JP2020076934A - 虚像表示装置、および虚像表示方法 - Google Patents

虚像表示装置、および虚像表示方法 Download PDF

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【課題】観察者に快適な装着感と没入感とを提供可能にする。【解決手段】本開示の虚像表示装置は、観察者の視野における正面領域に第1の画像を出力する第1の画像形成素子と、観察者の視野における周辺領域に第1の画像とは異なる第2の画像を出力する第2の画像形成素子とを含み、第1の画像に対して、それぞれの少なくとも一部の画像領域が重複するように、第1および第2の画像を含む複数の画像を出力する複数の画像形成素子と、複数の画像形成素子のそれぞれに対応して設けられ、複数の画像から全体として1つの虚像を形成する複数の接眼光学系とを備える。【選択図】図5

Description

本開示は、頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法に関する。
頭部装着型の虚像表示装置は、没入感を高めるために、高解像度と広視野角との両立が求められている。同時に、快適な装着感を得るためには、観察者が装着する装置の小型・軽量化も必要である。
特開2018−5221号公報 特表2016−541031号公報 特開平11−84306号公報 国際公開第2013/076994号
Philipp Wartenberg et al.,High Frame−Rate 1″ WUXGA OLED Microdisplay and Advanced Free−Form Optics for Ultra−Compact VR Headsets,SID 2018 DIGEST,pp.514−517
一般に、頭部装着型の虚像表示装置において、小型・軽量、かつ、製造コストを抑制しつつも高解像度と広視野角とを両立させることは困難である。
観察者に快適な装着感と没入感とを提供可能な頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る虚像表示装置は、観察者の視野における正面領域に第1の画像を出力する第1の画像形成素子と、観察者の視野における周辺領域に第1の画像とは異なる第2の画像を出力する第2の画像形成素子とを含み、第1の画像に対して、それぞれの少なくとも一部の画像領域が重複するように、第1および第2の画像を含む複数の画像を出力する複数の画像形成素子と、複数の画像形成素子のそれぞれに対応して設けられ、複数の画像から全体として1つの虚像を形成する複数の接眼光学系とを備える。
本開示の一実施の形態に係る虚像表示方法は、複数の画像形成素子のそれぞれによって複数の画像を表示するステップと、複数の画像形成素子のそれぞれに対応する複数の接眼光学系を介して、複数の画像を出力するステップと、複数の接眼光学系の光学特性と、観察者の瞳孔位置および瞳孔径と接眼光学系における境界面の位置および傾斜角度から幾何的に決まる光線束特性と、複数の画像形成素子の発光特性との少なくとも1つの特性に基づき、複数の画像形成素子に表示する画像を、複数の接眼光学系を介して出力された画像が1つの虚像を形成するように補正するステップとを含む。
本開示の一実施の形態に係る虚像表示装置では、複数の画像形成素子が、第1の画像に対して、それぞれの少なくとも一部の画像領域が重複するように、第1および第2の画像を含む複数の画像を出力する。また、複数の画像形成素子のそれぞれに対応して設けられた複数の接眼光学系によって、複数の画像から全体として1つの虚像を形成する。
本開示の一実施の形態に係る虚像表示方法では、複数の接眼光学系の光学特性と、観察者の瞳孔位置および瞳孔径と接眼光学系における境界面の位置および傾斜角度から幾何的に決まる光線束特性と、複数の画像形成素子の発光特性との少なくとも1つの特性に基づいて、複数の接眼光学系を介して出力された画像が1つの虚像を形成するように、複数の画像形成素子に表示する画像が補正される。
本開示の第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1ないし第4の画像形成素子の配置例および構成例を示す構成図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、右眼と左眼のそれぞれの光学ユニットを構成する全ての画像形成素子が分割して表示する複数の画像のそれぞれの画角領域の一例を示した説明図である。 人間の眼が持つ視野特性の概要を示す説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1ないし第4の接眼光学系の一構成例を光路と共に示す断面図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1ないし第4の接眼光学系の一構成例を示す斜視図である。 水平方向に隣接する2つの接眼光学系によって観察される画像の視認状態の一例を示す説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、水平方向に隣接する2つの接眼光学系同士の境界面の位置を設計する手順の一例を示した説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、第1および第2の接眼光学系により観察される虚像の画角範囲の一例を模式的に示す説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、水平方向に隣接する2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度を設計する手順の一例を示した説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における虚像面の設計例を示した説明図である。 虚像距離が一定である頭部装着型の虚像表示装置における、輻輳距離と調節距離の不整合問題の概要を示す説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、虚像距離を制御するために必要な画像形成素子の移動量の一例を比較例と共に示す説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、視線方向を検出するための撮像デバイスの第1ないし第3の配置例を概略的に示す説明図である。 第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置によって観察者が自然な奥行き感を得るための虚像表示方法を概略的に示す説明図である。 第2の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系の一構成例を光路と共に示す断面図である。 第3の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系の一構成例を光路と共に示す断面図である。 第4の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系の一構成例を光路と共に示す断面図である。 第5の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼の光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系の一構成例を光路と共に示す断面図である。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.概要
0.1 比較例
0.2 本開示の一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の概要
1.第1の実施の形態(図1〜図14)
1.1 構成および動作
1.2 効果
2.第2の実施の形態(図15)
3.第3の実施の形態(図16)
4.第4の実施の形態(図17)
5.第5の実施の形態(図18)
6.その他の実施の形態
<0.概要>
[0.1 比較例]
一般に、有限の画素数を持つ画像形成素子を接眼光学系で観察する場合、視野角に応じて角度あたりの画素数が決まるため、解像度と視野角にトレードオフの関係が存在する。画素密度を保ちながら画素数を増やすために、画像形成素子の面積を広げる手段もあるが、装置全体の大型化を招くため好適ではない。上記のトレードオフの関係を打開しつつ、装置の小型・軽量化を実現するために、複数の画像形成素子や接眼光学系を用いて、1つの虚像に繋ぎ合わせて観察する種々の技術が報告されている(特許文献1〜3、非特許文献1参照)。また、単一の画像形成素子と単一の接眼光学系とを用いて視野角を拡大する技術もある(特許文献4参照)。
例えば、虚像表示装置の大型化や重量増加を抑制しつつ視野角を広げるため、片眼あたり2つの画像形成素子を用いた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、高解像度を保ちながら視野角を広げるため、片眼あたり1つの画像形成素子を、自由曲面を含む複数の小型レンズに分割された接眼光学系で観察することで、コンパクトな光学設計を実現する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、高解像度を保ちながら視野角を広げるため、片眼あたり2つの小型かつ高精細な画像形成素子を、自由曲面を含む2つの接眼光学系で観察することで、コンパクトな光学設計を実現する技術も知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、高解像度かつ広視野角な虚像表示装置を得るため、第1の画像形成素子から出力された広い視野領域を持つ虚像の一部領域に、ハーフミラーを用いて第2の画像形成素子から出力された高解像度な虚像を重ねることで、観察者の注視点近傍のみ解像度を高める技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献1に記載の技術では、片眼あたり2つの画像形成素子を用いているが、没入感を高めるためには観察者の正面に配置される接眼光学系は、少なくとも100°程度の垂直画角が必要である。さらに、水平画角も90°(鼻側に45°)以上は必要となるため、フレネルレンズ等で構成される1つの接眼光学系でこの視野角を実現するには、数インチ以上の画像形成素子が必要である。近年では、数インチの画像形成装置として、画素密度の高い液晶ディスプレイやOLED(有機EL)ディスプレイの開発が進んでいるが、いずれを使用しても観察される虚像の角解像度は5〜6分である。これは、人間の眼が持つ角解像度1〜2分に及ばないため、十分な没入感を得ることは困難である。
