JP2012247480A - 観察光学系及び画像表示装置 - Google Patents

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Masakazu Higashihara
正和 東原
Kazutaka Inoguchi
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Abstract

【課題】光の利用効率が高い観察光学系及び画像表示装置を提供すること
【解決手段】それぞれ画像を表示する表示素子1、2からの光を眼球6に導いて画像の合成拡大像を提供する観察光学系は、半透過反射膜7と反射膜8とを含む1つの光学面を備える光学素子3を有し、表示素子1の表示領域1bからの光束302は光学面の半透過反射膜7により反射されて眼球6に導かれ、表示素子1の表示領域1aからの光束301は光学面の反射膜8により反射されて眼球6に導かれ、表示素子2からの一部の光束304は光学面の半透過反射膜7を通過して眼球6に導かれ、表示素子1、2から合成拡大像の同じ像点へ導かれる光束が前記射出瞳において重なりを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の表示素子からの光を合成して1つの合成拡大像を観察させる観察光学系に関し、特にヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の画像表示装置に好適な観察光学系に関する。
特許文献1は、各々が分割された画像を表示する複数の表示素子からの光を複数の光学素子(プリズム)を介して合成して射出瞳(眼球)に導くHMD用に好適な観察光学系を開示している。
特開2010−266792号公報
特許文献1によれば、光学素子は透過と反射が等しいハーフミラー面を使用して画像を合成しているが、ハーフミラー面を使用すると光量が半分になり、光量ロスが生じる。また、2つの光が重畳されるところでは光量は2倍になるが、重畳されないところでは光量はそのままであるから眼球で観察する際の明るさにムラを生じてしまう。
本発明は、光の利用効率が高い観察光学系及び画像表示装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の観察光学系は、それぞれ画像を表示する複数の表示素子からの光を射出瞳に導いて前記画像の合成拡大像を提供する観察光学系において、透過作用と反射作用を有する第1の領域と反射作用を有するが透過作用は有さない第2の領域とを含む1つの光学面を備える光学素子を有し、第1の表示素子の第1の表示領域からの光束は前記光学面の第1の領域により反射されて前記射出瞳に導かれ、前記第1の表示素子の第2の表示領域からの光束は前記光学面の第2の領域により反射されて前記射出瞳に導かれ、第2の表示素子からの光束の一部は、前記光学面の前記第1の領域を通過して前記射出瞳に導かれ、前記第1および第2の表示素子から前記合成拡大像の同じ像点へ導かれる光束が、前記射出瞳において重なりを有することを特徴とする。
本発明によれば、光の利用効率が高い観察光学系及び画像表示装置を提供することができる。
観察光学系の断面図である。(実施例1) 観察光学系の断面図である。(実施例2) 観察光学系の断面図と、射出瞳上での光束の重なりを示す図である。(実施例3) 図3に示す2つの光束の射出瞳上での重なりを調整する方法を説明する断面図と絞りの形状を示す平面図である。(実施例3) 観察光学系の断面図である。(実施例4) 観察光学系の断面図である。(実施例5) 図6に示す観察光学系の斜視図である。(実施例5) 図6に示す観察光学系の上面図である。(実施例5) 図7の変形例の斜視図である。(実施例5) 観察光学系の断面図である。(実施例6) 観察光学系の断面図である。(実施例7) 観察光学系の断面図である。(実施例8)
以下、本発明の実施例の観察光学系について添付図面を参照して説明する。観察光学系は、それぞれ画像を表示する複数の表示素子からの光を射出瞳に導いて画像の合成拡大像を提供し、HMD等の画像表示装置に好適である。
各図において、観察者の眼球から観察光学系に向かう方向を正とするZ軸、Z軸に直交し観察者の眼球から見て垂直方向の上向きを正とするY軸、Z軸に直交し観察者の眼球から見て水平方向の左向きを正とするX軸を定義する。
また、観察光学系の偏心断面を、反射作用を有するが透過作用を有しない第1の領域と透過作用と反射作用を有する第2の領域とを含む1つの光学面において、拡大像の同じ像点へ導かれる光束の主光線が反射する際に形成する断面として定義する。
図1は、実施例1の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(XZ平面)における水平(X軸)方向の画角を2分割し、複数の表示素子(本実施例では2つの表示素子)1、2からの光を合成して1つの合成拡大像を観察させる。
表示素子(第1の表示素子)1と表示素子(第2の表示素子)2は、有機EL等の自発光2次元画像表示素子であるが、透過型の液晶パネル(LCD)等の小型のディスプレイであってもバックライトと組み合わせることで利用可能である。
図中、3は光学素子であり、透過作用と反射作用を有する(本実施例では透過と反射の強度が等しい)第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)7と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)8とが混在した光学面を含む。なお、反射膜8の反射率は100%である必要がないことはいうまでもなく、これは以下の実施例でも同様である。また、光学素子3は、透過作用を有する第3の領域である透過部9を更に有する。
5は接眼レンズ、6は観察者の眼球である。眼球は、観察光学系の射出瞳の位置又はその近傍に配置される。
523は正面から見た表示素子1上の画像、524は正面から見た表示素子2上の画像、525は観察者が観察する合成画像である。本実施例の偏心断面は、光学素子3で反射する際に光路の折り曲がる断面であり、図1の断面がこれに相当する。
本実施例では、表示素子1、2から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜7で合成している。
表示素子1の表示領域(第2の表示領域)1aに表示された合成画像525の左端の画像からの光束301は、光学素子3の反射膜8で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子1の表示領域(第1の表示領域)1bに表示された合成画像525の境界部の同一画像からの光束302は、光学素子3の半透過反射膜7で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2aに表示された合成画像525の右端の画像からの光束303は、光学素子3の透過部9を通過し、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2bに表示された合成画像525の境界部の同一画像からの光束(表示素子2からの光束の一部)304は、光学素子3の半透過反射膜7を透過し、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
