<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1〜L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1〜L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8〜図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、小役1入賞〜小役32入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役1入賞となる。小役1入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに小役1入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役2入賞となる。小役2入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに小役2入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の小役1入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役3入賞となる。小役3入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに小役3入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の小役1や小役2入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役4入賞となる。小役4入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに小役4入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の小役1〜小役3入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役5入賞となる。小役5入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに小役5入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の小役1〜小役4入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役6入賞となる。小役6入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに小役6入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の小役1〜小役5入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役7入賞となる。小役7入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに小役7入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、小役8入賞となる。小役8入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに小役8入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の小役7入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
小役9〜小役32は、主に、小役1〜小役6の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。小役9入賞〜小役32入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。小役9〜小役32は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら小役9入賞〜小役32入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1〜L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の小役1〜小役32入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技〜第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図14(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、所謂疑似ボーナスとしての第1AT状態が開始する。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図14(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、所謂疑似ボーナスとしての第2AT状態が開始する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図13(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図13(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42〜44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理、ステップS213のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている遊技状態用のフラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cにいずれのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて小役7当選フラグ及び小役8当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、小役1当選フラグ、小役9当選フラグ、小役10当選フラグ及び小役13当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11〜22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1〜24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB当選前では、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.50枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.50枚)、第1BB当選後の持ち越し状態では、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約2.10枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約2.10枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1〜9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11〜22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BB当選前では、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.24枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約0.24枚)、第2BB当選後の持ち越し状態では、第2BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、小役1当選フラグ、小役9当選フラグ、小役10当選フラグ及び小役13当選フラグがセットされた場合、小役1、小役9、小役10及び小役13入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、小役7当選フラグ及び小役8当選フラグがセットされた場合、小役7及び小役8入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、小役7及び小役8入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも小役7、小役8入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11〜22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には小役17入賞、小役18入賞又は小役21入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には小役3入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、小役17入賞、小役18入賞又は小役21入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける小役17図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける小役18図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける小役21図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら小役17図柄、小役18図柄及び小役21図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に小役17図柄、小役18図柄及び小役21図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、小役18図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、小役21図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、小役18入賞が成立する余地は残るものの、小役17入賞及び小役21入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの小役18図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、小役18入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける小役18図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける小役18図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、小役18図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると小役18入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して小役18入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して小役20入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における小役20図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが小役18図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、小役18図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、小役20図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、小役18図柄と小役20図柄とは、小役18図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると小役20図柄を有効ラインに停止させることができず、小役20図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると小役18図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、小役18入賞及び小役20入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42〜44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、小役3入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、小役3図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、小役3図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、小役3図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず小役3入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず小役1入賞、小役2入賞、小役3入賞、小役4入賞、小役5入賞、又は小役6入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず小役1入賞、小役2入賞、小役3入賞、小役4入賞、小役5入賞、又は小役6入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS416にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS213のボーナス状態処理を図24のフローチャートに基づいて説明する。なお、ボーナス状態処理は、通常処理において1ゲームの終了に際して起動され、ゲームの終了タイミングではない状況でボーナス状態の起動タイミングが到来した場合には、当該ボーナス状態は起動されずに、通常処理における次の処理に移行する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「46」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「46」が入力されることにより、46枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。続くステップS509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「2」を入力する処理を実行する。すなわち、2枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約9.02分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.78分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約3.13分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.96枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.96枚)。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する小役1〜小役6入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約9.03分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約9.03分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態では、各ゲームでメダルが減少し得る抽選テーブルを採用していることから、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できず、逆に、第1BB状態や第2BB状態を消化することで持ちメダルが減少することが想定される。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、第2BB状態において共通ベル当選となり、小役1〜小役6入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算し、BBカウンタは0以下となる。
ステップS517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
RAM106の初期化(クリア)が行われた初期状態においては、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態(非内部状態)である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した持ち越し状態(内部状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず小役1〜小役6のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に小役1〜小役6入賞となる操作順序(図25)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)に有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
そして、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技において、先ず、非内部状態においては2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技では3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、一般的には、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
本スロットマシン10においては、第1BB当選フラグについては、各種フラグ格納エリア106dにおける通常用エリアに格納されるのに対して、第2BB当選フラグについては、各種フラグ格納エリア106dにおける保存用エリアに格納される構成としている。通常用エリアは、他の役の当選フラグ等、各種一般的なフラグが格納されるエリアである。通常用エリアに記憶されている各フラグは、スロットマシン10への電力供給が停止しても(電源がOFFされても)バックアップ電力等により記憶保持される。そのため、例えば、遊技ホールの閉店時に電源をOFFとしても、翌日、電源をONとすれば、その通常用エリアに記憶されている各種フラグが記憶されたままスロットマシン10が起動され、第1BB当選フラグがセットされた状態で電源ON/OFFが行われたとしても、第1BB当選フラグがセットされた状態でスロットマシン10が起動される。但し、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合(設定変更が行われる場合)、通常用エリアの初期化処理(クリア処理)が行われる。そのため、当選確率の設定処理が行われると、第1BB当選フラグは、これら通常用エリアに格納されている他のフラグとともにクリアされる。
これに対して、保存用エリアは、第2BB当選用フラグのみが格納されるエリアである。上記の通常用エリアと同様に、保存用エリアに記憶されるフラグは、電源ON/OFFではクリアされない。更に、保存用エリアでは、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合であっても、保存用エリアの初期化処理は行われない(初期化処理の対象外とされる)。そのため、当選確率の設定処理が行われても、保存用エリアに格納されている第2BB当選フラグはクリアされず保持(保存)される。つまり、第1BB当選フラグが格納された第1BB当選の内部状態で当選確率の設定処理が行われた場合には、その第1BB当選フラグがクリアされて非内部状態として起動されるのに対して、第2BB当選フラグが格納された第2BB当選の内部状態で当選確率の設定処理が行われた場合には、その第2BB当選フラグがクリアされずに第2BB当選の内部状態のままで起動される。このようにすることで、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が、スロットマシン10の電源ON/OFFだけでなく、設定変更時においても、継続させることが可能となる。
そうすると、第2BB当選を持ち越す内部状態での遊技を行わせるためには、基本的には、スロットマシン10の工場出荷時において2ベットゲームにて第2BB当選となるまで遊技を行えばよく、その後は、リセットスイッチ72の操作が行われてRAMクリア処理が実施されるまで、その第2BB当選が記憶保持されることとなる。このようにすることで、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を好適に実施させることが可能となる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
より詳しくは、先ず、ステップS601にて各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS602にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図31に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図31にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702〜ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS706にて、上記の有利区間フラグをセットする処理を実行する。この処理により、次ゲーム以降の抽選結果対応処理(図27)のステップS601では肯定判定することが可能となる。続くステップS707では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップS708では、AT天井の設定処理を実行する。上記のように、本実施形態では、押し順ベル当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序等をアシストするATモードが設けられており、有利区間への移行抽選に当選したことを契機としてATモードの天井値が設定される。天井値とは設定された数のゲームを消化することでATモードへの移行が確定する値であり、本実施形態では天井値の最大値が999に設定されている。つまり、有利区間移行抽選に当選してから999ゲームを消化することで必ずATモードへの移行が生じることとなる。ステップS708では、各種テーブル記憶エリア105aから初期天井テーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得し、有利区間移行当選時の初期天井値を抽選により決定し、その抽選により決定した初期天井値を、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタに入力する処理を実行する。初期天井テーブルでは、例えば、約10分の1の確率で1〜30のうちのいずれかの値が選択され、約10分の2の確率で101〜200のうちのいずれかの値が選択され、約10分の3の確率で301〜400のうちのいずれかの値が選択され、残りは他の値がランダムに選択されるように設定されている。なお、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、初期天井テーブルが異なるように設定されていてもよい。天井カウンタは、ATモードへの移行を生じさせるための天井までのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、有利区間において1ゲーム消化する度に1ずつ減算処理が行われる。
続くステップS709では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間継続カウンタに所定数として100を入力する処理を実行する。有利区間継続カウンタは、有利区間のうち、ATモード中ではなく、ATモードへの移行抽選にも当選しておらず、更に、ATモードへの移行抽選の当選確率が高いCZモード中でもなく、CZモードへの移行抽選にも当選していない状況(通常有利区間)でのゲーム数を計測するためのカウンタであり、当該有利区間継続カウンタは通常有利区間において1ゲーム毎に1ずつ減算される。そして、有利区間継続カウンタが0となることで、有利区間は終了して通常区間に移行することになる。すなわち、有利区間移行抽選に当選した後、ATモードやCZモードに当選しないゲーム数が所定数に達すると、当該有利区間は終了して通常区間に移行する。そのため、直前のステップS708にて入力された天井カウンタが0となるよりも前に有利区間が終了する場合もある。なお、ステップS709にて入力される所定数は、有利区間の上限ゲーム数(1500)よりも小さい値となっている。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS709の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS601にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS603に進む。ステップS603では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、そのATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、ATモードフラグは、ATモードへ移行する際にセットされるフラグである。つまり、ステップS603では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップS603にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップS604にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS603にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS605にてAT連荘用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS604のAT抽選用処理について図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS801にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS802にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、有利区間であってATモード抽選に当選前の状態として、通常モードとCZモードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。CZモードフラグは、現状のモードが通常モードかCZモードかをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードへ移行する場合にセットされる。そして、ステップS802にてCZモードフラグがセットされていないと判定した場合は、ステップS803にてROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用のATモード移行抽選テーブルを取得する。また、ステップS802にてCZモードフラグがセットされていると判定した場合は、ステップS804にてCZ用のATモード移行抽選テーブルを取得する。
これらのATモード移行抽選テーブルは、図31に示すように、抽選結果(当選役)の種類に応じてATモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、通常モード用のATモード移行抽選テーブルでは、チャンス目Aよりもチャンス目Bの方がATモード移行抽選に当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Cの方が更にATモード移行抽選に当選し易い、といったように、概して、ゲームの抽選結果としての当選確率(出現率)の低い結果ほど、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプAやチェリーAに関しては、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、ATモード移行抽選の当選確率が異なり、出玉率が高くなるように設定される設定値ほど(設定値が高くなるほど)、ATモード移行抽選に当選し易いなるように設定されている。通常用のATモード移行抽選テーブルとCZ用のATモード移行抽選テーブルとを比較すると、同じ抽選結果でも通常用よりもCZ用の方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されており、例えば、CZモード中のチャンス目AでのATモード当選率は通常モード中のチャンス目AでのATモード当選率の倍となっている。本実施形態では、ATモード移行抽選に関し、共通ベルと押し順ベルではその移行抽選が行われないように設定されている。
なお、これら共通ベルや押し順ベルでもATモード移行抽選が行われるようにしてもよいし、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果は上記のものに限定されない。例えば、通常モードとCZモードとで、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類が異なることでCZモードの優位性を担保してもよく、この場合、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類がCZモードの方が多くなるようにするとよい。更にこの場合、ATモード移行抽選の当選確率自体は通常モードとCZモードとで同じものとしてもよい。CZモードを複数設け、一のCZモードではチャンス目にてATモード移行抽選に当選し易く、他のCZモードではチェリーにてATモード移行抽選に当選し易いといったように、それぞれのCZモードで異なるATモード移行抽選テーブルを設定してもよい。
ステップS805では、ステップS801にて把握した今回のゲームの抽選結果と、ステップS803又はステップS804にて取得したATモード移行抽選テーブルと、を用いて、ATモード移行抽選を実行する。なお、ATモード移行抽選においても、有利区間移行抽選と同様に、各種カウンタエリア106eから抽選用の乱数を取得して、その乱数を用いて抽選を行う構成としている。かかる抽選用の構成は、以下の他の抽選についても同様であり、その説明は省略する。
ステップS806では、ATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS807にて、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを0にクリアする処理を実行してから、ステップS808にてATモード当選フラグをセットする処理を実行する。天井カウンタは、上記のとおり有利区間移行抽選に当選した場合に初期天井値が入力されている。つまり、有利区間へ移行した後、ATモード移行抽選に当選した場合には、初期天井値に入力されたゲーム数を消化するよりも前に天井に到達したものとして、ATモードへの移行が生じるようになる。
その後、ステップS809にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットするとともに、前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。
ここで、本実施形態では、ATモードへの移行が生じ得る状況となると、その状況を示唆する前兆モードが設定されている。より詳しくは、上記のように0となることでATモードへの移行が許容される天井カウンタが設定されており、前兆モードでは、その天井カウンタが0となるよりも前に、0となることが近付いていることを示唆する示唆演出が、補助表示部65やスピーカ64等に行われる。そして、天井カウンタが0となることで、ATモードへの移行が許容され、その旨の報知演出(ATモード当選報知演出)が行われる。前兆モードには、天井カウンタの値が所定値(例えば32)以下となった場合に移行するように設定されており、前兆フラグは、その前兆モードに設定された状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドには、前兆モードにおいて天井カウンタが0となるまでの残りのゲーム数の情報、すなわち、前兆モードのゲーム数の情報が含まれる。
ちなみに、ステップS809で前兆フラグをセットして前兆モードへ移行させる場合、天井カウンタは0であることから、この場合の前兆モードのゲーム数は0である。つまり、この場合、前兆モードにおける各種示唆演出を経ることなく、ATモードへの移行が許容されることのATモード当選報知演出が行われることとなる。
ステップS806にてATモード移行抽選に非当選であったと判定した場合、ステップS810に進む。ステップS810では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされていない場合は、ステップS811にてCZモード移行抽選を行う。CZモード移行抽選では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブル(図31参照)を取得するとともに、各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得して、CZモードへ移行させるか否かの抽選を行う。なお、本実施形態では、CZモード移行抽選の契機役として、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、及びスイカを設定しているが、これらの他の役を契機として抽選を行ってもよいし、当選確率も図31のものに限定されない。
そして、ステップS812にてCZモード移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS813にてCZモードフラグをセットするとともに、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタに所定値としての10を入力し、更に、CZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。CZモードフラグをセットすることにより、上記のステップS802にて肯定判定することとなり、有利な抽選テーブルにてATモード移行抽選を受けることが可能となる。また、CZカウンタはCZモードのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算処理が行われる。そして、CZカウンタが0となることで、CZモードフラグがクリアされてCZモードが終了する。CZ開始コマンドは、CZモードが開始することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかるCZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード開始用の演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御し、また、CZモード中の各ゲームにおいてはCZモード中演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS810にてCZモードフラグがセットされている場合、ステップS812にてCZモード移行抽選に非当選である場合、ステップS813の処理を実行した後、のいずれかである場合には、ステップS814に進む。ステップS814では、天井カウンタの減算処理を実行する。そして、ステップS815にて、ステップS814の減算処理の結果として、天井カウンタが0となったか否かを判定する。天井カウンタが0となった場合には、ステップS808に進み、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS809の処理を経てから、AT抽選用処理を終了する。
ステップS815にて天井カウンタが0ではないと判定した場合、ステップS816にて天井カウンタが前兆モードの移行契機となるゲーム数としての32以下となっているか否かを判定する。32以下である場合には、ステップS817にて、各種フラグ格納エリア106dに疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、前兆モードと同じ又は似た示唆演出が発生するものの、最終的にはATモードへの移行が許容されることのATモード当選報知演出が行われることなくその演出モードが終了する疑似前兆モード(所謂ガセ演出が発生するモード)が設定されており、疑似前兆フラグは、かかる疑似前兆モードであることをCPU102が把握するためのフラグである。疑似前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS818にて前兆フラグがセットされているか否かを判定し、既に前兆フラグがセットされている場合には、そのまま本AT抽選用処理を終了する。ステップS818にて前兆フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS819にて各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに現状の天井カウンタの値を入力する処理を実行する。そして、ステップS820にて、前兆フラグをセットするとともに、前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆カウンタは、前兆モードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。上記のように、前兆コマンドには、天井までの残りゲーム数、すなわち、前兆モードの残りゲーム数の情報が含まれ、表示制御装置81では、その前兆モードの残りゲーム数に応じて示唆演出の発生抽選を行ったりする。
