JP2020080605A - スイッチトリラクタンスモータ - Google Patents

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崇宏 川島
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忍 大峠
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Abstract

【課題】消費電力を最小に至らしめるにおいてこれを自動的におこない収束性にも優れる、SRモータの制御機構を提供すること。【解決手段】 ロータ2のステータ3に対する位相を検出する位相検出部47と、検出された位相に基づいて、各相の巻線に対して順次予め設定された一定電圧を印加開始しまた印加終了し、印加開始から印加終了の間は電圧をON/OFFして、ロータ2を所定範囲の出力に至らしめかつ維持する電圧供給部44と、を有するSRモータ1であって、SRモータ1の電圧および電流を測定する電圧測定部45および電流測定部46と、ロータ2の励磁開始角αをずらすにあたり、式(1)に基づいて励磁開始角をαn+1=αn+Δαn+1とすることにより、指標値である消費電力Pを最小値に漸近させる駆動制御部48と、を具備したSRモータ1。【選択図】図5

Description

本発明は、モータの指標値、例えば、消費電力を自動的に速やかに最小に至らしめるスイッチトリラクタンスモータの制御技術に関する。
スイッチトリラクタンスモータ(以降SRモータと適宜称する)は、永久磁石を用いず、高速回転に適しており、出力も大きいという特性を有するため、近年需要が伸びつつあるモータである。
その制御方法のうち、例えば消費電力に関し、回転数やトルクといった同じ機械的出力を得るために必要な消費電力が最小となる駆動方法として、
1)事前にモータの回転位置に対するトルク特性やインダクタンス特性などのパラメータを測定しておき、そのデータに基づき駆動制御をおこなう方法(非特許文献1)、
2)動作中にインダクタンスを測定もしくは予測して適切な駆動条件を算出する方法(特許文献1)、
3)モータパラメータの測定や予測を用いることなく制御する方法(特許文献2)、
などが知られている。
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
1)の方法では、専用の測定設備が種々必要であって導入の障害となりやすいという問題点があった。
2)の方法では、外乱があった場合に意図せぬ騒音が発生し、また、駆動条件に基づく実施タイミングが限定的であるという問題点があった。
3)の方法では、最高電力効率が得られる条件への収束を早めようとすると、その条件に達した後も巻き線電流の立ち上がり若しくは立ち下がりのタイミングが大きく変化してしまい、収束性が悪化するという問題点があった。
特開平11−275891 特開2015−111983
中沢吉博ら「励磁区間可変シングルパルス制御によるスイッチトリラクタンスモータの効率向上に関する検討」電気学会論文誌D,135巻(2015)3号,p284−290
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、消費電力その他の所望の指標値を最小または最大に至らしめるにおいてこれを自動的におこない収束性にも優れる、スイッチトリラクタンスモータの制御機構を提供することを目的とする。
請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータは、巻線され回転対称に配された極に関し向かい合う組を1相として複数相の極を有するステータと、ステータに貫入し別途回転対称に形成された極を有するロータと、ロータのステータに対する位相を検出する位相検出手段と、位相検出手段により検出された位相に基づいて、各相の巻線に対して順次予め設定された一定電圧を印加開始しまた印加終了し、印加開始から印加終了の間は電圧をON/OFFして、ロータを所定範囲の回転数に至らしめかつ維持する駆動部と、を有するスイッチトリラクタンスモータであって、