JP2020084522A - 断熱構造及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤を介して合成樹脂発泡板を躯体に貼り付けて固定した断熱構造であって、施工時に合成樹脂発泡板の重さを接着剤のみでささえることが可能で、より簡易な作業で施工可能な断熱構造を提供する。【解決手段】固定用接着剤3を、合成樹脂発泡板1の外周縁の内側近傍に、該外周縁に沿った略口の字型、好ましくは二重の略口の字型に塗布する一方、仮止め用接着剤として熱融着性接着剤4を固定用接着剤3の外周に塗布することによって、支持材を用いることなく、合成樹脂発泡板1を躯体に貼り付けて断熱構造とする。【選択図】図2
Description
本発明は、合成樹脂発泡板を断熱材として躯体に固定してなる断熱構造とその施工方法に関する。
RC(鉄筋コンクリート)造や、SRC(鉄筋鉄骨コンクリート)造などの建物において、躯体に断熱性を付与して断熱構造とする手段としては、ポリウレタンフォームを躯体にスプレー等で吹き付ける工法(特許文献1参照)が広く用いられている。
しかしながら、ポリウレタンフォームを躯体に吹き付ける工法は、吹き付けたポリウレタンフォームを乾燥させる期間が必要で、係る期間中は他の工事も中断しなければならず、工期が長くなるという問題がある。また、冬場のように、5℃以下の環境下では施工できないという問題もある。さらに、ポリウレタンフォームは熱硬化性樹脂であるため、再利用が難しいという問題もある。また、建設現場において、溶接火花によってポリウレタンフォームが延焼する事故も発生しており、ポリウレタンフォーム吹き付け、乾燥後に、その表面を着火防止剤や不燃コート剤で被覆することが推奨されており、工期及びコスト面での問題が助長されている。
そこで、施工期間が短く、施工時期の制限もなく、溶接火花による延焼の恐れがなく、再利用も可能な断熱工法として、合成樹脂発泡板を接着剤によって躯体に貼り付けて固定する工法(特許文献2参照)が提案されている。
合成樹脂発泡板を躯体に貼り付ける工法では、通常、合成樹脂発泡板を躯体に貼り付けるための固定用接着剤を合成樹脂発泡板もしくは躯体に部分的に塗布し、さらに、係る固定用接着剤が十分に固化するまでの間の仮止め用接着剤として、両面接着テープが併用されている。しかしながら、両面接着テープでは合成樹脂発泡板の重さを支えきれないため、合成樹脂発泡板を上下方向に複数貼り付ける場合には、下方から上方に向けて貼り付けてゆく必要があり、最終的に残された隙間を埋める作業を足場が必要な壁面の上端側で行わなければならず、作業が煩雑であった。また、天井躯体の下側表面に合成樹脂発泡板を貼り付ける際には、支持材を用いて合成樹脂発泡板を下方から支える必要があった。
本発明の課題は、接着剤を介して合成樹脂発泡板を躯体に貼り付けて固定した断熱構造であって、施工時に合成樹脂発泡板の重さを接着剤のみでささえることが可能で、より簡易な作業で施工可能な断熱構造を提供することにある。
本発明の第1は、建物の躯体に断熱材として合成樹脂発泡板が接着剤を介して固定された断熱構造であって、
前記接着剤として、固定用接着剤が、前記合成樹脂発泡板の外周縁の内側近傍に、少なくとも、前記外周縁に沿った略口の字型に配置され、さらに、熱融着性接着剤が、少なくとも、前記固定用接着剤の塗布領域以外の領域に配置されていることを特徴とする。
前記接着剤として、固定用接着剤が、前記合成樹脂発泡板の外周縁の内側近傍に、少なくとも、前記外周縁に沿った略口の字型に配置され、さらに、熱融着性接着剤が、少なくとも、前記固定用接着剤の塗布領域以外の領域に配置されていることを特徴とする。
本発明の断熱構造においては、以下の構成を好ましい態様として含む。
前記固定用接着剤が、前記合成樹脂発泡板の外周縁に沿った二重の略口の字型に配置されている。
前記熱融着性接着剤が、前記固定用接着剤の外周に配置されている。