ステップS817にて疑似前兆フラグがセットされている場合とは、疑似前兆モード中に天井カウンタが32以下となった場合である。この場合、ステップS821に進み、疑似前兆フラグをクリアするとともに、疑似前兆モードの残りゲーム数を把握するための疑似前兆カウンタを0にクリアしてから、ステップS819に進む。この場合、疑似前兆モードに続けて前兆モードに設定されることになる。
ステップS816にて天井カウンタが32以下ではないと判定した場合、ステップS822に進み、疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。疑似前兆フラグがセットされている場合には、そのまま本AT抽選用処理を終了する。疑似前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS823〜ステップS825にて疑似前兆モードに設定するための処理を実行する。すなわち、ステップS823では、疑似前兆モードに設定するか否か、及び設定する場合の疑似前兆モードのゲーム数を抽選により決定する。かかる抽選については、例えば、ゲームの抽選結果として当選しにくい(出現率が低い)結果ほど疑似前兆モードへの移行抽選に当選し易く、また、ゲームの抽選結果として当選し易い(出現率が高い)結果にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選した場合には比較的長いゲーム数の疑似前兆モードが設定されるようにしてもよい。そして、ステップS824では、ステップS823にて決定された疑似前兆モードのゲーム数を疑似前兆カウンタに入力する処理を実行する。なお、疑似前兆モードへの移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS823の処理を行わない(疑似前兆カウンタに0を入力する)。その後、ステップS824にて疑似前兆フラグをセットするとともに、疑似前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。疑似前兆コマンドは、疑似前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、疑似前兆モードの残りゲーム数の情報が含まれ、表示制御装置81では、その疑似前兆モードの残りゲーム数に応じて示唆演出の発生抽選を行ったりする。なお、ステップS823にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選しなかった場合には、ステップS825の処理を行わずに、そのままAT抽選用処理を終了するとよい。
<AT連荘用処理>
次に、ステップS605にて実行されるAT連荘用処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT連荘用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、所定ゲーム数を1セットとして実行されるATモードのセット数の上乗せ(ストック)等を行うための処理である。
すなわち、ステップS901では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS902にて各種テーブル記憶エリア105aからストック抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS903にてストック抽選処理を実行する。ストック抽選テーブルは、図32に示すように、現状の状況と、ゲームの抽選結果とにより、セット数の上乗せ(ストック)抽選の当選確率が異なるように設定されている。例えば、ATモード移行抽選に当選してATモード当選フラグがセットされているものの、そのATモード移行抽選に当選したことの当選報知が行われる前の状況(ATモード当選報知前)と、当選報知が行われた後であってATモードへ移行する前の状況(当選報知後移行前)と、を比較すると、同じストック抽選の契機役であっても、当選報知後移行前の状況の方がATモード当選報知前よりもストック抽選に当選し易くなるように設定されている。また、本実施形態では、ATモードとして1セットの継続ゲーム数が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が継続ゲーム数が長くなるように設定されている。そして、第1ATモード中のストック抽選と第2ATモード中のストック抽選とを比較すると第2ATモードの方がストック抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS903にてストック抽選を行った後は、ステップS904にて、当該ストック抽選に当選したか否かの判定を行う。非当選である場合には、そのままAT連荘用処理を終了し、当選である場合には、ステップS905にて各種カウンタエリア106eに設けられたストックカウンタに1を加算する処理を実行してから、本AT連荘用処理を終了する。ストックカウンタは、ATモードの残りセット数をCPU102が把握するためのカウンタである。
抽選結果対応処理(図27)の説明に戻る。
ステップS604又はステップS605の処理を実行した後は、ステップS606にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役とは、押し順ベルのほか、通常リプA、通常リプB、通常リプCを含む結果である。通常リプA、通常リプB、通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって入賞を成立させる再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図33に示すように、通常リプAは、各ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず、基本的には第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。これに対して、通常リプB、通常リプCは、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。そして、特に通常リプBと通常リプCは、ATモードの開始契機となっており、ATモード当選フラグがセットされており、且つ第2再遊技入賞が成立し得るゲームにて第1ATモードが開始され、ATモード当選フラグがセットされており、且つ第3再遊技入賞が成立し得るゲームにて第2ATモードが開始される。
ステップS606にて押し順役当選であると判定した場合、ステップS607にてATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS608にて押し順報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップS606又はステップS607にて否定判定した場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップS608にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図34を参照しながら説明する。図34(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図34(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図34(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図34(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、ATモード当選報知が行われてATモードフラグがセットされる等、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図35を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図35(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図35(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図35(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順報知用処理>
次に、ステップS608にて実行される押し順報知用処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1001では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合とは、ATモード当選後、未だATモードへの移行が生じていない場合である。この場合、ステップS1002にて、各種フラグ格納エリア106dに第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT報知用フラグや第2AT報知用フラグは、ATモード移行抽選に当選後、前兆モードを経てATモードへ移行させることが可能となり、ATモード当選報知演出が行われることに基づいてセットされるフラグである。ATモード当選フラグがセットされているものの、これらAT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモード移行抽選に当選しているものの、未だ前兆モード中であることを意味する。この場合、今回のゲームでは押し順報知を発生させず、そのまま押し順報知用処理を終了する。第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされている場合には、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、今回のゲームの抽選結果が通常リプB又は通常リプCであるか否かを判定する。通常リプB及び通常リプCではなく、通常リプAや押し順ベルである場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプB及び通常リプCのいずれかである場合、ステップS1004にて通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBである場合、ステップS1005にて、上記の第1AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT報知用フラグではなく第2AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプBに当選し、且つ第1AT報知用フラグがセットされている場合、ステップS1006に進み、第1ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップS1006では、第1AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップS1007では、各種フラグ格納エリア106dに第1AT開始用フラグをセットする。第1AT開始用フラグは、今回のゲームから第1ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS1008にて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS1009にて、第2再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第2再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1004にて通常リプBではなく通常リプCであると判定した場合、ステップS1010に進む。ステップS1010では、第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT報知用フラグではなく第1AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプCに当選し、且つ第2AT報知用フラグがセットされている場合、ステップS1011に進み、第2ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップS1011では、第2AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップS1012では、各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットする。第2AT開始用フラグは、今回のゲームから第2ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS1013にて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS1014にて、第3再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第3再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1001にてATモード当選フラグがセットされていないと判定する場合とは、既にATモードへの移行が生じている場合であり、この場合、ステップS1015に進む。ステップS1015では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルではない場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。押し順ベルである場合、ステップS1016にて、今回の押し順ベルの種類に応じて小役1入賞〜小役6入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS1017にて、小役1入賞〜小役6入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、小役1入賞〜小役6入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS414にて実施される入賞結果対応処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップS1101にて、ゲーム数管理処理を行う。ゲーム数管理処理では、CZモードのゲーム数や前兆モードのゲーム数を管理するための処理を行う。
より詳しくは、図38のフローチャートに示すように、ステップS1201にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、仮に、2ベットゲームにて第2BB状態への移行を生じさせたりした場合には、前兆モードやCZモードのゲーム数の管理は行われない。いずれのBB状態でもない場合には、ステップS1202に進み、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS1203にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1204にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS1205にてCZモードフラグをクリアするとともに、CZモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZモードフラグをクリアすることでCZモードが終了して通常モードに移行する。また、CZモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモードが終了したことの報知(例えば、「残念だったな」といった文字表示やその効果音)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1202及びステップS1204のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1205の処理を実行した後は、ステップS1206に進む。ステップS1206では、前兆フラグ又は疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS1207に進み、前兆カウンタや疑似前兆カウンタを1減算する処理を実行する。すなわち、ステップS1207では、前兆モードであれば前兆カウンタを1減算し、疑似前兆モードであれば疑似前兆カウンタを1減算する。
ステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208にて前兆フラグがセットされており、且つ前兆カウンタが0となったか否かを判定する。すなわち、前兆モードにおいて前兆ゲーム数が0となった場合、ステップS1209に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1210にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。かかる処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1211では、ステップS1210の処理結果として第1ATモードとして決定したか否かを判定する。第1ATモードとして決定した場合、ステップS1212にて、第1AT用報知フラグをセットするとともに、第1AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、ゲーム数管理処理を終了する。第1AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第2再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。また、第1AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモード移行抽選に当選し、ATモードへの移行が許容された状態となったことに加え、今回のATモードが第1ATモードであることの報知として、第1AT当選報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。第1AT当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「REG BONUS!!」と表示するとともに、それ用の効果音をスピーカ64から出力する。
ステップS1211にて、今回移行させるATモードが第1ATモードではなく第2ATモードであると判定した場合、ステップS1213にて、第2AT用報知フラグをセットするとともに、第2AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、ゲーム数管理処理を終了する。第2AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第3再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。また、第2AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモード移行抽選に当選し、ATモードへの移行が許容された状態となったことに加え、今回のATモードが第2ATモードであることの報知として、第2AT当選報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。第2AT当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「BIG BONUS!!」と表示するとともに、それ用の効果音をスピーカ64から出力する。
ステップS1208にて、前兆カウンタが0ではなかったり、0であるものの前兆フラグではなく疑似前兆フラグがセットされている場合は、ステップS1214に進む。ステップS1214では、疑似前兆カウンタが0であり、且つ疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1214にて肯定判定した場合、ステップS1215にて疑似前兆フラグをクリアする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。これにより、疑似前兆モードが終了することになる。また、ステップS1215にて否定判定し、疑似前兆カウンタが0ではなかったり、0であるものの疑似前兆フラグではなく前兆フラグがセットされている場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップS1101にてゲーム数管理処理を実行した後は、ステップS1102にて、第1AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第1AT開始用フラグは、第1ATモードへの移行を生じさせる場合に第2再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第1AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプBに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第1AT開始用フラグは、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第1AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップS1103にて、当該第1AT開始用フラグをクリアし、ステップS1104にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに100をセットする処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタであり、ATモード中の各ゲームでメダル払出が発生した場合に、その払出数に応じた数が減算される。つまり、第1ATモードは、100枚以上のメダル払出が発生することで終了するATモードである。
ステップS1102にて第1AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1105にて第2AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第2AT開始用フラグは、第2ATモードへの移行を生じさせる場合に第3再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第2AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプCに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第2AT開始用フラグについても、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第2AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップS1106にて、当該第2AT開始用フラグをクリアし、ステップS1107にて上記のATカウンタに200をセットする処理を実行する。すなわち、第2ATモードは、200枚以上のメダル払出が発生することで終了するATモードであり、第1ATモードよりもより多くのメダル獲得が期待できるATモードである。
ステップS1104又はステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108に進み、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1109にてATモードフラグをセットし、ステップS1110にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、開始するATモードの種類に応じたAT開始演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1105にて第2AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1111に進む。ステップS1111では、ATモードフラグがセットされており、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。ATモード中である場合には、ステップS1112にて、今回のゲームの遊技結果に基づいて、ATカウンタからメダル払出数を減算する処理を実行する。例えば、小役1入賞が成立して13枚のメダル払出が行われる場合には、ATカウンタから13を減算する処理を行う。また、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞である場合や、外れ結果である場合には、メダル払出は発生しないため、ATカウンタの減算処理は実行しない。
ステップS1113では、上記ステップS1112の処理結果に基づいて、ATカウンタが0以下となったか否かを判定する。0よりも大きい場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。この場合、ATモードが継続することになる。ATカウンタが0以下である場合、ステップS1114にて、ATモードフラグをクリアする処理を実行する。これにより、ATモードが終了することになる。
その後、ステップS1115にて、天井カウンタの設定処理を実行する。かかる処理については、後に詳細に説明するが、ステップS1115では、ATモードの終了に際して、天井カウンタの再設定を行う。その後、ステップS1116にて、AT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
<有利区間のゲーム数・差枚数管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間のゲーム数や差枚数を管理したりするための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図39を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップS314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1301では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1301にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、有利区間移行抽選処理(図28)において、有利区間への移行抽選に当選した場合にセットされるフラグである。有利区間フラグがセットされている場合、ステップS1303にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1304にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。ステップS1303にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測が開始されている状況か否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの計測が開始されていない場合、ステップS1306にて有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1305にて既に計測を開始していると判定した場合、又はステップS1306の処理を実行した後は、ステップS1307に進む。ステップS1307では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモードの当選報知演出が行われてATモードフラグがセットされることにより、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態となり、区間表示器の報知開始条件が成立することとなる。ステップS1307にてATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS1308にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1301にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1309にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1309について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1302にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグがセットされている場合であっても当選ゲームである場合(ステップS1304の処理を実行した後)と、当選ゲームではなくても押し順報知が発生し得る状況ではない場合(ステップS1307にてATモードフラグがセットされていないと判定した場合)は、ステップS1310に進む。ステップS1310では、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1308にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップS1309の表示継続処理を実行した後は、ステップS1311に進む。ステップS1311では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1310又はステップS1311の処理を実行した後は、ステップS1312にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1313にて、ステップS1312の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1313では、ステップS1312の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1313の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1312の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1401では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS1402にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS1402の処理を実行した後は、ステップS1403にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS1403のMY更新処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップS1501にて、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞である場合には、有利区間増減枚数MYの更新を行わず、そのままMY更新処理を終了する。いずれかの再遊技入賞ではない場合、ステップS1502に進む。
ステップS1502では、今回のゲームの遊技結果に基づいて払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算する処理を実行する。ステップS1502は、ゲームで使用したメダルと獲得したメダルとの差し引きで、メダル増加数やメダル減少数を把握するための処理である。例えば、3ベットゲームにおいて小役1入賞が成立している場合、3枚ベットして13枚のメダル払出が発生しているため、差し引き10枚のメダル増加が生じている。また、3ベットゲームにおいて小役9入賞が成立している場合、3枚ベットして1枚のメダル払出が発生しているため、差し引き2枚のメダル減少が生じている。そして、3ベットゲームにおいていずれの小役入賞も成立していない場合、3枚ベットして0枚のメダル払出が発生しているため(メダル払出が発生していないため)、差し引き3枚のメダル減少が生じている。
続くステップS1503では、ステップS1502の演算結果を有利区間増減枚数MYに加算する処理を行う。例えば、ステップS1502の演算結果が10枚のメダル増加が生じているとする結果であれば、有利区間増減枚数MYに10を加算する処理を実行し、ステップS1502の演算結果が2枚のメダル減少が生じているとする結果であれば、有利区間増減枚数MYから2を減算する処理を実行する。そして、ステップS1504にて、有利区間増減枚数MYが0以上であるか否かを判定し、0以上であって、有利区間においてメダル増加が生じている状況であれば、そのままMY更新処理を終了する。これに対して、ステップS1504にて、有利区間増減枚数MYが0よりも小さく、有利区間においてメダル増加が生じておらずメダルが減少している状況であれば、ステップS1505にて、有利区間増減枚数MYを0にクリアする処理を行ってから、MY更新処理を終了する。
区間表示第2処理において、ステップS1403のMY更新処理を実行した後は、ステップS1404にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1405にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、第2ATモード開始時において、有利区間ゲーム数AGが1450となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(払出枚数=200)よりも先に有利区間の上限ゲーム数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、第2ATモード開始時において、有利区間増減枚数MYが2300となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(払出枚数=200)よりも先に有利区間の上限増加数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS1406では、出玉調整用処理を実行する。かかる処理については後に詳細に説明するが、出玉調整用処理では、特定区間のゲーム数や払出枚数に基づいて1ゲーム当たりの純増枚数を算出し、その純増枚数に基づいて、AT種別決定処理や、天井カウンタの設定処理に用いられるパラメータを設定する。
ステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1407にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1408にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1409では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1410にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1410のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、ATモード当選フラグやATモードフラグ等がセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、前兆モード用の前兆カウンタ、CZモードやATモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1407にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1411に進み、有利区間の通常終了条件が成立したか否かを判定する。より詳しくは、CZモードフラグ、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもセットされておらず、CZモードよりも上位のモードを含めて、残り継続ゲーム数が0となったか否かを判定する。これらのフラグのいずれもがセットされていない場合、ステップS1412へ進み、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間継続カウンタを1減算する処理を実行する。既に説明した通り、有利区間継続カウンタは、有利区間であって、ATモードやCZモードではなく、且つATモードやCZモードへの移行抽選にも当選していない状況(通常有利区間)でのゲーム数をカウントするためのものであり、例えば、有利区間移行抽選に当選したゲームにて所定値として100が入力される(ステップS709)。ステップS1412の処理を実行した後は、ステップS1415にて有利区間継続カウンタが0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間継続カウンタが0となった場合には、ステップS1408に進み、ステップS1408〜ステップS1410の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図42を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図42に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、小役7(スイカ)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びATモードフラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」〜「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、押し順報知による恩恵を享受可能な状況であることを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。言い換えるならば、第8表示用セグメントN8が点灯していない状況においては、押し順報知は発生しないため、ゲームを潔く終了することも可能となる。
