JP2020079718A - 金属部材−樹脂部材複合体の接合不良検出方法 - Google Patents

金属部材−樹脂部材複合体の接合不良検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部材−樹脂部材複合体における接合不良を破壊することなく検出する方法を提供する。【解決手段】少なくとも下記(1)〜(4)の工程を経ることを特徴とする金属部材−樹脂部材複合体の接合不良検出方法。(1)打音試験装置により金属部材−樹脂部材複合体の接合面を打撃し、周波数−音圧の関係を測定する工程。(2)得られた周波数−音圧の関係から特定周波数範囲の音圧を単位周波数当たりの音圧として抽出する工程。(3)得られた単位周波数当たりの音圧を移動平均処理することにより得られる周波数分布波形を主成分分析し、特定の累積寄与率となる主成分により主成分得点を算出する工程。(4)主成分得点を基準値として、基準値との差異が特定の範囲を超える金属部材−樹脂部材複合体を接合不良として検出する工程。【選択図】図2

Description

本発明は、金属部材−樹脂部材複合体の接合不良の検出方法に関するものであり、さらに詳しくは、金属部材−樹脂部材複合体の接合面を打撃し、得られる周波数と音圧の関係を主成分分析し、得られる主成分得点との差異により、金属部材−樹脂部材複合体を破壊することなく接合不良品を検出する方法に関するものである。
自動車や航空機などの輸送機器の部品を軽量化するため、金属の一部を樹脂に置き換える方法が検討されており、樹脂と金属を複合一体化する方法についても様々な提案がされている。しかし、樹脂と金属を複合一体化した複合体の接合については、破壊により直接確認する方法が一般的であり、製品の破壊を伴わない方法の提案が望まれている。
そして、打音試験は、検体の空隙などの欠陥を検査する手法として一般に使用されており、例えば、コンクリート、耐火物の検査、薄板、FRP構造物の検査方法として提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
また、主成分分析は、複数の対象物の中から異種品を検出する解析手段、あるいは製品性能を安定して得られる製造プロセスを精度良く予測する製造プロセスのモニタリング方法等として提案されている(例えば、特許文献5、6参照)。
特許第4768927号公報 特開2002−340869号公報 特開平7−20097号公報 特許第4736501号公報 WO2005/038443号公報 特開2016−167205号公報
しかし、特許文献1〜4に提案された打音試験による検査については、金属部材−樹脂部材複合体を対象としたものでなく、金属部材−樹脂部材複合体についての提案はなされていない。
また、特許文献5に提案された主成分分析の活用手法については、分光器のよる測定に関するものであり、音圧に関する提案はなされていない。特許文献6に提案された主成分分析の活用手法については、プロセスデータを活用するものであり製品データを直接的に活用することの提案はなされていない。
そこで、本発明は、金属部材−樹脂部材複合体を破壊することなく直接測定し、該金属部材−樹脂部材複合体の接合不良品を検出する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属部材−樹脂部材複合体の接合面を打撃した際に得られる周波数−音圧の周波数分布波形を用いた主成分分析により得られる主成分得点を基準値として金属部材−樹脂部材複合体を判定することで、接合不良の検出を行うことが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも下記(1)〜(4)の工程を経ることを特徴とする金属部材−樹脂部材複合体の接合不良検出方法に関するものである。
(1)打音試験装置により金属部材−樹脂部材複合体の接合面を打撃し、周波数−音圧の関係を測定する工程。
(2)得られた周波数−音圧の関係から特定周波数範囲の音圧を単位周波数当たりの音圧として抽出する工程。
(3)得られた単位周波数当たりの音圧を移動平均処理することにより得られる周波数分布波形を主成分分析し、特定の累積寄与率となる主成分により主成分得点を算出する工程。
(4)主成分得点を基準値として、基準値との差異が特定の範囲を超える金属部材−樹脂部材複合体を接合不良として検出する工程。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の検出方法は、少なくとも上記(1)〜(4)の工程を経ることを特徴とするものであり、その際の金属部材−樹脂部材複合体としては、金属部材と樹脂部材とを一体化した複合体であれば如何なる金属部材−樹脂部材複合体にも適応することができ、中でも生産性に優れることから近年注目されている射出成形により直接一体化してなる金属部材−樹脂部材複合体へ適応することが好ましいものである。射出成形による直接一体化を行う方法としては、例えば特許第5701414号、特許第5714193号、特許第4020957号に記載の方法等を挙げることができる。
