JP2020079851A - ドラムカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体と感光体を帯電する帯電部材を有し画像形成装置に着脱可能なドラムカートリッジにおいて、帯電部材の周方向に現像剤がスジ状に付着してしまうのを改善することができるドラムカートリッジおよびこれを備えた画像形成装置を提供する。【解決手段】現像剤を感光ドラム1に現像する画像形成装置に着脱可能である現像カートリッジDとは別に、画像形成装置に着脱可能なドラムカートリッジOであって、感光ドラム1と、前記感光ドラム1に接触して前記感光ドラム1を帯電させる帯電ローラ2と、前記帯電ローラ2と接触して前記帯電ローラ2を清掃する帯電クリーニング部材9と、を備え、前記帯電クリーニング部材9は前記帯電ローラ2に接触する弾性層を有し、前記弾性層は発泡体から構成され、前記弾性層のアスカーC硬度は5°〜30°である材料で構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、感光体と感光体を帯電する帯電部材を有し画像形成装置に着脱可能なドラムカートリッジおよびこれを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来の電子写真形成プロセスを用いた画像形成装置においては、感光体及び前記感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されているものが存在する。
感光体に作用するプロセス手段としては、感光体を帯電する帯電部材、感光体に残留した現像剤を除去するクリーニング部材、感光体の静電潜像に現像剤で現像する現像ユニット等がある。これらのプロセス手段を感光体とともに一体化して1つのカートリッジとし、ユーザーが一度に交換できるようにすることで、ユーザビリティの向上を図っている。
また、特許文献1には、このカートリッジを2つのカートリッジに分けて、別々に交換可能にした2体化構成が開示されている。具体的には、感光体、帯電部材、クリーニング部材を1つのカートリッジ(以下、ドラムカートリッジと記す)とし、現像ユニットを別の1つのカートリッジ(以下、現像カートリッジと記す)として、それぞれ別々に交換可能にしている。以下、このカートリッジ構成を2体化構成と記す。
2体化構成のカートリッジの利点を以下に説明する。ドラムカートリッジの寿命を決定する要因の1つである感光体の寿命は、おおよそプリント枚数で決定される。一方、現像カートリッジの寿命を決定する要因の1つである現像剤の量は、ユーザーがプリントする印刷物の印字率に大きく左右される。プリント1枚当たりの印字率は印刷ジョブによって異なる場合があるため、それぞれのカートリッジは寿命を迎えるタイミングが異なる。すなわち、カートリッジを2体化構成とすることで、それぞれのカートリッジを寿命まで使用可能にし、カートリッジの長寿命化を図っている。
また、帯電部材が感光体に接触して帯電する接触帯電方式を採用したカートリッジの場合、カートリッジの長寿命化に伴い、帯電部材である帯電ローラの表面に現像剤や現像剤表面に添加される微粒子(以下、外添剤と記す)が蓄積されしまう可能性がある。これは、カートリッジを使用していくうちに、感光体に付着した現像剤や外添剤が徐々にクリーニング部材をすり抜けてしまうことによる。このように帯電ローラの表面に現像剤や外添剤が蓄積されてしまった場合、帯電不良を引き起こし、ハーフトーン画像で濃度ムラとして顕在化してしまう。この帯電不良は、カートリッジの寿命の後半で発生する課題であり、カートリッジが長寿命であるほど顕著になる。
そこで、この課題に対する対策として、帯電ローラに可撓性を有する清掃シートを当接させて、帯電ローラの表面に付着した現像剤や外添剤(以下、付着物と記す)を除去する構成が提案されている(特許文献2)。特許文献2では、クリーニング部材であるクリーニングブレードが感光体に当接する構成で、クリーニングブレードと感光体の間をすり抜けて帯電ローラに付着した付着物を、清掃シートを帯電ローラに当接させることで除去している。
あるいは、前述の課題に対する対策として、帯電ローラの表面に凹凸をつけた構成が提案されている(特許文献3)。特許文献3では、帯電ローラの表面に凹凸をつけ、感光体と帯電ローラとの接触部において、帯電ローラの凹部に感光体が接触しないようにしている。これにより、感光体と帯電ローラの接触面積を小さくし、感光体から帯電ローラに外添剤が付着するのを低減している。
特開2006−64835号公報 特願2011−200761号公報 特開2010−48869号公報
しかしながら、ドラムカートリッジと現像カートリッジの2体化構成の場合、ユーザーの使用状況によって、旧品のドラムカートリッジと新品の現像カートリッジが混在する場合がある。このような組み合わせになった場合、すでにクリーニングブレードに回収された外添剤の塊がすり抜けて、帯電ローラ表面に塊のまま周方向にスジ状に付着してしまう問題がある。この問題の発生メカニズムについて以下に説明する。
ドラムカートリッジは、使用されることで感光体表面が荒れてしまいクリーニングしにくい状態になる。そして、新品の現像カートリッジ内に存在する現像剤は旧品に比べて帯電量が高いため感光体への付着力(静電付着力)が高くクリーニングしにくい。
ここで、新品の現像カートリッジにおいて現像剤の帯電量が高くなる理由を説明する。現像カートリッジが現像剤担持体を含む現像室と現像剤を収容する現像剤収容室を有する構成の場合、現像剤が現像室と現像剤収容室の間を行き来する。このため、現像カートリッジ内の現像剤はある一定の割合で、現像剤担持体において帯電する際の摺擦を受ける。このため、現像剤は、使用に伴って摺擦による劣化により帯電能が低い状態になってしまう。これを鑑み、上記現像カートリッジ構成の場合、現像剤の帯電量を必要最低限維持するために、現像剤の劣化による帯電量の低下を計算に入れて、新品状態での帯電量が高い現像剤を使用する必要がある。