このように、本スロットマシン10では、通常区間において有利区間移行抽選に当選することで有利区間へ移行し、有利区間においてATモードへ移行することで押し順報知が発生し得るようになり、その押し順報知に従ってベル入賞させることで多くのメダルを獲得することが可能となる。その一方で、有利区間においては、上限ゲーム数やメダルの上限増加数といった複数の強制終了条件が予め定められており、上限ゲーム数に達することでメダルの上限増加数に達していなくても有利区間は終了するし、メダルの上限増加数に達することで上限ゲーム数に達していなくても有利区間は終了する。その点、より長く遊技を楽しませるためには、上限ゲーム数まで有利区間が継続することが好ましく、より好ましくは、上限ゲーム数に達するゲームにて上限増加数に達することが好ましいといえる。
既に説明した通り、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでは、純増枚数マイナス約2.10枚であり、有利区間であっても押し順報知が発生しない場合には、1ゲーム当たり約2.10枚の持ちメダルが減少し得る。これに対して、ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に小役1入賞〜小役6入賞を成立させることが可能となり、そのATモード中の純増枚数はプラス約8.04枚である。この場合、有利区間においてATモードが約300ゲーム継続すると上限増加数である2400枚に到達することとなり、上限ゲーム数に達するよりも前に上限増加数側の強制終了によって有利区間が強制終了する可能性が高い。つまり、十分な有利区間のゲーム数を消化することなく有利区間が強制終了されることにな、より長く遊技を楽しませることができない場面が生じ得る。かといって、ATモードにおいてメダル増加のメイン契機となる押し順ベル入賞時のメダル数を少なくしたり、押し順ベルの当選確率を低くしたりすることは、各ゲームの興趣向上を図るうえでは好ましくない。そこで、本実施形態では、有利区間において、現状のメダル増減数を加味してATモードの各種調整を行う構成を備えている。以下、その調整用の処理について説明する。
<出玉調整用処理>
本実施形態では、ATモードによる出玉性能(メダルの増加率)に影響を及ぼし得る複数の状態が設定されており、より詳しくは、ATモードの出現率や出現時のATモードの種別に影響を及ぼし得る複数の連荘状態が設定されている。複数の連荘状態としては、高連荘状態、中連荘状態、低連荘状態が設定されており、高連荘状態がATモードによるメダルの増加率が最も高く、低連荘状態がATモードによるメダルの増加率が最も低くなる。上記区間表示第2処理におけるステップS1406の出玉調整用処理では、現状のメダルの増加率から、これら連荘状態の設定を行う。図43は、出玉調整用処理を示すフローチャートである。
ステップS1601では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否かを判定する。すなわち、有利区間に移行後、ATモード当選報知が行われた後であって、実質的なメダル増加が見込める特定区間への移行が生じた後であるか否かを判定する。ATモード当選報知後である場合、ステップS1602にて、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。いずれの再遊技入賞でもない場合には、ステップS1603に進む。ステップS1601にて、有利区間に移行してから未だATモード当選報知が行われていない状況であり、特定区間移行前の非特定区間である場合や、ステップS1602にて今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞である場合には、ステップS1603以降の連荘状態の設定用処理を行うことなく、そのまま出玉調整用処理を終了する。
ステップS1603では、今回のゲームのメダル払出数を把握し、把握したメダル払出数を各種カウンタエリア106eに設けられた連荘アウトカウンタOCに加算する処理を実行する。連荘アウトカウンタOCは、特定区間となってからのメダル払出数の総数をCPU102が把握するためのカウンタである。例えば、今回のゲームの遊技結果が小役1入賞であり13枚のメダル払出が発生した場合には、連荘アウトカウンタOCに13を加算する。また、今回のゲームの遊技結果が外れ結果でありいずれの小役入賞も成立していない場合には、連荘アウトカウンタOCに0を加算する処理を実行する。ちなみに、有利区間増減枚数MYはベット枚数が加味された増減枚数を示すものであり、払出が発生しなかったゲームでは減算し得るものであるのに対して、連荘アウトカウンタOCはベット枚数を加味しない払出枚数を示すものであり、払出が発生しなかったゲームでも減算されることはない点で異なっている。
続くステップS1604では、各種カウンタエリア106eに設けられた連荘ゲーム数カウンタGCに1を加算する処理を実行する。連荘ゲーム数カウンタGCは、特定区間となってからのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ちなみに、有利区間ゲーム数AGは、有利区間の総消化ゲーム数を示すものであるのに対して、連荘ゲーム数カウンタGCは、実際にメダル増加が生じてからのゲーム数を示すものである点で異なっている。
ステップS1605では、上記ステップS1603の処理を行った結果の連荘アウトカウンタOCが、ステップS1604の処理を行った結果の連荘ゲーム数カウンタGCの6倍以上の値となっているか否かを判定する。ステップS1605にて肯定判定する場合とは、3ベットゲームにおける1ゲーム当たりのメダルの払出数が平均6枚以上(3ベットゲームにおける純増枚数3枚以上)となっている場合であり、出玉率(投入メダル数に対する獲得メダル数の割合)が200%以上となっている場合である。ステップS1605にて肯定判定した場合、ステップS1606にて各種カウンタエリア106eに設けられた第2オフセットカウンタに2を入力する処理を実行する。第2オフセットカウンタは、ATモードの連荘状態を設定するために設けられている複数のパラメータのうちの一のパラメータであり、第2オフセットカウンタには0〜2の値が入力される。
ステップS1605にて否定判定した場合、ステップS1607にて、連荘アウトカウンタOCが、連荘ゲーム数カウンタGCの5倍以上の値となっているか否かを判定する。ステップS1607にて肯定判定する場合とは、3ベットゲームにおける1ゲーム当たりのメダルの払出数が平均5枚以上(3ベットゲームにおける純増枚数3枚以上)となっている場合であり、出玉率が166%以上となっている場合である。ステップS1607にて肯定判定した場合、ステップS1608にて第2オフセットカウンタに1を入力する処理を実行する。ステップS1607にて否定判定した場合、ステップS1609にて第2オフセットカウンタに0を入力する処理を実行する。
ステップS1606、ステップS1608及びステップS1609のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1610に進む。ステップS1610とステップS1611の処理は、有利区間の強制終了条件の成立に近い状況であるか否かを判定する処理である。すなわち、ステップS1610では、現状の有利区間のゲーム数が上限ゲーム数に近いゲーム数となっているか否かの判定を行い、より詳しくは、有利区間ゲーム数AGの上限値である1500の7割以上である値として1300以上であるか否かを判定する。また、ステップS1611では、現状のメダル増減枚数が上限増加数に近い枚数となっているか否かの判定を行い、より詳しくは、有利区間増減枚数MYの上限値である2400の7割以上である値として2000以上であるかあ否かを判定する。これらステップS1610又はステップS1611のいずれかで肯定判定した場合、ステップS1612にて各種カウンタエリア106eに設けられた第1オフセットカウンタに4を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。第1オフセットカウンタは、ATモードの連荘状態を設定するために設けられている複数のパラメータのうちの一のパラメータであり、第1オフセットカウンタには0〜4の値が入力される。
ステップS1610及びステップS1611のいずれでも否定判定し、有利区間の強制終了条件が未だ成立しないような状況である場合は、ステップS1613〜ステップS1619にて、連荘ゲーム数カウンタGCの値に応じて第1オフセットカウンタに異なる値を入力する処理を実行する。すなわち、ステップS1613では、連荘ゲーム数カウンタGCが500よりも大きいか否かを判定する。ステップS1613にて、有利区間における特定区間となってからのゲーム数が500ゲームを超えている場合には、ステップS1614にて第1オフセットカウンタに3を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。
ステップS1613にて連荘ゲーム数カウンタGCが500以下である場合、ステップS1615にて連荘ゲーム数カウンタGCが200よりも大きいか否かを判定する。ステップS1615にて、特定区間となってからのゲーム数が200ゲームから500ゲームの間である場合には、ステップS1616にて第1オフセットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。
ステップS1615にて連荘ゲーム数カウンタGCが200以下である場合、ステップS1617にて連荘ゲーム数カウンタGCが100よりも大きいか否かを判定する。ステップS1617にて、特定区間となってからのゲーム数が100ゲームから200ゲームの間である場合には、ステップS1618にて第1オフセットカウンタに1を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。一方、ステップS1617にて、有利区間におけるメダルの増加が生じてからのゲーム数が100ゲームまでである場合には、ステップS1619にて第1オフセットカウンタに0を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。
<連荘状態テーブル>
上記のように出玉調整用処理にて、第1オフセットカウンタや第2オフセットカウンタの入力が行われることに基づき設定される連荘状態について説明する。図44は、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている連荘状態テーブルの一例を示している。
上記のように、ATモードの連荘状態としては、高連荘状態、中連荘状態、低連荘状態が設定されており、これらの連荘状態を定めるパラメータとして第1オフセットカウンタと第2オフセットカウンタとが設定されている。第1オフセットカウンタは、連荘ゲーム数カウンタGCと有利区間の強制終了条件とにより定められ、第2オフセットカウンタは、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとにより算出される出玉率(純増枚数)により定められる。
例えば、第1オフセットカウンタに0が入力されている場合とは、特定区間となってからのゲーム数が100ゲームまでの状況であり、この状況においては、第2オフセットカウンタの値に関わらず、高連荘状態に設定される。これに対して、特定区間となってからのゲーム数が100ゲームを超え、第1オフセットカウンタに1〜3が入力されると、第2オフセットカウンタの値に応じて連荘状態が異なるものとなる。すなわち、特定区間となってからのゲーム数が100ゲーム〜200ゲームであり、第1オフセットカウンタに1が入力されている場合、出玉率が166%未満の純増枚数が2枚未満である状況(第2オフセットカウンタ=0)であれば高連荘状態に設定されるものの、出玉率が166%以上の純増枚数が2枚以上である状況(第2オフセットカウンタ=1,2)であれば中連荘状態に設定される。また、特定区間となってからのゲーム数が200ゲーム以降であり、第1オフセットカウンタに2又は3が入力されている場合、出玉率が166%未満の純増枚数が2枚未満である状況(第2オフセットカウンタ=0)であれば高連荘状態に設定されるものの、出玉率が166%〜200%の純増枚数が2枚以上3枚未満である状況(第2オフセットカウンタ=1)であれば中連荘状態に設定され、出玉率が200%以上の純増枚数が3枚以上である状況(第2オフセットカウンタ=2)であれば低連荘状態に設定される。
また、有利区間の強制終了条件の成立間近の状況であり、第1オフセットカウンタに4が入力されている場合、出玉率(純増枚数、第2オフセットカウンタの値)に関わらず、低連荘状態に設定される。
ちなみに、有利区間が終了する際に初期化処理(ステップS1410)が行われると、第1オフセットカウンタや第2オフセットカウンタはいずれも0とされる。そのため、有利区間に移行すると、連荘状態は高連荘状態から開始されることになる。
以下、このように設定されるATモードの連荘状態が、ATモードの出玉性能に影響を与える構成について説明する。本実施形態では、ATモードの連荘状態を参照して、出玉性能を向上させる(有利事象を生じさせる)か否かの判定を行う処理(出玉性能の調整用の処理)として、AT種別決定処理と、天井カウンタの設定処理とが設定されている。AT種別決定処理は、ATモードへの移行が許容される場合に今回のATモードの種別を決定するための処理であり、ゲーム数管理処理(図38)におけるステップS1210にて実行される処理である。また、天井カウンタの設定処理は、ATモードを終了する場合に次の天井を決定するための処理であり、入賞結果対応処理(図37)におけるステップS1115にて実行される処理である。
<AT種別決定処理>
図45は、AT種別決定処理を示すフローチャートである。
ステップS1701では、各種テーブル記憶エリア105aからAT種別テーブルを取得する処理を実行する。そして、ステップS1702にて、現状の連荘状態を把握する処理を実行する。なお、連荘状態の把握に際しては、上記の連荘状態テーブルと、第1オフセットカウンタ、第2オフセットカウンタとが参照される。
AT種別テーブルは、図46に示すように、設定されている連荘状態によって、第1ATモードと第2ATモードとの選択率が異なるように設定されている。既に説明した通り、第1ATモードはメダルの上限払出枚数が100枚として設定されるATモードであり、第2ATモードはメダルの上限払出枚数が200枚として設定されるATモードであり、第1ATモードよりも第2ATモードの方が遊技者にとって有利なATモードである。これらのATモードは、遊技状態の移行は生じないもののその開始ゲームにおいて「赤7」図柄や「白7」図柄、「BAR」図柄等の所謂ボーナス図柄が所定のラインに揃って停止する場合があり(図14)、その後、押し順報知によってメダル獲得が可能となることから、ボーナス図柄が揃って遊技状態がボーナス状態へと移行するものとの対比で、所謂疑似ボーナスと称されるものである。そして、第1ATモードは疑似ボーナスのうちの払出枚数が少ない疑似レギュラーボーナス(疑似RB)と称され、第2ATモードは疑似ボーナスのうちの払出枚数が多い疑似ビックボーナス(疑似BB)と称される。
高連荘状態である場合には、疑似RBとしての第1ATモードと疑似BBとしての第2ATモードとは半々程度で選択される。より詳しくは、第2ATモードが選択される確率の方が若干高く、第1ATモードと第2ATモードとの選択率はそれぞれ約46.88%と約53.13%である。中連荘状態である場合には、第1ATモードが選択される確率の方が第2ATモードが選択される確率よりも高くなり、各ATモードの選択率はそれぞれ約65.63%と約34.38%である。そして、低連荘状態では、第1ATモードは選択されるものの、第2ATモードは選択されなくなる。
ステップS1703では、取得した上記AT種別テーブルと、連荘状態テーブルと各オフセットカウンタとにより把握される連荘状態と、各種カウンタエリア106eから取得する抽選用のカウンタと、により、今回のATモードの種別を抽選により決定する。そして、決定したATモードの種別を、レジスタ等に一時記憶したうえで、本AT種別決定処理を終了する。この場合、AT種別決定処理に続けて実行されるステップS1211にて、当該AT種別決定処理にて決定されたATモードの種別の判別が行われ、第1ATモードであれば第1ATモードへの移行が許容されたことの演出を行うための処理が実行され(ステップS1212)、第2ATモードであれば第2ATモードへの移行が許容されたことの演出を行うための処理が実行される(ステップS1213)。
<天井カウンタの設定処理>
次に、天井カウンタの設定処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、各種カウンタエリア106eのストックカウンタが1以上であるか否かを判定する。既に説明した通り、ストックカウンタは、ATモードの残りセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、例えば、ストックカウンタに1が入力されている場合には、一のATモードの終了に続けて、次のATモードの移行が許容される。ストックカウンタが1以上である場合、ステップS1802にて当該ストックカウンタを1減算する処理を実行し、ステップS1803にて天井カウンタに0を入力する処理を実行してから、本天井カウンタの設定処理を終了する。すなわち、例えば、第1ATモードの終了に際してストックカウンタが1であれば、天井カウンタに0が入力されることにより、当該第1ATモード終了後の次ゲームのAT抽選用処理(図29)において、ATモード抽選処理の結果に関わらず、ATモード当選フラグがセットされる(ステップS815→ステップS808)。
ステップS1801にてストックカウンタが0であると判定した場合、ステップS1804に進む。ステップS1804では、各種テーブル記憶エリア105aから天井テーブルを取得する処理を行う。そして、ステップS1805にて、上記ステップS1702と同様に連荘状態テーブル及び各オフセットカウンタに基づいて現状の連荘状態を把握する処理を行う。続くステップS1806では、当選確率の設定処理にて設定される設定値を把握する処理を行う。
天井テーブルは、図48に示すように、現状の連荘状態と、設定値と、により、選択される天井カウンタの値が異なるように設定されている。より詳しくは、選択される天井カウンタの値に応じて、超天国モード、天国モード、通常モードの3種類の天井モードが設定されており、現状の連荘状態と、設定値とにより、各モードの選択率が異なっている。
超天国モードは、天井カウンタとして1〜30のうちの一の値が設定される天井モードであり、一のATモードが終了してから30ゲームまでに次のATモードに移行する天井モードである。天国モードは、天井カウンタとして31〜100のうちの一の値が設定される天井モードであり、一のATモードが終了してから100ゲームまでに次のATモードに移行する天井モードである。通常モードは、天井カウンタとして101〜999のうちの一の値が設定される天井モードであり、一のATモードが終了してから、ATモード移行抽選に当選しない限り、最大天井である999ゲームまでATモード当選フラグがセットされない天井モードである。
本実施形態では、天井カウンタの設定に際し、先ずこれら超天国モード、天国モード、通常モードの振り分けを行ってから、詳細な天井カウンタの値の選択を行う構成としている。各モードの振り分けは、図48に示すように、現状の連荘状態と、設定値とにより、振分率が異なるように設定されている。これに対して、各モードに振り分けられた後は、いずれの値が選択されるかは、各モードの範囲内でランダムに決定される。
高連荘状態においては、いずれの設定値であっても、超天国モード、天国モード及び通常モードのいずれのモードにも振り分けられ、天国モードが振り分けられ易く、次いで、通常モードに振り分けられ易く、超天国モードには振り分けられにくい。超天国モード又は天国モードに振り分けられる確率は、設定5が最も高く、設定3、設定1、設定4及び設定2、設定6の順で低くなる。つまり、最も高設定である設定6は、高連荘状態においても超天国モードや天国モードに振り分けられにくい。
中連荘状態においては、上記の高連荘状態のように、いずれの設定値であっても、超天国モード、天国モード及び通常モードのいずれのモードにも振り分けられるものの、超天国モードや天国モードに振り分けられる確率が、高連荘状態よりも低くなる。言い換えると、中連荘状態では、高連荘状態よりも通常モードに振り分けられ易くなる。
低連荘状態では、いずれの設定値であっても、超天国モードや天国モードには振り分けられない。つまり、低連荘状態においては、いずれの設定値であっても、ATモード終了後の天井モードが通常モードに振り分けられる。
天井カウンタの設定処理においては、ステップS1807にて、上記天井テーブルと連荘状態と設定値と抽選用のカウンタとを用いて、天井モードの抽選処理を行う。その後、ステップS1808にて、ステップS1807にて決定した天井モードのゲーム数の範囲内で、今回の天井ゲーム数を抽選により決定する。なお、本実施形態では、かかる天井ゲーム数の抽選をランダムに決定する構成としたが、例えば、選択し易いゲーム数や選択しにくいゲーム数が設定されていたり、その選択し易いゲーム数や選択しにくいゲーム数の選択率やゲーム数が設定値や連荘状態によって異なる構成としてもよい。
ステップS1808の処理を実行した後は、ステップS1809にて、ステップS1808にて決定した天井ゲーム数を天井カウンタに入力する処理を実行する。その後、ステップS1810にて、有利区間継続カウンタに100を入力する処理を実行してから、本天井カウンタの設定処理を終了する。既に説明した通り、有利区間継続カウンタは、ATモードやCZモードではなく、且つATモードやCZモードに当選していない状態で有利区間が継続されるゲーム数に相当するものである。すなわち、上記のように、天井モードとして通常モードが選択され、通常モードの範囲内の天井ゲーム数(101〜999)が天井カウンタに入力された場合、かかる天井カウンタが0になる前に有利区間が終了して、天井カウンタのリセットが行われることになる。この場合、次に有利区間へ移行する際に、新たに天井ゲーム数の設定が行われる。
ここで、有利区間への移行抽選に当選したことを契機として行われるAT天井の設定処理にて設定される天井値と、上記ATモードの終了時に設定される天井値とについて、補足説明する。既に説明した通り、有利区間への移行抽選に当選した場合に設定される天井値の最大値は999であり、ATモードの終了時に設定される天井値の最大値も999であり、共通している。これに対して、有利区間への移行抽選に当選した場合に設定される天井値の方が、ATモードの終了時に通常モードとして設定される天井値よりも、平均すると小さい天井値(浅い天井)が設定され易くなっている。そのため、有利区間へ移行した際は、ATモード移行抽選に当選しなくても天井カウンタが0となることによってATモードへ移行することが期待できる。
更に、高連荘状態においては、天井モードとして超天国モード、天国モード及び通常モードが選択され、低連荘状態においては、天国モードとして通常モードが選択されるため、連荘状態が高連荘状態及び低連荘状態のいずれであっても天国モードとして通常モードが選択される構成である。そのため、ATモード終了時に設定される天井値の最大値は、連荘状態に関わらず共通の999である。
<連荘状態とメダル増減の様子>
上記のように連荘状態が設定され、ATモードの出玉性能が調整される場合の遊技の進行とメダル増減の様子について、図49及び図50を参照しながら説明する。
t1のタイミングで有利区間に移行した後、t2のタイミングでATモードが開始される場合、当該t2のタイミングからが区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示対象区間となり、当該t2のタイミング以降であって、且つ再遊技入賞ではないゲーム(例えばベル入賞ゲーム)を開始ゲームとして連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新が開始される。
ここで、既に説明した通り、第1ATモードや第2ATモードが開始されるゲームは、通常リプBや通常リプCに当選するゲームである。つまり、ATモードが開始され、ATモードフラグがセットされることにより区間表示器が表示中となるゲームは、再遊技結果となるゲームであり、当該ゲームにおいては連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新は行われない。このように、再遊技入賞となるゲームを各カウンタの更新対象としない構成において、各カウンタの更新が開始されるようになるゲームを再遊技入賞となるようにすることで、更新の開始用の処理(区間表示器の表示開始処理)と、更新用の処理とが重複して行われないようになり、処理の分散化が図られる。
t2においてATモードの開始に際して、AT種別決定処理が行われ、移行させるATモードの種別の決定が行われる。上記のとおり、AT種別として、第1ATモードであれば100枚が上限払出枚数となり、第2ATモードであれば200枚が上限払出枚数となる。t2のAT種別決定処理では、第2ATモードとして決定されたものとし、200枚以上のメダル払出が発生するt3のタイミングで当該第2ATモードが終了する。ATモードの終了に際しては、天井カウンタの設定処理にて天井モードの設定が行われる。t3においては天国モードが設定され、100ゲーム以内での連荘が確定する。天国モードとして設定され、100以下の値が入力された天井カウンタが0となるt4のゲームで、次のATモードへの移行が生じる。t4においては、第1ATモードとして決定されたものとし、100枚以上のメダル払出が発生するt5のタイミングで当該第1ATモードが終了する。
ここで、上記のように、出玉調整用処理においては、連荘アウトカウンタOCと連荘ゲーム数カウンタGCとを用いて純増枚数の算出を行い、算出した純増枚数に応じて第2オフセットカウンタの値を決定する。この場合、連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新を行うゲームは、上記のように、有利区間においてATモードへの移行が生じた後のゲームであり、その後のゲームでも再遊技入賞となるゲームは更新の対象から除く構成としている。そのため、図49において拡大して示すように、t2から開始されるATモードにおいて、ベル入賞となるゲーム(図では「べ」と表示するゲーム)を算出開始ゲームとして純増枚数を算出する場合、当該ベル入賞となるゲームや、外れ結果となるゲーム(図では「×」と表示するゲーム)、再遊技入賞となるゲーム(図では「R」と表示するゲーム)を含む純増枚数よりも、当該再遊技入賞となるゲームを除く純増枚数の方が多くなる(図では、メダル増加を示すグラフの傾きが大きくなっている)。そのため、再遊技入賞となるゲームを含む純増枚数を各オフセットカウンタの入力に用いるよりも、各オフセットカウンタとして大きな値が入力され易く、ATモードの連荘状態が低連荘状態や中連荘状態に設定され易い。つまり、上記構成のように、再遊技入賞となるゲームを含まない純増枚数を各オフセットカウンタの入力に用いることで、設計値を大きく凌駕するメダルの払出が発生することを好適に抑制することが可能となる。
しかも、上記のように、再遊技入賞となるゲームを含まない純増枚数をATモードの出玉調整に用いる構成とすることで、仮に再遊技当選となる確率が遊技状態によって変化するような構成においても、その遊技状態の変化を考慮することなく純増枚数に基づくATモードの出玉調整を行うことが可能となるし、たまたま再遊技結果に連続して当選したり、たまたま再遊技結果に当選しなかったりといった事象の影響をなるべく受けないようにしながら出玉調整を行うことが可能となる。
図49においては、t6のタイミング以降の各ATモードの設定処理(AT種別決定処理や天井カウンタの設定処理)において、出玉調整用処理により設定される連荘状態が参照されなかった場合のメダル増加の様子を示している。
すなわち、t6のタイミングで開始された第2ATモードが終了するt7のタイミングにおいて、天井モードとして超天国モードが選択された場合、30ゲーム以内であるt8のタイミングにて再度ATモードへの移行が生じる。この場合のATモードも第2ATモードであり、更に当該第2ATモード後の天井モードも超天国モードが選択されると、再び、30ゲーム以内であるt9のタイミングにてATモードへの移行が生じる。t9においても第2ATモードが選択され、その後も、超天国モードによる連荘が継続し、図においては、t10のタイミングにて開始される第2ATモードの最中で、有利区間の上限払出枚数である2400枚に達して、当該有利区間が強制終了されることを示している。なお、上限払出枚数の算出において、算出開始は、有利区間の開始タイミングであるt1ではなく、実質的なメダル増加が生じるt2である。
これに対して、図50では、図49のt1〜t5と同様に、t21〜t25にて、有利区間の開始、有利区間増減枚数MY、連荘アウトカウンタOC、連荘ゲーム数カウンタGCの計測開始を経た後、t26のタイミング以降の各ATモードの設定処理(AT種別決定処理や天井カウンタの設定処理)において、出玉調整用処理により設定される連荘状態が参照された場合のメダル増加の様子を示している。
すなわち、t26のタイミングで開始された第2ATモードが終了するt27のタイミングにて実施される天井カウンタの設定処理において、各オフセットカウンタにより規定される連荘状態を参照したうえで、天井モードの設定が行われる。例えば、t27の時点で、ATモードの連荘状態が中連荘状態として規定される場合、本実施形態では、連荘状態が高連荘状態ではなく中連荘状態であっても、天井モードとして超天国モードが選択される場合があることから、t27にて超天国モードが選択される場合がある。この場合、上記t7にて終了する第2ATモード後のt8のATモードと同様に、t27から30ゲーム以内であるt28にて再度ATモードに移行する。但し、t28においては、再度、各オフセットカウンタにて規定される連荘状態を参照したうえで、AT種別決定処理が行われる。図では、t28にて中連荘状態であり、第1ATモードが選択された場合を示している。この場合、上記t8の場合では、上限払出数が200枚の第2ATモードに移行するのに対して、t28では、上限払出数が100枚の第1ATモードに移行することになり、メダル増加が抑制されることになる。
t28にて開始された第1ATモードが終了するt29において、天井モードとして超天国モードではなく天国モードが選択されると、上記t8にて開始された第2ATモードが終了する際に超天国モードが選択される場合と比較して、t29の場合の方が、次のATモードへの移行(天井到達)が遅いゲームで生じることとなる。つまり、天井モードの選択によっても、メダル増加が抑制されることになる。そして、t29から31〜100ゲーム後であるt30にて再度ATモードへ移行する。例えば、t30では未だ中連荘状態であると、第2ATモードも選択され得る。つまり、上記のように、メダル増加が抑制される状況であっても、AT種別として第1ATモードだけではなく第2ATモードも選択され得る構成としていることから、極端な出玉制限がなされることによって、遊技者の遊技意欲が削がれてしまう事象が回避されている。
t30にて開始された第2ATモードが終了するt31においては、天井モードが通常モードに設定される。その結果、次のATモードへの移行は、ATモード抽選処理に当選しない限り、101ゲーム以後となり、有利区間の終了後となる。ここでは、100ゲーム以内で、ATモード抽選処理に当選した場合を示しており、t33、t34、t35にてそれぞれ100ゲーム以内での第1ATモードへの移行が生じ、t36にて有利区間の上限増加枚数である2400枚に達したことを示している。この場合、図49において出玉調整が機能しなかった場合に上限増加数に達したt11(図50ではt32)よりも、t36は遅いゲームとなり、より有利区間を長いゲームに亘って遊技したこととなる。
<強制終了時の演出について>
本実施形態では、有利区間がいずれかの強制終了条件の成立によって終了する場合には、エンディング演出としての特別演出が発生する構成としている。かかる強制終了時の演出を設定するための処理について、図51を参照しながら説明する。図51(a)は、サブの制御装置としての表示制御装置81のCPU181にて実行される強制終了時の演出設定処理を示すフローチャートである。当該演出設定処理は、例えば、所定周期(2msec周期)で起動される。
ステップS1901にて、主制御装置101から有利区間初期化コマンドを受信したか否かを判定する。有利区間初期化コマンドは、主制御装置101側の区間表示第2処理(図40)において、有利区間の終了に際して初期化処理(ステップS1410)を実行する際に出力されるコマンドである。かかる有利区間初期化コマンドには、有利区間の終了契機となった事象の情報が含まれている。ステップS1901にて有利区間初期化コマンドを受信していない場合には、強制終了タイミングではないことから、そのまま本演出設定処理を終了する。受信している場合には、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、上記受信している有利区間初期化コマンドに基づいて、今回の有利区間の終了契機となった事象が、いずれかの強制終了条件が成立したという事象であるか否かを判定する。いずれかの強制終了条件が成立したものではなく、通常終了、すなわち、ATモード後100ゲームが消化される等、ステップS1411〜ステップS1413を経由したものである場合は、強制終了タイミングではないとして、そのまま本演出設定処理を終了する。いずれかの強制終了条件が成立したものである場合は、ステップS1903に進む。
ステップS1903では、今回の強制終了条件として、上限ゲーム数に達することで終了したか否かを判定する。上限ゲーム数に達して終了していない場合、上限増加枚数に達することで終了したことを示し、この場合、ステップS1904にて上限ゲーム数までの残りゲーム数を把握する処理を実行する。より詳しくは、例えば、有利区間開始からのゲーム数が1350ゲームであれば、上限ゲーム数までのゲーム数は150ゲームであると把握する。続くステップS1905では、ステップS1904にて把握したゲーム数が所定ゲーム数未満として200ゲーム未満であるか否かを判定する。200ゲーム未満ではない場合、ステップS1906にて、今回の強制終了時の演出として第1特別演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定してから、本演出設定処理を終了する。一方、ステップS1905にて、200ゲーム未満であると判定した場合には、ステップS1907にて、今回の強制終了時の演出として第2特別演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS1903にて、上限ゲーム数に達することで終了したと判定した場合、ステップS1908にて、今回の強制終了時の演出として第3特別演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定してから、本演出設定処理を終了する。
本実施形態では、第1特別演出、第2特別演出、第3特別演出は、それぞれ補助表示部65での表示内容やスピーカ64からの効果音が異なるように設定されており、いずれの特別演出が行われているかを遊技者が識別可能となっている。更に、これら第1特別演出、第2特別演出、第3特別演出は、それぞれ第1特別演出A、第1特別演出B、第2特別演出A、第2特別演出B、第3特別演出A、第3特別演出Bが設定されており、各特別演出Aと特別演出Bとも、それぞれ遊技者が識別可能な程度に補助表示部65での表示内容やスピーカ64からの効果音が異なっている。
図51(b)に示すように、各特別演出が行われる場合、特別演出Aと特別演出Bとのいずれが行われるかは、当選確率の設定処理において設定される設定値によってその選択率が異なるように設定されている。すなわち、第1特別演出が行われる場合、設定1、3、5では、第1特別演出Aが60%の確率で選択され、第1特別演出Bが40%の確率で選択される。これに対して、設定2、4、6では、第1特別演出Aが40%の確率で選択され、第1特別演出Bが60%の確率で選択される。すなわち、有利区間が上限ゲーム数まで多くのゲーム(200ゲーム以上)を残した状況で上限増加数に達して終了した場合、設定値の偶奇を示唆する設定示唆演出が第1特別演出として実行される。
これに対して、第2特別演出が行われる場合、設定1、3、5では、第2特別演出Aが5%の確率で選択され、第2特別演出Bが95%の確率で選択される。これに対して、設定2、4、6では、第2特別演出Aが95%の確率で選択され、第2特別演出Bが5%の確率で選択される。すなわち、有利区間が上限ゲーム数まであとわずか(200ゲーム未満)である状況で上限増加数に達して終了した場合、設定値の偶奇を示唆するものであって、上記第1特別演出の場合よりも設定の偶奇を判別し易い設定値示唆演出が第2特別演出として実行される。
そして、第3特別演出が行われる場合、設定1〜3では、第3特別演出Aが5%の確率で選択され、第3特別演出Bが95%の確率で選択される。これに対して、設定4〜6では、第3特別演出Aが95%の確率で選択され、第3特別演出Bが5%の確率で選択される。すなわち、有利区間が上限ゲーム数に達して終了した場合、設定値の高低を示唆する設定値示唆演出が第3特別演出として実行される。
これら設定値示唆演出において、遊技者は設定値が高い遊技台であることを望んで遊技を行うことを前提とすると、設定値の高低の判別を行うことが可能である第3特別演出が行われることが遊技者にとって好ましく、次いで、設定値の偶奇の判別を行うことが可能である第2特別演出が行われることが好ましいと考えられる。つまり、これら第1特別演出〜第3特別演出が行われる場合において、第3特別演出が行われることが遊技者にとって最も有利な特典が付与され、次いで、第2特別演出が行われることが有利な特典が付与される、といえる。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
出玉調整用処理において、連荘アウトカウンタOCと連荘ゲーム数カウンタGCとにより算出される純増枚数(出玉率)を利用して、第2オフセットカウンタの設定を行い、その第2オフセットカウンタによって連荘状態が定められ、その連荘状態によってAT種別決定処理において第2ATモードが選択される確率や、天井カウンタの設定処理において超天国モードが選択される確率が異なるようにしたため、純増枚数が極端に多くなってしまう事象や、純増枚数が極端に少なくなってしまう事象を解消することができ、設計通りの遊技媒体の増減態様となるようにすることが可能となる。
