JP2020076616A - 光学式角度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】受光手段に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる光学式角度センサの提供。【解決手段】光学式角度センサ1は、光源2と、分割手段6と、光を再帰性反射する第1反射手段と第2反射手段と、合成手段7と、受光手段5と、所定の軸を機械的回動軸AX1として回動する測定対象の角度の変化量を演算する演算手段8と、を備える。第1反射手段4aと第2反射手段4bとは、測定対象の回動にともなって同期して回動するための測定用回動軸AX2を備える。機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、接続部42上の点を含むとともに第1反射手段4aと第2反射手段4bとの少なくとも一方に入射する分割手段6にて分割された光に直交する平面9に含まれていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、光学式角度センサに関する。
従来、光を照射する光源と、光源からの光を受光する受光手段と、測定対象の回動による角度の変化量を演算する演算手段と、を備える光学式角度センサが知られている。
例えば特許文献1に記載の2次元角度センサは、検出対象に光ビームを投光するための光源と、光ビームによる検出対象からの反射光の光路中に設けたレンズと、レンズの焦点付近に設けられたフォトダイオードによる検出素子(受光手段)と、を備える。2次元角度センサは、検出素子で検出した光電流を計算することで検出対象の角度を検出する。
具体的には、2次元角度センサは、検出素子に投光される光の形状とその光の光量の大きさから検出対象の傾きを検出する。検出素子に投光される光の形状とその光の光量の大きさがレンズなどにより変化した場合、その変化は、ノイズとして検出結果に影響を与えることがある。このため、2次元角度センサは、光の形状とその光の光量の大きさの変化によるノイズを抑制するため、高品質かつ高価なレンズなどの光学部品を備えなければならず、コストがかかるという問題がある。
このような問題に対して、例えば特許文献2では、レーザ干渉計を用いている。レーザ干渉計は、レーザ光の干渉を利用して測定対象の回動による角度の変化量を測定するものであり、レーザビームを照射するレーザ光源(光源)と、レーザ光源から照射されたレーザビームを伝達する第1光ファイバと、第1光ファイバからのレーザビームを平行にする第1レンズと、第1レンズにより平行になったレーザビームを分割し、2個のコーナーキューブを介した後、分割したレーザビームを合成する回転角度検出用偏光ビームスプリッタと、回転角度検出用偏光ビームスプリッタから照射されたレーザビームを偏光する偏光板と、偏光板を介したレーザビームを伝達する第2光ファイバの端面にレーザビームを収束させる第2レンズと、第2光ファイバを介したレーザビームを電気信号に変換する受光信号処理部(受光手段および演算手段)と、を備える。
レーザ光源は、受光信号処理部にて検出される電気信号の可干渉性(コヒーレント性)が良好なレーザビームを照射するHe−Neレーザである。そして、回転角度検出用偏光ビームスプリッタを介して受光信号処理部に照射されるレーザビームは、受光信号処理部においてレーザビームが照射される照射面で干渉を生じさせる。レーザ干渉計は、回動に起因する光路長の変化で生じる干渉光の強度変化を受光信号処理部にて電気信号に変換し演算することで、測定対象の回動による角度の変化量を測定することができる。
具体的には、レーザ干渉計が備える2個のコーナーキューブが回動すると、回転角度検出用偏光ビームスプリッタにて分割された2つのレーザビームの光路長の差が変化し、干渉光の強度、すなわち、干渉光の明暗の変化が観測される。この際、光路長の差の変化は、2個のコーナーキューブの配列距離に回転角を乗じた長さの2倍となる。レーザ干渉計は、干渉光の明暗の変化量を検出することで2個のコーナーキューブの回動角を測定することができる。したがって、レーザ干渉計は、光の形状とその光の光量の大きさとによらず、干渉光の明暗の変化から回転角度を検出するため、高品質かつ高価なレンズなどの光学部品を備えなくとも、測定対象の回転角度を検出できる。
特開2003−156319号公報 特開平11−237207号公報
しかしながら、特許文献2に記載のレーザ干渉計において、2個のコーナーキューブの回動軸と、測定対象の回動軸と、が所定の領域内に設けられていない場合、干渉光が受光手段に照射されないことがあるという問題がある。
図23は、従来の光学式角度センサを示す概略図である。
図23に示す光学式角度センサ100は、例えば光源200と、透過型回折格子300と、プリズム等の第1反射手段400aと第2反射手段400bと、受光手段500と、を備える。なお、光学式角度センサ100は、光源200からの2本のレーザビームの光路長が互いにほぼ同じになるように構成されている。また、図23では、受光手段500に照射される干渉光を矢印にて記載している。
光学式角度センサ100は、測定対象の回動軸である機械的回動軸AX1と、第1反射手段400aおよび第2反射手段400bの回動軸である測定用回動軸AX2と、をさらに備える。
機械的回動軸AX1と測定用回動軸AX2とは、図23に示すように、Z軸方向に離間して設けられている。測定対象が機械的回動軸AX1を軸としてα方向に回動すると、第1反射手段400aおよび第2反射手段400bは測定用回動軸AX2を軸としてα方向に回動する。そして、第1反射手段400aおよび第2反射手段400bは、第1反射手段401aおよび第2反射手段401bの位置に移動する。また、測定対象が−α方向に回動すると、第1反射手段400aおよび第2反射手段400bは−α方向に回動する。そして、第1反射手段400aおよび第2反射手段400bは、第1反射手段402aおよび第2反射手段402bの位置に移動する。
実線の第1反射手段400aおよび第2反射手段400bの位置では、干渉光は、受光手段500に照射される。しかし、破線の第1反射手段401a,402aおよび第2反射手段401b,402bの位置では、干渉光は、受光手段500から外れてしまい受光手段500に照射されない。また、干渉光が受光手段500に照射されたとしても、測定対象の回動により、実線の第1反射手段400aおよび第2反射手段400bの位置のときに受光手段500に照射される位置からズレてしまうことがある。照射位置により受光精度が異なる受光手段500である場合、干渉光の照射位置のズレは、測定誤差の原因となる。
また、第1反射手段400aおよび第2反射手段400bを介した光の照射位置が透過型回折格子300にてズレることにより、干渉光の明暗に変化が生じる。この干渉光の明暗の変化により、受光手段500は、測定対象が回動していなくとも、測定対象が回動したと検出してしまうことがある。
したがって、干渉光の位置の変化により、干渉光が受光手段500に照射されない場合は、測定対象の回動による角度の変化量を検出することができず、干渉光が受光手段500に照射される場合であっても、測定誤差を生じることがあるという問題がある。
本発明の目的は、受光手段に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる光学式角度センサを提供することである。
本発明の光学式角度センサは、光を照射する光源と、光源からの光を第1光と第2光とに分割する分割手段と、分割手段により分割された第1光を第1光が入射してきた方向と逆方向に再帰性反射する第1反射手段と、分割手段により分割された光のうち第1反射手段が反射する光とは異なる光である第2光を第2光が入射してきた方向と逆方向に再帰性反射する第2反射手段と、第1反射手段で反射された第1光と第2反射手段で反射された第2光とを合成して合成光とする合成手段と、合成手段により合成された合成光を受光する受光手段と、所定の軸を機械的回動軸として回動する測定対象における角度の変化量を、受光手段が受光した合成光に基づいて演算する演算手段と、を備え、第1反射手段および第2反射手段は、光を反射する反射面を有する略矩形状の複数の反射体と、複数の反射体を互いに接続する接続部と、を備え、第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方は、測定対象に取付けられ、測定対象の回動にともなって同期して回動するための測定用回動軸を備え、機械的回動軸および測定用回動軸は、接続部上の点を含むとともに第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方に入射する分割手段にて分割された光に直交する平面に含まれていることを特徴とする。
このような本発明によれば、機械的回動軸および測定用回動軸は、接続部上の点を含むとともに第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方に入射する分割手段にて分割された光に直交する平面に含まれている。この平面に機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている場合、受光手段に照射される干渉光は、測定対象が回動したとしても、照射位置がほとんど変化しない。すなわち、干渉光は、測定対象が回動したとしても移動することなく受光手段の同じ位置に照射される。したがって、光学式角度センサは、受光手段に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
この際、光源は、分割手段に対して傾斜角度θを有して光を照射し、受光手段は、合成手段に対向して配置される光を受光する受光面を有し、受光面は、合成手段に対して傾斜角度−θを有して配置され、機械的回動軸および測定用回動軸は、接続部上の点を含むとともに第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方に入射する分割手段にて分割された光から傾斜角度θ傾斜した傾斜直線に直交する平面に含まれていることが好ましい。
このような構成によれば、光源は、分割手段に対して傾斜角度θを有して光を照射し、受光面は、合成手段に対して傾斜角度−θを有して配置されている場合であっても、機械的回動軸および測定用回動軸が、接続部上の点を含むとともに第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方に入射する分割手段にて分割された光から傾斜角度θ傾斜した傾斜直線に直交する平面に含まれていることで、受光手段に照射される第1反射手段および第2反射手段を介した光は、測定対象が回動したとしても移動することなく、受光手段の同じ位置に明暗が変動する干渉光を照射する。したがって、光学式角度センサは、受光手段に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
この際、接続部は、複数の反射体を互いに直交させて接続し、第1反射手段および第2反射手段は、分割手段により分割された光を光が入射してきた方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射することが好ましい。
ここで、光学式角度センサは、第1反射手段および第2反射手段に入射し、その入射方向と逆方向に再帰性反射された光を受光することができれば、測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。しかし、例えば複数の反射体が互いに直交して接続されていない場合、第1反射手段および第2反射手段に入射した光は、その入射方向と平行、かつ、逆方向には再帰性反射されない。第1反射手段および第2反射手段に入射した光がその入射方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射されないと、複数の反射体が互いに直交して接続される場合からズレた分、検出結果に誤差が生じることがある。
これに対して、本発明のような構成によれば、接続部は、複数の反射体を互いに直交させて接続されているため、第1反射手段および第2反射手段に入射した光を、その入射方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射させることができる。また、第1反射手段および第2反射手段は、光が入射してきた方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射するため、光が平行、かつ、逆方向に再帰性反射しない場合と比較して、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
この際、第1反射手段および第2反射手段は、それぞれ2個の反射体を備え、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であることが好ましい。
このような構成によれば、第1反射手段および第2反射手段は、それぞれ2個の反射体を備え、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であるため、第1反射手段および第2反射手段に例えばプリズムを用いることができる。プリズムは、例えばコーナーキューブよりも安価であるため、第1反射手段および第2反射手段にプリズムを用いることで、コスト削減を図ることができる。
また、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、接続部により成される交線であるため、点である場合と比較して、測定用回動軸の位置を設計しやすくすることができる。
または、第1反射手段と第2反射手段との一方は、2個の反射体を備え、第1反射手段と第2反射手段との他方は、3個の反射体を備え、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であり、3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であることが好ましい。
このような構成によれば、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であり、3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であるため、第1反射手段と第2反射手段との構成が互いに異なるものを採用することができる。したがって、光学式角度センサは、設計の自由度を向上させることができる。
または、第1反射手段および第2反射手段は、それぞれ3個の反射体を備え、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であることが好ましい。
このような構成によれば、第1反射手段および第2反射手段は、それぞれ3個の反射体を備え、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であるため、第1反射手段および第2反射手段に例えばコーナーキューブを用いることができる。
ここで、プリズムは1方向のみに再帰性を有し、コーナーキューブは2方向に再帰性を有する。このため、コーナーキューブは、プリズムと比較して、アライメントに鈍感であるという性質を有する。したがって、第1反射手段および第2反射手段に例えばコーナーキューブを用いた場合、プリズムを用いた場合と比較して、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。また、機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面に含まれる接続部上の点は、交線ではなく交点であるため、第1反射手段および第2反射手段が2個の反射体を備える場合と比較して、自由に第1反射手段および第2反射手段の配置を設計することができる。したがって、光学式角度センサは、設計の自由度を向上させることができる。
この際、機械的回動軸と、測定用回動軸とは、同軸であることが好ましい。
このような構成によれば、機械的回動軸と、測定用回動軸とは、同軸であるため、受光手段に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止するための機械的回動軸と、測定用回動軸と、の配置を容易に設計することができる。
この際、第1反射手段および第2反射手段は、測定対象の測定範囲内において、分割手段における光源からの光の分割点から第1反射手段を介して合成手段に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段における光源からの光の分割点から第2反射手段を介して合成手段に到達するまでの第2光の光路長と、が同じ長さとなる角度を有することが好ましい。