前述したようにクリーニングしにくい感光体と帯電量が高い現像剤の組み合わせにおいて、現像剤が感光体とクリーニングブレードの当接部に突入すると、外添剤などにより当接部に形成されクリーニング性を向上させている阻止層を破壊する。そして、阻止層である外添剤の塊とともに当接部をすり抜けてしまう。この場合、当接部をすり抜ける外添剤は数μm〜数十μmの塊であり、徐々に外添剤がすり抜けて帯電ローラに付着していく通常の外添剤汚れの場合と異なる。このため、特許文献3に開示された帯電ローラ表面に数μm〜数十μmの凹凸をつけた構成であっても、その帯電ローラ表面の凹部にすり抜けた塊の外添剤は付着してしまう。また、特許文献2に開示された清掃シートでは、帯電ローラ表面の凹部に付着した外添剤に接触できないため、大きな除去効果が得られない。また、帯電ローラに当接させる清掃部材としてブラシを用いたとしても、一般的に使用されているブラシの繊維径は数μmのものが一般的である。このため、粒径が数μmのトナー付着には除去効果が得られるものの、粒径が数nm〜数百nmの外添剤の付着には大きな除去効果が得られない。ゆえに、帯電ローラに付着した外添剤の塊に対応した部分のハーフトーン画像上にスジ状の画像不良が発生する場合があった。
本発明の目的は、カートリッジ2体化構成において帯電部材への外添剤の付着を抑制することである。
上記目的を達成するため、本発明は、現像剤を像担持体に現像する画像形成装置に着脱可能である現像カートリッジとは別に、画像形成装置に着脱可能なドラムカートリッジであって、像担持体と、前記像担持体と接触して前記像担持体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材と接触して前記帯電部材を清掃する清掃部材と、を備え、前記清掃部材は前記帯電部材に接触する弾性層を有し、前記弾性層は発泡体から構成され、前記弾性層のアスカーC硬度は5°〜30°である材料で構成されることを特徴とする。
本発明によれば、カートリッジ2体化構成において帯電部材への外添剤の付着を抑制することができる。
実施例1に係る画像形成装置の説明図 実施例1に係るドラムカートリッジと現像カートリッジの説明図 実施例1に係る帯電クリーニング部材の平均骨格幅の計測方法の説明図 比較例1に係るドラムカートリッジと現像カートリッジの説明図 比較例2に係るドラムカートリッジと現像カートリッジの説明図 実施例2に係るドラムカートリッジと現像カートリッジの説明図 実施例3に係るドラムカートリッジと現像カートリッジの説明図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
実施例1に係るドラムカートリッジを備えた画像形成装置(電子写真画像形成装置)の全体構成について説明する。図2は、本実施例に係る画像形成装置100の断面図である。図2に示す画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザービームプリンタである。
[画像形成装置]
画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体に接続された画像読取装置、或いは画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体に入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。各色の画像形成部SY、SM、SC、SKは、それぞれドラムカートリッジと、ドラムカートリッジとは別体の現像カートリッジを1つずつ有する2体化構成である。ドラムカートリッジはOY、OM、OC、OKであり、ドラムカートリッジとは別体の現像カートリッジはDY、DM、DC、DKである。ドラムカートリッジOY、OM、OC、OKと、現像カートリッジDY、DM、DC、DKは、画像形成装置本体に設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100にそれぞれ独立に着脱可能となっている。各色用の現像カートリッジ内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。なお、各カートリッジの構成については、図1を用いて後述する。
本実施例の構成は、1つのドラムカートリッジに対して1つの現像カートリッジを配置する構成である。すなわち、ドラムカートリッジが有する1つの感光ドラムに対して1つの現像カートリッジを配置する構成である。この構成は、1つの感光ドラムに対して4つの現像カートリッジを配置する構成に対し、現像カートリッジを大きくできるため、現像カートリッジの長寿命化に有利である。しかし、この構成の場合、寿命間際でもトナーの帯電量を必要最低限維持するために、新品状態で帯電量が高いトナーを使用する必要がある。つまり、1つの感光ドラムに対して1つの現像カートリッジを配置する本実施例の構成は、1つの感光ドラムに対して4つの現像カートリッジを配置する構成に比べて長寿命化に対応することが出来るため、前述した課題が発生しやすい構成である。
像担持体である感光ドラム1は、図示しないモータ等の駆動手段により回転中心1aを中心に矢印A方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲にはスキャナユニット30が配置されている。スキャナユニット30は、画像情報に基づきレーザ光を照射して感光ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段である。スキャナユニット30は、4つの画像形成部の下方に配置されている。