特許文献2に記載の技術では、小型レンズに分割された接眼光学系により、人間の眼の特性に応じた光学設計が可能となるが、片眼あたり1つの画像形成素子しか備えていないため、広視野角を実現するには、数インチの画像形成装置が必要であり、やはり特許文献1と同じく解像度不足が課題となる。さらに、虚像の繋ぎ位置が観察者の視野における正面領域にかかる配置となっているため、画像の境界が視認されるリスクや、隣接する小型レンズ同士の物理的な境界が視認されるリスクが高い。
非特許文献1に記載の技術では、片眼あたり2つの小型かつ高精細な画像形成素子を備え、それらのサイズは価格競争力のある1インチとなっているが、片眼あたりの水平画角が92°、垂直画角が75°であり、十分な没入感を得ることは困難である。少なくとも100°以上の視野角を達成するには、対称性を考慮すると片眼あたり4つ以上の画像形成素子が必要となり、製造コストが高くなる。
特許文献3に記載の技術では、ハーフミラーを用いて高解像度な虚像を重ねるため光路長が長い構成となっており、視野角を広げるにつれて接眼光学系の体積が極端に大きくなる。また、高解像度な出力が得られる画角領域が狭いため、観察者の視線方向を検出しつつ、表示領域をリアルタイムかつ動的に駆動させる必要がある。したがって、眼前に大掛かりな摺動機構を配置することとなり、虚像表示装置の小型・軽量化を達成する妨げとなる。
また、特許文献4には、中央部を平坦とし周辺部が湾曲した画像形成素子を備え、画面中央部に対して画面周辺部の画素サイズを大きくした構成の頭部装着型表示装置の技術が開示されている。特許文献4に記載の技術では、片眼あたり単一の画像形成素子と単一の画像形成素子とを用いて視野角を拡大している。特許文献4に記載の技術では、単一の画像形成素子に対して中央部と周辺部との画素サイズおよび平面形状を異ならせる必要があり、製造方法が特殊なものとなるため、製造コストの点で不利である。
以上のように、一般に、頭部装着型の虚像表示装置において、小型・軽量、かつ、製造コストを抑制しつつも高解像度と広視野角とを両立させることは困難である。
そこで、比較的小型・軽量、かつ、製造コストを抑制しつつも高解像度と広視野角とを両立させ、観察者に快適な装着感と没入感とを提供可能な頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の開発が望まれる。
[0.2 本開示の一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の概要]
本開示の一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、複数の画像を出力する複数の画像形成素子と、複数の画像形成素子のそれぞれに対応して設けられ、複数の画像から全体として1つの虚像を形成する複数の接眼光学系とを備える。複数の画像形成素子は、観察者の視野における正面領域に出力する画像を表示する高精細かつ小型な第1の画像形成素子と、観察者の視野における周辺領域に出力する画像を表示する第1の画像形成素子よりも解像度が低い第2ないし第N(Nは3以上の整数)の画像形成素子とを含む。複数の接眼光学系は、第1の画像形成素子に対応して設けられた第1の接眼光学系と、第2ないし第Nの画像形成素子に対応して設けられた第2ないし第Nの接眼光学系(他の接眼光学系)とを含む。一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、第1の画像形成素子が表示する第1の画像が、第2ないし第Nの画像形成素子が表示する第2ないし第Nのいずれの画像に対しても部分集合とならないことを特徴とする。一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、観察者が、第1ないし第Nの画像形成素子が表示する第1ないし第Nの画像を、それぞれに適した第1ないし第Nの接眼光学系を介して1つの虚像に繋ぎ合わさった状態で観察するように構成されている。
このような構成によれば、人間の視機能が優れた安定注視野には高精細な第1の画像形成素子を用いて解像度の高い虚像が出力され、情報識別能力が低い周辺視野には比較的製造コストの低い第2ないし第Nの画像形成素子を用いて第1の画像形成素子よりも解像度が低い虚像が出力される。そのため、虚像表示装置が不要にオーバースペックとなることを防ぎ、解像度と製造コストのバランスを最適化できる。
また、虚像表示装置に求められる視野角に応じて、第2ないし第Nの画像形成素子および第2ないし第Nの接眼光学系の配置や数を調整することで、比較的容易に広い視野角を実現できる。
また、観察者の正面に配置される第1の画像形成素子が小型で、かつ、虚像の画角も安定注視野に限定されるため、それに対応する第1の接眼光学系は比較的コンパクトな光学設計が可能となる。さらに、広視野角な光学設計を行うにあたり、単一の接眼光学系よりも複数に分割した方が、光学性能を確保しやすく、かつ、それぞれの接眼光学系を低背化できるため、結果として、虚像表示装置全体の小型・軽量化を実現できる。
一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、例えば、第1の接眼光学系が、水平画角として60°以上120°以下、垂直画角として45°以上100°以下の虚像を出力する。その結果、第1の接眼光学系から出力される虚像と、第2ないし第Nの接眼光学系から出力される虚像とが、安定注視野から周辺視野へと遷移する領域で繋ぎ合わされることとなり、画像の境界が視認されるリスクを回避できる。さらに、このような構成によれば、第1の接眼光学系と、それに隣接する第2ないし第Nの接眼光学系同士の物理的な境界が視認されるリスクも軽減される。
一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、例えば、第1の画像形成素子が、2000ppi以上の解像度を有し、第2ないし第Nの画像形成素子が2000ppi未満の解像度を有する。これにより、少なくとも人間の視機能が優れた安定注視野には、角解像度2分以下で虚像を出力することができる。結果として、人間の眼が持つ角解像度1〜2分と同等以上の虚像を観察できるため、観察者は十分な解像感を得ることができる。
より望ましくは、第1ないし第Nの接眼光学系において、隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の位置は、安定注視野における観察者の視線移動に伴う眼球回転があっても、それぞれの接眼光学系から出力される隣接する任意の2つの虚像同士が、常に重複する領域を持ちながら繋がるように設計される(後述する第1の実施の形態、図7〜図8等参照)。結果として、観察者が視線を移動しても、隙間なく虚像を繋ぎ合わせることができるため、画像の境界が視認されるリスクを軽減できる。
より望ましくは、第1ないし第Nの接眼光学系において、隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度が、安定注視野における観察者の視線移動に伴う眼球回転があっても、境界面の近傍を通過する光線束のケラレが少なくなるように(抑制されるように)設計される(後述する第1の実施の形態、図9等参照)。結果として、観察者が視線を移動しても、隣接する任意の2つの虚像同士の繋ぎ位置で光量低下を抑制できるため、画像の境界が視認されるリスクを軽減できる。
第1ないし第Nの接眼光学系は、観察者の視界を覆うように、全体として滑らかに湾曲した虚像面を形成するように設計されてもよい。または、それぞれの接眼光学系は平坦な虚像面を形成しつつも、周辺に配置される接眼光学系ほど傾いた虚像面を形成することで、観察者の視界を覆うように、全体として離散的に湾曲した虚像面を形成するように設計されてもよい(後述する第1の実施の形態、図10参照)。結果として、観察者は自身を取り巻くような映像体験により、さらなる没入感を得ることができる。
第1ないし第Nの接眼光学系のうち少なくとも1つの接眼光学系は、少なくとも1つのフレネルレンズを含む構成であってもよい(後述する第1〜第4の実施の形態、図4等参照)。このような構成によれば、フレネルレンズを用いることにより接眼光学系を低背化できるため、結果として、虚像表示装置全体の小型・軽量化を実現できる。
第2ないし第Nの接眼光学系は、第1の接眼光学系とは異なる光学方式の接眼光学系として設計されてもよい(後述する第2ないし第4の実施の形態、図15〜図17参照)。
例えば、第2ないし第Nの接眼光学系は、自由曲面プリズム、もしくは、自由曲面ミラーを含む光学方式の接眼光学系として設計されてもよい。このような構成によれば、周辺視野に必要な光学性能に応じて、最適な光学方式を選択できる。また、観察者が眼鏡を掛けたまま虚像表示装置を装着することを想定して眼前の空間(観察者の顔から最も眼に近い光学面までの空間)を十分に確保する対応や、筐体デザインからくる要求への対応など、自由度を持った光学設計が可能となる。