ここで、前述の特許文献2におけるレーザ干渉計の回転角度検出用偏光ビームスプリッタにて分割される例えば2本のレーザビームは、回転角度検出用偏光ビームスプリッタにおけるレーザビームの分割点から、それぞれのレーザビームに対応したコーナーキューブを介し、回転角度検出用偏光ビームスプリッタにおけるレーザビームの合成点までの光路長が、それぞれ異なる。具体的には、分割された一方のレーザビームの光路長をLとした場合、分割された他方のレーザビームの光路長は、一方のレーザビームの光路長Lの2倍の光路長2Lとなる。
特許文献2におけるレーザ干渉計が備えるレーザ光源はHe−Neレーザであり、そのコヒーレント長は数mであるため、2本のレーザビームの光路長が互いに大きく異なったとしても、干渉は生じる。しかし、光源として例えばコヒーレント長が数cmと非常に短い半導体レーザを用いた場合、分割された2本のレーザビームの光路長が互いに2倍程の差があると、受光信号処理部における照射面で干渉は生じない。したがって、特許文献2におけるレーザ干渉計は、光源に半導体レーザを用いた場合、そのコヒーレント性による制限を回避するために、2本のレーザビームの光路長が互いにほぼ同じ長さになるようにする必要がある。
本発明の構成によれば、光学式角度センサにおいて、第1反射手段および第2反射手段は、測定対象の測定範囲内において、分割手段における光の分割点から第1反射手段を介して合成手段に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段における光の分割点から第2反射手段を介して合成手段に到達するまでの第2光の光路長と同じ長さとなる角度を有するため、測定対象の回動により変化する第1光の光路長と第2光の光路長との差を、数cm以内に収めることができる。すなわち、例えば光源にコヒーレント長が非常に短い半導体レーザを用いたとしても、受光手段の受光面で干渉を生じさせることができる。
したがって、光学式角度センサは、光源のコヒーレント性による制限を回避し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
また、光学式角度センサは、高価なHe−Neレーザを用いずに、例えばHe−Neレーザと比較して低廉な半導体レーザなどを光源として生じる干渉光から、測定対象の角度変位を検出することができるため、コスト削減を図ることができる。
この際、第1反射手段または第2反射手段の一方は、固定して設けられ、第1反射手段または第2反射手段の他方は、測定対象に取付けられ、測定対象の回動にともなって同期して回動することが好ましい。
ここで、第1反射手段および第2反射手段が測定対象に取付けられている場合、第1反射手段および第2反射手段の重量により測定対象の回動が鈍くなり、測定結果に影響を及ぼすことがある。
しかしながら、このような構成によれば、第1反射手段または第2反射手段の一方は、光学式角度センサ内に固定して設けられ、第1反射手段または第2反射手段の他方は、所定の回動軸にて回動する測定対象に取付けられているため、第1反射手段および第2反射手段が測定対象に取付けられている場合と比較して測定対象の重量が軽くなる。したがって、光学式角度センサは、重量による測定結果への影響を抑制し、高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
または、第1反射手段および第2反射手段は、測定対象に取付けられ、測定対象の回動にともなって同期して回動することが好ましい。
このような構成によれば、第1反射手段および第2反射手段は、測定対象に取付けられ、測定対象の回動にともなって同期して回動するため、第1反射手段および第2反射手段は同時に同じ角度だけ回動することになる。これにより、第1反射手段および第2反射手段の回動による総合した角度の変化量は、第1反射手段または第2反射手段の一方を固定し、他方を測定対象に取付けた場合と比較して2倍となる。これにより、第1反射手段または第2反射手段の一方を固定し、他方を測定対象に取付けた場合と比較して、合成手段にて合成される合成光の強度が2倍となる。このため、受光手段の感度が2倍となる。したがって、光学式角度センサは、第1反射手段または第2反射手段の一方を固定し、他方を測定対象に取付けた場合と比較して、高感度の信号から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
この際、第1反射手段および第2反射手段は、第1反射手段または第2反射手段の回動軸と、光源からの光の光軸と平行な軸と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、第1反射手段および第2反射手段は、第1反射手段または第2反射手段の回動軸と、光源からの光の光軸と平行な軸と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置される。このため、第1反射手段および第2反射手段を非対称となる位置に配置する場合と比較して、第1反射手段および第2反射手段が、測定対象の測定範囲内において、分割手段における光源からの光の分割点から第1反射手段を介して合成手段に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段における光源からの光の分割点から第2反射手段を介して合成手段に到達するまでの第2光の光路長と、について同じ長さとなる角度を有するように容易に設計することができる。
この際、分割手段による第1光を第1反射手段に反射し、第1反射手段からの光を合成手段に向かって反射する第1反射部と、分割手段による第2光を第2反射手段に反射し、第2反射手段からの光を合成手段に向かって反射する第2反射部と、を備えることが好ましい。
このような構成によれば、光学式角度センサは、第1反射部と第2反射部とを備えることで分割手段から第1反射手段および第2反射手段までの第1光および第2光の光路を短縮し、第1反射手段および第2反射手段から合成手段までの第1光および第2光の光路を短縮することができる。したがって、分割手段または合成手段に対する第1反射手段および第2反射手段の配置を自由に設計することができる。また、光学式角度センサは、第1反射部と第2反射部とにより、分割手段から合成手段までの光路を形成する構成要素を小型化することができる。
この際、第1反射手段および第2反射手段の少なくとも一方は、分割手段により分割された光の入射方向に沿って進退可能に設けられていることが好ましい。
ここで、第1反射手段および第2反射手段は、光学式角度センサの製造時に組み付けられるため、通常、あとから第1反射手段および第2反射手段の位置を調整することはできない。製造後に第1反射手段および第2反射手段の位置を調整したい場合とは、例えば、受光手段に照射される合成光のピント調整をしたい場合や、測定用回動軸の位置の調整をしたい場合などである。
しかしながら、本発明の構成によれば、第1反射手段および第2反射手段の少なくとも一方は、分割手段により分割された光の入射方向に沿って進退可能に設けられているため、製造後に第1反射手段および第2反射手段の位置を調整することができる。
この際、分割手段および合成手段は、光源からの光を回折する複数の格子を有する透過型回折格子であり、1枚の透過型回折格子に併設されていることが好ましい。
このような構成によれば、分割手段および合成手段は、透過型回折格子であることで、容易に光源からの光を分割、または、合成することができる。また、分割手段および合成手段が1枚の透過型回折格子に併設されていることで、単一の透過型回折格子だけで光の分割および合成をすることができる。したがって、光学式角度センサは、複数の光学部品を用いた場合と比較して、複雑な光学部品を用いなくともよく、加工や組み立てを省略できるため、コスト削減を図ることができる。
または、分割手段と合成手段との一方は、光源からの光を回折する複数の格子を有する透過型回折格子であり、分割手段と合成手段との他方は、ビームスプリッタであることが好ましい。
このような構成によれば、分割手段と合成手段として、透過型回折格子とビームスプリッタの双方を採用することができる。したがって、光学式角度センサは、設計の自由度を向上させることができる。
または、分割手段および合成手段は、ビームスプリッタであり、1個のビームスプリッタに併設されていることが好ましい。
ここで、透過型回折格子の複数の格子を透過した光は複数の回折光となる。複数の回折光は、測定対象の回動による角度の変化量を検出するための信号回折光と、ノイズや誤差の原因となるノイズ回折光と、を有する。受光手段にノイズ回折光が照射された場合、検出結果に誤差が生じることがあるため、受光手段にはノイズ回折光が照射されないようにすることが好ましい。
しかしながら、本発明の構成によれば、分割手段および合成手段は、ビームスプリッタであることで、透過型回折格子の複数の格子による複数の回折光が生じない。すなわち、ビームスプリッタを用いることで、ノイズ回折光が生じなくなる。また、透過型回折格子と比較して、ビームスプリッタにて分割または合成される光は、ロスが生じにくい。さらに1個のビームスプリッタにて光源からの光を分割し、合成することができる。したがって、光学式角度センサは、分割手段および合成手段に透過型回折格子を用いる場合と比較して、ロスが少ない光を用いた高感度の信号から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。また、光学式角度センサは、部品点数を減らし、コスト削減を図ることができる。
その際、分割手段は、光源からの光が照射される分割面を有し、合成手段は、分割面において第1反射手段または第2反射手段の回動軸と直交する直交方向に沿って並設される複数の格子を有し、受光手段は、直交方向に沿って並設される複数の受光素子を備え、複数の格子を介した複数の回折光を受光し、演算手段は、複数の受光素子が受光した複数の回折光に基づく複数の信号から測定対象の回動による角度の変化量を演算することが好ましい。
このような構成によれば、合成手段は、分割面において第1反射手段または第2反射手段の回動軸と直交する直交方向に沿って並設される複数の格子を有し、受光手段は、直交方向に沿って並設される複数の受光素子を備え、複数の格子を介した複数の回折光を受光する。複数の回折光は、受光手段の受光面上に、第1反射手段または第2反射手段の回動軸と平行な方向に沿って干渉縞を生成する。このため、受光手段の複数の受光素子は、干渉縞から例えば4相信号を検出することができる。演算手段は、例えばこの4相信号から測定対象の回動方向と、回動による角度の変化量を演算することができる。したがって、光学式角度センサは、干渉光から測定対象の回動による角度の変化量を演算する場合と比較して、干渉縞から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
または、合成手段は、分割面において第1反射手段または第2反射手段の回動軸と直交する直交方向に沿って並設され、光源からの光の光軸に対して所定の傾斜角度を有して配置される複数の傾斜格子を有し、受光手段は、第1反射手段または第2反射手段の回動軸と平行な方向に沿って並設される複数の受光素子を備え、複数の傾斜格子を介した複数の回折光を受光し、演算手段は、受光手段が受光した複数の回折光に基づく複数の信号から測定対象の回動による角度の変化量を演算することが好ましい。
このような構成によれば、合成手段は、光源からの光の光軸に対して所定の傾斜角度を有して配置される複数の傾斜格子を有し、受光手段は、所定の傾斜角度を有する複数の格子を介した複数の回折光を受光する。複数の回折光は、受光手段の受光面上に、第1反射手段または第2反射手段の回動軸と直交する直交方向に沿って干渉縞を生成する。このため、受光手段の複数の受光素子は、干渉縞から例えば4相信号を検出することができる。演算手段は、例えばこの4相信号から測定対象の回動方向と、回動による角度の変化量を演算することができる。したがって、光学式角度センサは、干渉光から測定対象の回動による角度の変化量を演算する場合と比較して、干渉縞から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
この際、合成手段は、それぞれ位相が異なる複数の合成部を備え、受光手段は、複数の合成部のそれぞれに対応する複数の受光部を備え、演算手段は、複数の受光部が受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から測定対象の回動の方向および測定対象の回動による角度の変化量を演算することが好ましい。
このような構成によれば、光学式角度センサは、複数の合成部により複数の合成光を生成し、例えば4相信号を検出することができる。したがって、光学式角度センサは、例えば4相信号を用いて高精度に測定対象の回動により角度の変位を検出することができる。
または、分割手段は、複数の格子を有する回折格子であり、第1反射手段を介する第1光または第2反射手段を介する第2光の光路上に配置される1/4波長板を備え、合成手段による合成光を第1分割光と第2分割光とに分割する分割ビームスプリッタと、分割ビームスプリッタにより分割された第1分割光と第2分割光との光路上に配置される第1の1/4波長板と、第1の1/4波長板を介した第2分割光の光路上に配置される第2の1/4波長板と、第1の1/4波長板を介した第1分割光を第1偏光と第2偏光とに分割する第1分割光偏光ビームスプリッタと、第2の1/4波長板を介した第2分割光を第3偏光と第4偏光とに分割する第2分割光偏光ビームスプリッタと、第1偏光から位相が0度の光を受光する第1受光部と、第2偏光から位相が180度の光を受光する第2受光部と、第3偏光から位相が90度の光を受光する第3受光部と、第4偏光から位相が270度の光を受光する第4受光部と、を備えることが好ましい。
このような構成によれば、分割手段は、複数の格子を有する回折格子であり、光学式角度センサは、第1反射手段を介する第1光または第2反射手段を介する第2光の光路上に配置される1/4波長板を備え、受光手段は、複数の受光部として、第1偏光から位相が0度の光を受光する第1受光部と、第2偏光から位相が180度の光を受光する第2受光部と、第3偏光から位相が90度の光を受光する第3受光部と、第4偏光から位相が270度の光を受光する第4受光部と、を備えるため、合成光から例えば4相信号を検出することができる。したがって、光学式角度センサは、複数の回折光から取得することができる、例えば4相信号を用いて高精度に測定対象の回動による角度の変位を検出することができる。
または、分割手段は、複数の格子を有する回折格子であり、第1反射手段を介する第1光または第2反射手段を介する第2光の光路上に配置される1/4波長板を備え、合成手段による合成光を複数の回折光とする複数の格子が並設される照射面を有する第1回折格子部と、第1回折格子部の複数の格子が並設される方向と照射面において直交する方向に並設される複数の格子を有し、第1回折格子部による複数の回折光をさらに複数の回折光とする第2回折格子部と、第2回折格子部による複数の回折光の光路上に配置され、複数の回折光をそれぞれ位相の異なる複数の偏光にする複数の偏光子と、を備え、受光手段は、複数の偏光子のそれぞれに対応する複数の受光部を備え、演算手段は、複数の受光部が受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から測定対象の回動の方向および測定対象の回動による角度の変化量を演算することが好ましい。
このような構成によれば、分割手段は、複数の格子を有する回折格子であり、光学式角度センサは、第1反射手段を介する第1光または第2反射手段を介する第2光の光路上に配置される1/4波長板を備え、第1回折格子および第2回折格子により回折された複数の回折格子に対応する複数の偏光子と、複数の偏光子のそれぞれに対応する複数の受光部を備えるため、前述の分割ビームスプリッタと、第1分割光偏光ビームスプリッタと、第2分割光偏光ビームスプリッタと、を備える場合と比較して、これらの光学部品を用いなくとも複数の回折格子から例えば4相信号を取得することができる。したがって、光学式角度センサは、前述の光学式角度センサと比較して、高精度化を図りつつ省スペース化やコスト削減を図ることができる。
