JP2020078363A - マイクロニードルアレイの製造方法 - Google Patents

マイクロニードルアレイの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020078363A
JP2020078363A JP2018211857A JP2018211857A JP2020078363A JP 2020078363 A JP2020078363 A JP 2020078363A JP 2018211857 A JP2018211857 A JP 2018211857A JP 2018211857 A JP2018211857 A JP 2018211857A JP 2020078363 A JP2020078363 A JP 2020078363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microneedle array
microneedle
microneedles
hyaluronic acid
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018211857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020078363A5 (ja
Inventor
英淑 権
Eishuku Gon
英淑 権
文男 神山
Fumio Kamiyama
文男 神山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CosMED Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
CosMED Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CosMED Pharmaceutical Co Ltd filed Critical CosMED Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2018211857A priority Critical patent/JP2020078363A/ja
Publication of JP2020078363A publication Critical patent/JP2020078363A/ja
Publication of JP2020078363A5 publication Critical patent/JP2020078363A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】水溶性高分子を素材とするマイクロニードルアレイは、鋳型に素材水溶液を流延し、乾燥し、剥離して製造されているが、剥離する際に微小なマイクロニードル先端部が折れたり曲がったりする事故が多く、容易に大量生産できるわけではない。この問題点を解消する鋳型の新しい製造方法を提供する。【解決手段】レーザーを用いて鋳型を成型する工程、前記成型した鋳型の上に水溶性高分子を主とする基材水溶液を流延し、乾燥させる工程を含むマイクロニードルアレイの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、レーザーを利用した新規なマイクロニードルアレイの製造方法に関する。
薬物を人の体内に投与する手法として、経口的投与と経皮的投与がよく用いられている。注射は代表的な経皮的投与法であるが、煩わしく苦痛を伴い、更に感染もあり得る歓迎すべからざる手法である。これに対し、最近マイクロニードルアレイを利用した、苦痛を伴わない経皮的投与法が注目されてきた(特許文献1、非特許文献1)。
薬物の経皮的投与のさい皮膚角質層は薬物透過のバリアとして働き、単に皮膚表面に薬物を塗布するだけでは透過性は必ずしも十分ではない。これに対し、微小な針、すなわちマイクロニードルを用いて角質層を穿孔することにより、塗布法より薬物透過効率を格段に向上させることができる。このマイクロニードルを基板上に多数集積したものがマイクロニードルアレイである。
マイクロニードルは、水溶性高分子を素材とし、素材中に薬物を含ませておくならば刺入されたマイクロニードルが体内で溶解されることにより、容易に薬物を皮内や皮下に投与することができる(特許文献2)。水溶性高分子物質からなるマイクロニードルアレイは、マイクロニードル形成用凹部を有する鋳型を用いて製造されることが多い(特許文献3)。水溶性高分子の水溶液をこの鋳型上に流延し、次に加熱して水分を蒸発させた後、固化したものを鋳型から剥離してマイクロニードルアレイを得ることができる。
鋳型の成型に関してはリソグラフィーによる方法、あるいは機械的に鋳型にメス型の穴をあける方法などがある。しかしながら、リソグラフィーによる方法は、同一形状のマイクロニードルの鋳型の成型には問題ないが、異なる形状のマイクロニードルを搭載するマイクロニードルアレイの鋳型の成型には適さない。機械的にメス型を作成する方法は、超微小ドリルによる切削など困難な作業となる。