4個の感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト31が配置されている。中間転写ベルト31は、4つの画像形成部の上方に配置されている。
中間転写ベルト31は、複数の張架ローラによって張架された無端状のベルトで形成され、4つの感光ドラム1に当接し、図2に示す矢印B方向(反時計回り方向)に循環移動(回転)する。
中間転写ベルト31の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ32が並設されている。そして、各一次転写ローラ32には、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト31上に転写(一次転写)される。
また、中間転写ベルト31の外周面側には、二次転写手段としての二次転写ローラ33が配置されている。そして、二次転写ローラ33には、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト31上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト31上に各色のトナー像が順次に重ね合わせて一次転写される。
その後、中間転写ベルト31の移動と同期が取られて記録材12が、中間転写ベルト31に二次転写ローラ33が当接している二次転写部へと搬送される。そして、記録材12を介して中間転写ベルト31に当接している二次転写ローラ33の作用によって、中間転写ベルト31上の4色トナー像は、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置34に搬送される。定着装置34において熱および圧力が加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、中間転写ベルト31に転写されないで表面に残ったトナーがクリーニング手段としてのクリーニング部材6によって除去され、次の画像形成に供される。本実施例のクリーニング部材6は、ウレタンゴム等のクリーニングブレード6であり、図1に示すように感光ドラム1の表面にエッジ当接している。クリーニングブレード6先端の当接方向は、感光ドラム1の回転方向(図1に示す矢印A方向)に対してカウンター方向である。クリーニングブレード6と感光ドラム1との当接位置は感光ドラム1の回転中心1aよりも重力方向において下方に位置されるように構成される。クリーニングブレード6と感光ドラム1との当接位置が感光ドラム1の回転中心1aよりも重力方向において下方に位置される構成は、感光ドラムとクリーニングブレードの当接部付近に外添剤が溜まりやすい。一方、クリーニングブレードと感光ドラムとの当接位置が感光ドラムの回転中心よりも重力方向において上方に位置される構成は、クリーニングブレードによって感光ドラムの表面から掻き取られた外添剤は重力によって自由落下しやすい。つまり、本実施例の構成のようにクリーニングブレード6と感光ドラム1との当接位置が感光ドラム1の回転中心1aよりも重力方向下方に位置する構成は、クリーニングブレードと感光ドラムとの当接位置が感光ドラムの回転中心よりも重力方向上方に位置する構成に比べて外添剤が溜まりやすいため、前述した課題が発生しやすい構成である。
[画像形成部]
画像形成部Sである、前記画像形成装置に着脱可能に装着されるドラムカートリッジOと現像カートリッジDの構成について図1を用いて説明する。
図1は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たドラムカートリッジOと現像カートリッジDの模式断面図である。尚、本実施例では、収容している現像剤の色(Y,M,C,K)を除いて、各色用のドラムカートリッジOと現像カートリッジDの構成および動作は実質的に同一である。
ドラムカートリッジOは、像担持体である感光ドラム1、帯電部材である帯電ローラ2、クリーニング部材であるクリーニングブレード6、清掃部材である帯電クリーニング部材9を備えている。現像カートリッジDは、現像剤担持体である現像ローラ4、現像剤供給部材である供給ローラ5、現像剤であるトナー10、トナー10を収容する現像剤収容部である現像剤収容室18などを備えている。本実施例の感光ドラム1は直径30mm、現像ローラ4は直径16mmであり、ドラムカートリッジOと現像カートリッジDが画像形成装置に装着された状態で、感光ドラム1と現像ローラ4は対向する。
図1において、ドラムカートリッジOには、図示しない軸受を介して感光ドラム1が回転可能に取り付けられている。感光ドラム1は、感光ドラム駆動手段(不図示)としての駆動モータの駆動力を受けることによって、画像形成動作に応じて図1に示す矢印A方向に回転駆動される。本実施例の感光ドラム1の周速度は200mm/secである。
また、ドラムカートリッジOには、感光ドラム1の周面上に接触するように、帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の周面に接触し、感光ドラム1の回転に従動して回転する。帯電ローラ2には、図示しない帯電バイアス印加手段としての帯電バイアス電源(高圧電源)から、感光ドラム1の表面を帯電させるためのバイアスが印加される。さらにドラムカートリッジOには、帯電ローラ2の表面に接触するように、帯電クリーニング部材9が配置されている。帯電クリーニング部材9は、帯電ローラ2に接触して帯電ローラ2を清掃する清掃部材である。帯電ローラ2と帯電クリーニング部材9については後で詳述する。
スキャナユニット30から画像情報に基づきレーザ光11が照射され、帯電ローラ2により帯電された感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。
