JP2020084798A - マット材及びマット材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大判の1枚の貼付体から巻き付け性が規格値内となるマット材を多数得ることができる、マット材の製造方法を提供すること、及び、また、巻き付け性が安定して規格値内となるような構成のマット材を提供すること。【解決手段】無機繊維からなる基材マットと、上記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートと、からなるマット材であって、上記有機シートは、第1の有機シートと第2の有機シートの少なくとも2枚が重ねられてなり、上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向とが異なっていることを特徴とするマット材。【選択図】図1

Description

本発明は、マット材及びマット材の製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、COやHC、NOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境や人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体とケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
このような用途で用いられる保持シール材としては、無機繊維からなるマット材が用いられる。無機繊維からなるマット材は、自動車等の配管に巻き付けて使用する断熱用途、防音用途にも用いられる。
特許文献1には、径が小さい排ガス処理体(触媒コンバータ)に巻き付けて使用する複合マットが開示されている。複合マットとしては、無機繊維と、バインダと、無機繊維の層の少なくとも一面に付着した可撓性シートからなるものが開示されている。
特表2001−521847号公報
特許文献1において、可撓性シートは、巻き付けの際にマット材が割れることを防止するために設けられている。
このようなマット材の製造方法としては、打ち抜き刃を有する打ち抜き型によって打ち抜く方法(打ち抜き加工ともいう)が従来から用いられている。
この工程においては、無機繊維からなるシート状部材と、可撓性シートを貼り付けた大判の貼付体を準備し、この貼付体を打ち抜くことによって、多数のマット材を一度の打ち抜き加工により得ることができる。
マット材は、巻き付け方向となる長手方向と、長手方向に直交する短手方向を有する。
大判の貼付体1枚からこのようなマット材を得る場合、貼付体の縦方向がマット材の長手方向になる方向でマット材を打ち抜く場所と、貼付体の横方向がマット材の長手方向になる方向でマット材を打ち抜く場所とを組み合わせて、できるだけ多くのマット材を大判の貼付体1枚から得られるようにする。
この場合、貼付体の縦横方向とマット材の長手方向の向きの関係が異なる2種類のマット材が得られる。
ここで、可撓性シートとして、引張強度の配向性が縦横で異なる有機シートを使用した場合には、マット材の長手方向の向きと、有機シートの引張強度の配向性の関係が異なる2種類のマット材が得られる。
具体的には、マット材の長手方向の向きと有機シートの引張強度の強い配向方向が揃ったマット材(ハードマット材)と、マット材の長手方向の向きと有機シートの引張強度の弱い配向方向が揃ったマット材(イージーマット材)の2種類が得られる。
ハードマット材とは、マット材の長手方向の向きと有機シートの引張強度の強い配向方向が揃っているために、マット材の長手方向を巻き付け方向としてマット材を排ガス処理体等に巻き付ける際に、有機シートの引張強度に起因する抵抗が強く、巻き付けに力を要するマット材である。
一方、イージーマット材とは、マット材の長手方向の向きと有機シートの引張強度の弱い配向方向が揃っているために、マット材の長手方向を巻き付け方向としてマット材を排ガス処理体等に巻き付ける際に、有機シートの引張強度に起因する抵抗が弱く、巻き付けに力を要しないマット材である。
マット材はその製品規格において一定の巻き付け性を有することが求められており、巻き付け性が規格値から外れたマット材は不良扱いとなってしまう。
そのため、大判の1枚の貼付体から巻き付け性の異なるハードマット材とイージーマット材の2種類のマット材が得られた場合はどちらかのマット材が不良扱いとなる可能性が高い。
このような事情から、大判の1枚の貼付体から2種類のマット材を得る場合であっても、2種類のマット材の巻き付け性が規格値内で同程度となるようにすることが好ましい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、大判の1枚の貼付体から巻き付け性が規格値内となるマット材を多数得ることができる、マット材の製造方法を提供することを目的とする。
また、巻き付け性が安定して規格値内となるような構成のマット材を提供することを目的とする。
本発明のマット材は、無機繊維からなる基材マットと、
上記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートと、からなるマット材であって、
上記有機シートは、第1の有機シートと第2の有機シートの少なくとも2枚が重ねられてなり、
上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向とが異なっていることを特徴とする。
本発明のマット材において、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向は巻き付け性に影響を与える。
第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向が異なることから、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向はマット材の巻き付け性に対して異なる影響を与える。
本発明のマット材では、マット材の巻き付け性が第1の有機シートの配向方向のみによって決まるわけではなく、第2の有機シートの配向方向のみによって決まるわけでもないので、一方の有機シートの配向方向がマット材の巻き付け性に与える影響が緩和される。そのため、第1の有機シートだけが設けられた場合や第2の有機シートだけが設けられた場合と比べてマット材ごとの巻き付け性のばらつきが小さくなる。
