置の動作方法。
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Citations (2)
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JPS59213951A (ja) * | 1983-05-19 | 1984-12-03 | Toshiba Corp | 水力機械の給気方法 |
JP2009057876A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Taichi Inada | 浚渫装置などのジェットポンプ |
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