特表2002−517300号公報 特開2003−238347号公報 特開2009−273872号公報
権英淑、神山文男「マイクロニードル製品化への道程」、薬剤学、社団法人日本薬剤学会、平成21年9月、第69巻、第4号、p.272−276
水溶性高分子を素材とするマイクロニードルアレイは、現在鋳型に素材水溶液を流延し、乾燥し、剥離して製造されているが、剥離する際に微小なマイクロニードル先端部が折れたり曲がったりする事故が多く、容易に大量生産できるわけではない。この問題点を解消する鋳型の新しい製造方法が求められている。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るマイクロニードルアレイ製造方法は、レーザーを用いて鋳型を製造することを特徴とする。
マイクロニードルアレイは、基板上に1cmあたり100〜1,000本程度のマイクロニードルを設けて構成される。マイクロニードルは長さが0.1〜1.0mm、ニードル底面太さが0.1〜0.5mm程度の円錐状、角錐状若しくは円柱状の形状がよく用いられている。従って、マイクロニードルアレイの製造に用いられる鋳型には微細加工技術が要求されるが、現在のレーザーの技術レベルの進歩によって十分に目的に合致する鋳型製造が可能となった。
レーザーを用いれば、高さ、形状、などが異なるマイクロニードル用鋳型を非常に容易に製造できる。それによりマイクロニードル及びその集合であるマイクロニードルアレイに関して設計上の自由度が増加する。
鋳型成型工程
鋳型の材料としては特に限定は少ない。ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、などのプラスチックシート、鉄、アルミニウム、ステンレス、などの金属板、などが好適に用いうる。厚さは、穴の深さによるが、穴の深さの2倍以上あればよい。鋳型材料シートの表面に所定の形状の穴を所定の間隔で開けるには、レーザー発生装置とデジタルガルバノスキャナーの組み合わせによって複数の穴を開ける。
レーザー加工は、マイクロ秒やナノ秒、ピコ秒の非常に短いパルス幅を発生させるパルスレーザーを鋳型材料シートに照射することにより削孔する。波長が短いエキシマレーザーを照射してもよい。これらのレーザー波はレーザー発振器からファイバーによってデジタルガルバノスキャナーに導かれ、ガルバノミラーの角度を変えることによって材料表面の削孔位置を変えつつ複数の穴を開ける。削孔のピッチ、穴の形状、などのパラメーターを変化させて多種の穴が穿った鋳型が製造される。このようにして、鋳型にはマイクロニードルアレイに対応する穴を開けることができる。
流延、乾燥工程
マイクロニードルアレイの形状が穿設された鋳型に、マイクロニードルを構成する成分を溶解した水溶液を、マイクロニードル部分と基板部分を形成できるように流延し、室温下又は加熱して水分を蒸発して乾燥した後に、形成されたマイクロニードルアレイを鋳型から剥離する。この方法では、マイクロニードルと基板が同組成からなるマイクロニードルアレイが製造される。
マイクロニードルアレイ
本発明で製造されるマイクロニードルアレイは、水溶性高分子又は水膨潤性樹脂を基剤として用いる。前記水溶性高分子又は水膨潤性樹脂は、生体内で溶解又は膨潤しうる樹脂であればよく、例えば、グリコーゲン、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、アガロース、キチン、キトサン、プルラン、アミロペクチン、澱粉、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、などの多糖類、コラーゲン、ゼラチン、アルブミン、及びこれらの加水分解物などの蛋白質、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の合成高分子が挙げられる。これら水溶性高分子又は水膨潤性樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。特に好ましいマイクロニードルアレイは、ヒアルロン酸を基剤として含む。
ヒアルロン酸は、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種であり、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸の二糖単位が連結した構造を有している。ヒアルロン酸としては、例えば、鶏冠、臍帯等から単離される生物由来のヒアルロン酸、乳酸菌、連鎖球菌等により大量生産される培養由来のヒアルロン酸等が挙げられる。生物由来のヒアルロン酸は、その由来となる生物が有するコラーゲンを完全には除去できず、残存するコラーゲンが悪い影響を与える可能性があるので、コラーゲンを含有しない培養由来のヒアルロン酸が好ましい。従って、ヒアルロン酸は培養由来のヒアルロン酸を50質量%以上含んでいるのが好ましい。
ヒアルロン酸を基剤として含むマイクロニードルアレイは、ヒアルロン酸だけから構成されるものであってもいいし、またヒアルロン酸からなるマイクロニードルが有する下記の特性を損なうものでなければ、80質量%、好ましくは50質量%を上限にヒアルロン酸以外の他の成分を含有するものであってもよい。