第1ないし第Nの接眼光学系は、少なくとも、最も観察者の眼側に位置する面が、第1ないし第Nの接眼光学系のそれぞれにおいて同一のレンズ面として共有されるように設計されてもよい(後述する第5の実施の形態、図18参照)。一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、第1ないし第Nの接眼光学系によって形成される第1ないし第Nの虚像のうち隣接する任意の2つの虚像同士が重複する領域を持つ設計となっており、隣接する任意の2つの画像形成素子同士で同一の画像を表示させる重畳領域が一部存在する。このような構成によれば、その重畳領域を減らせるため、結果として、全ての画像形成素子が持つ画素の利用効率を高めることができる。さらに、眼側のレンズ面が共通化されることで、隣接する任意の2つの接眼光学系同士の物理的な境界が視認されるリスクも軽減される。
本開示の一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、観測者から複数の接眼光学系のそれぞれによる虚像面までの距離(虚像距離)を制御可能な摺動機構をさらに備えてもよい(後述する第1の実施の形態、図12参照)。摺動機構は、第1ないし第Nの接眼光学系のそれぞれを構成するレンズおよびレンズ群等の構成要素の位置や、それぞれの接眼光学系に対応する画像形成素子の位置を摺動させることで、それぞれの接眼光学系による虚像距離を制御可能であってもよい。
例えば、第1ないし第Nの接眼光学系は、虚像距離が、観察者からの距離として手前20mmから無限遠まで制御されるように設計される。結果として、従来型の虚像観察装置における「輻輳距離と調節距離の不整合問題」(後述する第1の実施の形態、図11参照)が解決され、観察時の酔い等の不快感が軽減される。
本開示の一実施の形態に係る虚像表示方法では、第1ないし第Nの接眼光学系が持つ収差や周辺減光等の光学特性や、観察者の瞳孔位置および瞳孔径と接眼光学系における境界面の位置および傾斜角度から幾何的に決まる光線束のケラレに起因した減光、さらに、第1ないし第Nの画像形成素子が有する配光、色度、分光等の発光特性等を考慮して、それぞれの画像形成素子に表示する画像に対して補正処理を行う(後述する第1の実施の形態、図13等参照)。
このような方法によれば、第1ないし第Nの接眼光学系から出力される複数の虚像がシームレスに繋がり、複数の画像の境界が視認されるリスクを軽減できる。
より望ましくは、第1ないし第Nの画像形成素子に表示する画像に対する補正処理は、観察者の視線方向を検出しつつ、観察者の視線移動に伴う眼球回転に応じてリアルタイムに調整される。複数の虚像をシームレスに繋ぐ補正処理は、眼球回転の状態に応じて異なるため、このような方法によれば、観察者が視線を移動しても、複数の画像の境界が視認されるリスクを軽減できる。
また、一実施の形態に係る虚像表示方法では、摺動機構によって、第1ないし第Nの接眼光学系のそれぞれの構成要素の位置、または、第1ないし第Nの画像形成素子のそれぞれの位置を摺動させることで、観察者の視線方向を検出しつつ、観察者の輻輳角に応じて、観測者から第1ないし第Nの接眼光学系のそれぞれによる虚像面までの虚像距離を制御してもよい。また、摺動機構の動作と連動して、第1ないし第Nの画像形成素子に表示する画像を、第1ないし第Nの接眼光学系の倍率、および観測者の輻輳角に対応した表示位置に調整し、かつ、輻輳距離から外れた観察者が注視していない表示オブジェクトにはブラー処理がかかるように補正してもよい(後述する第1の実施の形態、図14等参照)。
このような方法によれば、一般的な虚像表示装置における「輻輳距離と調節距離の不整合問題」が解決され、観察時の酔い等の不快感が軽減されるとともに、第1ないし第Nの接眼光学系から出力される第1ないし第Nの虚像がシームレスに繋ぎ合わされ、かつ、自然な奥行き感を持つ虚像を出力することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、以上で説明した本開示の一実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の具体的な第1ないし第5の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の部号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施の形態>
[1.1 構成および動作]
(頭部装着型の虚像表示装置の概要)
第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、左眼30Lの光学ユニットと、右眼30Rの光学ユニットとを備える。第1の実施の形態および後述の第2ないし第5の実施の形態では、主として右眼30Rの光学ユニットの構成を例に説明するが、左眼30Lの光学ユニットと右眼30Rの光学ユニットの構成は基本的に同じである。
第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、左眼30Lの光学ユニットと右眼30Rの光学ユニットはそれぞれ、第1ないし第4の画像形成素子11〜14(後述する図1等参照)を含む複数の画像形成素子と、第1ないし第4の画像形成素子11〜14に対応する第1ないし第4の接眼光学系21〜24(後述する図4、図5等参照)を含む複数の接眼光学系とを備える。
(画像形成素子の構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置について、右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1ないし第4の画像形成素子11〜14の配置例および構成例を示している。なお、図1では説明上、それぞれの画像形成素子が同一面内に配置されている状態で示しているが、実際には、それぞれの画像形成素子は同一面内には配置されず、3次元空間に適切な傾きを持って配置されている(後述する図5等参照)。
第1の画像形成素子11は、高精細かつ小型な画像形成素子であり、観察者の視野における正面領域に出力する画像を表示する。第1の画像形成素子11は例えば、画素ピッチが7.8μm、対角サイズが1インチ、画素数が水平2500ピクセル、垂直2080ピクセルとなっている。第1の画像形成素子11は、例えばM−OLED(Micro Organic Light Emitting Diode )である。
第2の画像形成素子12は、第1の画像形成素子11の右側に配置され、観察者の視野における右側の周辺領域に出力する画像を表示する。第2の画像形成素子12の画素ピッチは第1の画像形成素子11よりも大きく、例えば65.25μmで、対角サイズは1.65インチとなっている。また、第2の画像形成素子12の画素数は例えば、水平300ピクセル、垂直550ピクセルである。第2の画像形成素子12は、例えばLTPS(Low Temperature Polycrystalline Silicon)−OLEDである。なお、左眼30Lの光学ユニットの場合、第2の画像形成素子12は、第1の画像形成素子11の左側に配置され、観察者の視野における左側の周辺領域に出力する画像を表示する。
第3の画像形成素子13は、第1の画像形成素子11の上側に配置され、観察者の視野における上側の周辺領域に出力する画像を表示する。第4の画像形成素子14は、第1の画像形成素子11の下側に配置され、観察者の視野における下側の周辺領域に出力する画像を表示する。第3および第4の画像形成素子13,14の画素ピッチはいずれも第1の画像形成素子11よりも大きく、例えば65.25μmで、対角サイズはいずれも例えば1.55インチであり、画素数はいずれも例えば水平525ピクセル、垂直260ピクセルである。第3および第4の画像形成素子13,14はそれぞれ、例えばLTPS−OLEDである。
図2は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置から出力される虚像全体に対して、右眼30Rと左眼30Lのそれぞれの光学ユニットを構成する全ての画像形成素子が分割して表示する複数の画像のそれぞれの画角領域の一例を示している。図2において(A)には、右眼30Rの光学ユニットによって表示される第1ないし第4の画像11R,12R,13R,14Rのそれぞれの画角領域を示す。図2において(B)には、右眼30Rの光学ユニットによって表示される第1ないし第4の画像11R,12R,13R,14Rと、左眼30Lの光学ユニットによって表示される第1ないし第4の画像11L,12L,13L,14Lとのそれぞれの画像の画角領域を示す。なお、図2において、右眼30Rの光学ユニットおよび左眼30Lの光学ユニットによって表示される画像全体の画角領域の中心位置を水平画角(X画角)0°、垂直画角(Y画角)0°とする。また、水平画角については右側を+方向、左側を−方向とする。また、垂直画角については上側を+方向、下側を−方向とする。以降の他の図の説明においても同様である。
右眼30Rの光学ユニットにおいて、第1の画像形成素子11が表示する第1の画像11Rの画角領域は、例えば、水平画角−40°以上40°以下の範囲、垂直画角−30°以上30°以下の範囲である。また、右眼30Rの光学ユニットにおいて、第2の画像形成素子12が表示する第2の画像12Rの画角領域は、水平画角25°以上75°以下の範囲、垂直画角−50°以上50°以下の範囲である。また、右眼30Rの光学ユニットにおいて、第3の画像形成素子13が表示する第3の画像13Rの画角領域は、水平画角−40°以上55°以下の範囲、垂直画角15°以上50°以下の範囲である。また、右眼30Rの光学ユニットにおいて、第4の画像形成素子14が表示する第4の画像14Rの画角領域は、水平画角−40°以上55°以下の範囲、垂直画角−50°以上−15°以下の範囲である。