合成画像525の同一画像からの光束は、半透過反射膜7で反射された光束302と半透過反射膜7を透過した光束304が重なり合うため、射出瞳上では光量のロスがほとんどない。
このように本実施例は、光学素子3の一部を半透過反射膜7、別の一部を反射膜8として、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量ロスのない明るい光学系を実現している。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束301と光束303の明るさは光束302と光束304を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
また、光学素子3に透過部9を設けることによって、表示素子2からの光線の中で、半透過反射膜7を通過する光束304と通過しない光束303の光路差をなくすことができる。光学素子3は透過部9で分割された2つの光学素子を接合して製作してもよい。こうすることで、光学素子3の製作が容易となる。
また、表示素子1、2から合成拡大像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っているので、眼球回転時においてもすべての画角からの光線が人間の瞳に導かれる光学系が実現できる。
本実施例では、X軸方向の水平画角を2分割する観察光学系であったが、Y軸方向の垂直画角を2分割する観察光学系にも適用可能であり、これは後述する実施例2、3などでも同様である。
尚、半透過反射膜7は、透過率と反射率とが等しい必要はなく、以下の実施例でも同様である。
図2は、実施例2の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(XZ平面)における水平(X軸)方向の画角を2分割し、複数の表示素子(本実施例では2つの表示素子)1、2からの光を合成して1つの合成拡大像を観察させる。
図中、3は第1の光学素子であり、透過作用と反射作用を有する第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)7と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)8とが混在した光学面を含む。また、光学素子3は、透過作用を有する第3の領域である透過部9を更に有する。
4は第2の光学素子であり、反射作用を有し透過作用を有しない反射面(ミラー面)から構成される。また、光学素子4の反射面の反射率は100%である必要がないことはいうまでもなく、これは以下の実施例でも同様である。
本実施例の偏心断面は、光学素子3、4で反射する際に光路の折り曲がる断面であり、図2の断面がこれに相当する。
本実施例は、表示素子2からの光束303、304を光学素子3に向けて反射させる光学素子4により、実施例1に比べて薄い光学系を実現できる。
本実施例では、表示素子1、2から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜7で合成している。
表示素子1の表示領域(第2の表示領域)1aに表示された合成画像503の左端の画像からの光束301は、光学素子3の反射膜8で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子1の表示領域(第1の表示領域)1bに表示された合成画像503の境界部の同一画像からの光束302は、光学素子3の半透過反射膜7で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2aに表示された合成画像503の右端の画像からの光束303は、光学素子4で反射され、光学素子3の透過部9を通過し、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2bに表示された合成画像503の境界部の同一画像からの光束304は、光学素子4で反射され、光学素子3の半透過反射膜7を透過し、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
合成画像503の同一画像からの光束は、半透過反射膜7で反射された光束302と半透過反射膜7を透過した光束304が重なり合うため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子3の一部を半透過反射膜7、別の一部を反射膜8として、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量ロスのない明るい光学系を実現している。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束301と光束303の明るさは光束302と光束304を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
光学素子3に透過部9を設けることによって、表示素子2からの光線の中で、半透過反射膜7を通過する光束304と通過しない光束303の光路差をなくすことができる。光学素子3は透過部9で分割された2つの光学素子を接合して製作してもよい。こうすることで、光学素子3の製作が容易となる。
また、表示素子1、2から合成拡大像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っているので、眼球回転時においてもすべての画角からの光線が人間の瞳に導かれる光学系が実現できる。
図3(a)は、実施例3の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(XZ平面)における水平(X軸)方向の画角を2分割し、複数の表示素子(本実施例では2つの表示素子)1、2からの光を合成して1つの合成拡大像を観察させる。
図中、21は第1の光学素子であり、透過作用と反射作用を有する第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)24と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)25とが混在した光学面を含む。また、光学素子21は、透過作用を有してハーフミラーのような大きな反射作用を有しない第3の領域である透過部26を更に有する。
22は第2の光学素子であり、反射作用を有し透過作用を有しない反射面(ミラー面)から構成される。23は接眼レンズである。