前記固定用接着剤が、シリコーン系接着剤である。
前記固定用接着剤が、前記合成樹脂発泡板の外周縁に沿った二重の略口の字型に配置されている。
前記熱融着性接着剤が、前記固定用接着剤の外周に配置されている。
前記固定用接着剤が、シリコーン系接着剤である。
本発明の第2は、建物の躯体に断熱材として合成樹脂発泡板が接着剤を介して固定された断熱構造の施工方法であって、
前記合成樹脂発泡板の外周縁の内側近傍に、少なくとも前記外周縁に沿った略口の字型に固定用接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
前記躯体又は前記合成樹脂発泡板の、少なくとも、前記固定用接着剤の塗布領域以外の領域に、熱融着性接着剤を熱溶融させて塗布する第2の塗布工程と、
前記第1及び第2の塗布工程後に、前記合成樹脂発泡板を前記躯体に押し当てて貼り付ける工程と、を有することを特徴とする。
前記合成樹脂発泡板の外周縁の内側近傍に、少なくとも前記外周縁に沿った略口の字型に固定用接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
前記躯体又は前記合成樹脂発泡板の、少なくとも、前記固定用接着剤の塗布領域以外の領域に、熱融着性接着剤を熱溶融させて塗布する第2の塗布工程と、
前記第1及び第2の塗布工程後に、前記合成樹脂発泡板を前記躯体に押し当てて貼り付ける工程と、を有することを特徴とする。
本発明の断熱構造の施工方法においては、以下の構成を好ましい態様として含む。
前記第1の塗布工程において、前記固定用接着剤を前記外周縁に沿った二重の略口の字型に塗布する。
前記第2の塗布工程において、前記熱融着性接着剤を前記固定用接着剤の塗布位置の外周に塗布する。
前記固定用接着剤が、シリコーン系接着剤である。
前記第2の塗布工程において、前記熱融着性接着剤を前記躯体に塗布する。
前記第1の塗布工程において、前記固定用接着剤を前記外周縁に沿った二重の略口の字型に塗布する。
前記第2の塗布工程において、前記熱融着性接着剤を前記固定用接着剤の塗布位置の外周に塗布する。
前記固定用接着剤が、シリコーン系接着剤である。
前記第2の塗布工程において、前記熱融着性接着剤を前記躯体に塗布する。
本発明によれば、従来の両面接着テープに代えて熱融着性接着剤を仮止め用の接着剤として用いたことと、固定用接着剤を合成樹脂発泡板の外周縁に沿った略口の字型に配置したことにより、接着剤のみで合成樹脂発泡板の重さを支えることができ、上下方向に複数貼り付ける際には、上方から合成樹脂発泡板を貼り付けてゆくことができ、最終的に残された隙間を埋める作業を足場のいらない下端で行うことができる。また、天井躯体の下側表面に合成樹脂発泡板を貼り付ける際にも、下方から支持材で支持する必要がない。よって、従来よりも大幅に作業が簡易化され、作業効率が向上する。
また、本発明においては、固定用接着剤を合成樹脂発泡板の外周縁に沿った略口の字型に配置したことにより、該外周縁側から合成樹脂発泡板と躯体との間に水蒸気が侵入するのが防止され、該水蒸気による結露の発生を防止することができる。
本発明は、RC造やSRC造、S(鉄骨)造(ALC(軽量気泡コンクリート)造)、CB(コンクリートブロック)造などによる建物の断熱構造において、合成樹脂発泡板を躯体に貼り付けるための固定用接着剤を略口の字型に塗布し、仮止め用接着剤として熱融着性接着剤を用いることにより、係る2種類の接着剤のみで合成樹脂発泡板の重さを支えることが可能となり、上方からの貼り付け、及び、支持材なしでの天井躯体への貼り付けを可能にしたことに特徴を有する。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれる。
〔合成樹脂発泡板〕