そして、該金属部材−樹脂部材複合体を構成する金属部材としては、金属部材の範疇に属するものであればいかなる材質よりなる部材でもよく、その中でも金属部材−樹脂部材複合体とした際に各種用途への適応が可能となることから、アルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材、銅合金製部材、マグネシウム製部材、マグネシウム合金製部材、鉄製部材、チタン製部材、チタン合金製部材、ステンレス製部材である金属部材が好ましく、とりわけ軽量化に優れる、アルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、マグネシウム製部材、マグネシウム合金製部材、チタン製部材、チタン合金製部材である金属部材が好ましく、より好ましくはアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材である。また、該金属部材は、板に代表される展伸材であっても、ダイカストに代表される鋳造材であっても、鍛造材からなる金属部材であってもかまわない。
また、該金属部材−樹脂部材複合体を構成する樹脂部材としては、樹脂部材の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、熱可塑性樹脂部材、熱硬化性樹脂部材を挙げることができ、熱可塑性樹脂部材としては、例えばポリエチレン部材、ポリプロピレン部材、ポリアミド部材、ポリブチレンテレフタレート部材、ポリエチレンテレフタレート部材、ポリエーテルケトン部材、ポリエーテルエーテルケトン部材、ポリエーテルスルホン部材、ポリカーボネート部材、液晶ポリマー部材等を挙げることができ、熱硬化性樹脂部材としては、エポキシ樹脂部材、ポリウレア樹脂部材、ポリウレタン樹脂部材等を挙げることができる。
本発明の(1)工程は、打音試験装置により金属部材−樹脂部材複合体の接合面を打撃し、周波数−音圧の関係を測定する工程であり、その際の周波数−音圧の関係は音圧の周波数分布波形として得ることができる。また、該打音試験装置としては、打撃装置、収音装置、音圧の解析装置から構成される装置を用いることができ、金属部材−樹脂部材複合体を打撃する事により得られた音圧をフーリエ変換することで周波数分布波形を得ることができる。
該打音試験装置における複合体を打撃する打撃装置としては、例えばハンマー、インパクタなど市販の打撃装置を用いることができる。また、金属部材−樹脂部材複合体を打撃することにより発生した音圧を収音する収音装置としては、例えば市販の騒音計、マイクロホン等を挙げることができ、該騒音計の具体的例示としては、(商品名)騒音計NL−42、NL−52(リオン(株)製)、(商品名)騒音計LA−3560、LA-3260((株)小野測器製)、該マイクロホンの具体的例示としては、マイクロホンMI−1211、MI−1235((株)小野測器製)などが挙げられる。
本発明の(2)工程は、(1)工程により得られた周波数−音圧の関係から特定周波数範囲の音圧を単位周波数当たりの音圧として抽出する工程である。この際の周波数−音圧の関係は例えば周波数分布波形として表すことができ、特定周波数範囲としては任意であり、例えば1KHz〜14KHzを挙げることができる。また、単位周波数についても任意であり、例えば1Hzを挙げることができる。そして、より具体的には、1KHz〜14KHzの音圧を1Hz単位で測定・抽出することを挙げることができる。
本発明の(3)工程は、(2)工程により得られた単位周波数当たりの音圧を移動平均処理することにより得られる周波数分布波形を主成分分析し、特定の累積寄与率となる主成分により主成分得点を算出する工程であり、単位周波数当たりの音圧を移動平均処理することによりノイズを効率的に除去することが可能となる。なお、移動平均処理とは、時系列データにおける一定区間ごとの平均値を区間をずらしなから求めるものであり、移動平均を用いることにより、長期的な傾向を表す滑らかな曲線グラフとして表すことができ、ノイズの除去が可能となるものである。そして、移動平均処理の具体的例示としては、区間としての3Hzごとの移動平均処理を挙げることができる。また、主成分分析及び主成分得点の算出については、解析ソフトウェアを用い行うことが可能である。
なお、本発明における主成分分析の概要について以下に示す。また、その詳細な解説については、「はじめてのパターン認識(森北出版、平井 有三著)」、「主成分分析の基本と活用(日科技連出版社、内田 治著)」、「主成分分析(朝倉書店、上田 尚一著)」などに紹介されている。
<主成分分析とは>
測定された多種類のデータが共有する情報を少数の合成データ(主成分)として要約する手法であり、データの要約によりデータの持つ情報や傾向をより把握し易くなる手法である。
<主成分(軸)決定>
主成分(軸)の決定は、図1に示すデータが散りばめられた散布図において、データのばらつき、すなわち分散が最大となる直線を第一主成分軸とし、該第一主成分軸と直行する軸のなかで、データの分散が最大となる直線を第二主成分軸とする。第三主成分軸以降も同様に行い、主成分(軸)を決定することにより、散りばめられたデータの要約を行うものである。
<累積寄与率>
寄与率は、各主成分が全データの散らばり具合をどの程度の割合となるのかを表す指標であり、各主成分の分散が分散の総和に占める割合として求められる。累積寄与率は第一主成分から第n主成分までが全データの散らばり具合をどの程度の割合で説明しているかを表す指標であり、第一主成分〜第n主成分の分散が分散の総和に占める割合として求められる。なお、主成分数を決定する際の累積寄与率は任意であり、特に検出精度が高いものとなることから累積寄与率70%以上が好ましく、更に75%以上が好ましい。
<主成分得点>