モータに関する、消費電力、発生トルク、発電電力、騒音その他の指標値Pを測定する指標値測定手段と、ステータの各回転において電圧印加を開始する位相である励磁開始角αをずらすにあたり、n回目のずらしによって得られた指標値とずらす前に得られた指標値との差ΔPを、n回目のずらし量である位相差Δαで割った値に基づいてn+1回目のずらし量Δαn+1を決定し、n+1回目のずらしにおいて励磁開始角をαn+1=α+Δαn+1とすることにより、指標値Pを最大値または最小値に漸近させる駆動部制御手段と、を具備したことを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、位相をずらした場合の指標値の変化に基づき次の位相のずらし量を決定するため、指標値を自動的に最大値または最小値に速やかに漸近させていくことが可能となる。
励磁開始角αは、各相それぞれに設けても良いし、代表とする相についてのみ設定し残余の相は回転対称である点を考慮して代表の相と同様に設定しても良い。
ずらす回数ないしタイミングは、例えば、0.5秒に1回とするやり方や30秒に1回とするやり方、10回転毎に1回とするやり方を採用でき、特に制限はない。
なお、指標値Pは励磁開始角αの関数すなわちP=P(α)であり、これが極大値および極小値を複数有する関数となっている場合、αをずらして漸近していくのは極値であるが、一般的には、おおよそPの最大値または最小値が得られるように狙いをつけて初期値αが設定されるので、実際に漸近していくのは最大値または最小値となる。また、最大値または最小値は、指標値の性質に依存し、消費電力であれば最小値であり、発電電力であれば最大値である。
請求項2に記載のスイッチトリラクタンスモータは、請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータにおいて、指標値は消費電力であって、Δαn+1=k・ΔP/Δα(ただし、kは定数とする)として、消費電力を最小値に漸近させることを特徴とする。
すなわち、請求項2に係る発明では、αに対する消費電力はなめらかに変化する曲線であると仮定できるため、kを一定値としても、この曲線の傾きに基づいて速やかに消費電力を最小に至らしめる簡便な制御が可能となる。
請求項3に記載のスイッチトリラクタンスモータは、請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータにおいて、指標値は発電電力であって、Δαn+1=k・ΔP/Δα(ただし、kは定数とする)として、発電電力を最大値に漸近させることを特徴とする。
すなわち、請求項3に係る発明では、αに対する発電電力はなめらかに変化する曲線であると仮定できるため、kを一定値としても、この曲線の傾きに基づいて速やかに発電電力を最大に至らしめる簡便な制御が可能となる。
請求項4に記載のスイッチトリラクタンスモータは、巻線され回転対称に配された極に関し向かい合う組を1相として複数相の極を有するステータと、ステータに貫入し別途回転対称に形成された極を有するロータと、ロータのステータに対する位相を検出する位相検出手段と、位相検出手段により検出された位相に基づいて、各相の巻線に対して順次予め設定された一定電圧を印加開始しまた印加終了し、印加開始から印加終了の間は電圧をON/OFFして、ロータを所定範囲の回転数に至らしめかつ維持する駆動部と、を有するスイッチトリラクタンスモータであって、モータに関する、消費電力、発生トルク、発電電力、騒音その他の指標値Pを測定する指標値測定手段と、ステータの各回転において電圧印加を終了する位相である励磁終了角βをずらすにあたり、n回目のずらしによって得られた指標値とずらす前に得られた指標値との差ΔPを、n回目のずらし量である位相差Δβで割った値に基づいてn+1回目のずらし量Δβn+1を決定し、n+1回目のずらしにおいて励磁終了角をβn+1=β+Δβn+1とすることにより、指標値Pを最大値または最小値に漸近させる駆動部制御手段と、を具備したことを特徴とする。
すなわち、請求項4に係る発明は、位相をずらした場合の指標値の変化に基づき次の位相のずらし量を決定するため、指標値を自動的に最大値または最小値に速やかに漸近させていくことが可能となる。
