JP2020083111A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを用いて、従来よりも制御態様を増やすことが可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】共通の駆動源によって駆動されるメイン圧縮機2とこのメイン圧縮機よりも吐出容量が小さいサブ圧縮機3とを並列に接続し、それぞれの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクル1を備えた車両用空調装置において、小容量作動モード時には、サブ圧縮機3のみから冷媒を供給し、中容量作動モード時には、メイン圧縮機2のみから冷媒を供給し、大容量作動モード時には、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3との両方から冷媒を供給し、作動モードは、熱負荷に基づいて切り替えるようにしている。【選択図】 図1
Description
本発明は、共通の駆動源によって駆動される2つの圧縮機を有し、それぞれの圧縮機を並列に接続してそれぞれの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを備えた車両用空調装置に関する。
走行用エンジンにより駆動される2つの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを備えた車両用空調装置としては、下記する特許文献1が公知となっている。これは、走行用エンジンにより駆動される2つの圧縮機毎に、配管接続された別々のサイクルを形成し、それぞれのサイクルで熱交換器を共通に利用するように配管を配列させ、車室内の温度と温度設定器の設定温度との差に応じて、2つの圧縮機の同時運転と、1つの圧縮機のみの運転と、2つの圧縮機の同時停止とを選択する技術が知られている(特許文献1参照)。
この技術によれば、冷房能力を最大能力−中程度の能力←零能力の3段階に切替えて制御することが可能となり、乗員に対して快適な冷房フィーリングを与えやすくなる。
この技術によれば、冷房能力を最大能力−中程度の能力←零能力の3段階に切替えて制御することが可能となり、乗員に対して快適な冷房フィーリングを与えやすくなる。
しかしながら、同じ圧縮機を2台用いているので、冷房能力を最大能力、中能力、零能力の3段階にしか切り替えることができない。このため、快適な冷房能力を十分に得ることができないものであった。
また、上述した従来技術においては、圧縮機毎にサイクルが形成されているので、一方のサイクル内の冷媒圧力が他方のサイクルの起動時等に影響を与えることがなくなる利点はあるが、2つのサイクルで熱交換器を共用しており、配管の引き回しや熱交換器の構造が複雑化するという不都合がある。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、2つの圧縮機から冷媒を供給可能とする1つの冷凍サイクルを用いて、従来よりも制御態様を増やすことが可能な車両用空調装置を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る車両用空調装置は、共通の駆動源によって駆動される2つの圧縮機を有し、それぞれの前記圧縮機を並列に接続してそれぞれの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを備え、
前記2つの圧縮機は、メイン圧縮機と、このメイン圧縮機よりも小さい吐出容量を備えたサブ圧縮機であり、
小容量作動モード時には、前記サブ圧縮機のみから冷媒を供給し、
中容量作動モード時には、前記メイン圧縮機のみから冷媒を供給し、
大容量作動モード時には、前記メイン圧縮機と前記サブ圧縮機との両方から冷媒を供給し、
前記作動モードは、熱負荷に基づいて切り替えられることを特徴としている。
前記2つの圧縮機は、メイン圧縮機と、このメイン圧縮機よりも小さい吐出容量を備えたサブ圧縮機であり、
小容量作動モード時には、前記サブ圧縮機のみから冷媒を供給し、
中容量作動モード時には、前記メイン圧縮機のみから冷媒を供給し、
大容量作動モード時には、前記メイン圧縮機と前記サブ圧縮機との両方から冷媒を供給し、
前記作動モードは、熱負荷に基づいて切り替えられることを特徴としている。
したがって、吐出量の異なる2つの圧縮機を用いているので、作動モードを三段階に切り替えが可能となり(停止モードを含めると4段階の切り替えが可能となり)、制御態様を増やすことが可能となる。