特に、有利区間においては、有利区間増減枚数MYが上限増加数に達することで有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達していなくても強制終了されるため、仮に有利区間中の純増枚数が多くなり過ぎると、有利区間増減枚数MYが上限増加数に達することで有利区間が強制終了される事象、すなわち、上限ゲーム数に達することなく有利区間が終了される事象が生じ易くなる。そうすると、遊技者にせっかくの有利区間を長く楽しませることができなくなる。そこで、上記構成では、純増枚数が多い場合には連荘状態として低連荘状態となり易くし、これにより純増枚数が抑えられるようになり、より有利区間を長く楽しませることが可能となる。
連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとによる純増枚数の算出は、出玉調整用処理においてATモード中の再遊技結果となるゲームを除いた各ゲームで行われる構成としたため、純増枚数を使用したいゲームだけ算出を行うような構成と比較すると、各ゲームの処理負荷の共通化が図られ、処理負荷の分散化を通じた処理の好適化が図られる。
特に、純増枚数の算出に再遊技結果となるゲームの情報を含めないようにしたことから、たまたま再遊技結果に多く当選したことによって純増枚数が希釈化される(低下する)ことを回避し、実質的なメダル増減率(出玉率)を好適に把握したうえで、その実質的なメダル増減率を用いた連荘状態の設定によるフィードバック制御を行うことが可能となる。
この場合、これら連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとの更新や純増枚数の算出が開始されることとなるATモードの開始ゲームは、通常リプBや通常リプCといったように再遊技結果となるゲームである。すなわち、これらのカウンタの更新や純増枚数の算出を開始するゲームにおいては、その更新や算出を開始することの処理(ATモードフラグのセット処理)だけが行われ、実質的には次ゲームからその更新や算出が開始されることになる。このようにすることで、処理の分散化を通じた処理負荷の局所的な増大化を解消することが可能となる。
更に、ATモード移行抽選は、その移行抽選に当選となるメインの結果(当選契機となる場合が多い結果)は、チャンス目A〜チャンス目CやチェリーA〜チェリーCといったように再遊技結果となっている。そのため、上記の連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新や純増枚数の算出が行われている状況において、再度のATモードの移行抽選に当選するゲームとは、これらの再遊技結果であるゲームである可能性が高い。つまり、再度のATモードに移行当選となるゲームの情報は、上記各カウンタの更新や純増枚数の算出には考慮されない。このようにすることで、純増枚数を低くしたいがために、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の取りこぼしを生じさせる、といった操作を強要せず、ATモード移行抽選が行われるゲームについては、そのゲームに集中させる(純増枚数を考慮しないで楽しませる)ことが可能となる。
また、連荘ゲーム数カウンタGCは再遊技結果となるゲームの情報を含まないものの、再遊技結果となるゲームの情報を含む有利区間ゲーム数AGを有していることから、再遊技結果となるゲームの情報を含んだ管理を行いたい場合とそうではない場合とで、それぞれの用途に合わせて使い分けることで、出玉管理等を好適に行うことが可能となる。
連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新は、有利区間において区間表示器の表示が開始されてから行う構成とし、実質的なメダル増加が期待できる状況(ATモード)中において更新を行うこととした。このように、実質的にはメダルが増加しないような状況では更新を開始しないようにしたため、純増枚数が多くなってメダル増加率が設計値を凌駕するような事象を効率的に特定することが可能となる。
これに対して、一旦、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を開始した後は、有利区間であれば、ATモード中以外であっても更新を継続する構成としている。ここで、ATモードの終了後は、有利区間が100ゲームに亘って保持されることから、天井モードとして天国モードが選択されるか、通常モードが選択されても当該100ゲームまでにATモード移行抽選に当選した場合には、通常区間を跨ぐことなく、同じ有利区間中においてATモードが連荘することになる。このような構成であるため、上記のように、有利区間であればATモード後も更新を継続する構成としておけば、一の有利区間中の(連荘中の)純増枚数を好適に算出することが可能となる。
連荘状態テーブルは、第2オフセットカウンタだけではなく、第1オフセットカウンタの値も反映されるものとなっており、第1オフセットカウンタは、主に連荘ゲーム数カウンタGCによって定められる構成とした。すなわち、純増枚数だけでなく、その純増枚数の算出に用いられるゲーム数の情報も加味して連荘状態を設定する構成としている。このようにすることで、たまたま多い払出数となる遊技結果が少ないゲーム数で連続したことによって純増枚数が多くなる、といった事象を考慮しながら、その純増枚数による連荘状態の設定を行うことが可能となる。
連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCによって定められる連荘状態を、出玉調整用処理として一元管理視する構成としたうえで、その連荘状態の情報を、AT種別決定処理や、天井カウンタの設定処理といったように、状況の異なる複数の出玉性能の調整用の処理において利用する構成とした。このようにすることで、連荘状態の一元管理といった処理結果の共用を通じて、処理構成の簡素化や処理負荷の低減を図ることができる。
特に、これら出玉性能の調整用の処理としてのAT種別決定処理と、天井カウンタの設定処理とでは、AT種別決定処理側は設定差(当選確率の設定処理により設定される設定値の差)がないように定められているのに対して、天井カウンタの設定処理では設定差があるように定められており、一元管理される連荘状態については設定差がないように定められている。このようにすることで、連荘状態の情報の一元管理を行いながらも、それぞれ設定差の有無の異なる出玉性能の調整を行うことが可能となり、連荘状態の情報の有用性が高められている。
連荘状態の情報を共用する各出玉性能の調整用の処理は、一方は、ATモードの開始時に実施され、他方はATモードの終了時に行われるものであり、異なるゲームで行われるものであるし、ATモードといったメダル増加が生じる前と後とで行われる。このような関係の各出玉性能の調整用の処理において一元管理された連荘状態の情報を共用する構成とし、当該連荘状態の情報は毎ゲーム更新されるようにしていることから、いずれの調整用の処理においても最新の情報を用いて出玉性能の調整を行うことが可能となる。
有利区間に移行した後、ATモードに当選しなくても、当該有利区間が100ゲームに亘って継続するようにし、また、ATモード終了後においても、当該有利区間が100ゲームに亘って継続するようにした。このようにすることで、ATモード単位で出玉率の情報が管理されるのではなく、ATモードが連荘する場合の出玉率の情報を好適に管理することが可能となる。
また、ATモード終了後において100ゲーム間は有利区間が継続する構成、すなわち、100ゲーム間に亘ってATモードに再当選しなければ有利区間が終了する構成を利用して、有利区間の強制終了条件が成立する間近となると、天井カウンタの設定処理において天井ゲーム数を100ゲームより多いゲーム数が選択され易くなるようにしたため、有利区間の強制終了条件が成立する間近となると、有利区間が強制終了前に終了し易くなるようにすることができる。これにより、強制終了に起因する遊技者の遊技への関心低下を生じさせないようにすることが可能となる。
この場合、上記のように有利区間が強制終了条件成立前に終了したとしても、有利区間移行抽選を、各ゲームの遊技結果のうち外れを除く全ての遊技結果で行う構成とし、更に、当該有利区間移行抽選において非当選となることがないように設定したため、基本的には、有利区間が終了した後、直ぐに新たな有利区間へ移行する。この場合、上記のように強制終了条件が成立する間近の状態から、有利区間ゲーム数AG等がリセットされ、真新しい有利区間として再移行することとなる。このように、上限ゲーム数等の強制終了条件が設けられた有利区間を有する構成において、上限ゲーム数等により強制終了される場面を少なくすることで、その有利区間の上限ゲーム数をさほど意識させないようにすることができ、他の遊技性(ATモードの移行の有無や連荘の有無)を存分に楽しませることが可能となる。
しかも、上記のように有利区間が一旦終了すると、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCも初期化され、それにより各オフセットカウンタも初期値となり、当該再移行した有利区間においてATモードへの移行が生じると、連荘状態としては高連荘状態に設定される。これにより、有利区間において上限間近までATモードが連荘した場合に、低連荘状態に設定されて有利区間が一旦終了し、その後、直ぐに有利区間に移行し、高連荘状態に再設定されて、ATモードの連荘が再度開始され得る、といったサイクルの遊技性を実現することが可能となる。
この場合、有利区間の序盤では高連荘状態に設定され易く、終盤では低連荘状態に設定され易くしていることから、上記のように、有利区間が連荘すると、先側の有利区間の終盤では低連荘状態に設定され易く、後側の有利区間の序盤では高連荘状態に設定され易くなる。つまり、有利区間が連荘すると、有利区間を跨いで、低連荘状態に設定され易い状況と、高連荘状態に設定され易い状況とのセットが連続し得るようになる。言い換えると、有利区間を跨いで、高連荘状態に設定され易い状況が連続しにくいようになる。このようにすることで、一の有利区間において出玉率が高い状況と低い状況とを設けて、有利区間中の出玉率が高くなり過ぎることを抑制しながらもその出玉率の高低の波を設けて遊技の面白みを増加しながら、更にその効果を、有利区間を跨いでも期待できるようになる。
<変形例1>
連荘状態テーブルの変形例を説明する。
図52の連荘状態テーブルでは、連荘状態のパラメータとして各オフセットカウンタの他に設定値が設定されている。すなわち、例えば、第1オフセットカウンタが0であり、連荘ゲーム数カウンタGCが100以下である状況において、第2オフセットカウンタが1であって、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCにて算出される純増枚数が2枚以上3枚未満である場合、上記第1の実施形態では、一律で高連荘状態に設定される構成としていたところ、図52においては、設定1,3,5では高連荘状態に設定され、設定2,4,6では中連荘状態に設定される。また、第1オフセットカウンタが0であり、連荘ゲーム数カウンタGCが100以下である状況において、第2オフセットカウンタが2であって、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCにて算出される純増枚数が3枚以上である場合、設定1,2,3,4,6では中連荘状態に設定され、設定5では高連荘状態に設定される。
さらに、第1オフセットカウンタが2であり、連荘ゲーム数カウンタGCが201〜500である状況において、第2オフセットカウンタが1であって、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCにて算出される純増枚数が2枚以上3枚未満である場合、設定1,2,4,6では低連荘状態に設定され、設定3では中連荘状態に設定され、設定5では高連荘状態に設定される。
このように、天井カウンタの設定処理やAT種別決定処理といったATモードの出玉率の調整用に用いられる共通パラメータとしての連荘状態自体を、設定値による差が生じるようにすることで、例えば、天井カウンタの設定処理により設定される天井カウンタ(天井モード)やAT種別決定処理により決定されるATモードの種別について、一のテーブルにて設定差を設けることが可能となる。この場合、天井カウンタテーブルやAT種別テーブルに設定差を設けなくてもよくなる分、テーブルの簡素化が図られる。また、上記第1の実施形態のような設定差が設けられた天井カウンタテーブルを使用する場合、天井カウンタの設定に際して設定値による差が重畳的に生じるようになり、その設定差を際立たせて複雑化することも可能となる。
ちなみに、上記図52においては、第1オフセットカウンタが3であり、連荘ゲーム数カウンタGCが501以上である状況や、第1オフセットカウンタが4であり、有利区間の上限間近である状況においては、設定値による差は生じないようにしている。これらの状況は、特に、遊技可能な有利区間のゲーム数に及ぼす連荘状態の影響が大きい状況であり、このようにすることで、有利区間の遊技の好適化を設定値に関わらず図ることが可能となる。
図53の連荘状態テーブルでは、第1オフセットカウンタが4であり、有利区間の上限間近である状況において設定される連荘状態が、上記第1の実施形態のものと異なっている。すなわち、図53においては、第1オフセットカウンタが4であり、有利区間の上限間近である状況において、第2オフセットカウンタの値に関わらず、高連荘状態に設定される。このようにすると、有利区間の上限間近である状況においては、天井モードとして超天国モードが設定され易くなるし、AT種別として第2ATモードが設定され易くなり、メダルの増加率が高められる。
そのため、上限ゲーム数や上限増加数といったいずれかの強制終了条件が成立する間近である状況においては、より上限増加数側の強制終了条件が先に成立し易くなる。このように、上限ゲーム数に到達しにくくすることで、第2特別報知や第3特別報知が行われることの希少性を高め、注目度を向上させることを通じて、上限ゲーム数に到達することへの期待感を高めることが可能となる。
なお、図53においては、連荘ゲーム数カウンタGCが201〜500である場合(第1オフセットカウンタが2である場合)と、連荘ゲーム数カウンタGCが501以上である場合(第1オフセットカウンタが3である場合)とで、出玉率(第2オフセットカウンタの値)に応じた連荘状態が異なっている。詳しくは、出玉率が166%以上200%未満(純増枚数2枚以上3枚未満)である場合において、連荘ゲーム数カウンタGCが201〜500であれば中連荘状態に設定されるのに対して、連荘ゲーム数カウンタGCが501以上であれば低連荘状態に設定される。
<変形例2>
本変形例では、第1オフセットカウンタの設定方法が上記第1の実施形態と異なっている。図54は、本変形例における出玉調整用処理を示すフローチャートである。
本変形例における出玉調整用処理では、連荘ゲーム数カウンタGCの値に応じて第1オフセットカウンタに入力する処理の部分が異なっており、その他の処理は上記第1の実施形態のものと同じである。すなわち、ステップS2001〜ステップS2009の処理は、ステップS1601〜ステップS1609の処理と同様であり、連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新を行い、これらのカウンタに基づく純増枚数を算出したうえで、第2オフセットカウンタの設定を行う。
また、ステップS2010〜ステップS2012の処理も、ステップS1610〜ステップS1612の処理と同様であり、有利区間の強制終了条件に近い状況であれば、第1オフセットカウンタに4を入力する。ステップS2011にて否定判定した場合、ステップS2013〜ステップS2021にて、連荘ゲーム数カウンタGCの値に基づいて第1オフセットカウンタの設定を行う。
すなわち、ステップS2013では、連荘ゲーム数カウンタGCが第1所定数としての500よりも大きいか否かを判定し、500よりも大きい場合には、ステップS2014にて第1オフセットカウンタに3を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。なお、ステップS2013及びステップS2014の処理も、ステップS1613及びステップS1614の処理と同様である。
ステップS2013にて500以下であると判定した場合、ステップS2015にて、連荘ゲーム数カウンタGCが第2所定数としての200よりも大きいか否かを判定し、200よりも大きい場合には、ステップS2016に進む。本変形例では、ステップS2016にて、第1オフセットカウンタに入力する値を抽選により決定する処理を行う。より詳しくは、第1オフセットカウンタに1を入力することの抽選を行う。そして、ステップS2017にて抽選結果の判定を行い、当選であると判定した場合には、ステップS2020にて第1オフセットカウンタに1を入力し、非当選であると判定した場合には、ステップS2018にて、第1オフセットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。
ステップS2015にて200以下であると判定した場合には、ステップS2019にて、連荘ゲーム数カウンタGCが100よりも大きいか否かを判定し、大きい場合には、ステップS2020にて第1オフセットカウンタに1を入力し、100以下である場合には、ステップS2021にて第1オフセットカウンタに0を入力してから、本出玉調整用処理を終了する。
この場合、連荘ゲーム数カウンタGCが201〜500である状況においては、第1オフセットカウンタに1が入力される場合もあれば、2が入力される場合もあることになる。このようにすることで、いずれの連荘状態に設定されるかにランダム性を生じさせることが可能となる。つまり、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCは、遊技の結果に基づいて更新されるものであり、その遊技の結果をたどることで、遊技者は現状の連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの値を特定することが可能である。そうすると、上記第1の実施形態のように、これら連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCから各オフセットカウンタ乃至連荘状態が一義的に定められる構成においては、遊技者は現状の連荘状態を特定しつつ遊技を行うことが可能ともいえる。その点、本変形例のように、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCから連荘状態を特定できない場合があるようにすることで、連荘状態を予測しながら遊技を楽しませることも可能となり、遊技性を格段に向上させることが可能となる。
ちなみに、ステップS2016の抽選に当選する確率は任意であるが、例えば、本変形例では、30%の確率で当選するように設定されている。なお、ステップS2016の抽選処理の当選確率が設定値によって異なる構成としてもよく、例えば、設定6が最も当選確率が高く、設定値が低くなるにつれて当選確率が低くなるようにしてもよい。
また、連荘ゲーム数カウンタGCが201〜500である状況においては、第1オフセットカウンタに1又は2が入力される構成としたが、他の値(0、4)が入力され得る構成としてもよい。更に、第1オフセットカウンタに入力する値をランダムなものとするゲーム数は上記のものに限定されず、連荘ゲーム数カウンタGCが501以上である場合であってもよいし、0〜200である場合であってもよい。
<変形例3>
本変形例では、各オフセットカウンタの入力に用いる情報(パラメータ)が上記第1の実施形態と異なっている。すなわち、上記第1の実施形態では、第1オフセットカウンタは、基本的には、連荘ゲーム数カウンタGCの情報に基づいて値を入力し、第2オフセットカウンタは、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとにより算出される純情枚数の情報に基づいて値を入力する構成としていたところ、本変形例では、第1オフセットカウンタは、有利区間ゲーム数AGの情報に基づいて値を入力し、第2オフセットカウンタは、有利区間ゲーム数AGと有利区間増減枚数MYとのより算出される純増枚数の情報に基づいて値を入力する構成とする。
図55は、本変形例における出玉調整用処理を示すフローチャートである。
ステップS2101及びステップS2102では、上記ステップS1601及びステップS1602の処理と同様に、出玉調整用の純増枚数の算出や各オフセットカウンタの値の変更タイミングであるか否かの判定を行う。すなわち、ステップS2101では区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否かを判定し、ステップS2102では今回の遊技結果が再遊技入賞ではないか否かを判定する。区間表示器が表示中であり、且ついずれの再遊技入賞でもない場合には、ステップS2103に進む。
ステップS2103〜ステップS2107では、本変形例における純増枚数に基づく第2オフセットカウンタの入力処理を行う。すなわち、ステップS2103では、有利区間増減枚数MYが有利区間ゲーム数AGの3倍以上であるか否かを判定する。かかる処理は、本変形例において有利区間増減枚数MYと有利区間ゲーム数AGとから算出される純増枚数が3枚以上であるか否か(出玉率200%以上であるか否か)を判定する処理である。純増枚数が3枚以上である場合には、ステップS2104にて第2オフセットカウンタに2を入力する処理を実行する。
ステップS2103にて否定判定した場合、ステップS2105にて、有利区間増減枚数MYが有利区間ゲーム数AGの2倍以上であるか否かを判定する。かかる処理は、本変形例において有利区間増減枚数MYと有利区間ゲーム数AGとから算出される純増枚数が2枚以上であるか否か(出玉率166%以上であるか否か)を判定する処理である。純増枚数が2枚以上である場合には、ステップS2106にて第2オフセットカウンタに1を入力する処理を実行する。
そして、ステップS2105にて否定判定した場合には、ステップS2107にて第2オフセットカウンタに0を入力する処理を実行する。
既に説明したとおり、有利区間増減枚数MYは、有利区間移行後に払出枚数がベット数を超えるようになってからの増加枚数を表し、連荘アウトカウンタOCは、区間表示器の表示が開始されてからの払出枚数を表しているところ、例えば、ATモードとは関係なく生じたメダルの増加分は、有利区間増減枚数MYには含まれるものの、連荘アウトカウンタOCには含まれない。また、有利区間ゲーム数AGは、有利区間移行後のゲーム数を表すのに対して、連荘ゲーム数カウンタGCは、区間表示器の表示が開始されてからのゲームであって、且つ再遊技入賞となったゲームを含まないゲーム数を表すものである。そのため、有利区間ゲーム数AGは、連荘ゲーム数カウンタGCよりも、基本的には大きい値となる。この場合、連荘アウトカウンタOCと連荘ゲーム数カウンタGCとにより算出される1ゲーム当たりのメダル増加数である純増枚数は、有利区間増減枚数MYと有利区間ゲーム数AGとにより算出される1ゲーム当たりのメダル増減数である純増枚数と、異なる枚数となり、前者の方が後者のものより多い枚数となる可能性が高い。つまり、本変形例ように、有利区間増減枚数MYと有利区間ゲーム数AGとにより第2オフセットカウンタの値を入力する場合、上記第1の実施形態の場合よりも、小さい値が入力され易くなる(高連荘状態に設定され易くなる)。
ステップS2104、ステップS2106及びステップS2107のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2108に進む。ステップS2108〜ステップS2110は、ステップS1610〜ステップS1612の処理と同様であり、有利区間の強制終了条件に近い状況であれば、第1オフセットカウンタに4を入力する。
ステップS2109にて否定判定した場合、ステップS2111に進む。ステップS2111では、連荘ゲーム数カウンタGCではなく、有利区間ゲーム数AGが第1所定数としての500よりも大きいか否かを判定する。ステップS2111にて肯定判定した場合、ステップS2112にて第1オフセットカウンタに3を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。ステップS2111にて否定判定した場合、ステップS2113にて有利区間ゲーム数AGが第2所定数としての200よりも大きいか否かを判定し、200よりも大きい場合には、ステップS2114にて第1オフセットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本出玉調整用処理を終了する。ステップS2113にて否定判定した場合、ステップS2115にて有利区間ゲーム数AGが第3所定数としての100よりも大きいか否かを判定し、100よりも大きい場合には、ステップS2116にて第1オフセットカウンタに1を入力し、100以下である場合には、ステップS2117にて第1オフセットカウンタに0を入力してから、本出玉調整用処理を終了する。
有利区間ゲーム数AGは連荘ゲーム数カウンタGCよりも大きい値となり易いものであるところ、上記構成のようにすることで、第1オフセットカウンタには第1の実施形態の場合よりも、大きい値が入力され易くなる(低連荘状態に設定され易くなる)。
以上のように、連荘状態の設定に用いられる有利区間中の情報を、有利区間ゲーム数AGと有利区間増減枚数MYとすることにより、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCを別途記憶したり計測する必要が生じず、処理構成の簡素化が図られる。
また、有利区間ゲーム数AGのように再遊技入賞となったゲームを含めて純増枚数を算出したり、第1オフセットカウンタの値を設定したりすることで、実際に消化したゲーム数との関係性が明確となり、整合をとり易くなるし、仮にRT状態のような再遊技の当選確率が異なり得る状態を設けた場合において、その状態に合わせて連荘状態の設定を行うことが可能となる。よって、連荘状態の設定をより遊技の実情に合わせながら詳細に行うことができる。
<変形例4>
本変形例では、連荘状態の設定(各オフセットカウンタの入力)タイミングが異なっている。図56は、本変形例における出玉調整用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS2201〜ステップS2204にて、上記ステップS1601〜ステップS1604と同様に、連荘アウトカウンタOC及び連荘ゲーム数カウンタGCの更新用の処理を行う。一方、本変形例では、これら連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新を行った後は、各オフセットカウンタの入力処理(ステップS1605〜ステップS1618)を行うことなく、そのまま出玉調整用処理を終了する。そのため、各ゲームの終了時に起動される区間表示第2処理においては、連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新だけ行い、これらのカウンタに基づく純増枚数の算出処理は行われない。
これに対して、本変形例におけるAT種別決定処理(図57)や、天井カウンタの設定処理(図58)においては、各処理が起動された場合に、まず初めに、各オフセットカウンタの入力処理(ステップS1605〜ステップS1618)を行う(ステップS2301、ステップS2401)。その後、これらステップS2301やステップS2401にて入力された各オフセットカウンタにて規定される連荘状態に基づいて、ATモードの種別や、天井カウンタ(天井モード)の設定が行われる。
このように、純増枚数の算出用の処理等を毎ゲーム行うのではなく、必要なタイミングで(上記では、ATモードへ移行する場合やATモードが終了する場合に)算出用の処理等を行う構成とすることで、処理の実行回数を軽減することができ、処理の簡素化を図ることが可能である。
<第2の実施形態>
本実施形態では、現状の連荘状態よりも後の連荘状態を予測し、その予測に応じた報知を行う。図59は、本変形例における状態推移報知用処理を示すフローチャートである。状態推移報知用処理は、表示制御装置81のCPU181において周期的(例えば、2msec周期)に起動される処理である。
ステップS2501では、主制御装置101からオフセットコマンドを受信しているか否かを判定する。図による詳細な説明は省略するが、主制御装置101では、出玉調整用処理を行う度(各オフセットカウンタの設定を行う度)に、表示制御装置81へオフセットコマンドを出力する。オフセットコマンドには、今回設定したオフセットカウンタの値と、現状の連荘アウトカウンタOCと連荘ゲーム数カウンタGCの情報が含まれている。オフセットコマンドを受信していない場合には、そのまま状態推移報知用処理を終了する。オフセットコマンドを受信している場合には、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、受信しているオフセットコマンドに含まれる各オフセットカウンタの値に基づいて、現状の連荘状態を把握する処理を実行する。なお、表示制御装置81側においても、主制御装置101における連荘状態テーブルと同様のテーブルが記憶されており、かかるテーブルに上記オフセットカウンタを照らし合わせることで連荘状態を特定することが可能である。
続くステップS2503では、ステップS2502にて把握した連荘状態が高連荘状態であるか否かを判定する。高連荘状態である場合には、ステップS2504にて、高連荘状態であることの報知を実行するか否かの抽選を行う。そして、ステップS2505にて、当該抽選に当選したか否かを判定する処理を実行し、当選している場合には、ステップS2506にて、高連荘状態である旨の高連荘状態報知が行われるように、補助表示部65やスピーカ64等を制御する。高連荘状態報知では、例えば、補助表示部65における背景色を通常時の色とは異なる色としたり(例えば、通常時の色が青であれば、赤に変更する)、通常時とは異なる効果音がスピーカ64から出力されるようにする。
ステップS2503又はステップS2505にて否定判定した場合と、ステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507に進む。ステップS2507では、受信しているオフセットコマンドに基づいて、現状の連荘アウトカウンタOCと連荘ゲーム数カウンタGCとを把握する処理を実行する。そして、ステップS2508にて、ATモード中ではないと判定した場合、ステップS2509にて、連荘アウトカウンタOCが連荘ゲーム数カウンタGCの6倍以上であるか否か、すなわち、現状の出玉率が200%以上であり純増枚数が3枚以上であるか否かを判定する。なお、この場合、第2オフセットカウンタには2が入力されているため、上記受信しているオフセットコマンドに含まれる第2オフセットカウンタの情報に基づいてステップS2509の処理を行う構成としてもよい。
現状の純増枚数が3枚以上である場合、ステップS2510に進み、現状の連荘ゲーム数カウンタGCに所定ゲーム数(30ゲーム)を加え、更に現状の連荘アウトカウンタOCに所定ゲーム数を非ATモードとして消化した場合の期待増減枚数を加えた場合において、純増枚数が3枚未満となるか否かを判定する。すなわち、現状の連荘アウトカウンタOCに対して所定数に非ATモードでの期待純増枚数(マイナス約2.10枚)を乗じた値を加え、その値が、連荘ゲーム数カウンタGCに所定数を加えた値の6倍未満となるか否かを判定する。この処理は、現状のゲームから、再遊技入賞となるゲームを除き、所定数のゲームが非ATモードとして消化された場合、第2オフセットカウンタに入力される値が2から1や0に変化し得るか否かを判定する処理である。第2オフセットカウンタに入力される値が減少し得る場合、ステップS2511にて、第1状態推移報知が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御してから、状態推移報知処理を終了する。
第1状態推移報知は、例えば、図60(a)に示すように、補助表示部65にて、「あと30ゲームで状態UP!?」といったように、所定数である30ゲームに亘ってATモードへの移行が生じなければ、連荘状態が高連荘状態側に推移する可能性があることを示唆する演出を行う。すなわち、当該第1状態推移報知により、ATモード移行時に行われるAT種別決定処理において、有利なATモード種別が選択される可能性が高められることが示唆される。
このように、有利区間においては、ATモード中ではない状況であって持ちメダルが減少し得る状況である場合、通常であれば、遊技者は早期のATモード移行を期待して遊技を行うところ、上記のように第1状態推移報知を行うことにより、より遅くATモード移行が生じること、すなわち、報知されているゲーム数を消化してからATモード移行が生じることを期待させることが可能となる。
ステップS2509にて、現状の純増枚数が3枚以上ではないと判定した場合、ステップS2512にて現状の連荘アウトカウンタOCが連荘ゲーム数カウンタGCの5倍以上であるか否か、すなわち、現状の出玉率が166%以上200%未満であり純増枚数が2枚以上3枚未満であるか否かを判定する。なお、この場合、第2オフセットカウンタには1が入力されているため、上記受信しているオフセットコマンドに含まれる第2オフセットカウンタの情報に基づいてステップS2512の処理を行う構成としてもよい。
現状の純増枚数が2枚以上3枚未満である場合、ステップS2513に進み、現状の連荘ゲーム数カウンタGCに所定ゲーム数(30ゲーム)を加え、更に現状の連荘アウトカウンタOCに所定ゲーム数を非ATモードとして消化した場合の期待増減枚数を加えた場合において、純増枚数が2枚未満となるか否かを判定する。すなわち、現状の連荘アウトカウンタOCに対して所定数に非ATモードでの期待純増枚数(マイナス約2.10枚)を乗じた値を加え、その値が、連荘ゲーム数カウンタGCに所定数を加えた値の5倍未満となるか否かを判定する。この処理は、上記ステップS2510の処理に対応する処理であり、現状のゲームから、再遊技入賞となるゲームを除き、所定数のゲームが非ATモードとして消化された場合、第2オフセットカウンタに入力される値が1から0に変化し得るか否かを判定する処理である。第2オフセットカウンタに入力される値が減少し得る場合、ステップS2511にて、第1状態推移報知が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御してから、状態推移報知処理を終了する。
ステップS2510、ステップS2512及びステップS2513のいずれかで否定判定した場合には、そのまま状態推移報知用処理を終了する。なお、一旦、第1状態推移報知を開始した後は、ATモード移行が生じるか、ATモード移行が生じないまま所定数のゲームが消化されるまでは、当該第1状態推移報知が継続するようにするとよい。この場合、当該継続させる第1状態推移報知において、1ゲーム毎に、ゲームの進行に合わせて残りゲーム数の表示を減少させるように更新するとよい。そして、ATモード移行が生じた場合には、当該第1状態推移報知を終了し、ATモード移行が生じないまま所定数のゲームが消化された場合には、第2オフセットカウンタの値が変化した可能性があることの報知を行うとよい。なお、第2オフセットカウンタの値が変化したことの報知(成功報知)を行う構成としてもよく、変化していなければ報知を行わない、又はそれとは異なる報知(失敗報知)を行う構成としてもよい。また、ステップS2511において第1状態推移報知を実行するか否かの実行抽選を行い、当該実行抽選に当選した場合に、第1状態推移報知を実行する構成としてもよい。更に、第1状態推移報知の開始契機を、例えば、所定の遊技結果となった場合や、ATモード終了後のゲーム数が所定数に至った場合や、連荘状態の推移が生じた場合や、各オフセットカウンタの値が変化した場合といったようにしてもよい。
ステップS2508にてATモード中であると判定した場合、ステップS2514に進む。ステップS2514では、連荘アウトカウンタOCが連荘ゲーム数カウンタGCの6倍未満であるか否か、すなわち、現状の出玉率が200%未満であり純増枚数が3枚未満であるか否かを判定する。純増枚数が3枚未満である場合、ステップS2515にて、連荘アウトカウンタOCが連荘ゲーム数カウンタGCの5倍未満であるか否か、すなわち、現状の出玉率が166%未満であり純増枚数が2枚未満であるか否かを判定する。なお、これらの処理においても、第2オフセットカウンタの情報に基づいて判定を行ってもよい。
ステップS2515にて現状の純増枚数が2枚未満である場合、ステップS2516に進み、現状の連荘アウトカウンタOCに所定枚数(40枚)を加えた場合において、純増枚数が2枚以上となるか否かを判定する。すなわち、現状の連荘アウトカウンタOCに所定枚数を加えた値が、所定枚数の払出が生じるために必要な平均ゲーム数(40枚÷ATモードの平均純増枚数である約8枚=5ゲーム)を連荘ゲーム数カウンタGCに加えた値の5倍以上となるか否かを判定する。この処理は、現状のATモードにおける押し順報知等に従って、所定枚数の払出が発生した場合、第2オフセットカウンタに入力される値が0から1や2に変化し得るか否かを判定する処理である。第2オフセットカウンタに入力される値が増加し得る場合、ステップS2517にて、第2状態推移報知が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御してから、状態推移報知処理を終了する。
第2状態推移報知は、例えば、図60(b)に示すように、補助表示部65にて、「40枚ゲットで状態DOWN!?」といったように、所定枚数である40枚の払出が発生することで、連荘状態が低連荘状態側に推移する可能性があることを示唆する演出を行う。すなわち、第2状態推移報知により、ATモード終了時の天井カウンタの設定処理において不利な天井モードが選択される可能性があることが示唆される。
このように、有利区間において、ATモード中である状況であって持ちメダルが増加し得る状況である場合、通常であれば、遊技者はなるべく多くのメダル獲得を期待して遊技を行い、特に、上限払出枚数が定められている本実施形態のようなATモードであれば、なるべく少ないゲーム数で上限払出枚数に達することを期待して遊技を行うところ、上記のように第2状態推移報知を行うことにより、ATモードにおいてなるべくメダル払出が発生しないこと、すなわち、報知されているメダル数をなるべく多いゲーム数を要して払出が行われるようにすることを期待させることが可能となる。
ちなみに、既に説明した通り、押し順ベル当選時に行われる押し順報知に従ってストップスイッチ42〜44を操作した場合、13枚のメダル払出が発生する小役1〜小役6入賞が成立する一方、押し順報知とは異なる操作順序でストップスイッチ42〜44を操作すると、1枚のメダル払出が発生する小役9〜小役32が入賞したり、取りこぼしとなってメダル払出が発生しなかったりする。そのため、上記のように第2状態推移報知が行われた場合において、連荘状態を低連荘状態側に推移させないようにするためには、ATモードにおいて、押し順報知とは異なる操作順序でストップスイッチ42〜44を操作することが考えられる。なお、上記の場合、小役9入賞〜小役32入賞となるストップスイッチ42〜44の操作順序を、補助表示部65における押し順報知演出として報知する構成としてもよい。この場合、指示モニタ68における押し順報知(小役1入賞〜小役6入賞に対応する操作順序の報知)と補助表示部65における押し順報知演出(小役9入賞〜小役32入賞に対応する操作順序の報知)とが異なることになる。