また、左眼30Lの光学ユニットにおいて、第1の画像形成素子11が表示する第1の画像11Lの画角領域は、平画角−40°以上40°以下の範囲、垂直画角−30°以上30°以下の範囲であり、また、左眼30Lの光学ユニットにおいて、第2の画像形成素子12が表示する第2の画像12Lの画角領域は、水平画角−75°以上−25°以下の範囲、垂直画角−50°以上50°以下の範囲である。また、左眼30Lの光学ユニットにおいて、第3の画像形成素子13が表示する第3の画像13Lの画角領域は、水平画角−55°以上40°以下の範囲、垂直画角15°以上50°以下の範囲である。また、左眼30Lの光学ユニットにおいて、第4の画像形成素子14が表示する第4の画像14Lの画角領域は、水平画角−40°以上55°以下の範囲、垂直画角−50°以上−15°以下の範囲である。
したがって、右眼30Rの光学ユニットにおける第1の画像形成素子11と、左眼30Lの光学ユニットにおける第1の画像形成素子11は、表示する画角領域が等しくなっている。また、左眼30Lと右眼30Rの光学ユニットで、水平−40°以上40°以下、垂直−50°以上50°以下の画角領域が重畳されるため、この画角領域は視差画像により観察者に奥行知覚を与える上で有用である。さらに、隣接する任意の2つの画像同士は、少なくとも画角15°以上の重畳領域を持つように配置される。
図3は、人間の眼が持つ視野特性の概要を示している。一般に、人間は水平約200°、垂直約125°の視野が見えると言われるが、この視野領域の全ての情報を同時に識別できるわけではなく、図3に示されるように、それぞれの視野領域に機能を分担させている。
視野の中心部、すなわち、視線方向には弁別視野と呼ばれる視機能が優れた領域が存在し、その角度領域は±2.5°の範囲である。また、水平±15°、垂直−12°以上8°以下の領域は有効視野と呼ばれ、眼球運動だけで瞬時に情報を識別できる。個人差があるが、有効視野の外側には、水平−45°〜−30°以上30°〜45°以下、垂直−40°〜−25°以上20°〜30°以下の領域は安定注視野と呼ばれ、眼球運動あるいは頭部運動による視線移動で効果的に情報を識別できる。さらに、安定注視野の外側に存在する周辺視野は、誘導視野および補助視野と呼ばれる領域からなり、いずれも情報識別能力は低くなっている。
図3に示される視野特性を踏まえると、それぞれの画像形成素子で分割表示された隣接する任意の2つの画像同士の繋ぎ位置を、安定注視野から外すことで、隣接する任意の2つの画像同士の境界が視認されるリスクを回避できる。例えば、個人差を考慮すると、一般には、隣接する任意の2つの画像同士の繋ぎ位置が水平画角で±40°以上、垂直画角で±30°以上の領域となるようにすることが好ましい。第1の実施の形態では、図2に示されるように、第1の画像形成素子11の表示する画角領域が、水平画角−40°以上40°以下の範囲、垂直画角−30°以上30°以下の範囲であるため、個人差を考慮すると、一般には、繋ぎ位置が安定注視野から周辺視野へと遷移する領域に配置されているとみなせる。
(接眼光学系の構成例)
図4は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1ないし第4の接眼光学系21〜24の一構成例を光路と共に示している。図4において、(A)は水平断面、(B)は垂直断面を示す。第1ないし第4の接眼光学系21〜24は、それぞれに対応する画像形成素子が分割表示する画角領域を出力できるように設計され、右眼30Rの光学ユニット全体として、水平画角−40°以上75°以下の範囲、垂直画角−50°以上50°以下の範囲となる虚像を出力する。
第1の接眼光学系21は、第1のL1レンズL11、および第1のL2レンズL12から構成されている。第2の接眼光学系22は、第2のL1レンズL21、および第2のL2レンズL22から構成されている。第3の接眼光学系23は、第3のL1レンズL31、および第3のL2レンズL32から構成されている。第4の接眼光学系24は、第4のL1レンズL41、および第4のL2レンズL42から構成されている。
第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22との間には、境界面72が存在する。第1の接眼光学系21と第3の接眼光学系23との間には、境界面73が存在する。第1の接眼光学系21と第4の接眼光学系22との間には、境界面74が存在する。
なお、各レンズの有効径外の領域は、レンズの切り落とし領域61〜64であってもよい。
第1の実施の形態では、第1ないし第4のそれぞれの接眼光学系について、それぞれのL1レンズとL2レンズとの対向面同士が、いずれもフレネルレンズとして光学設計されている。これにより、標準的な球面レンズおよび非球面レンズのみ採用した光学設計よりも、光学ユニットひいては装置全体の低背化、軽量化を実現できる。
図5は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1ないし第4の接眼光学系21〜24の斜視構成例を示している。第1ないし第4の隣接する接眼光学系同士は、適切な境界面を持って配列されることでレンズ表面に稜線が形成される。第1の実施の形態では、図2に示されるように、隣接する任意の2つの画像同士の繋ぎ位置が安定注視野から周辺視野へと遷移する領域に配置されているため、稜線が視認されるリスクも軽減される。
図6に、水平方向に隣接する2つの接眼光学系によって観察される画像の視認状態の一例を示す。図6に示したように、水平方向に隣接する2つの接眼光学系によって形成されるそれぞれの虚像の繋ぎ位置70では、観察される画像に抜けや光量低下が生じることで、画像の境界が視認されるおそれがある。このリスクを回避するためには、隣接する任意の2つの画像同士を十分な重畳領域を持たせながら繋ぎ合わせ、かつ、光線束のケラレが少なくなるように接眼光学系を設計する必要がある。以下、図7〜図9を参照しつつ、その設計の手順について詳細に説明する。
(隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の位置の設計例)
図7は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、水平方向に隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の位置を設計する手順の一例を示している。図7では、水平方向に隣接する任意の2つの接眼光学系として、右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系21,22を例に示す。
図7において(A)は、観察者の瞳面から第1の接眼光学系21までの距離が15mm、かつ、瞳の直径が4mmであるとき、観察者が正面を注視している場合(眼球の回転量が0°の場合)に観察される画角範囲を示している。図7の(A)〜(D)の下段のグラフにおいて、縦軸は、瞳面の位置をZ=0と定義したときの境界面72の延長線と光軸との交点Zを示しており、横軸はその交点Zで観察される画角範囲を示している。図7の(A)〜(D)の下段のグラフにおいて、ω1aは第1の接眼光学系21における最大画角(設計値)、ω1bは第1の接眼光学系21における最大画角(実効値)、ω2aは第2の接眼光学系22における最大画角(設計値)、ω2bは第2の接眼光学系22における最大画角(実効値)を示す。図7の(A)の下段のグラフにおいて、第1の接眼光学系21における設計最大画角ω1aの値は、光学設計で定義した画角上限値40°であり、第2の接眼光学系22における設計最大画角ω2aは、第2の接眼光学系22の光学設計で定義した画角下限値25°であるため、それらの画角は15°だけ重複している。また、第1の接眼光学系21における実効最大画角ω1bは、境界面72の位置に応じて光線束にケラレが生じることで決まる第1の接眼光学系21の実効的な画角上限値であり、第2の接眼光学系22における実効最大画角ω2bは、同様にして決まる第2の接眼光学系22の実効的な画角下限値である。その結果、境界面72の延長線と光軸との交点Zを−27mmより小さく選んだとき、グラフ内の塗りつぶされた画角領域は観察されず、虚像の繋ぎ位置で画像に抜けが生じる。図7において(B)〜(D)は、それぞれ眼球が水平方向に10°、20°、30°で回転した場合に、第1および第2の接眼光学系21,22で観察される画角範囲を示している。図7の(D)において、交点Zを−18mmより大きく選んだとき、グラフ内の塗りつぶされた画角領域で画像に抜けが生じる。したがって、眼球回転があっても画像を抜けなく繋ぐには、交点Zを−27mm以上−18mm以下の範囲に選ぶ必要があり、第1の実施の形態の設計では交点Z=−23mmに対応する位置を境界面72の位置としている。
なお、図7の設計では境界面72を1つの平面としたが、光路に応じてレンズ毎に異なる境界面を設定してもよい。
図8は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、第1および第2の画像形成素子11,12が表示する第1および第2の画像11R,12Rの重畳領域80に対応する、第1および第2の接眼光学系21,22で観察される虚像の画角範囲の一例を模式的に示している。図8において(E)は、第1および第2の画像形成素子11,12が表示する第1および第2の画像11R,12Rの画角範囲を模式的に示す。第1および第2の画像11R,12Rには、重畳領域80がある。図8において(A)〜(D)は、それぞれ眼球が水平方向に0°、10°、20°、30°で回転した場合に、第1および第2の接眼光学系21,22によって観察される虚像の画角範囲を示している。図8の(A),(B)において、網掛けされた領域は、第1の接眼光学系21のみによって観察される虚像の画角領域81(第1の画像形成素子11のみによる第1の画像11R)を示し、網掛けのない領域は第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22とから出力される虚像が重畳されて観察される画角領域80Aを示している。図8の(C),(D)において、網掛けされた領域は、第2の接眼光学系22のみによって観察される虚像の画角領域82(第2の画像形成素子12のみによる第2の画像12R)を示し、網掛けのない領域は第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22とから出力される虚像が重畳されて観察される画角領域80Aを示している。このように、観察者の視線移動に関わらず(眼球回転があっても)、第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22とから出力される隣接する2つの虚像同士が、常に重複する領域を持ちながら隙間なく繋がるように、第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22との境界面72の位置設計がなされている。