ところで、それぞれの圧縮機を並列に接続した冷凍サイクルを用いて、それぞれの圧縮機から冷媒を供給可能とする場合には、冷凍サイクルの高圧ラインの圧力が両方の圧縮機の吐出部に作用することになる。その結果、稼働態様を変更する場合、例えば、一方の圧縮機の稼働中に他方の圧縮機を稼働させる場合や、一方の圧縮機から他方の圧縮機に切り替える場合には、稼働態様を変更する直前において他方の圧縮機の吐出経路の圧力が今まで稼働していた一方の圧縮機の吐出冷媒により高められた状態であるため、他方の圧縮機を起動させた際に駆動源のトルクが突発的に高くなり駆動源にかかる負荷が大きく不都合がある。
そこで、少なくとも一方の圧縮機には、他方の圧縮機の稼働に加えて、又は、切り替わって稼働する場合に、前記駆動源のトルクを漸増させるトルク漸増手段を設けることが好ましい。
このようなトルク漸増手段を設けることで、一方の圧縮機が他方の圧縮機に加えて、又は、他方の圧縮機に切り替わって稼働した場合に、駆動源のトルクが突発的に大きくなる不都合を避けることが可能となる。
このようなトルク漸増手段を設けることで、一方の圧縮機が他方の圧縮機に加えて、又は、他方の圧縮機に切り替わって稼働した場合に、駆動源のトルクが突発的に大きくなる不都合を避けることが可能となる。
ここで、トルク漸増手段としては、少なくとも前記一方の圧縮機の吐出部に設けられたチェックバルブで構成してもよい。
チェックバルブを用いることで、駆動源のトルクの突発的な変動を抑えると共に、他方の圧縮機から一方の圧縮機に流れ込む冷媒を抑えることが可能となる。
チェックバルブを用いることで、駆動源のトルクの突発的な変動を抑えると共に、他方の圧縮機から一方の圧縮機に流れ込む冷媒を抑えることが可能となる。
なお、上述した2つの圧縮機は、前記駆動源から電磁クラッチを介して回転動力が駆動軸に伝達される固定容量型圧縮機とし、前記共通の駆動源に対して、1つの駆動ベルトを直列に巻き掛けるものであっても、前記共通の駆動源に対して、別々の駆動ベルトを巻き掛けるものであってもよい。
以上述べたように、本発明によれば、メイン圧縮機と、このメイン圧縮機よりも小さい吐出容量を備えたサブ圧縮機を並列に接続して、それぞれの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを備え、小容量作動モード時には、サブ圧縮機のみから冷媒を供給し、中容量作動モード時には、メイン圧縮機のみから冷媒を供給し、大容量作動モード時には、メイン圧縮機とサブ圧縮機との両方から冷媒を供給し、これらの作動モードを熱負荷に基づいて切り替えるようにしたので、2つの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを用いて、従来よりも制御態様を増やすことが可能な車両用空調装置を提供することが可能となる。
また、少なくとも一方の圧縮機に、他方の圧縮機の稼働に加えて、又は、切り替わって稼働する場合に、駆動源のトルクを漸増させるトルク漸増手段を設けたので、他方の圧縮機の稼働に加えて一方の圧縮機を稼働させる場合や、他方の圧縮機から一方の圧縮機に切り替わる場合に、駆動源のトルクが突発的に大きくなる不都合を避けることが可能となる。
以下、本発明の車両用空調装置の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1において、車両用空調装置に搭載される冷凍サイクル1が示されている。
この冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮する2台の圧縮機(メイン圧縮機2、サブ圧縮機3)と、それぞれの圧縮機2,3で圧縮された冷媒ガスを凝縮液化する凝縮器4と、液化された高圧冷媒を断熱膨張させて低圧の気液混合冷媒とする膨張装置5と、気液混合した冷媒を蒸発気化させる蒸発器6と、を配管により順次接続して構成されている。
この冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮する2台の圧縮機(メイン圧縮機2、サブ圧縮機3)と、それぞれの圧縮機2,3で圧縮された冷媒ガスを凝縮液化する凝縮器4と、液化された高圧冷媒を断熱膨張させて低圧の気液混合冷媒とする膨張装置5と、気液混合した冷媒を蒸発気化させる蒸発器6と、を配管により順次接続して構成されている。