その結果、巻き付け性が安定して規格値内となるような構成のマット材となる。
本発明のマット材では、上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°であることが好ましい。
また、本発明のマット材では、上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が90°であることが好ましい。
上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°であると、一方の有機シートの配向方向がマット材の巻き付け性に与える影響がより緩和される。
また、上記角度が90°である場合に一方の有機シートの配向方向がマット材の巻き付け性に与える影響が緩和される効果が最も大きくなる。
本発明のマット材では、上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向のいずれか一方が、上記マット材の巻き付け方向となる長手方向と平行であることが好ましい。
有機シートの配向方向がマット材の巻き付け方向となる長手方向と平行であるような有機シートは巻き付け性に与える影響が大きいので、有機シートの配向方向が異なるもう一方の有機シートをさらに配置することによって、一方の有機シートの配向方向がマット材の巻き付け性に与える影響が緩和される効果がより有効に発揮される。
本発明のマット材では、上記有機シートは配向を有する有機繊維からなることが好ましい。
また、上記有機シートは有機繊維からなる不織布であることが好ましい。
また、上記有機シートは配向を有する樹脂フィルムからなることも好ましい。
本発明のマット材は、排ガス浄化装置、排ガス処理体又は排気管にマット材を巻きつけることにより、保持シール材、断熱材又は防音材の用途に使用することが好ましい。
本発明のマット材の製造方法は、無機繊維からなる基材マットと、上記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートとからなり、巻き付け方向となる長手方向と、上記長手方向に直交する短手方向とを有するマット材を2種類製造する、マット材の製造方法であって、
無機繊維からなるシート状部材を準備する工程と、
配向を有する有機シート部材として、第1の有機シート部材と第2の有機シート部材の少なくとも2枚を準備する工程と、
上記シート状部材上に、上記第1の有機シート部材の配向方向と上記第2の有機シート部材の配向方向とが異なる向きとなるように上記第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材を貼り付けて貼付体を得る工程と、
上記貼付体に対して打ち抜き加工を行い、上記貼付体の縦方向がマット材の長手方向となり、上記貼付体の横方向がマット材の短手方向となる第1のマット材と、上記貼付体の横方向がマット材の長手方向となり、上記貼付体の縦方向がマット材の短手方向となる第2のマット材とを得る工程を行うことを特徴とする。
上記マット材の製造方法では、第1のマット材と第2のマット材を得るが、第1のマット材及び第2のマット材の巻き付け性は、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向の両方の影響を受ける。
第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向が異なることから、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向はマット材の巻き付け性に対して異なる影響を与える。
第1のマット材と第2のマット材のいずれにおいても、マット材の巻き付け性が第1の有機シートの配向方向のみによって決まるわけではなく、第2の有機シートの配向方向のみによって決まるわけでもないので、一方の有機シートの配向方向がマット材の巻き付け性に与える影響が緩和される。
このようにすると、打ち抜き方向の異なる第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性の差が小さくなるので、第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性を共に規格値内とすることができる。その結果、大判の1枚の貼付体から巻き付け性が規格値内となるマット材を多数得ることができる。
本発明のマット材の製造方法では、上記第2の貼付体において、上記第1の有機シート部材の配向方向と上記第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°であることが好ましい。
本発明のマット材の製造方法では、上記第2の貼付体において、上記第1の有機シート部材の配向方向と上記第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が90°であることが好ましい。
第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°であると打ち抜き方向の異なる第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性の差がより小さくなる。また、上記角度が90°である場合に第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性の差が最も小さくなる。
本発明のマット材の製造方法では、上記第1の有機シート部材の配向方向が、上記第1のマット材の長手方向と平行であり、かつ、上記第2のマット材の短手方向と平行であることが好ましい。
また、上記第2の有機シート部材の配向方向が、上記第1のマット材の短手方向と平行であり、かつ、上記第2のマット材の長手方向と平行であることが好ましい。
本発明のマット材の製造方法では、上記貼付体を得る工程において、上記第1の有機シート部材を上記シート状部材に載置し、
上記第2の有機シート部材の配向方向が上記第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように上記第2の有機シート部材を上記第1の有機シート部材の上に載置し、
上記シート状部材、上記第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材をまとめて熱圧着することにより上記貼付体を得ることが好ましい。