なお、ここまで図7および図8を用いて、水平方向の眼球回転を考慮した場合に、水平方向に隣接する2つの接眼光学系同士の境界面72の位置の設計について説明してきたが、垂直方向の境界面についても同様の設計が可能である。
(隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度の設計例)
図9は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、水平方向に隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度を設計する手順の一例を示している。図9では、水平方向に隣接する任意の2つの接眼光学系として、右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系21,22を例に示す。
図9において(A)〜(D)には、それぞれ眼球が水平方向に0°、10°、20°、30°で回転した場合に、第1および第2の接眼光学系21,22の境界面72の近傍を通る光線束を眼側(右眼30R側)から逆追跡した光路を示す。図9の(A)〜(D)に示した破線は、境界面72を延長した直線であり、眼側から光線を辿ったとき、最も眼側のレンズ面に入射して屈折した後に、この境界面72と交差する光線は迷光となるため、光線束のケラレによる光量低下が生じるため、繋ぎ位置の画像が暗くなる。さらに、図9の(A)〜(D)に示されるように、眼球回転に応じて、境界面72と瞳面との位置関係は変化するため、境界面72の近傍を通る光線束の角度が変化し、境界面72と交差する位置が変化する。したがって、眼球回転があっても境界面72における光線束のケラレが少なくなるように、境界面72の傾斜角度を選ぶ必要があり、第1の実施の形態の設計では境界面の傾斜角度を22.5°としている。
なお、図9の設計では境界面72を1つの平面としたが、光路に応じてレンズ毎に傾斜角度を異ならせた境界面を設定してもよい。
また、光線束のケラレを低減するにあたり、境界面72に接するレンズ端面は表面積が少ないことが望ましく、第1の実施の形態のようにレンズを低背化しやすいフレネルレンズを用いた設計に優位性がある。
さらに、隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面は、個別に形成されたレンズが離れて把持されていても、接着固定されていてもよく、あるいはレンズ面に不連続形状を持ちながら一体形成されていてもよい。個別に形成されたレンズを使用する場合、迷光を防ぐために境界面のレンズ端面に砂擦り加工、墨塗り処理が施されてもよく、境界面に遮光シートの挿入や、効果的な位置に遮光マスクの追加があってもよい。一方、迷光が眼に入る経路を取らない場合は特に対策を講じなくてもよい。
なお、ここまで図9を用いて、水平方向の眼球回転を考慮した場合に、水平方向に隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度の設計について説明してきたが、垂直方向の境界面についても同様の設計が可能である。
(複数の接眼光学系によって形成される虚像面の設計例)
図10は、頭部装着型の虚像表示装置から出力される虚像面の設計例を示している。図10において(A)は、虚像表示装置に含まれる複数の接眼光学系のそれぞれが出力する虚像面が単一な平坦面を形成する設計例であり、水平画角±75°の範囲で虚像距離2.5mのとき、観察者31は水平方向に18.7mの幅を持つ虚像面101を観察する。図10において(B)は、それぞれの接眼光学系が出力する虚像面が正面領域には平坦面を形成しつつも周辺領域には湾曲面を形成する設計例であり、観察者31は視界を覆う滑らかな虚像面102を観察することで、さらなる没入感が得られる。図10において(C)は、それぞれの接眼光学系から出力される虚像面は平坦面であるが、周辺に配置される接眼光学系ほど虚像面が傾いた設計例であり、観察者31は視界を覆う離散的な虚像面103を観察する。第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、図10において(C)に示される設計例に基づいてそれぞれの接眼光学系を設計しており、第2の接眼光学系22から出力される虚像面は、第1の接眼光学系21から出力される虚像面に対して水平方向に30°だけ傾いている。
なお、ここまで図10を用いて、水平方向における虚像面の設計について説明してきたが、垂直方向についても同様の設計が可能である。
(虚像距離の制御例)
図11は、従来型の虚像距離が一定である頭部装着型の虚像表示装置における、「輻輳距離と調節距離の不整合問題」の概要を示している。図11の(A)には観察者の眼が遠距離の物体に合焦している状態を模式的に示す。図11の(B)には観察者の眼が近距離の物体に合焦している状態を模式的に示す。図11の(C)に示したように、右眼30Rと左眼30Lの画像形成素子に輻輳角に応じた視差画像を表示することで、観察者は輻輳距離が変化することにより奥行きを感じる。しかしながら、それぞれの接眼光学系から出力される虚像距離は一定であるため、眼の調節距離は変化せず、輻輳距離と調節距離とが一致しないことにより、観察時に酔い等の不快感が生じる。
第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、「輻輳距離と調節距離の不整合問題」を解消するため、観察者の正面領域に出力する画像の虚像距離を制御できるように、第1の画像形成素子11を第1の接眼光学系21の光軸方向に摺動させる摺動機構90(後述する図12の(B)参照)を有する。
図12に、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、虚像距離を制御するために必要な画像形成素子の移動量の一例を比較例と共に示す。図12の(B)には、一例として、第1の接眼光学系21が出力する虚像距離を、観察者の手前20mmから無限遠まで制御するのに必要な、第1の画像形成素子11の移動量を示す。図12において(A)は、比較例として、数インチの画像形成素子111を前提とした従来型の設計例であり、接眼光学系121の焦点距離は約40mmと長いため、画像形成素子111に必要な移動量は5.5mmと大きく、摺動機構には比較的大型のアクチュエータが必要である。図12において(B)は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置の設計例であり、第1の接眼光学系21の焦点距離は約20mmと短いため、第1の画像形成素子11に必要な移動量は1.5mmと小さく、摺動機構90には圧電素子等を使った比較的小型かつ応答速度の速いアクチュエータを採用できる。その結果、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、比較的小型・軽量な構成で、虚像距離を制御できる。
なお、図12の設計例では、第1の画像形成素子11のみ摺動させる構成としたが、虚像距離の制御機構はこれに限定されず、第1ないし第4の接眼光学系21〜24が、それぞれの接眼光学系を構成するレンズおよびレンズ群の位置や、それぞれの接眼光学系に対応する画像形成素子の位置を摺動させることで虚像距離を制御できるように設計されてもよい。このように、光学設計の自由度を高めることで、虚像距離を制御しつつも、画質への要求や筐体サイズへの要求に対応できる。
(虚像表示方法)
ここまで、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置の光学設計について説明してきたが、第1ないし第4の画像形成素子11〜14で分割表示された画像をシームレスに繋ぎ合わせるためには、適切な画像処理が必要である。第1の実施の形態に係る虚像表示方法は、それぞれの接眼光学系が持つ収差や周辺減光等の光学特性を考慮して、それぞれの画像形成素子に表示する画像に対して補正処理を行う。また、観察者の瞳孔位置および瞳孔径と接眼光学系における境界面の位置および傾斜角度から幾何的に決まる光線束のケラレに起因した減光等の光線束特性、さらには、第1ないし第4の画像形成素子11〜14が有する配光、色度、分光等の発光特性等を考慮して、それぞれの画像形成素子に表示する画像に対して補正処理を行う。第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置は、この補正処理を行う表示画像補正部45を備えてもよい(後述する図13参照)。
ここで、補正処理は、眼球回転の状態に応じて変化するため、観察者の視線方向を検出することでリアルタイムに調整されることが望ましい。観察者の視線方向を検出するには、観察に影響を与えないような赤外線光源を眼前に配置し、レンズ鏡筒と撮像素子からなる撮像デバイスにより光源の角膜反射像と瞳孔を同時に撮影することで、その相対的な位置関係から視線方向を特定すればよい(角膜反射法)。このとき、視線方向の検出精度を高めるためには、なるべく眼に正対した方向から撮影することが望ましいが、本実施の形態では第1の画像形成素子11は小型であるため、第1の接眼光学系21はレンズの体積密度が高く、撮像デバイスを配置可能なスペースが限られる。