メイン圧縮機2とサブ圧縮機3は、凝縮器4、膨張装置5、蒸発器6を共用するために、並列に接続されており、この例では、メイン圧縮機2の吐出口20bと凝縮器4とを接続する配管7aの途中にサブ圧縮機3の吐出口30bに接続される配管7bを合流接続させ、また、蒸発器6とメイン圧縮機2の吸入口20aとを接続する配管8aの途中からサブ圧縮機3の吸入口30aに接続される配管8bを分岐させるようにしている。
メイン圧縮機2は、それ自体公知の固定容量型圧縮機であり、ハウジングから外部に突出した駆動軸2aの部分に電磁クラッチ2bを設け、この電磁クラッチ2bを動作させることでプーリ2cを介して駆動源9から動力が伝達されるようになっている。
サブ圧縮機3も、それ自体公知の固定容量型圧縮機であり、メイン圧縮機2よりも吐出容量が小さく設定され、ハウジングから外部に突出した駆動軸3aの部分に電磁クラッチ3bを設け、この電磁クラッチ3bを動作させることでプーリ3cを介して駆動源9から動力が伝達されるようになっている。
これらメイン圧縮機2及びサブ圧縮機3は、例えば、斜板式ピストン圧縮機であり、圧縮機の後端には、冷凍サイクルの配管が接続される吸入口20a、30a、吐出口20b,30bが設けられるとともに、圧縮機の内部には、冷凍サイクルから吸入口20a,30aを介して吸入された冷媒を一時的に収容する吸入室21a,31aと、圧縮機構にて圧縮され、吐出口20b,30bから冷凍サイクルへ吐出する前の冷媒を一時的に収容する吐出室21b、31bが設けられている(図においては、吸入室21a,31aは吐出室21b、31bの内側に設けられ、吐出室21b、31bは吸入室21a,31aの外側に環状に設けられている)。
ここで、メイン圧縮機2の吐出容量(Cm)とサブ圧縮機3の吐出容量(Cs)との比は、Cm>Csであれば任意に設定可能であるが、異なる冷房能力を得るためには、6:4〜7:3に設定するとよい。
ここで、メイン圧縮機2の吐出容量(Cm)とサブ圧縮機3の吐出容量(Cs)との比は、Cm>Csであれば任意に設定可能であるが、異なる冷房能力を得るためには、6:4〜7:3に設定するとよい。
これらメイン圧縮機2やサブ圧縮機3は、走行用エンジンや走行用モータの駆動源9によってベルト駆動されるもので、この例では、図2に示されるように、駆動源9の駆動軸9aに固定されたプーリ9cに対して、メイン圧縮機2のプーリ2cとサブ圧縮機3のプーリ3cとを、1つの駆動ベルト10を直列に巻き掛けている。また、メイン圧縮機2は、サブ圧縮機3よりも駆動ベルト10の引張り側に設けられ、駆動源9のプーリ9cからの押し出し側には、駆動ベルト10の張力を調節するプーリテンショナー11が設けられている。
前記メイン圧縮機2とサブ圧縮機3の電磁クラッチ2b、3bの断続は、コントロールユニット12により制御されるようになっており、例えば、冷凍サイクルの蒸発器6の通風路直後の空気温度を検出する温度センサ13を、車室の熱負荷を検知すると共に蒸発器の冷却度合いを検知するセンサとして用い、この温度センサ13で検出された温度に基づき、コントロールユニット12によってメイン圧縮機2とサブ圧縮機3の電磁クラッチ2b、3bを断続させるようにしている。
図3にコントロールユニット12による電磁クラッチ2b、3bの制御動作例がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づき、冷凍サイクルの作動モードについて説明する。
コントロールユニット12は、先ず、エアコンが稼働しているか否か(冷凍サイクルを稼働させたか、又は、既に稼働状態にあるか否か)を判定し(ステップ50)、エアコンが稼働していない(エアコンを未だ稼働させていない、又は、稼働させていたエアコンを停止させた)と判定された場合には、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3の停止状態を維持、又は、停止状態とする(ステップ60)。
これに対して、エアコンが稼働している場合(エアコンを稼働させた場合、又は、既に稼働状態にある場合)には、温度センサ13によって検出された蒸発器6の通風路出口側の温度T(熱負荷)が、どの温度範囲にあるか否かを判定する。
すなわち、蒸発器6の通風路出口側の温度Tを、蒸発器6が凍結しない限界温度T1(例えば、3℃)以下となる温度範囲と、車室内の熱負荷が高熱負荷状態である場合に相当するT3よりも高い温度範囲と、T1よりも高いが、車室内の熱負荷がさほど高くない低熱負荷状態である場合に相当するT2以下となる温度範囲と、T2よりも高いが、T3以下となる車室内の熱負荷が中熱負荷状態である場合に相当する温度範囲とに分け、蒸発器6の通風路出口側の温度Tがどの温度範囲にあるのかを判別する(ステップ52,54,56)。