励磁終了角βは、各相それぞれに設けても良いし、代表とする相についてのみ設定し残余の相は回転対称である点を考慮して代表の相と同様に設定しても良い。
ずらす回数ないしタイミングは、例えば、0.5秒に1回とするやり方や30秒に1回とするやり方、10回転毎に1回とするやり方を採用でき、特に制限はない。
なお、指標値Pは励磁終了角βの関数すなわちP=P(β)であり、これが極大値および極小値を複数有する関数となっている場合、βをずらして漸近していくのは極値であるが、一般的には、おおよそPの最大値または最小値が得られるように狙いをつけ、初期値βが設定されるので、実際に漸近していくのは最大値または最小値となる。また、最大値または最小値は、指標値の性質に依存し、消費電力であれば最小値であり、発電電力であれば最大値である。
請求項5に記載のスイッチトリラクタンスモータは、請求項4に記載のスイッチトリラクタンスモータにおいて、指標値は消費電力であって、Δβn+1=k・ΔP/Δβ(ただし、kは定数とする)として、消費電力を最小値に漸近させることを特徴とする。
すなわち、請求項5に係る発明では、βに対する消費電力はなめらかに変化する曲線であると仮定できるため、kを一定値としても、この曲線の傾きに基づいて速やかに消費電力を最小に至らしめる簡便な制御が可能となる。
請求項6に記載のスイッチトリラクタンスモータは、請求項4に記載のスイッチトリラクタンスモータにおいて、指標値は発電電力であって、Δβn+1=k・ΔP/Δβ(ただし、kは定数とする)として、発電電力を最大値に漸近させることを特徴とする。
すなわち、請求項6に係る発明では、βに対する発電電力はなめらかに変化する曲線であると仮定できるため、kを一定値としても、この曲線の傾きに基づいて速やかに発電電力を最大に至らしめる簡便な制御が可能となる。
本発明によれば、消費電力や発電電力その他の所望の指標値を最小または最大に至らしめるにおいてこれを自動的におこない収束性にも優れる、スイッチトリラクタンスモータの制御機構を提供することができる。
本発明のSRモータの構成例を示した断面模式図である。 SRモータを中心とした回路構成図である。 制御模式図である。 電圧印加の様子と、コイルに流れる巻線電流との様子を示した説明図である。 励磁開始角αと消費電力Wとの関係を示した説明図である。 励磁開始角γと発電電力Wとの関係を示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施の形態1>
実施の形態1では、消費電力を最小に自動調整するSRモータについて説明する。ここでは、ステータは3相6極、ロータは4極である例を説明する。
図1は、本発明のSRモータの構成例を示した断面模式図である。図2は、SRモータを中心とした回路構成図である。図3は、制御模式図である。
SRモータ1は、図示したように、ロータ2とステータ3と回路部4とを有する。
ロータ2は鉄製の円柱軸21から、中心角を90°とした回転対称に4つの極22が突き出た形状である。
ステータ3は円筒体31の内側に鉄製の6つの極32が中心角を60°として回転対称にロータ2に向けて延設され、また、それぞれの極32にはその極32を励磁させるべくコイル33が巻かれている。
極22は極32と離間し、ロータ2の回転によって極32に干渉しない突き出し長さとしている。
向かい合う極32ないしこれに対するコイル33は組となって3つの相を形成する(便宜上これらをU相、V相、W相と称することとする)。回路部4は、対向する極32を同時に励磁して、ロータ2の4つの極22のうち励磁された極32に近い二つの極22を強く引きつけ、これによりロータ2が回転する。
ここで、回路部4は、励磁をU相→V相→W相→U相→とタイミング良くおこない、極22を常に引きつけるようにして回転を開始して維持し、SRモータ1を所定の出力に至らしめる。
回路部4は、具体的には、U相回路部41と、V相回路部42と、W相回路部43と、電圧供給部44と、電圧測定部45と、電流測定部46と、位相検出部47と、駆動制御部48と、により構成される。