本発明のマット材の製造方法では、上記貼付体を得る工程において、上記第2の有機シート部材の配向方向が上記第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように上記第1の有機シート部材と上記第2の有機シート部材を貼り付けて積層有機シート部材を作製し、
上記積層有機シート部材を上記シート状部材に貼り付けることにより、上記貼付体を得ることが好ましい。
また、本発明のマット材の製造方法では、上記貼付体を得る工程において、上記第1の有機シート部材を上記シート状部材に貼り付け、
上記第2の有機シート部材の配向方向が上記第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように上記第2の有機シート部材を上記第1の有機シート部材の上に貼り付けることにより、上記貼付体を得ることが好ましい。
本発明のマット材の製造方法では、上記第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材は配向を有する有機繊維からなることが好ましい。
また、上記第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材は有機繊維からなる不織布であることが好ましい。
また、上記第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材は配向を有する樹脂フィルムからなることが好ましい。
図1は、マット材の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すマット材の分解斜視図である。 図3は、シート状部材の一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、第1の有機シート部材の一例を模式的に示す斜視図である。 図5は、第2の有機シート部材の一例を模式的に示す斜視図である。 図6は、貼付体の一例を模式的に示す斜視図である。 図7(a)及び図7(b)は、貼付体を得るための第1の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図8(a)及び図8(b)は、貼付体を得るための第2の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図9(a)及び図9(b)は、貼付体を得るための第3の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図10は、打ち抜き加工により2種類のマット材を得る工程を模式的に示す上面図である。 図11は、実施例で使用した有機シート部材の写真である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明のマット材及びマット材の製造方法について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明のマット材は、無機繊維からなる基材マットと、上記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートと、からなるマット材であって、上記有機シートは、第1の有機シートと第2の有機シートの少なくとも2枚が重ねられてなり、上記第1の有機シートの配向方向と上記第2の有機シートの配向方向とが異なっていることを特徴とする。
図1は、マット材の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すマット材10は、基材マット20と、有機シートである第1の有機シート30と第2の有機シート40とが重ねられた構造を有している。
マット材10の長手方向側(図1中、両矢印Lで示す方向)の端部のうち、一方の端部である第1の端部には凸部11が形成されており、他方の端部である第2の端部には凹部12が形成されている。
凸部11及び凹部12は、基材マット20と、有機シートである第1の有機シート30と第2の有機シート40のそれぞれに設けられた凸部と凹部が重なって形成されている。
マット材の凸部及び凹部は、外周が円柱状の排ガス浄化装置、排ガス処理体や排気管にマット材を巻きつける際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっている。
なお、図1中、両矢印Wで示す方向がマット材の短手方向であり、両矢印Tで示す方向がマット材の厚さ方向である。
第1の有機シート30及び第2の有機シート40は有機材料からなり、所定の方向に配向を有している。
図2は、図1に示すマット材の分解斜視図である。
図2には、第1の有機シート30及び第2の有機シート40の配向方向を示している。
図2には第1の有機シート30の配向方向を参照符号35で示しており、第1の有機シート30の配向方向はマット材10の長手方向(両矢印Lで示す方向)と平行になっている。
図2には第2の有機シート40の配向方向を参照符号45で示しており、第2の有機シート40の配向方向はマット材10の短手方向(両矢印Wで示す方向)と平行になっている。
また、第1の有機シート30の配向方向と第2の有機シート40の配向方向のなす鋭角側の角度が90°となっている。
以下、これらの構成の詳細について説明する。
本発明のマット材を構成する基材マットは、無機繊維からなる。無機繊維は、特に限定されず、アルミナ−シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維等であってもよい。また、ガラス繊維や生体溶解性繊維であってもよい。耐熱性や耐風蝕性等、マット材に要求される特性等に応じて変更すればよく、各国の環境規制に適合できるような太径繊維や繊維長のものを使用するのが好ましい。
この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が好ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより好ましい。加えて、スピネル型化合物を含む無機繊維がさらに好ましい。
基材マットは、巻き付け方向となる長手方向と、長手方向に直交する短手方向を有する。