または、分割手段は、偏光ビームスプリッタであり、合成手段による合成光を第1分割光と第2分割光とに分割する分割ビームスプリッタと、分割ビームスプリッタにより分割された第1分割光と第2分割光との光路上に配置される第1の1/4波長板と、第1の1/4波長板を介した第2分割光の光路上に配置される第2の1/4波長板と、第1の1/4波長板を介した第1分割光を第1偏光と第2偏光とに分割する第1分割光偏光ビームスプリッタと、第2の1/4波長板を介した第2分割光を第3偏光と第4偏光とに分割する第2分割光偏光ビームスプリッタと、第1偏光から位相が0度の光を受光する第1受光部と、第2偏光から位相が180度の光を受光する第2受光部と、第3偏光から位相が90度の光を受光する第3受光部と、第4偏光から位相が270度の光を受光する第4受光部と、を備えることが好ましい。
このような構成によれば、分割手段は、偏光ビームスプリッタであり、複数の受光部として、第1偏光から位相が0度の光を受光する第1受光部と、第2偏光から位相が180度の光を受光する第2受光部と、第3偏光から位相が90度の光を受光する第3受光部と、第4偏光から位相が270度の光を受光する第4受光部と、を備えるため、受光手段は、合成光から例えば4相信号を検出することができる。したがって、光学式角度センサは、ビームスプリッタを用いた場合であっても、例えば4相信号を用いて高精度に測定対象の回動による角度の変位を検出することができる。
または、分割手段は、偏光ビームスプリッタであり、合成手段による合成光を複数の回折光とする複数の格子が並設される照射面を有する第1回折格子部と、第1回折格子部の複数の格子が並設される方向と照射面において直交する方向に並設される複数の格子を有し、第1回折格子部による複数の回折光をさらに複数の回折光とする第2回折格子部と、第2回折格子部による複数の回折光の光路上に配置され、複数の回折光をそれぞれ位相の異なる複数の偏光にする複数の偏光子と、を備え、受光手段は、複数の偏光子のそれぞれに対応する複数の受光部を備え、演算手段は、複数の受光部が受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から測定対象の回動の方向および測定対象の回動による角度の変化量を演算することが好ましい。
このような構成によれば、分割手段は、偏光ビームスプリッタであり、光学式角度センサは、第1回折格子および第2回折格子により回折された複数の回折格子に対応する複数の偏光子と、複数の偏光子のそれぞれに対応する複数の受光部を備えるため、前述の分割ビームスプリッタと、第1分割光偏光ビームスプリッタと、第2分割光偏光ビームスプリッタと、を備える場合と比較して、これらの光学部品を用いなくとも例えば4相信号を取得することができる。したがって、光学式角度センサは、前述の光学式角度センサと比較して、高精度化を図りつつ省スペース化やコスト削減を図ることができる。
第1実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 前記光学式角度センサを示すブロック図 前記光学式角度センサにおける機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面を示す概略図 前記光学式角度センサにおける機械的回動軸および測定用回動軸の位置による光路の変化を示す図 前記光学式角度センサにおける第1反射手段および第2反射手段の変形例を示す図 第2実施形態に係る光学式角度センサにおける光源および受光手段の配置を示す概略図 前記光学式角度センサにおける機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面を示す概略図 第3実施形態に係る光学式角度センサにおける機械的回動軸および測定用回動軸が含まれている平面を示す概略図 前記光学式角度センサにおける機械的回動軸および測定用回動軸の位置による光路の変化を示す図 第4実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第5実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 前記光学式角度センサを示すブロック図 第6実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第7実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第8実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第9実施形態に係る光学式角度センサにおける合成手段と受光手段を示す概略図 第10実施形態に係る光学式角度センサにおける合成手段と受光手段を示す概略図 第11実施形態に係る光学式角度センサにおける合成手段と受光手段を示す概略図 第12実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第13実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第14実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 第15実施形態に係る光学式角度センサを示す概略図 従来の光学式角度センサを示す概略図
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図1から図4に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る光学式角度センサ1を示す概略図である。具体的には、図1(A)は光学式角度センサ1において測定対象が回動する前の状態を示す図であり、図1(B),(C)は光学式角度センサ1において測定対象が所定の方向に回動した状態を示す図である。
光学式角度センサ1は、図1に示すように、光を照射する光源2と、光を透過する透過型回折格子3と、透過型回折格子3を介した光源2からの光を透過型回折格子3に向かって平行、かつ、逆方向に再帰性反射する反射手段4と、反射手段4を反射し透過型回折格子3を介した光を受光する受光手段5と、を備える。
光学式角度センサ1は、所定の軸を機械的回動軸AX1として回動する測定対象を測定する測定器の内部に設けられている。第1実施形態では、測定対象および反射手段4は、X軸を軸として回動する。また、以降の説明において反射手段4の回動軸を測定用回動軸AX2とし、X軸を機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2として説明することがある。なお、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2の詳細は後述する。
光源2は、一定の幅を有する光を透過型回折格子3に向かって照射する。光源2は、例えば半導体レーザである。なお、光源2は半導体レーザに限らず、数cmのコヒーレント長を有する光源であれば任意の光源であってもよい。
透過型回折格子3は、透光性のガラスにて形成され、所定のピッチで配置される複数の格子60,70を有する。複数の格子60,70は、透過型回折格子3において光源2と対向して設けられている。なお、透過型回折格子3は、ガラスに限らず、任意の透光性の部材により形成されていてもよい。
透過型回折格子3の複数の格子60,70を介した光源2からの光は、複数の回折光となる。
ここで、複数の回折光は、光源2から照射された光の光軸と同じ方向に進行する回折光と、光軸の両側を所定の回折角度で進行する回折光と、光軸の両側を所定の回折角度よりも大きな回折角度で進行する回折光と、を有する。
複数の回折光は、光軸と同じ方向に進行する回折光を0次回折光とすると、0次回折光を基準として回折角度が大きくなる方向に向かって±1次回折光、±2次回折光と順序づけることができる。
受光手段5は、主に±1次回折光により生成される干渉光から信号を検出する。
なお、以下の説明および図面において、受光手段5にて干渉光を生成する光の光路を矢印にて記載している。
透過型回折格子3は、光源2からの光を第1光と第2光とに分割する分割手段6と、分割手段6にて分割され反射手段4にて再帰性反射された光を合成して合成光とする合成手段7と、を備える。分割手段6および合成手段7は、1枚の透過型回折格子3に併設されている。
分割手段6は、光源2からの光が照射される分割面61を有する。分割手段6は、分割面61においてX軸と直交する方向であるY方向に沿って並設される複数の格子60を有する。合成手段7も同様に、分割面61においてY方向に沿って並設される複数の格子70を有する。
反射手段4は、分割手段6により分割された第1光を第1光が入射してきた方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射する第1反射手段4aと、分割手段6により分割された光のうち第1反射手段4aが反射する光とは異なる光である第2光を第2光が入射してきた方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射する第2反射手段4bと、を備える。
具体的には、第1反射手段4aは、第1光が入射した方向と平行に合成手段7に向かって第1光を反射し、第2反射手段4bは、第2光が入射した方向と平行に合成手段7に向かって第2光を反射する。
第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、光を反射する反射面40を有する略矩形状の複数の反射体41と、複数の反射体を互いに接続する接続部42と、を備える。第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、それぞれ2個の反射体41を備えるプリズムである。
反射面40は、例えばミラー状に形成され、反射体41は、略矩形状に形成された板状のミラーである。なお、反射体41は、光を反射することができれば、ミラーでなくともよい。接続部42は、複数の反射体41を互いに直交させて接続しているため直線状に形成されている。
また、第1反射手段4aと第2反射手段4bとは、測定対象に取付けられ、測定対象の回動にともなって同期して回動するための測定用回動軸AX2を備える。機械的回動軸AX1と、測定用回動軸AX2とは、同軸である。
第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と、光源2からの光の光軸と平行な軸AX3と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置されている。すなわち、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、X軸と、光源2からの光の光軸と平行な軸AX3であるZ軸と、により形成される面において対称となる位置に配置されている。
受光手段5は、合成手段7により合成された合成光を受光する。受光手段5には、PDA(Photo Diode Array)が用いられる。PDAは、その受光面に照射された干渉光を一度に測定することができる性質を持つ受光器である。なお、受光手段5は、PDAに限らず、PSD(Position Sensitive Detector)やCCD(Charge - Coupled Device)等の任意の受光器を用いてもよい。
光源2と、透過型回折格子3と、第1反射手段4aと、第2反射手段4bと、受光手段5とは、光学式角度センサ1において、同じ高さに配置されている。
図2は、光学式角度センサ1を示すブロック図である。
光学式角度センサ1は、図2に示すように、機械的回動軸AX1を軸に回動する測定対象における角度の変化量を、受光手段5が受光した合成光に基づいて演算する演算手段8をさらに備える。
第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の回動にともなって同期して回動するため、それにともない、第1光および第2光のそれぞれの光路長も変化する。演算手段8は、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの回動により変化する第1光および第2光からなる合成光から生成される干渉光に基づいて測定対象の回動による角度の変化量を演算する。
ここで、光学式角度センサ1における光の光路について図1に基づいて説明する。
光学式角度センサ1において、分割手段6にて分割された第1光は、図1(A)に示すように、分割手段6における分割点P1から第1反射手段4aを介して合成手段7に照射される。分割手段6にて分割された第2光は、分割手段6における分割点P1から第2反射手段4bを介して合成手段7に照射される。第1光と第2光は合成手段7の合成点P2にて合成される。
そして、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の測定範囲内において、分割手段6における光源2からの光の分割点P1から第1反射手段4aを介して合成手段7に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段6における光源2からの光の分割点P1から第2反射手段4bを介して合成手段7に到達するまでの第2光の光路長と、が同じ長さとなる角度を有する。
具体的には、図1(A)に示すように、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bが光源2からの光の光軸と平行な軸AX3に対して線対称に配置されている場合、第1光および第2光の光路長は同じ長さとなる。この際、受光手段5は、第1光と第2光との光路長の差の変化に対する明暗の変化の感度が最も高い干渉光を受光することができる。
そして、図1(B)に示すように、測定対象がα方向に回動した場合、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の回動にともなってα方向に回動する。また、図1(C)に示すように、測定対象が−α方向に回動した場合、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の回動にともなって−α方向に回動する。この際、受光手段5に照射される干渉光は、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの回動方向にしたがって第1光と第2光とのそれぞれの光路長が変化し、図1(A)のときに生じる干渉光から変化する。演算手段8は、この干渉光の明暗の変化に基づく信号から測定対象が元の位置からどのくらい回動したのかについての角度の変化量を演算する。
なお、図1(B)および図1(C)では、測定対象が回動する前(図1(A)参照)の第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。
図3は、光学式角度センサ1における機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9を示す概略図である。
図3に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、接続部42上の点を含むとともに第1反射手段4aと第2反射手段4bとに入射する分割手段6にて分割された光と直交する平面9に含まれている。
具体的には、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9における接続部42上の点は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部42により成される交線43である。なお、平面9は、各実施形態において、X軸およびY軸により成される平面9として説明することがある。
図4は、光学式角度センサ1における機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2の位置による光路の変化を示す図である。具体的には、図4(A)〜(C)は、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2がZ軸方向に設けられているときの光路の変化を示す図であり、図4(D)〜(F)は、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2がY軸方向に設けられているとき、すなわち、平面9に含まれているときの光路の変化を示す図である。
以下、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2の位置による光路の変化について図4を参照して説明する。
図4(A)では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4(第1反射手段4a,第2反射手段4b(図1参照))の+Z方向側に設けられている。この状態において反射手段4が回動すると、反射手段4の回動にともない反射手段4から出射される光の光路は変化する。