一方、現像カートリッジDは、現像室19と現像剤収容室18から成り、現像剤収容室18は現像室19の下方に配置されている。この現像剤収容室18の内部には、現像剤としてのトナー10が収容されている。本実施例のトナー10は平均粒径7μmであり、外添剤として疎水性シリカ微粉体(平均粒径10nm)を、トナー粒子100質量部に対し、1.3質量部外添したものを用いた。トナーの正規帯電極性は、負極性を用いており、以下、負帯電性トナーを用いた場合について説明する。
また、現像剤収容室18には、このトナー10を現像室19に搬送するための現像剤搬送部材20が設けられている。現像剤搬送部材20が、現像駆動手段(不図示)としての駆動モータの駆動力を受けることによって図1に示す矢印G方向へ回転することで、トナー10が現像室19へと搬送される。
現像室19には、感光ドラム1と接触し、現像駆動手段(不図示)としての駆動モータの駆動力を受けることによって図1に示す矢印D方向に回転する現像剤担持体としての現像ローラ4が設けられている。本実施例では、現像ローラ4と感光ドラム1とは、対向部(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。現像ローラ4の周速度は300mm/secである。また、現像ローラ4には、図示しない現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源(高圧電源)から、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像、可視化するためのバイアスが印加される。本実施例の現像バイアスは−300Vである。
また、現像室19には、現像剤収容室18から搬送されたトナー10を現像ローラ4に供給する現像剤供給部材である供給ローラ5と、供給ローラ5によって供給された現像ローラ4上のトナーのコート量規制及び電荷付与を行う規制部材8が配置されている。供給ローラ5は現像駆動手段(不図示)としての駆動モータの駆動力を受けることによって図1に示す矢印E方向に駆動回転する。本実施例では、図示しないバイアス電源から、供給ローラ5に供給バイアス−400V、規制部材8には規制バイアス−400Vが印加される。
本実施例の現像構成は、感光ドラム1に現像ローラ4が接触する、いわゆる接触現像方式を採用している。接触現像方式では、感光ドラム1と現像ローラ4の間に空隙を設けて現像を行ういわゆるジャンピング現像方式に対して、トナー10の帯電量が高いものも現像される。つまり、本実施例の構成である接触現像方式は、ジャンピング現像方式に比べて帯電量が高いトナーが感光ドラム1に現像されるため、前述した課題が発生しやすい構成である。
また、本実施例の供給ローラ5は現像ローラ4の接触部において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。この構成を以下にウィズ構成と記す。これに対し、供給ローラ5が現像ローラ4の接触部において互いの表面が逆方向に移動する構成をカウンター構成と記す。ウィズ構成では、カウンター構成に比べて、現像ローラ4上のトナー10に対する剥ぎ取り能力が低いために、同じトナーが繰り返し摺擦されるため、トナー10の帯電量が上昇しやすい。つまり、本実施例の構成であるウィズ構成は、カウンター構成に比べて剥ぎ取り能力が低く、帯電量が高いトナーが現像されやすい構成であるため、前述した課題が発生しやすい構成である。
また、本実施例は現像ローラ4を含む現像室19とトナー10を収容する現像剤収容部である現像剤収容室18を合わせて1つの現像カートリッジとしている。トナー10が現像室19と現像剤収容室18の間を行き来するため、現像カートリッジ内の全てのトナー10がある一定の割合で、現像ローラ4上において帯電する際の摺擦を受ける。このため、寿命間際のトナー10は、摺擦による劣化により帯電能が低い状態になってしまう。これを鑑み、本実施例のような現像カートリッジ構成の場合、寿命間際においてのトナー帯電量を必要最低限維持するために、トナー10の劣化による帯電量の低下を計算に入れて、新品状態での帯電量が高いトナー10を使用する必要がある。一方、現像カートリッジとは別に現像剤収容室18を持ち、消費した分のトナーを現像剤収容室18から現像カートリッジに補給する構成の場合(以下、補給構成と記す)、寿命間際においても常に新品状態のトナーが現像室19に供給される。すなわち、トナーの劣化を鑑みて必要以上に帯電能力が高いトナーを使用する必要はなく、トナーの帯電量がカートリッジの使用初期から寿命まで不必要に高くなることがなく安定する。つまり本実施例のようにトナーが収容された現像剤収容室18を持つ構成は、別に設けた現像剤収容部からトナーを補給する構成に比べてトナーが劣化しやすくトナーの帯電量をあらかじめ高く設定しないといけないため、前述した課題が発生しやすい構成である。
(帯電ローラ)
本実施例の帯電ローラ2は、導電性弾性層と高抵抗層とから構成される。導電性弾性層は、芯金と、その周面に設けられた厚さ約2.5mmのウレタンゴム等からなる。高抵抗層は、導電性弾性層の周面に設けられた厚さ数μmの表面層であり、ウレタンゴムにカーボンブラックを分散させた材料で構成される。さらに表面層である高抵抗層には、表面に凹凸をつけるための粗し粒子である球形のPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)粒子が分散されている。これは前述した、使用していくうちに徐々にクリーニングブレード6をすり抜けてしまう感光ドラム1の付着物が帯電ローラ2に付着してしまうのを軽減するための構成である。粗し粒子の平均粒径は10μmのものを使用し、本実施例では、帯電ローラ2の粗し粒子の量を増減させて凹凸平均間隔Smを振ったサンプルA〜Dを使って検討を行った。帯電ローラ2の全てのサンプル表面の十点平均粗さは、ほぼRz=5μmであった。表1に各帯電ローラの凹凸平均間隔Smを示す。検討結果に関しては後述する。