基材マットには、基材マットの長手方向側の端部のうち、一方の端部である第1の端部には凸部が形成されており、他方の端部である第2の端部には凹部が形成されていることが好ましい。基材マットの凸部及び凹部は、外周が円柱状の排ガス浄化装置、排ガス処理体や排気管にマット材を巻きつける際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっていることが好ましい。
また、基材マットは凸部及び凹部が形成されていない形状であってもよい。
上記基材マットの厚さは、2〜30mmであることが望ましい。
基材マットの厚さが2mm未満であると、その厚さが薄すぎるため、断熱性能や防音性能が低下してしまう。一方、基材マットの厚さが30mmを超えると、柔軟性が低下し、装着対象となる部材への装着性が低下する。
上記基材マットのかさ密度は、特に限定されるものではないが、0.05〜0.30g/cmであることが望ましい。基材マットのかさ密度が0.05g/cm未満であると、無機繊維のからみ合いが弱く、無機繊維が剥離しやすいため、基材マットの形状を所定の形状に保ちにくくなる。一方、基材マットのかさ密度が0.30g/cmを超えると、基材マットが硬くなり、装着対象となる部材への装着性が低下し、基材マットが割れやすくなる。
本発明のマット材を構成する有機シートは、有機材料からなる。有機材料は、特に限定されない。例えば、紙、樹脂フィルム、有機繊維からなる不織布等が挙げられる。
とくに、有機繊維からなる不織布であることが好ましい。
有機繊維からなる不織布としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維にPE(ポリエチレン)パウダーが融着したものが挙げられる。
他に使用できる有機繊維としては、PP(ポリプロピレン)、レーヨン等が挙げられる。
また、有機シートが樹脂フィルムである場合、樹脂フィルムを構成する有機材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等が挙げられる。
有機シートと基材マットの貼り付けは、有機シートとは別の接着剤を介して行ってもよく、接着剤を使用せずに、有機シート自体を熱ラミネートすることにより行ってもよい。
有機シートの坪量は、特に限定されるものではないが、10g/m以上であることが好ましく、30g/m以下であることが好ましい。
有機シートの坪量が10g/m以上であると、有機シートを設けることによるマット材の割れ防止効果が充分に発揮される。
また、有機シートの坪量が30g/m以下であると、排気の熱によるバインダ軟化中の保持力低下が小さい。
なお、ここでいう有機シートの坪量は、有機シート1枚当たりの坪量である。
有機シートの厚さは、特に限定されるものではないが、0.05mm以上であることが好ましく、0.3mm以下であることが好ましい。
有機シートの厚さが0.05mm以上であると、有機シートを設けることによるマット材の割れ防止効果が充分に発揮される。
また、有機シートの厚さが0.3mm以下であると、マット材の巻き付け性が良好になる。
なお、ここでいう有機シートの厚さは、有機シート1枚当たりの厚さである。
有機シートは配向を有する。
有機シートが有機繊維を含む場合は有機繊維の長さ方向が並ぶ方向が配向方向になる。
有機シートが樹脂フィルムである場合、樹脂フィルムの延伸方向が配向方向になる。
有機シートが配向を有する場合、配向方向に沿った向きでの引張強度が相対的に強くなり、配向方向に直交する向きでの引張強度が相対的に弱くなる。
引張強度が測定方向によって異なるような有機シートは、配向を有する有機シートといえ、引張強度が最も強くなる方向を有機シートの配向方向とする。
有機シートは第1の有機シートと第2の有機シートの少なくとも2枚が重ねられており、第1の有機シートと第2の有機シートのそれぞれが配向を有する。
そのため、有機シートとしての配向は、第1の有機シートと第2の有機シートが重ねられた状態での第1の有機シートと第2の有機シートのそれぞれの配向方向の影響を受けて定まる。
本発明のマット材では、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向とが異なっている。第1の有機シートと第2の有機シートをその配向方向をずらして重ねることによって、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向とが異なるようにすることができる。
第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向が異なると、有機シートとしての配向方向がいずれか一方の有機シートの配向方向のみに依存することがなくなる。
すなわち、本発明のマット材は、第1の有機シートと第2の有機シートのそれぞれの配向方向により定められた引張強度と巻き付け性を有するマット材である。
本発明のマット材では、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°であることが好ましい。また、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が90°であることが好ましい。
第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度とは、第1の有機シートの配向方向を示す直線と第2の有機シートの配向方向を示す直線で形成される角度のうち、鋭角側の角度(鈍角ではない角度)を意味する。第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向のなす角度が90°のときも、90°は鋭角側の角度に含まれる。
また、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向のいずれか一方が、マット材の巻き付け方向となる長手方向と平行であることが好ましい。
本発明のマット材は、排ガス浄化装置、排ガス処理体や排気管にマット材を巻きつけることにより、保持シール材、断熱材、防音材等の用途に使用することができる。
排ガス浄化装置、排ガス処理体や排気管の形状は特に限定されるものではないが、円柱状、角柱状、円管状、角管状等とすることができる。
排ガス処理体は、多孔質セラミック等のセラミック質のハニカム構造体であり、触媒担体として使用される。触媒担体においては、排ガス流入側端面及び排ガス流出側端面がともに開口した貫通孔に排ガスが流入し、貫通孔を隔てる隔壁に担持させた触媒の作用により排ガスが浄化される。