すなわち、蒸発器6の通風路出口側の温度Tを、蒸発器6が凍結しない限界温度T1(例えば、3℃)以下となる温度範囲と、車室内の熱負荷が高熱負荷状態である場合に相当するT3よりも高い温度範囲と、T1よりも高いが、車室内の熱負荷がさほど高くない低熱負荷状態である場合に相当するT2以下となる温度範囲と、T2よりも高いが、T3以下となる車室内の熱負荷が中熱負荷状態である場合に相当する温度範囲とに分け、蒸発器6の通風路出口側の温度Tがどの温度範囲にあるのかを判別する(ステップ52,54,56)。
判定の結果、TがT1以下である場合には、蒸発器6の凍結防止を優先する必要から、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3を停止状態とする(SA)。この状態においては、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3からは冷媒が吐出されず、冷凍サイクル内に冷媒が循環しない停止モードとなる。
また、TがT1よりも高く、T2以下である場合(車室が低熱負荷状態である場合)には、サブ圧縮機3の電磁クラッチ3bを作動させてサブ圧縮機3を稼働させ、メイン圧縮機2は停止させた状態とする。これにより、図4に示されるように、サブ圧縮機3から吐出された冷媒のみがサイクルを循環し、その吐出量に応じた冷房状態が形成される。
また、TがT2よりも高く、T3以下である場合には、メイン圧縮機2の電磁クラッチ2bを作動させてメイン圧縮機2を稼働させ、サブ圧縮機3は停止させた状態とする。これにより、図5に示されるように、メイン圧縮機2から吐出された冷媒のみがサイクルを循環し、その吐出量に応じた冷房状態が形成される。
また、TがT3よりも高くなる場合には、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3の電磁クラッチを作動させて両圧縮機を稼働させる。これにより、図6に示されるように、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3から吐出された冷媒がサイクルを循環し、その吐出量に応じた冷房状態が形成される。
したがって、上述の構成によれば、吐出容量の大きいメイン圧縮機2と、このメイン圧縮機2よりも吐出容量が小さいサブ圧縮機3とを並列に接続した冷凍サイクルを設け、
小容量作動モード時には、サブ圧縮機3のみから冷媒を供給し、
中容量作動モード時には、メイン圧縮機2のみから冷媒を供給し、
大容量作動モード時には、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3との両方から冷媒を供給し、
熱負荷に基づいて3つの作動モード(停止モードを含めれば4つのモード)に切り替えられるので、制御態様を従来よりも増やすことが可能となる。
小容量作動モード時には、サブ圧縮機3のみから冷媒を供給し、
中容量作動モード時には、メイン圧縮機2のみから冷媒を供給し、
大容量作動モード時には、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3との両方から冷媒を供給し、
熱負荷に基づいて3つの作動モード(停止モードを含めれば4つのモード)に切り替えられるので、制御態様を従来よりも増やすことが可能となる。
また、上述した構成においては、1本の駆動ベルト10で2台の圧縮機2,3を駆動するに当たり、メイン圧縮機2を、サブ圧縮機3よりも駆動ベルト10の引張り側に設けているので、駆動ベルト10に対して大きくテンションがかかる領域を短くすることで、駆動ベルト10を駆動させる動力が不必要に大きくなる不都合を回避することが可能となる。
すなわち、上述の構成を採用すれば、メイン圧縮機2のみを稼働させる場合には、駆動ベルト10のメイン圧縮機2と駆動源9との間には大きな張力がかかるものの、サブ圧縮機3とメイン圧縮機2との間の張力T2には、このメイン圧縮器2を駆動させる分の張力は上乗せされない。また、サブ圧縮機3のみを稼働させる場合には、駆動ベルト10のサブ圧縮機3とメイン圧縮機2との間の張力T2と、メイン圧縮機2と駆動源9との間の張力T1との両方に、サブ圧縮機3を駆動する張力が上乗せされることになるが、サブ圧縮機3の駆動トルクは相対的に小さいので、駆動ベルト10やプーリ2c、9cの軸受けの負担が大きくなることはない。