U相回路部41、V相回路部42、W相回路部43は、駆動制御部48の制御のもと、U相、V相、W相に対して電圧の印加開始、印加終了、その間の印加のON/OFFをおこなう回路である。なお、図1では、U相回路部41の一部も描画している。
電圧供給部44は、一定電圧Vdcを回路に供給する。各相に対して、電圧を印加する際または電圧印加を終了する際に、大きな磁束密度の変化が生じ、極32の磁化が変化する。
電圧測定部45は、実際に回路に印加されている電圧Vを測定する。同様に、電流測定部46は、実際に回路に流れている電流Iを測定する。回路部4の消費電力すなわち、SRモータ1の消費電力Wは、W=VIとして算出される。
位相検出部47は、ロータ2の極22がステータ3に対してどの位相(位置、角度)にあるかを検出する。検出方法は特に限定されないが、光学センサによる例を挙げることができる。
駆動制御部48は、大まかには、位相検出部47からの情報に基づき、電圧供給部44の一定電圧VdcをU相回路部41に対して印加開始しそして終了し、続いてV相回路部42に印加開始しそして終了し、続いてW相回路部43に印加開始しそして終了し、続いてU相回路部41に印加を開始し、と順次切り替えて、ロータ2の極22を牽引する。
詳細には、U相を代表に説明すると、位相検出部47からの位相情報に基づき、極22が励磁開始角αにいたったとき、駆動制御部48は電圧供給部44をU相回路部41に接続して通電し、励磁終了角βにいたったとき通電を終了する。励磁開始角αの例として、例えば直近の極22がU相の極32の手前おおよそ30°にいたったときを挙げることができ、励磁終了角βの例として、例えば当該極22がU相極32の手前おおよそ5°に至ったときを挙げることができる。
そして、駆動制御部48は、通電開始から通電終了の間であっても、SRモータ1の出力(回転数またはトルクと言い換えることもできる)を維持すべく、U相回路部41に対しての電圧ON/OFFをおこなう。
電圧印加の様子と、コイル33に流れる巻線電流との様子を図4に示した。
加えて、駆動制御部48は、励磁開始角αと励磁終了角βを逐次ずらす調整をおこなって、SRモータ1の消費電力Wを最小にする制御をおこなう。ここでは、1秒ごとに微調整をおこなうものとして説明する。
まず、励磁開始角αについて説明する。
消費電力Wは、電圧測定部45および電流測定部46によりリアルタイムで測定されるVとIの積により算出できるが、ここでは、Wは1秒間の積算量を表すものとし、n回目の角度調整後の1秒間の消費電力をWと表記する(添え字cを省略する)。
n回目に角度調整された励磁開始角α=αによって得られた消費電力Wと、その前の回の消費電力Wn−1との差ΔW=W−Wn−1を、n回目の調整量(ずらし量)である位相差Δαで割った値にもとづき、n+1回目の位相差Δαn+1
Δαn+1=kα・ΔW/Δα・・・(式1)
(ただし、kαは定数とする)として決定し、n+1回目の励磁開始角αをαn+1=α+Δαn+1として駆動制御部48は、電圧印加を開始する。
ここで、消費電力Wは実際に測定されるVとIとの積ではあるが、基本的にはV=I・R(Rは回路の抵抗)の関係が成り立つので、モータの負荷が変わらなければWはIの二次関数またはこれに近似した曲線として振る舞う。励磁開始角αを変化させた場合、トルクと電流の関係が変わり、Iも付随して変化することから、そのとき消費電力Wはある曲線に添って変化し極値近傍では二次曲線に近似した曲線に添うものと仮定できる。すなわち、式1は曲線の傾きを示し、曲線の最小値を与えるαminから離れるほど傾きの絶対値が大きくなる結果、次回のずらし量Δαが大きくなり、結局αはαminに速やかに漸近していくこととなる。この様子を図5に示した。
なお、換言すれば、曲線の形状が負荷の大きさ、熱、外乱その他の要因によって変化する場合であっても、逐次αをずらして、常にそのときのαminを探るようにαが変化していくので、動的に消費電力量を最小化させることが可能になる。
仮にこのような消費電力Wの自動調整をおこなって得られる電力量の低減率が数%であったとしても、適用するSRモータの出力が大きなものである場合、モータの数が多い場合、長時間の駆動をする場合などでは、十分な導入メリットが得られる。