また、排ガス処理体は貫通孔のいずれかの端部が交互に封止されてなるDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)であってもよい。
排ガス処理体を構成する素材は特に限定されないが、炭化ケイ素質及び窒化ケイ素質等の非酸化物、並びに、コージェライト及びチタン酸アルミニウム等の酸化物を用いることができる。
続いて、本発明のマット材を製造することのできる方法である、本発明のマット材の製造方法について説明する。
本発明のマット材の製造方法は、無機繊維からなる基材マットと、上記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートとからなり、巻き付け方向となる長手方向と、上記長手方向に直交する短手方向とを有するマット材を2種類製造する、マット材の製造方法であって、無機繊維からなるシート状部材を準備する工程と、配向を有する有機シート部材として、第1の有機シート部材と第2の有機シート部材の少なくとも2枚を準備する工程と、上記シート状部材上に、上記第1の有機シート部材の配向方向と上記第2の有機シート部材の配向方向とが異なる向きとなるように上記第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材を貼り付けて貼付体を得る工程と、上記貼付体に対して打ち抜き加工を行い、上記貼付体の縦方向がマット材の長手方向となり、上記貼付体の横方向がマット材の短手方向となる第1のマット材と、上記貼付体の横方向がマット材の長手方向となり、上記貼付体の縦方向がマット材の短手方向となる第2のマット材とを得る工程を行うことを特徴とする。
本発明のマット材の製造方法では、マット材を2種類製造する。2種類のマット材は、第1のマット材及び第2のマット材であるが、いずれのマット材も本発明のマット材となる。
まず、無機繊維からなるシート状部材を準備する工程と、配向を有する有機シート部材として、第1の有機シート部材と第2の有機シート部材の少なくとも2枚を準備する。
図3は、シート状部材の一例を模式的に示す斜視図である。
シート状部材120は、無機繊維からなる。
シート状部材は、打ち抜き加工により後述するマット材を多数得られるような大判のシートである。
無機繊維の詳細やシート状部材の厚さ、かさ密度等の物性は本発明のマット材における基材マットの説明で説明したものと同じである。
シート状部材は、種々の方法により得ることができるが、例えば、抄造法又はニードリング法により製造することができる。
抄造法の場合、例えば、以下の方法により製造することができる。
無機繊維を開繊し、開繊した無機繊維を溶媒中に分散させて混合液とする。底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込み、混合液中の溶媒を脱溶媒処理することで無機繊維集合体を得る。そして、無機繊維集合体を乾燥することによりシート状部材を得ることができる。
ニードリング法の場合、例えば、以下の方法により製造することができる。
塩基性塩化アルミニウム水溶液とシリカゾル等とを原料とする紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して3〜10μmの平均繊維径を有する無機繊維前駆体を作製する。続いて、上記無機繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、焼成処理を施すことによりシート状部材を得ることができる。この焼成処理の前後のいずれかにニードルパンチング処理を行い、無機繊維同士を交絡させる。
図4は、第1の有機シート部材の一例を模式的に示す斜視図であり、図5は、第2の有機シート部材の一例を模式的に示す斜視図である。
図4に示す第1の有機シート部材130及び図5に示す第2の有機シート部材140は、有機材料からなる。
第1の有機シート部材130及び第2の有機シート部材140は、それぞれ配向を有していて、配向方向がそれぞれ参照符号135及び145で示す方向である。
すなわち、第1の有機シート部材130の配向方向は縦方向であり、第2の有機シート部材140の配向方向は横方向である。
第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材は、打ち抜き加工により後述するマット材を多数得られるような大判のシートである。
第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材の材料、厚さ等の物性は本発明のマット材における第1の有機シート及び第2の有機シートの説明で説明したものと同じである。
第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材は配向を有する有機繊維からなることが好ましい。
また、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材は有機繊維からなる不織布であることが好ましい。
また、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材は配向を有する樹脂フィルムからなることが好ましい。
図4及び図5には、第1の有機シート部材130と第2の有機シート部材140をそれぞれ分けて示しているが、同じ有機シート部材を使用することができる。第1の有機シート部材130と第2の有機シート部材140は、同じ有機シート部材を90°回転させて配向方向が90°異なるようにして示したものである。
次に、シート状部材上に、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向とが異なる向きとなるように第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材を貼り付けて貼付体を得る。
図6は、貼付体の一例を模式的に示す斜視図である。
貼付体150は、シート状部材120の上に第1の有機シート部材130と第2の有機シート部材140が貼り付けられたものである。第1の有機シート部材130の配向方向が縦方向、第2の有機シート部材140の配向方向が横方向となっていて、第1の有機シート部材130の配向方向と第2の有機シート部材140の配向方向のなす鋭角側の角度が90°となっている。
図6では第1の有機シート部材130の配向方向と第2の有機シート部材140の配向方向のなす鋭角側の角度が90°となっている例を示しているが、本発明のマット材の製造方法では、貼付体における第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向が異なる向きとなっていればよい。