仮に、メイン圧縮機2をサブ圧縮機3よりも駆動ベルト10の押し出し側に設けた場合には(サブ圧縮機3をメイン圧縮機2よりも駆動ベルト10の引っ張り側に設けた場合には)、メイン圧縮機2のみを稼働させると、T1とT2の両方にメイン圧縮機2を駆動する張力が上乗せされることになり、駆動ベルト10に対して大きくテンションがかかる領域が長くなり、駆動ベルト10やプーリ2c、9cの軸受けの負担が大きくなると共に、駆動ベルトを駆動させる動力が不必要に大きくなる。
仮に、メイン圧縮機2をサブ圧縮機3よりも駆動ベルト10の押し出し側に設けた場合には(サブ圧縮機3をメイン圧縮機2よりも駆動ベルト10の引っ張り側に設けた場合には)、メイン圧縮機2のみを稼働させると、T1とT2の両方にメイン圧縮機2を駆動する張力が上乗せされることになり、駆動ベルト10に対して大きくテンションがかかる領域が長くなり、駆動ベルト10やプーリ2c、9cの軸受けの負担が大きくなると共に、駆動ベルトを駆動させる動力が不必要に大きくなる。
なお、上述の制御においては、圧縮機2,3(電磁クラッチ2b、3b)のON,OFFを蒸発器6の通風路出口側の温度Tによって切り替えるようにしたが、温度変化に伴う圧縮機の頻繁なON,OFF(ハンチング)を防ぐために、図7に示されるように、圧縮機の切り替え(作動モードの切り替え)にヒステリシスを持たせるようにしてもよい。
ところで、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3の2つの圧縮機を並列に接続して、それぞれ圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルにおいては、それぞれの圧縮機の吐出口20b,30bが配管8a、8bによって共通する高圧ライン8に連通しているので、一方の圧縮機のみが稼働している場合であっても、その一方の圧縮機の稼働によって高められた高圧ラインの高圧圧力が他方の圧縮機の吐出室にも作用することとなる。このため、一方の圧縮機から他方の圧縮機に切り替える場合や、一方の圧縮機の稼働に加えて他方の圧縮機を稼働させる場合には、他方の圧縮機の圧縮機構は、吐出室にまで入り込んだ高圧圧力に打ち勝つように冷媒を圧縮する必要があり、他方の圧縮機を起動した瞬間に駆動源の負荷が急激に大きくなり、図8(a)に示されるように、駆動源9のトルクが突発的に大きくなる不都合が懸念される。
そこで、このような場合においては、それぞれの圧縮機2,3の吐出側に、一方の圧縮機の稼働に加えて、又は、切り替わって他方の圧縮機が稼働する場合に、駆動源9のトルクを漸増させるトルク漸増手段を設けるようにするとよい。
このトルク漸増手段は、図9に示されるように、例えば圧縮機2,3の吐出口20b,30bに設けられたチェックバルブ2d、3dで構成されており、それぞれの圧縮機2,3の吐出室21b,31b内に他の圧縮機の稼働による高圧ラインの高圧圧力が入り込まないようにしている。
このトルク漸増手段は、図9に示されるように、例えば圧縮機2,3の吐出口20b,30bに設けられたチェックバルブ2d、3dで構成されており、それぞれの圧縮機2,3の吐出室21b,31b内に他の圧縮機の稼働による高圧ラインの高圧圧力が入り込まないようにしている。
したがって、前記ステップ62のサブ圧縮機3のみを稼働させる場合においては、図10に示されるように、サブ圧縮機3のチェックバルブ3dが開、メイン圧縮機2のチェックバルブ2dは閉となり、サブ圧縮機3から吐出された冷媒のみがサイクルを循環すると共に、サブ圧縮機3から圧縮された高圧冷媒はメイン圧縮機2の内部に作用しない。メイン圧縮機2の吐出室21bの圧力は、高圧ラインからの高圧圧力の影響を受けることなく、メイン圧縮機内部の漏れ等により徐々に吸入室側に逃がされるため、低圧ライン近傍の圧力まで低下する。
また、前記ステップ64のメイン圧縮機2のみを稼働させる場合においては、図11に示されるように、サブ圧縮機3のチェックバルブ3dは閉、メイン圧縮機2のチェックバルブ2dは開となり、メイン圧縮機2から吐出された冷媒のみがサイクルを循環すると共に、メイン圧縮機2から吐出された高圧冷媒はサブ圧縮機3の内部に作用しない。サブ圧縮機3の吐出室31bの圧力は、高圧ラインからの高圧圧力の影響を受けることなく、サブ圧縮機内部の漏れ等により徐々に吸入室側に逃がされるため、低圧ライン近傍の圧力まで低下する。
さらに、前記ステップ66のメイン圧縮機2とサブ圧縮機3の両方を稼働させる場合においては、図12に示されるように、サブ圧縮機3のチェックバルブ3dは開、メイン圧縮機2のチェックバルブ2dは開となり、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3から吐出された冷媒がサイクルを循環することとなる。