本発明において、断熱材として用いられる合成樹脂発泡板は、軽量且つ機械的強度に優れるものが多く、更に耐水性や断熱性等にも優れる独立気泡を有するものが好適である。具体的には、例えばポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリウレタン発泡体等が挙げられる。特に押出発泡ポリスチレン(商品名「スタイロフォーム」:ダウ化工(株)製)は、機械的強度、断熱性、吸水性において好ましく用いられる。
本発明において、断熱材として用いられる合成樹脂発泡板は、軽量且つ機械的強度に優れるものが多く、更に耐水性や断熱性等にも優れる独立気泡を有するものが好適である。具体的には、例えばポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリウレタン発泡体等が挙げられる。特に押出発泡ポリスチレン(商品名「スタイロフォーム」:ダウ化工(株)製)は、機械的強度、断熱性、吸水性において好ましく用いられる。
合成樹脂発泡板は、壁際等、自身の寸法よりも狭い箇所でも施工現場において簡単に割って使用できるように、端辺に平行なスリットを設けておくことが好ましい。図1に、係るスリットを設けた合成樹脂発泡板の任意の端辺周辺の厚さ方向の断面模式図を示す。図中1は合成樹脂発泡板、2はスリットである。スリット2の幅Wは断熱欠損を考慮すると、3mm以下が好ましく、さらに好ましくは1mm以下である。また、複数のスリット2を設けた場合のスリット2のピッチPは25mm〜100mmが好ましいが、係るピッチPは一定でなくてもよい。合成樹脂発泡板1の中央部よりも端部側で狭くすることにより、種々の寸法に対応でき、また、割り取った狭い部分は、隙間を埋めるための充填断熱用として用いることができる。また、スリット2の深さDは、割る際の容易性と、合成樹脂発泡板1の運搬、施工時に不用意に割れないことと、を考慮すると、合成樹脂発泡板1の厚さTの1/2以上、3/4以下が好ましく、2/3程度が望ましい。
本発明で用いられる合成樹脂発泡板1は、基本的に正方形或いは長方形であり、スリット2は、係る合成樹脂発泡板1の端辺に平行であれば、合成樹脂発泡板1の縦、横のいずれの方向であってもよく、両方であってもよい。また、合成樹脂発泡板1の中央から一方の端辺側にのみ設けてあってもよい。さらに、係るスリット2は使用する合成樹脂発泡板の全てに設ける必要はなく、寸法を調整する必要のない箇所には、スリット2を設けておらず、コスト的に安い合成樹脂発泡板1を用いればよい。
〔熱融着性接着剤〕
本発明において、仮止め用として用いられる熱融着性接着剤(いわゆる、ホットメルトタイプ接着剤)は、特に限定されないが、例えば、合成ゴム系ホットメルト接着剤が用いられ、具体的には、モレスコ社製の商品名「モレスコメルト」のTN−178KZ、TN−255Zが好ましく用いられる。熱融着性接着剤としては、140℃での粘度(JIS K 6862準拠)が1000〜20000mPa・sであるものが好ましく用いられる。また、軟化点としては、施工した後の建物の室内温度等を考慮して、60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。
本発明において、仮止め用として用いられる熱融着性接着剤(いわゆる、ホットメルトタイプ接着剤)は、特に限定されないが、例えば、合成ゴム系ホットメルト接着剤が用いられ、具体的には、モレスコ社製の商品名「モレスコメルト」のTN−178KZ、TN−255Zが好ましく用いられる。熱融着性接着剤としては、140℃での粘度(JIS K 6862準拠)が1000〜20000mPa・sであるものが好ましく用いられる。また、軟化点としては、施工した後の建物の室内温度等を考慮して、60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。
〔固定用接着剤〕