第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°であることが好ましい。また、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が90°であることがより好ましい。
本発明のマット材の製造方法では、貼付体を得るための実施形態は複数通り(3通り)あるので、それぞれの方法について説明する。
まず、貼付体を得るための第1の実施形態では、貼付体を得る工程において、第1の有機シート部材をシート状部材に載置し、第2の有機シート部材の配向方向が第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように第2の有機シート部材を第1の有機シート部材の上に載置し、シート状部材、第1の有機シート部材及び上記第2の有機シート部材をまとめて熱圧着することにより貼付体を得る。
図7(a)及び図7(b)は、貼付体を得るための第1の実施形態を模式的に示す斜視図である。
まず、図7(a)に示すようにシート状部材120の上に第1の有機シート部材130を載置する。この際、第1の有機シート部材130の配向方向が縦方向となるようにする。
続いて、第1の有機シート部材130の上に第2の有機シート部材140を載置する。この際、第2の有機シート部材140の配向方向が横方向となるようにする。
そして、図7(b)に示すように、シート状部材120、第1の有機シート部材130及び第2の有機シート部材140をまとめて熱圧着することにより貼付体150を得る。
熱圧着の方向を図7(b)に模式的に矢印で示している。
熱圧着は、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材自体の熱ラミネートにより行うことができるが、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材とは別の接着剤を介して行ってもよい。
次に、貼付体を得るための第2の実施形態では、貼付体を得る工程において、第2の有機シート部材の配向方向が第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように第1の有機シート部材と第2の有機シート部材を貼り付けて積層有機シート部材を作製し、積層有機シート部材をシート状部材に貼り付けることにより、貼付体を得る。
図8(a)及び図8(b)は、貼付体を得るための第2の実施形態を模式的に示す斜視図である。
まず、図8(a)に示すように第1の有機シート部材130の上に第2の有機シート部材140を載置する。この際、第1の有機シート部材130の配向方向が縦方向、第2の有機シート部材140の配向方向が横方向になるようにする。
第1の有機シート部材130及び第2の有機シート部材140を熱圧着して貼り付け、積層有機シート部材160を得る。
続いて、図8(b)に示すように、シート状部材120の上に積層有機シート部材160を載置して、シート状部材120と積層有機シート部材160を熱圧着することにより貼付体150を得ることができる。
熱圧着の方向を図8(a)及び図8(b)に模式的に矢印で示している。
熱圧着は、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材自体の熱ラミネートにより行うことができるが、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材とは別の接着剤を介して行ってもよい。
次に、貼付体を得るための第3の実施形態では、貼付体を得る工程において、第1の有機シート部材をシート状部材に貼り付け、第2の有機シート部材の配向方向が第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように第2の有機シート部材を第1の有機シート部材の上に貼り付けることにより、貼付体を得る。
図9(a)及び図9(b)は、貼付体を得るための第3の実施形態を模式的に示す斜視図である。
まず、図9(a)に示すようにシート状部材120の上に第1の有機シート部材130を載置する。この際、第1の有機シート部材130の配向方向が縦方向となるようにする。
次に、シート状部材120及び第1の有機シート部材130を熱圧着して貼り付ける。
続いて、図9(b)に示すように、第1の有機シート部材130の上に第2の有機シート部材140を載置する。この際、第2の有機シート部材140の配向方向が横方向となるようにする。
そして、第2の有機シート部材140を第1の有機シート部材130に熱圧着することにより貼付体150を得ることができる。
熱圧着の方向を図9(a)及び図9(b)に模式的に矢印で示している。
熱圧着は、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材自体の熱ラミネートにより行うことができるが、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材とは別の接着剤を介して行ってもよい。
続いて、貼付体に対して打ち抜き加工を行い、貼付体の縦方向がマット材の長手方向となり、貼付体の横方向がマット材の短手方向となる第1のマット材と、貼付体の横方向がマット材の長手方向となり、貼付体の縦方向がマット材の短手方向となる第2のマット材とを得る工程を行い、第1のマット材と第2のマット材という2種類のマット材を得る。
図10は、打ち抜き加工により2種類のマット材を得る工程を模式的に示す上面図である。
図10に示す貼付体150に対し、打ち抜き加工を行い、2種類のマット材を得る。
図10の左側では、貼付体150の縦方向がマット材の長手方向となり、貼付体の横方向がマット材の短手方向となる第1のマット材1を得ることを示している。
また、図10の右側では、貼付体150の横方向がマット材の長手方向となり、貼付体の縦方向がマット材の短手方向となる第2のマット材2を得ることを示している。
図10に示す貼付体150の上面図では、第1の有機シート部材130の配向方向(縦方向)を実線で示し、第2の有機シート部材140の配向方向(横方向)を破線で示している。