主成分得点の決定は、図2に示すように個々のデータの各主成分軸上の座標値として求めることができる。データの第一主成分軸上の座標値は第一主成分得点とし、第二主成分軸上の座標値は第二主成分得点とし、第n主成分得点として算出することができる。そして、異なる試料から得られるデータを主成分分析し、主成分得点を算出して比較することで、異なる試料間の特徴の違いを見分けることが可能になる。
本発明の(4)工程は、(3)工程により得られた主成分得点を基準値として、基準値との差異が特定の範囲を超える金属部材−樹脂部材複合体を接合不良として検出する工程である。ここで、基準値としては、例えば主成分得点の平均値を用いることができる。また、基準値との差異が特定の範囲とは任意であり、例えば10を挙げることができる。
本発明の接合不良検出方法は、少なくとも上記した(1)〜(4)の工程を経てなることにより、破壊に寄ることなく接合不良の検出を行うことが可能となり、性能の信頼性に優れる金属部材−樹脂部材複合体を提供することが可能となるものである。
本発明は、金属部材−樹脂部材複合体を破壊することなく直接測定し、該金属部材−樹脂部材複合体の接合不良品を検出するものであり、その産業的価値は極めて高いものである。
;主成分(軸)を決定する際のデータが散りばめられた散布図 ;主成分得点を決定する際のデータの主成分軸上の座標値を示す概略図
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
実施例及び比較例において用いた、熱可塑性樹脂(A)、ガラス繊維(B)を以下に示す。
<熱可塑性樹脂(A)>
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A−1):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、(商品名)ノバデュラン5008。
ポリアミド66樹脂(A−2):旭化成(株)製、(商品名)レオナ1200。
<ガラス繊維(B)
ガラス繊維(B−1);(オーエンス コーニング ジャパン(株)製、(商品名)RES03−TP91;繊維径10μm、繊維長3mm。
ガラス繊維(B−2);日東紡株式会社製チョップドストランド、(商品名)CSG−3PA 830、繊維断面のアスペクト比4。
金属部材−樹脂部材複合体の評価・測定方法を以下に示す。
〜金属接合強度の評価〜
金属部材と樹脂部材との複合体の接合強度は、ISO19095に従い、接合面積が50mmの引張せん断接合強度により評価した。
〜打音試験〜
金属部材と樹脂部材との複合体は、ISO19095に従い作製した接合面積が50mmの引張せん断試験片を用いて、打撃装置、騒音計および、音圧の解析装置から構成される打音試験装置を用いて打音試験を実施した。接合複合体は、接合複合体とハンマーとが10mmの距離となり、かつ、打撃方向が金属部材側の接合面に対して垂直となるようにスポンジ上に配置し、さらには、打撃位置と騒音計(リオン製(商品名)NL−52)とが100mmの距離となるように設置し、打撃した際に該騒音計のフルスケールを110デシベルとした際に得られた周波数1K〜14KHzの音圧を、音圧解析装置(コスモ計器製(商品名)ムーブレットMV−6000)にてフーリエ変換し、1Hz単位で音圧が測定された周波数分布波形を得た。なお、打音試験は複合体1個につき3回行った。
〜主成分分析〜
打音試験にて得られた周波数分布波形の音圧を区間3Hzごとの移動平均処理することによりノイズ除去した後、該周波数分布波形を解析ソフト(R version3.4.4(フリーソフト))を用いて主成分分析を行い、主成分得点を算出した。
作製例1
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A−1)100重量部を、シリンダー温度250℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(B−1)をポリブチレンテレフタレート樹脂(A−1)100重量部に対して25重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混錬してペレット化したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。
アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片(40mm×18mm×1.5mm厚さ)をアセトンに浸漬することにより表面の洗浄を行った後、該試験片を、波長1.064μmのレーザを用いハッチング幅0.08mm、周波数5KHz、速度80mm/秒で直交方向に1000回走査するレーザ処理を行うことにより、アルミニウムダイカスト合金表面を物理的処理したアルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を得た。
得られた該アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を、金型内にセットし、シリンダー温度250℃、金型温度120℃、保圧を70MPaに設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)を用いてポリブチレンフタレート樹脂組成物を射出成形し、ISO19095に従い、接合面積が50mmのせん断接合強度評価用試験片であるアルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Aを3個作製した。
作製例2