マイクロニードルアレイに配合しえるヒアルロン酸以外の他の成分としては、上述した水溶性高分子又は水膨潤性樹脂であり、さらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の多糖類であってもよい。
つまり、ヒアルロン酸を基剤として含むマイクロニードルアレイは、ヒアルロン酸だけから構成されるものであってもいいし、またヒアルロン酸からなるマイクロニードルアレイが有する下記の特性を損なうものでなければ、80質量%、好ましくは50質量%を上限にヒアルロン酸以外の他の成分を含有するものであってもよい:
(1)皮膚表層及び/又は皮膚角質層に刺入するのに耐え得る強度、
(2)皮膚表層及び/又は皮膚角質層に刺入された局所において痛みや出血を引き起こさないための微細さと柔軟性、並びに
(3)皮下に刺入されたマイクロニードル部分の皮下内での溶解性又は生分解性。
本発明において、「ヒアルロン酸を基剤として含む」とは、上記のことを意味するものである。
マイクロニードルアレイにヒアルロン酸以外の水溶性高分子または水膨潤性樹脂を含有させる場合、マイクロニードルに含まれる当該水溶性高分子又は水膨潤性樹脂の割合としては、通常1〜30質量%、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%が挙げられる。
また、本発明において、マイクロニードルアレイには、香粧的又は薬学的に利用可能な薬効成分を含有していても又は塗布していてもよい。
上記薬効成分のうち、香粧的に利用可能なものとしては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸、甘草エキス、ビタミンA誘導体等の美白剤;レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等の抗シワ剤;酢酸トコフェロール、カプサイシン、ノニル酸ワニルアミド等の血行促進剤;ラズベリーケトン、月見草エキス、海藻エキス等のダイエット剤;イソプロピルメチルフェノール、感光素、酸化亜鉛等の抗菌剤;サリチル酸等の消炎剤;ビタミンD、ビタミンD、ビタミンK等のビタミン類等が挙げられる。
また、上記薬効成分のうち、薬学的に利用可能なものとしては、上記香粧的に利用可能なもの以外に、医薬の分野で使用されている薬物が挙げられる。具体的には、上記香粧的に利用可能なもの以外の薬物としては、例えば、イブプロフェン、フルルピプロフェン、ケトプロフェン等の解熱鎮痛消炎剤;ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、プレドニゾロン等のステロイド系抗炎症剤;塩酸ジルチアゼム、硝酸イソソルビド等の血管拡張剤;塩酸プロカインアミド、塩酸メキシレチン等の不整脈用剤;塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、カプトプリル等の血圧降下剤;塩酸テトラカイン、塩酸プロピトカイン等の局所麻酔剤;プロピルチオウラシル、エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン等のホルモン剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;ペントバルビタールナトリウム等の麻酔剤;アモバルビタール、フェノバルビタール等の睡眠鎮痛剤;フェニトインナトリウム等の抗癲癇剤;塩酸クロルプロマジン、塩酸イミプラミン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム等の精神神経用剤;塩酸スキサメトニウム、塩酸エペリゾン等の骨格筋弛緩剤;臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等の自立神経用剤;塩酸アマンタジン等の抗パーキンソン剤;ヒドロフルメチアジド、イソソルビド、フロセミド等の利尿剤;塩酸フェニレフリン等の血管収縮剤;塩酸ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等の呼吸促進剤;塩酸モルヒネ、塩酸コカイン、塩酸ペチジン等の麻薬等が挙げられる。更に、本発明において、マイクロニードルアレイに添加又は塗布される薬物は、上記で例示したもの以外に、生理活性ペプチド類とその誘導体、核酸、オリゴヌクレオチド、抗原タンパク質、バクテリア、ウイルスの断片等であってもよい。上記生理活性ペプチド類とその誘導体としては、例えば、カルシトニン、副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン(PTH)、hPTH(1→34)、インスリン、セクレチン、オキシトシン、アンギオテンシン、β−エンドルフィン、グルカゴン、バソプレッシン、ソマトスタチン、ガストリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、エンケファリン、ニューロテンシン、心房性ナトリウム利尿ペプチド、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、ブラジキニン、サブスタンスP、ダイノルフィン、甲状腺刺激ホルモン、プロラクチン、インターフェロン、インターロイキン、G−CSF、グルタチオンパーオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、デスモプレシン、ソマトメジン、エンドセリン、及びこれらの塩等が挙げられる。上記抗原タンパク質としては、HBs表面抗原、HBe抗原等が挙げられる。