504は正面から見た表示素子1上の画像、505は正面から見た表示素子2上の画像、506は観察者が観察する合成画像である。
透過率および反射率が一様な通常の半透過反射膜では、反射膜と半透過反射膜および半透過反射膜と透過面での反射もしくは透過の作用の変化が大きいため、膜の境界が目立つ可能性がある。そこで、本実施例では、透過率と反射率が徐々に変化するグラデーション状の半透過反射膜24で、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を合成する。
半透過反射膜24の特性は反射膜25に近い方が反射率が高く、遠くなるにつれて反射率が低い。このような半透過反射膜は、施される反射膜の膜厚を徐々に減らすようにして形成することができる。
表示素子1の表示領域(第2の表示領域)1aに表示された合成画像506の左端の画像からの光束305は、光学素子21の反射膜25で反射され、接眼レンズ23により眼球6に導かれる。
表示素子1の表示領域(第1の表示領域)1bに表示された合成画像506の境界部の同一画像からの光束306のうち光束308と射出瞳上で重なっていない光束は、光学素子21の反射膜25で反射され、接眼レンズ23により眼球6に導かれる。
表示素子1の表示領域(第1の表示領域)1bに表示された光束306のうち光束308と射出瞳上で重なっている光束は、光学素子21の半透過反射膜24で反射され、接眼レンズ23により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2aに表示された合成画像506の右端の画像からの光束307は、光学素子22で反射され、光学素子21を通過し、接眼レンズ23により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2bに表示された合成画像506の境界の画像からの光束308のうち光束306と射出瞳上で重なっていない光束は、光学素子22で反射され、光学素子21を通過し、接眼レンズ23により眼球6に導かれる。
表示素子2の表示領域2bに表示された光束308のうち光束306と射出瞳上で重なっている光束は、光学素子22で反射され、光学素子21の半透過反射膜24を透過し、接眼レンズ23により眼球6に導かれる。
合成画像506の同一画像からの光束の重なり合っている部分は、半透過反射膜24で反射された光束306と半透過反射膜24を透過した光束308が重なり合うため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子21の一部を半透過反射膜24、別の一部を反射膜25として、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量ロスのない明るい光学系を実現している。
また、半透過反射膜24にグラデーション状の特性を持たせることで、反射膜と半透過反射膜との反射作用の変化と、半透過反射膜と透過面との透過作用の変化を小さくすることができ、膜の境界を目立ちにくくし合成画像のムラを低減することができる。
全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束305と光束307の明るさは光束306と光束308を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
光学素子21に透過部26を設けることによって、表示素子2からの光線の中で、半透過反射膜24を通過する光束308と通過しない光束307の光路差をなくすことができる。光学素子21は透過部26で分割された2つの光学素子を接合して製作してもよい。こうすることで、光学素子21の製作が容易となる。
表示素子1、2から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束306と308の射出瞳面上での重なりは図3(b)に示すようになる。射出瞳面上では、図3(b)に示すように光束306が射出瞳の左側を形成し、光束308が射出瞳の右側を形成している。さらに、射出瞳の中心部では光束306と光束308が重なり合っている。
実施例1、2では、合成拡大像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っている。これに対して、本実施例では、光束の一部だけを重ねて半透過反射膜24の有効部及び光学素子22の反射面の有効部を小さくしているため、それぞれの有効部外が少なくなるように配置すれば、光学系を薄型化することができる。
光束306と光束308の射出瞳上での重なりを調整する方法としては、図4(a)に示すように表示素子1と光学素子21の間に遮光手段である絞り41を、表示素子2と光学素子22の間に絞り42を配置する方法が考えられる。
図4(b)は、絞り41を表示素子1から見たときの平面図であり、図4(b)は、絞り42を表示素子2から見たときの平面図である。
絞り41では光束306の出射領域を制限するために、光束が射出瞳上ですべて重なっている場合(図中破線)に対して右側の有効域が小さくなっており、絞り42では光束308の出射領域を制限するために、左側の有効域が小さくなっている。
絞り41の位置を光束306の光軸方向に、絞り42の位置を光束308の光軸方向にそれぞれ可変とすることで、光束306と光束308の射出瞳上での重なり率も可変とすることができる。
また、光束306と光束308の射出瞳上での重なりを調整する方法として、光学素子21の透過反射面の有効域と光学素子2の反射面の有効域を制限する方法も考えられる。この場合、光学素子21と光学素子22、接眼レンズ23との光軸方向の間隔をそれぞれ変えることで、光束306と光束308の射出瞳上での重なり率も可変にできる。
上記2つの方法を組み合わせて光束306と光束308の射出瞳上での重なりを調整してもよい。
また、光束306と光束308の射出瞳上での重なり率が可変のとき、光学系の製造誤差や表示素子と光学系との間の位置ずれによる射出瞳上での光束の重なり率のずれを補償することができる。そのため、高い精度で観察光学系や画像表示装置を製作しなくても所定の光束の重なり率を得ることができる。
図5は、実施例4の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(XZ平面)における水平(X軸)方向の画角を3分割し、複数の表示素子(本実施例では3つの表示素子)71、72、73からの光を合成して1つの合成拡大像を観察させる。
表示素子71、72、73は有機EL等の自発光2次元画像表示素子であるが、透過型の液晶パネル(LCD)等の小型のディスプレイであっても、バックライトと組み合わせることで本発明に用いることができる。表示素子71、72は第1の表示素子として機能し、表示素子73は第2の表示素子として機能する。