したがって、上述のような構成においては、一方の圧縮機から他方の圧縮機に切り替える場合や、一方の圧縮機に加えて他方の圧縮機が稼働する場合には、非稼働中の圧縮機の吐出室(21b又は31b)の圧力が十分低下しているため、吐出室をバッファ空間として利用でき、図8(b)で示されるように、作動モードが切り替わった直後の駆動源9にかかる突発的なトルクの上昇を抑えることが可能となり、駆動源9の負荷を低減することが可能となる。
また、チェックバルブ2d、3dを設けたことで、一方の圧縮機から吐出された吐出冷媒が高圧配管を介して他方の圧縮機に流入することを防ぐことが可能となるので、冷房効率の悪化を防ぐことが可能となる。
また、チェックバルブ2d、3dを設けたことで、一方の圧縮機から吐出された吐出冷媒が高圧配管を介して他方の圧縮機に流入することを防ぐことが可能となるので、冷房効率の悪化を防ぐことが可能となる。
なお、以上の構成においては、メイン圧縮機2の吐出部とサブ圧縮機3の吐出部の両方にチェックバルブ2d、3dを設けた例を示したが、いずれかにチェクバルブを設けてもよく、例えば、吐出容量の大きいメイン圧縮機2の起動時におけるトルク変動の影響のみが許容できない場合には、メイン圧縮機2の吐出部にのみチェックバルブ2dをも設けてもよい。
また、以上の例では、共通の駆動源9からメイン圧縮機2とサブ圧縮機3に対して1つの駆動ベルト10を直列に巻き掛けるものであったが、図13に示されるように、メイン圧縮機2とサブ圧縮機3に対して別々の駆動ベルト14,15を巻き掛けるものであってもよい。この場合においては、前述した駆動ベルト10の張力変動の不都合を考慮する必要がなくなる。
さらに、上述においてトルク漸増手段としてチェックバルブ2d、3dを設けた例を示したが、これに限るものではなく、例えば、図14に示されるように、チェックバルブに代えてコントロールユニット12によって開閉される電磁弁2e,3eを用い、圧縮機が停止している場合には、対応する電磁弁を閉じるようにしてもよい。
1 冷凍サイクル
2 メイン圧縮機
3 サブ圧縮機
2b,3b 電磁クラッチ
2d,3d チェックバルブ
2e,3e 電磁弁
9 駆動源
10,14,15 駆動ベルト
2 メイン圧縮機
3 サブ圧縮機
2b,3b 電磁クラッチ
2d,3d チェックバルブ
2e,3e 電磁弁
9 駆動源
10,14,15 駆動ベルト
Claims (6)
- 共通の駆動源によって駆動される2つの圧縮機を有し、それぞれの前記圧縮機を並列に接続してそれぞれの圧縮機から冷媒を供給可能とする冷凍サイクルを備えた車両用空調装置であって、
前記2つの圧縮機は、メイン圧縮機と、このメイン圧縮機よりも小さい吐出容量を備えたサブ圧縮機であり、
小容量作動モード時には、前記サブ圧縮機のみから冷媒を供給し、
中容量作動モード時には、前記メイン圧縮機のみから冷媒を供給し、
大容量作動モード時には、前記メイン圧縮機と前記サブ圧縮機との両方から冷媒を供給し、
前記作動モードは、熱負荷に基づいて切り替えられることを特徴とする車両用空調装置。 - 少なくとも一方の前記圧縮機には、他方の圧縮機の稼働に加えて、又は、切り替わって稼働する場合に、前記駆動源のトルクを漸増させるトルク漸増手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
- 前記トルク漸増手段は、少なくとも前記一方の圧縮機の冷媒吐出部に設けられたチェックバルブであることを特徴とする請求項2記載の車両用空調装置。
- 前記2つの圧縮機は、前記駆動源から電磁クラッチを介して回転動力が駆動軸に伝達される固定容量型圧縮機であり、前記共通の駆動源に対して、1つの駆動ベルトを直列に巻き掛けるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置。
- 前記2つの圧縮機は、前記駆動源から電磁クラッチを介して回転動力が駆動軸に伝達される固定容量型圧縮機であり、前記共通の駆動源に対して、別々の駆動ベルトを巻き掛けるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置。
- 前記2つの圧縮機のうち、前記メイン圧縮機を、前記サブ圧縮機よりも前記駆動ベルトの引張り側に設けたことを特徴とする請求項4記載の車両用空調装置。
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