なお、αがαminからずれればそれだけ速やかにαを振れもどすので、kαは定数として、駆動制御部48の演算負担を少なくすることも可能となる。kαの値は、αを変化させる時間間隔等により適宜設定すればよく、図の例ではkα<0としている。
以上は、励磁開始角αの調整についての説明であるが、励磁終了角βも同様に調整できる。すなわち、同様の表記方法により、
Δβn+1=kβ・ΔW/Δβ(ただし、kβは定数とする)として位相差Δβn+1を決定し、n+1回目の励磁終了角βをβn+1=β+Δβn+1として駆動制御部48が、電圧印加を終了する。
なお、この調整タイミングはαと同時におこなってもよいが、消費電力Wの最小化に寄与しているのがαのずらしによるものなのかβのずらしによるものなのかが分けにくく、収束性に影響がでる可能性があるため、調整タイミングは別々にすることが好ましい。調整時間間隔はαと同じく1秒とすることができる。
以上はU相についての説明であるが、V相、W相についても同様である。
なお、仕様の態様により前の相の電圧印加終了のまえに、次の相の電圧印加を開始するような回路構成、制御態様として、消費電力Wを最小化するようにしてもよい。
また、上記の例では電圧測定部45と電流測定部46はそれぞれ1箇所としているが、三相それぞれにおいて検出するようにしてもよい。
<実施の形態2>
実施の形態1では、力行時の消費電力を自動的に最小にする態様を説明したが、発電時も同様に考えることができる。
実施の形態2では、ロータの先に図示しない水車がついており一定速度でロータが回転して発電する際に発電電力を最大にする態様について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同一の符号を付しその説明を省略するものとする。
回路部4について説明する。回路部4の電圧供給部44は、一定電圧Vdcを回路に供給する。各相に対して、電圧を印加する際または電圧印加を終了する際に、大きな磁束密度の変化が生じ、極32の磁化が変化する。このとき、ロータ2が外力により回転しているので各相への通電タイミングを調整することにより発電電力を得ることができる。
電圧測定部45は、実際に回路に発生する電圧Vを測定する。同様に、電流測定部46は、実際に回路に流れている電流Iを測定する。回路部4の発電電力すなわち、SRモータ1の発電電力Wは、W=VIとして算出される。
駆動制御部48は、大まかには、位相検出部47からの情報に基づき、電圧供給部44の一定電圧をU相回路部41に対して印加開始しそして終了し、続いてV相回路部42に印加開始しそして終了し、続いてW相回路部43に印加開始しそして終了し、続いてU相回路部41に印加を開始し、と順次切り替えて、ロータ2の極22に抵抗をかける。
詳細には、U相を代表に説明すると、位相検出部47からの位相情報に基づき、極22が励磁開始角γにいたったとき、駆動制御部48は電圧供給部44をU相回路部41に接続して通電し、励磁終了角ζにいたったとき通電を終了する。励磁開始角γの例として、例えば直近の極22がU相の極32の後ろおおよそ5°にいたったときを挙げることができ、励磁終了角ζの例として、例えば当該極22がU相極32の後ろおおよそ30°に至ったときを挙げることができる。
加えて、駆動制御部48は、励磁開始角γと励磁終了角ζを逐次ずらす調整をおこなって、SRモータ1の発電電力Wを最大にする制御をおこなう。ここでは、1秒ごとに微調整をおこなうものとして説明する。
発電電力Wは、電圧測定部45および電流測定部46によりリアルタイムで測定されるVとIの積により算出できるが、ここでは、Wは1秒間の積算量を表すものとし、n回目の角度調整後の1秒間の発電電力をWと表記する(添え字pを省略する)。
n回目に角度調整された励磁開始角γ=γによって得られた発電電力Wと、その前の回の発電電力Wn−1との差ΔW=W−Wn−1を、n回目の調整量(ずらし量)である位相差Δγで割った値にもとづき、n+1回目の位相差Δγn+1
Δγn+1=kγ・ΔW/Δγ・・・(式2)