図中、74は光学素子であり、半透過反射膜(ハーフミラー面)77、78と、反射膜(ミラー面)76、79とが混在した光学面を含む。半透過反射膜(ハーフミラー面)77、78は、それぞれ、透過作用と反射作用を有する第1の領域である。反射膜(ミラー面)76、79は、それぞれ、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である。また、光学素子74は、透過作用を有する第3の領域である透過部75を更に有する。
507は正面から見た表示素子71上の画像、508は正面から見た表示素子73上の画像、509は正面から見た表示素子72上の画像、510は観察者が観察する合成画像である。
本実施例では、表示素子71と表示素子73から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜77で合成し、表示素子72と表示素子73から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜78で合成している。
表示素子71の表示領域(第2の表示領域)71aに表示された合成画像510の左端の画像からの光束309は、光学素子74の反射膜76で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子71の表示領域(第1の表示領域)71bに表示された合成画像510の左側の境界部の同一画像からの光束310は、光学素子74の半透過反射膜77で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子73の表示領域73aに表示された合成画像510の左側の境界部の同一画像からの光束(第2の表示素子からの光束の一部)311は、光学素子74の半透過反射膜77を透過し、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子73の表示領域73bに表示された右側の境界部の同一画像からの光束(第2の表示素子からの光束の一部)312は、光学素子74の半透過反射膜78を透過し、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子72の表示領域(第2の表示領域)72aに表示された合成画像510の右端の画像からの光束313は、光学素子74の反射膜79で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
表示素子72の表示領域(第1の表示領域)72bに表示された合成画像510の右側の境界部の同一画像からの光束314は、光学素子74の半透過反射膜78で反射され、接眼レンズ5により眼球6に導かれる。
合成画像510の二つの境界部の同一画像からの光束は、半透過反射膜で反射された光束と半透過反射膜を透過した光束が重なり合うため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子74の一部を半透過反射膜77、78、別の一部を反射膜76、79とすることで、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量ロスのない明るい光学系を実現できる。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束309と光束313の明るさは光束310と光束311を重ね合わせた明るさ、光束312と光束314を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
また、表示素子71、73及び表示素子72、73から合成拡大像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っているので、眼球回転時においてもすべての画角からの光線が人間の瞳に導かれる光学系が実現できる。
光学素子74に透過部75を設けることによって、表示素子73からのすべての光線の光路差をなくすことができる。また、光学素子74は平面部において2つもしくは3つに分割して構成することもできる。こうすることで、光学素子74の製作が容易となる。
本実施例では、X軸方向の水平画角を3分割する観察光学系であったが、Y軸方向の垂直画角を3分割する観察光学系にも適用可能である。
図6は、実施例5の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(YZ平面)における垂直(Y軸)方向とは異なる水平(X軸)方向の画角を2分割している。これまでの実施例は、観察光学系の偏心断面方向と同じ方向の画角を分割していたが、本実施例の観察光学系は偏心断面方向と異なる方向の画角を分割している。
図中、111は表示素子1と同様の(第1の)表示素子、112は表示素子2と同様の(第2の)表示素子、113は(第1の)光学素子、114は(第2の)光学素子である。520は正面から見た表示素子111上の画像、521は正面から見た表示素子112上の画像、522は観察者が観察する合成画像である。
本実施例は、光学素子113、114を複数の偏心反射曲面を用いて光路を折り畳んだことによって光学系をより薄型化している。光学素子113、114は、屈折率が1より大きいガラスやプラスチック等の光学媒質で満たされた透明体により構成される。光学素子113は、透過作用と反射作用を有する第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)115と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)116とが混在した光学面を含む。
図7は図6に示す観察光学系の斜視図、図8(a)、(b)は、その上面図である。表示素子111、112は、図8に示すように、水平方向にずれて配置されている。光学素子113内の半透過反射膜115と反射膜116は図7に示すように形成され、同図において、327と328は表示素子111からの光束の一部であり、329と330は表示素子112からの光束の一部である。
表示素子111の表示領域(第2の表示領域)に表示された合成画像522の左端の画像からの光束327は、光学素子113内で1回反射した後に反射膜116で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子111の表示領域(第1の表示領域)に表示された合成画像522の境界部の同一画像からの光束328は、光学素子113内で1回反射した後に半透過反射膜115で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子112に表示された合成画像522の右端の画像からの光束329は、光学素子114内で2回反射した後に光学素子113を通過し、眼球6に導かれる。
表示素子112に表示された合成画像522の境界部の同一画像からの光束330は、光学素子114内で2回反射した後に光学素子113の半透過反射膜115を透過し、眼球6に導かれる。