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A−1)100重量部を、シリンダー温度250℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(B−2)をポリブチレンテレフタレート樹脂(A−1)100重量部に対して40重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混錬してペレット化したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。
アルミニウム合金(A6063)製試験片(40mm×18mm×1.5mm厚さ)をエタノールに浸漬することにより表面の洗浄を行った後、該試験片を0.5mmのアルミナ粉、次いで0.1mmのアルミナ粉を用いたサンドブラスト処理にて粗化し、次いで該試験片を1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、さらに1重量%硫酸水溶液に浸漬し、最後に該試験片を95℃のエタノールアミン1重量%を含有する蒸留水混合液に5分間浸漬し、表面にベーマイト処理を施すことにより、アルミニウム合金表面を物理的処理後に化学処理したアルミニウム合金(A6063)製試験片を得た。
得られた該アルミニウム合金(A6063)製試験片を、金型内にセットし、シリンダー温度250℃、金型温度120℃、保圧を70MPaに設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)を用いてポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を射出成形し、ISO19095に従い、接合面積が50mmのせん断接合強度評価用試験片でアルミニウム合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Bを3個作製した。
作製例3
ポリアミド66樹脂(A−2)100重量部を、シリンダー温度280℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(B−2)をポリアミド66樹脂(A−2)100重量部に対して30重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混錬してペレット化したポリアミド66樹脂組成物を得た。
アルミニウム(A1100)製試験片(40mm×18mm×1.5mm厚さ)をアセトンに浸漬することにより表面の洗浄を行った後、該試験片を5重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、次いで20重量%硝酸水溶液に浸漬し、さらに30重量%燐酸水溶液中で電流密度1A/dmで20分間陽極酸化処理することにより、アルミニウム表面を化学処理したアルミニウム(A1100)製試験片を得た。
得られた該アルミニウム(A1100)製試験片を、金型内にセットし、シリンダー温度280℃、金型温度140℃、保圧を80MPaに設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)を用いてポリアミド66樹脂組成物を射出成形し、ISO19095に従い、接合面積が50mmのせん断接合強度評価用試験片であるアルミニウム部材−ポリアミド66樹脂組成物部材複合体Cを3個作製した。
作製例4
作製例1と同様の方法により、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。
アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を用いて、作製例1と同様の方法によりアルミニウムダイカスト合金表面を物理的処理したアルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を得た。
得られた該アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を、金型内にセットし、シリンダー温度250℃、金型温度70℃、保圧を70MPaに設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)を用いてポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を射出成形し、ISO19095に従い、接合面積が50mmのせん断接合強度評価用試験片であるアルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Dを3個作製した。
作製例5
作製例3と同様の方法によりポリアミド66樹脂組成物を得た。
アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を用いて、作製例1と同様の方法によりアルミニウムダイカスト合金表面を物理的処理したアルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を得た。
得られた該アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を、金型内にセットし、シリンダー温度280℃、金型温度140℃、保圧を10MPaに設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)を用いてポリアミド66樹脂組成物を射出成形し、ISO19095に従い、接合面積が50mmのせん断接合強度評価用試験片であるアルミニウムダイカスト合金部材−ポリアミド66樹脂組成物部材複合体Eを3個作製した。