本発明において、固定用接着剤としては、水蒸気バリアー性の観点からシリコーン系接着剤が好ましく用いられ、具体的には、東レ・ダウコーニング社製の「SE960シーラント」を好ましく用いることができる。固定用接着剤のタックフリー時間(JIS A 1439準拠)は、合成樹脂発泡板に固定用接着剤を塗布して躯体に押し当てる作業時間を考慮すると、5分以上が好ましい。
本発明において、固定用接着剤としては、水蒸気バリアー性の観点からシリコーン系接着剤が好ましく用いられ、具体的には、東レ・ダウコーニング社製の「SE960シーラント」を好ましく用いることができる。固定用接着剤のタックフリー時間(JIS A 1439準拠)は、合成樹脂発泡板に固定用接着剤を塗布して躯体に押し当てる作業時間を考慮すると、5分以上が好ましい。
〔施工方法〕
本発明の断熱構造の施工方法は、合成樹脂発泡板に固定用接着剤を塗布する第1の塗布工程と、躯体又は合成樹脂発泡板のいずれか一方に熱融着性接着剤を熱溶融させて塗布する第2の塗布工程と、上記第1及び第2の塗布工程の後に、合成樹脂発泡板を躯体に押し当てる工程と、を有する。尚、第1の工程と第2の工程とは、いずれを先に行っても、同時に行っても構わない。
本発明の断熱構造の施工方法は、合成樹脂発泡板に固定用接着剤を塗布する第1の塗布工程と、躯体又は合成樹脂発泡板のいずれか一方に熱融着性接着剤を熱溶融させて塗布する第2の塗布工程と、上記第1及び第2の塗布工程の後に、合成樹脂発泡板を躯体に押し当てる工程と、を有する。尚、第1の工程と第2の工程とは、いずれを先に行っても、同時に行っても構わない。
第1の工程において、固定用接着剤を合成樹脂発泡板に塗布する塗布パターンを図2に示す。図中1は合成樹脂発泡板、3は固定用接着剤、4は熱融着性接着剤である。図2(a)に示すように、本発明において、固定用接着剤3は、合成樹脂発泡板1の躯体への貼り付け側の表面において、該合成樹脂発泡板1の外周縁の内側近傍に、少なくとも、該外周縁に沿った略口の字型に塗布される。塗布には、例えば、電動コーキングガンが好ましく用いられる。
合成樹脂発泡板1の接着面は、図2に示すように長方形、或いは正方形であり、本発明において「略口の字型」とは、該合成樹脂発泡板1の形状にほぼ相似した長方形或いは正方形であることを意味し、固定用接着剤3で描かれた長方形或いは正方形が連続した線で囲まれており切れ目がなければ、正確に合成樹脂発泡板1の形状に相似した長方形或いは正方形でなくても構わない。
このように、固定用接着剤3を合成樹脂発泡板1の外周縁に沿って略口の字型とすることにより、固定用接着剤3が高い水蒸気バリアー性を発現し、該略口の字の内側には外部から水蒸気が侵入できなくなるため、合成樹脂発泡板1と躯体との間での結露の発生が防止される。
さらに、本発明においては、固定用接着剤3を図2(b)に示すように、二重の略口の字型に塗布することにより、より高い水蒸気バリアー性が得られる。また、二重の略口の字型は、2連ノズルを用いて固定用接着剤3を二重線状に吐出させることで同時に塗布できるが、この場合、二重の略口の字型は、図2(c)に示すように、角部において、内側の固定用接着剤3が互いに交差し、外側の固定用接着剤3に到達する形状となってもよい。また、図2(d)に示すように、外周縁に沿って塗布した固定用接着剤3の両端を、それぞれ外周縁に到達するまで塗布しても構わない。
また、固定用接着剤3を塗布する際には、固定用接着剤3を螺旋状の繊維状に吐出し、合成樹脂発泡板1の表面にスパイラル状に塗布しながら略口の字型を形成するのが好ましい。接着剤をスパイラル状に塗布する方法としては、特開昭63−283774号公報、特開平11−244774号公報、特開2000−343006号公報に開示されている方法が利用できる。図3に、固定用接着剤3をスパイラル状に塗布した際の塗布パターンを模式的に示す。塗布手段から固定用接着剤3を螺旋状の繊維状に吐出しながら、塗布手段を図中の矢印の方向に移動させると、固定用接着剤3は、図3に示すようにスパイラル状に塗布される。よって、塗布手段を合成樹脂発泡板1の外周縁に平行に、略口の字型に移動させることで、スパイラル状のラインで略口の字型を形成することができる。このように、固定用接着剤3をスパイラル状に塗布する場合、吐出された固定用接着剤3は、先に吐出された固定用接着剤3上を交差しながら塗布されるため、略口の字に欠損が生じにくく、高い水蒸気バリアー性が得られるため、好ましい。