図4(B)では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4の交線43と同じ位置に設けられている。すなわち、平面9(図3参照)に含まれている。この状態において反射手段4が回動したとしても、反射手段4から出射される光の光路は変化しない。
図4(C)では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4の−Z方向側に設けられている。この状態において反射手段4が回動すると、反射手段4の回動にともない反射手段4から出射される光の光路は変化する。
したがって、図4(A)〜(C)に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4に対してZ軸方向にズレて設けられていた場合、反射手段4の回動にともない反射手段4から出射される光の光路が変化する。光路の変化により、受光手段5に照射される光の位置も変化するため、反射手段4から出射される光は受光手段5に照射されないことがあるという問題が生じる。
図4(D)では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4の−Y方向側に設けられている。図4(E)では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4の交線43と同じ位置に設けられている。図4(F)では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4の+Y方向側に設けられている。すなわち、図4(D)〜(F)に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、X軸およびY軸により成される平面9に含まれている。この状態において反射手段4が回動したとしても、反射手段4から出射される光の光路は変化しない。
したがって、機械的回動軸AX1と測定用回動軸AX2とは、平面9に含まれていることで、反射手段4が回動したとしても、反射手段4から出射される光の光路は変化せず、受光手段5では同じ位置に照射される。機械的回動軸AX1と測定用回動軸AX2とは、平面9に含まれていることで容易に受光手段5に照射される光の位置ズレより生じる問題を解決することができる。
図5は、光学式角度センサ1における第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの変形例を示す図である。具体的には、図5(A)〜(C)は、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2がZ軸方向に設けられているときの光路の変化を示す図であり、図5(D)〜(F)は、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2がY軸方向に設けられているとき、すなわち、平面9に含まれているときの光路の変化を示す図である。
前記第1実施形態では、反射手段4(第1反射手段4aおよび第2反射手段4b)は、接続部42により複数の反射体41を互いに直交させて90°に接続されたプリズムであったが、90°ではなく89°や91°等、直交からわずかにズレた角度で接続されたプリズムであってもよい。
具体的には、光学式角度センサ1aにおける反射手段44の反射体41が接続部42により89°で接続されていた場合であっても、図5(A)〜(C)に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段44に対してZ軸方向にズレて設けられていた場合、反射手段44の回動にともない反射手段44から出射される光の光路が変化する。また、図5(D)〜(F)に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、Y軸方向にズレて設けられ、X軸およびY軸により成される平面9に含まれている。この状態において反射手段44が回動したとしても、反射手段44から出射される光の光路は変化しない。したがって、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
ここで、反射手段44の複数の反射体41は、接続部42により89°に接続されているため、反射手段44から出射される光の光路は、1°傾いて出射される。したがって、反射手段44は、平行、かつ、逆方向に光を反射しない点に留意すべきである。なお、図5では、平行、かつ、逆方向に反射される光を破線にて記載している。
このような第1実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、接続部42上の点を含むとともに第1反射手段4aおよび第2反射手段4bに入射する第1光および第2光と直交する平面9に含まれている。平面9に機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている場合、受光手段5に照射される干渉光は、測定対象が回動したとしても移動することなく受光手段5の同じ位置に照射される。したがって、光学式角度センサ1は、受光手段5に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
(2)接続部42は、複数の反射体41を互いに直交させて接続されているため、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bに入射した光を、その入射方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射させることができる。また、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、光が入射してきた方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射するため、光が平行、かつ、逆方向に再帰性反射しない場合と比較して、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
(3)第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、それぞれ2個の反射体41を備え、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9における接続部42上の点は、2個の反射体41を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部42により成される交線43であるため、プリズムを用いることができる。プリズムは、コーナーキューブよりも安価であるため、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bにプリズムを用いることで、コスト削減を図ることができる。
(4)機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9における接続部42上の点は接続部42により成される交線43であるため、点である場合と比較して、測定用回動軸AX2の位置を設計しやすくすることができる。
(5)機械的回動軸AX1と、測定用回動軸AX2とは、同軸であるため、受光手段5に照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止するための機械的回動軸AX1と、測定用回動軸AX2と、の配置を容易に設計することができる。
(6)第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の測定範囲内において、分割手段6における光の分割点P1から第1反射手段4aを介して合成手段7に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段6における光の分割点P1から第2反射手段4bを介して合成手段7に到達するまでの第2光の光路長と同じ長さとなる角度を有するため、測定対象の回動により変化する第1光の光路長と第2光の光路長との差を、数cm以内に収めることができる。すなわち、光源2にコヒーレント長が非常に短い半導体レーザを用いたとしても、受光手段5で干渉を生じさせることができる。したがって、光学式角度センサ1は、光源2のコヒーレント性による制限を回避し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
(7)光学式角度センサ1は、高価なHe−Neレーザを用いずに、例えばHe−Neレーザと比較して低廉な半導体レーザなどを光源2として生じる干渉光から、測定対象の角度変位を検出することができるため、コスト削減を図ることができる。
(8)光学式角度センサ1は、第1反射手段4aまたは第2反射手段4bの一方を固定し、他方を測定対象に取付けた場合と比較して、高感度の信号から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
(9)第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、第1反射手段4aまたは第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と、光源2からの光の光軸と平行な軸と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置される。このため、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bを非対称となる位置に配置する場合と比較して、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bが、測定対象の測定範囲内において、分割手段6における光源2からの光の分割点P1から第1反射手段4aを介して合成手段7に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段6における光源2からの光の分割点P1から第2反射手段4bを介して合成手段7に到達するまでの第2光の光路長と、について同じ長さとなる角度を有するように容易に設計することができる。
(10)分割手段6および合成手段7は、透過型回折格子3であることで、容易に光源2からの光を分割、または、合成することができる。また、分割手段6および合成手段7が1枚の透過型回折格子3に併設されていることで、単一の透過型回折格子3だけで光の分割および合成をすることができる。したがって、光学式角度センサ1は、複数の光学部品を用いた場合と比較して、複雑な光学部品を用いなくともよく、加工や組み立てを省略できるため、コスト削減を図ることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態を図6および図7に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る光学式角度センサ1Aにおける光源2Aおよび受光手段5Aの配置を示す概略図である。
前記第1実施形態では、光源2と、透過型回折格子3と、第1反射手段4aと、第2反射手段4bと、受光手段5とは、光学式角度センサ1において、同じ高さに配置されていた。
第2実施形態の光学式角度センサ1Aでは、図6に示すように、光源2Aは、分割手段6に対して傾斜角度θを有して光を照射し、受光手段5Aは、合成手段7に対向して配置される光を受光する受光面50を有し、受光面50は、合成手段7に対して傾斜角度−θを有して配置されている点で前記第1実施形態と異なる。分割手段6に対して傾斜角度θを有して光源2Aから照射された光は、反射手段4(第1反射手段4aおよび第2反射手段4b(図1参照))に傾斜角度θを有して照射される。反射手段4に照射された傾斜角度θを有する光は、合成手段7に向かって傾斜角度−θを有して出射される。受光手段5Aの受光面50には、合成手段7を介した傾斜角度−θを有する光が照射される。
図7は、光学式角度センサ1Aにおける機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面を示す概略図である。なお、図7では、分割手段6および合成手段7は省略している。
前記第1実施形態では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部42により成される交線43を含むとともに第1反射手段4aと第2反射手段4bとに入射する分割手段6にて分割された光と直交する平面9に含まれていた。
光学式角度センサ1Aでは、図7に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、接続部42上の点を含むとともに第1反射手段4aと第2反射手段4bとに入射する分割手段6(図6参照)にて分割された光から傾斜角度θ傾斜した傾斜直線と直交する平面9Aに含まれている点で前記第1実施形態と異なる。
具体的には、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9Aにおける接続部42上の点は、2個の反射体41を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部42により成される交線43である。
このような第2実施形態においても、前記第1実施形態における(1)〜(10)と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(11)光源2Aは、分割手段6に対して傾斜角度θを有して光を照射し、受光面50は、合成手段7に対して傾斜角度−θを有して配置されている場合であっても、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が、接続部上の点を含むとともに第1反射手段4aと第2反射手段4bとの少なくとも一方に入射する分割手段6にて分割された光から傾斜角度θ傾斜した傾斜直線と直交する平面9Aに含まれていることで、受光手段5Aに照射される反射手段4を介した光は、測定対象が回動したとしても移動することなく、同じ位置に明暗が変動する干渉光を照射する。したがって、光学式角度センサ1Aは、受光手段5Aに照射される光の照射位置が測定対象の回動により移動することを防止し、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図8および図9に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図8は、第3実施形態に係る光学式角度センサ1Bにおける機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面を示す概略図である。
前記第1実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、それぞれ2個の反射体41を備えるプリズムであった。
第3実施形態における光学式角度センサ1Bでは、図8に示すように、反射手段4B(第1反射手段および第2反射手段)は、それぞれ3個の反射体41を備えるコーナーキューブである点で前記第1実施形態と異なる。
また、前記第1実施形態では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9における接続部42上の点は、2個の反射体41を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部42により成される交線43であった。
第3実施形態では、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9Bにおける接続部42上の点は、3個の反射体41を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部42により成される交点43Bである点で前記第1実施形態と異なる。
図9は、光学式角度センサ1Bにおける機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2の位置による光路の変化を示す図である。具体的には、図9(A)〜(C)は、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2がZ軸方向に設けられているときの光路の変化を示す図であり、図9(D)〜(F)は、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2がY軸方向に設けられているとき、すなわち、平面9Bに含まれているときの光路の変化を示す図である。