第1のマット材1と第2のマット材2では、有機シートの配向方向を示す線(実線及び破線)の本数及び密度が同等であるので、ほぼ同じ引張強度及び巻き付け性を示すこととなる。すなわち、第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性の差が最も小さく、いずれのマット材も巻き付け性が規格値内のマットとして得られる。
このことから、大判の1枚の貼付体から巻き付け性が規格値内となるマット材を多数得ることができるといえる。
また、打ち抜き加工においては、第1の有機シート部材の配向方向が、第1のマット材の長手方向と平行であり、かつ、第2のマット材の短手方向と平行であるようにすることが好ましい。
また、第2の有機シート部材の配向方向が、第1のマット材の短手方向と平行であり、かつ、第2のマット材の長手方向と平行であることが好ましい。
図10に示す打ち抜き方向は、上記の条件を満たす方向である。
ここまで説明した通り、本発明のマット材の製造方法では、第1のマット材と第2のマット材を得るが、第1のマット材及び第2のマット材の巻き付け性は、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向の両方の影響を受ける。
第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向が異なることから、第1の有機シートの配向方向と第2の有機シートの配向方向はマット材の巻き付け性に対して異なる影響を与える。
第1のマット材と第2のマット材のいずれにおいても、マット材の巻き付け性が第1の有機シートの配向方向のみによって決まるわけではなく、第2の有機シートの配向方向のみによって決まるわけでもないので、一方の有機シートの配向方向がマット材の巻き付け性に与える影響が緩和される。
このようにすると、打ち抜き方向の異なる第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性の差が小さくなるので、第1のマット材と第2のマット材の巻き付け性を共に規格値内とすることができる。その結果、大判の1枚の貼付体から巻き付け性が規格値内となるマット材を多数得ることができる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
抄造法により、目付量(単位面積当たりの繊維重量)が1500g/mである、無機繊維(ムライト繊維)からなる大判のシート状部材を作製した。
有機シート部材として、有機繊維からなる不織布を準備した。これは、PET繊維にPEパウダーが融着した不織布であり、PET繊維の長さ方向が並ぶ方向に配向を有する。
図11に、実施例で使用した有機シート部材の写真を示す。有機シート部材が配向を有していることが分かる。2枚の有機シート部材を有機シート部材の配向方向を変えて示しているが、これらが第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材となる。
シート状部材、第1の有機シート部材及び第2の有機シート部材とを、図7(a)及び図7(b)において説明した貼付体を得るための第1の実施形態の方法にて熱圧着し、貼付体を得た。
この際、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が90°となるようにした。
そして、貼付体に対して、図10に模式的に示す配置と同様にして、打ち抜き加工を行い、2種類のマット材(第1のマット材と第2のマット材)を得た。
第1のマット材は、第1の有機シート部材の配向方向がマット材の長手方向と平行になっており、第2のマット材は、第1の有機シート部材の配向方向がマット材の短手方向と平行になっている。
(実施例2−5)
第2の有機シート部材を、第1の有機シート部材に対して異なる角度で載置することにより、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度をそれぞれ60°、45°、30°、15°に変更した他は実施例1と同様にして2種類のマット材(第1のマット材と第2のマット材)を得た。
(比較例1)
第2の有機シート部材の配向方向を第1の有機シート部材の配向方向と揃えて載置することにより、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度を0°に変更した他は実施例1と同様にして2種類のマット材(第1のマット材と第2のマット材)を得た。
(比較例2)
第2の有機シート部材を載置せず、第1の有機シート部材を1枚だけ使用して貼付体を作製し、その他は実施例1と同様にして2種類のマット材(第1のマット材と第2のマット材)を得た。
(巻き付け試験)
φ100mmの円柱状の基体に対し、各実施例及び比較例で製造した2種類のマット材(第1のマット材及び第2のマット材)をそれぞれ巻き付けた。
巻き付けの際には基材マットを基体側とし、第2の有機シートが外側になるようにした。
巻き付けた際の、凸部と凹部が嵌合する位置での凸部と凹部の間の隙間(Seam Gap)を測定した。
2種類のマット材につき、上記長さを測定し、その差(第1のマット材/第2のマット材の差)を算出した。
表1に結果を示した。
判定として示した◎が最も良好、○が良好、△が使用可、×は不良であることを示している。
第1のマット材と第2のマット材での差が小さいほど、均質なマット材が得られていることになる。
この結果から、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向とが異なる向きとなるようにすることで、第1のマット材と第2のマット材のSeam GAPの差が小さくなることが分かる。
このことは、巻き付け性の類似した2種類のマット材が得られるということを意味しており、大判の1枚の貼付体から巻き付け性が良好なマット材を多数得ることができたということを意味している。
また、第1の有機シート部材の配向方向と第2の有機シート部材の配向方向とがなす鋭角側の角度が30°〜90°の場合に第1のマット材と第2のマット材のSeam GAPの差がより小さくなり、90°の場合に最も小さくなることがわかる。
1 第1のマット材
2 第2のマット材
10 マット材
11 凸部
12 凹部
20 基材マット
30 第1の有機シート
35 第1の有機シートの配向方向
40 第2の有機シート
45 第2の有機シートの配向方向
120 シート状部材
130 第1の有機シート部材
135 第1の有機シート部材の配向方向