Figure 2020079851
十点平均粗さRz、凹凸平均間隔Sm共にJIS−B0601−1994に記載の表面粗さパラメーターであり、接触式表面粗さ測定器SE3500(株式会社小坂研究所製)を用い、以下の条件下で測定を行った。条件は、基準長:2.0[mm]、評価長さ:8.0[mm]、送り速度:0.1[mm]、フィルター:ガウス、である。
十点平均粗さRzは、前述の徐々にクリーニングブレード6をすり抜けてしまう感光ドラム1の付着物が帯電ローラ2に付着する観点から1μm以上のものが望ましい。また、十点平均粗さRzが大きすぎても、帯電ローラ2の表面形状に起因した帯電ムラが発生するため、十点平均粗さRzは30μm以下のものが望ましい。すなわち、帯電ローラ2の表面の十点平均粗さRzは、1μm≦Rz≦30μmの関係を満たすことが望ましい。
凹凸平均間隔Smは、小さすぎると感光ドラム1の付着物が付着する帯電ローラ2の凸部の割合が増えてしまう。また、大きすぎると帯電ローラ2の表面の凸部と凸部の間隔が広くなることで、結局凹部も感光ドラム1の表面に接触し、感光ドラム1の表面の付着物が付着してしまう。以上の理由から、前述の徐々にクリーニングブレード6をすり抜けてしまう感光ドラム1の付着物が帯電ローラ2に付着する観点から、凹凸平均間隔Smは、10μm≦Sm≦200μmの関係を満たすことが望ましい。
(帯電クリーニング部材)
本実施例に係る帯電クリーニング部材9について、比較例1、2を用いて、以下に説明する。
本実施例に係る帯電クリーニング部材9は、帯電ローラ2と接触して帯電ローラ2を清掃する清掃部材である。帯電クリーニング部材9は、帯電ローラ2に接触する弾性層を有し、弾性層は発泡体から構成されている。ここでは、発泡体として、一般的に市販されているスポンジ材を例示しているが、これに限定されるものではない。
本実施例では、一般的に市販されているスポンジ材として様々な絶縁性のポリエステル系ポリウレタンフォームを用意し、帯電クリーニング部材9において、帯電ローラ2と接触する発泡体(弾性層)として検討を行った。サンプル1〜10は本実施例で検討を行ったスポンジ材であり、表2にアスカーC硬度、平均セル径S、セルの平均骨格幅hを示す。
Figure 2020079851
アスカーC硬度の測定について以下に説明する。アスカーC硬度は、日本ゴム協会標準規格SRIS0101記載の計測手法、アスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器(株)社製)を用いて測定した。測定したスポンジ材(サンプル1〜10)のサイズは、高さ10mm、幅30mm、奥行き30mmである。サンプル1〜10の幅30mm、奥行き30mmの面を下にして置き、高さ方向上方から500g荷重でゆっくりサンプルに硬度計を押し当てて5秒後の数値を測定値とした。測定時の温湿度は23℃、60%である。
平均セル径Sと平均骨格幅hの測定について以下に説明する。平均セル径Sと平均骨格幅hの測定は、KEYENCE社製レーザ顕微鏡(VK−200)を用いて測定した。倍率20倍の対物レンズで観測し、得られた結果を2値化し、スポンジ材の空隙であるセルのセル径およびセルを構成する骨格の幅を測定した。セル径は計測したセルの面積から真円相当径に換算してセル径とし、10個以上のセル径を平均して平均セル径Sとした。平均骨格幅hは、1つのセルを構成する骨格の中で最小のものをそのセルの骨格幅とする。図3は骨格幅を説明するためのスポンジ材表面の模式図である。白い円形の部分がセルであり、円形と円形の間のドット柄の部分が構造である骨格である。図3でセルS1を例にすると、セルS1とセルS2との間の骨格幅h2が、セルS1と他のセルS3、S4、S5、S6との間の骨格幅h3、h4、h5、h6に比べて最小になる。このため、セルS1の骨格幅はh2である。このように定義した骨格幅を10個以上のセルに対して計測し、平均化して平均骨格幅hとした。
比較例1の帯電クリーニング部材は、厚さ100μmのポリイミドのシート部材21である。このシート部材21を、図4に示すように帯電ローラ2に接触するように配置した。
比較例2の帯電クリーニング部材は、繊維径30μm、繊維長5mmのナイロン繊維を用い、密度20000本/cmで植設形成したブラシ部材22である。このブラシ部材22を、図5に示すように帯電ローラ2に接触するように配置した。
なお、サンプル1〜10の各帯電クリーニング部材9は、帯電ローラ2に対する侵入量500μmで帯電ローラ2に当接させている。
(外添剤塊の帯電ローラ汚染への効果)
帯電クリーニング部材9のサンプル1〜10、比較例1、2の効果を検討した。検討内容を以下に示す。まず、印字率2%程度の横線画像を50,000枚印刷したドラムカートリッジOと、新品の現像カートリッジDを画像形成装置100に装着し、ベタ黒画像を1枚、その後、印字率30%程度の均一ハーフトーン画像を1枚印刷する。検討を行った構成のいくつかのハーフトーン画像において、画像搬送方向のスジが発生した。また、検討を行った全ての帯電ローラ2の表面を観察したところ、画像上スジが発生した構成の帯電ローラ2表面には、スジ発生部に対応して外添剤塊の付着が観察された。このような結果になった構成は評価結果として×とした。また、画像上にはスジは発生しなかった構成でも、画像上にスジが発生したものよりも付着量は少ないものの、帯電ローラ2表面にスジ状に外添剤塊の付着が観察されたものもあった。このような構成は評価結果として△とした。画像上にスジが発生せず、帯電ローラ2表面に外添剤塊の付着もなかった構成を評価結果として○とした。その評価結果を表3に示す。