本発明におけるマイクロニードルアレイは、1又は2以上の複数のマイクロニードルが基板の表面に形成されている構造を有している。本発明におけるマイクロニードルアレイは、マイクロニードルの数が多い程、所望の薬理作用を高めることができるので、マイクロニードルは基板上に複数個設けられていることが望ましい。
マイクロニードルの形状については、皮膚に容易に刺入でき、刺入された体内(皮膚内またはそれより深い領域)で溶解可能であるように、また痛みや出血を引き起こさないように、適宜設定すればよく、好ましくは、コニーデ状、円錐台状等が例示される。ここで、コニーデ状とは、所謂火山状と呼ばれる形状であり、図2に示すように、円錐台形状の側面が内側方向に湾曲した形状である。またマイクロニードルは、内部が空洞の中空針ではなく、均一組成からなる中実針であることが好ましい。
マイクロニードルをコニーデ状又は円錐台状の形状にする場合、その根元直径は、細くなると皮膚内に刺入するヒアルロン酸等の量が減少すると共に、皮膚に刺入する際に折れ易くなり、太くなると皮膚に刺入し難くなるので、120〜400μm程度、好ましくは150〜300μm程度が望ましい。なお、マイクロニードルの「根元直径」とは、基板表面に接するマイクロニードル底面の直径を意味する。
コニーデ状又は円錐台状のマイクロニードルの先端径は、細くなると(尖っていると)皮膚に刺入する際に折れ易くなり、太くなると皮膚に刺入し難くあり苦痛を伴うため、5〜100μm程度、好ましくは10〜80μm程度が望ましい。
また、コニーデ状又は円錐台状のマイクロニードルの長さは、短いと、皮膚への刺入深度が浅くなりヒアルロン酸等を供給し難くなるので、100μm程度以上、好ましくは150μm程度以上、より好ましくは200μm程度以上であることが望ましい。またマイクロニードルの長さの上限としては、マイクロニードルを皮膚に刺入する際に折れなければよく、その限りにおいて特に制限されないが、通常5000μm程度以下、好ましくは3000μm程度以下、より好ましくは1600μm程度以下である。マイクロニードルの具体的な長さとして、例えば100〜5000μm程度または100〜3000μm程度を挙げることができる。かかるマイクロニードルとしては、100〜1600μm程度、好ましくは150〜1200μm程度、より好ましくは150〜1000μm程度の長さを有するマイクロニードルと、1000μmより長く5000μm程度以下、好ましくは1600μmより長く5000μm程度以下、より好ましくは1600μmより長く3000μm程度以下の長さを有するニードルを挙げることができる。
また、マイクロニードルアレイにおいて、1つのマイクロニードルとそれに近接するマイクロニードルとの距離については、短くなると皮膚に刺入し難くなり、長くなると単位面積当たりのマイクロニードルの数が少なくなり、ヒアルロン酸等を十分に皮下に供給できなくなる。この観点から、マイクロニードルアレイにおけるマイクロニードルの配置間隔は、マイクロニードルの先端部とそれに近接するマイクロニードルの先端部との距離(本発明では、これを「ピッチ」という)が100〜1800μm程度、好ましくは150〜1200μm程度になるように設定されることが望ましい。
また、マイクロニードルアレイの基板表面の単位面積当たりのマイクロニードルの数については、上記ピッチ等に応じて適宜設定されるが、マイクロニードルアレイの基板表面1cm当たり、通常50〜300個程度、好ましくは100〜200個程度、更に好ましくは120〜160個程度が例示される。また、マイクロニードルアレイにおいて、複数のマイクロニードルの配置については、特に制限されないが、格子状に配列されていることが好ましい。
本発明におけるマイクロニードルアレイにおいて、上記基板については、その表面にマイクロニードルを据置、保持又は形成し得るフィルム又はシートであれば、特に制限されない。当該基板は、マイクロニードルと同組成のフィルム又はシートであってもよく、またマイクロニードルとは異なる組成のフィルム又はシートであってもよい。マイクロニードルとは異なる組成のフィルム又はシートとしては、具体的には、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アルミニウム等から形成されるフィルム又はシートが挙げられる。製造簡便性の観点からは、当該基板は、マイクロニードルと同組成のフィルム又はシートで構成されていることが望ましく、この場合、基板はマイクロニードルと一体成型することができる。