実施例1
作製例1〜5にて得られた金属部材−樹脂組成物部材複合体A〜Eのそれぞれを3個づつ用い、金属部材−樹脂組成物部材複合体の接合面を打撃する打音試験を行い、1KHz〜14KHzの音圧を周波数1Hzごとの音圧として抽出し、区間3Hzごとの移動平均処理を行い周波数分布波形を得た。
そして、得られた周波数分布波形を主成分分析した結果、第一主成分〜第五主成分の累積寄与率が75%であった。よって、該第一主成分〜第五主成分を用いて主成分得点を算出した。主成分分析の結果を表1に示す。
表1に示す主成分得点の結果、金属部材−樹脂組成物部材複合体A,B,Cは第一主成分〜第五主成分の主成分得点が安定した数値を示すことから、該金属部材−樹脂組成物部材複合体A、BおよびCの平均値を基準値とした。
これら基準値と第二主成分および第五主成分の主成分得点が20を越えて乖離したアルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Dを接合不良候補とした。
また、これら基準値の第二主成分及び第三主成分の主成分得点が10を越えて乖離したアルミニウムダイカスト合金部材−ポリアミド66樹脂組成物部材複合体Eも接合不良候補とした。
打音試験を行った金属部材−樹脂組成物部材複合体A〜Eを用い、ISO19095に従い接合強度を評価した結果、アルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Aの接合強度の平均値は25MPa、アルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Bの接合強度の平均値は21MPa、アルミニウムダイカスト合金部材−ポリアミド66樹脂組成物部材複合体Cの接合強度の平均値は23MPa、アルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体Dの接合強度の平均値は10MPa、アルミニウムダイカスト合金部材−ポリアミド66樹脂組成物部材複合体Eの接合強度の平均値は11MPaであった。
実施例2
作製例1と同様の方法により得たアルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を用い、該アルミニウムダイカスト合金(ADC12)製試験片を、金型内にセットし、シリンダー温度250℃、金型温度120℃、保圧を70MPaに設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75S)を用いて射出成形し、ISO19095に従い、接合面積が50mmのせん断接合強度評価用試験片であるアルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体を50個作製した。
そして、該接合複合体とハンマーとが10mmの距離となり打撃方向がアルミニウムダイカスト合金部材側の接合面に対して垂直となるようにスポンジ上に該接合複合体を設置し、かつ、打撃位置と騒音計(リオン製(商品名)NL−52)とが100mmの距離となるように設置した。次に、打撃した際に該騒音計のフルスケールを110デシベルとした際に該騒音計で得られた音圧を測定した。そして、この操作を順次繰り返した。測定したそれぞれの音圧を音圧解析装置(コスモ計器製(商品名)ムーブレットMV−6000)にてフーリエ変換し周波数分布波形を得た。
そして、1KHz〜14KHzの範囲内で単位周波数1Hzごとの音圧を抽出し、区間として3Hzごとの移動平均処理を行いノイズを除去した周波数波形分布を主成分分析した結果、第一主成分〜第三主成分の累積寄与率が88%となったため、該第一主成分〜第三主成分を用いて主成分得点を算出した。そして、主成分得点が平均値(基準値)の差異が10を超える複合体を検出し、接合不良候補とした。主成分分析の結果を表2に示す。
検出したアルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体をISO19095に従い接合強度を評価したところ、接合強度は全て15MPa以下であった。因みに未検出アルミニウムダイカスト合金部材−ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物部材複合体の接合強度は全て20MPa以上であった。
本発明は、金属部材−樹脂部材複合体を破壊することなく直接測定し、該金属部材−樹脂部材複合体の接合不良品を検出するものであり、その産業的価値は極めて高いものである。

Claims (1)

  1. 少なくとも下記(1)〜(4)の工程を経ることを特徴とする金属部材−樹脂部材複合体の接合不良検出方法。
    (1)打音試験装置により金属部材−樹脂部材複合体の接合面を打撃し、周波数−音圧の関係を測定する工程。
    (2)得られた周波数−音圧の関係から特定周波数範囲の音圧を単位周波数当たりの音圧として抽出する工程。
    (3)得られた単位周波数当たりの音圧を移動平均処理することにより得られる周波数分布波形を主成分分析し、特定の累積寄与率となる主成分により主成分得点を算出する工程。
    (4)主成分得点を基準値として、基準値との差異が特定の範囲を超える金属部材−樹脂部材複合体を接合不良として検出する工程。
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