(ただし、kγは定数とする)として決定し、n+1回目の励磁開始角γをγn+1=γ+Δγn+1として駆動制御部48は、電圧印加を開始する。
ここで、発電電力Wは実際に測定されるVとIとの積ではあるが、基本的にはV=I・R(Rは回路の抵抗)が成り立つので、モータに与えられる機械的エネルギーが変わらなければWはIの二次関数に近似した曲線として振る舞う。励磁開始角γを変化させた場合、トルクと電流の関係が変わり、Iも付随して変化することから、そのとき発電電力Wはある曲線に添って変化し極値近傍では二次曲線に近似した曲線に添うものと仮定できる。すなわち、式2は曲線の傾きを示し、曲線の最大値を与えるγmaxから離れるほど傾きの絶対値が大きくなる結果、次回のずらし量Δγが大きくなり、結局γはγmaxに速やかに漸近していくこととなる。この様子を図6に示した。
なお、換言すれば、曲線の形状が、水車に当たる水流、熱、外乱その他の要因によって変化する場合であっても、逐次γをずらして、常にそのときのγmaxを探るようにγが変化していくので、動的に発電電力量を最大化させることが可能になる。
仮にこのような発電電力Wの自動調整をおこなって得られる電力量の増加率が数%であったとしても、適用するSRモータの出力が大きなものである場合、モータの数が多い場合、長時間の駆動をする場合などでは、十分な導入メリットが得られる。
なお、γがγmaxからずれればそれだけ速やかにγを振れもどすので、kγは定数として、駆動制御部48の演算負担を少なくすることも可能となる。kγの値は、γを変化させる時間間隔等により適宜設定すればよく、図の例ではkγ>0としている。
以上は、励磁開始角γの調整についての説明であるが、励磁終了角ζも同様に調整できる。すなわち、同様の表記方法により、
Δζn+1=kζ・ΔW/Δζ(ただし、kζは定数とする)として位相差Δζn+1を決定し、n+1回目の励磁終了角ζをζn+1=ζ+Δζn+1として駆動制御部48が、電圧印加を終了する。
なお、この調整タイミングはγと同時におこなってもよいが、発電電力Wの最大化に寄与しているのがγのずらしによるものなのかζのずらしによるものなのかが分けにくく、収束性に影響がでる可能性があるため、調整タイミングは別々にすることが好ましい。調整時間間隔はγと同じく1秒とすることができる。
以上はU相についての説明であるが、V相、W相についても同様である。
なお、仕様の態様により前の相の電圧印加終了のまえに、次の相の電圧印加を開始するような回路構成、制御態様として、発電電力Wを最大化するようにしてもよい。
また、上記の例では電圧測定部45と電流測定部46はそれぞれ1箇所としているが、三相それぞれにおいて検出するようにしてもよい。
<実施の形態3>
以上の例では、指標値(消費電力、発電電力)が、励磁開始角または励磁終了角に対して二次曲線またはこれに近似した曲線であって、定義域に対して値域に極値をもつ例について説明したが、指標値が位相に対して直線的である場合や、二次曲線もしくはこれに近似した曲線であっても極値を持たない場合もある(最大値および最小値は当然ながら持つ)。
このときも、位相のずらしを定義域内に納めつつ励磁開始角または励磁終了角を変化させる制御自体はおこなうことができる。この場合は、常に角度は定義域の最大値または最小値に向かい(端に向かい)停留することとなり、ここで指標値の最大値または最小値をとり続けることになるがいずれにせよ、駆動制御部による制御は可能である。
本発明によれば、消費電力その他の所望の指標値を最小または最大に至らしめるにおいてこれを自動的におこない収束性にも優れる、スイッチトリラクタンスモータの制御機構を提供することができる。
なお、中途で外乱が生じた結果、最大でない極大値、最小でない極小値に漸近してしまう可能性があるので、数十回に一回は、ずらしをあえて大きく取り、はまり込んでいる極値を飛び越して本来目指すべき最大値や最小値をとるように制御するようにしても良い。
1 SRモータ
2 ロータ
21 円柱軸
22 極
3 ステータ
31 円筒体
32 極
33 コイル
4 回路部
41 U相回路部
42 V相回路部
43 W相回路部