基板は、特に制限されないが、その表面にマイクロニードルを据置または保持することができ、またマイクロニードルを皮膚表層及び/又は皮膚角質層に刺入するための支持体になりえる程度の厚みを有していることが好ましい。かかる厚みとして、通常50μm程度以上の厚みを挙げることができる。好ましくは50〜500μm程度、より好ましくは80〜300μm程度、特に好ましくは100〜200μm程度を例示することができる。
本発明におけるマイクロニードルアレイは、マイクロニードルを皮膚表層及び/又は皮膚角質層に刺入するように、皮膚に適用して使用される。具体的には、本発明におけるマイクロニードルアレイを、そのマイクロニードルが皮膚表層及び/又は皮膚角質層に刺入するように皮膚に貼付し、その状態で放置する。こうすることによって、マイクロニードル中のヒアルロン酸等が皮下等の体内の温度と水分により溶解して皮下に溶出され、皮下またはそれよりも深い組織内でヒアルロン酸に基づく有用な薬理作用が発揮される。またこのとき、マイクロニードルに、前述する水溶性高分子、または香粧的又は薬学的に利用可能な薬効成分が含まれている場合は、マイクロニードルに含まれるこれらの成分がヒアルロン酸とともに皮下に溶出され、皮下またはそれよりも深い組織内でヒアルロン酸及びこれらの成分に基づく有用な薬理作用が発揮される。
なお、ヒアルロン酸等のかかる薬理作用をより効果よく得るためには、皮膚表層及び/又は皮膚角質層に刺入されたマイクロニードルを、その状態で、30分程度以上、好ましくは30〜300分程度、より好ましくは60〜180分程度の間、保持しておくことが好ましい。こうすることで、マイクロニードルを構成するヒアルロン酸等を皮下で十分に溶解させ溶出させることができる。
このように、本発明におけるマイクロニードルアレイは、皮下またはそれよりも深い組織に少なくともヒアルロン酸等を供給することができるので、ヒアルロン酸の作用を利用した香粧的又は医学的用途に使用される。
例えば、ヒアルロン酸は、上皮細胞の増殖を亢進する作用を発揮することが知られているので(非特許文献1)、本発明におけるマイクロニードルアレイは、かかるヒアルロン酸の作用に基づいて、美白、保湿、又は老化防止を目的として香粧的用途に使用できる。
以下に実施例を例示して本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
レーザー発振器はYLPPシリーズ、ピコ秒ファイバーレーザー(IPGフォトニクスジャパン)を用いた。デジタルガルバノスキャナーはキャノン株式会社製を用いた。鋳型シートとしてはPET、500μm厚さを用いた。穴あけのための出力及び位置決定のためのパラメーターを適宜設定し、200mm×200mmの正方形のシート上の中央部にピッチ0.5mmで碁盤目状に削孔した。削孔部は100mm×100mmの正方形状であった。計40,000穴を開けた。得られた削孔シート上に、水100重量部にヒアルロン酸(キッコーマンバイオケミファ製、商品名「FCH−SU」、分子量100,000)を溶解したコラーゲン水溶液を流延し、加熱してヒアルロン酸水溶液層の水分を蒸発させた後、鋳型1から剥離して角を丸めた長方形(7×50mm)に打ち抜き、そのマイクロニードルアレイを角を丸めた長方形(9×56mm)の粘着テープの中央部にセットすることにより、本発明のマイクロニードルアレイを得た。
得られたマイクロニードルを顕微鏡観察すると、ニードル高さ190μm、ニードル先端直径:20μm、ニードル根元直径:150μm、ピッチ:500μmであり、ほぼ削孔部のディメンジョンと同等であった。

Claims (1)

  1. レーザーを用いて鋳型を成型する工程、
    前記成型した鋳型の上に水溶性高分子を主とする基材水溶液を流延し、乾燥させる工程を含むマイクロニードルアレイの製造方法。

JP2018211857A 2018-11-10 2018-11-10 マイクロニードルアレイの製造方法 Pending JP2020078363A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018211857A JP2020078363A (ja) 2018-11-10 2018-11-10 マイクロニードルアレイの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018211857A JP2020078363A (ja) 2018-11-10 2018-11-10 マイクロニードルアレイの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020078363A true JP2020078363A (ja) 2020-05-28
JP2020078363A5 JP2020078363A5 (ja) 2021-12-09

Family