ステップS2515にて現状の純増枚数が2枚以上3枚未満である場合、ステップS2518に進み、現状の連荘アウトカウンタOCに所定枚数(40枚)を加えた場合において、純増枚数が3枚以上となるか否かを判定する。すなわち、現状の連荘アウトカウンタOCに所定枚数を加えた値が、所定枚数の払出が生じるために必要な平均ゲーム数(40枚÷ATモードの平均純増枚数である約8枚=5ゲーム)を連荘ゲーム数カウンタGCに加えた値の6倍以上となるか否かを判定する。この処理は、現状のATモードにおける押し順報知等に従って、所定枚数の払出が発生した場合、第2オフセットカウンタに入力される値が1から2に変化し得るか否かを判定する処理である。第2オフセットカウンタに入力される値が増加し得る場合、ステップS2517にて、第2状態推移報知が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御してから、状態推移報知処理を終了する。
ステップS2514、ステップS2516及びステップS2518のいずれかで否定判定した場合には、そのまま状態推移報知用処理を終了する。なお、一旦、第2状態推移報知を開始した後は、ATモードが終了するか、ATモードが終了するよりも前に所定毎数の払出が発生するまでは、当該第2状態推移報知が継続するようにするとよい。この場合、当該継続させる第2状態推移報知において、メダル払出発生毎に、発生した払出枚数に応じて残り払出枚数の表示を減少させるように更新するとよい。そして、ATモードが終了した場合には、当該第2状態推移報知を終了し、ATモードが終了するよりも前に所定枚数のメダル払出が発生した場合には、第2オフセットカウンタの値が変化した可能性があることの報知を行うとよい。なお、第2オフセットカウンタの値が変化したことの報知(この場合は、失敗報知であり、上記第1状態推移報知の逆)を行う構成としてもよく、変化していなければ報知を行わない、又はそれとは異なる報知(成功報知)を行う構成としてもよい。また、ステップS2517において第2状態推移報知を実行するか否かの実行抽選を行い、当該実行抽選に当選した場合に、第2状態推移報知を実行する構成としてもよい。更に、第2状態推移報知の開始契機を、例えば、所定の遊技結果となった場合や、ATモード移行後の払出枚数が所定数に至った場合や、連荘状態の推移が生じた場合や、各オフセットカウンタの値が変化した場合といったようにしてもよい。
以上のようにすることで、連荘アウトカウンタOCと連荘ゲーム数カウンタGCとにより算出される純増枚数により規定される連荘状態を用いて、その連荘状態を推移させたりさせなかったりすること楽しませることが可能となる。
特に、ATモード中においては、遊技者が報知されている操作順序でストップスイッチ42〜44を操作したり異なる順序で操作するなど、遊技者が連荘状態を推移させるか否かに介入することが可能である。このようにすることで、ATモード中の実質的なメダル払出数が少なくなったとしても、当該ATモード終了時において連荘状態を高連荘状態側に保ち、天井カウンタの設定処理において有利な天井モードが設定されるようにする、といった遊技性が実現され、これまでにない斬新な遊技性を提供することができる。
なお、上記図59においては、ATモード中ではない状況で、所定ゲーム数後の純増枚数を予測する処理(ステップS2510やステップS2513)では、一律のゲーム数(30)をその予測に用いる構成としたが、予測する状況に応じて、どれだけのゲーム数後の純増枚数を予測するかを異ならせる構成としてもよい。例えば、主制御装置101側で設定されている天井カウンタの値を表示制御装置81側でもコマンド送受信等によって把握可能とし、現状の天井カウンタの値が0となるまでのゲーム数を、その予測に用いる構成としてもよい。すなわち、ATモード抽選処理においてATモード当選するのではなく、天井カウンタが0となることでATモード当選した場合において、そのATモード当選した時点での純増枚数を予測する構成としてもよい。
また、上記図59においては、ATモード中ではある状況で、所定枚数の払出が生じた後の純増枚数を予測する処理(ステップS2516やステップS2518)では、一律の枚数(40)をその予測に用いる構成としたが、予測する状況に応じて、どれだけの枚数の払出が生じた後の純増枚数を予測するかを異ならせる構成としてもよい。例えば、主制御装置101側で設定されているATモード中の残り払出数(ATカウンタ)の値を表示制御装置81側でもコマンド送受信等によって把握可能とし、現状の残り払出数が0となるまでの枚数を、その予測に用いる構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、ATモード中に設定される連荘状態の情報が、有利区間終了後においても引き継がれる。図61は、本実施形態における連荘状態用情報の初期化処理を示すフローチャートである。連荘状態用情報の初期化処理は、区間表示第2処理(図40)におけるステップS1410の処理のうちの一処理である。すなわち、有利区間を終了して通常区間とする場合の初期化処理の一処理として、連荘状態用情報の初期化処理が行われる。
ステップS2601では、第1オフセットカウンタが4であるか否かを判定する。既に説明したとおり、第1オフセットカウンタが4である場合とは、強制終了条件に近い状況(有利区間ゲーム数AG≧1300又は有利区間増減枚数MY≧2000)である。第1オフセットカウンタが0〜3である場合には、ステップS2602に進み、第1オフセットカウンタを0に初期化する処理を行う。そして、ステップS2603にて、第2オフセットカウンタを0に初期化する処理を行ってから、連荘状態用情報の初期化処理を終了する。
ステップS2601にて第1オフセットカウンタが4であると判定する場合とは、強制終了条件に到達した場合の他、低連荘状態に設定されることによって天井モードが通常モードとして設定されて、有利区間継続カウンタが0となった場合が考えられる。この場合、ステップS2604にて、第2オフセットカウンタが0であるか否かを判定する。第2オフセットカウンタが0である場合とは、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとにより算出される純増枚数が2枚未満であり、有利区間においてさほど急激なメダル増加が生じてはいないことを示している。ステップS2604にて第2オフセットカウンタが0である場合、ステップS2605にて、現状の連荘ゲーム数カウンタGCの値と、現状の連荘アウトカウンタOCの値とを、RAM106に設けられた非初期化エリアに記憶する処理を実行する。非初期化エリアは、有利区間の初期化処理の対象とはならないエリアであり、少なくとも連荘ゲーム数カウンタGCの値と、連荘アウトカウンタOCの値とを、それぞれ別々に記憶可能なエリアである。その後、ステップS2606にて、各種カウンタエリア106eに設けられた記憶保持カウンタに100を入力する処理を実行してから、ステップS2602及びステップS2603にて各オフセットカウンタの初期化処理を実行し、その後、本初期化処理を終了する。
なお、記憶保持カウンタも有利区間終了時の初期化処理の対象とはならないカウンタである。但し、当該記憶保持カウンタが利用される状況は有利区間ではなく通常区間であることから、初期化処理の対象とならない非初期化エリアに当該記憶保持カウンタを設定するのではなく、あえて通常用のエリア(各種カウンタエリア106e)に設定することにより、非初期化エリアに記憶される情報量を抑えることが可能となる。これにより、有利区間中に設定され通常区間に引き継がれる情報のチェックを容易に行うことが可能となる。
以上のように、強制終了条件が間もなく成立するとして、第1オフセットカウンタに4が入力され、例えば、天井モードとして通常モードが選択されたことに基づいて、有利区間が終了する場合、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの情報が、非初期化エリアに記憶保持されることにより、有利区間終了後も引き継がれる。
図62は、本実施形態において、上記の有利区間終了後に引き継ぐ連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの情報用の処理として、主制御装置101にて実行される記憶保持用処理を示すフローチャートである。記憶保持用処理は、主制御装置101のCPU102にて1ゲーム毎に起動される処理であり、例えば、ゲームの終了に際して区間表示第2処理が起動される度に実行される処理である。
ステップS2701では、有利区間中であるか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず、有利区間ではなく通常区間である場合、ステップS2702にて、上記の記憶保持カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。すなわち、ステップS2702の処理は、有利区間終了後、所定ゲーム数以内のゲームであるか否かを判定する処理である。
ステップS2702にて記憶保持カウンタが0よりも大きい場合、ステップS2703にて記憶保持カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2704にて、記憶保持カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS2705にて、非初期化エリアに記憶されている連荘ゲーム数カウンタGCの情報や連荘アウトカウンタOCの情報の初期化処理(0にクリアする処理)を実行してから、本記憶保持用処理を終了する。ステップS2702、ステップS2704のいずれかで否定判定した場合には、そのまま記憶保持用処理を終了する。すなわち、上記のように有利区間終了時に、所定条件の下、記憶が引き継がれる連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの情報は、所定ゲーム数として100ゲーム間は、その情報が引き継がれ、100ゲームを経過すると、その情報は初期化される。
ステップS2701にて有利区間中であると判定した場合、ステップS2707に進み、記憶保持カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。0である場合には、そのまま記憶保持用処理を終了し、0よりも大きい場合には、ステップS2707にて、当該記憶保持カウンタの初期化処理(0にクリアする処理)を実行してから、本記憶保持用処理を終了する。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態における出玉調整用処理では、ステップS1603やステップS1604の連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの更新に際し、上記の非初期化エリアに連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、その非初期化エリアに記憶されている情報を読み出して連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCに入力してから、今回のゲームの情報に基づく各カウンタの更新処理を行う。また、非初期化エリアから、上記のように連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタの情報の読み出しが行われた後は、上記非初期化エリアに記憶されている各カウンタの情報の初期化処理を行う。すなわち、連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの最初の更新時に非初期化エリアの情報を踏まえた更新を行うことで、有利区間を跨いだ各カウンタの更新処理が可能となる。
以上のように、本実施形態においては、連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの情報が、有利区間終了後、所定ゲーム数に亘って記憶保持される場合がある。そして、所定ゲーム数以内で再度有利区間に移行した場合には、上記の連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCの情報が引き継がれて連荘状態の設定に用いられる。このように、連荘状態の設定に用いられる情報を、有利区間を跨いで引き継ぎ可能とすることで、有利区間の連続性に関わらず、純増枚数(出玉率)による出玉調整を行うことが可能となる。
特に、本実施形態では、有利区間の強制終了条件が成立する間近となって、天井モードが通常モードに設定されることに起因して有利区間が終了する場合に、連荘状態の設定に用いられる情報を引き継ぎ可能とした。本スロットマシン10においては、出玉調整用処理によって出玉調整が行われ、特に、連荘ゲーム数カウンタGCが多くなるにつれて、連荘状態は低連荘状態に設定され易くなる構成としている。そのため、上記のように有利区間の強制終了条件が間もなく成立するような状況として、有利区間ゲーム数AGが1300以上となっている状況では、連荘状態は低連荘状態に設定されている可能性が高い。そうすると、例えば、第2ATモードではなく、第1ATモードが連荘することによって有利区間が継続していることが想定され、この場合の純増枚数は、さほど多くはないこと(第2オフセットカウンタが0であること)が推定される。そこで、上記のように連荘状態用の情報を引き継ぐようにすることで、有利区間のゲーム数としては一旦リセットしたうえで、純増枚数がさほど多くないこと(第2オフセットカウンタが0であること)を前提とした連荘状態の設定が行われるようにし、有利区間の上限ゲーム数に近付いたことに起因して、連荘状態が低連荘状態に設定されることを解消することが可能となる。
<第4の実施形態>
上記各実施形態では、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCに基づいて算出される純増枚数を利用して連荘状態を設定し、その連荘状態に基づく出玉調整として、AT種別や天井カウンタの設定を行う構成を説明したが、連荘状態に基づく出玉調整は、他の構成であってもよい。本実施形態では、連荘状態に基づく出玉調整として、ATモード当選時の前兆モードのゲーム数を異ならせる。
図63は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。
本実施形態におけるAT抽選用処理では、上記各実施形態のAT抽選用処理と比較して、ATモード当選時の処理が異なっている。すなわち、図63において、ステップS2801〜ステップS2807、ステップS2811〜ステップS2826の処理は、上記ステップS801〜ステップS807、ステップS810〜ステップS825の処理と同様の処理である。そして、ステップS2806にてATモード抽選に当選したと判定し、ステップS2807にて天井カウンタを0とした後の処理、又はステップS2815にて天井カウンタの減算処理を行った結果、天井カウンタが0となった場合の処理として、ステップS2808〜ステップS2810の処理が異なっている。
上記各実施形態においては、これらの場合、ATモード当選フラグをセットし(ステップS808)て前兆モードを0ゲームとしたうえで、前兆フラグをセットし、前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする(ステップS809)構成としていた。これに対して本実施形態では、ステップS2808にて、前兆ゲーム数の抽選処理を行ったうえで、ステップS2809にて、ステップS2808の抽選結果を前兆カウンタに入力し、ステップS2810にて前兆フラグをセットするとともに、上記前兆ゲーム数を含む前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、AT抽選用処理を終了する。
ステップS2808の前兆ゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから前兆ゲーム数テーブルを取得するとともに、現状の連荘状態を把握したうえで、今回の前兆ゲーム数を決定する。前兆ゲーム数テーブルは、図64に示すように、今回のATモード移行抽選の当選契機となった抽選結果と、現状の連荘状態とによって前兆ゲーム数が異なるように設定されている。
具体的には、本実施形態では、前兆ゲーム数として、0ゲーム〜8ゲームのうちのいずれかが選択される場合と、9ゲーム〜16ゲームのうちのいずれかが選択される場合と、17ゲーム〜32ゲームのうちのいずれかが選択される場合とがあるように設定されている。なお、以下の説明では、0ゲーム〜8ゲームを短前兆モード、9ゲーム〜16ゲームを中前兆モード、17ゲーム〜32ゲームを長前兆モードと称して説明する。そして、通常リプA、通常リプB、通常リプCを契機としてATモード移行抽選に当選した場合には、低連荘状態であれば、短前兆モードは選択されず、中前兆モードが10%、長前兆モードが90%でそれぞれ選択され、長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。これに対して、同じ通常リプA、通常リプB、通常リプCを契機としてATモード移行抽選に当選した場合であっても、高連荘状態であれば、短前兆モード、中前兆モード、長前兆モードはそれぞれ、30%、40%、30%で選択され、低連荘状態よりも短い前兆モードが選択され易くなる。
また、ATモード移行抽選に当選となった遊技結果によって、同じ連荘状態でも、前兆モードの長さが異なり得るものであり、例えば、チャンス目Aやチャンス目Bで当選した場合と、チャンス目Cで当選した場合とを比較すると、チャンス目Cで当選した場合のほうが、短い前兆モードが選択され易いように設定されている。更に、例えば、チェリーCを契機としてATモード移行抽選に当選した場合には、連荘状態の高低に関わらず、短前兆モードが選択されるように設定されている。
ちなみに、ATモード移行抽選に当選することなく、天井カウンタの減算処理によって天井カウンタが0とされた場合には、ステップS2808では、連荘状態の高低に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択されるように設定されている。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態におけるゲーム数管理処理(図38)では、ステップS1209にて前兆フラグをクリアする際に、ATモード当選フラグをセットする処理を行う。これにより、前兆ゲーム数が0となる際に、ATモード当選フラグがセットされた状態となり、ATモード開始用の通常リプBや通常リプCに当選したゲームでの抽選結果対応処理(図27)のステップS607にて、肯定判定することが可能となる。
この場合、前兆ゲーム数が異なることにより、ATモード移行抽選に当選した後、ATモードが開始されるまでのゲーム数が変化し、前兆ゲーム数が長くなると、ATモードの開始は遅くなり、前兆ゲーム数が短くなると、ATモードの開始は早くなる。つまり、押し順報知によってメダル獲得が期待できるATモードに当選している場合において、その押し順報知が発生するATモードへの移行が生じるまでのゲーム数を調節することにより、当選から移行までのゲームでのメダル減少数を変化させることが可能となる。このようにしても、出玉率(純増枚数)が高くなり過ぎたり、低くなり過ぎたりする事象を解消することが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、ATモードの天井に関する変形例を説明する。
図65は、ATモードの天井に関する第1の変形例における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、先ずステップS2901にて、上記の天井カウンタが0であるか否かを判定する。既に説明した通り、天井カウンタには、有利区間移行抽選に当選した場合のAT天井の設定処理や、ATモード終了時の天井カウンタの設定処理において、所定の値が入力されている。ステップS2901にて0ではないと判定した場合、ステップS2902にて天井カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2901にて天井カウンタが0である場合や、ステップS2902の処理を実行した後、ステップS2903〜ステップS2910にて、上記説明したステップS601〜ステップS608の処理にて有利区間への移行抽選や、ATモード用の処理、押し順報知用の処理を実行する。
この場合、上記各実施形態では、天井カウンタの減算処理を、AT抽選用処理にて行う構成としていたが、上記のとおりステップS2902にて行うようにする関係上、本変形例におけるAT抽選用処理(ステップS2906)では天井カウンタの減算処理を行わない。
すなわち、上記各実施形態では、天井カウンタが0となるまでのカウント(天井カウンタの減算処理)を、有利区間中において行う構成としていたものを、この変形例では有利区間か否かに関わらず行う構成としている。このようにすることで、有利区間が終了した後のゲーム(通常区間中のゲーム)も含めてATモード終了後に消化したゲーム数が、上記天井カウンタに入力したゲーム数に達した場合にATモードへ移行し得るようになる。
但し、天井カウンタが0となっても、ATモード当選フラグのセットは有利区間中に行われるものである(AT抽選用処理内にて行われるものである)ことから、通常区間において天井カウンタが0となった場合には、その状態が有利区間に移行するまで維持され、有利区間に移行した際にATモード当選フラグがセットされることになる。
次に、ATモードの天井に関する第2の変形例を説明する。この変形例では、有利区間継続カウンタに入力する値が、上記各実施形態とは異なっている。図66は、本変形例における有利区間移行抽選処理を示すフローチャートであり、図67は、本変形例における天井カウンタの設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における有利区間移行抽選処理では、ステップS3001〜ステップS3008にて、上記ステップS701〜ステップS708と同様の処理を行う。そして、ステップS3009にて、有利区間継続カウンタに、ステップS3008にて天井カウンタに入力した値を入力する処理を行う。
本変形例における天井カウンタの設定処理でも、ステップS3101〜ステップS3109にて上記ステップS1801〜ステップS1809と同様の処理を行う。そして、ステップS3110にて、有利区間継続カウンタに、ステップS3109にて天井カウンタに入力した値を入力する処理を行う。
すなわち、本変形例では、例えば、天井カウンタに999が入力され天井が最大天井として設定された場合には、その最大天井に達するまで、有利区間が継続するようになる。つまり、少なくとも天井カウンタに入力されたゲームを消化するまでは有利区間が継続するため、有利区間移行時や終了時に天井カウンタの再設定用の処理が行われる上記各実施形態よりも、遊技者は天井ゲーム数を予測・把握し易くなり、その天井ゲーム数に達することやその天井ゲーム数を狙って遊技台を選択するといった遊技性を好適に実現することが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、出玉調整用処理における第2オフセットカウンタの入力用の処理が上記各実施形態と異なっている。図68は、本実施形態における出玉調整用処理のフローチャートの一部を示している。
ステップS3201及びステップS3202は、出玉調整の実行タイミングか否かを判定するための処理であり、上記各実施形態と同様に、区間表示器が表示中であり、且つ再遊技結果ではないゲームにて出玉調整を行うものとする。そして、ステップS3203及びステップS3204にて、上記各実施形態と同様に、連荘アウトカウンタOC及び連荘ゲーム数カウンタGCの更新を行う。
ステップS3205では、各種カウンタエリア106eに設けられた算出ゲーム数SGが所定数に至っているか否かを判定する。本実施形態では、出玉率や純増枚数の算出を行う構成を、所定ゲーム数間の出玉率や純増枚数の算出を行う構成としており、上記ステップS3205にて判定する所定数は、出玉率や純増枚数の算出用の所定ゲーム数に相当するものである(本実施形態では400)。算出ゲーム数SGが所定数に至っていない場合には、ステップS3206にて算出ゲーム数SGに1を加算する処理を実行する。
ステップS3206の処理を実行した後、ステップS3207では、今回のゲームの払出数を、各種カウンタエリア106eに設けられた算出用カウンタKに対応する算出用アウトカウンタSOCに加算する処理を実行する。算出用アウトカウンタSOCは、各種カウンタエリア106eに上記の所定ゲーム数分(400個)設けられており、第1算出用アウトカウンタSOC1、第2算出用アウトカウンタSOC2、、、、第400算出用アウトカウンタSOC400といったように、CPU102はそれぞれを個別に把握可能となっており、例えば、算出用カウンタKに4が入力されている場合には、第4算出用アウトカウンタSOC4に、今回のゲームの払出数を加算する処理を行い、算出用カウンタKに400が入力されている場合には、第400算出用アウトカウンタSOC400に、今回のゲームの払出数を加算する処理を行う。なお、算出カウンタKは1から所定数(400)まで更新可能なループカウンタであるものの、本実施形態では、上記算出ゲーム数SGと同じ値を上限としてループさせる構成としている。
ステップS3207の処理を実行した後は、ステップS3208にて算出用カウンタKに対応する算出用ゲーム数カウンタSGCに1を加算する処理を実行する。算出用ゲーム数カウンタSGCも、各種カウンタエリア106eに上記の所定ゲーム数分(400個)設けられており、第1算出用ゲーム数カウンタSGC1、第2算出用ゲーム数カウンタSGC2、、、、第400算出用ゲーム数カウンタSGC400といったように、CPU102はそれぞれを個別に把握可能となっており、例えば、算出用カウンタKに4が入力されている場合には、第4算出用ゲーム数カウンタSGC4に1を加算し、算出用カウンタKに400が入力されている場合には、第400算出用ゲーム数カウンタSGC400に1を加算する処理を実行する。
続くステップS3209では、ステップS3207にて更新した算出用アウトカウンタSOCとステップS3208にて更新した算出用ゲーム数カウンタSGCとを用いて出玉率(純増枚数)を算出する処理を実行する。算出した出玉率は、出玉率カウンタDKとしてRAM106に記憶される。出玉率カウンタDKも、各種カウンタエリア106eに上記の所定ゲーム数分(400個)設けられており、第1出玉率DK1、第2出玉率DK2、、、、第400出玉率DK400といったように、CPU102はそれぞれを個別に把握可能となっている。
その後、ステップS3210にて、算出用カウンタKに1を加算し、ステップS3211にて算出用カウンタKが算出用ゲーム数SGと等しくなったか否かを判定する。ステップS3211にて否定判定した場合、ステップS3207に戻り、上記ステップS3210にて更新した算出用カウンタKに対応する算出用アウトカウンタSOCや算出用ゲーム数カウンタSGCの更新を行うとともに、これら算出用アウトカウンタSOCと算出用ゲーム数カウンタSGCに基づく出玉率DKの算出を行う。そして、算出用カウンタKが算出用ゲーム数SGと等しくなった場合に、ステップS3211にて肯定判定し、ステップS3212に進み、算出カウンタKに1を入力する処理を実行する。これにより、次ゲームの出玉調整用処理においては、ステップS3207にて再び算出カウンタKを1として、算出用アウトカウンタSOCの更新が行われる。
すなわち、本実施形態においては、出玉調整用処理において、出玉調整が開始されてからのゲーム数の分だけ、所定数を上限として出玉率DKが算出される。例えば、出玉調整が開始されてから1ゲーム目においては、第1算出用アウトカウンタSOC1と第1算出用ゲーム数カウンタSGC1とにより第1出玉率DK1の算出が行われ、出玉調整が開始されてから2ゲーム目においては、上記1ゲーム目から更新が開始されている第1算出用アウトカウンタSOC1と第1算出用ゲーム数カウンタSGC1とにより第1出玉率DK1の算出が行われるとともに、2ゲーム目から更新が開始される第2算出用アウトカウンタSOC2と第2算出用ゲーム数カウンタSGC2とにより第2出玉率DK2の算出が行われる。
そして、上記ステップS3205にて算出用ゲーム数SGが400である場合、ステップS3213にて、更新開始が最も古い算出用アウトカウンタSOCと算出用ゲーム数カウンタSGCとをクリアする処理を実行する。その後、ステップS3207に進み、算出用アウトカウンタSOCや算出用ゲーム数カウンタSGCの更新処理等を行う。そのため、出玉調整が開始されてから400ゲーム目以降は、400セットの算出用アウトカウンタSOCと算出用ゲーム数カウンタSGCとにより、400個の出玉率DKが算出される。これら400セットの算出用アウトカウンタSOCと算出用ゲーム数カウンタSGCとは、いずれも更新開始ゲームが1ゲームずつ異なっており、400個の出玉率DKもそれぞれ異なる値が算出され得る。
ステップS3214では、上記の各出玉率DKのうちのいずれかが6以上となっているか否か、すなわち、いずれかの算出用アウトカウンタSOCと算出用ゲーム数カウンタSGCのセットにより算出される出玉率が200%以上となっているかを判定する。言い換えると、出玉調整が開始されるゲームからみて、どのゲームから更新を開始したセットで算出を行っても出玉率が200%未満となっているか否かを判定する。ステップS3214にて肯定判定し、いずれかの出玉率DKが6以上である場合、ステップS3215にて第2オフセットカウンタに2を入力する処理を実行する。
ステップS3214にていずれのセットの出玉率DKも6未満であると判定した場合、ステップS3216にて、各出玉率DKのうちのいずれかが5以上となっているか否か、すなわち、いずれかの算出用アウトカウンタSOCと算出用ゲーム数カウンタSGCのセットにより算出される出玉率が166%以上200%未満となっているかを判定する。言い換えると、出玉調整が開始されるゲームからみて、どのゲームから更新を開始したセットで算出を行っても出玉率が166%未満となっているか否かを判定する。ステップS3216にて肯定判定し、いずれかの出玉率DKが5以上である場合、ステップS3217にて第2オフセットカウンタに1を入力する処理を実行する。そして、いずれかの出玉率DKが5未満であり、出玉調整が開始されるゲームからみて、どのゲームから更新を開始したセットで算出を行っても出玉率が166%未満となっている場合、ステップS3218にて第2オフセットカウンタに0を入力する処理を実行する。
ステップS3215、ステップS3217及びステップS3218のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1610に進み、第1オフセットカウンタの設定を行う。第1オフセットカウンタの設定については、上述の通りである。
以上のように、予め定められた所定ゲーム数として400ゲームに亘っての出玉率(純増枚数)を算出する構成とし、その算出を開始するゲームを、1ゲームずつずらして400個の出玉率を算出する構成としたことにより、例えば、たまたま外れ結果となるゲームが連続して発生した状況を含むために出玉率が低くなったり、たまたま押し順ベル当選となるゲームが連続して発生した状況を含むために出玉率が高くなったりすることにより、連荘状態が予定よりも高連荘状態側に設定されたり低連荘状態側に設定されたりする事象が生じないようにすることができる。
ここで、遊技機の規定として、所定ゲーム数間の出玉率が予め定められた規定数未満であることが求められる場合があり、上記各発明は、このような遊技機の規定に適合する出玉率とするためにも適用可能である。すなわち、設計段階では所定ゲーム数間の出玉率が上記規定数未満となるように設計したとしても、検査において、たまたま押し順ベル当選が連続する等して設計値とは異なる出玉率となる場合があり、上記各発明は、このような設計値とは異なる出玉率となることを解消するためにも有効な手段である。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施形態は、2ベットゲームにて第2BBに当選させ、且つ、第2BBを入賞させることなく第2BBの持ち越し状態を3ベットゲームにて遊技させる構成を前提として説明したが、持ち越し状態とするボーナスは上記のものに限定されず、例えば、3ベットゲームにて第1BBに当選させ、且つ、第1BBを入賞させることなく第1BBの持ち越し状態を2ベットゲームにて遊技させる構成としてもよい。また、1ベットゲームにて当選可能なボーナスの持ち越し状態を3ベットゲームにて遊技を行わせる構成としてもよい。この場合、当該1ベットゲームにて当選可能なボーナスを、3ベットゲームでは入賞不可とすることで、当該1ベットゲームにて当選可能なボーナスの持ち越し状態を3ベットゲームにて容易に継続可能とすることができる。更にこの場合、持ち越し状態としているボーナスの当選情報(当選フラグ)を、電源ON/OFFや当選確率の変更処理(設定変更)が行われても消去されない構成とするとよい。
また、3ベットゲームにて第1BBに当選可能であり且つ第2BBに当選不可とし、更に、3ベットゲームでは第1BB入賞を可能とし且つ第2BB入賞を不可とし、2ベットゲームにて第2BBに当選可能であり且つ第1BBに当選不可とし、更に、2ベットゲームでは第2BB入賞を可能とし且つ第1BB入賞を不可とする構成を前提として説明したが、各BBを当選可能するベットゲームは上記のものに限定されないし、各BBを入賞可能とするベットゲームも上記のものに限定されない。例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選させ、且つ、第2BBを入賞させることなく第2BBの持ち越し状態を3ベットゲームにて遊技させる構成において、第2BBを3ベットゲームでも入賞可能としてもよく、この構成においては、上記説明した遊技性は、第2BB入賞が成立するまで継続し、第2BB入賞に基づく第2BB状態を消化した後は、再度、2ベットゲームにて第2BB当選させる、といった構成としてもよい。
(2)上記各実施形態は、再遊技結果の当選確率が変化する遊技状態として、所謂RT状態(リプレイタイム状態)が設けられていない構成を前提として説明したが、RT状態が設けられた遊技性としてもよい。この場合、再遊技結果となる確率や当選し得る再遊技結果の種類が異なるRT状態が複数設けられている構成としてもよく、押し順ベル当選時の押し順報知が発生するようになるATモードを1のRT状態にて実現する構成としてもよく、当該ATモードを複数のRT状態にて実現する構成としてもよい。これらにおいても、上記連荘ゲーム数カウンタGC及び連荘アウトカウンタOCにて純増枚数(出玉率)を算出する構成において、再遊技結果となるゲームの情報を含まないようにすることで、RT状態の移行に基づく再遊技結果の当選確率の変化が、純増枚数に影響を及ぼさないようにすることが可能となる。
(3)連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新に際し、再遊技結果となるゲームの情報を含まないようにしたが、他の遊技結果となるゲームの情報を含まないようにしてもよく、予め定められた一部の遊技結果となるゲームの情報に基づいて、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を行う構成としてもよい。例えば、外れ結果となるゲームの情報を含まないようにしてもよく、再遊技結果と外れ結果となるゲームの情報を含まないようにしてもよい。また、予め定められた一部の遊技結果として押し順ベルを設定し、いずれかの押し順ベル当選となるゲームの情報に基づいて、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を行う構成としてもよい。
更に、更新対象としない遊技結果を、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとで共通のものとしたが、それぞれ異なる遊技結果で更新を行わないようにしても良い。例えば、連荘ゲーム数カウンタGCは再遊技結果となるゲームでは更新を行う一方、連荘アウトカウンタOCは再遊技結果となるゲームでは更新を行わないようにしたり、連荘ゲーム数カウンタGCは押し順ベルとなるゲームでは更新を行わず、再遊技結果となるゲームでは更新を行わないようにする一方、連荘アウトカウンタOCは押し順ベルとなるゲームでは更新を行い、再遊技結果となるゲームでは更新を行う構成としてもよい。
(4)連荘アウトカウンタOCの更新に際し、今回のゲームの払出数を加算する構成としたが、今回のゲームの払出数から今回のゲームのベット数を差し引いた値を連荘アウトカウンタOCに加算する構成としてもよく、払出数からベット数を差し引かない値を加算するカウンタと、払出数からベット数を差し引いた値を加算するカウンタとを、それぞれ有している構成としてもよい。
(5)出玉調整用処理にて、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOC、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYに基づいて純増枚数(出玉率)算出したうえで、第2オフセットカウンタの値を設定するとともに、連荘ゲーム数カウンタGCや有利区間ゲーム数AG等に基づいて第1オフセットカウンタの値を設定し、それら各オフセットカウンタの値と連荘状態テーブルとを照らし合わせることで、現状の連荘状態をCPU102が把握可能とする構成としたが、出玉調整用処理にて各オフセットカウンタの値を設定して連荘状態テーブルを参照して現状の連荘状態を特定し、その連荘状態をRAM106等に記憶しておく構成としてもよい。この場合、例えば、高連荘状態であると特定した場合には高連荘状態フラグを各種フラグ格納エリア106dに格納し、中連荘状態であると特定した場合には中連荘状態フラグを格納し、低連荘状態であると特定した場合には低連荘状態フラグを格納し、これら各連荘状態フラグを格納する際には他の連荘状態フラグをクリアする構成とする。このようにすることで、その後の処理にて、いずれの連荘状態フラグがセットされているかを確認することで、現状の連荘状態をCPU102が特定可能となる。