140 第2の有機シート部材
145 第2の有機シート部材の配向方向
150 貼付体
160 積層有機シート部材

Claims (19)

  1. 無機繊維からなる基材マットと、
    前記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートと、からなるマット材であって、
    前記有機シートは、第1の有機シートと第2の有機シートの少なくとも2枚が重ねられてなり、
    前記第1の有機シートの配向方向と前記第2の有機シートの配向方向とが異なっていることを特徴とするマット材。
  2. 前記第1の有機シートの配向方向と前記第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°である請求項1に記載のマット材。
  3. 前記第1の有機シートの配向方向と前記第2の有機シートの配向方向のなす鋭角側の角度が90°である請求項1又は2に記載のマット材。
  4. 前記第1の有機シートの配向方向と前記第2の有機シートの配向方向のいずれか一方が、前記マット材の巻き付け方向となる長手方向と平行である請求項1〜3のいずれか1項に記載のマット材。
  5. 前記有機シートは配向を有する有機繊維からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のマット材。
  6. 前記有機シートは有機繊維からなる不織布である請求項5に記載のマット材。
  7. 前記有機シートは配向を有する樹脂フィルムからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のマット材。
  8. 排ガス浄化装置、排ガス処理体又は排気管にマット材を巻きつけることにより、保持シール材、断熱材又は防音材の用途に使用する請求項1〜7のいずれか1項に記載のマット材。
  9. 無機繊維からなる基材マットと、前記基材マットの表面に設けられた、配向を有する有機シートとからなり、巻き付け方向となる長手方向と、前記長手方向に直交する短手方向とを有するマット材を2種類製造する、マット材の製造方法であって、
    無機繊維からなるシート状部材を準備する工程と、
    配向を有する有機シート部材として、第1の有機シート部材と第2の有機シート部材の少なくとも2枚を準備する工程と、
    前記シート状部材上に、前記第1の有機シート部材の配向方向と前記第2の有機シート部材の配向方向とが異なる向きとなるように前記第1の有機シート部材及び前記第2の有機シート部材を貼り付けて貼付体を得る工程と、
    前記貼付体に対して打ち抜き加工を行い、前記貼付体の縦方向がマット材の長手方向となり、前記貼付体の横方向がマット材の短手方向となる第1のマット材と、前記貼付体の横方向がマット材の長手方向となり、前記貼付体の縦方向がマット材の短手方向となる第2のマット材とを得る工程を行うことを特徴とする、マット材の製造方法。
  10. 前記貼付体において、前記第1の有機シート部材の配向方向と前記第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が30〜90°である請求項9に記載のマット材の製造方法。
  11. 前記貼付体において、前記第1の有機シート部材の配向方向と前記第2の有機シート部材の配向方向のなす鋭角側の角度が90°である請求項9又は10に記載のマット材の製造方法。
  12. 前記第1の有機シート部材の配向方向が、前記第1のマット材の長手方向と平行であり、かつ、前記第2のマット材の短手方向と平行である請求項9〜11のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
  13. 前記第2の有機シート部材の配向方向が、前記第1のマット材の短手方向と平行であり、かつ、前記第2のマット材の長手方向と平行である請求項9〜12のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
  14. 前記貼付体を得る工程において、前記第1の有機シート部材を前記シート状部材に載置し、
    前記第2の有機シート部材の配向方向が前記第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように前記第2の有機シート部材を前記第1の有機シート部材の上に載置し、
    前記シート状部材、前記第1の有機シート部材及び前記第2の有機シート部材をまとめて熱圧着することにより前記貼付体を得る請求項9〜13のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
  15. 前記貼付体を得る工程において、前記第2の有機シート部材の配向方向が前記第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように前記第1の有機シート部材と前記第2の有機シート部材を貼り付けて積層有機シート部材を作製し、
    前記積層有機シート部材を前記シート状部材に貼り付けることにより、前記貼付体を得る請求項9〜13のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
  16. 前記貼付体を得る工程において、前記第1の有機シート部材を前記シート状部材に貼り付け、
    前記第2の有機シート部材の配向方向が前記第1の有機シート部材の配向方向と異なる向きとなるように前記第2の有機シート部材を前記第1の有機シート部材の上に貼り付けることにより、前記貼付体を得る請求項9〜13のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
  17. 前記第1の有機シート部材及び前記第2の有機シート部材は配向を有する有機繊維からなる請求項9〜16のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
  18. 前記第1の有機シート部材及び前記第2の有機シート部材は有機繊維からなる不織布である請求項17に記載のマット材の製造方法。
  19. 前記第1の有機シート部材及び前記第2の有機シート部材は配向を有する樹脂フィルムからなる請求項9〜16のいずれか1項に記載のマット材の製造方法。
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