合成画像522の同一画像からの光束は、半透過反射膜115で反射された光束と半透過反射膜115を透過した光束が重なり合うため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子113内の反射面の一部を半透過反射膜115、別の一部を反射膜116とすることで、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量のロスのない明るい光学系を実現している。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束327と光束329の明るさは光束328と光束330を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
なお、光学素子113内の面117と光学素子114内の面118は、光量ロスをなくすために内部全反射面であることが望ましい。また、光学素子113、114の全ての面を曲面で構成した場合には、全ての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、光学系の不要な面を減らし、コスト削減の効果が期待できる。
さらに好ましくは、光学素子113、114を構成する少なくとも1つの面を、より好ましくは全ての面を回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能となる。このとき、各回転非対称面を、偏心断面を唯一の対称面とする面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
また、表示素子111、112から合成像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っている。射出瞳上で光束が重なる構成とすることで、眼球回転時においてもすべての画角からの光線が人間の瞳に導かれる光学系が実現できる。
本実施例では、光学素子114のX軸正の方向(眼球から見て左側)の領域は光線の有効域ではない。そのため、図9に示すように、光学素子114を光線の有効域のみの部分とすることも可能である。このようにすることで、光学系を必要最低限の構成とすることができ、軽量化できる。
図10は、実施例6の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(YZ平面)における垂直(Y軸)方向の画角を2分割している。
図中、81は表示素子1と同様の(第一の)表示素子、82は表示素子2と同様の(第2の)表示素子である。
83は第1の光学素子であり、透過作用と反射作用を有する第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)85と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)86とが混在した光学面を含む。84は第2の光学素子である。
511は正面から見た表示素子81上の画像、512は正面から見た表示素子82上の画像、513は観察者が観察する合成画像である。本実施例における偏心断面とは、光学素子81、82で反射する際に光路の折り曲がる断面であり、図12の断面がこれに相当する。
本実施例は光学素子83、84を複数の偏心反射曲面を用いて光路を折り畳んだことによって、光学系をより薄型化したものである。さらに、光学系の厚さに寄与する偏心断面方向と同じ方向の画角を分割することで、異なる方向の画角を分割した実施例5に比べてさらに薄型化可能である。光学素子83、84は、屈折率が1より大きいガラスやプラスチック等の光学媒質で満たされた透明体により構成される。
本実施例では、合成画像の上半分の画像を上側の表示素子で、下半分の画像を下側の表示素子で表示しており、光学素子83に対向する光学素子84の光学面の有効域は、光学素子84に対向する光学素子83の光学面の有効域よりも表示素子81から遠くにある。そのため、光学素子83と光学素子84を薄型化する方向にスライドして配置することができるため、光学系全体を薄くできる。
本実施例では、表示素子81と表示素子82から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜85で合成している。
表示素子81の表示領域(第2の表示領域)81aに表示された合成画像513の上端の画像からの光束315は、光学素子83内で1回反射した後に反射膜86で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子81の表示領域(第1の表示領域)81bに表示された合成画像513の境界部の同一画像からの光束316は、光学素子83内で1回反射した後に半透過反射膜85で反射され、眼球6に導かれる。
また、表示素子82の表示領域82aに表示された合成画像513の下端の画像からの光束317は、光学素子84内で2回反射した後に光学素子83を通過し、眼球6に導かれる。
表示素子82の表示領域82bに表示された合成画像513の境界部の同一画像からの光束318は、光学素子84内で2回反射した後に光学素子83の半透過反射膜85を透過し、眼球6に導かれる。
合成画像513の同一画像からの光束は、半透過反射膜85で反射された光束と半透過反射膜85を透過した光束が重なり合うため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子83内の反射面の一部を半透過反射膜85、別の一部を反射膜86とすることで、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量のロスのない明るい光学系を実現している。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束315と光束317の明るさは光束316と光束318を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
なお、光学素子83内の面87での反射と光学素子84内の面88での反射は、光量のロスをなくすために内部全反射であることが望ましい。また、光学素子83、84の全ての面を曲面で構成した場合には、全ての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、光学系の不要な面を減らし、コスト削減の効果が期待できる。
さらに好ましくは、光学素子83、84を構成する少なくとも1つの面を、より好ましくは全ての面を回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能となる。このとき、各回転非対称面を、偏心断面を唯一の対称面とする面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