また、出玉調整用処理にて、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を行ったうえで、更に、これら各カウンタに基づく純増枚数(出玉率)を算出し、その純増枚数をRAM106等に記憶しておく構成としてもよい。この場合、その後の処理にて、当該純増枚数や、現状の連荘ゲーム数カウンタGC等に基づいて、各オフセットカウンタに設定すべき値を特定し、それに基づき連荘状態を把握する構成としてもよい。
(6)設定された各オフセットカウンタに基づいて定められる連荘状態テーブルを、1種類としたが、複数種類設けてもよい。例えば、当日や複数日(RAMクリア後)の実行ゲーム数に応じて、異なる連荘状態テーブルが参照される構成としてもよいし、第1役比カウンタや第2役比カウンタの値等に応じて異なる連荘状態テーブルが参照される構成としてもよい。当日やRAMクリア後の実行ゲーム数に応じて参照する連荘状態テーブルを異ならせる構成の場合、実行ゲーム数が少ないほど、高連荘状態に設定され易い連荘状態テーブルとし、実行ゲーム数が多くなると、低連荘状態に設定され易い連荘状態テーブルとしてもよい。また、各役比カウンタの値等に応じて参照する連荘状態テーブルを異ならせる構成においては、例えば、ATモードフラグがセットされていないゲーム数をカウントする第1役比カウンタの値が大きいほど、又は第2役比カウンタに対する第1役比カウンタの割合が大きいほど、高連荘状態に設定され易い連荘状態テーブルとし、第1役比カウンタや、第2役比カウンタに対する第1役比カウンタの割合が小さいほど、低連荘状態に設定され易い連荘状態テーブルとしてもよい。
また、連荘状態を参照して出玉性能を変化させる処理に応じて、参照する連荘状態テーブルを異ならせてもよい。例えば、AT種別決定処理にて参照する連荘状態テーブルと、天井カウンタの設定処理にて参照する連荘状態テーブルとを異ならせてもよく、前兆ゲーム数の抽選処理にて参照する連荘状態テーブルを異ならせてもよい。
(7)連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOC等に基づく出玉情報を利用して、出玉性能を変化させる処理は、AT種別決定処理や天井カウンタの設定処理、前兆ゲーム数の抽選処理等に限定されず、他の処理であってもよい。
例えば、AT連荘用処理におけるストック抽選において、上記各カウンタ等に基づく出玉情報を利用して、その当選確率や当選時のストック数、抽選契機となる遊技結果を変化させる構成としてもよい。例えば、上記出玉情報を利用してストック抽選の当選確率を変化させる場合、出玉情報が高連荘状態を示すもの(純増枚数が少ない、連荘ゲーム数カウンタGCが小さい値等)であれば、ストック抽選に当選し易くし、低連荘状態を示すもの(純増枚数が多い、連荘ゲーム数カウンタGCが大きい値、有利区間の強制終了間近等)であればストック抽選に当選しにくくする構成としてもよい。
また、例えば、上記出玉情報を利用してCZモード移行抽選の当選確率やCZモードの継続ゲーム数を変化させる構成としてもよく、出玉情報が上記高連荘状態を示すものであれば、CZモード移行抽選の当選確率を高くしたり、CZモードの継続ゲーム数を多くし、出玉情報が上記低連荘状態を示すものであれば、CZモード移行抽選の当選確率を低くしたり、CZモードの継続ゲーム数を少なくしたりする構成としてもよい。
更に、上記出玉情報を利用してATモード移行抽選の当選確率や抽選契機となる遊技結果を変化させる構成としてもよい。例えば、ATモード移行抽選の当選確率を変化させる構成とする場合、出玉情報が上記高連荘状態を示すものであれば、ATモード移行抽選の当選確率を高くし、出玉情報が上記低連荘状態を示すものであれば、ATモード移行抽選の当選確率を低くする構成としてもよい。この場合、通常用のATモード移行抽選テーブルとCZモード用のATモード移行抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルにおいても出玉情報を利用してATモード移行抽選の当選確率を変化させる構成としてもよいし、いずれか一方(例えば、CZモード)の抽選テーブルにおいて、出玉情報を利用してATモード移行抽選の当選確率を変化させる構成としてもよい。
また、上記出玉情報を利用して各ゲームの抽選テーブルを変化させる構成としてもよく、例えば、出玉情報が上記高連荘状態を示すものであれば、メダル払出のメイン役としての押し順ベルや、ATモード移行当選となるメイン役としてのチャンス目A〜CやチェリーA〜C、スイカの当選確率が高くなるような抽選テーブルを用いて抽選処理が行われるようにし、出玉情報が上記低連荘状態を示すものであれば、上記メダル払出のメイン役や、ATモード移行当選となるメイン役の当選確率が低くなるような抽選テーブルを用いて抽選処理が行われるようにしてもよい。
そして、上記出玉情報を利用して、上記各種抽選処理(AT種別の抽選、天井モードの抽選、ストック抽選、CZモード移行抽選、ATモード移行抽選、各ゲームの抽選処理等)に用いられるカウンタを異ならせる構成としてもよい。例えば、更新範囲の異なる複数のカウンタを設け、出玉情報が上記高連荘状態を示すものであれば、更新範囲の狭いカウンタを用いて上記各種抽選処理が行われるようにすることでその抽選処理にて当選となる確率が高くなり、出玉情報が上記低連荘状態を示すものであれば、更新範囲の広いカウンタを用いて上記各種抽選処理が行われるようにすることでその抽選処理にて当選となる確率が低くなる、といったような構成としてもよい。
(8)天井カウンタを有利区間終了時の初期化対象としない構成において、通常区間にて天井カウンタが0となった場合に、その状態が維持される(有利区間移へ移行した後ATモード当選フラグがセットされる)構成としたが、天井カウンタが0付近となった場合(例えば、天井カウンタが10となった場合)に有利区間へ強制的に移行させる構成としたり、通常区間において天井カウンタが0付近となるにつれて有利区間への移行抽選の当選確率が高くなったり、有利区間への移行抽選の契機となる遊技結果の種類が増えたりする構成としてもよい。
(9)第2BB当選を持ち越した状態にて3ベットゲームを行わせる構成とし、有利区間中や通常区間においていずれのボーナス状態も生じないことを前提として説明したが、ボーナス状態が生じる構成としてもよい。この場合、例えば、ボーナス状態に移行することやボーナス状態への移行抽選に当選することで有利区間への移行が生じる構成としてもよいし、ボーナス状態に移行することやボーナス状態への移行抽選に当選することでは有利区間への移行が生じない構成としてもよく、ボーナス状態の種類によって有利区間への移行が生じるものと、生じないものとが存在する構成としてもよい。
(10)区間表示器が表示中の再遊技結果となるゲームを除いて純増枚数を算出したり(連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCに基づいて純増枚数を算出したり)、有利区間中の純増枚数を算出したり(有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYに基づいて純増枚数を算出したり)する構成としたが、他の状態を含めて、又は他の状態において純増枚数を算出する構成としてもよい。例えば、通常区間を含めて純増枚数を算出する構成としたり、通常区間において純増枚数を算出する構成としてもよい。
この場合、算出した純増枚数を利用して出玉調整を行う構成とするとよく、通常区間においては有利区間への移行抽選の当選確率や抽選契機となる遊技結果が純増枚数によって変化するような構成としてもよい。
(11)純増枚数の算出を、区間表示第2処理において出玉調整用処理が起動される各ゲームで行う構成としたり、出玉性能を変化させる処理の起動時(AT種別決定処理や天井カウンタの設定処理の起動時)に行う構成としたりしたが、別の契機で算出を行う構成としてもよい。例えば、区間表示第2処理において出玉調整用処理が複数回である所定回数起動される度に純増枚数の算出を行う構成としたり、出玉性能を変化させる処理が行われることが確定的となった状況(AT種別決定処理においては、例えばATモード当選フラグが格納された状況であり、天井カウンタの設定処理においては、例えばATモードの移行が生じた状況)にて上記純増枚数の算出を行う構成としてもよい。
(12)連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を、区間表示器が表示されたこと(ATモードフラグがセットされたこと)をメダル増加が生じる状況となったとして開始する構成としたが、実際にメダル増加が生じてから更新を開始する構成としてもよい。
また、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を、押し順ベル当選時の小役1入賞〜小役6入賞が成立したことを契機として開始する構成としてもよい。小役1入賞〜小役6入賞が成立する場合とは、押し順報知が発生した可能性が高く、このようにすることで、上記のように区間表示器が表示中であること(ATモード中であること)を契機とすること同じような効果を、より簡素な構成にて奏することできる。なお、たまたま押し順が合致したことを考慮して、押し順ベル当選時に小役1入賞〜小役6入賞が複数回である所定回数連続して成立したことを契機として更新を開始する構成としてもよい。この場合、押し順ベル当選時に小役9入賞〜小役32入賞が成立したり、取りこぼしが生じた場合に、上記各カウンタの更新を停止又は終了する構成としてもよい。
(13)上記各実施形態では、押し順報知が可能となるATモードを有し、当該ATモードへの移行が生じ得るようになる有利区間と、ATモードへの移行が生じない通常区間とが区別される遊技機を前提として説明したが、有利区間と通常区間とが区別されない遊技機に対しても、上記各発明を適用可能である。
(14)第1オフセットカウンタの値を設定するための連荘ゲーム数カウンタGC、有利区間ゲーム数AG、有利区間増減枚数MYの各値(閾値)は、上記のものに限定されず、他の値を閾値として、第1オフセットカウンタの値を設定してもよい。例えば、連荘ゲーム数カウンタGCの値が500よりも多い場合には第1オフセットカウンタに3を入力する構成として、500以下の場合(第1オフセットカウンタ≦2)よりも低連荘状態に設定され易くする構成としたが、第1オフセットカウンタを3とする閾値は500よりも大きくてもよいし小さくてもよく、他の第1オフセットカウンタの値についての閾値も同様である。
また、有利区間の強制終了条件が間もなく成立すると判定する閾値(有利区間ゲーム数AG≧1300、有利区間増減枚数MY≧2000)も上記のものに限定されず、それよりも大きくてもよいし小さくてもよい。但し、強制終了条件が間もなく成立するという閾値とするためには、強制終了条件(有利区間ゲーム数AG=1500、有利区間増減枚数MY=2400)の7割以上の値であることが好ましく、より好ましくは8割以上の値であることが好ましい。
(15)第2オフセットカウンタの値を設定するための純増枚数(出玉率)の各値(閾値)は、上記のものに限定されず、他の値を閾値として、第2オフセットカウンタの値を設定してもよい。例えば、純増枚数が3枚以上となり出玉率が200%となる場合に第2オフセットカウンタに2を入力して、3枚未満(200%未満)の場合よりも低連荘状態に設定され易くする構成としたが、第2オフセットカウンタを2とする閾値となる純増枚数や出玉率はそれよりも多くてもよいし少なくてもよく、他の第2オフセットカウンタの値についての閾値も同様である。
(16)連荘ゲーム数カウンタGC等に基づく出玉情報として第1オフセットカウンタに入力される値を0〜4とし、連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとに基づいて算出される純増枚数の出玉情報として第2オフセットカウンタに入力される値を0〜2とし、それぞれの出玉情報を5段階と3段階とで分類したが、より多い段階として分類してもよいし、少ない段階として分類してよいし、両出玉情報の段階数を同じ段階数としてもよく、第1オフセットカウンタよりも第2オフセットカウンタ側の段階数の方が多くなるようにしてもよい。
(17)AT種別決定処理においては、設定値に関わらず連荘状態に応じてAT種別が決定される一方、天井カウンタの設定処理においては、設定値と連荘状態とに応じて天井カウンタ(天井モード)が決定される構成としたが、AT種別についても設定値が影響を及ぼす構成としてもよいし、天井カウンタについて設定値に関わらず天井カウンタが決定される構成としてもよい。また、いずれについても設定値の影響が及ばない構成としてもよく、いずれについても設定値の影響が及ぶ構成としてもよい。
(18)AT種別決定処理、天井カウンタの設定処理、前兆ゲーム数の抽選処理において各オフセットカウンタ等の出玉情報を利用して出玉性能を変化させる構成としたが、出玉情報の一元管理による処理負荷を軽減するという観点からすると、出玉性能を変化させる構成は少なくとも2つ以上有していればよく、その組み合わせは自由であるし、3つ以上であってもよい。更に、同じゲームで行われる複数の処理において、共通の出玉情報を利用する構成としてもよい。
(19)ATモード開始ゲームを、第1ATモードであれば通常リプBとし、第2ATモードであれば通常リプCとして、これら通常リプBと通常リプCとの当選確率をいずれも同じ確率としたが、それぞれ異なる確率としてもよい。例えば、通常リプBよりも通常リプCの方が当選しにくい構成とすると、払出枚数が多い第2ATモードの方が当選報知から開始までに多くのゲーム数を要することとなり、当選報知から第2ATモード終了までのメダル数の増加を抑えることが可能となる。これにより、第1ATモードと第2ATモードとの実質的な有利度の差を小さくすることができ、出玉情報を利用した出玉性能の調整を行いつつも、実質的には大きな有利差が生じないようにすることも可能である。
(20)ATモード開始ゲームを、第1ATモードであれば通常リプBとし、第2ATモードであれば通常リプCとして、それぞれ別々の遊技結果としたが、共通の遊技結果としてもよい。この場合、例えば、第2再遊技結果と、第3再遊技結果とが重複当選する結果を設け、当該重複当選する結果において、移行させるATモードに対応する再遊技結果を入賞させるべく押し順報知等を行ったうえで、それぞれのATモードを開始する構成とするとよい。
(21)ATモード開始ゲームを再遊技結果とし、ATモードフラグがセットされることとなるゲームにおいては、出玉情報としての連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新が行われない構成としたが、開始ゲームについては再遊技結果であっても上記出玉情報の更新が行われる構成としてもよいし、開始ゲームを再遊技結果とは異なる結果(例えば0枚払出となる遊技結果や、3枚払出となる遊技結果)とし、開始ゲームも出玉情報の更新対象となる構成としてもよい。
(22)ATモードの当選報知が行われてから、ATモードが開始されるまでのゲームにおいても、出玉情報としての連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新対象としてもよい。また、ATモード移行抽選がおこなわれてからATモードに移行するまでのゲームにおいても、出玉情報としての連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新対象としてもよい。そして、これら更新対象とする各ゲームにおいて、出玉情報としての純増枚数の算出を行う構成としてもよい。
(23)AT種別決定処理を、ATモード移行抽選に当選した場合や天井カウンタが0となった場合(ATモード当選フラグがセットされる場合)に行う構成としてもよい。
(24)有利区間を、ATモード終了後、所定ゲーム数として100ゲームは保持される(通常区間に移行しないようにする)構成としたが、所定ゲーム数は100ゲームよりも多くてもよいし、少なくてもよい。天井カウンタとの関係では、上記所定ゲーム数は、天国モードの最大天井となるゲーム数(100ゲーム)よりも多くてもよいし少なくてもよく、天井モードのうちの通常モードの最大天井となるゲーム数(999ゲーム)と同じゲーム数としてもよく、それよりも多いゲーム数(例えば1500ゲーム)としてもよい。
また、所定ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよく、その抽選において、上記天井モードのうちの天国モードよりも多いゲーム数が所定ゲーム数となる確率が、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYによって異なる構成としてもよい。例えば、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYの強制終了条件間近(例えば上限の7割以上)となると、天国モードよりも多いゲーム数が所定ゲーム数となる確率が、それまでよりも低くなることによって、有利区間が終了し易くなる構成としてもよい。
(25)有利区間に移行した後、所定ゲーム数として少なくとも100ゲームはATモードに移行しなくても有利区間が継続する構成としたが、当該所定ゲーム数は、100ゲームよりも多くてもよいし少なくてもよい。
(26)各オフセットカウンタの初期値を0とし、有利区間の終了時等において初期値にリセットされることで、連荘状態としては高連荘状態とされ易くなることが初期設定となる構成としたが、各オフセットカウンタの初期値を変更する又は連荘状態テーブルを変更することにより、連荘状態としては低連荘状態とされ易くなることが初期設定となる構成としてもよい。
(27)連荘ゲーム数カウンタGCや有利区間ゲーム数AGの値が小さいほど第1オフセットカウンタに小さい値が入力されて高連荘状態とされ易くなる構成としたが、連荘ゲーム数カウンタGCや有利区間ゲーム数AGの値が大きいほど第1オフセットカウンタに小さい値が入力されて高連荘状態とされ易くなる構成としてもよい。
(28)連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOC等によって算出される純増枚数(出玉率)が少ないほど、第2オフセットカウンタに小さい値が入力されて高連荘状態とされ易くなる構成としたが、算出される純増枚数(出玉率)が少ないほど、第2オフセットカウンタに大きい値が入力されて低連荘状態とされ易くなる構成としてもよい。
(29)有利区間ゲーム数AGが1300以上であったり、有利区間増減枚数MYが2000以上である場合には、連荘ゲーム数カウンタGCの値に関わらず第1オフセットカウンタに4を入力して低連荘状態になり易くする構成としたが、これら有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYが対象となる値以上であっても、連荘ゲーム数カウンタGCの値に応じて第1オフセットカウンタの設定を行い、連荘ゲーム数カウンタGCの情報の方が有利区間の強制終了条件成立間近である情報よりも優先して第1オフセットカウンタの設定に利用される構成としてもよい。
(30)有利区間移行抽選テーブルにおいて、第2BB当選を持ち越している3ベットゲームにて当選し得る全ての遊技結果(外れを除く全ての結果)にて有利区間移行抽選を行う構成としたが、外れを含めて(抽選結果に関わらず)有利区間移行抽選を行う構成としてもよい。また、有利区間移行抽選が行われた場合、非当選とならないように当選確率を設定したが、一部非当選となる構成としてもよい。
(31)天井カウンタの設定処理において、連荘状態に応じて天井モードを抽選により決定し、その決定した天井モードの範囲内のゲーム数のうちの一のゲーム数を今回の天井カウンタに入力するゲーム数としてランダムに決定する構成としたが、天井モードの範囲内のゲーム数のうちの一のゲーム数を決定する際にも、連荘状態の情報を利用して、高連荘状態と低連荘状態とで同じ天井モードでも異なるゲーム数が選択され得る構成としてもよい。
(32)天井カウンタの設定処理において、連荘状態の情報だけでなく、他の情報も利用して天井カウンタに入力するゲーム数を決定する構成としてもよい。他の情報としては、例えば、今回終了するATモードの種類を利用する構成としてもよく、この場合、第1ATモードと第2ATモードとで、天井カウンタに入力するゲーム数が異なるようにしてもよい。より具体的には、第1ATモードの方が第2ATモードよりも浅い天井となるように(少ないゲーム数が天井カウンタに入力されるように)してもよいし、その逆としてもよい。
また、他の情報として、有利区間ゲーム数AGの情報を利用する構成としてもよく、例えば、上限ゲーム数までの残りゲーム数よりも少ないゲーム数が天井カウンタに入力されるようにしてもよい。
(33)第1ATモードや第2ATモードの上限払出数は上記のものに限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、第1ATモードや第2ATモードだけでなく、それ以外のATモードを有していてもよいし、第1ATモード及び第2ATモードのうちのいずれかだけを有する構成としてもよい。
上限払出数を上記のものよりも多くすることにより、第1ATモードや第2ATモードを消化するのに要するゲーム数は、上記のものよりも多くなり、上限払出数を上記のものよりも少なくすることにより、第1ATモードや第2ATモードを消化するのに要するゲーム数は少なくなる。
(34)各ATモードでメダル増加のメインの役として押し順ベルの当選確率や小役1入賞〜小役6入賞が成立した場合の払出枚数は上記のものに限定されず、それよりも当選し易くしたり当選しにくくしてもよいし、払出枚数も多くしてもよいし少なくしてもよい。すなわち、ATモードにおける期待純増枚数は、上記実施形態における約プラス8枚よりも多くてもよく少なくてもよい。ATモードにおける期待純増枚数を多くすることにより、第1ATモードや第2ATモードを消化するのに要するゲーム数は少なくなり、ATモードにおける期待純増枚数を少なくすることにより、消化するのに要するゲーム数は多くなる。
(35)各ATモードの終了条件として、上限払出数のメダル払出が生じたこととして設定したが、終了条件は他のものであってもよい。例えば、所定ゲーム数のゲームが消化されたこととして設定してもよいし、所定の終了結果が当選又は入賞したこととして設定してもよい。
(36)出玉調整用処理において、所定ゲーム数毎に、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの情報をリセットする構成としてもよい。例えば、所定ゲーム数として300ゲームや400ゲーム毎に連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの情報をリセットする構成としてもよい。また、連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCをそれぞれ複数有し、所定ゲーム数毎に、更新する連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCを切り替える構成としてもよい。例えば、所定ゲーム数を300ゲームや400ゲームとし、所定ゲーム数を消化するまでは、第1の連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとの更新を行い、所定ゲーム数を消化した後は、第2の連荘ゲーム数カウンタGCと連荘アウトカウンタOCとの更新を行う構成としてもよい。
(37)連荘アウトカウンタOCの情報、連荘ゲーム数カウンタGCの情報、各オフセットカウンタの情報、連荘状態の情報の他、連荘アウトカウンタOCや連荘ゲーム数カウンタGCを用いて算出される純増枚数の情報が、主制御装置101から他の制御装置(例えば、表示制御装置81や、遊技ホールのホールコンピュータやデータ管理装置等)へ出力される構成としてもよく、当該他の制御装置において、その出力された情報に対応する報知を行う構成としてもよい。この場合、当該情報を受信する他の制御装置において、出玉情報の管理を好適に行うことが可能となるし、例えば、設計値を凌駕する純増枚数となっている場合には、不正行為が行われていないかどうかの確認を遊技ホールの管理者等が行うことが可能となる。また、設計値を大幅に上回る純増枚数となった場合(純増枚数が所定値以上となった場合)には、エラー処理としてエラー報知を行ったり、エラー情報を遊技ホールのホールコンピュータ等に出力する構成としてもよいし、エラー処理として遊技の進行を停止させる遊技停止処理を行う構成としてもよい。
(38)第1BBや第2BBに単独当選し得る抽選テーブルの例を示したが、第1BBや第2BBが単独当選せずに他の遊技結果と重複して当選する構成としてもよい。例えば、第1BBや第2BBをいずれかの再遊技結果と重複当選する構成とすることにより、入賞が成立する優先順序により、第1BBや第2BBの当選ゲームでは、重複当選している再遊技結果側が入賞し、持ち越し状態とされ易くなる。つまり、上記のように重複当選する構成とすることで、当選ゲームにて第1BBや第2BB入賞が成立しにくくなる。
(39)連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの情報を、RAM106の非初期化エリアに格納することにより有利区間を跨いで出玉率の情報を引き継ぎ可能とする構成を示したが、有利区間終了時の初期化処理を免れるための構成は上記のものに限定されない。例えば、RAM106とは別途データ記憶可能なRAMを設け、当該別途設けたRAMに上記の出玉率の情報を格納する構成としてもよい。また、第2BB当選フラグを格納する保存用エリアに出玉率の情報を格納する構成としてもよい。
(40)純増枚数の算出に再遊技結果となったゲームの情報を含まないようにし、その再遊技結果となったゲームでは純増枚数の算出も行わない構成としたが、再遊技結果となったゲームの情報を含まないものの再遊技結果となったゲームにて純増枚数の算出を行う構成としてもよいし、再遊技結果となったゲームの情報を含むように連荘ゲーム数カウンタGCや連荘アウトカウンタOCの更新を行うものの、当該再遊技結果となったゲームでは純増枚数の算出を行わない構成としてもよい。
(41)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(42)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(43)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉調節を行う構成とし、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
パチンコ機においては、例えば、発射装置から発射された遊技球の数と、所定の入球部への入球に基づいて払い出される賞球数と、の差分である実増減球数を所定時間で除算した単位時間当たりの遊技球の増減数を、上記の出玉調節に用いる構成としてもよい。そして、その所定時間を複数設け、長い所定時間とそれよりも短い所定時間とで、それぞれ単位時間当たりの遊技球の増減数を算出し、それらを出玉調節に用いる構成としてもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとって有利な有利事象(例えば、天井モードとして超天国モードに設定されることや、AT種別として第2ATモードが選択されること)を生じさせるか否かの有利判定を実行可能な有利判定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理やAT種別決定処理を実行する機能)と、
前記払出手段により払い出された遊技媒体数を含む所定の増減情報(純増枚数)の判定を実行可能な判定手段(主制御装置101による出玉調整用処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果(純増枚数が3枚以上となること)に基づいて、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を異ならせるように設定することが可能な特定設定手段(主制御装置101による第1オフセットカウンタ及び第2オフセットカウンタにより規定される連荘状態と、その連荘状態を把握する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の払出数を含む所定の増減情報に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせるか否かの有利判定に関する処理を異ならせるような設定が行われる。このようにすることで、例えば、遊技媒体の払出数が設計値とかけ離れたものとなった場合に、有利事象の発生率を調節することを通じて、その遊技媒体の払出数を設計値通りとなるようにすることが可能となり、遊技の健全化を図ることができる。
なお、「遊技者にとって有利な有利事象」について、「前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる又は払い出される遊技媒体数が多くなる有利事象」と表現してもよく、このようにすることで、払出手段により払い出される遊技媒体の払出数を含む所定の増減情報と有利事象との関係性をより明確化することが可能となる。
また、「前記払出手段により払い出された遊技媒体数を含む所定の増減情報(純増枚数)の判定を実行可能な判定手段」について、「前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数に対して所定の演算処理(出玉率、純増枚数の算出処理)を行うことにより算出される払出数情報(連荘状態)を管理する払出情報管理手段」と表現してもよい。この場合、以下の構成における「所定の増減情報」を「払出数情報」として読み替えて適用するとよい。
特徴A2.前記特定設定手段は、前記判定手段による判定結果が、前記所定の増減情報として所定の遊技媒体の払出数(例えば、1ゲーム当たりの平均払出数)が特定数よりも少ないことに対応する結果である場合、前記有利判定において前記有利事象を生じさせるとする結果となり易くなるように設定し、前記判定手段による判定結果が、前記所定の遊技媒体の払出数が特定数よりも多いことに対応する結果である場合、前記有利判定において前記有利事象を生じさせるとする結果となりにくくなるように設定することが可能であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の遊技媒体の払出数が少なければ有利事象を発生させ易くすることを通じて出玉率を高くし、所定の遊技媒体の払出数が多ければ有利事象を発生させにくくすることを通じて出玉率を低くする、といったように、所定の増減情報の判定結果をもとに、出玉調整を行うことが可能となる。このようにすれば、遊技媒体の出玉率が極端に大きくなったり小さくなったりする事象を遊技機自身でうまくフィードバックすることが可能となる。
特徴A3.予め定められた特定遊技状態において、予め定められた上限増加数の遊技媒体の増加が生じたことに基づいて、遊技に関する情報の初期化処理を実行し、当該特定遊技状態を終了させる初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)を備え、
前記有利事象は、前記特定遊技状態において生じる事象であり、
前記判定手段は、前記特定遊技状態における前記所定の増減情報の判定を行うことを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、予め定められた上限増加数の遊技媒体の増加が生じると強制的に終了する特定遊技状態において、所定の増減情報の判定が行われ、その結果に基づいて、特定遊技状態中の有利事象の発生率の調整が行われるようになる。このようにすることで、特定遊技状態における遊技媒体の払出数が直ぐに上限増加数に達してしまうことを、有利事象の発生率を調節することを通じて回避することも可能となる。
特徴A4.前記初期化手段は、前記特定遊技状態において、予め定められた上限ゲーム数のゲームが実行されたことに基づいて前記初期化処理を実行し、当該特定遊技状態を終了させることが可能な構成であり、
前記特定遊技状態において前記有利事象が生じることにより、前記上限ゲーム数に達するよりも前に前記上限増加数に達し易くなることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態における強制終了条件として、上限増加数の他に上限ゲーム数が定められており、有利事象が生じることで上限ゲーム数に達する前に上限増加数に達し易くなる。このような構成において、有利事象の発生率を所定の増減情報により調整可能とすることで、特定遊技状態をなるべく上限ゲーム数となるまで楽しませることも可能となる。
特徴A5.前記上限ゲーム数に達することで前記初期化処理が行われて前記特定遊技状態が終了する場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段(表示制御装置81による強制終了時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記上限増加数に達することで前記初期化処理が実行されて前記特定遊技状態が終了した場合には、前記特典を付与しない、又は前記上限ゲーム数に達した場合よりも前記特典を付与しにくい構成であることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限ゲーム数に達し易くすること、すなわち、上限増加数にて特定遊技状態が終了することを回避すること、のメリットが、遊技を長く楽しむことができること以外に特典付与の有無といった点で生じることになる。これにより、所定の増減情報により有利事象の調整を行うことの意義をより高めることが可能となる。
特徴A6.前記判定手段は、予め定められた特定状況(有利区間、且つ再遊技結果ではないゲーム)における各ゲームで前記所定の増減情報の判定を実行可能であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、刻一刻と変化し得る所定の増減情報を常時把握することが可能となる。これにより、有利事象の調整を行ううえで、その調整時に判定するといった構成と比較して、予め判定されたものを使用できるため、当該調整時の処理負荷の増大化を抑制することができる。特に、有利事象を生じさせるか否かの有利判定はゲームの抽選結果を利用して行う構成であるし、有利判定の結果に関わらず派手な演出を伴うことが多いことからも、処理が集中する可能性が高い。そのため、上記構成のようにすることの意義は高く、このようにすることで、処理の分散化を通じて制御の好適化が図られる。
特徴A7.前記抽選手段による抽選結果として、今回のゲームにおいて前記賭数設定手段により設定された賭数と同数の賭数によるゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能とする再遊技が付与される再遊技結果が含まれており、
前記判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果であるゲームの情報を含めずに、前記所定の増減情報の算出を行うことを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
再遊技結果となったゲームは、基本的に賭数と払出数とが同数になる。そのため、そのゲームでの遊技媒体の増減は生じない。その一方で、例えば、1ゲーム当たりの遊技媒体の増減数を算出するような構成においては、再遊技結果のゲームの情報を加えると、その分母となるゲーム数が増えるだけなので、1ゲーム当たりの増減数は少なくなって希釈化されることになる。つまり、再遊技結果となる確率によって1ゲーム当たりの増減数は変化することになり、再遊技結果の当選率が高いほど少なくなり、再遊技結果の当選確率が低いほど多くなる。この場合、例えば、再遊技結果となる確率が異なる複数の遊技状態(所謂RT状態)を有する構成においては、これら複数の遊技状態によって1ゲーム当たりの増減数が変化することとなる。その点、上記構成においては、再遊技結果となったゲームの情報を含めないようにすることで、再遊技結果の当選確率の高低が所定の増減情報へ影響を及ぼさないようになり、遊技状態毎に基準を設けるなど、構成の複雑化を招くことなく、所定の増減情報による遊技媒体の増減の調整を行うことが可能となる。
特徴A8.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(小役1〜小役6)が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(小役9〜小役32)が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記判定手段は、前記有利状態において前記賭数設定手段により設定された賭数を前記払出手段により払い出された遊技媒体数が上回る状況となったゲームを契機として、前記所定の増減情報の判定を行うことを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。このような遊技性を前提とし、態様報知が可能となる有利状態において賭数よりも払出数が上回る状況となったゲームを契機として、所定の増減情報の判定が行われる。このようにすることで、態様報知の恩恵を受けたであろう状況での遊技媒体の所定の増減情報を判定する構成となり、通常状態での増減情報や、有利状態であっても遊技媒体の増加前の状況を考慮せずに、実質的に遊技媒体の増加が生じる状況での増減情報の判定を行うようにすることができる。
なお、「第1操作結果」と「第2操作結果」について、それぞれ、「前記払出手段は、前記第1操作結果の入賞が成立した場合には、前記賭数設定手段により設定されている賭数よりも多い枚数の遊技媒体の払出を行い、前記第2操作結果の入賞が成立した場合には、前記賭数設定手段により設定されている賭数よりも少ない賭数の遊技媒体の払出を行う」構成とすることとで、態様報知を契機として第1操作結果入賞が成立することによって、賭数を払出数が上回る状況であることがより明確化される。
特徴A9.前記態様報知実行手段は、前記有利状態において所定の開始条件が成立すること(例えば、ATモードが開始されてATモードフラグがセットされること)に基づいて、前記態様報知を実行可能な状態となり、
前記判定手段は、前記有利状態において前記開始条件が成立した後、前記賭数設定手段により設定された賭数を前記払出手段により払い出された遊技媒体数が上回る状況となったゲームを契機として、前記所定の増減情報の判定を行うことを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態において開始条件の成立後、態様報知の恩恵を受けた状況での所定の増減情報の判定を行うことが可能となり、有利状態であっても態様報知が行われないことで遊技媒体が増加しない状況での増減情報を考慮せずに、実質的に遊技媒体の増加が生じる状況での増減情報の判定をより好適に行うことができる。