光学式角度センサ1Bにおける反射手段4Bがコーナーキューブであっても、図9(A)〜(C)に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、反射手段4Bに対してZ軸方向にズレて設けられていた場合、反射手段4Bの回動にともない反射手段4Bから出射される光の光路が変化する。また、図9(D)〜(F)に示すように、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2は、Y軸方向にズレて設けられ、X軸およびY軸により成される平面9Bに含まれている。この状態において反射手段4Bが回動したとしても、反射手段4Bから出射される光の光路は変化しない。したがって、反射手段4Bにプリズムではなくコーナーキューブを用いた場合であっても前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
このような第3実施形態においても、前記第1実施形態における(1),(2),(5)〜(10)と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(12)反射手段4B(第1反射手段および第2反射手段)は、それぞれ3個の反射体41を備え、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面に含まれる接続部42上の点は、3個の反射体41を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部42により成される交点43Bであるため、コーナーキューブを用いることができる。
(13)反射手段4Bにコーナーキューブを用いた場合、プリズムと比較して、測定対象の回動による角度の変化量を高精度に検出することができる。また、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面9Bにおける接続部42上の点は、交線43ではなく交点43Bであるため、反射手段4Bが2個の反射体41を備える場合と比較して、自由に第1反射手段4aおよび第2反射手段4b(図1参照)の配置を設計することができる。したがって、光学式角度センサ1Bは、設計の自由度を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図10に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図10は、第4実施形態に係る光学式角度センサ1Cを示す概略図である。
前記第1実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、X軸にて回動する測定対象に接続され、測定対象の回動にともなって同期して回動していた。
第4実施形態では、図10に示すように、光学式角度センサ1Cにおける第1反射手段4aCは、測定対象に取付けられ、第2反射手段4bCは光学式角度センサ1C内に固定されて設けられ、第1反射手段4aCは、測定対象の回動にともなって同期して回動する点で前記第1実施形態と異なる。第4実施形態においても、機械的回転軸AX1と測定用回動軸AX2とは同軸である。
また、前記第1実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、X軸と、光源2からの光の光軸と平行な軸と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置されていた。これにより第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、同時に回動し、その配置は回動したとしても、線対称となる位置に配置されていた。
第4実施形態では、第1反射手段4aCと第2反射手段4bCとは、回動することにより非対称になるように配置されている点で前記第1実施形態と異なる。
第1反射手段4aCと第2反射手段4bCとは非対称になるように配置されているが、光学式角度センサ1Cにおいても、第1反射手段4aCは、測定対象の測定範囲内において、分割手段6における光源2からの光の分割点P1から第1反射手段4aCを介して合成手段7に到達するまでの第1光の光路長と、分割手段6における光源2からの光の分割点P1から第2反射手段4bCを介して合成手段7に到達するまでの第2光の光路長と、が同じ長さとなる角度を有する。第4実施形態においても、演算手段8(図2参照)は、第1反射手段4aCの回動により変化する第1光および第2光からなる合成光から生成される干渉光に基づく信号から、測定対象の回動による角度の変化量を演算する。
このような第4実施形態においても、前記第1実施形態における(1)〜(7),(10)と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(14)第2反射手段4bCは、光学式角度センサ1C内に固定されて設けられ、第1反射手段4aCは、測定対象に取付けられているため、第1実施形態における第1反射手段4aCおよび第2反射手段4bCを測定対象に取付けた場合と比較して測定対象の重量が軽くなる。したがって、光学式角度センサ1Cは、重量による測定結果への影響を抑制し、高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態を図11と図12に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図11は、第5実施形態に係る光学式角度センサ1Dを示す概略図である。
第1実施形態から第4実施形態では、分割手段6および合成手段7は、1枚の透過型回折格子3に併設されていた。
第5実施形態では、図11に示すように、光学式角度センサ1Dにおける分割手段6Dおよび合成手段7Dは、ビームスプリッタ3Dであり、1個のビームスプリッタ3Dに併設されている点で、第1実施形態から第4実施形態と異なる。
なお、図11では、測定対象の回動により変化する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。
ビームスプリッタ3Dは、光源2からの光を第1光および第2光の2つの光に分割する分割手段6Dと、第1光および第2光を合成する合成手段7Dと、を備えるプレート型の光学部品である。
第1反射手段4aは、ビームスプリッタ3Dの分割手段6Dにより分割された第1光をビームスプリッタ3Dの合成手段7Dに向かって反射する。第2反射手段4bは、ビームスプリッタ3Dの分割手段6Dにより分割された第2光をビームスプリッタ3Dの合成手段7Dに向かって反射する。
合成手段7Dは、第1光および第2光の合成光を受光手段5に照射する。受光手段5は、合成手段7Dによる合成光を受光する。
図12は、光学式角度センサ1Dを示すブロック図である。
図12に示すように、演算手段8は、その信号から測定対象の回動による角度変位を演算する。この際、第1実施形態と同様に、機械的回動軸AX1と測定用回動軸AX2とは、同軸である。そして、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の測定範囲内において、分割手段6Dにおける光源2からの光の分割点P1から第1反射手段4aを介して合成手段7Dに到達するまでの第1光の光路長と、分割手段6Dにおける光源2からの光の分割点P1から第2反射手段4bを介して合成手段7Dに到達するまでの第2光の光路長と、が同じ長さとなる角度を有する。
このような第5実施形態においても、前記第1実施形態における(1)〜(9)と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(15)光学式角度センサ1Dは、分割手段6Dおよび合成手段7Dをビームスプリッタ3Dとすることで、例えば第1実施形態における透過型回折格子3による複数の回折光が生じない。このため、透過型回折格子3と比較して、分割または合成される光にロスが生じにくい。したがって、光学式角度センサ1Dは、分割手段6Dおよび合成手段7Dをビームスプリッタ3Dとすることで、ロスが少ない光を用いた高感度の信号から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
(16)光学式角度センサ1Dは、分割手段6Dおよび合成手段7Dが例えば第1実施形態における透過型回折格子3の複数の格子60,70を形成する必要がなく、1個のビームスプリッタ3Dにて光源2からの光を分割し、合成することができる。したがって、光学式角度センサ1Dは、部品点数を減らし、コスト削減を図ることができる。
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態を図13に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図13は、第6実施形態に係る光学式角度センサ1Eを示す概略図である。
前記各実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、光学式角度センサ1,1A〜1Dの製造時に組み付けられているため、第1反射手段4a,4aCおよび第2反射手段4b,4bC、反射手段4Bの位置を調整することはできなかった。
第6実施形態では、光学式角度センサ1Eにおける第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、分割手段6Dにより分割された光の入射方向に沿って進退可能に設けられている点で前記各実施形態と異なる。
光学式角度センサ1Eは、図13に示すように、第1反射手段4aを光の入射方向に沿って進退させる第1進退部4aEと、第2反射手段4bを光の入射方向に沿って進退させる第2進退部4bEと、を備える。第1進退部4aEおよび第2進退部4bEは、光学式角度センサ1Eにおける測定開始前に自動で第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を調整する。
具体的には、使用者が測定器の電源を投入した後、光源2は、光を照射する。受光手段5は光源2より照射された光を受光し、照射された光の状態を検出する。この際、必要に応じて、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bを回動させる。
受光手段5により、光が所定の位置からズレていたり、ピントがあっていないと検出された場合、第1進退部4aEおよび第2進退部4bEは、光源2からの光が受光手段5の所定の位置に照射され、ピントがあうように第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を調整する。なお、第1進退部4aEおよび第2進退部4bEは、自動ではなく、手動であってもよい。また、図13では、分割手段6Dおよび合成手段7Dはビームスプリッタ3Dであるが、図1における透過型回折格子3であってもよい。
このような第6実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(17)第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、分割手段6Dにより分割された光の入射方向に沿って進退可能に設けられているため、製造後に第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を調整することができる。
〔第7実施形態〕
以下、本発明の第7実施形態を図14に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図14は、第7実施形態に係る光学式角度センサ1Fを示す概略図である。
前記第1実施形態および前記第5実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは分割手段6,6Dからの光を合成手段7,7Dに平行、かつ、逆方向に再帰性反射していた。
第7実施形態では、図14に示すように、光学式角度センサ1Fにおける分割手段6Dによる第1光を第1反射手段4aに反射し、第1反射手段4aからの光を合成手段7Dに向かって反射する第1反射部45aと、分割手段6Dによる第2光を第2反射手段4bに反射し、第2反射手段4bからの光を合成手段7Dに向かって反射する第2反射部45bと、を備える点で、前記第1実施形態および前記第5実施形態と異なる。
第1反射部45aおよび第2反射部45bは、ミラーである。なお、第1反射部45aおよび第2反射部45bは、ミラーでなくてもよく、第1光および第2光を反射することができればどのようなものでもよい。また、図14では、測定対象の回動により変化する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。さらに、分割手段6Dおよび合成手段7Dはビームスプリッタ3Dであるが、図1における透過型回折格子3であってもよい。第6実施形態に第7実施形態を適用する場合は、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの進退の妨げとならない位置に第1反射部45aおよび第2反射部45bを配置する必要がある点に留意するべきである。
このような第7実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(18)光学式角度センサ1Fは、第1反射部45aと第2反射部45bとを備えることで分割手段6Dから第1反射手段4aおよび第2反射手段4bまでの第1光および第2光の光路を短縮し、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bから合成手段7Dまでの第1光および第2光の光路を短縮するため、分割手段6Dまたは合成手段7Dに対する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの配置を自由に設計することができる。
(19)光学式角度センサ1Fは、第1反射部45aおよび第2反射部45bにより分割手段6Dから合成手段7Dまでの光路を形成する構成要素を小型化することができる。
〔第8実施形態〕
以下、本発明の第8実施形態を図15に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図15は、第8実施形態に係る光学式角度センサ1Gを示す概略図である。
前記各実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の測定範囲内において、分割手段6,6Dにおける光源2からの光の分割点P1から第1反射手段4aを介して合成手段7,7Dに到達するまでの第1光の光路長と、分割手段6,6Dにおける光源2からの光の分割点P1から第2反射手段4bを介して合成手段7,7Dに到達するまでの第2光の光路長と、が同じ長さとなる角度を有していた。
第8実施形態では、図15に示すように、光学式角度センサ1Gにおける光源2Gは、He−Neレーザであり、分割手段6Gにより分割された第1光と第2光とのそれぞれの光路長が互いに2倍程の差がある点で前記各実施形態と異なる。
光学式角度センサ1Gは、分割手段6Gおよび合成手段7Gとして偏光ビームスプリッタ3Gを備える。偏光ビームスプリッタ3Gは、略三角柱状に形成されている。偏光ビームスプリッタ3Gは、光源2Gからの光を、Sランダム偏光の光であるS偏光と、Pランダム偏光の光であるP偏光と、の2つの偏光成分に分離する光学部品である。偏光ビームスプリッタ3Gは、P偏光である第1光を透過し、S偏光である第2光を反射する。第8実施形態では、P偏光を第1光とし、S偏光を第2光として説明する。
偏光ビームスプリッタ3Gにて分割される第1光と第2光は、分割手段6Gの分割点P1から、第1反射手段4aまたは第2反射手段4bを介した合成手段7Gまでの光路長が、それぞれ異なる。具体的には、第1光の光路長をLとした場合、第2光の光路長は、第1光の光路長Lの2倍の光路長2Lとなる。
He−Neレーザである光源2Gのコヒーレント長は数mであるため、2本のレーザビームの光路長が互いに大きく異なったとしても、受光手段5は干渉光を受光することができる。なお、光源2Gは、He−Neレーザではなく、コヒーレント長が数mある光源であれば、どのようなものを採用してもよい。
第8実施形態においても、機械的回動軸AX1と測定用回動軸AX2とは同軸であり、接続部42上の点を含むとともに第1反射手段4aと第2反射手段4bとの少なくとも一方に入射する分割手段6Gにて分割された光に直交する平面9(図3参照)に含まれている。
このような第8実施形態においても、前記第1実施形態における(1)〜(5),(8),(9)と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(20)光学式角度センサ1Gは、コヒーレント長が数mのHe−Neレーザを光源2Gとするため、分割手段6Gにて分割される第1光と第2光とのそれぞれの光路長が同じ長さとならなくても、コヒーレント性の制限によらずに、高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