Figure 2020079851
表3に示す検討結果について以下に詳述する。
まず、帯電クリーニング部材は比較例1、2とサンプル1〜10を用い、帯電ローラ2はサンプルBを用いた結果を説明する。
比較例1の評価結果は×であった。比較例1のスジ画像が発生した帯電ローラ2を観察したところ、帯電ローラ2表面の粗し粒子が存在する部分、つまり表面形状として凸部になっているところの外添剤は除去されていた。すなわち、帯電クリーニング部材がシート部材21の場合、帯電ローラ2の凸部にはシート部材21が接触することが可能なため、付着した外添剤を除去することができた。一方、帯電ローラ2の凹部においてはシート部材21が接触できないため、付着した外添剤を除去できず、スジ画像が発生したと考えられる。
比較例2の評価結果は×であった。比較例2のスジ画像が発生した帯電ローラ2を観察したところ、凸部にも凹部にも外添剤の付着が観察された。帯電ローラ2の凹部の外添剤の付着の様子を比較例1と比較すると、凹部に付着した外添剤が押しつけられている様子が観察された。これは、ブラシ部材22の繊維は凹部には入り込むことが可能なものの、帯電ローラ2の回転方向に倣うために、1次粒径が10nmと小さな外添剤の付着に対してブラシ部材22は大きな掻き取り効果は得られなかったと考えられる。
次にサンプル1〜10について説明する。サンプル1〜10は、スポンジ材の帯電クリーニング部材9であり、平均セル径Sや平均骨格幅hを変化させたものである。サンプル1〜5を比較すると、平均骨格幅hは一定、平均セル径Sの大きさを変化させてアスカーC硬度を振った比較ができる。また、サンプル4、6〜9を比較すると、平均セル径Sは一定、平均骨格幅hの大きさを変化させてアスカーC硬度を振った比較ができる。
サンプル2、3、7、8の評価結果は○、サンプル1、4、6の評価結果は△、サンプル5、9の評価結果は×であった。つまり、平均セル径Sや平均骨格幅hによらず、アスカーC硬度が5°〜30°で帯電ローラ2の凹部への外添剤塊付着への改善効果が見られ、10°〜20°で更なる改善効果が見られた。これは、スポンジ材はその柔らかさ故に帯電ローラ2の凹部の隙間に入ることが可能になり、かつ、スポンジ構造を形成する骨格が帯電ローラ2に面当接するため、1次粒径が10nmと小さな外添剤の付着に対しても掻き取り効果が得られていると考えられる。
また、サンプル1、6で評価結果が△であったのは、アスカーC硬度が小さくスポンジ材の当接圧が低すぎて掻き取り性能が若干落ちたためであると考えられる。
また、サンプル4で評価結果が△、サンプル5、9で×であったのは、アスカーC硬度が大きくなると、帯電ローラ2の凹部の隙間に入り込みにくくなるためであると考えられる。
次にサンプル10について説明する。サンプル4と10は同じアスカーC硬度であるが、平均セル径Sと平均骨格幅hが異なる。サンプル4の評価結果が△であるのに対して、サンプル10の評価結果は○であった。これは、サンプル10はサンプル4に対して平均骨格幅hが40μmと小さく、平均骨格幅hが帯電ローラ2の凹凸平均間隔Smと同等であるために、比較的アスカーC硬度が高くても、帯電ローラ2の凹部の隙間に入り込むことができたためであると考えられる。
次に、帯電クリーニング部材9は平均骨格幅hが40μmであるサンプル10を、帯電ローラ2は表1に示したサンプルA〜Dを用いた結果について説明する。サンプルAの評価結果は△、それに対してサンプルB〜Dの結果は○であった。これは、平均骨格幅hよりも凹凸平均間隔Smが小さいサンプルAに対して、凹凸平均間隔Smが同等以上であるサンプルB〜Dでは、帯電クリーニング部材9は帯電ローラ2の凹部の隙間に入り込むことができたために、剥ぎ取り効果が向上したと考えられる。
これらの結果から、平均骨格幅hが帯電ローラ2の凹凸平均間隔Sm以下であると、比較的アスカーC硬度が高くても、帯電ローラ2の凹部の隙間に帯電クリーニング部材9が入り込むことができ、剥ぎ取り効果が向上することが確認できた。すなわち、帯電ローラ2の表面の凹凸平均間隔Sm、帯電クリーニング部材9の発泡体の平均骨格幅hが、Sm≧hの関係を満たすことで、比較的アスカーC硬度が高くても、剥ぎ取り効果が向上することが確認できた。
以上説明したように、ドラムカートリッジOと現像カートリッジDの2体化構成の場合に、使用済み、特に寿命間際のドラムカートリッジOと新品の現像カートリッジDを組み合わせた時に発生する課題を以下のように抑制した。クリーニングブレード6を外添剤の塊がすり抜けて、帯電ローラ2の周方向に塊のままスジ状に付着してしまう課題に対し、帯電クリーニング部材9にスポンジ材を用い、スポンジ材のアスカーC硬度が5°〜30°で抑制効果があることが示された。また、アスカーC硬度が10°〜20°で更なる抑制効果がみられた。さらに、帯電クリーニング部材9であるスポンジ材の平均骨格幅hが帯電ローラ2の凹凸平均間隔Sm以下であると更なる抑制効果があることが示された。
本実施例においては、帯電クリーニング部材9のスポンジ材として絶縁性のエステル系ポリウレタンフォームを用いたが、これに限定されるものではない。上記に説明したメカニズムは機械的剥ぎ取り効果であるので導電性のものを用いてもアスカーC硬度や平均骨格幅hが、上記説明の範囲内であれば、同様の効果が得られる。
また本実施例においては、帯電ローラ2の表層に粗し粒子を分散させて帯電ローラ2表面に凹凸を形成した帯電ローラ2を用いて説明したが、これに限定されるものではない。他の方法、例えば砥石などで帯電ローラ2表面を研磨することで帯電ローラ2の表面に凹凸をつける方法などを用いたものであっても、帯電クリーニング部材9のスポンジ材のアスカーC硬度や平均骨格幅hが、上記説明の範囲内であれば、同様の効果が得られる。