特徴A10.前記判定手段は、前記所定の増減情報として、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分の1ゲーム当たりの平均値である特定増減枚数を判定するものであり、
前記特定設定手段は、前記判定手段により判定された前記特定増減枚数が予め定められた特定数(例えば3枚)より少ない場合、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となり易くなるようにし、前記判定手段により判定された前記特定増減枚数が前記特定数以上である場合、前記特定数より少ない場合よりも前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数を所定の増減情報として判定し、その判定結果に基づいて有利事象の生じ易さ等の設定の変更が行われる。このようにすることで、特定増減枚数が多くなって出玉率が高くなり過ぎること等を、特定設定手段による設定によって回避することが可能となり、遊技の健全化に寄与することができる。
特徴A11.前記特定数として、第1特定数(2枚)と当該第1特定数よりも多い第2特定数(3枚)とが設定されており、
前記特定設定手段は、
前記特定増減枚数が前記第1特定数より少ない場合、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となり易くなるようにし、
前記特定増減枚数が前記第1特定数以上であり且つ前記第2特定数より少ない場合、前記第1特定数より少ない場合よりも前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにし、
前記特定増減枚数が前記第2特定数以上である場合、前記第2特定数より少ない場合よりも前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定設定手段により有利事象の生じ易さを異ならせる特定純増枚数の基準(特定数)が複数段階となり、特定増減枚数が極端に多くなりすぎたり、極端に少なくなり過ぎたりすることを、より詳細に調整することができる。
特徴A12.前記判定手段による前記所定の増減情報の判定に用いられるゲーム数、又は前記特定設定手段による設定対象となる状態(有利区間)のゲーム数を把握するゲーム数把握手段(連荘ゲーム数カウンタGC、有利区間ゲーム数AG)を備え、
前記特定設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数を利用して、前記有利判定手段による前記有利判定の内容を異ならせるような設定を行うことが可能であることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の増減情報を用いて有利事象の発生率を設定するうえで、増減情報の判定に用いられるゲーム数や、特定設定手段による設定対象となる状態のゲーム数が利用される。そのため、例えば、少ないゲーム数でたまたま遊技媒体が増えたり減ったりした場合には、それを考慮することが可能となる。これにより、有利事象の発生率を設定することによる実効性を、より高めることができる。
特徴A13.前記特定設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた所定数(GC=200)以下であって且つ前記判定手段による判定結果が、前記所定の増減情報として所定の遊技媒体の払出数(例えば、1ゲーム当たりの平均払出数)が特定数以上であることに対応する結果である場合、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となり易くなるようにし、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記所定数よりも多く且つ前記判定手段による判定結果が、前記所定の遊技媒体の払出数が前記特定数以上であることに対応する結果である場合、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記所定数以下であって且つ前記判定手段による判定結果が、前記所定の遊技媒体の払出数が前記特定数以上であることに対応する結果である場合よりも、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の遊技媒体の払出数が同じであっても、ゲーム数が所定数以下であり、比較的少ないゲーム数で所定の遊技媒体の払出数が特定数以上となった場合は、有利事象が生じ易くなることが許容される一方、ゲーム数が所定数を超え、比較的多いゲーム数で特定数以上となった場合は、所定数以下の場合よりも有利事象が生じにくくなるようにされる。このようにすることで、少ないゲーム数でたまたま遊技媒体の払出数が多くなった場合にまで、有利事象の生じ易さの調整が行わることが抑制される。これにより、有利事象の調整を通じた出玉調整をより好適に行うことが可能となる。
特徴A14.前記特定設定手段は、
前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた第1所定数(GC=200)以下であって且つ前記所定の増減情報として所定の遊技媒体の払出数(例えば、1ゲーム当たりの平均払出数)が特定数(例えば3枚)以上である場合、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となり易くなるようにし、
前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記第1所定数よりも多く、且つ当該第1所定数よりも多い第2所定数(500)以下であって、更に前記所定の遊技媒体の払出数が前記特定数以上である場合、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記第1所定数以下であって且つ前記所定の遊技媒体の払出数が前記特定数以上である場合よりも、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにし、
前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記第2所定数よりも多く且つ前記所定の遊技媒体の払出数が前記特定数以上である場合、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記第1所定数より多く前記第2所定数以下であって且つ前記所定の遊技媒体の払出数が前記特定数以上である場合よりも、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の遊技媒体の払出数が同じであっても、有利事象は、ゲーム数が第1所定数以下である場合が最も生じ易く、第1所定数より多く第2所定数以下である場合が次いで生じ易く、第2所定数より多い場合が最も生じにくくなる。このようにすることで、少ないゲーム数でたまたま所定の遊技媒体の払出数が多くなった場合にまで、有利事象の生じ易さの調整が行わることを抑制し、有利事象の調整を通じた出玉調整を、よりゲームの進行に合わせて行うことが可能となる。
特徴A15.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値(設定1)が設定される場合と、当該第1設定値とは異なる第2設定値(設定6)が設定される場合とで、前記判定手段により判定される前記所定の増減情報の判定結果が共通していても、前記有利事象の生じ易さが異なることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の増減情報が同じでも、設定値が異なると有利事象の生じ易さが異なる。言い換えると、所定の増減情報の判定については、設定値に関わらず共通の判定処理を行っていても、その後のパラメータ等によって有利事象の生じ易さが異なる構成となる。これにより、所定の増減情報の判定用の構成を簡素化しながら、設定値による出玉率(遊技媒体の増減率や増減態様)の多様化を図ることが可能となる。
特徴A16.前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合、前記有利判定手段による前記有利判定において前記有利事象を生じさせるとする結果となる確率が第1確率であり、前記設定手段により前記第2設定値が設定されている場合、前記有利判定手段による前記有利判定において前記有利事象を生じさせるとする結果となる確率が前記第1確率とは異なる第2確率となるように、前記有利判定が設定されていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
上記構成は特徴A15の具体的構成であり、特に上記構成のように判定手段→特定設定手段→有利判定手段といった構成で有利事象を生じさせる構成において、下流側の有利判定手段にて有利事象の発生確率を異ならせるようにすることで、比較的簡素な設計変更により、特徴A15の効果を奏することが可能となる。
特徴A17.前記特定設定手段は、前記所定の増減情報として所定の遊技媒体の払出数(例えば、1ゲーム当たりの平均払出数)が特定数より少ない場合と前記特定数以上である場合との前記有利事象の生じ易さの差が、前記第1設定値と前記第2設定値とで異なるようにすることが可能であることを特徴とする特徴A15又は特徴A16に記載の遊技機。
上記構成も特徴A15や特徴A16の具体的構成であり、特に上記構成のように判定手段→特定設定手段→有利判定手段といった構成で有利事象を生じさせる構成において、上流側の判定手段にて有利事象の発生確率を異ならせるようにすることで、例えば、有利判定手段を複数有する構成などにおいて、設定値の影響を、それら複数の有利判定手段に及ぼすことが可能となり、多くのパラメータ変更を要することなく、特徴A15や特徴A16の効果を奏することが可能となる。
特徴A18.前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態(ATモード)として、第1払出数の遊技媒体の払出が生じ易くなる第1特定状態と、前記第1払出数よりも多い第2払出数の遊技媒体の払出が生じ易くなる第2特定状態と、が設定されており、
前記特定状態への移行を生じさせる場合、前記第1特定状態と前記第2特定状態とのいずれの特定状態への移行を生じさせるかを選択する選択手段(主制御装置101によるAT種別決定処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記選択手段において前記第2特定状態が選択されることを前記有利事象とする前記有利判定を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は特徴A1の具体的構成であり、遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態として第1特定状態と第2特定状態とが設定されている構成において、有利判定手段は払出数が多い側の第2特定状態が選択されるか否かの判定を行うものであり、第2特定状態の選択率が所定の増減情報によって異なることとなる。特に、このような構成とすることで、特定状態への移行率自体は変更する必要が生じないため、遊技者にその変更により出玉調整が行われたことを悟られにくくすることが可能となる。
特徴A19.遊技状態として、前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態(ATモード)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果を利用して、前記特定状態への移行を生じさせるか否かの移行抽選(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
予め定められた設定契機からのゲーム数が特定ゲーム数に達したことに基づいて前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記特定状態への移行を生じさせる特定移行手段(主制御装置101によるステップS815で肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記設定契機に基づいて、第1特定ゲーム数(例えば30ゲーム)と当該第1特定ゲーム数よりも多い第2特定ゲーム数(例えば100ゲーム)を含む、複数種類のゲーム数から前記特定ゲーム数を設定する特定ゲーム数設定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段は、前記特定ゲーム数設定手段において前記第1特定ゲーム数が設定されることを前記有利事象とする前記有利判定を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成も特徴A1の具体的構成であり、遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態を有し、ゲームの抽選結果に基づいて特定状態への移行を生じさせるか否かの移行抽選が行われることを前提としながら、特定ゲーム数が消化されることによって特定状態への移行を生じさせる所謂天井としての特定ゲーム数が、所定の増減情報によって異なることとなる。特に、このような構成とすることで、特定状態へ移行させるかの移行抽選自体は変更しないようにしながら出玉率の調整を行うことが可能となるため、例えば、ゲームの結果として出現率が低い所謂レア役当選時に特定状態への移行が生じなくなったりする、といった事象が発生しないようにし、遊技者に違和感を与えることなく出玉調整を行うことが可能となる。
特徴A20.前記判定手段は、前記所定の増減情報として、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分の1ゲーム当たりの平均値である特定増減枚数を判定するものであり、
前記判定手段により判定された前記特定増減枚数に関する特別報知を、所定の報知手段により実行可能な特別報知実行手段(表示制御装置81による状態推移報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数としての純増枚数が特別報知により把握可能となるため、遊技者は、どれくらいのスピードで遊技媒体が増加しているか(減少しているか)を知りながら、遊技を行うことが可能となる。特に、獲得した遊技媒体数の報知が行われたり、有利な状態での総ゲーム数の報知が行われる構成とは異なり、これら獲得遊技媒体数と総ゲーム数とにより算出される結果として特定増減枚数に関する報知であることから、例えば、実際には遊技媒体をあまり獲得できていなかったり、総ゲーム数が短かったりと、遊技者とって好ましくない情報を報知しないようにすることも可能である。より詳しくは、遊技媒体の総獲得数が少なくても、総ゲーム数も少なければ特定増減枚数は多くなり得るため、遊技者にとって好ましくない情報が如実に表現されてしまう報知とせず、遊技への関心低下を回避することが可能となる。
特徴A21.所定ゲーム数後の前記特定増減枚数を予測する第1予測手段(主制御装置101による状態推移報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記第1予測手段により予測された前記特定増減枚数に関する報知を前記特別報知として実行可能であることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数によって有利事象の発生率が変化する構成において、その発生率の変化が生じることを事前に把握したうえで遊技を行わせることができる。特に、特定増減枚数は、払出枚数と賭数との差分の平均値であることから、所定ゲーム数後の特定増減枚数が特定数より多くなり、有利事象が発生しにくくなるという予測であれば、払出枚数が少なくなるような遊技結果となることを願いながら遊技を行う、といったように、通常の遊技とは真逆の遊技性を実現することが可能となり、遊技性の多様化を通じて興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A22.前記払出手段により所定枚数の遊技媒体の払出が生じた場合の前記特定増減枚数を予測する第2予測手段(主制御装置101による状態推移報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記第2予測手段により予測された前記特定増減枚数に関する報知を前記特別報知として実行可能であることを特徴とする特徴A20又は特徴A21に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数によって有利事象の発生率が変化する構成において、その発生率の変化が生じることを事前に把握したうえで遊技を行わせることができる。特に、特定増減枚数は、払出枚数と賭数との差分の平均値であることから、所定枚数の払出が発生した後の特定増減枚数が特定数より多くなり、有利事象が発生しにくくなるという予測であれば、その払出枚数に達しないように払出枚数が少なくなるような遊技結果となることを願いながら遊技を行う、といったように、通常の遊技とは真逆の遊技性を実現することが可能となり、遊技性の多様化を通じて興趣向上を図ることが可能となる。
なお、「所定枚数」を、「前記特定増減枚数が前記特定数となるまでに必要な払出枚数」と表現してもよい。
特徴A23.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる又は払い出される遊技媒体数が多くなる有利事象(例えば、天井モードとして超天国モードに設定されることや、AT種別として第2ATモードが選択されること)を生じさせるか否かの有利判定を実行可能な有利判定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理やAT種別決定処理を実行する機能)と、
前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分の1ゲーム当たりの平均値である特定増減枚数を算出する算出手段(主制御装置101による出玉調整用処理において、純増枚数を算出する処理を実行する機能)と、
前記算出手段により算出された前記特定増減枚数が予め定められた特定数(例えば3枚)より少ない場合、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となり易くなるようにし、前記算出手段により算出された前記特定増減枚数が前記特定数以上である場合、前記特定数より少ない場合よりも前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにする変更手段(主制御装置101による第1オフセットカウンタ及び第2オフセットカウンタにより規定される連荘状態と、その連荘状態を把握する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、各ゲームで使用した遊技媒体数と、各ゲームで払い出された遊技媒体数との差分の1ゲーム当たりの平均値である特定増減枚数が算出され、その特定増減枚数が特定数以下であれば、遊技媒体が払い出され易くなる有利事象が生じ易くなり、特定数より多ければ、有利事象が生じにくくなる。そのため、有利事象が生じ易くなることを通じて、その後の特定増減枚数は多くなり易くなり、また、有利事象が生じにくくなることを通じて、その後の特定増減枚数は少なくなり易くなる。このようにすることで、特定増減枚数が極端に多くなりすぎたり、極端に少なくなりすぎたりすることを抑制し、遊技の健全化を図ることが可能となる。
なお、「変更手段」について、例えば、「前記算出手段により算出された前記特定増減枚数を利用して、前記有利判定の内容を変更可能とする変更手段」と表現してもよい。
また、特徴A23に対して、上記特徴A1乃至A22にて限定した各構成を個別に適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
特徴A24.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる又は払い出される遊技媒体数が多くなる有利事象(例えば、天井モードとして超天国モードに設定されることや、AT種別として第2ATモードが選択されること)を生じさせるか否かの有利判定を実行可能な有利判定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理やAT種別決定処理を実行する機能)と、
前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された賭数と、の差分である特定増減枚数を算出する算出手段(主制御装置101による出玉調整用処理において、純増枚数を算出する処理を実行する機能)と、
前記算出手段により算出された前記特定増減枚数が予め定められた特定数(例えば3枚)より少ない場合、前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となり易くなるようにし、前記算出手段により算出された前記特定増減枚数が前記特定数以上である場合、前記特定数より少ない場合よりも前記有利判定において前記有利事象が生じるとする結果となりにくくなるようにする変更手段(主制御装置101による第1オフセットカウンタ及び第2オフセットカウンタにより規定される連荘状態と、その連荘状態を把握する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、各ゲームで使用した遊技媒体数と、各ゲームで払い出された遊技媒体数との差分である特定増減枚数が算出され、その特定増減枚数が特定数以下であれば、遊技媒体が払い出され易くなる有利事象が生じ易くなり、特定数より多ければ、有利事象が生じにくくなる。そのため、有利事象が生じ易くなることを通じて、その後の特定増減枚数は多くなり易くなり、また、有利事象が生じにくくなることを通じて、その後の特定増減枚数は少なくなり易くなる。このようにすることで、特定増減枚数が極端に多くなりすぎたり、極端に少なくなりすぎたりすることを抑制し、遊技の健全化を図ることが可能となる。
なお、「変更手段」について、例えば、「前記算出手段により算出された前記特定増減枚数を利用して、前記有利判定の内容を変更可能とする変更手段」と表現してもよい。
また、特徴A23に対して、上記特徴A1乃至A22にて限定した各構成を個別に適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとって有利な第1有利事象(天井モードとして超天国モードが選択されること)を生じさせるか否かの第1有利判定を実行する第1有利判定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理を実行する機能)と、
遊技者にとって有利なものであって、前記第1有利事象とは異なる第2有利事象(ATモードの種別として第2ATモードが選択されること)を生じさせるか否かを判定する第2有利判定手段(主制御装置101によるAT種別決定処理を実行する機能)と、
前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数に対して所定の演算処理(出玉率、純増枚数の算出処理)を行うことにより算出される払出数情報(連荘状態)を管理する払出情報管理手段(主制御装置101による出玉調整用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1有利判定手段は、前記払出数情報を利用して前記第1有利判定を実行可能な構成であり、
前記第2有利判定手段は、前記払出数情報を利用して前記第2有利判定を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の払出数に対して所定の演算処理を行うことにより算出される払出数情報が払出情報管理手段により管理され、その払出数情報を用いて、第1有利事象を生じさせるか否かの第1有利判定が実行され、且つ第2有利事象を生じさせるか否かの第2有利判定が実行される。すなわち、第1有利事象と第2有利事象といった異なる事象を生じさせるか否かの各有利判定に、一元管理された共通の払出数情報が利用される構成であり、このようにすることで、各有利判定の実行時に払出数情報を算出するための演算処理を行う必要がなく、処理の分散化を通じて処理負荷の低減を図ることが可能となる。
なお、「遊技者にとって有利な」第1特定事象や第2特定事象について、「前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる又は払い出される遊技媒体数が多くなる」第1特定事象や第2特定事象として表現してもよく、このようにすることで、払出情報管理手段により管理される払出数情報と各有利事象との関係性をより明確化することが可能となる。
また、「前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数に対して所定の演算処理(出玉率、純増枚数の算出処理)を行うことにより算出される払出数情報(連荘状態)を管理する払出情報管理手段」について、「前記払出手段により払い出された遊技媒体数を含む所定の増減情報(純増枚数)の判定を実行可能な判定手段」と表現してもよい。この場合、以下の構成における「払出数情報」を「所定の増減情報」として読み替えて適用するとよい。
特徴B2.前記第1有利判定手段により前記第1有利判定が行われるゲームと、前記第2有利判定手段により前記第2有利判定が行われるゲームとが、異なるゲームであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各有利判定が異なるゲームであるため、払出数情報が別々のゲームで共用されることになる。このようにすれば、各有利判定に用いられる払出数情報を一元的に管理することによる効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴B3.前記払出情報管理手段は、予め定められた特定状況における各ゲームにて前記所定の演算処理を行うことで前記払出数情報を管理するものであることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出数情報が毎ゲーム更新されるため、常に最新の情報を用いて各有利判定を行うことができる。また、毎ゲーム払出数情報の演算処理が行われるようにすることで、各ゲームの処理負荷がより均一なものとなり、不規則なゲームで行われ得る各有利判定時だけ処理負荷が増加する事象を回避することができる。
特徴B4.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値(設定1)が設定される場合と、当該第1設定値とは異なる第2設定値(設定6)が設定される場合とで、共通の前記払出数情報を用いた場合、前記第1有利判定手段による前記第1有利判定では前記第1有利事象が生じるとする結果となる確率が共通であるのに対して、前記第2有利判定手段による前記第2有利判定では前記第2有利事象が生じるとする結果となる確率が異なることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成においては、共通の払出数情報を用いながら、第1有利判定では設定差がなく、第2有利判定では設定差があることになる。このような発生率に設定差がある事象とそうではない事象とであっても、それぞれの有利判定時の抽選確率等を調節するだけでよく、共通の払出数情報を利用するメリットをより高めることが可能となる。
特徴B5.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値(設定1)が設定される場合と、当該第1設定値とは異なる第2設定値(設定6)が設定される場合とで、同じ払出数であっても、前記払出情報管理手段により管理される前記払出数情報が異なることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、各有利判定に用いられる共通データとしての払出数情報自体に設定差を設けることで、比較的簡素な構成にて各有利判定での設定差を設けることができる。
特徴B6.遊技状態として、前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態(ATモード)が設定されており、
前記第1有利判定手段は、前記特定状態への移行前に前記第1有利判定を実行し、
前記第2有利判定手段は、前記特定状態への移行後に前記第2有利判定を実行し、
前記払出情報管理手段は、前記特定状態への移行前に前記所定の演算処理を実行可能であり、且つ前記特定状態への移行後に前記所定の演算処理を実行可能であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増加前後で第1有利判定と第2有利判定とが行われることになる。そのため、第1有利判定が行われる状況と第2有利判定が行われる状況とで、異なる出玉数情報となる可能性が高い。そこで、払出情報管理手段による所定の演算処理を特定状態の移行前後で行われ得る構成とすることで、それぞれの状況で適切な払出数情報を用いて有利判定を行うことが可能となる。
特徴B7.前記払出情報管理手段は、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数に関する第1特定情報(連荘アウトカウンタOC)と、前記払出数情報による管理対象となるゲーム数の情報である第2特定情報(連荘ゲーム数カウンタGC)とを用いた前記所定の演算処理を実行することにより、前記払出数情報の管理を行うことが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特定情報によって払出数情報が管理されるため、単なる払出数とは異なり、有利判定とは別途管理しておく意義が高められる。特に、遊技媒体の払出数に対応する第1特定情報と、そのゲーム数に対応する第2特定情報といったように、1ゲーム単位ではさほど意味のない(複数のゲームに亘っての情報であるから意味をなす)情報の組み合わせによって払出数情報の管理を行うことで、たまたま多い払出が生じた場合などの影響を少なくすることが可能となり、遊技者の利益に関する各有利判定をより好適に行うことが可能となる。
特徴B8.前記払出情報管理手段は、前記第1特定情報と前記第2特定情報とを用いた前記所定の演算処理を実行することにより算出される情報を利用した第1出玉情報(純増枚数を利用する第2オフセットカウンタ)と、前記第2特定情報を利用した第2出玉情報(連荘ゲーム数カウンタGCを利用する第1オフセットカウンタ)とを利用して前記払出数情報の管理を行うことを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出数情報は、第1特定情報と第2特定情報とをそのまま用いて管理するのではなく、第1特定情報と第2特定情報とを利用して所定の演算処理を行うことで算出される第1出玉情報と、第2特定情報を利用する第2出玉情報とにより管理される。このように、払出数情報の管理をより複雑化することで、各有利判定時に出玉数情報の算出を行うのではなく、払出情報管理手段により一元管理することのメリットがより高められる。
特徴B9.前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態(ATモード)として、第1払出数の遊技媒体の払出が生じ易くなる第1特定状態と、前記第1払出数よりも多い第2払出数の遊技媒体の払出が生じ易くなる第2特定状態と、が設定されており、
前記特定状態への移行を生じさせる場合、前記第1特定状態と前記第2特定状態とのいずれの特定状態への移行を生じさせるかを選択する選択手段(主制御装置101によるAT種別決定処理を実行する機能)を備え、
前記第1有利判定手段は、前記選択手段において前記第2特定状態が選択されることを前記第1有利事象とする前記第1有利判定を行うものであることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態として第1特定状態と第2特定状態とが設定されている構成において、第1有利判定手段は払出数が多い側の第2特定状態が選択されるか否かの判定を行うものであり、第2特定状態の選択率が払出数情報によって異なることとなる。特に、このような構成とすることで、特定状態への移行率自体は同じものとすることができ、遊技者に払出数情報による調整が行われたことを悟られにくくすることが可能となる。
特徴B10.前記特定状態へ移行させるか否かの移行抽選を行う移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第1有利判定手段は、前記移行抽選手段により前記特定状態への移行を生じさせるとする前記移行抽選が行われるゲームよりも後のゲームにて前記第1有利判定を行うことを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行抽選手段による移行抽選が行われた後、特定状態への移行が生じるまでに間が空くような構成であっても、移行時に合わせた払出数情報を用いて第2特定状態の選択といった第1有利判定が行われる。このようにすることで、移行抽選に当選後、移行が生じるまでに、遊技媒体数が減少した場合には、それを考慮した選択を行うことも可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、今回のゲームにおいて前記賭数設定手段により設定された賭数と同数の賭数によるゲームを新たな遊技媒体を要することなく実行可能とする再遊技が付与される再遊技結果が含まれており、
予め定められた特定状況(有利区間)において、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となるゲームを除いた各ゲームで、前記払出手段により払い出された遊技媒体の払出数と、前記賭数設定手段により設定された遊技媒体の賭数と、の差分の1ゲーム当たりの平均値である特定増減枚数を算出する算出手段(主制御装置101による出玉調整用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の払出数と賭数との差分の平均値である所謂純増枚数としての特定増減枚数の算出が行われる。このようにすることで、特定増減枚数のモニタリングをリアルタイムで行うことが可能となるし、特定増減枚数が設計値よりも多すぎるようになったり、少なすぎるようになったりした場合、払出数の調節を行う等、出玉管理を遊技機自らフィードバック制御するような構成とすることも可能である。
特に、上記構成では、再遊技結果となるゲームを除いて特定増減枚数の算出する構成としていることから、仮に、再遊技結果となる確率が異なる所謂リプレイタイムなどの特殊な状態へ移行し得るような構成であっても、その再遊技結果となる確率の変化に左右されず特定増減枚数による出玉管理等を行うことが可能となるし、そのような特殊な状況ではなくても、たまたま再遊技結果に多く当選したことによって特定増減枚数が希釈化されるといった事象を回避することが可能となる。このようにすることで、再遊技結果の当選確率や当否の偏りの影響を受けることなく、より簡素な構成にて特定増減枚数を算出することによる上記のメリットを享受することが可能となる。
特徴C2.前記算出手段は、前記算出手段により前記特定増減枚数の算出の開始契機となる契機ゲームを含めずに、前記特定増減枚数の算出を行うことが可能であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定増減枚数の算出を行うにあたり、その開始契機となるゲームの情報を含めることなく算出を行うことが可能となる。このようにすることで、算出を開始することの決定処理と、算出処理とが異なるゲームで行われることになり、処理の分散化が図られる。また、例えば、特定増減枚数の算出が開始されることの情報が遊技ホールのホールコンピュータに出力されたり、その開始されることの報知が行われたりし、更に、算出された特定増減枚数の情報が同ホールコンピュータに出力されたり報知されたりするような構成において、開始契機となるゲームでは、一方の情報(開始することの情報)だけが出力乃至報知されることになり、情報の錯綜に基づくエラー等の発生を好適に回避することができる。
特徴C3.前記開始契機となる契機ゲームは、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記再遊技結果であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技結果となるゲームの情報を含めずに特定増減枚数の算出を行う構成において、開始契機となる契機ゲームも再遊技結果となるため、当該契機ゲームであるか否かをあえて判断する必要が生じず、処理の簡素化が図られる。
特徴C4.前記特定状況において、遊技状態を、前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態へ移行させるか否かの移行抽選を行う移行抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記再遊技結果である場合、前記特定状態へ移行させるとする結果となるように前記移行抽選を実行可能であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において特定増減枚数の算出を行うにあたり、その特定状況中に遊技媒体の払出が生じ易くなる特定状態が設定されており、所定の再遊技結果となるゲームで、その特定状態への移行抽選に当選し得るようになる。このようにすることで、算出される特定増減枚数に大きく影響を及ぼし得る特定状態への移行抽選が行われるゲームの情報は、特定増減枚数の算出には用いられないようになり、例えば、特定増減枚数によって遊技性や遊技内容が変化するような構成において、注目箇所(注目するゲーム)の分散化を図り、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴C5.前記抽選手段による抽選結果として、所定数の遊技媒体の払出が行われ得る払出結果(例えば、小役7のスイカ)が設定されており、
前記移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果である場合、前記特定状態へ移行させるとする結果となるように前記移行抽選を実行可能であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記払出結果である場合よりも所定の前記再遊技結果である場合の方が、前記特定状態へ移行させるとする結果となる確率が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の再遊技結果ではなく、払出結果でも特定状態への移行が生じ得るような構成において、所定の再遊技結果にて特定状態への移行が生じる確率の方が、払出結果にて特定状態への移行が生じる確率よりも高くなる。これにより、特定状態への移行の生じる経路の多様化を図りながら、特徴C4の効果を好適に奏することができる。