〔第9実施形態〕
以下、本発明の第9実施形態を図16に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図16は、第9実施形態に係る光学式角度センサ1Hにおける合成手段7Hと受光手段5Hを示す概略図である。
第1実施形態から第4実施形態では、演算手段8(図2参照)は、受光手段5が受光する干渉光に基づいて測定対象の回動による角度の変化量を検出していた。
第9実施形態では、図16に示すように、光学式角度センサ1Hにおける合成手段7Hは、分割面61(図1参照)において第1反射手段4aまたは第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と直交する直交方向に沿って並設される複数の格子70Hを有し、受光手段5Hは、直交方向に沿って並設される複数の受光素子51H〜54Hを備え、複数の格子70Hを介した複数の回折光を受光し、演算手段8は、複数の受光素子51H〜54Hが受光した複数の回折光に基づいて測定対象の回動による角度の変化量を演算する点で第1実施形態から第4実施形態と異なる。
なお、図16では、説明の都合上、図1における光源2と、第1反射手段4aと、第2反射手段4bと、透過型回折格子3上の分割手段6と、を省略している。
複数の格子70Hを透過する第1光の進行方向は、−Y方向側に回折され、複数の格子70Hを透過する第2光の進行方向は、+Y方向側に回折される。ここで、第1光は例えば+1次回折光であり、第2光は例えば−1次回折光である場合、他の回折次数の光(例えば±2次回折光)は、第1光および第2光とは異なる離間する方向に回折され、受光手段5Hには照射されない。そして、第1光(+1次回折光)および第2光(−1次回折光)は、受光手段5H(複数の受光素子51H〜54H)の受光面上に、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と平行な方向であるX方向に沿って干渉縞を生成する。
光学式角度センサ1Hは、測定対象の回動方向を特定するために、位相差を有する4相信号(複数の正弦波信号)を用いることが好ましい。そのため、複数の受光素子51H〜54Hは、干渉縞の周期に合わせて4相信号を取得できるように設計されている。
例えば分割手段6(図1参照)の複数の格子60が1μmの周期となるように設計されている場合、合成手段7Hの複数の格子70Hは、1.005μmの周期となるように、分割手段6の複数の格子60の周期に対して少しずらして設計される。そして、複数の受光素子51H〜54Hは、合成手段7Hの複数の格子70Hと同じ周期となるように1.005μmに設計される。
具体的には、複数の受光素子51H〜54Hは、第1受光素子51Hと、第2受光素子52Hと、第3受光素子53Hと、第4受光素子54Hと、を備える。
第1受光素子51Hは、複数の格子70Hを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が0度の光を受光する。第2受光素子52Hは、複数の格子70Hを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が90度の光を受光する。第3受光素子53Hは、複数の格子70Hを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が180度の光を受光する。第4受光素子54Hは、複数の格子70Hを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が270度の光を受光する。
そして、複数の受光素子51H〜54Hは、X軸と直交するY方向に沿って、第1受光素子51H、第2受光素子52H、第3受光素子53H、第4受光素子54Hの順に繰り返し配置されている。光学式角度センサ1Hは、この複数の受光素子51H〜54Hにて受光された信号から4相信号を検出し、演算手段8は、測定対象の回動方向と測定対象の回動による角度の変化量を演算することができる。
このような第9実施形態においても、第1実施形態から第4実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(21)合成手段7Hは、複数の格子70Hを有し、受光手段5Hは、複数の受光素子51H〜54Hを備え、複数の格子70Hを介した複数の回折光を受光する。複数の回折光は、受光手段5Hの受光面上に、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と平行な方向に沿って干渉縞を生成し、複数の受光素子51H〜54Hは、干渉縞から4相信号を検出することができる。演算手段8は、この4相信号から測定対象の回動方向と、回動による角度の変化量を演算することができる。したがって、光学式角度センサ1Hは、干渉光から測定対象の回動による角度の変化量を演算する場合と比較して、干渉縞から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
〔第10実施形態〕
以下、本発明の第10実施形態を図17に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図17は、第10実施形態に係る光学式角度センサ1Iにおける合成手段7Iと受光手段5Iを示す概略図である。
第1実施形態から第4実施形態では、演算手段8(図2参照)は、受光手段5が受光する干渉光に基づいて測定対象の回動による角度の変化量を検出し、合成手段7は、分割面61において第1反射手段4および第2反射手段4bの測定用回動軸AX2であるX軸と直交する方向であるY方向に沿って並設される複数の格子70を備えていた。
第10実施形態では、図17に示すように、光学式角度センサ1Iにおける合成手段7Iは、分割面61(図1参照)において第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と直交する直交方向であるY方向に沿って並設され、光源2からの光の光軸に対して所定の傾斜角度βを有して配置される複数の傾斜格子70Iを有し、受光手段5Iは、測定用回動軸AX2と平行な方向であるX方向に沿って並設される複数の受光素子51I〜54Iを備え、複数の傾斜格子70Iを介した複数の回折光を受光し、演算手段8は、受光手段5Iが受光した複数の回折光に基づいて測定対象の回動による角度の変化量を演算する点で第1実施形態から第4実施形態と異なる。
なお、図17では、説明の都合上、図1における光源2と、第1反射手段4aと、第2反射手段4bと、透過型回折格子3上の分割手段6と、を省略している。
複数の傾斜格子70Iを透過する第1光の進行方向は、+X方向側に回折され、複数の傾斜格子70Iを透過する第2光の進行方向は、−X方向側に回折される。ここで、第1光は例えば+1次回折光であり、第2光は例えば−1次回折光である場合、他の回折次数の光(例えば±2次回折光)は、第1光および第2光とは異なる離間する方向に回折され、受光手段5Iには照射されない。そして、第1光(+1次回折光)および第2光(−1次回折光)は、受光手段5I(複数の受光素子51I〜54I)の受光面上に、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と直交する直交方向であるY方向に沿って干渉縞を生成する。
光学式角度センサ1Iは、測定対象の回動方向を特定するために、位相差を有する4相信号(複数の正弦波信号)を用いることが好ましい。そのため、複数の受光素子51I〜54Iは、複数の受光素子51I〜54Iの受光面に生成される干渉縞の周期に合わせて4相信号を取得できるように設計されている。
具体的には、複数の受光素子51I〜54Iは、第1受光素子51Iと、第2受光素子52Iと、第3受光素子53Iと、第4受光素子54Iと、を備える。第1受光素子51Iは、複数の傾斜格子70Iを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が0度の光を受光する。第2受光素子52Iは、複数の傾斜格子70Iを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が90度の光を受光する。第3受光素子53Iは、複数の傾斜格子70Iを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が180度の光を受光する。第4受光素子54Iは、複数の傾斜格子70Iを介して受光面上に生成された干渉縞から位相が270度の光を受光する。そして、複数の受光素子51I〜54Iは、X軸と平行な方向に沿って、第1受光素子51I、第2受光素子52I、第3受光素子53I、第4受光素子54Iの順に繰り返し配置されている。光学式角度センサ1Iは、この複数の受光素子51I〜54Iにて受光された信号から4相信号を検出し、演算手段8は、測定対象の回動方向と測定対象の回動による角度の変化量を演算することができる。
このような第10実施形態においても、第1実施形態から第4実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(22)合成手段7Iは、複数の傾斜格子70Iを有し、受光手段5Iは、複数の傾斜格子70Iを介した複数の回折光を受光し、複数の回折光は、受光手段5Iの受光面上に、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの測定用回動軸AX2と直交する直交方向に沿って干渉縞を生成する。このため、受光手段5Iの複数の受光素子51I〜54Iは、干渉縞から4相信号を検出することができる。演算手段8は、4相信号から測定対象の回動方向と、回動による角度の変化量を演算することができる。したがって、光学式角度センサ1Iは、干渉光から測定対象の回動による角度の変化量を演算する場合と比較して、干渉縞から高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
〔第11実施形態〕
以下、本発明の第11実施形態を図18に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図18は、第11実施形態に係る光学式角度センサ1Jにおける合成手段7Jと受光手段5Jを示す概略図である。具体的には図18(A)は、光学式角度センサ1Jにおける合成手段7Jと受光手段5Jとの配置を示す概略図であり、図18(B)は、合成手段7Jの複数の合成部71J〜74Jが有する複数の格子70Jの具体的な位相差を示す図である。
第1実施形態から第4実施形態では、合成手段7は、分割面61において第1反射手段4aおよび第2反射手段4b(図1参照)の測定用回動軸AX2であるX軸と直交するY方向に沿って並設される複数の格子70を備えていた。
第11実施形態では、図18(A)に示すように、光学式角度センサ1Jにおける合成手段7Jは、それぞれ位相が異なる複数の合成部71J〜74Jを備え、受光手段5Jは、複数の合成部71J〜74Jのそれぞれに対応する複数の受光部51J〜54Jを備え、演算手段8(図2参照)は、複数の受光部51J〜54Jが受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から測定対象の回動の方向および測定対象の回動による角度の変化量を演算する点で第1実施形態から第4実施形態と異なる。
なお、図18(A)では、説明の都合上、図1における光源2と、第1反射手段4aと、第2反射手段4bと、透過型回折格子3上の分割手段6と、を省略している。
合成手段7Jは、複数の合成部71J〜74Jとして、第1合成部71Jと、第2合成部72Jと、第3合成部73Jと、第4合成部74Jと、を備える。
第1合成部71Jは、位相が0度に配置される複数の格子70Jを有する。第2合成部72Jは、位相が90度に配置される複数の格子70Jを有する。第3合成部73Jは、位相が180度に配置される複数の格子70Jを有する。第4合成部74Jは、位相が270度に配置される複数の格子70Jを有する。
受光手段5Jは、複数の受光部51J〜54Jとして、第1受光部51Jと、第2受光部52Jと、第3受光部53Jと、第4受光部54Jと、を備える。
第1受光部51Jは、第1合成部71Jを介した位相が0度の光を受光する。第2受光部52Jは、第2合成部72Jを介した位相が90度の光を受光する。第3受光部53Jは、第3合成部73Jを介した位相が180度の光を受光する。第4受光部54Jは、第4合成部74Jを介した位相が270度の光を受光する。
第1反射手段4aおよび第2反射手段4bを介した第1光および第2光は、重なるようにして複数の合成部71J〜74J全体に照射される。複数の合成部71J〜74J全体に照射された光は、それぞれの位相の干渉光として同時に複数の受光部51J〜54Jのそれぞれに照射される。複数の受光部51J〜54Jは、照射された干渉光から、それぞれに対応する位相の信号として4相信号を検出する。演算手段8は、4相信号から測定対象の回動方向と、回動による角度の変化量を演算することができる。したがって、光学式角度センサ1Jは、複数の合成部71J〜74Jおよび複数の受光部51J〜54Jを備えない場合と比較して、高精度に測定対象の回動による角度の変化量を検出することができる。
合成手段7Jの複数の合成部71J〜74Jは、図18(B)に示すように、複数の格子70Jの周期をpとし、整数をnとし、オフセットをkとした場合に、Y方向に並設された複数の合成部71J〜74Jは、互いに式(1)のような関係で配置されている。
k1=n×p+p÷8 ・・・(1)
具体的には、第2合成部72Jは、第1合成部71Jに対し、式(1)で求められるk1の値だけオフセットされて配置されている。第3合成部73Jは、第1合成部71Jに対し、p÷4にて求められるk2の値だけY方向にオフセットされて配置されている。第4合成部74Jは、第3合成部73Jに対し、式(1)で求められるk1の値だけオフセットされて配置されている。したがって、複数の受光部51J〜54Jは、複数の合成部71J〜74Jからそれぞれ位相の異なる干渉光を受光することができる。
このような第11実施形態においても、第1実施形態から第4実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(23)光学式角度センサ1Jは、複数の合成部71J〜74Jにより複数の合成光を生成し、4相信号を検出することができる。したがって、光学式角度センサ1Jは、4相信号を用いて高精度に測定対象の回動により角度の変位を検出することができる。
〔第12実施形態〕
以下、本発明の第12実施形態を図19に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図19は、第12実施形態に係る光学式角度センサ1Kを示す概略図である。
第5実施形態では、受光手段5は、合成手段7Dを介した合成光を受光していた。
第12実施形態では、光学式角度センサ1Kにおける分割手段6Kは、偏光ビームスプリッタ3Kであり、合成手段7Kによる合成光を第1分割光11Kと第2分割光21Kとに分割する分割ビームスプリッタ30Kと、分割ビームスプリッタ30Kにより分割された第1分割光11Kと第2分割光21Kとの光路上に配置される第1の1/4波長板46aと、第1の1/4波長板46aを介した第2分割光21Kの光路上に配置される第2の1/4波長板46bと、第1の1/4波長板46aを介した第1分割光11Kを第1偏光12Kと第2偏光13Kとに分割する第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kと、第2の1/4波長板46bを介した第2分割光21Kを第3偏光22Kと第4偏光23Kとに分割する第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kと、第1偏光12Kから位相が0度の光を受光する第1受光部51Kと、第2偏光13Kから位相が180度の光を受光する第2受光部52Kと、第3偏光22Kから位相が90度の光を受光する第3受光部53Kと、第4偏光23Kから位相が270度の光を受光する第4受光部54Kと、を備える点で前記第6実施形態と異なる。
偏光ビームスプリッタ3Kである分割手段6Kは、光源2からの光を、Sランダム偏光の光であるS偏光と、Pランダム偏光の光であるP偏光と、の2つの偏光成分に分離するプレート型の光学部品である。偏光ビームスプリッタ3Kは、S偏光である第1光を反射し、P偏光である第2光を透過する。第12実施形態では、S偏光を第1光とし、P偏光を第2光として説明する。