図13は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、視線方向を検出するための撮像デバイスの第1ないし第3の配置例を概略的に示している。図13において(A),(B)は、撮像デバイスを第1ないし第4の接眼光学系21〜24の外側に配置した設計例である。図13において(A)(第1の配置例)は1つの撮像デバイス40によって鼻側から観察者31の眼を直に撮影する構成となっている。図13において(B)(第2の配置例)は1つの撮像デバイス40によって下方から観察者31の眼を直に撮影する構成となっている。撮像デバイス40の撮像結果は表示画像補正部45に出力される。表示画像補正部45は、撮像デバイス40の撮像結果に基づいて、上述の補正処理を行う。
なお、図13の(A),(B)では、1つの撮像デバイス40を配置した例を示しているが、2以上の撮像デバイスを配置した構成であってもよい。
一方、図13において(C)(第3の配置例)の設計例では、第1ないし第4の画像形成素子11〜14と第1ないし第4の接眼光学系21〜24との間において、第1の画像形成素子11の周囲付近に4つの撮像デバイス41〜44を配置している。これにより、観察者31の眼を第1ないし第4の接眼光学系21〜24のいずれかを通して撮影する構成となっている。4つの撮像デバイス41〜44のうち、3つの撮像デバイス42〜44は、第1の画像形成素子11と第2ないし第4の画像形成素子12〜14との間に配置されている。このような方法によれば、眼球回転の状態に応じて適切な補正処理を行うことができるため、観察者31の視線移動があっても、複数の画像をシームレスに繋ぐことが可能となり、画像の境界が視認されるリスクを軽減できる。撮像デバイス41〜44の撮像結果は表示画像補正部45に出力される。表示画像補正部45は、撮像デバイス41〜44の撮像結果に基づいて、上述の補正処理を行う。
なお、図13の(C)には、4つの撮像デバイス41〜44を配置した例を示しているが、第1ないし第4の画像形成素子11〜14と第1ないし第4の接眼光学系21〜24との間において、3以下、または5以上の撮像デバイスを配置した構成であってもよい。
また、外部の風景を撮像する撮像デバイスを備えてもよい。これにより、例えば、その撮像デバイスによって撮像された外部の風景を表示可能に構成してもよい。
図14は、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、上述の虚像距離の制御動作と連動しつつ、観察者が自然な奥行き感を得るための虚像表示方法を概略的に示している。前述のように観察者の視線方向が検出されたとき、視線方向から求まる輻輳角に応じて適切な輻輳距離が決定される。図14において(A)は、観察者の輻輳距離Daが手前にある球体の第1のオブジェクト51に一致している場合である。このとき、虚像距離の制御機構(摺動機構90)により、出力される虚像面の位置を移動させることで、眼の調節距離と輻輳角θaに応じた輻輳距離Daとを整合させる。さらに、上述の表示画像補正部45によって、輻輳距離Daから外れた観察者が注視していない表示オブジェクトには、輻輳ズレに伴う視差画像処理やブラー処理をかける。図14において(B)は、観察者の輻輳距離Dbが奥にある立方体の第2のオブジェクト52に一致している場合である。ここでも同様に、摺動機構90によって、眼の調節距離と輻輳角θbに応じた輻輳距離Dbとを整合させるように虚像面の位置を移動させつつ、表示画像補正部45によって、観察者が注視していない表示オブジェクトには視差画像処理やブラー処理をかける。
このような方法によれば、「輻輳距離と調節距離の不整合問題」が解決され、観察時の酔い等の不快感が軽減される。なお、虚像距離の制御機構では、単一の虚像面を前後にシフトすることとなり、実空間の3次元的な表面を出力することはできないが、本来、人間の眼は注視点にしか調節距離を持たないため、上記虚像表示方法でも問題にはならない。
[1.2 効果]
以上説明したように、第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法によれば、比較的小型・軽量、かつ、製造コストを抑制しつつも高解像度と広視野角とを両立させることによって、観察者に快適な装着感と没入感とを提供できる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。以降の他の実施の形態の効果についても同様である。
<2.第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法について説明する。なお、以下では、上記第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図15は、本開示の第2の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系21,22の一構成例を光路と共に示している。第2の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置において、右眼30Rの光学ユニットは、第1および第2の画像形成素子11,12を備え、それぞれに表示された画像を1つの虚像に繋ぎ合わせて観察するための、第1および第2の接眼光学系21,22を備える。
第1の画像形成素子11は、高精細かつ小型な画像形成素子であり、観察者の視野における正面領域に出力する画像を表示する。第2の実施の形態の場合、第1の画像形成素子11の画素ピッチは10.6μmであり、画素数は水平2260ピクセル、垂直2560ピクセルである。第1の画像形成素子11は、例えばM−OLEDである。
第2の画像形成素子12は、第1の画像形成素子11の右側に配置され、観察者の視野における右側の周辺領域に出力する画像を表示する。第2の画像形成素子12の画素ピッチは第1の画像形成素子11よりも大きく65.25μmで、画素数は水平400ピクセル、垂直750ピクセルである。第2の画像形成素子12は、例えばLTPS−OLEDである。
第1および第2の接眼光学系21,22は、第1および第2の画像形成素子11,12が分割表示する画角領域を出力できるように設計され、右眼30Rの光学ユニット全体として、水平画角−55°以上75°以下の範囲となる虚像を出力する。
第1の接眼光学系21は、第1のL1レンズL11、第1のL2レンズL12、および第1のL3レンズL12から構成されている。かつ、第1のL1レンズL11と第1のL2レンズL12との対向面同士が、いずれもフレネルレンズとして光学設計されている。これにより、標準的な球面レンズおよび非球面レンズのみ採用した光学設計よりも、光学ユニットひいては装置全体の低背化、軽量化を実現できる。
右眼30Rの光学ユニットにおいて、観察者の視野における周辺領域に虚像を出力する第2の接眼光学系22は、第2のL1レンズL21、および第2のL2レンズL22から構成されている。かつ、第2のL2レンズL22が1面反射タイプの自由曲面プリズムとして光学設計されている。
このような構成により、観察者が眼鏡を掛けたまま虚像表示装置を装着することを想定し、装置全体が大型化することを防ぎつつ、眼前の空間(観察者の顔から最も眼に近いレンズ面までの空間)を十分に確保した設計が容易になる。
その他の構成、動作および効果は、上記第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法と略同様であってもよい。
<3.第3の実施の形態>
次に、本開示の第3の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法について説明する。なお、以下では、上記第1または第2の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図16は、本開示の第3の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系21,22の一構成例を光路と共に示している。右眼30Rの光学ユニットは、第1および第2の画像形成素子11,12を備え、それぞれに表示された画像を1つの虚像に繋ぎ合わせて観察するための、第1および第2の接眼光学系21,22を備える。
第1および第2の接眼光学系21,22は、第1および第2の画像形成素子11,12が分割表示する画角領域を出力できるように設計され、右眼30Rの光学ユニット全体として、水平画角−45°以上70°以下の範囲となる虚像を出力する。
第1の接眼光学系21は、第1のL1レンズL11、第1のL2レンズL12、および第1のL3レンズL13から構成されている。かつ、第1のL1レンズL11と第1のL2レンズL12との対向面同士が、いずれもフレネルレンズとして光学設計されている。これにより、標準的な球面レンズおよび非球面レンズのみ採用した光学設計よりも、光学ユニットひいては装置全体の低背化、軽量化を実現できる。
右眼30Rの光学ユニットにおいて、観察者の視野における周辺領域に虚像を出力する第2の接眼光学系22は、2面反射タイプの自由曲面プリズムとして光学設計された第2のL1レンズL21で構成されている。
このような構成により、第2の画像形成素子12およびその制御基板(図示せず)等の発熱が懸念される場合、観察者の顔から発熱部を遠ざける設計対応も可能となる。
第3の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22との間には境界面72は存在しない。第1の接眼光学系21における境界面72に相当する位置はレンズカット面161となっている。第1の接眼光学系21におけるレンズカット面161の位置および傾斜角度は、第1の実施の形態における第1および第2の接眼光学系21,22同士の境界面72の位置および傾斜角度と同様の設計にすることが好ましい。
その他の構成、動作および効果は、上記第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法と略同様であってもよい。
<4.第4の実施の形態>