尚、図2(b)〜(d)に示すように、固定用接着剤3を二重の略口の字型とする場合には、外側、内側の両方の略口の字をスパイラル状で塗布しても、一方のみをスパイラル状で塗布しても構わない。両方をスパイラル状で塗布する場合には、2連ノズルを用いて同時に塗布することができる。
本発明に係る第2の工程において、熱融着性接着剤は、少なくとも、固定用接着剤の塗布領域以外の領域に塗布される。本発明において、固定用接着剤と熱融着性接着剤とは重なっていても、さらに重なっている場合にはいずれが合成樹脂発泡板側であっても接着力に差がない。部分的に塗布する場合には、図2(a)に示すように、固定用接着剤3の塗布位置、即ち略口の字型の外周に熱融着性接着剤4を塗布することが、合成樹脂発泡板1を躯体に押し当てて固定する際の接着力の点から好ましい。合成樹脂発泡板1に固定用接着剤3と熱融着性接着剤4とを塗布する場合には、いずれを先に塗布しても構わない。
また、熱融着性接着剤を躯体側に塗布する場合には、全体に塗布すればよい。熱融着性接着剤を躯体側に塗布した場合、熱溶融した熱融着性接着剤がより早く冷却され、合成樹脂発泡板を躯体に押し当てた直後から高い接着力を発現するため好ましいが、天井躯体などにおいて、熱融着性接着剤の塗布が困難な場合などは、合成樹脂発泡板に塗布すればよい。
熱融着性接着剤の塗布方法としては、合成樹脂発泡板及び躯体のいずれに塗布する場合でも、また、図2(a)〜(d)に示したように部分的に塗布する場合及び全体的に塗布する場合のいずれにおいても、前述の、スパイラル状に塗布する方法が使用量を最小限に抑えることができ、好ましい。尚、本発明において、熱融着性接着剤の塗布パターンは、上記スパイラル状に限定されるものではなく、ビート状、ストライプ状、格子状、点状等、適宜選択することができる。特に、躯体の段差が大きい場合には、塗布した熱融着性接着剤4に厚みを持たせるため、ビート状に塗布することが好ましい。
本発明においては、上記第1の工程及び第2の工程が完了した後、固定用接着剤を塗布した側を躯体側に向けて、合成樹脂発泡板を躯体に押し当てて貼り付ける。本工程においても、合成樹脂発泡板を躯体に貼り付けた直後は、固定用接着剤が固化していない。しかしながら、固定用接着剤が略口の字型に塗布されているため、従来のドット状に塗布されている場合に比べて接着力が増しており、さらに、仮止め用接着剤として熱融着性接着剤が塗布されているため、従来の両面接着テープに比べて接着力が高い。そのため、固定用接着剤と熱融着性接着剤とによって、合成樹脂発泡板は躯体に良好に仮止めされ、経時的に固定用接着剤が固化して固定されるまで、合成樹脂発泡板の重さを支えることができる。
よって、本発明においては、合成樹脂発泡板を躯体に押し当てた直後から、支持材を用いなくても、合成樹脂発泡板が自重ではがれたり、ずれたりするおそれがない。そのため、上下方向に順次複数の合成樹脂発泡板を貼り付ける場合であっても上方から下方に向かって順次貼り付けてゆくことができ、隙間を埋める作業も、足場のいらない下端側で行うことができ、作業効率が高い。また、天井躯体に合成樹脂発泡板を貼り付ける際にも、下方から支持材で合成樹脂発泡板を支える必要がなく、作業効率が高い。