また、表示素子81と表示素子82から合成像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っている。射出瞳上で光束が重なる構成とすることで、眼球回転時においてもすべての画角からの光線が人間の瞳に導かれる光学系が実現できる。
本実施例では、Y軸方向の垂直画角を2分割する観察光学系であったが、X軸方向の水平画角を2分割する観察光学系にも適用可能である。
図11は、実施例7の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(YZ平面)における垂直(Y軸)方向の画角を2分割している。
図中、91は表示素子1と同様の(第1の)表示素子、92は表示素子2と同様の(第2の)表示素子である。93は第1の光学素子であり、透過作用と反射作用を有する第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)95と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)96とが混在した光学面を含む。94は第2の光学素子である。
514は正面から見た表示素子91上の画像、515は正面から見た表示素子92上の画像、516は観察者が観察する合成画像である。
本実施例は光学素子93、94を複数の偏心反射曲面を用いて光路を折り畳んだことによって、光学系をより薄型化したものである。光学素子93、94は、屈折率が1より大きいガラスやプラスチック等の光学媒質で満たされた透明体により構成される。
本実施例では、合成画像の上半分の画像を下側の表示素子で、下半分の画像を上側の表示素子で表示しており、光学素子93に対向する光学素子94の光学面の有効域は、光学素子94に対向する光学素子93の光学面の有効域よりも表示素子91から近くにある。そのため、光学素子93と光学素子94の高さ(図でのYZ断面のY方向の長さ)を低くする方向にスライドして配置することができるため、光学系全体の高さを低くできる。
本実施例では、表示素子91、92から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜95で合成している。
表示素子91の表示領域(第2の表示領域)91aに表示された合成画像516の下端の画像からの光束319は、光学素子93内で1回反射した後に反射膜96で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子91の表示領域(第1の表示領域)91bに表示された合成画像516の境界部の同一画像からの光束320は、光学素子93内で1回反射した後に半透過反射膜95で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子92の表示領域92aに表示された合成画像516の上端の画像からの光束321は、光学素子94内で2回反射した後に光学素子93を通過し、眼球6に導かれる。
表示素子92の表示領域92bに表示された合成画像516の境界部の同一画像からの光束322は、光学素子94内で2回反射した後に光学素子93の半透過反射膜95を透過し、眼球6に導かれる。
合成画像516の同一画像からの光束は、半透過反射膜95で反射された光束と半透過反射膜95を透過した光束が重なり合うため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子93内の反射面の一部を半透過反射膜95、別の一部を反射膜96とすることで、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量ロスのない明るい光学系を実現している。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束319と光束321の明るさは光束320と光束322を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
なお、光学素子93内の面97での反射と光学素子94内の面98での反射は、光量のロスをなくすために内部全反射であることが望ましい。また、光学素子93、94の全ての面を曲面で構成した場合には、全ての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、光学系の不要な面を減らし、コスト削減の効果が期待できる。
さらに好ましくは、光学素子93、94を構成する少なくとも1つの面を、より好ましくは全ての面を回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能となる。このとき、各回転非対称面を、偏心断面を唯一の対称面とする面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
また、表示素子91と表示素子92から合成像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳面上ですべて重なり合っている。射出瞳上で光束が重なる構成とすることで、眼球回転時においてもすべての画角からの光線が人間の瞳に導かれる光学系が実現できる。
本実施例では、Y軸方向の垂直画角を2分割する観察光学系であったが、X軸方向の水平画角を2分割する観察光学系にも適用可能である。
図12は、実施例8の観察光学系の断面図である。観察光学系は、偏心断面(XZ平面)における水平(X軸)方向の画角を2分割している。
図中、101は表示素子1と同様の(第1の)表示素子、102は表示素子2と同様の(第2の)表示素子である。103は第1の光学素子であり、透過作用と反射作用を有する第1の領域である半透過反射膜(ハーフミラー面)106と、反射作用を有して透過作用を有しない第2の領域である反射膜(ミラー面)107とが混在した光学面を含む。104は第2の光学素子である。
517は正面から見た表示素子101上の画像、518は正面から見た表示素子102上の画像、519は観察者が観察する合成画像である。本実施例は、表示素子101と102のそれぞれの表示画像に同じ画像を表示するオーバーラップ領域をもたせている。
本実施例は光学素子103、104を複数の偏心反射曲面を用いて光路を折り畳んだことによって、光学系をより薄型化したものである。さらに、光学素子103と104の間に光学素子(第3の光学素子)105を配置している。光学素子103、104、105は、屈折率が1より大きいガラスやプラスチック等の光学媒質で満たされた透明体により構成される。
表示素子102からの光束の中で、光学素子103を通る光線と通らない光線があり、すべての光線が通る場合に比べて光学素子103を薄型化できるため、実施例6と比較して光学系全体を薄型化できる。