44 電圧供給部
45 電圧測定部
46 電流測定部
47 位相検出部
48 駆動制御部

Claims (6)

  1. 巻線され回転対称に配された極に関し向かい合う組を1相として複数相の極を有するステータと、
    ステータに貫入し別途回転対称に形成された極を有するロータと、
    ロータのステータに対する位相を検出する位相検出手段と、
    位相検出手段により検出された位相に基づいて、各相の巻線に対して順次予め設定された一定電圧を印加開始しまた印加終了し、印加開始から印加終了の間は電圧をON/OFFして、ロータを所定範囲の回転数、トルク、または、出力に至らしめかつ維持する駆動部と、
    を有するスイッチトリラクタンスモータであって、
    モータに関する、消費電力、発電電力、騒音、発熱、振動、その他の指標値Pを測定する指標値測定手段と、
    ステータの各回転において電圧印加を開始する位相である励磁開始角αをずらすにあたり、n回目のずらしによって得られた指標値とずらす前に得られた指標値との差ΔPを、n回目のずらし量である位相差Δαで割った値に基づいてn+1回目のずらし量Δαn+1を決定し、n+1回目のずらしにおいて励磁開始角をαn+1=α+Δαn+1とすることにより、指標値Pを最大値または最小値に漸近させる駆動部制御手段と、
    を具備したことを特徴とするスイッチトリラクタンスモータ。
  2. 指標値は消費電力であって、
    Δαn+1=k・ΔP/Δα(ただし、kは定数とする)として、消費電力を最小値に漸近させることを特徴とする請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータ。
  3. 指標値は発電電力であって、
    Δαn+1=k・ΔP/Δα(ただし、kは定数とする)として、発電電力を最大値に漸近させることを特徴とする請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータ。
  4. 巻線され回転対称に配された極に関し向かい合う組を1相として複数相の極を有するステータと、
    ステータに貫入し別途回転対称に形成された極を有するロータと、
    ロータのステータに対する位相を検出する位相検出手段と、
    位相検出手段により検出された位相に基づいて、各相の巻線に対して順次予め設定された一定電圧を印加開始しまた印加終了し、印加開始から印加終了の間は電圧をON/OFFして、ロータを所定範囲の回転数、トルク、または、出力に至らしめかつ維持する駆動部と、
    を有するスイッチトリラクタンスモータであって、
    モータに関する、消費電力、発電電力、騒音、発熱、振動、その他の指標値Pを測定する指標値測定手段と、
    ステータの各回転において電圧印加を終了する位相である励磁終了角βをずらすにあたり、n回目のずらしによって得られた指標値とずらす前に得られた指標値との差ΔPを、n回目のずらし量である位相差Δβで割った値に基づいてn+1回目のずらし量Δβn+1を決定し、n+1回目のずらしにおいて励磁終了角をβn+1=β+Δβn+1とすることにより、指標値Pを最大値または最小値に漸近させる駆動部制御手段と、
    を具備したことを特徴とするスイッチトリラクタンスモータ。
  5. 指標値は消費電力であって、
    Δβn+1=k・ΔP/Δβ(ただし、kは定数とする)として、消費電力を最小値に漸近させることを特徴とする請求項4に記載のスイッチトリラクタンスモータ。
  6. 指標値は発電電力であって、
    Δβn+1=k・ΔP/Δβ(ただし、kは定数とする)として、発電電力を最大値に漸近させることを特徴とする請求項4に記載のスイッチトリラクタンスモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112398409A (zh) * 2020-11-20 2021-02-23 上海纯米电子科技有限公司 开关磁阻电机控制方法及装置

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