ID=70801346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018211857A Pending JP2020078363A (ja) 2018-11-10 2018-11-10 マイクロニードルアレイの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020078363A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005501615A (ja) * 2001-09-05 2005-01-20 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー マイクロニードルアレイおよびその製造方法
JP2009273872A (ja) * 2008-04-14 2009-11-26 Kosumedei Seiyaku Kk マイクロニードルアレイ
JP2014195583A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 凸版印刷株式会社 針状体の製造方法および針状体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005501615A (ja) * 2001-09-05 2005-01-20 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー マイクロニードルアレイおよびその製造方法
JP2009273872A (ja) * 2008-04-14 2009-11-26 Kosumedei Seiyaku Kk マイクロニードルアレイ
JP2014195583A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 凸版印刷株式会社 針状体の製造方法および針状体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5267910B2 (ja) マイクロニードルアレイ
JP4427691B2 (ja) マイクロニードルアレイ
US8167852B2 (en) Microneedle device and method for producing the same
JP5472673B2 (ja) マイクロニードルアレイ
JP4521492B2 (ja) マイクロニードルアレイ及びその製造方法
KR102140553B1 (ko) 바늘 형상체 및 바늘 형상체 제조 방법
AU2013219321B2 (en) Microneedle of short-time dissolution type
WO2011115272A1 (ja) プロテオグリカンを含有するマイクロニードルアレイ
JP6402714B2 (ja) マイクロニードルユニット
KR102038751B1 (ko) 복합 제형이 적용된 마이크로니들 어레이 및 이의 제조방법
JP2009254756A (ja) マイクロニードルアレイ
US10918845B2 (en) Transdermal administration device
KR101628342B1 (ko) 약물 투여량 및 투여 깊이 조절이 가능한 미세바늘 구조체 및 제조방법
US20180326195A1 (en) Microneedle array and microneedle sheet
EP2990072B1 (en) Production method for acicular body
KR102001654B1 (ko) 정량 투여가 가능하며 약물 투입 속도 조절이 가능한 미세바늘 구조체
Parhi Recent advances in microneedle designs and their applications in drug and cosmeceutical delivery
KR20150005137A (ko) 나노 크기의 구멍을 가진 마이크로니들 및 이의 제조 방법
JP2016189845A (ja) マイクロニードルシート
JP6003338B2 (ja) 針状体パッケージ
JP2020078363A (ja) マイクロニードルアレイの製造方法
US20180200495A1 (en) Administration device
WO2020262473A1 (ja) 針密度が不均一なマイクロニードルアレイ
RU2652567C1 (ru) Микроигольный аппликатор и способ его изготовления
JP2021003547A (ja) 針密度が不均一なマイクロニードルアレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211029

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220621

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220805

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221213