特徴C6.前記特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となるゲームを含めたゲーム数を把握するゲーム数把握手段(有利区間ゲーム数AG)を備えることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、算出手段が特定増減枚数を算出するために用いる再遊技結果を除いたゲーム数とは別途、特定状況における再遊技結果を含むゲーム数が把握される。このような構成とすることで、特定状況において実際に消化されたゲーム数と、特定増減枚数とを利用した出玉状況のモニタリングを好適に行うことが可能となる。
特徴C7.前記算出手段により算出される前記特定増減枚数に関する特定情報(第1オフセットカウンタ、第2オフセットカウンタ)を記憶する記憶手段(主制御装置101のRAM106における各種カウンタエリア106e)と、
前記特定状況が終了したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況中においては、算出手段により算出された特定増減枚数に関する特定情報が記憶手段に記憶されているため、その特定増減枚数を何らかの処理に利用したい場合にはその特定情報から把握可能となり、利用時にその都度算出するといった構成と比較して、利便性が高められる。しかも、特定情報は特定状況が終了すると初期化されるため、次の特定状況においては、以前の特定状況に関わらず、新たに特定増減枚数の算出が行われることになる。このようにすることで、特定状況単位での特定増減枚数のモニタリングを好適に行うことが可能となる。
特徴C8.前記初期化手段により前記記憶手段の初期化が行われる場合、当該初期化前の前記特定情報に対応する情報を、前記初期化手段による初期化の対象とはならないように記憶可能な別記憶手段(主制御装置101のRAM106における非初期化エリア)を備え、
前記算出手段は、前記別記憶手段に記憶された前記特定情報に対応する情報を利用して、前記初期化の後に生じた前記特定状況において前記特定増減枚数の算出を行うことが可能であることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況が終了する場合には特定増減枚数の初期化が行われることを前提としながらも、初期化の際に特定増減枚数に対応する特定情報が別記憶手段により記憶されて初期化後も引き継がれる場合がある。そして、その初期化後に生じた特定状況において、初期化前の特定情報を利用した特定増減枚数の算出が行われ得る。このようにすることで、特定状況単位での特定増減枚数のモニタリングを前提としながらも、特定状況を跨いで特定増減枚数のモニタリングも可能となる。
特徴C9.前記算出手段は、前記初期化手段による初期化が行われてから、予め定められた特定ゲーム数よりも後に前記特定状況が生じた場合、前記別記憶手段に記憶されている前記特定情報を利用せずに前記特定増減枚数の算出を行うことが可能であることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、別記憶手段により記憶されている特定情報を利用可能なゲーム数に上限を設けることで、特定情報が終了してから次の特定情報までがあまりにも長く開いたのにも関わらず、特定情報が利用されることが制限される。言い換えると、特定状況と特定状況との間のゲーム数が特定ゲーム数以内であれば、先の特定状況での特定増減枚数を引き継いで、次の特定状況での特定増減枚数の算出が行われるようになる。よって、特定状況を跨いだモニタリングを好適に行うことが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記別記憶手段は、前記初期化手段による初期化が行われてから、予め定められた特定ゲーム数に亘って前記特定状況が生じなければ、記憶している前記特定情報を初期化することが可能である」。
特徴C10.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる有利区間と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常区間と、が設定されており、
前記特定状況は、前記有利区間に含まれるものであり、
前記算出手段は、前記有利区間において前記賭数設定手段により設定された賭数を前記払出手段により払い出された遊技媒体数が上回る状況となったゲームを契機として、前記特定増減枚数を算出することを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。このような遊技性を前提とし、態様報知が可能となる有利区間において賭数よりも払出数が上回る状況となったゲームを契機として、すなわち、特定増減枚数がプラスとなるゲームを契機として特定増減枚数の算出が行われる。このようにすることで、特定増減枚数として、態様報知の恩恵を受けたであろう状況での特定増減枚数を算出することが可能となり、通常区間の増減枚数や、有利区間であっても遊技媒体の増加前の増減枚数を考慮せずに、実質的に遊技媒体の増加が生じる状況での特定増減枚数を算出することができる。
特徴C11.前記態様報知実行手段は、前記有利区間において所定の開始条件が成立すること(例えば、ATモード当選報知演出が行われること)に基づいて、前記態様報知を実行可能な状態となり、
前記算出手段は、前記有利区間において前記開始条件が成立した後、前記賭数設定手段により設定された賭数を前記払出手段により払い出された遊技媒体数が上回る状況となったゲームを契機として、前記特定増減枚数を算出することを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利区間において開始条件の成立後、態様報知の恩恵を受けた状況での特定増減枚数を算出することが可能となり、有利区間であっても態様報知が行われないことで遊技媒体が増加しない状況での増減枚数を考慮せずに、実質的に遊技媒体の増加が生じる状況での特定増減枚数をより好適に算出することができる。
特徴C12.遊技媒体の増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定情報(連荘状態)が定められており、
前記算出手段により算出された前記特定増減枚数を利用して、前記設定情報の変更を行うことが可能な変更手段(主制御装置101による出玉調整用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、算出手段により算出された特定増減枚数を利用して設定情報の変更が行われ、遊技媒体の増減態様に変化が生じることになる。つまり、特定増減枚数を利用して遊技媒体の増減態様のフィードバック制御を行うことが可能となり、設計値とは大きく異なる遊技媒体の増減を抑制することができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行されたゲーム数を把握するゲーム数把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記有利状態において、遊技者にとって有利な有利事象(例えば、天井モードとして超天国モードに設定されることや、AT種別として第2ATモードが選択されること)を生じさせるか否かの有利判定を実行可能な有利判定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理やAT種別決定処理を実行する機能)と、
前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が第1数である場合、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を遊技者にとって有利となるようにし、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記第1数よりも多い第2数である場合、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を前記第1数の場合よりも遊技者にとって不利となるように設定することが可能な特定設定手段(主制御装置101による第1オフセットカウンタ及び第2オフセットカウンタにより規定される連荘状態と、その連荘状態を把握する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となる。この場合、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中に移行可能な設定とし、通常状態においては態様報知自体が行われないようにしていることから、有利状態の通常状態に対する優位性が担保され、遊技者としては有利状態を目指す遊技性であることが明確に理解可能となる。
しかも、上記構成においては、有利状態中の実行ゲーム数がゲーム数把握手段により把握され、その実行ゲーム数が第1数といった有利状態の序盤である状況においては、有利事象を生じさせるか否かの有利判定に関する処理が遊技者にとって有利となり、実行ゲーム数が第1数よりも多い第2数といった有利状態中の終盤に近くなる状況においては、当該有利判定に関する処理が序盤よりも不利なものとなる。このようにすることで、有利状態における有利度の波の高低を設定して遊技性を高めながらも、一の有利状態において全体的な有利度が高くなり過ぎないようにすることが可能となる。
それだけでなく、上記のように有利状態中の有利度の波の高低を設定することで、例えば、有利状態が連続した場合であっても、有利度の高い状況と低い状況とが連続するようになる。つまり、先側の有利状態の終盤では有利度が低く、後側の有利状態の序盤では有利度が高くなるため、有利状態が連荘した場合であっても、有利度が高い状況が連続して生じることが回避される。よって、有利状態を跨いで有利度が高くなり過ぎることを抑制することができる。
特徴D2.前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に達したことに基づいて、前記特定状態であるか否かに関わらず、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において強制終了用の処理を行う機能)を備え、
前記特定設定手段は、前記上限ゲーム数までのゲーム数が第3数である場合、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を遊技者にとって有利となるようにし、前記上限ゲーム数までのゲーム数が前記第3数よりも多い第4数である場合、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を前記第3数である場合よりも遊技者にとって不利となるように設定することが可能であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴D1において有利状態の終盤に有利度が低くなる構成であることがより明確化される。このようにすることで、有利状態の序盤は有利度が高く、終盤は有利度が低いといった、有利状態中の有利度の波を好適に実現することができる。
特徴D3.前記特定状態が終了した後、所定ゲーム数に亘って前記有利状態が終了することを制限可能な終了後保持手段(主制御装置101による有利区間継続カウンタに100を入力する処理を実行する機能)と、
所定の前記特定状態が終了した後、次に前記特定状態に移行するまでのゲーム数を設定するゲーム数設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定設定手段は、前記ゲーム数設定手段により設定されるゲーム数を前記所定ゲーム数よりも少ないゲーム数となり易くなるようにして前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を遊技者にとって有利となるようにすることが可能であることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の特定状態後は、所定ゲーム数に亘って有利状態が継続されるため、特定状態が所定ゲーム数以内で連荘した場合も含めて、有利状態の上限ゲーム数による強制終了の対象とすることができ、より上限ゲーム数による実効性を高めることができる。このような構成において、有利状態の序盤は連荘が発生し易くなるように、特定状態が終了した後、次に特定状態へ移行するまでのゲーム数として所謂天井ゲーム数が所定ゲーム数よりも少なくなるように設定が行われ、逆に有利状態の終盤は連荘が発生しにくくなるように当該天井ゲーム数が所定ゲーム数よりも多くなるように設定される。このようにすることで、天井ゲーム数の設定方法を変更するといった比較的簡素な構成を用いながらも、有利状態中の有利度の高低の波を実現し、且つ一の及び複数の有利状態に亘って有利度が高くなり過ぎないようにすることができる。
特徴D4.前記有利状態から前記通常状態に移行する場合、前記ゲーム数設定手段により設定されるゲーム数を初期化することが可能な初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)と、
前記通常状態から前記有利状態へ移行する場合、当該有利状態に移行してから前記特定状態に移行するまでのゲーム数を設定する第2ゲーム数設定手段(主制御装置101による有利区間当選時のAT天井の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態が終了する場合には、ゲーム数設定手段により設定された天井ゲーム数は初期化され、終了後、再度、有利状態に移行する場合には、第2ゲーム数設定手段により天井ゲーム数が設定される。つまり、特定状態終了後のゲーム数が所定ゲーム数以上となって有利状態が終了した場合、その際の天井ゲーム数が引き継がれるのではなく、有利状態に移行した際に、天井ゲーム数が再設定される。このようにすることで、天井ゲーム数の設定を利用して有利状態を終了させることを可能としながら、有利状態移行時に天井ゲーム数が設定されていない事象を回避することができる。
特徴D5.前記特定状態として、第1特定状態と当該第1特定状態よりも遊技者にとって有利な第2特定状態とが設定されており、
前記特定状態への移行を生じさせる場合、前記第1特定状態と前記第2特定状態とのいずれの特定状態への移行を生じさせるかを選択する選択手段(主制御装置101によるAT種別決定処理を実行する機能)を備え、
前記特定設定手段は、前記選択手段により前記第1特定状態よりも前記第2特定状態が選択され易くなるようにして前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を遊技者にとって有利となるようにすることが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利度が異なる第1特定状態と第2特定状態とが設定されている構成において、有利状態の序盤は有利な第2特定状態が選択され易く、逆に終盤は第1特定状態が選択され易くなるようにして、有利状態中の有利度の波の高低を設定する。このように、有利度の高い第2特定状態とそれよりも低い第1特定状態とを利用することで、有利度の波の高低を設定するうえで、実質的な有利度を直接的に設定する構成となり、よりその波が実現され易くなる。
特徴D6.前記特定設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数のうち、前記特定状態に移行してからの状況でのゲーム数が少ないほど、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を遊技者にとって有利となるようにすることが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の特定状態に移行してからの状況であるゲーム数が少ないほど、有利度が高くなり易くなるように設定される。このようにすることで、実質的に遊技媒体の増加が見込める状況であるゲーム数が少ない場合に有利度が高くなり、より有利状態の序盤の有利度を好適に高めることができるし、逆に、有利状態が長く続いているからといって、特定状態に移行していない状況も含めて有利状態の終盤の有利度を必要以上に低く抑えないようにすることもできる。
特徴D7.前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に達したことに基づいて、前記特定状態であるか否かに関わらず、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において強制終了用の処理を行う機能)を備え、
前記特定設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた特定ゲーム数以上である場合、当該ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数のうち、前記特定状態に移行してからの状況でのゲーム数に関わらず、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を前記特定ゲーム数未満である状況よりも遊技者にとって不利となるように設定することが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の消化ゲーム数が特定ゲーム数以上となった場合、特定状態に移行してからの状況でのゲーム数に関わらず、有利状態中の有利度が低くなるように設定される。つまり、有利状態中の消化ゲーム数の方が特定状態での消化ゲーム数よりも有利度の設定では優位な条件となっており、このようにすることで、有利状態が長く継続し過ぎることで有利となり過ぎないようにする、といった有利状態の実行ゲーム数に上限を設けたことの意義に反しないようにしながら、有利度の高低を設定することが可能となる。
特徴D8.前記特定ゲーム数は、前記上限ゲーム数の7割以上のゲーム数として設定されていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成は、特定ゲーム数が7割以上であり、特徴D7の機能が発揮される場面が、有利状態における上限ゲーム数間近であることを明確化するものである。
特徴D9.前記有利状態中の所定の状態において、遊技媒体の増加数を把握する増加数把握手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)と、
前記増加数把握手段により把握される増加数が、予め定められた上限増加数に達したことに基づいて、前記特定状態であるか否かに関わらず、当該有利状態を終了させる第2終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数が上限に達したことに基づいて強制終了用の処理を行う機能)と、
を備え、
前記特定設定手段は、前記増加数把握手段により把握される増加数が予め定められた特定数以上である場合、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数のうち、前記特定状態に移行してからの状況でのゲーム数に関わらず前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を前記特定ゲーム数未満である状況よりも遊技者にとって不利となるように設定することが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の所定の状態における遊技媒体の増加数が特定数以上となった場合、特定状態に移行してからの状況でのゲーム数に関わらず、有利状態中の有利度が低くなるように設定される。つまり、有利状態中の所定の状態における遊技媒体の増加数の方が有利度の設定では優位な条件となっており、このようにすることで、有利状態中の遊技媒体の増加数が多くなり過ぎないようにする、といった有利状態の遊技媒体の上限増加数を設けたことの意義に反しないようにしながら、有利度の高低を設定することが可能となる。
特徴D10.前記特定数は、前記上限増加数の7割以上の増加数として設定されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
上記構成は、特定数が7割以上であり、特徴D9の機能が発揮される場面が、有利状態における上限増加数間近であることを明確化するものである。
特徴D11.前記有利状態中の所定の状態において、遊技媒体の増加数を把握する増加数把握手段(主制御装置101によるMY更新処理を実行する機能)を備え、
前記特定設定手段は、前記増加数把握手段により把握される増加数が第1特定数である場合、前記増加数把握手段により把握される増加数が前記第1特定数よりも少ない第2特定数である場合よりも、前記有利事象を生じさせるか否かの前記有利判定に関する処理を遊技者にとって不利となるように設定することが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態中の所定の状態における遊技媒体の増加数が多いほど、有利度が低くなるように設定される。このように、有利状態への移行後のゲーム数だけでなく、実際の遊技媒体の増加数によっても有利状態中の有利度の高低を管理することで、有利状態中の有利度の波をより好適に管理することが可能となる。
特徴D12.前記抽選手段による抽選結果を利用して、前記通常状態から前記有利状態への移行抽選を行う有利移行抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記有利移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が外れ結果である場合を除く全ての抽選結果にて前記移行抽選を実行し、当該移行抽選にて非当選となることがないように当該移行抽選を実行することを特徴とする特徴D1乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態へは外れ結果を除く全ての抽選結果で100%移行する構成となる。このような構成においては、有利状態の終了直後に、再び有利状態への移行が生じる場合が多くなり、特徴D1のように、有利状態を跨いだ出玉率の管理(波の設定)を行うことの意義が高められる。
なお、「前記有利移行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が外れ結果である場合を除く全ての抽選結果にて前記移行抽選を実行」する、といった構成について、「前記抽選手段による抽選結果として、発生し易さが相対的に高低となるように高確率結果(例えば通常リプレイ)と低確率結果(外れ、又はレア役)とが設定されており、前記有利移行抽選手段は、少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記高確率結果である場合を含めて前記移行抽選を実行」する、と表現してもよい。
また、「当該移行抽選にて非当選となることがないように当該移行抽選を実行する」といった構成について、「当該移行抽選にて当選となる確率が特定確率以上となるように当該移行抽選を実行する」と表現してもよい。この場合、「特定確率」について好ましくは80%であり、より好ましくは90%であり、更に好ましくは100%である。
特徴D13.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果が入賞し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果が入賞する特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行可能となる特定状態(ATモード)への移行が可能な有利状態(有利区間)と、前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行不可となる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記有利状態において実行されたゲーム数を把握するゲーム数把握手段(有利区間ゲーム数AG)と、
前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が予め定められた上限ゲーム数に達したことに基づいて、前記特定状態であるか否かに関わらず、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において強制終了用の処理を行う機能)と、
所定の前記特定状態が終了した後、次に前記特定状態に移行するまでのゲーム数を設定するゲーム数設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数設定処理を実行する機能)と、
前記特定状態が終了した後、所定ゲーム数に亘って前記有利状態が終了することを制限可能な終了後保持手段(主制御装置101による有利区間継続カウンタに100を入力する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記ゲーム数設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が第1数である場合、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数が前記第1数よりも多い第2数である場合よりも、前記所定ゲーム数よりも少ないゲーム数を次の前記特定状態までのゲーム数として設定し易い構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なり得る特定結果当選時において、その停止操作の態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるので、態様報知に従った操作を行わせることで、遊技者に異なる利益を付与することが可能となり、態様報知が可能となる特定状態を有利状態中にのみ移行可能な設定とし、その有利状態に上限ゲーム数を定めることで、遊技媒体の増加が設計者の意図した範囲を凌駕するような事象を極力発生させないようにすることができる。この場合、有利状態中の特定状態後は、所定ゲーム数に亘って有利状態が継続されるため、特定状態が所定ゲーム数以内で連荘した場合も含めて、有利状態の上限ゲーム数による強制終了の対象とすることができ、より上限ゲーム数による実効性を高めることができる。
このような構成において、有利状態に移行してからしばらくの間は、特定状態後に有利状態が終了することなく次の特定状態に移行する所謂連荘が発生し易くなる。このような構成とすることで、有利状態へ移行してからしばらくの間の有利度を高くすることができ、有利状態に移行することへの期待感を好適に高めることが可能となる。しかも、上記構成は、有利状態に移行してからのゲーム数が多くなると、連荘が発生しくくなる構成である。つまり、有利状態の序盤では連荘が発生し易くなり、終盤では連荘が発生しにくくなる構成であり、序盤は出玉率が高くなり終盤は出玉率が低くなる、といったように有利状態における出玉率の波を意図的に設定することができる。このようにすることで、有利状態における出玉率の高低の波を設定して遊技性を高めながら、一の有利状態において全体的に出玉率が高くなり過ぎることを抑制することができる。
しかも、上記構成のような有利状態における出玉率の波を設定することで、例えば、有利状態が連続した場合であっても、出玉率の高い状態と低い状態とが連続することになる。つまり、先側の有利状態の終盤の出玉率は低く、後側の有利状態の序盤の出玉率は高いものであるため、有利状態が連荘した場合であっても、出玉率が高い状態が連続して発生する事象が回避される。よって、有利状態を跨いだ瞬間的な出玉率が高くなり過ぎることを抑制することができる。
なお、上記特徴D13に対し、上記特徴D1乃至D12にて限定した各構成を個別に適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56,57)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技状態を、前記払出手段により遊技媒体の払出が生じ易くなる状況が予め定められた終了条件が成立するまで継続する特定状態(ATモード)へ移行させるか否かの移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行抽選手段による抽選結果が前記特定状態へ移行させるとする結果である場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる移行手段(主制御装置101による入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定状態の前記終了条件が成立するまでに要する第1特定ゲーム数(例えば、第1ATモードの約25ゲーム)の間の、前記賭数設定手段により設定された賭数の総数に対する、前記払出手段により払い出された払出数の総数の割合である特定割合(出玉率)が、予め定められた特定割数(220%)を超過し得るように、前記特定状態中の前記抽選手段による抽選確率と前記払出手段により払い出される遊技媒体数とが定められており、
前記第1特定ゲーム数よりも多い第2特定ゲーム数(400ゲーム)の間の、前記特定割合が前記特定割数(220%)を超過することを、少なくとも前記特定状態中の前記抽選手段による抽選確率及び前記払出手段により払い出される遊技媒体数を変更することなく制限可能とする制限処理を実行する制限手段(主制御装置101による出玉調整用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
賭数の総数に対する払出数の総数の特定割合は、所謂出玉率と称されるものであり、出玉率が高いほど遊技媒体の増加スピードが速く、それをこの好むユーザーも多い一方、あまりにも出玉率が高く、遊技媒体の増加スピードを速くすると、その分、遊技媒体が増加しないような通常時における遊技媒体の減少スピードも速くなり、多くのユーザーに受け入れられる遊技機としては好ましくない、といった考えもある。その点、上記構成においては、抽選手段による抽選結果を利用して遊技媒体の払出が生じ易い特定状態へ移行する構成において、特定状態中の出玉率は特定割数を超過し得るように、当該特定状態中の抽選確率や払出数が定められているものの、特定状態よりも長いゲーム数(第2特定ゲーム数)でみると、出玉率が特定割数を超過することを制限する制限手段を備えているため、一時的な増加スピードを速めつつも長期的にみれば増加スピードを抑え、多くのユーザーに受け入れられる遊技機とすることが可能となる。
しかも、上記構成においては、特定状態よりも長いゲーム数でみた場合に、出玉率が特定割数を超過しないようにする構成は、特定状態中の各ゲームの抽選確率、及び払出数を変更しないものとしている。このようにすれば、制限手段により制限されることによって、せっかく特定状態へ移行したのにも関わらず、払出対象となる結果とならなかったり、いつもよりも払出数が少なくなったりする事象を回避し、遊技者の遊技へのやる気を削がないようにしながら、特定割数を超過しないようにすることが可能となる。
なお、「第1特定ゲーム数」を、「複数ゲーム数である第1特定ゲーム数」や「10ゲーム以上である第1特定ゲーム数」と限定してもよく、このようにすることで、特定割数を超過する特定状態が、たまたま多い払出数の抽選結果となったゲームを示すものではないことがより明確化される。
ちなみに、「特定割数」の具体的数値としては、例えば、「220%」であったり、「300%」が想定される。
特徴E2.前記第2特定ゲーム数は、前記第1特定ゲーム数の10倍以上のゲーム数として設定されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成は、出玉率が特定割数を超過する状況と超過しない状況との、ゲーム数の関係性を規定するものであり、上記構成のようにすることで、特定状態に対して、比較的長期的に見て、特定割数が超過しないように制限するものであることが明確化される。このように明確化することで、上記特徴E1に記載した効果をより好適に奏することが期待できる。
なお、「第2特定ゲーム数」の具体的数値としては、例えば、「400ゲーム」であったり、「500ゲーム」が想定され、この場合の「第1特定ゲーム数」は、「40ゲーム」であったり、「50ゲーム」となる。
特徴E3.前記制限手段による前記制限処理が行われない場合、前記第2特定ゲーム数の間の前記特定割合は、前記特定割数を超過し得る構成であることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記のように限定することで、単に第2特定ゲーム数の間の特定割合がもともと特定割数を超過しないように設定されている構成との差がより明確化される。
特徴E4.前記制限手段による前記制限処理が行われることにより、前記移行抽選手段による前記移行抽選の当選確率は変更されることなく、前記特定状態と前記特定状態との間のゲーム数が多くなることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
各ゲームの抽選手段による抽選結果を利用して特定状態への移行抽選を行うことを前提とすると、仮に制限手段による制限処理によって特定状態の移行抽選の当選確率を変更するような構成であると、いつもなら当選するはずの抽選結果であるのにも関わらず、制限処理によって当選しないようになる、といった違和感が生じ得る。その点、上記構成においては、特定状態への移行抽選の当選確率を変更することなく、特定状態と特定状態との間のゲーム数が多くなるようにすることで、上記の違和感を与えることなく、特定割数を超過しないようにすることができる。
特徴E5.前記特定状態が終了した後、次の前記特定状態へ移行するまでの移行ゲーム数を設定するゲーム数設定手段(主制御装置101による天井カウンタの設定処理を実行する機能)を備え、
前記移行手段は、前記特定状態が終了した後、前記移行抽選手段による移行抽選に当選することなく前記移行ゲーム数のゲームが消化された場合、当該移行抽選手段による移行抽選の結果に関わらず前記特定状態へ移行させる構成であり、
前記制限手段により前記制限処理が行われた場合、前記ゲーム数設定手段により設定される前記移行ゲーム数が、前記制限処理が行われない場合よりも多いゲーム数となるように構成されていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態が終了した後、次の特定状態へ移行するまでの移行ゲーム数として、所謂天井ゲーム数を設定する構成において、制限処理が行われることによってその天井ゲーム数が多くなる(深い天井が選択される)ようにすることで、特定状態の連続性が制限され、出玉率が特定割数を超過しないようになる。このようにすれば、各ゲームで実施され得る移行抽選の当選確率を変更することなく、特定状態の移行率や連荘率を調整し、出玉率の調整を行うことが可能となる。
特徴E6.前記制限手段による前記制限処理が行われた場合と、前記制限処理が行われない場合とで、前記ゲーム数設定手段により設定される前記移行ゲーム数のうちのゲーム数が最も多くなる移行ゲーム数は同じゲーム数であることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限処理が行われることによって天井ゲーム数としての移行ゲーム数が多いゲーム数のものが選択され易くなるとは言え、移行ゲーム数のうちの最も多いゲーム数となるものは、制限処理の有無に関わらず共通している。このようにすることで、制限処理の有無を遊技者に悟られてしまうことを回避することが可能となる。
特徴E7.前記特定状態が終了した後、前記移行抽選手段による移行抽選に当選することなく予め定められた特定ゲーム数(100ゲーム)が消化された場合、その後、前記ゲーム数設定手段により設定されている前記移行ゲーム数が再設定される構成であり、
前記制限手段により前記制限処理が行われた場合、前記ゲーム数設定手段により前記特定ゲーム数以上となる前記移行ゲーム数が設定され易くなることを特徴とする特徴E5又は特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態後に特定ゲーム数消化されると、天井ゲーム数の再設定が行われるような構成において、制限処理が行われると天井ゲーム数が特定ゲーム数以上となり易くなり、天井ゲーム数の再設定が行われ易くなる。つまり、特定状態後に天井ゲーム数を消化することによって必ず特定状態へ移行するといった前提を覆すことにより、特定状態の非連続性を実現し、出玉率が特定割数を超過してしまう事象を回避することが可能となる。
特徴E8.前記移行抽選手段による移行抽選に当選したことに基づいて、当該移行抽選に当選したことの当選報知を所定の報知手段にて実行可能な当選報知手段(表示制御装置81によるATモード当選報知演出を実行する機能)を備え、
前記移行手段は、前記移行抽選手段による移行抽選に当選した後、前記当選報知手段による前記当選報知が行われた後に前記特定状態へ移行させる構成であり、
前記移行抽選手段による移行抽選に当選した後、前記当選報知が行われるまでの報知ゲーム数を設定する報知ゲーム数設定手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段により前記制限処理が行われた場合、前記報知ゲーム数設定手段により設定される前記報知ゲーム数が、前記制限処理が行われない場合よりも多いゲーム数となるように構成されていることを特徴とする特徴E2乃至特徴E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行抽選に当選した後、当選報知が行われるまで特定状態への移行が生じない構成において、当該当選報知が行われるまでの報知ゲーム数(前兆ゲーム数)を調節することにより、特定状態の連続性の調整が可能となる。特に、既に移行抽選に当選した後であって当選報知が行われるまでの報知ゲーム数を調節するだけなので、実質的には、移行抽選が行われない状況でのゲーム数を調整することになり、移行抽選の当選確率に影響を及ぼすことなく、特定状態の非連続性を実現することができる。
特徴E9.前記制限手段は、前記特定状態における前記終了条件を変更することにより、前記特定割合が前記特定割数を超過しないようにすることが可能であることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態における終了条件を変更することで、特定状態自体での遊技媒体の払出数や継続ゲーム数(第1特定ゲーム数)に差が生じ得るものとなり、これにより、出玉率が特定割数を超過しないようにすることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記制限手段は、前記特定状態における前記終了条件が成立するまでの前記第1特定ゲーム数が変更されるようにして、前記特定割合が前記特定割数を超過しないようにすることが可能である」と表現してもよい。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。