分割ビームスプリッタ30Kは非偏光ビームスプリッタである。第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kおよび第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kは偏光ビームスプリッタである。
非偏光ビームスプリッタである分割ビームスプリッタ30Kは、合成手段7Kから照射される合成光をS偏光とP偏光には分割せず、平均して非偏光の光を分割するのと同様に、合成手段7Kからの合成光を第1分割光11Kと第2分割光21Kとに分割する。
第1分割光11Kは、第1の1/4波長板46aを介することで第1分割光11Kとは90度位相がずれた光となり第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kに照射される。第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kに照射された第1分割光11Kは、S偏光である第1偏光12Kと、P偏光である第2偏光13Kと、に偏光されるとともに分割される。そして、第1受光部51Kは、第1偏光12Kを受光して位相が0度の光である干渉光を受光し、第2受光部52Kは、第2偏光13Kを受光して位相が180度の光である干渉光を受光する。
第2分割光21Kは、第1の1/4波長板46aおよび第2の1/4波長板46bを介することで第2分割光21Kとは180度位相がずれた光となり第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kに照射される。第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kに照射された第2分割光21Kは、S偏光である第3偏光22Kと、P偏光である第4偏光23Kと、に偏光されるとともに分割される。そして、第3受光部53Kは、第3偏光22Kを受光して位相が90度の光である干渉光を受光し、第4受光部54Kは、第4偏光23Kを受光して位相が270度の光である干渉光を受光する。これにより、演算手段8(図12参照)は、複数の受光部51K〜54Kから4相信号を取得することができる。演算手段8は、この4相信号を演算することにより、測定対象の回動の方向と、測定対象の回動による角度の変化量を演算し検出する。なお、図19では、測定対象の回動により変化する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。
このような第12実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(24)分割手段6Kは、偏光ビームスプリッタ3Kであり、複数の受光部51K〜54Kとして、第1偏光12Kから位相が0度の光を受光する第1受光部51Kと、第2偏光13Kから位相が180度の光を受光する第2受光部52Kと、第3偏光22Kから位相が90度の光を受光する第3受光部53Kと、第4偏光23Kから位相が270度の光を受光する第4受光部54Kと、を備えるため、受光手段5Kは、合成光から4相信号を検出することができる。したがって、光学式角度センサ1Kは、例えば第5実施形態におけるビームスプリッタ3Dを用いた場合であっても、4相信号を用いて高精度に測定対象の回動による角度の変位を検出することができる。
〔第13実施形態〕
以下、本発明の第13実施形態を図20に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図20は、第13実施形態に係る光学式角度センサ1Lを示す概略図である。
第12実施形態では、光学式角度センサ1Kにおける分割手段6Kは、偏光ビームスプリッタ3Kであった。
第13実施形態では、図20に示すように、光学式角度センサ1Lは、第1実施形態の透過型回折格子3と略同様の構成を有し、第1反射手段4aを介する第1光の光路上に配置される1/4波長板40Lを備える点で第12実施形態と異なる。
光学式角度センサ1Lは、1/4波長板40Lを備えることで、第12実施形態における受光手段5Kを用いて4相信号を検出し、4相信号より測定対象の回動による角度の変位を検出することができる。
なお、図20では、測定対象の回動により変化する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。
このような第13実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(25)分割手段6は、複数の格子60を有する透過型回折格子3であり、光学式角度センサ1Lは、第1反射手段4aを介する第1光の光路上に配置される1/4波長板40Lを備え、受光手段5Kは、複数の受光部51K〜54Kとして、第1偏光12Kから位相が0度の光を受光する第1受光部51Kと、第2偏光13Kから位相が180度の光を受光する第2受光部52Kと、第3偏光22Kから位相が90度の光を受光する第3受光部53Kと、第4偏光23Kから位相が270度の光を受光する第4受光部54Kと、を備えるため、受光手段5Kは、合成光から4相信号を検出することができる。したがって、光学式角度センサ1Lは、第12実施形態と同様の受光手段5Kを用いて、4相信号から高精度に測定対象の回動による角度の変位を検出することができる。
〔第14実施形態〕
以下、本発明の第14実施形態を図21に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図21は、第14実施形態に係る光学式角度センサ1Nを示す概略図である。
第12実施形態では、分割手段6Kは、偏光ビームスプリッタ3Kであり、光学式角度センサ1Kは、分割ビームスプリッタ30Kと、第1の1/4波長板46aと、第2の1/4波長板46bと、第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kと、第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kと、複数の受光部51K〜54Kと、を備えていた。
第14実施形態では、図21に示すように、光学式角度センサ1Nは、合成手段7Kによる合成光を複数の回折光とする複数の格子311Nが並設される照射面30Nを有する第1回折格子部31Nと、第1回折格子部31Nの複数の格子311Nが並設される方向と照射面30Nにおいて直交する方向に並設される複数の格子322Nを有し、第1回折格子部31Nによる複数の回折光をさらに複数の回折光とする第2回折格子部32Nと、第2回折格子部32Nによる複数の回折光の光路上に配置され、複数の回折光をそれぞれ位相の異なる複数の偏光にする複数の偏光子47a〜47dと、を備え、受光手段5Nは、複数の偏光子47a〜47dのそれぞれに対応する複数の受光部51N〜54Nを備え、演算手段8(図8参照)は、複数の受光部51N〜54Nが受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から測定対象の回動の方向および測定対象の回動による角度の変化量を演算する点で前記第7実施形態と異なる。
回折格子である第1回折格子部31Nおよび第2回折格子部32Nは、合成手段7Kから照射される合成光をS偏光とP偏光には分割せず、平均して非偏光の光を分割するのと同様に、4つの回折光に分割する。
複数の偏光子47a〜47dは、偏光レンズであり、第1偏光子47aと、第2偏光子47bと、第3偏光子47cと、第4偏光子47dと、を備える。なお、複数の偏光子47a〜47dは、偏光レンズでなくてもよく、入射した光を偏光することができれば、どのようなものを用いて偏光してもよい。
受光手段5Nは、複数の受光部51N〜54Nとして、第1受光部51Nと、第2受光部52Nと、第3受光部53Nと、第4受光部54Nと、を備える。複数の受光部51N〜54Nは、複数の偏光子47a〜47dに対向して受光手段5Nの同一面上に設けられている。
第1回折格子部31Nおよび第2回折格子部32Nにより分割された複数の光は、複数の偏光子47a〜47dを透過すると、それぞれ位相の異なる偏光となる。
第1受光部51Nは、第1偏光子47aを介した位相が0度の光を受光する。第2受光部52Nは、第2偏光子47bを介した位相が90度の光を受光する。第3受光部53Nは、第3偏光子47cを介した位相が180度の光を受光する。第4受光部54Nは、第4偏光子47dを介した位相が270度の光を受光する。
これにより、演算手段8は、複数の受光部51N〜54Nから4相信号を取得することができる。演算手段8は、この4相信号を演算することにより、測定対象の回動の方向と、測定対象の回動による角度の変化量を演算し検出する。
また、複数の受光部51N〜54Nは、複数の偏光子47a〜47dに対向する受光手段5Nの同一面上に設けられているため、モジュール化することができる。このため、光学式角度センサ1Nは、第12実施形態のように光が照射される位置ごとに複数の受光部51K〜54Kを備える必要がないため、コスト削減を図るとともに省スペース化を図ることができる。
なお、図21では、測定対象の回動により変化する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。
このような第14実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(26)光学式角度センサ1Nは、第1回折格子31Nおよび第2回折格子32Nにより回折された複数の回折格子に対応する複数の偏光子47a〜47dと、複数の偏光子47a〜47dのそれぞれに対応する複数の受光部51N〜54Nを備えるため、第12実施形態の分割ビームスプリッタ30Kと、第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kと、第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kと、を備える場合と比較して、これらの光学部品を用いなくとも4相信号を取得することができる。したがって、光学式角度センサ1Nは、光学式角度センサ1Kと比較して、高精度化を図りつつ省スペース化やコスト削減を図ることができる。
(27)受光手段5Nは、複数の偏光子47a〜47dに対向して同一面上に設けられるとともに、複数の偏光子47a〜47dのそれぞれに対応する複数の受光部51N〜54Nを備えるため、複数の受光部51N〜54Nをモジュール化することで小型化をすることができる。
〔第15実施形態〕
以下、本発明の第15実施形態を図22に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図22は、第15実施形態に係る光学式角度センサ1Mを示す概略図である。
第14実施形態では、光学式角度センサ1Nにおける分割手段6Kは、偏光ビームスプリッタ3Kであった。第15実施形態では、図22に示すように、光学式角度センサ1Mは、第1実施形態の透過型回折格子3と略同様の構成を有し、第1反射手段4aを介する第1光の光路上に配置される1/4波長板40Lを備える点で第14実施形態と異なる。
光学式角度センサ1Mは、1/4波長板40Lを備えることで、第14実施形態における受光手段5Nを用いて4相信号を検出し、4相信号より測定対象の回動による角度の変位を検出することができる。
なお、図22では、測定対象の回動により変化する第1反射手段4aおよび第2反射手段4bの位置を破線にて表している。
このような第15実施形態においても、前記各実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(28)分割手段6は、複数の格子60を有する透過型回折格子3であり、光学式角度センサ1Mは、第1反射手段4aを介する第1光の光路上に配置される1/4波長板40Lを備え、第1回折格子31Nおよび第2回折格子32Nにより回折された複数の回折格子に対応する複数の偏光子47a〜47dと、複数の偏光子47a〜47dのそれぞれに対応する複数の受光部51N〜54Nを備えるため、分割手段6が複数の格子60を備えていても、第13実施形態の分割ビームスプリッタ30Kと、第1分割光偏光ビームスプリッタ31Kと、第2分割光偏光ビームスプリッタ32Kと、を備える場合と比較して、これらの光学部品を用いなくとも4相信号を取得することができる。したがって、光学式角度センサ1Mは、光学式角度センサ1Lと比較して、高精度化を図りつつ省スペース化やコスト削減を図ることができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、光学式角度センサ1,1A〜1Mは測定器に設けられていたが、測定器ではなく、その他のものに設けられていてもよく、どのようなものに設けられるかは特に限定されるものではない。
前記各実施形態では、光学式角度センサ1,1A〜1Mは、±1次回折光から角度の変化量を検出していたが、光学式角度センサがどの光に基づき角度の変化量を検出するかについては設計事項である。
前記各実施形態では、機械的回動軸AX1と測定用回動軸AX2とは同軸であったが、同軸でなくてもよい。要するに、機械的回動軸および測定用回動軸は、接続部上の点を含むとともに第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方に入射する分割手段にて分割された光に直交する平面に含まれていれば、どのような位置に設けられていてもよい。
前記各実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bはプリズムであったが、前記第3実施形態のようにコーナーキューブであってもよい。
また、前記各実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、双方ともにプリズムであったが、第1反射手段と第2反射手段との一方は、2個の反射体41を備えるプリズムであり、第1反射手段と第2反射手段との他方は、3個の反射体41を備えるコーナーキューブであってもよい。この際、機械的回動軸AX1および測定用回動軸AX2が含まれている平面に含まれる接続部42上の点は、2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であり、3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であることが好ましい。このような変形例によれば、第1反射手段および第2反射手段としてプリズムおよびコーナーキューブを採用することができるため、光学式角度センサは、設計の自由度を向上させることができる。
前記第1実施形態から第4実施形態では、分割手段6および合成手段7は、1枚の透過型回折格子3に併設されていたが、分割手段および合成手段は、1枚の透過型回折格子に併設されていなくてもよく、それぞれ個別の透過型回折格子として設けられていてもよい。
前記各実施形態では、分割手段6および合成手段7は1枚の透過型回折格子3に併設され、分割手段6Dおよび合成手段7Dは1個のビームスプリッタに併設されていたが、分割手段と合成手段との一方は、光源からの光を回折する複数の格子を有する透過型回折格子であり、分割手段と合成手段との他方は、ビームスプリッタであってもよい。このような変形例によれば、分割手段と合成手段として、透過型回折格子とビームスプリッタの双方を採用することができる。したがって、光学式角度センサは、設計の自由度を向上させることができる。
前記各実施形態では、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bは、測定対象の回動軸であるX軸と、光源2からの光の光軸と平行な軸AX3と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置されていたが、第1反射手段および第2反射手段は線対称にて配置されていなくてもよく、前記第4実施形態のように、非対称に配置されていてもよい。
前記各実施形態では、第1反射手段4および第2反射手段4bは、回動軸にて回動する測定対象に接続され、測定対象の回動にともなって同期して回動していたが、前記第4実施形態のように、第1反射手段4aCのみが測定対象に接続され取付けられていてもよい。また、前記第4実施形態では、第1反射手段4aCのみが測定対象に取付けられていたが、第1反射手段4aCではなく第2反射手段4bCのみが測定対象に取付けられていてもよい。要するに、第1反射手段と第2反射手段との少なくとも一方は、回動軸にて回動する測定対象に接続され、測定対象の回動にともなって同期して回動すればよい。