次に、本開示の第4の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法について説明する。なお、以下では、上記第1ないし第3のいずれかの実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図17は、本開示の第4の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系21,22の一構成例を光路と共に示している。右眼30Rの光学ユニットは、第1および第2の画像形成素子11,12を備え、それぞれに表示された画像を1つの虚像に繋ぎ合わせて観察するための、第1および第2の接眼光学系21,22を備える。
第1および第2の接眼光学系21,22は、第1および第2の画像形成素子11,12が分割表示する画角領域を出力できるように設計され、右眼30Rの光学ユニット全体として、水平画角−45°以上70°以下の範囲となる虚像を出力する。
第1の接眼光学系21は、第1のL1レンズL11、第1のL2レンズL12、および第1のL3レンズL13から構成されている。かつ、第1のL1レンズL11と第1のL2レンズL12との対向面同士が、いずれもフレネルレンズとして光学設計されている。これにより、標準的な球面レンズおよび非球面レンズのみ採用した光学設計よりも、光学ユニットひいては装置全体の低背化、軽量化を実現できる。
右眼30Rの光学ユニットにおいて、観察者の視野における周辺領域に虚像を出力する第2の接眼光学系22は、比較的簡素な自由曲面ミラーとして光学設計された第2のM1ミラーM21で構成されている。
このような構成により、第2の画像形成素子12およびその制御基板(図示せず)等の発熱が懸念される場合、観察者の顔から発熱部を遠ざける設計対応が可能となる。
第4の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22との間には境界面72は存在しない。第1の接眼光学系21における境界面72に相当する位置はレンズカット面161となっている。第1の接眼光学系21におけるレンズカット面161の位置および傾斜角度は、第1の実施の形態における第1および第2の接眼光学系21,22同士の境界面72の位置および傾斜角度と同様の設計にすることが好ましい。
その他の構成、動作および効果は、上記第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法と略同様であってもよい。
<5.第5の実施の形態>
次に、本開示の第5の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法について説明する。なお、以下では、上記第1ないし第4のいずれかの実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図18は、本開示の第5の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置における右眼30Rの光学ユニットに含まれる第1および第2の接眼光学系21,22の一構成例を光路と共に示している。右眼30Rの光学ユニットは、第1および第2の画像形成素子11,12を備え、それぞれに表示された画像を1つの虚像に繋ぎ合わせて観察するための、第1および第2の接眼光学系21,22を備える。
第1および第2の接眼光学系21,22は、第1および第2の画像形成素子11,12が分割表示する画角領域を出力できるように設計され、右眼30Rの光学ユニット全体として、水平画角−50°以上75°以下の範囲となる虚像を出力する。
第1の接眼光学系21は、第1のL1レンズL11、第1のL2レンズL12、第1のL3レンズL13、および第1のL4レンズL14から構成されている。
第2の接眼光学系22は、第2のL1レンズL21、第2のL2レンズL22、および第2のL3レンズL23から構成される。さらに、第1および第2の接眼光学系21,22において、それぞれのL1レンズ(第1のL1レンズL11および第2のL1レンズL21)は同一のレンズとして共有される光学設計となっている。
一般に、眼から離れたレンズ面ほど、眼球回転に伴う光線高さの変化量が小さくなる。したがって、眼側から2番目以降のレンズ群を分割した方が、眼側から1番目のレンズから分割するよりも光線束のケラレが少なくなる。これにより、隣接する2つの画像同士に設定する重畳領域を減らすことができる。したがって、第1および第2の画像形成素子11,12が持つ画素の利用効率を高めることができる。
さらに、第5の実施の形態に係る接眼光学系の構成では、第1および第2の接眼光学系21,22でL1レンズは共通であるためレンズ表面に稜線は形成されない。したがって、L1レンズについて、稜線が視認されるリスクも軽減される。
第5の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置では、第1の接眼光学系21と第2の接眼光学系22との間には境界面72は存在しない。第1の接眼光学系21における境界面72に相当する位置はレンズカット面161となっている。第1の接眼光学系21におけるレンズカット面161の位置および傾斜角度は、第1の実施の形態における第1および第2の接眼光学系21,22同士の境界面72の位置および傾斜角度と同様の設計にすることが好ましい。
その他の構成、動作および効果は、上記第1の実施の形態に係る頭部装着型の虚像表示装置、および虚像表示方法と略同様であってもよい。
<6.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記各実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、本技術は以下のような構成を取ることもできる。
以下の構成の本技術によれば、観察者に快適な装着感と没入感とを提供可能となる。
(1)
観察者の視野における正面領域に第1の画像を出力する第1の画像形成素子と、前記観察者の視野における周辺領域に前記第1の画像とは異なる第2の画像を出力する第2の画像形成素子とを含み、前記第1の画像に対して、それぞれの少なくとも一部の画像領域が重複するように、前記第1および第2の画像を含む複数の画像を出力する複数の画像形成素子と、
前記複数の画像形成素子のそれぞれに対応して設けられ、前記複数の画像から全体として1つの虚像を形成する複数の接眼光学系と
を備える
虚像表示装置。
(2)
前記第1の画像は、前記第2の画像よりも解像度が高い
上記(1)に記載の虚像表示装置。
(3)
前記複数の接眼光学系は前記第1の画像形成素子に対応して設けられた第1の接眼光学系を含み、
前記第1の接眼光学系は、水平画角として60°以上120°以下、垂直画角として45°以上100°以下の虚像を出力するように構成されている
上記(1)または(2)に記載の虚像表示装置。
(4)
前記第1の画像形成素子が2000ppi以上の解像度を有し、前記第2の画像形成素子が2000ppi未満の解像度を有する
上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(5)
前記複数の接眼光学系において、前記観察者の視線移動に関わらず、隣接する任意の2つの接眼光学系のそれぞれから出力される、隣接する任意の2つの虚像同士が、常に部分的に重複する領域を持ちながら隙間なく繋がるように、前記隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の位置設計がなされている
上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(6)
前記複数の接眼光学系において、隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度が、前記観察者の視線移動に対して、前記境界面の近傍を通過する光線束のケラレが抑制されるように設計されている
上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(7)
前記複数の接眼光学系は、前記観察者の視界を覆うように、全体として滑らかに湾曲した虚像面を形成するように、または、それぞれの接眼光学系は平坦な虚像面を形成しつつも、周辺に配置される接眼光学系ほど傾いた虚像面を形成することで、前記観察者の視界を覆うように、全体として離散的に湾曲した虚像面を形成するように構成されている
上記(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(8)
前記複数の接眼光学系のうち少なくとも1つの接眼光学系が、フレネルレンズを含む
上記(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(9)
前記複数の接眼光学系のうちの1つの接眼光学系は、
他の接眼光学系とは異なる光学方式によって構成されている
上記(1)ないし(8)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(10)
前記他の接眼光学系は、
自由曲面プリズム、もしくは、自由曲面ミラーを含む光学方式によって構成されている
上記(9)に記載の虚像表示装置。
(11)
前記複数の接眼光学系において、少なくとも、最も前記観察者の眼側に位置する面が、それぞれの前記接眼光学系によって共有されるレンズ面とされている
上記(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(12)
前記複数の接眼光学系のそれぞれの構成要素の位置、または、前記複数の画像形成素子のそれぞれの位置を摺動させることで、前記観測者から前記複数の接眼光学系のそれぞれによる虚像面までの虚像距離を制御可能な摺動機構、をさらに備える
上記(1)ないし(11)のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
(13)