また、1つの感光ドラム1に対して1つの現像カートリッジを配置する構成において、感光ドラム1、帯電ローラ2および清掃部材9を備えたカートリッジに本発明を適用することは、特に有効である。
また、クリーニングブレード6と感光ドラム1との当接位置は感光ドラム1の回転軸よりも重力方向において下方に位置されるように構成される。この構成において、感光ドラム1、帯電ローラ2および清掃部材9を備えたカートリッジに本発明を適用することは、特に有効である。
また、感光ドラム1に現像ローラ4が接触する接触現像方式を採用した構成において、感光ドラム1、帯電ローラ2および清掃部材9を備えたカートリッジに本発明を適用することは、特に有効である。
また、供給ローラ5が現像ローラ4との接触部において互いの表面が同方向に移動するウィズ構成において、感光ドラム1、帯電ローラ2および清掃部材9を備えたカートリッジに本発明を適用することは、特に有効である。
また、トナー10が収容された現像剤収容室18を持つカートリッジ構成において、感光ドラム1、帯電ローラ2および清掃部材9を備えたカートリッジに本発明を適用することは、特に有効である。
〔実施例2〕
図6を用いて、実施例2に係るカートリッジについて説明する。実施例2に係るカートリッジも、前述した実施例1と同様に、画像形成装置に着脱可能に装着されるドラムカートリッジOと現像カートリッジDである。図6は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たドラムカートリッジOと現像カートリッジDの模式断面図である。尚、帯電クリーニング部材として、スポンジローラ23を用いた構成である。カートリッジのその他の構成およびカートリッジを装着する画像形成装置の構成は、前述した実施例と同様であるため、同等の機能を有する部材には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施例に対しても、実施例1で行ったものと同じ評価を行った。評価結果は○であった。これは、帯電クリーニング部材(清掃部材)としてのスポンジ材をローラ形状にしても、そのスポンジ材のアスカーC硬度や平均骨格幅hが同じであれば、適切な当接圧で帯電ローラ2の凹部に帯電クリーニング部材23が入り込むことができたために、実施例1と同様の効果が得られたと考えられる。
本実施例においては、スポンジローラ23のスポンジ材として絶縁性のエステル系ポリウレタンフォームを用いたが、これに限定されるものではない。上記に説明したメカニズムは機械的剥ぎ取り効果であるので導電性のものを用いてもアスカーC硬度や平均骨格幅hが、上記説明の範囲内であれば、同様の効果が得られる。
また本実施例においては、帯電ローラ2の表層に粗し粒子を分散させて帯電ローラ2表面に凹凸を形成した帯電ローラ2を用いて説明したが、これに限定されるものではない。他の方法、例えば砥石などで帯電ローラ2表面を研磨することで帯電ローラ2の表面に凹凸をつける方法などを用いたものであっても、スポンジローラ23のスポンジ材のアスカーC硬度や平均骨格幅hが、上記説明の範囲内であれば、同様の効果が得られる。
〔実施例3〕
図7を用いて、実施例3に係るカートリッジについて説明する。実施例3に係るカートリッジも、前述した実施例1と同様に、画像形成装置に着脱可能に装着されるドラムカートリッジOと現像カートリッジDである。図7は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たドラムカートリッジOと現像カートリッジDの模式断面図である。
前述した実施例1では、帯電クリーニング部材として、帯電ローラ2と接触する発泡体であるスポンジ材を用いたが、これに限定されるものではない。本実施例においては、帯電クリーニング部材として、実施例1記載のサンプル10のスポンジ材に不織布24を張り付けたものを用いた。不織布24はスポンジ材の帯電ローラ2に当接する面に張り付けた。すなわち、本実施例に係る帯電クリーニング部材9は、発泡体であるスポンジ材の帯電ローラ2に接する面に不織布24が張り付けられたものである。不織布24は市販のポリエステル製のものを用い、繊維径rが10μmのものをサンプルY、30μmのものをサンプルZとして用いた。カートリッジのその他の構成およびカートリッジを装着する画像形成装置の構成は、前述した実施例と同様であるため、同等の機能を有する部材には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施例に対しても、実施例1で行ったものと同じ評価を行った。帯電ローラ2はサンプルAの帯電ローラを用いた。評価結果を表4に示す。
Figure 2020079851
サンプルYの不織布を用いた評価結果は○であった。実施例1で帯電クリーニング部材をサンプル10、帯電ローラとしてサンプルAを用いた評価結果は、△であったことから、サンプルYの不織布を用いることで良化している。
これは、繊維径rが10μmと帯電ローラの凹凸平均間隔Smより小さいサンプルYを用いることで、帯電ローラの凹部の隙間に不織布の繊維が入り込むことができ、かつ、ブラシと異なり、不織布の繊維が帯電ローラの回転方向に倣いにくいために、帯電ローラへの外添剤の付着を抑制する効果が向上したと考えられる。
また、サンプルZの不織布を用いた評価結果は×であった。これは、繊維径rが30μmと帯電ローラの凹凸平均間隔Smより大きいサンプルZを用いたため、帯電ローラの凹部の隙間に不織布の繊維が入り込むことができずに、改善効果が得られなかったと考えられる。
これらの結果から、繊維径rが帯電ローラ2の凹凸平均間隔Smより小さい不織布を用いることで、帯電ローラ2の凹部の隙間に不織布24の繊維が入り込むことができ、改善効果が得られることが確認できた。すなわち、帯電ローラ2の表面の凹凸平均間隔Sm、帯電クリーニング部材9の不織布24の繊維径rが、Sm>rの関係を満たすことで、帯電ローラへの外添剤の付着を抑制する効果が得られることが確認できた。