光学素子103と光学素子104の間に光学素子105を配置し、光学素子103と105を接合することが好ましい。表示素子102からの光線の中で光学素子103を通る光線と通らない光線の間での射出瞳内での画像の不連続性を軽減し、表示素子102上の画像を自然に観察することができる。さらに、光学系を構成する面数を増やすことで、光学系の収差補正に対して有利となる。
本実施例では、表示素子101、102から合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束を半透過反射膜106で合成している。
表示素子101の表示領域(第2の表示領域)101aに表示された合成画像519の左端の画像からの光束323は、光学素子103内で1回反射した後に反射膜107で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子101の表示領域(第2の表示領域)101bに表示された画像517の画像518との重なり領域からの光束324のうち光束326と射出瞳上で重なっていない光束は、光学素子103内で1回反射した後に反射膜107で反射され、眼球6に導かれる。
一方、表示素子101の表示領域(第1の表示領域)101cに表示された画像からの光束324のうち光束326と射出瞳上で重なっている光束は、光学素子103内で1回反射した後に半透過反射膜106で反射され、眼球6に導かれる。
表示素子102の表示領域102aに表示された合成画像519の右端の画像からの光束325は、光学素子104内で2回反射した後に光学素子105を通過し、眼球6に導かれる。
表示素子102の表示領域102bに表示された画像518の画像517との重なり領域からの光束326のうち光束324と射出瞳上で重なっていない光束は、光学素子104内で2回反射した後に光学素子105を通過し、眼球6に導かれる。
一方、表示素子102の表示領域102cに表示された画像からの光束326のうち光束324と射出瞳上で重なっている光束は、光学素子104内で2回反射した後に光学素子105を通過し、光学素子103の半透過反射膜106を透過し、眼球6に導かれる。
境界部及び重なり領域に存在する合成画像519の同一画像となる表示素子101、102上の点からの光束の重なり合っている部分は、半透過反射膜106で反射された光束と半透過反射膜106を透過した光束が射出瞳上で重なり合う。そのため、射出瞳上では光量ロスがほとんどない。
このように本実施例では、光学素子103内の反射面の一部を半透過反射膜106、別の一部を反射膜107とすることで、全面を半透過反射膜にした場合に比べると光量ロスのない明るい光学系を実現している。
また、全面を半透過反射膜にした場合には、合成画像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は射出瞳上で重なりがあるため、他の画像に比べて明るい画像となり、合成画像の明るさにムラが生じる。しかし、本実施例では、光束323と光束325の明るさは光束324と光束326を重ね合わせた明るさとほとんど変わらないため、合成画像の明るさのムラも軽減できる。
半透過反射膜106と反射膜107は両方とも光学素子103に形成してもよいし、反射膜107を光学素子103に、半透過反射膜106は光学素子105に形成してもよい。
前者の場合、半透過反射膜106を製膜する際にはその他の部分を遮蔽し、反射膜107を製膜する際にはその他の部分を遮蔽することで形成できる。即ち、この場合は、光学素子103の製造方法は、光学素子103の光学面の第1の領域以外の領域を遮蔽して半透過反射膜106を成膜するステップと、光学素子103の光学面の第2の領域以外の領域を遮蔽して反射膜を成膜するステップと、を有する。
また、半透過反射膜106と反射膜107の材質が同じで膜の厚さが異なる場合には、半透過反射膜106を製膜する際に反射膜107の部分も製膜し、その後に半透過反射膜106を遮蔽して、反射膜107の残りの厚さ分だけ製膜してもよい。これにより、反射膜107部を遮蔽する部材が不要となるため、製作コストが低減できる。この場合は、光学素子103の製造方法は、第1、第2の領域以外の領域を遮蔽して前記材質で第1の領域に対応する厚さだけ成膜するステップと、第2の領域以外の領域を遮蔽して前記材質で第2の領域が対応する厚さを有するように成膜するステップを有する。
後者の場合には、半透過反射膜の左端の有効域は反射膜107の右端の有効域によって決まるため、半透過反射膜の左端の形成精度が必要でなくなり、製作が容易となる。
なお、光学素子103内の面108での反射と光学素子104内の面109での反射は、光量ロスをなくすために内部全反射であることが望ましい。また、光学素子103、104、105の全ての面を曲面で構成した場合には、全ての面が集光ないし発散または収差補正に寄与することになり、光学系の不要な面を減らし、コスト削減の効果が期待できる。
さらに好ましくは、光学素子103、104、105を構成する少なくとも1つの面を、より好ましくは全ての面を回転非対称形状とすることで、偏心収差補正の自由度が増し、良好な画質での画像表示が可能となる。このとき、各回転非対称面を、偏心断面を唯一の対称面とする面対称な形状とすると、対称性のない場合に比較して加工および製作を容易にすることができるため好ましい。
また、表示素子101、102から合成像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束は、実施例3と同様に射出瞳面上で一部が重なっている。このように光束の一部だけを重ねることで、半透過反射膜106の有効部及び光学素子110の反射面の有効部が小さくなるため、有効部外が少なくなるように配置すれば、光学系を薄型化することができる。
本実施例では分割された各表示素子上の画像に、同一の画像を表示する重なり領域を設けている。合成画像内に重なって表示された領域があることで、プリズムの製造誤差や表示素子とプリズムとの間の位置ずれによる合成画像の境界部分のずれを、重なった領域で調整することができる。
そのため、画像を重ねることで高い精度で観察光学系や画像表示装置を製作しなくても、合成画像の境界部分においてつなぎ目が目立たない、連続した1つの合成画像として観察できる。また、画像の重なり領域がない場合に比べて、眼球が回転したときに連続した合成画像として観察するために必要な同一画像からの光束の重なりが小さくすることができ、光学系をより薄型化することができる。
実施例3では、合成像の同じ像点へ導かれる同一画像からの光束の一部を重ねるために表示素子と光学素子の間に絞りを配置した。しかし、本実施例のように画像の重なり領域がある場合には、絞りを配置する方法では、画像の重なり領域からの光線が光学素子に入射しなくなる。
そのため、表示素子101からの光束は半透過反射膜106の有効域、表示素子102からの光束は反射面110の有効域を制限することで、光束の一部のみを重ねることができる。反射面110の有効域を制限して光学素子104を小型化すると、光学系全体及び装置の小型化が可能となる。