前記摺動機構は、前記虚像距離を前記観察者の手前20mmから無限遠まで制御可能である
上記(12)に記載の虚像表示装置。
(14)
複数の画像形成素子のそれぞれによって複数の画像を表示するステップと、
前記複数の画像形成素子のそれぞれに対応する複数の接眼光学系を介して、前記複数の画像を出力するステップと、
前記複数の接眼光学系の光学特性と、前記観察者の瞳孔位置および瞳孔径と前記接眼光学系における境界面の位置および傾斜角度から幾何的に決まる光線束特性と、前記複数の画像形成素子の発光特性との少なくとも1つの特性に基づき、前記複数の画像形成素子に表示する画像を、前記複数の接眼光学系を介して出力された画像が前記1つの虚像を形成するように補正するステップと
を含む
虚像表示方法。
(15)
前記光学特性は、前記複数の接眼光学系が持つ収差および周辺減光の特性を含み、
前記発光特性は、前記複数の画像形成素子が有する配光、色度、および分光の特性を含む
上記(14)に記載の虚像表示方法。
(16)
前記複数の画像形成素子に表示する画像に対する前記補正を、前記観察者の視線方向に応じて調整するステップ、をさらに含む
上記(14)または(15)に記載の虚像表示方法。
(17)
摺動機構によって、前記複数の接眼光学系のそれぞれの構成要素の位置、または、前記複数の画像形成素子のそれぞれの位置を摺動させることで、前記観察者の視線方向を検出しつつ、前記観察者の輻輳角に応じて、前記観測者から前記複数の接眼光学系のそれぞれによる虚像面までの虚像距離を制御するステップと、
前記摺動機構の動作と連動して、前記複数の画像形成素子に表示する画像を、前記複数の接眼光学系の倍率、および前記観測者の輻輳角に対応した表示位置に調整し、かつ、輻輳距離から外れた前記観察者が注視していない表示オブジェクトにはブラー処理がかかるように補正するステップと
をさらに含む
上記(14)ないし(16)のいずれか1つに記載の虚像表示方法。
11…第1の画像形成素子、12…第2の画像形成素子、13…第3の画像形成素子、14…第4の画像形成素子、11R,11L…第1の画像、12R,12L…第2の画像、13R,13L…第3の画像、14R,14L…第4の画像、21…第1の接眼光学系、22…第2の接眼光学系、23…第3の接眼光学系、24…第4の接眼光学系、30…眼、30R…右眼、30L…左眼、31…観察者、40…撮像デバイス、41…撮像デバイス、42…撮像デバイス、43…撮像デバイス、44…撮像デバイス、45…表示画像補正部、51…第1のオブジェクト、52…第2のオブジェクト、61…切り落とし領域、62…切り落とし領域、63…切り落とし領域、64…切り落とし領域、70…虚像の繋ぎ位置、72…境界面、73…境界面、74…境界面、80…第1および第2の画像の重畳領域、80A…虚像が重畳されて観察される画角領域、81…第1の接眼光学系のみによって観察される虚像の画角領域、82…第2の接眼光学系のみによって観察される虚像の画角領域、90…摺動機構、101…虚像面(平坦面)、102…虚像面(部分湾曲面)、103…虚像面(部分傾斜面)、111…画像形成素子、121…接眼光学系、161…レンズカット面、Da…輻輳距離、Db…輻輳距離、L11…第1のL1レンズ、L12…第1のL2レンズ、L13…第1のL3レンズ、L14…第1のL4レンズ、L21…第2のL1レンズ、L22…第2のL2レンズ、L23…第2のL3レンズ、L31…第3のL1レンズ、L32…第3のL2レンズ、L41…第3のL1レンズ、L42…第3のL2レンズ、M21…第2のM1ミラー、ω1a…第1の接眼光学系における設計最大画角、ω1b…第1の接眼光学系における実効最大画角、ω2a…第2の接眼光学系における設計最大画角、ω2b…第2の接眼光学系における実効最大画角、θa…輻輳角、θb…輻輳角。

Claims (17)

  1. 観察者の視野における正面領域に第1の画像を出力する第1の画像形成素子と、前記観察者の視野における周辺領域に前記第1の画像とは異なる第2の画像を出力する第2の画像形成素子とを含み、前記第1の画像に対して、それぞれの少なくとも一部の画像領域が重複するように、前記第1および第2の画像を含む複数の画像を出力する複数の画像形成素子と、
    前記複数の画像形成素子のそれぞれに対応して設けられ、前記複数の画像から全体として1つの虚像を形成する複数の接眼光学系と
    を備える
    虚像表示装置。
  2. 前記第1の画像は、前記第2の画像よりも解像度が高い
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記複数の接眼光学系は前記第1の画像形成素子に対応して設けられた第1の接眼光学系を含み、
    前記第1の接眼光学系は、水平画角として60°以上120°以下、垂直画角として45°以上100°以下の虚像を出力するように構成されている
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  4. 前記第1の画像形成素子が2000ppi以上の解像度を有し、前記第2の画像形成素子が2000ppi未満の解像度を有する
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  5. 前記複数の接眼光学系において、前記観察者の視線移動に関わらず、隣接する任意の2つの接眼光学系のそれぞれから出力される、隣接する任意の2つの虚像同士が、常に部分的に重複する領域を持ちながら隙間なく繋がるように、前記隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の位置設計がなされている
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  6. 前記複数の接眼光学系において、隣接する任意の2つの接眼光学系同士の境界面の傾斜角度が、前記観察者の視線移動に対して、前記境界面の近傍を通過する光線束のケラレが抑制されるように設計されている
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  7. 前記複数の接眼光学系は、前記観察者の視界を覆うように、全体として滑らかに湾曲した虚像面を形成するように、または、それぞれの接眼光学系は平坦な虚像面を形成しつつも、周辺に配置される接眼光学系ほど傾いた虚像面を形成することで、前記観察者の視界を覆うように、全体として離散的に湾曲した虚像面を形成するように構成されている
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  8. 前記複数の接眼光学系のうち少なくとも1つの接眼光学系が、フレネルレンズを含む
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  9. 前記複数の接眼光学系のうちの1つの接眼光学系は、
    他の接眼光学系とは異なる光学方式によって構成されている
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  10. 前記他の接眼光学系は、
    自由曲面プリズム、もしくは、自由曲面ミラーを含む光学方式によって構成されている
    請求項9に記載の虚像表示装置。
  11. 前記複数の接眼光学系において、少なくとも、最も前記観察者の眼側に位置する面が、それぞれの前記接眼光学系によって共有されるレンズ面とされている
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  12. 前記複数の接眼光学系のそれぞれの構成要素の位置、または、前記複数の画像形成素子のそれぞれの位置を摺動させることで、前記観測者から前記複数の接眼光学系のそれぞれによる虚像面までの虚像距離を制御可能な摺動機構、をさらに備える
    請求項1に記載の虚像表示装置。
  13. 前記摺動機構は、前記虚像距離を前記観察者の手前20mmから無限遠まで制御可能である
    請求項12に記載の虚像表示装置。
  14. 複数の画像形成素子のそれぞれによって複数の画像を表示するステップと、
    前記複数の画像形成素子のそれぞれに対応する複数の接眼光学系を介して、前記複数の画像を出力するステップと、
    前記複数の接眼光学系の光学特性と、前記観察者の瞳孔位置および瞳孔径と前記接眼光学系における境界面の位置および傾斜角度から幾何的に決まる光線束特性と、前記複数の画像形成素子の発光特性との少なくとも1つの特性に基づき、前記複数の画像形成素子に表示する画像を、前記複数の接眼光学系を介して出力された画像が前記1つの虚像を形成するように補正するステップと
    を含む
    虚像表示方法。
  15. 前記光学特性は、前記複数の接眼光学系が持つ収差および周辺減光の特性を含み、
    前記発光特性は、前記複数の画像形成素子が有する配光、色度、および分光の特性を含む
    請求項14に記載の虚像表示方法。
  16. 前記複数の画像形成素子に表示する画像に対する前記補正を、前記観察者の視線方向に応じて調整するステップ、をさらに含む
    請求項14に記載の虚像表示方法。
  17. 摺動機構によって、前記複数の接眼光学系のそれぞれの構成要素の位置、または、前記複数の画像形成素子のそれぞれの位置を摺動させることで、前記観察者の視線方向を検出しつつ、前記観察者の輻輳角に応じて、前記観測者から前記複数の接眼光学系のそれぞれによる虚像面までの虚像距離を制御するステップと、
    前記摺動機構の動作と連動して、前記複数の画像形成素子に表示する画像を、前記複数の接眼光学系の倍率、および前記観測者の輻輳角に対応した表示位置に調整し、かつ、輻輳距離から外れた前記観察者が注視していない表示オブジェクトにはブラー処理がかかるように補正するステップと
    をさらに含む
    請求項14に記載の虚像表示方法。
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