本実施例においては、帯電クリーニング部材9のスポンジ材に不織布を張り付けたが、Sm>r満たし、繊維が帯電ローラ2の回転方向に倣わない構成のものであればこれに限定するものではない。
〔他の実施例〕
前述した実施例では、ドラムカートリッジOと現像カートリッジDに2体化構成された画像形成部を4つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施例では、単一のドラムカートリッジOと、単一の現像カートリッジDが、それぞれ着脱可能に構成される画像形成装置を例示したが、これに限定されるものではない。単一のドラムカートリッジと単一の現像カートリッジとを有するカートリッジが、着脱可能に構成された画像形成装置であっても良い。この画像形成装置に着脱可能に装着されるカートリッジに本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
また前述した実施例では、画像形成装置100としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また中間転写体31を使用し、該中間転写体31に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体31に担持されたトナー像を記録材12に一括して転写する画像形成装置100を例示したが、これに限定されるものではない。記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に着脱可能に装着されるカートリッジに本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
D、DY、DM、DC、DK …現像カートリッジ
O、OY、OM、OC、OK …ドラムカートリッジ
S、SY、SM、SC、SK …画像形成部
1 …感光ドラム
2 …帯電ローラ
4 …現像ローラ
5 …供給ローラ
6 …クリーニングブレード
9 …帯電クリーニング部材
10 …トナー
18 …現像剤収容室
19 …現像室
20 …現像剤搬送部材
23 …スポンジローラ
100 …画像形成装置

Claims (11)

  1. 現像剤を像担持体に現像する画像形成装置に着脱可能である現像カートリッジとは別に、画像形成装置に着脱可能なドラムカートリッジであって、
    像担持体と、
    前記像担持体と接触して前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材と接触して前記帯電部材を清掃する清掃部材と、
    を備え、
    前記清掃部材は前記帯電部材に接触する弾性層を有し、前記弾性層は発泡体から構成され、前記弾性層のアスカーC硬度は5°〜30°である材料で構成されることを特徴とするドラムカートリッジ。
  2. 前記帯電部材は、前記像担持体に接触して回転する帯電ローラであり、前記像担持体と接触する表面に凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載のドラムカートリッジ。
  3. 前記帯電部材の表面の凹凸平均間隔をSm、前記発泡体の平均骨格幅をhとすると、
    Sm≧h
    の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
  4. 前記清掃部材は、前記像担持体に接触する不織布を含み、前記帯電部材の表面の凹凸平均間隔をSm、前記不織布の繊維径をrとすると、
    Sm>r
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のドラムカートリッジ。
  5. 前記清掃部材は、前記発泡体の前記帯電部材に接する面に前記不織布が張り付けられた構成を有することを特徴とする請求項4に記載のドラムカートリッジ。
  6. 前記帯電部材の表面の凹凸平均間隔Smは、
    10μm≦Sm≦200μm
    の関係を満たすことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
  7. 前記帯電部材の表面の十点平均粗さRzは、
    1μm≦Rz≦30μm
    の関係を満たすことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
  8. 前記清掃部材がローラ形状であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
  9. 前記像担持体に当接して前記像担持体の現像剤をクリーニングするクリーニング部材を備え、
    画像形成装置に装着した際に、前記クリーニング部材と前記像担持体との当接位置は前記像担持体の回転中心よりも重力方向において下方に位置されるように構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
  10. 現像剤と、前記現像剤を前記像担持体に現像する現像装置と、前記現像剤を収容する現像剤収容部を有する現像カートリッジを着脱可能に装着し、前記現像カートリッジとは別に請求項1乃至9のいずれか1項に記載のドラムカートリッジを着脱可能に装着することを特徴とする画像形成装置。
  11. 単一の前記ドラムカートリッジと単一の前記現像カートリッジと、を有するカートリッジが着脱可能に構成されることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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