本実施例では、X軸方向である水平画角を2分割する観察光学系であったが、Y軸方向である垂直画角を2分割する観察光学系にも適用可能である。
以上、各実施例によれば、複数の表示素子に表示された画像が1つの拡大像として観察される観察光学系は、透過作用と反射作用を有する第1の領域と反射作用を有するが透過作用を有しない第2の領域とを含む1つの光学面を備える光学素子を有する。第1の表示素子からの光束は光学面により観察者の眼に導かれ、第2の表示素子からの光束の一部は、光学面の第1の領域を通過して観察者の眼に導かれる。第1、第2の表示素子から拡大像の同じ像点へ導かれる光束が光学系の射出瞳において重なりを有するようにしたことで、広画角で小型・薄型な明るい光学系が実現できる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の観察光学系はヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の画像表示装置に適用することができる。
1、71、72、81、91、101、111…(第1の)表示素子、1a、71a、81a、91a、101a…(第2の)表示領域、1b、71b、81b、91b、101c…(第1の)表示領域、2、73、82、92、102、112…(第2の)表示素子、3、21、74、83、103、113…(第1の)光学素子、6…観察者の眼球(射出瞳)、7、24、77、78、85、106、115…半透過反射膜(第1の領域)、8、25、76、79、86、106、116…反射膜(第2の領域)

Claims (15)

  1. それぞれ画像を表示する複数の表示素子からの光を射出瞳に導いて前記画像の合成拡大像を提供する観察光学系において、
    透過作用と反射作用を有する第1の領域と反射作用を有するが透過作用は有さない第2の領域とを含む1つの光学面を備える第1の光学素子を有し、
    第1の表示素子の第1の表示領域からの光束は前記光学面の第1の領域により反射されて前記射出瞳に導かれ、前記第1の表示素子の第2の表示領域からの光束は前記光学面の第2の領域により反射されて前記射出瞳に導かれ、
    第2の表示素子からの光束の一部は、前記光学面の前記第1の領域を通過して前記射出瞳に導かれ、
    前記第1および第2の表示素子から前記合成拡大像の同じ像点へ導かれる光束が、前記射出瞳において重なりを有することを特徴とする観察光学系。
  2. 前記第2の表示素子からの光束の少なくとも一部を前記光学面に向けて反射させる光学面を含む第2の光学素子を更に有することを特徴とする請求項1に記載の観察光学系。
  3. 前記第1の領域は、前記第2の領域に近い部分が遠い部分に比べて高い反射率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の観察光学系。
  4. 前記第1および第2の表示素子から前記合成拡大像の同じ像点へ導かれる光束の前記射出瞳における重なりが、それぞれの光束の一部であることを特徴とする請求項1乃至3の1項に記載の観察光学系。
  5. 前記第1および第2の表示素子の一部が同一の画像を表示することを特徴とする請求項1乃至4の1項に記載の観察光学系。
  6. 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子は、それぞれ少なくとも2つの反射面を有するプリズムであることを特徴とする請求項2に記載の観察光学系。
  7. 前記第1の光学素子は、前記第1の表示素子からの光束の少なくとも一部を全反射する内部全反射面を有することを特徴とする請求項6に記載の観察光学系。
  8. 前記第1の光学素子に対向する前記第2の光学素子の光学面の有効域が、前記第2の光学素子に対向する前記第1の光学素子の光学面の有効域よりも前記第1の表示素子から遠いことを特徴とする請求項7に記載の観察光学系。
  9. 前記第1の光学素子に対向する前記第2の光学素子の光学面の有効域が、前記第2の光学素子に対向する前記第1の光学素子の光学面の有効域よりも前記第1の表示素子に近いことを特徴とする請求項7に記載の観察光学系。
  10. 前記第2の光学素子を通過した前記第2の表示素子からの光束を前記第1の光学素子もしくは前記射出瞳に導く第3の光学素子を更に有することを特徴とする請求項2に記載の観察光学系。
  11. 前記第2の表示素子から前記第1の光学素子を通過して観察者の眼へ導かれる光の光路において、前記第1の光学素子と前記第3の光学素子が接合されていることを特徴とする請求項10に記載の観察光学系。
  12. 請求項1乃至11の1項に記載の観察光学系を有することを特徴とする画像表示装置。
  13. それぞれ画像を表示する複数の表示素子からの光を射出瞳に導いて前記画像の合成拡大像を提供する観察光学系において、
    反射作用を有するが透過作用は有さない領域を有する光学面を含む第1の光学素子と、第2の光学素子と、透過作用と反射作用を有する領域を有する光学面を含む第3の光学素子と、を有し、
    第1の表示素子の第1の表示領域からの光束は前記第3の光学素子の領域により反射されて前記射出瞳に導かれ、前記第1の表示素子の第2の表示領域からの光束は前記第1の光学素子の領域により反射されて前記射出瞳に導かれ、
    第2の表示素子からの光束の少なくとも一部は前記第2の光学素子を介して前記第1の光学素子の前記光学面に向けて反射され、
    前記第3の光学素子は、前記第2の光学素子を通過した前記第2の表示素子からの光束を前記第1の光学素子もしくは前記射出瞳に導き、
    第2の表示素子からの光束の一部は前記第3の光学素子の領域を通過して前記射出瞳に導かれ、
    前記第1および第2の表示素子から前記合成拡大像の同じ像点へ導かれる光束が、前記射出瞳において重なりを有することを特徴とする観察光学系。
  14. 請求項1に記載の観察光学系の第1の光学素子の製造方法であって、
    前記第1の光学素子の前記光学面の前記第1の領域以外の領域を遮蔽して半透過反射膜を成膜するステップと、
    前記第1の光学素子の前記光学面の前記第2の領域以外の領域を遮蔽して反射膜を成膜するステップと、
    を有することを特徴とする製造方法。
  15. 請求項1に記載の観察光学系の第1の光学素子の製造方法であって、
    前記第1の領域と前記第2の領域には、厚さが異なり材質が同じ膜が形成されており、
    前記第1の光学素子の前記光学面の前記第1の領域と前記第2の領域以外の領域を遮蔽して前記材質で前記第1の領域に対応する厚さだけ成膜するステップと、
    前記第1の光学素子の前記光学面の前記第2の領域以外の領域を遮蔽して前記材質で前記第2の領域が対応する厚さを有するように成膜するステップと、
    を有することを特徴とする製造方法。
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