上記のように、本発明においては、固定用接着剤が合成樹脂発泡板の外周縁近傍に、該外周縁に沿った略口の字型に塗布されていること、及び、熱融着性接着剤を用いていること、によって、合成樹脂発泡板を躯体に良好に仮止めすることができるが、係る効果は、固定用接着剤が二重の略口の字型に塗布されていること、熱融着性接着剤の塗布領域が広い方がより効果的であることは明らかであるが、塗布領域が広くなるほど、接着剤の使用量が増え、作業時間も長くなる。よって、固定用接着剤及び熱融着性接着剤の塗布パターンは、必要な接着力が得られる範囲で、適宜選択すればよい。
合成樹脂発泡板の寸法よりも小さい隙間を埋める方法としては、前述したように、合成樹脂発泡板にスリットを設けておいて、係るスリットで合成樹脂発泡板を割り、隙間に貼り付ける方法以外にも、ポリウレタンフォームを吹き付ける方法を用いてもよい。ポリウレタンフォームの吹き付け作業は、前述したように、乾燥時間が必要である、溶接火花による延焼のおそれがある、などの問題があるが、一部の箇所にのみ行うのであれば、作業全体に及ぼす影響は小さく抑えることができる。
1:合成樹脂発泡板、2:スリット、3:固定用接着剤、4:熱融着性接着剤
Claims (9)
- 建物の躯体に断熱材として合成樹脂発泡板が接着剤を介して固定された断熱構造であって、
前記接着剤として、固定用接着剤が、前記合成樹脂発泡板の外周縁の内側近傍に、少なくとも、前記外周縁に沿った略口の字型に配置され、さらに、熱融着性接着剤が、少なくとも、前記固定用接着剤の塗布領域以外の領域に配置されていることを特徴とする断熱構造。 - 前記固定用接着剤が、前記合成樹脂発泡板の前記外周縁に沿った二重の略口の字型に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱構造。
- 前記熱融着性接着剤が、前記固定用接着剤の外周に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱構造。
- 前記固定用接着剤が、シリコーン系接着剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の断熱構造。
- 建物の躯体に断熱材として合成樹脂発泡板が接着剤を介して固定された断熱構造の施工方法であって、
前記合成樹脂発泡板の外周縁の内側近傍に、少なくとも前記外周縁に沿った略口の字型に固定用接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
前記躯体又は前記合成樹脂発泡板の、少なくとも、前記固定用接着剤の塗布領域以外の領域に、熱融着性接着剤を熱溶融させて塗布する第2の塗布工程と、
前記第1及び第2の塗布工程後に、前記合成樹脂発泡板を前記躯体に押し当てて貼り付ける工程と、を有することを特徴とする断熱構造の施工方法。 - 前記第1の塗布工程において、前記固定用接着剤を前記外周縁に沿った二重の略口の字型に塗布することを特徴とする請求項5に記載の断熱構造の施工方法。
- 前記固定用接着剤が、シリコーン系接着剤であることを特徴とする請求項5又は6に記載の断熱構造の施工方法。
- 前記第2の塗布工程において、前記熱融着性接着剤を前記固定用接着剤の塗布位置の外周に塗布することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の断熱構造の施工方法。
- 前記第2の塗布工程において、前記熱融着性接着剤を前記躯体に塗布することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の断熱構造の施工方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5092526U (ja) * | 1973-12-20 | 1975-08-04 | ||
JPH08312159A (ja) * | 1995-05-23 | 1996-11-26 | Ig Tech Res Inc | 屋根改修構造 |
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