前記第1実施形態から前記第4実施形態では、透過型回折格子3における複数の格子60,70は、光源2と対向して設けられていたが、透過型回折格子において光源と対向している面とは反対側の面に複数の格子が設けられていてもよい。また、複数の格子60,70は、透過型回折格子の全長にわたって設けられていたが、光源からの光を分割することができ、第1反射手段と第2反射手段とを介した第1光と第2光を合成することができれば、一部にのみ設けられていてもよい。
前記第5実施形態では、ビームスプリッタ3Dはプレート型であったが、光源2からの光を偏光し分割することができればどのようなものであってもよく、例えばキューブ型であってもよい。
前記第7実施形態では、第1反射部45aおよび第2反射部45bはビームスプリッタ3Dからの光を反射し、第1反射手段4aおよび第2反射手段4bからの光をビームスプリッタ3Dに反射していたが、第1反射部および第2反射部はビームスプリッタ3Dではなく、分割手段6および合成手段7を備えた前記第1実施形態から前記第4実施形態の透過型回折格子3に光を反射してもよい。
前記第11実施形態では、複数の合成部71J〜74Jと、複数の受光部51J〜54Jはそれぞれ4つずつ設けられていたが、4つではなく、2つずつでもよいし4つ以上それぞれ設けられていてもよい。また、複数の合成部71J〜74Jの複数の格子70Jは傾斜を有していなかったが、前記第10実施形態のように、複数の合成部の複数の格子は、所定の角度に傾斜した複数の傾斜格子であってもよい。
要するに、分割手段は、光源からの光が照射される分割面を有し、分割手段と合成手段との少なくとも一方は、分割面において測定対象の回動軸と直交する方向に沿って並設される複数の格子を有する透過型回折格子であればよく、分割手段と合成手段との少なくとも一方は、ビームスプリッタであればよい。
以上のように、本発明は、光学式角度センサに好適に利用できる。
1,1A〜1M 光学式角度センサ
2,2A,2G 光源
3 透過型回折格子
3D,3K,3F ビームスプリッタ
4a,4B 第1反射手段
4b,4B 第2反射手段
5,5A,5H〜5K,5N 受光手段
6,6D,6K 分割手段
7,7D,7H〜7K,7N 合成手段
8 演算手段
9,9A,9B 平面
41 反射体
42 接続部
43 交線
43B 交点
AX1 機械的回動軸
AX2 測定用回動軸

Claims (23)

  1. 光を照射する光源と、
    前記光源からの光を第1光と第2光とに分割する分割手段と、
    前記分割手段により分割された第1光を該第1光が入射してきた方向と逆方向に再帰性反射する第1反射手段と、
    前記分割手段により分割された光のうち前記第1反射手段が反射する光とは異なる光である第2光を該第2光が入射してきた方向と逆方向に再帰性反射する第2反射手段と、
    前記第1反射手段で反射された第1光と前記第2反射手段で反射された第2光とを合成して合成光とする合成手段と、
    前記合成手段により合成された合成光を受光する受光手段と、
    所定の軸を機械的回動軸として回動する測定対象における角度の変化量を、前記受光手段が受光した合成光に基づいて演算する演算手段と、を備え、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、
    前記光を反射する反射面を有する略矩形状の複数の反射体と、
    複数の前記反射体を互いに接続する接続部と、を備え、
    前記第1反射手段と前記第2反射手段との少なくとも一方は、前記測定対象に取付けられ、前記測定対象の回動にともなって同期して回動するための測定用回動軸を備え、
    前記機械的回動軸および前記測定用回動軸は、
    前記接続部上の点を含むとともに前記第1反射手段と前記第2反射手段との少なくとも一方に入射する前記分割手段にて分割された光に直交する平面に含まれていることを特徴とする光学式角度センサ。
  2. 請求項1に記載された光学式角度センサにおいて、
    前記光源は、前記分割手段に対して傾斜角度θを有して光を照射し、
    前記受光手段は、前記合成手段に対向して配置される前記光を受光する受光面を有し、
    前記受光面は、前記合成手段に対して傾斜角度−θを有して配置され、
    前記機械的回動軸および前記測定用回動軸は、
    前記接続部上の点を含むとともに前記第1反射手段と前記第2反射手段との少なくとも一方に入射する前記分割手段にて分割された光から前記傾斜角度θ傾斜した傾斜直線に直交する平面に含まれていることを特徴とする光学式角度センサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載された光学式角度センサにおいて、
    前記接続部は、複数の前記反射体を互いに直交させて接続し、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、前記分割手段により分割された光を該光が入射してきた方向と平行、かつ、逆方向に再帰性反射することを特徴とする光学式角度センサ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、それぞれ2個の反射体を備え、
    前記平面に含まれる前記接続部上の点は、
    前記2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であることを特徴とする光学式角度センサ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段と前記第2反射手段との一方は、2個の反射体を備え、
    前記第1反射手段と前記第2反射手段との他方は、3個の反射体を備え、
    前記平面に含まれる前記接続部上の点は、
    前記2個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される直線状の接続部により成される交線であり、前記3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であることを特徴とする光学式角度センサ。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、それぞれ3個の反射体を備え、
    前記平面に含まれる前記接続部上の点は、
    前記3個の反射体を互いに直交させて接続することで形成される3個の直線状の接続部により成される交点であることを特徴とする光学式角度センサ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記機械的回動軸と、前記測定用回動軸とは、同軸であることを特徴とする光学式角度センサ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、前記測定対象の測定範囲内において、前記分割手段における前記光源からの光の分割点から前記第1反射手段を介して前記合成手段に到達するまでの前記第1光の光路長と、前記分割手段における前記光源からの光の分割点から第2反射手段を介して前記合成手段に到達するまでの前記第2光の光路長と、が同じ長さとなる角度を有することを特徴とする光学式角度センサ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段または前記第2反射手段の一方は、固定して設けられ、
    前記第1反射手段または前記第2反射手段の他方は、前記測定対象に取付けられ、前記測定対象の回動にともなって同期して回動することを特徴とする光学式角度センサ。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、前記測定対象に取付けられ、前記測定対象の回動にともなって同期して回動することを特徴とする光学式角度センサ。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段は、前記第1反射手段または前記第2反射手段の回動軸と、前記光源からの光の光軸と平行な軸と、のそれぞれの軸に対して互いに線対称となる位置に配置されていることを特徴とする光学式角度センサ。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段による前記第1光を前記第1反射手段に反射し、前記第1反射手段からの光を前記合成手段に向かって反射する第1反射部と、
    前記分割手段による前記第2光を前記第2反射手段に反射し、前記第2反射手段からの光を前記合成手段に向かって反射する第2反射部と、を備えることを特徴とする光学式角度センサ。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記第1反射手段および前記第2反射手段の少なくとも一方は、前記分割手段により分割された光の入射方向に沿って進退可能に設けられていることを特徴とする光学式角度センサ。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段および前記合成手段は、前記光源からの光を回折する複数の格子を有する透過型回折格子であり、1枚の透過型回折格子に併設されていることを特徴とする光学式角度センサ。
  15. 請求項1から請求項13のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段と前記合成手段との一方は、前記光源からの光を回折する複数の格子を有する透過型回折格子であり、
    前記分割手段と前記合成手段との他方は、ビームスプリッタであることを特徴とする光学式角度センサ。
  16. 請求項1から請求項13のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段および前記合成手段は、ビームスプリッタであり、1個のビームスプリッタに併設されていることを特徴とする光学式角度センサ。
  17. 請求項1から請求項15のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段は、前記光源からの光が照射される分割面を有し、
    前記合成手段は、前記分割面において前記第1反射手段または前記第2反射手段の回動軸と直交する直交方向に沿って並設される複数の格子を有し、
    前記受光手段は、前記直交方向に沿って並設される複数の受光素子を備え、前記複数の格子を介した複数の回折光を受光し、
    前記演算手段は、前記複数の受光素子が受光した前記複数の回折光に基づく複数の信号から前記測定対象の回動による角度の変化量を演算することを特徴とする光学式角度センサ。
  18. 請求項1から請求項15のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段は、前記光源からの光が照射される分割面を有し、
    前記合成手段は、前記分割面において前記第1反射手段または前記第2反射手段の回動軸と直交する直交方向に沿って並設され、前記光源からの光の光軸に対して所定の傾斜角度を有して配置される複数の傾斜格子を有し、
    前記受光手段は、前記第1反射手段または前記第2反射手段の回動軸と平行な方向に沿って並設される複数の受光素子を備え、前記複数の傾斜格子を介した複数の回折光を受光し、
    前記演算手段は、前記受光手段が受光した前記複数の回折光に基づく複数の信号から前記測定対象の回動による角度の変化量を演算することを特徴とする光学式角度センサ。
  19. 請求項1から請求項18のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記合成手段は、それぞれ位相が異なる複数の合成部を備え、
    前記受光手段は、前記複数の合成部のそれぞれに対応する複数の受光部を備え、
    前記演算手段は、前記複数の受光部が受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から前記測定対象の回動の方向および前記測定対象の回動による角度の変化量を演算することを特徴とする光学式角度センサ。
  20. 請求項1から請求項15のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段は、前記複数の格子を有する回折格子であり、
    前記第1反射手段を介する第1光または前記第2反射手段を介する第2光の光路上に配置される1/4波長板を備え、
    前記合成手段による合成光を第1分割光と第2分割光とに分割する分割ビームスプリッタと、
    前記分割ビームスプリッタにより分割された第1分割光と第2分割光との光路上に配置される第1の1/4波長板と、
    前記第1の1/4波長板を介した第2分割光の光路上に配置される第2の1/4波長板と、
    前記第1の1/4波長板を介した第1分割光を第1偏光と第2偏光とに分割する第1分割光偏光ビームスプリッタと、
    前記第2の1/4波長板を介した第2分割光を第3偏光と第4偏光とに分割する第2分割光偏光ビームスプリッタと、
    前記第1偏光から位相が0度の光を受光する第1受光部と、前記第2偏光から位相が180度の光を受光する第2受光部と、前記第3偏光から位相が90度の光を受光する第3受光部と、前記第4偏光から位相が270度の光を受光する第4受光部と、を備えることを特徴とする光学式角度センサ。
  21. 請求項1から請求項15のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段は、前記複数の格子を有する回折格子であり、
    前記第1反射手段を介する第1光または前記第2反射手段を介する第2光の光路上に配置される1/4波長板を備え、
    前記合成手段による合成光を複数の回折光とする複数の格子が並設される照射面を有する第1回折格子部と、
    前記第1回折格子部の前記複数の格子が並設される方向と前記照射面において直交する方向に並設される複数の格子を有し、前記第1回折格子部による複数の回折光をさらに複数の回折光とする第2回折格子部と、
    前記第2回折格子部による複数の回折光の光路上に配置され、該複数の回折光をそれぞれ位相の異なる複数の偏光にする複数の偏光子と、を備え、
    前記受光手段は、前記複数の偏光子のそれぞれに対応する複数の受光部を備え、
    前記演算手段は、前記複数の受光部が受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から前記測定対象の回動の方向および前記測定対象の回動による角度の変化量を演算することを特徴とする光学式角度センサ。
  22. 請求項14を除く請求項1から請求項16のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段は、偏光ビームスプリッタであり、
    前記合成手段による合成光を第1分割光と第2分割光とに分割する分割ビームスプリッタと、
    前記分割ビームスプリッタにより分割された第1分割光と第2分割光との光路上に配置される第1の1/4波長板と、
    前記第1の1/4波長板を介した第2分割光の光路上に配置される第2の1/4波長板と、
    前記第1の1/4波長板を介した第1分割光を第1偏光と第2偏光とに分割する第1分割光偏光ビームスプリッタと、
    前記第2の1/4波長板を介した第2分割光を第3偏光と第4偏光とに分割する第2分割光偏光ビームスプリッタと、
    前記第1偏光から位相が0度の光を受光する第1受光部と、前記第2偏光から位相が180度の光を受光する第2受光部と、前記第3偏光から位相が90度の光を受光する第3受光部と、前記第4偏光から位相が270度の光を受光する第4受光部と、を備えることを特徴とする光学式角度センサ。
  23. 請求項14を除く請求項1から請求項16のいずれかに記載された光学式角度センサにおいて、
    前記分割手段は、偏光ビームスプリッタであり、
    前記合成手段による合成光を複数の回折光とする複数の格子が並設される照射面を有する第1回折格子部と、
    前記第1回折格子部の前記複数の格子が並設される方向と前記照射面において直交する方向に並設される複数の格子を有し、前記第1回折格子部による複数の回折光をさらに複数の回折光とする第2回折格子部と、
    前記第2回折格子部による複数の回折光の光路上に配置され、該複数の回折光をそれぞれ位相の異なる複数の偏光にする複数の偏光子と、を備え、
    前記受光手段は、前記複数の偏光子のそれぞれに対応する複数の受光部を備え、
    前記演算手段は、前記複数の受光部が受光した光に基づくそれぞれ位相の異なる複数の信号から前記測定対象の回動の方向および前記測定対象の回動による角度の変化量を演算することを特徴とする光学式角度センサ。
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